令和3年7月21日 第64回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第13回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和3年7月21日(水) 18:00~20:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより、第64回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、及び令和3年度第13回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。伊藤委員と永井委員が遅れているようですので、現在副反応検討部会委員9名のうち7名、安全対策調査会委員6名のうち5名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事食品衛生審議会の規定により本日の会議は成立したことを御報告します。
 なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
 なお、石井委員より御欠席する旨の御連絡をいただいております。
 また、本日は議題2「新型コロナワクチンの添付文書の改訂について」の関係で、東京医科大学医師会会長の大屋敷一馬参考人にお越しいただいております。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項申し上げます。開催案内の傍聴への留意事項を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので御留意願います。
 本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項について報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。本日御出席をされた委員・参考人の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金等の受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
 本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチンであり、その製造販売業者はファイザー株式会社、武田薬品工業株式会社、アストラゼネカ株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員及び参考人の寄附金等の受取状況から、全ての委員においてファイザー株式会社及びアストラゼネカ株式会社より50万円を超える受取はございませんでした。宮川委員が武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受取があるため、意見を述べることはできますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金等の受取状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。宮川委員は、第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受取がございました。
 引き続き、各委員におかれましては講演料等の受取について通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○岡座長 それでは、次に事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-5-2、資料2、資料3、参考資料1から5になります。不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
○岡座長 それでは、議事を始めさせていただきます。議題の順番とは前後いたしますけれども、本日は大屋敷参考人にお越しをいただいておりますので、まず議題の2「新型コロナワクチンの添付文書の改訂について」から始めたいと思います。
 まず、資料2について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 資料2「バキスゼブリア筋注の添付文書の改訂について」を御説明いたします。
 「1.品目概要」は割愛いたしまして「2.経緯」をご覧ください。本剤はEU、英国をはじめとする諸外国において用いられており、本邦においても特例承認されてございます。今般、海外におきまして本剤接種後の副反応疑い事例としまして、血小板減少、毛細血管漏出症候群、ギランバレー症候群の症例が報告されたことを踏まえまして、添付文書の改訂が行われているところでございます。
 本邦におきましては、これまで接種実績がございませんが、海外の措置状況等を踏まえまして、本邦においても当該3症状について添付文書による注意喚起をしてはどうかと考えております。
 なお、新型コロナワクチンの添付文書の改訂につきましては、これまでも本合同部会に改訂後に報告させていただいておりましたが、今回は国内の市販後のデータがない中で改訂を検討するという特殊な状況になっておりますので、今回は改訂内容について御審議いただきたいと考えております。
 「3.副反応疑い事例の報告状況について」でございます。(1)国内の報告状況はありませんので省略いたします。(2)海外の報告状況でございます。アストラゼネカ社のデータによりますと、6月1日から28日までの期間中に、EU等におきまして約1億1600万回、累積ですと3億9000万回接種されているという状況でございまして、1の血小板減少につきましては6月28日までに2755例、CLSにつきましては59例、ギランバレーにつきまして608例が報告されているという状況となります。
 「4.公表文献」でございます。3症状につきまして文献を検索しておりますが、本剤接種後の血小板減少の事例が1報、ギランバレー症候群の事例が3報報告されているという状況でございます。
 「5.海外添付文書の記載状況等」でございまして、ここでは代表例としましてEUと英国、カナダの3国・地域の状況をまとめております。6ページ目以降に実際の添付文書の記載を抜粋しておりますので、適宜そちらも御参照いただければと思っております。
 まず(1)の血小板減少ですが、3国・地域ともに副反応に記載する項目に記載されているという状況になります。
 次に(2)のCLSでございますが、EU、英国におきましては、禁忌に相当する項目にCLSの既往歴のある方が記載されております。
 また、注意事項の記載する項目におきまして、本剤接種後に非常にまれにCLSが報告されており、CLSの既往歴が明らかであった症例が数例報告されていること、致死的な転帰をたどった症例が報告されていること、ワクチン接種後にCLSの急性症状を発現した者については、迅速な診断と治療が必要であるということが記載されております。
 また、副反応に相当する項にCLSが記載されておりました。
 カナダの添付文書につきましても、基本的にはEUや英国と同様に記載されているという状況になります。
 最後に(3)ギランバレー症候群でございまして、EUの添付文書におきまして、注意事項としまして、本剤接種後に非常にまれにギランバレーが報告されていること、正しい診断を行い、適切な支持療法や治療を開始し、ほかの原因を鑑別するために医療従事者はギランバレーの兆候や症状に注意を払う必要があるということが記載されております。
 なお、現時点においてですが、英国とカナダの添付文書に記載はございませんでした。
 以上を踏まえまして添付文書の改訂案を御説明いたしますので、9ページの別添2をご覧いただければと思います。右の表が改訂案でございます。まず「2.接種不適当者」の項にCLSを追記してはどうかと考えております。
 次、その下の「8.重要な基本的注意」の項でございます。まず、1パラグラフ目になりますが、こちらは血小板減少というわけではなくて、血小板減少を伴う血栓症に対する注意喚起の文言の部分になりますが、まず4行目の部分、関係学会から発出されている診断と治療の手引きを踏まえまして、TTSの発症時期を14日以内から28日以内としてはどうかと考えております。
 また、第1パラグラフの最後にTTSに対する注意喚起の文言を整備しておりますが、こちらもこのタイミングに合わせて改訂を行ってはどうかと考えております。
 その下のパラグラフの下線部になりますが、CLSに対する注意喚起の文言としまして、本剤との関連性は確立されていないが、本剤接種後に非常にまれに毛細血管漏出症候群が報告されている。被接種者に対しては毛細血管漏出症候群が疑われる症状が認められた場合には、直ちに医師等に相談するようあらかじめ説明することを追記してはどうかと考えております。
 さらにその下のパラグラフがギランバレーの部分になりますが、内容はCLSと同様の記載としているところでございます。
 続いて「11.2 その他の副反応」としまして、血小板減少を追記いたしまして、さらにその下の「15.1 臨床使用に基づく情報」の項で、CLSは大変珍しい疾患と伺っておりますので、本剤接種後に非常にまれに主に手足の浮腫等を呈する毛細血管漏出症候群が報告されていることなどを追記し、情報提供してはどうかと考えております。
 資料2の説明は以上となります。
○岡座長 ありがとうございます。
 ただいま事務局からアストロゼネカ社の新型コロナワクチンの添付文書の改訂案について御説明いただきました。
 まず、専門家の観点からということで、大屋敷参考人から御意見をいただきたいと思います。大屋敷参考人から今回の添付文書への追記を検討しております毛細血管漏出症候群や血小板減少について、病態や診断、治療方法等も踏まえて今回の改定案についてコメントをいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○大屋敷参考人 大屋敷です。よろしくお願いいたします。
 専門は血液内科なのですけれども、今回の改訂を見させていただきました。まず、重要な注意事項の8ポツのところですけれども、血小板減少を伴う血栓症については、これは学会のガイドラインのとおりで、全く問題ないと思っています。
 その次の11ポツ2の血小板減少ですけれども、今年の6月1日にアストロゼネカのワクチンを打って血小板減少性紫斑病(ITP)になったということが報告され、やはり同じ6月1日に、アストラゼネカ以外のものでも、血小板減少性紫斑病と同じような病態というか、そう診断できるものが接種患者の10%ぐらいに見られたということで、モデルナとか、ファイザーとか、ジョンソン・エンド・ジョンソンの報告もあるので、これはとりあえず血小板減少という書き方しかできないかなと思っています。
 この血小板減少に関しては、本日、日本血液学会からもITPの患者に対して、寛解であろうと非寛解であろうと10%ぐらいに血小板減少が見られたということで注意喚起が出ていますので、そのことについては少し症例数が集まって検討されるべきかと思います。
 ちなみにこれは52例の連続する患者で1,000から1万7000ぐらいに血小板減少が見られた6例で、その4例は寛解状態で、3例が無治療観察の状態ということです。ただ、ITP自身がウイルス感染そのものでも起きるし、今回のワクチン接種でも起きているらしいと、それとは無関係に出ている可能性もあるということで、今後、ITPについては重要な監視が必要だろうと思います。
 ただ、今回のこの添付文書改訂でアストラゼネカのものについては、現在まで1例の報告のみということで、今現在では血小板減少として問題なかろうかと判断しました。
 その次のcapillary leak syndromeは実際に血液内科でもそれほど見られる症例ではなくて、日本でも現在までに100例未満ぐらいの報告しかないということで、ここにありますように症状を明記する、低アルブミン血漿などデータを調べていくというところしか状況としては分からないと思います。ワクチンでよくなったり悪くなったりするということが言われているようで、我々も血液内科自身としては、がんの末期、白血病の末期とかで経験するわけですけれども、それはCLSだろうという程度の状態で、必ずしもそれが病態として分かっているわけではないということです。
 以上ですけれども、何か質問はございますでしょうか。
○岡座長 ありがとうございます。
 ただいまの大屋敷参考人の御説明について、委員の先生より何か御質問等はございますでしょうか。
 多屋先生、お願いいたします。
○多屋委員 どうもありがとうございました。
 今後ですけれども、副反応疑い報告はこの部会で監視されているのですが、今後、血小板減少性紫斑病の既往がある方がワクチンを希望されたときには、先生はどのように御指導されていらっしゃるか、教えていただきますでしょうか。
○大屋敷参考人 実際問題として、ITPの患者さんを私自身は接種しているわけではないので何とも言えないのですけれども、基本的には大体1週間から2週間ぐらいの間に血小板数をチェックする、あるいは皮下出血があったらすぐ受診するようにと言うことが第一だと思います。学会のレコメンドでも大体そのような形で来ているわけですけれども、といいますのは、血小板の寿命は大体10日ぐらい、血小板減少という診断が血小板10万未満、治療が必要なのが血小板3万未満ということになりますので、出血症状があって血小板減少が確認できた時点で対応できると思います。
 私自身も100例ぐらいのITPの患者さんを把握して、実際に脳出血で亡くなったというのは1例だったのです。ですから、現在の段階では比較的早期に捕えて、治療をすれば安全かなと思っています。確かに血小板減少出血を起こした方は副反応でも拝見することもあるのですけれども、そちらのほうは医師の注意喚起で大丈夫かなと、血小板数は大体1週間から2週間ぐらいをチェックしていくというぐらいで、むしろやはり症状で見ていくほうがいいと思います。
