2021年7月7日 第13回「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」 議事録

日時

令和3年7月7日(水) 17:00~18:10

場所

厚生労働省専用第21会議室(17階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

出席者

参集者:五十音順、敬称略
磯博康、小山勉、杉薫、髙田礼子、高橋正也、
嵩さやか、豊田一則、西村重敬、水島郁子

厚生労働省:事務局
小林高明、児屋野文男、中山始、本間健司 他

議題

  1. (1)脳・心臓疾患の労災認定の基準について
  2. (2)その他

議事

議事録


○本間職業病認定対策室長補佐 お時間となりましたので、第13回「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、検討会に御出席いただき、ありがとうございます。今回は、磯座長、小山委員、杉委員、髙田委員、嵩委員、豊田委員、野出委員、水島委員の8名の方がオンラインでの参加となります。また、杉委員、野出委員は、遅れての御参加、西村補償課長は所用により欠席となりますので、御了承を願います。
検討会に先立ち、傍聴されている皆様にお願いがございます。携帯電話などは必ず電源を切るかマナーモードにしてください。そのほか、別途配布している留意事項をよくお読みの上、検討会開催中は、これらの事項をお守りいただいて傍聴されるようお願い申し上げます。また、傍聴されている方にも会議室に入室する前にマスクの着用をお願いしておりますので、御協力をお願い申し上げます。万一、留意事項に反するような行為があった場合には、この会議室から退出をお願いすることがありますので、あらかじめ御了承ください。傍聴されている方へお伝えいたします。写真撮影はここまでとさせていただきます。以後、写真撮影等は御遠慮ください。よろしくお願いいたします。
次に、本日の資料の御確認をお願いいたします。本日の資料は、資料1「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書(案)」、資料2「第12回検討会の議論の概要」となっております。本検討会はペーパーレスでの開催とさせていただいておりますので、お手元のタブレットで資料等の確認をお願いいたします。それでは、磯座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。
○磯座長 資料1「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書(案)」、以下「報告書案」と言いますが、これについて検討します。本日は、前回予告したように、最終回となることを念頭に、報告書の記載ぶりの確認や検討を行っていきたいと思います。なお、ページ番号は前回と同様、報告書案のページで議論します。初めに、事務局から前回資料の修正点についての説明をお願いします。
○西川中央職業病認定調査官 本日の検討会においては、磯座長から御説明がございましたように、前回御議論いただいた報告書案につきまして、御指摘を踏まえた修正と整理を行っていますので、この内容について御議論いただきたいと思います。報告書全体の修正点について、事務局から冒頭で御説明いたします。その後の議論については、まず前回の議論の中心となった業務の過重性の評価について御議論いただきまして、そして、全体の構成なども修正しておりますので、全体の構成とか業務の過重性以外の修正点について御議論いただき、最後にⅤの「まとめ」について御議論いただければ有り難いと考えております。なお、本日の資料のうち、資料1が報告書案ですが、資料2は第12回の議論の概要となっております。こちらの説明は割愛いたしますが、適宜御参照いただければと思います。
それでは、資料1の報告書案について、前回からの修正点等を御説明いたします。資料1を御覧ください。今回、体裁を整えるということで、まず1ページ目に表紙、次に参集者名簿、開催状況には、本日の第13回までの開催状況、そして、まだページ数は入れておりませんが、目次を付けているところです。目次は、当然最終的にはページ数を入れたものが案取れ版ということになろうかと思います。
目次を見ていただきますと、Ⅰが「はじめに」、Ⅱが「脳・心臓疾患の現状等」、Ⅲが「認定基準における対象疾病の考え方」とあります。その後、前回の資料から順番を変えまして、Ⅳが「業務の過重性の評価」、Ⅴが「まとめ」としております。そして、資料1を追加しておりまして、資料1のⅠが「脳・心臓疾患の疾患別概要」、資料1のⅡが「脳・心臓疾患の危険因子」、資料2は、前回の検討会に提出した報告書案にも付いていた「疫学調査等の概要」となっております。
続いて、内容に入ります。1ページ、2ページは修正はありません。3ページ目を御覧ください。前回の検討会から修正した部分について、黄色マーカーを付けております。先ほど構成について御説明を申し上げましたが、前回検討会の「検討の視点」においては、この検討会ではこれについて検討をしたということを、報告書の項目に沿って書いていたところですが、紋切り型の表現になっている、結論との関係が分かりにくいという御指摘を頂いておりました。そこで、どのような検討を行ったかという記載ぶりも整理するとともに、特に、対象疾病の考え方と過重性の評価について重点的に検討したということ、それから、それぞれの章で検討結果のポイントを書くとともに、まとめにも検討結果の概略を書いているということなどをここでお示ししております。
