薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和3年度第1回安全技術調査会議事録

日時

令和3年4月27日(火)15:00~17:00

開催形式

Web会議

出席者

 

出席委員:(10名)五十音順、敬称略



欠席委員:敬称略
 
  • 脇田 隆字



国立感染症研究所:敬称略
 
  • 水上 拓郎



日本赤十字社:敬称略
     
  • 皆川 信也
  • 荒川 祥吾
  • 後藤 直子
  • 佐竹 正博
   


事務局:
 
  • 中谷 祐貴子  (血液対策課長)
  • 佐野 圭吾     (血液対策課長補佐)
  • 村岡 正之   (血液対策課長補佐)

 

議題

  1. 1.座長代理の指名について
  2. 2.新型コロナウイルス感染症に係る対応について
  3. 3.その他

配布資料

資料ページをご参照ください。

議事

 
 
○佐野血液対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、血液事業部会令和3年度第1回安全技術調査会のWeb会議を開催いたします。
本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
本日は、大変お忙しい中、御参集いただき誠にありがとうございます。
このたび、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、Webでの審議とさせていただきます。
まず始めに、薬事・食品衛生審議会血液事業部会委員等の改選があり、安全技術調査会委員につきましても改めて座長より委員の指名がありましたので、お手元の委員名簿に沿って御紹介申し上げます。
朝比奈靖浩委員。
天野景裕委員。
荒戸照世委員。
内田恵理子委員。
大隈和委員。
岡崎仁委員。
岡田義昭委員。
熊川みどり委員。
長村登紀子委員。
濵口功委員。
脇田隆字委員。
なお、本日のWeb会議における委員の出席についてですが、脇田委員より御欠席との御連絡をいただいております。また、荒戸委員より途中参加される予定である旨の連絡を受けております。現時点で安全技術調査会委員11名中、9名の出席をいただいていることを報告いたします。
また、これまで委員でいらっしゃった白阪琢磨委員におかれましては、今年1月に行われた委員の改選に伴い退任されたことを併せて御報告申し上げます。
本日は参考人として、国立感染症研究所血液・安全性研究部第一室、水上拓郎室長に御出席いただいております。
また、日本赤十字社血液事業本部より、皆川信也経営企画部次長。
荒川祥吾経営企画部参事。
後藤直子技術部安全管理課長。
佐竹正博中央血液研究所所長に御出席いただいております。
続きまして、委員の皆様に御留意いただきたい事項につきまして2点御説明いたします。
まず第1に、守秘義務の関係です。国家公務員法第100条において、職員は職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とすると規定されております。委員の皆様は、非常勤の国家公務員としてこの規定の適用を受けますので、職務上知り得た秘密について漏らすことのないようお願い申し上げます。
第2に、薬事に関する企業等との関係です。薬事分科会規程第11条において、委員、臨時委員または専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員または当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には辞任しなければならないと規定されております。審議の忠実性・公平性を確保する観点から規定されておりますので、これらに該当する場合、または任期中に該当することになった場合は、速やかに事務局に御連絡いただくようお願い申し上げます。
なお、ただいま御説明した薬事分科会規程第11条につきまして、全ての委員の皆様より適合している旨を御申告いただいておりますので報告させていただきます。
また、薬事分科会審議参加規程に基づいて各委員の利益相反の確認を行いましたところ、岡崎委員、岡田委員から関連企業より一定額の寄附金・契約金などの受取の報告をいただきましたので御報告いたします。以上の委員におかれましては、議題2に関しましては意見を述べていただくことは可能ですが、議決には加わらないこととさせていただきます。他の委員につきましては、対象年度における寄附金・契約金等の受取実績なし、または50万円以下の受け取りであることから、特段の措置はございません。これらの申告についてはホームページで公開させていただきます。
委員の皆様には、会議開催の都度、書面を提出いただいており御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解・御協力を賜りますよう、何とぞお願い申し上げます。
また、本日のWeb会議に際し、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、説明者においてマスクを着用したまま説明させていただく場合がございますので、御了承いただければと思います。
なお、事務局の異動がありましたので御報告いたします。私、血液対策課課長補佐の佐野が中村の後任として着任しておりますので、どうぞ引き続き宜しくお願いいたします。
間もなく議事に入りますので、カメラ撮影はここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行を濵口座長にお願いいたします。
○濵口座長 皆さん、こんにちは。今日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
