第2回 第8次医療計画等に関する検討会(持ち回り開催)ー議事要旨

日時

令和3年8月6日(金)

開催方法

持ち回り開催

議事等

○ 第8次医療計画の策定に向けた検討について

上記議題についての構成員からの意見

  
○検討結果
 上記議題について、事務局案は了承された。

【「1.新興感染症等対応に関する検討の進め方【協議】」について】
(今村 聡 構成員)
 医療現場・自治体等の関係者からのヒアリングについては、現在個別の繋がりだけで情報共有されているツールなどが見える化されるという点では有用だと思われるが、客体がどうしても特定の対象になってしまうことから、可能な限り全都道府県に対して、きめ細やかな把握をできるようにする必要があるのではないか。
 また、ヒアリング等により得られた知見については、各都道府県でこれまで積み上げてきた方法や地域特性などもあることから、一律に枠にはめることのないような対応をお願いしたい。
 感染症法上の予防計画と、医療計画については、今後連携した検討の場が用意されていくことになると思うが、それぞれ齟齬がないよう調和を取れるようにするとともに、有事の際には、当該感染症への医療とそれ以外の通常医療との両立が図られるようにしていただきたい。
 
(今村 知明 構成員)
  感染症部会での議論も進んでいると思うが、感染症部会の検討スケジュールや検討項目の進捗状況も「医療計画等に関する検討会」で情報共有した方が良いと考える。
 スライド5枚目のヒアリング項目に「入院体制等の在り方」の項目があるが、病床確保については「ICU」と「一般病床」と「バックアップ病床」の3つに分けてヒアリングした方が良いと考える。
 
 (大屋 構成員)
 感染症対策(予防計画)、感染患者対策(医療計画)、災害レベルの感染状況への対応(災害対応計画)の3つのレベルについて、個別ではなく、連携を持って計画を立てていただきたい。
ヒアリングの予定の内容はとても妥当である。ヒアリングの対象者の選び方では、所属団体の利益代表の集まりのような形にならないような工夫をお願いしたい。
 第1波、第2波、第3波、第4波など、また、都会、地方での違い、医師多数・少数、病院多数・少数など、さまざまな状況で、回答が異なる可能性がある。ヒアリングでは幅広く、聴取することが必要だと考える。
 地域の医療資源において、ある程度は、集中的・集約的に診ることができる体制が必要。通常の心臓外科手術後や外傷などの重症対応とコロナ診療を区域的に分けることができる規模のICUが、今後の中核病院には求められると考える。
 
(荻野 構成員)
 概ね賛同するが、新興感染症の対応については医薬品提供、受診勧奨、ワクチン接種体制への協力等、薬剤師も大きく関与しているところである。医薬品提供が重要であることからも、ヒアリングの際には是非お声掛けいただきたい。
 
(織田 構成員)
 新興感染症を封じ込めるための予防計画と、感染拡大時の医療計画が円滑に行うためには、次のようなことが重要だと考える。まずは、感染拡大時に感染症指定医療機関における一般病床そのものを即応病床として転用可能とすること、次いで病棟ごとのゾーニングが可能な大病院を準備並びに即応可能な病床として指定しておくこと。また、重傷患者受入病院は、3次医療圏レベルで医療計画において明確にしておくこと、感染症協力医療機関は中小医療機関が多いので、疑似症例を受入れると共に後方支援病床として確保する。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       
(加納 構成員)
 今回の新型コロナウイルス感染症対応においては、緊急事態宣言等が発令された地域とそれ以外の地域との間では取り組み状況が異なっていたと推測される。特に大阪の第4波、東京の第3波、第5波は大都市における急速な感染拡大という特異な状況にあったと思われる。これらの異なる事象を可及的速やかかつ正確に把握する必要があるので、ヒアリングをする上にあたっての人選をしっかりと考慮しなければならない。また、コロナ対応とともに地域の普段の二次救急医療を守ったことにより、急性期を集約化しすぎた欧米のような感染拡大、医療崩壊は防いだ事も併せて検証して頂きたいと考える。
 
(城守 構成員)
 医療現場・自治体等の関係者からのヒアリングについては、現在個別の繋がりだけで情報共有されているツールなどが見える化されるという点では有用だと思われるが、客体がどうしても特定の対象になってしまうことから、可能な限り全都道府県に対して、きめ細やかな把握をできるようにする必要があるのではないか。
 また、ヒアリング等により得られた知見については、各都道府県でこれまで積み上げてきた方法や地域特性などもあることから、一律に枠にはめることのないような対応をお願いしたい。
 感染症法上の予防計画と、医療計画については、今後連携した検討の場が用意されていくことになると思うが、それぞれ齟齬がないよう調和を取れるようにするとともに、有事の際には、当該感染症への医療とそれ以外の通常医療との両立が図られるようにしていただきたい。
 
