第4回障害者就労を支える人材の育成・確保に関するワーキンググループ(議事録)

日時

令和3年3月26日(金)10:00~12:00

場所

オンラインによる開催(厚生労働省職業安定局第1会議室)

議事

○小林障害者雇用対策課課長補佐 それでは、ただいまから、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会、第4回障害者就労を支える人材の育成・確保に関するワーキンググループ、いわゆるワーキンググループ2を開催させていただきます。
皆様方におかれましては、お忙しいところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
本日のワーキンググループは、Zoomを使ったオンラインで開催をいたします。開催に当たりまして、簡単ではありますが、オンラインについて操作方法のポイントを御説明させていただきます。
ワーキンググループの進行中は皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言をされる際にはサービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックし、主査の許可があった後にマイクをオンにして、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いをいたします。
会議進行中、トラブルがございましたら、事前にメールでお送りしております電話番号まで御連絡いただきますようお願いをいたします。
なお、通信遮断等が生じました場合には、一時休憩とさせていただくこともございますので、御容赦くださいますようお願いいたします。
続いて、資料の確認でございます。本日の資料でございますが、議事次第、資料1、2、参考資料1から4を準備してございます。これらの資料に不備等がございましたら、事務局のほうにお申しつけください。
また、本日でございますけれども、アドバイザーとして御出席されております緒方アドバイザーは御欠席との御連絡を頂戴しているところでございます。
それでは、議事に入りたいと思います。以後の進行は長谷川主査にお願いをいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○長谷川主査 皆様、おはようございます。福島大学の長谷川です。
今日で最終回となりますので、これまで皆さんからいろいろ御意見を伺ってきましたけれども、今日もまた言い足りなかった部分とかをお伝えいただければと思います。よろしくお願いします。
まず、議題1について、事務局から説明をお願いします。
○小野寺障害者雇用対策課課長 それでは、事務局でございます。主に資料1と資料2が最終的に取りまとめとして、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会、いわゆる親会に報告するものになりますので、特にこの2つについて、今日は御議論いただき、最終的な確認及び御意見を賜れればと思っております。
それに先立ちまして、3月12日に本ワーキンググループの親会が開催されておりまして、この親会のほうから幾つか意見をいただいております。それを参考資料4としておまとめしておりますので、まずこれを共有させていただければと思います。
全体といたしましては、ワーキングの検討の方向性であります基礎的研修につきましては、おおむね承認いただき、ぜひ進めてほしいという意見が多かったですが、それ以外の各論といたしまして幾つかございました。
まず、ハローワークにおける専門性の向上ということでの御意見、それから、専門人材の活用についてはこのワーキングの中でも御指摘がございましたが、特に一般の高等学校等にいらっしゃいますスクールソーシャルワーカーについての御指摘がございました。
それから、このワーキングでもやはり就労系、福祉関係の方に対しての幅広い受講について御指摘がございましたが、親会のほうでは、特に配置数が多い職業指導員について、ぜひ悉皆化ということの御意見の中で、ただ、現実的になかなか難しい中で、今後さらに検討してほしいというような御要望がございました。
それから、教育現場での進路指導担当者等についての悉皆受講ということの意見はあるけれども、なかなか現実的に難しいがということで、教員の皆さんに用意されている地域での研修と、この基礎的研修との相乗りといったような対応とか、教育現場での研修の実施主体である教育委員会との連携についての御指摘がございました。
それから、福祉と雇用両分野に精通するということが理想なのですけれども、これがなかなか難しいという中で、どこにその支援をリファーすればよいのかといったことを的確にアドバイスできるようなキーマン、スーパーバイズできる人材の育成が重要といった御指摘。あるいは、第一ワーキンググループのほうで検討しておりますが、アセスメントを実効あるものにするためにも、それに携わる人材のスキル・意識の向上が重要であるという御指摘をいただきました。
また、このワーキングでは深く御議論いただくことについては難しいということで御理解をいただいたところでありますけれども、サービス管理責任者ですとか相談支援専門員に対しての質の向上、研修の重要性についても言及されたわけでございます。
併せて、最後は研修の方式のお話になりますが、質の担保を図りながら、オンラインでの開催というのも検討してはどうかといったような御意見がございました。
以上が主な意見として挙げられたものでありますけれども、これらの意見を踏まえると、ワーキングの中でも同じような形で御指摘をいただいた件や、あるいは研修の方式などにつきましては今後具体化する中で十分留意をしていくということで対応が可能かと思っておりますので、この主な意見を踏まえて、今日改めて特に御意見をいただくことの必要性はないかと考えております。
以上が、親会のほうでの主な意見でございました。
それでは、本ワーキンググループにおける最終的な取りまとめに向けまして、これまでの議論等の整理(案)としてお示ししております資料1と、研修体系イメージ図としてお示ししております資料2に基づきまして、御説明申し上げます。
これまでに3回、積極的に御意見をいただきまして、それらについて、最後の3回目の意見も追記した上で、現状、資料1のこれまでの議論等の整理(案)としてまとめております。
前回からの修正部分を主に御確認させていただければと思います。細かい字句修正はありましたけれども、特に大きく変えた部分だけ触れさせていただきます。
まず2ページ目にあります階層的な研修等の3つ目の○のところでございます。これまでもスーパーバイズできる人材育成の重要性については御指摘をいただいていたところですけれども、そこの部分を少し具体的に記載し、スキルの蓄積に当たっては、自身の支援内容の振り返りを行い、他者からの助言を受けることが必要であるといったような趣旨の部分を少し書き加えてございます。
それから、ローマ数字3の(1)基本的な考え方の2つ目の○のところであります。受講の範囲についての部分でありますが、広く受講をしていただくことの重要性はこれまでにも御指摘をいただいておりましたが、幾つか個別の意見としていただきましたので、この3つ目の○の「また」のところに書き加えております。職業訓練分野において委託訓練を実施している民間事業者の担当者や、行政機関の雇用や福祉担当部署の職員の方々、それから、生産活動を行っている生活介護事業所の担当者などといったことで、個別に意見をいただきましたので書き加えております。
それから、3ページの対象となる具体的な専門人材というところでございます。基礎的研修の受講を要件とする専門人材については、ナカポツセンターを優先にということで、前回もお示しをしておりました。
それ以外の部分について、就労系障害福祉サービス実施事業所、全ての支援担当者が受講すべきといった御意見をいただきました。
ただ、一方で、やはり実施事業所数を考えると現実的ではないという御意見もありましたので、ワーキングとしては、移行支援事業所の就労支援員、それから、就労定着支援事業の就労定着支援員、これらの方々につきまして、まずは基礎的研修の受講を必須とさせていただく。併せて、将来的には、それ以外の全ての支援員の方々につきましても受講が望ましいということを踏まえて、今後その可能性について検討を進めていくことが必要と書かせていただいております。
併せて、実現性に向けての御意見として、受講者の分散ということで、配置されてから例えば3年以内といったような形で一定の期間を設けて受講していただく方策ですとか、一定の方については就労支援に係る経験年数等を踏まえて、この研修の受講必須を免除するといったようなこと。あるいは、地域によっては就労移行支援事業所がないといったような状況も考えられますので、地域性を考慮した上で、運用上このような代替的な役割を担っている事業所の支援員を優先するといったような考え方もあるのではないかということで、これらを追記しております。
それから(2)分野横断的な基礎的研修の内容の基本的な考え方のところに移ります。
2つ目の○でございます。今回の基礎的研修については、一般就労への移行、就職後の雇用管理・定着支援に関する知識とスキルの付与に焦点を当てるべきといったような御意見がありましたので書き加えてございます。
それから、4ページ目に移りまして、雇用、福祉それぞれの分野の支援者が福祉的就労と一般就労の違いを理解することが重要であるといったこと。その上で、企業で働く際にどのようなことが求められるのかといったことを学ぶべきという御指摘がありましたので記載をしております。
それから(3)スキル向上に向けた階層研修の体系及び内容等につきまして、基本的な考え方のところ、冒頭は、これまでに書いてある事実を整理して書き直しておりますが、いわゆる中級、上級といったことでスキル向上の階層的な研修が現状においても設定されておりまして、一部には研修内容の重複があるといったような指摘があるということを書いてございます。
