第105回労働政策審議会障害者雇用分科会(議事録)

日時

令和3年3月12日(金)13:00~15:30

場所

オンラインによる開催(厚生労働省職業安定局第1会議室)

議事

○阿部分科会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第105回「労働政策審議会障害者雇用分科会」を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、お忙しいところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。本日の分科会もZoomによるオンラインでの開催となりますので、開催に当たりまして改めて事務局から説明がございます。では、よろしくお願いします。
○小林障害者雇用対策課課長補佐 障害者雇用対策課課長補佐の小林と申します。
本日もZoomを使ったオンライン会議となっております。開催に当たりまして、簡単ではありますが、オンラインについての操作方法のポイントを御説明させていただきます。
本日、分科会の進行中は皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言をされる際にはサービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックし、分科会長の許可があった後にマイクをオンにして、お名前を名乗っていただいた後に御発言いただきますようお願いいたします。
会議進行中、トラブルがございましたら、事前にメールでお送りしております電話番号まで御連絡いただきますようお願いいたします。なお、通信遮断等が生じた場合には一時休憩とさせていただくこともございますので、御容赦くださいますようよろしくお願いいたします。
オンライン会議に係る説明については以上となります。
○阿部分科会長 皆様、よろしくお願いいたします。
本日の出欠状況です。小原委員、長谷川委員が御欠席と伺っております。また、武石委員と塩野委員におかれましては、所用のため途中で退席される予定だと伺っております。
それでは、議事に入りたいと思います。本日の議題ですが、まず第1が「障害者雇用状況報告の見直しに係る告示1件の諮問」、2番目が「精神障害者である短時間労働者の雇用の実態調査についての報告」、3番目が「障害者雇用率制度・納付金制度等について」、4番目が「2020年度の年度目標に係る中間評価について」、5が「その他」となっております。
なお、本日は議題2の関係で、労働政策審議会運営規程に基づき、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構より田中統括研究員、小池主任研究員、渋谷研究員、及び國東研究員に御出席いただいております。
それでは、早速ですが、議題1について、事務局から説明をお願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。 それでは、議題1につきまして、資料1に要綱をお示ししておりますのと、併せまして参考資料2に様式ということでお示ししておりますので、2つを使いまして御説明申し上げます。
まず、参考資料2を御覧いただければと思います。今回お諮りしたいのは、障害者雇用状況報告書、いわゆるロクイチ報告の様式の変更でございます。参考2の1ページから13ページまで各報告様式が載っておりますけれども、これらは法人単体の報告で、あるいは特例子会社等のグループ適用であったり、関係会社を含んでのグループ適用であったりということで、それぞれ報告様式を定めておりますので、それらを付けております。
1ページ目の様式を基に御説明を申し上げたいと思います。今回の改正点は3つでございます。1点目、事業主のところの欄に法人番号を追加いたしております。納付金の申告につきましては、既に法人番号を取らせていただいておりまして、雇用義務、納付義務がある法人が確実に納付金なり調整金なりをお支払い又は、支給しているかどうかという確認を、これまでは法人名で突合しておりまして、確実な突合に非常に手間がかかったということがありますので、法人番号で正確に突合していきたいというのが1つでございます。
2点目が、雇用の状況の欄に事業所の区分といたしまして、特例子会社、A型事業所、それ以外ということで区分を設けております。A型事業所等につきましては、これまでも、この様式で申し上げますと、事業所別の内訳のほうの各事業所欄に記載をしていただいたわけですが、これに記載がない場合、記載漏れなのか、該当していないのかというのがしっかり把握できなかったことがございましたので、確実にこの辺りを把握していくということで、区分欄を設けてございます。
最後、この分科会におきまして竹下委員のほうからも何度か御指摘がございましたが、身体障害者につきまして障害種別の数を把握したいということで、新たに欄を設けております。以上が3つの改正内容でございます。
要綱のほうに戻っていただきまして、資料1を御覧いただければと思います。2ページ目に、今、申し上げました件につきまして要綱としてお載せしてございます。今回の改正点、様式第六号から様式第六号の四までにつきまして、法人番号、事業所の区分、身体障害者に対しまして障害別の欄を設けるということにつきましてお諮りをさせていただきます。この告示につきましては令和4年4月1日から適用ということでありますので、来年のロクイチの報告の際から適用させていただければと思っております。
説明としては以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
本件については、本日付で厚生労働大臣から労働政策審議会に対して資料1についての諮問がなされたということでございます。当分科会としては、本件について議論を行った上で、その結果を労働政策審議会に報告したいと考えております。
それでは、質疑応答に入りたいと思います。御質問、御意見がございましたら、「手を挙げる」ボタンをクリックしていただき、私が指名した後に、聴覚・視覚障害者の方々の皆様への情報保障の観点から、お名前を名乗って御発言いただくようお願いいたします。それでは、池田委員、お願いいたします。
○池田委員 ありがとうございます。経団連、池田でございます。
今回の様式変更は、障害種別ごとに人数を記入することが求められております。この点に関して2つお願いがございます。1点目は、障害者の中には重複して障害を抱えている方も多く、企業が従業員の全ての障害を把握できているわけではないという実態がございます。そこで、記入者の負担を軽減する観点から、例えば重複障害の場合は一番重い等級の障害でカウントして記載するといった方法をお認めいただくよう御検討いただきたく、よろしくお願いいたします。
2点目は、様式変更に当たりましては、企業の対応が必要となりますので、調査依頼の時期を例年より早めるなど、丁寧に周知をして、企業における準備期間を十分に確保いただきたく、よろしくお願いいたします。以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございます。1番目の点に関して、事務局から何かございますか。
○小野寺障害者雇用対策課課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。
1点目、重複障害について、把握の負担あるいは記載の負担ということでの御意見でございました。現状におきましても、重複の場合には主たる障害の方を報告いただくということになってございますので、これにつきましても徹底して周知をしてまいりたいと思います。以上でございます。
○阿部分科会長 それでは、山内委員、お願いいたします。
○山内委員 使用者側、山内でございます。
御説明ありがとうございました。様式の変更、項目の追加については、より一層障害者の実態を把握するためには必要だということから賛同いたします。一方で、届出用紙が紙であること等については若干の懸念を持っております。提出側の企業側においても記入漏れとか転記ミスとかいうことも懸念される一方で、収集された情報をタイムリーに収集し、実態を把握する等を考えた場合、いずれ電子化による登録を検討いただければということがお願いの内容でございます。よろしいでしょうか。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、電子化についてということでございますが、事務局から何かあればお願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。
今の御指摘、タイムリーに様々な分析をしていくということで、大変重要な御指摘かと思っております。電子化ということで言えば、今は政府のe-Govのほうからの電子申請自体は可能となっておりますが、その辺りの利便性やタイムリーなデータ把握という意味で言うと、現状においてなかなか十分ではない状況もありますので、御指摘いただいたことの実現に向けてどのような必要な措置があるのかといったことも含めて、引き続き検討してまいりたいと思います。ありがとうございました。
○山内委員 ありがとうございました。
○阿部分科会長 そのほか御質問、御意見ございませんでしょうか。よろしいですか。
それでは、大変貴重な御意見をいただきましたが、当分科会は厚生労働省案を妥当と認め、その旨を分科会長名で労働政策審議会会長に御報告申し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、報告文案の表示をお願いいたします。
(報告文案を表示)
○阿部分科会長 ただいま表示されておりますが、御覧いただけますでしょうか。読み上げさせていただきます。
令和3年3月12日
労働政策審議会
会長 鎌田耕一殿
障害者雇用分科会 分科会長 阿部正浩
「障害者の雇用の促進等に関する法律施行令及び障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則の規定に基づき厚生労働大臣が定める様式の一部を改正する件案要綱」について
令和3年3月12日付け厚生労働省発職0312第1号をもって労働政策審議会に諮問のあった標記については、本分科会は、下記のとおり報告する。

厚生労働省案は、妥当と認める。
ということでございます。
ただいまの報告で労働政策審議会会長宛て報告することとしてよろしいでしょうか。
(異議なし)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、そのように報告をさせていただきます。
今後、労働政策審議会会長宛てに報告した後、労働政策審議会会長から厚生労働大臣に答申することになっております。
ありがとうございました。
続いて、議題2についてでございます。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の小池研究員から御説明をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
○小池研究員 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の小池と申します。本日は、発表の機会をいただいて、ありがとうございます。
時間の関係もありまして、適宜省略しながら説明するということになりますけれども、不十分なところはこの後の質問のところで補わせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、始めていきたいと思います。スライドのほうをお願いします。
1枚めくっていただいて、調査研究の目的と研究計画。2018年4月に障害者の雇用率の算定に係る特例措置が施行されました。これは雇入れから3年以内、あるいは手帳の取得から3年以内の方で、週20時間以上30時間未満で働いていらっしゃる精神障害者の方について、雇用率の算定を0.5ポイントから1ポイントに算定するという制度になります。この制度は、2018年4月から2023年3月までの暫定措置ということになっております。暫定措置終了後の取扱いについての検討に資するということで、精神障害者である短時間労働者の雇用状況、職場の定着状況、労働条件の変動等を把握する調査を2019年から行っております。
次のスライドをお願いします。研究期間は2019年から2021年度まで3年間の計画になります。調査・分析の構成になりますが、1つは毎年6月1日で行われております障害者雇用状況調査。制度の始まる前年度2017年度から2020年度までの二次分析になります。それから、2019年及び2021年度に実施する予定でおります2回のアンケート調査、このアンケート調査は、対象が特例措置対象者を雇用する事業所、その事業所に雇用されている特例措置適用対象者ということになります。2019年に行いましたアンケート調査で回答のあった事業所、精神障害者当事者へのインタビューでの調査、2019年度の3月と昨年10月から、現在も行っているところですが、実施をしております。
2019年度に行った当事者を対象とするアンケート調査にお答えいただけた方の中から御協力いただけるという意向を示していただいた方にパネル調査ということで、昨年の7月と今年の2月に行っております。これは現在集計・分析の途中ということになります。
今回の報告は、マル1、障害者雇用状況調査の二次分析及びマル2、アンケート調査の集計・分析を基に行います。
次のスライドをお願いいたします。
まず、障害者雇用状況調査の二次分析ということになります。精神障害のある労働者を雇用する企業、事業主を企業規模で示しています。制度の始まる前年度2017年から2020年の4年間について示しております。300人未満の規模の企業数と300人以上の規模の企業数は、おおむね6対4。これは2017年から2020年、ほぼ変わらない状況です。
