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第1回障害児通所支援の在り方に関する検討会 議事録
日時
令和3年6月14日(月) 17:00~19:30
場所
オンラインによる開催
議事
- 議事内容
- ○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 それでは、定刻となりましたので、これより第1回「障害児通所支援の在り方に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、大変お忙しいところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
本会議は、資料・議事ともに原則公開としており、議事録につきましては、後日、厚生労働省のホームページに掲載予定となってございます。また、本会議は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、報道関係者及び一般の方の傍聴は御遠慮いただき、代わりに会議の模様をユーチューブによるライブ配信にて公開しておりますので、御承知おきください。
議事に先立ちまして、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課障害児・発達障害者支援室長の河村より、開会の御挨拶を申し上げます。
○河村障害児・発達障害者支援室長 厚生労働省障害児・発達障害者支援室長の河村でございます。
本日は、皆様、大変お忙しい中を御参集いただきまして、どうもありがとうございます。
お仕事の関係で少し遅れている方もいらっしゃいますけれども、本日、14名の構成員の皆様全員に御参加いただけると伺っております。
本検討会の開催の趣旨でございますけれども、改めまして少し触れさせていただきますと、開催要綱に記載をしておりますが、平成24年4月施行の児童福祉法改正によりまして、障害児の支援体系の再編・一元化が行われて、それぞれ障害の種別ごとにサービス提供していたものが一元化されたというところから、今ようやく10年近くが過ぎようとしております。
この間、皆様方の御尽力の成果もあって、非常に身近な地域で支援が受けられるようになってきた。今、放課後等デイサービスと児童発達支援を合わせますと事業所数は2万を超えておりますので、全国の小学校区の単位で見ますと、大体児発か放デイかのどちらかがあるという地域が大半になってきている状況の中、一方で、それだけ身近な地域に広がってきたこともあって、お子さんとしては非常にたくさんの方が利用されるようになってきている。たくさんの方々が利用されるようになってきた背景の中には、発達障害についての認知が広がってきて、それまで障害として受け止められてこなかったお子さんに関しても、障害として受け止めた上で適切な支援を一生懸命していこうというように、サービスにつながるようになってきたという非常に肯定的な側面もありますし、親御さんの女性の就業率の高まりによって、日中の預かり自体が非常に増えてきているという背景もございます。
こういった中で、一方で、障害のあるお子さんが一般施策である放課後児童クラブや保育所といったところに対して、実は通いづらくなっているような側面があるのではないかという問題意識も私どもとしてはございます。こうしたことも、併せてこの検討会で視野に入れて御検討いただければ大変ありがたいと思います。
後ほど、本検討会で取り上げさせていただきます検討事項の全体像やスケジュールについては御紹介申し上げますけれども、全体的な状況として、9月ぐらいまでをめどに児童の通所サービスをめぐる様々な論点を取り上げさせていただいて、一定の大きな方向性を取りまとめていただければと思っております。
検討した結果の中身の中には、法制度等の改正を必要とするようなものもあれば、報酬改定や報酬改定に伴う基準の設定等で対応すべきものまで様々な事項があるかと思います。今ちょうど前回の総合支援法と児童福祉法の改正から3年が経過した3年後の見直しの時期が到来しておりまして、法制度関係については障害の制度全般の改正の中で受け止めさせていただくことを念頭に置きつつ、報酬改定等に関わる事項については、次の令和6年4月の改定になっておりますので、令和6年の改定を視野に入れながら、今回の検討会では大きな方向性をお出しいただくということで考えております。
非常に多岐にわたる事項を9月までにぎゅっと縮めて、短いスパンで御検討いただきますので、構成員の皆様方には大変御負担をおかけいたしますけれども、率直な御意見をたくさんいただいて、忌憚のない御議論をいただければと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 それでは、カメラ等の撮影はここまでとさせていただきます。
本日は第1回目でございますので、構成員の皆様方を五十音順で御紹介させていただきたいと思います。大変恐縮ですけれども、お顔とお名前が一致しますように、事務局のほうから御紹介した後にZoomのミュートの機能を一度外していただきまして、一言、よろしくというようなことで御発声いただけますと、お名前とお顔が確認できてありがたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、五十音順に御紹介させていただきます。
お一人目が、あきやま子どもクリニック院長・小児科医でいらっしゃいます秋山構成員です。
○秋山構成員 秋山です。よろしくお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 続きまして、日本社会事業大学准教授の有村構成員でございます。
○有村構成員 有村です。どうぞよろしくお願いします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 続きまして、特定非営利活動法人日本相談支援専門員協会理事・政策委員長でいらっしゃいます小川構成員です。
○小川(陽)構成員 小川です。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 続きまして、柏市保健福祉部次長・障害福祉課課長でいらっしゃいます小川構成員です。
○小川(正)構成員 小川です。どうぞよろしくお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 続きまして、淑徳大学教授の柏女構成員でございます。
○柏女構成員 柏女です。よろしくお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 続きまして、一般社団法人全国児童発達支援協議会会長の加藤構成員でございます。
○加藤構成員 一般社団法人全国児童発達支援協議会会長の加藤です。
JDDの市川先生が飛ばされてしまっているのではないですか。市川先生はお見えになっていますよ。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 すみません、私が読み飛ばしてしまいました。申し訳ございません。
一般社団法人日本発達障害ネットワーク会長の市川構成員でございます。
○市川構成員 市川でございます。
ちょっと遅れて入ったので、多分初めのときにいなかったので抜けているのだと思います。よろしくお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 申し訳ございませんでした。よろしくお願いいたします。
続きまして、三重大学教授の菊池構成員でございます。
○菊池構成員 菊池です。どうぞよろしくお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 続きまして、公益財団法人日本知的障害者福祉協会副会長の北川構成員でございます。
○北川構成員 北川です。どうぞよろしくお願いします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 続きまして、一般社団法人全国重症心身障害日中活動支援協議会会長の末光構成員でございます。
○末光構成員 末光です。よろしくお願いします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 続きまして、神奈川県福祉子どもみらい局福祉部障害サービス課課長の高橋構成員でございます。
○宮田代理人 課長が今、席を外しておりまして、代理で出席させていただいております宮田と申します。よろしくお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
続きまして、駒澤大学准教授の田中構成員でございます。
○田中構成員 田中です。どうぞよろしくお願いします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 続きまして、一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会常務理事・事務局長でいらっしゃいます又村構成員でございます。
○又村構成員 又村でございます。よろしくお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 続きまして、大阪市福祉局障がい者施策部障がい支援課課長の山川構成員でございます。
○山川構成員 山川です。どうぞよろしくお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 本日は、以上14名全員の構成員の皆様方に御出席いただいてございます。
次に、事務局の職員でございますが、あらかじめ配付させていただきました座席表をもって紹介を省略させていただきます。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。
資料については議事次第のほうにも書いてございますけれども、配付資料のとおり、議事次第、開催要綱のほか、資料につきましては資料1~4まで、参考資料としまして参考資料1が本日の資料となってございます。
不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。もし足りないということであれば、ホームページのほうに掲載をさせていただいておりますので、そちらのほうでも御確認いただけたらと思っております。
1つ注意事項でございます。この後、事務局のほうから資料について御説明させていただいた後に、構成員の皆様方に御議論いただくことになりますけれども、御発言いただく場合には、原則としてZoomの「手を挙げる」の機能をお使いいただきまして、御対応いただけたらと思っております。発言者の方につきましては、こちらから御指名をさせていただきますので、指名に基づいてZoomのミュート機能を外して御発言いただき、御発言が終わりましたら、またミュートにしていただきますようにお願いいたします。
なお、挙手をしているにもかかわらず、発言希望の御意思がこちらのほうに伝わっていないと思われた場合につきましては、オンライン会議のシステム上のチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能でございますけれども、原則としては挙手にて意思表示をお伝えいただきますようによろしくお願いいたします。
続きまして、検討会を開催させていただくに当たりまして、会議の進行役でございます座長の選出を行いたいと思います。座長につきましては、開催要綱に書かせていただきましたけれども、構成員の互選により選出となってございますので、どなたかから御推薦をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
北川先生、よろしくお願いします。
○北川構成員 平成20年の障害児支援の見直し、26年の障害児支援の在り方に関する検討会の座長をなさっていて、これまでの障害児支援の流れ、在り方を熟知している柏女先生を推薦いたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 ありがとうございます。
皆様はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 ありがとうございます。
それでは、本会議におけます座長は、柏女構成員にお願いしたいと思います。
それでは、柏女座長より、一言御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○柏女座長 カメラの関係で、着座にて失礼をいたします。
今ほど御推挙いただきまして、この検討会の座長をさせていただくことになりました柏女と申します。
今、北川先生のほうからお話がありましたように、平成20年から障害児支援の問題に関わりを深く持つような形になりまして、その関係もありまして御推挙いただいたと思っております。懐かしい方々、あるいは研究会等でお世話になっている方々とまた再会できて、うれしく思っております。
タイトなスケジュールになりますけれども、ぜひ皆様方の御協力をいただきましてよりよい会にしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 ありがとうございます。
続きまして、柏女座長の指名によりまして、座長代理の選出を行わせていただければと思っております。
柏女先生、いかがでしょうか。
○柏女座長 障害児入所施設の在り方に関する検討会、さらには障害児入所施設運営指針の策定等に委員として関わってくださいました有村さんに、ぜひサポートをお願いできればと思っております。よろしゅうございますでしょうか。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 皆様方もよろしゅうございますでしょうか。
(構成員首肯)
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 ありがとうございます。
