第25回救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会(議事録)

医政局地域医療計画課 救急・周産期医療等対策室

日時

令和3年7月16日(金)
16:00~18:00

場所

主婦会館プラザエフ クラルテ

議事

下記のとおり
2021-7-16 第25回救急・災害医療提供体制等のあり方に関する検討会
 
○土屋専門官 ただいまから、第25回「救急・災害医療提供体制等のあり方に関する検討会」を開催させていただきます。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 さて、救急・災害医療提供体制のあり方に関する検討会開催要項では、「4 運営」の「(3) この要綱に定めるもののほか、会議の運営に関し、必要な事項は、座長が定めることとする」とされております。
 従来、本検討会は公開で開催をさせていただいているところではございますが、今般の新型コロナウイルス感染拡大防止の観点を踏まえて、あらかじめ事務局と遠藤座長で協議を行わせていただき、今回の検討会は、公開の検討会として実施、従前どおり、資料や議事録については厚労省ホームページで公開、ただし、傍聴については、事前に御希望があったマスコミの方については体調不良がないことをあらかじめ御申告いただいた場合に認め、それ以外の一般の傍聴者はなしという形での開催とさせていただくこととしております。
 構成員の皆様におかれましては、あらかじめこの点について御了承ください。
 また、今回は会場にお越しいただいた構成員の方と、ウェブで参加される構成員の方の併用で開催しております。
 会場には遠藤座長、加納構成員が参加されており、その他の構成員の方には、ウェブで御参加いただいております。
 また、本日、山崎構成員から御欠席の連絡をいただいております。
 なお、本日はオブザーバーとして、国土交通省水管理・国土保全局 河川環境課長の内藤様に会場にお越しいただくことになっておりますが、ほかの用務の都合で遅れて参加されます。
 また、総務省消防庁救急企画室救急専門官の小塩様にウェブで御参加いただいております。
 まず、御発言の方法から確認させていただきます。
 ウェブ参加されている構成員の方々におかれましては、御発言の際は、ズーム画面の下部にございますリアクションボタンまたは参加者一覧の下部から「手を挙げる」をクリックしていただき、指名を受けてからマイクのミュート解除し、御発言をお願いいたします。
 発言終了後は、再度、マイクをミュートにし、「手を挙げる」を解除していただきますようお願いします。
 手を挙げるボタンがない場合は、代わりに画面に向かって手を挙げていただくなど、アピールをお願いいたします。
 それでは、お手元の資料を御確認ください。
 まず、議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料1から3、参考資料1、2-1、2-2、3、4-1から4-4をお配りしております。不足等がございましたら、事務局までお知らせください。
 報道の方で、冒頭カメラ撮り等をしておられる方がおられましたら、ここまででお願いいたします。
 それでは、遠藤座長に以降の議事進行をお願いいたします。
○遠藤座長 皆様、こんにちは。
 お忙しい中、御参集をいただきましてありがとうございます。
 それでは、早速、議事に入らせていただきます。
 議題の1「改正救急救命士法の施行に向けた検討について」でございます。
 それでは、資料の1について、事務局より説明をお願いします。
○土屋専門官 改正救急救命士法の施行に向けた検討について御説明いたします。
 資料の構成といたしましては「1.医療機関に所属する救急救命士の資質及び当該救急救命士が行う業務の質の担保を目的とした取組に関するもの」「2.医療機関に所属する救急救命士に対する研修の項目に関するもの」「3.取りまとめ(案)」となっております。
 また、前回検討会で御意見いただきました、学会のガイドラインについても、後ほど御説明をさせていただきます。
 3ページを御覧ください。
 医療機関に所属する救急救命士の資質及び当該救急救命士が行う業務の質の担保を目的とした取組について、前回の検討会でお示しした資料になります。
 一部改変とありますのは、前回ページ数が記載されていた部分を取り除いたのみです。
 それぞれの項目について、以降で御説明させていただきます。
 4ページを御覧ください。
 前回いただいた御意見と、それを踏まえた事務局案を整理させていただいております。
 (1)委員会の設置についてです。
 前回の主な御意見としては、
・委員会を構成するメンバーの中には、メディカルコントロールを理解した医師あるいは看護師が入っていることが必須ではないかという御意見。
 一方で、
・個々の病院にまで隅々にわたって非常に固く決めるのではなく、経験をまとめたような形で、学会でガイドラインという形で示されればよいのではないかという御意見をいただきました。
 これらの御意見を踏まえて、事務局案です。
 救急外来の人員体制等が医療機関ごとに異なることに鑑みれば、委員構成を含めた委員会運営に関する事項については、医療機関ごとに、各々の実情を踏まえながら検討することが基本になるものと考えられます。
 こうした中でも、救急救命士が行う業務の質を担保するとともに、医療安全を確保する観点から、救急救命処置を指示する医師、医療安全管理委員会の委員、その他当該委員会の目的を達するために必要な委員、救急外来に従事する看護師等の参画は不可欠と考えられます。
 こうした観点から、厚生労働省において定める取扱いとして、
・救急救命士を雇用する医療機関は、当該救急救命士に救急救命処置を実施させる場合は、救急救命士による救急救命処置の実施に関する委員会を設置すること。
・委員会は、救急救命処置を指示する医師、医療安全管理委員会の委員、その他当該委員会の目的を達するために必要な委員(救急外来に従事する看護師など)により構成することとしてはどうか。
 なお、厚生労働省が定める取扱いのほか、委員構成など委員会運営に関して望ましい内容については、学会のガイドラインの中で示していただくこととしてはどうかと御提案させていただいております。
 5ページを御覧ください。
 「(2)委員会で定める救急救命処置に関する規程について」です。
 前回の主な御意見としては、
・院内で働く救急救命士にどういうふうに指導、助言をしていくか、そういった医師に対する研修や講習も必要なのではないか。
・救急救命士を雇っている医療機関に所属する、主に医師、看護師の教育についてもこの委員会が担っていくことが必要であるという御意見をいただきました。
 これを踏まえて、事務局案です。
 救急救命士が実施する救急救命処置の範囲や、救急外来の人員体制等が医療機関ごとに異なることに鑑みれば、救急救命士以外の医療従事者への周知・研修を含めた救急救命処置の実施体制については、医療機関ごとに、おのおのの実情を踏まえながら検討することが基本になるものと考えられます。
 こうした中でも、医療安全を確保する観点から、当該医療機関において、救急救命士が担う救急救命処置の範囲や救急救命処置を指示する医師については、あらかじめ医療機関内で共有しておくことが不可欠と考えられます。
 こうした観点から厚生労働省において定める取扱いとして、
・委員会においてあらかじめ救急救命士が実施する救急救命処置に関する規程を定めること。
・当該規程において、実施する救急救命処置の範囲及び救急救命処置を指示する医師を定めること。
・医療機関は救急救命処置を指示する医師、その他救急救命士と協働する医療従事者に対し、当該規程の内容及び救急救命処置を実施する救急救命士について周知を行うこと。
 なお、厚生労働省が定める取扱いのほか、指示する医師以外の者から実施を求められた場合の対応など、救急救命処置に関する規程に定めることが望ましい内容。
