令和3年5月12日 第58回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第5回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和3年5月12日(水) 18:00~20:00

場所

WEB会議(厚生労働省 共用第9会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより、第58回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、及び令和3年度第5回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まず、お名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。現在、副反応検討部会委員9名のうち8名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
 なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
 また、健康局長の正林がほかの公務のため欠席となります。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
 本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡座長 それでは、事務局からご説明をお願いいたします。
○事務局 まず、事務局から審議の参加に関する遵守事項から御報告いたします。
  本日御出席された委員、参考人の方々の、過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
 本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチンであり、その製造販売業者はファイザー株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、全ての委員においてファイザー株式会社から50万円を超える受け取りはございませんでした。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
 石井委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取り、宮川委員は第一三共株式会社及び武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 続きまして、本日の配付資料を御説明いたします。
 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-5、参考資料1から3になります。
 不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等について」、まずは資料1-1-1から1-4について事務局から御説明をお願いします。
○事務局 まず、資料1-1、1-2を用いまして、対象期間中の副反応疑いの報告状況について御報告いたします。
 資料1-1-1「予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。
 今回の集計対象期間は、接種開始日である2月17日から令和3年5月2日報告分までとなっております。
 2ページ目、マル1、週別報告件数の表の一番下、合計(2021年5月2日現在)の行をご覧ください。2月17日から5月2日までの推定接種回数が382万3,386回接種、内訳としましては医療従事者が約360万回接種、高齢者が約20万回接種となっております。副反応疑いの報告件数は5,560件、報告頻度としては0.15%となっております。前回の合同部会報告時が0.16%でしたので、頻度に大きな変化はありません。うち、重篤の報告件数は642件、報告頻度としましては0.02%であり、前回の報告時と同一の頻度となっております。さらに、死亡報告数につきましては25件報告されております。死亡報告事例については製造販売業者からの報告内容と併せ、資料1-3にて概要を御説明いたします。
 3ページ目のマル2、4ページ目のマル3は先ほどの5,560件の副反応疑いについて、報告医による因果関係を見解別に集計したものとなります。
 続きまして、5ページ目、マル4、副反応疑いの報告の報告基準別報告件数をご覧ください。アナフィラキシーについて集計したものとなります。アナフィラキシー疑い事例については5月2日までに医療機関から805件が報告されております。詳細は資料1-4にて御説明いたします。
 以降のページにおいては、性別、年齢別、症状別、接種回数別、ロット別、発症までの日数別に集計しております。各症例のラインリストについては資料1-1-2にてお示ししております。
 続きまして、資料1-2-1「薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。
 こちらにつきましても対象期間は2月17日から5月2日報告分までとなっております。
 2ページ目、マル1、週別報告件数の表の一番下の合計(2021年5月2日現在)の行をご覧ください。5月2日までの推定接種者数はこちらも382万3,386回、報告件数としましては、重篤なものが報告対象となっておりますが、1,362件、報告頻度としては0.04%で前回の合同部会と同一でございます。死亡報告が17件ございますが、うち3件についてはこれまで報告していない新たな事例となりますので、資料1-3にて改めて御説明いたします。
 3ページ目、アナフィラキシー事例の報告件数が664件となってございまして、今回からこの664件につきましてブライトン分類評価を実施しております。後ほど資料1-4にて御報告いたします。
 続きまして、資料1-3「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」をご覧いただければと思います。
 「1.報告状況」でございます。前回の合同部会以降、副反応疑い報告において医療機関又は製造販売業者から死亡として報告された事例が新たに9件あり、令和3年5月2日までに報告された死亡事例は計28件となりました。なお、上記に加えまして、今回の集計対象期間外とはなりますが、先週の月曜日から金曜日までに死亡として報告された事例が11件ございましたので、先週の金曜日までという期間ですと計39件となります。
 「2.専門家の評価」でございます。5月2日までに報告された28事例を対象に、追加の報告がなされた場合は、これも踏まえまして専門家の評価を実施しておりまして、結果はいずれもγでございました。
 2ページ目から7ページ目までに39事例を一覧表としておまとめしております。
 3ページ目のNo.20以降が今回初めて御報告する事例となりますので、簡単に御報告いたします。
 まず33ページの中段、事例20をご覧ください。事例20は87歳男性の事例でございます。(3)基礎疾患等でございます。現時点での報告状況ではアレルギー歴はなし、既往歴は不明、併用薬も詳細は不明ですがあったと報告されております。(4)症状の概要では、34ページの上から2行目の部分となりますが、接種翌日に心肺停止。心不全及び心肺停止のため死亡した。剖検は実施されなかったと現時点では報告されております。
 続いて事例21、55歳男性の事例です。(3)基礎疾患等として、既往歴としては高血圧、脳梗塞、ワレンベルグ症候群、併用薬も報告されております。(4)症状の概要では、接種の翌々日に夜勤予定であったが出勤せず、警察が訪問したところ死亡していた。検視にて急性心筋梗塞と診断されたことが報告されています。
