令和3年5月21日 第59回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和3年5月21日(金) 17:00~19:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより、第59回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、及び令和3年度第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。副反応検討部会の長谷川委員から、遅れての御出席となる連絡を受けております。現在、副反応検討部会委員9名のうち8名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
 なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
 本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。
 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 ありがとうございます。
 まず事務局から、審議参加に関する遵守事項につきまして報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
 本日御出席された委員、参考人の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
 本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチンであり、その製造販売業者は武田薬品工業株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受取状況は、宮川委員は武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
 石井委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取り、宮川委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 続いて、事務局から本日の配付資料の確認をお願いします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1、参考資料1から5になります。
 不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○森尾座長 それでは、開始したいと思います。
 まず、資料1について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 資料1、「新規に接種が開始される新型コロナワクチンの副反応に係る取扱いについて」ということで御説明させていただきます。
 委員の先生方におかれましては、従前、ファイザー社コミナティを中心とした新型コロナワクチンの副反応につきまして御審議をいただいておりますけれども、今回、少しテーマが改めてというところがございまして参考資料が多少多くなってございます。こちらを御参考にいただきながら審議を進めていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 2ページ目でございます。参考資料、新型コロナワクチンに係る経過ということで、直近の経過をまとめてございます。2020年7月以降、ファイザー社、アストラゼネカ社、モデルナ社のワクチンの供給に係る基本合意あるいは契約締結が進んで参りまして、12月18日にはファイザー社が薬事承認申請、翌2021年2月5日、アストラゼネカ社が日本において薬事承認申請、3月5日にモデルナ社が日本において薬事承認申請をされたといった状況でございます。
 3ページ目、現在の日本国内での供給が予定されているワクチンということで、本日の午前のワクチン分科会の資料を再掲させていただいております。
 まず、正式に契約を締結したものとしましては3社、武田薬品工業/モデルナ社との契約が昨年10月に行われまして、その後、アストラゼネカ社につきましても昨年の12月10日、引き続きましてファイザー社との契約が令和3年1月に行われております。さらに直近、令和3年5月14日に追加でファイザー社との追加契約が行われまして、既存の契約に加え、第3四半期に5000万回分のワクチンの供給を受けるといったところが直近の情報でございます。
 4ページ目をご覧ください。こちらは予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律ということで、昨年の法改正の件でございます。
 改正の趣旨でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の発生の状況に対処するため、予防接種の実施体制の整備等を行うとともに、検疫法第34条の指定の期限を延長できることとするため、所要の措置を講ずるということで、一番下段でございますけれども、公布の日、令和2年12月9日の施行期日を持ちまして、新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種に関し、2点、接種に関する重要事項、副反応疑い報告基準について、上段の接種に関する重要事項につきましてはワクチン分科会で、副反応疑い報告基準につきましては当副反応検討部会にて議論を進めていくといった位置づけとなっております。
 5ページ目にそちらを図示したものがございますので、ご覧くださいませ。ワクチン分科会におきましては、接種事業の枠組み、法的位置づけ、あるいは接種に関する重要事項といったところを御審議いただいております。また、当副反応検討部会におきましては、副反応に関する評価等ということで御審議をいただいております。
 6ページ目をご覧ください。昨日の薬食審の審議の結果を受けまして、本日の午前中に新型コロナワクチンに関する有効性・安全性のまとめということで、6ページ目にアストラゼネカ社、7ページ目にモデルナ社に関しての御審議をいただいておりますので御紹介させていただきます。
 まず、6ページ目のアストラゼネカ社の新型コロナワクチンの有効性・安全性についてでございます。
 アストラゼネカ社のワクチンについては、臨床試験を通じて70%程度のワクチン有効率が確認されており、2回目接種以降で本剤のCOVID-19の発症予防効果が期待できる。6月末をめどに高齢者への接種のためのワクチン配分のめども立っていることから、我が国においては、アストラゼネカ社ワクチンは主として高齢者以外の層への使用が想定される。
 一方、諸外国において、実使用における血小板減少を伴う血栓症の発生に関し、比較的高年齢層における使用を推奨している状況にあるが、年齢設定は各国によって異なり、一国内においても変動が見られる。また、血小板減少を伴う血栓症については、その発祥メカニズム等は必ずしも科学的に明らかとなっていないが、妥当と考えられる治療法についてあらかじめ周知が必要である。
 こういった前提条件に基づきまして、論点といたしまして、アストラゼネカ社ワクチンについては、諸外国における高齢者以外の層への接種推奨の状況などを注視しながら、我が国における使用の在り方については引き続き検討することとしてはどうかということで、現在、審議を継続といった扱いとなっている状況でございます。
 一方で、7ページ目でございますけれども、こちらは武田/モデルナ社の新型コロナワクチンの有効性・安全性についての議論でございます。
 モデルナ社のワクチンにつきましては、臨床試験を通じて感染歴がない被験者において94.1%のワクチン有効率、感染歴を伴わない被験者においては93.6%のワクチン有効率が確認されており、2回目接種以降で本剤のCOVID-19の発症予防効果が期待できる。
 現時点で、臨時接種として使用することに関し、安全性に関する重大な懸念は認められないと考えられる。
 武田/モデルナ社のワクチンは、各国で18歳以上への使用について許可等を受けており、日本の薬事承認においても18歳以上が適応対象となる見込みである。有効性・安全性が確立していない16歳以上18歳未満の者への武田/モデルナ社ワクチンの使用がなされないようにすべきではないかといった観点から、論点(2)といたしまして、薬事承認を前提に、武田/モデルナ社の新型コロナワクチンを予防接種法上の接種に使用することとしてはどうかということでお諮りいだたきまして、こちらは了承を得たという状況になってございます。
