第39回 社会保障審議会生活保護基準部会 議事録

日時

令和3年6月25日(金) 13:00~15:00

場所

AP虎ノ門3階I+J室
(東京都港区西新橋1-6-15NS虎ノ門ビル)

出席者(五十音順)

議題

  • 生活保護基準における級地区分の検証について(案)
  • 家庭の生活実態及び生活意識に関する調査について
  • その他

議事

(議事録)

■小塩部会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第39回「社会保障審議会生活保護基準部会」を開催いたします。
 事務局より本日の委員の出欠状況と資料の確認をお願いいたします。また、オンラインで出席されている委員の方がいらっしゃいますので、会議での発言方法等についても改めて御説明をお願いいたします。
■大熊社会・援護局保護課長補佐 大熊です。よろしくお願いします。
 本日の委員の御出席状況でございますが、全ての委員に御出席をいただいております。なお、岩井審議官及び高橋総務課長は、公務のため欠席となっております。
 なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、本日は一般の方の傍聴は御遠慮いただいており、報道機関の方のみの傍聴とさせていただいております。
 宇南山先生については、遅れるという御連絡をいただいております。
 議事録につきましては後日ホームページに掲載いたしますので、御承知おき願います。
 続いて、本日の資料ですが、議事次第に続きまして、資料1「生活保護基準における級地区分の検証について(案)」、資料2「家庭の生活実態及び生活意識に関する調査について」、資料3「今後の生活保護基準部会のスケジュール(案)」、参考資料1「被保護者調査の結果(令和3年3月分)」、参考資料2「生活保護基準における級地制度に係る調査研究等一式」となっております。
 資料に不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。
 会議の進行に当たっては、お手元の資料を御覧になりながら御参加いただければと思いますが、事務局からの資料説明の際には、Zoomの画面上も資料を表示するようにいたします。
 また、会議中、発言を希望される際は、カメラに向かって挙手をお願いいたします。部会長の指名を受けた後、マイクのミュートを解除して御発言いただき、御発言終了後は再度マイクのミュートをお願いいたします。
 それでは、これからの議事運営につきましては、小塩部会長にお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。
■小塩部会長 分かりました。ありがとうございます。
 それでは、カメラ撮影の方がいらっしゃったら、御退室をお願いいたします。
 それでは、本日の議事に入りたいと思いますが、前回と同様、渡辺委員にも議論に参加していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最初に、事務局から資料1「生活保護基準における級地区分の検証について(案)」の御説明をお願いいたします。
■大熊社会・援護局保護課長補佐 資料1「生活保護基準における級地区分の検証について(案)」を説明します。
 1ページです。まずは「1 級地区分の検証に係る検討課題」です。
 2ページです。「(1)級地制度の概要」です。1つ目の丸です。生活保護制度においては、生活保護法第8条第2項に基づき、地域における生活様式等の違いにより生活に要するに費用に地域差が生じることを踏まえて、各地域において同一の生活水準を保障する観点から、級地制度という形で基準額の地域差を設けています。
 2つ目の丸です。現行の生活扶助基準の級地間の較差については、一般低所得世帯の消費実態を踏まえて設定されています。
 3ページです。「(2)級地区分の検証の必要性」です。1つ目の丸です。現行の級地区分については、昭和62年に見直しを行って以降、約35年間市町村合併による上位級地への統合以外の見直しは行われていないところです。
 2つ目の丸です。一方、地域における生活水準の実態は、当時から変化しており、自治体等からも級地区分の見直しについての要望があります。
 そのため、実態を把握し、級地区分の見直しを検討する必要があるものとなります。
 自治体等からの要望については点線枠内に列記させていただいています。これを次のページにわたって挙げさせていただいています。
 5ページです。「(3)級地区分の検証に係る課題」です。これは級地区分の検証に関する生活保護基準部会の検討課題として、前回4月27日に整理したものを再度掲載しているものとなります。
 「マル1、級地の指定単位」についてです。現行の指定単位が市町村単位であることについて、実際の生活の営みが行政区域にとどまらないことを踏まえ、指定単位の妥当性を検証する場合、どのような方法が考えられるか。
 ということで、こちらは平成29年の基準部会報告書の指摘を受けての課題となりますが、点線枠内「検討にあたっての留意事項」にあるとおり、市町村単位よりも細かい地域区分での利用可能な統計データは限られる可能性があること。制度運用や級地の指定単位を現行の市町村単位から細分化等を行うことは、各自治体におけるそれらの具体化の難しさや、制度運用がさらに複雑になること、現状の運用等を踏まえれば現時点では困難と考えられることから、今回の検証に当たっては市町村単位での分析とさせていただいています。
 マル2以降が今回分析をしている内容となります。「マル2地域の生活水準を示す指標についての検討」、「マル3地域の階級数について」、6ページの「マル4各市町村の級地区分の指定について」となっていて、この検討課題マル2からマル4に関する御議論に当たっては、令和2年度に実施した委託事業、「生活保護基準における級地制度に係る調査研究等」の報告を踏まえ、これ以降、具体的な方法の案を説明させていただきます。
 7ページです。参考2として前回昭和62年(1987年)の級地制度の見直しの概要。
 下の参考3は、過去と現在の生活扶助基準における級地較差をグラフで示させていただいております。
 8ページです。「2 地域の生活水準を示す指標についての検討」ということで、昨年度実施した調査研究事業の報告となります。
 9ページです。「(1)地域の消費実態に関する回帰分析」です。1つ目の丸です。消費実態の分析に当たっては、「全国消費実態調査」のデータを用いますが、当該調査において十分なサンプル世帯数のある市町村は一部に限られることから、前回昭和62年(1987年)の級地制度の見直しの際と同様に「生活扶助相当支出額」を被説明変数とする重回帰分析を行い、その結果を用いて、サンプル世帯の抽出のない市町村も含めた全市町村の消費実態を分析することとします。
 次の丸です。ここで説明変数には、消費支出の地域差に影響を与えると考えられる因子である地域要因に関する説明変数に加えて、前回見直し時の重回帰分析では考慮されなかった「人員数・年齢構成・収入等の世帯単位の因子が世帯支出に及ぼす影響」をコントロールする観点から、世帯要因に関する説明変数を投入します。具体的な回帰式としては9ページで示しているものを採用することとします。
 10ページは回帰分析の結果となります。
 11ページです。「(3)理論値の算出」ということで、導出された回帰式を用いて、世帯要因には全国消費実態調査における全国平均値を代入し、地域要因には各市町村の値を代入することで、各市町村における「平均的な世帯に係る生活扶助相当支出額の理論値」を算出します。具体的な計算式については11ページに示されているものとなります。
 なお、点線枠内にあるとおり、調査研究事業においては、「この回帰式を採用することにより、入手可能な公的データに制約がある中にあって、分析手法が大きく改善されたと考えられる」と評価されているところです。
 次に、「3 級地の階級数について」です。こちらも基本的に昨年度実施した調査研究事業の報告となります。
 13ページです。「理論値に基づく階層化」です。級地の階級数の妥当性の検証に当たっては、まず先ほど算出した理論値を用いて次の2つの方法により市町村の階層化を行います。
 手法1として「クラスタリングによる階層化」です。これは理論値の分析の粗密に応じて、各階層内でのバラツキを小さくするように階層を設ける方法です。そのバラツキを見る際には各市町村の人口規模を勘案しています。
 手法2として「閾値を等間隔に設ける階層化」です。これは同一区分内での理論値の差を大きくしない観点から、閾値を等間隔に設ける方法となります。ただし、最上位階層と最下位階層は階層数をN区分とする場合、それぞれの人口規模が全体のN分の1になるように設定します。
 14ページです。「(2)階層間較差の分析方法」です。1つ目の丸です。今、御説明しました各階層化の結果について階層間較差を分析することを考えます。これに当たって回帰分析を行います。具体的には、「生活扶助相当支出額」を被説明変数として、2(1)、9ページで用いた人員数・年齢構成・収入等の世帯要因に関する説明変数に加えて、地域要因の代わりに各階層に係るダミー変数を投入する重回帰分析を行います。この回帰分析結果のうち、各階層に係るダミー変数についての結果の評価を行うというものです。
 次の丸です。例えば6階層に区分し、第1階層を基準として階層間較差を分析する場合には、14ページに示すような回帰式を用います。
 15ページです。階層間較差を分析結果として、ここから2つお示しします。
 1つ目として、「(3)最大較差の分析」です。1つ目の丸です。級地の階級数についての検証の一つとして、級地を6区分に細分化した昭和62年(1987年)当時における級地間の較差と比較して、現在でも相当程度の地域較差が認められるかという検証を行うこととします。
 2つ目の丸です。これには「クラスタリングによる階層化」及び「閾値を等間隔に設けた階層化」、それぞれの手法により6区分に階層化した場合に、階層間の最大較差が1987年当時の基準額の級地間の最大較差と比べて小さいか否かを検定するという方法を用います。
 3つ目の丸です。この分析を行った結果が下のグラフとなりますが、いずれの階層手法を用いた場合も、階層間の最大較差が1987年当時の基準額の級地間の最大較差と比べて有意に小さいという結果となっています。
 16ページです。2つ目として「(4)隣接階層間の較差の分析」です。1つ目の丸です。次に、級地の階級数を幾つに設定することが妥当かという観点から、「クラスタリングによる階層化」及び「閾値を等間隔に設けた階層化」の各手法で階層化を行った場合の隣接階層間の較差についての分析を行うこととします。