 次に、事例22は90歳台女性の事例でございます。(4)症状の概要、(5)報告者の評価ともに、ワクチン接種後13時間半後に老衰で死亡された。本剤との因果関係はないと判断したと報告されております。
 事例23は45歳女性の事例でございます。基礎疾患等はなしと報告されております。(4)症状の概要の部分でございますが、ワクチン接種後に症状等の訴えはなかったが、接種の3日後、36ページの最後の2行目の部分になりますが、家人が状態の異変に気づき、接種医療機関とは別の医療機関に救急搬送され、死亡されたと報告されております。
 37ページの中段に行っていただきまして、事例24、44歳女性の事例でございます。(3)基礎疾患等はなし、(4)症状の概要では、本報告は接種医療機関から行われたものになりますが、接種の4日後に倉庫で倒れているところを発見され、医療機関に搬送されたが、くも膜下出血で危篤状態となり、同日死亡したと報告されております。38ページ目の1行目、報告者の評価では、過去の健康診断の記録も御報告いただいております。
 事例25は70歳男性の事例になります。39ページの一番上の(4)症状の概要の部分ですが、統合失調症があり入院中のところ、接種の6日後に急に容体が悪化し、死亡したと報告されております。
 続いて、事例26が92歳女性の事例となります。(4)症状の概要では、死因等は老衰と考えられること。また、(5)報告者の意見としまして、仙骨部褥瘡があり、増悪傾向であったため、老衰は進行していたと考えられると報告されています。
 事例27は91歳女性の事例でございます。基礎疾患等としましてアルツハイマー型認知症、慢性心不全・陳旧性心筋梗塞などが既往歴として報告されております。(4)症状の概要ですが、接種日に心肺停止となったことが報告されています。(5)報告者の評価では、2行目、アナフィラキシーの皮膚症状・粘膜症状は認められていないが、心肺機能が突然停止する原因がほかに見当たらない。関与があると考えられると報告されています。
 事例28は40歳女性の事例でございます。(4)症状の概要では、現時点の報告ということになりますが、接種後に心肺停止で緊急搬送され、死亡したと報告されています。
 続いて42ページ、事例29、26歳男性の事例となりまして、以降が専門家評価は評価中の事例となります。(3)基礎疾患等としましては片頭痛や併用薬も報告されております。(4)症状の概要では、接種の5日後である5月3日、自宅で心肺停止状態で家族に発見され、その後死亡が確認されたことや、検視や死亡CTが行われるも原因は不明であったということが報告されています。
 事例30は93歳の女性の事例となります。基礎疾患等は関節リウマチ、深部静脈血栓症が報告されています。(4)症状の概要では、死因等が急性心筋梗塞、急性心不全と考えられること。また、接種後の経過が報告されております。
 事例31、51歳女性の事例となります。45ページの(3)基礎疾患の部分ですが、肺胞低換気症候群、肥大型心筋症、肺高血圧等が報告されております。(4)症状の概要では、死因等は心不全の増悪、心筋梗塞であることや、接種後の詳細な経過が報告されております。(5)報告者意見の4行目になりますが、ワクチン接種後に症状の増悪が見られ、心不全の増悪にワクチン接種が影響している可能性は否定できないこと、心筋梗塞に関しては急性の血栓による閉塞ではなかったと報告されています。
 続いて46ページ、事例32は82歳の男性の事例となります。基礎疾患等としまして心疾患の既往が報告されています。報告者の意見では、本報告は接種医療機関からの報告になりますが、搬送医療機関の医師より、死因は死後検査でも特定できず、虚血性心疾患疑いとの意見があったと報告されています。
 事例33は76歳の女性の事例です。(4)症状の概要では、1行目の部分ですが、接種4日後に嘔吐と下痢があったことや、4行目の部分、接種9日後である5月5日から脳梗塞を疑う症状があったと報告されています。
 事例34は97歳の女性の事例となります。(4)症状の概要では、接種の2日後にお亡くなりになったことが現時点では報告されております。
 49ページ、事例35、69歳の男性の事例となります。基礎疾患等として大動脈解離や前立腺がんが報告されています。(4)症状の概要の3行目になりますが、接種の約1週間後に意識不明にて発見され、心肺機能停止状態で緊急搬送され、その後死亡が確認されたことや、死亡時画像診断にて胸部大動脈解離があったことが報告されています。
 事例36が63歳女性の事例となります。(3)基礎疾患等はなしと報告されております。(4)症状の概要では、3行目の部分になりますが、接種3日後である5月3日に突然の意識障害を来し、救急搬送され、その後死亡が確認されたこと、死亡時画像診断にて脳底動脈瘤破裂、くも膜下出血の診断に至ったと報告されています。
 事例37が70歳男性の事例となります。(3)基礎疾患等としまして進行性核上性まひが報告されております。(4)症状の概要では、接種前の状況や接種翌日の未明に心肺停止状態で発見されたと報告されています。(5)報告者の意見では、もともとパーキンソン症状や嚥下障害があったこと、今回のワクチンによる微熱でたんが増え、喀痰排出困難により死亡に至ったことも考えられると報告されています。
 事例38が95歳女性の事例です。53ページの(3)基礎疾患等では心不全ありと報告されております。(4)症状の概要では、死因等は狭心症が疑われること、ワクチン接種後、翌日より37℃の発熱が続いていたこと、接種後約1週間後に胸痛が出現し、その後心肺停止し、お亡くなりになったことが報告されています。
 事例39が90歳男性の事例です。(3)基礎疾患等はなし、54ページの(4)症状の概要の部分では、死因等として嘔吐による気道閉塞が考えられると報告されています。
 資料1-3の説明は以上となります。
 続きまして、資料1-4「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシーとして製造販売業者から報告された事例の概要」をご覧ください。
 前回までは医療機関からの報告内容に基づきましてブライトン分類評価を実施しておりましたが、これまでの合同部会での御議論を踏まえまして、今回からは製造販売業者からの報告内容に基づき専門家の評価を実施してございます。
 1ページ目、「1.報告状況」になります。令和3年2月17日から5月2日までに、副反応疑い報告において製造販売業者からアナフィラキシーとして報告された事例が664件ございました。
 「2.専門家の評価」です。一部専門家評価中の事例もございますが、664事例を対象に専門家の評価を実施しております。結果については表のとおりとなりました。
 概要について、2ページ目の一番上の参考1の部分をご覧ください。現在評価中の事例もございますので、今回は参考値という扱いとなりますが、ブライトン分類レベル1~3の報告件数が382万3,386回接種について107件、100万回当たりで換算しますと、報告件数としては28件でございました。ブライトン分類レベル1~3の事例について年齢別性別で集計したものが参考2、アレルギーの既往の有無で集計したものが参考3となります。
 資料1-1から1-4までの説明は以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 そうしましたら、引き続き資料1-5について御説明をお願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 資料1-5「副反応疑い報告の状況について」、御説明申し上げます。
 資料構成としましては、前回の審議会までと同様、死亡として報告された事例及びアナフィラキシーに関しての報告状況につきまして資料として構成させていただいております。
 2ページ目をご覧ください。