 救急救命士以外の医療従事者への研修の在り方など、救急救命処置の実施体制に関して望ましい内容については、学会のガイドラインの中で示していただくこととしてはどうかと御提案をさせていただいております。
 6ページを御覧ください。
 「(3)委員会で定める研修内容に関する規程及び研修実施状況の管理について」です。
 研修の項目に関しては、10ページ以降で御説明させていただきます。
 前回の主な御意見としては、
・救急救命士を新たに雇うという中で、医療安全、感染対策、チーム医療について一定のeラーニングといった形のものがあると、多くの医療機関がそれを活用して研修を実施できるのではないか。
・標準研修に、個々の病院に必要なことをアドオンするのがよい。
 という御意見をいただきました。
 これを踏まえて事務局案です。
 救急救命士が行う業務の質を担保する観点から、救急救命士に対して実施する研修について、国が示す研修項目等を踏まえた検討や、研修の実施状況の記録・保存が不可欠と考えられます。
 その上で、救急救命士が実施する救急救命処置の範囲や救急外来の人員体制等が医療機関ごとに異なることに鑑みれば、研修の実施体制方法や開催頻度など詳細については、医療機関ごとに、おのおのの実情を踏まえながら検討することが適切と考えられます。
 こうした観点から厚生労働省において定める取扱いとして、
・委員会において、国が示す研修項目について、学会が示すガイドラインを踏まえつつ、あらかじめ当該医療機関で救急救命士に対して実施する研修内容に関する規程を定め、医療機関はそれに基づき研修を実施すること。
・医療機関において、研修の実施状況、具体的には受講者名、受講日時、実施した研修項目を記録し、当該者を雇用する間、保存すること。
・研修方法については、eラーニング形式の研修等、学会、団体、民間企業等が実施する外部の研修を活用することも可能としてはどうか。なお、可能とする場合には、医療機関において、研修の実施状況について記録・保存する旨の取扱いを定めることとしてはどうか。
 と御提案させていただいております。
 7ページを御覧ください。
 「(4)委員会で定める救急救命処置の検証に関する規程について」です。
 前回の主な御意見としては、
・救急救命処置録が、診療録とどういった関係になるかということもきちんと決めておかなくてはならない。
 という御意見をいただきました。
 これを踏まえて事務局案です。
 救急救命士が行う業務の質を担保する観点から、救急救命処置の実施状況に関する検証を行うとともに、検証結果を踏まえ、救急救命処置の範囲や研修内容等について必要な見直しを行うことが不可欠と考えられます。
 その上で、救急救命士が実施する救急救命処置の範囲や救急外来の人員体制等が医療機関ごとに異なることに鑑みれば、検証の方法や体制など、詳細については、医療機関ごとに、おのおのの実情を踏まえながら検討することが適切と考えられます。
 ※書きとして、救急救命処置録と診療録について記載しております。
 こうした観点から、厚生労働省において定める取扱いとして、
・医療機関において救急救命処置の実施状況に関する記録を管理すること。
・委員会において、救急救命処置の実施状況に関する検証方法等に関する規程を定めること。・委員会において、当該規程に基づき検証を実施するとともに、必要に応じ救急救命士が実施する救急救命処置に関する規程や研修内容に関する規程について見直しを行うこと。
としてはどうか。
・なお、厚生労働省が定める取扱いのほか、救急救命処置の実施状況に関する検証に関して望ましい内容については、学会のガイドラインの中で示していただくこととしてはどうか。
 と御提案させていただいております。
 ここまでが、医療機関に所属する救急救命士の資質及び当該救急救命士が行う業務の質の担保を目的とした取組に関する御説明となります。
 次に、医療機関に所属する救急救命士に対する研修の項目に関して、御説明させていただきます。
 9ページを御覧ください。
 こちらは、前回の検討会でお示しした資料になります。
 続いて、10ページを御覧ください。
 前回、研修項目についての主な御意見としては、医療安全において、
・MRI検査室における事故も頻度が高いため、十分に気をつけていただく必要がある。
・災害のときの院内対応のフロントラインは、救急外来になることが多いと想定されるため、全病院的な課題の1つとして、院内でのレスポンスを入れ込んでいくべきではないか。
 感染対策において、
・清潔、不潔だけではなくて、滅菌といったより細かいところもきちんとした研修が必要である。
 チーム医療において、
・医師、看護師だけではなく、他のメディカルスタッフも含めた多職種連携が必要であり、ここに関しての研修は、少し重点を置かなくてはいけないのではないか。
 という御意見をいただきました。
 それを踏まえた事務局案として、
・これまでの議論を踏まえ、次のページのとおり、研修項目を定めてはどうか。
・なお、厚生労働省において定める研修項目に関し、さらに詳細の項目や、各項目の研修に要する時間など、研修の実施に関して望ましい内容については、学会のガイドラインの中でお示しいただくこととしてはどうか。
と御提案させていただいております。
 11ページを御覧ください。
 研修の項目のイメージをお示ししております。
 左側の矢印でお示しします内容、こちらは、医療安全、感染対策、チーム医療といった内容ですとか、それぞれの項目、また、救急用自動車等との違いを踏まえた留意点につきましては、厚生労働省において定めます。それぞれ詳細な項目については、学会のガイドラインで例示いただくものと整理しております。
 なお、御意見いただいたMRIについては、医療安全のうちの放射線機器の使用の項目の詳細な項目、災害時の対応については、医療安全の多数傷病者の対応として傷病者の管理の詳細な項目に、滅菌については、感染対策の清潔・不潔の項目の詳細の項目に反映させていただいております。
 以上を踏まえ、これまでのページで御説明をした事項についてまとめたものが、13ページ、14ページとなってございます。
 こちらの内容は、これまでのページから取ってきたものですけれども、13ページの一番下の※書きの部分について、厚生労働省が実施する救急医療機関の実態調査の中で、救急救命士の雇用状況、研修の実施状況、検証の実施状況等について、把握を進めていくこととして追加しております。
 これ以外、特に新しい項目は追加しておりません。
 15ページを御覧ください。
 「学会によるガイドラインの作成について」です。
 冒頭に申し上げたとおりですが、前回の主な御意見として、
・具体的にどんな委員会で、どんなことをやるかというとことは、それぞれの医療機関が決めるのも大変なので、例えば救急関連の学会等で、ある程度モデルみたいなものをぜひ作っていただいて、それが参考にできるとありがたい。
・各医療機関の個別性が非常に高いので、例えばモデルなり、そういうものは提供していただくけれども、その取捨選択は個別の医療機関の裁量に任せるべき。
・具体的な運用や連携の概要については、ぜひガイドラインの作成をお願いしたい。細かな研修内容については、関係学会がこれから検討することは賛同するが、看護師も現場で協働する際に関係するため、看護師も検討に加えていただきたい。
・日本救急医学会、日本臨床救急医学会で共同して何らかのもの出していきたい。
 という御意見をいただきました。
 それを踏まえ、日本救急医学会及び日本臨床救急医学会において、専門的な知見を生かしつつ、ガイドラインを作成していただく方向です。
 厚生労働省においては、医療機関に所属する救急救命士の資質及び当該救急救命士が行う業務の質の担保を目的とした取組や、医療機関に所属する救急救命士に対する院内研修の項目に関する取扱いを定める際、あわせて、当該ガイドラインについても、各医療機関において具体的な取組を検討する際に参考とすることが望まれる取組、または研修内容として周知する方針でございます。
 ガイドラインの案につきまして、この後に溝端先生より御説明をお願いしております。