ただいま委員の御紹介がありましたけれども、今回から天野先生に会議に加わっていただいておりますので、天野先生、よろしければ一言御挨拶いただけませんでしょうか。
○天野委員 東京医大の天野といいます。若輩者ですけれども、宜しくお願いいたします。
○濵口座長 宜しくお願いいたします。
ただいま佐野先生から御説明がありましたけれども、この件につきまして委員の先生方から何か御意見等ございますか。よろしいですか。
それでは、議事に入ります。
議題1「座長代理の指名について」です。安全技術調査会の設置要綱第4条第3項に基づき、私が座長代理を指名することとされております。座長代理は岡田委員にお願いしたいと思います。岡田先生、よろしいでしょうか。
○岡田委員 お引き受けさせていただきます。
○濵口座長 では、宜しくお願いいたします。
それでは、議事を始めます。議題2「新型コロナウイルス感染症に係る対応について」です。まず、資料1の(1)新型コロナワクチン接種者の採血制限について、事務局より御説明をお願いいたします。
○佐野血液対策課長補佐 それでは事務局より、資料1の(1)新型コロナワクチン接種者の採血制限について御説明させていただきます。なお、委員の先生方に1点おわびと御報告がございます。お配りしております参考資料1-2についてですが、ホームページ上の公開版に差し替えがございました。差し替わった内容といたしましては、冒頭の「(案)」が取れたのみで内容は変わりません。御了承いただけますと幸いです。
まずは、資料1の1ページの(1)より下の部分を御覧ください。本年2月8日から12日に持ち回り開催されました前回の安全技術調査会では、新型コロナウイルスワクチンの接種が開始されることに鑑み、厚生労働科学研究班(安全な血液製剤の安定供給に資する適切な採血事業体制の構築に関する研究)、以下「浜口班」と略しますが、当該研究班において取りまとめられた知見を参考に、全ての種類の新型コロナワクチンについて、採血制限及び副反応の発生状況等を踏まえ、献血者の安全確保の観点から、当面の間接種後4週間とする意見をまとめ、引き続き知見を収集し改めて議論するべきという結論になっておりました。
今般、国内におけるワクチン接種が進んだことから、4月7日及び19日に開催されました浜口班の会議において、再度知見の整理を行いましたところ、以下1のとおりでありました。現在、本邦で接種が行われているコロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン以下、「mRNAワクチン」と略しますが、mRNAワクチンにつきましては、血液製剤の安全性という観点からは不活化ワクチンと同様の整理を行うことが可能と考えられるものの、次に述べます3点を踏まえますと、献血者の安全確保の観点から、少なくとも副反応が多く認められる接種後48時間は採血を見合わせることが適切であるとの意見が多かったという結果になっております。
その理由の3点についてですが、まず1つ目、参考資料1-1の5ページを参考に御覧いただけますと幸いです。ワクチン投与開始初期の重点的調査(コホート調査)において、2回接種後の37.5度以上の発熱4割、頭痛5割、全身倦怠感7割を認めたとの報告がなされていること。次に2つ目、参考資料1-1、6ページを参考に御覧いただけますと幸いです。mRNAワクチンの副反応の多くは接種後2日までに認められており、接種後1日以降に発現する症例も認められていること。最後に3つ目、mRNAワクチンは、本邦において承認されているいずれのワクチンとも異なる新しい種類のワクチンであることとなっております。
しかしながら一方で、ワクチン接種後の採血制限の期間については、血液製剤の安全性に着目して考えるべきであり、令和2年8月27日付け薬生発0827第7号に基づく考え方を踏まえ、他の不活化ワクチンと同様に接種後24時間とすべきとの意見もございました。
次に2を御覧ください。現段階において日本赤十字社において取り組んでいる献血者の安全確保の方策についてまとめております。採血事業者においては、献血者の安全確保の観点から、問診等においてワクチン接種後の副反応を含む体調の確認を徹底し、採血当日に副反応が認められる場合には採血は行っておりません。また、不活化ワクチンについては血中に病原体が存在する危険性はないと考えられるものの、献血者の体調を考慮し、接種後24時間の採血制限を設けております。
最後に3を御覧ください。その際には、参考資料1-2の8~11ページを御覧いただけますと幸いです。安定供給のために必要な献血血液の確保について日本赤十字社で推計を行ったところ、ワクチン接種後1週間と採血制限期間を設定した場合には、記載のような献血血液量の減少が予測され、献血確保に大きな影響が懸念されるという結果でした。
以上より、安全技術調査会の見解といたしましては、血液製剤の安全性、献血者の安全確保及び血液製剤の安定供給等を総合的に勘案し、mRNAワクチン接種者の採血制限については、以下の2つの案として提示させていただきたいと思っております。
まず案1、※のような附帯条件をつけた上で接種後48時間とする案。次に案2として、案1と同様の附帯条件をつけた上で接種後24時間とする案。なお、ウイルスベクターワクチン等の今後、接種が開始されると想定される新しいタイプのワクチンにつきましては、引き続き更なる知見の収集を行うとともに、血液製剤の供給状況等を注視した上で、改めて検討すべきと考えております。
事務局からは以上になります。御審議のほど、宜しくお願い申し上げます。
