第318回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

日時

2021年(令和3年)4月9日(金) 18時00分~

場所

オンライン会議会場
東京都港区芝公園1-5-32 労働委員会会館 講堂(7階)

出席者

(公益代表委員)
  • 小野 晶子
  • 鎌田 耕一(部会長)
(労働者代表委員)
  • 木住野 徹
  • 永井 幸子
  • 仁平 章
(使用者代表委員)
  • 佐久間 一浩
  • 中西 志保美
  • 平田 充
  • 森川 誠

議題

  1. (1)ワクチン接種に係る人材確保の現状等について(公開)

議事

議事内容

○鎌田部会長 皆さん、遅い時間にお疲れさまです。ありがとうございます。ただいまから「第318回労働力需給制度部会」を開催いたします。本日は公益代表の藤本委員、松浦委員、労働者代表の奈良委員が所要により御欠席されております。本日は、ワクチン接種に係る人材確保の現状等について公開で御審議いただきます。それでは、議事に入りますのでカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。資料1、続けて資料2について事務局から説明をお願いいたします。

○野澤企画官 健康局予防接種室で企画官をしております野澤でございます。よろしくお願いします。資料1、ワクチン接種に係る人材確保の現状についてという資料で御説明させていただきます。1ページです。今回の新型コロナウイルスワクチンの接種順位や対象者の規模等について、まず全体像を御説明させていただきます。接種順位や規模ですが、まず医療従事者を先行して打ち、その後高齢者、そして基礎疾患を有する方、それから高齢者施設の従事者等を打った後、一般の方へといった順番に打つということまでが決まっております。
対象者ですが、私どもの見込みでは医療従事者等が470万人と見込んでおります。続いて高齢者ですが、こちらは3,600万人と見込んでおります。現状、医療従事者の接種が進んでいるところですが、1回目の接種を終えた方が100万人ほどになっております。高齢者ですが、4月12日から一部の自治体で接種が開始されます。都内では、世田谷区、八王子市の2か所で接種が始まります。河野大臣からワクチンの配送状況等、適宜、発表させていただいておりますが、6月末までに高齢者全員に2回接種する分のワクチンの配送を行う予定だと、今、そこまでが私どものほうで見込んでいる状況でございます。対象者ですが、16歳以上の方に2回打ちのワクチンであれば2回打つ必要がありますので、対象者としまして日本全国では大体1億1,000万人を対象に、2回打ちだと2億2,000万回分の接種を行う必要がございます。時期ですが、今年の2月17日から開始され、来年、令和4年2月末までとなっています。
2ページで、自治体の接種体制と接種会場数の今の準備状況について御説明させていただきます。接種のやり方ですが、こちらは集団接種で行う形と個別接種で行う2つのやり方がございます。集団接種と申しますのは、例えば体育館あるいは公民館等を使って2つとか3つレーンを作り、大勢の方に一斉に打つというものが集団接種です。学校などを使う自治体も結構ございます。今、先行しているファイザー社のワクチンの場合、1,000回分が最小輸送単位で、最初は小分けができないという話もございました。そのため、もともと自治体は集団接種をメインに準備してきたところですが、ファイザー社と私どものほうで交渉して小分けという形ができるようになりましたので、民間のクリニックで個別接種を併せて行う自治体が大分増えてきた現状です。ですから、今、6割近い自治体が個別接種と集団接種を組み合わせた形で行うことを予定しているところです。集団接種のみで行うとおっしゃっている自治体も、グレーの所ですが3割ほどございます。例えば都内で申し上げますと、足立区などは100か所近い集団接種会場を作り、集団接種メインでいくとおっしゃっています。八王子市なども40か所近い集団接種会場で、学校などを使って集団接種メインでいくとおっしゃっています。接種会場数ですが、こちらは特設会場、いわゆる集団接種会場を全国で4,000か所ほど作る予定となっています。それから個別接種を行う医療機関ですが、これは自治体に御努力いただいて3万5,000か所ほどが予定されています。
