第17回 医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会

日時

令和3年6月24日(木)15:00~17:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール14G
(東京都千代田区内幸町1-3-1)

議事

○藤井専門官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第17回「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」を開催させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、本検討会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、オンラインによる開催といたしております。
会議中、御発言の際は手を挙げるボタンをクリックして、座長の指名を受けてから、マイクのミュートを解除し発言するようお願いいたします。なお、手を挙げるボタンがない場合には、カメラに向かって挙手をお願いいたします。御発言の際には、お名前を最初におっしゃっていただきまして、御発言終了後は再度マイクをミュートにしてくださいますようお願いいたします。
また、議題に対して御賛同いただく際には、カメラに向かってうなずいていただくことで、いわゆる異議なしの旨を確認させていただきます。御協力をよろしくお願い申し上げます。
今回は、参考人として、日本医療機能評価機構理事、亀田俊忠様にお越しいただいております。
また、日本専門医機構副理事長、兼松隆之様にはオンラインにて御出席いただいております。
前回検討会以降に事務局の人事異動がございましたので、御紹介いたします。
医政局総務課保健医療技術調整官の北原でございます。
同じく、医政局総務課課長補佐の川本でございます。
同じく、医政局総務課課長補佐の眞中でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
次に、本日の構成員の出欠状況についてお伝えいたします。
本日は、木川構成員、福田構成員、福長構成員、以上3名の先生方から欠席の御連絡をいただいております。
また、医政局長につきましては、公務のため欠席となりましたこと、御了承くださいますようお願い申し上げます。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。
事前にお送りいたしました議事次第、構成員名簿のほか、資料1-1から資料3、参考資料1から参考資料8をお手元に御準備くださいますようお願い申し上げます。
なお、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。
それでは、以降の進行は座長にお願いいたします。
○尾形座長 こんにちは。尾形でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、本日は新型コロナウイルス感染症による感染拡大防止のため、傍聴は報道関係者のみとしておりますので、皆様、その点、御承知おきいただきたいと思います。
それでは早速、議事に入りたいと思います。
まず議事の1「医療に関する広告規制」についてのうち、ネットパトロール事業に関係します資料1-1及び資料1-2につきまして、事務局からまとめて御説明をお願いいたします。
○北原調整官 事務局でございます。
資料1-1を御覧ください。「医療に関する広告規制について」という資料でございます。1ページ目を開けて2ページ目を御覧いただきますと、「医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(案)の作成」というタイトルがございまして、この事例解説書(案)の概要でございます。まず目的ですけれども、医療広告規制に抵触する事例を解説し、関係業者を含めて配布可能な解説書を作成することにより、国民、医療機関・ウェブサイト制作事業者、地方自治体等の医療に関する広告規制の理解を深めることを目的としております。
作成において基本となる考え方でございますが、現行の関係法令や医療広告ガイドライン等に沿って、実際の状況を基に分かりやすく解説するということでございますが、この事例解説書において、規制内容について新たな解釈を示すことは原則として行わないこととしております。
そして、平成30年6月に施行されました改正医療法により新たに規制対象となったウェブサイトによる情報提供を題材に解説を行っております。新たに導入されました「広告可能事項の限定解除要件」に関する事例も取り扱っております。
取扱い対象とする事例でございますけれども、実際に医療広告規制への抵触が多く認められた事例、そして、周知が必要と考えられた事例を扱っております。
検討の経緯でございますが、令和元年6月に開催をされました本検討会において、委員の先生方からいただきました医療広告規制の課題への対応方針として、事務局からの提案をお諮りし、その了承をいただいたことを受けまして、令和元年10月、関係者・有識者を含む医療広告協議会を立ち上げまして、検討を開始いたしました。
4回の検討を経て、本年5月に事例解説書(案)が取りまとめられましたものを本日、本検討会にお諮りするという運びでございます。
今後の方針案でございますけれども、本検討会において了承が得られた内容を事例解説書として発出する予定でございます。ただ、今後も医療広告協議会にて検討を行った上で、必要に応じて改訂等を行う予定としております。
3ページ目でございます。この事例解説書(案)の構成でございますけれども、大きく4つの柱がございます。まず1つ目、太字で示されておりますけれども、広告が禁止される事例、2つ目が、広告可能事項の記載が不適切な事例、3つ目が、広告可能事項の限定解除要件の記載が不適切な事例、4つ目が、広告するに当たって注意が必要な事例となっております。
そして、右下に掲載パターン1、2とございますけれども、不適切な事例に対して解説を加えた上で、可能なものについては改善例をお示ししたり、また、必要に応じて補足を記載してございます。
続きまして、4ページ目でございます。こちらは令和元年6月に本検討会で出した資料1を一部改変したものでございますけれども、先ほども申し上げましたように、委員の先生方のほうから国民に対する違反例の分かりやすい紹介ということで、しっかり国民に分かるように紹介をするという課題をいただきましたので、事務局のほうで医療広告違反事例の解説書の作成ということで、関係業者等を含めて配布可能な解説書を作成するということをお諮りし、了承をいただいたということでございます。
5ページ目も同様に令和元年6月の資料となっておりまして、医療広告協議会を立ち上げ、解説書の案を作成するという運びになった次第でございます。
続きまして、実際の事例解説書(案)を御紹介させていただければと思います。資料1-1の別添という資料を御覧いただけますでしょうか。
3ページ目に「はじめに」というページがございます。近年、美容医療サービスに関する情報提供を契機として、消費者トラブルが発生していること等を踏まえ、平成29年に医療に関する広告規制の見直しを含む医療法の改正が行われ、平成30年6月に施行されたということで、これを受けて、ウェブサイト等による情報提供も規制の対象となっております。
ただ、2段落目にもございますように、ウェブサイト等については、他の広告媒体と同様に広告可能事項を限定する場合、患者等が求める情報の円滑な提供が妨げられるおそれがあるということで、以下の要件を満たすことにより、広告可能事項の限定を解除できるということで、灰色で囲ってございます限定解除要件をお示ししております。
また、4段落目にございますけれども、掲載した事例というのは一例でございまして、不適切な例、改善例の全てではないということに御留意をいただければと思います。
実際に4ページ目からが事例の紹介となっております。まず1つ目の柱でございます、広告が禁止される事例でございます。
5ページ目は、虚偽広告に当たるものとして、治療内容・期間に虚偽がある事例を紹介しております。事例1としては、医学上あり得ない内容の表現。事例2としては、実態と異なり、全ての治療が短期間で終了するような表現ということを紹介しております。
6ページ目が虚偽広告として、データの根拠を明確にしない調査結果という事例をお示ししています。
7ページ目が誇大広告として、医療広告ガイドラインを遵守している旨を過度に強調した表現を事例として御紹介した上で、右側に青字で改善例を示しております。
8ページ目は比較優良広告として、施設の規模、人員配置、提供する医療の内容等の比較を行っているものを事例として紹介しています。
9ページ目ですけれども、こちらも同様に比較優良広告に当たるものとして著名人との関係性を強調した事例を紹介しています。
10ページ目は誇大広告でございますが、施設について誤認させる広告の事例と、それに対する解説を行っています。
11ページ目は誇大広告として提供する医療の内容等について誤認させる広告という事例を紹介しています。
12ページ目は誇大広告として科学的根拠が乏しい情報による誘導というものを紹介しています。
13ページ目はデータの内訳が示されていない手術件数ということで、左側に問題事例を紹介いたしまして、右側にその改善例をお示ししています。
14ページ目は省令禁止事項である体験談について紹介をしている事例となります。
15ページ目は同様に体験談ですが、口コミサイトから転載をしているものについて紹介しています。
16ページ目は省令禁止事項としてビフォーアフター写真を掲載している事例と、また、その改善例についてお示しをしています。
17ページ目は同様に複数のビフォーアフター写真に関する事例となっています。
18ページ目からが2つ目の柱となっておりまして、広告可能事項の記載が不適切な事例ということで、19ページ目は治療の方法。具体的には、事例1で公的医療保険が適用されない旨の記載がない、事例2として標準的な費用の記載がないといった事例を扱っています。
20ページ目は、医療従事者の専門性資格についての記載が不適切であるという事例と、その改善例をお示ししています。
21ページ目からが3つ目の柱でございます、限定解除要件の記載が不適切な事例のうち、まずこの限定解除要件についてということで、22ページ目、広告可能ではない事項について、ウェブサイト上で限定解除要件を満たす改善例といったものについて解説を行っています。
23ページ目については、同じく限定解除要件の記載に関して、自由診療に関する限定解除要件についてということで、24ページ目にまず全体の概要を掲載しております。左側に赤の点線で囲った中に、通常必要とされる治療内容が記載されていない事例、そして、治療期間及び回数が記載されていない事例、標準的な費用が記載されていない事例、主なリスクや副作用が記載されていない事例といったものを紹介した上で、25ページ目以降に詳細な解説を行っています。
25ページ目が通常必要とされる治療等の内容に関する記載、そして、26ページ目が治療期間及び回数に関する記載、27ページ目が標準的な費用に関する記載、28ページ目が主なリスク、副作用等に関する記載となっております。