 以上、改正救急救命士法の施行に向けた検討について御説明させていただきました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、引き続いて、溝端構成員、お願いいたします。
○溝端構成員 日本臨床救急医学会の溝端です。
 それでは、参考資料2-1と、そして参考資料2-2を御確認いただきながら、御説明させていただきたいと思います。
 まず、参考資料2-1を御確認ください。
 今回、日本臨床救急医学会と日本救急医学会とで、医療機関に勤務する救急救命士の救急救命処置実施についてのガイドライン(案)を作成いたしました。
 先ほど厚生労働省の土屋専門官からお話のありましたものですけれども、その概要について説明いたします。
 まず、このガイドライン(案)ですけれども、日本臨床救急医学会から4名、そして、日本救急医学会から4名の委員が参加しまして、さらに救急救命士教育施設協議会から救急救命士の資格を持った者1名をオブザーバーとして参加いただき、本ガイドライン(案)を作成しています。
 日本臨床救急医学会の4名のうち1名は看護師の資格を有する者です。それと先ほど申し上げましたように、協議会の1名は救急救命士ということで、医師を含めた多職種での検討を行っております。
 また、この2つの学会以外に、一般財団法人日本救急医療財団及び一般社団法人日本病院前救護統括体制認定機構からの御意見などを伺いながら、今回の案を作成しています。
 本日、お示しますガイドライン(案)の位置づけけれども、前回、6月4日の第24回救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会で示された事務局からの案及び検討会の構成員の皆様からいただいた御意見を踏まえまして、厚生労働省が示す省令または通知で規定される内容以外に、医療機関ごとに、それぞれ考えるべき点や、また、その例示などをエキスパートオピニオンとして、まとめました。
 それぞれの項目には、基本的な考え方、ポイント、そして院内規程にする場合の具体例等を記載しています。
 各医療機関は、これを踏まえまして、ガイドラインの内容を適宜取捨選択していただくことで、救急救命士の院内委員会や、あるいは研修等に関して、一定程度その業務の質を担保していただけるだろうということを期待しております。
 本案ですけれども、現在は、日本臨床救急医学会及び日本救急医学会の担当する委員会等において、ガイドライン(案)としての確認を受けた段階ですので、今回の第25回救急・災害医療検討体制等の在り方に関する検討会での議論を踏まえて、令和3年の9月中には両学会の正式な承認を取得し、公表させていただく方向に向かいたいと思っています。
 また、今回作成を目指したガイドラインは、あくまで改正救急救命士法が施行される前の現時点、7月の時点における救急医療機関等の状況を踏まえたもので、今後、適宜見直し等を行う可能性はございます。
 ガイドラインの内容につきまして、次のページに、その目次を示しています。
 まず、内容に入る前に3項目、救急救命士と本ガイドライン作成の背景ということで、救急救命士という職種の理解を促すために、簡単ではございますが説明させていただきました。
 次に、救急救命士法の改正と整備事項ということで、今回の法改正で何が変わったのかということを整理しています。
 3番目として、本ガイドライン作成のプロセスで、2つの学会と、そして、1つの財団及び機構の案を参考にしながら作成したということを説明させていただいています。
 内容としましては、大きく2つに分かれていまして、1つ目が、医療機関が設置する院内委員会について記載しています。そして、もう一つが、研修について記載しています。
 1つ目の院内委員会については、1-1として、院内委員会の設置と規程というところで、院内委員会を構成するメンバーとして、特に指示を出す医師や、医療安全のメンバーが入ったほうが望ましいということが記載されております。
 1-2は、院内委員会での検討事項ということで、1-2-1から1-2-8までを書いています。
 救急救命処置を実施する場所、そして、各医療機関において実施する救急救命処置の範囲、これは、医療機関によっても違ってきますし、雇用されている救急救命士の資格によっても実施できる処置が変わってくるということを書きまして、その表なども提示させていただいています。
 そして、1-2-3としては、救急救命処置を指示する医師を誰にするかということの規程、また、処置の記録と評価を示しています。
 そして、1-2-5として、救急救命士が院内で実施する救急救命処置以外の業務についても記載いたしました。
 さらに、1-2-6では、研修の実施と管理について、また、1-2-7で、救急救命士の業務の質を保障する観点から必要となる事項として、勤務している救急救命士が有する資格や技術、そして、他の医療機関や消防機関での勤務経験を有する救急救命士もいると思いますので、そういった人たちに対しては、しっかりと院内での対応というものについて周知する必要があるということを記載しています。
 1-2-8としては、院内で救急救命士を運用する場合に必要と考えられる事項ということで、指示を出すことが許されていない医師から指示を受けた場合への対応や、自分自身が実施することが許されていない救急救命処置についての指示を受けた場合の対応を、具体例を示して記載しています。
 2番目の研修ですけれども、2-1受講する研修の項目として、厚生労働省から示された医療安全、感染対策、チーム医療といった3つの項目に加えて、不適切な救急救命処置の実施と、救急救命士に求められる役割という項目についても追記し、表にして提示しています。
 参考資料2-2の27ページからの表が、その研修内容になります。
 2-2では受講の方法として、eラーニングあるいは座学、シミュレーション等が考えられるといった例示と、そして大枠としての時間数を提示しました。
 さらに、救急救命士が救急救命処置の技能を維持していくために、研鑽的に行う生涯学習等についても、まとめています。
 今回こういったガイドライン(案)を作成しましたが、先ほどの厚生労働省のお話を受け、さらに、指示する医師や協働する医療従事者に対する周知といった点で、どういう方針を組み入れていくかということを追加していきたいと考えています。
 また、多数傷病者への対応といったことも、まだ少し書き切れていないところがございますので、それも追加していきたいと思っています。
 私の方からは、以上です。よろしくお願いします。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま事務局から説明のありました内容、これには、これまでの議論を踏まえて、事務局原案が盛られております。
 さらに、ただいま溝端構成員から御説明がありましたガイドラインについての考え方、これらについて御意見、御質問等をいただければと思います。いかがでございましょう。
 では、長島構成員、久志本構成員、本多構成員の順でお願いいたしたいと思います。
 では、長島構成員、どうぞ。
○長島構成員 日本医師会の長島でございます。
 今回の事務局案、取りまとめ案に賛成いたします。
 また、学会員におけるガイドライン作成を提案しました本人といたしまして、この短期間で、詳細かつ具体的な例も含めたガイドラインを作成していただいたことに、深く感謝いたします。
 本日、これをよく拝見させていただきまして、例えば、各団体で何かしらの考えがあれば、それを学会にお伝えして、参考にしていただくような機会を、ぜひ、設けていただければと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、久志本構成員、お願いいたします。
○久志本構成員 事務局案に基本的に賛成です。
 あと、確認しておきたいことが幾つかございまして、1つが、学会のガイドラインの案ですけれども、ここに関しては、参考とすると書いてあって、一方、ガイドラインですので、単に参考というわけにはいかないかなと思います。