同期間、2017年から2020年までの間、障害のある労働者を雇用する企業全体では、300人未満の規模の企業が約8割を占めています。そのうち精神障害のある労働者を雇用する企業は、障害のある労働者を雇用する全企業の約3割ということになっています。例えば2020年は7万2150社のうち2万6142社で、36.2%という数値が出ております。
次のスライドをお願いします。精神障害のある労働者を雇用する企業を産業別に見たグラフになります。2020年、2万6142社について出してあります。一番多いところが製造業、医療・福祉、卸売・小売業ということになっておりまして、この3つの業種で6割を占めています。この傾向は2017年、18年、19年、20年、いずれも同じような傾向が見られます。
次のスライドになります。特例措置対象者を雇用する企業規模別に見たグラフになります。特例措置対象者を雇用する企業は、精神障害のある労働者を雇用する企業全体の約2割を占めます。特例措置対象者を雇用していない企業と比較すると、特例措置対象者を雇用する企業には1,000人以上規模の企業の割合が高いということがあります。3年間では18.6%、17.9%、18.1%というパーセンテージがグラフの中にあるかと思います。特例措置を雇用していない企業の場合には、1,000人以上の企業は約11~13%ですので、やや高めということになっているかと思います。
次のスライドをお願いいたします。特例措置対象者を雇用する企業を産業別に見たグラフになります。特例措置適用者を雇用する企業と医療・福祉、卸売・小売業、製造業の順になっていることに対して、精神障害のある労働者を雇用する企業全体では、1番目に製造業、2番目に医療・福祉、3番目に卸売・小売業の順番になっています。これは特例措置対象者が短時間、20時間以上30時間未満の働き方をされている方たちということで、このような傾向があり、製造業では比較的40時間といったようなフルタイムでの勤務の方が多いことがこの背景にあるかと思います。
次のスライドをお願いいたします。特例措置対象者の雇用パターンということです。これと制度導入前の短時間の労働者の雇用パターンを表示しています。導入前が(6)のほうです。導入後が(5)のほうになります。導入前に比較して導入後には新規雇入れの比率が増えていることがお分かりになるかと思います。
次のスライドをお願いいたします。産業、労働者数、特例措置が雇用率の達成に与える影響について調べております。これについては、2018年のデータを基に調べております。2018年に精神障害のある労働者を雇用していた全事業主2万1146社について調べています。労働者数、産業が同じである場合に、特例措置対象者を雇用する事業主は、そうでない事業主より雇用率を達成するオッズが179%高い。このグラフの中の左から2つ目の棒グラフの部分、赤い枠で囲ってありますところが、特例措置の適用対象者を雇っている事業主ということになります。
この分析をするに当たって、産業、労働者数、特例措置対象者を雇い入れているかどうかというのを変数として設定しております。これらの変数は、統計的な基準に基づいて結果に大きな影響を与えない変数候補は除外され、最終的に変数が23となりました。そのため、このグラフにおいては、変数23が左から並んでおります。
次をお願いいたします。精神障害者の雇用実態に関するアンケート調査の事業所の調査になります。方法としては、まず調査票の構成ですけれども、ここにありますように、1番から4番まで。今回はIの「事業所について」とIIIの「特例措置について」というところで話をさせていただきます。分析対象は、2018年の障害者雇用状況調査において、「特例措置対象者を雇用している」と回答していただいた4,453の事業主に属する特例措置対象者が働く事業所ということになっております。回収された調査票の中から特例措置対象者の在籍が確認できた491の事業所を分析の対象としています。
今回のデータについて留意していただきたいところを3点挙げております。1点は、特例措置対象者が在籍する事業所の総数というのが不明であるということ。事業主に対してアンケートを送付して返ってきた調査は、事業所ごとに返ってきている状況ですので、全体の総数が不明であるということ。それから、事業所単位でお願いをしたのですが、回答の中には事業所単位ではなく、事業主なのか事業所なのか判断がつかないものもありました。ただ、今回のアンケートの結果の報告としては、全て事業所として扱っております。それから、集計・分析方法はまだ最終的なものではございません。今後最終報告に向けて分析方法とか妥当性について検討していきますけれども、最終報告と異なる場合があるということを御了承ください。
次のスライドをお願いします。分析対象事業所の属性。従業員規模としては、最も多いのが100人~295人の事業所です。31.0%。次いで45.5人~99.5人の事業所になります。
産業分類としては、医療・福祉、卸売・小売業が多く、この2つの業種で約半数、51.5%を占めています。
次をお願いいたします。アンケート調査の中から特例措置の活用というところを抜いてきています。特例措置の活用状況について尋ねている設問において、制度についての認識と雇入れに当たって考慮されたかどうかというところ、2点を基に4つのパターンで考えました。その結果、制度について認識をしているし、考慮もしていたというところが31.2%。認識はしていたが、考慮はしなかったというところが29.3%。認識しておらず、考慮もしていなかったというところが29.1%。認識していなかったが、関係機関等から情報を受けて考慮したというのが7.3%という結果が出ております。
認識していたか、認識していなかったかということですけれども、認識していた事業所が60.5%と多くなっています。考慮されたか、考慮されなかったかというところでは、考慮しなかったというところが58.4%ということで、考慮したというところよりも高い回答になっています。
次のスライドをお願いします。従業員規模別の活用状況ということになります。グラフですけれども、一番左側の濃いオレンジ色のところが、制度を認識していて、なおかつ活用を考慮したと回答しているところです。その右側の薄いオレンジ色のところが、制度は知っていたけれども考慮はしませんでしたというところです。薄い青色のところが、制度は知らなかったけれども、関係機関等から情報を得て考慮をしたグループになります。一番濃い青いところが、制度は知らなかったし、考慮もしなかったというところになります。
従業員規模の大きな事業所が制度を利用した、活用したという傾向が赤い矢印。丸のついているところから破線の矢印が出ていますが、活用している傾向が見られます。
次のスライドをお願いします。特例措置のメリットとデメリットについて尋ねています。このグラフの設問は、次のスライドに質問項目が書いてあります。このグラフにおいては、略式で左側に書いてあります。分析に当たっては、無回答を除外した上で、回答を「積極的回答」「中立的回答」「消極的回答」の3つに分けてみました。50%を超えているものが一番上に書いてあるもの、「雇用率の達成のしやすさ」「定着の見通しの立てやすさ」「無理のない労働時間」の3項目が50%を超える回答になっています。
スライド19をお願いいたします。ここでは雇用方針について尋ねています。特例措置対象者でなくなっても、現在の方は雇い続ける、雇用継続をするというところ。それから、特例措置の対象者であるか否かにかかわらず新規で雇い入れる。積極的に精神障害者を雇い入れようというところは約9割になっております。左のグラフで言うと、オレンジ色のところと薄いオレンジ色のところを足したものになります。
それから雇入れの時間です。短時間で雇用するのか、フルタイムで雇用するのかということについては、どちらとも言えないと回答されているところが多く、時間ありきではないということが受け取れるかと思います。それから、短時間雇用では難しいと答えているところは1割に満たないという回答が出ています。
今までお話ししたことをスライド20でまとめております。
スライド21、本人調査につきましては、分析については事業主と同じになります。その事業所に働いていらっしゃる方。
データの留意点についても、基準日に精神障害者の総数が不明ですので、基準が分からない、総数が不明であるということ。それから、今後最終の報告に向けて分析を進めていくという点、御了解ください。
スライド24、25です。年齢の幅が非常に広いということが一つの特徴になっています。そのため、精神障害者福祉手帳の取得の年齢、入社の年齢についても、10代から50代、60代まで幅広く分布しているということが特徴だと思います。一つは障害の多様さや、中途入職者の多さ、離転職の多さというのを背景としてこのような結果になっているかと思われます。
スライド26をお願いいたします。事業形態です。本人調査については、一般事業主が71.2%、A型事業所のある事業主が102件、28.8%。事業所のアンケート調査に比べて、A型事業所に勤めていらっしゃる方の比率が高くなっています。これは産業分類の中でも影響しておりまして、医療・福祉が48.6%と半分近くになっているのは、A型事業所の影響というのが出ているかと思います。
スライド27をお願いします。職種については、運搬・清掃・包装といったものが最も高く、39.3%ということになっています。
次のスライドをお願いします。現在の満足度と働きがいについてということで、職務と労働時間、賃金についても50~70%がとても満足している、もしくはやや満足しているという回答がある半面、満足していない方、それから全く満足していないという方もいらっしゃいます。これについては、その次のスライドと併せて御説明したいと思います。
スライド29です。先ほどやや不満足、全く不満足と答えられた方についてです。就業継続についても、傾向としては就業継続が難しいと答えている方ですとか、今のところ分からないと答えていらっしゃる方もいるのですけれども、自由記述の中では、先ほどの労働時間がやや不満足とか全く不満足と回答した方についても、今の職場で働き続けたいと答えられている方もいらっしゃいます。その方については、人間関係がよいとか、やりがいがあるといったような自由記述の中で、労働時間に難しさは感じているものの、ほかのメリットを感じて働き続けたいと考えていらっしゃる方もいるということです。
同じように、フルタイムへの移行に関しても、先ほどの労働時間において、やや不満足、全く不満足と答えられた方が、賃金の問題ということは課題として挙げておられますけれども、同時に御自身の体調の不安といったようなことも多く挙げられておりまして、実際に仕事量がないとか、フルタイム勤務がないといった会社の事情をその理由に挙げていた方は非常に少なくいらっしゃいます。ですから、これがイコールではないということは言えるかと思います。この辺りにつきましては、ほかの設問項目も含めて今後精査をしていきたいと思っております。
早口な説明で聞き取りにくいこともあったかと思いますが、ありがとうございました。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
それでは、質疑応答に移りたいと思います。御質問、御意見ございましたら、「手を挙げる」ボタンをクリックしていただき、お名前を名乗って御発言いただくようお願いいたします。いかがでしょうか。まず、中川委員、お願いいたします。
○中川委員 公益委員の中川でございます。
小池さん、詳細な調査と御報告ありがとうございました。
1点意見ですが、最後の本人アンケートの中の今後の働き方の調査結果で、フルタイムに移行したいと回答した方が22.6%、約2割ほどいたということですが、この中には現時点ですぐにフルタイムに移行したい意向がある方とか、実際にすぐに移行が可能な方がいて、しかし、3年間留め置かれているようなケースがなかっただろうかということがちょっと気になりました。
フルタイムに移行するにしても、3年間の期間を経てからでないと移行できないという原則のような悪しき不文律がもしできていたとしたら、これは問題でして、その2割の方について詳細に調査・分析をしていただきたいというのが私の意見でございます。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。何かございますか。
○小池研究員 ありがとうございました。担当している私どももその点は注意をして分析を進めていきたいと考えております。実際にヒアリング調査ですとかパネル調査の中でもそういったことを確認したり、分析を進めていきたいと思っております。御意見ありがとうございました。
○阿部分科会長 それでは、次に手が挙がりました池田委員にお願いいたします。
○池田委員 経団連、池田でございます。詳細な調査、ありがとうございます。
3点質問させていただきたいと思います。1点目は、8ページのコメントに「特例措置対象者を雇用する企業には、1,000人以上規模の割合が高い」という記述がございます。上のグラフでは、中小企業の方が多く特例措置対象者を雇用しているように見えるのですが、この趣旨を詳しく御説明いただければと思います。
2点目は、もしかしたら1点目と関係するのかもしれませんけれども、この調査結果の中には特例子会社というのはどのような形で含まれているのか。件数も含めて、もし分かれば御教示いただければと思います。
3点目は、9ページのグラフでは、「医療・福祉」が最も多いとあります。後半の説明で触れられていたかもしれませんけれども、この中にはA型事業所が含まれているという理解でよろしいのでしょうか。こちらも件数など分かれば御教示いただきたいと思います。まず、3点の質問をお願いいたします。