 むしろTTSの場合は血栓を起こすので、これはかなり厄介で、そちらのほうの監視が重要かなと思っています。
 以上です。
○大屋敷参考人 ありがとうございます。多屋委員、よろしいですか。
○多屋委員 ありがとうございました。監視していくことと、起こりそうな時期に注意するというのはよく分かったのですけれども、既往歴のある方に接種をしてもいいかと言われたときには、どのように御回答されるかなと思っての質問でした。
○大屋敷参考人 私は接種してよろしいと思います。ただ、血小板数が極端に少ない患者さん、つまり3万未満で治療中の患者さんについては、それこそ要注意で観察していくということになろうかと思います。
○多屋委員 ありがとうございます。3万未満であれば、そのときの接種は控えたほうがいいという理解でよろしいでしょうか。
○大屋敷参考人 そうレコメンドできると思います。
○多屋委員 ありがとうございました。
○岡座長 それでは、濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 大屋敷先生、どうもありがとうございます。
 お伺いしたいのは、先ほどITPがアストラゼネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソン以外でも、ファイザー、モデルナでも起こる例があるとおっしゃっていたのですけれども、これは大体割合としてはどうなのでしょうか。かなりベクターワクチンのほうが大多数で、まれにファイザー、モデルナがあるという考え方でよろしいのでしょうか。
○大屋敷参考人 実はファイザーのものが24例中4例、一番多いのです。モデルナが24例中1例、それから、ジョンソン・エンド・ジョンソンが4例中1例なのです。ですから、ベクターのほうが出やすいかもしれない。mRNAのほうは大体10%ぐらいあると、ちょっとこれはびっくりするようなデータなのです。ただ、ウイルスベクターのものについては、まだ何とも分からないというのが現状です。ジョンソン・エンド・ジョンソンのものしかデータがないというところです。
○濱田委員 分かりました。どうもありがとうございます。
○岡座長 そのほかはいかがでしょうか。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 大屋敷先生、ありがとうございました。
 CLSについて少し伺いたいのですが、CLSについてはやはり手足の末梢のほうでの浮腫とか、そういったものが初期症状出るものでしょうか。全身性というものも世の中でそういう疾患の部分であると思うのですけれども、今回のこのアストラゼネカの部分に関しては、やはり局所的なというか、末梢の部分でのことが初期症状になるのでしょうか。
○大屋敷参考人 私はそちらのほうは全く分かりません。ただ、問題になるのは、むしろ1回外に出て血管内にまた戻ってくるときに肺水腫のような形、あるいはそういう形になったときが一番怖いので、その状態のとき、恐らくcapillary leak syndromeだろうという判定になるので、リンクしているときは浮腫とか、そういうことが抹消のほうに出ていって、それから、セントラルに戻ってくるときが要注意ということになろうかと思います。
○舟越委員 ありがとうございます。
○岡座長 そのほかはいかがでしょうか。
 私のほうから、大屋敷先生にちょっと教えていただきたいのですけれども、この10%ぐらいの方が血小板減少になるというのは、例えばほかの感染症でありますとか、あるいはほかのワクチンとかでITPの患者さんでこのくらい血小板減少が起こるとか、そういったようなことは知られているのでしょうか。そのあたりはいかがなのでしょうか。
○大屋敷参考人 いや、これは単施設から出ているデータなので、これ自身が検証されなければならなくて、私自身もこの12%ぐらい起きるというのを見てびっくりしたのですけれども、ほかのウイルスとかワクチンでもこんなには起きないと思っています。ただ、ご存知のように小児でのITPの場合は、ほとんどがウイルス感染後に出てくるというタイプ、成人の場合は原因不明ということが多いので、そのことについて、本当にワクチンと関係があって起きているのかどうかが分からない。ただ、問題なのは、寛解で無治療のITPの患者さんにワクチンを打っても出ているということで、ちょっとそれはほかの施設からのデータも見ないと何とも言えない。注意を要するところだと理解しています。
○岡座長 ありがとうございます。もう少し検討が必要な部分があるということですね。分かりました。
 そのほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、ただいまの質疑を踏まえていただいて、大屋敷先生のほうからはITPの問題について医学的にも検討が必要だろうということと、あと、医師への注意喚起みたいなことが今後大事になってくるだろうという御指摘の上で、この添付文書の改訂が適切ではないかという御意見だったかなと思いますけれども、この添付文書の改訂について何か御意見のある委員の先生方はいらっしゃいますでしょうか。あと、ギランバレーのほうはEUのほうで追記になったということで、日本も追記したほうがいいのではないかということかと思います。
○大屋敷参考人 大屋敷ですけれども、もう一つよろしいですか。
 これはモデルナとか、ファイザーとか、ほかのものでも出ているので、このアストラゼネカの添付文書にそのことを今の時点で記載することはどうかということになると、現時点では海外と同じように血小板減少ということが適切という意見なのです。ですから、それがやはり全体で見た場合に、ほかのワクチンなどについてもあるようなので、この点は逆に言えば、もっと一般的に重要な点になると理解しています。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 ITPということを書かずに、血小板減少としてまず記載するということかと思います。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、ただいまの改訂案につきましては、事務局におかれましては、本日の議論を踏まえて添付文書の改訂作業を進めていただければと思います。
 議題2については以上となります。
 大屋敷参考におかれましては、本日は貴重な御意見をいただいて誠にありがとうございました。これ以降の議論につきましては、先生に御意見を求める予定はございませんので御退席をされても差し支えはございません。本日はどうもありがとうございました。
○大屋敷参考人 ありがとうございました。
(大屋敷参考人、退出)
○岡座長 それでは、議題1のほうに戻りたいと思います。「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等」に戻ります。まず資料の1-1-1から1-4-2について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 まず、資料1-1、1-2を用いまして、対象期間中の副反応疑いの報告状況について御報告いたします。資料1-1-1「予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。今回の集計対象期間は7月11日報告分までとなってございます。
 まず、2ページ目の部分でございまして、表の一番下の部分の2021年7月11日の行をご覧いただければと思います。まず、表の左半分のコミナティからとなります。7月11日までの推定接種回数が5843万9259回接種、表の下の3つ目の※の部分に医療従事者と一般接種の内訳を記載しております。副反応疑いの報告件数が1万7877件、報告頻度としましては0.03%となっております。前回の合同部会の報告時が0.04%でしたので、前回と比べますと0.01%低い値となっております。重篤の報告件数が2,812件、頻度としましては表記上0.00%となっておりますが、正確には0.0048%で前回の報告時が0.0058%でしたので、若干の低下となっております。死亡事例につきましては553件となっておりますが、後ほど資料1-3-1にて製造販売業者からの報告事例も含めまして御説明いたします。
 続いて、モデルナでございまして、右のほうに行っていただきまして、7月11日までの推定接種回数が181万8033回、副反応疑いの報告件数が404件、頻度としましては0.02%で前回と同一の値となっております。重篤の報告件数が46件、死亡については3件となっておりますが、こちらも後ほど資料1-3-2にて御説明いたします。
 5ページ目をご覧ください。※の3つ目の部分になりますが、アナフィラキシーの疑いがある事例としまして医療機関から報告されたものを広く集計したものの件数となります。ブライトン分類による評価の件数につきましては、後ほど資料1-4にて御報告いたします。コミナティは2月17日以降、モデルナについては5月22日以降の集計となります。医療機関からコミナティは1,776件、モデルナは46件のアナフィラキシー疑いの事例が報告されております。
 以降のページにおきましては、コミナティ、モデルナ別に、性別・年齢別等の集計を行っております。
 続きまして、資料1-2-1「薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について」をご覧いただければと思います。こちらも集計対象期間は7月11日報告分となっております。
 まず、2ページ目の表の一番下の7月11日の行をご覧いただければと思います。まず、左からコミナティでございます。報告件数につきましては、こちらは重篤なものが報告対象となっておりますが7,480件、頻度としましては0.01%で、前回合同部会時の0.02からは若干の低下となっております。死亡事例が479件となっておりますが、こちらは後ほど1-3-1にて御説明いたします。
 続いて、右のほうに行っていただきましてモデルナでございまして、副反応疑い報告件数が108件報告されております。死亡事例は2件報告されておりまして、こちらも改めて1-3-2のほうで御説明いたします。
 3ページ目をご覧いただければと思います。アナフィラキシー疑い事例の報告件数でございます。コミナティが1,853件、モデルナが24件報告されてございます。ブライトン分類評価後の結果は後ほど報告いたします。
 続きまして資料1-3-1「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(コミナティ筋注)」をご覧いただければと思います。コミナティの死亡事例について御報告いたしますが、今回から資料の形式を変更しておりますので、まず変更点から御説明したいと思います。
 資料3ページ目の一番上の枠の部分の★評価記号とした部分のα、β、γの説明書きがあるところをまずご覧いただければと思います。例えばαにつきましては、前回まではワクチンと症状名との因果関係が否定できないと表記しておりましたが、今回からはワクチンと死亡との因果関係が否定できないと、症状名から死亡と記載を変更してございます。変更した経緯でございますが、前回、前々回の合同部会の際に、死因となり得るような症状が複数ありまして、それぞれの評価記号が異なる症例が6件ございました。具体的な事例としましては、血小板減少の原因としましてはワクチンの可能性が否定できないものの、死亡との直接的な関連性は不明であるとされた事例でございまして、前回まではこういったものにつきましては症状名に評価記号を付与しておりまして、ワクチンと死亡との因果関係評価の記号というものは付与していないという状況でございました。
 前回、このような事例の評価方法につきまして御議論いただいておりまして、結論としましては、ワクチンと死亡との因果関係の評価結果が必要であるということと、症状名別の評価結果もあると参考になるのではないかということだったと思いますので、これを踏まえまして、今回からこのような事例につきましてもワクチンと死亡との因果関係評価を行いまして、資料1-3にはその評価記号を記載するということとしております。
 変更点についてさらに御説明いたしますと、今度は下の表の部分をご覧いただければと思います。一番右端の部分の「専門家による評価【7月21日時点】」と記載した部分をご覧いただければと思います。まず、これまで「因果関係評価」としていた項目がございましたが、本日から「ワクチンと死亡との因果関係評価」と記載を変更しまして、ワクチンと死亡との因果関係の結果であるということを明確化しております。
 また、右のほうに新たに「評価に用いた報告内容」という項を記載しております。資料1-2-2-1をご覧いただければと思います。「薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い状況について」というものでございまして、2ページ目をご覧ください。表の中心の少し右の部分にα、β、γの記号が並んでいる箇所がございますが、死亡事例に限らず副反応疑い事例として報告があったものについては、こちらの資料1-2-2-1や1-1-2-1という形でラインリストの形式でお示ししております。特に企業調査が終了しました1-2-2-1のほうでは各症例について全症状を確定させまして、症状それぞれに因果関係の評価を記載しているという状況になっております。
 資料1-3-1のほうに戻っていただきまして、また3ページ目の表をご覧いただければと思います。一番右端の部分に戻っていただきまして、今回からは死亡との因果関係の評価結果を記載することとしておりますが、評価の前提としまして症状別の評価も行っておりますので、先ほどお見せしました資料1-2-1の中の「評価に用いた報告内容」という項目の中でそちらの症例番号も記載させていただいております。