 ですので、省令・通知と、それからガイドラインの位置関係といったところを明確にしていただければというのが1点です。
 それから、ちょっと今回はあまり触れられておりませんけれども、救急救命士が処置を行うに際しての事前の院内における事前説明あるいはインシデント、アクシデント等が起きたときの責任と補償等に関しても、多分、明示しておくことが必要ではないかなと思います。
 以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 事務局、何かコメントはありますか。
○永田救急・周産期医療等対策室長 事務局でございます。
 まず、久志本先生からございました、今回の学会によるガイドラインの作成に関する位置関係というところで、事務局から御説明をさせていただいた資料1の15ページ目を御覧ください。
 一番下の四角で書いてございますけれども、今回、ガイドラインの御作成をいただいているところでございますが、厚生労働省としましては、今後、厚生労働省として示していく、例えば、通知などの中でこういったガイドラインのことについて、下に記載してございますように、医療機関に所属する、こういった救急救命士の資質及び当該救急救命士が行う業務の質の担保を目的とした取組や、医療機関に所属する救急救命士に対する院内研修の項目を各医療機関が定める際に、併せてこのガイドラインについて、各医療機関においても具体的な取組を検討する際に、参考とすることが望まれるといったような趣旨で、各医療機関の取捨選択ということを基本としながらも、こういったことを参考としてくださいというような形で、何らかお示しをしていきたいと考えているところでございます。
 一旦、以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、本多構成員、いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。
○本多構成員 ありがとうございます。埼玉県の本多でございます。
 私も基本的には同じですが、賛成ということで意見を述べさせていただきたいと思います。
 前回の検討会では、メディカルコントロールの観点から、どういう整理ができるのか、また、整理が必要だということで、コメントをさせていただきました。今回、大変分かりやすく、全体の項目もバランスの取れたガイドライン(案)を示していただき、また、これに基づいて、厚生労働省のほうにおいて取扱いを定めるという方向性を示していただきました。分かりやすく、適切な枠組みができたのではないかと思いますので、事務局案に賛成いたします。
 以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、お手を挙げられている井本構成員、どうぞ。
○井本構成員 ありがとうございます。日本看護協会の井本でございます。
 意見を2点ほど、申し上げたいと思います。
 前回、本検討会で、ガイドライン案を一から検討するよりも、先に学会で案を検討してもらうほうがよいという意見が大半だったことを受け、今回、ガイドライン(案)が示されたと思いますが、この案は検討会で議論し、国が示すものと認識しておりました。
 先ほど久志本構成員の御発言にもありましたけれども、安全性を担保するために、ガイドラインをしっかり現場に伝えるためにも、学会に策定いただいた案を本検討会で議論し、国が示すほうがいいと考えております。
 あと、もう一点ですが、参考資料2-2の案は、病院で救急救命士が働く上で必要な情報が網羅的にまとめられており、大変有用だと感じました。短期間でおまとめいただいたことに感謝申し上げたい。
 内容について1点意見を述べたいと思います。先ほどの溝端構成員の説明で、議論の整理で取り上げられている内容や、本日の検討結果、そして今後発出される厚労省の省令や通知についてもガイドライン案に記載されると理解しました。現場の読み手にとっては、どこが省令や通知で示されている内容で、どこが(学会が示す)好事例なのかが明確に区別されていると分かりやすいと思いましたので、御検討いただければと思います。
 どうもありがとうございました。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 ほかにございますが、加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 ありがとうございます。
 非常にいい形で、現場で使いやすいようにまとめていただけたのではないかなと思っております。
 特にガイドラインのほうも、実際に我々使うほうの病院としましても、実際の使用に関して非常に考慮された内容だと考えております。
 特に、我々二次救急をやっている現場においては、規模ももちろん違いますし、それぞれの中でできる内容は、非常に、状況によっては少し考慮していただかなくてはいけないところも配慮して書かれているかということで認識しております。
 医師に関しましても、これを見ますと、一応、それぞれしっかりと申し送りをするなりはあるのですけれども、二次救の現場におきましては、非常勤の医師、働き方等で、今、問題になっていますが、大学からの派遣医師とか、様々な形で、現場では助けていただいていますので、この状況下において、実際に運用ができるような内容と、それを配慮した形で決められていただいているのではないかと思っております。
 最終的には、参考とするという形で認識しておりますので、我々はしっかりと参考として認識して現場で運用していきたいかなと思っております。
○遠藤座長 よろしいですか。ありがとうございます。
 それでは、大友構成員、お手をお挙げになっておられますので、よろしくお願いします。
○大友構成員 よろしくお願いいたします。
 ガイドラインを今、拝見いたしました。
 項目も非常に適切に網羅されていて、短時間での大変な作業に敬意を表したいと思いますけれども、ただ、もうちょっと補強するべきところというところで御指摘させていただきたいのは、これまでも病院において、救急救命士は仕事をしておりましたけれども、この法律の改正になって、救急救命処置という高度な医行為を実施可能ということになりましたので、それに対して適切に実施されていることを、質の保障・質を担保ということで、今回のガイドライン、もしくはこういった院内の体制を整えるということでございます。その中で、やはり先ほど久志本構成員からも御指摘がありましたけれども、医療事故、アクシデントが発生したときの、この責任の所在がどこにあるのか、アメリカでは完全に指示を出した医師の責任をもとに、指示を出した医師の免許証のもとに、指示を出しているわけですが、そこがどこまで明確にできるか、その辺を、さらに書き込む必要があるということと、それに付随いたしますけれども、各救急救命士が定められた院内での救急救命処置を行うときに、きちんと実施できたのかどうかを検証する。これは、ここでは評価とフィードバックとなっておりますが、実施した救急救命士が、適切にその処置ができるのかどうかの能力を評価し、もし能力が不足しているのであれば、追加の研修を行うとか、もしくは院内のプロトコールに、欠陥があるのであれば、それをきちんと修正していくというような、そういう手続がやはり必要ではないかと思います。その辺をもう少し補強していただければと思います。
 以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 事務局、よろしいですか、何かコメントがあれば、お願いします。
○永田救急・周産期医療等対策室長 これまで、各委員から、例えば、こういうことを追加してほしいということを御意見いただいておりますけれども、まず、溝端先生なり、坂本先生なりで、ちょっと御検討いただきたいとは思っております。
 その際、事務局としましても、当然、皆様にお願いしている立場でございますので、我々としても最大限サポートもさせていただきたいと思ってございます。
 そういった上で、インシデント、アクシデントについてでございますけれども、まず、医療機関内で発生しているということで、一般的な医療安全というもののルールには、まず従ってくるかなという点が1点。