29ページ目につきましては、未承認医薬品等を用いた自由診療における限定解除ということで、まず前提条件として灰色の四角で囲ってございますように、未承認医薬品等を用いた自由診療においては、未承認医薬品等であること、入手経路、国内の承認医薬品等の有無、諸外国における安全性等に係る情報を明示する必要がございますが、その記載が不適切である事例とその改善例についてを紹介しています。
30ページ目も類似の事例となっておりまして、医薬品等を承認された効能・効果と異なる目的で用いた自由診療における限定解除に関する事例を御紹介しています。
31ページ目が4本目の柱となっておりまして、広告するに当たって注意が必要な事例ということで、32ページ目には誇大広告に該当し得る事例として様々な治療の方法が含まれ、そのいずれの治療を提供するのかという点が明確ではない診療科名として審美歯科の例を挙げて解説しています。
また、33ページ目には提供される医療とは直接関係ない事項による誘引の事例を御紹介しています。
資料1-1に関しては、説明は以上となります。
続きまして、資料1-2を御覧いただけますでしょうか。こちらは「ネットパトロール事業について」ということで、令和2年度の御報告となります。
2ページ目を御覧いただきますと、ネットパトロール事業の御紹介がございます。背景といたしましては、先ほどの資料1-1の別添でもございましたけれども、美容医療サービスに関する消費者トラブルが発生し続けているという背景を受けまして、平成29年度からネットパトロールを実施してございます。具体的には、ネットパトロール事業というタイトルの下にございますように、広告等の監視を行いまして、医業等に係るウェブサイトが規制等に違反していないかを監視し、もし不適切な記載を認めた場合には、2の規制の周知ということで、当該医療機関等に対し、規制を周知し、まずは自主的な見直しを図ることとしております。
そして、それでも改善が認められない場合、3として、その改善が認められない医療機関を所管する自治体に情報提供を行いまして、自治体が指導等を行うという流れになっております。
また、4で追跡調査の実施として、自治体に対する情報提供を行った後にその改善状況の調査を実施することとしております。
3ページ目が令和2年度のネットパトロールの概況でございます。通報の受付状況でございますけれども、こちらは令和3年3月31日時点のデータとなっておりまして、令和2年度というところを御覧いただきますと、通報受付件数につきましては9,472サイト、医療広告関係はその中で7,906サイトということで、ほぼ前年度と同様の傾向でございました。そのうち重複を除外して審査対象となりましたものが1,796サイトであったという状況でございます。
また、下に月別のグラフが示されておりますけれども、月により、どの月が多いといった特徴は特に認められませんでした。
4ページ目でございます。こちらも引き続きネットパトロールの概況でございますけれども、上半分が一般の方からの通報を受け付けたもの。そして、下半分の能動監視が、こちらでキーワード検索をして審査を実施したものということになります。上半分の通報の受付でございますが、審査を実施したものは980サイト、そのうち違反があると認められたものは781サイト。これに対しては、医療機関への通知を実施しておりまして、この違反があった781サイトに加えまして、前年度からの引き続きの対応となっております66サイトを合計したものについて、医療機関へ通知を行っております。その改善状況が示されておりますけれども、改善、広告中止、医療機関対応中となっているものが8割、9割となっておりまして、未改善であったもの、改善不足であったもの、それぞれ50サイト、49サイト、合計して99サイトについては自治体に通知をしたということでございます。
同様に、能動監視につきましても、審査をしたものは225サイト、医療機関に通知をしたものは171サイトと、あと前年度分の74サイト、そして、自治体に通知をしたものは最終的には17サイトでございました。
5ページ目につきましては、違反種類別の違反数を示しております。この表の一番右下を御覧いただきますと、違反が認められたサイト数としては952サイトでございましたけれども、1サイトにつき複数違反がある場合もございますので、その違反の数を合計したものが952の欄の隣にあります3,474という数値になります。
この内訳でございますけれども、一番下の合計というところで、一番左側を見ていただきますと、(1)広告が可能とされていない事項の広告が1,799件となっておりまして最多でございました。
また、その中の内訳を見てみますと、特に歯科、そして美容が内訳としては多かったという状況でございます。
6ページ目に行きまして、違反が多かった美容と歯科それぞれにおいて、違反広告のキーワード別に集計した概要を示しております。美容については青の円グラフ、歯科については緑の円グラフで示しておりますが、美容については、美容注射が24%となっておりまして、これは※1とございます。下を御覧いただければと思いますが、美容注射については、ボトックス注射、ヒアルロン酸注射、プラセンタ注射等の美容を目的とする注射について、便宜的にまとめて集計したものとなっております。
歯科につきましては、インプラントのみで4割以上を占めていたという状況でございました。
7ページ目が美容と歯科において違反が多い違反の種類について内訳を示したものでございます。下の棒グラフを御覧いただきますと、一番下に全体のそれぞれの割合がございます。この全体と比較したときに、美容につきましては、一番右側の「その他」の割合が9%ということで高くなってございました。具体的には費用に関する内容が多かったというふうに伺っております。
歯科につきましては、全体の傾向と比べて紫色の(4)誇大広告、オレンジ色の(6)いわゆるビフォーアフター写真に関するものがそれぞれ21%ということで多かった状況でございます。これらの傾向としては例年と変わらないといった状況でございました。
8ページ目でございますけれども、自治体に情報提供した後の医療機関の対応状況について結果をお示ししたものでございます。ネットパトロール事業者からの注意喚起で改善に至らない場合に自治体へ情報提供を行っておりまして、具体の改善状況を見てみますと、平成30年度につきましては、情報提供件数は80サイトとなっております。対応が完了したものは、その8割に当たります64サイトとなっております。
一番右側の継続対応中という欄を御覧いただきますと、継続対応中のものが16件となっておりまして、こちらについては本年度も引き続き対応を行うこととしております。
令和2年度の対応案件といたしましては、情報提供件数は116件、そして、対応が完了したものは2割強の26件となっておりまして、こちらについてはコロナの影響もあったかもしれないと推察をしているところでございます。
継続対応中のものは90件となっておりまして、医療機関の対応までに期間を要する事例は存在するものの、多くは時間をかけてでも改善や広告中止等の対応が行われているところでございまして、本年度も引き続き対応する予定となっております。
事務局からの説明は以上になります。
○尾形座長 ありがとうございました。
ただいま事務局より御説明いただきました資料1-1が、医療法や医療広告ガイドライン等で定められている医療広告規制の内容を具体的な事例を交えて理解しやすいよう新たに事例解説書(案)を作成したということであります。また、資料1-2につきましては、ネットパトロール事業について、昨年度の事業報告と今年度も引き続き事業を行うという内容でございました。
皆様から御意見、御質問を承りたいと思いますが、2つに分けて議論をしたいと思います。まず、資料1-1及び事例解説書(案)につきまして、皆様から御意見、御質問を承りたいと思います。
佐保構成員、お願いします。
○佐保構成員 ありがとうございます。
医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書については、記載されているような事例を見た場合の通報先を記載しておくべきではないかと考えております。その上で、医療機関を利用する国民にとって分かりやすく周知を図っていただきたいと考えております。
○尾形座長 これは事務局から何かありますか。
○藤井専門官 佐保先生、すみません。最初の部分が少し聞き取りづらかったところがございますので、もう一度お話しいただけませんでしょうか。
○佐保構成員 事例解説書について、記載されているような事例を国民などが見た場合の通報先も併せて記載しておくべきではないかと申し上げました。
○北原調整官 失礼いたしました。では、通報先も記載をさせていただくようにいたします。ありがとうございます。
○尾形座長 それでは、そのようにお願いします。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。
この協議会に私は関わりましたので、内容についてではないのですけれども、この解説書はどういったところに配布というか、行き渡ることになるのでしょうか。また、それを国民が見る機会がどれぐらいあるのかということを教えていただきたいと思います。
○尾形座長 これも御質問ですので、事務局、お願いします。
○北原調整官 ありがとうございます。こちらは国民の方を含めて業者の方に対しても活用いただけるようにということを考えておりまして、ウェブサイトに掲載するなど広く皆様に御覧いただけるような形としたいと考えております。
○山口構成員 ありがとうございます。国民は、こういうことは広告として駄目なんだという情報が得られていない現状があると思います。そういったときに、こういった、これはちょっとおかしいなというのはネットパトロールに通報できるような流れも含めて、ぜひ周知するような努力をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、また戻っていただいても結構ですが、取りあえず先に行きたいと思います。
今度は資料1-2、ネットパトロール事業についての報告ですが、これにつきまして、御質問、御意見等を承りたいと思います。
山口構成員。
○山口構成員 続いてありがとうございます。3つほど質問したいことがございます。
まず、資料1-2の4ページのところを見ていまして、改善や未改善とあるのですけれども、すぐに改善しているところ、あるいはなかなか改善しないところの医療機関の傾向みたいなものは何か分かっていることがあるのでしょうかというのがまず1つです。
2つ目として、このコロナ禍において、オンライン診療が時限的措置で初診からオンラインで可能ということになって、私がネットを見ていましても、美容医療の中で非常に便乗した内容で、初診から、家にいながらに痩せ薬が使えるとかいうような、ちょっと目を覆いたくなるような広告が結構ありました。
先ほど6ページの美容注射というところにボトックスとヒアルロン酸という例があったのですけれども、以前から問題になっているGLP-1療法ですね。痩せ薬として使われている。そういったものについて能動監視をして改善した例があったのかどうかということと、その美容注射の中に含まれているのかということをお聞きしたいと思います。
最後に3つ目として、例えば改善したという結果が出たとしても、同じ医療機関でまた日にちを置いて繰り返すということはないのか。後日違反というようなことの繰り返し例が出ていないのかどうかということも、もし結果として出ていれば教えていただきたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