 2つ目の丸です。これには、各階層化手法について、階層数を6区分から減らしていった際、隣接階層間の較差の有意性を検定するという方法を行います。
 この分析の結果、「クラスタリングによる階層化」による場合の結果が下の表となります。階層数を3区分まで減らした際に、初めて全ての隣接階層間で有意な較差が認められます。一方で、「閾値を等間隔に設けた階層化」による場合の結果表は次のページとなりますが、こちらも4区分まで階層数を減らしても隣接階層間に有意な較差が認められない箇所が生じるという結果になります。
 17ページです。「閾値を等間隔に設けた階層化」による場合の結果表です。下の点線枠囲みに記載されているとおり、調査研究事業においては、こうした結果を踏まえ、「級地の階級数を3区分程度まで減らすべきではないか」と評価されているところです。
 18ページです。「(5)市町村規模を勘案しないクラスタリングによる階層化」としていますが、調査研究事業では、「クラスタリングによる階層化」に関して、各市町村の規模を勘案しない場合にいくつかの課題が生じたことから、先ほどのとおり、市町村規模を勘案したクラスタリングによる階層化を行い、その結果についての分析を行ったところです。
 2つ目の丸です。ここでは市町村規模を勘案しないクラスタリングによる階層化の結果についても、「(3)最大較差の分析」と「(4)隣接階層間の較差の分析」を同様に行いました。
 19ページです。1つ目の丸です。階層間の最大較差についての分析は、1987年当時の基準額の級地間の最大較差と比べて有意に小さいという結果になりました。
 2つ目の丸です。また、隣接階層間の較差についての分析では、階層数を3区分まで減らした際に、初めて全ての隣接階層間で有意な較差が認められ、いずれも他の階層化による場合と同様の結果が得られたところです。
 次に、「4 各市町村の級地区分の指定について」です。
 21ページです。個別の市町村の級地区分の指定についての検証ですが、ここでは議論のポイントが少し変わるので、その前提から御説明します。「(1)検証の前提」です。ここまで級地の階級数について統計的には3区分程度にまで減らしたほうがよいのではないかという話をしてきましたが、1つ目の丸です。級地の階級数が3区分となる場合には、前回の見直しから30年以上たっていることや、各自治体に居住する生活保護受給者等への影響等を考慮する観点。また、前回の見直しでは既存の級地内で区分した経緯なども踏まえ、今回最も現実的に考えられる選択肢として、基本的には1~3級地の各階級数の枝番を廃止して統合されることを想定します。
 2つ目の丸です。この統合後に前述の理論値に基づく階層化結果として現行級地(例えば1級地)とは異なる級地に属するべきとの結果(例えば2級地)が出た市町村について、指定をそのとおりに見直すべきかという観点から検証を実施します。
 「(2)検証手法」についてです。検証に用いる階層化結果についてですが、「閾値を等間隔に設ける階層化」は、階層数を3区分以下に設定することはできないため、「クラスタリングによる階層化」及び「市町村規模を勘案しないクラスタリングによる階層化」により3区分に階層化した結果を用います。
 22ページです。具体的な検証手法としては、各市町村について、「当該市町村の理論値」と「現行級地に対応する階層の平均値」との差の有意性を検定する方法を用います。検定に用いる式は22ページに示しているものとなります。
 23ページです。「(3)検証の結果」です。各市町村についてこの検定を実施したところ、いずれの階層化結果を用いた場合にも、いずれの市町村についても有意な差が認められず、統計的には「理論値を用いた階層化結果に照らして、現行の級地区分の指定を見直すべき」という結論は得られなかったところです。
 ただし、下の米印ですが、統計上の解釈として、この結果をもって「現行の級地区分の指定を見直す必要がない」という結論には当たらないことに留意が必要である旨、記載させていただいております。
 次に、「5 分析結果のまとめ」です。
 25ページです。今回の分析結果として、1つ目の丸です。地域の生活水準を示す指標についての検討に関しては、地域の消費実態に関する回帰分析として、「人員数・年齢構成・収入等の世帯単位の因子が世帯支出に及ぼす影響」をコントロールする観点から世帯要因に関する説明変数を投入した回帰式を採用すること等により、入手可能な公的データに制約がある中にあって、分析手法として改善したこと。
 2つ目の丸です。級地の階級数に関しては、生活扶助相当の消費支出の地域較差は、現行の6区分となった昭和62年(1987年)当時の基準額の級地間較差と比べて小さく、また、級地の階級数を4区分以上とした場合には、隣接級地間で有意な較差が認められない結果となったこと。
 3つ目の丸です。各市町村の級地区分の指定に関しては、いずれの市町村についても、統計的には「理論値を用いた階層化結果に照らして、現行の級地区分の指定を見直すべき」という結論は得られなかったこと。この3点についてまとめとしたいと考えております。
 最後に、「6 その他」です。
 27ページですが、こちらは前回4月27日の基準部会で御指摘のありました点について触れているものです。「(1)本検証結果の取扱いについて」です。1つ目の丸です。基準部会における検証は、客観的データに基づいた統計的な手法による分析を行ったものとなります。
 2つ目の丸です。この検証結果を踏まえて、厚生労働省において個別の市町村の級地の在り方を判断していくに当たっては、市町村の個別事情等を十分踏まえて個々に検討を行うこととなります。
 「(2)第38回生活保護基準部会での指摘事項」です。過去の平成25年改定及び平成30年度改定において生活扶助基準の級地較差の見直しを行ったことについて、その影響を把握することも重要であるという指摘があったところです。
 こちらに関しては、「マル2、分析方針(案)」として、級地較差の見直しは、生活扶助基準の全体の改定の中で行っているものであり、一義的には当該影響のみを取り出して把握できるものではないことから、今後、過去の生活保護基準見直しの影響分析を行う中で分析・評価する方法の有無を含めて議論することとさせていただきたいと考えております。
 28ページ以降は、昨年度実施した調査研究事業の概要となります。
 資料1に関する説明は以上となります。
■小塩部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、今、説明していただいた級地区分の検証について、委員の方々の御意見を伺いたいと思います。今の資料を改めて拝見いたしますと、初めに級地区分の検証に係る検討課題が整理されてありまして、その後、今回どういうアプローチを取ってこの問題を検討したかということが説明されました。その後、級地の階級数を現在の6から3にすることについての議論の資料が提出されております。最後に級地区分の指定についての資料がつけられています。
 まず、最初の1と2について、何か御議論がありますでしょうか。最初の基本的な検討課題、アプローチの仕方について何かコメントがあればということです。山田委員、お願いいたします。
■山田委員 詳細な御説明をありがとうございました。
 前回欠席した点もございまして、お伺いしたいのですけれども、この資料の全体の取扱いなのですが、27ページに少し書いてあるので、質問が前後してしまうのかもしれませんが、このスケジュール感というのはどうなっているのかということです。2022年の「報告書とりまとめ」というのが資料3のスケジュールにあるのですけれども、それのとりまとめを踏まえ、級地見直しというスケジュールなのか、それとも27ページを見ると、そこら辺が曖昧なのですが、2022年の「報告書とりまとめ」以前に何か決定されると。新しい級地が決定されるということなのかどうか。そのスケジュールについて、まずお伺いできればと思います。なぜお伺いするかというと、それによって今日の議論をどこまで詰めればいいかということにも関わりますので、まずはその点をお伺いしたいと思います。
■小塩部会長 それでは、今、山田委員から御質問がありましたけれども、この資料の扱い、スケジュールと関連づけて改めて説明していただきたいと思います。
■森口社会・援護局保護課長補佐 まず、スケジュールについてですが、本日御議論いただいた内容を踏まえまして、来年の12月を待たずに、級地の見直し、今後の級地区分がどうあるかということを厚生労働省のほうで検討していくことを考えているところでございます。
 本日の議論、この資料、そして検証内容の取扱いについては、級地の区分に関しての検証として統計的に技術的に言えるようなことを、この場でこういう方策があるのではないかということを整理していただいて、それを踏まえた上で、実際に個別の級地の在り方について検討していくに当たっては、厚労省のほうで各自治体の個別の事情を勘案しながら検討していくということとなっているということでございます。
 今日行った検証内容がどのように報告書に反映されるかという点に関しましては、色々な検討課題がそうなのですけれども、検討課題についてそれぞれのテーマで議論されて、最終的に報告書の中では、初めのほうから最後までの色々なポイントについて取り上げて報告書がまとまるという形になりますので、実際に報告書にまとめられるのは、来年の12月をめどと考えておりますが、級地に関する議論がずっと来年の暮れまで続いていくかというと、そういうことは想定していないという取扱いでございます。
■小塩部会長 山田委員、お願いします。
■山田委員 御説明ありがとうございます。
 私、基準部会に10年間参加させていただいて、これは委託事業だと思うのですが、その結果を部会資料として踏まえて、そして報告書が出る前に何か、要するに、来年12月を待たずに級地の在り方について厚生労働省で検討ということだったのですけれども、そのような順番で検討するというのは初めてだと思うのです。記憶違いであったら、ぜひ御指摘いただきたいのですけれども。
 これまでやってきたこととしては、例えば基準部会の下に専門チームを設けて、何度も親部会であるこの基準部会で議論し、そして報告書を取りまとめ、その後に具体的に厚生労働省内で検討するということが一般的だったと思うのですが、今回、来年の12月の報告書を待たずに、これを踏まえて検討を始めると。異なる決め方、もしくは非常に急いでいるように見えますが、その理由を事務局から御説明いただければと思います。