 あともう一点は、やはり、救急救命士さんが行う救急救命処置につきましては、医師の指示のもとに行われているということがございますので、その医師の指示が、果たして適切であったのかというようなところ、その上で、救急救命士が、その個人のところなのかというのは、その個別の事例によるところなのかなという感じを持ってございます。
 いずれにしましても、そういったことの御意見がございましたので、ちょっと溝端先生、坂本先生などと相談をさせていただきたいと思ってございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 井本構成員、手を挙げておられますが。
○井本構成員 すみません、先ほどの意見に追加して、もう一点ございました。
○遠藤座長 お願いいたします。
○井本構成員 参考資料2-2(6ページ)には「救急救命士法等の改正と整備事項」の中で、かなり法律の改正と業務のことなどに関して記載されていますが、資料1の11ページ「厚生労働省において定めるもの」にはその記載がありません。
 具体的には、「医療機関における救急救命士の業務範囲等について」というような項目が必要ではなかろうかと思います。先ほどの議論に加えて、御検討をいただければと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 御意見として、承りました。
 ほかにございますか。
 加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 あと、病院団体のほうにおいても救急救命士に関する、このガイドライン等の意見のまとめを、今しておりますので、またそういう機会がございましたら、ぜひとも考慮していただくような機会を作っていただければと思っております。よろしくお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 事務局、何かありますか、よろしいですか。
○永田救急・周産期医療等対策室長 溝端先生と坂本先生と、ちょっと相談をさせていただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 ほかにございますか。よろしゅうございますか。
 どうもありがとうございます。
 それでは、本日は、事務局から原案が出されたわけでありますが、伺っておりますと、基本的には、おおむね、これは御了承いただけたと。ただ、それに幾つか御意見もありましたので、この内容につきましては、修正が必要なものは、修正をさせていただいたと思いますけれども、一応、座長預かりという形にさせていただきまして、必要とあれば、各先生と御相談をしながら事務局と相談して、修文が必要なところは修文すると、そういう対応にさせていただければと思いますけれども、そういう手続の方法でよろしゅうございますか。
 ありがとうございます。それでは、そのような方法で対応をさせていただければと思います。
 どうもありがとうございます。
 そういう意味で、一通り、この事務局提案については御了解を得たわけでありますけれども、これが今後どういう形で展開していくのか、今後のスケジュールについて、何かあれば、事務局から御説明をいただきたいと思います。
○永田救急・周産期医療等対策室長 事務局でございます。
 御議論をいただきまして、どうもありがとうございました。
 本日の御意見踏まえまして、座長とも、溝端先生、坂本先生とも少し御相談をさせていただきながら、本日の御意見を踏まえた形で、資料等を修正させていただきたいと思ってございます。
 その上で、今後、速やかに省令の策定に着手していきたいと思ってございます。所定の手続を経て1か月間パブリックコメントを募集することとなります。
 そこでいただく御意見の内容等も踏まえまして、9月上旬に改正救急救命士法施行規則に関する公布を行いまして、10月1日に改正救急救命士法の施行と同時に、省令の施行と進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、よろしくお願いいたします。
 それでは、次の議題に移らせていただきたいと思います。
 次は、報告事項になりますけれども、その1番「水防法等の一部改正について」ということで、これは国土交通省からの御説明をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○内藤オブザーバー 国土交通省水管理・国土保全局河川環境課長の内藤でございます。
 水防法を所管しているということで、この4月に、水防法を含む流域治水関連法案ということで、現在の非常に厳しい自然災害の発生に対応した法改正がございました。
 それについて、特に医療機関の立地や、浸水の対策に関連する部分について、少し新しい取組を御紹介させていただきたいと思います。
 資料2の1ページを開いていただければと思います。
 洪水浸水想定区域の指定に関わる対象河川の拡大ということで、これまで、いわゆる大河川、国が直轄管理する一級水系、そして県が管理する大きな河川、これが洪水予報河川、水位周知河川ということでございました。
 これが全国で約2000河川ございましたが、これらの河川の浸水想定区域図を基に、医療機関を含む要配慮者利用施設など、地域の方々の安全対策に生かしていただくという取組をしてまいりました。
 これが一定程度終わったところですが、ちょっと小さい絵でございますが、1ページの右下に入れておりますように、これは阿武隈川という一級河川の浸水想定区域図でございます。
 阿武隈川の浸水想定でカバーできない支川の沿川で、人的被害が起こったということで、大河川によって大きな被害が起こるところはカバーしたのですが、それ以外の中小河川でも最近大きな災害が起こりつつあるということで、この空白域を埋めるための取組を進めてまいります。
 具体的には、全国で約1万7000河川、これまでに2,000河川の浸水想定区域図を作ってまいりましたので、追加して1万5000河川において、中小河川なので範囲は狭いのですが、県が中心なって浸水想定区域図を策定してまいります。
 ですので、今まで、市町村のハザードマップを見ていただいても、空白域になっていた部分がどんどん埋まっていくということになります。
 浸水がないという誤解を受けないために、こういう取組を進めてまいります。そのため、市町村の浸水想定が更新された折には、ぜひそれに注目をいただければと思っております。
 県が、この浸水想定図区域図作るのに、おおよそ1年ぐらい、市町村が浸水想定区域図からハザードマップに反映するには、遅いところで5年ぐらいかかるかなと思ってございます。早急に進めてまいりますが、これから順次見直しが進んでまいりますので、ぜひ御注目いただければありがたいというところでございます。
 次は、水防法と土砂災害防止法の改正を併せて行いました。これまでも、要配慮者利用施設についての避難確保計画を策定するということを通じまして、万が一の破堤氾濫による浸水、そして土砂災害の起こった際に避難するための計画を作成するということを、これまでも位置づけておりました。
 ただ、昨年、球磨川で起こりました水害では、計画を作っていたにもかかわらず、高齢者福祉施設からの避難が十分できなかったという事実を受けまして、作ったものについてしっかり訓練をしていただいて、その報告を受けると同時に、それについての助言をして、現実的な取組になっているかどうかというチェックを受けると、そういう取組を進めてまいります。
 対象は、要配慮者利用施設ということです。
 同様に、しっかりした訓練体制等を取っていただいていると思いますが、市町村との意見交換をできる、そういう環境になりますので、御承知おきいただければと思います。
 続きまして、さらに今回の流域治水法案では、特定都市河川法と、それに関連して都市計画法、建築基準法の改正も行っております。
 3ページになります。
 浸水被害防止区域制度の創設ということになります。