3点御質問をいただきました。事務局、お願いいたします。
○藤井専門官 山口先生、御質問ありがとうございます。
3つありましたもののうちの1点目からお答えしたいと思います。1点目の御質問、改善したところ、なかなか改善しないところ、そこに傾向があるかどうかということですけれども、基本的に、明確な傾向というものは詳しくは分からないという状況があります。ただ、医療機関の中に医療広告規制を気づかずにやってしまっているところと、ガイドラインを熟知しつつ、このぐらいならいいかなというふうな形で対応しているところも傾向としてはあるのではないかと推測しているところでございます。1点目は以上でございます。
2点目ですけれども、初診からオンライン診療可能という関係で痩せ薬のお話をいただきましたけれども、今回の資料の6ページ目になります。美容注射の左側になりますけれども、GLP-1ダイエットというキーワードで7%ぐらいあったという状況でした。
能動調査につきましても、まさに社会的な情勢等を踏まえながら、今後も適切に行っていきたいと考えているところでございます。
あとは消費者庁との連携という観点で申し上げますと、消費者から苦情があった場合、医療広告に関する内容がありました場合には情報をいただきますし、こちらにいただいたものについては同じように共有したりということがございます。
そして最後、改善したということがあったとして、それがまた同じ医療機関で日にちを置いて繰り返したりすることがあるのかどうかというところですけれども、この部分につきまして、どのくらい繰り返した医療機関があるかということは、今、データを持ち合わせていない状況はございます。ただ、医療広告規制をきちんと守っていただくということもありますので、まずはしっかり医療機関に周知をしていく。そして満遍なく対応する。そういった対応しているところでございます。
3点、今のところお答えできることは以上かというふうに考えております。
○尾形座長 山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 日にちを置いてまた繰り返すところというのはかなり悪質だと思いますので、そういうところがもし複数あるのだとしたら、また次の方法を考えないといけないと思いますので、そこはぜひ分かるように追っていただきたいということと、1つ目の質問に対してのお答えは、違反した理由だと思うのです。そうではなくて、改善を求めているのに未改善のところ、改善しないところの傾向をお聞きしたいのです。何度言ってもなかなか改善しないところはどういうところなのかというのは傾向が分かるのでしょうかということで質問したのです。
○藤井専門官 失礼いたしました。1点目につきまして、なかなか直らないところの傾向というものは、申し訳ございません、その分析結果は今は持ち合わせていないところでございます。
○山口構成員 ありがとうございます。ぜひ詳細な分析をよろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、佐保構成員、どうぞ。
○佐保構成員 ありがとうございます。
先ほどの山口構成員の3番目のお話とも関連しますが、やはり審査結果によって違反ありとなったサイトの中には常態化しているサイトもあるのではないかと思われます。そういった違反を繰り返す場合の対応についても、ぜひ検討が必要ではないかと考えております。
○尾形座長 ありがとうございます。
それでは、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 健保連の幸野でございます。
ちょっと勉強不足で私自身も分からないところがあるのですが、これについての罰金とか罰則規定があるのかというのをまず御質問したくて、もしあるのであれば、過去数年間でどれぐらいこの罰則規定が適用された件数があるのかということについてお伺いしたいのですが、まずそれを教えていただけますでしょうか。
○尾形座長 罰則規定ですが、事務局、分かりますか。
○北原調整官 ありがとうございます。
参考資料1に関係法令の資料をつけておりますので、参考資料1を御覧いただけますでしょうか。4ページ目に第87条という文言で始まるページがございます。これは医療法の第87条ということで、「次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する」ということで、その一、第6条の5第1項、第6条の6第4項、第6条の7第1項等に違反した者ということで、第6条の5第1項が虚偽広告、第6条の6第4項に関するものが厚生労働大臣の許可を受けた診療科名ということで、こういったところで罰則がございます。第89条でも20万円以下の罰金という記載がございまして、第6条の8第1項に虚偽の報告をし、もしくは当該職員の検査を拒んだ者に対して罰金の規定がございます。
あと、2つ目の質問でございますけれども、これらの罰則の対象となった者がいるかどうかというところについては、平成30年以降は罰則の対象となった方はいないということで承知をしております。
○幸野構成員 やはり問題があるのは、罰則規定があるにもかかわらず、実行されないというところがこういったものを、繰り返し行っているところにつながっているのではないかと思います。罰則規定がきっちりと履行されれば、それはかなりの抑制効果になると思いますので、8ページの表によると年々少なくなってきてはいるのですが、やはり何度やっても是正しないところについては罰則規定をきちんと適用するというような対応を取ることが一番の抑制効果になると思いますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 日本歯科医師会の三井でございます。
3点ほどお伺いしたいのですけれども、まず、今回の6ページです。美容注射、プラセンタとかボトックスというのがありますが、これは口腔内から注射する歯科の利用もあるというところで、そのようなところに関してのデータがあるのかどうか。歯科に関しては非常に違反件数が多い。その中で、美容の中にでも歯科がひょっとしたらまた含まれているのではないかという危険性をひとつ考えていますので、そのような部分があるのか、ないのか。
それから、8ページの最後のところですけれども、平成30年度の継続対応中16件、令和元年は57件の継続対応中となっていますが、この継続の内容というものは分かるのでしょうかというところ。
それから、違反者に対して自治体に通告をして改善を求めるということですが、最近、私ども歯科医師会のほうでも把握していますのは、非常に広域にわたる違反の内容が結構あるというところでございますので、広域の場合とかそのようなところには、どのように対応されているのかということをお伺いしたい。
それから、先ほど幸野構成員のほうからありました罰則に関して、当初、この検討会の中で罰則、できるだけ自助努力によってということで協議をされたとは思うのですが、内容いかんによってはやはり罰則を規定していって、適用するということも必要ではないかなと考えております。
以上3点、よろしくお願いします。
○尾形座長 それでは、御質問3点、お願いします。
○藤井専門官 三井先生、どうもありがとうございました。お答えさせていただきます。
まず1つ目、6ページです。口腔内についての歯科の美容について、美容注射の中にデータがあるかということになりますけれども、基本的には、率直に申し上げますと、これはないということになります。実際には美容注射というか、ボトックスあるいはヒアルロン酸、そういったようなキーワードで出てきたものを機械的に集計しているというのが現状でございますので、中身に踏み込んで集計をしたものは現時点ではないという形になっております。
次に8ページです。継続対応中、16件、57件、90件とあるところでございますけれども、その案件が具体的に分かるかということになりますが、当然こちらとしてどの通報について、今どういうステータスにあるのかというところについてはもちろん把握した上で対応しているところでございます。ただ、やはりどうしても個別の医療機関が相手というところもありますから、ちょっとなかなか今、具体的なところを申し上げるのは難しいというのが現状でございます。
最後は、広域違反についてどのように対応しているのかということと理解しております。やはりケース・バイ・ケースというところがあるかと思いますけれども、通報を受け付けた場合に、実際にどこの医療機関だったのか。例えば銀座院とか、渋谷院とかいろいろあると思いますけれども、実際どこの医療機関だったのかというところを踏まえて基本的には対応をお願いするのが1つですけれども、一方で、事案によっては、本院に対応を依頼していることもあるという状況がございます。
基本的には、例えば銀座院、渋谷院、新宿院とあって、そのどこにも同じ内容ということになりますと、やはり同じように対応してくださいということは規制内容を周知するときにお伝えしているという状況がございます。
以上でございます。
○三井構成員 広域の対応の場合、例えば法人の本部であるとか、各分院であるとか、そこでばらばらの対応をされますと何の効果も示さないというようなことがあろうかと思います。ですから、広域のそのようなものの対応に関しましては、各自治体、統一的な見解でそのようなものを進めていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、お待たせしました。桐野構成員、三浦構成員、礒部構成員の順番でお願いいたします。まず、桐野構成員、お願いいたします。
○桐野構成員 議論されているところなのですけれども、8ページ、継続対応中が2年たっても20%ぐらい残っているというのは、かつ、一方では違反の場合は懲役または30万円以下の罰金ということも定められているというのは、ちょっと解せないのですけれども、この16例の中には違反の案件も含まれていると思いますが、なぜ2年間も放置しておられるのか。実際に健康被害が起こるからこういう広告についてはきちんとしましょうという話になっているわけですけれども、それが放置されているというのは、健康にまでは被害が及ばないという判断で放置されているのか。よく分からないのですが、この辺りはいかがなのでしょうか。
○尾形座長 継続対応中ということの中身ですが、いかがでしょうか。
○藤井専門官 御質問ありがとうございます。今、どういったものが16件に該当するのか明確にお答えはできませんが、これは自治体に対応をお願いしている中で、事の軽重はあると思います。そういった中で、今後どのように対応していくのか、ものによって状況が変わってくるところかと思います。そういった中で罰則規定など、より強い措置を検討しているものもあるでしょうし、実際に指導している状況もあるでしょうし、それぞれがどういう形になっているかというのは、お答えするのが難しいというのが正直なところでございます。
○桐野構成員 それは仕方がないとはちょっと言いがたいですね。1年未満のケースであれば、年度内ですからいろいろ対応が難しかったということはあるのかもしれないけれども、これだと逃げ切ったほうが勝ちということになりませんか。
○尾形座長 それでは、総務課長。