 まず、死亡として報告された事例につきまして、先ほど御紹介いたしました資料1-3を基に作成した資料となります。前回の審議会までに集計された4月25日までに副反応疑い報告におきましては死亡として報告された事例が12件ございました。以降、今回の審議会、5月2日時点までに死亡として報告された事例は計28件となっておりまして、うち、出血性脳卒中は7件、心肺停止6件、心不全4件等となっております。
 こちらの表にまとめておりますのが、今回の審議会分No.13~28までの症例となっておりまして、こちらが副反応疑い報告の症状の概要等に載せてあるものとして御参考になると思われるところをまとめてございます。
 なお、5月3日から5月7日までに医療機関または製造販売業者から死亡として報告された事例は11件でございました。こちらも表を御参考いただきながら御審議いただければと思っております。
 続きまして、3ページ目でございますけれども、こちらも前回までの審議会と同様、国内外の死亡例の最新の報告状況ということで載せさせていただいております。アップデートしているところといたしましては、米国に関しましてはアップデートが現時点でございませんが、英国のほうにおきましては若干のアップデートがあり、外国におきましては8.2件から18.7件程度、100万回接種あるいは100万人接種当たりの報告件数となっております。
 上段の日本の部分が本邦における状況でありまして、今回の審議会までに死亡として報告された事例は28件、100万人接種当たりですと10.0件、100万回接種当たり7.3件でございました。
 こちらの2つの資料に基づきまして、4ページ目、死亡例の報告状況についてでございます。副反応疑い報告制度におきまして、死亡例として報告されたものは接種開始から5月2日までに28件ございました。総計278万388人中、うち高齢者等が20万466人となっております。報告された症状等は、先ほど御紹介いたしましたとおり、出血性脳卒中が7件、心肺停止6件、心不全4件等となっております。
 引き続き、死亡例につきましては、報告内容について透明性をもって公表するため、個人情報につながる情報を除き、報告情報を可能な限り報告するとともに、併せて専門家による評価も行っております。専門家による評価は、28件中28件いずれもワクチンと症状名との因果関係が評価できないものとされております。
 以上をもちまして、死亡例に関する論点としましては、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないこととしてよいかということで御審議いただければと考えております。
 続きまして、5ページ目をご覧ください。
 先ほども御紹介がございましたけれども、5ページ目はこれまでのようにブライトン分類の評価におきまして、医療機関からの報告をベースに行ってまいりましたので、そちらに関しての状況でございます。上段におきましては、医療機関からアナフィラキシーとして報告された件数を載せておりまして、最下段の部分がアップデートされた情報となっておりまして、100万回接種当たりの件数としては211件という状況になっております。
 また、次の6ページ目でございますけれども、今回からはブライトン分類の評価が製造販売業者からの報告状況についてということで、今後はこちらがよりアップデートしていくものと考えておりまして、初回の資料といたしまして、上段が製造販売業者からアナフィラキシーとして報告された件数が100万回接種当たりの件数として173件、ブライトン分類におきましては一部評価中のものがございますので、参考値となりますが、現時点では100万回接種当たりの報告件数28件という参考値として載せさせていただいております。
 7ページでございますけれども、海外の最新のアナフィラキシーの報告状況でございます。こちらも米国におきましては、アナフィラキシー注目度等の関係におきまして、現時点での最新の状況は変わっておりませんで、英国におきまして若干のアップデートがございまして、100万回接種当たりの報告件数が14.5件となっております。
 こうした状況を踏まえまして、8ページ目になりますけれども、アナフィラキシーの報告状況についてまとめさせていただいており、総合的な御議論をいただきたいと思っております。
 副反応疑い報告制度におきましては、製造販売業者からアナフィラキシーとして報告されたものは接種開始から5月2日時点までで664件。
 ブライトン分類に基づく評価におきましては、評価中の事例もありますが、接種開始から5月2日までに107件がアナフィラキシー(ブラインド分類1~3)と評価されております。
 アナフィラキシーとして報告された例につきましては、透明性をもって公表するため、報告件数をそのまま公表する一方、正確な評価も重要であり、引き続き国際的な基準のブライトン分類に基づきまして評価を行っていきます。
 海外との比較におきましては、引き続き被接種対象者の違い、報告制度の違い等の理由から、単純な比較は難しい状況と考えられますが、接種後には一定の頻度でアナフィラキシーが生ずるといった前提を踏まえて、アナフィラキシーとして報告された多くの例で軽快したことが確認されております。
 こうした点をもちまして、アナフィラキシーに関する論点といたしましては、現時点においても引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないかとしてよいかという御議論をいただきました上で、まとめといたしまして、副反応疑い報告の状況に鑑み、引き続き接種を継続することとしてよいかということで御審議いただければと思っております。
 以上となります。
○岡座長 ありがとうございます。
 ただいま、事務局から、新型コロナワクチンについてこれまでの副反応疑い報告の状況について御説明をいただきました。大きな論点として、今までもありましたように死亡例とアナフィラキシーの2つの副反応報告に関しての論点があったかと思います。
 まず、ワクチン接種後に死亡として報告された事例に関して、御質問、御意見等を委員の方からいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。今回は380万接種のうち、20万回ぐらいが高齢者ということですけれども、死亡の御報告をいただいた方には高齢者の方の比率がかなり増えてきたのかなとも感じますが、いかがでしょうか。
 柿崎委員、よろしくお願いいたします。
○柿崎委員 今回の死亡例の中には若年者も含まれているようなのですけれども、資料1-5の13ページで高齢者の死亡が1日当たり約1万600人に1人というような参考資料を示していただいたのですが、なかなかデータはないかとは思うのですけれども、例えば20代から60代ぐらいの方で突然死をなさる方だとか、あるいはくも膜下出血、ブルガダ症候群などで突然死をなさる方のデータみたいなものがあれば教えていただきたいのですが、そういったデータはなかなか難しいかと思うのですけれども、あるのでしょうか。
○岡座長 いかがでしょうか。何か事務局のほうで集計等されているでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
 先般、出血性脳卒中の件で少し死亡例があったときに、そういった資料がないか検索させていただいたのですけれども、突然死の症例という形で頻度をまとめたものがなかなかなかったという状況でございまして、結果的に人口動態統計等から突然死という枠組みでなくて各疾患において亡くなった方がどの程度いるといったところが現状で資料として挙げられるものかなと考えていまして、委員の御指摘のとおり、そういった資料を見つけるのは難しいといったのが現状でございます。
○柿崎委員 ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。大事な御指摘かと思いますけれども、なかなか難しいという部分もございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 倉根委員、手が挙がっていますでしょうか。お願いします。