○濵口座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして研究班から追加の解説がございましたら、本日参加の水上参考人からお願いします。特に、48時間という案1で設定した根拠というか、そのあたりが非常に重要なポイントになるかと思いますので、研究班での議論を踏まえて参考資料1-1の伊藤澄信先生らがまとめられたデータ等につきまして、何か追加のコメントございますか。
○水上参考人 特に今御説明いただいたところで補足する必要性はないかと思いますけれども、参考資料1-1の5ページを見ていただくと分かるとおり、こちらはH1N1インフルエンザワクチンということで、国内で接種された全粒子型のインフルエンザワクチンとの比較になりますが、2回目接種で発熱、疼痛、頭痛、倦怠感が明らかに多くなっていることが分かります。
次のスライドに、接種後の何日目で大体症状が出ているかがあると思いますけれども、特に発熱のところを見ていただきますと、接種日、Day2、Day3で多くの方が発熱されていることが分かります。
また、接種部位の反応、全身反応に関しましても、接種日、Day2、Day3で上がってきているところがあります。ただ、多くのものはDay2までがかなりピークに来ていることが分かっております。
また、9ページに、副反応発生の中で今若干問題になっているアナフィラキシーに関しましてもまとめておりますが、おおよそ接種日同日に発生していて、1~5日の間で転帰していることになっております。
こういったものを参考に、最終的にこのような案を出させていただいております。
以上です。
○濵口座長 ありがとうございました。
私の方から少し追加しますと、この副反応の症状が出てきた時間を細かく見ていきますと、接種日と次の日までに症状が出ています。その後になって症状が出るという方はほとんど少なくなっているような状況と考えられます。接種の次の次の日に新たな症状が出てくる方は、それほど多くないのではないかというのが、この棒グラフから読み取れるということになります。
したがいまして、案1につきましては接種して48時間後ということですので、朝接種すると次の次の日の午後からは献血ができるという形でも、日赤で問診等の対策をやっていただくことによって、体調不良の方は控えていただくような対策は十分に取れるのではなかろうかと考えて案1を出したということです。
また、案2につきましては、これまでの不活化ワクチンに設定されているものと合わせるというのが分かりやすいということもありまして、一応24時間を出してきているところです。
こういった状況を踏まえて、今日は委員の先生方に御議論いただければと思います。
まず、日本赤十字社より、これに関して追加の御意見がございましたら、お願いします。
○日本赤十字社佐竹中央血液研究所所長 日赤の佐竹でございます。(通信不良)
○濵口座長 日本赤十字社から、他にコメントがございましたらお願いします。どなたでも結構です。
では、日本赤十字社からのコメントは後でまたいただくことにして、ただいまの御説明に関しまして、何か委員の先生方からコメント等いただけましたら、お願いいたします。
長村先生、お願いします。
○長村委員 案1の方が妥当かなと思います。これは48時間ということなので、3日目からオーケーという理解でよろしいでしょうか。2~3日目が副作用のピークだという割には、3日目が入っているなというところはちょっと危惧するところですけれども、実際に2回目を打たれた先生は結構発熱している人が多いので、医療関係者だから余計違うのかなと思いながら聞いていましたが、24というのはちょっとあり得ないかなと。色々な反応が起こっているところで採血しても良いものかと。色々なサイトカイン等が出ているのではないかという気がしましたので、少なくとも3日目からということで支持したいと思います。
○濵口座長 ありがとうございました。
他の先生方いかがでしょうか。どなたでも結構です。大隈先生、お願いします。
○大隈委員 私も案1、案2を比べまして、やはり案1の方が良いかと考えております。先程の御説明にもありましたけれども、副作用が24時間たったところでもある程度残っていることがございますので、その中で献血者の安全性を守るという観点からしても、より案1の方が良いのではないかと考えます。
また、下に条件がついておりまして、副反応が認められた場合は症状の消失まで接種を見合わせるとなっておりますが、この点重要かなと思いますので、その点をしっかり守った上で採血されるのが良いかなと考えます。
以上です。
○濵口座長 ありがとうございました。確かに先生御指摘のように、※のところが非常に重要なポイントかなと思います。
他いかがでしょうか。朝比奈先生、お願いします。
○朝比奈委員 私も同じ意見でございます。副反応は結構長引く方も中には、4日とかいらっしゃるようですので、※の点を日赤の問診できちんと聞いていただいて、安全性を担保していただくことが大事かなと思います。
以上です。
○濵口座長 ありがとうございました。
他いかがでしょうか。熊川先生、お願いします。
○熊川委員 私も、最終的には案1を支持いたします。実は、会議に入る当初は案2でも良いのではないかと思いました。なぜなら、具合が悪い方は献血にそもそも来られないのではないかということも考えていたのですが、血小板のドナーさんは、登録して頻回に献血してくださる方は、場合によっては日赤からの要請を受けて献血に来られることもあると聞いておりますので、そういう要請を受けて場合によっては体調が気になりながら患者さんのことを考えて献血される方もいらっしゃるかもしれないことを考えますと、他の先生もおっしゃっているように、ドナーさんの安全性という意味では、案1の48時間は制限の時間を設ける方が望ましいと会議に入ってから意見が変わりましたので、そのことを申し上げます。
以上です。
