2021年3月25日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会 議事録

日時

令和3年3月25日(木)10:00~

出席者

出席委員(18名) 五十音順


 (注)◎部会長 ○部会長代理


欠席委員(4名) 五十音順

行政機関出席者

 鎌田光明(医薬・生活衛生局長)
 中井清人(医薬安全対策課長)
 髙橋暁子(安全使用推進室長)
 山本晴子(独立行政法人医薬品医療機器総合機構医務管理監)
 山田雅信(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監) 他

 
 

議事

○安全使用推進室長 定刻になりましたので、令和2年度第2回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医療機器・再生医療等製品安全対策部会を開催いたします。本日、御出席の先生におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日の部会は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、一般傍聴は制限させていただき、報道関係者の皆様に限り傍聴可としておりますが、カメラ撮りは冒頭から禁止とさせていただきますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。議事録につきましては、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
 また、今回もWeb開催としており、対面での進行と一部異なる部分がございます。前回と同様ではございますが、議事に先立ちまして、審議の進行方法等について説明させていただきます。
 まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問を頂く際は、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。御発言のタイミングが重なったりした場合は、部会長から順に発言者を御指名いただきます。会議中、マイクの調子が悪かった場合などは、音声の代わりにメッセージに御記入をいただくようお願いする場合がございます。
 システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡ください。また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。
 併せまして、本部会の委員に改選がありましたので、新任となる委員を御紹介いたします。横浜市立大学大学院医学研究科教授の赤瀬智子先生です。東邦大学医療センター佐倉病院心臓血管外科准教授の齋藤綾先生でございます。国立医薬品食品衛生研究所再生・細胞医療製品部部長の佐藤陽治先生でございます。京都府立医科大学眼科学教室教授の外園千恵先生です。東京医科大学整形外科主任教授の山本謙吾先生でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、部会長代理については、薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づき、部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名することとされております。荒井部会長から御指名をお願いいたします。
○荒井部会長 荒井です。それでは、部会長代理を佐藤陽治先生にお願いしたいと思います。
○安全使用推進室長 ありがとうございます。それでは、佐藤部会長代理、一言、御挨拶を頂けませんでしょうか。
○佐藤部会長代理 国立医薬品食品衛生研究所の佐藤と申します。お声掛け、御指名いただきまして誠にありがとうございます。日頃は、再生医療等製品の品質の有効性・安全性の評価に関する研究を行っておりまして、関連して、日本再生医療学会の理事として、日本再生医療学会と機構が共同で開発した「National Regenerative Medicine Database」(NRMD)と呼ばれる再生医療等臨床データベースの構築と運用を担当しております。再生医療等製品は条件及び期限付製造販売承認の制度がありますので、製造販売後調査は特に重要と存じます。承認の件数も増えてきておりますので、今回、御指名いただいたものと存じます。皆様のお役に立てるよう努力してまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。以上です。
○安全使用推進室長 ありがとうございました。関連しまして、部会委員の改選に伴い、安全対策調査会についても委員の変更がありますので、報告いたします。参考資料の「医療機器・再生医療等製品安全対策部会安全対策調査会委員の改選について」を御覧ください。木下委員、杉山委員に代わりまして、外園委員、山本委員が指名されています。事務局からは以上でございます。
 それでは、以後の議事進行は荒井部会長にお願いいたします。
○荒井部会長 それでは、議事に入ります前に、委員の出欠状況、審議への参加等につきまして、事務局からの説明をお願いします。
○安全使用推進室長 最初に、本日の委員の御出欠状況について御報告します。萬委員、脇田委員より御欠席との御連絡がありました。小早川委員、宮﨑委員におかれましては、少し遅れて入って来られる予定です。したがいまして、現在、本部会の委員22名中、現時点で18名の委員に御出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会の規定により、定足数に達していることを報告申し上げます。
 続いて、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、報告いたします。薬事分科会規程第11条には、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。今回、全ての委員より、適合している旨を御申告いただいております。報告は以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。ただいまの事務局からの説明について、何か御質問、御意見等ありますでしょうか。いかがですか。よろしいでしょうか。
 それでは続いて、事務局から配布資料について説明をお願いします。
○安全使用推進室長 資料は、あらかじめ郵送及びメールにてお送りしております。まず、議題1に関して、資料1-1-1~資料1-13、議題2に関して、資料2-1~資料2-3-3、議題3に関して、資料3-1-1~資料3-2-2、議題4に関して、資料4-1~資料4-6、参考資料として、先ほど御説明しました「医療機器・再生医療等製品安全対策部会安全対策調査会委員の改選について」があります。
 このほか、議事次第、資料一覧、委員一覧をお送りしております。お手元に御用意のない方がいらっしゃいましたら、事務局までお知らせください。
 なお、本日の議題は全て報告事項となっておりますので、よろしくお願いします。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは、議題に入ります。議題1「医療機器・再生医療等製品の市販後安全対策について」を始めます。事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題1「経腸栄養分野の小口径コネクタ製品の切替えについて」御説明します。資料は1-1-1になります。本件の背景です。近年、経腸栄養分野を含む複数の製品分野のコネクタの誤接続による医療事故を防止するため、コネクタに係る国際的な規格(以下、新規格)の制定が進められております。日本においても、医療事故防止と安定供給確保のため、新規格品への切替えを進めており、経腸栄養分野については、平成30年3月に、製造販売業者による旧規格製品の出荷は2021年11月末までとすることを通知しておりました。
 他方、日本重症心身障害学会等より、重症心身障害児・者の医療的ケアにおいて、新規格品については、捻りが必要なため、手首への負担の増加の懸念、また、コネクタ部分の汚染の懸念、さらに、薬剤や栄養剤の吸入に専用のチップやノズルが必要となる等の課題が示され、旧規格品の存続を希望する旨の要望が出されております。
 2の本件への対応方針です。経腸栄養分野の小口径コネクタ製品の切替えについては、令和3年1月22日に、医療機器・再生医療等製品安全対策部会安全対策調査会において検討を行っております。当該検討結果を受けて、対応方針としては、基本的な方向性としては、医療事故防止と安定供給確保の観点から、新規格製品への切替えは引き続き進めていくものの、重症心身障害児・者の医療的ケア等における切替えに伴う課題の整備及び対応策の検討を行うため、旧規格品の出荷期限を1年間延長することになりました。こちらについては、令和3年2月16日に通知を発出して周知しております。当該通知については、資料1-1-2を御覧ください。事務局からの御説明は以上になります。