5ページでございます。新たに書き加えた部分につきましては2つ目の○、企業の障害者雇用の担当者に受講していただいているものについて、別途、障害者職業生活相談員認定講習というものがありますけれども、これについては、今回創設を目指している基礎的研修とは別に考える必要があるという御指摘であり、その職場適応援助者養成研修、企業配置型の場合には、基礎的研修を受けてきていただくといったような議論がありましたけれども、こういった企業の担当者につきましては基礎的研修か、あるいは障害者職業生活相談員認定講習、これらのいずれかを受講修了していることで、ジョブコーチ養成研修にお入りいただくといったルートを考えておくべきであるという御意見がありましたので記載をしております。
それから、分野横断的な基礎的研修と、その上に階層的に重なる専門的な研修の切り分けは非常に難しいということで、この中身について、各分野の既存の検証を整理した上で別途検討する場を設ける必要があるということについて、これまでも御指摘がありましたが、丁寧に書いた上でこの場に記載をしております。
それから、研修の質の担保・向上の部分で、2つ目の○になりますけれども、一定期間のジョブローテーションとして他の分野の事業所において経験を積み、雇用と福祉の両専門性を高めることも望ましいといった意見。それから、必須科目に加えて選択できる科目を取り入れるといったことや、繰り返し受講を促す仕組み、それから、OJT、off-JTを組み合わせたようなものといった御意見がありましたので、書いてございます。
次に、研修事項に対するインセンティブの部分であります。
2つ目の○でございます。現状においては、就業支援基礎研修に対して報酬加算が措置されているます。これはこれまでにも御指摘があったところでありますが、今回の基礎的研修について受講を必須とした場合には、現在措置されているような形での基礎の部分に対しての報酬加算は廃止をした上で、さらに上に位置づけられている研修受講に係る報酬加算を新たに創設するといったような御意見がございましたので、書いてございます。
それから、各論のところでジョブコーチの部分でありますが、3つ目の○になります。ジョブコーチの更新制というような御意見がこれまでありまして、その中で、実績をどのように判断するのかというような投げかけをしてございました。これについては、御意見としていただきました、例えば、支援計画から活動報告書までの一連の支援内容の報告が考えられるということ。また、障害者本人や企業の担当者からの評価を反映させるといったようなこと、あるいは困難な事例の取組を評価するといったことが望ましいという意見がございました。
さらに、最後の部分でありますが、5つ目の○の中段以降のところです。ジョブコーチに対してスーパーバイズできるスキルを上級の方に求めるということで、上位の研修受講に当たっては、ジョブコーチの更新を複数回行っていることや、実務経験、これらを要件とするということが考えられると意見をいただきましたので書いてございます。
それから、ローマ数字の4、人材育成の実施主体についてのところですが、1つ目の○の最後のところで「例えば」と書いております。実施主体について、高障求機構のみでは不十分であろうということで、御意見として、現在の職場適応支援者養成研修を実施している団体等での実施、これについて御意見いただきましたので追記いたしました。
次のページでございます。実施主体により、研修の質の差が生じないように、高齢・障害・求職者雇用支援機構がしっかりとセーフティネットの機能を果たしていくことが望まれるという御意見がありましたので追記いたしました。
併せて、最後の○でありますけれども、研修の質を担保するということで、一定の認定の仕組みという重要性についてはこれまでにもありましたが、こうした認定後の運用に当たっても、認定を受けた機関自体が受講者の満足度等を把握して、研修実施に係るPDCAをしっかり管理していくと、自らそういった研修の質の向上に努めるということの重要性の指摘。併せまして、研修実績結果につきまして、しっかりと評価をして、それに対してインセンティブを付与するといったような仕組みの検討の必要性について御指摘がありましたので追記いたしました。
それから、ローマ数字5、人材確保についての部分であります。
4つ目の○の後半「また」以下です。実践を積んだ者が資格を取得できるようにすることも重要であるが、それに加えて、高等教育の場で資格を取得できるような形が考えられないかという御指摘がありましたので追記しております。
最後の○であります。人材確保に当たっては、新規に入職する方を増やすことだけではなくて、既に障害者の就労支援に携わっている方たちをどう活用するのかということも考えるべきということで、例えば、企業在籍型ジョブコーチの出向や副業による活動も助成対象とするといったことや、外国人、ひきこもり、生活困窮者など周辺領域で障害者支援を行っている、その支援で活躍している方たちとの競合といったことも考えられるのではないかといった御意見がございました。
それから、8ページでございます。その他として、研修の在り方といたしまして、障害者の就労支援の制度、各事業の役割、各資格研修を関連づけていくといったことについてこれまでに御指摘をいただいていたところです。
基礎研修を入り口として、その上にある研修資格の体系と実際の制度が紐付いていくようにすべきという中で、こういった研修と資格を関連づけさせる場合に、研修内容の標準化と質の担保が重要であるということ。併せて資格取得者の社会経済的地位の向上に向けて、資格取得者同士の横のつながりを維持していくことが望まれるといった御意見がございました。
次のところ、障害種別に対応した人材の育成・確保というところであります。
2つ目の○でございます。障害種別ごとの研修の実施につきましては、それぞれスキルアップ養成研修において階層的に行っていくということについて御意見がありました。その際には、多く、主な障害については基礎的なところで、さらに上位研修においてより人数の少ない障害種別あるいは困難な内容を扱うことが望ましいといったような御意見をいただきましたので、記載しております。
それから、就労支援の質の向上でございます。
2つ目の○です。基礎的研修の受講後にグループワークや情報共有など、受講者間での相互交流の場を設けることが効果的であるといった御意見をいただきました。その際に企業や医療機関の方たちを含めた多様な方たちとの意見交換ができる仕組みがあるとよいということでございました。
3つ目の○は、就労支援全体の質の向上のために、属人的な支援ノウハウにとどまらないように支援対象者の特徴、支援の内容、それらの結果等、これらをデータとして蓄積していって、このデータベースを活用して客観的なデータに基づいた支援を可能とするというような視点が重要であるという御指摘をいただきました。こういったことによって複雑化、多様化する就労支援への対応が可能となるだけではなく、自らの課題、強みについて整理・理解していくこと、あるいは経験に頼らないエビデンスに基づく人材育成も可能となるであろうということと、国全体でもしこういったデータベース化が実現すれば、地域間での差異や課題点も明らかにすることが期待されるといったような御指摘がありました。
一方で、このデータベース化については、国が実施するというよりは、将来的に資格化が実現すれば、その資格保有者、あるいはこの資格に対しての教育研修を行う機関が中心となって構築していくことが望ましいといった御意見もございました。
最後に、他分野との連携ということで、教育から福祉、それから一般就労といったようなことで、それぞれの支援内容について情報共有・連携の重要性ということについてはこのワーキングでも繰り返し指摘があったところでありますけれども、併せてこれらをうまく融合させていくためには、アセスメントがうまく機能する必要があるというようなことでの御指摘がありましたので、書き加えております。
最終的に親会のほうに御報告をする議論等の整理(案)につきましては、以上でございます。
併せて資料2でございますが、これまでにも現状の専門人材の研修体系のイメージ図につきましてお示しをしておりましたが、これまでの議論を踏まえまして、今後こういった形でということで、特にワーキンググループでの大半の意見として、おおむねまとまった部分につきましては、赤字で見直す点につきまして記載をしております。
今回、第2ワーキングでの大きな肝は、真ん中中央にあります赤い枠「雇用と福祉の分野横断的な基礎的知識・スキルを付与する研修(基礎的研修)」を構築するということでございました。
これにつきましては、既存の就業支援基礎研修を発展的に拡充して、障害者雇用・福祉の理念とか倫理といったようなこと、それから雇用・福祉間でのそれぞれの円滑な移行について、あるいは企業の実態理解とか、就労支援全体の体系・プロセスの理解といったことを内容として強化いたしまして、設定していくことになってございます。こうした形で少し厚みを持たせて実施する上では、現行の全国の地域障害者職業センターのみならず、一定の要件に基づく民間機関による実施というのも検討すべきであろうということでありました。
その上で、赤い矢印になっておりますところが悉皆的な考え方でありまして、ナカポツセンターの就業支援担当者、それから、就労定着支援員、就労支援員につきまして、就任に当たっての受講を悉皆化することになってございます。それ以外の支援員の方につきましても、こうした必須受講の実施状況、運用状況を踏まえまして、将来的に受講必須を検討していくという方向性であろうということになってございます。