○濵口座長 ありがとうございました。
他にいかがでしょうか。岡崎先生、お願いします。
○岡崎委員 この※は大事だと思うのですけれども、日赤の問診時にワクチンを打ったかどうかを聞くという項目を追加する必要があるのではないかと思います。そこはちゃんと対応できているのでしょうか。
○濵口座長 日本赤十字社からコメントをいただければと思います。
○日本赤十字社佐竹中央血液研究所所長 日赤の佐竹です。(通信不良)問診しておりますので、そこで(通信不良)ワクチンの接種状況は分かりますし、体調につきましても24時間後でやっても我々の方で十分ドナー(通信不良)体調を確認して、安全が保たれるのではないかと我々は考えております。
○濵口座長 岡崎先生、追加で何かございますか。
○岡崎委員 ありがとうございます。大丈夫です。
○濵口座長 ありがとうございました。
他はいかがですか。岡田先生、お願いします。
○岡田委員 私も当初は48時間と考えていたのですけれども、献血の現場の利便性を考えると、例えば、時間よりも何日とした方が良いのかなと思います。どうなのでしょうか。接種日を入れないで2日目からとすると、例えば、46時間後に来た方はできなくて、48時間後に来た方は可能というと現場で時間の確認をする必要があるので、かえって何日目とした方が採血の現場としては混乱がないのかなと思います。
○濵口座長 ありがとうございます。
日赤から何か御意見ございますか。
○日本赤十字社 (通信不良)
○佐野血液対策課長補佐 日本赤十字社からチャットでメッセージが来ておりますので、事務局から代読します。
「日本赤十字社としては、24時間後であっても問診にて体調を確認することで、献血者の安全を確保することができると考えています」とのコメントです。
○濵口座長 佐竹先生、時間についてのコメントがもしありましたら。時間にするのか、何日目とするのか、そのあたりはいかがでしょうか。
○日本赤十字社佐竹中央血液研究所所長 24時間。(通信不良)
すみません、聞こえなかったかもしれませんが、24時間という形の運用がやりやすいかと考えております。
○濵口座長 了解しました。時間であっても、日にちであっても、そこはきちんと対応できるというコメントかなと思います。
他に委員の先生方いかがでしょうか。内田先生、お願いします。
○内田委員 現在の24時間というのは、投与からきっかり24時間後なのかどうか、次の日であれば良いという形ではなくて、日赤では24時間ということで管理されているということでしょうか。その点確認したかったのですが。
○濵口座長 日本赤十字社、いかがでしょうか。たしか不活化ワクチンの場合に24時間という設定があったと思うのですけれども、そこはどういう形で運用されているのでしょうか。
○日本赤十字社佐竹中央血液研究所所長 日赤の佐竹です。24時間ぴったりの方が運用しやすいと考えております。
○濵口座長 ありがとうございます。内田先生、よろしいでしょうか。
○内田委員 分かりました。献血に行かれる方は基本的に体調が悪ければ行かないと思いますので、その点からは私は24時間でも48時間でも良いと考えております。日赤がやりやすい形ということでは24時間もあると思いますけれども、もちろん、その後で副反応が現れてくることもあると思いますけれども、そのあたりはどうでしょうか。
○濵口座長 ありがとうございます。その点については研究班の中でも少し議論をいたしました。結局、接種して何日目になって新たな症状が出てくるのかということになるかと思うのですけれども、献血に行ったときには体調は悪くなかったのだけれども、その後にワクチンの関係で体調が悪くなるといった可能性があるかを一応検討いたしました。先程グラフで説明があったかと思いますが、接種日と次の日での特に倦怠感の発生状況を見たときに、次の日に発生する頻度とグレードは用心しておいた方が良いのではなかろうかという意見がありまして、48時間を案として挙げたところです。研究班の見解です。
○内田委員 分かりました。
○濵口座長 他にいかがでしょうか。中谷課長、お願いします。
○中谷血液対策課長 血液対策課長の中谷です。本日、参考資料1-5として、現在の献血の際の問診及び健康診断についての通知をお付けしておりますが、現在、献血の際にこちらの通知の中に示しておりますような年齢、性別、献血管轄、妊娠等々、病歴等々ももちろんですし、ワクチンの接種状況や感染症の既往の状況等々確認しております。参考資料1-5の4ページの下の部分に「第2 採血が健康上有害であると認められる者の基準」をお示しさせていただいておりまして、この中では5ページにございますが、(1)有熱者 37.5℃以上の発熱がある者、(2)その他健康状態が不良であると見られる者ということで血圧等々をお示ししておりますが、こういった項目を全て確認の上で、献血の適応を判断した上で献血を行うということを血液法上の通知によって行っているということです。さらに、日赤さんの方で独自に確認していただく部分もあると伺っておりますが、かなり厳格に運用していただいているものと血対課としては認識しておりますので、御紹介させていただきました。
以上です。
○濵口座長 ありがとうございました。
他の委員の方いかがでしょうか。御意見まだの方、お願いいたします。
○日本赤十字社経営企画部荒川参事 日本赤十字社の荒川でございます。日赤側の音声、色々乱れていて大変申し訳ございませんでした。色々発言するタイミングでできなくて申し訳ございませんでした。