○熊木総務課長 まず前提といたしましては、平成30年度の状況と思いますので、8,000件ぐらいの通報がございまして、そのうち1,500件ぐらいが対象だということになりまして、多くは医療機関に通知しまして改善をしていただき、自治体に通知したのが最終的に80件であるということで、その中でさらに対応していただいたのが64件あって、最後に残ったのが16件だということでございます。
ちょっと今この場で持ち合わせがないものですから、今後ともこういう継続案件についてはしっかりと確認し、状況を確認した上で対応すべきものについてはきちんと対応していきたいというふうにまず思います。
罰則につきましては、禁止行為につきましては罰則がございますけれども、誇大広告ですとか比較優良広告みたいなものにつきましては、判断の問題ということもありまして、法的に言いますと、その部分には直接罰則がかかってはございません。したがいまして、全体として、三井先生からございましたように、できるだけまず自助努力で改善していただくという中でしっかりと対応していることでございます。
他方で、最終的に問題のあるものについてはしっかりと罰則を適用すべきというお声がありましたとおりでございますので、そこはしっかり、罰則については法の規定、そして趣旨に基づいて対応していきたいと思います。
○尾形座長 桐野構成員、よろしいでしょうか。
○桐野構成員 ぜひしっかりお願いしますとしか申し上げようがありません。
○尾形座長 この継続対応中については、引き続き内容等をよく調査していただきたいと思います。
それでは、三浦構成員、どうぞ。
○三浦構成員 私もこの継続対応中が気になっていたので、やや繰り返しになるのですが、これは令和2年度の90件というのが2年たってもまだ継続中という理解で間違いないわけですね。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○北原調整官 そのとおりでございます。
○三浦構成員 そうすると、継続対応中の理由がいろいろあると思うのですが、どうして継続対応中なのかというのがやはり気になるところで、その中には、本当に悪質な事例というのがあると思われますので、ぜひ実態を把握して、必要な対応を取っていただきたいと思いました。
○尾形座長 先ほど申し上げたように、継続対応中については引き続き調査をしていただきたいと思います。
それでは、礒部構成員、どうぞ。
○磯部構成員 ありがとうございます。
繰り返しの論点で、罰則なりの話ですが、継続対応中がいかなる理由で継続なのか、あるいは違反を繰り返す悪質な事業者はどういうタイプがいるのか、指導しても改善しないのは何か理由があるのか、いろいろ質問が飛んだ中で、どうもいま一つ実態をまだ把握し切れていないのではないかという感想が否めない感じがいたしました。ですので、違反事例の事例集をつくっていただいたのでしょうけれども、またよく実態を把握する中で、しかるべきバージョンアップをしていただくことが必要ではないかと思うというのが1点です。
罰則というのは確かに条文上は書いてありますが、ガイドラインは後ろのほうに、まずは指導でいくと。直罰規定のある虚偽広告だって、やはり是正の行政指導に応じないときに告発するという段取りだったと思うのです。あるいは報告徴収もして、それでも駄目な場合には広告の内容を是正するよう命令を出し、それで駄目ならまた罰則というふうな段階で行くのだろうと思います。
したがって、こういうのは違反ですよというのを出すだけではなくて、過去に例えばこういうケースには行政指導をしました、過去にこういうのについては命令までいきましたといった、ある意味手の内をさらしてしまうかもしれないのですけれども、やはりこのレベルは許されないですよというような歩留まり感といいますか、そういうのが分かるような事例集にしてもいいのかなという気がしたということです。これはコメントです。
○尾形座長 ありがとうございます。御意見として承っておきます。
それでは、大道構成員、どうぞ。
○大道構成員 ありがとうございます。
中には確信的にあえて虚偽広告を打つ医療機関もあると思いますけれども、多くは無知であったり、あるいは結果的にちょっとそれがそぐわないものであったり、その中の医療機関が独自にウェブサイトを立ち上げているというのはあまりないと思うのです。ほとんどはウェブ作成業者さんにお願いしてつくってもらっているというのが多いと思うのですけれども、こうしたいろいろ対応されたケースであるとか、何らかの形で医療機関に連絡をされた場合、あなたのところの広告はちょっとおかしいですよ、駄目ですよというだけではなくて、実際にどの業者にお願いされていますか、そこからさらにはウェブ業者への指導なり、あるいは情報聴取なりをされたことがあるのかどうかというのが1点。
そして、今回、事例解説書もつくられるわけですけれども、今までの3年間の経緯の中で、ウェブ業者のほうにどれだけアプローチされて、どういう情報提供をされたのかをお聞かせいただきたい。
○尾形座長 これは御質問ですので、事務局、お願いします。
○藤井専門官 ウェブ業者への指導を行ったことがあるのかどうか、また、そういう情報提供を行ったことがあるのかという御質問だったと理解しております。実際には、基本的にこのネットパトロール事業の中では、やはり広告自体は医療機関が行うものですから、医療機関に対してそういった指導といいますか、是正のお願いをしているという状況がございます。その上で、医療機関のほうからウェブ業者に対してお願いをするというのが一般的かと考えています。
一方で、医療広告協議会というものがありますけれども、そういった中では、インターネット関連業界の代表の方にも御参画いただいているところでございますので、そういった中で事例解説書の改訂に携わっていただくですとか、そういった中で情報提供、周知という形を取らせていただいているところでございます。
以上でございます。
○大道構成員 分かりました。この3年間でウェブ業者のほうはどうですか。ちょっと変わってきたという感覚は何かありますか。何件かの者に依頼されまして、ちょっと教えてほしいというのがありまして、以前、実際に会社に行って、今の広告ガイドラインはこうなっていますよというお話をさせていただいたことがありました。意外と皆さん無知でした。あっ、そうなんだみたいなところで、それが駄目なのかみたいな感じで、そういう情報はどうやって取られていますかということで、みんな首をひねってばかりなので、これは駄目だなと思って、さっき言われた協議会なりに参画していらっしゃるところはいいのでしょうけれども、いろいろ話を聞いてみると、ウェブ作成業界というのも大から小までいっぱいあるのですね。ですから、その団体としてまとまっていないような気がしまして、でも、やはり毎日毎日どこかの医療機関のホームページを作成している。そうしないと食べていけないですから。そうしたら、その中でやはり、モグラたたきみたいなもので、どんどん不適切な広告もぽこぽこ出てくる。その辺りを抜本的にてこを入れないと、なかなか難しいかなという気がします。
片や医療機関の数といっても、相当な数があります。私共は病院だけというとせいぜい八千数百なのですけれども、そのほかいろいろな医療機関を合わせてみると相当な数があって、それを全部網羅するというのはとても無理な話で、先ほどのネットパトロールにしても、4ページを見ていただいても、いわゆる通報というのはこの3年間で3万件ぐらいあったわけですけれども、4年間で4万件ぐらいあったのですね。ところが、能動監視というのは1年間で225サイトです。1日1サイトの割合です。これではなかなか追いつかないなという気がいたしますので、やはり根本的なところから、作成の段階からこれが文法に従っているのかどうかというのを皆さんに考えていただくような仕組みをつくらないとなかなか解決しないような気がします。
○尾形座長 事務局、何かありますか。
○藤井専門官 大道先生、御意見ありがとうございます。
まず最初のウェブ業者など含めて周囲をしていくこと、そういったことは大事ですというお話をいただいたと思いますけれども、今回のまさに事例解説書も含めまして、こちらといたしましては事務連絡という形で発出という形になりますけれども、その際には関係事業者、インターネット関係の広告の事業者、そういったところもこれまでも周知しているところでございますので、引き続きこの内容についても事務連絡を出させていただきますし、ホームページ等でもきちんと呼びかけていくということを今後も考えていきたいと考えております。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。今日はいろいろ、特にネットパトロール事業のデータ等について率直な御意見をいただきました。今後、事務局は今日の御議論あるいは御意見を踏まえて、1つは事例解説書の公表に向けた手続、それから、ネットパトロール事業を引き続き運営していくわけですので、必要な対応を進めてくださいますようよろしくお願いしたいと思います。
それでは、続きまして、これも議題1の医療広告関係になりますけれども、まず、事務局のほうから資料1-3「専門医に関する広告について」の説明をお願いいたします。
○北原調整官 事務局でございます。
資料1-3を御覧ください。「専門医に関する広告について」とタイトルのついた資料になります。
1ページ目を開けていただきますと、「新たな専門医に関する仕組みについて」というタイトルで資料がございます。こちらは専門医の在り方に関する検討会の報告書の概要となっておりまして、平成25年4月に取りまとめられたものでございます。
真ん中に新たな仕組みの概要とございまして、左下のオレンジの四角を見ていただければと思いますが、中立的な第三者機関を設立し、専門医の認定と養成プログラムの評価・認定を統一的に行う。
そして、次の専門医の養成・認定・更新に関しましては、2つ目の○のところに広告制度に関する記載がございまして、広告制度(医師の専門性に関する資格名等の広告)を見直し、基本的に、第三者機関が認定する専門医を広告可能とする。こういった内容が報告書に記載がございます。
2ページ目も同様に報告書からの抜粋となりますが、こちらは専門医の領域、認定・更新に関する内容でございまして、1つ目の○にございますように、専門医の領域は、基本領域の専門医を取得した上でサブスペシャルティ領域の専門医を取得する二段階制を基本とするという記載がございまして、下半分の図で示されておりますように、基本領域19領域の専門医を取得した上で、その上にございます紫色のサブスペシャルティ領域の専門医を取得する設計というふうにされました。
続きまして、3ページ目でございます。こちらは令和2年3月13日の医師専門研修部会の資料でございます。左上に先ほどの図がございまして、この資料の一番下を御覧いただきますと、2021年4月、初年度の専攻医がサブスペシャルティ領域の研修を開始予定。※で準備期間として、研修開始1年前には領域決定が望ましいと、このときの資料で出ておりましたが、実は現時点では議論の整理が完了していないという状況だと伺っております。
こういったところを踏まえまして、4ページ目、日本専門医機構認定の専門医に関する医療広告についての今後の進め方という資料でございます。今までの背景を少しまとめたものでございます。専門医の在り方に関する検討会報告書において、専門医の質の一層の向上について提言。具体的な内容を読み上げさせていただきます。