それから、その上で、特に、職場適応援助者養成研修につきましては、まず、この基礎的研修を受けていただいた上で受講をしていただくという枠組みをつくった上で、一定の実践経験の要件を課した上での上級研修というものを構築し、これらについては将来的に資格化目指すことが望ましいといった意見もございました。
また、就業支援実践研修と就業支援スキル向上研修といったこれらの研修につきましても、職場適応援助者研修のほうに統合する、シンプルな構成とすることが望ましいといった御意見もありましたので記載をしております。
併せまして、枠の下のほうに書いてございますが、就労支援を担う支援者の呼称を統一化して、それらを周知しブランディング化を図るといったような御意見もありましたのでこの辺りを書いてございます。
最終的にはこういったイメージ図も活用しながら親会のほうに御報告をしていきたいと考えてございます。事務局としては以上でございます。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。
それでは、質疑応答に入りたいと思います。御質問や御意見がありましたら、「手を挙げる」のボタンをクリックしていただいて、私が指名させていただきますので、その後にお名前を名のっていただいて、発言をしてください。よろしくお願いします。
皆様いかがでしょうか。
田川委員から手が挙がっています。では、よろしくお願いします。
○田川アドバイザー くすの木クリニックの田川です。よろしくお願いします。
事務局の方にいろいろ御面倒をおかけしましたけれども、今日が最後で、ありがとうございました。
1つ、B型であるとか、A型であるとか、なかなかそこから就労がないからということであまり関心を持たれなかったのかも分からないのですけれども、この前、僕のおります大東市で定着支援に関する研修会をやったのです。ハイブリッド形式で、そこへ来る人数を制限して、あとはウェブでというような形でやったのですけれども、あっという間に満員になってしまった。どういう人が来ていたかというと、就労移行の職員さんとかA型の職員さん、B型の職員さんも一部来ていた。あっという間に満員になったということがあるわけです。
定着支援の研修会で、うちのケースワーカーが講師で行ったのですけれども。A型の職員さんも、B型の職員さんも、もちろん移行の職員さんも、一般企業への就労にものすごく関心があるし、実際そういうことをやりたいという気持ちもあるわけですね。ところが、その研修の機会が全然ないわけで、やはりこの基礎的研修を、ぜひそういう方の研修の機会にすべきではないかと。それだけ要望があるけですから、こんなコロナの時代にやってきて参加するのも大変なわけですから、それを来ているわけで、ちゃんと応えていくことで、なかなか就労へ結びつかないという状況を変えていける可能性も、少しかもしれませんけれども、あると思うのです。
それこそウェブであれば、人数なんてあまり関係ないですよね。すごくたくさんの人数が対象だからできないとかいう話にならない。要は、やる気があるか、やる気がないかという問題だろうと思います。
もう一つ、サビ管の問題と相談支援員の問題というのは、多分、サビ管をどうするか、相談支援員をどうするか、その研修をどうするかというような検討会が別にあるのだろうと思うのです。だから、なかなかこちらで決めていくというのは難しいかも分かりませんけれども、今までの議論でもそうですけれども、就労支援の経験の少ない、あるいはよく知らないサビ管というのが、いわゆる就労系の事業所のサビ管をやっていたりとか、そんな中で多分、就労移行の二極化というのですか。非常にたくさん就職を実現している就労移行と、ほとんど実現できていない就労移行が出てくるわけです。これは多分、障害福祉部にとっては大問題なのだろうと思うのですけれども、それを解決する、少しは改善する、本当に絶好の機会だと思います。
それと、相談支援をやっていただいている方々というのは、皆さんなかなか優秀だなと思って見ているのですけれども、就労ということに関しては、やはり関心というか、知識もあまりないし、実践もほとんどないという方がとても多いですね。
相談支援員というのはどういう支援をその方に対して、その方がどんな人生を歩んでいくかの第一歩を決めていくような役割なわけですね。こちらに集まっておられる委員の方々は分かっておられると思うのですけれども、仕事のある人生と仕事のない人生というのは、やはりその方にとって大きく違うと思うのですね。
それを担っている方々ですから、やはりしっかり就労支援について理解をしておいていただきたい。そんなふうに思います。
なかなか難しいところはあるのだろうと思うのですけれども、事務局の障害保健福祉部の就労支援課の方々もぜひ、こういう研修ができて、それもウェブで提供すれば大勢の方がそれに参加できるわけですから、そういう機会を逃さずに、これをチャンスだと思って考えていただければとてもありがたいなと思います。
以上です。
○長谷川主査 どうもありがとうございます。
1点目のA型やB型も研修の対象にというところは、田川委員がずっとおっしゃっていただいていて、私もすごく賛同するところがあるのですが、まずは就労移行の辺りまでということで、そこからちゃんと広げていくのだということは、報告書案にも書かれているところだと思うので、もう少しその辺りの書きぶりを強く押し出せないかとか、そういうのは検討できるのかなと思うのですけれども。
○田川アドバイザー そのとおりだと思うのです。そこから広げていくと書いているのですけれども、実際、なかなかそこで決まらなくて、これから広げていくのだ、進めていくのだと言いながら、なかなか進まない、広がらないというのが現実だろうと思うので、その辺りをしっかり書いていただければありがたいなと思います。
○長谷川主査 分かりました。
今の御意見に関して、事務局から何かありますか。
○小野寺障害者雇用対策課課長 事務局でございます。
書き方につきましては、今御指摘のあった親会でもウェブ方式のオンラインでの研修という御指摘もいただいておりますので、田川アドバイザーからありました、ウェブとかハイブリッド研修という形式を通じて、より多くの受講体制を整えるということで、少し具体化していく中で留意する必要があるかなと思いますので、何らかの形で書いていきたいと思っております。
以上です。
○長谷川主査 ありがとうございます。
田川委員から2点目に御指摘があった相談支援員やサービス管理責任者のことについても貴重な御意見だなと思って伺っていました。ほかの委員からもその辺りで何かコメントがあるかもしれませんので、それも伺ってから、もう少し掘り下げられればと思います。ありがとうございます。
では、次に、小川委員、お願いします。
○小川アドバイザー 大妻女子大学の小川です。よろしくお願いします。
最後の論点のまとめと、それから、イメージ図をありがとうございました。この前に職場適応援助者養成研修の在り方に関する検討会もあったわけですけれども、それからこのワーキンググループ等を通して、本当に就労支援、障害者雇用の人材育成に関してこれだけ集中的な議論がこのタイミングで行われたことについて、大変意義深いことだと思いますし、丁寧にまとめていただいたと思っております。まず最初に感謝申し上げたいと思います。
私は、全体を通して、ちょっと資格ということにこのタイミングでこだわりたいという思いがありますので、もうある程度まとまっているものだということは前提として、最後に付け加えて、ぜひ言いたいことについて言わせていただきたいと思っています。
今後の専門人材の研修体系イメージ図、まとめとして今ここに至っているわけですけれども、最初に出された情報を見ても、やはり日本の障害者雇用・就労支援の人材育成は、まず障害者職業カウンセラーという資格があって、その後、平成14年以降、ナカポツであるとかジョブコーチ、あるいは自立支援法に基づく就労系のサービスとかができてきて、どんどん就労支援に携わる人材が増えていって、その裾野に対してどういう研修を準備するかということで、建て増しに建て増しを続けて、非常に複雑な状況になってきていると思っています。
その建て増しをするときに、こういった業務に携わっている人たちを対象にということを意図して研修体系をつくっていっても、さらに別なニーズを持つ方たちがそれを受講するようになり、非常に複雑化、多様化しているので、それを再構成してみようというのが今回の主旨であったと理解しています。
その中で、ナカポツ等に関しては、やはり業務に直結した研修体系が必要ということで、そこは業務直結型。ただ、ほかについては、分野横断的、業務横断的な研修体系をつくろうということで、雇用と福祉の分野横断的ないわゆる就業支援基礎研修と呼ばれているものがこの図の真ん中でどんとオレンジ色で書いてある、ここに至ったということが1つの大きな成果だと思います。これについては全く異論がありません。
その上のところが並列的に図示されていますけれども、私はこれまでの議論の中で、ジョブコーチ養成研修の重要さということについて様々な意見交換がなされたと思います。そこについてもう少し強調できないかというところなのです。
今回出させていただいたペーパーに戻りますけれども、(1)の一番上ですが、まず職場適応援助者養成研修のところで上級研修が明確に位置づけられたこと、これは前回の研究会と、それから、もう少し遡ると、地域の就労支援の在り方に関する研究会の二次、この流れを踏まえたもので、本当に言うことなしに賛成でございます。
その次ですけれども、やはり助成金にひもづけされた要件研修と位置づけるところはちょっと厳しくて、これは訪問型の助成金を活用している人たちが非常に少なくなっているとか、そういった背景もございます。ここは就業支援基礎研修と併せて、就労支援の専門性を体系的・階層的に習得する中核的な研修ということで、この下の図に書いてありますけれども、この3つの研修が中核的な研修で、これについては、その専門性を担保する資格と位置づけるということをもう少し強調できたらうれしいなと考えているところです。