今までの議論の中で、我々として24時間というお話をさせていただいておりましたけれども、こちらに関しては、今まで副反応の議論でそういった症状が出ている方は献血現場でお断りするという御議論だったかとは思うのですけれども、一方で、48時間なり24時間で設定してしまいますと、実際に副反応が出ていらっしゃらない方、健康な方も全てその基準で献血をお断りすることになります。今日、参考資料1-5でシミュレーション、献血者への影響も出させていただいておりますけれども、今後ワクチン接種が短い期間で進められる場合には、実際は献血ができる状態の方も全てその基準でお断りをしなければいけないというところに少し懸念がございまして、もちろん献血者の安全性も当然考慮しなければいけませんけれども、可能な限り短い時間を設定いただきたいと。ウイルスベクターのお話は多分将来的には出てくると思いますけれども、そのときも同様な形が考えられますので、そこで日赤としては今現在のインフルエンザワクチンと同様の24時間を案として書いていただいているところになります。
以上です。
○濵口座長 ありがとうございました。
他にいかがでしょうか。一度、御意見を頂いた方でも結構ですけれども、ここは重要なところですので、色々な議論が出てきましたけれども、何か追加の御発言がありましたら受け付けたいと思いますが、いかがですか。
天野先生、お願いします。
○天野委員 日赤がしてくれている献血の24時間のシミュレーションが出ていますけれども、48時間になるとそんなに大きく変わるのでしょうか。24時間というと例えば、私は昨日の午前11時に実際に2回目を打っているのですけれども、今がちょうど24時間超えたくらいですが、このぐらいから熱が出てきますよという人の話はよく聞くんですよね。なので、その辺で採ってから熱が出てしまいましたという人が結構このデータからしてもいる可能性があると思うので、48時間ぐらいの方が無難なのではないかと思っているのですが、24時間が48時間になることでそんなにグンと下がりますか。
○濵口座長 ありがとうございます。もしコメントがございましたら日本赤十字社の方から。先程のシミュレーションのデータの中で、24時間、48時間のデータがもしありましたら、お願いいたします。
○日本赤十字社経営企画部荒川参事 日赤の荒川です。参考資料1-2、私どもからの資料ですけれども、10枚目のスライド「シミュレーション3【接種後24時間以内は献血をお断りする場合】」が24時間での影響になっております。図の右側にありますオレンジ色の部分で赤文字になっています、ふだん献血協力いただいていない方からの本数3.6万本が、一応私どもで試算しています影響になります。これは半年間で接種をしていった場合となりますので、当然これが短くなればなるほど図の谷が深くなっていきますので、そのような形で一応半年間で打つということで検討しています。
これが48時間となった場合の影響は、数字の記載がなくて大変申し訳ないのですけれども、5.4万人から6万人という影響が出ると試算してございます。ですので、6か月を4か月で打つとなると、その差がだんだん広がっていくような形になりますので、影響としては少なくないのかなと見ております。具体的な数字を紙でお示しできていなくて申し訳ありませんが、我々の試算としてはそのような形になっています。
○濵口座長 ありがとうございました。天野先生、何かコメントございますか。
○天野委員 そこを24を48に下げることで全体的な献血の確保が厳しくなるというのが大分懸念されるのであれば、こういったしっかりとした問診の状態を確認した上で、全然問題なさそうですねという人たちが24時間超えたところで採っていただくという条件を広げておいても良いのかなとは思います。ただ、ここにも書いてありますけれども、今後mRNAワクチンであるかどうかが分からなくなってくる時期があったら心配だなとは思っています。今は混在しないので大丈夫ですけれども。
○濵口座長 ありがとうございました。
他はいかがでしょうか。内田先生どうぞ。
○内田委員 先程のシミュレーションの図を見ますと、接種の翌々日から献血可と書かれておりますので、24時間献血不可と言いましても次の日の同時刻から献血できるということではなくて、翌々日からということになると48時間に近い扱いを今でもしていると思われ、そうであれば、それで問題はないような気はします。そこには24時間と書かれていますが、これだと翌々日からと書かれているのですけれども、実際の日赤の扱いはどうなのでしょうか。
○濵口座長 日本赤十字社からお願いします。
○日本赤十字社経営企画部荒川参事 日赤の荒川です。今の御議論の前の私の説明以降、こちらのネットの接続が悪くて聞こえておりませんでした。可能であれば、もう一度御質問、御発言をお願いできればと思います。大変申し訳ございません。
○濵口座長 内田先生、もう一度お願いできますか。
○内田委員 先程御説明のシミュレーション3で、接種後24時間以内は献血をお断りする場合という図を見ているのですけれども、この図を見ますと、24時間献血不可と書かれてはおりますけれども、接種の翌々日から献血可と書かれているんですね。接種した翌日ではなく翌々日からとなっておりまして、現在でもこの取扱いであれば48時間にはならないかもしれないですが、48時間不可に近い扱いをしているのではないでしょうか。
○濵口座長 ちょっと今、混在しているようなので、内田先生の御発言を少し整理しますと、このスライドでいくと翌々日から可という話になった場合には、先生の御意見では48時間とほぼ同じ。
○内田委員 ほぼ同じという扱いで、翌日の24時間経過した後ではなくて、そのさらに次の日からという扱いを現在でもしているのであれば、接種後48時間とほぼ同様となりますので、翌日ではなくて翌々日からということを現在でも行っているのであれば、その扱い(24時間不可)でも(実質48時間近く間があくので)問題はないのではないかと考えるのですが、実際に日赤が作成されている図のとおりに行われているのか、それとも翌日でも24時間経過していれば採血をされているのかという点を確認したいと思ったのですが。