■小塩部会長 では、説明していただけますでしょうか。
■大熊社会・援護局保護課長補佐 今日の基準部会で統計的な検討をしていただいて、それを踏まえて厚生労働省で個別に自治体の状況を聞かせていただくのにかなり時間を要すると考えておりまして、そのスケジュールも踏まえて今回統計的な検証についてはお諮りさせていただいているというところです。
■小塩部会長 よろしいですか。どうぞ。
■山田委員 そうしますと、最初の質問に戻りますが、今日で一応技術的な検討を終えるというのがスケジュールなのでしょうか。というのも、資料3を拝見すると、級地区分の検証というのが6月までになっていて、今日は6月25日ですので、もう6月も終わりということで、40年近くぶりに級地見直しをされるということにもかかわらず、1回ほどしか議論しないということになるかと思うのですけれども、そこまで急ぐ理由というのがまだ分かりかねておりますので、申し訳ありませんが、もう一度そこの点について、なぜ6月1回ほどで、もしくはまだ2回、3回とやるのかどうかというのをお教えいただければと思います。よろしくお願いします。
■小塩部会長 お願いします。
■森口社会・援護局保護課長補佐 その考え方ですけれども、今後この生活扶助基準の検証等をしていくに当たって、実際にその級地区分がどうなっていくかということをある程度前提にして議論を進めていただきたいという部分がございまして、その中で、それを前提に来年度末までに議論しようという話になってきます。来年の検証の結果を踏まえて、どういう見直しをしていくかという議論の中で、級地がどうなっていくかということを併せて考えていこうとすると、先ほど大熊から申し上げましたように、自治体との調整等にどうしても時間を要する部分がございますので、この部分についてはちょっと先立って動き出すことによって、最終的にそれらを併せて見直しをどうしていくかということにつなげていきたいと考えているため、この部分だけ先立ってここで議論するという形を取らせていただいているものでございます。
■小塩部会長 お願いします。
■大熊社会・援護局保護課長補佐 もう一点、今回級地については長年の課題だというのはあるのですけれども、調査研究を何回かさせていただいていて、前年度もさせていただいたので、そういった形で検討は重ねてきているというような位置づけというふうにも考えられていると思っています。
■小塩部会長 山田委員、いかがでしょうか。
■山田委員 何度も申し訳ありません。基準を決めるためには級地を先に決定する必要があるという御説明だったのですけれども、基準を決めるのはかなり先なわけです。もう一度教えていただきたいのですが、なぜこの1回で。1年以上先に決めるにもかかわらず級地をセットしてしまうのか。そしてまた後の議論でこれも議論させていただきたいのですけれども、実は級地を決めるというのと基準を決めるというのは分かちがたい部分があるのです。これは後で御説明を差し上げますけれども。
 ですから、今、級地をかちっと決めてしまうと、また後のほうで出てきますが、級地の枝番を取るというようなことをすると、実は基準額のほうの議論が縛られるというのがありまして、なぜ急ぐのかということについては、確かに自治体と話し合わなくてはいけないということは理解できたのですけれども、この1回で話すという理屈としてはちょっと分からなかった部分もあるので、それを指摘して。すみません。何度も私だけが発言するのは問題かと思いますので、一応そういうテイクノートということで、コメントさせていただきたいと思います。
■小塩部会長 ありがとうございます。
 この件については、岡部委員、御意見があると。
■岡部委員 岡部です。
 手続の話は一定検討する必要があるかと思いますが、ここでは級地に関しては3点ほど述べたいと思います。
 1点目は、山田委員もおっしゃられたように、35年ぐらい級地の変更がされてこなかったという事実がございます。その後、社会の進展によって人々の生活様式が大きく変わり、生活の実態も変化してきています。その中で今回級地の検証を進め統計データが出されたということは大変意義があると思っております。これが1点目です。
 2点目になりますが、この領域に長く携わっている人間ですので昔の話をしますが、昭和21年に地域区分を設定しています。これは人口規模に応じて自治体区分を設定して、その基準額を決めていくという考え方を取っていました。その後、何回かその方向で進んできたのですが、これは、人口規模と地域との実情に応じて自治体単位で決めてきたということだと思います。それに加えて新たに世帯要因を入れて検証したということは、より精査したといえるのではないかと考えます。
 3点目は、今も何回かお話が出ましたが、検証結果を踏まえて個別の市町村の級地の在り方を判断するということですが、これは平成の大合併によって町村が市に編入されて、自治体が相当広域化しているということがあります。自治体個々の関係者からのヒアリング、あるいは何らか別の方法でも結構ですが、検討していただけないかと考えます。同じ級地でも相当幅があるということもありますので、その点は前回もお話をしたとおり重ねてお願いします。
 なお、冒頭に山田委員がおっしゃられたことは、ある意味では大事な指摘でもございますので、各委員の方からも御意見があるのではないかと考えております。
 今の御説明を受けての私の意見、感想と取っていただければよいと思います。
■小塩部会長 岡部委員、ありがとうございました。
 この件について、ほかの委員から御意見ございますか。渡辺委員、お願いします。
■渡辺委員 級地指定を約40年ぶりに見直すということで、毎回の検証とは違ったところが入ってきていると承知しております。
 山田先生が御指摘された事項ですけれども、資料3を見ますと、※1に「本スケジュール(案)は」ということで、「案」なのですね。今後の議論の状況等を踏まえて変更あり得べしと留意が書かれております。部会は、客観的な検証や専門的な知見に基づいて議論をすることになっていますが、級地に関する議論が1回の部会だけでは不十分ということになれば、スケジュールの変更はあり得べしと理解しておりますし、客観的な検証を担保できる回数で級地の見直しの議論をしていくのだと理解しているのですけれども、その理解でよろしいでしょうか。
■小塩部会長 事務局からありますか。
■森口社会・援護局保護課長補佐 その理解で相違ございません。
■小塩部会長 栃本委員からお願いします。
■栃本部会長代理 4月から始まったこの部会で第1回目が始まったわけですが、今日の資料、今、議論している「生活保護基準における級地区分の検証について(案)」の一番最後のところに、言うまでもなく今日の事務局からの説明の基になりました調査研究事業の概要というのがありまして、まさに今回の審議会のメンバーの多くの方々が参加して議論を重ねられたと私は外からは想像しています。
 したがって、ゼロベースで出発したということではないわけです。なるほど、先ほど渡辺委員も話されていましたけれども、今日で全部決めなければいけないということではないにしろ、44ページ目の委員の方々が加わって議論、特に専門的な観点から議論されているわけですし、その専門的な議論をされ報告をされた委員の方は今日リモートで参加しているわけですから先生方にも御意見を頂戴したいぐらいなのですが、御心配の、今日これで決まったから、これでおしまいですよということはないにしろ。なにも今回初めて議論すると言ってもその前に今回報告がありましたような検討が現委員も加わった形であったということです。事務局が急に出してきたというものではないです。
 それともう一つ、先ほど岡部先生が3点挙げられましたが、3つ目のところで、平成の大合併によって、ある意味では上のほうに張りついたというか、そういうものもあり、ところが、それに対して、先ほどの時間の関係だと思うのですけれども、今日はいきなり級地の検討に当たっての技術的な事柄から説明されましたが、それの前振りのところで市長会であるとか自治体からの色々な要望があったというのは、多分に感性論だけではなくて、自治体からの実態から見た御懸念であるとか御意見であると思いますし、当然のことながら厚生労働省の担当課は、要望が出た自治体については現実の実態を御覧になっていると思うのです。
 岡部先生が話された3番目の部分、級地の指定を変えるということについて、先ほど3番目のところで自治体と厚生労働省が議論しながら進めなければいけないので、それをぜひお願いしたいということでありましたけれども、まさに今回の級地の見直しであるとか、6区分が3区分でいいのかどうかということについては、3区分の妥当性というものについては、先ほど来、検討の結果というものからかなりの妥当性というか、そういうのがあるということですので、今日必ずしも全部決めなくてもいいと思うのですけれども、今日新委員として着任された方も含めて議論されたものを踏まえてのことですので、それも当たり前ですが、貴重な分析をしていただいたわけです。それらを踏まえて議論を重ねていく。ただ、山田先生が今日かどうか分からないけれども後ほど話をされるでしょう。これが先に決まってしまうと、生活扶助のこれにもすごく反映するのだということについては、後日別の形で御発言いただきたいと思います。これはこれでいいのではないですか。
 以上です。
■小塩部会長 ありがとうございます。
 これからの進め方について先生方の御意見を伺いました。
 今日で全部決めるというわけでは決してございませんので、できるだけ今日先生方の御意見を伺って、大まかな方針を固めた上で、必要に応じて議論すべきことは改めて議論していきたいと思っております。
 では、具体的に先生方の御意見を伺いたいと思うのですけれども、まず6区分を3区分にすることについての是非、これについて先生方の御意見を伺いたいと思います。では、山田委員、お願いできますか。
■山田委員 小塩先生、1から3までに関する議論ということで。
■小塩部会長 はい。そのうちの級地の階級数についてというところです。
■山田委員 3までということですね。
■小塩部会長 3について。
■山田委員 分かりました。
 実は4も関わるので、4についてもちょっと話してもよろしいでしょうか。
■小塩部会長 はい。
■山田委員 まず1点、クラスター数が3つということについて、4で、具体的には21ページに「今回最も現実的に考えられる選択肢として、基本的には1~3級地の各階級の枝番を廃止して統合されることを想定する」と書かれているのですが、まず3つということの議論を始める前に、この4については委託事業では入っていなかったと理解しておりますので、念のため誰が最も現実的と考え、誰が想定しているのかというのをお答えいただければと思います。それをお聞きしてから、枝番をこういう形でまとめていいかということについて、私の意見を差し上げたいと思います。お願いします。