○倉根委員 資料1-5の2ページ目にそれぞれ症状の概要が書いてあるかと思います。それぞれの亡くなった方の症状の概要なのですけれども、そこには脳幹出血や脳出血など、病態というお亡くなりになった原因かと思うものがそこに書いてある中で、心肺停止と書いてある方が4人おられるわけですけれども、心肺停止というのは発見されたときに既にお亡くなりになっていたということで、その後、特にその原因を調べるということはなされていない方と解釈してよろしいでしょうか。この心肺停止について教えていただければ思います。
○岡座長 いかがでしょうか。
○事務局 様々な事例があると思いますが、御指摘のとおり、事象の報告としまして心肺停止があってお亡くなりになられたという報告が取りあえず来ているというものもございます。一方で、こういったものにつきましては、企業とも連携の上、詳細な情報を入手いたしまして、得られ次第こちらの審議会においても御報告しますので、そちらにおいて改めて御評価いただきたいと考えております。
○倉根委員 分かりました。
 そうすると、またもう少し詳しい情報が入った段階では、この心肺停止というのではなく、さらにその時点で分かった原因あるいは分かった病態といいますか、お亡くなりになった原因と考えてもいいものが示されるということでよろしいですね。
○事務局 どのような情報が得られるかというのはありますが、もちろん死因等の情報につきましても、得られましたらこちらで御報告させていただきたいと思います。
○倉根委員 分かりました。よろしくお願いします。
○岡座長 石井委員、手が挙がっていますでしょうか。お願いします。
○石井委員 石井でございます。
 資料1-3でそれぞれ各症例に対して評価が述べられているのですけれども、事例27のケースで、報告された医師は関与があると考えるというのに対して、専門家の評価は因果関係をγとなさっていて、これはいいのですけれども、コメントがないので、こういった開きのある場合は何かコメントをいただいたほうがいいような気がするのですが、その辺りはいかがでしょうか。
○岡座長 いかがですか。専門委員に付記していただくような必要があるのではないかというような御意見でしたか。
○石井委員 はい。報告されている医師の方はかなり細かく書いておられて、それに対してコメントなしで因果関係がγだとなってくると、ちょっと開きがあるように受け取られてしまう可能性もあるので、こういった開きがある場合には何か一言コメントがあったほうがいいように思うのですが、いかがでしょうか。
○事務局 御指摘ありがとうございました。
 この報告について、第1報なのかどうかは、今詳細は把握していないのですけれども、現時点の報告でありますので、また報告があった、もしくは、企業報告がまた上がってくることになりますので、その際に御指摘を踏まえて評価をするようにさせていただきたいと思います。
○石井委員 ありがとうございます。
○岡座長 どうして亡くなったかということを見極めるのは非常に難しい部分だと思いますけれども、引き続き情報が分かればということでお願いしたいと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。
 宮川委員、お願いします。
○宮川委員 宮川でございます。
 先ほど心肺停止のことについて倉根委員から御質問があったと思うのですが、高齢者の場合、特に高齢施設に入っていらっしゃる方は、例えば夜は配置医もいないし、看護師もいないことがあります。場合によってはヘルパーさんなど介護職が寝泊まりしている中で、翌日見つかったということになりますと、これは心肺停止と書かざるを得ないと思います。これから高齢者の接種を続けていると、こういう症例が多く出てくるのではないかなと推察します。
 また、老衰が今回の中で3例ありました。老衰というものをこのような形の中でどのように取り上げていくのかということもこれから大きな問題になってくるのではなかろうかなと思うわけです。
 ちょっと話を戻してみて、心肺停止を検討するにあたっては、高齢者の施設であるかどうか、独居であるかどうかという生活形態で、報告事例としての症状表記というのは随分変わってくるのではないかと思います。事務局のほうで、高齢施設の方が打たれているのか、独居あるいは普通に家庭にいらっしゃる方とどれぐらい違いがあるのかというような、何か説明できるような資料をお持ちなのかお聞きしたいと思います。それから心肺停止や老衰ということを、今後どのように取り扱ったらいいのかということを2点お聞きしたいと思います。
○岡座長 2点、いかがでしょうか。施設か独居かということについて恐らく随分発見のされ方が違うのではないかということ。今回も高齢者の方が多いのですけれども、今後どういうふうに考えていったらいいかという取扱いですね。
○事務局事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
 まず、宮川委員が御指摘の施設に入所されているかという観点ですけれども、なかなか個人情報の観点から具体的に何例中何例の方がという形では申し上げにくいところもあるのですけれども、簡単に事務局のほうで把握しているところでございますと、後期高齢者に該当するような方については、そのほとんどが施設入所中と思われるような情報があったということは確認している状況でございます。
 もう一つ、いわゆる老衰というのは、確かに御判断といいますかコメントいただいている中で、副反応疑いとしてカウントしていくべきなのかというところは、まさにこの審議会で少しお諮りいただくべきところなのかなというところもございまして、非常に大事であり、かつ難しいところなのかなと思っていますので、御意見を頂戴できればというところでございます。
○岡座長 どうぞ。
○事務局 ありがとうございます。
 1つ事務局から補足させていただきますと、副反応疑い報告制度のお話が今出ましたが、老衰も様々なケースがあり得ると思いますが、ここでの報告対象といいますのは、接種直後のアナフィラキシー事例というのはまた少し別になりますが、それ以外のものについては基本的には予防接種との因果関係が疑われるものを報告対象と考えておりますので、例えば老衰であってもワクチン接種との因果関係が疑われるということでありましたら広く報告していただくということになります。
○岡座長 ありがとうございます。
 今、事務局から御説明があったように、因果関係が疑われる場合には報告するように制度ではありますけれども、ただ、これから数として今後高齢者の接種が非常に増えた場合にどう対応していくかというのは、なかなか難しい課題もあるのではないかという宮川委員の御指摘ではないかなと思います。かといって自発的な報告をしてはいけないということも難しいのだろうと思いますので、その辺り、また委員の先生から引き続き御意見を頂戴できればと思うのですけれども、結論はちょっと難しいかと思います。
 長谷川委員、手を挙げていただいているのはこのことに関してでしょうか。
○長谷川委員 ありがとうございます。
 死亡に関して、頂いた資料1-5の14ページに参考資料として新型インフルエンザ予防接種のときの接種後の死亡事例が掲載されているのですけれども、これで、今回だけではなくてほかの予防接種の後にもこのように死亡というのは起こっているということが分かって、やはり高齢者の方々に死亡例が多いのは分かるのですが、これが大体どれぐらいの接種で起こっているのかという母数がここには記載されていないので、それを教えていただきたいのと、この死亡症例一覧に出ている死亡原因というのは、今回と同じような形で副反応報告として挙げられて死因が書いてあるのか、それとも精査された後にまとめられたものが書いてあるのか、その点2点について教えていただきたいと思います。