○濵口座長 捉え方の問題かと思いますけれども、日本赤十字社としては、これは24時間きっちり空けたところということでシミュレーションがなされているということで良いのでしょうか。
○日本赤十字社 (通信不良)
○中谷血液対策課長 事務局の血液対策課長の中谷です。この資料をいただいたときの御説明では、今インフルエンザのワクチンが接種後24時間ということになっておりますが、現場の運用では接種の翌々日ということでされていると聞いておりますので、この資料もそのように書かれているということだと思います。48時間後となると、現場の運用はもう一日延びるという形になるので、接種後3日目、1日延びると伺っております。
以上です。
○日本赤十字社経営企画部荒川参事 日赤の荒川です。またこちらのトラブルで申し訳ございません。
中谷課長、ありがとうございました。今、御説明いただいたとおりです。先程来お話しいただいているかもしれませんけれども、我々としては接種後の時間にかかわらず、採血現場では発熱の状況、倦怠感、疱疹の状況等はワクチン接種していようが、していまいが必ず確認して体調を考慮した採血とさせていただいておりますので、そういう意味でいくと先程お話しさせていただきましたとおり、この制限をすることで献血可能な枠が狭まってしまうというよりは、しっかりと問診を行った上で採血を行っていきたいと、今でもそう行っておりますし、そのような形でやることで献血不足が少しでも解消されるのではないかと思っております。
接続が悪くて申し訳ございませんでした。
○濵口座長 ありがとうございます。
私から荒川さんに確認したいのですけれども、疫学データ、伊藤先生から出された棒グラフのデータがありましたけれども、これだとDay2で特に2回目のワクチンを接種した後、全身倦怠感が7割近くの方に出ています。接種日にはそれが2割ぐらい。ということは、時間を置いてからこういう反応が出てくるのではなかろうかということもあって48時間という案をつくったのですけれども、今の荒川さんのお話では、献血に来られたときには症状があるかないかをしっかり見るということですが、その後こういう症状が出てくるかもしれないということも一応想定の上で、日本赤十字社としては24時間の案を推したいということでしょうか。
○日本赤十字社佐竹中央血液研究所所長 日赤の佐竹です。おっしゃられたところが問題になるかと思いますけれども、我々としましては、血液の安全性の問題に関しましては、サイトカインとか色々なことがあり得るかもしれませんが、それは非常にショートアクティングですので、そのとき症状がなければ血液の安全性としては問題ないかと思います。
あと、ドナーの方も我々が問診でそこで特に症状を認めることがなければ、その後症状が出てきた人とどういうふうにドナーに対する影響が違うかということであれば、その前に採血していたことで健康を損なうということは、そうあまり大きいことではないのではないかと考えております。
以上です。
○濵口座長 岡田委員どうぞ。
○岡田委員 これは24時間と48時間の数え方が日赤と我々の委員との間で違うだけで、実質48時間に変わりはないのではないでしょうか。もちろん、問診のときに全身の副反応の有無を聞いて採血するということで、日本赤十字社の提案と我々の考えている案は実は同じではないかと思います。
以上です。
○濵口座長 ありがとうございます。岡田先生、今いただいた意見で研究班の中で話したのは、例えば、今朝10時にワクチンを接種された方は、そこから24時間ですので明日は駄目で、あさっての10時以降からは献血できるというニュアンスの48時間ということですけれども、そこは日本赤十字社との見解は違うと先生はお感じになっているということでしょうか。
○岡田委員 ほんの数時間の違いしかないと思います。だから、大筋においては日本赤十字社と48時間というのは、あまり差がないと思います。
以上です。
○濵口座長 ありがとうございました。
他はいかがでしょうか。長村委員どうぞ。
○長村委員 これは新しいワクチンでmRNAワクチンということで、本邦で初だということで、今までのインフルエンザや不活化ワクチンよりも副作用が明らかにはっきり出るということが根底にあって、日赤の先生方もどのくらいワクチンを打っておられるか分かりませんけれども、この研究班がやられたデータはきちんと評価されるべきだと思います。その上で、2~3日がピークだということではっきりと記載されていますし、この棒グラフもそのようにあります。海外のデータを見ても24時間は難しいというか、やはり慎重になるべきではないかと私は思います。この研究班の発表、また今度新しく色々出てくるとは思いますけれども、コロナの有識者会議、政府ではないですが、どっちを取るのだというきちんとしたデータの基に対応された方が良いと思います。
以上です。
○濵口座長 ありがとうございます。長村先生、すみません、最後のコメントのところは。
○長村委員 48時間ということです。結局、翌日に採ってから熱が出たというと1人ドナーを失ってしまうので、その方がよくないのではないかと思います。それなりにしんどい方も結構いらっしゃいます。アセトアミノフェンを割と飲んでしまうのですが。
○濵口座長 ありがとうございました。
他はいかがでしょうか。大隈先生、お願いします。
○大隈委員 ちょっと確認させていただきたいのですけれども、ある程度ワクチン接種後の時間を決めて、その後献血をするということですけれども、その場合、どちらの時間にしたとしても採血後に副反応が出ることもあるかなと思うんです。その場合、採血後に症状がもし出て、日赤の方にコールバックされた場合は、この血液の取扱いはどうなるのでしょうか。