 なお、各症例につきまして基本的には医療機関と製造販売業者両者から報告されておりますので、1-1-2-1にも1-2-2-1にも同一の症例が存在するということになりますが、基本的には最新の報告内容に基づいて評価を行っておりますので、その最新の報告内容の症例番号を記載させていただこうと考えております。
 資料の変更点の説明は以上となりまして、続きまして、1ページに戻っていただきまして対象期間中のコミナティの報告状況について御報告いたします。
 前回の合同部会以降、コミナティの副反応疑い報告におきまして新たに死亡として報告された事例が113件ございまして、7月11日までに報告された事例は663件となっております。※の部分となりますが、同一症例であることが明らかになったものが3組、また2件取下げがございましたので、事例としましてはナンバー1から668が対応しておりますが、報告件数としましては663件と表記しております。
 また、2つ目の○でございますが、集計対象期間外とはなりますが12日から16日までに死亡として報告された事例が83件あるという状況でございます。
 「2.専門家の評価」でございまして、663事例を対象にしましてワクチンと死亡との因果関係の評価を行っております。結果としましてはβが3件でγが660件となっております。脚注の※の部分となりますが、複数の症状が報告されていた6例につきましては、症例単位でワクチンと死亡との因果関係の評価を実施したところ、いずれもγということでしたので、今回からはγ6件として積算しております。
 以降のページにつきましては、ラインリストや死因等による集計結果をおつけしております。
 続きまして資料1-3-2「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」をご覧いただければと思います。
 モデルナの死亡事例について御報告いたします。1ページ目の「1.報告状況」でございます。前回の合同部会以降、死亡として報告された事例が新たに2件ありまして、7月11日までに報告された事例としましては計4件となっております。なお、集計対象期間外の7月12日から16日までの報告事例としましては、もう1件ございました。
 「2.専門家の評価」でございまして、4事例を対象としまして専門家の評価を実施しておりまして、結果はいずれもγとなっております。
 以降のページはコミナティ同様にラインリストや集計表をおつけしております。
 続きまして、資料1-4-1「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー疑い事例として製造販売業者から報告された事例の概要(コミナティ筋注)」をご覧いただければと思います。こちらの資料ですが、今回からタイトルを少し変更しておりまして、前回の御議論の中で、ここで集計されているものはアナフィラキシー疑い事例であるという御議論がございましたので、タイトルをアナフィラキシー疑い事例ということで「疑い」という文言を追加しております。
 1ページ目の報告状況でございます。前回の合同部会以降、アナフィラキシー疑いとして報告された事例が新たに221件ございまして、7月11日までに報告されたアナフィラキシー疑い事例としましては1,853件となっております。
 「2.専門家の評価」でして、この1,853事例を対象に専門家の評価を実施しております。2ページ目の一番上をご覧いただければと思います。ブライトン分類レベル1から3の報告件数は325件、100万回当たりの報告件数ですと6件となっております。以降、ブライトン分類1から3に該当するものについて集計表をおつけしておりますので、適宜御参考いただければと思います。
 続きまして資料1-4-2「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー疑いとして医療機関から報告された事例(モデルナ筋注)」をご覧いただければと思います。モデルナにつきましては医療機関からの報告内容に基づいてブライトン分類評価を実施しております。
 1ページ目の「1.報告状況」の部分でございます。医療機関からアナフィラキシー疑い事例として報告されました事例が新たに32件ありまして、11日までに報告された事例としましては計46件となっております。
 「2.専門家の評価」の部分でございますが、この46件を対象にブライトン分類の評価を実施しておりまして、1から3に該当する事例は2件、100万回当たりですと1件となっております。
 資料1-1-1から1-4-2までの説明は以上となります。
○岡座長 ありがとうございました。
 引き続いて、資料の1-5-1、1-5-2について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。資料1-5-1「副反応疑い報告の状況について」を御説明申し上げます。
 まず、2ページ目をご覧ください。こちらは資料1-1、あるいは1-2に該当するところのまとめの資料となっております。上段のファイザー社ワクチンについては青で囲んだ表として、下段に武田/モデルナ社ワクチンについてのオレンジ色の表として作成しております。
 ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチン、両者につきまして、下段のところにそれぞれ左側に医療機関からの報告数、及び報告頻度としてまとめさせていただき、下段の右側の部分に製造販売業者からの報告数及び報告頻度としてまとめさせていただいておりますので、こちらをご覧いただければと思います。
 続きまして、3ページ目でございます。こちらはいわゆる死亡として報告された事例の概要としてまとめさせていただいており、上段にファイザー社ワクチンの情報をまとめさせていただいております。先ほども御紹介申し上げましたけれども、前回の審議会時点までにファイザー社ワクチンの副反応疑い報告において死亡として報告された事例は453件であったところ、今回の審議会までには死亡として報告された事例は663件でございました。症状の概要に記載された死因等についてまとめさせていただいておりまして、上位3つの疾患・疾病等につきましては、心不全73例、虚血性心疾患67例、肺炎53例等となっております。こちらに関しては後ほどのスライドでも御紹介して参りたいと思います。
 また、注釈に関しては以前も御紹介申し上げましたように、同一症例に複数の死因等の記載がある場合には、いずれも計上しております。また、死因等につきましては、死因として報告書の中で確定されていないものも含めて計上しているところも御承知おきいただければと考えております。
 武田/モデルナ社ワクチンにつきましては、今回の審議会までに死亡として報告された事例が4件ございましたということでまとめさせていただいております。
 続きまして、4ページ目をご覧ください。こちらは死亡として報告された事例につきまして系統的に評価していくということで、年齢及び症状の概要に記載された死因等についてまとめさせていただいております。
 まず、年齢別のところでございますけれども、65歳以上及び65歳未満で分けさせていただいており、また今回より鍵括弧つきで前回値と比較できるように記載させていただいております。65歳以上につきましては621例、前回が420例、65歳未満が38例、前回が31例でございました。丸括弧内は前回同様65歳未満内数として記載させていただきまして、ご覧のようなリストになっております。
 下段の注釈5をご覧いただきたいと思います。症例数が積み上がってくる中で、ワクチン接種と症状等の因果関係を見ていくかという点にあたって、基礎疾患等の悪化により死亡したと考えられる事例については注釈5に記載のように「状態悪化」として計上させていただいております。こちらは、例えばもともと腎臓の悪い患者さんがいらっしゃいまして、そのような方にワクチンを打った後に腎臓の状態が悪化したことによって亡くなった場合に、それはワクチンと腎不全に因果関係があると捉えるのは難しいと考えられますので、このような注釈を以て集計させていただいているという状況でございます。
 また、武田/モデルナ社ワクチンにつきましても症例数が今回4例ございましたので、下のオレンジ色の囲みのところでまとめさせていただいております。それぞれ各括弧内が内数として65歳未満の症例であり、虚血性心疾患1例、出血性脳卒中1例、肺炎1例、敗血症1例、大動脈疾患1例の報告がございました。なお、こちらは4例ですが、疾病名は虚血性心疾患、出血性脳卒中、肺炎、敗血症、大動脈疾患と5つ記載がありますのは、肺炎と敗血症が同一症例で記載があったためということで、御理解いただければと思います。
 今回、65歳未満の例が前回の31例から今回は38例ということで7例追加になっておりますけれども、最も多かったのが報告書の内容からは疾病名等が分からないという不明の7例のところに最も集まっているという状況でございまして、以前より疾病名として挙がっております出血性脳卒中等につきましては1例ずつ増加があったものがあるといった状況でございました。
 続きまして、5ページ目をご覧ください。こちらは以前からお示ししておりますとおり、経時的な死亡として報告された事例の報告件数について、ファイザー社ワクチンについてまとめさせていただいておりますけれども、ここ3回ほどにつきましては、死亡の報告件数につきましては16.2件/100万人接種、17.3件/100万人接種、18.3件/100万人接種と横ばいで推移しており、100万回接種当たりの件数ですと11.9件、11.6件、11.3件ということで、緩やかな減少傾向に入ってきている状況でございます。
 また、6ページ目につきましては、ファイザー社ワクチンにおける海外の死亡例の最新の報告状況ということでリスト化させていただいております。
 続きまして、7ページ目でございますけれども、こちらは武田/モデルナ社ワクチンの死亡例につき、今回4件の報告があったということでまとめさせていただいております。
 8ページ目は武田/モデルナ社ワクチンに係る海外の死亡例に関する最新の報告状況について載せておりますので、御参考いただければと思います。
 続きまして、9ページ目でございます。こちらは以前から死亡例についての因果関係について御議論いただくところが多かったというところもあり、今回、新型コロナワクチン接種と接種後の死亡事象との因果関係に関する現時点の考え方ということで、事務局のほうで御議論いただきたい資料として提示させていただきます。
 接種と接種後の死亡事象との因果関係に関する現時点の考え方でございますけれども、新型コロナワクチンの接種とワクチン接種後の死亡事象との因果関係については、当審議会で評価してきた情報や国内外の科学的知見を総合すると、現時点では次のように考えることができるのではないか。
 1つ目としましては、これまでの死亡事例を個々に評価してまいりました結果、現時点では、mRNAワクチンとの因果関係があると結論づけることのできた事例は認められない。いわゆるγの評価となっているといった状況を示しております。
 また、2つ目でございますけれども、しかし、こうした個々の事例の単位では偶然に何らかの疾患を発症した場合との判別が困難であっても、類似の事例を集めて、いわゆる系統的に評価していった場合に通常よりも接種後の当該疾患の発症率が上昇していれば、結果として当該疾患と接種との因果関係を疑う要素となる。このため、集積する事例を引き続き統計的に解析して、報告される各種疾患と接種との因果関係を評価していくこと自体は重要ではないか。
 3つ目でございますけれども、そうした状況下におきまして、全体を見ていった中で、これまでも国内外で上記の評価がなされてきておりますけれども、現時点においてはmRNAワクチンの接種と具体的な疾患による死亡との因果関係が統計的に認められた疾患はない。そうした状況を踏まえ、今後もさらに症例が集積されることにより、これまでは検出されなかった小さなリスクが統計的に検出される可能性もあることから、引き続き情報を収集し、丁寧に評価を行っていくこと自体は重要ではないかとまとめさせていただいておりますので、こちらを御参考にいただきながら、また御議論いただければと思っております。
 また、下段におきましては、こちらは上段の赤囲みのところにつきましては、いわゆる死亡事象との因果関係に関する現時点の考え方ということで、参考のところには死亡事例に限らない場合においてもmRNAワクチンの接種との因果関係がある、あるいは疑われている症状や疾患として、現時点ではいかのようなものが挙げられるのではないかということで、挙げさせていただいております。
 まず、接種との因果関係があるとされている症状や疾患でございますけれども、接種直後における局所反応、あるいは軽症の全身反応、発熱や倦怠感等、また、アナフィラキシーを含む急性のアレルギー反応、こういったところは接種との因果関係があるとされているのではないかと考えられます。
 また、昨今話題に挙がっております接種との因果関係を疑われている疾患といたしましては、心筋炎関連事象、心筋炎、心膜炎が特に若年、さらに男性での因果関係が疑われているところかと考えられます。
 こうした状況を踏まえまして、10ページ目のまとめのスライドでございます。副反応疑い報告制度においてファイザー社ワクチンの接種後の死亡例として報告されたものは、接種開始後から663件の報告がございました。また、ワクチン間において被接種者の属性等に大きく差があることには留意が必要ですが、モデルナ社ワクチンにつきましては4件の報告がございました。報告された症状等は心不全等でございます。
 死亡例については報告内容について引き続き透明性を持って公表するため、個人情報につながる情報を除き、報告情報を可能な限り公表するとともに、併せて専門家の評価も行っております。
 専門家の評価につきましては、今回まとめさせていただきましてファイザー社ワクチン663件のうち660件は情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係は評価的にはいわゆるγ、3件はワクチンと死亡との因果関係が認められないいわゆるβとされております。また、モデルナ社ワクチンにつきましての4件はγとされております。