3ページで、自治体における看護師の確保状況です。こちらは私どものほうで全国1,741市区町村に、1週か2週に1回アンケートを取らせていただいて、順備状況を聞いています。それを基に全体を集計したものがこちらです。自治体における看護師の確保状況ですが、へき地とへき地以外で現状を見たところ、へき地の場合は約1割の自治体がまだ1人も看護師を確保できていない。御努力いただいているのですが、まだ確保できていないとおっしゃっています。へき地以外の自治体だと7%ほどとなっています。ちょうど1週間前に同じアンケートを取ったところ、へき地、へき地以外のいずれも2割ほどが、お1人も確保できていないとおっしゃっていたので、自治体の皆さんには大分御努力いただいているのだろうと思っています。
特設会場における看護師の充足感ですが、集団接種会場で看護師が充足しているのか、不足しているのか、あるいは必要人数を検討しているのかということでアンケートを取ったところ、こちらも、へき地、へき地以外で2割ほどの自治体がまだ必要だとおっしゃっています。これも1週間前には、4分の1ほどの自治体がまだ不足しているとおっしゃっていたことに比べると、大分御努力いただいた成果が出ているのではないかと思っています。
4ページで、へき地とへき地以外の自治体の接種対象人口です。御案内の数字かもしれませんが簡単に説明させていただきます。自治体数ですが、へき地が1,125自治体、へき地以外が616自治体となっています。ワクチンが16歳以上ですのでデータが取れる15歳以上人口で見ますと、これは単純に割ったものですが、へき地の場合、1自治体当たり4万人ほどの方に接種いただく必要があり、2回打ちですので8万回打っていただく必要があります。へき地以外の自治体ですと10万人に打っていただく必要があり、2倍ですので20万回打っていただく必要があるという状況です。
机上配布の資料ですが、現状、自治体がどのように看護師を確保しているかということで、中核市長会などから御要望が上がってきていますので、中核市の自治体などを中心に10数か所の自治体に聞いたところ、へき地で手をこまねいて何もやっていないという自治体は1つもないです。具体的な取組としては、市のホームページやハローワークなどを通じて看護師の募集を行って雇上げをしたり、地区医師会に看護師と医師を出してくださいとお願いする。あるいは、自治体自ら各医療機関を個別に回り、看護師と医師を出してくださいとお願いをする。市の保健師などを活用いただく。それから、ワクチンの接種会場自体を委託という形で、民間事業者や病院などに運営をお願いしている自治体もあります。そういう所ですと会場運営と同時に、人材についても一緒に確保してくださいと依頼する取組によって接種体制の確保を図っています。どれか1つというよりは複数の手段を講じて、どうにか確保を図ろうとしているところです。派遣の看護師の活用すが、へき地では4月1日から可能となりましたので、そちらの状況も併せて確認したのですが、既に派遣会社のほうから大分アプローチはあると伺っています。ただ、今まで既に何箇月も市のホームページで募集をしたり、医師会と協力関係を築いたりといった形で取組を続けてきていますので、それを全部やめて全て派遣に置き換えようといった自治体は1つもないです。ただ、いろいろな取組をしても、最後、どうしても足りなくなるといった部分で活用しようと考えている自治体は実際にございます。
1ページおめくりいただいてグリーンのペーパーですが、東京23区のうち17区と、多摩地区の自治体のうち八王子市など4市ほどにヒアリングをした結果です。ここに書いていますように、いずれの自治体も複数の取組で看護師確保の取組を進めています。例えば、(2)の地区医師会等に医師・看護師の確保を依頼する取組をされている自治体が11区2市ありますが、これだけではなかなか全部確保しきれないので、例えば管内の訪問看護ステーションに看護師を確保してくださいと併せてお願いをしたり、あるいは巡回診療をやっている医療機関に接種会場に来ていただいて予診とか接種をやっていただきたいとお願いするなどしています。また、会場運営をお願いした民間事業者に、医師・看護師の確保を依頼している自治体も多いです。8割ぐらい確保できる見通しだという報告を受けている自治体もあるようです。ただ、へき地と同様で複数のルートで確保の取組は進めていますが、今後、ワクチンの供給量が増えてきますので、そうした際に接種が本格的に開始された後も本当に必要な人員が全部確保できるのかというところで、不安を感じている自治体もあるという現状です。以上です。