○荒井部会長 ありがとうございました。コネクタの問題ですが、ただいまの事務局の説明について、何か御質問、御意見等ありますでしょうか。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。一応、こういった形で順次進めていきますが、もしも、「ちょっと振り返って前の議題について」ということがありましたら、そのときは御指摘いただければ、適宜、戻らせていただきます。それでは一応、今の資料1-1-1、資料1-1-2については御理解いただいたということで、前に進めさせていただきます。それでは、次の項目についてお願いします。
○事務局 事務局より御説明します。資料1-7と、昨日、送付しました当日配布資料を御準備ください。資料1-7「ゲル充填人工乳房及び皮膚拡張器植込み患者等に対する情報提供について」を御説明します。まず資料1-7です。こちらは、令和2年8月20日に承認されました「Sientraブレスト・インプラント」について、関連学会から本品の安全性等に係る情報を提供する目的の文書が発出されたことに伴い、関係者に対して広く周知する目的で発出した通知です。本品が承認されたことに伴い、現在、2製品の人工乳房が使われていると聞いております。
 続いて、本日の配布資料を御覧ください。よろしいでしょうか。2019年7月にアラガン社が回収を実施した人工乳房及び組織拡張器については、2019年12月に回収が終了したとの報告を同社から受けておりました。しかし、2021年3月、学会によるレジストリーの定期点検の結果、自主回収対象製品の一部が2020年以降も使用されていたことが判明しました。同社は、医療機関に対し、回収対象品の使用停止及び在庫確認を再周知しております。こちらは当日配布資料に参考1として付けた文書となっております。
 続いて、自主回収終了後の使用状況等について御説明します。2021年3月22日時点で、自主回収終了後に使用された人工乳房は156個、未使用の人工乳房は238個、未使用の組織拡張器は17個で、施設数は5施設でした。未使用の製品は同社に返却予定です。アラガン社の調査によりますと、自主回収終了後に当該製品を使用した医師は、同社の回収要請に対し、自らの患者に使用することを想定し、回収対象品であることを認識した上で自主回収に応じなかったと報告を受けております。
 また、アラガン社から回収の委託を受けた販売業者は、医師から回収に応じない旨の連絡を受けておりましたが、アラガン社に対し、回収可能な製品はない旨の報告を行ったため、アラガン社は、当該医療機関の在庫は全て使用済みと認識しておりました。
 施術を受けた患者については、当該製品が自主回収品であること及び未分化大細胞型リンパ腫の発症リスク等について説明を受け、施術に同意した上で、使用されていました。なお、これまで自主回収品を使用した患者に健康被害は発生していないとアラガン社から報告を受けております。
 続いて3.今後の対応について御説明します。アラガン社に対し、医療機関在庫の再確認及び回収の指示、同社の管理体制の改善の指示及び、これらの結果について文書での報告を指示しました。また、当該製品が既に使用された患者には、引き続き定期健診を確実に実施するようアラガン社に対し指導しております。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。ただいま御説明いただいたアラガン社のインプラントの件なのですが、御意見、御質問等いかがでしょうか。
○中川委員 すみません、横浜栄共済病院の中川ですが、よろしいでしょうか。
○荒井部会長 どうぞ。
○中川委員 このように、体内に留置されている医療機器の回収は大変難しいものかと思います。既にもう体内に入ったものを回収するのは非常に困難ですし、経過観察となる場合があります。これは、例えば、体内に植え込まれた医療機器がそのまま健康被害につながる事例が起きた場合の対処方法についてお伺いしたいと思います。
○荒井部会長 今の中川委員からの御質問は、この製品に限らず、いわゆる体内に埋め込んでしまったもので、頻度の問題はあるとは思いますが、明らかに健康被害が出ることが予測される場合に、どういう対応をしたらよいか、どういう対応で臨むかという御質問でよろしいですか。
○中川委員 そのとおりです。
○荒井部会長 分かりました。ちょっとお待ちください。
○監視指導室長 事務局より御説明します。様々な理由によって回収されるものが、年間、大体、医療機器ですと300件ぐらいあります。その中で、いわゆる埋め込み型、埋入型の医療機器の回収が生じた場合、一般的に、主治医の御判断になりますが、例えば、手術をして別の製品に植え替えることを選択する場合もありますし、いわゆるモニタリング回収と表現しておりますが、その患者さんに定期的に診察を、むしろ入念的にやっていただくことによって、医療機器の不具合の状況を確認する形のフォローアップをするケースもあります。したがいまして、医療機器の不具合の状況、これはクラス1であるとかクラス2であるか、どういう不具合が起こり得るのかといったリスクに応じての対応といった形で個別に対応を検討しております。以上です。
○荒井部会長 中川委員、よろしいでしょうか、今の説明で。
○中川委員 ありがとうございます。そうしたら、やはり万が一の場合、健康被害が出る場合は、取り出したりとかする可能性も否定できないということでよろしいでしょうか。
○監視指導室長 そのとおりです。
○中川委員 ありがとうございました。
○荒井部会長 おそらく、リスクの問題、頻度の問題が絡むと思われますが、例えばこれが循環器系のもので、金属疲労等で確実に起こってくるといった類のものであれば、相当厳しい対応をしなくてはいけなくなると思われます。そのほか、御質問いかがでしょうか。
○佐藤部会長代理 国衛研の佐藤ですが、よろしいでしょうか。
○荒井部会長 どうぞ、佐藤委員。
○佐藤部長代理 関連した質問です。定期健診を行うという対処方針だと伺いましたが、これは期間とかは決まっているのですか。あるいは、何か有害なことが起こったときに、そのお医者様に連絡が行くような指導を患者様にされていたりするのですか。
○事務局 事務局よりお答えします。まず定期健診の頻度については、1年から2年に一度、定期健診を受診することをアラガン社から医療機関、医療機関から患者様にお伝えしていただいているところです。一方、こちらの製品については、製品の承認条件において、レジストリーできちんと患者情報を管理することを義務付けている製品でして、もし何か有害事象等があれば、レジストリーを管理している学会から情報が来たりとか、アラガン社にも直接情報が入る形になっておりますので、情報収集の体制としてはしっかりしていると認識しております。以上です。
○佐藤部会長代理 分かりました。ありがとうございます。
○荒井部会長 ありがとうございます。そのほか、委員の方々、御意見、御質問等いかがでしょう。
○外園委員 外園ですが、質問よろしいですか。
○荒井部会長 どうぞ。
○外園委員 自主回収に応じなかったという理由は、何か患者さんの方にメリットがあったという理解でよろしいですか。患者さんに同意を得た上で自主回収に応じなかったということは、例えば、美容的な見た目のメリットとか何かあったという強い理由でしょうか。
○監視指導室長 事務局よりお答えします。本件の回収は、1年半ほど前に行われたわけですが、当時、報道等もされておりますが、いわゆる、手術をする際にエキスパンダーというものを、拡張器を入れた状態で手術に待機をする形になっております。その当時、3,000人ほどの患者さんが待機をしていて、必要な手術をするかしないかについて、様々御議論があったと承知をしております。その中で、主治医の方が必要である、あるいは患者さんの御要望等も踏まえて、様々な選択肢の中で回収品を使われる場合があることは想定されたわけです。個別にどういった患者さんとのやり取りがあったかということは、まだ調査し切れておりませんが、アラガン社から聴取しているところによれば、主治医から自主回収品であるということ、BIA-ALCLの発症リスクが少ないながらもあることについて、患者さんから御同意を頂いて施術をされたと聞いております。以上です。
○外園委員 ありがとうございました。そうしますと、拡張器を使った後の代替品がないことがこういったことになった可能性があるという理解ですね。今後のことがあるのでと思いまして、ありがとうございました。
○監視指導室長 当時、いわゆるザラザラタイプという、このテクスチャードタイプについて国内で代替品がないといった状況でした。その後、3か月ほどで新しい製品が承認をされ、そちらの製品での手術が可能になったという経緯があります。
○外園委員 分かりました。ありがとうございます。
○荒井部会長 ありがとうございます。そのほか、御質問、御意見等いかがでしょうか。よろしいですか。よろしければ、それでは、前に進みます。