それでは、有村座長代理より一言御挨拶をよろしくお願いいたします。
○有村座長代理 ありがとうございます。座って失礼させていただきます。
私自身、まだまだ勉強不足なところもありまして、特に歴史の流れ等は勉強しながら務めさせていただこうと思っております。やはり社会的養護とか自分自身の子育てのところで気づいたことなどもありますので、力不足ではありますけれども、一生懸命やらせていただければと思います。
どうぞよろしくお願いします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 よろしくお願いいたします。
それでは、以降の議事進行につきましては、柏女座長にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○柏女座長 それでは、皆様方、改めまして、どうぞよろしくお願いいたします。
今日は7時半まで時間を取っていただいておりますので、2時間ほど時間があるかと思います。その中で、そこにありますように4つの議事がございます。事務局のほうと相談をいたしまして、これから申し上げるような方向で進めていきたいと思いますので、お諮りをしたいと思います。
まず、(1)~(3)までについて一括して事務局のほうから御説明をいただいて、できれば全員の方から言わばフリートークのような感じで、この障害児通所支援の在り方についてお考えになっていらっしゃることを御披露いただけないかと思います。これがまず最初の区切りとなります。
2つ目が、「(4)児童発達支援センターの現状と課題について」を考えることは各論の一つになるわけですけれども、今日はそれを議題として挙げていただいておりますので、それについて事務局から説明をいただいた上で、児童発達支援センターの在り方について20~30分意見交換をしたいと思います。これについては、御発言のある方に随時御発言をいただく形にさせていただこうかと思います。
そんな流れで、最大7時半までの時間を過ごしていきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
(構成員首肯)
○柏女座長 ありがとうございます。それでは、そのような形で進めさせていただきます。
最初のフリートーキングの御発言の順序については、構成員の名簿の順で御指名をさせていただきたいと思いますので、事務局の説明をお聞きになりながら、御発言事項のメモなどをお願いできればと思います。
それでは、議事に入っていきたいと思います。議事の「(1)主な検討課題について」「(2)今後の検討の進め方等について」「(3)障害児通所支援の現状等について」、一括して事務局のほうから御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○鈴木障害児支援専門官 それでは、事務局より御説明させていただきたいと思います。
資料1を御覧ください。「主な検討事項(案)」ですけれども、論点を5つ挙げさせていただいております。
まず1つ目は、児童発達支援センターの位置づけについてでございます。
1つ目の○です。センターに求められる「中核機能」について、法的に果たすべき機能が明確になっていない、一般の児童発達支援事業所との役割分担が明確になっていないという指摘について、どう考えるかということ。
2つ目の○です。「福祉型」と「医療型」のセンターの在り方についてどう考えるか。
2番目の論点です。児童発達支援・放課後等デイサービスの役割・機能の在り方について。
1つ目の○です。平成24年度の制度再編以降、児童発達支援・放課後等デイサービスのサービス利用者数は大きく増加しております。サービスの内容も様々に広がり、中には、補習塾的な機能や預かり中心の事業所もあるとの指摘がございます。
2つ目の○です。一方で、女性の就業率の上昇に伴い、発達支援を必要とする障害児の保護者の就労を支える役割を求められている側面もある。
3つ目の○です。また、放課後等デイサービスについては、専修学校・各種学校に通う障害児等は対象になっていない。現行、学校教育法1条に規定されておりますので、この2つの学校が対象になっていないという問題点です。
これらの点についてどう考えるか。
3つ目の論点です。インクルージョンの推進についてです。
1つ目の○です。児童発達支援・放課後等デイサービスの充実によりまして、従来は障害と認識されずに育てづらさ・生きづらさを抱えていた児童が、新たに発達支援につながるようになった一方で、適切な支援を受けながら一般施策、保育所や放課後児童クラブを利用するという選択肢として検討しづらくなっているという指摘もございます。児童発達支援・放課後等デイサービスが身近な地域で増えたことによって、一般施策のほうでも十分受け止められるお子さんが、児童発達支援や放課後等デイサービスのほうの利用が増えているのではないかという問題意識でございます。
2つ目の○です。こうした状況も踏まえ、障害児の地域社会への参加・インクルージョンの推進におきまして、児童発達支援センター・児童発達支援事業所・放課後等デイサービス事業所の役割についてどう考えるかです。
続きまして、4つ目の論点です。障害児通所支援の支給決定の在り方についてです。
1つ目の○です。障害児通所支援の支給決定に関しましては、障害児の心身の状態や当該障害児の介護を行う者の状況等を勘案して行うこととなっておりますけれども、障害児の心身の状態を把握する上では、5領域11項目の調査を行うこととしております。
2つ目の○です。ただ、5領域11項目の調査では、全介助・一部介助で判断しますけれども、食事や入浴等の身体介助の必要度及び行動上の課題のみが把握されまして、この児童期に大切な発達支援の必要性の観点は含まれておりません。また、支給決定で決定するのは、児発を使うのか、放デイを使うのかということなどサービスの種類、またその利用日数等であり、どのような発達支援を行うかは、保護者が選択した事業所に事実上は委ねられているという問題点です。
3つ目の○ですけれども、こうしたことを踏まえ、障害児通所支援の支給決定の在り方についてどう考えるか。
最後の論点です。事業所指定の在り方についてです。
都道府県・指定都市・中核市は、児童発達支援・放課後等デイサービスの指定申請があったときに、必要量を満たす場合には、指定を行わないことができます。
2つ目の○ですけれども、一方で、同一都道府県等の中でも、地域によって事業所の偏在が著しい場合や、総量としてはニーズが達成されていますけれども、対象者、例えば医療的ケア児の方とか、ケアニーズの高いお子さんの受入事業所がないなど、都道府県の中での事業所の配置に対して、都道府県が適切に関与することが望まれる実情もある。
3つ目の○です。しかしながら、自治体としての必要な事業所数の見込み方やどのような場合に行うことが適切かなどについてはお示ししていませんので、指定がなかなか効果的に実施されていない、いわゆる都市部に固まってしまったりとか、本当に必要な場所に事業所がなかなかないとか、そのような偏りがあるのではないかという問題点がございます。
こうしたことを踏まえ、事業所指定の在り方についてどう考えるか。
こちらが資料1の主な課題になります。
続きまして、資料2を御説明させていただきたいと思います。「本検討会の今後の検討スケジュール(案)」を御覧ください。
先ほど冒頭でも室長のほうから御挨拶申し上げまして、スケジュールがかなりタイトになっていますので、構成員の皆様にはかなり御負担をかけることを申し訳なく思いますけれども、御説明させていただきたいと思います。
本日は、柏女座長よりありました検討事項に係るフリートーキングと児童発達支援センターの位置づけについてでございます。
第2回目は7月上旬ぐらいをめどに、団体のヒアリングと児童発達支援センターの位置づけを行いたいと思っています。児童発達支援の役割・機能の在り方についてですので、児童発達支援全体の関係性がありますので、2回目はセンターと児童発達支援事業所の役割分担等を御議論いただきたいと考えております。
第3回目は、また団体ヒアリングと、放課後等デイサービスの役割・機能の在り方について。
第4回目が8月に入りまして、インクルージョンの推進についてですけれども、こちらは第2回の児童発達支援または第3回の放課後等デイサービスの中で、インクルージョンのお話は恐らく先生方から御意見をいただくと思いますので、そこら辺を勘案しながら、少し御議論が足りなかったところはこちらの第4回で御議論いただければと思っております。また、障害児通所支援の支給決定の在り方と事業所指定の在り方についてです。
第5回、8月の2回目になりますけれども、論点の整理と、今まで御議論いただいた中での積み残し事項と、報告書案を第5回、第6回でお示しできればと思っております。
第7回、9月下旬あたりで報告書を取りまとめさせていただいて、終了というように予定しております。
ただ、いろいろと御議論いただいて、御意見をたくさんいただけると思いますので、もし御議論が足りなかった場合は、タイトですけれども9月の3回目の予備日を設けております。
続きまして、ヒアリングについて御説明させていただきます。
ヒアリングは、障害児通所支援全体の在り方や、役割・機能についての現状・課題等について、関係団体よりヒアリングを行ってはどうか。
1団体につき10分程度の意見表明、その後、質疑・意見交換を想定しておりまして、事務局のほうでヒアリング実施団体(案)を挙げさせていただいております。上から順に、障害のある子どもの放課後保障全国連絡会、全国医療的ケア児者支援協議会、全国肢体不自由児・者父母の会連合会、全国重症児者デイサービス・ネットワーク、全国重症心身障害児(者)を守る会、難病のこども支援全国ネットワーク、以上の団体様を案として挙げさせていただいております。上記のほか、この後、必要に応じて追加でヒアリングを行うということです。あくまで案でございますので、御検討いただければと思います。
続きまして、資料3「障害児通所支援の現状等について」、続けて御説明させていただきたいと思います。
○古屋データ解析専門官 資料3の1ページ目を御覧ください。障害児サービスに係る利用児童数等の推移をサービス種類別に載せてございます。
御覧のとおり、障害児サービスの利用児童数は毎年増加してございまして、それに伴い、費用も増加しているところです。
利用児童数につきましては、特に障害児相談支援、児童発達支援、放課後等デイサービスの占める割合が大きく、増加幅も顕著でございます。費用につきましても、特に児童発達支援、放課後等デイサービスの占める割合が大きくなっております。
利用児童数を御覧いただくと、ここ5年間で2.3倍、費用につきましても2.8倍というように、非常に伸びているところでございます。
2ページを御覧ください。こちらは障害児サービスに係る費用の推移を、他制度との比較で示してございます。
障害児通所サービスの費用は、毎年10%を上回る増加率で推移してございまして、下にございます障害児福祉、医療費、介護費と比べて、他制度よりも大きな増加率となってございます。
特にその中でも放課後等デイサービスと児童発達支援の総費用に占める割合は大きく、左上の数字にございますとおり、全体の2.8倍に対して、放課後等デイサービスは3.2倍、児童発達支援は2.2倍というように、大きく顕著に増加しているところでございます。
3ページを御覧ください。障害児サービス費の伸びの分析を行ったものでございます。
障害児サービス費について、利用者数と利用者1人当たり費用という区切りでそれぞれ見ると、ここ最近は、特に利用者数の増加が大きく寄与していることが見てとれます。
御覧いただくと、平成26年度の1715億円から、令和元年度は4692億円となっているわけでございますけれども、利用者数のところを見てございますと、毎年10~20%の間で非常に大きく伸びているような状況です。
それに対しまして、1人当たり費用につきましては、それぞれ報酬改定やその他利用日数の伸び等がございますけれども、利用者数に比べてやや低めの寄与と考えられます。
下のほうに、参考までに1人当たり利用日数の推移を、特に費用の占める割合の大きい児童発達支援及び放課後等デイサービスにつきまして掲載してございます。
続きまして、4ページを御覧ください。通級による指導を受けている児童生徒数と障害児サービス費の推移でございます。
先ほど御覧になったとおり、障害児サービス費につきましては、平成26年度以降、増加を続けているところでございます。
他方、通級における指導を受けている児童生徒数は毎年増え続けており、特に近年、右の図でございますけれども、情緒障害、自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害の児童の増加が目立っているところでございます。
5ページを御覧ください。若干観点を変えまして、医療側の動向を把握したものでございます。診療報酬の発達障害関係の算定回数の推移を示してございます。
診療行為別の算定回数の推移を見ますと、臨床心理・神経心理検査の算定回数が若干増加傾向にございまして、子供の心理・発達に関する特性把握の需要が年々増加していると考えられます。
6ページを御覧ください。こちらは文科省の調査でございまして、通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査を過去に行ったものでございます。
調査対象といたしましては、全国の公立小中学校からそれぞれ600校を学校規模別に応じて抽出しまして、原則、各学年から男女5名の児童生徒を調査したものでございます。調査対象としましては5万4000人弱、回収数は5万2000人と、97%の回収率となってございます。
この調査が行われたのは、平成24年2月~3月にかけてでございます。
質問項目は、児童生徒に対しまして、学習面は「聞く」とか「話す」といったそれぞれの項目についてどうかといった点。行動面は2点ございます。「不注意」「多動性-衝動性」や「対人関係のこだわり等」についてそれぞれ調査を行ったものでございます。