○濵口座長 日本赤十字社からコメントをいただければと思います。
○日本赤十字社佐竹中央血液研究所所長 日赤の佐竹です。我々の方では、もちろん色々な状況のコールバックがありますけれども、この場合は、その血液にもともと病原体などが入っていることではございませんので、ドナーの方の体調の変化がそのまま血液の安全性に関わる事項ではないかと思いますので、お話はお受けしますけれども、それで遡及が発生するとかそういうことは、我々は現在のところ考えておりません。
以上です。
○濵口座長 ありがとうございます。大隈先生、よろしいでしょうか。
○大隈委員 では、どちらにしても血液は使われる方向ということですね。承知しました。
○濵口座長 他はいかがでしょうか。
あと、本日、荒戸委員が4時以降に御参加の予定なのですけれども、4時ぴったりに入られるかどうか分かりませんので、一応皆さんからの意見を伺ってまとめたいと思います。
案1と案2と2つあって、案1の場合には、疫学の研究班が出してきたデータを一応検討した上で、ドナーの方の安全性も一応考慮した上でということで48時間という案だったかなと思います。
今、荒戸先生が入られたので、荒戸先生、入られてすぐで申し訳ございません。今は議題2の一番初めの議題で、ワクチン接種後の献血制限の時間を24時間という案2と、48時間という案1について研究班からの説明、一応皆さんからの御議論、日本赤十字社からの血液供給の観点からの議論があったのですが、先生の方で資料を見られて、もし何か御意見があれば賜りたいのですけれども、いかがでしょうか。
○荒戸委員 まだ入ったばかりなので申し訳ありません。また後でお願いいたします。
○濵口座長 荒戸先生からの意見は後ほど聞かせていただきますけれども、一応ここまで皆さんの御意見を伺ったところでは、私の印象では案1を推す方のほうが多かったかなと思います。案1も日本赤十字社の考えられている献血期間も、そう大きな差はないのではなかろうかということも大体見えてまいりましたけれども、一応、日本のワクチン接種後のデータ等を尊重する形で考えますと、案1で安全技術調査会としては推したいと思いますが、いかがでしょうか。
天野委員どうぞ。
○天野委員 48時間できっちりというので私も良いのですけれども、最初にどなたかが24時間なのか、それとも最初の接種日を例えばゼロと考えて2日目から行くのか、どういう運用なのかとお伺いしたときに、きっちり24時間とか48時間でやっていますというお答えを日赤からいただいていると思うのですけれども、でも結局、実際に運用しているのは、例えば接種した日がゼロだったらば、24時間以降というのは0、1、2の2日目から採血・貯血をしますという概念でしたよね。とすると、48時間を採用してしまうと結局0、1、2、3の3日目から採るという形に実際の運用はなると思うのですけれども、日赤はそれで大丈夫なのでしょうか。
○濵口座長 日本赤十字社からコメントがございましたら、お願いします。
○日本赤十字社佐竹中央血液研究所所長 日赤の佐竹です。今のところよく分からないのですが、48時間といった場合には、実際にワクチンを打ったときから正確に24時間掛ける2のポイントからです。24時間といった場合には、例えば、今日の午後4時に打った場合には、明日の午後4時以降ということになりますので、単純にそのように計算するように運用しております。
○天野委員 実際に本当にそうだったら良いのですけれども、先程のお話だと、24時間としても翌々日から実際に運用していますという現場のお答えだったと思うのですが。
○日本赤十字社佐竹中央血液研究所所長 すみません、そこは我々のミスアンダースタンディングだったかもしれませんが、そこは違うかと思います。実際に、先程申しましたように、ぴったり24時間、ぴったり48時間というように運用しております。
○濵口座長 天野先生、今そういったことで一応、時間で切ったとしてもぴったりそこで合わせることは可能であるという日赤からのコメントでしたが。
○天野委員 日赤はそういう考え方なのですね。では、先程のどなたかの先生がおっしゃっていた日赤資料の10ページの24時間献血不可にした場合にも、翌々日からではなくて翌日の24時間超えたところからという概念のシミュレーションに本当はすべきということですよね。
○日本赤十字社経営企画部荒川参事 日本赤十字社の荒川です。誤解を招くような表現で大変申し訳ございませんでした。
この24時間献血不可の10ページの資料ですけれども、表現が確かにおっしゃるとおり翌々日となっているのが分かりにくいところかと思いますが、我々はこのデータを出すときに、過去の採血データというのは時間で全部取れないものですから、便宜的にこのシミュレーションするに当たってのデータは、翌日の分は含まずに計算させていただいているところがこの表現になってしまっております。現場の運用上は、先程来申し上げていますとおり接種後24時間ですので、今日10時に打った方は翌日の10時以降であれば採血することが可能にはなっております。ただ、過去のデータ上、10時に採血されたのか、11時に採血されたのか、9時に採血されたのか分からないので、便宜上翌々日という表現にさせていただいておりました。非常に混乱を招いて申し訳ございませんでした。
○天野委員 では、本当に24時間なら24時間ということで統一で良いのですね。
○日本赤十字社経営企画部荒川参事 はい。そのような形で基準は統一されております。
○天野委員 先程血液対策課の課長がおっしゃったのは、翌々日という説明を受けたと話をされていましたけれども、その説明は間違いだったということですね。