○鎌田部会長 ありがとうございました。続いて御説明をお願いいたします。

○東江課長補佐 続きまして、資料2です。需給調整事業課のほうから御説明させていただきます。タイトルが、ワクチン接種に係る人材確保に関する要望についてという1枚紙の資料です。現状の枠囲みの所で、医療機関への看護師等の労働者派遣については御案内のとおり原則禁止とされているところですが、地方分権対応ということで先日行った政令改正により、本年4月1日から、へき地の医療機関に限って看護師等の労働者派遣が可能になっています。これによりまして、へき地のワクチン接種会場、こちらは医療法上の診療所に該当しますので、看護師等の労働者派遣がへき地の接種会場についても可能になっています。これが労働者派遣の現状でございます。
この現状に対して要望ということで、現在、全国知事会などから、ワクチン接種に係る医療従事者の確保に当たって、へき地以外の地域におきましても、へき地と同様に看護師及び准看護師の労働者派遣を可能としていただきたいという要望を受けています。具体的には下の枠囲みで、全国知事会と中核市市長会からの要望を抜粋しています。全国知事会から来ている部分ですが、人材が限られている離島やへき地をはじめ、接種に係る医療従事者の確保が課題となっていることから、潜在看護師の掘り起こしや各種団体への派遣の働きかけを行うとともに、へき地以外の地域においても、へき地と同様に看護師及び准看護師の労働者派遣を可能とするなど、国として必要な支援を行うこと。こういった提言がなされています。現在、こういった要望を受けていますので、本日はこの要望に対して御意見等々を頂ければと思います。説明は以上です。御審議をお願いいたします。

○鎌田部会長 ありがとうございます。それでは、ただいまの説明に対する御質問、御意見がございましたら挙手をお願いしたいと思います。中西委員、どうぞ。

○中西委員 1点、質問をさせていただきます。ワクチン接種会場への看護師派遣を検討するとすれば、非常時の臨時的措置としての検討と理解してよろしいのでしょうか。御回答をお願いいたします。

○鎌田部会長 この点について、事務局お願いします。

○松原課長 委員ご指摘の点も含めまして、本日、委員各位から御意見を賜った上で、検討させていただければと考えています。

○中西委員 御回答ありがとうございます。併せまして意見を申し上げたいと思います。コロナウイルスの第4波とも言われる感染の再拡大が懸念されている現状にありまして、計画的かつ迅速なワクチン接種は極めて重要な喫緊の課題と考えます。国民の安心感を醸成しながら混乱なく接種を推進するため、各自治体の接種体制の整備には万全を期していくべきと考えます。本日の御説明から看護師が不足している自治体が、へき地以外にも多く存在しているということが分かりました。このことから、可能な限りの対応策を検討していくことが必要であると考えます。したがいまして、こうした非常時であることも鑑み、特例として、へき地以外のワクチン接種会場への看護師の派遣を認めることは妥当な措置であると考えます。ただし、こうした大規模なワクチン接種を実施するに当たりましては通常以上に安全性に配慮することが必要であるため、派遣看護師への事前研修や情報共有など、各会場の接種体制の安全性確保に資する対策を徹底していただきますようお願いいたします。以上です。

○鎌田部会長 ありがとうございます。それでは、ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。佐久間委員、どうぞ。

○佐久間委員 ありがとうございます。私からの質問ですが、先日来、ウイルスワクチンについては本当に広く接種しなければいけないということで、国のほうでも動いていただいていると思います。この需給制度部会でも、看護師のへき地派遣とか、日雇い派遣の関係であれだけ議論を重ねてきたわけで、昨年からコロナの問題が出ており、その際議論を進めることは出来なかったのかと思います。いろいろな接種の機会を多くすることは基本的に私も賛成ですが、内容は十分考えなければいけないと考えています。ただ、こういう緊急事態の場合、看護協会とか医師会関係の要請、いろいろな条件がある中で、派遣という1つの方策も時限的にお認めいただくことが必要なのかなと思っています。あと、看護師の紹介は可能なわけですから、紹介により対応ができないものなのか。派遣まで進めなければいけないのかということを考えていかないといけないと思います。以上です。

○鎌田部会長 これについて事務局、お願いします。

○松原課長 佐久間委員の御質問についてお答え申し上げます。へき地の医療関連職種の派遣について当部会におきまして御審議を頂いて、4月1日から施行させていただいているところでございます。この議論につきましては、昨年の地方自治体からの御要望に即しまして議論を始めたところでございます。その間、確かにおっしゃるように新型コロナウィルス感染症の対応を行ってまいしましたが、知事会等からの御要望とがまいりましたのがつい最近であったということで、私どもとしましてはこれを受けて、今回、御検討をお願い申し上げたということでございます。
2つ目の御質問で、看護師の紹介事業の状況ですが、民間職業紹介事業者が、毎年、常用で大体5万人程度就職をあっせんしております。臨時だと事業報告が人日なので一定の計算が必要となりますが概数で1,900人程度ではないかと考えております。また、事業所数としては、大体800~900事業所が活動しておりますもちろん、この常用というのは現在既に働いていらっしゃる方々ですので、そういう意味で毎年、大体このぐらいの看護師の方々が転職をされているということだろうと思っています。私どもとしまして都道府県等に対して既に看護師の確保に係る通知を出させていただいていますが、その中では、もちろん、ナースセンターなどを利用させていただくということと、あとはこういう職業紹介事業者を通じた人員の確保も可能であるということにつきまして周知をさせていただいている状況です。今回の知事会等の御要望は、それでもなお人員確保の必要があり御要望をいただいたと考えている次第です。以上です。