参考にございますとおり、学習面につきましては、「聞く」「話す」「読む」「書く」といったそれぞれの領域につきまして、読むのが遅いとか、書くことができないといった項目につきまして、よく当てはまるのか、それとも当てはまらないのかといったところを該当項目に応じて加算ポイントをつけまして、それぞれ点数の高いところをカウントしたものでございます。
行動面につきましても、「不注意」もしくは「対人関係」につきましてこだわりがあるといったところ、該当すればポイントを加算しまして、それぞれの児童につきまして該当するかどうかをカウントしたものでございます。
結果を7ページに書いてございます。全体としまして、表の一番上でございますけれども、「学習面又は行動面で著しい困難を示す」というところが6.5%とございまして、これがいわゆる新聞等で6%程度、発達障害の可能性があると報道されたものでございます。
それを学年別に示したものが下の表になります。小学校第1学年から中学校第3学年にかけまして、おおむね下の学年ほどその割合が高く、中学校3年生に行くにつれて発達の度合いといいますか、年齢に応じてだんだん減少していくような傾向が見てとれます。
8ページを御覧ください。こちらは実際の障害児サービスの利用率の推移を年齢別に見たものでございます。
年齢別に障害児サービスの利用率(人口に対する利用者数の比率)を見ると、どの年齢においても毎年増加してございまして、実際に先ほど6.5%という数字がございましたけれども、直近の令和元年度ですと、一番高いところの5歳児で4%弱、3.7%という数字になってございます。
続いて9ページを御覧ください。女性の就業率と保育所・放課後児童クラブの利用児童数について示したものでございます。
20~44歳の女性の就業率は、左のグラフでございますけれども、平成20年から令和元年にかけまして6~7割から7~8割というように、各年齢階級別にどこも10%程度上昇してございます。
また、右のグラフでございますけれども、保育所等や放課後児童クラブにおける利用児童数も徐々に増加してございまして、児童に係るサービスのニーズが増加する中で、やはり障害児サービスのニーズも増加するのではと考えられます。
10ページを御覧ください。こちらは女性の就業率について、全年齢階級で参考までに示したものでございます。
11ページを御覧ください。こちらは年齢別に見た利用者数の推移です。先ほど8ページで見た利用率を利用者数に置き換えたものでございます。実際の利用児童数がどの程度いるのかを示したものでございます。
こちらを御覧いただくように、どの年齢においても毎年増えてございまして、特に5歳児での利用者数が一番多くなってございます。
続いて12ページを御覧ください。先ほどのグラフに矢印を付け加えることで、コーホート別に見た利用者数の推移を示したものでございます。
コーホート別に障害児サービスの利用者数を見ると、特に平成24年度生まれを御覧いただきますと、0歳~5歳まで増加していきまして、真ん中ら辺、平成21年度、平成22年度生まれ等を御覧いただきますと、5歳以降若干減少することもあるものの、さらに先に生まれた平成18年度、17年度生まれのところを御覧いただくと、11歳~15歳くらいまで緩やかに増加していく傾向にございます。
また、ピークとなる年齢が徐々に下がってきているように見受けられるといいますのは、平成15年度生まれを御覧いただきますと、ピークが15歳ぐらいのところにあるのかなと見受けられます。他方、16年度生まれに関しては、1歳下がった14歳ぐらいのところがピークに見受けられます。17年度につきましても13歳ぐらいのところがピークなのかなというように、徐々にピークとなる年齢が下がってきているのではないかと見てとれます。ただ、今後も注視していきたいデータでございます。
13ページを御覧ください。児童発達支援の事業所数の変化を都道府県別に示したものでございます。
児童1,000人当たりの児童発達支援の事業所数、いわゆる事業所の密度でございますけれども、平成26年度から令和元年度にかけて、多くの都道府県で2倍以上となってございます。
また、地域のばらつきでございますけれども、令和元年度において一番多い北海道(2.54事業所)と、一番少ない秋田県(0.45事業所)では、約5倍以上の事業所数の密度の開きがございます。
14ページを御覧ください。こちらも児童発達支援と同じように、放課後等デイサービスの事業所数についても変化を見たものでございます。
児童1,000人当たりの放課後等デイサービスの事業所数は、同じように平成26年度から令和元年度にかけまして、多くの都道府県で2倍以上となってございます。
また、一番多い沖縄県(2.06事業所)と、一番少ない新潟県(0.67事業所)では、3倍以上の事業所数の密度の開きが見てとれます。
15ページを御覧ください。都道府県別に見た1人当たりのサービス費でございます。
障害児サービスにつきまして、都道府県別に、特定の年齢と書いてございますけれども、具体的には5歳と14歳の利用者1人当たりのサービス費を見ると、地域ごとにばらつきが見てとれます。
また、児童発達支援が主なサービスとなる5歳と放課後等デイサービスが主なサービスとなる14歳では、地域ごとのばらつき度合いも異なっているという状況を見たものでございます。
16ページを御覧ください。障害児サービス費と一般施策における障害児受入数との関係でございます。
サービス費を人口で割った人口1人当たりのサービス費と保育所・放課後児童クラブでの障害児受入数を都道府県別に見ると、障害児の受入率、具体的には障害児受入数を障害児サービスの利用者数で割ったものが高いところほど、人口1人当たりのサービス費は低くなってございます。
受入率を、障害児受入数と障害児サービスの利用者数で比率を示してございまして、サービスを利用している者を分母に取っているため、結果として100%受入率、横軸を超えているところがございます。分母と分子は若干対象が異なりますので、結果的にそういった形になってしまうものでございます。
御覧のとおり、受入率が高いところほど、右下のほうに人口1人当たりのサービス費が少なくなっているという状況でございます。
17ページを御覧ください。こちらは御参考でございますが、日中一時支援について並べたものでございます。
日中一時支援は、御存じのとおり市町村が行う地域生活支援事業における任意事業の一つに位置づけられる事業でございます。
平成29年度の実施状況は、アンケート調査において回答のあった1,104自治体のうち959自治体が実施してございまして、利用者数は4万8000人弱でございまして、そのうち障害児は1万9964人でございました。
左の表は、ざっくりでございますけれども年齢階級別に示したものでございます。
右のグラフは、他制度との単純な比較でございますけれども、このような形になってございます。
次の18ページ、19ページ、20ページにつきましては、先ほどグラフのみで数字がなかったところにつきまして、生の数字を簡単に書いたものでございます。参考でございます。
○鈴木障害児支援専門官 続きまして、21ページを御覧ください。ここからは令和2年度障害者総合福祉推進事業で「障害者支援のあり方に関する調査研究-放課後等デイサービスの在り方-」ということで、障害児通所支援の調査を昨年度行わせていただきました。その報告書より御報告いたします。
この事業の調査対象は、今日も御参加いただいています全国児童発達支援協議会の会員の皆様に御協力いただきまして調査のほうを進めてまいりましたので、感謝申し上げます。
それでは、御説明させていただきます。22ページを御覧ください。障害児通所支援事業所における個別活動の実施状況です。
事業所が提供する全活動時間に占める個別活動、児童1人に対して職員1人が対応する活動と定義していますが、その時間の割合についてタイムスタディー調査を実施しましたところ、2割前後の事業所は個別活動を全く実施していなかったという結果になっております。特に児童発達支援事業所では、約半数が個別活動を実施していないという結果です。
なお、個別活動の実施割合と更衣・排せつ等の直接介助の実施割合との間に相関は見られませんでした。
続きまして、23ページを御覧ください。
タイムスタディー調査から個別活動の具体的な内容を見ております。遊びと食事・おやつの時間が多くを占める事業所が多かったということになってございます。
また、個別活動を多く(全支援時間の50%以上)実施している事業所におきましては、専門的訓練と登降園準備等に多くの時間を割いております。赤く囲ってあるところになります。
続きまして、24ページを御覧ください。こちらは障害児通所支援事業所における保護者の利用ニーズになっております。
障害児通所支援事業所を利用する児童の保護者に実施したアンケート調査によりますと、社会性やコミュニケーションスキルの獲得、感性と表現力の向上を重視している保護者が多かったということです。
なお、母親の就労形態(正規・非正規の別、土日祝日勤務の有無等)との相関関係は見られなかったということで、保護者の方が事業所にお求めになっていることは、社会性の獲得や感性の向上等が多かったという調査になっております。
25ページを御覧ください。こちらは障害児通所支援事業所において提供されている主な発達支援になります。
令和2年度の障害児通所支援事業所に対して実施したタイムスタディー調査における発達支援等の提供時間(支援の提供総時間に占める各支援の提供時間の割合)をサービスごとと年齢、平日の短時間・長時間、休日の短時間・長時間で、少しマトリクス的にまとめたものでございます。
細かく御説明すると時間がかなり超過してしまいますので、私のほうでざっくりと傾向を見させていただきますと、児童発達支援事業と児童発達支援センターに関しましては、発達支援の提供時間の中では、生活と遊びを中心に提供している割合が考えられるかなと思っております。
医療型児童発達支援になりますと、リハとかを行っていることが想定されますけれども、生活と遊びのほかに専門的訓練が入ってきます。
放課後等デイサービスに関して特徴的なところは、休日を御覧いただけると分かると思いますけれども、休日、いわゆる土日、祝日は専門的訓練、長時間になりますと軽作業や活動というように、ふだんの平日ではできない活動を土日、祝日等に行っているという傾向が見られるかと思います。
続きまして、障害児通所支援の制度概要等です。
こちらは皆さん御存じのとおりかと思われますけれども、いま一度簡単に御説明させていただければと思います。
まず、児童発達支援についてですけれども、対象児童に関しましては、主に未就学の障害児となっております。
事業の概要、サービス内容は、日常生活の基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練、そのほか必要な支援を行う通所です。
事業の担い手が、児童発達支援センターとそれ以外の事業所に分かれております。
28ページを御覧ください。児童発達支援の現状です。令和元年度の費用額に関しましては、障害福祉サービス等全体の総費用額の4.6%になります。障害児支援全体の総費用額の26.6%を占めておりまして、総費用額、利用児童数、請求事業所数のいずれも増加傾向にございます。
続きまして、29ページは医療型児童発達支援の現状です。
医療型児童発達支援に関しましては、令和元年度の費用額は、障害福祉サービス等全体の総費用額の0.03%です。障害児支援全体の総費用額の0.2%を占めております。こちらは総費用額、利用児童数、請求事業所数ともに増減しつつも、全体的には減少傾向にあるかと読み取れます。
続きまして、30ページは放課後等デイサービスです。
事業の概要は、学校通学中の障害児に対しまして、放課後や夏休み等の長期休暇中において、生活能力向上のための訓練等を継続的に提供する、また、学校教育と相まって障害児の自立を促進するとともに、放課後等における支援を推進します。
対象児童は、学校教育法第1条に規定する学校に限定されております。
また、提供するサービスは⓵自立した日常生活を営むために必要な訓練、⓶創作的活動、作業活動、⓷地域交流の機会の提供、⓸余暇の提供となっております。
31ページを御覧ください。放課後等デイサービスの現状は、令和元年度の費用額は、障害福祉サービス等全体の総費用額の12.0%、障害児支援だけですと総費用額の68.4%を占めております。こちらは全て大幅な増加を続けておりまして、平成24年から令和元年度の伸びが、児童発達支援が3.1倍に対しまして、放課後等デイサービスは6.9倍となっております。
32ページは居宅訪問型児童発達支援についてです。
平成30年の新規事業になりますけれども、事業の概要は、重度の障害等の状態にある障害児であって、障害児通所支援を利用するために外出することが著しく困難な障害児に対して、障害児の居宅を訪問して発達支援を行うという、御家庭に出向いて発達支援を行うという事業になっております。
33ページを御覧ください。平成30年度の新規事業ですけれども、令和元年度の費用額は障害児支援全体の総費用額の0.02%を占めております。
続きまして、34ページは保育所等訪問支援事業です。
事業の概要としましては、保育所等を現在利用中の障害児または今後利用する予定の障害児が、保育所等における集団生活の適応のための専門的な支援を必要とする場合に、訪問支援を実施することにより、保育所等の安定した利用を促進するということになっております。
保育所等、幼稚園、認定こども園、小学校、特別支援学校等に出向いて発達支援を行うことになっています。平成30年から、社会的養護施設の乳児院、児童養護施設が追加になっております。
35ページを御覧ください。保育所等訪問支援の現状ですけれども、令和元年度の費用額は、障害福祉サービス等全体の総費用額の0.06%、障害児支援だけですと総費用額の0.4%を占めております。
少し増加傾向ではございますけれども、児童発達支援、放課後等デイサービスと比較すると小規模な伸びかと思います。