 次に、資料1-10、よろしくお願いします。
○事務局 事務局より御説明します。資料1-10「人工呼吸器と組み合わせて使用する製品に関する自主点検等について」を御覧ください。こちらは、挿管患者において痰を吸引する目的で使用される閉鎖式の気管支吸引用カテーテルを、人工呼吸器の回路と挿管カニューレ等の間に接続して使用した場合において、気管支吸引用カテーテルと挿管カニューレの接続が外れてリークが発生した際に、呼吸回路が外れた状態を知らせるための警報が発生しない事例が生じたことを踏まえ発出した通知となっております。
 本通知発出の契機となった事象では、人工呼吸器の製造販売業者が、当該人工呼吸器と併用する医療機器として指定していない気管支吸引用カテーテルを併用した際に発生しました。
 そのため、人工呼吸器等の製造販売業者に対し、
・添付文書に、医療機器の使用前に、回路が外れた際に音声による警報が発生することを確認する旨を必ず記載すること。記載がない場合、添付文書に記載すること。
・また、製造販売する人工呼吸器等と併用する蓋然性の高い製品を接続して使用した場合に、回路が外れたことを検出する音声による警報が発生しない組合せが判明した場合には、使用者へ適切な情報提供を速やかに実施すること。
を求めました。
 なお、全ての人工呼吸器等製造販売業者に対して周知した結果、令和3年3月時点で20社から報告があり、添付文書改訂等の措置が実施されました。また、現時点で類似事象発生の報告は受けておりません。以上となります。
○荒井部会長 ありがとうございました。ただいまの件について、御質問、御意見、委員の方々いかがでしょうか。
○中川委員 度々すみません、横浜栄共済病院の中川ですが、よろしいでしょうか。
○荒井部会長 どうぞ。
○中川委員 主にですね、この内容なのですが、当院でも、同じ自主点検の文書が届いております。全ての人工呼吸器に対して確認しておいたところですが、実際に当院でも、人工呼吸器回路が、これと同じ事象ではありませんが、外れてアラームが鳴らないことがありました。これを簡単に説明すると、人工呼吸器の特性で、機種によるのですが、陽圧を掛けている場合、アラームの設定の仕方というものがありまして、アラームの設定を甘く掛けてしまうと、どうしても回路が外れたときに、僅かなリークが発生してもアラームが鳴らない人工呼吸器の特性というものがあります。これが出ている通知に対して、具体的に人工呼吸器の特性を理解した上で、アラームの設定とか監視をする。モニタリングとかもされて、ETCO2、SpO2を調べろという注意喚起もありますが、その注意喚起に、さらに、人工呼吸器の回路外れによる重篤な健康被害、若しくは、死亡する可能性がある危険性があることを、やはり各メーカーにもう少し強く周知することを希望したいのですが、いかがでしょうか。
○事務局 事務局より御回答いたします。先生、貴重な御意見ありがとうございました。製造販売業者とは連携を密に取り合っておりますので、頂いた御意見を踏まえ、製造販売業者に対して周知並びに説明等をさせていただこうと思っております。以上です。
○荒井部会長 中川委員、よろしいでしょうか。
○中川委員 これは重要なことで、必ずどこの病院でも、どこの患者でも起こる可能性が高いことですので、是非、よろしくお願いします。ありがとうございました。
○事務局 ありがとうございます。
○山口委員 埼玉医科大学総合医療センターの山口といいます。
○荒井部会長 山口委員、どうぞ。
○山口委員 ただいま警告がありました事例ですが、警告文の中に、ETCO2のセンサーを付けることで予防対策となっていますが、このETCO2のキュベット自身も適切でないサイズや位置が間違っている場合で、同じような事例も発生することが考えられますので、そういった部分も踏まえて、警告、報告をしていただければと思います。よろしくお願いします。
○事務局 事務局より回答いたします。中川先生の御意見と合わせて、製造販売業者に伝えさせていただきます。ありがとうございました。
○荒井部会長 ありがとうございます。そのほか御意見よろしいでしょうか。いかがですか。ありがとうございました。それでは先に進ませていただきます。
 次は、資料1-12です。引き続きお願いします。
○事務局 資料1-12「大腿膝窩動脈におけるパクリタキセルを塗布したバルーン及びステントの添付文書の自主点検について」を御覧ください。こちらは、下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管内治療医療機器として、再狭窄の軽減等を目的に使用されている、大腿膝窩動脈におけるパクリタキセルを塗布したバルーン及びステントについて、最新の論文その他により得られた知見に基づき、必要な情報が添付文書に記載されているかどうかを自主点検するよう、製造販売業者に求める通知です。
 以下、これらの製品を「PTXデバイス」と呼びますが、PTXデバイスの安全性については、死亡リスク増加の可能性が示唆されているとの報告が海外でなされ、日本人を対象とした臨床成績等を踏まえ詳細な検討が必要となったことから、厚生労働省では、令和元年7月より、厚生労働科学特別研究「パクリタキセルを用いた末梢血管治療デバイスの長期的安全性に関する研究」(研究代表者は東邦大学の中村正人先生)により検討を行ってきました。
 令和2年度に取りまとめられました研究結果では、日本人の臨床成績等を用いた検証においては、患者群と対照群の間で、治療後5年間の死亡率に有意な差がないことが示されました。
 また、当該結果を踏まえ、日本血管外科学会、日本IVR学会及び日本心血管インターベンション治療学会から、PTXデバイスの使用を検討する場合には、患者状態に鑑み使用の可否を判断すること、国内外における成績を用いてインフォームドコンセントを行うこと等を記載したステイトメントが公表されました。
 この結果を踏まえ、PTXデバイスの製造販売業者に対して、添付文書の「使用上の注意」及び「主要文献及び文献請求先」に必要な情報が記載されているか確認すること、必要な情報が記載されていない場合は、当該通知で示した情報を記載することを求めています。
 本通知の対象となる製品を製造販売する企業は4社あります。令和3年3月24日時点で4社5製品全てにおいて添付文書の改訂の対応が完了しております。また、製造販売業者に対し、必要な対応を引き続き行っていく予定です。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。パクリタキセルのコーティングされたバルーンについての話です。委員の方々、御質問、御意見いかがでしょうか。
○齋藤委員 よろしいでしょうか。東邦大学医療センター佐倉病院の心臓血管外科の齋藤です。よろしくお願いします。
○荒井部会長 どうぞ、齋藤委員、お願いします。
○齋藤委員 これからこのデバイスを使う患者さんが着々と増えるとは思うのですが、追跡調査として、例えば、使用した症例のレジストリーみたいなものはしっかりしたもの、しっかりとしたと言うか、追跡可能なものはあるのでしょうか。それに基づいて、また今後も、おそらく経過観察を続けるのではないかと思われるのですが、いかがでしょうか。
○荒井部会長 お待ちください。機構より回答してもらいます。
○医薬品医療機器総合機構 事務局より御回答します。レジストリーのようなものは、実は走っていないのですが、3製品についてPMSが走っておりますので、こちらで補足可能と考えております。以上です。
○荒井部会長 よろしいですか。
○齋藤委員 ありがとうございました。
○荒井部会長 そのほか御意見、御質問等いかがでしょう。ありがとうございます。それでは、先に進ませていただきます。
 資料1-13になります。では、事務局から説明をお願いします。
○事務局 事務局より、資料1-13「使用上の注意」の改訂について御説明します。こちらは「チサゲンレクルユーセル」、いわゆる「キムリア」という製品なのですが、こちらに関して、「Infusion reaction」、「アナフィラキシー」に関する海外症例が集積されたことを踏まえ、令和3年2月25日に、添付文書の使用上の注意における「重大な副作用」の項目を「Infusion reaction、アナフィラキシーが現れることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと」と改訂し、医薬関係者等への情報提供等の必要な措置を講ずる旨の通知を発出しました。以上となります。
○荒井部会長 ありがとうございます。ただいまの報告について、御質問、御意見いかがですか。よろしいでしょうか。一応これで、議題1の全ての報告が終了しましたが、実は議題1はほかにも項目がありまして、主立ったものを今日は取り上げて説明を頂きましたので、もし委員の方々から、それ以外のものについて御質問、御意見等があるようでしたら、ここで御発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。ありがとうございます。よろしいでしょうか。それでは、議題1の報告は以上とさせていただきまして、次の議題2に進みます。