 資料で言うと、2つ目のポツの中ほどに、レッドゾーンという言葉が出てきます。いわゆる都市利用や、建物を建てるに当たって、非常に制約がある場所、これまでのレッドゾーンというのは、災害危険区域ですとか、地滑り、土砂災害、急傾斜などの崩壊の危険がある地域に設定しておったのですが、今回、これに加えて、浸水被害防止区域というのを、都道府県知事が設定して、その区域について、これまでのレッドゾーンと同等か、それ以上の、ちょっと厳しい規制をかけていくということであります。
 ですので、レッドゾーンについては、割と広くかかっているところもありますが、浸水被害防止区域というのは、洪水の被害を受けるとすれば、単に浸水するだけではなくて、2階まで水没してしまうとか、洪水の影響で倒壊の危険があるとか、土砂災害についても同じような、そういう危険があるものについて、しっかり対処する中で、浸水について特に着目して、新たに制度を設定いたします。
 そうしますと、上から2つ目のポツに書いてありますとおり、開発規制の対象でありますが、これまで、レッドゾーンとして対処していた、そういう事前の許可というものが必要になります。
 右のほうに、ちょっと絵を入れておりますが、何らかの形で対処していただかないと、開発許可が下りないということになります。
 開発許可については、いわゆる個人の住宅は除かれておりますが、この場での議論の対象になります。医療施設を含む施設については、その対象になっているということで、新たに、そういう制約がかかるということです。
 そして、建築基準法においても3つ目のポツでございますが、これは、自己の住宅についても強い規制がかかるということです。
 立地について、絵の中に入っていますように、かさ上げをしていただくとか、浸水する、想定されている水位までは、いわゆる居住区域、病床のあるような区域に使わないということを設定する、もしくは耐水化をする、何らかの対策をした上で、建築の形を決めてもらう、新規の立地を決めてもらうというものです。
 これらは、いずれも、今後の土地利用を誘導していくということですから、新たに立地する場合には、こういう制約がかかるということでございます。
 こういう新たな制約がかかるということもございますが、やはり、最近の洪水の発生の状況を見ますと、やはり防災施設だけで防ぐというのは、非常に限界があるという現実がございます。ぜひ、この辺を御理解いただいて、市町村において、これらの助言をできる体制を取っております。その市町村に対しては、関係省庁と共同で通知をしておりますし、市町村等を通じて、医療機関などへの通知もさせていただいておりますので、ぜひ、市町村の防災部局が発する情報、もしくは、そういう新たな規制がかかった、洪水浸水区域が設定された場合については、市町村によく御相談いただきながら進めていただければということで、情報提供をさせていただきました。
 私からは、以上でございます。
○遠藤座長 内藤様、ありがとうございます。
 ただいま御説明がございました。報告事項ではありますけれども、せっかくの機会でございますので、御質問、御意見があれば承りたいと思いますが、いかがでございましょう。
 よろしゅうございますか。
 それでは、もし何かあれば、また御質問をいただいても結構でございますので、本件については、これぐらいにさせていただければと思います。内藤様、どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、報告事項の2番目、第8次医療計画の策定に向けた検討についてということで、事務局から報告をお願いしたいと思います。
○小川補佐 事務局でございます。
 資料番号3でございます。
 令和3年6月18日に、第8次医療計画等に関する検討会という検討会が開催されておりますので、その内容につきまして、御報告を差し上げます。
 まず、資料の5ページをおめくりいただければと思います。
 先般の国会の中で、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律といった法律が成立しております。
 内容につきましては、2ポツの1ポツのところにありますように、救急救命士をはじめとしました医療関係職種の業務範囲の見直しも含めまして措置しているものでございますが、そのほかに、3ポツの1ポツにございますような新興感染症等の感染拡大時における医療提供体制の確保に関する事項を、医療計画に位置づけるといった内容も含まれているところでございます。
 資料でございますが、7ページを御覧いただければと思います。
 この法律の施行に向けた準備を、これから進めていかなくてはいけないというところでございますが、その中で、2つ目の○の3つ目のポツでございます。
 感染症対応の医療計画の位置づけでございますが、第8次医療計画に向けた基本方針等の改正に関する検討を進める中で、具体的な記載項目等について検討していくとされておりまして、第8次医療計画に関する検討の場を設けて検討していくこととしておるところでございます。
 こちらは、6月3日に開催されました社会保障審議会医療部会のほうで、こうした方針が決まっているというところでございます。
 同じく医療部会でございますが、8ページでございます。
 主な改正内容に関する今後の施行スケジュールというところでございますが、下から4段目のところでございます。感染症の医療計画の位置づけにつきましては、第8次医療計画が令和6年度、2024年度から開始されるというところでございます。
 ですので、各都道府県におきましては、令和5年度、2023年度に策定作業を進めていくということになっております。
 それに向けまして、令和4年度に向けまして、国のほうでは、基本方針、ガイドライン等の作成を進めていくということが必要になってきているというところでございます。
 そうした状況を踏まえまして、少しページを飛ばさせていただきますが、20ページを御覧いただければと思います。
 厚生労働省のほうで、新たに第8次医療計画の策定に向けた検討体制ということで、第8次医療計画等に関する検討会といった検討会を設置しておるところでございます。
 この検討会の中では、感染症対応も含めた、いわゆる5疾病6事業、在宅医療等につきまして、どういったガイドラインを作っていくかといったこと、また、医療計画の中に含まれます、医師確保計画や外来医療計画、地域医療構想といった内容につきましても、どういうふうに進めていくかといったところにつきまして、幅広く御議論いただくような検討会ということで設置をしております。
 この検討会のもとには、地域医療構想医師確保に関するワーキンググループや、外来機能報告等に関するワーキンググループ、在宅医療及び医療介護連携に関するワーキンググループといった各種ワーキンググループを設けながら、また、右のほうにございますように、新興感染症と、感染症対策に関する検討の場ともしっかり連携しながら進めていくといったことにしておるところでございます。
 右下のところに、四角囲みがございます。
 第7次医療計画の策定に当たりましては、救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、小児医療につきまして、いわゆる5事業につきまして、それぞれ検討会や研究班、有識者の方々の意見交換の場で専門的な御協議をいただきまして、その内容を医療計画の見直し等に関する検討会のほうに上げていただきまして、御協議いただいたというようなことがございます。
 今回、第8次医療計画、次期計画の策定に向けた検討につきましても、検討の場というものをどういうふうにするかというところは、今後検討ということでございますが、いずれにしましても、専門家の皆様の御意見をしっかりいただきながら、協議を進めていくということにしたいと考えておるところでございます。
 21ページが、第8次医療計画に向けた取組スケジュールの全体イメージでございます。
 少し小さい字で恐縮でございますが、既に医療計画全体の検討というものは、第8次医療計画等に関する検討会を開催したことで、開始しているというところでございます。