 こうした流れを受けまして、本副反応検討部会では、武田/モデルナ社の運用開始に当たっての議論を進めてまいれればと考えてございます。
 8ページ目でございます。このスライドはおさらいのスライドとなりますが、副反応疑い報告制度における報告と評価の流れを改めてお示ししたものでございます。
 現在、ファイザー社の製剤に寄せられている報告を順次この審議会において御評価いただいておりますが、モデルナ社製剤についても同様の仕組みで副反応疑い報告が収集される見込みであり、審議会において御評価いただくこととなります。
 なお、副反応疑い報告に係る情報は、接種したワクチンの種類が分かっているものについてはワクチンの種類ごとに集計される予定となってございます。
 続きまして、9ページ目をご覧ください。接種後の健康状況に係る調査について御説明いたします。
 ファイザー社ワクチンにおきましては、先行接種者健康調査として御説明し、これまでその中間報告について伊藤委員から何度か御発表いただいてきたものでございますけれども、モデルナ社ワクチンにおきましても同様の健康状況に関する調査を実施する予定としております。
 考え方としましては、ファイザー社ワクチンと同様で、厚生労働科学研究として臨時接種の対象となるワクチンについて接種希望者を対象とする調査を行い、その結果を公表することによって国民に接種後の状況を情報提供するものになります。
 なお、今回は調査対象者のみがワクチンの接種対象者になるのではなく、調査対象者以外への接種も進めながら並行して調査を実施し、情報収集等を進めることとなります。
 10ページ目をご覧ください。ファイザー社のワクチンにおける調査とモデルナ社ワクチンにおける調査について、その概要を簡単におまとめした表となります。
 実施主体は同一でございまして、いずれも同一の厚生労働科学研究として実施されます。研究参加施設につきましては、ファイザー社ワクチンでは、国立病院機構、地域医療機能推進機構及び労働者安全機構に属する計100施設で実施いたしましたが、モデルナ社ワクチンにおきましては、自衛隊病院等9施設、国立病院機構に属する17施設、地域医療機能推進機構に属する6施設の計32施設で実施されます。
 なお、国立病院機構の17施設と地域医療機能推進機構の6施設は、ファイザー社製剤でも調査になった施設となっております。
 調査対象者は、ファイザー社ワクチンにおいては、先ほど申し上げた100施設の医療従事者等のうち調査を行うことに同意する方で、最終的には1万9807人が調査対象として登録されました。
 一方で、モデルナ社ワクチンにつきましては、現在、既に医療従事者等のワクチン接種が進んでおりまして、これらの方々を対象とすることが困難であること等も踏まえまして、自衛隊員の一部のうち、調査を行うことに同意する方を調査対象者とし、1万人程度を目安として実施されます。
 調査の実施に当たっては、調査参加者の年齢比や男女比が自衛隊員の構成により影響を受けることが予想されますが、できるだけ女性の参加をお願いする等、標準化に努めることとしています。
 また、調査参加者は、基本的に新型コロナワクチンに係る優先接種対象ではないと想定されますが、例外として取り扱う予定としてございます。
 続きまして、引き続き従前の資料となりますけれども、御参考となればと思いまして御用意させていただいております。
 11ページ目は副反応疑い報告制度における報告ということで、右側に実際の報告書をお示ししてございます。事務局のほうで集計しておりますのが、「報告事項」の赤字でお示ししております「症状の概要」のところ、症状、発生、日時、本剤との因果関係、他要因の可能性の有無、概要(症状・徴候・臨床経過・診断・検査等)、こういった情報をおまとめして委員の先生方にお諮りいただいているといった状況でございます。
 12ページ目は、副反応疑い報告の報告様式についてでございます。こちらは、先ほどお示ししました2枚目のページになってございまして、「定期の予防接種等による副反応疑い報告等の取扱いについて」の一部改正により、予防接種後副反応疑い報告書の2枚目が以下のように現在運用されてございます。
 報告基準及び対象疾病として、下段の新型コロナウイルス感染症として、「1.アナフィラキシー」、発生までの時間としては「4時間」、「2.その他の反応」ということで位置づけられておりまして、右側の赤で囲った部分に、さきの「その他の反応」を選択した場合にはa~w、x.その他といったところで、さらに追記の情報をいただいているといった状況でございます。
 13ページ目、「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する厚生労働大臣の指示等について」でございます。予防接種法の施行規則に基づきまして、新型コロナウイルス感染症に係る予防接種については、次の表の症状が、接種から当該期間に確認された場合に副反応疑い報告を行うこととすると定められてございまして、現在はアナフィラキシーとその他といった位置づけになってございます。
 また、留意事項といたしまして、報告基準には入っていないものの、今後評価を行うことが考えられる症状については積極的に報告をお願いしたいということで、下記に<積極的な報告を検討頂きたい症状>として、以下のようものをお示ししてございます。
 こちらが前提となる参考資料でございました。
 続きまして、14ページ以降、「武田/モデルナ社の新型コロナワクチンに関する概要」ということでお示ししていきたいと思います。
 14ページ目、まず、作用機序を改めて御紹介させていただきたいと思います。
 本剤は、脂質ナノ粒子に封入しましたヌクレオシド修飾メッセンジャーRNAを含有する。脂質ナノ粒子によりmRNAは宿主細胞内に送達され、SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質を一過性に発現する。発現したスパイクタンパク質は免疫細胞により外来抗原として認識され、これに対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで効果を発揮いたします。
 日本におきましては、昨日の薬食審で特例承認を可とする答申をいただきまして、接種対象者は18歳以上、用量・用法は筋肉内に2回注射、接種間隔としましては4週の間隔。接種不適当者としては、本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある者等となってございます。
 15ページ目は、「武田/モデルナ社ワクチンの有効性について」の情報でございます。上段、まず海外第3相試験における発症予防効果についてでございます。
 海外の第3相の試験におきましては、ワクチンの有効率(VE)が得られております。主要評価項目である治験薬接種前から2回目接種後14日以前にSARS-CoV-2感染歴がない被験者におけるVEは94.1%、副次評価項目である感染歴の有無を問わない集団におけるVEは93.6%ということで、その発症予防効果が示されております。
 また、下段になりますけれども、海外2相試験と国内の1/2相試験における免疫原性についての現時点での評価でございます。
 1つ目でございますけれども、免疫原性につきましては、海外第2相試験と国内の1/2相試験の成績について、血中の幾何平均抗体価及び幾何平均上昇倍率が評価されております。
 海外第2相試験における状況におきましては、Sタンパク質特異的抗体については147、中和抗体については1655、また、幾何平均上昇倍率のSタンパク質特異的抗体については25.04、中和抗体については36.3。
 また、国内の第1/2相試験における状況は、血中幾何平均抗体価につきましてはSタンパク質特異的抗体については813、中和抗体については1731、幾何平均上昇倍率のSタンパク質特異的抗体については1009、中和抗体については21.7ということで、国内の試験におきましても海外試験結果と同程度の結果が得られており、日本人においても本剤の有効性は期待できるものと考えられました。
 16ページ目は、「武田/モデルナ社ワクチンの添付文書(抜粋)」でございます。本検討部会におきまして重要となります重大な副反応として挙げられているものは、ファイザー社ワクチンと同様の「ショック、アナフィラキシー」のみとなってございます。