3ページの色付きの部分を少し読ませていただきます。本検討会は、委託事業において収集された知見をはじめとする最新の医学的知見や個別の支給決定事例、裁判例等に基づき、脳・心臓疾患の現状等や各疾患の概要、危険因子について整理するとともに、現行認定基準の全般にわたって、その妥当性を検証し、業務の過重性の評価の具体化、明確化等についても検討を行った。その際、業務起因性を客観的かつ迅速に判断できるよう、できる限り医学的証拠に基づいた医学的思考過程に沿って検討した。特に第Ⅲ章、認定基準における対象疾病の考え方と、新しい第Ⅳ章、業務の過重性の評価については重点的に検討したところであり、それぞれ後記Ⅲ及びⅣの冒頭に検討結果のポイントを掲記するとともに、まとめにおいても検討結果の概略を取りまとめた。また、各疾患の概要及び危険因子については資料1として取りまとめた。このような形で、全体像をここで示すような形としております。
続いて、大きな章のⅡで、脳・心臓疾患の現状の関係です。体裁はあちこち修正しておりますし、参考文献の表示なども修正しております。記載ぶりとしては、10ページを御覧ください。こちらは患者調査ですが、前回の検討会で豊田先生から、患者の数は正しいのか、人口何万人当たりとか、何か限定が付くのではないかという御指摘を頂きました。要するところ、全患者数としては少ないという御指摘であったかと思います。これは、この調査の内容が、ある特定の日、ある1日間に全国の医療施設を受療した患者数の推計という統計調査となっていて、その日以外に受療した患者も当然おられるだろうということですが、統計としてはそういったものを表象していることになります。ですので、そういったことを表の注に入れるとともに、本文にも示しました。同じ修正を、11ページの表の注にも入れております。
続いて19ページです。こちらは脳・心臓疾患に係る労災補償の状況です。前回の6月22日の第12回の検討会においては、令和元年の数字が最新ということで報告書案を示しておりましたが、その後23日に、令和2年度の労災補償の状況について厚生労働省から公表いたしましたので、それを反映した形になっております。数字はグラフにあるとおりで、本文には10年平均の数字を載せております。10年平均で傾向が大きく変わるようなところはありませんでしたが、数字については修正した形になっております。併せて、行政事件訴訟の状況についても、令和2年度の数字を入れるとともに、水島先生から御指摘のあったように、勝訴、敗訴という形ではなくて、原処分取消すなわち請求認容、請求棄却という形での表記としております。
続いて21ページです。大きな章題のⅢ「認定基準における対象疾病の考え方」です。こちらは内容を大きく変更している点はありませんが、先ほど「はじめに」の所でも御説明したとおり、冒頭に検討結果のポイントということで、その下に1から4までを検討いただいておりますが、その結果を端的に四角囲みで書いております。この第Ⅲ章の検討結果のポイントとしては、脳・心臓疾患の対象疾病として重篤な心不全を追加するということ。それから、現行認定基準で「解離性大動脈瘤」と記載しているものについては、「大動脈解離」に表記を修正します。これがこの章のポイントになろうかと思っております。そして、修正した点としては、22ページです。前回も誤字があったということで御説明いたしましたが、「器質性心疾患」となっていたところを「器質的心疾患」と修正しております。また、ほかの章の引用については、並べ替えたことになどにより調整し、修正しているところです。今後もありますが、そこの説明は割愛いたします。
27ページを御覧ください。前回はⅤ章となっておりましたが、繰り上げて第Ⅳ章として「業務の過重性の評価」です。こちらについても重点的に検討いただいたということで、冒頭に検討結果のポイントを記載しております。先ほどのⅢのポイントもそうですが、このⅣのポイントも、前回の報告書案のまとめに1から9まで書いてあった部分を、更に圧縮してそれぞれの章のポイントという形で記載しております。
業務の過重性の評価の検討結果のポイントについて、第Ⅳ章は1から4までの項目がありますが、そのうち、1の過重負荷の考え方、2の異常な出来事及び短期間の過重業務、3の長期間の過重業務、これらに対応するようなポイントという形にしております。過重負荷の考え方については、現行の過重負荷の考え方は現時点でも妥当という判断となったということ、評価の基準となる労働者について、一部修正をするということ、異常な出来事及び短期間の過重業務については、業務と発症との関連性が強いと評価できる場合を例示するということ、また、異常な出来事の3類型の表記を修正するということ、そして、長期間の過重業務に関しては、1つ目は短期過重とも共通するところでもありますが、労働時間以外の負荷要因として、休日のない連続勤務、勤務間インターバルが短い勤務、更に身体的負荷を伴う業務について、新たに規定を追加するとともに、心理的負荷など、ほかの負荷要因についても整理を行ったということ、そして、業務と発症との関連性が強いと判断される時間外労働時間数、いわゆる過労死ラインと言われるような時間外労働時間数については、引き続き妥当と判断するということ、最後に、労働時間のみで業務と発症との関連性が強いと認められる水準には至らないが、これに近い時間外労働が認められ、そして、これに加えて一定の労働時間以外の負荷が認められるときには、業務と発症との関連性が強いと評価できることを明示すること。この辺りがポイントになろうかと思っております。