■小塩部会長 では、今の御質問について事務局から御回答ありますか。
■森口社会・援護局保護課長補佐 まさにこれは厚生労働省の考えとして、実際にその制度を運営していくに当たって、ここに書かせていただいたような過去からの経緯や制度のたてつけということを踏まえまして、ここに至るまでの委託研究で成果が得られた6区分から3区分という話を受けて、仮に3区分という結論を取った場合に、現実的に制度的に実際にそこに生活する人たちに最も影響が少ないような方法で統合する場合には、これが現実的ですということで、我々どものほうで考えて、ここで検証の前提として挙げさせていただいているものでございます。
■小塩部会長 よろしいですか。
■山田委員 はい。
■小塩部会長 では、そのご理解の上で、3区分についての意見をいただく。
■山田委員 枝番をなくして3区分というのは厚生労働省の考え方で、委託事業の考え方ではないということを明確にさせていただいた上で、前提としては3程度ということで、必ず3つにしなくてはいけないと委託事業では述べられているわけではないということです。
 あと、クラスター数が3つ程度というのと、それから級地の枝番をなくすというのは、実際には論理としてはつながっていない。枝番をなくすというのは、厚生労働省の立場としてそれが最もよいということで判断されていますが、実は色々な分け方がある。
 色々な分け方についてちょっと考えていきたいと思います。例えば13ページを見ていただくと、右側に現行級地の市町村数、一番左側にクラスタリングにより階層化された市町村数があります。13ページの人口重みづけのあるクラスタリング分析では、現行の1級地1のうち、市町村数で見て、58市町村あるのですけれども、たった7市町村しか第1位階層、新1級地1に分類されないわけです。
 これは人口比、参考資料2の31ページにあるのですが、おめくりいただくと時間がないので、そのエッセンスだけを御紹介しますと、人口比で見て第1位階層に分類される1級地1の人口はおよそ半分にしかなりません。1級地1の残り半分の人口というのは、実は第2位階層に分類されてしまう。つまり、第1位階層と第2位階層を足したものが現在の1級地1と重なる部分が大きい階層になります。
 16ページを御覧いただくと、第1位階層と第2位階層に1級地1の多くが入ってくるわけですけれども、この第1位階層と第2位階層というのは差がない。ただ、第2位階層と第3位階層では統計的に有意に差がある。だから、ここでミシン目を入れるということが一つ考えられます。
 18ページには人口重みづけのないクラスタリングの結果も出ています。こちらでは現行1級地1のうち、市町村数で見て、58市町村あるうち、多くの市町村がここでは第1位階層に分類されます。人口比で見ても、これは参考資料2の31ページを見れば出るのですけれども、時間がないので後で御覧いただくことにして、人口比で見ても第1位階層に分類される1級地1、現在の1級地1の人口は約8割以上です。つまり、現在の1級地1のほとんどが第1位階層に重なることになります。ですから、同じ第1位階層、第2位階層と出ていますけれども、実は見ているものが違うということです。
 さらに、19ページの左側でみると、第1位階層と第2位階層の間に切れ目が入る。統計的に有意だというのが出ているわけです。
ですから、実際のデータ分析からは、1級地1と1級地2は異なるということは言えそうだと解釈されますが、そうすると、枝番で1級地1と1級地2を統合するというのは、必ずしもミシン目の入れ方として正しいのか。これは慎重に考えたほうがいいというのが私の意見になります。
 そして、人口重みづけのないクラスタリングの問題点ということで、18ページの青く色分けされたところで問題点が指摘されているわけです。ただ、市町村規模を勘案しないという、このクラスタリングは、1級地1と第1位階層の重なりが大きいクラスタリング方法です。これについて何が問題があるかということで、2点書かれているのですけれども、「各市町村について、規模によらず同一の重みづけがなされる場合、行政区分の設け方の違いが、他の市町村を」ということで、東京特別区の議論があるのですが、そもそも23区をばらすという選択肢はあるのかということです。ないのであれば、存在しない前提による議論ではないかということです。
 もう一つ、2ポツ目「今回算出した理論値は」というところに、人口規模が小さく、理論値が特異的に小さい市町村のみで構成される階層が生ずる結果となるからまずいのだということですけれども、特異的とは一体何なのだろうということだと思うのです。人口ウエートを掛けたものでは、特異的に1級地1だったものが第1位階層にものすごく少ないものしか分類されなくなると。そうすると、それも特異的ではないかと。ここの部分が理屈づけとしてはよく理解できなかった。
 ただ、人口ウエートを掛けなくても、あるいは市町村規模を勘案して人口ウエートを掛けても、1級地1と1級地2の間にミシン目が入りそうだというのは、こういったことからうかがえるわけで、必ずしも枝番を統合すべきという結論にはならない。ここははっきり委託事業で分かったことと、厚生労働省が枝番をまとめたいということについては、データではそれは示せていないということを強調したいと思います。
 取り急ぎ私のほうからは以上です。
■小塩部会長 ありがとうございます。
 今、山田委員から御指摘のあった点について、事務局からレスポンスはございますか。
■森口社会・援護局保護課長補佐 何件か複合的に御指摘いただいていると考えております。
 まず1点、この資料の番号で言うと、3と4の間に論理の飛躍があるのではないかという点でございます。ここの考え方についてですが、こちらは確かに枝番を取ることそのものをその直前のところで検証しているという内容とはなってございません。複数の方法で、階層数を順次減らしていく工程の中で、いずれの方法を取った場合にも、4区分以上では隣接階層間で全部有意という形ではないということを示しています。これを受けまして3区分にするという結論を取るのであれば、ということで、4の話につなげているという点でございまして、おっしゃるとおり、直接的に枝番を取ることが妥当であるかということを検証しているというものではないという点が一つあると思います。検証結果を受けたときに、実際制度に現実的に反映させていくかという観点で申し上げると、先ほども御説明申し上げましたように、枝番を取るという方法は一つあり得ると考えているということでございます。
 その中で、枝番を取る必要がない区分があるのではないかということを御懸念されておっしゃっているということなのかなと考えているのですが、実際に3区分にするという具体的な方法を取るのであれば、枝番を取るということが提案させていただける方法だと考えているところです。繰り返しになりますが、そこに関しては枝番を取らない区分もあるのではないかということの御指摘なのだと理解しているところでございます。
 分析の手法についていくつか御指摘があったと考えております。1つが人口加重によってのクラスター分析の結果が第1階層に入る自治体数が少ないではないかという結果に関しての御指摘があったかなと考えているのですが、この結果に関しては、まず1つ、東京都区部については1として計上されているので、非常に少ないといっても、一番上の階層の7市の中には23区は入っているとか、そういった数字自体、自治体数は非常に小さいのですけれども、それがそのままその数字のとおり規模感を表しているものではないということは御留意いただいた上で、この結果というのはあくまでもこういう仮定を置いて実施した結果、こういう結果になりますというものでございまして、では、そのとおりに指定を決めるべきかどうかということについては、確かに幅を持って見なければならない部分でございますので、そういったこともあって、それを評価する観点から4を設けているという理解でございます。
 まだ幾いくつかありまして、18ページの課題点の指摘として青字で書かれている内容は、報告書の中からそのまま引用しているので、このような表現になっているというところですが、これの補足の解釈を申し上げますと、指定単位が区ごとになる可能性があるかどうかということを議論しているというわけではなくて、実際に地域差というものを分析するに当たって、その区ごとに分析するということも理論上はあり得るという話をしていることだと理解しておりまして、その際に、東京都区部というのを1市として見るのか、23区それぞれを1サンプルの対象として分析するのかによって、実際に他の自治体への評価も含めて分析結果が変わってくるという、意図しない要因によって分析結果が変わってきますということが課題として書かれていると承知しております。それを回避する観点から何らか一定の方法で重みづけをするということで、その一つの代表的なものとして人口で重みづけがされていると解釈しているところでございます。
 具体的にどういうことが生じるかというと、技術的な話になってしまいますが、クラスター分析は今回いずれもウォード法で行っているわけですけれども、ウォード法で実施するに当たって、ウォード法というのは、2つのクラスター間の距離を測る際に、そのクラスターの中のサンプルのばらつきをみて、そのばらつきが統合したときにできるだけ増えないようにするという方法でクラスターをまとめていく方法だと承知しております。クラスターの質量中心を決めて、そこからの距離二乗和が最小になるようにという形でクラスターの統合をしていくということです。クラスター分析をするに当たっては、統合する仕組みをどのように設けるかというところで違いがあるものだと理解しておりまして、ウォード法を用いる際に、人口加重とするか、そうでないかというところは、そういう違いがあるというものでございます。
 一例を申し上げると、A市という自治体があったとします。人口90万人です。消費支出額が平均で20万です。B市という自治体は、これより小規模で人口10万人という市でした。それが10万円の平均の消費支出額があります。といった場合に、A、B市をまとめた地域のクラスターでは、実際に消費支出の中心がどこにあるのかというところで、人口加重とするのか、自治体数加重とするのかの違いがこの分析結果の違いに出ているところでございます。単純に自治体数で平均すれば、20万と10万の平均なので15万と考えるのが人口規模を勘案しない方法です。一方で、A市には90万人いて、B市には10万人いると、一人一人の住民が分析のサンプルなのですよと解釈するのが人口加重の方法で、その場合には90万と10万の人数の頭数の平均なので、平均が19万。そこからの距離二乗和を取っているというのが人口重みづけの考え方と人口規模を勘案しない考え方の違いです。