 17ページ目は、武田/モデルナ社の新型コロナワクチンについて、添付文書において構成成分に関しては以下のとおりに記載されてございます。添加物の4段目にPEG2000-DMGが記載されてございます。
 少し小さくて恐縮でございますけれども、PEG2000-DMGにつきましては、参考のところに「本剤の製剤の特性を担保するためには必要」という記載がございます。また、本添加剤を含むほかのmRNA-LNPを用いたラットにおける反復筋肉内投与毒性試験においては、「いずれも毒性学的意義は低いと考えられる」となっております。
 18ページ目は参考資料でございますけれども、「ファイザー社新型コロナワクチンの構成成分」ということで、添加物の2段目にはポリエチレングリコールをお示ししてございます。
 19ページ目でございます。先ほど注目されておりますPEGに関連しているところで、アナフィラキシーといったものがこれまでの副反応検討部会でも御評価をいただいておりましたけれども、そちらに関しまして時点の更新をさせていただいており、かつ、モデルナ社ワクチンの情報としてお示ししてございます。
 左側の表は2021年1月18日時点までのVAERSに報告されたアナフィラキシーの報告でございますけれども、左側がファイザーのワクチン、右側がモデルナのワクチンとなってございます。ご覧いただきますとお分かりいただけますとおり、年齢、女性のパーセンテージ、発症までの時間中央値、15分以内の発症件数等々、ファイザー社のワクチンと似たような特性であると承知しております。
 また、アナフィラキシーの発生件数に関してでございますけれども、上段のファイザー社のワクチンにおきましては、従前の審議会でも繰り返し御紹介してございますように、100万回接種当たり4.7件に対しまして、モデルナ社ワクチンにおきましては100万回接種当たり2.5件といった状況で、こちらも大きな相違はないような状況となってございます。
 20ページ目でございます。その他、こちらは先ほどのVAERS以外、英国あるいはEUの状況についておまとめさせていただきました。英国におきまして直近の5月13日にアップデートがございまして、接種回数全体が非常に少ないので、その影響を受けてしまいまして、今後この接種が進んでいくと値が少し変化してくる可能性がございますが、現時点の評価としては10万回接種当たり5件ということで、100万回接種相当で言うと50件といった状況となってございます。
 EUに関しましては、発生状況に関しましては現在公表データが確認できておりませんけれども、当局の評価としましては、モデルナワクチンにおけるアナフィラキシー疑い報告は本ワクチンを推奨することを変えない。モデルナワクチンのリスクベネフィットバランスは引き続きポジティブであるといったメッセージを確認してございます。
 21ページ目は、「武田/モデルナ社ワクチンの諸外国における副反応疑い報告の状況について」でございます。
 中段の「報告された主な副反応疑いの症状」についてご覧ください。米国におきまして、最も一般的な症状といたしましては、頭痛、発熱、悪寒、痛み、疲労、吐き気、めまい等が報告されております。
 英国におきましては、アナフィラキシー以外におきましては、ベル麻痺については予測される自然発症率と同様であるという記載がございました。また、死亡例については2件報告されているが、ワクチンが死亡に関連したことは示唆されない。注射部位の反応については、インフルエンザ様症状、頭痛、悪寒、疲労、吐き気、発熱、めまい等が報告されております。
 EUにおきましては、死亡例の多くは既存疾患の進行によるものと考えるのが妥当であり、利用可能なデータにおける評価では安全性上の懸念は特定されていない。遅発性注射部位の反応を製品情報に追加予定。免疫性血小板減少症(ITP)については評価を継続する。現時点では、ワクチン接種と心筋炎及び心膜炎との因果関係は示されていないといったような情報がございました。
 また、安全性に関する評価としては、米国におきましては、アナフィラキシーはまれであるが報告されている。重篤な有害事象に関する他の安全性シグナルは検出されていない。
 英国におきましては、COVID-19の予防とその重篤な合併症の予防において、COVID-19のワクチンに期待されるベネフィットは既知の副反応をはるかに上回っている。
 EUにおきましては、安全性データは既知のベネフィット・リスクプロファイルと一致している。COVID-19予防のベネフィットは、全リスクを引き続き上回る。ワクチン使用に変更勧告なし。COVID-19 Vaccine ModernaはCOVID-19の予防に有効である。こういった記載が確認されます。
 22ページ目は、ファイザー社のワクチンの情報ということで、こちらは御参考の資料となります。
 23ページ目は、「武田/モデルナ社ワクチン接種後の有害事象の発生状況」でございます。
 こちらは、年齢別に御評価いただけるかということでまとめておりますスライドでございます。モデルナ社ワクチンの海外第3相試験における、ワクチン各回接種7日後までに認められた年齢別での各有害事象の発現割合についてまとめてございますけれども、ほとんどが非高年齢層で発現割合が高く、高年齢層で発現の割合が明らかに高い事象は認められなかったといった内容となってございます。
 24ページ目でございますけれども、「モデルナ社ワクチンにおけるその他の副反応について」ということでまとめさせていただいております。まとめとしましては、被験者の多くに局所性及び全身性のAEが見られたが、ほとんどは軽度または中等度で回復性が認められたということで報告されております。
 AEに関しましては、ほとんどのAEの発現割合は2回目のほうが増加。発熱の頻度は海外試験に比べて国内のほうが高い傾向。ファイザー社のワクチンと異なり、1%以上の頻度で見られたものとして遅発性の局所反応があったという状況でございます。
 SAEに関しましては、接種群とプラセボ群におきまして不変。治験薬と因果関係が否定されなかった事例7例においては、自律神経失調、関節リウマチ、B細胞性小リンパ球性リンパ腫を除いては、回復または軽快が確認されている。
 接種群死亡例6人に対し、プラセボ群は7例。上記はいずれも治験薬との因果関係は否定された。国内治験では死亡及び重篤な有害事象はなかったということでまとめております。
 右側に、国内第1/2相の比較、海外の第3相との比較、ファイザー社との比較ができるようにお載せしてございますので、ご覧いただければと思います。
 25ページ目は、本題の「副反応疑い報告基準の設定について」でございますけれども、下段をご覧ください。
 新型コロナワクチンを臨時接種に位置づけるに当たり、副反応疑い報告基準を定める必要があります。具体的には、副反応疑い報告の収集に当たり、どのような症状を類型化し定めるかについて整理する必要がございます。あわせて、副反応疑い報告基準に定める、接種後に症状が発生するまでの期間についても整理する必要がございます。
 26ページ目にございますけれども、平成25年1月の予防接種部会におきまして、副反応報告基準の作業班からの報告として、4つ目の●になりますけれども、「副反応の報告基準に定めない症状(その他の症状)についての考え方」ということでお載せしておりまして、副反応報告基準に類型化して定めた以外の症状についても、マル1入院を要する場合や、マル2死亡または永続的な機能不全に陥る、または陥るおそれがある場合であって、予防接種を受けたことによるものと疑われる症状について、医師が判断したものについては、「その他の反応」として報告を求める必要があるとされてございます。
 こうした状況を踏まえまして、27ページ目、論点のスライドとなります。
 1つ目の●でございますけれども、添付文書の「重大な副反応」として記載されている強い症状についてでございます。武田/モデルナ社の新型コロナワクチンの添付文書におきましても、「重大な副反応」に記載されている症状はファイザー社ワクチンと同様で「アナフィラキシー」のみとなっております。
 また、海外での発生状況は、先ほど御紹介しましたとおり、モデルナ社の新型コロナワクチン接種後にVAERSに報告されたアナフィラキシーは、2021年1月18日時点において19例で、84%が接種後15分以内、89%が接種後30分以内ということで、基本的にはファイザー社ワクチンと似たような動向を示してございます。