専門医制度を持つ学会が乱立して、制度の統一性、専門医の質の担保に懸念を生じる専門医制度も出現するようになった結果、現在の学会主導の専門医制度は患者の受診行動に必ずしも有用な制度になっていないため、質が担保された専門医を学会から独立した中立的な第三者機関で認定する新たな仕組みが必要である。広告が可能な医師の専門性に関する資格名等については、新たな専門医の仕組みの構築に併せて見直すことが必要である。専門医の広告に関しては、患者の適切な選択に資する観点から、今後、第三者機関において、専門医の認定基準やサブスペシャルティ領域の範囲等を明確にした上で、基本的に、同機関が認定する専門医を広告可能とすべきである。第三者機関以外の学会等が認定する資格名(厚生労働省告示に規定する外形的な基準を満たす学会認定の専門医を含む。)の広告の取扱いについては、今後、引き続き検討する必要がある。その際、第三者機関が認定する専門医と学会等が認定する資格名との間に、名称等において何らかの区別を設けることが必要である。専門医の認定と養成プログラムの評価・認定の2つの機能を担うとともに、その際の専門医の認定・更新基準や養成プログラム・研修施設の基準の作成も第三者機関で統一的に行うこと。専門医の領域については、国民が医師の専門性をどこまで理解できるのかを踏まえ、名称を含め、国民から見て分かりやすいものとする必要がある。こういったことが平成25年4月の報告書に記載されてございます。
2つ目の●でございます。現在、専門性広告については、学会認定専門医のうち外形基準を満たし、厚生労働大臣に届け出たものについては広告可能となっておりますが、日本専門医機構が認定する専門医については、告示上、「会員数が千人以上であり、その八割以上が当該認定に係る医療従事者であること」といった基準を満たさないことから、広告することができない状況となってございます。日本専門医機構認定専門医のうち基本的な19の診療領域は、本年秋に初めて専門医の認定が行われる見通しとなってございます。また他方、サブスペシャルティ領域については、現時点では議論の整理が完了しておらず、当該領域が認定されるまでに、今後、一定の期間を要する見込みであると伺っております。
こういった背景を踏まえまして、本検討会でお諮りさせていただきたい事項が検討課題というところに示されてございます。
まず1つ目でございますが、日本専門医機構の設立の経緯を踏まえつつ、日本専門医機構が認定する専門医の広告の対応を検討してはどうかということで、既に決定された基本領域については、本年秋から認定が開始されることについて対応が必要ではないかと考えております。また、サブスペシャルティ領域については、その詳細が整理されていない状況を踏まえ、詳細な整理を受けてから、広告の在り方を改めて検討することとしてはどうかということをお諮りさせていただきたいと思います。
2つ目の●ですけれども、日本専門医機構認定専門医を広告可能とする際、学会等が認定する資格名の広告の取扱いについてはどのように考えるかということで、仮に、学会等が認定する資格名を広告可能とした場合に、その範囲や期間をどのように考えるか。また、学会認定専門医の広告については、現行、研修体制、試験制度等が基準に適合するものとして届け出たものについて広告を可能としているところでございますが、先ほども報告書の内容でございましたように、専門医制度を持つ学会が乱立してというような背景もあって、設立された専門医機構の趣旨を踏まえて、今後、どのように考えるかということについてお諮りをさせていただければと存じます。
また、一番下に※でございますが、歯科についても、同様に検討することが必要であるというふうに考えております。
5ページ目以降が参考資料として、歯科の専門医に関する情報を掲載してございます。
事務局からの説明は以上となります。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま事務局から御説明がありました専門医の広告についてということでございます。構成員の皆様から御意見、御質問を承りたいと思います。
城守構成員、どうぞ。
○城守構成員 ありがとうございます。
専門医の医療広告についてですが、これは現在、日本専門医機構においての議論では19の基本領域に関しては確定をしているわけですが、サブスペシャルティに関しては、ここに記載のとおり、全くとは申しませんが、まだ議論が煮詰まっていない状況とお聞きしております。また、サブスペシャルティの領域もかなり厳選したという形の流れであるともお聞きしております。そういう状況において、これまでは、外形基準を満たしていた58学会による56の専門医の名称がおありだと思いますが、日本専門医機構の議論がそのような状況であることを鑑みますと、それらに対してはまだ引き続いて広告を可能とせざるを得ないのではないかなと。
そして、日本専門医機構において、基本領域で今年の秋から新たに専門医の先生が出てこられるということに対しては、この告示を変更していただいて、日本専門医機構認定の専門医として広告を可能にしていただければよいのではないかと思います。
問題は、既存の58学会による56の専門医の名称よりも後にどれぐらいの学会が出てこられるのか分かりませんが、現時点の外形基準を満たす学会が申請してこられた場合に、それを認めるのかどうかというお話になろうと思います。この辺りに関しては、本来この広告の趣旨が専門医の質の担保ということを明示する主旨もあることを考えますと、例えば外形基準を今後すぐに変更するとか、そのようなことまでこの検討会で議論をするのかも含め、事務局はどう考えておられるのかをお聞きしたいのですが。
○尾形座長 事務局、いかがでしょうか。
○北原調整官 現時点で既にございます外形基準の中で、本年秋から生まれる専門医機構が認定する専門医については、告示を満たすことができないので、もしこの専門医機構の専門医を認めるということであれば、今、先生がおっしゃってくださったように、少し告示の変更が必要になると考えております。
その他の学会の扱いにつきましては、現時点でこちらで何か外形基準を変更するといったことは特段考えておりませんでしたけれども、少しその辺りについても先生方のほうから御意見がございますようでしたら、ぜひ承れればと考えております。
○城守構成員 ありがとうございます。
これは大変難しい、悩ましい問題といいますか、従来の外形基準を満たした58学会による56の専門医の名称は広告可能となっているわけですから、制度上の公平性を考えますと、現時点で広告について申請等がない学会も従来の外形基準を満たした上での申請ということであれば、諸手続を経て広告可能とならざるを得ないのではないかと思われます。しかし、果たしてそれで本来の質の担保というものを国民の方にしっかりと伝えられる広告に資するものになるのかどうかということに関しては、恐らく本検討会の領域を超えているのではないかなと私は思うので、そこはなかなかちょっと現時点ではいい考えが浮かばないのが現状です。
○尾形座長 ありがとうございました。
今、4人の方が手を挙げていらっしゃいますので、山口構成員、佐保構成員、三浦構成員、桐野構成員、その順番でお願いいたします。
それでは、山口構成員。
○山口構成員 ありがとうございます。
この専門医制度のことについては私もいろいろと厚生労働省の委員で関わっておりまして、現在、医道審議会の臨床研修部会というところにも参加しております。そこでやはりサブスペ領域においては、まだ広告云々の話ができるような状況では全くないですので、総合診療専門医は新しくできた領域ですけれども、それ以外の18領域に関してはもともと歴史があってしっかりした領域でもあるということから、そこに関しては私は広告を認めていいのではないかと思いますけれども、それ以外については、まだ時期尚早ではないかと思います。
先ほど城守構成員がおっしゃった56の認められているところですけれども、それ以降にこの専門医制度が出てきたということがありますので、その辺りは改めて考え直す必要が生じているのではないかなと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、佐保構成員、どうぞ。
○佐保構成員 ありがとうございます。
基本領域についての広告については異論ありませんし、それ以外のサブスペシャルティの領域の議論の整理がなされるまでは、ほかの部分については並行してやっていくということもやむを得ないのではないかなと思っています。サブスペの領域が確定したら、そこに収れんをしていくという形になるのかなということを考えています。
やはり専門医の質の担保が果たされるようになるのが国民から見ても重要な点でありますので、そうした上で、認定専門医のことを国民に分かりやすく周知を図っていくということが必要ではないかと考えています。
また、専門医療の質を確保する観点から、診療所の保険医療機関の指定時における標榜科目についても、サブスペシャルティ領域が確定するといったことを受けて、いずれは専門医認定を受けた診療科に限るべきではないかなと考えております。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、三浦構成員、どうぞ。
○三浦構成員 専門医の在り方に関する検討会の報告書を見ると、今の学会の認定から第三者機関が認定した専門医のほうに広告可能が切り替わっていくという認識でいるのですが、それで間違いないでしょうか。質の担保からいって、第三者機関が認定したもののみを広告できるようにしていくと。
○尾形座長 これはいかがですか、事務局。
○北原調整官 4ページ目に抜粋がございまして、上から2つ目のところですけれども、広告が可能な医師の専門性に関する資格名等については、新たな専門医の構築に併せて見直すことが必要という記載がございますのと、その次の矢羽根のところで、今後、第三者機関において、専門医の認定基準やサブスペシャルティ領域の範囲等を明確にした上で、基本的に、同機関が認定する専門医を広告可能とすべきであるということ。そして、その次でございますけれども、第三者機関以外の学会等が認定する資格名の広告の取扱いについては、この時点では今後引き続き検討する必要があるという記載になってございます。
○三浦構成員 そうすると、やはり趣旨としては、学会の今のものから第三者機関が認定するものに置き換わっていくということになる。すなわち今既に決まっている基本領域19領域に関しては、必然的に広告可能となるのだと思いますが、今後、今認められているものをどうするかというのが非常に問題になってくると思います。いつ、サブスペシャルティの議論が煮詰まるのかというのは、先ほどのお話ですとまだ時間がかかりそうですし、その間は学会のものをそのまま現行でやるしかないなと思いつつ、また新しいものも出てきているということで、なかなか悩ましいところだと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、お待たせしました、桐野構成員、どうぞ。
○桐野構成員 桐野です。
まず、専門医制度というものは、一度国が広告可能と認めるということになると、相当長期間影響を及ぼす。100年、200年影響を及ぼすものであるということをよく考えておく必要があると思います。ある専門領域を認めて、途中でこれはまずいなと思って、それでそれをキャンセルするということはまずできない。ですから、非常に慎重に考えて決定していただきたいと思います。