 そうした中にあって、では、自治体規模を勘案しませんという場合に、例えばA市が4区に分かれて、それぞれが同じ消費支出額であった場合に、先ほど規模を勘案しなければ15万ですと言ったのですけれども、4市に分けてから規模を勘案せずに計算したら18万です。それによって分析結果が分かれるべきものではないと考えられる影響が入ってしまうので、これを委託研究の中では階級数の分析の対象にしなかったと承知しているところでございます。
 ただ、これが全然使えないかというと、そういうことではなくて、機械的にやれば、こういう結果が出てきて、上のほうの規模感でいったら現行級地の自治体数と第1階層は近いような数字が出てくるというのも、結果としてはそうだと承知しているところでございます。しかし、これをもって枝番を取るかどうかの議論をするというようなものではなくて、どちらかというと枝番を取るかどうかというのは、別に取り出して議論するものと、御指摘を受け止めているところでございます。
 すみません。長々と技術的な話になりましたけれども、これで御指摘の点が網羅できているか分かりませんが、こちらの解釈としては以上でございます。
■小塩部会長 山田委員、お願いします。
■山田委員 御説明ありがとうございました。
 理論値が特異的に小さいというのは一体どういう意味かという質問について、お答えがないというのが1点。お答えいただければというのがあります。
 コメントとしては、繰り返しになりますが、実証分析の結果は枝番を取るということにはなっていないと。それは人口重みづけをしようがしまいが、1級地1と1級地2の間には線が入る可能性があるので、そういったことも勘案しながら厚生労働省で判断するときには枝番を取るかどうか。こちらの実証分析としては1級地1と1級地2の間にどうやらミシン目が入っていそうだというのが分かっている。それは人口重みづけをしようがしまいがそうなっていると。そこの部分についてはよく検討していただきたいということになります。
■小塩部会長 質問にお答えがなかったところについて補足をお願いします。
■森口社会・援護局保護課長補佐 特異的に小さいというのは、これはこの報告書の中でこうやって書かれているだけなのですけれども、理論値に基づく一次元のクラスター分析に限らず、ウォード法によってクラスター分析を行った場合、結果的にサンプル数のバランスを取るような分析結果となります。何をサンプルとして見るかによって、何でバランスを取るかが違うということです。自治体数でバランスを取ろうとすると、小さい自治体がまとまったようなクラスターが生じるので、すなわち、特性が似た小さい自治体がまとまったクラスターが生じてしまうので、その人口規模が特異的に小さくなってしまいます。自治体数の頭数でやると、ですね。一方で、人口でやれば、それは人口のバランスを取るような結果になります。何で重みづけをしても結果としてそうなるもので、その側面をここで書いていると理解しているところです。
■小塩部会長 ほかの委員の方々はいかがでしょうか。3区分にするということについての議論があるのですけれども、いかがでしょうか。阿部委員、お願いします。
■阿部委員 私も山田委員と同じような疑念を持っておりまして、分析の途中のほうにあるクラスターを6つに分けたときに、それを3つにすべきか、4つにするべきかというところで使っているグルーピングですね。グルーピングというのはあくまでも理論値で、しかも今のグルーピングとは違うグルーピングを使っているわけですから、そこでの結果というのが今の6区分の例えば1級地1と1級地2を合体するべきだというところにはつながらないのではないかなと感じております。
 ですので、今、1級地のいくつかのグルーピングにするべきかという議論と、どの自治体をどのグループに入れるかという議論が違うデータで行われているので、特に後半のほうは、私も1年間この級地の委託事業にお付き合いいたしましたけれども、あまり議論されていなかったなと思います。なので、ここのところはもう少し詳細な検討が必要なのではないかなと思いました。感想です。
■小塩部会長 ありがとうございます。
 宇南山委員、お願いします。
■宇南山委員 宇南山です。
 私は必ずしもクラスタリングとかが専門ではないのですけれども、資料の16ページを見ているのですが、クラスタリングによって6個に階層を分けるというのを前提につくったグループで、その中での分散を使ってグループ間の差を検定してみて、有意か有意でないかという話で、第1階層だけちょっと図抜けているから別グループのように見えるというのが、多分山田委員の御指摘なのだと思います。ただ、クラスタリングのやり方というのを考えたときには、この委託研究の結果を見ると、6階層だと有意でない部分が多い。5にしても4にしても有意でないグループが存在しているというところにもっと注目すべきなのかなと思っています。
 3区分にすれば、人口重みづけをしてもしなくても有意に分かれる。この結果を使って3つに分けますというのは、それなりに説得的なのかなと。6つに分けようとすると、一番グループ間に差が出るようにやったとしても、差が出ないグループが出てしまうということで、6個に分けたものをグループ間の差で有意になるところで切るというのは、クラスタリングの考え方からするとちょっとおかしい気がします。元から3つに分けることにしましょうとして有意に出ているならば、それでいいのではないかなと思っています。
 その意味では、3階層設定時というところと現行級地の関係をお示しいただいたほうがもしかすると説得力があって、スライド13枚目の現行級地とクラスタリングによる階層化というところで見てみますと、おおむね順位としてはそんなにはおかしくなっていないのだとするならば、3つの区分というのを採用したときには、現行級地の1級地、2級地、3級地の区分がクラスタリング3つのものにかなり近く設定されるのではないかと期待できます。その結果をお示しいただければ、いろいろな意味で説得力があるのではないかなと思いました。
 以上です。
■小塩部会長 ありがとうございます。
 今、宇南山委員から新しい見方について御意見がありました。色々なクラスタリングの仕方によって各階層で統計的に有意である場合とない場合があるのですが、3階層にすると全部統計的に有意な差が出てくるということは確かです。
 ただ、問題は3階層にしたときの3区分と現行の1級地、2級地、3級地、この関連はどうなっているのかということですが、これについていかがでしょうか。つまり、上の2つは現行の1級地、真ん中の3番目、4番目は2級地、最後は3級地という形できれいに区分できるのか。その対応の仕方について今の御説明では明らかになっていなかったのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
■森口社会・援護局保護課長補佐 各階層化の手法を取った際のそれぞれの階層が現行の1級地とか2級地とかと対応できるかというと、必ずしもそういうことではないと承知しているところです。例えば閾値等間隔の方法で階層を設けたような場合は、6個の区分のうちどこかとどこかを統合するという構造にはなっていないので、5階層、4階層と設定していく中で、現行級地に対応するような階層はないと理解しているところでございます。
 なので、これも繰り返しになりますけれども、あくまでいくつかの方法によって3区分程度にしたほうがいいですねという結果が出ているので、現実的に可能な方法として枝番を取る方法を提案させていただいているということでございます。
■小塩部会長 宇南山委員、お願いします。
■宇南山委員 参考資料2の41ページにクラスタリングによる階層化と現行級地の関係が示されていました。現行1級地になっている79市町村のうち65市町村がクラスタリングで第1位階層になっているとか、現行級地387市町村のうち、クラスタリングでやっても第2位階層になるところは118とか、対応関係が表示されています。対角線上にない市町村もそれなりにあるようなので、そこのところに統計的な意味があるのかどうかを検証することが必要と理解するのがいいように思います。つまり、現在指摘されている4以降の部分というのは、このマトリックスの対角線に来ない部分は本当に変更しなくていいのかという検証だというふうに考えればいいのではないかなという感想を持ちました。
 以上です。
■小塩部会長 ありがとうございます。
 山田委員はいかがでしょうか。
■山田委員 ありがとうございます。
 16ページで色々なクラスタリングによる階層化で、ここではダミー変数の係数を統計的に有意な差があるかどうかというのをやっていて、いわゆるクラスタリング分析と言われているものとは違うことをやっているというのがコメントです。
 もう一つは、統計的に有意な差がないといって、現実に差がないかというのを言い切ってしまっていいかというのは、それこそ人々の生活に直結するものですから、それは少し慎重であらねばならない。少なくともこれを見る限りでは1級地1と1級地2のケースには差があるということが言えるということです。
 もう一つ今回の委託事業で気をつけなくてはいけないのは、11ページにどういう指数を入れているのかというので、地域要因としては、S1、S2、S3ということで、消費者物価指数が各市町村で違っていることを前提に、この変数で理論値となるものを出しましょうということですが、報告書のほうには注意深く注が入っているのですけれども、こちらには注意書きが入っていないので、補足しますと、実際には市町村別の物価指数というのは存在していないわけです。ですから、ここで何を入れているのかというと、県庁所在地と政令市については物価指数がありますが、県庁所在地と政令市以外については、都道府県で同じ値を入れているわけです。つまり、本当に市町村ごとの物価をきちっと測って、それで推計しているわけではない。都道府県単位で丸め込まれている部分があるということです。それによって差が出てこないという可能性もあるので。その点で非常にばらつきを小さくしてしまっているわけです。市町村単位であるのを都道府県単位にまとめて入れているのと同じですから、これは非常に気をつけたほうがいい。有意差がないからといってまとめていいということにはならない。