 他のワクチンにおける「アナフィラキシー」の位置づけと発生までの時間についてでございますけれども、アナフィラキシーについては、定期接種に位置づける全てのワクチンの報告基準で既に設定されており、報告対象の発生時間は「4時間」とされており、ファイザー社ワクチンにおきましても、こちらと同じような扱いで取り扱わせていただいておりました。
 こうした状況を踏まえまして、論点1でございます。
 「アナフィラキシー」については、武田/モデルナ社ワクチンにおいても添付文書上、「重大な副反応」に記載されており、海外の科学的知見においてもファイザー社ワクチンと大きな相違はないとされていることから、引き続き「新型コロナワクチン感染症の報告基準」として扱っていくことでよいかということでお諮りいただきたいと思います。
 また、報告対象の発生までの時間につきましても大きな相違はないため、引き続き「4時間」としてはどうかということでお諮りいただければと思います。
 続きまして、28ページ目でございます。「アナフィラキシー」以外の症状につきまして、CDCやWHO等は、ワクチンとの因果関係について評価が定まっていないものの、今後評価を進める症状として1月の時点でこのような情報を載せておりました。
 米国CDCにおいては、下記の症状について、mRNAワクチンと接種との因果関係の評価が進められているということで、以下のような症状が列記されてございます。
 こうした症状については現時点でも評価が進められておりますが、mRNAワクチンにおきましては、先日の紙谷参考人にも登壇いただきましたけれども、現時点ではアナフィラキシー以外の疾患で引き続き異常なシグナルは探知されていないと承知してございます。
 29ページ目は再掲になりますけれども、副反応疑い報告の報告様式について変更の必要があるということをお諮りいただきまして、30ページ目、論点でございます。論点2でございますけれども、新型コロナワクチンに対する副反応疑い報告基準は、以下について変更の必要があるかということで御審議いただきたいと思います。
 また、「アナフィラキシー」以外の症状につきまして、十分なエビデンスの集積がない状態であることを踏まえ、「その他医師が予防接種との関連性が高いと認める症状であって、入院治療を必要とするもの、死亡、身体の機能の障害に至るもの又は死亡若しくは身体の機能の障害に至るおそれのあるもの」として、引き続き報告できることとしてはどうか。
 また、これまで新型コロナワクチンとの因果関係について評価が定まっていないものの、今後評価を行うことが考えられる症状として通知で従前よりお示ししてきた下記の症状以外に、改めて別途追加すべき疾患があるかということで御審議いただければと考えております。
 事務局からは以上でございます。
○森尾座長 どうも説明をありがとうございました。
 今、事務局から説明があったとおり、先ほどモデルナ社の新型コロナワクチンが予防接種法の接種として臨時接種で新たに使用されることが決まったということを踏まえまして、本日は副反応疑い報告基準について検討を行いたいと思っております。
 実際には、先ほど御説明のありました資料1のスライドの27から30のところにまとめて記されているものでございます。
論点としては、事務局より論点1、論点2と大きく2つ示されておりますので、今日はそれに沿って議論を行いたいと思っております。
 ますは、アナフィラキシーの取扱いについてということでございまして、スライドでは資料1の27ページ目になります。副反応疑い報告基準におけるアナフィラキシーの取扱いについてはマル1とマル2の2つの論点が示されておりますが、まず、論点1であるアナフィラキシーについて引き続き新型コロナウイルス感染症の報告基準として扱っていくことでよいかということにつきまして、御意見、御質問がありましたら承りたいと思います。委員の皆様からいかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 うなずいている姿が見えますので、よろしいですね。
 ありがとうございます。
 それでは、こちらにつきましてはそのような形で扱っていきたいと思っております。どうもありがとうございました。
 2番目でございますけれども、報告対象の発生までの時間も大きな相違はないため、引き続き4時間としてはどうかということでございます。4時間を報告基準の対象期間にするということにつきまして、御意見、御質問がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございます。フロアのほうからもうなずいていただいていると思います。
 それでは、そのような形にさせていただきたいと思います。
 それでは、論点2が、アナフィラキシー以外の症状の取扱いということでございまして、これば大きな論点かと思います。資料1の30ページをご覧いただくといいかと思います。
 アナフィラキシー以外の症状につきましては3つの論点が示されております。
 まず、1つ目の論点でございますけれども、新型コロナウイルスに対する副反応疑い報告基準として設定する症状は、引き続きアナフィラキシーとその他の2つでよいかということでございます。明示的に何か加えたほうがいいかということと言い換えてもいいかもしれません。この点につきまして御質問、御意見はいかがでしょうか。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 今回、アストラゼネカのワクチンが承認はされたが、臨時接種の対象ではないということですけれども、その大きな理由として、血栓症といった副反応がまれだけれども出るということですね。ほかにも、アメリカとかで使われているジョンソン・エンド・ジョンソンのやはりアデノベクターワクチンで同じような血栓症が出るということが言われているわけです。これに関して、午前中の予防接種分科会で中野委員が言われていたコメントに私も非常に共感するところがあるのです。
 これは本当にアデノベクターのワクチンに特異的な副反応なのか、それともコロナのワクチンに特異的な副反応なのかというのは、今の時点でまだ分からないことではないかなと思います。確かに、メッセンジャーRNAワクチンで血栓症というのはほとんど報告されていないのですけれどもね。
 そういった理由で、今回でなくていいのかもしれないのですが、新型コロナワクチンの副反応という面に関しては血栓症という症状を入れて、起こり得る重篤なものとして見ていったほうがいいのかなと思いました。
 今回ここに入れる必要があるかどうかというのは、皆さんの御意見を聞いた上でではないかと思うのです。
 以上でございます。
○森尾座長 濱田委員、ありがとうございました。血栓症ということで、今日午前中の予防接種ワクチン分科会の中でも中野委員が指摘されていました。
 これにつきまして、やはり重要なポイントだと思いますが、御意見のある委員の方、お願いできればと思います。いかがでしょうか。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 多屋です。
 今の濱田委員の御意見に私も賛成で、これまでファイザーさんのワクチンでも非常に少ない数ではありますが、血栓塞栓症の報告はなされています。
 今回、添付文書の重大な副反応には入りませんでしたので、報告義務である症状の中に入れる必要はないと思っていますけれども、特に報告をお願いしたい疾患の中には、血栓塞栓症、WHOなどの副反応サーベイランスのマニュアルに載っている比較的重症な副反応、急性の心血管障害、脳出血、出血性疾患など、リストを見ていただいて、この中に含めておくということについて賛成です。
 以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 その他というところで、特に報告していただきたいところに血栓塞栓症を含めて見直しが必要ではないかという御意見を頂戴したと理解しております。
 ほかに委員の皆様からいかがでしょうか。
 まず、アナフィラキシープラスその他ということでございますが。
 倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 私はアナフィラキシーとその他でいいのではないかと思います。
 もう一つは、濱田委員、多屋委員がおっしゃいましたけれども、私も賛成です。今、多屋委員もおっしゃいましたけれども、これまで少数であれ、それに関連すると考えられるような報告もあると伺いましたし、やはりここに載せることによって、接種者なり、あるいは報告をする方がよりそこに注目もするということが起こるだろうと思いますので、載せることに私は賛成です。