 こうした状況を踏まえまして、論点のまとめとして下段にまとめさせていただいております。現時点においては個々の死亡事例についてmRNAワクチンとの因果関係があると結論づけることのできた事例は認めず、mRNAワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係が統計的に認められた疾患もないが、引き続き集積する事例に関する情報を収集し、丁寧に評価を行っていくことによって、接種と因果関係のある疾患がないかを引き続き見極めていくことが重要ではないか。死亡例の報告に関しては被接種者の属性の変化や海外の報告状況も鑑み、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとしてよいかということで、御議論いただければと考えております。
 また、11ページ目でございますけれども、こちらは医療機関からアナフィラキシー疑いとして報告された件数ということでまとめさせていただいております。直近の値ですと100万回接種当たり30件ということで、引き続き緩やかな減少傾向が続いております。
 また、12ページ目につきましては、製造販売業者からのアナフィラキシー疑いとして報告された件数及びブライトン分類に基づき専門家によりアナフィラキシーと評価された件数を下段に載せており、両者とも緩やかな減少傾向が続いているという状況でございます。
 13ページ目はファイザー社ワクチンのアナフィラキシーに係る海外の情報でございます。
 14ページ目はモデルナ社ワクチンの本邦における医療機関からの報告状況についてでございます。医療機関からアナフィラキシー疑いとして報告された件数、まだ報告件数全体が少ない状況でございますので、傾向としてはまだこれからも注視していく必要があると考えておりますけれども、直近としましては、100万回接種当たりの件数で言いますと、25.3件が医療機関からアナフィラキシー疑いとして報告された件数、また、下段ではブライトン分類に基づき専門家によりアナフィラキシーとして評価された件数が、現在100万回接種当たりですと1.1件といった状況になっております。
 15ページ目はモデルナ社ワクチンにおける海外のアナフィラキシーの最新の報告状況についてでございます。
 こうした状況を踏まえまして16ページ目でまとめさせていただいております。上段の並びにつきましては、先ほど御紹介申し上げましたとおり、ファイザー社ワクチンにつきましては現時点までに1,853件の報告がございまして、うち325件がアナフィラキシーと評価されております。モデルナ社ワクチンにおきましては46件の医療機関報告があり、うち2件がアナフィラキシーとして評価されております。
 また、最下段のところにつきまして、アナフィラキシーについての転帰について書かせていただいております。報告数はかなり増えてきておりますけれども、アナフィラキシー疑いとして報告され転帰が確認されたほとんどの例で、引き続き軽快されたことが判明しております。
 こうした状況を踏まえまして、アナフィラキシーに関するまとめとしましては、新型コロナワクチンのアナフィラキシーとして報告された事例に関しては、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、ワクチンの被接種者の属性等に引き続き留意しつつ、ワクチン接種体制を継続していくこととしてはどうかということで、御審議いただければと思います。
 17ページ目以降は心筋炎関連事象についてのスライドとなっております。17ページ目が国内の新型コロナワクチン接種後における心筋炎関連事象疑い報告についてまとめさせていただいております。今回、最新の値としましては医療機関からの報告を引き続きまとめさせていただいておりますけれども、計31件、30例の報告がございました。
 2段目のところにおきまして、年齢別で前回との比較においてそれぞれ集計させていただきまして、40歳未満が13件、12例、前回から4件、4例の追加の報告がございました。また、40歳から65歳未満は最新で4件、65歳以上が14件という状況になっております。また、武田/モデルナ社ワクチン接種後の心筋炎関連事象疑いとして報告された事例は前回同様の1件でございまして、新規に報告された事例はございませんでした。
 18ページ目は前回も載せさせていただきましたけれども、参考となる非ワクチン接種者における心筋炎関連事象の発生者についての情報となっております。
 全体の傾向を19ページ目及び20ページ目にまとめさせていただいておりますけれども、19ページ目、まず、ファイザー社ワクチン接種後における心筋炎関連事象について、全体としての発症頻度について、このような報告状況ということでまとめさせていただきまして、直近のデータでは100万人接種当たり0.9件、100万回接種当たりですと0.5件といったような状況となっております。
 また、20ページ目におきましては、モデルナ社ワクチンについてもまとめさせていただいておりまして、こちらは1件ですので直近ですと0.7件/100万人接種、0.6件/100万回接種といった状況となっております。
 21ページ目でございますけれども、こちらは海外の新型コロナワクチン接種後の心筋炎関連事象についてということでまとめさせていただいております。直近2週間の間におきましては、更新としてはそれほど新しいものはございませんでしたけれども、米国におきましてはファクトシートや患者向け教育資材等において心筋炎関連事象に関する情報が追記されたとの情報がございます。厚生労働省といたしましても、引き続き、こういったウェブ等を通じての更新によって最新の情報の周知や注意喚起等が重要ではないかと考えております。
 22ページ目におきまして全体をまとめさせていただいております。心筋炎関連事象に関しましては、国内外において2回目接種後数日以内に発症する若年の男性での報告が多いため、その因果関係が疑われているが、発症しても軽症であることが多い。
 また、2つ目の○でございますけれども、資料1-5-2に医療機関報告から心筋炎関連事象に関して御報告いただいている症例をまとめさせていただいており、一番右側のところに転帰内容をまとめさせていただいております。医療機関報告ですと、第2報が上がってきませんと、こちらの転帰内容につきまして更新がございませんが、事務局のほうでこちらに該当するいわゆる製造販売業者からの報告も確認をさせていただきまして、右側の未回復のところ、あるいは不明となっているところの症例につきまして、注釈という形で最下段のところに各情報をまとめさせていただいており、多くの症例では軽快していることを確認済みであるというところを資料として載せさせていただいております。
 こうした状況踏まえまして、お戻りいただきたいのですけれども、1-5-1の一番最後の22ページ目でございますけれども、国内の心筋炎関連事象疑いの報告事例においても特に因果関係が疑われている若年男性に係る事例では、引き続き全例の軽快、または回復が確認されている。
 また、前回審議会時点以降、引き続き報告頻度に大きな変化はない。
 こうした状況を踏まえまして、ワクチン接種後の心筋炎関連事象の考え方についてのまとめでございますけれども、現時点においてワクチン接種の体制に直ちに影響与える程度の重大な懸念は認められず、国内の発生状況や海外における報告状況を注視していくとともに、引き続きウェブサイト等の更新等により最新の情報の周知及び注意喚起を行っていくこととしてはどうか。全体として副反応疑い報告の発生状況については、現時点においてワクチン接種の体制に影響を与える重大な懸念は認められず、引き続き、国内外の情報を収集しつつ、新型コロナワクチンの接種を継続していくこととしてよいかということで御審議いただければと考えております。
 以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 ただいま、事務局からこれまでの副反応疑いの状況について御説明をいただきました。事務局から最後に論点として示されておりますので、これに沿って進めたいと思います。
 今回もまず死亡事例についてから審議を始めたいと思いますけれども、事務局から論点として挙げられていた点を含めて、何か御質問・御意見等はございますでしょうか。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 このまとめの前のスライドの5ページ目でしたか、不明が142例でしたか、ここについて、死因の引き続きの特定や確定みたいな追跡の情報収集はどの程度、例えば142から1か月間ぐらいで2例程度特定できたとか、今、大体663の2割程度が不明な状態ですので、そこら辺はどのような形で追跡とかをされているのかというのを教えていただければと思います。
○岡座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 副反応疑い報告につきましては、医療機関から報告があると同時に、あったものにつきましては製造販売業者にも情報提供をしておりまして、そちらのほうでも改めて調査をした上で報告いただくということになります。ですので、具体的に今の時点で何件上がってきたとはお答えできませんが、もちろん企業にも死因等、どのようものが考えられるか、死因等の判断のためにどのような調査を行ったか、こういったものを調査するようにお願いしておりますので、時間がたちましたら、そういったものも得られると考えております。
○舟越委員 そういった意味で個々の症例が少しずつ特定とか、不明が減っていくことで、現段階での考え方に書かれているような内容で、今の段階ではよろしいかと思っています。
 以上、コメントになります。
○岡座長 ありがとうございました。
 倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 質問いたします。これは4ページでしょうか。死因というのが書いてありまして、右の一番上に窒息というのがございますが、たしか伊藤先生のスタディーのパーセントの中に、嘔吐というのが0.1%だったか、0.01%だったか、少ないけれども、やはり嘔吐というのがあったように記憶しております。この窒息というのはワクチン接種後に嘔吐して、それが窒息という死因に至ったという人なのでしょうか。あるいは全く嘔吐という現象と関係なく窒息という現象が起こったという方なのでしょうか。そこまで分かるかどうか、ちょっと伺いたいと思います。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのあたり、少し細かい点を。
○事務局 御説明いたします。ここで窒息と書かれているものについては、嘔吐や誤嚥による窒息という形の報告が多かったと思います。
○倉根委員 そうですか。そうすると、その嘔吐はやはりワクチン接種によるというか、ワクチン接種の後に起こった嘔吐による窒息ということになりますね。
○事務局 いろいろケースがあると思いまして、もちろん報告されている以上は、打った後にそのようなことがあったということだと思うのですが、例えば既往歴としましてもともと誤嚥があったとか、そういったような報告もございます。
○倉根委員 そうですか。ワクチンを原因としてなのか、あるいはワクチン接種に引き続いて起こった嘔吐による窒息というのもあるということですね。分かりました。
○岡座長 ありがとうございます。
 山縣委員、お願いいたします。その後に長谷川委員、お願いします。
○山縣委員 簡単な質問です。舟越委員に関連することなのですが、死因をどのようにして明らかにしたかということで、病理解剖、剖検等が行われた割合というのは今分かるのでしょうか。
○事務局 資料1-3-1をご覧いただければと思います。3ページ目以降、ラインリストという形でお示ししておりまして、こちらの中で、ここで集計した死因等の詳細も記載させていただいております。項目として真ん中のあたりに「報告医が死因等の判断に至った検査」という項目がありまして、こちらのほうにどのような検査、あるいは根拠に基づいて死因等の判別が行われたかというのを記載しております。この中で、例えば5番がそうなのですが、解剖となっております。解剖されたという情報が分かったものにつきましては、ここの欄に記載させていただいております。
○山縣委員 集計は自分でしないと分からないということですね。
○事務局 今集計自体はしていないのですが、ここの情報を見れば分かるということになります。
○山縣委員 ありがとうございます。
○岡座長 それでは、長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 ありがとうございます。
 資料1-5-1の4ページ、先ほどから話題に出ております死亡として報告された事例についてなのですけれども、※5で基礎疾患の悪化によるものは状態悪化と計上しましたとあるのですけれども、その計上されたものというのは、横に書いてある状態悪化というところに含まれているのでしょうか。その上に具体的に挙げられているのは、これで見ますと7例以上のものが挙げられていて、それよりも少ないものがその後なっているのでしょうかというのが1点目です。
 もう一つは、この死因が心不全、虚血性心疾患というのは上に大きい数でありますけれども、その他の中にも心臓死ですとか、心停止でしょうか、そういったものが含まれていて、ここら辺の区別はどのようになっているのかというのをお聞きしたいと思います。
○岡座長 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 まず、状態悪化についてでございますけれども、こちらは実際に集計してみますと、ワクチン接種後かなりたった状態等で基礎疾患を持った方が亡くなったと読み取れるものが含まれておりまして、実数値としましては、この状態悪化が44例ございます。