 今後、各種検討を進めてまいりまして、令和4年、2022年の1月から3月ごろに国のほうで基本方針の改正、また、医療計画作成指針の改正というところを行うべく、来年の12月頃に報告書を取りまとめる方向で検討を順次進めていきたいということを考えておるところでございます。
 駆け足でございますが、以上でございます。
○遠藤座長 どうも、ありがとうございました。
 ただいまの説明について、御意見、御質問等ございますか。
 それでは、この議題は、これまでにさせていただきまして、続いて報告事項の3番目に移らせていただきたいと思います。
 その他の中の「新型コロナウイルス感染症と救急医療提供体制について」について事務局からの御説明をお願いしたいと思います。
○土屋専門官 事務局でございます。よろしくお願いいたします。
 新型コロナウイルス感染症と救急医療提供体制について御報告させていただきます。
 参考資料3を御覧いただき、1枚おめくりください。
 本資料は、第24回本検討会の参考資料1-1を基にして時点更新等を行っており、更新箇所をまとめておりますので御参照ください。
 時点更新に伴う数値等の更新が主な内容となってございます。
 なお、前回の検討会において総務省消防庁様より御提供いただきました、救急搬送困難事案についての資料に関しましても、時点を更新し、本参考資料に加えておりますので、併せて御参照いただきたく存じます。
 参考資料3に関する事務局からの説明は、以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 何か御質問はございますか。
 よろしゅうございますか。
 それでは、同じく報告事項の3で、その他になりますが「新型コロナワクチン接種に係る救急救命士の活用について」。これも報告事項でございますので、事務局から説明をお願いしたいと思います。
○土屋専門官 事務局でございます。
 新型コロナワクチン接種に関わる救急救命士の活用について御報告いたします。
 前回の第24回検討会において、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を推進するため、救急救命士や臨床検査技師を、ワクチンのいわゆる打ち手として活用するための議論が行われ、ほかの方法では特設会場でのワクチン接種が実施できない状況であること、必要な研修を受けること、被接種者の同意を得ること等を満たせば、違法性が阻却され得るといった整理が、5月31日に開催された新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を推進するための各医療関係職種の専門性を踏まえた対応の在り方等に関する検討会で行われた旨を御報告いたしました。
 この件に関しましては、6月4日に、今、お話した旨を含む参考資料4-2でお示しする通知を各自治体宛てに発出し、また、その研修の実施方法等について、参考資料4-3と4-4でお示しする事務連絡を発出したところです。
 参考資料4-1を御覧ください。
 いわゆる打ち手としての研修については、座学による研修と実技による研修の2つを受ける必要がございます。
 座学研修では、新型コロナワクチンに関する基礎知識、筋肉内注射の方法などを含む動画を視聴します。
 その上で、確認テストに合格し、受講を修了した者には、座学研修の受講修了証が発行されます。
 実技研修は、都道府県等の自治体が、各地域のニーズをもとに実施します。
 実技研修では、シミュレータを用いて行われますが、その際には、ワクチン接種における留意点を含むこととしています。
 受講が修了した者には、実技研修の受講修了証が発行されます。
 以上で説明を終わります。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 何か御質問、御意見はございますか。
 長島構成員、お願いいたします。
○長島構成員 報告で、実際の座学及び実技を終えられた人数というのは、もしお分かりでしょうか。
○遠藤座長 事務局、いかがでしょうか。
○土屋専門官 事務局でございます。
 座学研修を修了したのは、6月30日時点で少なくとも373名を確認しています。
 実技研修に関しては、都道府県に対して月1回程度の調査を予定しておりますが、第1回目の調査をまだ行っていないため、実技研修修了者の人数に関しては、現時点では把握できておりません。
○長島構成員 ありがとうございました。
○遠藤座長 ほかに、何か御質問ございますか。
 よろしゅうございますか。
 以上が準備をいたしました議題でございますけれども、全体を通じて何かあればと思いますけれども、もし、おありになれば御発言をいただければと思いますが、何かございますか。
 よろしゅうございますか。
 猪口構成員、お願いします。
○猪口構成員 水防法等の一部改正について、ちょっと教えていただきたいのですけれども、この要配慮者利用施設に医療機関が入るということで、避難訓練とか、それから計画の確保、避難確保計画ですか、そういうものに関して、今までやってこなかった、これがどの程度の縛りになってくるのか、やるべきことはやるべきことだと思いますけれども、これをどの程度の縛りでやって、例えば、やらないとどうなのか、そういうようなことというのは、まだ決まっていないでしょうか。
○遠藤座長 では、内藤様、お願いいたします。
○内藤オブザーバー まず、避難確保計画については、今回は、それを実行性高めるための助言・勧告制度や、訓練の報告を加えたということで、もともと避難確保計画を策定するという法律事項はあったということです。
 ですので、実は避難確保計画自身は、できているところがかなり多くなってきていると思います。
 ただ、その見直しをしたり、実効性の確保をしないと、やはり大雨の中で、本当にそれができるのかとか、現実的な問題をチェックできていない場面があるので、それを市町村が訓練を経て、助言をして、次の計画の見直しに生かしていただくと、そのサイクリックなプロセスを今回加えたということです。
 これ自身は、罰則規程等はございませんので、これがないから何らかの制約を受けるということはありませんが、やはり、そこで働いている方、そして病院であれば、入院されている方を含む安全確保の問題ということですので、近接するいろいろな機関で策定していますので、それらと平仄の合った計画を策定いただくのが、安全のために必要かなと思っておりますので、我々はあくまでも推奨し、それを進めていくと、そういうスタンスで進めていきたいと思っているところです。
○遠藤座長 ありがとうございます。
○猪口構成員 どうもありがとうございました。
○遠藤座長 ほかに何か御意見ございますか。
 よろしゅうございますか。
 森村構成員、どうぞ。
○森村構成員 森村です。
 私も実は、水防法の改正に関わることの資料で教えていただきたいことが1つあります。
 資料の2の4ページのところで、お示しされたと思うのですが、洪水の予測をされている1,710の河川、それから都道府県と、もう一つ国管理の河川合わせての、いわゆるリスクのある河川に対して、このように検討をリスクアセスメントしているというところを御報告いただき、ありがとうございました。
 大分進んでいるなと思ったのですが、教えていただきたかったのは、ホームページ上の公表の遅れ、遅れている2割弱ですかね、その市区町村と、それから、まだ、ホームページで公表が100%に、残り3%ではありますけれども、なっていないというところの、この辺りは、どれぐらいをめどに進めていくとなっていくのでしょうか、あるいは、遅れてしまう幾つかの妨げる因子があるのかなと思いましたので、その辺りは、どのような、今後、見通しなのかなと思いまして、お聞かせくだされば幸いです。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、内藤様、よろしくお願いします。
○内藤オブザーバー まず、この作業には、2段階あります。