36ページは令和3年度障害福祉サービス等報酬改定で、今年度の4月1日から施行になりましたので、簡単に御説明させていただきたいと思います。
37ページが今回の令和3年度の障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容になります。今日は障害児通所の検討会ですので、3番の「医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進」のところだけを御説明させていただきます。
4つの大項目がございます。1番が医療的ケアが必要な障害児に対する支援の充実、2番が放課後等デイサービスの報酬体系等の見直し、3番が児童発達支援の報酬等の見直し、4番が障害児入所施設における報酬・人員基準等の見直しとなっております。
38ページは、医療的ケア児者に対する支援の全体像を説明しております。こちらは割愛させていただきます。
39ページを御覧ください。今回は、医療的ケア児への基本報酬を創設したことが、医療的ケア児のサービスに関しましては充実したところでございます。
2つ目の○です。今回改定においては、いわゆる「動ける医ケア児」、知的水準が高くて動けるけれどもなかなか受入れがないという課題がございましたので、それに対応した判定スコアを研究事業のほうで作成いたしまして、医療的ケア児を直接評価する基本報酬を新設しております。基本報酬におきましては、医療濃度に応じて、新スコア3点以上だと3対1、新スコア16点以上ですと2対1、新スコア32点以上ですと1対1の看護職員の配置を想定した場合には、必要な額の報酬を手当てしますということです。
また、1事業所当たりごく少人数の医ケア児の場合は、基本報酬での採算が取りづらい、看護職員を配置するのがなかなか難しい場合であっても幅広い事業所で受入れが進むよう「医療連携体制加算」の単価を、医療的ケアのお子さんとそれ以外のお子さんで差別化しております。
最後の※印ですけれども、新たな判定スコアを用いた医師の判断を活用することにより、新生児から円滑に障害福祉サービスの支給決定が得られるように運用を改善しております。
40ページは放課後等デイサービスの報酬体系等の見直しです。
大きなところは、平成30年に導入しました区分1、区分2の基本的な区分を廃止いたしまして、統一しております。
⓵個別サポート加算Ⅰ、⓶個別サポート加算Ⅱを創設しまして、その障害児の状態像に合わせた加算を創設しております。また、⓷で専門的支援加算ということで、専門的支援を必要とされる児童のために専門職を配置した場合は加算を設けております。
また、平成24年の創設からずっと皆様から御意見をいただいておりましたとおり、事業者要件に障害福祉サービス経験者を廃止しまして、保育士もしくは児童指導員のみとして、質の向上を図っております。
41ページは児童発達支援センターの報酬等の見直しです。
基本的な構造は放課後等デイサービスとほぼ変わっておりません。センターの特徴は、今まで現行のところで児童指導員等加配加算Ⅰ、配置を多くした場合の1人目までが報酬算定出来ましたけれども、専門的支援加算とケアニーズの高いまたは虐待等のサポートが必要なお子さんを受け入れた場合に加算を創設して、報酬を増やせるようになっております。
最後です。児童発達支援事業所、一般事業所の報酬等の見直しも基本的には同じ構造になっておりますけれども、基本的な人員配置の部分を保育士、児童指導員のみに引き上げております。
簡単ではございましたけれども、こちらで資料の説明は以上となります。
○柏女座長 ありがとうございます。
駆け足で御説明いただきましたけれども、一読してお分かりのとおり、クロス集計等々も含めて、かなり詳細なデータを出していただいております。事務局に感謝したいと思います。
今、御説明をいただきましたが、第1回目ということで、先ほど申し上げましたように、障害児通所支援の現状と課題について、できれば構成員の皆様方にお一人ずつ御意見を頂戴したいと思います。
なお、この検討会ですけれども、初回から厚生労働省の関係課、内閣府の関係セクション、さらに文科省の関係セクションの方々にも御参加いただいていることも聞いております。そういう意味では、最初は厚労省だけにとどまらず御意見をいただいてもいいのではないかと思います。
また、厚労省のほうで論点を大きく5つに分けて提示をしていただきましたが、例えばそれ以外の論点も加えたらいいのではないかといった御意見があれば、なかなかそういう機会を取ることができませんので、今、出していただいた上で、この検討会の中に入れていくか、あるいは最後に残された課題という形で入れていくか、そこは事務局の采配にもよりますけれども、御意見についても頂戴できればと思います。
後の議題も考えますと、6時30~40分ぐらいまでの時間が取れるかと思いますので、今、メンバーが14人となりますと、交代にちょっと手間取ることもあるかもしれませんが、お一人2分強ぐらいでお話しいただければ、進行係としてはとてもありがたいと思います。少なくとも5~6分は取らないでいただければということです。
順番については先ほどお話しさせていただきましたとおり、トップバッターで申し訳ございませんけれども、秋山さんのほうから順に進めていければと思います。
それから、もし事務局への御質問がありましたら出していただいても構わないのですが、できれば最後にまとめて御質問に対する御回答をいただければと思っています。進行上そのほうが無駄がないので、いいと思います。ただ、質問に回答いただかないと意見が言えないというようなものがもしありましたら、それは短く事務局のほうから御回答いただいて、御意見を出していただくというやり方にさせていただければと思います。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、まず秋山さんのほうからお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○秋山構成員 あきやま子どもクリニックの秋山です。よろしくお願いいたします。
今回の主な検討事項はとても的確で必要なことだと思いますので、ぜひこの検討事項でお願いしたいと思っております。
私は重心の児童発達支援事業所を運営しておりまして、その中で感じておりますのがインクルージョンの推進です。地域の中で重度の子供たちがまだ隔離されているような状況で、ぜひとも地域の中で生活できるように、現在私のほうでは並行保育ということをやりまして、地域の保育園と交流をしながらやっております。
そのときの児童発達支援事業所の役割を見直すことが必要かと思います。インクルージョン推進に向けての事業所の位置づけ、例えば中間施設のような役割があるのではないかと思っています。
また、地域の中で生活することによって、先ほど出ました女性の就業率に伴う就労支援も行うことができ、また、就労支援だけではなく障害者の保護者に対して自己実現の機会にもなるのではないかと思っております。
この検討事項でもう一つ検討していただけるのであれば、24ページに保護者の利用ニーズがありますが、これは発達障害や知的障害を持つ保護者と重度のお子さんを持つ保護者では異なるのではないかと思います。そういう意味でも、今、児童発達支援事業所が一くくりになっていますが、重度とどう区別するかを検討していただければと思います。
最後に1つ質問ですけれども、29ページの医療型児童発達支援事業の現状のところで、医療型自体が減少傾向にあるとあります。これはどのように分析されているのか、教えていただければと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、質問は最後にさせていただいてもよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、有村座長代理は後にさせていただいて、市川さん、お願いいたします。
○市川構成員 JDDnetの市川でございます。
本日のスケジュールに沿って、児童発達支援センターに絞って、私どものお願いをお話しさせていただきたいと思います。
私たちJDDでは、これらの事業全てに外部評価を入れるべきだという大前提を持っております。また、これらの外部評価で要求される専門性について、改善できるような研修等が実施できるということが理想ではないかと考えております。
現在の児童発達支援センターについては、悪い言い方をしますと、肢体不自由や知的障害の通所施設の域を出ていないのではないかという見方もありまして、機能としては発達支援、家族支援、地域支援の3つが重要だと思います。このことを法的に位置づけるとともに、ガイドラインに書かれているように、この内容をいかに児童発達支援センターに実践していただくかということを明記していただけたらありがたいと思います。
また、センターについては、人的配置も中心となる職員は児童指導員あるいは保育士という通所施設時代の形態を引き継いでいるようにも思われます。その機能から必要とされる人材について、資格と人材養成のための研修制度を整えていただくことが必要だと思います。いろいろと厚労省のほうでも工夫していただいているとは思いますけれども、センター屈指の機能を十分に発揮できるためには、もう少しその辺りを進めていただきたいと思います。
また、児童発達支援センターは、総合的な支援センターとして市町村や障害保健福祉圏域において中核となるものだと思います。それぞれの児童発達支援事業をサポートして、全体として地域の児童発達支援体制を構築するものだと思われます。国としては、このような児童発達支援体制をきちんと法的に規定していただきまして、構築のための予算をつけていただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、続きまして、小川陽さん、お願いします。
○小川(陽)構成員 日本相談支援専門員協会の小川と申します。よろしくお願いいたします。
先ほどの秋山先生の御発言と同様に主な検討事項の内容についてはおおむねこの論点でよろしいのではないかと考えているところです。
また、今日は大変貴重な資料、データをいただきましたので、これらが大変参考になるということと、一方で、これらについてどう読み込むのかということがかなり重要かなと思っておりますので、後ほど1点だけ、資料の読み方についての質問をさせていただきたいと思っております。
私は日本相談支援専門員協会の理事ですので、相談支援の立場から申し上げますと、インクルージョンを進めていくに当たっては相談支援の果たす役割は大きいと考えております。一方で少し数字が古いのですけれども、児童期においては成人期と比較して、いわゆるセルフ率が高いという状況があります。令和元年度の部分で全国平均約28.1%がセルフ率、成人期が同年で15.9%ということですので、これについては協会としても課題感を持っているところですが、児童発達支援センターの有する地域支援の機能として、相談支援がありますので、こちらも含めて一体的に考えていく必要があるだろうと考えております。
また、今日この後、児童発達支援センターについては別途御説明があるかと思いますので、詳細については割愛をしたいと思いますが、どのように関係機関がネットワークを組みながら連携・協働していくのかということが大変重要だと思っておりますし、それについては単に障害児通所支援という枠だけではなくて、地域全体を見ていく視点が必要なのだろうと考えております。
私からは、一旦以上とさせていただきます。ありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございます。
御質問があるとかというお話だったのですが、今、言っていただいたらまとめて回答します。
○小川(陽)構成員 よろしいですか。ありがとうございます。
そうしましたら、御提示いただいた資料の15ページで、都道府県別に見た1人当たりのサービス費(年齢別)をお示しいただいています。これについては5歳と14歳で比較をしていただいているのですが、やはりこうやって47都道府県を並べたときに、かなり高低があるなというように見させていただきました。今回の主な検討事項にもあります支給決定の在り方との相関関係が強いかなと思いますので、この状況について何か事務局のほうで背景的なことですとか、要因ですとか、お感じになられていることがあれば、ぜひ御教示いただければ幸いです。
○柏女座長 分かりました。ありがとうございます。
数字の読み方の御質問かと思います。よろしくお願いいたします。
では、続いて小川正洋さん、お願いいたします。
○小川(正)構成員 柏市障害福祉課の小川でございます。
まず、主な論点に関しては、おおむねこちらのほうでよろしいかと思います。
そして、私は行政の立場でここに参加させていただいていますので、地域の状況や現場の状況、そういった部分から何らかの意見を言えたらと思っております。
その中で、少し絞って言いますと、冒頭、河村室長のほうからもお話があったのですが、障害児に関する様々な支援サービスが増加するという部分では施策上望ましいとは思っているのですが、一方、障害児サービスに関する費用の部分はどうしてもかなりの勢いで上がっているという課題についても、行政の現場としては認識しているところでございます。
その中で、特に絞って言いますと、児童発達支援、放課後等デイサービスの役割・機能の在り方は、目指していた部分と実際の現場の乖離といった部分については考える必要があるのではないかと思っております。
例えば、児童発達支援とか放課後等デイサービスで、増えていく実態の中で療育の支援に欠けている事業所が多いというか、どちらかというと預かり中心になっているというのが先ほどの資料の中でもうかがえることから、必要な支援を行っているところと、単なる預かりというような、本当に障害児にとって適正な支援がされていないのではないかというのが、現場の実地指導を行う中でも感じられますので、そういった部分については考えていくべきではないかと思っております。事業所としてはその質の部分の確保が大事な点です。