続いて修正したのは29ページです。前回の検討会でいろいろと御議論いただいたところ、。図4-1の下にあるなお書きの記載です。「危険因子の是正によって血管病変等の進行がとどまり、脳・心臓疾患の発症リスクが低減する可能性がある。その機序は、冠動脈の動脈硬化病変の不安定な性状からの安定化であり、症例によっては退縮も生じること、また、血管内皮機能の障害が改善することによる。したがって、脳・心臓疾患の発症予防の観点から、疲労の蓄積の解消や適切な治療などの危険因子の是正は重要である」といった表記としております。前回は長い一文で、真ん中に括弧が入っている形でしたが、括弧は切り分けた方が読みやすいのではないか、危険因子は動脈硬化危険因子に限らないのではないか、留意する必要があるというのは、どちら方向に何を留意するのかが分かりにくい、このような御指摘を受けまして、結論のところは、発症予防の観点から、疲労の蓄積の解消などが重要だということを端的に示す形で整理いたしました。
続いて36ページを御覧ください。異常な出来事の考え方です。異常な出来事の3類型の①②③とあります。①②③の内容については、これまで御議論いただいたとおりで変更しておりませんが、これらを現行認定基準と比べると、①②の書きぶりが、表記が修正されているものとなっております。そういった表記の修正をしているということが、元の報告書案では分かりにくいのではないかという御指摘を頂きまして、ここは現行認定基準の表記を一部修正し、このようにすることが妥当であることを記載しております。
続いて39ページを御覧ください。長期間の過重業務に関するストレスモデルの表記です。こちらについては、健康/不健康行動と緩和要因の修正をしております。まず、健康/不健康行動の関係ですが、食事を追加します。そして、食事はプラスにもマイナスにもなるということなので、喫煙や飲酒と並べるよりは、運動と並べるという形で、「食事、運動」と並べております。また、元は「飲酒、喫煙」とありましたが、喫煙の方が影響が大きいという御指摘を受けまして、「喫煙、飲酒」と順序を変更しております。それから、「自己保健行動」という記載は削りまして、「ストレス対処等」ということで「等」を付けております。
緩和要因の方ですが、会社からの支援の内容について、前は「医師による面接指導」と書いておりましたが、内容をはっきりさせるために、「長時間労働者・高ストレス者への面接指導」と修正しました。これは法令上、医師によるものということになりますが、それ以外にも御議論の中で出た、各企業独自に保健師、看護師による取組として実施していただいている健康相談対応などもありますので、そういったものも含めるという趣旨で、「その他、健康相談対応など」という形で示しております。
続いて48ページを御覧ください。「量的な評価」「質的な評価」としておりますが、元は「定量的」「定性的」としておりました。特に「定性的な評価」というのは分かりにくい部分もあるのではないかという御意見を頂いて、修正いたしました。
54ページを御覧ください。時差の関係です。こちらは、「おおむね」を追記したのと、「4時間を超える時差」と書いている部分を、「4時間の時差」と修正いたしました。これは、元の研究の内容が、4時間の時差に生体が直ちに適応できないという研究ですので、4時間を超えるという記載では誤解を招くかもしれないということで、修正したものです。
61ページを御覧ください。「寒冷と暑熱」の所に色が付いていますが、これは「暑熱と寒冷」を「寒冷と暑熱」に、ほかの表記とそろえて並び順を変えたものです。
63ページからはまとめになります。「生活習慣」は「食習慣」を御指摘に沿って修正したところです。まとめの本文は大きく変えておりませんが、次のような結論に達したということで、1から8までとなっております。前回は9までありましたが、9は危険因子の関係でした。全体の構成を並べ替えたことに伴い、ここに危険因子の話が入ってくると体裁としておかしくなってしまうので、9を削りました。9を削ったという趣旨で、その下の「以上の」に色を付けております。
そして、このまとめのうち1の項目については、Ⅲ章の対象疾病のポイントとして記載しております。2から8の内容については、Ⅳ章の過重性の評価のポイントとして、圧縮した上で、先ほど御説明したとおり掲記しているところです。9に記載していたことについては、後ほど資料1のⅡに移しておりますので、そちらで説明させていただきます。