○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、御質問ですが、よろしいでしょうか。まず、1,000人以上の企業割合が高いということがコメント欄に書いてあるけれども、グラフからはなかなかそうは読み取れないのではないかという御質問でございますね。
○田中統括研究員 質問ありがとうございました。
まず最初の質問、8ページの1,000人以上規模の企業の割合の件でございますが、確かに年ごとに見ますと、1,000人以上の規模の割合が2割弱ということになっているのですが、私どもがここで書いております趣旨といたしましては、特例措置対象者を雇用していない企業の場合には、1,000人以上規模の企業が11~13%ということでございますので、それと比べると特例措置対象者を雇用する企業においては、それよりも高い割合の数字であったということで、それをもってこのような表記をしております。よろしいでしょうか。
○阿部分科会長 よろしいですか。2つ目の質問は、特例子会社の扱いはどうだったかということだったと思いますが。
○小池研究員 障害者雇用状況調査の二次分析になりますので、特例子会社については、返ってきたアンケートにおいて、4,453の事業所の中には、グループでしていますので、含まれる。事業所としては特例子会社がありますけれども、グループ全体として1つになっていますので、グループに含まれますということで、御回答になりますでしょうか。
また、A型については、現在調べているところというのが正直なところです。A型事業所であっても、A型事業所として登録はされていない。雇用状況調査の回答において、A型事業所があるときちんと回答されているところもあれば、そうではなくて、ほかのデータからはあるのだけれども、雇用状況調査においては書かれていないというところもありまして、どの程度まで精査できるのかまだ明確ではないのですが、含まれているだろうということは分かりますが、その会社の数とか比率といったものまでは分かっておりません。
○池田委員 2点目ですけれども、例えば1,000人以上の大企業で特例子会社をつくっている場合は、1,000人以上のところに入ってくるという理解でよいのか、特例子会社の常用労働者数、例えば100人だったら100人のところに入ってくるのか、どちらでしょうか。
○阿部分科会長 どうぞ。
○田中統括研究員 JEEDの田中です。こちらについては企業ごとに回答を分析しておりますので、特例子会社においてもその企業の中に含まれているということで算定しております。また、ロクイチ調査ですので企業ごとの数字になっておりますので、企業の中には特例子会社が含まれている企業もあると思うのですが、数としては合わせた企業の数字ということで算定されております。
○池田委員 大企業の特例子会社が1,000人以上のところに入っているということでよろしいのですね。
○小野寺障害者雇用対策課課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。池田委員、ロクイチ状況報告は、法人単位で雇用状況を報告いただいており、御承知のとおり法人単位の報告の中に事業所単位ごとの区分の記載があり、その中に当然特例子会社であれば入っていると。その際、法人全体の従業員数の合計が1,000人以上になっていれば、1,000人以上のところに計上されている。そういうことになるかなと思います。
すみません。法人単位とその中の事業所単位ということで、データとしては区分されていますけれども、数としての捉え方はあくまでも法人単位で捉えていると。そういう理解かと思います。
○池田委員 分かりました。大変失礼いたしました。その上でコメントをさせていただければと思います。17ページでは特例措置のメリット・デメリットが分析されておりまして、「雇用率達成のしやすさ」や「定着の見通しの立てやすさ」「無理のない労働時間」など、精神障害者、企業双方にメリットがあると思います。こうした特例措置の効果もあり、精神障害者の就業者数は増加しているものの、我が国全体ではまだまだこれから取組を始めるという企業が多いのが実情と認識しております。今後、精神障害者の雇用を促進するためには、特例措置の仕組みを維持した上で、18ページに示されているデメリットを解消する施策を展開していただきたいと思います。併せて、中小企業を中心にこの制度の周知を図っていただきたいと考えております。以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、眞壁委員、お願いいたします。
○眞壁委員 全国精神保健福祉会連合会の眞壁です。JEEDの詳しい調査報告、本当にありがとうございます。
私のほうは、特にアンケートを取るとか、数字で何か明らかにするとか、そういうことではないのですけれども、個別のこんなことがあるよということをお話ししたいと思います。
1つは、東京の大田区の区の障害者雇用の取組ということで、障害がある人を対象とした大田区会計年度任用職員、いわゆるオフィスサポーターの採用の選考、募集案内を手に入れました。それを見ますと、4名程度募集するということなのですけれども、任用期間は1年間で、非常勤という扱いなのですが、4回を限度に応募することができる。4年間採用される可能性があるわけです。その後は正社員の公募に申し込むことができるということで、障害者も正社員への道が開けるということは、とても希望が持てるなと思いました。それが1つです。それで今回精神障害者当事者の方も応募して合格したということが報告されています。
もう一つは、精神障害者は職場定着がなかなか難しいというお話をよく聞きますけれども、それはそうなのですが、東京の国立市にありますピアスというのは、就労移行支援事業と自立訓練事業と就労定着支援の事業をやっているところですが、そこの会報を見たのです。そしたらピアスの就労支援状況ということが出ていまして、2017年から2019年までの3年間にピアスを利用して就労した人は全部で35人いたそうなのです。その35名の現在の状況、定着率の報告があったのですけれども、1年間以上継続している人が約9割。2年間以上継続が約6割ということで、35名のうちの6名が転職をしていますが、それはチャレンジ雇用から一般就労へステップアップしたとか、それから職場とのマッチングがあまりよくなくて、早めに判断をして次のところに転職すると。その6名はいずれも現在は安定就労していますという報告がありました。35名のうち4名が離職したのです。でも、今年度に入っての離職は、コロナ禍の影響ということが印象として残っています。ちなみに、2020年度は10名が就職されて、皆継続をしている。そういう会報を見まして、とてもよかったなと思っております。
丁寧に就労の準備をする。自分自身が実際に作業をやる中でどういう仕事が自分にとって合っているのか。お掃除をして体を動かすことがいいのか、それとももくもくと仕事をするほうがいいという人もいるし、それからお弁当の配達をして人と関わるとか、そういうことが自分にとってはいいなと思うとか、自分の適性みたいなことをしっかりと見極めて就労するということが非常に大事ではないかなと思いました。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは、竹下委員、お願いいたします。
○竹下委員 ありがとうございます。日視連の竹下です。この間、精神障害者の実就労数がどんどん伸びているので、非常にいい実態調査が出てきたなと思っているのですが、教えていただきたいのは3点あります。1点目は事業主調査のところで、300人以下の中小企業、事業所で精神障害者の雇用が非常に多くて、最近は1,000人以上の大企業が伸びてきているというのは傾向としては分かるのですが、300人以下の中小企業に精神障害者の雇用が集中しているというのは、どういう背景あるいは事情からそうなっているかというのが分かっていれば、教えていただきたいというのが1点です。
2点目は、障害者を対象とした調査の関係で2点お聞きしたいのですが、短期就労の時間、20時間から30時間あるいは20時間以下と当該就労者の満足度との関係に非常に興味があるわけですが、それらの満足度の関係は、病状との関係で短時間就労が適しているか、そういう関係性が見えてきていれば教えていただきたいのが1点。
最後に、不満だけれども働き続けたいというのは、物すごく興味のある結果なのだけれども、それは結局のところは職種との関係もあるのか、あるいは働き続けたいという本人の根本があるからなのかというところが見えてくるわけですが、職種との関係で満足、不満足の関係というのを調査しておられるかどうかについても教えてください。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは、御質問でございますので、JEEDのほうからお願いいたします。
○小池研究員 1番目、事業主が300人以下のところに集中している。これは、やはり300人以下のところが事業所数としても多い。事業所数になると多くなるというのがあるのですけれども、その理由というのは、この調査からでは分からないというところになるかと思います。
それから、短時間で働いていらっしゃる方の働くことについての満足度と病状との関係ということですが、現在のところこの調査で判断できているということについては、20時間から30時間の方だけをピックアップして今回整理をしていますので、20時間未満の少ない方についてはまだ分析ができていないという状況にあります。
それから、説明の中でもお話ししましたけれども、自由記述の中を見てみますと、病状についての不安というところ。時間を延ばすことによって体調が悪くなるのではないかとか、今の体調に自信を持てないといったような回答の方が多いということがありまして、御自身の体調についての不安というのは大きいのだろうと思います。ただ、それがイコール就労時間の設定になるのかというところになると、確定的な関係性というのは、このアンケート調査だけでは見られないということになるかと思います。
それから、不満だけれども働き続けたいという部分ですが、就労継続に当たっての継続が難しいと考えている理由は、収入、賃金というところに不足感を持っていらっしゃるというのが大きいかと思います。ただ、今のアンケートが20時間から30時間という働き方をしていらっしゃる方に対して行っているアンケートですので、20時間、30時間という時間給で働いていらっしゃる方は、働いている時間でどうしても賃金が決まってしまうという要因がありますので、賃金がどうしても少なくなってしまう。働いた分しか賃金にならないというところから、その大きな理由になってくるかと思います。それゆえに、逆にフルタイムを希望されて賃金を上げたい、生活にゆとりを持ちたいと思っていらっしゃるのだと思います。そこのところの関係性においては、ほかの設問との関係性をもう少し精査をしてみないと、はっきりしたことは言えないかなと思っておりますし、もう一つ、このアンケート調査だけでははっきりしないかもしれないというところも考えております。曖昧なはっきりしないお返事で申し訳ございませんが、現時点のところでは今のような回答になります。
○阿部分科会長 竹下委員、よろしいでしょうか。特に何かありますか。
○竹下委員 竹下です。ありがとうございました。非常に興味のある調査をありがとうございます。3点目のところで、引き続き追跡、分析が可能であれば継続していただくことをお願いして、私の発言を終わります。ありがとうございました。
○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、倉知委員、お願いいたします。
○倉知委員 公益委員の倉知です。よろしくお願いします。JEEDの研究、非常に手間がかかったと思います。お疲れさまでした。
幾つか素朴な質問をさせてください。あえてここにA型事業所を含めた理由です。逆にA型事業所を含めてしまうと全体がわかりにくくなるのではないかなと思います。あえてA型を入れたという根拠があったら教えてください。
もう一つ、18枚目のスライドでメリット・デメリットとありますが、このデメリットというのは、特例措置をしないほうがよかったという意味ですね。そうなると、ほとんどデメリットにならないのではないかと思っています。あるとしたら、適用終了後の雇用継続の心理的負担が少しあるというぐらいで、あとはデメリットと言えるのかなと思いました。
3つ目は、この本人調査ですけれども、これはあえて特例措置対象者に限定した意味はあるのかなと思っています。特例措置対象であるかどうかは本人には関係ないことなので、ここはむしろ短時間雇用で働いている人たちのことなのかと思いました。でも、あえて無理やり考えてみたら、28枚目、29枚目のスライドのところがもしかしたら特例措置対象者に限定した意味があるのかなと思っていて、職務に対する満足度が85%ぐらいですかね。だけども、労働時間に関する満足度が70%台になっている。この差、職務満足度に比べて労働時間の満足度が低いというところはこの特例措置で何かあるのかなというのが推察できるか。これぐらいの差を有意な差としていいかどうかというのは私も分かりません。
もう一つ、29枚目で、フルタイムで働きたいのに短時間のままでいる人が20%いる。もしかしたらこれは特例措置の影響なのか。ちょっと分からないのですけれども、そんなことを感じました。もし御説明ができるのであればお願いしたいと思います。
それと、よく分からないのは、この研究で何が導き出されるのか。どう読み込んでいいかよく分からなくて、今の段階でこんなことが読み込めるぞというのがあったら教えていただきたいと思います。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、御質問がありますので、よろしくお願いします。