 議題2「医療機器・再生医療等製品の不具合等報告について」を始めます。事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題2について御説明させていただきます。資料2-1の1ページを御覧ください。令和2年度の上半期である、令和2年4月1日から令和2年9月30日までの6か月間の報告状況について、御報告いたします。
 2ページを御覧ください。不具合等報告の全体の概要です。医療機器及び再生医療等製品の不具合報告制度は、製造販売業者等からの報告である企業報告制度と、医療機関等の医薬関係者からの報告制度の二つから成り立ち、1.については、医薬品医療機器等法第68条の10の第1項に基づく、製造販売業者等からの不具合等報告について、3ページの2.は、医薬品医療機器等法第68条の10第2項に基づく、医薬関係者からの不具合等報告になります。それぞれについて御報告いたします。
 まず2ページの1.の「製造販売業者等からの不具合等報告」ですが、医薬品医療機器等法第68条の2第1項において、医療機器及び再生医療等製品の製造販売業者又は外国製造医療機器特例承認取得者等は、医療機器及び再生医療等製品の有効性及び安全性に係る事項、その他製品の適正な使用のために必要な情報について、能動的に収集するよう規定されております。
 国内において、医療機器又は再生医療等製品の不具合が原因又はその不具合が原因と疑われる死亡や重篤な健康被害が発生した場合、又は不具合によりそれらが発生するおそれのある症例が発生した場合、製造販売業者等がそのことを知ったときには医薬品医療機器等法第68条の10第1項に基づき、厚生労働大臣に報告する義務があります。報告の対象や情報を入手してから報告するまでの期限については、医薬品医療機器等施行規則第228条の20により定められております。
 また、海外で使用される医療機器又は再生医療等製品にて、死亡又は重篤な健康被害が発生した症例又はそれらのおそれがあると判断された症例に関する不具合に関する情報については、医療機器等が使用されている国の規制に従って、各国の規制当局に報告等されることとなりますが、日本で承認を受けた医療機器と形状、構造、原材料、使用方法、効能、効果、性能等が同一性を有すると認められる医療機器については、それらの海外における医療機器の不具合等に関する情報を日本の製造販売業者が入手したときには、日本においても外国症例の不具合報告として、不具合報告の対象となります。この場合の報告者は、日本の製造販売業者となります。
 今回の資料では、令和2年度の前期である4月1日から令和2年9月30日までの医療機器の不具合等報告について、各項目の報告件数を示しております。1.(1)1)の不具合報告の件数については、国内と外国の合計が54,906件、前回の令和2年10月の部会で報告した、平成31年度後期である令和元年10月1日から令和2年3月31日の件数である40,307件と比較して、約14,600件の増加となっております。
 今回の54,906件の内訳ですが、九つの製品の分類で言いますと、多いものは分類3「処置用施設医療機器等」の21,711件と、分類4「生体機能補助・代行機器」の29,745件で、この二つで全体の約94%を占めております。
 国内報告と外国報告の件数ですが、国内報告が10,844件、外国報告が44,062件となっており、前回の国内報告である11,315件から471件の減少、外国報告については、前回の28,992件から約15,000件の増加となっております。また、コンビネーション医薬品の医療機器部分における不具合報告は、国内報告709件、外国報告1,142件、計1,851件がありました。また、再生医療等製品の不具合報告は、国内報告133件、外国報告628件、計761件の報告がありました。
 「2)感染症報告」は、医療機器、コンビネーション医薬品、再生医療等製品、いずれも0件。
 3ページに入り、(2)海外の規制当局や外国製造元等が行った措置を報告する外国措置報告については、医療機器が379件、再生医療等製品は3件でした。「(3)研究報告」は、医療機器について1,488件、再生医療等製品は1件、「(4)感染症定期報告」は、医療機器について34件、再生医療等製品は37件でした。感染症定期報告の詳細については、次の議題で御説明させていただきます。
 また、「2.医薬関係者からの不具合等報告」は、医療機器では188件、再生医療等製品では6件、「3.副作用救済給付又は感染救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告」は、医療機器、再生医療等製品共に0件でした。
 次に、全体の報告件数の推移等について、御説明させていただきます。4ページを御覧ください。4、5ページには、過去3年分の不具合報告件数の推移をグラフ及び表で示しております。これらは、国内報告と外国報告を合わせた件数となります。医療機器不具合報告の全体の報告件数の傾向としては、平成30年後期の26,500件から今回の報告までで、28,406件増加の54,906件となっており、大きな増加傾向を示しております。この傾向は、グラフの上から2番目、青印の折線グラフである分類4(生体機能補助・代行機器)の外国報告件数が増加していることが主な要因です。この理由は、既承認品の国内市場規模の拡大や販売国の増加に伴い、不具合報告が増加したこと、企業の安全性情報収集体制の見直し等により、不具合報告件数が増加しているものと考えております。
 5ページ、コンビネーション医薬品については、平成29年度前期から2,000件前後の水準となっており、報告件数のペースとしては落ち着いております。
 再生医療等製品については、平成31年度前期以降に大きく件数が増加しています。これは、平成30年以降に薬事承認された製品が上市され、特にその製品の海外の不具合報告件数が上乗せされたことが要因と考えられます。
 令和2年度前期の国内外の不具合報告の内訳は、国内133件、海外628件、計761件でした。再生医療等製品は、令和3年3月25日現在で10品目存在しており、今後も製品の上市が続くことから、不具合報告の件数は今後も増加すると考えられます。
 なお、再生医療等製品の不具合の件数は増えておりますが、市販後において新たに確認された不具合については、添付文書改訂指示を行うなど、引き続き対応してまいります。具体的な再生医療等製品の品目別不具合発生件数の推移については、12ページに記載をしておりますので、適宜御参考ください。
○医薬品医療機器総合機構 6ページ以降については、製品の分類ごとの不具合について、機構より御説明をさせていただきます。6ページ以降については、後の資料2-2-1~2-2-3に膨大なラインリストを付けておりますが、こちらより主要なものをピックアップして御説明させていただきます。
 6ページを御覧ください。「2.令和2年度前期の不具合報告の概況」の「2-1医療機器における国内不具合報告」には、各分類における国内の不具合報告件数と、その中でも特に報告件数の多かった品目の一般的名称、その主な不具合又は健康被害状況をピックアップして記載をしております。
 表の左側については、一般的名称ごとに不具合報告の件数のうち、多いものから順に第1~3位までの一般的名称を掲載しており、「主な不具合又は健康被害状況」の欄には、それぞれの一般的名称の製品群で報告された不具合又は健康被害のうち、多いものから順に第1~3位を掲載しております。なお、同数で同順位となる一般的名称や不具合名についても、全て掲載をしております。
 分類(1)ですが、「画像診断用機器」として、OCT画像診断装置、X線透視診断装置等、国内では合計8件報告されております。
 分類(2)の「生体監視・臨床検査機器等」としては、再使用可能な高周波処置用内視鏡能動器具、内視鏡固定具、硬性手術用ランバースコープ等、合計472件が報告されております。
 分類(3)の「処置用・施設機器等」として、脊髄くも膜下・硬膜外麻酔キット、ポータブルインスリン用輸液ポンプ、バルーン拡張式血管形成術用カテーテル等、国内では合計4,434件報告されております。
 7ページを御覧ください。分類(4)の「生体機能補助・代行機器」として、脊椎内固定器具、大動脈用ステントグラフト、経カテーテルブタ心のう膜弁等、合計4,877件となっています。分類(3)と(4)については、リスクの高い医療機器が多く分類されているということもあり、報告件数が多くなっております。
 分類(5)の「治療・鋼製機器等」として、脊椎手術用器械、治療用電気手術器、骨手術用器械等、合計935件が報告されております。
 分類(6)の「歯科用機器・材料」として、歯科用骨内インプラント材及び歯科用ユニット、合計3件となっております。
 分類(7)の「眼科用機器」としては、多焦点後房レンズ、後房レンズ、挿入器付後房レンズ等、合計82件が報告されております。