 繰り返しですが、理由としては、データが市町村別の物価指数というのはないので、ここは事実上、政令市とか県庁所在地以外は都道府県ごとの粗いデータが入っている。だからこそ有意な差がつかなくなっているという可能性もあるので、そこは注意深くこの結果を受け止める必要があるということになります。
■小塩部会長 色々な御意見が出たのですけれども、ほかに。渡辺委員、お願いします。
■渡辺委員 クラスター分析ですが、資料1の18ページの青く囲んである「各市町村について」というところで、行政区分の設け方の違いについてです。山田先生もご指摘されていましたが、もちろんクラスター分析をする上においては、23区をばらばらにすることは理論的には考えられ得るわけですが、保護行政上あり得るのかというところから決めないといけなくなるのだと思うのです。保護行政上、23区をばらばらにするというのがあり得るのであれば、23区を別々にやるのが正しいと思いますし、ばらばらにすることはないのであれば、東京都区が1つの行政区分ということになりますので、東京特別区を1とするので別に差し支えないのではないかと思います。
 もちろん、それをどう捉えるかによってクラスタリングの結果に影響するというのは当然なのですが、保護行政上どう考えるのかというところで、東京特別区は1としたと。つまり、23区をばらばらにしないのだという判断をされているのだと理解しました。
 2ポツ目です。今回算出した理論値は大都市ほど高い傾向があり、属する人口等に大きな偏りが生じた理由は何かなと思ったのですが、参考資料2、みずほ情報総研で出された報告書の43ページに「クラスター分析に投入した変数」というのがありまして、ここで人口に関連する変数が入っています。人口規模を1つの属性として捉えて、人口規模が入っているのだと理解しました。その結果、人口規模でクラスターがそれぞれまとまっていったのではないかなと思いました。
 だから、これが理由で重みづけをするのかというのは、直ちによく分からないなと思いますし、1つの行政区分を1つのサンプルとして捉えるわけですので、そこを重みづけするというのは、やはり何だろうと思うのです。既に人口規模はクラスター分析をする上で勘案されているのにさらに重みづけする理由は何かと思いました。
 クラスター分析は経済学だとあまり使わない手法ですので、私は専門とはしていないところですけれども、少し文献を見たところ、個人を調査するサーベイデータでは、サンプリングウエートを使っている分析も見られたのですが、マクロ統計を使ったときにウエートを使った分析は見なかったものですから、今回やられた重みづけのクラスター分析が先行研究上どういう位置づけなのかというのは確認したいと思います。
 以上です。
■小塩部会長 級地の階級数については、いろいろ委員の方々から意見がありました。
■森口社会・援護局保護課長補佐 いくつか補足説明をさせていただいていいですか。
■小塩部会長 どうぞ。
■森口社会・援護局保護課長補佐 まず、渡辺先生の御指摘は3点ほどあると理解しております。1つ、保護行政上、行政区分、その指定単位というのはそれぞれ1市ごとに決まっているのではないかというのは、そのとおりです。ただし、それがウエート1かというと、そういうことではないです。
 保護行政上、同じ自治体に在住する住民については同じ級地の区分を当てはめるということが決まっている。これに関しては、別にウエート1でも人口加重でも同じです。同じことを勘案しています。「ウエート1」という条件が、保護行政に照らしてそうなるかというと、全くそれは言えないという理解で、ほかの階層化方法を取った場合でも、当然、各自治体はその指定単位で結果が出てきています。
 地域差というのは、理論上、究極的には、その地域のスポットとか、その世帯とか、その地域の生活圏域で地域差はあり得ますが、行政の区分上、同じ自治体に所属する範囲に関しては同じ基準額を設けるとなっているということにすぎないです。その中で、東京都は23区でまとめて1市だから、それで重みが1なのですという議論には必ずしもつながらないと理解しております。
 もう一つが、人口規模によってという御指摘があったかと思うのですけれども、確かにこれは人口密度が回帰分析の説明変数として入っていると承知しております。これはただ間接的に物価に反映されるということを理由にここに組み込まれていると理解しております。また、これはあくまで人口密度なので、人口規模ではないという点がまずあります。この理論値というのは、1世帯当たりの消費支出の理論値の対数を説明しているもので、それが人口規模と相関があるかどうかというのは分からないです。例えば、人口密度が低い地域をまとめて人口規模が大きい自治体を1個つくりました。それで理論値が高くなるかというと、そういうことではないので、御指摘の点は当たらないと理解しております。
 先行研究についてですけれども、これは計算技術的な話をもしおっしゃっているのであれば、人口重みづけを行ったクラスター分析に関しては、各自治体に所属する一人一人の住民というのが同じ属性を持つ1つのサンプルだと仮定した上での人口重みづけを行わないクラスター分析を実施することと同義であることから、基本的に計算構造の観点だけでもしおっしゃっているのであれば、それは先行研究があるかどうかというよりも、考え方の話なのだと理解しているところでございます。
 先行研究ということで申し上げると、確かに先行研究を踏まえて研究を進めていくというのは非常に効果的な手段だと我々も承知しているところであるのですけれども、その分析方法というのは、その研究の対象や目的によって当然変わり得るものだと理解しているところでございます。おっしゃっている先行研究というのが、まさに「生活保護制度の級地区分に当たってクラスター分析を用いたような先行研究」を意図しておっしゃっているのであれば、確かにそれはお示しすることがかなわないと理解しております。ただ、これを分析するに当たって、考え方としてその自治体の規模というのは制度上勘案しなければならないと考えられることから、人口重みづけでの分析を行っていると承知しているところでございます。
 ごめんなさい。先ほど入れたら入ろうと思っていたのですけれども、山田先生から御指摘があった点についてもいくつか補足させていただければと思います。クラスタリングによる統合と隣接階層間の差の検定については考え方が違いますという話で、まさにおっしゃるとおりで、隣接階層間で有意な差が見られるかどうかというのは、世帯ごとのサンプルに対してダミー変数を設けて回帰分析を行って、その結果を用いて有意差を検定している。一方で、クラスター分析というのはそういうロジックでやっているものではないので、隣接階層間で有意差がある場合にもクラスター分析の考え方に基づいたら統合されますということはあり得えます。先ほどおっしゃった1級地1と1級地2で有意な差がみられた場合であっても、それはクラスター分析の考え方、これは理論値に対してなので、おっしゃっているように、その3変数でのみ説明される部分だけを評価しているなど考え方がいろいろあると思いますけれども、有意な差がみられる場合であっても、クラスター分析の考え方に基づけば統合され得るということは当然あると考えているところでございます。その辺りは考え方が異なるといもので、違いがある双方の考え方から「統合」と「差の検定」を行っていて、それを複合的に見ているものなので、実際は差があるかもしれないのにまとまってしまうという分析結果になり得るということは、御指摘のとおり留意しなければならない点と考えているところでございます。
 今回つけさせていただいている19ページ、市町村規模を勘案しないクラスタリングの結果で、第1階層と第2階層の間は有意な差がありますけれども、ここは統合されています。これは、クラスタリングの考え方とダミー変数を用いての有意差の考え方というのは必ずしも一致しないからだと考えているところでございます。世帯単位でダミー変数を設けての回帰分析を行った結果、ダミー変数の係数に有意性が認められるということと、一方で、この市町村規模を勘案しないクラスタリングについては、一つ一つのサンプルが自治体だと見ています。すなわち、一番上の階層には世帯数が多かったとしても、自治体数は少なく、統合されるということが生じています。考え方が違うので、実際に統合されるか否かということと有意差があるかどうかということについては、必ずしも考え方が一致しないこと、そこは留意して見る必要があるということは、御指摘の解釈となりますけれども、当方も認識しているところでございます。どうもありがとうございます。
■小塩部会長 これをまとめるのはちょっと大変だと思うのですが、山田先生、何かレスポンスがありますか。
■山田委員 ありがとうございます。
 クラスタリング分析のまとめ方と、それからダミー変数が差があるというのは全然別の分析で、ダミー変数で差があるので、1級地1と1級地2は、人口の重みづけをしようがしまいが、ダミー変数の差の検定だとそこに切れ目が入るということで、枝番を単純に統合というのは本当に気をつけたほうがいいというか、少なくとも実証研究からは統合していいとは言えないのではないかということですね。
 渡辺先生のお話で、クラスター分析のウエートづけということですけれども、参考資料2の43ページだと、例えばほかのやり方だと、クラスター分析の一変数として、人口とかを入れたりしているわけです。ですから、人口を変数として入れないでウエートづけするというのは、先ほどそういった先行研究はないとおっしゃったように、クラスター分析の一変数として投入することはよくあると思うのですが、ウエートづけするというのは、私もあまり聞いたことがないので、先行研究がないということで、承知しました。
 ありがとうございます。
■小塩部会長 どうぞ。
■渡辺委員 すみません。私の説明が不十分だったかなと思うのですけれども、資料1の18ページ、市町村規模を勘案しないクラスタリングによる階層化の懸念点として、1ポツ目の各市町村について行政区分の設け方の違いが云々とあるのですけれども、繰り返しになりますが、ここは23区をばらばらにするということがあり得るのかどうかというところに尽きるのですが、これはいかがなのですか。
■小塩部会長 お願いします。
■森口社会・援護局保護課長補佐 ウエートの議論とは別ということですね。
■渡辺委員 そうです。
■森口社会・援護局保護課長補佐 行政運用上、それが別に指定されるということは現在想定しているという話ではないです。