国が、56学会、外形標準を満たしているものを認めたというのは、ある意味で、いろいろ議論するのが面倒くさいからこういうふうにやってしまったというだけの話で、医学的に見ると何の根拠もないですよ。ですから、やはりきちんとした議論をした上で、人数とかそういう問題ではなく、必要性に応じてやるべきなのですが、もともと専門医とか学会というのは時代とともに変わるものです。例えば明治時代には種痘を専門とする痘家という専門医がいたぐらいですから、専門医と呼ばれていなくても専門とする人たちがいたくらいですから、すごく変わるのです。これからもゲノム医療専門医などというのが出るかもしれないし、変わってくるものなのです。変わってくるものは変わってくるものとして対応しないといけないけれども、かなり長期間、安定的にこれでやっていけるというものがこの19領域。それから、準安定的にできるかなという議論をこれまで、私も前に専門医機構のメンバーでしたから、その議論で行われていたのは内科系と外科系のサブスペシャルティについてはかなり歴史もあるし、安定しているから、そのうち認めてもいいのではないかということで、それ以外のものをやたらと認め始めると、声の大きい代表者のいる学会がどんどん乱立して、結局専門医機構がつくった専門医制度も乱立ではないかという批判を受けることになるわけです。それはぜひ慎重に考えていただいて、だから、サブスペシャルティの広告可能云々という議論はこれから何年も先にやればいいことであって、まずは基本領域19領域をきちんと認めるということが一番重要だと僕は思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
小森構成員、どうぞ。
○小森構成員 意見はほぼ一緒なのですけれども、そもそもの標榜科目が医療法の中で決まっていて、今まではそれしか表に出せなかったはずなのです。それを今回これだけのサブスペシャルティをオーケーするという話になってきていて、一つだけ整合性が取れていないのは前からも言っているかもしれませんけれども、総合診療科、総合専門医、これに関しては医療法上に載っていない。すなわち今も診療報酬を請求上、総合では実は請求できません。内科が外科かそれ以外の科目に分けないと請求できない現状がある中で、そのような科目が広告できるというふうに切り離されて広告と法とが変わっていくということに関しては、医政局はどういう整理をされていくのでしょうか。
○尾形座長 診療報酬との関係ということですが、いかがでしょうか。
○小森構成員 というか、医療法そのものですよね。今まではその中で標榜科目だけを表に出せたのに、今回、広告という意味で出すということは、標榜科目も広告になるのか、それとも標榜科目とは関係なく自分のスペシャルティだけは広告できるのか。その辺が僕はよく分からないのです。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○北原調整官 ありがとうございます。
参考資料1に関係法令を掲載させていただいております。1ページ目に第6条の5第3項で、第1項に規定する場合において次に掲げる事項以外の広告がされても医療を受ける者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合として厚生労働省令で定める場合を除いては、次に掲げる事項以外の広告をしてはならないということで、反対に、ここで示されているものが広告可能な事項というふうになっております。
2つ目に診療科名とございますのと、あとは9つ目に医療従事者の氏名、年齢、性別、役職、略歴その他という形になっておりまして、今回、先生方にお諮りをさせていただいておりますものは、第9号に示されております専門性に関する広告ということでございまして、今、小森先生から御指摘いただいたものについては診療科に関する、第2号に関するお話であるというふうに認識をしております。
先ほどもお話がございましたように、これまで外形基準を満たす学会が認定する資格については、医科においては56の専門医を認めてきたところでございます。ただ、それらの専門医の名称が全て診療科として広告可能かというと、必ずしも現状も専門医として広告可能なものと診療科として広告可能なものが全て一致しているわけではございませんので、今回につきましても、専門医として広告を認める範囲と、診療科の議論というのは少し分けて行われるべきところがあるかというふうに認識しております。
○小森構成員 いずれそれは整合性を取るということですか。それとも、もうここは取らずにこのままいくということですか。
○北原調整官 現時点においても学会が認定する専門医について診療科のほうで必ずしもそれが一致していないという現状がございます。また、先ほどの参考資料1の2ページ目でございますけれども、中段に第6条の6というところがございまして、その前条、第3項第2号の規定による診療科名は、こちらをもし、政令で定められるものがございますけれども、その政令の制定または改廃の立案をしようとするときには、第2項に示されておりますように、医学医術に関する学術団体及び医道審議会の意見を聴かなければならないというふうに定められているところでございますので、診療科名についてもし変更を考えるときには、少しまた別途の手続が必要になるというふうに認識をしております。
○小森構成員 十分には理解できませんけれども、一応これは、広告とそこの部分は切り分けてということですね。
○北原調整官 基本的には専門性の広告と、あとは診療科名というところは別個のものでございますけれども、必要に応じてそこは連動させて考えるということも必要かと思います。
○尾形座長 兼松参考人。
○兼松参考人 参考人の日本専門医機構副理事長の兼松でございます。ただいま幾つか御質問のあったところで、私のほうからも説明を加えさせていただきます。
今回、日本専門医機構という第三者機関ができて、専門医というのを学会単位での認定ということではなくて、第三者機関でそれを認定していこうというシステムが出来上がったところでございます。したがいまして、従来は学会で形をつくって、そしてそこで認定していたというものが、日本専門医機構という一つの中立的な組織によって専門医を育成し、認定するというシステムが取られてきたということでございます。
この新しい専門医制度のうち19の基本領域では今秋に新専門医が誕生します。これにつきましては何とか広告可能なところに議論を進めていただければと思っております。
それから、先ほど来議論がございましたように、サブスペシャルティにつきましては、どこがどういうふうになるのかというのはまだ議論の俎上にございます。ですから、今すぐここのところはいろいろなことを決められませんので、また今後、ここのところは議論を続けなければならないと思っております。
そして、サブスペシャルティがある程度できましたら、その次は機構認定のサブスペシャルティともう一つ、学会認定のサブスペシャルティといいますか、そのようなところのすみ分けというのも必要になってくるかと思います。いずれにしましても、機構が関与しながら学会の承認といいますか、認定専門医というのもそこで認めてもらいながら運営していくということが必要になると思います。
また、そこで認められなかったらこれは機構の基準に合わない学会として、これはまた別の方法を考えていかなければならないと思いますが、そこら辺の幾つかの仕分けというのがまた今後議論が必要になってくるかと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
城守構成員、どうぞ。
○城守構成員 御説明ありがとうございました。やはりなかなか日本専門医機構のほうでは議論が混迷を極めているというふうにも思われます。確実なのは、この19の基本領域の中でどれだけの学会が日本専門医機構認定の専門医に移行していくのかということ。そして、そのサブスペシャルティの位置づけをどうしていくのかということに尽きるわけで、かなりここのすみ分けないしは整理をされるのに時間がかかるのであるということが推察されます。その間、広告に関してどのように捉えることになろうかと思いますが、やはり冒頭にも申しましたように、基本的には今後、機構から出てこられる専門医の先生方に対しては、何とか告示を改正していただいて広告可能とすると、これは皆さん同意されると思うのです。既存の58の学会認定の56の専門医に関して、これは日本専門医機構に全て移行された学会は日本専門医機構の認定する専門医ということで広告可能として了承すれば済むわけですが、全ての専門医が日本専門医機構に移行されるかどうかもまだ見えない状況であろうと思いますので、そうした場合に既存の専門医というものを位置づけるに当たっては、やはり名前をしっかり日本専門医機構の専門医と、学会認定の専門医ということが区別されて分かりやすいような形で広告をするというふうにすみ分けをするということです。
最後に残ったのが58学会による56の専門医以外で、今後に出てくるかもしれない、学会が認定する専門医の扱いです。これは先ほどからお話ししていますように、従来の外形基準から判断して認めるのか、それとも新たに基準を設定して、新たな基準として広告可能な形にするのか、どちらか。そこが最終的な論点になろうかなと思うわけです。
1つお伺いしたいのは、もともと外形基準というものに関しては、これはどこの検討会でつくられたのでしょうか。これはもとの専門医の在り方に関する検討会でつくられたという理解でよろしいのでしょうか。
○尾形座長 これは事務局、分かりますか。
○藤井専門官 現時点では今すぐに分からないというのが正直なところです。遡っていったところでは、少なくとも19年にこの告示ができていて、その前にもこういった告示があったということは認識をしております。
○城守構成員 分かりました。その外形基準を本検討会のマターにするのは私はどうかなと思うのですけれども、それを新たにつくるのかどうか、それとも従来の形のものとして認めるのか、ないしは57以降は一旦認めないのかということになりますが、本来であれば57以降は日本専門医機構で認定を受けることになりますので、そうすればそこで認定を受ければいいのですけれども、日本専門医機構はそういう状況にはまだないというふうにお聞きしましたので、そうしますと、新たな57以降の専門医広告は広告ができないということになりますので、その辺りはどう考えるのかということになろうかと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
兼松参考人、どうぞ。
○兼松参考人 ありがとうございます。
外形基準ができましたのは、2002年頃だったのではないかと思います。広告規制というのが緩和されるときに、外形基準を満たせばこれで広告が可能であるというふうな条件がつきまして、各学会それに向かっていろいろ準備をしていった経緯もございます。ですから、そんなに新しいことではなくて、以前よりそういうふうにして外形基準ができてきて、学会はそれに対していろいろな準備をしてきたということがあろうかと思います。
また、日本専門医機構としての基本領域の19領域といいますのは、全ての診療科、診療領域、ここのところの人たちが日本専門医機構のほうの専門医として、そちらのほうに移行するということを示しておられます。
ですから、ここのところでまだ実際の学会専門医として残ろうということではなくて、全ての19の領域は専門医機構の専門医のほうになるというようなことの意思表示の下に、専門医機構としては準備を進めているところでございますので、基本領域についてはぜひそのような理解でお願いしたいと。サブスペシャルティにつきましては整理ができておりませんので、まだこれからの議論を待たねばならないというところでございます。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