 分類(8)の「衛生材料・避妊用具・家庭用機器等」としては、救急絆創膏、家庭用電気マッサージ器、生理用タンポン等、合計12件となっています。
 続いて、8ページを御覧ください。分類(9)の「プログラム医療機器」は、遺伝子変異解析プログラム(がんゲノムプロファイリング検査用)、ホウ素中性子捕捉療法用治療計画プログラム及び循環動態解析プログラムの合計で21件となっております。
 続きまして、9ページでは、平成29年10月1日から令和2年9月30日までに、新医療機器として承認された品目の国内での主な不具合報告の状況について御説明いたします。
 不具合等報告の件数のうち、多いものから順に第1~3位までの品目を掲載しており、平成29年度~令和元年度までで、分類としては分類3、4、5となっております。多くが添付文書に記載されている既知の事象となっております。また、未知の事象については、今後も注視し、必要に応じて添付文書を改訂するとともに、医療現場への情報提供を行ってまいります。引き続き、不具合・健康被害の情報を注意深く収集している状況です。
 10ページを御覧ください。次に、コンビネーション医薬品の医療機器部分の不具合報告として、国内報告が709件となっております。これらの不具合報告の詳細については、資料2-2-2「コンビネーション医薬品不具合報告」に別途まとめております。
○医薬品医療機器総合機構 再生医療等製品について、御説明させていただきます。10ページを御覧ください。10ページの2-3-1ですが、こちらは再生医療等製品の国内不具合報告でして、133件報告されております。こちらの2-3-1の表の中では、期間中の不具合報告件数の多いものから3品目をお示ししております。また、主な不具合又は健康被害状況等の欄については、報告件数上位3位の事象をお示ししております。これらの報告については、資料2-3-1「再生医療等製品不具合報告」にまとめておりますので、御覧ください。
 10、11ページにかけて、平成29年10月1日から令和2年9月30日までに、新たに承認された品目の国内不具合報告について、お示ししております。主な不具合又は健康被害状況について、報告件数の上位3位までの事象を記載しております。なお、チサゲンレクルユーセル(商品名:キムリア点滴静注)、オナセムノゲンアベパルボベク(商品名:ゾルゲンスマ点滴静注)、ベペルミノゲンペルプラスミド(商品名:コラテジェン筋注用)以外に承認された品目は2品目ありますが、これらの品目については期間中に不具合報告はありませんでした。
○医薬品医療機器総合機構 13ページを御覧ください。こちらでは、国内での過去の5年間の不具合報告の公表状況についてまとめたものです。こちらは、年度単位での集計になっており、報告された不具合報告は公表するとともに、最終的に転帰が死亡として報告された症例については、製造販売業者による調査が全て完了した後に、事象と医療機器の因果関係について評価を行い、評価が終了したものからその結果について随時公表しているところです。死亡との因果関係が否定できないものをA評価、死亡との因果関係が認められないものをB評価、死亡との因果関係が評価できないものをC評価としています。
 14~18ページまでは、死亡症例のうち、死亡との因果関係が否定できないA評価の医療機器の一般的名称別の件数を示しております。こちらの表の報告件数については、一般的名称で分類していること及びそれぞれの分類における製品数や使用者数は異なりますので、この資料により、個々の製品の不具合発生率の傾向等について議論ができるものではありませんが、御参考として御覧いただければと思います。
 主に大動脈用ステントグラフト、経カテーテルウシ心のう膜弁、経カテーテルブタ心のう膜弁、冠動脈ステントなどのリスクの高い症例での治療に使用される分類(3)とか(4)、こういった医療機器の件数が多い傾向にあります。
○医薬品医療機器総合機構 続きまして、再生医療等製品について、説明させていただきます。19ページを御覧ください。こちらは、再生医療等製品の国内での過去5年間の不具合報告の公表状況についてまとめたものです。集計方法については、先ほどの医療機器と同様となります。死亡との因果関係が否定できないA評価となった承認については、チサゲンレクルユーセル(商品名:キムリア点滴静注)1件のみとなっており、そのほかは死亡との因果関係が認められないB評価又は死亡との因果関係が評価できないC評価、若しくは調査中の症例となっております。資料2-1の説明は以上です。
○医薬品医療機器総合機構 資料2-2-1~2-3-3ですが、先ほど御説明させていただいたとおり、資料2-1の先ほどの御説明の中で主要な不具合について御説明させていただきましたので、こちらの内容の御説明については、先の御説明をもって資料2-2-1~2-3-3の御説明に代えさせていただき、ここではラインリストの見方についてのみ御紹介をさせていただきます。
 資料2-2-1ですが、1ページに注意事項として、この不具合報告リストの見方が記載されております。この報告については、医療機器との因果関係が不明なものも含め、製造販売業者等から報告されたものであること。報告に関する分類は、1~9まで9分類に分類されていて、次に目次が記載されており、その次から表の下にページ番号を記して一覧を記載しております。
 一覧の掲載順については、医療機器の一般的名称、企業名、販売名の順に.五十音順で掲載をしております。
 それぞれの件数については、提出された報告書の件数を示したものになっており、同一の症例で複数の医療機器が関与している場合は、複数の企業からそれぞれ報告されることがあります。このような場合には、同一の症例を重複してカウントすることになります。したがって、報告件数がそのまま症例数にはならない場合があります。
 また、報告症例の中には、不具合状況がなし又は不明であり、かつ、健康被害状況が不明のケースがあります。これは健康被害状況が不明で、機器との因果関係を否定できないと判断するだけの情報が得られなかったため、不具合報告がされたものがあります。
 表の右端の「対応状況」の欄に、対応措置の項目として、原則として令和2年9月30日時点での措置の内容を簡潔に記載しております。「回収(改修)」と記載しておりますのは、製品を医療現場等から引き上げる「回収」をした場合、又は修理や検査の実施等を行った「改修」の措置を取ったことを示しております。「情報提供」と記載したものについては、添付文書の改訂、あるいは書面による注意喚起文書を医療機関等に配布したなどの措置を取ったものです。この中には、既に添付文書等で、関連する注意喚起の記述がなされているものも含んでおります。
 資料2-2-1の医療機器の不具合報告のまとめと同様に、資料2-2-2では、コンビネーション医薬品の医療機器部分に関する不具合、資料2-3-1では、再生医療等製品に関する報告をそれぞれ一覧表でまとめております。
 医療機器の外国措置報告、研究報告について、御説明を続けさせていただきます。資料2-2-3を御覧ください。医療機器に関する外国措置報告ですが、企業が外国でも同一性を有する製品、つまり日本で承認を受けた医療機器と形状、構造、原材料、使用方法、効能、効果、性能等が同一性を有すると認められている、外国で使用されている医療機器を製造販売している場合に、外国の規制当局などで取られた措置について、日本の行政当局にも報告をするというものです。
 令和2年度前期では、379件の報告が来ております。資料の一番右の2列については、国内外での対応状況について記載をしております。外国で措置を行った結果について、日本の対象製品がない場合を除き、おおむね日本においても同様の対応を取っている状況です。
 資料2-2-4「医療機器研究報告」です。資料2-2-4を御覧ください。医療機器研究報告は、不具合の発生頻度、発生状況などの疫学調査や集計、分析等に関する内容の文献報告等があった場合に報告されるものであり、今回は文献数にして1,488本ありました。なお、今回報告により安全対策上の特段の措置が必要になったものはありません。
○医薬品医療機器総合機構 再生医療等製品について、説明をさせていただきます。資料2-3-1を御覧ください。こちらは再生医療等製品の不具合報告の一覧を示したものです。ラインリストの見方については、医療機器の不具合報告と同様ですので、割愛させていただきます。
 資料2-3-2、こちらは再生医療等製品の外国措置報告です。再生医療等製品に関する外国措置報告は3件ありました。当該報告につきましては、2件はゾルゲンスマの血栓性微小血管症に関する報告でして、現在、添付文書の改訂要否について検討中となっております。残る報告については、非臨床試験の結果が、製造販売後、臨床試験実施施設の治験責任医師に情報提供されたものでして、こちらはヒトにおける臨床的意義が不明であるというところから、関連情報に注視している状況です。
 資料2-3-3を御覧ください。こちらは再生医療等製品に関する研究報告でして、期間中は1件報告がありました。当該報告について、先ほど御説明しました外国措置報告にあります非臨床試験の結果が報告されたものでして、こちらも関連情報を注視している状況です。説明については以上です。