64ページの下からですが、「業務の過重性の評価が客観的かつ迅速に行えるよう配慮した」、これは「はじめに」で御説明したことと対応するような表記にしております。そこから下の「過労死はあってはならない」というところですが、前回の案では、過労死はあってはならないという話以降、ずっと「過労死」「過労死等」といった標記をしていたところですが、「過労死等」については、法律上、定義のある言葉ですので、御指摘を受けて、まず、その定義を説明いたしました。(※)を付けて、その※書きについて、最後に過労死等防止対策推進法第2条の定義を記載しております。ここで「過労死等」というのは、脳・心臓疾患と精神障害を併せて呼んでいることになります。この検討会、この報告書は、あくまで脳・心臓疾患に関するものですので、できる限り脳・心臓疾患に焦点を当てた記載に修正するという趣旨で、何箇所かを修正しております。そのほか、より読みやすくするという観点から、修正を行っております。
続いて67ページを御覧ください。こちらは先ほど御説明したとおり、前回の検討会報告書案では本文の中に入っていた所、大きな第Ⅳ章と第Ⅵ章であった所ですが、後ろに持ってきた形になっています。その資料1の中で、Ⅰが疾患別の内容、Ⅱが危険因子という形で整理しております。記載内容は、基本的には移動しただけですが、68ページにくも膜下出血を追加したり、虚血性脳卒中や出血性脳卒中の後ろに括弧書きを書いているというのは、それぞれ脳出血の中にくも膜下出血を含んでいるような趣旨で書いていた部分もあったり、少しばらつきがありましたので、豊田先生の御指摘を踏まえて修正したものです。また、その下の心房細動ですが、前回は「非弁膜症性心房細動」と書いておりましたが、これに限らないということで、その限定を取って「心房細動」という形に修正しております。
79ページを御覧ください。こちらは前回も御説明しました「心室静止」としていたところですが、「心静止」の誤りですので、修正いたしました。92ページからがⅡ、脳・心臓疾患の危険因子ということで、リスクファクターの記載です。(1)危険因子の概要の下の所ですが、4行ほど黄色を塗っている部分があります。これはまとめの9に書いてあったもので、これは平成13年報告書からの整理ですが、この点に関する記載がまとめから落ちてしまったので、こちらに記載しております。複数の危険因子を有する方というのは、発症のリスクが高いということで、そのため、労働者の健康状態を把握して、基礎疾患等の程度や業務の過重性を十分に検討し、そういった基礎疾患や業務の過重性と、実際に発症した脳・心臓疾患の関連性について総合的に判断する必要があるという記載です。
その下の「脳卒中や」というところについては、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患のというように書いておりましたが、ここは脳血管疾患に関する部分であるので、追記をいたしました。93ページの修正は、先ほど疾患別概要のところで御説明した、定義をはっきりさせるという趣旨と同じです。
94ページの「増加と関連するというメタアナリシスの報告があるものの」というところですが、ここは前回の報告書案では、「増加と関連するものの有意ではなく」といった記載になっていましたが、磯先生より有意な文献もあるという御指摘を受けて、記載を修正しております。
96ページを御覧ください。ここは事務局が脳卒中ガイドラインの引用を誤っていたところを修正したものです。99ページを御覧ください。上の方は「大迫住民」と書いていましたが、それだけでは分かりにくいということで、補足を加えました。大迫研究の補足です。99ページの2の心疾患の危険因子の(1)ですが、こちらは先ほど92ページの脳・心臓疾患の方で説明した修正と同じ趣旨です。その下の「広く認知されている」という部分も、92ページと表記をそろえたというものです。
106ページを御覧ください。高尿酸血症の危険因子についての記載です。こちらも事務局の引用に一部不足があったことから、再度ガイドラインを確認して、補足と追記をしたものです。109ページからの資料2については、前回検討会に提出した報告書案の資料が、繰り下がって資料2になったというものです。
前回、本文の中でジャーナルの情報を記載すべきという御指摘がありまして、本文の脚注も修正しておりますが、こちらの資料2のエビデンステーブルについても、書誌情報ということで、掲載誌の情報を年、巻号を含めて記載したところです。第12回に提出した報告書案からの修正点の主なものは以上となります。このほか、誤字脱字の修正とか、体裁を統一する等の修正は適宜行っているところです。御説明は以上です。御議論のほど、よろしくお願いいたします。
○磯座長 それでは、ただいまの事務局から説明がありました内容について、主に3つに分けて議論を進めたいと思います。まず、前回も議論になりました資料27ページのⅣ「業務の過重性の評価」の章について検討します。Ⅳの「業務の過重性の評価」の章について、章の初めに新たに検討結果のポイントが入りました。資料27ページです。そして、29ページの図4-1と、これに関連した発症リスクの低下に関する記述について、更に資料39ページの図4-2の記載の内容について、これまでの委員の先生方の御指摘を踏まえて、最終案のとおりの記載となりました。Ⅳにつきまして何か御意見等がありましたら御発言をお願いします。
○嵩委員 1点だけよろしいですか。
○磯座長 どうぞ。
○嵩委員 29ページの図4-1の下の所の記載ですが、「なお、疲労の蓄積の解消や適切な治療などの危険因子の是正によって」という所ですが、「適切な治療などによる」という方が日本語としては理解しやすいのかなと思いましたので、もし必要でしたら、訂正していただきたいと思いました。以上です。