 あとは、どんな名前で載せるかというのはまた議論が必要かと思いますけれども、私は今のお二人の御意見に賛成でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 岡委員、お願いします。
○岡委員 岡です。
 もう一方で一つ懸念されるのは、ここに記載することが、国民の方の誤解を招かないかという点です。ただいまの御議論ではそれを調査することによって、特にアストラゼネカ社のワクチンが承認されて、直接今は使用しないにしても、今後使用されるだろうということを念頭に置いて調べたらいいだろうということが、やはり私たちの心の中には非常に大きな部分を占めていると思うのです。逆にここに書くことによって、そういう新しい副作用がメッセンジャーRNAワクチンについても付け加わったのかというような国民の方の誤解を招かないように、もし書き加えるのだとすると、そこは非常に大事なポイントになってくるのではないかという気はいたします。
 もちろん調査することに強く反対するわけではないのですけれども、今まで多屋委員によく副作用の状況を御報告いただいたりしていますと、既にそれについては十分今の制度では上がってはきていて、その頻度は必ずしも高くないというのが今までの私たちの評価だったと思うのです。ですので、そこでメッセンジャーRNAワクチンの副反応として血栓症を懸念すべきだというメッセージとして取られないということも非常に大事なのではないかという気がいたします。
 ですので、今の調査システムで十分拾えるのであれば、私はどちらでもいいのではないかと思います。それで十分データは取れてきて、恐らく日本の先生方は、血栓症がもし診断をされた場合には非常に積極的にこの報告システムで御報告いただけているのではないかと感じる次第です。
 科学的には知りたいという気は非常にするのですけれども、本当にここに書き込んでいいのかどうかということは、皆さんの御意見を伺いたいと思いました。
○森尾座長 岡委員、ありがとうございました。
 石井委員、お願いします。
○石井委員 ありがとうございます。
 私は書いたほうがいいと感じています。今、岡委員が十分上がってきているとおっしゃいましたけれども、本当に十分かはちょっと不明だと思います。
 特に今回のメッセンジャーRNAワクチンは重篤な血栓症をたくさん引き起こすものではないということを我々は周知ですが、その上でそれを丁寧に国民の皆さんには説明する必要はあると思います。ここの病名の中に書き込んでいけば、逆に抜けはないかと思いました。
 以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 ちょっと最初の質問に戻らせていただいて、アナフィラキシーとその他という構造でよろしいかどうかということでございます。アナフィラキシーに加えて、もう一つ何か加えたほうがいいということでございましたら、意見を頂戴できればと思います。ここで重篤な副反応として明示されていないものを入れ込むかどうか、そういう議論としてお願いできればと思いますけれども、こちらはいかがでしょうか。
 先ほど、倉根委員から、アナフィラキシーとその他の2つの分け方でいいのではないかという御意見をいただきましたが、そちらはよろしいですか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 ありがとうございます。皆さんうなずいていただいていると理解いたしました。ありがとうございました。
 それでは議論を戻させていただきます。これは実は3つ目の論点でございまして、積極的に報告を行うことを検討すべき症状に追加する症状があるかどうかということでございます。
 今、2つ御意見を頂戴しておりまして、どういう名前かはあれですけれども、例えば血栓塞栓性心血管性イベントと書いていらっしゃる方もあるのですけれども、これはMedDRAで入れていかなければいけないのですが、血栓塞栓というのを入れていってはどうかということ。あとは、多屋委員から、WHOを含めていろいろなメッセンジャーRNAワクチンで見ていっているものがあるので、そういうものも考慮してはどうかと。
 あとは、これは実は3つ目でございますけれども、明示的に今多いという状況ではない中で、もう少し様子を見ながら検討していくという方向もあるのではないかというような、私、ちょっと読み過ぎかもしれませんけれども、そういう御意見かなと思っております。
 これにつきまして、フリーにディスカッションをお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。
 伊藤澄信委員、お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 気にしているのは、今まで報告された副反応の中でも脳出血とか脳梗塞とか動脈系の疾患が随分多くて、副反応検討部会ではあまり関係がないというγとして処理をしてきたと思うのですけれども、今回出てきている血小板減少を伴う血栓症というのは比較的静脈系の病気なのかなという気はするのです。それの区別がつかないままに血栓症という話になると、今出てきている脳出血とか脳梗塞も含めてですけれども、その手のものと混在されて頻度が高いというふうに出るのではないか。書き方をよっぽど気をつけないといけないのではないかと。さっき岡委員がおっしゃられたところと同じような懸念があるのではないかという気がします。
 もう一点は、血小板減少を伴う血栓症という用語はなじみがないので、いきなりここに書いて大丈夫かという不安と、その2点のバランスをどうするのかと思いますので、正直ベースでは懸念があるのではないかと思っています。
○森尾座長 伊藤委員、ありがとうございました。
 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 私も、1点は今、伊藤委員が言われた点は気になる点であります。しっかりと症状として疾患として区別がついて出てくるかという点と、もう一つは、例えばアストラゼネカで血栓症が生じた際に、これまでのファイザー、モデルナとの比較ができない可能性があります。いわゆる情報バイアスの1つである報告バイアスが生じてうまく比較ができないのではないか。ここにしっかり名前が載ることによって報告が出てくるはずなので、そういう意味では、今から入れておくことのほうが比較ができると思います。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
 宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 先生方のいろいろな御意見はもっともだと思います。ただし、その場合、どの用語を使うのか、どういう表現をするのかというのは非常に慎重にしていかなければいけない部分になろうかと思いますので、これはできるかどうか分からないのですが、そういう検討委員会、小委員会みたいなものをつくることができたら、用語を整理して、しっかりとした文言をつくり上げることがよろしいのではないかと思うので、そういうことを御提案したいと思うのですが、いかがでしょうか。
○森尾座長 宮川委員は、もう一つの案として、恐らく血栓塞栓症、特に脳血管イベント、神経血管イベントと言ったほうがいいかもしれませんけれども、これはどこかの時点で皆さんデータとして集めておきたいという気持ちが非常に強いと思って、それに関してある程度コンセンサスがあると思います。それを今回の機会にするのか、あるいはもう少し精査をして入れ込んでいくかというような御意見かと思っておりますが、いかがでしょうか。
 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 私も先ほどの意見から、今、宮川委員の言われるように、やはり情報が出てくるバイアスと同時に、今度は誤分類によってうまく比較ができないという点も考慮すると、しっかりとどういう形で報告してもらうのかということは決めてから出すほうがベターではないかと思います。
○森尾座長 ありがとうございます。
 今日、今回というのではなくて、これも恐らくいろいろな方向性があると思うのですけれども、先ほども多屋委員の挙げられたようなもの等を含めましてつくり込んでいくということ、しっかり上げていただく必要があるのではないかというご意見かと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