○荒井部会長 ありがとうございました。資料2の部分は内容が大変膨大ですので、御質問と御意見などを頂く部分をある程度分けながら進めたいと思います。まず最初に、全体の流れ、不具合報告の推移というものを御説明いただきました。先ほどのお話ですと、数は増えているが海外からの報告が増えたこと、それも使用頻度が上がったこと、企業の対応が昔よりも良くなったことなどが主な原因ということだったと思います。まず、この部分の全体としての推移などにつきましての御意見や御質問はいかがでしょうか。
○外園委員 外園です。質問させていただいてよろしいですか。
○荒井部会長 どうぞ。
○外園委員 対象頻度は今回出していないという御説明だったのですが、やはり10万件に1件か100件に1件かというのは、かなり気になりながら伺っていたのですが、そういうランク付けなどもなく、あるいは厚労省の方で事実は把握しているが、煩雑で出していないということなのか、ちょっと頻度が気になったので、その辺の情報がどうなっているかを教えていただけますでしょうか。
○荒井部会長 荒井ですが、私から少し御説明させて頂きます。実は、いつもこの部会では問題になるのですが、基本的に報告が上がってきたものが母数になっていますので、その機器がものすごくたくさん使われているものなのか、極めて希にしか使われないものかによって、解釈が変わってきます。希であれば比較的データが収集しやすい場合もありますが、実際に使用されている数というのは結構難しいものですから、そこが把握できないため、なかなか不具合の頻度に言及し難いというところがあります。ここが、実はこの部会の一番弱い所です。
○外園委員 すみません。初めてだったのでちょっと。気になりながらも、すみません。
○荒井部会長 いや本当に大事な所です。少し課長の方からもお教えいただきましょうか。
○安全対策課長 医薬安全対策課の中井です。母数については率直に申し上げて、これは自発報告になると、どうしても使用された数というのは正直なところ分からない状態になります。あえて言うのであれば、出荷量など、そういうことを企業から聞いて出してくるということは、一つ一つ何か問題があった事例ではそういうことをやることは可能性はあるとは思いますが、現時点で、母数を全てそれぞれ出していくというのは実務的に不可能ということは正直なところです。
○外園委員 分かりました。また勉強してきたいと思います。
○荒井部会長 ありがとうございます。今のは大変重要な御指摘です。この部会でディスカッションするときに、本当に皆さんが認識しておかなければいけない重要なポイントですので、御指摘ありがとうございました。
○安全対策課長 あえて追加して報告させていただければ、世界的にも、不具合報告制度というのは同じ制度をとっているので、基本的には同じことになっています。仮に、何か特別な目新しいことがある場合は、こういった審議会の御意見を頂ければ、我々としては何らかの対応というのは個別に考えていきたいというように思っております。
○外園委員 ありがとうございます。
○荒井部会長 そのほか、全体の流れにつきまして、御質問等はよろしいでしょうか。
○岩﨑委員 よろしいでしょうか。早稲田大学の岩﨑です。
○荒井部会長 お願いいたします。
○岩﨑委員 今日の資料は非常に分かりやすく、御説明も過去の中でも非常に分かりやすかったです。どのように措置をしたかもまとめられていて、今できる情報収集からきれいにまとまっていたと思います。不具合報告に関する研究報告の収集に関しては、ここ何年か力を入れてやられていらっしゃり、集めた外国論文の中から分析することもあるかと思います。今回は特段の措置の必要はなかったという御報告で、よかったと思います。その中で、研究報告の情報を集めること自体は、安全対策上は非常に有意義になっているのかどうかというのを教えていただければと思います。
○荒井部会長 少しお待ちください。
○岩﨑委員 どういう主旨かと言いますと、ある程度、企業側に負担を増やさずに、行政と企業で協力して効率的な安全対策をしていく上で、これはプラスになっているのかという意図の質問です。
○荒井部会長 ありがとうございます。
○医薬品医療機器総合機構 事務局の機構から御説明させていただきます。貴重な御意見をありがとうございます。研究報告につきましては、今回、ここから安全対策上の措置を直ちに取らなければならないという情報が得られなかったので、特に特段必要はないという御説明をいたしましたが、過去には、研究報告を契機に、安対課と協力しながら、安対課の方から通知が発出されたというケースもあります。そういった形で安全対策に資するものとして活用しているところです。以上です。
○岩﨑委員 ありがとうございます。
○荒井部会長 そのほか、全体的なものについてはよろしいでしょうか。よろしければ、この後、個別にというわけではないのですが、一応ある程度の分類が1~9まであるので、もし、それぞれの画像診断用医療機器からプログラム医療機器までの所で何かありましたら。引き続いて、コンビネーション医薬品と再生医療等製品はよろしいでしょうか。感染症のことは、この後でまた少し出ていますので。
 そのほか、後段ですが、今ちょっと御指摘があった外国措置あるいは研究報告、この辺につきましての御意見はいかがでしょうか、あるいは更に、それぞれの品目のかなり細かな表の所で是非、この品目だけについては詳しく質問をしたいということがあればお聞きしたいと思いますがよろしいでしょうか。
○齋藤委員 よろしいでしょうか。
○荒井部会長 どうぞ。
○齋藤委員 東邦大学医療センター佐倉病院の齋藤です。細かい話にはなってしまうのですが、自分が循環器領域の人間なので、細かい項目に関してかなり興味深く拝見しておりました。年次報告の年次ごとの数字もかなり分かりやすく提示していただいた中で一つ感じたのが、デバイスによって年次ごとに報告数が減っているものと増えているもの、これから恐らくいろいろな保険収載などの変化によって、恐らく増えるであろうものが含まれているように思うのです。
 具体的に言うと、不整脈治療のものは減っているとか、冠動脈ステントのものも減っているとか。一方で、経カテーテルの大動脈弁置換術は今後も増えるのではないかということが、透析症例の保険収載なども重なって予想されるのですが、こういうものは、実は日本循環器学会関連、若しくは心臓血管外科のJCVSDなどでレジストリーデータとしてフォローが可能な治療もかなり含まれているように思うのです。その場合に、医療機器安全を死守するという観点から、そういうレジストリーとの何というかタグを組むではないですが、何か情報収集するような道筋というものはおありなのでしょうか。すみません。見当外れな質問だったら申し訳ありません。教えていただければと思います。
○荒井部会長 いえ、ありがとうございます。学会を軸とするレジストリーというか、市販後のデータ収集は前から行われておりますが、最近特に活発化しておりますので、その辺のデータと行政として集めるもののデータの関係についての御質問かと思いますので。では、お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 貴重な御意見をありがとうございます。機構からお答えいたします。先ほど御紹介いただいたように、学会等でレジストリーをしっかりと組んでデータを蓄積していただいているというケースは、こちらとしても、もちろん承知はしていて。これは、新医療機器の承認の中で、承認条件としてレジストリーと連携してPMSデータに反映をさせるということは取組として既に行われていることです。義務として承認の際の承認条件と紐づけることにより、レジストリーデータと連携しながら、こちらにも報告がくるという仕組みは構築していて、学会とも常に連携をしながら安全対策を講じていくというような取組を行っているところです。以上です。
○齋藤委員 ありがとうございます。
○荒井部会長 よろしいでしょうか。
○齋藤委員 すみません。ありがとうございます。そうなると、アウトプットの窓口は学会を通しての報告がメインになって、実際に使用する医療機関側が、どこから安全性に関する報告を端的に分かりやすく頂けるように、多分そこが大事になるのではないかと思うのですが、それはどういうルートになるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。機構からお答えいたします。こちらは、レジストリーをPMSデータに反映しながらというお話の中での御質問かと思いますが、その際には、まずこちらに報告をいただく際には、製造販売業者からの報告となります。製造販売業者は、そのレジストリーデータから得た情報ということになりますので、医療機関からの情報は、レジストリーのデータベースに蓄積をされたものが速やかに製造販売業者に共有され、当局報告につながっているというような状況です。以上です。
○齋藤委員 ありがとうございました。
○宮地委員 愛知医大の宮地ですがよろしいでしょうか。