○小池研究員 まず、A型事業所の件ですけれども、もともとデータの母集団と考えるべきものが、雇用状況調査で特例措置を適用されている事業主に関してアンケート調査を送った上で、その事業所とそこに勤務している特例措置対象者について対象としているので、そこではA型であるかどうかということを識別するような情報ではなかったというのが一つはあります。ですから、収集してからA型事業所であるかどうかの判別というのを本人調査については行っている。勤務先にA型事業所があるのかどうか、もしくは御本人がアンケート調査の中でA型事業所に勤めていますよということをおっしゃってくださっているというところで、A型事業所なのか、そうではないのかということを判別しているといったような状況になります。
ですから、アンケート調査の結果をまとめる中でする。事業所調査については、事業所調査のアンケートの中に、A型事業所ですか、一般企業ですかということを尋ねていますので、A型事業所かどうかという判別をそこで行っているということになります。
○倉知構成員 あえて結果にはそれを反映させていませんね。事業主調査には。それは何か意図があるのかなと。
○渋谷研究員 JEEDの渋谷でございます。事業主調査のほうも一応A型かどうかということも調べているのですが、今のところでA型であるとか、特例であるとかというのが非常に小さい値になっておりまして、まだ結果として反映させたものを出していないという状態でございます。今後、それに関しましては実際に分析をしてみようかなと思っております。
続けて、デメリットと言えるかどうかという話なのですが、確かに通常メリットだけだろうということは考えられます。ただ、何らかデメリットと言えるようなものがあるかもしれないということで、4つほどデメリットの可能性のあるものということで項目を立てさせていただきました。その結果、デメリットの項目に関しましては、積極的に当てはまるというふうにお答えになった事業所はそれほど多くないといいますか、17ページのグラフを見ていただけると、BのところとCのところに分布をしております。Cのところは積極的な回答が少ないというところ、当てはまると答えた事業所が少ないところになります。Bに関しましては、積極的な回答、中立的な回答、消極的な回答が拮抗しているところになっております。
なぜこういう回答になったのかということは、調べる必要があると考えておりますが、デメリットというのが強く出ているということはないのだなと。おっしゃったように、デメリットと言えるかどうかということに関しましては、あまりデメリットというのはないだろうということであります。
○小池研究員 3つ目の特例措置対象者に限定したという話ですけれども、調査票上は特例措置対象者に限定しているのですが、実際返ってきた回答に関しましては、必ずしもそうではない。入社日とか手帳の取得日とか、そういったものから判別したときに、特例措置対象者とは言えないだろうという方もたくさん回答が返ってきておりまして、その中でその人たちをどのように扱うのかということを今、検討しております。今、倉知先生がおっしゃったように、特例措置対象者でなくても20時間、30時間で働いていらっしゃる方はいらっしゃるわけで、そういった方たちとの違いというのが比較できるようであれば、それも今後進めていきたいとは考えておりますが、今のところは特例措置対象者と判別できた方たち354人について結果を取りまとめているということで御理解ください。
それから、スライド29のフルタイムに移行するという部分ですけれども、これも先ほど中川先生からあったお話と同じように、今の時点では、22.6%という方たちが実際どのようなことでフルタイムに移行したいと考えておられるのか、理由が明確になっていないということもあります。それから、ほかの調査との関連性で、同じ方が労働時間だけではなくて、ほかの質問でもやや不満足、全く不満足と答えていらっしゃる方が、僅かですがいらっしゃいますので、そういった方についてもう少し精査をしていく必要があり、それをしていく中で見えてくるものがあるのではないかと思っています。
4つ目、この調査全体で何を見極めるのかというところですけれども、まずは雇用状況調査という大きなもので、特例を18年に入れたことによってどのような推移になっているのか。また、17年度という特例を入れる前と何か比較できるものがあるのかどうかといった、全体において比較をするということが一つのポイントになるかと思います。
それから、実際に2019年にアンケート調査をし、今年の9月に同じようなアンケート調査をお願いする予定でおります。1年目と3年目においてどのような変化が見られるのかというところで、特例措置に関してどのように受け入れ方が変わったり、働いている方の考え方、受け入れる事業所の考え方に変化があるのかどうかということを見極めていきたいと思っています。
と同時に、第1回のアンケート調査で御協力いただいた事業所、当事者の方に対してヒアリング調査ですとかパネル調査を実施しております。そういった中でもう少し質的に細かい部分で精査をしていくことで、どういった方たちが特例措置のよいところをメリットとして受けているのか、もしくは課題とか困ったことだと思っていらっしゃる部分があるのかといったところ、質的な部分で明らかにしていければいいかなと思っております。
まだ分析が進んでいない中での見通しになりますので、どこまではっきりしたことが言えるかというのは曖昧なのですけれども、現時点ではそのように思っております。以上です。ありがとうございました。
○阿部分科会長 ありがとうございました。大変貴重な報告をいただきましたが、お時間もありますので、議題2についてはこの辺りにさせていただきたいと思います。私の個人的な関心を申し上げれば、特例措置が入って、どれだけ障害者雇用が増えたのか、質がどうなったのか、あるいは働いている方々がキャリアアップにつながっているのかどうか、そういったことが特例措置が導入されたことによってどういう効果があったのかということになろうかと思いますので、ぜひ今後も研究をお進めいただきまして、報告を取りまとめていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○小池研究員 ありがとうございました。
○阿部分科会長 それでは、議題3のほうに移りたいと思います。議題3について、事務局から説明をお願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。
資料3に基づきまして御説明を申し上げます。併せまして、本日、机上配付資料として2枚組のものをお配りしているかと思います。こちらも後ほど触れさせていただければと思います。
本日は、精神障害者の取扱いについて御議論いただきたいと考えてございます。今ほどJEEDのほうからも中間としての御報告をいただきましたように、精神障害について実態把握を進めつつ、本日も関連する資料につきまして事務局の方でまとめさせていただきまして、共有させていただきます。
主立ったテーマといたしましては、1つ、JEEDの報告にも関連しておりますが、手帳取得あるいは雇入れから3年以内の精神障害者について、20時間以上30時間未満のいわゆる短時間労働者につきまして、0.5カウントではなく1カウントとするという暫定的な措置を令和4年度末まで措置してございますが、この件について、令和5年度以降どうするかという論点がございます。
併せまして、精神障害者保健福祉手帳をもちまして精神障害ということで取り扱っておりますが、それ以外にも様々な方面から医療受給者証についても取り扱ってはどうかという御意見等ございましたものですから、こちらにつきましても併せて議論をさせていただければと思っております。
資料3の2ページ以降でございます。2ページ以降につきましては、これまでもお示しをしておりますが、現在までの実雇用率等の推移でございまして、直近の雇用の進展には精神障害者の増加というのが大きな要因になっているというのがお分かりいただけるかと思います。
3ページはハローワークにおける職業紹介の状況でございまして、やはり右肩上がりで増加をしております。それぞれの障害種別で状況を見ましても、精神障害者についての伸びが非常に高くなっているというのがお分かりいただけます。その結果といたしまして、6ページにございますように、就職件数を見てみましても、令和元年度とおおむね10年前を比べると、身体障害者が半分であったその状況が一転いたしまして、精神障害者がほぼ半分を占める状況になっているというところでございます。
7ページにつきましては、障害者手帳所持者数につきまして御参考まで掲載しております。身体、療育、精神ということで、登載数を比べておりますが、身体の手帳につきましては若干減少が続いており、一方で、療育手帳につきましては増加が続いておりますが、精神障害者保健福祉手帳については増加が著しいというところが見てとれます。
8ページについては、障害種別に基づきます平均勤続年数の推移でございまして、これも雇用実態調査、30年とその前の調査を比べておりますが、様々な要因はあろうかと思いますけれども、身体、知的に比べると、やはり精神障害者の勤続年数が短くなっているという状況になってございます。
次のページ以降はハローワークの職業紹介状況等に基づく資料でございます。
9ページにつきましては、左側の円グラフは新規求職者数、精神障害者の疾患別割合を見ているのと、等級別割合を見ております。疾患別で見ますと、躁うつ病の方が半数以上を占めている。等級別に見ますと、1級が非常に少なくて、2級、3級が大多数であるということです。
併せまして、右側の定着の状況でございますが、一旦就職すると、手帳の等級によっての定着の差異はほとんどないということになっております。
10ページは、調査が変わっておりまして、障害者の就業状況等に関する調査研究というJEEDの調査でございます。左側につきまして、定着状況を障害種別で見ておりますが、やはり精神の定着が難しい状況が見てとれます。右側のほうが疾患別で見ておりますが、若干統合失調症について難しさが見えるかなという感じになっておりますが、特段統計上の有意差はない状況です。
次のページにつきましては、等級別で見ておりますが、これも特に有意差はございません。
唯一定着率については、労働時間において、20時間から30時間未満の労働時間で働いておられる精神障害者につきましては、定着の状況が若干有意であると。ただ、サンプル数も踏まえてみますと、就職から3か月以降につきまして、有意差は見られないということであります。
12ページ以降が特例措置の状況について御説明をしております。12ページにありますように、精神障害者である短時間労働者につきましては、新規雇入れから3年以内、あるいは手帳を取られて3年以内の方について、特例的に0.5ではなく1カウントとしているという状況になっております。
13ページが実雇用率としてカウントを始めました平成18年からの精神障害者の実人員の推移を載せております。併せまして、20時間から30時間未満の短時間労働者割合を折れ線グラフでプロットしております。平成18年以降、当初実人員の伸びがそんなに急激でなかったときは、短時間労働割合につきましてやや右肩上がりで、3割程度まで増加を続けまして、25年、法定雇用率が上がった時点において新たな雇入れとして精神障害者が入ってきて、実人員の伸びが急激に上がってきた時点では、短時間労働割合につきましてはほぼ横ばいになってございます。それから、平成30年、法定義務化されまして、雇用率2.2というふうになって以降、ここでいわゆる特例措置がなされているわけですけれども、30年以降、棒グラフで申し上げますと、上側の四角囲みの部分が短時間労働者に該当します。この部分の下側の薄いオレンジのほうが特例該当でないもの。上側の白い網かけのほうが特例該当者ということでありますが、措置以降、該当でなくなった者につきましても一定の割合で増えてきている。
併せまして、30時間以上で雇い入れられる方が順調に伸びておりますので、短時間割合につきましては若干右に向かって下がっている形ですけれども、ほぼ3割前後で推移をしております。
精神障害者における短時間労働者の割合は、令和2年で言いますと、27.8%ということですが、参考に書いてございますように、身体障害者の場合には短時間労働者の割合が11.5%。知的障害に占めます短時間労働者の割合が19.6%でございますので、他の障害に比べると短時間労働の割合自体は高くなっているということになっております。
14ページは、以前にもお示ししておりますが、精神障害の部分で見ますと、障害・病気のためにお辞めになっている方が圧倒的に多いということと、併せまして調子の悪いときに休みを取りやすくするという配慮が非常に重要であるという指摘がなされております。
15ページは、ハローワークに配置をしております精神障害者雇用トータルサポーター、この専門スタッフを通じまして、事業主に対しまして精神障害者の雇用について苦慮している点等をヒアリングした結果でございます。数を載せておりませんので、感覚値でございますが、障害・病気のためにということで、非常に不安定であるというところに苦慮しているというお声が多かったということと、併せて、その裏腹ですけれども、労働条件については、労働時間の調整など、企業としてはなるべくまとまった仕事をしてほしいということで、時間を延ばしていきたいけれども、そこがうまく調整できなかったりということで苦慮している点があると。そのほかにも、お仕事の選定ですとか、周りの理解、それら周辺の支援といったことも挙げられておりますけれども、やはり不安定さというのが課題という状況になってございます。
16ページが、それぞれの手帳につきまして、御参考まで、等級の基準についてお載せしております。