先ほどの小野寺課長の御説明の中でも、資格を目指すと、あるいは資格化という言葉が何回か出てきました。文章の中に並列的に書かれていますけれども、もう少しそこを強調できないかというのが私の個人的な思いです。
この図のほうに戻りましても、そういったことを考えますと、イメージ図として、それらが中心となるレイアウトにしたほうが分かりやすいのではないか。現在のこの図だと、就業支援スキル向上研修、実践研修、課題別セミナー、ここがかなり大きな研修という雰囲気に読み取れますが、受講者数も少なく、どちらかというと、青いところがもう少し中心になったほうが、国の研修体系の中核はどこなのかということが分かりやすいのではないかという意見です。
それから(2)のところ、これは本文の5ページの2行目になりますけれども、そうしたことを文言に表していく場合には、研修内容の再整理を行うとともに就労支援の人材確保、専門性の証明、社会的地位の向上等を目的として、認定資格や国家資格等、資格として位置づけることの検討を始めるべきであるなどとしてはどうかということで、やはり資格というのは非常に複雑な調整と準備が必要ですので、いきなり資格にするということは難しいと思いますが、このタイミングで、やはり資格化を目指す検討を始めるということをぜひ明確に述べられたらいいかなと考えております。
それから、資料の次のページ(3)ですけれども、ここもやはりそれと関連します。人材確保、7ページの2つ目の○のところです。「このため、例えば「ジョブコーチ」として研修体系を整理し」という文言がありますけれども、認定資格または国家資格化することでブランディングを図ることが必要である。この資格ということについては、なぜ資格化が必要かということで、やはり専門性を明確化するということと、従事者の社会経済的地位を向上させるということと、これから人材の確保が困難になっていくので、いわゆるリクルーティングのときの明確なイメージになるキーワードを資格ということと関連づけて明確にして人材確保を図る。こうした意味合いがあると思います。
ブランディングという言葉が適切かどうか分かりませんが、専門性の明確化、従事者の社会・経済的地位の向上、人材確保、こうした意味合いで資格化の重要性について述べたらいいかなと思っております。
最後に(4)全体を通してのところは、先ほど申し上げました障害者職業カウンセラーを中心にして、ほかのところで様々な資格があるのですけれども、やはりそこのところでこれからどうしていくのかということで、高等教育機関等を巻き込んで、人材育成、教育、それから研究、ここのところを充実させていく非常に重要なタイミングだと思っています。そのためにはやはり資格ということを明確にしていくことが重要かということについて文章化しているところです。
以上です。どうもありがとうございました。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。
イメージ図の描き方、どこにみんなの目が行くかというところは大事な御指摘だなと思います。それに対して反対される方はいらっしゃらないのではないかなと思って聞いていたのですが、いかがでしょうか。
イメージ図に関して、事務局、何らかの修正等は可能でしょうか。
○小野寺障害者雇用対策課課長 今の小川アドバイザーの御意見を踏まえて、ちょっと工夫はしてみたいと思います。今のレイアウトはそこまで、どこを強調してというよりは、大変恐縮ですが、機械的に埋め込む文字量によって幅が広くなっている部分があろうかと思いますので、少し今の御趣旨を踏まえて工夫ができるか検討してみたいと思います。
○長谷川主査 ありがとうございます。
あとは資格化の点について、これも反対される委員の方はいらっしゃらないと思いますので、事務局のほうでももう少し今の御意見を踏まえて御検討いただければと思います。
最後の全体を通してのところで書かれていることも、そのとおりだなと思いますので、このワーキングだけではなくて、将来を見据えた形での報告書になればいいなと思いながら伺いました。ありがとうございます。
では、順番に進めさせていただきます。鈴木委員が先に手を挙げていらっしゃったと思いますので、お願いします。
○鈴木アドバイザー お世話になります、くらしえん・しごとえんの鈴木でございます。
今の小川委員の資格化の話と同じような形で、私もちょうど出させていただいた資料がございます。ただ、私のほうは何分にも本当にイメージ的な、感覚的なことであり、今、小川委員の触れられたことに本当に非常に整理されているなと思っておりますけれども、そういう中で、資料の画面共有をお願いできますでしょうか。
私自身も、先ほど小川委員が触れられましたけれども、養成研修の在り方に関する研究会、今回のワーキングということで非常に大事なところに参画させていただきました。本当にありがとうございます。そしてまた、今回のまとめにつきましては、本当に事務局の皆様が物すごくきちんとしていただいているということで、特に大きな異論はございません。
ただ、そういう中でも、今回、私が提出させていただきました資料については、ジョブコーチという言葉、資格化という言葉については、養成研修実施機関としましても、また私自身の職場適応援助者としての立場からも、改めて触れさせていただきたいと思っております。
私自身が日々雇用現場に入り続けていると、やはりジョブコーチの仕事というのは、そこに記載してありますように、障害者が当たり前に働くために雇用現場にくさびを打ち込むなどというような表現をしてありますけれども、逆に言えば、現場で私たちに声がかかってくる、支援の依頼があるというのは、やはりどうしても就労支援の流れがきっちりされていない中での安直な就労とか拙速な雇用、質ではなくて数としての雇用という、本質とはかけ離れた雇用現場に数多く直面していると、これはやはりそれにほかなりません。
本当にイメージ的な例えで恐縮ですけれども、就労に係る支援の諸制度というのが本当にいろいろ幅広くできてきたと。土を耕して、種をまいて、肥料を与えて、手入れをしていくという一つ一つの一連の流れをつくっていくということが諸制度、今、整備されつつあると思いますけれども、そういう中でジョブコーチというのは、やはり一つ一つ、一本一本の草木に対してしっかりと根を伸ばす、育てるように、本当に地中深く関わっていく役割ではないかと私は思っています。時には本当に根腐れを起こしてしまったような場合などに対しても、そんなときはどんな処置が必要なのか判断していくという、非常にシビアな役割も課せられているということが昨今多くなっているような感じがしております。
そういう中で、人材育成のイメージ案の中で、後ほどでももう一回触れたいと思っておりますけれども、就業支援担当者とかジョブコーチ、就労定着支援員とかいろいろあるのですが、サービス管理者も含めて、この図の中で、全てほかのジョブコーチ以外は、配置基準だとかそういうことも含めて明確に、何らかの法律であるとかそのようなところに基準も含めてしっかり載っているのです。ただ、そういう中で、ジョブコーチという言葉だけがどこにもはっきりしていない、明記されていないというのはすごく感じております。
そういう中で、いろいろなイメージが先走りしたり、言葉だけが先走っているというのが実態ではないのかと思っております。
そういう中で3点.中立性と独立性と自立性ということを触れさせていただいておりますけれども、特に企業在籍型と訪問型の違いということで、そこにありますように、雇用関係に縛られないということで、本人、雇用事業所、双方に対してニュートラルな立場で、本当に合理的配慮がしっかりなされているのか。差別はないのか。逆に労働者としてしっかりと仕事に取り組めているのかとか、そういうことをどちらかに偏ることなく、人が働くということを基本に据えて、表出した課題を解決する道筋を現場と一緒につくり出していく。そこのところは、企業在籍型の皆さんというのは、企業の中でのより専門的な、より深い関わりができるかもしれませんけれども、中立という立場で言うと、訪問型の役割は非常に大きいのではないのかなと私自身は思います。
2番目の独立性ですけれども、やはりここのところでは法人、ジョブコーチが所属法人の中ではなかなか伝わりにくいというのはよく話に聞きます。そういう中で、訪問型職場適応援助の数がどんどん少なくなっている中で、ジョブコーチ自体の位置づけが非常に薄くなっているのだと思います。ですから、法人内でジョブコーチがしっかりとした位置を占めていくということが、ジョブコーチの孤立化を防ぐためにも重要と考えます。
そして、自立性ということでいいますと、これは最近、他県のナカポツの方とお話をした際に、ナカポツの赤字部門を定着支援事業で行っているというようなことをお聞きしました。ですから、就業・生活支援センター訪問型ジョブコーチとかいろいろありますけれども、ジョブコーチの重要性ということに見合っただけの財源的な裏付けというのは、これは制度とのひもづけだけではなくて、資格化の問題にもつながりますけれども、非常に重要だと思っています。
そういう中で、資料の下に平成28年のこのところをあえて書かせていただいたのも、私自身、養成研修でも、ジョブコーチという言葉は非常に曖昧な言葉で、名称独占でも業務独占でもないということを研修などでは触れている中で、一億総活躍プランだとか働き方の中で、ジョブコーチの養成拡大ということが大きく取り上げられたことは非常に衝撃的ではありました。
ですから、今回の就労支援の人材の育成ということを考えるところで、職場適応援助者という名称なのか、ジョブコーチという名称なのかはともかくとして、非常に私たち自身が助成金の制度だけではない、それこそ小川委員の御意見に本当に全面的に賛成するわけですけれども、制度ではなく資格化ということを大きな課題として位置づけていくことが大切だと思います。