○荒井部会長 お願いいたします。
○宮地委員 今のお話ですが、不具合報告が結構あって、これは機構としても問題だとした場合に、機構は当然あると思うのですが、レジストリーをやったりとか、もう一度調査をし直せというようなことは、まず企業にいくのか、それとも学会にいくのか、今、荒井部会長の方からも学会も自主的にやっているというお話があったのですが、今の体制というかトレンドというか、それはどういうような体制なのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構からお答えいたします。おっしゃる内容につきましては、もう本当にケースバイケースというところがあって、事象の軽重であったり、そういった学会との連携の仕方というところではありますが、基本的には、どちらか一方にアクセスをして何かを対応するということではなく、行政と製造販売業者、学会の3者がきちんと連携をして取り組むということです。今の現状は、トレンドといいますか、通常やっている安全対策のやり方としてはそういったところです。御説明になっているでしょうか。
○宮地委員 分かりました。ありがとうございます。
○医薬品医療機器総合機構 失礼いたしました。
○荒井部会長 ありがとうございます。では最後に公表状況ということで円グラフを出していただいています。実際問題、因果関係については調べてもなかなか判断が付かないものも多いとは思うのですが。
 それでは、議題2の資料2の全項目の所を含めて何か御質問や御意見、御指摘等はありますか、よろしいでしょうか。よろしければ、これで議題2の報告を終わらせていただいて、引き続き議題3に入ります。
 議題3「医療機器・再生医療等製品の感染症定期報告について」を始めます。では、事務局から説明をお願いします。
○事務局 議題3、感染症定期報告について、報告いたします。資料は資料3シリーズです。まず感染症定期報告について、制度の概要を説明いたします。人や動物等に由来し、保健衛生上、特別な注意を要するものとして、厚生労働大臣が指定する生物由来製品については、その原材料が細胞組織等であることから、未知の感染因子である細菌、ウイルス等を含有している可能性が否定できません。また感染症については、一般的な医薬品、医療機器の副作用、不具合等と比べ、製品との因果関係が明確になる以前から潜在的に感染が進行するおそれがあり、更に感染した後は時間の経過に伴い軽減することなく、一定期間経過後に顕在化するおそれもあります。このような背景を踏まえ、生物由来製品については医薬品医療機器等法において、製造販売業者等に対し、製品への直接的な影響がいまだ不明の原料動物等の感染症に関する最新の治験を常に把握し、それを集積した上で、感染症のリスクを多角的に評価・検討し、その結果を報告するよう義務付けております。これが、感染症定期報告です。この感染症定期報告で寄せられた情報については、本部会も含めた薬事・食品衛生審議会に報告し、措置が必要ないかを御検討いただいております。以上が、感染症定期報告の概要となります。
 資料は3-1と3-2に分かれており、3-2は重複を含む期間中の全ての報告です。そのうち、重複や過去に報告されたものを整理し、今回の期間に新規に報告されたものをまとめたものが、資料3-1となります。また、資料末尾が1の資料3-1-1及び3-2-1が医療機器、末尾が2の資料3-1-2及び3-2-2が、再生医療等製品の報告をまとめたものとなっております。それでは資料3-1-1、医療機器の報告を御覧ください。今回は、2020年4月1日~9月30日までに報告されたものをまとめております。こちらについては、今回新たに報告された文献は30件ありました。詳細な説明は省略させていただきますが、全体の傾向としては、E型肝炎ウイルス関係が7件報告されております。
 次に資料3-1-2、再生医療等製品の報告を御覧ください。こちらは、今回新たに報告された文献は12件ありました。詳細な説明は省略させていただきますが、COVID-19肺炎が4件、コロナウイルス感染が2件報告されております。これらの報告について、国立感染症研究所の脇田委員、宮﨑委員、国立医薬品食品衛生研究所の澤田委員に御確認いただいております。この場で、特段御紹介すべき意見は頂いておりません。感染症定期報告に関する説明は以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。ただいまの議題3について、御質問、御意見等はいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、議題3の報告は以上です。次に議題4、その他に移ります。事務局から説明をお願いします。
○事務局 資料4-1「改正薬機法の施行に向けた対応状況について」、説明いたします。1ページを御覧ください。改正薬機法の施行に向けた対応状況については、前回11月に開催いたしました本部会にて報告したところです。本資料では、前回の部会以降に公布等された主な政省令、通知等をお示ししており、いずれも本年8月1日より施行する規定に関する事項となっております。ここでは個別文書の説明は割愛し、前回の部会にて御意見を頂きました3点を中心に御説明いたします。
 1点目は、注意事項等情報(電子化された添付文書)を入手するために必要となる符号についてです。4の(1)に示しております通知にて活用する符号について示しておりますので、4/51ページを御覧ください。前回の部会以降、薬機法施行規則改正案のパブリックコメントを実施し、「(3)符号」の項に記載のとおり、注意事項等情報(電子化された添付文書)を入手するために必要となる符号として、GS1バーコードを活用することといたしました。前回の部会では、GS1バーコードとQRコード双方について、様々な観点から御意見を頂きました。その後、実施しましたパブリックコメントでも多数の御意見を頂きましたが、パブリックコメントでの
・既に医薬品や医療機器の外箱の大部分にGS1コードが表示されており、PTPシート等の調剤包装単位への表示も進んできていることから、GS1コードから添付文書にアクセスできることが、医療安全の観点から望ましい。
・諸外国のヘルスケア行政において、GS1による法制化の動きがある中、国際的な規格であるGS1コードを用いることが国際整合性の観点から望ましい。
といった御意見も踏まえ、総合的に判断し、GS1バーコードを活用するに至っています。
 2点目は、改正法施行後における添付文書の取扱いについてです。本年8月1日以降は、添付文書の製品への同梱を廃止し、電子的な提供を基本とすることとしているところですが、前回の部会にて、医療現場の環境によっては、アプリからインターネット接続することができないのではないか、医療現場には紙媒体の添付文書のニーズがあるのではないかといった御意見を頂きました。
この点に関しては、4の(1)に示している通知と事務連絡に明記しておりますので、10/51ページを御覧ください。10ページの一番下、「第4 公表対象医薬品等の注意事項等情報の提供を行うために必要な体制の整備」の項に記載のとおり、医薬品等の製造販売業者は、医薬関係者が必要とする時点で、適切に注意事項等情報(添付文書)を入手できるよう、必要な情報提供の体制を整備しなければならないとされております。
 そのため、前回の部会での御意見も踏まえ、11/51ページ3行目以降に記載のとおり、「特に、現状において情報通信の技術を利用する環境が十分でない等の医薬関係者に対しては、医薬品等の製造販売業者は、注意事項情報を記載した文書を提供する方法により、適切に注意事項等情報を提供することができるよう留意する必要がある。」と明記いたしました。
 また、同じく11ページの下段、「2 注意事項等情報の提供方法」にて、初回購入時は紙媒体を基本とする旨、注意事項等情報に変更があった場合は、医薬関係者が確認しやすい方法で情報提供するよう記載しております。また、注意事項等情報の提供については、事務連絡によりQ&Aとしてもお示ししているところです。Q&Aの詳細については割愛いたします。
 3点目は、添付文書電子化に係る周知についてです。前回の部会では、利用者である医薬関係者への周知が重要との御意見を頂きました。厚生労働省といたしましても、医薬関係者への周知徹底が非常に重要な点であると認識しております。先ほど説明しました内容も含めて、添付文書電子化に係る情報については、通知や事務連絡、PMDAメディナビ、講習会等、情報発信の機会やツールを最大限に活用して周知してまいりたいと考えているところです。
 24/51ページを御覧ください。直近では、3月23日に公表した医薬品・医療機器等安全性情報381号において、「添付文書の電子化について」記事を掲載し、薬機法改正の趣旨、アプリによる添付文書の閲覧、紙媒体等での情報提供が必要な場合等について、医薬関係者に対して周知を図ったところです。
 また、各関連業界とも連携して対応しているところでして、各業界が開催する講習会で議題として取り上げていただいているほか、リーフレットを作成し、MR経由で医薬関係者に周知を行う等の検討を行っているところです。添付文書の電子化への移行がスムーズに行えるよう、引き続き関係者と連携の上、対応してまいります。資料4-1については以上です。