17ページは、2つ目のテーマであります精神障害者保健福祉手帳と医療受給者証の取扱いについてということでありまして、それぞれを対比しております。左側が精神障害者保健福祉手帳であります。こちらの福祉手帳につきましては、長期にわたり日常生活または社会生活への制約がある方たちに対して、これを交付しているという状況であります。
一方で、医療受給者証のほうは、医療費の自己負担額を減額させるということで、通常3割負担であるところ、この受給者証を交付されますと1割負担となること。それから、世帯所得によっては月額の自己負担額の上限額が設けられておりますものですから、そういったことでの申請ということになろうかと思います。
ただ、医療受給者証につきましては、所得に応じまして、一定の所得以上の方についてはこういった措置がなされないということで、「※」のほうに書いてありますが、「重度かつ継続」という場合においてのみ所得に関係なく措置されるという状況になってございます。
併せまして、保健福祉手帳につきましては税制優遇など、あるいは自治体によっては様々な措置がなされているというところで、手続としましては、いずれも医師の診断書をもって申請していただくということになっております。
その結果といたしまして、保健福祉手帳は、交付数が、平成30年度100万人強。一方、医療受給者証につきましては210万件ということになってございます。
18ページ、19ページにつきましては、それぞれにおつけいただく医師の診断書の様式につきまして、御参考まで東京都の例を載せております。
18ページが保健福祉手帳のほうの医師の診断書でありまして、長期にわたり制約がある方ということで、一定の期間治療に服していらっしゃるということで、基本的な要件としては、初診から6か月以上経過していることを求めておりますが、そういった診療の期間について確認をしてございます。併せて右側のほうですが、日常生活等への制約についての確認をしているというものであります。
19ページが医療受給者証の方におつけいただきます医師の診断書でございまして、医療費の減額ということでありますので、治療の事実の確認ということで、治療内容等について記載をいただいているということであります。
右側の一番下の欄でございます。先ほど少し触れましたが、重度かつ継続という判定をする欄がありまして、ここにつきましては、重度かつ継続であれば、所得にかかわらず一定の医療額の減額がなされるということでありまして、どういう方が重度かつ継続ということになるかということですけれども、基本的には統合失調症など、高額かつ長期間にわたって治療が必要になる方について、一定の障害、疾患別に認定される部分と、それ以外の場合には3年以上の経験を有するお医者さんの判断によってということで、重度かつ継続の上側の欄のところに医師の署名欄があります。こういった形での一定の医師による判断があった場合に重度かつ継続ということになるということでございます。
20ページがハローワークのほうに措置をしております専門スタッフ、雇用トータルサポーターの支援状況について、御参考までお載せしております。
併せまして、22ページが就労パスポートについての御紹介であります。就労パスポートにつきましても、精神障害者等を中心にいたしまして、職場での配慮あるいは定着の支援ということでの一定の共通のフォーマットに従って、障害者の方の理解、様々な支援に資するような情報について共有をするということで、創設したものであります。これらにつきましても周知等を進めまして利活用を図っていくということになってございます。
併せまして、机上配付のほうの資料を御覧いただければと思います。今回のテーマと併せまして、精神障害につきましては、知的、身体と異なりまして、重度といった取扱いがないということでありますので、重度という取扱いについてということで、3点につきまして、当分科会の公益委員であります中川委員、それから障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会でワーキングの専門アドバイザーとしても御参画いただいております田川先生、それから労働基準局の労災の検討会などにも御参画いただいたことがございます北里大学の田中先生、それぞれに今回ヒアリングとしてオンラインで意見交換をさせていただいております。その結果につきまして、簡単ですが、御参考までおまとめしております。
1点目が精神障害者の短時間雇用の特例措置につきまして。3人の先生方の御意見といたしまして、引き続き措置をするといったようなことで、お三方ともおおむねそのようなお考えでいらっしゃいました。
その上で、特に中川先生からは、3年間という期間については検討の余地があるのではないかといったことで、精神障害者の方の場合、短時間から30時間への移行については、比較的速やかに可能になる方もいれば、もともと時間をかけてもなかなか難しいという方もいらっしゃるという中で、3年間にかかわらずに、恒久措置という考え方もあるのではないかといった御指摘。
一方で、田川先生からは、1カウントされるから30時間未満のままでいいのではないかといった対応にならないように、企業の中でしっかり30時間以上の勤務に、御本人が希望するのであれば延ばしていく取組が求められるのではないかといった御指摘をいただきました。
次のページです。福祉手帳と医療受給者証の関係について御意見を伺っております。今回はお三方の先生それぞれ、いろいろ御指摘があった中でありますけれども、基本的には医療受給者証と保健福祉手帳というのは全く異なったものでありますので、これをもって精神障害者ということで一律に判断するというのはどうかという御指摘がおおむねの方向性でございました。
ただ、一方で、一部の意見としては、手帳が取りにくい、あるいは手帳を取りたくないという方がいるので、医療受給者証でといった御指摘もあったかと思いますが、その辺りにつきましては、以前に比べて手帳を取ることのハードルというのも少なくなっているのではないかということでありました。
最後が精神障害者の重度の取扱いについてということでございます。3人の先生方それぞれの御指摘であったわけですけれども、中川先生のほうからは、手帳等の等級と就労能力に関係がないということでありますし、疾患によってもそのような差異もないという中でありまして、企業側が障害特性にいろいろ配慮するというところ、その負担も考慮して重度というのを設けるべきではないかといったような御指摘でした。
田川先生のほうからは、仮に設けるとすると、やはり手帳1級ではないかという御指摘の中でありますが、一方で、雇用して定着したという観点の評価ということで、例えば何年以上雇用した場合にはカウントとして大きくするといった手法も考えられるのではないかといった御指摘。
田中先生からは、あえて重度を設ける必要はないのではないかということ。また、疾患名で重度を決めるということについても否定的な御意見でありました。
以上、もし必要であれば中川委員のほうからも追加的に何かいただければと思いますが、事務局としての説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、本件につきまして御意見、御質問があれば、御発言をお願いしたいと思いますが、「手を挙げる」ボタンをクリックしていただいて、お名前を名乗って御発言いただければと思います。まず、森口委員からお願いいたします。
○森口委員 ありがとうございます。労働側、森口でございます。私からは精神障害者の働きやすい職場環境に向けて、1点意見をさせていただきます。精神障害者の症状の改善が見られて、精神障害者保健福祉手帳の更新が認められなかった場合、障害者雇用率にはカウントされないことになるかと思います。そのような場合においても、当該労働者が解雇されずに、職場での配慮を受けながら、安心して就労し続けられる環境に向けて、引き続き対応をお願いしたいと考えております。
また、精神障害者も含めて、働きづらさを感じる労働者が、手帳の有無によらず働き続けられる職場環境が重要であることを、改めて労働側の意見とさせていただきます。
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは、竹下委員、お願いいたします。
○竹下委員 ありがとうございました。日視連の竹下です。2点意見を述べさせていただきます。1点は、短時間の設定というものは、障害者の病状や特性に応じて必要であると思っていますし、働き方の多様性という点からも、障害者の場合には短時間、20時間から30時間、場合によっては20時間以下もそうなのですけれども、必要性はあるだろうと思っています。ただ、大事なのは、僕も中川先生の意見と全く同じ意見を持っていることが分かったのですが、20時間から30時間の短時間就労に固定されることはよくないと思うのです。すなわち、あくまでも短時間就労というのは、障害者の働きやすさということが前提とされている以上は、病状の安定や本人の意欲等も含めて、言うならば転換権とでも言いましょうか、例えば労働契約法の有期雇用者の5年の無期転換のように、短時間就労をしている障害者がフルタイム、正規雇用に転換してほしいという希望を出せば、そういうところに移行できる道筋を作って、逆に病状、身体の変化等によってまた短時間就労にも切り替えられる、そういう仕組みづくりが必要ではないかというのが1点です。
もう一点は重度の関係ですが、かつては身体を中心に重度障害者という位置づけで、ダブルカウントも含めて、法定雇用率のカウントに対する位置づけをしてきたわけですが、ぼちぼちその考え方はどこかで再検討されるべきではないか。大事なのは、これも精神科の先生がおっしゃったように、重度か軽度かによって労働能力において差があるのではなくて、必要なのは合理的配慮の中身なのだろうと思うのです。合理的配慮において、重度であるがゆえに、合理的配慮のための事業主負担、あるいは雇用納付金制度による支援の分厚さ、費用の点も含めまして、そういうものが出てくるのではないかと思うわけです。そういう点で障害の程度というものが配慮される段階に来たのではないかと思いました。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは、中川委員、お願いいたします。
○中川委員 公益委員の中川です。少しお時間をいただいて、資料の私の意見の補足説明をさせていただきたいと思います。
1つ目に精神障害者の短時間雇用の特例についてですが、先ほど小野寺課長からもお話があったように、短時間雇用の場合というのは大きく2つに分かれるのです。1つは、職業能力がもともと高くてフルタイム勤務が可能なのだけれども、初期緊張が非常に強い方で、慣れるのに時間がかかるので、最初は短時間から始めたほうが定着に非常に有効だという方です。しかし、そういう方というのは、比較的早く、1年ぐらいの間にはとんとんとんとフルタイムに持っていくことができるというふうに考えます。
もう一つの群というのは、もともとフルタイム就労自体が難しい方か、あるいは疾病管理上、あまりふさわしくないという方がいらっしゃいます。こういう方たちにとっては恒久的な短時間雇用の場というのが求められると思います。
先ほどJEEDの調査に関して意見を申し上げましたけれども、本当は早くフルタイムに持っていけるのに3年間留め置かれるという方があってはならないのです。先ほど竹下委員からお話がありましたように、定期的に本人の意向を確認して、本人の意向に沿って時間を延ばしたり、例えば減らしたりということが出来る、こういうシステムが必要だと考えます。
一方、もう片方の方、職業能力上または疾病管理上、短時間勤務がふさわしい方、恒久的に必要な方というのも確かにいらっしゃいまして、そういう方というのは、企業も短時間だからフルタイムよりも負担が軽いだろうということではないわけです。短時間であってもフルタイムと同等またはそれ以上の負担があるということがあります。ということで、短時間だから負担が少ないと考えるのは誤りでありまして、そういうふうに考えると、短時間雇用に対して、恒久的な、3年間に限らない、何らかの措置というのは必要になるかなと考えます。
2つ目に、手帳を所持しない者の取扱いについてですが、これはほかの2人の精神科医とちょっと意見が違うのですが、もともと原則論で言うと、自立支援医療の受給者証というのは、先ほどの診断書の書式を見ていただいてもお分かりのとおり、症状の記載欄しかないのです。生活能力、障害に関する記載欄がありません。ということで、これだけでは障害があるかどうか分からないということです。
もう一つ、これは医療費の公費支給のためのものでありまして、これを雇用に使うというのは目的外使用になるという問題もございます。
しかしこれはあくまでも原則論でして、では、現実はどうなのかということをちょっと考えてみますと、今の精神障害者保健福祉手帳に大きな様々な問題があります。先ほど手帳の診断書を見ていただいたかと思うのですが、いわゆる日常生活能力の評価は欄があるのですが、労働能力に関しては評価する欄が全くありません。そして日常生活能力と労働能力というのは必ずしも比例するわけではないということがあります。あと、自治体によって判定の基準が違ったりするわけです。時代によっても判定の基準が違ってきたりしますので、そういう意味では信頼性が確保できていないという問題があります。
加えて、精神障害者の手帳を取得するというのは、世間の偏見などの問題から敷居の高さという問題もあります。いろんな問題があるわけです。ということで、手帳だけで判断するのはいかがかなと考えます。
一方、自立支援医療の受給者証なのですが、先ほど小野寺課長からもお話があった重度かつ継続というものがあります。これはどういうものかというと、現在の状態を維持したり、病状の悪化を予防するために、計画的、集中的、継続的な医療を必要とする方に対して認定されるという制度なのです。ということは、この方というのはかなり病状的には不安定であって、継続した支援が必要だということになります。当然職場においても御本人と職場が協力して病状をモニタリングして、疾病配慮を行っていくということが必要な方ということになります。とすると、これは職場にとってはある程度負担になるわけです。ということで、その負担感を勘案して障害者雇用のカウントに入れてもいいのではないかなと考えています。