○磯座長 豊田先生、それでよろしいですね。「などによる」、その方が明らかだと思いますので、事務局の方で訂正してください。
○西川中央職業病認定調査官 承知いたしました。
○磯座長 「などによる危険因子の是正は」です。
○高橋委員 高橋です。同じ所で、前回からの議論として脳・心疾患の発症の防止にどういうメカニズムが入っているかというところですが、現行では動脈硬化病変の蓄積疲労の解析ですとか、適切な治療を通せば動脈硬化病変の安定化並びに内皮機能障害の改善が生じるというところは含まれています。ただ、脳・心臓疾患の防止となると、やはり不整脈等の心臓に対する神経調節の改善ですとか、あるいは血圧の変動の安定というのも、やはり重要なのかなと思うのですが、この辺りを含めるとすればどのように含めるか、いかがでしょうか。
○磯座長 この点については、豊田先生はいかがでしょうか。
○豊田委員 豊田です。前回の会議のときに私もここは発言させていただいて、そのときは何か動脈硬化以外でということでしたので、当院の小久保部長が行っております吹田研究という疫学研究で、睡眠時間と心房細動発症のことを取り扱った研究がありましたから、それを調べてきますというように前回申し上げました。小久保と話してみたのですが、彼は学会発表レベルで、6時間というカットオフをもって、それより短い睡眠では心房細動が起こりやすいというのを国際学会で発表しているのですけれども、まだ論文にはなっておりませんでした。ただ、今日、厚労省を介して聞きましたのは、高橋先生が調べてくださった統合解析、メタアナリシスなどで6時間というカットオフと心房細動の新規発症の論文は出ているということでしたので、うちの吹田研究の論文にこだわる必要はないと思います。とはいえ、29ページに引用するためには、何か十分な睡眠を取ることで、例えば心房細動だった方が洞調律に戻ったとか、そういった論文だと、ここに入れるのにふさわしいかと思うのですけれども、私が前回申し上げた睡眠時間と心房細動の話は、十分な睡眠時間を取れば心房細動が起こりにくくなるという話であって、一度起こった心房細動が洞調律に戻るという話とは違いますので、何か負荷が軽減する、退縮するという話としてはちょっと使えないかと思いました。以上でございます。
○磯座長 高橋先生、よろしいでしょうか。
○高橋委員 ありがとうございました。ここの指摘を支持するためには、ある意味介入研究や臨床行為によって病変が良くなったとかというのが一番望ましい文献引用かと思います。私も調べた限りでは非常に少ないのですが、今、豊田先生がおっしゃったような、適正な睡眠時間を取れば、広い意味で脳・心臓疾患にはポジティブだということは、まず間違いないところなのかと思うので、ここの文章のターゲットと言いますか、回復なのか正常化なのか、どこまでを言えるのかというのが、議論かと思っていました。
○磯座長 今、豊田先生のお話もあったように、行き過ぎを戻すとか、止めるといった形ではエビデンスがまだないので、基本的に危険因子の適切な治療の中には、血圧や糖尿病のコントロール、肥満のコントロールも入りますので、それによって心房細動のコントロール、予防もつながりますので、ここで特出しする必要もないと考えますが、西村先生、どうでしょうか。
○西村委員 西村です。ここのところは、主に血管病変、特に冠動脈病変についての研究報告があります。1つはいろいろな危険因子を総合的にコントロールする研究で、危険因子は高血圧、高脂血症、肥満とかいろいろありますが、治療上の目標達成レベルをそれぞれ想定して、危険因子1つだけコントロールできている人、あるいは4因子がコントロールできている人の比較もされています。急性冠症候群の発症を、相対的に約30%抑えたとする結果が多いのですが、研究成果は蓄積してきています。
研究も進み、なぜ発症を抑制できるかのメカニズムがいろいろな画像診断を使って分かるようになりました。ナンバー15番の文献は、血管超音波法を使って、ハイリスク群が研究対象なのですが、治療前後で約1年間をおいて調べると、病変の性状変化が観察できたとしています。冠動脈壁内の粥腫のボリュームの減少を認めたということです。この15の論文は、病態を画像診断法で評価する方法を用いた論文の例です。また、複数の危険因子をコントロールし、冠動脈疾患の発症あるいはそれによる死亡率が減少を認めた大規模研究は数多くありますが、その中で、特別に、過労に焦点をあて、前向き介入試験を用いて検証した研究があるかというと、明記はできるものはないわけです。7あるいは5個程度の危険因子のコントロールを行い、比較研究が行われています。この種の論文(医学的根拠)は、ガイドライン作成の根拠になっているもので、数多くとりあげることができますが、ただ、主に虚血性心疾患に限定されています。以上です。
○磯座長 ありがとうございました。それでは、ここはこのままでよろしいでしょうか。
○高橋委員 高橋です。文献の程度によりまして、基本的には現行の記述は了解できるのですけれども、39ページのNIOSHモデルは私たちがかなりこの検討会で議論したところです。ここの白い矢印ですが、緩和要因が非常に重要で、健康/不健康行動の中に受診・治療というのがありますし、それから、そもそもの左側の負荷要因の、やはり是正、緩和というのが重要になってくるので、もし可能でしたら、図4-2も適宜照らしながらとなると、この報告書の中でつながりが出てくるかなと思います。何か良い方法はありますか。