 一方で、この心肺停止というのは前回も申し上げましたけれども、かなり数がございますので、具体的に43例と載せさせていただいておりますけれども、御指摘のとおり、実際は心臓死、心停止とほとんど同義でございますので、こちらも前回も少しお話し申し上げましたけれども、心肺停止をここに載せるのが妥当でないという考え方もあるかと思いますので、次回以降、この心肺停止に関しては、その他に含めてもよいかなと事務局としては思っているところでございます。まとめ方につきましては、ぜひ委員の先生の方々にいろいろな御意見を頂戴しながら、よりワクチンと何らかの疾病名が関係あるかというところを御議論いただける資料づくりを心がけてまいりたいと思っていますので、引き続きよろしくお願い致します。ありがとうございます。
○長谷川委員 ありがとうございます。そうしますと、その他に書いてあるのは、上に書いてあるものよりも例数が必ずしも少ないという意味ではなくて、状態悪化というのはかなり数が多いという、その他というのは数が少ないという意味ではないということでよろしいでしょうか。
○事務局 御指摘のとおりでございます。状態悪化、心臓死、心停止については、この7例を超えての報告があると承知しております。
○長谷川委員 ありがとうございます。
○岡座長 長谷川委員、いかがですか。状態悪化を上に上げたほうがよろしいですか。
○長谷川委員 不思議に思ったのは、状態悪化というのは基礎疾患を持っている人ではかなりあるだろうなと思ったのですけれども、それに集計するとわざわざ書いてあるにもかかわらず、その実数が分からない状態でここにまとめられているので、ちょっと不思議に思いました。
○岡座長 ありがとうございます。こちらでそのようにまとめたということで下に書かれているかなと思いますけれども、ちょっとその点、また御検討ください。
 佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 御丁寧な御説明をいただいて、非常に理解が進みました。心筋炎に関して関心が高まっているなというのを実感しているのですが、いただいた資料の1-5-1の33ページ目に心筋炎に関する情報提供、注意喚起を行ったというのがありますが、今、このQ&Aというウェブサイトで注意喚起がメインということになっているのでしょうか。
 重篤で症例はなく予後が皆さんよろしいというので、それは非常によいニュースなのですけれども、ただ、ワクチン接種後4日程度の間にと書いてあって、気をつけなくてはいけない期間というのが、すごく情報としては重いのかなと思いました。一方、添付文書のところは数日以内と書いてあります。実際に打った後、何日ぐらいは気をつけてくださいねというような注意喚起が行われているのかというところがちょっと気になりました。
 実際、この4日というところの数字の根拠というのは、これまでの心筋炎、心膜炎の報告例として、この4日のうちに起こっているからという理解でいいのでしょうか。
○岡座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 御指摘ありがとうございます。今日の資料では前回の資料を入れたせいで、前回のこの部会までの間につくった啓発資材だけが資料に載ってしまっているのですけれども、その後、幾つかの資材を公表して自治体にお伝えをしております。一番使われているのは新型コロナワクチン予防接種についての説明書というものであったり、あるいは接種後の方にお示しするような文書をつくっておるのですけれども、そちらのほうに心筋炎についての記載を追記させていただいております。
 その説明書のほうでは、ごくまれではあるもののワクチン接種後に軽症の心筋炎や心膜炎が報告されています。接種後数日以内に胸の痛みや動悸、息切れ、むくみ等の症状が現れたら、速やかに医療機関を受診してくださいとさせていただいております。これをお配りしてくださいということで、お渡ししている資料でございます。4日というのは確かに4日以内に報告が多いので4日という記載をしている部分がございますけれども、一番よく使われている資料では数日という記載に改めさせていただいております。
○岡座長 よろしいでしょうか。
○佐藤委員 数日といったときに、大体1週間ぐらいという感じですか。私は患者さんというか、受けた方に判断をゆだねるのはどうかなと思ったのですけれども、ちょっとその辺のところを教えて下さい。
○岡座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 資料1-1-1、感染研にお作りいただいております34ページ目でございますけれども、本来であれば、こちらも毎回ご覧いただきながら御議論いただきたい資料でございますが、資料が非常に多く、なかなか御議論の中でお出しできないところがありますが、心筋炎については、接種日から発症までの期間別の報告数を載せさせていただいております。
○岡座長 何ページですか。
○事務局 1-1-1の34ページ目でございます。こちらをご覧いただきますとお分かりいただけますとおり、確かにボリュームゾーンとしては国内外同様4日以内が多いといったところですけれども、5日目、あるいは8~14日目、15~21日目、因果関係があるかどうかということは別途、報告が上がっているという状況でございますので、一つの目安として4日といったところを使わせていただいております。
 そこをどう表現するかというのはいろいろな御議論があるところかと思うのですけれども、こうした事実を踏まえまして、記載内容を4日以内、あるいは数日以内といったような表現をさせていただいているところでございます。
○佐藤委員 最新版には数日以内なのですか。
○事務局 ホームページで確かにQ&Aで4日以内と書いております。これは何か新しい事実があればすぐに更新できるということで4日にしています。お配りする自治体のほうはなかなか2週間おきに更新したりできませんので。数日という形で書かせていただいているところです。
○佐藤委員 分かりました。この根拠になっているデータが見られてよかったです。ありがとうございます。
○岡座長 御議論のほうは死亡例についてですが、伊藤委員は死亡例についてでしょうか。
○伊藤(澄)委員 死亡例についてですが、直接死因と誘因について、それぞれの因果関係を分けて記載していただけたというのは大変ありがたいことだと思っています。
 ただ、このワクチンは副反応の頻度が比較的高いワクチンなので、先ほど倉根委員からも御指摘があったように死亡の誘因になった副反応が一定程度あって、それが超過死亡につながっているかどうかは大変懸念は持っています。全体のトーンとして、このワクチンが安全だと最後の文章で書き切っていいのかという気が少ししています。その誘因が超過死亡につながっているかもしれないということの評価は難しい。大丈夫とも言えないし、大丈夫でないとも言えないというのが現状という気はするのですけれども、最後の死亡についてのトーンについては、もう少し考慮したほうがいいのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。
○岡座長 ありがとうございます。特に高齢者、ハイリスクの方から打ち始めているというようなこともありますので大事な御意見だと思います。
 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 これは非常に大事なことだと思いますので御議論いただきたい部分でもあり、また、今日だけではなくて、まさにこの合同会議を何のためにやっているかというところであると思いますので、しっかりとこれからも慎重に見ていくべきところだとまず思っております。
 そう申し上げた上で、それをどういう言葉で表現するかというところも大変悩ましいところだと思っております。この合同会議は科学者の先生方が集まっておられますので、100%確信を持って言えないことについては非常に慎重な姿勢で表現くださっていると平素から理解をしているところです。
 一方で、あるかもしれないという小さな可能性、あるいは否定できないようなことが白か黒か五分五分であると、表現によっては伝わっていくこともありますので、そういった部分、現時点ではあるとは認められないという範囲で、あるいはそういったことが示されていないという範囲で、事務局としては本日記載したつもりでございますけれども、その不確実性の部分や度合いについて、どのように表現していくかということについては、その評価そのものと少しまた違った観点かも分かりませんけれども、大変重要な観点ではないかと事務局としては考えているところです。
○岡座長 ありがとうございます。
 委員の先生からはいかがでしょうか。濱田委員はこの点に関してでよろしいですか。
○濱田委員 死因の件なのですけれども、ちょっと違う面から伺いたいことがあって手を挙げたのですけれども、よろしいですか。
○岡座長 そうしましたら、引き続き今の点についてですが、前にもこの点については2回ぐらい議論したことがあって、そのときに特にハイリスクの方を打ち始める前でしたが、そういう方に打つ場合に、先ほどの状態悪化というのももしかしたら関係あるのかもしれませんけれども、そういったハイリスクの方に打つことについてどのように考えるかということで、事務局にもたしかまとめていただいたようにも思います。そのときは、疾患によるリスクも考慮したときに、リスクベネフィットの観点で接種をするということでたしかまとめたように思いますけれども、先ほどの伊藤澄信委員の御意見、ただ、このように実際に接種している中で、そういう超過死亡というのがあり得るわけで、その点についてどう表現したらいいかという御質問かと思いますけれども、このあたりについてはいかがでしょうか。
 森尾委員、お願いします。
○森尾委員 初期から議論している重要なポイントだと認識しております。伊藤澄信委員がおっしゃっていただいた超過死亡について、恐らく僕の記憶が正しければデータがあって、これは間違っているといけないのですけれども、それはないというデータがたしかあったのではないかと思います。こちらはそれが重要なデータであるということであれば、やはり御提示いただいて議論したほうがいいのかなと思っています。
○岡座長 宮川委員、お願いします。
○宮川委員 今、お話があったように超過死亡のことは非常に重要なのですが、それに加え、高齢者の場合にはいろいろな施設入居者でさまざまな状態の方に接種していたわけです。クラスターが発生したり、いろいろな困難な状況にあった中で、高齢施設を優先にしよう、高齢者を優先にしようというような議論の最中でもありました。ですから、超過死亡だけでなく新型コロナ感染症によるいろいろな困難な状況というのが加味された中で、このような死亡として報告された事例が存在したと記憶をしているのです。
 ですから、102歳とか98歳で、誤嚥性肺炎などの回復初期にもかかわらず、念のためにワクチン接種を行わざるを得ない状況であったことや全身状態も思わしくない状態での接種後の老衰という病名が散見されるという状況があったというところは記憶に新しいのではないかなと思っています。
 ですから、このようなことを整理していくいいチャンスであろうと考えます。超過死亡のことも含め、コロナ禍の状況で、高齢者の特性の中で行われたところが初期の段階です。今、時期を分けたり、階層を分けて、しっかりと議論していかないと、本当のことが見えていかないのではないかなと思っています。
○岡座長 ありがとうございます。
 長谷川委員はこのことに関してでしょうか。
○長谷川委員 死因を正確につかまなくてはいけないということに関して、先ほどの続きにもなりますけれども、状態悪化というものが一つのくくりでまとめられるということなのですけれども、状態悪化の中にも様々な状態悪化があると思いますので、どういうものを状態悪化というのが進みやすいか、進みやすくないのかというのを検知するというのも重要かなと思いますので、状態悪化の中でもどういったものがという分類もあったほうがいいのかなと考えました。
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、先ほどの点で事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 森尾先生から御指摘いただいたところに関連して参考資料5をご覧いただきたいのですけれども、こちらは令和3年2月15日の資料でございまして、16ページ目のところに米国でのデータで恐縮なのですけれども、いわゆる死亡事例に関して、バックグラウンドの方々と比較して死亡率の増加がないことが報告されている、こういったところをご覧いただき、御審議いただきながら進めてきたものと承知しておりますので、こちらも改めましてですけれども、ご覧いただければと思っております。
 もう一つ、先ほどの状態悪化についてでございますけれども、貴重な御意見をありがとうございます。こちらは確かに御指摘のとおり、状態悪化というのを個別に、いわゆる症例ごとにどのようなものがあるのかというのを見ていくと、究極的には個別の症例を全部見ていただくということになってしまいまして、ある程度その傾向を見ていくことが大事なのではないかということで、状態悪化ということでまとめさせていただいています。
 ちょっと議論が巡ってしまうことになるとは思うのですけれども、例えば状態悪化とした事例でどのようなことが起きているのかということを委員の先生方にお伝えするにあたって、次回の審議会等で、全部お示しすると、結局何十例となってしまいますので、例えばということで数例、このような記載がありましたというところで御紹介したり、あとは先ほど不明というのはどのような報告がなされているのかと、確かに御指摘のとおりだと思いますので、どういったものを不明としてグルーピングしているのかというのも、例えば参考資料としてお示しさせていただくことで御理解いただけるのかなと思っておりますので、そちらはこちらのほうで検討させていただきます。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 何かこの点について、そのほかはございますでしょうか。よろしいですか。