その場合、ちょっと問題になるのは、これを雇用に入れてしまうと、いわゆる雇用率の算定の計算式の分子が増えます。とすると、雇用率がかなり大幅にアップしてしまうわけです。手帳とこの受給者証の差というのは、100万人ぐらいいらっしゃいますので、100万ぐらい分子がふえてしまうということです。それはなかなか難しい問題でありますので、例えば当面は重度かつ継続は精神障害者とみなすと。だから、雇用率にカウントしていいのだけれども、計算式には入れないという前にあったみなし雇用の形で始めるのはいかがかなという意見を持っております。
最後に重度の取扱いですが、精神障害者を雇用する企業というのは、2つの配慮をしなければならないのです。1つは職務遂行能力とかコミュニケーション能力とか、現在この場である障害に対する合理的配慮が求められます。あとは病状の悪化を防いだり、再発を防ぐ継続的な疾病配慮が必要になってくるのです。このように2つの負担があるわけです。その負担感が大きいということがありますので、それは重度の制度を使うかどうかは別として、何らかの措置が必要だと考えています。ちょっと長くなりましたが、以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは、続いて高橋委員のほうからお願いいたします。
○高橋委員 ありがとうございます。ダンウェイの高橋です。私のほうからは2点意見をお伝えさせていただきたいと思います。一部資料2のほうにも触れますが、よろしくお願いします。
まず1点目、精神障害者である短時間労働者に関するカウントの特例についてです。資料2のJEED報告の20ページ「事業所調査のまとめ」を拝見いたしますと、精神障害者の雇入れや職場定着に当たって、4割程度の事業所が「特例措置制度を考慮した」という回答がございます。
加えて、17ページ、特例措置制度活用のメリットといたしまして、「雇用率達成のしやすさ」、「定着の見通しの立てやすさ」、「無理のない労働時間」を挙げている事業所が半数を超えています。「無理のない労働時間」については、資料2の29ページ、「今後の働き方」の「イ.フルタイムへの移行について」によると、「フルタイムに移行したい」が2割程度にとどまっている一方で、「現状では、フルタイム勤務への移行は難しい」、「短時間勤務をこのまま続けたい」を合わせますと、約6割近くを占めております。
また、「定着の見通しの立てやすさ」については、資料3の8ページ「障害者の平均勤続年数の推移」を見ると、精神障害者は平均3年2か月と、身体障害者の平均10年2か月、知的障害者の平均7年5か月と比べて相当短いことから、いかに職場定着を進めていくかが課題であると言えます。
職場定着の関連で、資料3の11ページ「精神障害者の就労の状況について」、精神障害者の職場定着率を週の労働時間別に見ると、「週20時間から30時間未満」の場合が最も定着率が高いという結果が出ております。
したがいまして、資料3の12ページで提示されている精神障害者である短時間労働者に関するカウントの特例については、令和5年4月以降も引き続き維持していただきたいと考えております。
また、多様な働き方を進めるに当たっては、労働の柔軟な在り方の検討も含めてお願いいたします。
あわせて、資料2に付随してお願いがございます。資料2の一部に年齢に関する記載がありますけれども、年齢層の分析に関しては、人口に比例する場合もあるかと思います。今後人口比との関係が分かる分析等も検討いただきたく、よろしくお願いします。
2点目は、精神障害者保健福祉手帳を所持しない方の取扱いについてです。精神障害者保健福祉手帳を所持しない方の取扱いに関しましては、障害者雇用分科会でたびたび提示されている参考資料3-2「今後の検討に向けた論点整理」には、「精神通院医療の自立支援医療受給者証や指定難病の医療受給者証の交付者等の取扱いをどう考えるか」、「手帳不所持者について、就労困難性を客観的に評価することについてどう考えるか」が取り上げられております。
精神障害者の雇用については、資料3の5ページを見ると、近年、新規求職申込者数の着実な増加に加えて、企業における理解や取組が進展していて、就職件数も順調に増加しています。
ただ、一方で、資料3の14、15ページにあるように、身体障害者、知的障害者の方と比べて体調の変化が大きく、障害・病気による離職が多い等の理由により平均勤続年数が短い状況にもあります。また、日常生活や社会生活に制約がある障害を抱えながら、様々な理由で障害者手帳を所持しない方も相当数存在していると思われます。
したがいまして、精神障害者の就労支援促進の観点から、手帳を所持しない方についても法定雇用率の算定対象に含めていただきたいと思います。
ただ、多くの中小企業は、コロナ禍の厳しい経済状況の中で、雇用調整助成金等を活用しながら「事業の継続」や「雇用の維持」に懸命に努力をしているのが実態です。加えて、100人未満の中小企業の実雇用率は1.74%にとどまっている中、コロナ禍で障害者の業務が減少しているなど、雇いたくても雇えない状況が発生しているのも事実です。
現下の経済情勢や障害者雇用の実態を踏まえますと、本年3月1日に実施された法定雇用率0.1%の引上げでさえ中小企業にとっては厳しく、反対する意見も多かったことから、仮に、手帳を所持しない方を法定雇用率の算定対象に含めることで障害者雇用を進んだとしても、法定雇用率はさらに引き上げるべきではないと考えております。この点を踏まえて慎重に検討をお願いいたします。以上になります。
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは、門﨑委員、お願いいたします。
○門﨑委員 ありがとうございます。労働側の門﨑です。私からは1つ意見を述べさせていただきます。17ページの手帳と受給者証のところで、中川委員から御説明いただきましたが、受給者証は、通院されているものの、日常生活または社会生活への制約がない者という解釈になるのか。またその場合の就労の困難性をどう考えればよいのか伺いたいと思います。また今度、短時間就労をしている精神障害者の範囲、カウントの在り方の検討に向けて、受給者証の所持者で、その中で就労している方の割合など就労に関するデータも必要であり、いかに就労の困難性を見極めるかが大切であると感じていますので、データの収集・提供をお願いしたいと思います。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは、眞壁委員、お願いいたします。
○眞壁委員 みんなねっとの眞壁です。私は家族の立場として、ぜひ精神障害者の雇用率算定の特例措置を継続していただきたいと思っています。精神障害者がフルタイムで働くというのは、ごく一部の方はできているかもしれませんけれども、ほとんどの方はなかなか長く続かないと思います。フルタイムで働いて1週間、2週間は過ごせても、1か月、3か月になりますと、やはり体調がおかしくなったり、精神的にもストレスがたまったりして体調を崩してしまうということがあります。ですから、そういう精神障害者の特性ということを考えて、ぜひこの制度を続けていただきたいと思っております。
以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。では、塩野委員、お願いいたします。
○塩野委員 使用者側の塩野です。精神障害者の雇用について、企業の立場から意見を述べさせていただきたいと思います。先ほどのJEEDの資料にも、精神障害の雇用をする企業は、障害者雇用をしている全企業の約3割という表記がありましたが、弊社もまだまだ積極的に精神障害のある方を雇用できていない状況です。精神障害者の雇用で気になっているのは、定着率の低さと体調に波があるということです。体調に波があるということについては、もちろん個人差もあると思います。これまで見てきた職場でも、例えば、それまで安定して働いていた社員が、プライベートな悩みから体調を崩して休みがちになって、休職になったケースや、あるいは長期に休んで、復職はしたものの、出社と休みを繰り返すというケースもあります。また、中川委員のコメントにもありましたが、精神障害の方を採用する場合、労働時間は短い時間から徐々にフルタイムに増やしていくのがいいというような話も聞いています。
こういった中、職場の悩みもいろいろあります。例えば弊社は特例子会社で、現在知的障害者を中心に雇用していますが、障害特性の異なる知的と精神の方を同じジョブコーチが本当に配慮等を含め対応できるのかどうか。あるいは親会社で一般の職場に入ってもらったときに、忙しい管理職がきめ細かいマネジメントができるのかどうか。また、出社と休みを繰り返した場合、もちろん本人が一番苦しいとは思いますけれども、一緒に働いているメンバーのモチベーションが下がってしまうようなケースもあって、このような場合、どういうふうに対応するのがいいのか。細かいことですが、このような現場の悩みについても、今後好事例のような形で各社が工夫している点などをぜひ情報共有していただけると助かります。
また、資料を見ると、フルタイムの方よりも、20時間、30時間等短時間の方のほうが定着率は多少ですけれども高いというような結果も出ています。このような結果を見ると、まずは短時間雇用から始めようとする企業も多いのではないかと思っています。そういった企業を後押しする意味でも、ぜひ現在の雇用率算定に関わる特例措置の恒久化をお願いしたいと思います。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは、倉知委員、お願いいたします。
○倉知委員 公益委員の倉知です。私は、重度の取扱いの問題が1つと、雇用率制度にカウントする精神障害者の範囲についてと、特例措置、この3点について述べさせていただきます。
まず、重度の取扱いの件ですが、今の身体障害、知的障害を含めて重度というものを設けるべきなのか、それとも就労能力と重度との関連性もいろいろ議論があるので、何をもって重度とすべきかというのは検討が必要だと思います。ただ、現在、身体障害や知的障害は重度があるのです。だから、全体の検討の結論が出るまでは、格差をなくすということが大事ではないかと思います。ですから、精神障害のある方も格差をなくすために重度をつくるべきではないかと思います。
では、どうするかということですが、ほかの障害は、大体障害年金受給相当の障害を重度と見ているのかなと考えられます。例えば身体障害であれば1級、2級であり、知的障害であればB1の一部を入れたA。そう考えると、精神障害の場合、1級、2級はそれに該当するのかなと思っていますが、2級をどう扱うかというのは検討が要るかと思います。どちらにしろ格差をなくすということを最優先すべきではないかなと思っています。
次に、雇用率制度に入る精神障害をどうするかということですが、私は、そもそもほかの障害も含めて手帳の制度と就労能力はそんなに比例していると思っていないのです。ただ、ほかの障害は障害者手帳にしているわけで、知的障害だけは一部判定書を入れていますが、基本的には手帳でいくということになっていると思います。しかも、療育手帳は都道府県が認定していますので、都道府県によって差が出てくるのもあるでしょう。
では、精神障害をどうするかということですが、私は精神障害者保健福祉手帳でいいのかなと思っています。理由は、障害をオープンにする人で手帳を取りたがらないという人はほぼいらっしゃらないなと私の経験では思っていて、どちらかというと親が反対するケースはあると思います。また、精神障害者を法定雇用率に算定するときに、障害者雇用対策課の研究会で議論があったと思うのですが、そのときに公的な判断が必要だろうということで、手帳制度にしたという経緯があると思います。
医療者証についてですが、精神疾患があること、通院していることでイコール精神障害というのは違うのではないかというのは、皆さんがおっしゃっていることと同じです。中川委員がおっしゃった重度かつ継続というのは、それも一理あるかなと思いましたが、多分就職したら重度かつ継続は外れるのではないかなと思うし、そもそも収入があると、医療者証そのものも非該当になるのかなと。そこもちょっと心配をしています。
また、特例措置に関してですが、私は、そもそもなぜこの特例が出たのかよく分からないので、そこを聞きたいというのがあります。なぜ精神障害だけが短時間就労を0.5ではなく1とするのか。そこの合理的な理由が必要かと思います。ほかの障害でも、例えば知的障害で、能力があまり高くないので、できる仕事が週20時間か30時間ぐらいしかない、そういう方を雇用しても1にはならない。また、身体障害でも、体調の関係で30時間を超えると体調を崩してしまうから短時間で働きたい、そういう方は0.5のままなのです。ですから、精神障害を1にするのであれば、ほかの障害の方も1にしないとおかしいですね。これも格差の問題をなくさなければいけないのではないかなと思っています。 以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。倉知委員のお話の中で、特例措置の導入の経緯というところをお聞きしたいということだったのですが、どうしましょうか。では、事務局からお願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。当時のいろんな議論の過程を振り返ってみますと、まず雇用義務に係る議論においては、重度について議論はあまりされていなかったようでした。そのような中で、一方で、今、倉知委員から身体でも知的障害でも短時間でという方はいるだろうという御指摘もありましたが、それ以上に精神障害者についての病気のコントロール、体調の維持というところでの問題の指摘が多くあって、やはりもっと短時間で働くというようなことを求める、あるいはその結果、就業が可能になるという方も多くいらっしゃるのではないかといった議論の中で、20時間以上30時間の働き方について、より一層積極的に進めていって就業の機会を得ていくというような議論が非常に熱心になされていたのではないかと思っています。