○鎌田部会長 よろしいですか。

○佐久間委員 ありがとうございます。よく分かりました。

○鎌田部会長 それでは、ほかにございますか。リモートの小野委員、どうぞ。

○小野委員 今回のこの件については、やはりワクチン接種の体制確保のためには、あらゆる手段を講じなければならないと私は思っております。先ほど中西委員がおっしゃったことで、接種を受けに来る国民の方の健康管理であったり安全を確保するためにも、派遣労働者の方の教育訓練はきっちり行っていただいた上で、やっていただくということがまず1つあります。それに加えて、潜在看護師の方たちが現場にいらっしゃるということについて、潜在であるというのは、それなりの理由があって潜在になっていらっしゃるということもあると思います。ですから、その方たちがコロナに対しての恐れであったり、そこの会場で働くことによってのハラスメントであったり、そういうことを払拭しないと集まらないと思ったりもします。その会場で働く医療従事者全体の方に言えると思いますが、ワクチン接種を先にやっていただくとか、医療従事者の方たちがコロナウイルスに罹らないような安全確保措置というものを、十分にやっていただかないといけないなと感じております。
1つ質問ですが、各自治体における特設会場での医療従事者の方たちのワクチン接種というのは、どのようなタイミングでやる形になるのかを教えていただきたいのと、その中に派遣されて来る労働者の方に対しても、その枠の中に入るのかどうかというのを教えていただきたいと思います。

○鎌田部会長 ありがとうございます。それでは、質問についてのお答えをお願いいたします。

○野澤企画官 医療従事者は接種順位が上位に位置付けられており、派遣の看護師についてもこの医療従事者に含まれます。実際に接種順位の上位に位置付けられる医療従事者に該当するかどうかは、各医療機関の判断になります。ですから、派遣看護師につきましても派遣先の接種会場の運営主体が判断することになりますが、私どもとしても接種会場で接種いただいて問題ありませんということは、既に案内しております。ただ、あくまで御本人の同意をもって接種することになります。

○鎌田部会長 小野委員、よろしいですか。

○小野委員 ありがとうございます。

○鎌田部会長 ほかに。仁平委員、どうぞ。

○仁平委員 連合の仁平です。資料1の1ページにワクチン接種の対象者の規模と接種スケジュールが記載されていますが、看護師確保の前提として、自治体に対するワクチンの確保・供給のスケジュールが国からきちっと示されなければ、自治体としても、いつまでに何人確保したらいいのか見通しが立たないと思います。ワクチンの確保・接種に関するスケジュールが自治体に対してどこまで示されているのか、現状を確認させてください。
2点目は、資料2において中核市長会の緊急要請の一番下の所に、「雇用形態が限定されることにより自治体における接種体制の確立に支障が出ている」という記載がありますが、読み方によっては、直接雇用したくないと言っているようにも見えます。自治体においては、まず直接雇用で看護師を確保する取組を最優先で行うべきであり、その上で足りない人材をどのように確保するのかという問題だと考えます。自治体における直接雇用の取組は十分行われているのか、質問になります。
3点目は、特設会場における看護師が不足していると回答した自治体が、先ほど御説明していただいたように2割を超えているわけです。この資料2にある全国知事会からの要望については、ワクチンの接種に限定した要望であるという認識でよろしいのかという確認です。
4点目は、机上配布された資料に関することですが、看護師確保のために様々な取組を行っているという御説明を頂きました。コロナ禍でのワクチン接種なので十分な研修が必要だと思いますが、様々な取組のいずれのパターンにおいても同じようなメニューの研修を実施するのか、分かれば教えてください。
5点目ですが、自治体における看護師確保の取組として、ハローワークや民間の職業紹介事業を通じて、潜在看護師に対してもアプローチされているということですが、しばらく医療現場を離れていた潜在看護師の方であれば、感染予防も含めた事前の研修について、しっかりと取り組む必要があると思います。潜在看護師に関する事前研修のようなものが計画されているのかについて御質問させていただきたいと思います。答えられる範囲で現段階のコメントがあれば頂きたいと思います。

