令和3年6月17日 第4回 障害児の新たな移行調整の枠組みに向けた実務者会議(議事要旨)

日時

令和3年6月17日(木)
16:30~18:30

場所

オンライン会議(厚生労働省 部長室横会議室)

出席者

構成員
代理出席

議題

  1. (1)「障害児入所施設移行状況に関する調査」の結果(速報VOL.3)について
  2. (2)これまでの議論の整理(案)について
  3. (3)「その他の移行に関する論点(みなし期限のあり方等、意思決定支援)(案)」について
  4. (4)その他

議事の概要

  1. (1)議題(1)について、資料1の「障害児入所施設移行状況に関する調査」の結果(速報VOL.3)を事務局から説明した。
  2. (2)議題(2)について、資料4の「構成員(神奈川県)提出資料」を高橋構成員(切通代理)から、資料2-1の「これまでの議論の整理(案)」、資料2-2の「障害児入所施設から成人サービスへの移行調整の流れイメージ(案)」、資料2-3の「都道府県協議会の運営のイメージ(案)」を事務局から説明した。その後、「都道府県等での新たな移行調整の枠組み」「移行に関する受入先確保・施設整備のあり方」「移行に関する年齢と必要な制度」について意見交換を行った。
  3. (3)議題(3)について、資料3の「障害児の新たな移行調整の枠組みの構築に向けた論点(案)(第4回)」を事務局から説明した。その後、「みなし規定の期限、意思決定支援のあり方」について意見交換を行った。

構成員からの発言の概要

(1)都道府県等での新たな移行調整の枠組みについて

  • 資料2-2について、都道府県が成人サービスの体験利用を包括的に決定する仕組みを作ることが難しい場合は、市町村の関与はもっと早いほうが良いのではないか。
  • 資料2-2について、本人の意思確認の面談は、障害児入所施設の地元の相談支援事業所が第3者的な立場で関わった方がいいのではないか。相談支援事業所といった場合に、障害児入所施設のある地元の相談支援事業所なのか、保護者のいる市町村の相談支援事業所なのかを分かりやすく表記した方がよい。
  • 都道府県の協議会では、移行が難しいケースだけではなく、基本的に15歳くらいから都道府県内全体の移行対象者の把握をすることにした方がよい。
  • 22歳までの延長を可能とするのであれば、都道府県の協議会で延長することについて話し合うようにしてはどうか。その際に都道府県としての責任をどうするのか検討するべき。
  • 都道府県の協議会には、特別支援学校等の先生も積極的に参加してもらった方がよい。
  • 資料2-2について、市町村の関わりはもっと早い段階から必要。決まったところで市町村が関与するのではなく、どのようなサービスが必要かを検討するところから知っておいてもらった方がよい。どの相談支援事業所に依頼したらよいか都道府県では分かりにくいこともある。
  • 移行調整に関与する市町村については、移行先のサービスのある市町村に知っておいてもらうために参画してもらうことはあるかもしれないが、基本的には支給決定の権限のある市町村が関与するのが自然ではないか。相談支援については、利用が見込まれるサービスの近くの相談支援事業所に参画してもらうことになるのではないか。
  • 18歳になる前日まで支給決定をする市町村は決まらないが、まずは、移行の検討を始める時点で保護者のいる市町村が関与するのではないか。
  • 支給決定をする市町村が基本的には責任の主体として動いてもらうのはよいが、何も費用が発生しない時点で本人の意向や状態を確認しながら移行先を検討することになるので、委託の相談支援事業所が動く可能性が高いのではないか。障害児入所施設についても地域移行支援が利用できるようになれば、移行先のグループホーム等が決まった段階で、何回もモニタリングができる移行先の近くの相談支援事業所に引き継いでいくことになるのではないか。