まだほかにもいろいろ御意見あろうかと思いますが、ほかにも今日は議論しなければいけないことがありますので、最後に三浦構成員、お手が挙がっておりますので、御意見を承りたいと思います。
○三浦構成員 すみません。今聞こうと思ったことは兼松参考人がほぼ答えていただいたので、基本19領域を広告可能にするということはもう恐らく異論ない話かと思うのですが、その場合、従来の学会の専門医との関係がどうなるのかなと思っていたのです。そうすると基本19領域については、学会の専門医ではなくて専門医機構の専門医という、広告するにしてもそういう形になるということでよろしいですか。
○尾形座長 兼松参考人。
○兼松参考人 それにつきましては、各学会の対応というのが今、多少ずれもございますけれども、学会によりましては既に今年度、全ての会員が専門医であった場合には機構の専門医のほうに移るというような措置を取っておられるところがございます。そのほかいろいろ今、温度差がございますけれども、そのような方向で学会の中の整備がつきますと、これも機構のほうに移られるというような傾向があります。
○尾形座長 ありがとうございました。
今日はいろいろ御意見を伺いましたが、この資料1-3で言いますと、今日示されている検討課題として2つ黒ポツがありますが、最初のほうの黒ポツについてはおおむね合意が得られたのではないかと思いますが、2点目のほうについてはまだいろいろ議論すべき点があるように思います。
それから、歯科についても御議論があろうかと思いますので、もう一度この件に関しましては事務局のほうで整理をしていただいて、次回議論をしたいと思います。よろしいでしょうか。
○三井構成員 座長、ちょっとだけよろしいでしょうか。
○尾形座長 どうぞ。
○三井構成員 時間もないのにすみません。歯科に関して同様に検討するというところで最後に記載していただいておりますが、今の各構成員の御意見をいただいていまして、歯科と医科ではかなり違っているのではないかというところです。既に日本の歯科の専門医機構は立ち上がっておりまして、その中で5学会がもう認定されているという状況であります。そのような中で、同じような議論ではなくなってくるのではないかなということが考えられますので、そこのところを考慮していただくというか、告示を改正していただくのは歯科だけで先行してやっていただいてもいいのではないかと考えていますので、何とぞよろしくお願いします。
○尾形座長 その辺も含めて、次回また議論をしたいと思います。
それでは、続きまして、議事の2に進みたいと思います。医療の質の評価・公表でございます。まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○川本総務課長補佐 事務局でございます。
資料2-1を御覧ください。こちら、医療の質向上のための体制整備事業につきまして、以前の検討会で構成員のほうから進捗状況の報告を求められたため、今回、受託事業者によって現状の事業の状況について報告をいただくものとなっております。それに先立ちまして、事業の概要について説明をさせていただきます。
スライドの2ページ目を御覧ください。こちらは医療の質を向上させるために平成22年度より医療の質の評価・公表事業を開始し、これまでに9つの病院団体が参加し、約1,000の病院において取組が実施されてきているところです。これらの取組によって、各病院団体には指標を用いた医療の質の評価・公表の取組のノウハウが蓄積されてきましたが、他方、参加病院数の伸び悩みや団体間でノウハウを共有する場が限られているといった実態があり、臨床指標やその定義のばらつきなどが課題となっておりました。
これらの課題を解決するため、予算事業として本事業を実施し、この中に医療の質向上のための協議会というものを立ち上げております。現在、日本医療機能評価機構がこの事業を受託し、協議会を運営しているところでございます。
それでは、事業の進捗については評価機構のほうから御報告をいただきたいと思います。
○尾形座長 それでは、日本医療機能評価機構の亀田俊忠理事から、資料2-2について御説明をお願いいたします。
○亀田参考人 よろしくお願いします。日本医療機能評価機構で執行理事を務めております亀田と申します。本日は15分程度のお時間ということで、医療の質向上のための体制整備事業の現況について御報告させていただきます。
当事業は、今お話がありましたように、2019年度より始まり、現在3年目を迎えております。2年前の2019年6月、本事業が発足して間もないとき、当検討会にて事業の概要の御報告をさせていただきました。今回はその後の経過報告です。前回と比べ、報告内容が増えております。お時間のないところでお聞き苦しいところがあろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。
2枚目をご覧ください。
当事業の目的は、御覧のとおり、医療現場の自主的な質改善活動を充実させること、及び、医療の質を可視化し信頼性を向上させることの2点でございます。
3枚目をご覧ください。
事業運営体制です。オールジャパンで取り組む事業でありますので、全国の医療関係者はその組織・団体の枠を超え、お互いの経験を共有して効果的に医療の質を高め合うという目的で、ここにありますQIコンソーシアムを設置いたしました。
コンソーシアムの企画運営をはじめ、重要な方針は医療の質向上のための協議会が行い、具体的な検討作業は、ここにあります2つの部会が担うこととしています。詳しくは後ほど説明いたします。
なお、協議会は2010年度より9年間にわたって実施された厚労省の先行事業であります医療の質の評価・公表等推進事業に参加された病院団体の代表、そして、医師会、看護協会など医療関係者代表、患者代表などで構成されています。また、当事業は厚労省医政局の多大な御支援をいただきながら運営を進めています。
4枚目をご覧ください。
具体的な事業内容は、厚労省から発出された実施要綱に示されており、御覧のように好事例の共有・普及、中核人材の育成、医療の質指標等の標準化、公表、医療の質指標等の評価・分析が示されています。そして、当機構として事業基盤の整備を加えております。
5枚目をご覧ください。
これまでの主な活動実績について御説明します。こちらに示す表は、各会議体等でこれまで取り組んできた主な活動を左から時系列にまとめたものです。上から順に御説明いたします。
QIコンソーシアムは、各方面のエキスパートを招いてのパネルディスカッションといったシンポジウム形式のイベントを行いました。
協議会は2019年度に計6回開催し、事業を大きく牽引しています。
協議会の下に当事業目的に対応する形でQI活用支援部会及びQI標準化部会を設置し、それぞれ全国の雄偉な専門家によって精力的な作業が進められています。
これまで各医療団体・組織の前向きで積極的な御支援をいただき、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも目的に向かって成果を積み上げることができていると評価しております。
6枚目をご覧ください。ここからは具体的な活動内容について説明します。
まずはQIコンソーシアムです。QIコンソーシアムは、これまで2回イベントを企画しました。昨年度は医療の質指標を活用した病院マネジメントをテーマに、病院の取組事例、最新の動向等についてエキスパートをお招きし、討論いたしました。本年は、2月にオンラインで開催し、350名程度の方に参加をいただきました。過去2回分については、当事業オフィシャルサイトに資料、当日の模様を録画した動画を掲載していますので、御覧ください。
7枚目をご覧ください。
医療の質向上のための協議会です。先ほども御説明しましたが、協議会は厚労省の先行事業である医療の質の評価・公表等推進事業に参加された病院団体の代表、医療関係者代表、患者代表などで構成されています。座長は、国立病院機構の楠岡理事長に務めていただいております。
8枚目をご覧ください。
協議会はこれまで6回の会議を開催しております。こちらにお示しする表は、協議会がこれまで検討してきた主な取組内容です。なお、会議は公開を原則としておりますので、どなたでも傍聴可能です。次回は7月27日火曜日に開催する予定です。
9枚目をご覧ください。
現在、協議会では、実施要綱に示される医療の質向上のための具体的な取組の共有・普及の在り方、及び、医療の質指標等の標準化、公表の在り方について議論を重ねています。
本年3月には議論の経過を中間取りまとめとして整理し、当事業オフィシャルサイトで一般公開をいたしました。ここからはその中間取りまとめについて概要を説明いたします。
なお、本日別添資料、参考資料として中間取りまとめを御用意いたしましたので、御覧いただければと存じます。
10枚目をご覧ください。
初めに、医療の質向上のための具体的な取組の共有・普及のあり方について御説明します。最初にお話がありましたように、先行事業では参加病院数が頭打ちとなり、いまだに多くの病院が取組に参加できていないとか、参加はしたが、指標の測定のみに終始してしまい、測定結果を活用した改善活動までには至っていないなどの課題が指摘されました。
そこで、当事業では、今後、全国の医療機関が指標を活用した質改善活動に取り組まれるよう、ここにお示しする4つの施策を展開することとしました。
11枚目をご覧ください。
次に、医療の質指標の標準化・公表のあり方について御説明します。先行事業において質指標の標準化を進めるべきではないかといった問題提起があり、当事業においても引き続き議論することとなっております。一方、標準化については、各医療機関、各関係団体のこれまでの努力に影響を及ぼすため注意が必要であるとか、質指標自体が質を表すものではないとか、関係者が納得できる標準化が必要など多様な意見があります。
これらの状況を踏まえ、まずは進め方の整理から議論を始めました。議論の結果、(a)自主的な質改善活動のための指標を用いた測定、(b)測定結果を用いた改善活動、(c)ベンチマーク評価、(d)公表と4つの論点に区分し、議論を進めることとしました。
現在は(a)(b)について議論を終え、これらは作業部会に引き継ぐこととし、今後は残りの論点(c)(d)について議論を進める予定としております。
12枚目をご覧ください。前のスライドの続きとなりますが、議論の結果、(a)については、我が国において医療の質指標に関する共通した考え方が明文化されていないことから、質指標を標準的な手順で開発・保守するための指針として各医療団体において蓄積されてきたノウハウや諸外国の事例を参考に「医療の質指標開発・保守ガイド(仮称)」を整備することとされ、現在検討を開始しています。
(b)については、前述する各種施策と併せて、医療の質指標を活用した質改善活動を全国に普及・促進していくための基盤を整備することとされ、現在、具体的な方略についての検討を開始しています。
今後は論点(c)ベンチマーク評価、(d)公表に焦点を当てた議論を進め、最終的には医療の質指標を活用した質改善活動を全国に普及・促進させるために当事業としての考えを取りまとめる予定です。
13枚目をご覧ください。