また、実際障害児を預ける親御さんは、真に療育等で必要ということで預けているのかどうかを考える必要がある。保育園や幼稚園とかであれば、保育は親御さんたちが働いているので保育が必要、就労世帯の預かりの場だったり、幼稚園は幼児教育の場だったりします。そういったことでいうと、放課後等デイサービス等は障害児の療育という観点が重要であると思うのですが、実際は預かり中心だったりする。費用の問題でも保育園、幼稚園と比べるとかなり負担額が少ないので、セルフプランでとにかく基準のマックスでサービスを求める、預けているというか使うという現状もございますので、真に必要な福祉サービスはどこまでかとか、就労時間等に応じたサービスの範囲や費用負担の額、基準との関係だとか、そういった部分と実態の部分でより良い方向となるよう議論できたらと思っております。
本来の児童発達支援と放課後等デイサービスの存在意義だとか目的を改めて明確にして、支援の質の向上につながるようになっていただけたらと思っています。
以上です。よろしくお願いいたします。
○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、加藤さん、お願いいたします。
○加藤構成員 加藤です。よろしくお願いします。
初めに、冒頭にもありましたように、この検討会というのは2008年に障害児支援の見直しに関する検討会が立ち上がって、その後、6年後の2014年に障害児通所支援の在り方に関する検討会という、過去2回の子供に特化した検討会が行われたという経緯があります。
それを踏まえて明らかになったのは、地域で子供が主体的にインクルーシブに育つ、育てるということを目指した確かな理念に基づく方向性が定着し、確実に発達支援サービスが地域に充実してきているということを現場の人間としても実感し、評価をし、関係者として感謝を申し上げたいと思っております。
具体的には、乳児期から児童期にかけての発達支援サービス、選択肢の拡充、相談支援の位置づけがしっかりできた。子供とその家族のニーズに答えるべく、スタッフの多職種による専門性とそのチームアプローチ支援という問題、関係機関とのネットワーキングやノットワーキングの位置づけができてきている。それから、地域の自立支援協議会専門部会での子供部会の立ち上げがあろうかと思います。この13年間にそうしたものが確実に広がり、定着をしてきているのですが、しかし、これらのいずれもが残念ながらまだ道半ばと言わざるを得ません。ある意味では立てつけができたのですけれども、あらあら外面は整っているのですが、あちらこちらに不具合や破損箇所があったりで、いま一つ住み勝手や住み心地が悪いといった感じです。
多くの地域には医療、教育、福祉、母子保健、行政など、子供関連の機関、人はそれなりに潤沢にいるようになってきてはいるのですが、しかし、残念ながらそれらを合目的的にマネジメントする人、そういう様々な人としての資源、機関としての資源が残念ながらばらばら、勝手勝手なことをやっているという実態が現実です。ある意味では、タコの足みたいに絡まってしまっているというような実態が地域においては現実のような気がいたします。それは社会的にも様々な資源不足の中で、大きな社会的ロスだと言わざるを得ません。やはりこれを何とかすべきだと思います。
特に、例えば過去の検討会の中で指摘されて立ち上がった保育所等訪問支援事業、放課後等デイサービスあるいは障害児相談支援事業、これらの問題は今後のまさに世界的な潮流でありますインクルーシブな共生社会構築にとって、子供の場合の3大基本事業ではないかと思います。
しかし、そのいずれの機能も残念ながらいまだ不全状態と思わざるを得ません。そうした中で、今後のテーマとしてはワンストップとしての障害の一元化と、医療モデルを促進する、これも過去に指摘されていることではあるとしても、まだ中途半端、医療的福祉サービスセンターみたいなものがいまだに残っていたり、あるいは昨今の直近の動きとして、医療モデル系の議連による単独行動といいますか、例えば難聴議連とかというのはもちろんそれぞれに大事ではあるのですけれども、従来の流れとは全く非連続にそうした動きが起きて、かなり大きな力を持って動いているという実態があります。こういう問題をどうするのか、それは限られた財源を取り合うみたいなことになりかねないですね。だから、この辺の問題が今後の大きなテーマになる。
ここで議論することではないのかもしれないですけれども、そういう意味では、多様なニーズを持つ子供とその子育ての難しさに対する安心できる場、プラットフォームといったものをしっかりと地域の中に位置づけていくという意味では、既存の児童発達支援センターが一番近道、近いところにあるのだろうと思われます。
○柏女座長 加藤さん、申し訳ありません。ちょっと時間が超過しておりますので、手短にお願いいたします。
○加藤構成員 もう終わります。
このマネジメント機能をしっかりと地域の中につくっていくことが大切だと思います。
それから、老人の場合に介護ケアマネジャーというのがいるようですけれども、子供の場合にもそういうマネジャー制度があったらいいなということと、教育との共働ですね。共に働くという意味でのその辺のリンク、トライアングルというような動きがありますけれども、これらをどのように動かしていくか。
今、こども庁の問題がありますけれども、これもどのように取り組んでいくべきなのか、今の動きとこども庁の新たな動きとの関係をどう捉えていくべきなのかということ。それから、自立支援協議会専門の子供部会の形骸化をどうするか。形は整ってきているのですけれども、ほとんど機能していない、年に1~2回の集まりをもって何をしているのかという感じで、でもやっていると言われてしまうとずっこけるようなところはあるのですけれども、この辺の問題もここでぜひ皆さんと共通認識を持って、次に進めたらいいなと思うところです。
すみません、以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
では、菊池さん、お願いいたします。
○菊池構成員 三重大学の菊池と申します。教育学部の特別支援教育の教員をしております。
私は、主な検討事項につきましては、御提案いただいたことには異論ございません。その中で2番、児童発達支援・放課後等デイサービスの役割・機能の在り方に関連して、少し御意見を申し上げたいと思います。
先ほど資料3の8ページに、年齢別に見た障害児サービスの利用率の推移がございまして、そこを見ますと5歳児が一番利用している率が高いということが出ております。ということは、つまりは学校に上がる1年前の段階において、親御さんたちが非常に自分の子供のことを気にされて、児童発達支援を利用されているのだろうということがこのグラフから見えてくるのだろうと思います。
また、同じく資料3の4ページを見ていますと、通級による指導を受けている児童生徒数と障害児サービス費の推移がございますが、通級による指導というのは、いわゆる通常学級に在籍している子供たちが取り出しで勉強するところが通級ということになります。ですから、先ほどの5歳児との関連を考えますと、いわゆる発達障害と言われていて、特別支援学級には在籍しないで、通常学級で情緒や学習の問題のある子供さんたちが通級ということになりますから、児童発達支援と学校とのつながりというか、今後そういうところをしっかりと考えていかなければいけないのだろうなと思います。
具体的には、学校においては個別の指導計画や個別の教育支援計画もありまして、一方で、児童発達支援においてはサービス等利用計画があると思いますが、どちらかというと児童発達支援や放課後等デイの先生方のほうは教育に対する理解があるとは思われるのですが、教育の側から福祉の側に対する理解というところがまだまだ十分に行えていないというようなところも印象としてございますので、そこをどのように福祉の側からも一生懸命働きかけていくか、実効性のある連携をつくっていくかというところが課題ではないかと考えております。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、北川さん、お願いいたします。
○北川構成員 私も提案いただいた検討事項はよいと思っています。
また、たくさんのデータの資料も、本当にありがとうございます。
児童発達支援センターの役割ですけれども、地域において中核的な療育支援を行うということで、本当に身近な地域で、障害があるとか発達に心配のあるお子さんと家族を支援する場としての大切な役割があると思います。発達支援、家族支援、地域支援。
その中で今足りないのは、せっかく中核としての役割があるのですけれども、先ほど市川先生もおっしゃっていましたが、人材の専門職の配置が基本の配置の中にないということなのです。全ての子を受け入れる、医療的ケアの子も受け入れたり、難聴の子も受け入れて、発達障害の子も受け入れるとしたら、やはり専門職の配置というのは絶対に必要だし、今、インクルーシブのお話が出ていましたけれども、そうなったら障害によって分断されている医療型と福祉型もぜひ一元化していただいて、地域に何かあったら、心配があったらそこに行けば安心という、そこの中で幼稚園、保育園とのつながりもつくっていけるような一元化の在り方が今後求められるのではないかと思います。
2番目なのですけれども、地域の子供たちの困り感はすごく増えていて、社会的養育の必要な子供たちの中で発達が心配な子も増えています。家庭福祉課のほうでは今、そういう在宅のお子さんのいる家庭と子供を支援しようとしておりますけれども、それに関して私たちは児童発達、障害のある子の支援をしていたり、家族の支援をしていたリソースがありますので、私たちももっと家庭福祉課などと連携して、地域の中の困り感のある子供と家族を支援する役割を果たすべきではないかと思います。そういう意味で、今回オブザーバーに家庭福祉課の方の名前がなかったので、ぜひ入れていただきたいなと思います。
3番目は放デイの課題ですけれども、いろいろ課題がありながら、やはり思春期の課題だとか、不登校だとか、強度行動障害だとか、いろいろな思春期ゆえの支援の役割はあると思いますので、何のために放デイをやっていくのかということを皆さんと一緒に深めていけたらと思っております。
よろしくお願いします。
○柏女座長 ありがとうございました。
では、末光さん、お願いいたします。
○末光構成員 ありがとうございます。
全国重症心身障害日中活動支援協議会はやや特異性があるので、十分議論に加われるかどうか気になっておりますが、先ほど北川先生がおっしゃった一元化というのは大事なことかなと思います。私ども全国重症心身障害日中活動支援協議会でセンターになっているのは、ほとんどが重症心身障害児施設併設の元A型事業所が受け持っておりますが、医療があるので、本来医療型になってもおかしくないのですけれども、あのときには福祉型に比べて報酬単価が低かったのです。そして、職員の配置も医療型のほうが福祉型に対して不十分だということで、あえて医療型を選んだといういきさつもありますので、状況も変わりましたし、医療と保育あるいは専門領域を一体的にするためには、一元化ということも検討のテーマかなと思っております。
そのほかの今回の論点は適切なことだと思いますし、我々で御意見を述べさせていただくことがあれば、それぞれ述べさせていただきたいと思っております。
その中で一番大きいのは、家族の変化が大きいなと思っています。何人かの方がおっしゃいましたが、私は55年前に重症心身障害児施設が法に認められたときから重症心身障害を中心とした部分で働いてまいりました。当時は常時、介護が要る、そして医療ニーズのある方は医療型の重症心身障害児施設に預けるか、家族が24時間年中無休で自分のことは全く犠牲にして頑張るか、二つに一つしかなかったのです。それを御承知のように昭和54年の養護学校設置によって大きく変わりました。在宅でも頑張れるような支援が各方面から進んだわけであります。
重症心身障害につきましても、今、入所している方の約2倍が在宅です。そして、かつては医療ニーズのない人とか介護のあまり要らない人が在宅で頑張っていたのが、今はそうではありません。入所とほとんど変わりはない。超重症児・準超重症児と言われる方も在宅で頑張り、そして日中活動を活用しておられるようになっておるのであります。
そういう中で、家族の変化が一番大きいなと思うことを最近感じました。先ほど北川先生がおっしゃったこととも関連するかと思うのですけれども、保育所関係の方が構成員に入っていないので、あえて私ども社会福祉法人旭川荘で体験したことを御紹介させていただきます。
家族の意識、考え方、願いが50年で大きく変わっているなということを肌身で感じました。それは、御承知のように保育所の待機児童が全国でたくさんおられます。岡山市は世田谷区に次いでその待機児童数が多いということで、市長が数年前から待機児ゼロを目指して精力的に取り組んでおられます。私ども社会福祉法人旭川荘でも何かお手伝いをということで、2年前から保育所を始めたのであります。
その際に、我々は他の保育所と比べて障害児に長らく取り組んでいた実績、職員もおりますので、90名定員のうち15%、約14名は障害児を積極的に受け入れるということで頑張ってきました。その上に、医療的ケア児も保育所のモデル事業で1名受け入れるということでやっております。ところが2年目に入りますと、一般枠で来られた、我々は全く障害児とは思っていない、受け入れてみると障害児、そのうち発達障害、注意欠陥多動児が7名もいるということであります。
これは大変だということで、そのために体制も整えましたけれども、それに対応するような制度、仕組みはまだまだ不十分です。岡山市も頑張ってくれておりますけれども、それに追いつかないということで、今年は新たな障害児の受入れは、申し訳ないけれどもお断りするということをせざるを得ませんでした。そして、職員の研修、組織的な対応を強化するということをこの1年取り組んでいるわけでありますけれども、お断りした方は12名です。そのうちの8名は障害児、6名が自閉症、1人はダウン症、1人は肢体不自由、残り4名は医療的ケア児です。それも全てが0歳です。