非常にイメージ的、感覚的な話しか私にはできませんけれども、やはり今この時期に、資格化に向けて具体的な動きをつくらないといけない時期だと私は強く思っております。
以上でございます。どうもありがとうございました。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。
このワーキングでは、基礎的研修の部分をどうするかというところに議論が集中したこともあって、ジョブコーチの具体的なところまではなかなか議論できなかったのですけれども、今、鈴木委員や小川委員のお話を伺って、今後の重要な課題だというところはみんなが共通の認識として持てたことがとてもよかったかなと思うので、さらに今後、検討をちゃんとしていけるような形で報告書にも書いていければなと思います。
あと、伺っていて、ジョブコーチというふうに一くくりで挙げているものの、訪問型と企業在籍型とが一緒になっている今の制度は果たしてどうなのかというのは、今日、もう第4回なので、それについてなかなか議論できないのですけれども、今後の重要な課題だなというのは認識できました。
そういう理解でよろしいですか。大丈夫ですか。
○鈴木アドバイザー この先のお話になっていくことで、重要なことだと私自身も思いますので、ありがとうございます。
○長谷川主査 何らか今いただいた御意見を報告書の中にも盛り込めるかどうかというのを検討していければと思います。
それについて、すみません、事務局ばかり振って申し訳ないですけれども、事務局、何か御意見ありますか。
○小野寺障害者雇用対策課課長 ありがとうございます。
繰り返し、ジョブコーチの資格化については御提案、御意見いただいておりますので、もう少し、今後、実現に向けての検討がスタートできるような方向性を可能な限り報告書の中にも書き込んでいければと思っています。ありがとうございました。
○長谷川主査 ありがとうございました。
では、次は、今野委員、お願いします。
○今野アドバイザー ありがとうございます。ベネッセビジネスメイトの今野でございます。
全体的な整理については、私どもの議論を踏まえて非常に分かりやすく整理いただいたと敬意を表したいと思います。その上で若干申し上げたいのですけれども、2ページ目の上段の階層的な研修等の3番目の○です。スーパーバイザーに関する記述について、3点ほど申し上げたいと思っております。
1点目は、地域の中での就労支援のコーディネートなどを行うような資質が求められると記載されておりますけれども、コーディネートは確かに様々な環境の理解がないとできないことです。ただし、この前提としては、シームレスなアセスメントが的確に行われている必要があると、この点を明確に付け加えていただきたいなと思います。就労支援とアセスメントはセットだということ。報告書の最後のところに若干記載がありますけれども、この点は私は非常に大事な点ではないかなと思っております。
次に、そうした日々の支援の積み重ねの中で就労までこぎつけたとしても、うまくいく場合もあれば、企業の力量不足や環境変化等によってうまくいかなくなる場合もあろうかと思います。ベネッセでも、就労継続支援A型事業所を稲城と板橋において2か所運営しておりますけれども、現在在籍しておられる定員の約半分の方は企業で働いた経験のある方です。弊社のA型から他の事業所に一般就労していく方もおられますし、先日は、一旦送り出したのですけれども、一般就労先から残念ながら戻ってきた方もおられました。
私が申し上げたいのは、スーパーバイザーなのか、ナカポツセンターなのか、私は両方だと思いますけれども、コーディネートしたから後はよろしくねという形ですぱっといなくなるのではなくて、一定の期間をかけてフェードアウトするような形を設けるなど、しっかりと見極める。つまりは、マネジメント機能を果たすということも目指してほしいということなのです。これは要望程度として申し上げますけれども、これを2点目として申し上げたいと思います。
最後に3点目ですけれども、アセスメントもしかり、ジョブコーチもしかりですが、働きたい障害のある人が一人でも多く働くことのできる環境を目指すところに、進歩や前進、成長があるのではないかと思います。施設の事情など、本人以外の理由によって働くチャンスを排除されている人がいるとすれば、これは全くの論外だと思います。本人も支援者も、様々な困難をもってしてもなお一般就労を目指す中でこそブラッシュアップできていくのだと思いますし、就労支援の存在というのは、そうした方向性の中でこそセーフティネットとして機能してくるのであって、多様な働き方というのはその結果として生まれてくるものではないかと思うわけです。
前職の経験で恐縮ですけれども、特別支援学校の3年生で、12月の年の瀬を迎えてもなお就職先の決まらない生徒さんがおられまして、御相談をいただいて、年をまたいで実習を行って、社内にはいろいろ賛否両論ありましたが、採用した経験もございます。ただ、その人たちは今も元気に働いていると。あるいは、週24時間で契約した発達障害のある人ですけれども、実習のときには週30時間、2週間しっかり頑張ったのですが、いざ契約となると弱気になって、実際に働き始めて半年後には20時間を行ったり来たりするようになりました。職場適応援助者養成講習を修了した精神保健福祉士とともに、様々な工夫をしながら、時には週20時間を切ることもあったりして、そういう中でも粘り強く支援を続けていたのですけれども、昨年のコロナ禍において在宅勤務併用に切り換えたところ、殊のほかマッチして、出勤率が上がって、週30時間を超える勤務状況になったという事例もございました。
福祉的就労における継続支援の事業所が、万が一にでもその継続のために、働きたい障害のある人を、多様な働き方という美名の下で、チャレンジもさせず、自らも支援者としてチャレンジすることを放棄しているのであれば、私は、福祉と雇用の連携強化などということはそもそも必要ありませんし、一般就労を目指すからこそ共通言語が必要で、連携強化が必要なのだと、あえて申し上げたいなと思います。
企業は今、コロナ禍の中で、働き方を改革しなければならないという大きな変革期を迎えておりまして、障害者雇用も当然その変革に果敢に挑戦しているわけですけれども、やはりそこで必要となるのは的確なアセスメントであり、粘り強い支援、ジョブコーチだなと改めて実感しています。
障害のある人が働き続けるためには合理的配慮が必要だということは、皆さんも御存じのとおりでありますけれども、職場環境が変わり、あるいは業務内部が変わると、当然、必要な配慮も変わるわけでして、私どものチャレンジというのは、その人とともに続いていくわけですね。そのような意味からも、障害者就労を支える人材が大きな役割を担うわけでして、そうした自覚と責任を持てる人材の育成・確保は極めて重要な議論だと思いますし、アセスメントといい、施設のよしあしといい、人材が全てを担っているわけですから、このワーキンググループの報告が今後の議論に資することを大いに期待するとともに、この議論に参加させていただいたことを心より感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
以上です。
○長谷川主査 ありがとうございます。
3点の御意見をありがとうございました。特に1点目については、報告書の書きぶりとも関わってくるところかと思うのですけれども、事務局、いかがですか。他のワーキングとの関わりも出てくると思うのですが。
○小野寺障害者雇用対策課課長 事務局でございます。
どのような形で書くか、階層的研修のところに書くべきかどうかというのは、もう少し適切な場があるかなと思ったりしてお聞きしていましたので、書きぶりや記載する場所はお任せいただくとして、今の御意見の趣旨を踏まえまして、いずれかの場所に書くということと、併せて、最終的には、当然のことながら第1、第2、第3ワーキング、それぞれの意見を有機的に再整理した上で、検討会自体の報告書ということがまだ出来上がっていきますので、その辺りでも十分に留意をしていきたいと思います。ありがとうございました。
○長谷川主査 どうもありがとうございます。
では、次は若林委員だったと思います。順番が間違っていたらすみません。よろしくお願いします。
○若林アドバイザー ありがとうございます。
まず事務局の方に、資料1ですね。なかなか複雑な議論だったと思うのですけれども、分かりやすくまとめていただいて、どうもありがとうございました。
それから、小川委員の資格化の話について、私も本当に大賛成でございまして、障害のある方の就労支援の確かに資格、これまで全く国家資格などはなかったわけですけれども、一方で、実は厚生労働省ということで、旧厚生省側のほうでも資格というのはたくさんありますし、旧労働省系のほうでも職業訓練指導員だとかキャリアコンサルタントなどの資格を運営されている御実績もありますので、ぜひその辺りの強みというのを生かして進めていただけると大変ありがたいなと思っております。
それから、あと3点ほど、1つは軽い話なのですけれども、全体の意見でオンラインの話があったかと思います。オンラインについて、これもちょっと具体的な話になってしまうのですけれども、リアルタイムで研修を受けてもらうという方法もありますし、それこそ私なんかも大学に勤務しておりますけれども、今、オンデマンド型とかということで、動画もしくは教材をウェブ上に置いておく。替え玉受講などについても、いろいろとそういった予防するノウハウとかもありますので、そういったことを工夫すれば、田川委員がおっしゃっていた受講者の増加というのも対応できるのではないかと思っております。