(2)移行に関する受入先確保・施設整備のあり方について

  • グループホームや重度訪問介護を使った独立生活を後押しして、暮らしやすくなるために何が必要かという視点が重要。成人施設から介護保険のサービスに移行が進まないのは、介護保険料の1割負担が重いことも要因。年老いた親の心情からすると本人に払わせるのは無理という声が大きい。通所は共生型や新高額障害福祉サービス等給付費がある。入所についても共生型や新高額障害福祉サービス等給付費を導入することで利用者負担が重くならないようにしてはどうか。
  • ライフステージにあったサービスを提供するべき。子どもの設備基準で大人が生活するのは適切でない。改築の際には大人としての暮らしができるように、ユニットや家庭的な暮らしも含めて考えていくべき。
  • 都道府県に協議会ができたとしても、どうしても移行できない人が1人2人出る可能性がある。セーフティーネットとして、障害児入所施設で一定期間は受け入れる必要があるのではないか。ただ、設備については、1人2人であれば仕方がないかもしれないが、大人と子どもが暮らすことになるので、移行できない人がたくさんいる併設の施設では食事をするところや生活面はなるべく分けるように配慮するべき。
  • 障害者支援施設に入所する65歳以上の人は障害支援区分5か6でほぼ重度の方。障害基礎年金が1級か2級であれば特別養護老人ホームを利用して、自分のペースやライフステージにあった生活が可能になるはないか。障害者の方の中には、介護保険サービスの施設の方が自分の生活リズムにあっている方もいる。そういったサービスがあることを知らなかったという方もおり、意思決定支援を含め、サービスがあることを障害者の方に知ってもらい、移行できる方には自分に合ったサービスを提供できるようにするべき。
  • 併設の際には大人としての生活ができるように、同性介助などの支援も含めて考える必要がある。
  • 施設整備の国庫補助については、活用しやすくなるような工夫が必要ではないか。

(3)移行に関する年齢と必要な制度について

  • 障害児入所施設から日中活動の施設に通うことができ、作業や就労の体験を積んでいける仕組みが必要ではないか。
  • 障害者支援施設は地域移行のノウハウを持っているので入所施設の団体の代表者や移行先の地域の施設関係者も協議会に参加してもらうようにしてはどうか。
  • 社会的養護については、22歳まで2年間は社会的養護自立支援事業の補助金で対応している。障害については成人サービスがあるのでその制度にどう繋げるかということを考える必要がある。入所中も日中活動のサービスを使えるようにすることが重要ではないか。
  • 20歳や22歳までに移行することを決めた場合に、どのように移行先を保障するかという点で心配がある。
  • 18歳前にグループホーム等が空いているが学校を卒業するまで待てないという例がある。いいタイミングでグループホーム等が空くとは限らないので、半年くらい前から空きを待ってもらえる空床保障のような仕組みが必要ではないか。
  • 単に入所できる期間を延ばすのではなくて、選択肢を広げて本人が体験等を通じて成長することができるようにすることが必要。一定のプログラムを個別支援計画を作って実施していくことが必要ではないか。
  • 高齢化のことも頭に入れておかないといけない。

(4)みなし規定の期限、意思決定支援のあり方について

  • みなし規定の期限について、今議論していることを形にしていくために、一定の時間を要することは理解するが、検討するということではなく、いつまでにこうなるからということの提示がないと、みなし期限を延ばすことについての関係者の理解は得られないのではないか。
  • 意思決定支援について、障害者総合支援法には、指定障害福祉サービス事業者や指定一般相談支援事業者等の責務として明確になっているが、児童福祉法では配慮事項になっている。子ども自身の意思決定についての責務は必要ではないか。ガイドラインに踏み込んだ表現が必要ではないか。
  • 令和4年3月31日で本当は一旦クリアにするべき。児者転換か併設か、併設の中身をどうしていくか、児者転換した施設の中身をどうしていくかという問題は残るかもしれないが、また延びて結局このままになる流れを作らないようにするべきではないか。
  • 経過的サービス費をこれから先の人には適用しないということはどこかで決断しなければいけないのではないか。
  • 高等部に在籍している人は卒業できるまでサポートできる仕組みが必要。
  • 成人年齢の引き下げが過齢児の課題に影響することはないのか。