どういうことかといいますと、先ほど言いましたように、かつては重症心身障害を抱えると、家族は我が事は犠牲にしてその子の命を守り、少しでも暮らしをよくしようということに専念しておりました。今はそうでもあると同時に、やはり働き続けたい、そして、働いていて、医療的ケア児と障害児が生まれたから働くのをやめるとか、あるいは制限するということはできたらしたくない、働き続けたいということが保護者、お母さんの願いであります。この部分について、ぜひしっかり受け止めて、いろいろな体制が進んでおりますけれども、十分つながり切っていないと思いますので、それを先ほどのコーディネーターあるいは相談支援員の方々を中心にしてつないでいただく、そして不十分なところは国の制度にきちんとつなぐ、あるいは具体化していただく、そのことをお願いしたいと思います。
改めて、在宅、地域生活を重症児や医療的ケア児、あるいは重い発達障害の方々も求めております。そして、お母さんは障害児が生まれても働き続けたい、できればインクルーシブな形でやってほしいと願っておるわけであります。55年、この分野に身を置いた者として、大きくいい方向に向かってきましたけれども、子供の命、生活の質とともに、御家族の生活の質、Family QOL、FQOLを改めて御家族も願っている。そのことについて前進していただくようにお願いいたしたいし、我々もそのために少しでもお役に立つことをさせていただかなければいけないと思っております。
よろしくお願いします。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、高橋さん、お願いいたします。
○宮田代理人 神奈川県障害サービス課の高橋の代理の宮田と申します。まだ高橋が戻ってきておりませんで、大変申し訳ございません。
神奈川県では、事業所の指定を行っている立場から、今後、指定の在り方について、を中心に発言をさせていただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
私からは以上です。
○柏女座長 分かりました。ありがとうございます。
では、田中さん、お願いいたします。
○田中構成員 ありがとうございます。
包括的な検討事項と充実した資料を作成していただきまして、ありがとうございます。
方向性につきましては了解いたしました。
私は社会保障の研究者でして、主にデータに基づきながら家計のニーズとか支援の在り方につきましてコメントできればと考えております。
自分の問題意識といたしましては、冒頭、今日室長からもお話がありましたけれども、利用者世帯の増加の中で、一般世帯との役割分担はどのように考えるべきなのか、利用者世帯がどのような要因で増加しているのかということにつきまして、データに基づきながら丁寧に議論をしたいと考えております。
もう一点は、地域インクルージョンに関する様々な資料もぜひ充実していただきたいと考えております。障害児支援に関します資料を見ておりますと、多くがサービスの利用者数や費用の面が中心になっておるような気がしておりまして、そういった面の資料も充実したものがあればいいなと考えております。
その上で質問ですけれども、1つは、今日は年齢別の利用者の増加の状況などは分かったわけですけれども、一般施策との役割を議論するということですので、状態像別といいますか、軽度の方が増えているのかどうかとかといった問題も把握しておくことが重要な点かなと思います。
もう一点は、これは細かいことですけれども、15枚目のスライドで青い棒グラフと赤い棒グラフがあるのですけれども、これはどちらが5歳児でどちらが14歳児の費用なのかというのが私にはぱっと分からなかった。御説明の中ではお話しになったかもしれませんけれども、お伺いするところでございます。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
では、質問のほうは後でお願いしたいと思います。
又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会の又村でございます。よろしくお願いいたします。
全国手をつなぐ育成会連合会は、知的障害や発達障害のある人とその家族で構成される障害者団体でございまして、今回の障害児通所の支援の在り方につきましても高く関心を寄せているところでございます。
その意味で、少し包括的なお話から入らせていただきたいと思いますが、私ども育成会としては、今回の障害のあるお子さんの通所の支援の在り方についての入り口は、国連の子どもの権利条約を基盤に置くことが重要ではないかと考えております。もちろん障害者権利条約もあるところですけれども、基本的には障害のある子供というよりはまず子供であって、育ちの支援の中の一つの要素として障害があるというような切り口の重要性は一つ念頭に置いていただければと考えております。
その上で、検討項目については、今お示しいただいている内容は大きく異論はないのですが、幾つか細かい点になりますけれども、ポイントを御提案申し上げたいと思います。
大きく4点ありまして、1つは、障害児通所と言いながらも保育所等訪問支援についての大きな項目が立っていないことについては、立てたほうがよいかと考えています。インクルーシブな地域での、特に通いの支援を考えたときには、幼稚園や保育所、学校や学童保育などと連携を取っていく際のキーパーソンが必要と考えますが、保育所等訪問支援はその可能性があるにもかかわらず活用されていない状況があります。
先ほど構成員の皆様からも人材育成の話がありましたが、子供たちが通ってきて、そこで療育を展開する通所型の支援と、子供たちがいる場所に出ていって支援を提供する、言わばホームとアウエーの関係になるようなサービスの在り方を考えたときの人材の育成は切り口が違うのではないかと考えますので、この点、御留意いただければと思います。
2点目は、障害児相談の充実です。小川構成員からもありましたけれども、セルフの割合が高いというのは、相談支援専門員の養成の過程において、子供の育ちとその支援に関する切り口が少し弱いことが原因ではないかと考えられます。言葉は過ぎるかもしれませんが、任せられない相談員には任せられないという考え方で、親が子供のことは私がやったほうが早いということが入り口にあるとするならば、それは相談員の養成についての考え方にも関係してくると思います。
3点目は、資料では軽く触れていただきましたが、日中一時支援との関係性です。本質的に放課後等デイサービスはデイサービスですので、予定的・計画的に療育の提供をするということと考えますが、実態としては今、保護者の就労支援についても大きな力を発揮しています。これについては、保護者の用向きで本来利用する日中一時支援が地域生活支援事業であり、かつ、その他事業ということもあるので、包括補助金の中に丸められているため、日中一時支援を頑張ると市町村の持ち出しが増えるという財政的な構造の問題があると考えます。この点について避けて通ることはできないと考えます。
4点目はお金の話になりますが、利用者負担の在り方です。先ほどから、利用しなければ損というような状況もあるという御指摘もありましたが、現在、世帯所得がおおむね850万円までの世帯は月額の上限が4,600円、それを超えると突然3万7200円になるという、少し段階の分け方が乱暴な利用者負担の設定になっていると考えます。この辺りのところを含めての検討も重要と考えています。
ほかにもございますが、その都度の中でまた御発言申し上げたいと思いますので、ここでは以上とさせていただきます。
○柏女座長 貴重な御意見を頂戴いたしました。ありがとうございました。
では、山川さん、お願いいたします。
○山川構成員 山川です。
主な検討事項の案につきましては、異論はございません。
私どもでも、この2番の児童発達支援・放課後等デイサービスの役割・機能の在り方につきましては、様々な関係機関から厳しい御指摘をいただいております。ここ数年、事業者数につきましても平均して年18%程度増加しておりまして、利用者の方も年平均で18%ぐらい増えております。それに伴って、給付費につきましても同様に急増しているということもございまして、各関係機関からは、この機能の在り方、役割につきましても厳しい御指摘をいただいております。
こちらにありますように、塾的な機能であったり預かり、見守り等が中心となっているような御指摘もあるところで、療育につきましてしっかり取り組んでいかないといけないという御指摘もいただいているところです。
また、この間、医療的ケアの必要な子供さんへの支援につきましては、保育所であったり放課後児童クラブでも様々な取組を進めているところですが、障害福祉サービスにつきましても、引き続き充実に向け、様々な検討をしていきたいと考えております。
私からは以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
では、有村座長代理、お願いいたします。
○有村座長代理 もう様々な先生方がいろいろな論点で論じていただいて、かなり網羅されてきているのかなとは思いながら聞いておりました。
私自身、かぶるところはありますけれども、支援のニーズの高い御家庭をきちんと受け止めていけているのかどうかというところが大きいかなと思いまして、家庭の脆弱性が指摘される中では、家庭の力量だったり、家庭自体がニーズを受け止められるかというところも大きく状況を左右していて、そういった中で家族のウェルビーイングや子供のウェルビーイングというところが問われてくるところなのかなと思っています。
そういった意味では、地域支援であったりニーズキャッチの部分も含めて何か仕組みの中で包括的に見て、そこから個別のサービスというだけではない見方をしていただく必要があるかと思います。
母親がということではないのですけれども、障害のあるお子さんを育てている御家庭で、共働きの御家庭が増えているということですけれども、私自身、自分自身が子育てをしながら、周りのお母さん方と情報交換しながら、様々なサービスを受けてきたというところがあるのですが、働かなければならない、そうしなければ生きられない。働くかどうかとか自己実現というレベルを超えて、現状では働かなければならないといった圧力みたいな形になっている御家庭もあるかなと思います。
そういった中で、家族の責任、個人の責任が問われる意思決定を求められている部分はあるわけですので、そういった面で社会的な受け皿を通所においてもきちんとつくっていけるかどうかというところが大きく問われるところなのかなと思います。
まとまっていないかもしれませんが、私としては以上でございます。
○柏女座長 ありがとうございます。
最後に私の考えていることも述べさせていただきたいと思います。
私は1点だけです。3番目の論点のインクルージョンです。障害児支援制度と子ども・子育て支援制度との関係をもう少ししっかり分析する必要があるだろうと思っています。
例えば、今も幾つかお話がありましたけれども、障害児通所支援の利用児童数がこの6年で2.3倍になった。もう一つ、子ども・子育て支援制度で障害児の受入れを見てみました。時期はちょっと違いますけれども、これを見ますと特定教育・保育施設、保育所等では39%の増、放課後児童クラブでは54%の増、これを受けて、特定教育・保育施設や放課後児童クラブでも障害児の受入れが増えているのではないかと考えてしまいがちですが、実はそうは言えないのだと思います。
障害児通所支援の利用児童数が2.3倍、130%の増ということ、それから、この間に療育手帳の所持数が4割増えているわけです。さらに、今までずっとお話がありました障害児を育てる親の就労がどのくらい増加しているかは分かりませんが、それがかなり増加している。もう一つは、保育所や放課後児童クラブに入所する児童総数そのものが、この7~8年で特定教育・保育施設では20%、放課後児童クラブでは40%増えているということなどを考えると、特定教育・保育施設や放課後児童クラブで39%、54%増えているからといって、実はそうはならないのではないかと。つまり、特定教育・保育施設やインクルーシブな受入れは伸びていないのではないかというようなことも考えられるわけで、そこで詳細に分析をしなければならないなと思っています。
その上で、本当に障害児通所支援の機能は何をすべきなのかということをマクロ的なレベルでも議論をしなければいけないと思っています。
それに関連すると、保育所等訪問支援については先ほど又村さんのお話にもありましたけれども、専門性等々が違うので別立てで立てたほうがいいのかなと。インクルーシブのための一丁目一番地の事業ですので、それが伸び悩んで、囲い込みの事業が伸びているということをどう考えたらいいのかということを、この検討会の大きなテーマとして考えていくべきかなと思っております。
一当たり皆様方から御意見を頂戴いたしました。幾つか質問がありましたので、それについて事務局のほうから簡潔にお答えをいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○河村障害児・発達障害者支援室長 障害児室長の河村でございます。
まず、秋山構成員のほうから、医療型のセンターの減少についてどう捉えているかという御指摘があったかと思います。
端的に申しまして、直近の令和2年度の経営実態調査の結果を見てみますと、もちろん事業所さんによってプラスからマイナスまで分布が広いのですけれども、経営上かなりマイナスになっている事業所さんで、市町村立で市町村からお金を補塡で入れてもらっている事業所の割合がかなり高かったはずでございます。その要因はまさに今日後ほどセンターのほうの資料でも出てまいりますけれども、医療型のほうが肢体不自由のお子さんを対象にして、かつ、リハビリにかなり重きが置かれた成り立ちであったこともありまして、私どもの障害報酬から出す分の単価が福祉型に比べてかなり低くなっているという現状がございます。