それから、資料1の関係で少し申し上げたいと思うのですけれども、資料1でスーパーバイズについていろいろと挙げていただいているかと思います。これは本当に私も大賛成であります。一方で、スーパーバイズを受ける人、スーパーバイジーとかいう言い方をしますけれども、こういう人も、多分こういった資格制度等々ができた最初の頃は割と熱心な方も受けるとは思うのですけれども、やはりスーパーバイズを受けなさいというような体制も持っていかないといけないと思っております。ですので、その辺りについても、これは単なる私のアイデアなのですけれども、OJTとoff-JTの話があったかと思うのですが、例えばJTの途中でスーパーバイズを受けるような体制にするみたいな、あくまでも例えばですけれども、そのようなことも考えられるのではないかと思っております。
最後です。これは私、もうちょっと最初から言っておけばよかったなということがございまして、既存の資格です。社会福祉士、精神保健福祉士、もしくは作業療法士等々の関係性について、あまり議論を、私ももっと前から振ればよかったかなと思っているのですけれども、そういった有資格者についてどうするかというのもあるかと思います。もうここまで議論が来てしまっているので、根本的な議論は難しいのですけれども、単純な話で言えば、資料1の5ページで、基礎研修とか専門の研修の内容の切り分けをどうするかみたいな話があったかと思うのですけれども、その辺りのところで、例えば社会福祉士、精神保健福祉士で、就労支援の現場ではないにしても、個別の支援、それからソーシャルワークではメゾレベルなどという言い方をしますけれども、そういったグループや組織を変革していくような動き方、もしくはもうちょっと世の中全体を動かしていくマクロなどという言い方をしたりするのですけれども、就労支援の経験はないにしても、そういった御経験を積んでいる専門職の方もいらっしゃったりしますので、研修の内容によるかと思うのですが、例えば単純な話として、そういった資格を持っている方は、ある部分については研修を免除するとか、そういったことが考えられるのではないかと思います。
若林からの意見は以上になります。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。
今の御意見もいろいろといただいたので、それも踏まえて最後にまとめていきたいと思います。ありがとうございます。
では、次は、松村委員、お願いします。
○松村アドバイザー お世話になります。全国社会就労センター協議会、松村でございます。いつも具体的なお話が一つもできず、皆様のお話を聞かせていただいて、なかなか自分の中で2時間でまとめ切ることができなかったのですが、その後、国のほうからおまとめいただいて、なるほど、こういうことかと、いつも勉強させていただいていたというような4回でありました。本当にありがとうございました。
また感覚的な話かというような感じになってしまうのですけれども、今回少しお話しさせていただきたいのは、研修の具体的な内容でのお願いと、あと、細かな部分についてのお願いというような形になります。
実は、本当につい最近、私の勤める法人が大変お世話になっている企業様、既に10名以上障害者の方を雇用していただいている企業様がございますけれども、その企業様でさえも、200名ほどの社員の方がお見えになるのですが、障害者の方の雇用とか、支援とかということに関しての知識、意識は、一部分の方に偏っているというような結果が出たというのを聞かせていただきました。
そういうのを自分のすぐ近くで、しかもあれだけの企業の方がというのを聞かせていただいて改めて思ったのは、やはり障害のある方々が企業で勤めて働き続けるということは何らかの支援が必要になってくるのは、わざわざこの場で申し上げるわけではないのですけれども、すでに会社に雇用されてみえる方々ですから、企業様で言いましたら在籍型のジョブコーチの方であるとか、職業生活相談員の方、この方だけで支えていくことの限界というのはすごくあると感じています。
ですから、言い換えると、いかに支援というか、理解者という裾野を広げていけるかというのが定着していく上ですごく大事なことではないのかなと感じています。そういうことを含めて考えていくと、この研修の中でかなり高いレベルになっていると思うのです。僕は個人的にはジョブコーチの方にやっていただければと思うのですけれども、その企業の中にしっかりと入り込んでいただいて、少しずつ自分たちが支えていくのだ、理解していくのだという応援者をつくり上げていくノウハウが持てるような研修を組んでいただけないかなということがまず1点目のお願いになります。
もう一つ、研修内容のところなのですけれども、これは僕は都度都度お話ししてきたかなということで、しつこいと思われるかもわからないですけれども、せっかく福祉から雇用、雇用から福祉という重要性がこれだけしっかりと触れられていますので、研修内容の中にも、ぜひ雇用から福祉に移行する部分、そこのポイントをしっかりと押さえられるような研修を行っていただきたいと考えています。
同時に、今日お示しいただいた資料2の研修体系イメージ図の真ん中、基礎的知識・スキルを付与する研修と書いてあるところの、小さい文字で書いてある中に黒字で、一般就労への移行というような表現はしていただいてあるのですけれども、ここの表現を、一般就労への移行であったり、福祉サービスへの移行という言葉も一緒に書き入れていただくことはできないかなと感じました。
相談支援専門員さんの役割とか、その重要性というのは、田川アドバイザー様がしっかりと説いていただきましたので、わざわざというふうに思われるかも分かりませんけれども、ぜひ、最低でもサービス管理責任者の皆さんと同じレベルで、いろいろなところで書き込みをそのように入れていただけないかなと感じています。
基礎的研修の重要性とかその更新というのも、これから必要になってくると思いますが、それよりもやはり大切なことだと私自身は感じていますが、この研修に出られた方々が、いかに横のつながりを持てるか、連携できるかいうのがすごく大事になってくるかなと感じています。
具体的に言うと、特定相談支援事業所の相談支援専門員のような、一人親方的な立場にしないというのですかね。悩みを持ったときにすぐに横の連携が持てて、相談し合える仲間がすぐ近くにいるという関係づくりができるような仕掛けをつくっていただけないかなと感じています。
この第2ワーキングは、育成の重要性をいろいろと私自身も教えてきていただいたわけなのですけれども、結局、とどのつまりは若い方が、この仕事はかっこいいと、私もやってみたいとい思ってくれないことには、ここで議論していても仕方ないのではないかなと感じています。そういう意味では、私自身はもう一回生まれ変わったらこの仕事をやってみたいなと今ちょっとずつ思っていますので、もっともっと熟成していければ、もっともっとこの仕事をやってみたいという方が増えてきてくれるのではないかなと感じています。
最後までいろいろな話ですみません。ありがとうございました。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。
幾つか御意見等をいただきましたが、真ん中辺りでおっしゃっていた、資料2の図の中の一般就労への移行という言葉を変更してほしいという点ですけれども、それは最新の資料2では「雇用・福祉間の移行」という形で変わっていると私は理解しているのですけれども。
○松村アドバイザー もしそうであれば、すみません。ありがとうございます。
○長谷川主査 事前説明のときは多分そういう資料だったと思うのですが、ですので、そこはちゃんと反映されていると思います。
ほかに、いただいた御意見等もそのとおりだなと思いました。特に会社の中で全ての従業員、社員の方々が障害者に対して理解があることはとても大事だと思いますし、外からの就労支援は、いずれはフェードアウトしていって、その理解とか知識を会社の中に置いていくというやり方は、他のワーキンググループ等でも議論されているようなところだと思いますので、その辺りもしっかり親会に持ち帰りたいと思います。ありがとうございました。
次は、深水委員、お願いします。
○深水アドバイザー ビーアシストの深水でございます。
このたびはワーキンググループに参加させていただきまして、本当にありがとうございました。まとめていただいた資料の内容につきましては、感謝といいますか、本当にありがとうございます。
特に異論等はございません。今日お話しさせていただくのは、本当に今後、この研修体制が整って運用されていったときに、企業なのでお力を借りる立場になりますので、そこを訴求してお話しさせていただきたいと思います。ですので、まとめていただいた資料を直してほしいとかいったことではございません。
実際の新しい研修体制が整って悉皆的に受けていくという形になると、実行された方、資格を持たれた方、プレーヤーの数が増えてくることになると思うのですけれども、やはり今野アドバイザーもおっしゃっていたとおり、スーパーバイズとかマネジメントをする人材がというお話が出ていたと思うのですけれども、そういった立場の人の育成が本当に必要になってくるのかなというのは強く感じております。
親会のほうの資料でも、どこにリファーすればいいのかみたいな文言が入ったと思うのですけれども、企業としてはどういうふうに依頼をかけていけばいいのか、どこを頼っていけばいいのかというところは、今の体制だといろいろなところがあり過ぎて迷ってしまうという中で、地域でマネジメントしていただける方がいて、企業のオファーに対してここの支援を使うといいよとか、ここを紹介しますというような形でつなげていただけると非常にスムーズにいくのかなと思いました。
また、スクールソーシャルワーカーも含めてというお話があったのですけれども、ここはちょっとなるほどなと思ったのが、お世話になっている臨床心理士の先生に相談させていただいたり、来ていただいたりする場面のときに、実習で学生を連れていっていいかというふうにお話をいただいたことがあって、どうぞという話をさせていただいたのですけれども、やはり学生さんの中に、これは前のほうで小川先生もおっしゃっていましたけれども、学生さんの選択肢に就労支援があまり入っていないというお話があったと思うのですけれども、本当にそうらしくて、スクールカウンセラーとか割と認知度の高い業種のほうに、自然にそちらを考えてしまうという中で、就労支援の現場があるというのを見せたいので学生を同席させてくださいと言われたことがありまして、これについてはなるほどなとすごく思いました。