(幸野 構成員)
 まずは医療現場・自治体等から現場で起こった実態を聴取した上で策定の論点を絞り検討し、次期計画に反映させることが必要である。
また、新興感染症等対応について、一般医療や予防計画と如何に整合性を図っていくかが重要となる。
 
(櫻木 構成員)
 まず、医療現場・自治体等の関係者からヒアリングを行うことについては、賛成である。ヒアリング実施の際のテーマの設定についても、案として示された内容に同意する。
 具体的にヒアリングが行われるに際しては、精神科医療関係者としては、以下の各項目についての実状や課題について、聞き取りが行われることを希望する。入院調整に関しては、徳島県を例に取ると県庁内に「入院調整本部」が立ち上げられ、そこが一元的に入院調整を行っている。本県の場合、入院調整が開始される前提とて、PCR陽性となっている事が必要だが、他の自治体ではどうだか。後で触れる精神科救急の現場では、せいぜい抗原検査を行うのが精一杯だと考えるが。
 また、本県の場合「入院調整本部」には精神科医療の関係者は関与しておらず、その都度精神科入院施設、本県の場合、感染症治療の行える精神科医療施設は、県立中央病院のみ、との協議となる。そこで、入院調整機能を有する部署に、精神科医療関係者は関与しているか。精神疾患を合併している感染症患者の入院調整を行う場合、その経路としては、精神科医療機関を外来受診した場合、精神科救急に受診した場合、精神症状を活発に有す、精神科医療機関で入院患者にクラスターが発生した場合等が想定されるが、そのそれぞれについてどのような入院調整が行われているのか。
 搬送体制について、入院調整の結果入院が必要とされた場合、患者搬送はどのように行われているか。
 クラスターが発生した精神科医療施設を援助するために、本県においてはlocal DPATが行われたが、他の自治体での状況はどうか。
 
(中島 構成員)
 資料5ページ、「外来体制等の在り方」の「宿泊療養・自宅療養の健康観察や医療提供 など」について、患者が新興感染症等に感染した場合、宿泊施設や自宅での健康観察の環境整備等については、感染症対策に関する検討の場で主に議論され、「予防計画」に記載される一方、宿泊施設や自宅で療養されている方の病状が悪化し、医療を提供することになった場合の医療提供については、本検討会で議論され、「医療計画」に記載されるという理解でよろしいか。
 こうした局面においても、「予防計画」と、地域における医療資源の確保と配置に関する「医療計画」との連携は大変重要であるため、しっかりと連携をとっていただきたい。
 
(野原 構成員)
 今回の新型コロナ対応にあたっては、検査体制(感染症法)や医療提供体制(医療法)のみならず、保健所の体制(地域保健法)についても業務がひっ迫するなどの課題があったところであり、また、国民への行動制限や補償の在り方(新型インフルエンザ特措法)など、様々な観点でのヒアリングとそれらを踏まえた検討が必要と考える。
 内容も多岐にわたることから、事務局においては、本検討会での検討を行うにあたっての論点をしっかり明確にして今後進めていくよう留意いただきたい。
 
(山口 構成員)
 新型コロナウイルス感染症の感染者数と病床確保などについては、地域差が大きいと考える。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が限定的に出された地域で、人口の多い地域、少ないでの違いも明確になるようにしつつ、ヒアリングを実施してはどうかと考える。
 ヒアリングでは、好事例や工夫してうまくいった例、対応に苦慮した点など、両面の意見を求めることが大切だと考える。
 さまざまな対策を講じるに当たって障害になったこと、必要と思った制度、国との連携・役割分担などについての意見も求めていただきたいと考える。
 
(吉川 構成員)
 今般の新型コロナウイルス感染症対応における取組み状況や今後の新興感染症等対応に向けた課題等に関するヒアリングの対象者について、ヒアリング実施に賛同する。
 その上で、多岐に渡るテーマについて、幅広く有益な情報収集となるよう、具体的な人選については座長以外に、構成員にも意見を聞いていただきたい。特に看護職はそれぞれのテーマに深く関わっているため、具体的かつ網羅的に取組み状況と課題を把握し、第8次医療計画の策定に向けた検討を行うためには、ヒアリング対象者の選定は重要になる。
 