 既に副反応検討部会で公表されているラインリストの中に明記されていますが、血栓塞栓症という表現で報告されている方はいらっしゃらなくて、具体的に大脳静脈洞血栓症とか、深部静脈血栓症とか、病名を書いていただいていて、MedDRAでコード化もされてラインリストには載っていますので、こういう病気が報告に含まれますということを明示していくというのは大事です。現時点で漠然と血栓塞栓症という報告で届けられている報告はないのかなと思います。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
 おっしゃるとおりで、脳静脈洞血栓症、脳静脈血栓症、内臓静脈血栓症、深部静脈血栓症、そういうような形で上がっているということかと思います。
 ほかにいかがでしょうか。宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 そういうことであれば、一番お詳しいし、知識の非常に深い多屋委員にお願いして、こんなことをお願いして申し訳ないのですが、海外との整合性も含めて検討していただいて、その検討の中でどのようなことが適切なのかということを挙げていくことができればいいので、そういうような機会をつくっていただくことを皆さんにお認めいただければ、そういうことができるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○森尾座長 いかがでしょうか。こちらからうなずいている姿が何人か見当たっているのですけれども、これはできるだけ迅速にしっかりとつくり込んでいって、今おっしゃる多屋委員が知識が一番豊富でいらっしゃる状況と理解しておりますけれども、先ほど挙げていただいたMedDRAの血栓のところ、プラス、もし何かあればそこら辺も含めてしっかりとしたものをお示しするということでどうかというご意見かと承りました。いかがでしょうか。誘導してはいけないですが。
 佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 私も文言はしっかり検討した上で本当にベストなものを決めないといけないと思うのですけれども、資料の29ページのその他のリストの中の症状は相当具体的な病名という感じで書いてあります。情報の質的な部分をどこまで細かくするのかというところも、先を見据えての次善の策として、血栓に関わるようなものを入れたほうがいいというアイデアには非常に賛成です。
 ただ、モデルナに関していうと、詳細に書けるほどの発生頻度がまだ少なく、どこまで情報の詳しさを求めるかというのはすごく難しいなと思って見ていました。
 ○森尾座長 どうもありがとうございました。
 今、恐らく具体的には資料1のスライドの13ページみたいな形で、「積極的な報告を検討いただきたい症状」というところに上がってくるのかなとか、そういうことであります。
 佐藤委員、こちらはしっかり検討したいという御意見と承りました。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 今回のモデルナの臨時接種開始に当たって入れるということで、国民の皆さんがモデルナはそういう症状が起こりやすいのかと、誤解することだけは避けないといけないと思います。この辺は国民の皆さんに情報提供し、誤解のないようにしていただければと思っております。
○森尾座長 濱田委員、貴重な御意見をありがとうございます。
 伊藤清美委員から手が挙がっていると思います。よろしくお願いします。
○伊藤(清)委員 私も、先ほど山縣委員がおっしゃいましたように、このワクチンと今までの例えばファイザーとかモデルナのワクチンと比べて、この後、もしアストラゼネカのワクチンが使われるようになったときの比較のためにも、今からでも血栓に関して、いろいろ言葉遣いはありますけれども、報告していただくのがいいとは思うのですが、そのときにファイザーのほうも、この後、血栓症がもしあった場合に報告していただけると全体の比較ができると思うのですが、そういったものを途中から変更するということはあまり考えられないのでしょうか。
○森尾座長 これは事務局からよろしいですか。
○事務局 事務局です。ありがとうございます。
 まさに御指摘のところでございまして、少し分かりにくかったら恐縮でございますけれども、全体の枠組みとして、今、ファイザーの1社であった場合には、資料1の12ページ目、あるいは同じ資料の29ページ目にお示ししてございますとおり、1社だけでしたので、新型コロナウイルス感染症の副反応という枠組みにおいて現在は運用させていただいているという認識でございます。なので、モデルナ社が加わったことによって、例えばモデルナ社特有の枠組みをつくるのかどうかといったところをまさに御審議いただきたいと思っております。
 今、委員の先生方の御議論の内容から致しますと、まとめて新型コロナウイルス感染症、つまり現在の運用の枠組みの中で行っていくと、横並びとして評価していくことができるというような考え方でよろしいのではないかと思います。
○森尾座長 よろしいでしょうか。
○伊藤(清)委員 ファイザーのワクチンを打った場合にも報告されてくるようになるということでよろしいのでしょうか。
○事務局 おっしゃるとおりでございます。
○伊藤(清)委員 そうすると、途中からになりますので、接種の回数とかは全体ではないのですけれども、今後、そういった情報が入ってくるということですね。
○事務局 おっしゃるとおりで、開始時点からの、要は例えば注目すべき疾患というのを挙げた時点から、注目すべき疾患というふうに自発報告のレベルが恐らく上がることになると思われます。よって、そのような疾患を挙げた後は、自発報告のレベルが上がった状況においての報告が始まると御認識いただければと思います。
○伊藤(清)委員 分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 重要なポイントをありがとうございました。
 ほかに委員の皆様からいかがでしょうか。
 それでは、舟越委員、倉根委員と移りたいと思います。
○舟越委員 私もコメントだけになりますが、入れておくことについては賛成です。
 ただ、先ほどから伺っておりますと、疾患のそういったものを精査する、細かくすることで、現場の医師がどこまで書いたらいいのかといったところもしっかりと議論していただきたいと思います。
 一方で、細かく書かないとγになってしまうようであれば、現場の医師の負担になりかねませんので、ここはしっかりと記載くださいという項目を議論して決めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 倉根委員、どうぞお願いします。
○倉根委員 まず、私は今回決めるのは、COVID-19のワクチン全てに当てはまるものとしてのディスカッションであると理解しています。
 もう一つ、副反応かもしれない、あるいはそうでないかもしれないけれども、シグナルとして報告していただくことが非常に重要なのだろうと思います。
 ここに幾つか並んでいる多くの症状も、必ずしもCOVID-19ワクチンに多いものでないかもしれませんけれども、シグナルとしてどういうものがあるのかということをきちっと我々が把握する必要があろうかと思います。
 そういう意味では、見逃しをしないためのシステムをつくり上げることが必要なのではないかと思います。それが多いものであれ、非常にまれなものであれ。仮にそれが関連があるとすれば、まれなものであったとしてもやはり注目すべき必要がある。そういう意味では、ひょっとしたら非常に少ないかもしれないけれども、そこに入れておくことは重要なことではないかと理解いたします。
 以上です。
○森尾座長 倉根委員、ありがとうございました。
 柿崎委員から手を挙げていただいているようです。お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
 私も入れることには賛成ですけれども、多屋委員を中心に用語を整理していただいて、十分な用語の整理が済んでから入れたほうがいいのではないかと思って、今日の段階ではないと思います。