○岡座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 2009年の新型インフルエンザ予防接種の資料でございますけれども、接種数は今手元にデータがないので正確には分からないのですが、2000万前後ではなかったかと記憶しております。ここの症例は、今と同じように副反応疑い報告として挙げていただいたものをそのまま載せていっているもので、133例報告されたということでございますけれども、個別に載っているのは40までですが、それ以外にあと93例あったということでございます。精査をしてどうなったかということは青いところに記載がございますけれども、この133例というのは報告があった事例をそのまま挙げております。
 当時、お子様のほうから順番に接種が進んでまいりましたので、頻度という意味では、自然の死亡の発生率という意味でいうと、今、高齢者のほうから接種が進んでいるということは参考にしにくい面、比較しにくい面もあるのではないかと思います。
○長谷川委員 ありがとうございます。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。
 佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 今の御質問にちょっと関連しているのですけれども、資料1-3に医療機関それぞれの症例報告が載っていて、医療機関、企業からの報告、調査内容に基づき追記というのがついているものとついていないものがありますが、ついていないものに関しては主体としてどなたの報告なのでしょうか。私、ちょっと混乱してしまって、その辺はコントロールされているものだと思っていたので、どうなっているのでしたかというのを確認させて下さい。
○事務局 どちらの可能性もございまして、例えば医療機関の方が1報、2報、3報と、1報目ではまず一報として報告していて、2報目については詳細な情報を報告するというような形で、医療機関の方が複数出してくることもございますし、一方で、まず医療機関から出されたものを情報提供を受けた企業が企業報告という形で出してくることもありますので、医療機関の後に企業が報告するということもあります。また、企業報告も複数報来ることがありますので、企業の中でも複数から来ているというものもございますので、様々な状況がございます。
○佐藤委員 では、この報告内容というのは、データの質的には割といろいろな段階のものが混ざって入っているという理解でいいのですね。
○事務局 おっしゃるとおりで、一つの事例につきまして医療機関から複数報告があったり、あるいは同じ事例について企業から複数来ることもありますので、事務局のほうでチェックしていて新たな重要な情報が得られましたら各事例に追記しているというのがこの資料1-3になります。
○佐藤委員 分かりました。
 後もう一点気になったこととしては、報告にワクチンのロットが書いていないものが幾つか散見されました。これは徹底したほうがいいかなと思いました。
○事務局 かしこまりました。
○岡座長 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 皆さんの言われていることとある程度似ているようなことなのですが、今回の39例死亡例が出ているうち、カウントすると半分ぐらいが不明、老衰、心肺停止ということで、はっきりした死因が分からないまま記載されているのです。恐らく今後新しい情報が入れば、もう少しちゃんとした病名が出てくるかもしれませんけれども、例えば接種後、翌日に亡くなってしまった事例についてはもう少し死因をはっきり調べるとか、全部調べていくのは大変なのかもしれませんが、死因を詳しく調べる何らかの指標をつくっていったほうが、接種との関連が分かるのではないかと思います。半分の事例がなぜ亡くなったか分からないというのは、データとしていかがなものかなと思いました。
○岡座長 いかがでしょうか。
 これに関して、森尾委員、お願いします。
○森尾委員 関連するところなので、先ほどから議論がありますように、御高齢の方はこれからものすごく数が増えてくるところですけれども、その中で発熱を起こされたり、あるいは食欲が低下などという体への負担というような方とか、あるいは、今回もありましたけれども、嘔吐されて亡くなられた、あるいはたんが絡みやすくなってきてそれで亡くなられたみたいな方というのを何かうまくソートして、それだけではないのかもしれないのですが、集計できるようにできたらいいのかなと思いました。コメントです。
○岡座長 あと、事務局のほう、いかがでしょうか。先ほどの濱田委員からのもう少し死因をというのは、例えば調査して分かるようなものなのか、それとも例えばそもそも剖検もされていないので、これ以上情報を聞いても分からないようなものなのか、その辺りはいかがでしょうか。
○事務局 おっしゃるとおり、様々な事例があると思います。詳細な情報について広く収集していこうと思いますが、特に死因に関するものや、死亡を調査するに至った診断や検査といった情報については徹底して集めるようにいたします。
○岡座長 検視がされていれば、そういうものをできるだけ集めていく努力をしていただいてということかなと思いますけれども、なかなか難しそうだなとも思います。
 山縣委員、お願いします。
○山縣委員 死因の場合には、宮川委員も言われるように、今後高齢者の場合に本当にどうなのかというのが分からないケースなので、やはり死因をしっかり把握するという視点をもって、濱田委員も言われたように、死亡例のときはこれとこれとこれはきちんと報告してくださいとか、そういう基準なりがあると報告しやすいと思います。
 今、情報を集めると言われましたけれども、どういうタイミングで誰が集めるのかというのも恐らく報告の時期によっても変わってくると思うので、そうすると、なかなか正確な情報が得られないこともあると思います。死亡診断する時点でその主治医なりが対応できるシートみたいなものがあるといいかと思うのですが、現在そういうものというのは何かあった上でこの報告がされているのでしょうか。
○岡座長 いかがでしょうか。
○事務局 現状を申し上げますと、報告の様式がありまして、そこに従って書いていただくということになっています。アナフィラキシーのときにこういうふうに書いてくださいということを示したことがありましたけれども、特に死亡については多種多様ということもありまして、これ以上の詳細な書き方については、まだできていないというのが現状です。
 高齢者接種がなかった時は、死亡例があまり多くなかった時代に、我々としても1つずつ問合せをしたこともあったのですけれども、数が増えてきて、それを全てフォローしていると結構な時間がかかってしまうということもあって、正直なかなか難しいところもあります。一方で、例えば先ほど御指摘があったように、何らかの形で気をつけていくべき事象について、検索してモニタリングするということは可能だと思います。この部会自体は、一つ一つの因果関係の評価もそうですが、全体として、副反応をしっかりとモニタリングをしながら、対策を検討するということが最大の目的になると思うので、そういう視点でも御議論いただけると、我々としても対応は考えられるかなと思います。
○山縣委員 ありがとうございます。その議論をするために、やはり何らかのたたき台があって、それに対して議論できればと思いました。
○岡座長 伊藤清美委員。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 今お話しされているような内容は、恐らく海外でもこういった死亡の症例が幾つかありますので、検討されているのかなと思うのですけれども、死因としての因果関係みたいなことで海外の資料で参考にできるものとか公になっているものはないのでしょうか。あるいはデータの集め方や報告していただくためのフォーマットなど、海外で参考になる資料は何かないのかなと思ったのですけれども。