そうした中で、当事者の方や、支援者、それから企業側の皆様方からもそういった御意見を多々いただきまして、0.5カウントではなくて1カウントにという議論がなされていたというふうに認識しております。以上でございます。
○阿部分科会長 私も研究会あるいは審議会に出ておりましたので、付言させていただきますと、資料3の10枚目のスライドの左側に障害種別の職場定着率があると思うのですが、そこで精神障害の方々の職場定着率が低いですね、これを高めていく必要がありますね、そのときに何が課題なのでしょうかということで、いろんな委員の先生方にお聞きして、初めは短い時間から始めたほうが定着しやすいのではないかという議論になって、そこで特例措置を時限で入れて、実際どのような効果があるか見ていきましょうというのが、今の段階に至っている理由かなというふうに私は理解しているところでございます。ありがとうございました。御意見は御意見で承りたいと思います。それでは、佐渡委員、お願いいたします。
○佐渡委員 使用者側、愛媛県ビル管理協同組合の佐渡でございます。私のほうからは2点ほど。まず1点目、カウント方法についてでございます。カウント方法につきましては、所定労働時間の取扱い、等級ごとのカウント方法などの検討が必要になってくると思っております。また、カウントの前提となります福祉手帳につきましては、プラス医療受給者証、就労パスポート、ジョブ・カード、このようなことも十分に検討に入れていく必要があると思っております。
2点目に、カウント特例についてでございますけれども、結論的にはぜひとも延長をしていただきたいということがございます。特例についても同じく、カウント方法も、先ほど述べたことと同様のようにお願いしたい。このことは特例カウント20時間以上30時間未満ということでございますけれども、それより以下、20時間未満のことについても検討してはいかがかなと思っております。これについては精神障害者ということに限らず、ほかの障害のことも含めて検討してはいかがかなと思っております。以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは、池田委員、お願いいたします。
○池田委員 ありがとうございます。経団連、池田でございます。質問と意見を述べさせていただきます。まず、質問ですけれども、自立支援医療受給者証につきましては、17ページの表で市町村民税が23万5000円以上の者は対象外となっており、所得制限がかけられています。就労しておられる障害者の方々でこの制限をクリアされる方が何割程度いらっしゃるのか、もしお分かりになれば教えていただきたいと思います。先ほどの倉知委員の御発言にも関係しているかと思います。
その上で意見でございますけれども、精神障害者の就労者数は増加傾向にございますが、いまだノウハウがないことなどを理由といたしまして採用にちゅうちょする企業も多いと認識しております。今後多様な障害者の雇用を促していくためには、精神障害者の就労を支援していくということが不可欠であり、円滑な採用と定着が重要と思います。
採用については、ハローワーク等の支援の強化とともに、昨年から導入されている就労パスポートのさらなる普及・活用が求められていると思いますし、定着につきましては、14ページから15ページで示されているように、体調の波があることから、状況に応じて柔軟な働き方ができるということが鍵になると思います。企業としては従業員の状況に応じた労務管理や丁寧なコミュニケーションに取り組んでまいりたいと思います。
併せて、障害者雇用制度におきまして、精神障害者と企業を支援する施策をぜひともお願いしたいと思います。体調が不調状態にある精神障害者の方々は、短時間勤務に移行することで求職や離職を避けたり、短時間であれば働く機会が増えるということが期待されております。一方で、先ほど中川委員も御指摘をされていたかと思いますけれども、勤務時間が短ければ企業の労務管理が軽減されるわけではなく、企業の真摯な取組を雇用率制度などにおいて評価することが重要ではないかと考えております。
今後企業に精神障害者の雇用を促すためにも、週所定20時間以上の短時間労働者については、引き続き0.5ではなく1.0でカウントすること、つまり、特例措置を恒久化し、インセンティブを維持することを基本に検討していただきたいと思います。
また、身体、知的障害者の場合と同様に、週所定30時間以上かつ一定期間の勤続年数を超えて働く方については、雇用率上のインセンティブを付与することも検討していただきたいと思います。私からは以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。 池田委員から質問がございました。失礼しました。それでは、お願いします。
○小野寺障害者雇用対策課課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。今、御質問いただいた実際に就業している障害者の中で医療受給者証をお取りになっている方がどの程度かという御質問だったかと思います。手元には精緻なデータがございませんで、ただ、先ほど申し上げた所得制限ということで言うと、税額で市町村民税所得割が23万5000円以上の者ということで、おおむね650とか600万というような年収になるかなと思いますが、実態調査上で言うと、実態としては、月額で十数万から20万程度が多くなっていますので、この調査上で言うと、かなりの方は恐らく所得要件に当てはまってこないのではないかと推察されます。さらなるデータ分析などによって状況がつかめるかどうか、引き続き整理はしてみたいと思います。以上でございます。
○阿部分科会長 ほかに何かございますでしょうか。よろしいですか。それでは、委員の皆様から大変貴重な意見をいただきましたので、またこれを整理して今後の議論に資するようにしていただきたいと思います。では、時間もありますので、議題3はこの辺りにさせていただきまして、議題4に移りたいと思います。それでは、議題4について、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課課長 事務局、障害者雇用対策課長の小野寺です。資料4-1、資料4-2に基づきまして簡単に御説明申し上げたいと思います。2020年度の中間評価ということでありまして、2020年4月から12月までの実績につきまして御報告をさせていただきます。本来であれば前回の回で御報告申し上げてというところだったのですが、今回になってしまいまして、御報告が遅れておりますのと、併せまして、2020年度、年度計の事業評価について年度明けに御報告する機会がございます。その辺りでも分析についてはさらに深めてまいりたいと思いますので、今回簡単に現状と今後の方針について御報告させていただきたいと思います。
資料4-1でございます。まず、障害者雇用分科会において設定されました年度目標につきまして、1点目が就職件数でありますが、10万3163件以上というのが年度目標でありましたが、これに対しまして、12月の実績が6万6598件ということで、前年同期に比べまして17.2%下回る結果になってございます。これについては、資料4-2の4ページを御覧いただければと思います。資料4-2の4ページ、下側の参考1ところで、月別の新規求職申込件数と対前年同月比をお示ししておりますが、御覧いただきますとお分かりいただけますように、年度が明けて緊急事態宣言後、4月、5月ということで、新規求職者数が前年に比べまして2割以上減少したという状況がありました。明らかに求職者の皆さんが来所を控えて、求職活動についても手控えた状況が見てとれます。その後におきましては、ほぼ前年同月比に戻っておりますけれども、これまでの状況で申し上げると、障害者の場合には、一般の求職者に比べても経済状況等に関わらず右肩上がりで新規求職者数が伸びてきておりましたので、現状、前年同月比ほぼ横ばいということは、まだまだ求職活動自体、戻り切っていないなという感じは受けております。
併せまして、次のページにありますように、障害者専用求人の数自体が、前年に比べてまだ2割、3割減という推移を続けておりますので、専用求人自体が非常に減ってしまっているということ。
併せまして、減ってしまっている産業別で見ると、製造業ですとか卸・小売業、サービス業(他に分類されないもの)といったように、障害者の就職件数の多い産業において減少の幅が大きいという状況がございます。
加えまして、職業別に見ましても、事務的職業、サービス業、生産工程といったような障害者が就職件数として非常に多くを占めている職業別の部分におきまして減少幅が大きいということであります。したがいまして、求職活動自体もまだまだ積極的になれていない部分と、選択をしようとした際に、通常に比べますと選択の幅が少し小さくなってしまっているということもありまして、就職がなかなか思うように伸びてこないという状況にございます。このような中でありますけれども、引き続きチーム支援等を含めましてしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
2点目、資料4-1に戻りまして、2ページ目、障害者雇用率の関係でございまして、1つ目の目標が、雇用率達成企業割合でございます。これにつきましては、2019年度目標49.4%以上ということで、2020年の雇用状況報告の結果が出ましたので、これに対しましての実績が48.6%ということで、これも目標に達することができませんでした。
雇用率達成企業割合につきましては、前年から比べますと0.6ポイント上昇ということで、改善を続けてきているものの、やはり目標に対しては少し伸びが小さかったという状況であります。
中身の分析といたしましては、これも雇用状況報告を御報告した際にも申し上げましたが、1,000人以上の著しい改善と比べると、45.5~100人あるいは100~300人未満。中小企業を中心にどうしても伸びが見えてこないという状況がございます。特に300人未満のところにつきましては、1人も雇っていないゼロ企業が約99%を占めているということになりまして、最初の1人目を何とか雇っていただく、あるいは雇っていだいた1人目をしっかりと維持していただくということを御支援しなければいけないと考えております。
特に2020年9月頃からいわゆるコロナの影響も踏まえまして、通常は企業向けチーム支援というのは、未達成企業やゼロ企業を中心に御支援しているものなのですけれども、これに加えまして、コロナの影響があって様々な課題を抱えている企業や、3月に2.3の引上げを見込んで、それを引き上げることによって未達成に陥るであろうという企業も対象に加えて、このチーム支援については強化をして取り組んでまいりました。このような取組も引き続き取り組みながらというふうに考えてございます。
2つ目のゼロ企業につきましては、今年の6月1日の状況をもって評価をさせていただきます。
最後が3点目、精神障害者雇用トータルサポーターの支援実績でございます。1つは、相談支援を終了した者のうち、就職に向けた次の段階、例えば求人への応募だったり、職業訓練だったりということで、移行した者の割合と最終的に就職した者の割合ということで、目標を設定しております。こちらにつきましては、精神障害者の方の就職意欲の高まりや、企業側の雇用の意欲も引き続きあるということで、専門的な支援を介して実績としては比較的順調に来ておりまして、引き続き取組を進めまして、何とか年度の目標を達成していきたいと考えてございます。説明としては以上でございます。よろしくお願いいたします。
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは、質疑応答に移りたいと思います。御質問や御意見がございましたら、「手を挙げる」ボタンをクリックしていただいて、お名前を名乗って御発言いただきたいと思います。それでは、小出委員、どうぞ。
○小出委員 育成会の小出です。ありがとうございます。資料4-2の3ページ目、ハローワークにおける障害者の就労件数に関係しますけれども、就労支援コーディネーターの実態ですが、効果が非常にあるということになってくると思いますけれども、2019年300人配置ということなのですが、実際地方自治体から独自の推進コーディネーター、私がやっているNPOで受けてやっておりまして、そこで実雇用につなげていくということで2020年も活動しております。県内17名おりまして、今、目標は500件、500人という実績で、今、480名ほど達成して、コロナ禍で非常に苦しいのですけれども、企業回りのコーディネーターに精神障害者のサポーターが同行して企業を回っている。精神障害の場合は精神保健福祉士ということで、企業就労についてはあまり熟知していないということで、企業回りをするコーディネーターに同行しているということで、こちらのほうが非常に効果が上がっております。ですから、今後も精神のほうのトータルサポーターの活動というものは継続していっていただきたいなという希望があります。よろしくお願いします。
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは、内田委員、お願いいたします。