○森尾座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 先ほどの倉根委員の御発言は重要で、資料1の28ページのCDCのスタンスがそういうふうになっておりまして、評価する症状として挙げられているのですけれども、現時点ではアナフィラキシー以外にはシグナルがないとまとめられていますけれども、やはりシグナルをつかまえるために入れるという考え方は十分あることなのだろうなということが示されていると思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 副反応としてその他のところに加えていく、特に深部静脈血栓症等を含めたものが入っていたほうがいいのではないかという御意見が大半だと思います。
 この部会自体、2週に1度開かれて、状況によって1週に1度になっていますので、少しもませていただき、しっかりした形で皆様100%アグリーという形でまとめていくというのが一つの方向かなと思いますが、いかがでしょうか。どうしても今日まとめたいという方がなければ、そういう形でよろしいですか。これはぜひ検討していくべきことだと思っております。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 ありがとうございます。
 それでは、進め方については事務局と相談しながら、小グループを多屋リーダーの下で行くかどうかも含めて検討させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、そのほかの論点に移りたいと思います。事務局が整理した論点には記載がございませんが、関連する論点といたしまして、最後にモデルナ社ワクチンの副反応疑い事例の公表についてということで議論をさせていただきたいと思っております。
 新型コロナウイルスワクチンの副反応疑い事例の公表方針につきましては、これまでも本合同部会で議論を行ってまいりました。ファイザー社ワクチンの副反応疑い報告におきましては、当初、個別事例、死亡またはアナフィラキシーとして報告された事例でございますけれども、これは発生が判明した時点で公表を行うとともに、直近の合同部会で評価するという体制を取って実施をしてまいりました。また、一度評価を行った後は合同部会のたびに公表を行っております。
 今回、モデルナ社ワクチンの副反応疑い報告につきましても、現在のファイザー社ワクチンの取扱いと同様に、個別事例の発生時の公表を行わず、合同部会のたびの公表としてよろしいかどうかということにつきましてご意見を頂戴できればと思います。委員の皆様からよろしくお願いいたします。
 岡委員、お願いいたします。
○岡委員 例えばアナフィラキシーに関しましても十分国民の方も理解をしていただいてきていると思いますので、モデルナのワクチンでアナフィラキシーが起こったとしても、起こったということよりも、実際に頻度が例えばファイザーに比べてどうなのか、そういったことを恐らくお知りになりたいと思いますので、あまり個別に報告する必要はないのではないか。むしろ、まとまった数として接種した数がこれだけで、報告がこれだけだということをお知りになりたいと思いますので、まとめてということでよろしいかなと思います。
 死亡例につきましても、よほど例えば緊急性があると判断されるもの以外につきましては、情報を集めるのに時間がかかるということもこれまでの事例で十分私どもは理解しましたので、これからも2週間に1回やるのかどうか、本当に大変ですけれども、2週間に1回ということであれば、その間に情報を十分事務局で集めていただいたものをここで見せていただくほうがよろしいのかなという気がいたします。
○森尾座長 ありがとうございました。
 事例ごとではなくて、合同部会ごと、特に今2週間ごとでということも鑑みまして、そういう体制でいかがかという御意見でございました。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 私も岡委員と同じ意見です。十分な情報がない状況で毎日公表されるよりも、ある程度情報が集まったところで、この部会はかなり頻回に開催されていますので、そこでまとめて発表されて審議されたほうが皆さんの安心のためにはいいのではないかなと思います。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございました。
 しっかり評価した上で公表したほうがいいのではないかということでございましょうか。ありがとうございます。
 ほかに委員の皆様、うなずいている姿が散見されますが、よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 それでは、合同部会ごとにまとめて審議させていただいて公表する。ただ、異常なシグナルが出たらもちろん早急に開催してということでまとめさせていただけたらと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、これまでに議論された内容をまとめさせていただきたいと思います。これまで確認できた内容でございます。
 まず、モデルナ社ワクチンが新たに臨時接種に使用されることになりましたが、新型コロナワクチンの報告基準については、その対象となる症状、期間、範囲に変更は必要ないものと考えられるという点が1点目でございます。
 そして、積極的に報告を行うことを検討すべき症状について。これは大分議論を頂戴いたしました。報告基準通知におきましては、報告対象症状とは別に、積極的に報告を行うことを検討すべき症状というのを定めております。現時点においては、新型コロナワクチンとの因果関係について評価が定まっていないものの、今後、評価を行うことが考えられる症状として、今回も脳静脈洞血栓症、脳静脈血栓症、深部静脈血栓症、肺塞栓症とかもそれに当たると思いますけれども、そういうものが議論の対象となりました。また、多屋委員のほうからは、WHOが挙げているようなものについても考えるべきであるという御意見を頂戴しました。
 そういうことを受けまして、新型コロナワクチンの接種が世界的に進む中で、国内においても安全性に関する知見が集積されている状況でございますけれども、本合同部会におきましても積極的に報告を行うことを検討すべき状況については、引き続きといいますか、できるだけ早期に情報の収集や整理を行った上で議論を進めまして、科学的なエビデンスに基づき、また、いろいろな状況を鑑みながら決定することとしてはどうか。これは事務局として相談して、できるだけ早く議論を進めていきたいという御意見であったと理解をしております。
 そして、モデルナ社の副反応の公表についてでございますが、モデルナ社ワクチンの副反応疑い報告事例についても、現在のファイザー社ワクチンの取扱いと同様、個別事例の発生時の公表は行わず、合同部会のたびに本部会の評価とともに公表していくこととするという点でございます。
 このようなまとめ方でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 報告基準の議論は以上でございます。
 そのほか、全体を通じて御質問や御意見がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 予診票の問題だとむしろワクチン分科会のほうだと思うのですが、あそこに病気で治療を受けている方は主治医に打っていいかどうか確認してくださいという項目があって、あのために日本全国の医療機関がかなり逼迫しているのです。コロナだけで大変なところに、あの問合せが多い。ここで議論する話ではないと思うのですが、どこかで取り上げた方がいいかなと思ってお話しした次第です。予診票にはちょっと問題があるのかなと思っておりますので、よろしく御検討いただければと思います。
○森尾座長 確かに午前中の分科会でそういう意見がございました。いい点でもあり、そういう悩ましい点でもあるのかなという気がしております。
 事務局からお願いします。
○事務局 御指摘、ありがとうございます。いろいろな御意見をいただいていまして、全員かかりつけ医に先に見てきてほしいというご意見もいただいたこともありますし、他方、おっしゃるようにそういったことは必要ないというご意見もいただいたことがございます。
 あと、予診票にその項目があるからそうなっているという場合と、あと、市町村によって取扱いが異なると思うのですけれども、必ずかかりつけ医に確認してきてくださいという周知をされておられる市町村があって、そういう地域で特にそういうお声が多いのかもしれないなと思っております。
 いずれにしても、いろいろな声を聞いていますので、全体をお伺いしながら、ちょっとでも円滑に進む方向でできることがないかということを模索していきたいと思います。
○濱田委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