 そうしましたら、濱田委員、お待たせしました。
○濱田委員 死因で違う面なのですけれども、資料1-3-1の77ページとか、78ページの別紙の2です。これはファイザーで亡くなった方の年齢別で、65歳未満だけではなくて40歳未満というのも見たほうがいいのではないかと思います。これを見ますと、40歳未満で11人亡くなっていらっしゃる中で、半分が心臓障害ということになっていて、全員男性なのです。恐らくこれは心不全とか、心肺停止ということで原因がよく分からないまま心臓障害になっていると思うのですけれども、この年齢に心筋障害が多いので気になります。この5例というのは、先ほどの心筋障害の数とあまり変わらないのです。まず一つ伺いたいのは、これの分類は国際疾病分類に基づいてやっているのですか。いかがでしょうか。
○事務局 御質問にお答えいたします。別紙2の分類はMedDRAの分類に基づいて実施しています。
○濱田委員 MedDRAの分類に基づいてやっているということですか。そうすると、資料1-5の4ページ目に出てくる分類とは違うわけですよね。
○事務局 補足いたします。もともとの集計自体はMedDRAに基づいて分類しておりまして、ただ、MedDRAはかなり細分化されておりますので、ある程度グルーピングしたほうが状況が分かりやすいかなと思いましたので、1-5-1のほうは、MedDRAの結果に基づいて、さらにそれを一部グルーピングしてお示しているものになります。
○濱田委員 分かりました。では、40歳未満の死因で心臓障害が多いということについては、急性心不全であるとか、心肺停止という、あまりはっきり原因が分からないものが中心になっているというお考えでよろしいのでしょうか。
○岡座長 事務局、お願いします。
○事務局 御指摘ありがとうございます。
 おっしゃるとおりでございまして、MedDRAでまとめると、この心臓疾患に関するところが心臓障害とまとめられておりますので、あたかも「心筋炎」に類する疾患の印象を与えてしまうのですけれども、御指摘いただいておりますとおり、内容を見ていただきますと、この5例のうち2例が急性心不全、1例が心室細動、2例が心肺停止でございまして、今、個別の症例の情報をすぐにお示しすることができないのですけれども、こちらも具体的にこれがどのような報告で上がってきたかということをご覧いただくことによって、どのような報告書においてこのようなグルーピングが行われているかということを具体的にご覧いただけるかと思いますので、次回のときにそちらも合わせまして、資料として提示させていただけるよう検討したいと思います。ありがとうございます。
○濱田委員 分かりました。この40歳未満で亡くなる方というのは、普通はあまりないものであると思うので、オートプシー・イメージングみたいな形で侵襲性のない形の死因の検討というものをできるだけ進めていく必要があるのではないかと私は思います。
 以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、死亡例に関しては少し事務局が論点としてまとめていただいた部分、1-5-1の10ページのところについても御議論いただければと思います。
 事務局としては、今回の論点として挙げていただきましたのは、現時点において個々の死亡事例についてmRNAワクチンとの因果関係があると結論づけることのできた事例は認めず、mRNAワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係が統計的に認められた疾患もないが、引き続き集積する事例に関する情報を収集し、丁寧に評価を行っていくことにより接種との因果関係がある疾患がないかを見極めていくことが重要ではないか。
 死亡例の報告に関しては、被接種者の属性の変化や海外の報告状況を鑑みて、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとしてよいかという論点でございますけれども、これについて何か御意見をいただけますでしょうか。この点についてはよろしいでしょうか。
 多屋先生、お願いします。
○多屋委員 死亡例のまとめですが、口頭で御説明していただいた以外の資料にかなり詳しく書かれているので状況は分かると思うのですけれども、統計的に認められた疾患もないが、という部分については、もう少し詳細な検討があってから記載するほうがいいのではないかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○岡座長 ありがとうございます。
 その点はいかがですか。最初のときに、例えば脳出血などについては検討いただいたわけですけれども、もしそういったようなことがほかの疾患に関して、特に診断のついている例についてですよね。そういったのが可能かどうかとか、そういった点ですけれども、いかがでしょうか。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 今、岡座長のほうから御紹介がありましたとおり、一時、出血性脳卒中の症例が数例か続いたということで、統計的に評価をさせていただいたりもしましたので、実際にこのような死因等について記載させていただいている中、引き続き出血性脳卒中が一番若年者において特に多いと認識しておりまして、ただ、この値が割合として当初よりもすごく伸びているということではないので、資料としてはお示ししてございませんけれども、例えば何らかの気になる疾患等がございましたら、お示しいただいて、それに対して事務局のほうでできる評価をしてまいれればと思っておりますので、そういったところも踏まえて統計的に見ていくというような文言として書かせていただいているところでございます。なので、できることを一つ一つやっていくことということなのかなと思っております。
○多屋委員 ありがとうございました。
 実際に今、COVID-19患者さんの中で65歳以上の方の割合は以前に比べるとかなり少ないという効果の部分もすごく大事かなと思っていることと、状態悪化もそうですけれども、やはり状態が悪いときは接種を延期するという、この部会の一番初めから言われていたことについては、もう一度確認をして、調子が悪いときは調子がよくなるまで少し待つという、ここは大事なポイントかなと思いましたので、よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほかはよろしいでしょうか。
 永井委員、お願いいたします。
○永井委員 ちょっとだけ参加が遅れましたので聞き逃していたら申し訳ないのですけれども、最初に血小板減少の話が出ていたと思うのですが、血小板減少というのは採血しないともちろん分からないわけで、症状もそう簡単には出ないですから、ひょっとしたら見逃してしまっている例もあるのかなと思ってちょっと気になりました。それが出血とかいう問題と関連してくる可能性もあると思うので、これからどのようにその辺を注意していくのかというところ、もし何か考えがおありでしたら教えていただければと思います。
○岡座長 何か事務局のほうでお考えはありますでしょうか。
○事務局 御指摘ありがとうございます。
 先ほどの資料1-5-1、今の議題が死因のところでございますのでちょうど御紹介させていただきたいのですけれども、4ページ目のところで、実際に確かに血小板減少というのはワクチンに関しては非常に重要なキーワードなのかなと思っておりまして、事務局のほうでもこの単語が出てきた場合、あるいは出血というような単語が出てきた場合、どのようにまとめていくといいのかなというのは我々のほうも工夫をしております。
 その一つとして、その他のところで血小板減少関連疾患というところでまとめさせていただいているのですけれども、もちろん死亡しない方であっても副反応というのは非常に大事な項目ですので、そちらも見ていく必要があると考えているのですけれども、事務局としても血小板というキーワードを見ていくことは重要なのではないかと思っております。ありがとうございます。
○岡座長 よろしいでしょうか。
 そうしましたら、死亡例に関しましてはいただいた御意見の中では、まず、原因不明という症例に関しては引き続き情報を収集していただきたいということが1点。
 あと、高齢者の接種がかなり終わってきたのかもしれませんけれども、振り返ってみて超過死亡というようなものがなかったのかどうか、そういったような検討も重要だろうという御指摘をいただいたかと思います。それに関連しましては、例えば状態悪化というような、恐らくそういう基礎疾患のおありになる方が状態が悪化して亡くなられたということだと思いますけれども、それについては一体どういったようなパターンが多かったのか、そういったような資料を出していただければと思います。
 ただ、引き続き、もし回復されるような体調であれば、やはり体調が回復してから打っていただいたほうがいいというのは、これはもう年齢に関係なく非常に重要なことだと思いますので、そうした情報については引き続き出していくと、そういったことはとても大事ではないかという御指摘ではなかったかと思います。
 丁寧に御議論いただいてどうもありがとうございました。
 それでは、時間の関係もありますので、アナフィラキシー報告についてのほうに移らせていただきたいと思います。アナフィラキシー疑いとして報告された事例については、事務局から論点を新型アナフィラキシー疑いと報告された事例に関しては、現時点においてワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念が認められず、両ワクチンの被接種者の属性等に留意しつつ、引き続きワクチン接種を継続することとしていくとまとめていただいてありますけれども、この点について何か御意見・御質問等はございますでしょうか。まだモデルナのほうは少し集まっているという段階ではございますけれども、この点についてはよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 ありがとうございます。そうしましたら、これはそのままということです。
 次に、心筋炎・心膜炎についてです。先ほど何日目ということについての御指摘をいただきましたけれども、心筋炎関連事象として報告された事例については、現時点においてワクチンの接種体制に直ちに影響を与える程度の重大な懸念は認められず、国内の発生状況や海外における報告状況を注視していくとともに、引き続きウェブサイトの更新等により最新の情報の周知及び注意喚起を行っていくこととしてはどうかということで、事務局からは論点をまとめていただいていますけれども、これについてはいかがでしょうか。
 森尾委員、お願いします。
○森尾委員 ありがとうございます。内容については、私は問題ないかと思っております。
 1つ質問なのですけれども、1-5-2に心筋炎関連症例がまとめられていますけれども、この中で属性とか、接種後の日にちとかからαと打たれているものがあるかどうか、これを見ればいいのですけれども、そういうものはないという理解でよろしいのか、そこだけ教えていただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
○岡座長 分かりますでしょうか。
○事務局 今すぐには出てこないので、終わるまでに調べたいと思うのですが、駄目だった場合は、次回にまた説明させていただきたいと思います。
○森尾委員 ありがとうございます。
○岡座長 そのほかはいかがでしょうか。
 宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 先ほど佐藤委員が御懸念だったように、現場では接種が終了しましたら、そのときに注意喚起のためのリーフレットは必ず渡して、心臓のことで何かあったらすぐ来なさいねとか、最寄りの医療機関にかかりなさいねというような声掛けをしております。先ほど室長がおっしゃったような状況はホームページだけではなくて、現場では注意喚起のためのリーフレットが配られているという状況は確認しております。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、その他の副反応についてということで、アナフィラキシー、あるいは心筋炎以外のことについて、何か御意見・御質問等はございますでしょうか。
 柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 その他の副反応ということで、先ほどのアストラゼネカの添付文書の改訂にも関わるかと思うのですけれども、モデルナではまだ国内では報告されていないようですけれども、ギランバレー症候群と血小板減少性紫斑病がファイザーワクチンで、国内でもある程度の数が増えているかと思うのですけれども、ファイザーのほうに関しても添付文書の改訂というのは並行して進められているという理解でよろしいのでしょうか。
○岡座長 その点に関してはいかがですか。
○医薬品安全対策第二部長 PMDAから回答させていただきます。
 コミナティ、モデルナワクチンにつきまして、それ以外の事象も含めて、集積状況も確認をしまして検討中というところになります。
○柿崎委員 承知しました。
○岡座長 そのほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 濱田委員、お願いします。
○濱田委員 今の柿崎委員に関係してなのですけれども、実際、有害事象として血小板減少というのがファイザー、モデルナで今までどれぐらいの例数が出ているのか。いつも我々は死亡例とかアナフィラキシーしかよく見ていないのですけれども、血小板減少がそんなに多いものとはあまり気づいてなかったところもあると思うのですけれども、その辺、もしデータがありましたら教えていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
○岡座長 今、これは資料の表の中には入っていないのですか。
 多屋先生、よろしいですか。お願いいたします。