○内田委員 ありがとうございます。労働側の内田です。私からは2点について意見を述べさせていただきます。資料4-1の3ページ目のマル1にあります精神障害者雇用トータルサポーター支援実績の相談支援を終了した者のうち、就職に向けた次の段階へ移行した者の割合を見ますと、2020年度目標は達成している状況かと思います。ですが、資料4-2の7ページ目にありますとおり、前年度の同時期の実績に比べますと、相談支援を終了した者の人数にして約1,700人減少しています。コロナの影響もあるかと思いますが、精神障害者トータルサポーターの役割は、障害者雇用を進めていく上で重要なものだと考えております。引き続き精神障害者が希望する就職に向け、障害者自身と事業主に対しての支援の強化をお願いしたいと思います。
併せて、JEEDの障害者の就業状況等に関する調査研究、調査報告書のナンバー137の考察にも述べられておりますが、障害別にかかわらず、支援制度の利用により職場定着率が上がる傾向がうかがえるとの調査結果があり、定着率の観点からも精神障害者の支援利用を促す方策も必要ではないかと考えます。
また、資料にはありませんが、職場内の支援として精神・発達障害者しごとサポーターがありますが、精神・発達障害者の職場定着支援を図る上でも、職場内の理解者、支援者を増やす取組もまた重要であると考えます。引き続きこれらのサポーター養成の推進もお願いしたいと思います。以上となります。
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは、高橋委員、お願いいたします。
○高橋委員 ありがとうございます。ダンウェイの高橋です。私からは1点、中小企業における障害者雇用を後押しするための支援策に関して、意見を述べさせていただきます。
まず、資料4-1の2ページ目に「障害者雇用ゼロ企業の9割を45.5~300人未満の中小企業が占めている」という記載がありましたが、中小企業の障害者雇用を後押しするためには、経営資源やノウハウが十分でない中小企業の実態を踏まえた支援策の強化・拡充が必要であると考えます。具体的には中小企業にとって身近な支援機関であるハローワークの機能強化が重要だと思います。
先月の分科会の資料にも記載されておりましたが、障害者雇用ゼロ企業を対象とした「企業向けチーム支援」、こういったことをこれまで以上に実施することは、本年3月の法定雇用率の引上げに対する懸念の声が多く聞かれている状況も踏まえますと、時宜にかなった取組であると言えます。
また、JEEDが実施しているジョブコーチの職場への派遣や、地域障害者職業センターにおいて障害者職業カウンセラー等が実施している新規雇入れから採用後の定着、職場復帰に至る事業主からの様々な相談への対応は、障害者の定着や活躍促進に向け有効であることから、周知の強化や支援体制の一層の強化・拡充に取り組んでいただきたいです。
加えて、中小企業、もにす認定制度の促進、認知度の向上、JEEDが取り組まれています障害者雇用優良事業所の好事例集等の周知等は、障害者の雇用経験やノウハウが不足している中小企業にとって大いに参考になると思いますので、こちらも幅広い周知をお願いしたいと思います。
最後になりますが、雇用ゼロ企業割合が高い中小企業にとって、障害者を雇用するきっかけとして非常に有効な施策と考えられるトライアル雇用助成金をはじめ、各種助成金を幅広く周知していただくとともに、助成金の使いやすさの向上、申請に対する支援等を通じて助成金の利用を促進し、障害者の雇用・定着に係る中小企業支援策をより一層強化・拡充していただきたいと思っております。以上になります。
○阿部分科会長 ありがとうございます。その他、いかがでしょうか。では、阿部一彦委員、お願いいたします。
○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部でございます。今日お話を伺って、特例措置の継続というのは大事なことだと思いました。手帳についてもなるほどというところでした。
後半のほうの説明の中で、特にコロナ禍の中でなかなか就職の相談に行けなかったということもあるかもしれませんけれども、産業構造というか、企業構造が変わってきているのであれば、その準備としての就労準備、例えば能力開発校とか、そのほかについてもうまく対応していく必要があるのかなと思いました。特に雇用ゼロ企業の中では、働く機会というのがどういうふうな構造なのかなというのももう一つ心配に思ってまいりましたので、時代の変化とともに企業の構造も変わってきているのだと思います。それに応じて能力開発校での働き方に対する支援の在り方とか様々な工夫があってきたように思いますが、今般のようにコロナ禍の中を含め、ICTの活用が重要だということが確認された中で、障害ある人の働く場をきちんと確保する必要があると思います。
私は、身体障害ですけれども、身体障害の方に関しましては、遠くまで通勤する必要がなくなったというのはとてもいいことです。ICTで働く機会も、多分精神障害の方も思っていると思いますが、繰り返しになって恐縮ですけれども、企業の構造、産業の構造に応じた働く機会の創出、そういう好事例というのを共有することが必要だと思って発言させていただきました。以上です。ありがとうございました。
○阿部分科会長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。岡本委員、どうぞ。
○岡本委員 労働側の岡本でございます。よろしくお願いします。本日の議題に直接関係するということではないのですが、今の中間報告も伺った上で、私からはコロナ禍における雇用の維持について発言をしたいと思っています。3月中に緊急事態宣言が解除された場合に、雇用調整助成金の特例措置が4月いっぱいになると認識をしておりますが、依然厳しい状況にある産業が多いと思っております。そのような中で、今後も在宅勤務が進んだりしますと、障害者が受託している業務などがなかなか戻ってこないということも予想され、雇調金の特例措置が縮小するというタイミングで障害者の雇用が失われるのではないかということを非常に懸念しています。
障害者の雇用を守るために、例えば緊急的に雇調金の特例措置と同等の支援といったようなことを障害者雇用に限定して対応することが今、必要なのではないかと切実に思っているところでありますので、何かの手だてがないかということについて御検討いただきたいということで、この場を借りて申し上げたいと思います。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。ほかに何かありますか。よろしいですか。眞壁委員、お願いいたします。
○眞壁委員 ありがとうございます。今日の議題とは直接関係ないことなのですけれども、最近、私自身がびっくりしたというか、初めて知ったことなのですが、障害者就労ビジネスというものがあるという話を聞きました。それはどういうことかというと、要するに、移住して、そして障害者を特定の場所に集めて、そこで例えば農業みたいなことをさせていくと。そして各企業は障害者を単に雇ったというふうに報告するということで、そこで例えば農産物を作って、それがちゃんと商品として社会一般に販売されるとかそういうことではないみたいで、要するに、雇用率を上げるための会社ということらしいのです。障害者だけを集めて雇用率の数合わせをしていくということは、まずいのではないかと思っているのです。
具体的な名前を挙げてしまいますと、エスプールプラスとかスタートラインとか、そういう会社らしいのですが、一般の企業に障害者が健常者と一緒に働くということが理想だと思っていますので、ただ集めて雇用率達成ということはおかしいなと思っています。
それと、104回のときにちょっと紹介されたのですけれども、事業協同組合という話が出まして、要するに、中小企業で、自分のところでは障害者を採用できないけれども、組合でまとめて障害者を面倒見るというか、雇用していくという話がありましたが、その事業組合と今の就労ビジネスとどう違うのかというところがお伺いできたらと思います。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。問題提起として受け止めようかとは思いますが、直接議題とは関係ないということですので、御意見というふうに受け止めたいと思います。では、事務局からお願いします。
○小野寺障害者雇用対策課課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。最近いろいろな場面においてそういった御指摘も受けておりまして、これについての私どもとしての考え方というのは、まずその前に、なぜこのようなことでの問題の指摘がいろいろされるのかというところを振り返ってみると、障害者雇用というのは何のためにやってきたのかというところが今、少しぼやけてしまっているのではないかなと。これは我々行政としての反省も含めて申し上げているわけですが、障害者雇用促進法の基本理念のところに立ち返って、法律上、雇用率というのは、いわゆる地域の中で障害のある人、ない人にかかわらず、共生して働いていく、そういった社会の実現に向けて取り組んでいく一つのアプローチ方法や手段だったわけですが、ともすると、それ自体の達成が目標というか、目的になってしまっているというのが一つ反省しなければいけない点なのだろう。
個々の事業体について評価をすることは避けますけれども、いずれにしても、基本理念にあるように、障害者が経済・社会を構成する一員としてしっかりと戦力になって社会や企業に寄与するということ、そういった場を企業としてはつくっていくということが求められているわけですし、その中で障害者自らも努力をしなければいけない。そういった枠組みになっているかということかと思います。
その中で適切な雇用の場をつくりだすこと、そして雇用管理をするというのが企業の責任であり、それらについてしっかりと支援をしていくのが行政の立場だと考えておりますので、その辺りは各方面の皆様方を含めて、基本理念にもう一度立ち返って、障害者雇用についてさらなる議論に向かって検討していければいいのかなと思っているところです。以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございます。そういう意味では、企業向けチーム支援等をぜひ拡充していただいて、ゼロ企業なり、あるいはこれから採用する企業なりが理念に基づいて雇用を進めていただくということが望ましいのではないかと思います。ありがとうございました。それでは、よろしいですか。中間評価についてでございますが、これは分科会の委員の皆様の意見ということで取りまとめるところがございますので、今日いただいた意見を事務局と整理しまして、中間評価を公表したいと思います。もし後で何か意見がございましたら、できるだけ早めに事務局のほうまで御連絡いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、最後に議題5、その他でございます。事務局から説明をお願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。本日共有させていただきたい点といたしまして、参考資料4-1から4-2、4-3と3点御用意申し上げております。本日、午前中に障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会が開催されまして、これまでの間に3つのワーキンググループで議論してまいりました検討の経緯、今の状況について御報告をした次第でございます。といったことで、分科会の皆様方にも参考資料4-1から4-3ということで、それぞれのワーキンググループで現在議論しております論点につきまして、情報の共有を図らせていただきます。
この場で細かく御説明することは割愛させていただきますけれども、また全体のワーキングでの議論が取りまとまりましたら、分科会に対しましても改めて御説明をしたいと思っておりますので、今日のところは資料の共有にとどめさせていただきます。後ほど御覧いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○阿部分科会長 この件に関しまして何か御発言があれば、お願いしたいと思います。では、仁平委員、お願いします。
○仁平委員 連合の仁平です。どうもありがとうございます。今後この検討会の報告も受けて、この分科会で具体的な制度改定に向けた議論を行っていくと承知をしておりますが、福祉と雇用施策が連携していく上での共通認識を持つということも、今回福祉、雇用双方の関係者が集まって検討している意義の一つなのだろうと思っております。具体的には、第3ワーキンググループの2ページ目の中ほどに下線で書いていただいているところの認識なのですが、障害の有無にかかわらず、誰しも働ける社会を目指し、そして障害者自身が希望する働き方を踏まえて、最終的には一般就労の実現、一般就労への移行を目指していく。そうした共通認識の下に個々の制度の議論を深めていくということが重要であると思いますので、改めて確認しておきたいと思います。以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございました。その他、いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、特にないようでしたら、本日の議論はここまでにさせていただきたいと思います。最後に事務局から連絡事項がありましたら、お願いいたします。
○小林障害者雇用対策課課長補佐 障害者雇用対策課課長補佐の小林でございます。次回の日程につきましては、4月での開催を予定しているところでございます。詳細は事務的に事務局より御連絡させていただきたいと思っております。以上でございます。
○阿部分科会長 それでは、これで障害者雇用分科会は終了とさせていただきたいと思います。本日はお忙しい中、御参集いただきましてありがとうございました。