 
【「2.救急・災害医療提供体制に関するワーキンググループの開催【協議】」について】
(今村 知明 構成員)
 「医療計画等に関する検討会」での感染症対策としての救急体制のあり方の議論と「救急・災害医療提供体制に関するワーキンググループ」での議論がオーバーラップすると考える。感染症の場合は一部地域に限らず、日本全体で不足すると考えられることから、今までとは違う考え方で施策を考える必要があるため、議論する際に全体の議論と調整しながら進めないと齟齬が出ると考える。
 
(大屋 構成員)
 このようなWGは必要で重要と考える。今回の新型コロナへの対応も、ある意味、災害対応とも考えられる。それを考えると、さまざまな災害に対して、機敏に通常医療と災害医療の切り替え、その連携と分担などについて、広域・局地などの異なった規模感を想定しながら検討していただきたい。
 
(荻野 構成員)
 概ね賛同するが、医療計画検討会と整合性のとれた構成員である必要があること、災害時には、避難所等において、医薬品の確保及び供給、衛生管理等、薬剤師の関与が大きいことからも、構成員検討の際には本会から参画できるよう、検討いただきたい。
 
(織田 構成員)
 新興感染症拡大時に救急医療が混乱しないように、二次、三次救急医療機関の中で新興感染症受入れ機関と、そうでない機関を明確にしておくことが必要だと考える。
 
(加納 構成員)
 救急災害に関して、これまでの検討会での議論の延長のもと、新たなワーキンググループが第8次医療計画等に関する検討会のもとに作られることは賛成である。
 今後65歳未満の救急需要は少子化が続く限り右肩下がりで減少するが、一方、65歳以上の救急需要は確実に右肩上がりで増加し、特に大都会では急増する。今後、いわゆる高齢者救急の在り方と、それを主体に担う二次救急の在り方を再度、それぞれの地域性に合わせて考える必要がある。これに災害医療とをリンクし、近々発生すると言われている南海トラフ等の地震災害を想定した医療提供体制の構築を議論する必要があると考える。
 
(幸野 構成員)
 当該WGを検討会のもとに設置することにより、5疾病6事業の議論がより一体的に議論され、それぞれが整合性のある計画となることを期待したい。
 
(櫻木 構成員)
 従前、「救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会」が設置され、救急医療や災害医療についての議論が行われてきた。同検討会には日本精神科病院協会からも構成員が参画し、DPATや災害拠点精神科病院等に関する提言を行ってきた。第8次医療計画の策定に向けた議論においても、精神科医療の視点からの議論は重要であり、本ワーキンググループにも当協会からの参画をお願いしたいと考える。
 
(野原 構成員)
 今回の新型コロナ対応に係る入院調整等の対応に当たっては、本県も含め、多くの都道府県においてDMATに協力頂き対応しているところ。運用期間は異なるにしても、災害時と感染拡大時には、迅速な医療提供体制の構築が必要であることから、今回の対応をしっかりと検証しつつ、DMATの運用方法などは大いに参考としていただきたい。
 
(山口 構成員)
 ワーキンググループの設置に賛成する。
 
(吉川 構成員)
 救急・災害医療提供体制に関するワーキンググループの設置に賛同する。「救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会」での議論や検討課題を引継ぎながら、さらに、他の5疾病6事業や在宅医療、新興感染症等対応の体制も含めた、深い議論ができるよう、引き続き、先の検討会での議論を熟知している看護職を構成員に加えていただきたい。
 第8次医療計画策定に向けた検討体制として、「5疾病」は各疾病に関する検討の場と記載されている。各疾病の検討会と連携するとの記載だが、検討会の設置や構成員等、具体が決まり次第、明確にしていただきたい。また、へき地医療や周産期医療、小児医療についても、専門的な検討の結果が本検討会に報告されてからの協議ではなく、論点や議論の途中経過等も適宜情報共有いただき、本検討会において5疾病6事業・在宅医療等を総合的に検討できるよう、お願いしたい。

 
【「3.地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループの開催【報告】」について】
(今村 知明 構成員)
 2025年以降の対策を考えることは重要と考える。ただ、2035年への対策(高齢者疾病が増加していくことへの対策)、2040年への対策(高齢者疾病がピークを迎えるので、ピーク時対策)、2045年への対策(高齢者疾病がピークを越えて減少していることへの対策)は、ステージが異なるため、一貫した議論が必要と考える。
 