○鎌田部会長 5点ほど質問があったと思いますが、お願いいたします。

○野澤企画官 ワクチンの供給状況でございますが、医療従事者につきましては480万人分と見込んだ場合であっても、5月の前半には2回分を配送できるということと、高齢者の3,600万人分ですが、2回分を6月末までには配送できる予定だということをお示ししています。
2点目につきましては、複数の自治体に聞きましたら、ホームページなどで募集いただいて、既に採用いただいている自治体も大分ございます。例えば千葉市などでは集団接種会場が1か所ということもございまして、直接雇用するということで、賃金額も周辺の自治体や派遣事業者にも聞いた上で決めていただいています。それ以外の自治体でも、ホームページやハローワークを通じて採用しているとおっしゃっている自治体は大分ございます。

○松原課長 残りの部分についてですが、知事会からの3月20日の御要望ですけれども、一番上に接種に係る医療従事者の確保が課題となっているとあり、また、一番下に労働者派遣と書いてございますので、私どもとしてはコロナウイルスワクチン接種に係る労働者派遣の御要望と受け止めています。
看護師確保のための研修の話ですが、先般、施行されましたへき地の医療従事者の派遣におきましても、現時点でへき地の病院、診療所の設置会場に対する看護師、准看護師の派遣は可能な状況になっています。この中でも接種会場に派遣される際、設置が自治体、市町村ですので、そこがワクチン接種の研修を行うことを求めています。そういう意味で、同様の形の研修を行うことが可能であろうと考えているところです。潜在看護師に対する取組は医政局から補足いただければと思います。
 
○田中看護職員確保対策官 医政局看護課でございます。潜在看護師、特に研修のところは各県の看護協会に、網羅的には把握できていませんが、かなりの県の看護協会でワクチン接種に係る講習会というのをやっていまして、20人とかもう少し多い数十人規模で募集しつつやっています。半日ぐらいの研修で筋肉パットみたいなものを用いて演習なども組み入れてやって、かなり好評で募集するとすぐに埋まる状況だと聞いております。それは派遣に限らず潜在看護職員で、今後ワクチン接種の仕事に関心がある方に呼び掛けてということでございます。そのほか、ナースセンターのほうで潜在看護職員の復職支援に従来から取り組んでいますが、昨年来、コロナ関連で手を挙げてほしいという呼び掛けをしてきております。それに対しまして、これまでは特に宿泊療養とか施設へのマッチングが主でしたけれども、ナースセンターだけでも3,000人ぐらいのマッチングをやってきているところで、ワクチンについても潜在看護師のマッチングに今後も力を入れていってもらおうと考えております。
あと、直接雇用の関係も先般、へき地について2月に審議会で御審議いただいた際に事務連絡を自治体のほうに出しまして、派遣はできるようになるけれども、直接雇用ということでハローワーク、ナースセンター、あと有料職業紹介も含めて直接雇用という形が考えられるので、それについてしっかり検討してほしい旨の事務連絡を、2月と3月にも発出したところでございます。総務省とも連携しながら、その旨は市町村のほうに周知させていただいているところでございます。

○鎌田部会長 ありがとうございます。よろしいですか。

○仁平委員 派遣以前の問題として、国には是非、自治体が困らないように具体的なワクチン配布のスケジュールについて、早目に知らせるようにしてほしいと思いますし、自治体に対してはワクチン接種に必要な人材の確保へのより一層の努力を求めておきたいと思います。その上で、検討する事項だと思います。

○鎌田部会長 ありがとうございます。平田委員、どうぞ。

○平田委員 御説明ありがとうございました。資料2で、この4月1日からへき地は看護師の派遣が可能になったという御説明がございましたが、背景には人手不足があると理解しています。他方、資料1の3ページを見ますと自治体における看護師の確保状況は、へき地でも、へき地以外であっても不足感があまり変わらないと理解しました。コロナ感染症に対処していくために今後、予防接種法に基づいたワクチン接種が本格化すれば、更に不足感というのは強まるのではないかと考えています。全国知事会等から、労働者派遣を可能とするなど、必要な支援についての要望があるのであれば、政策を総動員するという観点からも、これに応える形で看護師の労働者派遣を可能としてもいいのではないかと考えています。以上、意見でございます。

○鎌田部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。それでは、ほかに御質問がないようですので、本日、委員から御意見のあった内容を踏まえ、事務局に議論の整理をしていただき、次回に説明を頂くこととしたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。ほかに何か御質問はございますか。それでは、本日の議題についてはここまでとさせていただきます。事務局から連絡事項がございますか。

○笠松課長補佐 次回の部会の日程につきましては、追って事務局のほうから御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。以上です。

○鎌田部会長 それでは、以上をもちまして第318回労働力需給制度部会を終了いたします。皆様、お疲れさまでした。ありがとうございました。