また、実際に企業、福祉、横断型で人材を増やしていくという中では、共通の物差しみたいな考え方も必要になってくるのではないかと思っています。何をもっていい障害者雇用を整えているのかとか、何をもって環境ができているとするのかというのが、お互いの主観で話をしてしまうとちょっと難しい場面もでてきてしまうかなという中で、今、うちの会社でも、もにす制度を申請しているのですけれども、あれをやってみてすごく勉強になったのですね。結構やっているかなと思っていたのですけれども、意外とここは整っていない部分があるのだなとか、ここは胸を張ってやっていますと言えるところなのだなみたいなものが客観的に自社を調べることができまして、そういった共通の物差しをもって福祉も企業も自分の会社が今どうなのかというようなところの話ができるといいかなと思いました。
あと、初めて取り組む企業さんにしてみれば、就労パスポートなどを使えば、障害特性の理解というのはこういうことが必要なのかなとかいうように、客観的に診断できる共通の物差しが企業にも福祉にも今後求められてくるのではないかなと思いました。
また、交流の場につきましては、他の委員の方からもたくさん意見が出ていましたけれども、学んで実践して、それを横展開していく場面は、コミュニティーだったり、交流の場だったりというのは、企業だけとか福祉だけで固まるのではなくて、またがって交流していく場面というのは絶対本当に必要だと思っています。またそこで経験値を増やして、次の支援に生かしていくというところは同意見です。
資料のほうにもまとめていただいておりましたが、最後のデータベース、データの件につきましては、詳しく記入していただいてありがとうございます。切れ目のない支援のためにはこのデータベースも本当に必須だと思っておりますので、こちらは継続して御検討いただけるとうれしく思います。
私からは以上になります。ありがとうございました。
○長谷川主査 ありがとうございました。
では、続けて御意見を伺っていきたいと思います。
佐藤委員、大丈夫ですか。ちょっと今ではないほうがいですかね。
では、先に長谷川委員からお願いします。
○長谷川アドバイザー ありがとうございます。LITALICOの長谷川です。よろしくお願いします。
今日で最後というところになりましたけれども、今日も含めて非常に有益な議論をさせていただけて感謝しております。
個人的に、珠子先生の仕切りがすごく癒やしの仕切り方だなと思っていて、毎回、珠子先生の仕切りに癒やされて、仕切り方が本当に優しさと誠実さに溢れる仕切り方で、おかげで議論も円滑にできて、妙にこのワーキング自体に一体感があるというか、団結感があるようなふうにまとまっているのも珠子先生のおかげだなと思っています。
先ほど資格化についての議論もありましたけれども、小野寺課長から大変力強いお言葉も伺えて、個人的にうれしく思っております。
最後も幾つか今日提案させていただきたいと思っているのですが、今回の共通研修の内容についてです。障害者の就労に役立つICTツールの基礎知識というものをぜひ内容に盛り込んでいただけないかと思っています。身体障害の方にしても、精神や発達障害の方にしても、様々な制約がある中で、障害のある方にこそICTツールというのはもっと有益に使えるのではないかと思っていますし、飛躍的に今、社会の中では様々なツールが誕生しているのですが、一方で、福祉の現場や障害者の就労の現場でまだまだ全然ICTツールというのはうまく活用されていないと思っていて、やはり障害者の就労を支える人材には、ICTツールの知識というのが僕は必要不可欠なものだと思っています。
以前、私が支援していた方で、入所施設で在宅で働いている脳性麻痺の女性の方がいらっしゃったのです。現地に行って本人と話していたら、首がすごく凝ってしようがないと。首が凝ってしようがないから一日これだけマッサージしてもらわないといけない。それで仕事の時間も削られてしまっていると本人が言っていて、何で首が凝るのということを聞いたら、彼女はデータ入力の仕事をしていたのですけれども、手がうまく動かせないのでヘッドギアをつけているのですね。ヘッドギアで棒をつけて、頭をこうやって動かしながらデータ入力の仕事をするというやり方だったのです。
そんな状態でやっていれば首もおかしくなるよねというような感じで、今は単純にアイトラッカーといって視線入力装置とかも安価なものがあるのです。そういうものがあるから、そういうのを使ったらと。一定の時間、1秒とか2秒とか視線を固定したら文字が入力できるという安価なシステムがあって、それを実際に使ってもらったのです。そうしたら、彼女はずっとそれまではふだんの日常もやはりそういう首の使い方をしているので、こう斜めになっている子だったのですけれども、アイトラッカーを使うようになったら姿勢が物すごくよくなって、パソコンを目で追いかけていくので、常にこういう姿勢になって、こんなに背が高かったんだとかいうことも驚いたりして、体の調子もちょっとよくなったということを本人がおっしゃっていて、このツールを単純に知っているかどうかだけだったのだと思うのです。
そういうふうに就労支援に使えるツールはいろいろあると思っていますし、最近、例えば在宅就労などもこれからますます増えてくと思っていますけれども、例えばオンラインでホワイトボードを共有化して書くようなツールもあったりしますし、人材育成という観点でうちの内部で使っているのは、ある種、支援の現場の動画を常に撮影して、その撮影した動画にコメントを自由に簡単に入れられるようなシステムを使っているのです。そうすると、完全にその場所に時間をともにしていなくても、スーパーバイザーが具体的にここでの声かけはおかしいよねとか、ここでもっと介入すべきだよねということを便利にやれるツールがあったりですとか、例えば最近、御高齢の就職の方も大分うちのほうでも増えつつあると思っているのですけれども、40後半とか50歳を超えると軽度難聴の人が結構多くなっているのです。実はコミュニケーションがうまくいかないというのも、聞こえづらいからうまくいっていないという方々がいて、一方で、そういう方が補聴器まで買いますかというと、補聴器はそもそも両耳そろえて30万、40万して高いというのもあって、しかも、補聴器までは必要ない。
安い集音器が実はあるのです。安価な集音器があって、そういう集音器をちょっと使うだけで実は聞こえが促進されて、コミュニケーションが円滑になるというようなこともあったり、例えば聴覚過敏で周りのがやがやした音が気になってしまって集中できないという人に、最近これはフランスの商品なのですけれども、目を向けた方向の音しか聞こえないという商品もあったりするのです。大半の音は全部シャットアウトして、目を向けた方向の音だけが聞こえるという商品もあったりして、これも結構安くあるのですけれども、そういうものがあることによって、発達障害の聴覚過敏の人が集中して働けるというツールにもなり得るとか、最近うちでまた入れているのが、VRを使っているのです。VRで職場体験実習をするとか、コミュニケーションのトレーニングをするというのも、これは結構なかなか使えていて、例えばコミュニケーション、VRで実際に店舗で接客するというのをコンテンツで持っているのですけれども、体験するとなかなか臨場感があるのです。人がどどどっと入ってきて、実際のリアルで体験するより怖いみたいな。それがある種、いい予行練習になって、実際の職場では不安があまりなくできたり、いろいろなツールがあるので、そういったものが障害者の就労の力になるように、今回の研修内容に含まれるといいのではないかなと思っています。
加えて、実際にそういうツールがたくさんあるのですけれども、全く認知が広がっていないというところが問題になっていて、これはよく文科省のほうでも同じように問題になったりもするのですけれども、エバンジェリスト的な存在が、福祉でICTを使うというエバンジェリストが厚労省の中にも自治体の中にもぜひ民間の人材などを活用して配置できたりすると、最新のツールはこんなものがありますよみたいな、こんなふうに使ってうまくいっているケースがありますよというようなエバンジェリストの方が普及活動できるような仕組みも併せてできると、テクノロジーの進歩が障害のある方にとっての力にもなっていけるのではないかなと思っています。
以上になります。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。
ICTツールとかは私もすごく疎いので、そういうものを知っている人は知っていて当然なのでしょうが、なかなかそういう知識を得る機会がないので、研修内容に盛り込むというのもとてもいいアイデアだなと思って伺いました。ありがとうございます。
では、次に、佐藤委員、いかがでしょうか。事務局から伺っているところですと、通信環境があまりよくないということで、リアクションが返ってくるのに時間がかかるかもということだったのですが。
○佐藤アドバイザー JEEDの佐藤です。すみません。本日はこちらの通信状態が悪くて、これまでの議論が把握できていないところがありまして、ちぐはぐな話になってしまったら申し訳ありません。
私のほうからは、資料1について意見が1点と、あと、感想、要望を1点お話しさせていただきたいと思います。