○岡座長 海外の状況ですけれども、いかがでしょうか。
○事務局 海外の米国と英国の資料をまとめたものが過去の資料でお示ししております。そこの元のデータまでたどって我々のところで評価しております。以前、脳出血関係が多かったということもあって、元データまで調べたこともあったのですけれども、海外のほうでは特段重要視していなかったということがありました。 
○事務局 事務局です。
 先日、紙谷委員に参考人として登壇いただいたかと記憶しておりますけれども、まさに今御指摘の死因や原因究明というところに関していうと、そこがなかなか難しいところという議論になっているところかと思うのですが、まさにリアルタイムでワクチンを打っていない方とワクチンを打った方での比較をできればいいのですけれども、私、紙谷委員の勉強会の資料を拝見させていただいて、アメリカが30年かけてつくり上げてきたVSEというシステムがあって、まさに非常にいいシステムだとは思うのですけれども、あれを今すぐリアルタイムで日本でできるのかというと、それは難しいのかなと。一方で、そういった問題意識を持って今後も進めていくことが重要なのではないかなというところで勉強させていただいたという認識なのですけれども、いかがでございますでしょうか。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 例えば今回示していただいた資料1-3みたいな表というのは公開されているのでしょうか。そういったところも海外の症例も併せて検討するようなことが可能なのかなと思ったのですけれども。
○事務局 ありがとうございます。
 まさに今御指摘の表といったのがACIPから公表されていた、ファイザーのワクチンにおいて何らかのアラートが立っているかというところに関していうと、紙谷委員も現時点でそういった、例えば出血性脳卒中等の明らかなアラートが立っているものはないといったコメントはいただいたように認識しておる次第でございます。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
○事務局 追加で発言申し上げたいと思います。
 私の認識でいきますと、ACIPの資料でも疾患ごとに件数があるだけで、この資料1-3のように経緯とかが一覧表になっていてそれぞれどんな経緯があってとか、そこまでのものは無いかと思います。
 それから、先般、CDCの専門の先生の話で最後にまとめていただくときに、重大リスクとしてはアナフィラキシーを考えているということを言っていただいております。
○岡座長 宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 議論というのは、核心に迫っていく議論か、そうではない議論かっていろいろあるだろうと思います。資料1-5の2ページ目のところで、接種から死亡までの期間として、1日後、2日後、3日後に老衰で亡くなられたと表現されています。老衰というような書き方が今後もこのワクチンのキャラクターを浮き彫りにするのに役立つかどうかということは非常に重要な観点だろうと思います。
 私は臨床家ですから、これからワクチンを高齢者に接種する場合の説明に、困窮する状態になるのではないかと考えます。このように老衰と記載されてしまうと、臨床上の実地のところでは問題になるだろうと危惧します。老衰を事象として取り上げざるを得ないということはあろうかなという認識を持ちつつ、他のしっかりとした事象として集められるものはしっかり集めていただくという建設的な方向に向かわないと、健全な副反応の部会としては成り立たないのではなかろうかなと思ったので、お話しさせていただきました。
○岡座長 今の御意見は本当に打つ立場からの御意見かなと思いますけれども、高齢者が打つ場合にどういうふうに考えていったらいいのか。いろいろ難しい部分もあるとは思いますけれども、何かほかに御意見はございますか。
 濱田委員、どうぞ。
○濱田委員 資料1-5の12ページに海外における基礎疾患のある方に対する接種状況、ノルウェーやEU、WHOのものが出ているのですけれども、これは1月頃のデータですよね。その後、アメリカやUK、イスラエルはかなり打っているわけなのですけれども、その後、高齢者のデータというのは出ていないのですか。私も一応見ているのですけれども、あまりそういったデータがないので、もし事務局なり委員の方で御存じでしたら教えていただければと思っております。いかがでしょうか。
○岡座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
 先生がおっしゃるとおり、私のほうもこちらがアップデートされていないか事務局として確認させていただいておりますけれども、御指摘のとおり、EU、WHOともに高齢者の接種を現時点で変える方針にはないというのが引き続き継続されているものと認識してございます。最新版も確認しておりまして、直近で確認していて更新されていないという認識です。
○濱田委員 そうすると、医学論文的なものでもあまりそういったものは出ていないということですね。
○事務局 恐らくこちらに関しては、どちらかというと海外当局のメッセージとなりますので、学術論文の見解をまとめた中でのコメントになっているのかなという認識でございます。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
○岡座長 宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 関連することですけれども、私もいろいろ調べたのですが、諸外国の場合、それを報告するに値しないというようなスタンスです。医学的につまびらかにするということが本来からすると意味があるのであれば、きちんと報告されているのですが、報告の事例が全く認められないということなので、私たちの置かれている立場と、EUやWHOを含めての考え方とは多少違うという土壌の中で考えているのではなかろうかなと思います。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。
 倉根委員、どうぞ。
○倉根委員ワクチンの接種は、恐らく今後非常に速いペースで増えていくのだろうと思います。そうすると、これまでのペースの中でこういうふうにそれなりに解析というのはできてきたわけですけれども、これが何倍、何十倍かになったときに、どこまでこういう詳細といいますか、どこまでのデータを集めることが現実的に可能なのかということも少し考えなければいけないのではないかなと。データとしてはすごい数が集まってくるかと思いますけれども、それを解析する側が十分それに応じられるのかということも少し考えなければいけないのではないかなと思います。
 ということは、こういう出し方はできないのかもしれないけれども、例えば老衰とかそういうものではなく、ご覧になった先生が原因と考えられるものを出していただくという訴えかけといいますか、お願いということはできないのだろうかなと思います。いかがでしょうか。
○岡座長 いかがでしょうか。
 ただ、こちらの評価も出てきたものに共通の判断基準でせざるを得ないということにはなるのかなと思いますけれども。それを全くしないということになると、単に自発的な報告数をまとめるということになってしまいますので。
○倉根委員 我々のほうの解析はもちろん行うにしても、いわゆる老衰という原因を出してくるということを防ぐといいますか、そういうものではなくて、できる限りこういう立場で御報告をしていただきたいというようなことをお願いするといいますか、出すということはできないのだろうかということでございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。
 宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 臨床家の立場でお話しします。これから高齢者の方がワクチンを打ちに接種医のところに行きました。私たちはこれを打つとどうなるのでしょうかと尋ねられたときに、私たち臨床家は、注射を打つと老衰で亡くなる可能性がありますよと言わなければいけないのかどうかということなのです。踏み込んだ言い方をして、どこかで怒られてしまうのかもしれませんが、そういうことが表記されているということになれば、あなたは1日ないし2日ないし3日後に老衰で亡くなる可能性がありますと臨床家は言わなければいけないのかということを疑問として提示したいです。ただ、老衰という言葉が独り歩きするということが怖いので、皆さんで一緒になって議論していただければと思います。このような形で文言が永久に残ってしまうのではなかろうかなと、倉根委員と同じように憂いているということでございます。
○岡座長 今日ここでまとめるのは非常に難しいと思うのですけれども、これから高齢者接種が恐らく飛躍的に増えていくという直前の段階かなと思いますが、大事な御議論で、ここで一度、また事務局でも検討していただいてということにはなります。ただ、2つの方向性があったかと思います。一つは、例えば高齢者の方について、数日以内については情報をともかく収集してほしいという御意見。もう一方で、なかなかそれをやっていくのも難しいし、また、これから高齢者の方が非常に増えていく中で、老衰といったものを前面に出していくというのも難しいだろうという御意見。
 その2つの方向性の中でどういった形がいいのか、結論は難しいかなと思いますけれども、ただ、この報告制度自体は因果関係が疑われるものについて、重篤なもの、特に死亡したり、後遺症があるものについて報告してくださいという主治医の判断というところに任せるという基本的な制度ではございますので、その基準の中で判断していただくというふうにしか言いようがなかなかないのかなとは思います。
 恐らく事務局のほうもそれ以上は踏み込んで言えないと思いますけれども、これについては引き続き議論させていただくという形でよろしいでしょうか。今日、いろいろな委員の先生方の御意見を伺うことができましたので、その中で、これから実際に報告が増えていく中でどう整理していったらいいのか、事務局はどこまで対応できるのかという技術的な問題もございます。事前にここで自発的な報告制度を変えるというのもちょっと難しいかなと思いますので、今後作業を続ける中で引き続き考えていくということで、そういった形でよろしいでしょうか。事務局のほうでもまた御検討いただければと思います。
 どうぞ。
○事務局 先ほど御指摘いただきましたが、これもアナフィラキシーのときも同じようなことがありまして、医療機関報告ではとても対応できなくて、今回から企業報告にしたのですけれども、今の資料1-3のように個別一個一個のものを我々のほうで全部手打ちしているのですけれども、それがいつまで続くのかという問題も本気で考えなければいけないなと思っています。
 今日の御指摘を踏まえて、例えば報告医の先生が因果関係ありと報告しているのは、今回部会に出したものの中で今まで1例ほどあったのですけれども、例えば、そういったものにフォーカスを当てるとか、それ以外は一覧表のみにするようなことを考えていかないと行けない時期に来ていると思っています。これからは数も増えてきているので、個別で一つ一つ見ても何が分かるのかということになってくると思いますので、全体を見られるようなフォーマットとかそういったものを少し考えて、次回までにできるかどうかはあまり自信がないのですが、何らかは我々としては考えていきたいと思います。
○岡座長 では、佐藤委員、最後にどうぞ。
○佐藤委員 やはり年齢というのがとても大きな要素だなと思っていて、しばらく高齢者の方がすごくたくさん打たれるということで、非常に偏りのある母集団のデータだということを踏まえないといけないなというのはすごく感じていて、それを一般化できるのかという問題があるかと思うのです。だから、やはり高齢者の方という場合のときとそうではない方ということはきちんと分けて見えるようにしておかないといけないと思いました。だんだんまんべんなく若い方が増えてくるときに、別のリスクを見落とさないように、そこがちゃんと見られるようになっていないといけないなと思うのです。今のうちからデータの整理ができるようになっているといいなと思いました。
○岡座長 ありがとうございます。
○事務局 先ほど御説明申し上げたとおり、今回は死亡例の話をしていますが、死亡例についてもできる限り評価するような努力をしたいと思います。そこには年齢の項目を入れていて、ソートできる、もしくはぱっと見て分かるようなことも考えていきたいと思います。
 それから、今、死亡の議論をしていますけれども、それ以外の疾患についても、今は疾患ごとの年齢分布をアナフィラキシーはやっております。それ以外はやっていないのですけれども、何か特に気になるものがあれば、それは集計することが可能ですので、そういった御議論もぜひお願いしていければなと思います。
○岡座長 ありがとうございます。
 そして、今の佐藤委員の御意見とも関係しますけれども、最初に若年、20代から60代の間の死亡についての疫学的な御質問がございましたけれども、そこについてより情報を収集していただくことは非常に大事になってくるかなと思いますので、今の御意見でもありましたように、そういったものを分けて考えていくべきだと。その辺りは引き続き事務局でもお願いしたいと思います。
 それでは、特段の意見がなければ次に進めさせていただきます。これから非常に多数の高齢者が接種するという前の段階で非常に大事な御議論をいただいて、ありがとうございました。
 続きまして、アナフィラキシーのほうに移らせていただこうと思いますけれども、ワクチン接種後のアナフィラキシーが報告された事例に関して御質問、御意見はございますでしょうか。いかがでしょうか。
 大きな傾向の違いはないと。ただ、今回から製造販売業者からのデータを参考にしたということになりますけれども、アナフィラキシーに関してはよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 そうしましたら、そのほかの副反応疑いについてはいかがでしょうか。表の中で細かい診断がいっぱい書いた表を先生方にお配りしておりますけれども、何か気になるところは。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 先ほど事務局のほうでも言われていたのですけれども、この表を全部読み込むのは相当大変なので、例えば多い順に書いていただくとか、何か工夫をもう少ししていただきたいと思います。
 もう一つ伺いたいのですが、4月1日のNew England Journalに出ていた論文で、モデルナのワクチンでDelayed Large Local Reactionsという副反応が一定数出ているということが書かれていたのですけれども、mRNAでワクチンです。ファイザーの場合には同じような事例は起きているのですか。これは、接種後大体1週間ぐらいから始まって1か月ぐらい続くというDelayed hypersensitivityだということで、ある程度の数が出ているのが記載されています。あまりファイザーのワクチンでそういう話を聞いたことがないのですけれども、同じmRNAワクチンなのであるのかなと思ってお聞きする次第です。それをこの資料から探し出すのはすごく大変だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○岡座長 事務局、いかがでしょうか。特にそういう報告は確認されていないという形ですか。お願いします。