資料3の15ページについての御指摘で、青が5歳で、右の赤が14歳でございます。失礼いたしました。
15ページの都道府県のかなりのばらつきについてどういう影響が考えられるかで、支給決定との関係もあるのではないかという御指摘を小川構成員から頂戴したかと思うのですが、御指摘のとおり、支給決定について、特に放課後等デイサービスになりますと、比較的一律に高い日数を出すところとそうではないところでばらつきがあるのではないかという指摘は私どもも頂戴していまして、この後の2回目、3回目の議論のときに、できれば支給決定の関係の資料も参考でお出しできればと思っております。
田中構成員のほうから、状態像別のデータが不足しているのではないかというごもっともな御指摘をいただいております。この点自体が正直、検討事項の4番目の支給決定に先立つ状態像の調査の在り方自体と関係してくるのですけれども、障害児の場合は大人と違って支援区分がない関係で、正直、私どもの手元のデータとしても、重心のお子さんであるかとか、医療的ケアを必要としているかとか、そういった断片的な状態像の情報はあるのですけれども、例えば重さに関してになりますと情報としてデータが制約されているところがありまして、その中ではありますけれども、何か参考になるようなものがないかどうか、改めてまた事務局のほうでも捜索をしてみたいと思います。
以上でございます。
○柏女座長 分かりました。ありがとうございます。
今、かいつまんで御回答いただきました。まだ今回示せないものは次回という形になりましたけれども、御質問いただいた方、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。また御質問あるいは資料請求みたいなことがありましたら、後日でも事務局のほうにお寄せいただけるといいかと思います。ありがとうございました。
それでは、私の進行の不手際もありまして時間が若干押しておりますけれども、2番目の議題といいましょうか、議事としては4つ目、児童発達支援センターの位置づけについての議論に移っていきたいと思います。
今、既に皆様方の報告の中で、児童発達支援センターの位置づけ等について御意見をたくさんいただいておりますので、ここからは事務局のほうに御説明をいただいた上で、意見のある方に挙手をしていただいて、先ほどお話ししていただいた以外のことについても御意見を頂戴できればと思います。
では、議題の「(4)児童発達支援センターの現状と課題について」、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○鈴木障害児支援専門官 それでは、資料4の説明をさせていただきたいと思います。
「1.センターの機能について」です。現状からです。
2つ目の○から御説明いたします。平成24年当時の議論では、児童発達支援センターの役割は、「児童発達支援を行うほか、施設の有する専門性を活かし、地域の障害児やその家族への相談、障害児を預かる家族への援助・助言を合わせて行う地域の中核的な療育支援施設」とされております。また、第二期障害児福祉計画の基本指針において、⓵「障害の重度化・重複化や多様化に対応する専門的機能の強化」を図った上で、⓶「地域における中核的な支援施設」として、一般の「事業所と密接な連携」を図るものとされております。
3つ目の○です。また、障害の重度化や多様化に加えて、昨今では要支援児童・要保護児童に該当する障害児や、不登校となった障害児など、様々な課題を抱え支援を必要とする障害児がおります。
4つ目の○です。一方、児童福祉法、指定基準や報酬告示では、こうした役割・機能が規定されておりませんで、こうした役割・機能の発揮が促される構造には必ずしもなっていないという現状があります。
次の○です。令和3年1月の児童発達支援の報酬の請求データに関しましては、児童発達支援事業所は8,265事業所、利用児童は13万6586人となっておりますけれども、センターは全体の約9%、利用児童は約26%となっております。
また、児童発達支援センターは障害福祉施策で市町村に1か所設置を求めておりますけれども、その設置率に関しましては35%となっております。
次のページをおめくりください。2ページ目です。続きまして論点になります。
1つ目の○です。地域における中核的な療育支援施設の役割・機能として、具体的にどのような取組が求められるかということです。
検討の視点の例でございます。センターは中核施設として地域支援を担うことが期待されており、その機能として保育所等訪問支援・障害児相談支援を実施することを想定してきましたが、現在の児童発達支援センターの状況に鑑み、改めて地域において児童発達支援センターが担う中核機能はどのようなものがあるか。
次のポツです。「障害の重度化・重複化や多様化に対応する専門的機能の強化」は重要ではございますが、児童発達支援センターと一般事業所の役割分担や地域での体制をどう構築していくのかということです。少し補足しますと、重度のお子さんとかをセンターだけが担うということでいいのか、一般事業所にももちろんそういうお子さんは通っていますので、その辺の役割分担と、一般事業所をセンターがどうサポートするべきかという問題意識です。
次のポツです。児童発達支援センターとしましては、児童発達支援センター以外の事業所が行う放課後等デイサービスに対してどのような役割・機能が考えられるかということで、センターは基本乳幼児期のお子さんを中心に見ていらっしゃると思うのですけれども、地域の放デイに関してどのような役割・機能が考えられるかという問題意識です。
続きまして、最後です。インクルージョンに向けた支援につきまして、先ほど来、皆様から御意見をいただいていますけれども、地域において一般施策との連携を推進していく上で旗振り役としての役割が必要ではないかという論点になっております。
2つ目の○です。センターにどのような基準を設けることが考えられるかということで、検討の視点の例です。センターには専門的な職員を配置するべきだという御意見がございましたけれども、その必要性と、一方では専門職の人材確保の難しさも昨今言われている中、職種による専門性の確保が適当なのか、個々の児童指導員等の経験等も重視すべきなのかという論点になっております。
3ページは平成24年当時の創設のときの児童発達支援センターの考え方になっておりますので、御参考にしてください。
続きまして、4ページ目に行きたいと思います。「2.福祉型と医療型の分類について」です。
現状、1つ目の○です。平成24年の改正児童福祉法では、通所施設につきまして、障害種別による区分をなくしまして、障害児にとって身近な地域で支援を受けられるよう、施設の類型を一元化したところでありますけれども、肢体不自由児施設に関しましては、支援内容の一つとして「治療」が行われることのニーズを踏まえ、肢体不自由児を対象として「医療型児童発達支援」を創設いたしました。
2つ目の○です。一方、その後の実態を見ますと、医療型児童発達支援事業所の数は限られた数となっております。※1を御覧いただきますと、医療型児童発達支援事業所は現在89事業所となっております。こうした中、肢体不自由児には、医療型児童発達支援センターに通う場合には、医療機関と同一建物などの事業所が行う児童発達支援等の前後の時間でリハビリテーションを受ける。次のポツですけれども、医療型児童発達支援センター以外の場合は、児童発達支援や放課後等デイサービスを利用しつつ、必要なリハビリテーションは医療機関で別途受けるという支援がなされている。
3つ目の○です。身近な地域に医療型児童発達支援センターがある場合は、肢体不自由以外の障害児は、当該事業所以外で利用先を探す必要が生じることとなるということで、医療型児童発達支援センターがあれば、肢体不自由のお子さんはそこに通いますけれども、そうではない場合は、ほかの福祉型の児童発達支援センター等でも受け入れている。この辺をどう考えるかということです。
また、指定基準におきましては、福祉型児童発達支援センターは、児童指導員または保育士の配置人数は、障害児4人に対して1人、医療型児童発達支援センターは、児童指導員・保育士の配置人数は、障害児の人数にかかわらず、それぞれ1人ずつで構いませんとなっております。報酬上も福祉型と異なり、医療型は定員区分ごとの報酬が設定されていないとなっております。
続きまして、5ページです。こちらは先ほど来御意見もありました20年の見直しの検討会、26年の在り方検討会の中でも、福祉型と医療型についての御意見がなされております。
見直しの検討会でも、区分をなくして、多様な障害の子供を受け入れられるように、通所施設の一元化の方向で検討していくべきではないかと言われておりまして、26年にも、真ん中のほうのガイドラインで、障害種別ごとの専門性を維持することにも配慮した上で、人員配置基準や報酬体系の一元化についてもさらに進めるべきではないか、保育機能の充実を図る観点から、医療型児童発達支援センターの在り方も併せて検討すべきではないかと言われております。
次のページをおめくりください。6ページ目です。こちらは研究事業のほうで福祉型と医療型の分類について言われていることをまとめてあります。
平成24年度、平成25年度、平成27年度に研究が行われていまして、お時間の関係でまとめてお話しさせていただきますと、基本的に3つの研究事業で言われていることは、一元化をするべきであるならば、発達支援の基盤を保育機能に置くべきではないだろうかというところで、報酬上も人員配置上も、福祉型、医療型の類型を基本的には一元化して、機能をセンター1つにするべきではないかということと、医療型児童発達支援センターには診療所がございますので、診療所が施設の中の診療所だけではなくて、地域の診療所として機能すべきではないかということが言われております。
最後、7ページに移ります。「2.福祉型と医療型の分類について」の論点ですけれども、今までの見直しの検討会、在り方の検討会、またこの研究事業と本日いただいた構成員の皆様の御意見から、論点を踏まえ、現状を踏まえまして、「福祉型」と「医療型」のセンターの在り方についてどう考えるかということで、検討の視点の例に関しましては、「福祉型」と「医療型」を統合する場合、支障が想定されるかということです。※で、統合後の指定基準や報酬のほか、制度として「福祉型」と「医療型」を分けることによるメリットなどがあるかどうか。
一方では、「福祉型」と「医療型」の分類を維持する場合は、「医療型」に求められる役割は何かという論点出しをさせていただいております。
説明は以上になります。
○柏女座長 ありがとうございます。
それでは、今、7時をちょっと過ぎたところで、7時半までとなりますので、20分強ぐらい御意見を頂戴したいと思います。恐らく出し切れないところもあるかとは思います。その場合については、後でメールや電話等で御意見を事務局に送っていただければ幸いに思います。
それでは、どなたからでも結構ですので、今の説明について、特に児童発達支援センターの位置づけについてという2つの論点がありますが、その論点について、あるいはそれ以外のことでも結構ですけれども、御意見がありましたらお願いしたいと思います。お手をお挙げいただけるとありがたいです。
小川陽さん、お願いいたします。
○小川(陽)構成員 御指名ありがとうございます。
児童発達支援センターの位置づけについて、今、事務局のほうから資料に基づいて説明をしていただきましたけれども、児童発達支援センターを地域における中核的な支援施設としての位置づけというところで、どのように明確化していくかということについては大変強い関心を持っております。
特に地域支援の機能です。先ほど又村構成員のほうからも、保育所等訪問の話が大事だということでしたけれども、併せて児童発達支援センターの機能にある相談支援というものがどのような役割を果たしていくのかということについては、先ほど加藤構成員のほうからもお話のありました地域自立支援協議会との関連ですとか、どこが地域連携のイニシアチブを取っていくのかということもすごく重要なことだと考えております。
あわせて、アウトリーチの機能として、先ほど事務局のほうから資料で御説明をいただきました居宅訪問型児童発達支援というものをどのように捉えていくのかということも、大変重要な視点ではないかと考えているところです。
療育や通所による部分についての一元化等については、これまでの流れも踏まえて議論を進めていただけるのがよろしいかと思う部分ですが、地域支援の部分については、ぜひ皆様にもいろいろ御意見をいただきながら、相談支援の立場としても一生懸命考えてまいりたいというところでございます。
私からは以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
それでは、ほかにはいかがでしょうか。できるだけたくさんの御意見を頂戴したいと思いますので、事務局とのやり取り等の必要があれば、最後にさせていただきたいと思います。
秋山さん、その次に又村さん、お願いいたします。その後は北川さんですね。3人の順番でお願いいたします。
秋山さん、失礼しました。
○秋山構成員 秋山です。
センターの機能についての論点の中に、インクルージョンに向けた支援について旗振り役としての役割が必要ではないかというのはとても重要で、センターがその方向をきちんと役割として明確にしていただきたい。そうすることによって、地域での児童発達支援の事業所も同じ方向に向いていけるので、これはぜひ役割としてお願いしたいと思います。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 全国育成会連合会の又村でございます。ありがとうございます。