まず意見については、6ページの人材育成の実施主体についての2つ目の○の、民間機関を活用する場合、という文章に関してです。基礎的研修を全国一律に継続的に実施するためには、ボリュームを考えると、民間機関の活力は必須になりますが、その場合に複数の機関が実施主体となって行うことになりますので、記載いただいていますように研修の実施主体によって内容に偏りがないことに加えて、研修の質が一定水準以上に保たれているということが必要になるかと思います。内容と質の両面を厳格かつ慎重に認定する仕組みがとても重要になってくると思います。
そのために、2つ目の○の2行目の真ん中以降にある「また、実施主体により研修の質に差が生じないよう」という文言を、その前の文章の「認定の仕組み」のところに含めていただいたほうがいいのではないかと思います。意味合いとしてはそのようになっているのかなと思うのですけれども、明確にするために、そのようにしていただいたほうがいいのではないかという意見です。
その上で、私どもJEEDのほうは、質の担保もですが、どの地域においてもひとしく研修を受講できるようにセーフティネットとしての役割を果たしていきたいと考えております。
感想と要望については、ローマ数字5番の、人材確保について、というところです。先ほどもジョブコーチの資格化のことなどが話題になっていましたけれども、このワーキングを通しましては、就労支援人材の育成・確保について、特に分野横断的な基礎的研修の在り方や内容について、今後の検討の方向性や視点が一定程度整理されたと思います。ただ、一方で、以前の回でも申し上げましたが、人材育成には、研修の受講だけではなくて、組織の中で上位者から助言や指導を受けながら実務を通して学んでいくというプロセスが必要で、これがないと記載いただいているスーパーバイザーの育成というのもままならないと思います。
そのためには、5番に記載いただいている人材の確保、さらに定着の課題が最も重要になりますので、ここに、課題解決に向けての検討に必要な視点、論点をしっかりまとめていただき、大変ありがたく思っています。
これらは難しくて時間を要する課題ですが、今後も継続的に検討がなされていくことを期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。
特に1点目、整理案の修正については、事務局、いかがでしょうか。
○小野寺障害者雇用対策課課長 事務局でございます。
御指摘を踏まえまして、修正を考えたいと思います。ありがとうございました。
○長谷川主査 分かりました。
では、お待たせしました。髙谷委員、お願いします。
○髙谷アドバイザー 髙谷です。よろしくお願いいたします。
事務局の皆様、資料をまとめていただいてありがとうございます。今回、私は新しい意見ですとか資料についての意見というのは特にはないです。感想という形になります。
まず1つが、ジョブコーチの資格化ということについてです。資格化されていくことでいろいろな期待が今後できていくのかなと思います。今、定着支援事業の中でジョブコーチの養成研修を受けた方の加算とかいうものがあるのですけれども、今後、資格化されたときに専門職配置加算の中に養成研修を修了した方とか、上級の研修を修了した方がその対象になり得てくるだろうなと思いました。労働の職場適応援助者と福祉サービスの中で専門職として配置されることでというふうになることが、やはり分野横断的に就労と福祉とをつないでいけるキーパーソンになっていけるのではないかなと、さらになっていくのではないかなという期待が一つ。
それと、上級の研修を設けていただくことになって、スーパーバイズという言葉がいっぱい出ているのですけれども、地域のその企業と利用者さんのジョブコーディネーターというか、働くことをコーディネートしていく人が実践を積んでいる職場適応援助者の中から地域に出てくるということが、その地域自体の就労支援の質だとか福祉サービスの質を向上していくだろうということで、すごくここに期待を感じながら、このワーキングの話を聞いておりました。
今後も継続的に親会とかのほうで議論がされていくと思います。その結果をとても楽しみに期待してということで、私のほうはこれで終わらせていただきます。皆さん、お疲れさまでした。ありがとうございます。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。
皆様から大体御意見いただいたかと思います。最初に田川委員から相談支援員やサービス管理責任者のことについて御意見を伺っていて、また後で議論ができえばというふうに言っていたかと思うのですが、このワーキンググループでも、やはりサービス管理責任者や相談支援員の人たちも就労のことをちゃんと分かっておいていただきたいという思いは強かったと思いますし、あと、親会からもそのような御意見をいただいていますので、可能な範囲で論点の整理のまとめの中に、そういったワーキンググループとしての思いも分かるような形で、就労に関する研修とかがそういう人たちには非常に重要なのだということを書き込めるような形でまとめていってはどうかなと私自身も思っているのですけれども、いかがでしょうか。
さらに加えて、資料2のイメージ図の中にサービス管理責任者については一部書いてあるのですけれども、相談支援員については図の中にも入ってきていませんので、例えば欄外というのでしょうか。図の下のところとか、米印とかでも構わないので、相談支援員についても将来的に重要な課題であるとか、そういったことを一言加えていただくのはどうかしらと思うのですけれども、いかがでしょうか。
ありがとうございます。
事務局、その辺りはどうでしょうか。
○小野寺障害者雇用対策課課長 事務局でございます。
御指摘を踏まえて、親会からの御指摘もございましたので、まず、本文中の6ページに、各専門人材の育成についてということでサビ管と相談支援専門員についても記載がありますが、もう少し具体的に就労支援の専門性を身に着けるといったようなこととか、いただいた文言について書き加えられるかということを検討することと、併せまして、今、主査から御指摘のあった資料2のほうの部分につきましても、今回のイメージ図には基本的に相談支援専門員は追加しないということで一旦おまとめいただいておりますけれども、繰り返し御意見がありましたので、欄外のほうに記載をしたいと思います。
以上でございます。
○長谷川主査 ありがとうございます。今後につながることになるのではないかと思います。ありがとうございました。
ほかに御意見、御質問はございませんか。
では、本日出ました意見を事務局と私のほうでさらに検討させていただきまして、取りまとめした上、連携強化に関する検討会、親会のほうに報告をさせていただきます。そういった形で今後進めさせていただきますが、よろしいでしょうか。
どうもありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
最後、議題2として、その他、何か事務局からありますでしょうか。
○小林障害者雇用対策課課長補佐 特にございません。
○長谷川主査 分かりました。ありがとうございます。
これで本日の議論は終了となります。障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会、第4回障害者就労を支える人材の育成・確保に関するワーキンググループは終了とさせていただきます。
最後に、事務局から連絡事項がございましたら、お願いします。
○小林障害者雇用対策課課長補佐 事務局でございます。
それでは、これをもちまして、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会、障害者就労を支える人材の育成・確保に関するワーキンググループを終了とさせていただきます。皆様、積極的に御参加をいただき、御議論をいただきまして、誠にありがとうございました。
また、4月以降に障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会、いわゆる親会のほうの開催を予定しているところでございます。親会におきましては、各ワーキンググループでの議論を踏まえて、親会としての報告書を取りまとめていく予定でございますので、皆様方におかれましても御承知おきいただければと思います。
以上でございます。
○長谷川主査 ありがとうございます。
最後に私、何かしゃべってもよいと言われているので、一言、皆様にお礼をお伝えしたいと思います。
まず、ほかの委員の方々からもありましたけれども、この間、事務局は3つのワーキンググループを回しつつ、親会もあり、分科会も双方であったりと、本当にお忙しかったと思います。そういった中で、すごくしっかりと私たちの意見を整理していただいて、本当に感謝をしております。どうも本当にありがとうございました。
先ほど長谷川委員のほうからうれしいお言葉をいただきましたが、本当に不慣れな中でたどたどしい主査で大変申し訳ありませんでしたが、皆様の非常に温かな視線のおかげで何とかやってこられたかと思います。議論自体、非常によく、しっかりできたのではないかと思っておりまして、そのおかげで大きな枠組み、大きな方向性を示すことができたと思っております。今後も検討しなければならないところはたくさんありますし、研修の内容ですとか、さらに上に積み上げていくものをどうしていくかということ、それぞれ調整等も必要になってくるかと思います。その際には皆様のように、まさに現場で就労支援に関わっていらっしゃる方々ですとか、まさにこの分野を研究なさっている先生方の研究成果とか、そういったものが非常に貴重になっていくと思いますので、今後とも引き続き一緒に検討していきたいと思いますし、またこういった場があったときには、その際もよろしくお願いします。
短い間でしたけれども、本当にありがとうございました。親会でしっかりこのワーキンググループの意見を伝えていきたいと思います。ありがとうございます。(拍手)
またいつか、いろいろな場面でお会いできると思いますので、その際にはまたよろしくお願いします。