○医薬品安全対策第二部長 国内の報告というわけではなくて、全世界でのコミナティの報告で、かつ接種後4~8日で報告されている局所反応という定義でカウントした場合に複数報告されているというところまでは確認できています。
○濱田委員 ファイザーのコミナティでも確認されているということですか。
○医薬品安全対策第二部長 ご指摘のとおりです。
○濱田委員 ただ、このNew England Journalに書かれている副反応は1週間以降なのですね。では、この副作用報告ですとそれは把握できていないということになってしまうのですか。
○医薬品安全対策第二部長 New England Journalで提示されているような8日目以降という話であれば、今のところ確認できていません。
○濱田委員 分かりました。どうもありがとうございます。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。
 森尾委員、お願いします。
○森尾委員 作業量を増やしたいという気持ちは全くないのですけれども、製販業者からの副反応疑いだとロット番号がしっかりと記載されています。これから恐らくかなりの数が打たれていくと、ロットでどう違ってくるかというところも見ていかなければいけないと思うのです。これはざっくりと集計して、これから示せるようなことができたらもしかしたらいいのかなと。PMDAがやられることなのかもしれないのですけれども、そこら辺の視点も必要かなと思いました。
 以上です。
○事務局 1点事務局から補足させていただきますと、例えば今回の資料1-1-1の20ページをご覧いただければと思います。ロット別の解析も行っておりまして、今回ここで集計しているものは、ロット別について副反応疑いの報告件数と重篤なものと死亡とアナフィラキシーとを見ております。どういった事象を見ていくのかというのはあるかと思いますが、現状では副反応報告件数と重篤、死亡、アナフィラキシーについてはロットごとに解析しておりまして、上から順番にロットの出荷が早いものから並べておりますので、上のほうから実際の接種率は高くて、下のほうにいけばいくほど供給と実質接種数の差があるかとは思いますが、例えば死亡の内訳などを見ていくと、今のところロット間によって大きな差があるという状況ではないかなと思います。
○森尾委員 ありがとうございました。解析していただいているということで確認いたしました。もうちょっと詳しいところはなかなか難しいと思うのですけれども、うまくシグナルを拾えればいいなと思いました。
 以上です。ありがとうございます。
○岡座長 そのほか、ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、これまで議論いただいた内容をまとめていきたいと思います。御確認いただければと思いますけれども、まず副反応疑い報告の状況ですが、期間中の副反応疑い報告の頻度は、医療機関からの報告に基づけば0.15%であり、前回の合同部会時の0.16%から大きな変化はないということでおまとめしました。
 そして、死亡事例につきましては、死亡事例の報告状況を整理すると、前回の合同部会から、集計対象期間である5月2日までに新たに9件の接種後死亡事例の報告があった。この9件については、いずれも現時点では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できないと考えられる。
 現時点で得られた情報から因果関係は評価できないが、偶発事象の可能性もあり、ワクチンとの直接的な関連性を示す事実はない。また、ワクチン接種によるメリットはリスクを上回ることから、ワクチン接種に対する考え方を変える状況にはなく、現時点でワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられる。
 また、3日から7日までにはさらに11件の報告があった。今後さらに高齢者の接種が進むにつれ、新型コロナワクチンに対する社会的な関心の高さもあり、偶発的な事例や他原因による事例も含めて、死亡報告が多く報告されることが想定される。
 報告された事例について、専門委員による評価を進めるとともに、これも踏まえ、偶発的な事例や他原因による事例か、接種との因果関係のある事例かについて、症例に関する情報収集、諸外国も含めた症例の集積、その他の科学的知見等を基に、引き続き当審議会で評価を行い、状況を注視しつつ、可能な限りの情報発信を行っていくことが重要であるとまとめさせていただきました。
 ただ、今日の時点で非常に重要な御議論があったかと思います。特に、実際にこれから数が非常に増えてくるという中で、どういうふうに取扱いをしていったらよいかということについては引き続き皆様と検討したいと思いますけれども、非常に困難な作業でもあるかなと思っております。また、情報の発信の仕方も含めてこの部会で検討していく必要があるかと考えております。
 アナフィラキシーにつきましては、アナフィラキシーの報告状況を整理しますと、接種開始から5月2日まで、医療機関から805件、製造販売業者から664件の報告がありました。
 製造販売業者からの報告に基づくブライトン分類評価については、評価中の事例が含まれるため、参考値とはなりますけれども、レベル1~3に分類されたものは107件でした。
 透明性をもって公表するため、報告件数はそのまま公表する一方、正確な評価も必要であり、引き続き国際的な基準に基づく評価が行われていると考えています。
 海外との比較においては、被接種対象者の違い、報告制度の違い等、複数の理由から単純な比較が難しい状況にあると考えられます。
 アナフィラキシーとして報告された例は、結果として別疾患で亡くなった高齢の一例、これは血栓症の診断が後で判明した方ですけれども、それ以外は引き続き多くの症例で軽快したことが確認されております。
 以上のことから、アナフィラキシーとして報告された事例について、発生動向に大きな変化はなく、かつ適切な治療が行われ多くの症例で軽快していることから、引き続き現時点でのワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないという評価でよいのではないかと考えております。
 接種後には、一定の頻度でアナフィラキシーが生ずることを前提とした上で、引き続きこれまでの対策を継続するとともに、国内外の報告を注視していくという形でまとめさせていただきましたけれども、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、このような形でまとめさせていただきました。
 そして、以上、今回報告のあった具体的な事例を踏まえて、新型コロナワクチンについて現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについて御意見はございますでしょうか。
 よろしければ、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において特に重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 そのほか、全体を通じて何か御質問、御意見等ございませんでしょうか。今日は特に高齢者のことについて非常にいろいろ御意見を頂戴できたかなと思っておりますけれども、よろしいでしょうか。
 それでは、以上で本日の議事としたいと思います。
 そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は、長時間にわたり、活発に御議論いただきましてありがとうございました。
 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○岡座長 それでは、本日の会議はこれで終了といたします。活発な御議論をいただいてありがとうございました。