○荒井部会長 ありがとうございました。ただいまの説明について、御質問、御意見等はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。特に御意見がないようでしたら、今日は議題が4までです。冒頭で申し上げましたように、もし必要があれば最初の議題1まで遡って、何かこの点を聞き忘れた、確認し忘れたということがありましたら御発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。
○中川委員 横浜栄共済病院の中川と申します。今日の全体の報告について、非常に分かりやすく理解をさせていただきました。報告された中で気づいた点について、指摘をさせていただきたいと思います。様々な不具合報告、それからそれに対する対応についてお話いただいたわけですが、現在、医療現場、また医療機器については、テクノロジーの発達に伴い、医療機器を導入するためのプログラムシステムというものが多く使われております。このプログラムシステムに、欠陥とか予期しないトラブルというものが、最近散見されるようになってきました。
 物理的な不具合については、目で見て、又は患者のことについて分かりやすいのですけれども、こういった電子的な不具合について報告がどのぐらいあるのかが知りたいです。また、そういったものを広く周知して、電子的なトラブルにより診療や治療が中断せざるを得ないというような事態も経験しておりますので、そういったことを患者さんに対してもきちんとインフォームドコンセントをとらなければいけないという時代になってきたと考えております。実際の報告も電子的なトラブルも報告の一つになるかと思うのですが、その辺りについて今後の御見解をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ありがとうございます。まずは、電子的なトラブルの報告と収集をどうするかということと、その情報提供についてどういう対応をしていくかということです。その辺りは私自身が詳しいわけではありませんけれども、正直申し上げて、この辺りは行政側も途中経過というのが正直なところではないかと思いますが、一応コメントを頂きましょう。
○医薬品医療機器総合機構 御意見ありがとうございます。機構よりお答えをいたします。先生がおっしゃっていただいたような不具合については、主に、分類の中で申し上げますとプログラム医療機器、又は画像診断装置といった据置き機器のシステム的なトラブル等も含まれると思っております。こういった分類についても、先ほど報告をさせていただきましたように、報告の対象となるものについては、報告が来ております。報告の対象については、他の医療機器と同様、患者さんへの健康被害状況などを踏まえて御報告していただくというようなことです。
 こちらについては、プログラムだから、若しくは据置き機器だからということで、何か差別化をしているものではありません。全て報告の対象となったものは、報告を頂いて、こちらにお示しした資料に反映しているところです。以上です。
○荒井部会長 よろしいでしょうか。
○中川委員 はい、ありがとうございます。今後もそういったものがよく出てくるかと思い、質問させていただきました。また我々の方でも、そういったものを認知した場合には、幅広く報告をさせていただきたいと思っておりますので、是非皆さんの方でも御検討いただければ幸いです。ありがとうございました。
○事務局 事務局より補足いたします。先生、貴重な御意見をありがとうございました。医療現場や製造販売業者の方から、こういったいろいろな意見を頂けるということは、非常に有り難いと思っております。頂いた情報を基に個別に検討して、必要な処置等を行ってまいりたいと思います。以上です。
○荒井部会長 そのほか、委員の方々から御意見、御質問等はありませんか。
○西澤委員 西澤ですが、よろしいでしょうか。
○荒井部会長 どうぞ。
○西澤委員 今の中川先生の所と関連しています。私は総務省の委員で、電波の発する機器が様々な医療機器に与える影響というのを10年以上やっております。その中で、今回御紹介がありました機構さんの作った在宅で人工呼吸器を使用される方へのイラストの入った「使用適正のお願い」というすばらしいパンフレットになりましたので、こういう試みを地道に機構さんがされているのは、すばらしいことだと思います。
 今の中川先生の御発言で、私も考えており、いろいろな情報が入ってきている中で、やはり新しい5Gに対応している携帯電話の磁場が非常に強いということで、例えばiPhone12については強い磁場を伴っているということが報告されていて、それはアメリカなどでも結構問題になっているということも聞いております。こういう話というのは、患者さんからすると見えないですし、私たち使用側からすると見えないのだけれども、実は医療機器に不具合を与えるような可能性が高いというような報告も来ておりますので、適時、こういう問題はこの委員会で話していければ有り難いと思っております。以上です。
○事務局 西澤先生、御意見をありがとうございます。5Gの携帯電話等の普及については、現在総務省と協力しながら、5G携帯電話の電波が医療機器にどういった影響を与えるのかといったところを検証しているところです。本日の資料にも付けておりますが、例えば資料1-5、「総務省による平成31年度「電波の植込型医療機器及び在宅医療機器等への影響に関する調査等」報告書について」という資料があるのですが、こちらは総務省が作成した報告書を厚労省からいろいろな関係者に対して周知を行っているものです。
 例えば、5G携帯電話が医療機器にどういった影響を与えるかといった検証結果については、またこういった形で報告書が出来上がって、それをまた周知させていただきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○西澤委員 是非、分かりやすいパンフレットを作ることはすばらしいことだと思うので、期待しております。ありがとうございます。
○荒井部会長 ありがとうございます。そのほか、委員の方々から御質問、御意見はありますか。
○正宗委員 東京女子医大の正宗です。先ほども言及ありましたように、在宅などの医療機器もどんどん増えてきて、こういった報告はメーカーサイドからの報告だと思いますが、使用者がだんだん医療従事者ではなくて、患者本人だったり周囲の方々になったりしたときに、こういったデータベースですとその辺りが全部まとまって出てきてしまうのかなとは思います。そういった使用者別のデータなどが出るようなことも、今後はあり得るでしょうか。質問させていただきました。
○事務局 御意見ありがとうございます。先生の御質問は、基本的には今回説明させていただいたのは、ほぼ製造販売業者からの不具合報告ということで御紹介させていただいたところで、現在も医療機関からの報告は何件あったかを部会で紹介させていただいているところです。今後どういった形で資料としてお示しできるかは検討させていただきますが、頂いた意見を踏まえて検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○正宗委員 是非よろしくお願いします。
○荒井部会長 在宅などは増えてきますので、貴重な御意見だと思います。ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。本日予定の議題はこの四つなのですけれども、新しく加わった委員の方々もおられますし、初めてなのでということで遠慮がちな御発言もありましたが、この部会で一番怖いのは、パターン化して画一化されて、報告を受けてシャンシャンという形態が当たり前になってしまうことだと思っています。よって、むしろ新しい目線での御質問、御発言というのは歓迎したいと思いますので、様々な観点から今後もそれぞれの議題についての検討を進めさせていただければと思っておりますので、是非よろしくお願いいたします。
 予定していた議題は以上ですが、事務局から何かありますか。
○安全使用推進室長 今の議題4については、主に薬機法改正に向けた対応をさせていただき、またこれまで先生方からいろいろと御質問を頂いたところです。資料4-2~4-7については医療安全情報及び情報提供関係の文書となり、お示ししたとおりです。予定していた議題は以上です。次回の部会の日程は、日程が決まり次第、先生方に御連絡いたします。日程調整等については、改めて先生方の御都合を伺って決めさせていただきたいと思います。以上です。
○荒井部会長 それでは、これをもちまして令和2年度第2回医療機器・再生医療等製品安全対策部会を閉会いたします。長時間ありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局 

医薬安全対策課 安全使用推進室 副作用情報専門官 冨田(内線2751)