■渡辺委員 ないのですね。保護行政の歴史は不勉強なもので恐縮なのですけれども、23区、特別区をばらばらにしていた時期があったのかどうか承知していないのですが、そこをばらばらにするということを想定していないのであれば、1ポツ目は特段懸念点とならないのではないかと思ったわけです。
 2ポツ目の人口規模云々に関しては、参考資料の19ページ、最初の回帰分析にするときにも人口の変数を入れていて、クラスタリング分析をするときにも人口密度を入れている。人口密度と人口規模は違うのだという御説明だったのですが、直感的にはかなり相関が高いのではないのと思うので、ほぼ同義と捉えています。
 ですので、人口に関する変数をクラスター分析に投入されているので、人口の大きい地域と小さい地域それぞれでまとまったクラスタリングの分析結果が出たのではないかなと思います。だから、そこをもし気にするのであれば、クラスター分析に投入する変数で人口規模をコントロールしないという方法が一つ考えられるのかなとも思いました。
■小塩部会長 宇南山先生、お願いします。
■宇南山委員 今のところですけれども、クラスター分析用の当てはめ値をつくる変数として人口規模を入れるというのは、平均値の問題であって、クラスター分析そのもののほうで人口を入れるのは、分散の問題なのかなと思っています。要するに、大都市で平均値がちょっとずれるということは、人口規模の小さい町でちょっとずれるということとは意味合いが違いますよということをきちんとコントロールしようというのが、人口規模をコントロールしたクラスタリングだと理解しています。平均値を計算する際にレベルとして調整しますよという話と、平均としてコントロールした後のぶれをどういうふうに評価しますかというときでは目的が異なります。大都市でぶれるほうが影響が大きいので、グループとしての違いをより重要な近いというふうにみなすべきだと思いますので、私は市町村規模を勘案してクラスタリングするほうが妥当のように思っています。なおかつ当てはめ値の計算のときに人口を入れていても違和感がないと思っています。
 以上です。
■小塩部会長 ありがとうございます。
 先生方から詳細な御議論をいただいているのですが、栃本委員、御議論。
■栃本部会長代理 今日は本当に充実した議論で。というのは、何せ今日の開催に先立って先ほど申し上げたように、参考資料の一番最後に出ている、今、宇南山先生も御指摘されましたけれども、それに参加された先生がかなり詳細に綿密な議論を展開していただきましたし、また、山田先生からも留意点、注意点ということの御指摘があったので、議論が非常に深まったと思っています。
 その上で、私、これの委員会には入っておりませんでしたので、直感的に見まして、15ページの具体的なグラフを見ると、線で示されているのは昭和62年の6区分制度導入時がこういう形になっているのだけれども、15ページのこの2つのものを見ますと、先ほど来第1と第2の間で落ちているのだけれども、その後、横ばいになっている。そういうものがビジュアルに見てとることができます。また、1から6までの差というものが、これは理論値ですので、その手法によって色々なデータがマイルドになるというのもあるかもしれませんが、1から6までの今まであったような差はなくなっているということ。
 あと、1と2、2と3、3と4、4と5、6までというのをそれぞれ。例えば19ページのほうでも階層間較差の状況というのを。下の数字ですけれども、右側のほうはまさにグラフで示されているわけですが、1と2、3、4というのでこういうカーブになっている。
 あと、世帯共通のものと個別のもので比較したものがあったと思うのです。7ページ目の参考3「生活扶助基準における級地較差」のところで、昭和62年の改定ではこうだったけれども、1類、2類で見ると、2類については当然のことながらこういう形でほとんど横並び。1類についてはこういう形になっているけれども、それでも、従来に比べればなだらかでかつ上下の幅は無い、なだらか、横に平行に行ってしまっているというのがあるということです。
 先ほどお話しした15ページのところ。また、今日の参考資料、38ページ「調査研究事業の概要」の部分で、「クラスタリングによる階層化」というのと、真ん中がこれで、参考というもので見ますと、点線である63年区分のときよりは、今回のこの理論値でこういう形で見てみると、どれとどれを合わせたらいいのかというのはいろいろ議論があるところではあるのだけれども、少なくとも6である必要というものがあまりない。ということは、そこまでは言えると、言い得るところがあると思うのです。
 ただ、今日の御指摘、本当に勉強させていただきましたが、私はそれに参加していなかったものだから、いろいろ御議論を頂戴して深まったところがあるのですけれども、山田委員がおっしゃった注意すべき部分。どれとどれを合わせるかということはいろいろあるとは思うのだけれども、その上で、今回事務局で用意された、先ほどの議論の中でこうしてよいかというのがあった27ページのところで書かれている文章は、基準部会における検証結果を踏まえて、それ以降の部分は検討を行うことになる。誰がこの検討を行うかといったら、役所が行うということなのですけれども、少なくとも「基準部会における検証結果を踏まえて」という部分まではこの会議で議論すべきことだし、留意しなければいけない点、手法についてもいろいろ御意見があったし、注意しなければいけない部分があった。
 その上で、先ほどいくつかのグラフについてお話ししたのですが、それを見る限りでは下がってしまっている。横並びで言うと、かくんと落ちたところがあるというのは、非常にビジュアルに直感的に分かるものがあるわけですから、この部分というのは検証結果を踏まえてという部分に相当すると思うのです。
 以上です。
■小塩部会長 今、栃本委員に非常にきれいにまとめていただいたのですけれども、現行の6区分でこのまま走るのはどう考えてもまずいということは、皆さんの共通の認識だと思います。それをどういうふうにまとめるかという点について、いろいろ御議論があったということなのですが、いかがでしょうか。色々な解決すべき問題があるのですけれども、おおむね3区分にまとめるという方向はいかがですか。それも駄目でしょうか。
■山田委員 4区分。
■小塩部会長 それは関連するのですけれども、今日は時間がなくて今まで議論しなかったのですが、それぞれの市町村がそれぞれの級地に入るかどうかということをチェックしないといけないのですが、それとセットで考えないといけないのですけれども、それについていかがですか。仮に3区分にしたとしても、それぞれの市町村をどこにはめ込むかという作業が必要になるかと思うのです。それは22ページにあるのですが、これについていかがですか。
■山田委員 ここの部分は、先ほども何度かコメントを差し上げたとおり、20ページ以降は、要するに、枝番をまとめるという厚生労働省のご提案で、我々のこの基準部会としてこれに賛成するとか賛成しないというのでなくて、少なくともこれまで見てきたデータに関しては1級地1と1級地2を分けよということなので、ここの部分を議論するということは、枝番をまとめるということを我々が認めるということなので、そこの議論の切り分けをどうするのかというのでちょっと難しいなと思いました。
 あと、これは冒頭にも申し上げたのですが、枝番をまとめるという事務局提案だと何が起こるか。これは後の基準に影響すると冒頭で申し上げたのですけれども、要するに、地域的なメッシュを粗くせよというのが事務局のご提案なわけですね。単純におのおのの地域の平均値を取るのであれば、例えば人口規模の大きい、日本人口の4分の1を占める1級地1を1級地2と統合すべきでは「ない」というのが実証分析の結果だと思いますが、枝番をまとめると実は1級地1の基準額を引き下げることになる。2級地1と2を統合せよということになれば、2級地1の基準を引き下げることになる。3級地1と2も同様です。
 しかも、枝番の1と2と言った場合に、どの級地でも枝番の1のほうが圧倒的に人口規模が大きいわけです。多いわけです。ですから、もし単純に平均すると、これはものすごい大きい影響が出るということなので、今後の基準の話と、ここで我々が何か決めてしまうということ、我々が賛成したということであれば、その基準の話を縛ってしまうということに注意する必要があるということではないか。基準の話と切り分けが非常に難しいと申し上げたのはその点であります。
■小塩部会長 今の山田委員の御意見は非常に重要だと思います。事務局のスタンスを確認したいと思うのですけれども、今日は級地の話を議論いたしました。それと基準の話とが不可分であるという御指摘なのですが、これについてはいかがでしょうか。
■森口社会・援護局保護課長補佐 どうも御意見ありがとうございます。
 2点あるかなと考えております。1つがこの議論はどういう取扱いなのかということなのだと思いますが、議論していただきたいのは、枝番を取ることが統計的に合理的な方法ですということを裏づけていただきたいのではなくて、基本的に現実可能な範囲でやろうとすると、我々からはこういう案が出ますと、そうしたときに、一方で、今回委託研究の中で出していただいた分析の結果がありますと、これと照らして、明らかにそれでも変えた方がいいというところは、示唆していただきたいということで、それが示唆できる方法について御議論いただきたいという趣旨でここに書かせていただいています。
 なので、それは明確に切り分けるべきだと思っているのですけれども、枝番を取ることが統計的に合理的ですということを言っていただきたいのではなくて、制度上、住民への影響に鑑みて、これを基本としたいということを前提として、そうであったとしても、この部分については、それでも変えるべきだと、統計的に言えるところをお示しいただきたいというのが、この4の検証として行っていただきたいことです。そこまでの話とは全く話の流れが切り分けられて、ここに書かせていただいているものでございまして、意図としてはそういうことを見ていただきたいということです。
 その際に、それが統計的に、それでも変えた方がいいということで示唆できるのであれば、そういった手法をお示しいただくということを目的として、その部分に限ってここで書かせていただいています。
 もう一点、これは地域的メッシュを粗くするということで提案している内容ですねということで、理論上、100区分にしたら100階層できますし、当然上から下まで数字がありますので、それを3区分にまとめたときとで数字が違うということだと思うのですが、それはそのとおりだと思います。ただ、それが単に真ん中にするとかそういう話ではなくて、今後の消費の水準と比較した分析の中でどういう議論が得られるかによって、その水準というのは決めていくべき話になると考えていますので、必ずしも上げるとか、下げるとか、真ん中にするという議論ではないと思っております。