私どもの育成会として児発センターに求める機能につきましては、先ほどから議論が出ております保育所等訪問支援、そして残念ながらこちらも実績が伸びていない居宅訪問型の児童発達支援、そして障害児相談。この場合の障害児相談は、個別給付としての障害児相談も当然入ってきますが、それだけでなく、市区町村の判断にはなりますけれども、特に委託相談の障害児の部分は児発センターが積極的に対応できるといった仕組みづくりが重要で、このことは皆様からも再々出ている地域におけるインクルーシブな子供たちの育ちを支えるためにはソーシャルアクションが必要になりますけれども、残念ながら現行の個別給付による相談支援ですと、そこまでたどり着くことに少し幅がありますので、ぜひここは委託相談等の障害児部分を対応するという位置づけを提案したいと思います。
あと2点ございまして、私ども育成会のほうには、地域において障害のある子供の短期入所が極めて少ないという悲鳴に近い相談をよく受けます。これはどこまで可能性があるかということは御議論いただくとして、育成会の思いとしては、単独型短期入所の機能についても児発センターについては期待したいと考えております。
最後に、児発センターと事業との関係性のお話がございましたが、児発センターはその専門性を生かして、地域全体の底上げをしていくことが重要と考えます。したがいまして、この地域の底上げの中に児発事業の職員の人材育成、例えば児発センターに何日間かおいでいただいて、そこで個別あるいは集団の療育における質の高い内容を体得していただいて、またそれぞれの事業所にお帰りいただくといった取組も、地域支援の中には取り入れていただけるとよいかなと考えております。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。貴重な御提言だと思います。
北川さん、お願いいたします。
○北川構成員 先ほども申し上げましたけれども、センターが地域の中での役割、いろいろな困り感のある子供たちを支えられるというところで専門的な機能を果たしていくということとともに、障害児である前に子供であるという視点で、専門性の高いトータルな子育て支援の場だというような位置づけが大事だと思います。
その点においては、医療型の児童発達支援センターには保育士の配置がすごく曖昧なのです。1人以上ということで、本当に子供としての遊びや生活の中での育ちよりも、どうしても医療の方向で訓練を受けに行くということで、子供としてのこの時代をどう支えていくかという役割という意味でも一元化が必要かなと思っております。
あと、地域への支援なのですけれども、札幌では24年の一元化のあたりからセンター9つに各地域の児童発達支援事業や放課後デイの職員さんが集まって、年に2~3回、人材育成のための研修を続けてきています。コロナで去年はできなかったのですけれども、児童発達支援センターは地域の底上げというか、そういう役割があると思います。
放デイに関しても、放デイのセンターはないので、児童発達支援センターは0~18歳の子供まで見られますので、思春期の相談もきちんとできるような窓口になっていって、かつ、地域の放課後デイサービスの困難を抱えた子供たちを支えるバックアップをしていくという役割もあるのではないかと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
まだ時間があります。ほかにはいかがでしょうか。
加藤さん、お願いいたします。
○加藤構成員 ありがとうございます。
今後の児童福祉センターの在り方ですけれども、過去の歴史を考えたときに、地域間格差はあるとは言うものの、全体的に見れば、地域の中で子育てに関する資源、スキルの蓄積を一番持ったのが相対的にセンターではないかと、我田引水かもしれませんが私自身は思っております。
そういう意味で、今後の在り方を考えるときに、全く新規のものを立ち上げるということよりは、今あるものをデフォルメしながら、あるいは付け加えながら、場合によってはそぎ取りながらというような方向性で考えるべきだろうと思います。
そういう意味では、今、北川構成員も言いましたように、もう既に我々児童福祉センターの歴史的にも、地域の様々な基幹支援あるいは人材養成支援ということはやってきた定義があります。だから、これを児童福祉センターの基本的な業務としてしっかりと位置づけ、そこに人的な配置も基準に入れていただくということをすることが最も近道だろうと私は思います。そういう意味で、ぜひそういう方向に進んだらいいなと思っているところです。
○柏女座長 ありがとうございます。
小川正洋さん、お願いいたします。
○小川(正)構成員 児童発達支援センターですが、柏市は人口約43万人で、公設が1、民設が1で、2つの児童発達支援センターを持っているのですが、その中で当然相談なり保育所等訪問支援等はやっているのですが、施設に通所している方の相談を主に対応している実態とか、0~18歳が対象と言っても未就学児が主になってしまっており、地域に対する全体の調整というか、障害児支援の中核になってやらなければならない様々な事業所との調整までできているかというと、そこの部分では課題になっているということです。
児童発達支援センターそのものは保健福祉部ではなくてこども部が所管しており、児童福祉法で障害があってもなくても子供という視点で、こども部の所管になったのですが、現状では障害児の計画も含めて全部障害福祉課のほうで策定している。そういった意識の部分、障害児施策を中核的に推進していくセンターとしての課題というか、実際は1事業所になってしまっているという部分もあります。その要因の一つとしては、中核的な役割を求められていながら、法的に果たすべき機能が明確になっていないという部分があると思うので、福祉計画に求められている施策指標の保育所等訪問支援だとか、障害児と療育支援、巡回相談といった部分についてはやっているのですが、本来の障害児支援の中核的な役割、地域の障害児施策全体をグリップするみたいなところまでは、残念ながら十分にできていない。
その要因として、報酬部分の課題などもあるかと思うのですが、国のほうでも何らかの指針等を出していただければと思います。思いつきで申し訳ないのですが、例えば障害児の通所支援事業所に対する技術的な助言等や対応困難事例の提示を積極的に実施することを明確にさせるとか、そういった何らかのものをまとめて示していただけると、私どものほうでも、そういう役割があるのだから、こどものほうでもしっかりと中核的な役割をやってほしいと言いやすい、障害福祉の全体の計画の中でもそういった形でセンターの役割を改めて求めて施策を推進しやすいと思ったものですから、意見の一つとして報告させていただきます。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。具体的な御提案も含めて、貴重な御発言をいただきました。ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
末光さん、お願いいたします。
○末光構成員 勉強不足だったのですけれども、今日の資料の29ページで、医療型発達支援の現状というところで、事業所が減っているし、利用者数が減少しているということを知りまして、ちょっと残念というか意外というか、もともと先ほどお話がございましたように、肢体不自由施設が医療型に多くは移行してきたと思うのです。肢体不自由そのものの発生数は減っているというようなことがあるのか、先ほども言ったように人の配置だとかその他の要因で減っているのか、あるいは辞めてしまった、ほかに転換したのか、その辺り、せっかくの貴重な医療型児童発達支援事業所あるいはセンターについて、もう少し注目して分析をお教えいただけたらと思っております。これが一つ。
もう一点は、私ども社会福祉法人旭川荘は、岡山市内でも3か所の児童発達支援センターをやっております。1つは重症心身障害児施設ですけれども、もう一か所は知的障害者支援施設、もう一か所は新しいところでやっておりますが、それぞれのスタッフの経験・力量がかなり違うので、今お話がございました最低基準は最低基準として、その辺りは地域の中でのネットワークをどのように構築していくのがいいのか、ぜひお教えいただきたい、構成をお示しいただけたらありがたいと思っております。
私自身も、自分のところも十分把握し切れていないので、もし可能であれば次回までに少し整理して、提示できるものがあれば提示させていただきたいと思っております。
2点、質問とお願いでございます。
○柏女座長 ありがとうございました。
では、この後、今日分かる範囲でお話しいただいてもいいですし、また次回この議論を続けますので、そのときでも結構ですので、よろしくお願いいたします。
ほかにはいかがでしょうか。
秋山さん、手が挙がりましたでしょうか。お願いいたします。
○秋山構成員 秋山です。何度もすみません。
2ページにあります専門職の配置という専門職、それから6ページに医療専門職というのがあります。具体的にどのような人材、また資質を求めるかというのを明らかにしていただけると、今まで御意見がありました人材育成に役立つのではないかと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
北川さん、お願いいたします。
○北川構成員 私が答えるのもなんですけれども、末光先生へのお答えで、児童発達支援センターが非常に連携したのです。老舗の児童発達支援センターと新しくできた児童発達支援センターと一緒に力を合わせて、同じ研修会を全部の区でやった。同じモデルにして、あまり力が最初はなかったところも、センター同士が協力し合って、札幌市全域のために力を合わせたということを何年か前からやっています。
それと、もう一つ言い忘れたセンターの役割なのですけれども、先日、報告書が出ましたが、出生前診断がNIPTで陽性だと分かった場合、まだ8割以上の方が妊娠を中断されるという現状の中で、もう少し障害のある子の子育ての在り方とか楽しみとか、大変だけれどもかわいいとか、あと、福祉の情報とかをお伝えしていく必要があるのではないかということで、妊娠期から児童発達支援センターがそこのサポートになっていく必要があるということで、報告書にも記されました。
そういう意味では、障害のある子と分かったときに、家族への心理支援だとか家族支援だとかピアサポートだとか、そういう役割は保育園、幼稚園だけではなかなかできないことをセンターとしてしっかりサポートできるのかなと思います。
秋山先生のおっしゃる専門職の中に、心理士さんの役割は査定というアセスメントも大事なのですけれども、お母さんたちの心のサポートをするというところでも大事なメンバーかなと思っております。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
関連して私から1点だけ。先ほど来、専門職の専門性の議論がありましたけれども、保育士や児童指導員は生活総合性の専門職で、心理、医療関連職は特定目的性の専門職であって、両方とも保育士や指導員が専門職ではないということではないので、専門性の議論をするときは生活総合性、つまり遊びと生活を支援する専門職と特定目的のための支援をする専門職を分けて考えないといけないのかなと思っております。その辺もやっていく必要があるだろうと思います。
それでは、幾つか御質問があった点について、事務局のほうからよろしいでしょうか。
○河村障害児・発達障害者支援室長 医療型が減って、その後どうなっているのかという御指摘が末光構成員のほうからあったかと思うのですが、私どもの個別事例としては、結構福祉型のほうに転換をしている例が多くあると伺っています。定量的にはなかなか把握ができていないところかと思います。
御質問としていただいたのは以上かと思いますが、ほかにございましたでしょうか。
○柏女座長 そうですね。御質問という感じでなさった方、ほかにいらっしゃいましたか。よろしいですか。
末光さん、それでよろしいでしょうか。また詳しいところが分かったら、次回でも報告していただく形にしたいと思います。
○末光構成員 ありがとうございます。
○柏女座長 ありがとうございます。
それでは、時間もかなり押してきましたので、この議題についての議論はこれまでとさせていただきたいと思います。
最後に、「(5)その他」ですけれども、事務局からは何かございますでしょうか。特段ございませんか。
では、構成員のほうで、その他の議題としてこれも取り上げるべきではないかといった補足があればお願いしたいと思います。何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、この検討会で議論する論点については、ほぼ今回提示していただいた5つ、最後が幾つかに分かれますけれども、それで大丈夫ということで御意見を頂戴いたしました。保育所等訪問支援とか、幾つか細部の項目を立てなければいけないところはあるかとは思いますけれども、この論点で進めていきたいと思います。ありがとうございました。
また、先ほども申し上げましたが、今日の議題についての御意見がありましたが、メール、電話等で事務局のほうにどしどしお寄せいただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、これで本日の議事は全て終了ということになりますが、そうさせていただいてよろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、事務局から、今後のスケジュールについての御説明をお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 本日はどうもありがとうございました。
次回の検討会につきましては、日程が決まり次第、お知らせいたします。
冒頭、音声が乱れましたこと、あと、事務局の進行に不備がございましたことをおわびいたします。
私のほうからは以上でございます。
○柏女座長 それでは、今日はお忙しい中、御出席をいただきまして、ありがとうございました。
オンラインなので、どんな形になるかびくびくしましたけれども、皆様の御協力で進めていけたことを感謝申し上げたいと思います。
失礼を申し上げましたことをお許しいただきたいと思います。
それでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。お疲れさまでした。