 4ページを見ていきますと、全体に今の進捗具合が書いてあるとおりなのですが、まず洪水浸水想定区域という、どのくらいの浸水が及ぶかという想定をする、これは都道府県が行います。これが第一段階。
 そのデータを使いまして、どこに避難所を設定するかという避難に関する情報まで載せたものがハザードマップ、これは市町村が策定します。
 そういう意味では、浸水想定というのは、物理的に計算をして出てきますので、浸水想定区域図というのは、これから、現在の約2,000河川に加えて、追加の1万5000河川をやったとしても、1年少々で何とか出せるだろうと思っています。
 これによって、これを見ていただくだけでも、いわゆる立地している場所のリスクというのは大体分かります。それを避難所と、ひもづけしていくという作業は、これは地域との対話が必要なので、これに手間取っている例が非常に多いということです。
 それで、ホームページの公表というのは、もともとこのハザードマップ自身が紙を出すこと第一義にやって、その他いろいろな方法で周知を図るというようなことをやっていましたが、ちょっと今のDXの時代にはふさわしくないやり方になっていたということです。
 ですので、やはり紙をしっかりお配りして見ていただくのと同時に、モバイル端末ですとか、いろいろな媒体で見ていただけるホームページでの公表、ホームページ以外にも、ハザードマップポータルサイトというサイトで、ホームページに公表されたデータは国交省で一括して一覧できるサイトを持っています。そういうものに導入できるというのを目指していきたいので、この未公表部分、ホームページの公表については、紙ベースの公表ができたところについては、直ちにできていくと思っています。
 新たに作る1万5000河川部分の公表については、先ほど言いました、避難所をどうするのかという調整に若干時間を要するので、できるだけ早くとは思っていますが、おおむね5年ぐらいをめどに、日本全体を整備していきたい。そんな動きになっているところです。
○遠藤座長 ありがとうございます。
○森村構成員 御丁寧にありがとうございます。よく分かりました。
 ぜひ、これを促進していただきたいと思ったのは、私は、今、愚考いたしましたのは、市区町村で執行しているので、少し遅れが出るところがやはりあるのかなと思いました。
 恐らくは、そうではないかもしれませんが、河川で分断して、ここの部分の市区町村はできているけれども、中途のは、できていないといったような、そういうような状況がもしできると、地域全体での、市区町村の行政区分ではなくて、川を主役にした、そういった対策というものは、本来は必要なのかなと思ったので、その辺りを促進していただくのは、国の力が要るのかなと思って、漠然とですが、お聞きしていた次第です。
 どうぞ、また、情報提供をよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 ほかにございますか。
 よろしゅうございますか。
 それでは、本日の議論は、これぐらいにさせていただきたいと思います。
 最後に事務局から何かございますでしょうか。
○鈴木地域医療計画課長 本日は、御議論をまとめていただきまして、ありがとうございました。
 また、座長と最終的にはお話をさせていただきながら、今後、省令、また、通知というものを作成させていただきたいと思っております。
 最後になりますが、医政局長の迫井から、一言御挨拶をさせていただきたいと思います。
○迫井医政局長 医政局長の迫井でございます。
 今日は、リモートということでございますので、少しやりにくかったところもあるかもしれませんけれども、しっかり御審議いただきましたこと、本当にありがたく思っております。
 おかげさまで、ずっと御説明もさせていただいておりますが、改正救急救命士法の施行に向けまして、一定の方向性が見えてまいりましたし、遠藤座長ともよく相談させていただきながら、進めさせていただきたいと思っております。
 本検討会は、救急災害医療提供体制等の在り方に関する検討会でございますが、これは、2018年の4月に、第1回ということでございまして、ドクターヘリの安全運航等を含めた救急医療提供体制の在り方についてというようなこと。
 それから、DMAT、EMISを含めました災害医療提供体制の在り方について、様々こういった救急災害医療に関する諸問題の検討ということで立ち上げさせていただいております。
 私、今、局長をやらせていただいていますが、前職は審議官でございました。医政局は、ここ3年ちょっとおります。この4月に立ち上がった後直後に、7月から、私、医政局におりますので、ほぼ、私の在任期間中は、ずっとお力添えをいただいたということで、本当に感謝いたしております。
 着任直後、胆振東部の地震がございました。北海道で、これはブラックアウトということで、本当に大きな経験をさせていただきましたし、その翌年は、房総半島の台風でございますとか、そして、その後、土砂災害、言うに及ばず、昨年からは、コロナでございました。
 様々こういった救急医療体制が課題になる中で、お力添えを、この検討会もそうですし、関係有識者の皆様方、現場においても、お力添えをいただきました。
 これは、検討会、直接ではないですが、絶えず、マスギャザリングのようなことで、大規模な国際会議、G20サミットもそうでございますが、本当にお力添えをいただきまして、ありがたく思っております。重ねて御礼を申し上げたいと思っております。
 そして、この検討会、この3年半、25回、回を重ねていただきました。成果といたしまして、多々ございますけれども、冒頭触れましたが、ドクターヘリの安全確保のための取組でございますとか、大きな災害、大規模災害の課題を踏まえました、災害拠点病院の指定要件の改正でございますとか、あるいは災害拠点精神科病院の設置等につきまして御議論いただきましたし、何より救急救命士の資質の活用につきまして、これはずっと御説明、そして今後の取組につながってきたということでございます。
 今後でございますけれども、先ほど事務局のほうからも御説明させていただきました。第8次の医療計画の策定に向けまして、関係事業について検討体制を改めて、再構築をさせていただいて、体制を整えた上で検討をさせていただきたいと思っておりますので、本日、この検討会につきましては、一旦閉じさせていただきまして、改めて第8次医療計画等に関する検討会のもとに、この救急医療でございますとか、災害医療に関する検討の場を新たに設けさせていただければと考えております。
 この検討の場で、引き続きになりますけれども、災害医療あるいは地域医療の提供体制の在り方等につきまして、しっかり検討させていただきたいと思っております。
 重ねてでございますけれども、構成員の皆様におかれましては、全25回、約3年半の長きにわたりまして、本検討会において、活発な御議論をいただきましたことを重ねて御礼申し上げたいと思っております。本当にありがとうございました。
 私、事務局を代表いたしまして、皆様方に厚く御礼を申し上げたいと思っております。
今後とも、引き続き御協力のほど、よろしくお願い申し上げまして、簡単措辞ではございますけれども、今回の検討会の閉会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 ありがとうございました。
○遠藤座長 医政局長、ありがとうございました。
 あと、私からも非常に非力でありながら、25回無事に何とか勤めさせていただきましたのは、ひとえに皆様方の御協力の賜物だと思っております。この場を借りまして御礼申し上げたいと思います。
 また、新たな形で、このような議論がされるというようなお話ですので、また、御縁があれば、いろいろと御協力をいただくことになるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日は、これにて終了したいと思います。
 どうも長時間、ありがとうございました。

照会先

医政局地域医療計画課

救急・周産期医療等対策室
病院前医療対策専門官 土屋(2597)