(大屋 構成員)
 私もWGメンバーなので、内容は了解している。
 地域医療計画では、地域包括ケア病床、回復期病床、慢性期病床を相対的に増やす方向ですが、どのような医師がその病床で働くのか、そこにはどのような専門性が求められるのか、また、そこで働く医師をどのように確保するのか(育成をどのようにするのか)の議論も併せて行っていっていただきたい。
 医師確保計画や医師偏在対策は、医師偏在指標に大きく依存している。医師偏在指標は、過去のデータ、また、仮説に基づいているため、その数値の妥当性は、定期的に検証され、再検討される必要がある。また、実際の医師確保計画を進める際には、医療のみならず、社会・経済・福祉などの地域の特性も考慮していただきたい。
 
(荻野 構成員)
 賛同する。
 
(織田 構成員)
 衆議院厚生労働委員会の附帯決議にあったように、今後、地域医療構想で重要になるのが地域包括ケアの観点も含めた地域における病床の機能の分化及び連携の推進の在り方であるので、地域医療構想4医療機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)の中で、最も幅広い概念である回復期のネーミングを、分かり易く地域包括ケア機能(例)に変えるなどの整理が必要ではないだろうか。それに関連して医師確保計画で重要なのが、地域包括ケアを理解する総合医の育成であるが、一向に進んでいないので、今回のワーキングで検討課題に挙げるべきではないだろうか。
 
(加納 構成員)
 地域医療構想に関しては、大阪府下で地域医療構想調整会議、大阪府医療審議会等での最終結論が実行されないという不備が疑われており、今後、全国への影響も懸念されている。何らかの局長通知等で不備が改善するものであるなら対応の議論を進めて頂きたい。   
 医師確保計画に関して、全国の病院医師不足は全く改善されておらず、医学部入学定員の継続的対応と、再度、女子入学者増加の影響の検討を求める。
 
(幸野 構成員)
 地域医療構想、医師確保計画ともまずは取組の実態把握を秋頃までに共有することが必要。地域医療構想については、2022年度までに各都道府県で大枠の合意に至る必要性について何らかのメッセージを発出してはどうか。
 
(櫻木 構成員)
 前回、同ワーキンググループにおいて、地域医療構想と医療計画との関係性について、例えば今回のような新興感染症の感染拡大の局面においては、短期的な医療需要については、各都道府県の医療計画に基づき機動的に対応するとされ、地域医療構想については、その基本的な枠組み、病床の必要数の推計・考え方などを維持しつつ、着実に取組を進めていくとの整理がなされている。今回の経験に照らせば、果たして医療計画に基づき機動的に対応するということが可能であったのか、地域医療構想による基本的な枠組みの中で取り上げなくとも良いのか、といった事が私の中では残っている。
 また、医師確保計画に関していえば、外来機能の議論の時にも申し上げたが、医療の専門化、細分化に向かっている方向性によって、医師の偏在がより助長されるのは避けられない、そこを改善しないかぎり医師の偏在は解消しない、というのが私の考えである。今後のワーキンググループの議論の中でも、これらの事を取り上げていきたいと考えている。

 
【その他】
(荻野 構成員)
 地域における医薬品提供体制が確実に構築できるよう、厚生労働省においては、所管する医薬・生活衛生局との連携も充分にお願いしたい。
 
(加納 構成員)
 ワーキンググループが多くできることにより、当検討会が単なるワーキンググループ等の報告の場だけにならないよう、それぞれの問題の議論の場となるようお願いしたい。
 
(田中 構成員)
 「重症ではない新型コロナウィルス患者の多くを在宅で療養させる」との2日の発表に対応するためにも、在宅医療体制(訪問看護・訪問調剤・訪問リハ等を含む)の拡大充実は喫緊の課題である。在宅医療ワーキングの早い開始を検討していただきたい。
 
(中島 構成員)
 医療費適正化計画については、先日の医療保険部会で見直しに向けた議論のキックオフが行われ、第8次医療計画の議論を踏まえて検討する、と示されていた。一方、本日の医療計画の資料では、医療費適正化計画については特に触れられていない。
 現行の医療費適正化計画の入院医療費部分は、地域医療構想に基づく病床機能の分化・連携の推進の成果を反映することとされていることから、今後の見直しにあたっても、入院医療、外来医療を通じて、地域医療構想をはじめとした医療提供体制に関する施策との関係を具体的に整理することが必要と考える。
 加えて、介護保険事業計画については、先日の医療保険部会で示された資料においても、また、本日の資料においても、その連携が示されていない。地域包括ケアの推進にあたっては、医療と介護の連携は極めて重要である。
 

照会先

医政局地域医療計画課 計画係

電話:03-5253-1111(内線2661)