○磯座長 先生がおっしゃるのは、そういった緩和要因によって発症に至るまでの進行がとどまるという意味ですか。
○高橋委員 ここの節のここの段落の結論が、「したがって」というところからであるので、せっかく図4-2でモデル化をしているので、そちらに言及していくと強くなるのかなと思いました。
○磯座長 39ページの場合は、負荷要因が消退した場合は疲労も回復すると。こちらは疲労に結び付けていますね。ですから、29ページの最初は「なお、疲労の蓄積の解消」といったところに、39ページの図4-2の緩和要因、支援や生活上の健康行動が入るということでしょうか。あるいは、その前の緩和要因が疲労の蓄積の解消につながると。疲労の蓄積や適切な治療などの危険因子の是正、基本的には疲労の蓄積の解消の1つの要因として、図4-2の緩和要因を入れた方がいいという意味でしょうか。
○高橋委員 そうですね。図4-2の一番右のところ、最終的には疾病、脳・心臓疾患になるのですが、その大前提として疲労の蓄積が回復の不全となっているので、正に29ページで言っていることにつながるかなと思いました。
○磯座長 この後、例えば文言として29ページの図4-2で示すように、上司、同僚からの支援、要するに「周囲の支援による疲労の蓄積の解消や」というように、1つ入れておくということでしょうか。
○高橋委員 図4-2の中身をどこまで細かく入れて、29ページの記述をするかは議論かと思いますが、簡潔にするならば「図4-2を参照」ぐらいでも良いかと思っています。
○磯座長 では、後の方ですね、「後述の図4-2のように」とか「図4で示したように」というようにしますか。
○高橋委員 はい。あるいは、一番簡単であれば、「したがって」の文の文末の「重要である。」の後に、括弧して「図4-2」とか。
○磯座長 なるほど。「重要である。」の後に括弧して「図4-2を参照」と書いたらよいですか。
○高橋委員 はい。
○磯座長 いかがでしょうか。今、高橋委員の、「したがって」の後で「危険因子の是正は重要である」として、そこに「図4-2を参照」と括弧閉じでよろしいでしょうか。豊田先生、杉先生、いかがでしょうか。
○豊田委員 私は今のでいいと思いますけれども、そうした場合は、図4-2を39ページから29ページの近くに移すべきなのでしょうか。そうした方がいいように思いました。
○磯座長 図4-2は、長期間の過重労働の評価、疲労の蓄積の考え方になるので、大きく動かすと、全体の構成の調整が難しくなるので、表などを参照するときは、ページ数も一緒に併記し、ここで括弧して「図4-2、39ページを参照」というようにすれば、見ていただけるのではないかと思います。
○豊田委員 そうですね。図4-2が本来39ページの記載により合った内容ということでしたら、それでよいと思います。ありがとうございました。
○磯座長 分かりました。ほかにございませんか。よろしいでしょうか。では、先生方、ありがとうございます。業務の過重性の評価の章についてはおおむね御意見がまとまったので、次に進みます。もし、後ほどこの会議が終わった後で何かありましたら御意見をください。そのときは、私の方で、座長一任として修正させていただきます。その形でよろしくお願いします。
次は、報告書の章立て、構成に関する検討です。前回の報告書案では、Ⅰの「はじめに」からⅦの「まとめ」まで、7章で構成されていましたが、今回の報告書案では、前回の脳・心疾患の疾患別概要と危険因子の2つを資料を、「まとめ」の後に配置する形で、変更しています。また、御意見のありました「はじめに」についてですが、検討会での結果を報告書のどの章に記載しているかについて記載しています。
さらに、先ほどのⅣ「業務の過重性の評価」で見たように、21ページ、Ⅲの冒頭にも括弧して検討結果のポイントを入れ、分かりやすくしています。Ⅲ「認定基準における対象疾患の考え方」と、Ⅳ「業務の過重性の評価」の冒頭にサマリーを挿入しています。このような章立て、構成、記載ぶりについて何か御意見等がありますでしょうか。これは前回で議論した形で事務局は対応したものですが、よろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、これについて御了承いただいたものとさせていただきます。
それでは、次に進みます。最後の検討になりますが、Ⅴ「まとめ」についてです。前回の委員の皆様方からよくまとまっているという御意見もあったところですが、非常に大事なところですので、今回もしっかり確認したいと思います。これにつきましては、何か御意見等がありましたらお願いします。いかがでしょうか。内容的には、私は特に問題ないと思いますが、法律上の観点から水島先生、嵩先生にコメントを頂ければと思いますが、いかがでしょうか。
○水島委員 検討会の前にも確認させていただきまして、私からは問題ないと考えております。
○磯座長 嵩先生、いかがでしょうか。
○嵩委員 私も今回のこちらの記載で特に問題はないと思っています。
○磯座長 ほかの先生方はいかがでしょうか。
○髙田委員 髙田です。今回の出していただいた報告書案で問題ないと思っております。