ここからは各作業部会の具体的な活動の成果物を中心に御説明します。現在、作業部会では、こちらにお示しする改善支援パッケージと称する医療機関及び協力団体事務局を対象とした各種ツールの開発を行っています。これら各種ツールを基に医療の質指標を活用した改善活動を全国に展開する予定です。
主に左の3つ、質改善実践マニュアル、質改善支援運用マニュアル、人材養成カリキュラムをQI活用支援部会が担当し、右側の2つ、既存指標の整理、医療の質指標開発・保守ガイドをQI標準化部会が担当しています。
14枚目をご覧ください。
改善支援パッケージは、現場で活用されるツールを開発するという方針の下、医療現場の声を十分に反映すべく、パイロットと称するモデル事業を通じて検討を進めています。パイロットでは、各協力団体から推薦をいただいた病院と共に検討を進めており、当事業が企画する各種施策の導入及び検証を行っています。現在、糖尿病、脳卒中、人工股関節全置換術の3つの改善テーマで運営を進めており、それぞれのテーマごとに7~8病院に御参加、御協力をいただいております。
15枚目をご覧ください。
QI活用支援部会では、医療現場及び団体事務局での活用を想定したマニュアルの開発を予定しています。質改善実践マニュアルについては、既に同類の媒体も存在していることもあり、予算やスケジュールの制約はありますが、参加チームが随時ウェブ上のコンテンツを閲覧・入手できるプラットフォーム、同じ領域の複数のチーム間で問題解決に向けたコミュニケーションができる電子フォーラム、複数のチームが集まりお互いの質改善の成果を発表し合うオンライン会議など、より効果が高く、お互いのノウハウが積み上がるツールキットの開発をイメージしています。
16枚目をご覧ください。
人材養成カリキュラムは、医療の質指標を使いこなし、質改善活動を実践できる人材を養成することを目的としています。作業では、まずこれら人材に求められる能力について検討し、コンピテンシーとして大きく4分類で整理することから始めました。その後、こちらにお示しする4分類について基礎的な知識を習得できるよう、eラーニングのコンテンツを開発し、そして、その知識を実践に結びつけられるよう、オンラインで受講できる集合研修のプログラムを開発しました。
17枚目をご覧ください。
一方、QI標準化部会では、当座の取組として協力団体の御理解、御協力の下、それぞれの団体が運用する指標及び計測実績を御提供いただき、整理の上、当事業のオフィシャルサイトで誰もが閲覧できるようにしました。
そして、下のガイドは、今年度、検討に着手したところです。
18枚目をご覧ください。
既存指標の一覧化は、現在、我が国で運用される指標及び実績値を共有することで医療の質指標のさらなる利活用を目的としています。本日時点で1,591指標が登録されております。
19枚目をご覧ください。
既存指標の整理、一覧化作業の延長として、先ほど申し上げたパイロットで使用する指標の選定を実施しました。こちらが最終的に選定し、現在パイロットにおいて運用中の指標です。なお、これら指標の具体的な計測マニュアルも別途作成し、パイロットで運用しています。
20枚目をご覧ください。
こちらが最後のスライドとなります。今後の予定です。協議会は先ほど御説明いたしましたベンチマーク評価、そして公表のあり方に関する議論を進めていきます。当検討会とは一番関係の深いところだと思います。特に公表については、その目的などの整理から着手し、意見が集約されたところでQI標準化部会に具体的な検討を引き継ぎたいと考えています。
QI活用支援部会は、パイロットを進めながら成果物のブラッシュアップを進めていきます。QI標準化部会は、パイロットに使用した指標の検証、そして医療の質指標開発・保守ガイド(仮称)の検討を進めていきます。
最後にQIコンソーシアムですが、パイロットに参加する病院の取組などの報告会も企画し、今後のPDCA事業の全国展開へとつなげていきたいと考えております。
説明は以上となります。ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの資料2-1及び資料2-2につきまして、構成員の皆様から御質問、御意見を承りたいと思います。いかがでしょうか。
三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 御説明ありがとうございます。
歯科のほうから少しだけお伺いしたいのですが、この医療の質向上のための体制整備、全く歯科が絡んでいないというところでございます。そこについてどのようにお考えなのか。それとも、今後、これから歯科が関与していって、今示された3つの疾患、糖尿であるとか脳梗塞、そういう部分に関して歯科も非常に絡む領域ではないかと考えているのですが、そこの部分のところをお伺いしたいと思います。
○尾形座長 では、これは亀田参考人、お願いいたします。
○亀田参考人 前回、歯科はという御質問がありましたので調べました。先行事業の中では国立病院機構の指標に一つ、歯科に関連する指標がありました。今後、先生がお考えになられる歯科の質の向上ということを考えますと、歯科の専門チームで指標について検討していくことが必要になると思います。また、当事業であれば協議会が中核の会議体になりますので、ぜひ歯科からも協議会にお入りいただき、その下で歯科分野における指標の開発を進めていただければと思います。歯科分野が医科とどの程度違いがあるのか、その辺は議論、検討を進める必要があると思いますので、そのような体制で進めて行ければと考えております。
○三井構成員 まず協議会のほうですけれども、呼んでいただかなければ参加できないというところですので、ぜひともお声がけいただきたいと思います。
それから、今言いましたように、歯科の医療の質の向上ではなくて、医科の医療の質の向上。そこの部分に関しましても、この糖尿病、脳卒中、それから人工関節、このような部分に関してはいろいろな意味で医療保険制度でも認められているところでございます。そのようなところで歯科の関与というものは考えられていないのかということをお伺いしたいのです。もちろん歯科の医療の質の向上も大事な部分ではあるのですけれども、ここで医科の質の向上にかなり貢献できる部分があるのではないかなというふうに歯科では考えています。
○亀田参考人 失礼しました。先生の御趣旨は理解いたしましたので、厚労省の御指導の下、協議会の座長をはじめ、御相談して前向きに体制を進めたいと考えております。よろしくお願いします。
○三井構成員 ありがとうございます。歯科医師会としても連携していろいろな部分で向上していきたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願いします。
○尾形座長 それでは、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 幸野でございます。亀田理事、御説明ありがとうございます。本当にこの事業がうまく展開すれば、日本の医療の質の標準化とか効率化につながる非常に大事な事業だと思っています。
その上でお伺いしたいのですが、2ページ目にあります事業の目的の2つ目の升のところにあります医療の質を可視化し信頼性を向上させるというのが大きな目的ということなのですが、これは国民に可視化させるという理解でよろしいのでしょうか。
○尾形座長 亀田参考人、お願いします。
○亀田参考人 可視化についてはかなり広い意味を持っております。可視化の対象、目的というのは、整理し議論していかないといけないと思います。ここに込められている意味は、医療者自身が自分たちの提供する医療の質を把握するということです。今後は、もちろん患者、代理人、保険者又は国という単位で、可視化の必要性も出てくると思いますので、先ほど申し上げましたように、対象、目的を整理し議論を進めて行く予定です。夏以降、協議会において議論をしてまいりますので、また御報告をしていきたいと思います。
○幸野構成員 私はやはり国民に可視化していただかないとあまり意味がないのではないかなと思っております。諸外国では医療機関ごとにこの指標を公表しているところもありますし、患者にとっては非常に重要な情報でありますので、ぜひこれは、いつになるか分かりませんが、医療機関ごとに可視化していただければありがたいかなと思います。
それと、今後、公表のあり方について検討を進めているということなのですけれども、この事業の最終ゴールはいつ頃に想定されているのかというところ。それから、最終的なゴールは何なのかというところ。これは厚労省の事務局でも構わないのですが、お教えいただければと思います。
○尾形座長 では、これは厚労省のほうでお願いできますか。
○川本総務課長補佐 事務局でございます。
御質問ありがとうございます。まず、こちらの事業の目的としましては、先ほどの話とも重複しますけれども、まずは医療の質向上のための具体的な取組の共有・普及、それから、医療の質向上活動を担う中核人材の育成、それから、臨床指標等の標準化、臨床指標等の評価・分析支援等を通じて、医療の質向上のための体制を整備することが本事業の目的となっております。終期については、ちょっと今ここでいつまでということを申し上げることは難しいのですけれども、まずはこうした医療の質向上に向けた取組を医療機関数であるとか取り組む人材を増やしていくというところが一つの目標になるかなと思っております。
○幸野構成員 私の考えで申し訳ないのですけれども、やはりこれの最終ゴールというのは、国民に医療機関ごとの質指標がどうなっているのかを公表するというところが最終ゴールだと思っていますので、それには賛否両論もあっていろいろ難しいかと思いますが、最終的にはそういったところをゴールに持っていくのがこの事業の本来的な姿ではないでしょうか。特にこれは公費で行われているわけですから、国民には知る権利があるわけですから、ぜひそこを最終目標として、しかも速やかにこういったものが整理できるような検討を今後やっていただきたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、どうもありがとうございました。本日のいろいろな御意見、議論を踏まえまして、日本医療機能評価機構におかれましては、適宜厚生労働省とも相談の上、今後の事業を適切に進めてくださいますようお願い申し上げます。本日はどうもありがとうございました。
○亀田参考人 ありがとうございました。
○尾形座長 すみません。本来であれば、もう一つ議事次第がございまして、議事の3で「医療機能情報提供制度について」ということになっているのですが、もう時間をオーバーしてしまっておりますので、この件に関しましては、次回の検討会の議事のほうに回したいと思います。
それでは、本日用意していた議題、議題の3は別でございますが、そのほかについては以上としたいと思いますが、事務局から何かございますか。
○藤井専門官 尾形先生、それから、構成員の先生方、本日は誠にありがとうございました。
本検討会の次回の日程につきましては、また別途、改めて御連絡させていただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
○尾形座長 それでは、本日の検討会は、以上をもちまして閉会といたします。どうも長時間にわたりまして熱心な御議論をありがとうございました。

照会先

医政局総務課

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