○多屋委員 先ほど佐藤先生の御質問があったときに事務局から紹介してくださいました資料をもう一回ご覧いただければと思います。
○岡座長 資料のどれになりましたか。
○多屋委員 資料1-1-1の一番最後の34ページになると思います。そこに血小板減少性紫斑病の報告数がファイザー社とモデルナ社に分かれて記載されていますけれども、ファイザー社のワクチンだと血小板減少性紫斑病は27人、モデルナ社の場合は現時点では報告ありません。これは血小板減少性紫斑病なので血小板減少症が何人報告されているか、何日目に発症したかということは分からないですけれども、疾患の数をまとめられた別の資料がありますので、そちらに数字が書いてあります。毎回報告されていますので、よかったらご覧いただければと思います。
 以上です。
○濱田委員 多屋先生、どうもありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 多屋先生、例えばこの表で私はいつも不思議に思っているのは、ギランバレー症候群が接種後数日で報告されているのです。これやはりちょっとどうかと、医学的には恐らくギランバレーというのはちょっと当たらないかなと思うのですけれども、そのあたりの情報というのは先生のお手元にあるのでしょうか。
○多屋委員 おっしゃるとおりかと思います。接種した日とか、接種した翌日ですと、それよりももっと前に何かがあって、それによって起こったほうが免疫学な機序を考えると考えやすいと思いますので、恐らくこれは因果関係に関わらず報告されているものなので、当日、あるいは翌日でも報告していただいているのかなと思います。その辺はお一人お一人の詳しい検討をされるときに分かってくる部分かと思っています。
○岡座長 ありがとうございます。
 このあたりは本当にバックグラウンドと比較してどうかということを、やはりまさに検討しないといけないデータかなと、たしか今月だと思いますけれども、mRNAワクチンについて血小板減少性紫斑病に関してはバックグラウンドと比較検討した論文が出ていたように思います。はっきりと増加は認められないという結論だったのではないかと思います。これだけの人口の方が接種されていますので、なかなかこういうのは難しいですよね。
 そうしましたら、柿崎委員の大事な御提議で、また次回までにできるだけデータをまとめていただくとお願いしたいと思います。
 その他の副反応についてはよろしいでしょうか。
 そうしましたら、これまでの御議論をまとめたいと思います。
 まず、副反応疑い報告の状況についてでございますけれども、まずマル1としてコミナティの評価期間中の副反応疑いの報告の頻度は医療機関からの報告に基づけば0.03%であった。また、モデルナの評価期間中の副反応疑い報告の頻度は医療機関からの報告に基づけば0.02%であったと、数字を御報告させていただくということでまとめさせていただきました。
 死亡事例についてですけれども、死亡事例の報告状況を整理すると、コミナティについては前回の合同部会から集計対象期間である7月11日の日曜日までに新たに113件の死亡事例の報告があった。専門家による評価では接種開始以降、集計対象期間までに報告された663例については、660件がワクチンと死亡との因果関係が評価できないγ、3件はワクチンと死亡との因果関係が認められないβと評価された。また、7月12日から7月16日までにはさらに83件の報告があった。
 モデルナについては、前回の合同部会から集計対象期間である7月11日までに新たに2件の死亡事例の報告があった。専門家による評価では接種開始以降、集計対象期間までに報告された4件については、いずれもワクチンと死亡との因果関係が評価できないγと評価された。また7月12日から7月16日までにさらに1件の報告があった。
 死亡事例の報告に関しては、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられる。
 引き続き集積する事例に関する情報を収集し、丁寧に評価を行っていくことにより接種と因果関係のある疾患がないかを見極めていくことが重要であるとまとめさせていただきたいと思います。
 ただ、その中でいただいた御指摘として、不明例に関し今後も引き続き情報収集すること。それから、特に高齢者の方などでの超過死亡といった観点での評価を引き続きしていくことが必要であろうといったようなこと、あと、統計的にということについても、さらに分析できるものについては進めていくべきだろうと、そういったような御指摘をいただいたかと思います。また、状態のよいときに接種をするということの重要性も御指摘をいただいたかと思います。そういったようなまとめ方をさせていただきました。
 そして、アナフィラキシーについては、アナフィラキシー疑い事例の報告状況を整理すると、コミナティについては接種開始から7月11日まで医療機関から1,776件、製造販売業者から1,853件の報告があった。また、製造販売業者からの報告に基づくブライトン分類評価についてはレベル1から3に分類されたものは325件であった。
 モデルナについては接種開始から7月11日まで医療機関から46件、製造販売業者から24件の報告があった。また、医療機関からの報告に基づくブライトン分類評価についてはレベル1から3に分類されたものは2件であった。アナフィラキシー疑いとして報告され、転帰が確認された例は引き続きほとんどの例で軽快したことが確認されている。
 以上のことからアナフィラキシー疑いとして報告された事例については、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、引き続きワクチン接種を継続するということでよいのではないか。
 最後に、心筋炎・心膜炎についてですけれども、現時点においてワクチンの接種体制に直ちに影響を与える程度の重大な懸念は認められず、国内の発生状況や海外における報告状況を注視していくとともに、引き続きウェブサイトの更新等により最新の情報の周知及び注意喚起を行っていくことでよいのではないかとまとめさせていただきました。
 また、そのほかの副反応としてギランバレー症候群、血小板減少性紫斑病なども報告をいただいておりますけれども、それについても今後分析をしていただくと、まとめていくことも必要ではないかという御意見もいただいています。
 以上のまとめでよろしいでしょうか。何か追加・変更等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 先ほどの森尾委員の質問はいかがでしょうか。
○事務局 今調べまして、心筋炎と心膜炎に関しまして、現在でαとついているものはありませんでした。
 もう1点、血小板減少についても今お調べいたしまして、資料1-1-1の8ページ目以降が症状ごとの集計になっておりまして、コミナティを例に医療機関からの数をお答えいたしますと、血小板減少症が9件、血小板減少性紫斑病が27件、血栓性血小板減少性紫斑病が1件、血小板数減少が14件ですので、各症状10件前後という感じになります。
○岡座長 ありがとうございました。
 以上、今回報告のあった具体的な事例を踏まえ、この2種類の新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについて、御意見はございますでしょうか。特によろしいでしょうか。
 そうしましたら、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 ありがとうございました。一応皆さん頷いていただいたことが確認できましたので、次に進めさせていただきたいと思います。
 次の課題としいたしましては、資料3「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)健康観察日記集計の中間報告」について、伊藤澄信委員から御説明をお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 今回からモデルナ筋注についての集計結果を説明させていただきます。
 COVID-19モデルナ筋注ですが、長いのでモデルナ筋注と略させていただきます。モデルナ筋注については1回目接種後の結果と、前回、モデルナアームといわれる遅延性の皮膚反応について少し触れさせていただいておりますが、今回はそれらに加えまして、2回目接種後の日誌の結果について説明させていただきます。
 4ページ目は接種状況でございますが、1回目接種が1万2253人の接種がされています。自衛隊の隊員の方々ですので95%を超える方が男性で、20歳代が20%、30歳代が30%、40歳代が35%、50歳代以上が15%です。高齢者の方がほぼいらっしゃいませんので、高齢者のデータについては集計できていません。3,772人の方が2回目接種されています。
 7ページ目から先は上に1回目接種、下に2回目接種の結果を示しています。自衛隊の方は国立病院機構病院とか、JCHO病院以外にも自衛隊病院で接種されているのですが、勤務の関係で自衛艦に乗られている方もいらっしゃったりする関係で、日誌の回収を迅速に行うことが難しいこともあって、接種者数よりも日誌の回収が遅れていることについては御了解いただきたいと思いますが、今回お届けしているデータは国立病院機構病院などで接種された方のデータが主になります。
 1回目接種8日までのデータが5,178人分、2回目接種後の980人分を集計しています。今回の報告の2回目接種の日誌は国立病院機構の村山医療センターと北海道医療センターで入力されたデータが7割を占めておりまして、これで、今回の結果について御報告ができるようになりました。
 7ページ目が発熱、8ページ目が倦怠感などですが、2回目の接種の翌日は、実に7割を超える方が発熱しているというデータです。そのうち6割の人が38度を超えるという状況で、コミナティのときの4割弱ということに比べると、かなり高率に発熱されています。
 8ページ目をご覧いただきますと、倦怠感についても8割を超える人が出ておりますし、頭痛も6割程度を超えています。
 9、10ページに局所反応を示しました。疼痛は1回目、2回目は同じぐらいでしたけれども、それ以外は2回目のほうが局所反応が強くなっています。2回目のデータは少しショッキングなデータだろうと思います。
 11ページをご覧いただきますと、発熱等の年齢分布での違いを示しております。前回までは1回目の接種後のデータを示しておりましたが、2回目接種ではコミナティに比べると、年齢階級別に見たときの違いが少ないというのが一目でお分かりいただけるかと思います。
 12ページはPMDAに報告したじんましんのSAEがありましたのでラインリストにしています。今のところ、PMDAに報告したのはこの一例だけです。
 13、14ページは1回目接種と2回目接種の年齢と性別の違いについては先ほどグラフで示しておりますが、多重ロジスティック回帰分析に強制投入法で入れております。強制投入法で入れているのは、強制投入法にしないと信頼区間が数値として出てこないためですが、女性は押しなべてAE、こういった従属変数の頻度が高いのですが、疼痛は逆に年齢が高くなると痛みの頻度が高くなっていて、コミナティの逆でした。それ以外の発熱や頭痛などは年齢が高いほうが頻度が低くなるという結果が出ています。
 2回目接種も同様の傾向なのですが、症例数が980人と少ないので今後変わる可能性があるかと思いますので、御参考までにご覧いただければと思います。添付文書と同様の副反応の頻度別、1回目の接種のデータをつくっております。2回目接種は一昨日の夜に抽出したデータですので、副反応の頻度一覧をつくることができませんでした。1回目の一覧をみるとコミナティと多くの違いはなさそうです。
 ちなみにですが、1回目の病休者は全体で3.2%、162名だったのですけれども、2回目の病休者だけは、そこだけ拾いますと443人、当日からの病休者が2人いて、翌日からの病休者が394人で40%、翌々日からが40人、さらにその翌日からが7人と、全体で4割を超える人が病休、仕事にならないという状況になっておりまして、以前からお願いをしておりますが、2回目接種の翌日は勤務を避けていただけるような日程調整をしないといけないのではないかというデータです。
 16ページ、前回、モデルナアームがありそうだという話をさせていただきました。実際に経験された方から写真をいただきました。今回の調査対象者ではありません。前回、モデルナアームという表現をさせていただいたのですが、後で説明させていただきますが、コミナティでも同様の症例がありましたので、山中伸弥先生のホームページで翻訳されていた遅延性皮膚反応と表記させていただいています。一般の方の感覚では7日目になりますがDay8ぐらいから遅延性皮膚反応が始まっています。Day8に急にかゆみがあって赤くなっていることに気づかれたということですが、こういった形で数日赤くなっています。かゆみと赤みを自覚されています。
 前回提示をさせていただいたのは、そのモデル図だったのですけれども、今回は1回目の日誌1と日誌2を突合させております。同じ結果を示したのが17ページですが、突合できた2,325人で解析した結果です。全体で見てもDay7、6日目ぐらいが一番頻度が低くて、Day8ぐらいから頻度が高くなってきて発赤が出てくるということが分かります。
 この結果を踏まえて、接種直後のDay3に発赤がない人で、かつDay10以降に発赤が残った人を抽出したところ、50人出てきました。それを示しましたのが18ページですが、先ほどありました17ページの図は大体4%ぐらいですが、それの半分ぐらいの人が遅延性皮膚反応として検出されました。割合からは女性が多そうで、年齢的にも30歳代と40歳代が多くて、20歳代は少ないという状況なのですけれども、この傾向については症例数が集積してから再度御報告させていただきたいと思います。