○磯座長 杉先生、いかがでしょうか。
○杉委員 私もこのまとめで非常に良いと思っております。よくまとまっていると思います。
○磯座長 豊田先生、いかがでしょうか。
○豊田委員 良いまとめだと思います。特に修正点はございません。
○磯座長 西村先生、いかがでしょうか。
○西村委員 西村です。特に追加等はございません。
○磯座長 高橋先生、いかがでしょうか。
○高橋委員 特段コメントはないのですが、ここの64ページの下から3段落目で、労災保険制度というコメントがあって、この段落での指摘は全くそのとおりなのですが、こういった国の制度に関して、ある意味特出しで出てきたように感じますので、ここを「労災保険制度は」という主語で始めたその根拠というか、背景みたいなものが事務局として何かございましたらお聞かせいただければと思います。
○磯座長 事務局はいかがでしょうか。
○西川中央職業病認定調査官 この検討会はもともと労災保険制度における脳・心臓疾患の認定の在り方について御検討を頂いているものですので、労災の対象となる脳・心臓疾患について検討を頂いたということと、その上で労災保険制度というのは、不幸にして死亡であるとか健康を損なうとか、そういった状態が生じたときに保険給付を行うもので、その基準を検討していただいたわけではございますけれども、補償の話になる前に、生命、健康とはかけがえのないものなので、そもそもそういった災害といいますか、疾病、死亡を防止していくことが非常に重要だと、過労死等はあってはならないのだという趣旨で書かせていただいたものです。もし「労災保険制度は」という主語が目立ちすぎるということであれば、少し順番を替えることはあり得るのかと思います。
○磯座長 これについてはどうでしょうか。最後のまとめとして、その1番から8番までが我々が実際に検討したまとめの要約です。事業主、国民に対するメッセージとして、もう一度強調したという背景があると推察します。どうでしょう、これも法律の観点から、こういった形で特に不自然ではないのか、お二人の法律の先生に聞きたいのですが、よろしいでしょうか。水島先生、嵩先生、順番でお願いします。
○水島委員 水島です。先ほど御説明がありましたように、この脳・心臓疾患の認定は、労災保険制度の中で行うものなので、違和感はありませんでした。ただ、一般の方が読まれる文章ということを考えたときに、「労災保険制度は」という主語はやや唐突であるかもしれません。そうでしたら、「不幸にして業務上の事由により被災した労働者やその遺族」を主語にするという方法もあろうかと思いますが、事務局でご検討いただけますでしょうか。
○磯座長 嵩先生、いかがでしょうか。
○嵩委員 ここの段落以下は今までのお話と多分少し違う観点の話だと思うのです。「過労死等」ということで、より広いものについて、そのようなものがないようにしていくべきであることを言っているところで、私たちの検討してきたものの前提となるようなところなのかなと思います。その中で、我々は労災保険制度の中の認定の話をしていましたが、前提としてやはりそういった過労死等を少なくしていくとか、あってはいけないということをメッセージとして残すということは重要だと思うので、ここはこういった記載をするのは必要なことかなと思いますが、先ほど水島先生がおっしゃったように、もし唐突感があって、急に一般論みたいな話が出てきて戸惑うようなことがあるとしたら、我々が検討してきたものにつながるように、そこから一般的な話につながるという形にした方が、ひょっとしたらつながりがよいのかなという気はしました。
○磯座長 ここをどうしたらよろしいですか。最初の「労災保険制度は」というのを削って。
○西川中央職業病認定調査官 水島先生の御指摘のとおり、労働者の方や御遺族を主語にし、この段落を「不幸にして」から始めまして、「不幸にして、業務上の事由により被災した労働者やその遺族に対しては、労災保険給付が行われるものであるが、人の生命・健康はかけがえのないものであり」というようにつなげることは可能かと思います。
○磯座長 では、その「労災保険制度は」を削りましょうか。これについてほかに御意見等はございませんか。高橋先生、これを削る形でよろしいですか。
○高橋委員 そうですね、そのように織り込むのは妥当かと思います。
○磯座長 あと、ここで、その3行下の「過労死等」と「等」を入れたのは、実際は精神も入るから、ここでは「等」と入れたわけですね、確認です。
○西川中央職業病認定調査官 はい、さようでございます。
○磯座長 はい、分かりました。
○西村委員 西村です。ここで労災保険というのが出てくるのですが、1ページの最初で、認定基準作成の歴史が記載されています。労災補償の中でこの認定基準ができ、いろいろな疾患が該当すると判断するようになってきたとの記載です。労災補償制度には歴史があって、昭和20年代に始まったと聞いています。歴史的な俯瞰をするために、最初のところにもその労災補償制度の開始年度等の記載をすれば、歴史を理解していただけるのではないかと思います。御検討を頂ければ幸いです。
○磯座長 1ページですか。
○西村委員 はい、1ページの認定基準が何年に始まったというところです。「認定基準改正の経緯」というのが2ページにありますね。1ページの3「検討の視点等」の(1)現行認定基準の考え方。こういったところに、労災補償がいつ始まったということを記載したらどうかと思います。国民皆保険制度が実現された昭和36年の前から、労災保険制度があり、引き継がれ今に至っている経緯を理解してもらっても良いのではないかと思うのです。