○森尾座長  濱田委員、貴重な情報をありがとうございました。
 伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ちょっと別のことなのですけれども、資料1の24ページを見ますと、先ほどの御説明があったところですが、ファイザーのワクチンとの違いとして、遅発性局所反応が1%以上の頻度で見られるということが書かれていまして、局所反応ですので報告するようなものではないと思うのですけれども、7日目以降にそういうことが起きやすいというのが、メカニズムが分かっているのか分からないのですけれども、例えばそういったことが起きる可能性があるということを周知といいますか、全般的にはファイザーとモデルナのワクチンはほとんど安全性に変わりがないということなのかなと思うのですけれども、こういった違いがあり得るということをあらかじめ周知したりすることはいかがなのでしょうか。むしろ、しないほうがというか、わざわざ全ての副反応を先にお話しするわけでなければ必要ないのかもしれないのですけれども、ちょっと気になったのですが、いかがでしょうか。
○森尾座長 伊藤委員、ありがとうございます。
 たしかこれはパンフレットに記載されていましたね。
 事務局からお願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 予診票と一緒に配られている自治体もあると思うのですけれども、ワクチンについての説明書を国のほうで標準的なものをつくっておりまして、これをお示しして接種をしていただくことにしています。そちらのほうに、その会場で接種をするワクチンごとに、そのワクチンの有効性・安全性についての記載をしたものを用意しております。
 モデルナのワクチンにつきましては、接種から1週間ぐらいたってだったか、局所の痛みなどが起きることがありますということを付記させていただいております。
 ただ、全体としてはどちらも有効性が高いワクチンでありますので、副反応の違いに着目するよりは、どちらも接種ができる機会にいずれのワクチンでも接種していただくことをお勧めしていくようなスタンスでおりますけれども、情報提供はしていきたいと思います。
○伊藤(清)委員 ワクチンごとに起きる可能性のある副反応みたいな記述が異なるということですね。
○事務局 そのとおりです。その会場で接種するワクチンに即した資料を作成しているということです。
○伊藤(清)委員 分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 パンフレット説明書は本当にきれいに作っていだたいていると理解しておりますので、ぜひ皆さんもお読みいただけたらと思っております。
 柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 直接関係しないのですけれども、アストラゼネカ社のワクチンは製造販売が承認されたが、臨時接種の対象にはならなかったということですが、年齢とか対象とか国の指針が示されるまでは一般には流通しないという理解でよろしいのでしょうか。それとも、自由診療のクリニック等で、早く打ちたい人に打たれてしまうような可能性はあるのでしょうか。
○森尾座長 こちらも事務局からお願いします。
○事務局 ご質問ありがとうございます。
 一般には承認されれば企業から販売されることがあるということだと思うのですけれども、今回のワクチンについては企業が自ら販売するといいと思っているわけではなくて、国が一括して契約をしております。ですので、予防接種法のワクチンになって、国から流通させるという判断をするまでは一般に出回ることはないと考えております。
○柿崎委員 ありがとうございます。
○森尾座長 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 ありがとうございます。
 今日は副反応疑いの基準の打合せだと思うのですけれども、全体のことですが、前々回もお話をしましたが、2月15日に新型コロナウイルスの基本方針の柱で、副反応疑い報告以外に、先行接種の調査、市販後の企業での調査、その後に接種後健康状況調査は国で行うということが決まっていると思うのですが、来週の5月24日からモデルナのものが始まる中で、ファイザー製のものを含めて、接種後健康状況調査、SNSとかの話もあったと思いますが、こちらの進捗のことはでき上がったら報告をいただけるとは聞いておりますが、現状はどういう状態なのでしょうか。まず事務局に確認したいと思います。
○森尾座長 それでは、事務局からお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 接種後健康状況調査につきましては、以前の審議会でも進捗を御報告したかと思いますけれども、現時点においても、現在システムの調達など準備を進めているところで、一方で準備が整った段階で実施することとしているという方向性については変わっておりません。いずれにしても、ご報告ができるようになった段階でまたご報告させていただきたいと思っております。
○舟越委員 こちらは行っていくということに変わりはないということでよろしいのですね。
○事務局 現時点ではそのように考えております。
○舟越委員 あと、先行調査を今回もモデルナのほうも自衛隊病院を含めて行っていく、男女比に関しては平準化を努めていくとありましたが、今後、アストラゼネカ製のことも含めて、先行調査に関しては年齢層の部分とかがだんだん取り切れなくなってくると思うのですけれども、これから高齢者接種を7月末に終わらせる方針が出ていますと、こういった年齢の部分とかを含めてどこまで先行調査に関してはモデルナ以降は行っていく予定なのでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 事務局でございます。
 モデルナ社に関しては、先ほど事務局から御説明させていただいたとおり、実施を予定してございます。
 アストラゼネカ製のワクチンに関しましては、実際にいつ頃、予防接種法に基づく臨時接種の対象になるかというのは現時点で分からないところでございますけれども、その時点によって状況が変わってくるかと思いますが、その対象となった場合には、希望者に対して調査を実施できるように必要な準備を進めてまいりたいと考えております。
○舟越委員 ありがとうございました。
○森尾座長 岡委員、どうぞ。
○岡委員 ただいま舟越委員からも御質問のあったコホート調査ですけれども、以前も国立病院機構とか地域医療機能推進機構とかで調査をされていて、接種対象者が随分変わってくるのかなという点が一つ。
 あと、この結果は、前は伊藤委員から非常に毎回詳細に教えていただいて参考になったのですけれども、部会で御報告いただけるのでしょうか。その辺りはいかがでしょうか。
○森尾座長 これは事務局でしょうか。伊藤委員でしょうか。
○伊藤(澄)委員 今日、事務局から出していただきましたので、公然とお話ができると思います。
 自衛隊の隊員は9割を超える人たちが男性なので、しかも55歳定年ですので、御心配のとおりだと思いますが、コホート調査はもとの計画から、比較的若い健康人のデータを取るということだったと思っておりますので、健康人を対象にして、いままで使ったプラットフォームで調査をさせていただきますので、特にモデルナアームと言われているものがどの程度出てくるのかとか、発熱がどの程度出てくるのかということについては、できるだけ早い機会に皆さんのところに御報告させていただくつもりでおります。早ければ来週の月曜日には開始できるように準備は整えております。
 以上でございます。
○森尾座長 伊藤委員、またお手数をおかけしますが、楽しみにしております。よろしくお願いいたします。
 ほかには委員の皆様からよろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 本日の議事は以上で終了でございます。そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は、長時間にわたり活発に御議論いただきましてありがとうございました。
 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○森尾座長 宿題も今回頂戴いたしましたが、本日の会議をこれで終了させていただきたいと思います。
 活発なご議論、どうもありがとうございました。閉会とさせていただきます。