 仮に今回、地域差が大きく見られなくて3区分にする場合というのは、それを前提として今後の消費の水準と比較した検証を行っていかないと、今後の見直しの議論につながっていかないので、その前提として今回級地の区分を取り出して検証していると考えているところでございます。
■小塩部会長 山田委員、お願いします。
■山田委員 すみません。私の理解力がちょっと不足しておりまして、具体的に何をこの基準部会に求められているのかというのをもう少し具体的に話していただけるといいかなと思います。と申しますのも、今、出てきた枝番を取るというのとは別に、というふうにもうかがえましたし、もう一つよく分からなかったのは、基準が高いところと低いところの地域をくっつけたら、高いところのほうは引下げということに当然なるわけですね。Aが高くて、Bが低い。A、Bの平均を取りましょうといった場合に、高いAよりも低くなるというのは明らかなことであり、それが変わらないとか、そこら辺がよく分からなかった。
 もう一つ付け加えさせていただくならば、このデータは2015年のデータですね。今後使うのは、2020年のデータ。それによってずれてくるところもあるので、そこをどうするのかとか、そこは難しい問題がある中で、今日はどこまでを議論させていただければいいのかというのをもう少し事務局のほうで交通整理していただければなと思います。よろしくお願いいたします。
■森口社会・援護局保護課長補佐 先ほどの補足になってしまうのですけれども、何を御議論いただきたいかというと、算出された理論値や階層化の結果がどの程度信頼性があるのかということを何らかの形で示していただきたいというのが1つです。その示し方としてこういう検定の仕方があるのではないかということで提案させていただいています。
■大熊社会・援護局保護課長補佐 25ページを御覧いただいて、今回の分析の結果のまとめとなっていて、一番最初の丸が、全体では2で「地域の生活水準を示す指標についての検討」で、分析手法が改善したというところが1つ。2番目のところが級地の階級数、3区分について。3番目が級地区分の指定について。この3点についてお諮りしているというところです。
■小塩部会長 山田委員、お願いします。
■山田委員 それはこれまでの議論をまとめれば、これらにお答えするような議論が今日出ていたかなと記憶しています。
 3点目については、繰り返しになりますが、4番目の枝番を一緒にするということについて、「理論値を用いた階層化結果に照らして、現行の級地区分の指定を見直すべきという結論は得られなかった」というのは、枝番をくっつけた場合にという事務局提案の部分なので、我々は枝番をくっつけるということにはならないということを申し上げているので、マル3についてどうのこうのというのは、我々部会のメンバーとしては言えないということになるのではないかと思います。
■小塩部会長 今、25ページの分析結果のまとめについて御議論がありました。ここで3点あるのですが、このうちの1番目と2番目についてはよろしいでしょうか。認識は、ここは大丈夫ということですね。
■山田委員 分析手法を改善したところであるが、先ほども議論が出ましたけれども、地域物価差に関しては市区町村のものがなかったために、そこまでのばらつきをちゃんと統御できていないとか、隣接級地間で有意な較差が認められない結果も一部あったが、例えば1級地1が多く含まれる階層とその下の階層については、有意な較差がダミー変数の係数による検定においては見出されたとか、そういうことが議論されていたと思うので、それをまとめられるということは事務局としては難しいのでしょうか。また、それを何らかの形で回覧していただくということで一応の議論をまとめていただくというのは難しいのでしょうか。
■小塩部会長 事務局、いかがでしょうか。
■森口社会・援護局保護課長補佐 ごめんなさい。もう一回いいですか。今、頭に入り切っていなくて。すみません。
■小塩部会長 この2つの点についてはいいのですよ。
■山田委員 議論はされたはず。
■栃本部会長代理 先生、よろしいですか。
■小塩部会長 どうぞ。
■栃本部会長代理 先ほど私が少しまとめたように、今日の議論ですごく詳細な、綿密な議論があったと思うのです。それはなぜかというと、今日Zoomで参加された先生方、宇南山先生をはじめ、本当に技術的なこと、専門的なデータを分析する際の留意事項とか、すごく議論が深まったと思うのです。その上で、ここまでは言え得るなとか、この部分についてはちょっと注意したほうがいいなとか、また、理論値をつくるための色々な作業場の手続きについての確認という事も改めていろいろ議論がありました。
 そういう中で、ここまでは言い得るなということを先ほど私が申し上げたのです。25ページ、基準部会における検証結果を踏まえてという部分がまさにそうだと思うのです。つまり、ここまでは言えるよなと。少なくとも6つである必要はないということは。それは今、部会長がおっしゃられた。代わって申し上げると、一番最初の部分ですね。これはもういいでしょと。それはまさに議論を踏まえてそうだったと。
 2つ目の部分についても議論がなされたということですし、あとは4区分か3区分かとか。先生は4区分と言うのだけれども、少なくとも合意できる部分というのは、現行6区分というものは変えるべきだということ。あと、今回の2年間だったかな、1年間かな、作業を通じて課題とかいろいろありましたけれども、精緻化が図られたと。改善が進んでいることは確かだという1番目の部分ですね。それはメンバーの合意はなされていると思うのです。
 事務局のほうでこれはこういうことですよと申し上げている部分が、細かく丁寧に説明されようとするので、余計これはこうなのかという議論になってしまうところがあるので、私のほうで申し上げると、まさに今、山田先生がおっしゃった、求められているのはどこまでですかということで言うと、今、私が申し上げた部分までということだと思うのです。そこまでは合意できるということだと思うのです。
■小塩部会長 ということでよろしいですか。6はもう無理ですよ。どう考えても現実的でない。これはまとめましょう。そのとき、3ということについてはどうですか。
■山田委員 枝番を取るというのは別の話ということですね。
■小塩部会長 別の話ですね。
 3にするということでよろしいですか。3にすると、どんなやり方でも有意な差が出てくるということも事実ですね。
■山田委員 ただ、クラスター分析の結果とダミー変数の結果というのは、木に竹を接ぐような部分がありますので、その部分はもうちょっと確認して注意深くやったほうがよいのではないか。なぜなら市区町村の物価指数をちゃんと統御できているわけではなくて、政令都市、県庁所在地以外は都道府県のデータが入っているにすぎないから。そこの部分は慎重になるべきだと。それを考慮した場合には、ひょっとしたら6に近い値が出てくるかもしれない。有意差がないことは、差がないというわけではない。言えない、というのは注意してくださいというのは申し上げたかと思います。
■小塩部会長 分かりました。
 そういう非常に重要な留保条件をつけないといけないのだけれども、おおむね3というのは、まあ大丈夫かなということですか。3でやってみていただいて、大きな問題があるかどうかというのをチェックする作業が必要になるかなと思うのですが、いかがですか。今日、取りあえず3というのを基本的な方向として了解していただいて、さらに細部についてこれでいいかという確認を進めていただくということでいかがですか。
 渡辺委員。
■渡辺委員 22ページの検定なのですけれども、この検定手法を取りあえず仮定として受け入れるとして、ここでやられたのは、現行は6級地区分であるけれども、その枝番を取って1級地、2級地、3級地とまとめたときに、現行級地と今回のクラスター分析の結果に統計的な差がなかったですよというのを示しているにすぎないと思うのです。なので、現行の級地指定は、少なくとも1級地、2級地、3級地というくくりにおいては、精緻に検証した結果と統計的には変わりませんでしたというのを言っているにすぎなくて、枝番を取るかどうかについてここで検定していないと思うのです。つまりこの検定結果から、3級地にするという結論は導けない。現行の級地区分の指定を変えるかどうかという話とは別ではないかと思っています。
■小塩部会長 おっしゃるとおりですね。前半の議論と22ページの議論はちょっと違う話なので、一緒にしては困りますというのはおっしゃるとおりなのですが、どうしましょうか。もう時間が過ぎてしまって、今日の議論をまとめて次の議論につなげていかなければいけないのですけれども。
■森口社会・援護局保護課長補佐 では、本日いただきました議論を踏まえまして、こういうところまで合意できるのではないかというのを何らかの形でお示しさせていただいて、それで御了解いただいていくという形で対応させていただければと思います。
■小塩部会長 どうぞ。
■山田委員 それはバイでやるのか、それとももう一回開催してやるのか。バイでやるよりは開催してきっちりやったほうがいいような気がしますけれども。それも冒頭の質問ですが、もう時間がないということなのでしょうか。
■森口社会・援護局保護課長補佐 検討させていただきます。
■小塩部会長 予定していた時間が過ぎてしまったのですが、今日はもう一つ議題がございまして、「家庭の生活実態及び生活意識に関する調査について」ということにつきましては、説明を省略させていただきまして、もし御意見があるようでしたら、メール等で事務局に送っていただければと思います。
 ということで、今日は先生方のコンセンサスが得られなかったのですが、これは非常に重要なテーマでございますので、引き続き議論するということも念頭に置いて事務局と調整していきたいと思います。ということでよろしいでしょうか。
 では、今日は長時間どうもありがとうございました。今日の議論はこれで終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 次回につきましては、また事務局で調整いたしますので、追って先生方に御連絡をいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の議論は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。