 前回までは、お恥ずかしいことですがコミナティには遅延性の皮膚反応はなさそうだと濱田先生の御質問にはお答えをしていたのですけれども、コミナティの日誌1と日誌2を突合して1万9783人のデータで、同じ解析をすると実は18ページみたいに21人が遅延性皮膚反応だったのではないかという症例が見つかっています。割合は0.11%でモデルナの20分の1です。また、これは1回目接種なのですけれども、2回目接種は同じ解析をすると2人しか見つかっておりません。モデルナとコミナティを比べますと発赤の程度も軽いようでした。したがいまして、遅延性皮膚反応はコミナティでは出ないと言い切れませんので、発現していると訂正させていただきたいと思います。
 もう1点、以前、COVID-19に感染した人は、どうも1回目の接種から副反応が強そうだという話をさせていただいたこともあったと思うのですが、今回のモデルナに関しては、接種時に過去にCOVID-19の感染既往について伺っておりましたので、感染既往のある方について解析してみました。ご覧いただいて分かるとおりで、5,178人の中の17人に既往がありましたが、その発熱と倦怠感は1回目から47.1%、82.4%で明らかに高いです。
 ですから、今回のmRNAワクチンの2回目接種において副反応が高いのは、このSARS-CoV-2に対する免疫力がついていることが原因なのではないかと思わせます。21ページはH1N1インフルエンザワクチンとコミナティ、モデルナとの比較表です。発熱の頻度が著しく高いというのが目を引きます。
 最後の22ページは全体のまとめです。
 御報告は以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 何か御意見・御質問等はございますでしょうか。
 山縣委員、お願いします。
○山縣委員 伊藤先生、いつもありがとうございます。
 発熱に関しては海外のデータでも、モデルナはこんなに年齢に関係なく高かったのでしたか。
○伊藤(澄)委員 ちょっとびっくりするぐらい高いので、海外の治験のデータも含めて、武田薬品に確認しようと思っております。実は38度以上の比率も高くて最高40度とかいう人もいます。これほど体温が高い状態なので、先ほど質問させていただきましたけれども、やはり体に負担がかかるので、準備をして接種していただかないと危ないのではないかなと思います。特に高齢者はあまり自覚症状が出ませんので、自覚症状がないままに無理をされる危険が相当程度あるのではないかと危惧をしております。
○山縣委員 ありがとうございます。
 職域が始まって2回目もそろそろ、既にやっているところもあると思うのですが、そういうところで、これはかなりきちんと言っておかないと、先生がこれまで言われたことで、なるべく次の日はお休みできるようにとか、そういう配慮は各企業ではされていると思うのですが、頻度がこれより高いというのはあまり認識していないのではないかと思うので、これはしっかりと情報を共有したほうがいいかなと思いました。
○伊藤(澄)委員 自衛隊の隊員の方ですので、頑強な方でさえ病休が4割というのはちょっとショックで、しかも翌日ぐらいだけかなとか思っていたのですけれども、翌日はもともと休みだったのが翌々日もやはり休むと言った人が40人とか、5%ぐらいの人は予定外に休まなければならないのがそれぐらいの頻度になるということから考えると、やはり企業も勤務体制を考えていただかないといけないと思います。
○岡座長 ありがとうございます。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 伊藤先生、毎回どうもありがとうございます。
 確かに国内治験の結果を見ますと、海外よりも発熱者が高いということが審査の段階でもあったと思います。それについて、なぜ国内の場合は高いのかということについて、海外の治験ではかなり解熱剤を前もって飲んでいる方もいらっしゃったとか、あるいは体重の違いがあるのかというような意見もあったと記憶しています。国内治験でもかなり高率に発熱があったと思うので、それと一致するデータではないかなと思いました。貴重なデータをどうもありがとうございます。
○岡座長 伊藤清美委員、お願いします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 コミナティの調査のときに飲んでいる薬、解熱鎮痛剤のことも調査していただいていたかと思うのですが、この方々も薬は飲んでいらしたのでしょうか。何かそのあたりの情報はありますでしょうか。
○伊藤(澄)委員 1回目のほうは調べたのですけれども、1回目の発熱の頻度はそれほどではございません。2回目、正直に言うと先週の末が300人ぐらいのデータで、これでは報告できないと思って一生懸命お願いをして入力していただいて980人まで膨らませたのですけれども、日誌の中身の解析まで至っておりませんので、次回に報告させていただきます。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。解熱鎮痛剤を飲んでも、あまり熱が下がらない状況なのかというところが、今後接種される方にとっては少し気になるところかなと思うのです。
○伊藤(澄)委員 知人で解熱剤を飲んだ人の話を聞くと、あまり下がらないのだけれども、少しは楽になる。前から話をさせていただいている2種類ぐらいかぶせて飲む人は、やはり1種類アセトアミノフェンであまりよくなっていないようです。海外のデータで予防投与が薦められていなかったのは、アセトアミノフェンがあまり効果がなかったのではないかというところもあって、予防投与が薦められてなかったのかという気もします。熱が下がらないとか、薬が効かないのは困るということではなくて、逆に1日待っていただければ必ず下がりますから、熱は冷やすなどで物理的に下げるとかして1日凌いでいただくということを前提にしたほうがいいのではないかという気はしています。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 同様のことで、モデルナアームというか、遅延性皮膚反応につきましても、これも何もしなくても治癒していくということなのですけれども、この後、やはり夏で半袖で過ごしたいとか、いろいろ気にされる方もいるかと思うのですけれども、これも解熱鎮痛剤を飲んでしまっていいのでしょうか。いただいたこの資料ではステロイドを塗ったということなのですけれども、市販のOTCのステロイドを買って塗るとか、そういうことがいいのでしょうか。何か対処方法がありましたら。
○伊藤(澄)委員 こちらに関してはその中のデータを調べていないのでわかりませんが、かゆみに関してはヒスタミン薬をお使いになられるとかでもよいかもしれません。あまり症状が強くなくて、赤いのだけが広がっている、かゆみだけが広がっているという方もいらっしゃるようにも聞いておりますので、ステロイド軟膏を用意しておく必要はないのではないかと思います。それでも30代、40代の女性だと、頻度は数パーセント出てきそうな気もしますが、そういったことが起きた後で準備をされてもとは思います、事前の準備は要らないかもしれないと思っています。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 アセトアミノフェンが品切れになってしまったときみたいに、何かこの薬でなくてはみたいなのがネットとかで広がってしまうと少し混乱するかなと思いましたので、もし例えば厚労省のほうでこんなものというのを、これに関して挙げていただけるなら、もしかするといいのかなとも思いました。
 以上です。ありがとうございます。
○岡座長 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 伊藤先生、いつも本当にありがとうございます。
 モデルナアームのことなのですけれども、1回目にこういう症状が出た方の2回目をどうするかと、よく御質問いただくのですが、海外の論文だと2回目は結構接種からすぐのときに起こったということが書かれてあるのですけれども、先生のところでは1回目にモデルナアームが出た方の2回目はどのような症状だったでしょうか。説明のときに何か役立つ結果がございましたでしょうか。
○伊藤(澄)委員 2回目の接種のデータは何分にもかき集めた状態ですので、御指摘いただいた点も含めて今後解析をして報告できるようにします。ただ、コミナティを見る限り2回目のほうが少なそうですので、そういう意味では、海外の論文などは1回目が出ても2回目は必ずしもでないという話も聞いていますので、1回目に出た方も2回目に接種することの障害になるものではないのではと思っています。
○多屋委員 ありがとうございました。
○岡座長 よろしいでしょうか。
 既に2回打ち終わった方も多いと思いますけれども、これからさらに進んでいくと思いますので、先ほどおっしゃったように2回目接種後の特にお休みを取るとか、そういった本当に貴重な情報をこれから発信していく必要があるのかなと思います。
 本当にいつもありがとうございます。また引き続き2回目接種のデータをまとめていただければと思います。
 そのほか、全体を通じて何か御質問・御意見等はございますでしょうか。
 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 今のに関連してなのですが、先ほど宮川委員も接種の方に対して、その後、どのように注意するかというリーフレットというのが渡されていますし、実際に製薬会社からも回ってきて、職域接種などでも渡しているのですが、今、伊藤先生がお話になったような本当に最新の部分だとか、それから、ものによっては心筋炎の話も載っていなかったりとか、結構ばらつきがあるような気がしておりますが、こういった点はある程度早く情報を共有していくような何か手だてというか、そういうことは厚労省のほうでは何かされているのでしょうか。
○岡座長 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 例えば今日、伊藤先生にお示しいただいたデータはこれまでもそうなのですけれども、審議会の資料のところに載せるだけではなくて、特徴的なスライド、発熱の頻度であるとか、そういったものについては分かりやすいところに載せさせていただいておりまして、ワクチン、発熱などという普通のワードで検索していただいても、そこにそれが出てくるようになります。
 それから、モデルナアームについては厚労省の新型コロナワクチンQ&Aにまだ載せることができていないのですけれども、先ほどの御指摘があった身近な対処の方法も含めて、できるだけ早く掲載する方向で準備をしたいと思っております。
○岡座長 よろしくお願いします。
 佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 まさに今、山縣先生がおっしゃっていたことを私もお伺いしたいなと思ったところです。モデルナの接種が始まって、そんな時間がたっているわけでもないのにワクチンごとの特色が結構出てきているというところがありますので、そこを伝えなければいけない一方で、恐らく母集団の大きさが違うのだろうなとも思います。モデルナのデータもコミナティと同じぐらいのデータ量になるまで続けていただけるのでしょうかということをおうかがいしたく思います。今後のプランみたいなのがあれば教えていただきたいなと思ったのですけれども。
○岡座長 伊藤先生、いかがですか。
○伊藤(澄)委員 1万3000人のコホートですので、今接種をされている方に関しては、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、収集して報告させていただくつもりです。
○佐藤委員 分かりました。では、大体同じような母集団の大きさで比較ができるようになるということですよね。
○伊藤(澄)委員 少なくとも1万人以上のデータに関しては報告するということを前提にしております。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○岡座長 宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 先ほど濱田委員がおっしゃっていましたけれども、私は薬事で承認をした本人なのですが、確かに覚えていますけれども、若干やはりモデルナではそういう反応が強いかなと、それから、遅延性の反応もあるということは分かったのですが、実際に今、伊藤委員のこういう調査を見ると、やはりこの調査のほうが顕著であるというようなことは見てとれました。
 しかしながら、私は地域で医療をやっていて、モデルナを打った人も何人も見ているのですが、実際にはそれほど強くこのような訴えはなかったというところもあるので、実際の筋肉量だとか、それから、分からないのですけれども、自衛隊の方は1週間の中に、結局打ってから1日は休む、2日休むかもしれないけれども、その後は結構筋肉運動ではないですけれども、労働をしていて、その後に遅延性というか、いろいろな反応が出てくる可能性もあるので、先ほどいった職制だとか、属性だとかが分からないので、地域でも少し集めてみて、また検討したいと思います。
 しかしながら、以前から濱田委員がおっしゃっているような、いわゆるモデルナアームは確かに存在していて、皮膚科の先生からアラートを出してもらったということもあるので、やはりそれは注意喚起として、しっかりしていかなくてはいけないのだろうなと思っています。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 引き続きぜひ御検討をお願いいたします。
 それでは、本日の議事は以上で終了となります。
 そのほか、事務局からございますでしょうか。
○事務局 本日は、長時間にわたり活発に御議論いただきましてありがとうございました。
 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡を差し上げます。
○岡座長 それでは、本日の会議を終了いたします。活発な御議論をいただき誠にありがとうございました。