○磯座長 事務局はどうですか、できますか。
○西川中央職業病認定調査官 はい、先ほどの業務上の疾病や死亡に対して、労災保険給付が行われるということと対比する形で、もともと制度はいつ始まって、その中でも脳・心の認定基準が昭和36年からでというようなことが分かるような記載を1ページの3の(1)の冒頭に追加すべしという御指摘ですね。
○西村委員 されたらどうでしょうかという提案です。
○西川中央職業病認定調査官 はい、そのように対応させていただきたいと思います。
○磯座長 はい、よろしくお願いいたします。文言の修正後、私と西村先生の方で確認して、確定させていただきたいと思います。ほかにありませんでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。これで検討事項は以上となります。
そのほかの資料について、先ほど事務局からの説明がありましたが、資料の黄色の所については大丈夫でしょうか。豊田先生、杉先生、よろしいでしょうか。
○豊田委員 特に問題はないと思います。
○磯座長 ありがとうございます。
○杉委員 杉です。問題ないと思います。
○磯座長 西村先生、よろしいでしょうか。
○西村委員 特にございません。
○磯座長 それでは、以上で検討事項を全て終わりましたが、字句の修正など、細かい点については、先ほど申し上げましたように、私の方、若しくはその担当の先生に御意見を頂いて、座長に一任させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(異議なし)
○磯座長 ありがとうございます。全体として御異論のないことを確認いたしましたので、報告書については私が最終的な確認をしまして、字句の修正などを事務局に指示した上で完成させ、厚生労働省に提出することといたします。
以上で「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」について、全ての検討を終わりました。委員の先生方につきましては、1年1か月間、長い間検討に参加いただきまして、また様々な建設的な御意見を頂きまして、誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。これで議事を事務局にお返しします。
○本間職業病認定対策室長補佐 長時間の御議論ありがとうございました。ただいま座長から御発言のありましたとおり、脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書は、事務局におきまして座長の最終的な御確認、御指示を頂き完成させていただくことといたします。本検討会の最後に当たり、小林審議官から御礼の御挨拶がございます。
○小林審議官 労災担当審議官の小林でございます。本日の専門検討会での御意見、御議論、誠にありがとうございました。本検討会は、脳・心臓疾患の労災認定基準について、平成13年以降、改正されていないことなどの実情から、最新の医学的知見を収集した上で、昨年6月10日に第1回を開催いたしました。以降、13回の御議論を重ねていただき、本日、専門検討会報告書(案)について委員の皆様の御了解を頂き、最終的な取りまとめをさせていただく段階に至りました。これも大変御多用中のところ、貴重なお時間を割いて御議論に御参加くださいました座長の磯先生をはじめ、各委員の皆様の深い御理解と御協力のたまものと重ねて御礼を申し上げます。
脳・心臓疾患の労災認定基準は、平成13年度に現在の長期間の過重負荷の考え方を盛り込む改正が行われて以来、実に20年ぶりに全面的な検証と見直しを行うものであり、本検討会は前回開催以降、蓄積されてきた医学的知見などを総括し、現在の労働環境などに適合した脳・心臓疾患の認定基準に改正するための取組でございました。今後、座長に御確認いただいた報告書を公表した上で、報告書を踏まえた認定基準の改正を行ってまいります。今回御報告いただく最新の医学的知見に沿った認定基準といたしますとともに、より一層、現在の労働環境にマッチした脳・心臓疾患の労災認定が行われますよう努めてまいりますことをお約束いたします。
また、各委員におかれましても、引き続き労働基準行政の推進に当たりまして、御意見などを頂戴できれば幸いでございます。
最後になりますが、本日の検討会で脳・心臓疾患の労災認定基準に関する検討会はひとつの区切りを迎えたわけでございますが、各委員の本日までの多大なる貢献に重ねての御礼を申し上げまして、私からの御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
 ○磯座長 本当に先生方ありがとうございました。そして厚生労働省の関係者の皆様、この様な形でまとめることができまして、我々も非常に嬉しく思いますし、疲労の蓄積がないことを祈っております。ありがとうございました。
○本間職業病認定対策室長補佐 以上をもちまして、脳・心臓疾患の労災認定基準に関する専門検討会を終了とさせていただきます。本日は大変お忙しい中、誠にありがとうございました。
○磯座長 ありがとうございました。