○中谷血液対策課長 血液対策課長の中谷です。訂正いたします。シミュレーションのために翌々日と計算をしたということで、現場の運用は24時間なら24時間、48時間なら48時間になるということです。先程日赤の音声がなかったので、以前私が聞いて誤解をしておりましたので、私自身も訂正させていただきます。失礼いたしました。
○天野委員 ありがとうございます。では、本当に24時間ぴったり、48時間ぴったりで運用ができる、可能であるという考え方なのですね。そのあたりが皆さんの考え方がまとまっていなかったので、ちゃんと調整させていただきました。ありがとうございます。
○濵口座長 ありがとうございます。天野先生としては、案1を推すということでよろしいでしょうか。
○天野委員 その上で24時間よりは48時間の方が、これで見る限りは本当は良いのではないかとは思います。
○濵口座長 ありがとうございました。
他に委員の先生方、御意見ありますか。時間の捉え方、日にちで言った場合の皆さんの共通認識がなかなか取れないという状況だと思いますが、ただいま天野委員からまとめていただいたような形で、日赤の方も一応対応が可能であることは分かったかと思います。
案2の24時間でないと困るという御意見がもしあれば、もう少し聞かせていただこうかと思いますが、何かありますか。
ないようでしたら、安全技術調査会としては案1を推させていただくことにしたいと思います。よろしいですか。
では、そういうことで、この議題は終わりにしたいと思います。
続きまして、資料1の(2)についての御説明をお願いします。
○佐野血液対策課長補佐 資料1 3ページの(2)以下を御覧ください。
新型コロナウイルス既感染者につきましては、令和2年7月22日の安全技術調査会に提出されました浜口班の見解では、血液製剤の安全性及び既感染者の安全性確保の観点から、引き続き知見の収集を行った上で検討が必要とのことでございました。
改めて浜口班で最新の知見の収集を行った上で検討を行いましたが、まず結論といたしましては、新型コロナウイルス既感染者の採血制限につきましては、更なる知見を収集した上で改めて検討すべきであるとなっております。
なお、浜口班においては一般の献血における新型コロナウイルス既感染者にのみ議論を行うことを確認しております。
事務局からは以上となります。
○濵口座長 ありがとうございました。
ただいまの事務局からの御説明に関しまして、研究班から少し補足させていただきたいと思います。水上参考人、宜しくお願いします。
○水上参考人 宜しくお願いいたします。それでは、4月19日までに取りまとめられました浜口班の見解につきまして御説明させていただきます。
まず、1つ目に書かれているとおり、新型コロナウイルス既感染者から採血した血液におきまして、RNAemiaを認めた場合に、当該血液から製造された血液製剤に感染性があったとの文献報告はないことが示されております。こちらは参考資料1-8でまとめられております資料を見ていただければ分かるかと思います。
2つ目ですけれども、現段階の報告におきましては、感染後9か月の調査で約30%の既感染者が後遺症を有しているという報告がございます。こちらは参考資料1-6の2枚目と3枚目のスライドを見ていただきますと、感染後9か月間の調査で約30%の既感染者が後遺症を有しているという報告がございます。
また、感染後4か月間の調査におきましては、約51%の既感染者が新型コロナウイルス感染症に罹患する前にはなかった症状を有しているという報告があったことがまとめられております。こちらは参考資料1-6の4枚目と5枚目のスライドになります。
これらの報告におきまして、報告されている後遺症につきましては、軽度のものから呼吸障害等の採血制限が必要であると考えられるものも認められております。
また、新型コロナウイルス感染症が軽症であった者と重症であった者の後遺症の差異につきましては、現段階では不明であり、無症状または軽症であった者と、中等症または重症であった者の採血制限を分けて考えた方が良いのではないかという意見もございました。
また一方で、現段階におきまして、本邦での新型コロナウイルス感染者の人口に占める割合につきましては諸外国と比較して小さく、血液の安定供給に影響を及ぼす状況にはないと考えられます。こちらは参考資料1-6の6枚目のスライドを見ていただきますと、各国の総人口における感染者数を示した感染率と死亡率が書かれておりまして、黄色枠で書かれた日本の位置は極めて低いことが分かるかと思います。
以上、本邦における感染後長期間にわたる状況についての知見はまだ限定的である一方、本邦でも関連する研究が行われていることから、それらの報告も可能な限り確認すべきという見解になりました。
浜口班の見解としては以上になります。
○濵口座長 ありがとうございました。本件につきましての研究班からの説明は以上になります。
日本赤十字社より追加御意見がございましたら、お願いします。
○日本赤十字社佐竹中央血液研究所所長 日赤の佐竹です。特にコメント等はございません。
○濵口座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に関しまして、委員の方からコメント・御意見等ございましたら、お願いいたします。
長村先生、お願いします。
○長村委員 調査、御苦労さまでした。ただ、30%色々な有害事象が残っているということではあるのですが、逆に70%は大丈夫で、去年感染して無症状だった人たちは献血から外すのかというと、新型コロナの流行が始まって以来既に1年以上たっていますので、何らか期間を設けてオーケーにした方が良いのではないかと私は思います。その点で、このように既感染者全員献血なしというのは、他の国ではいかがなのでしょうか、日本だけでしょうか。
○濵口座長 ありがとうございます。
水上参考人、何か資料の説明があればお願いします。
○水上参考人 資料1の6ページに、参考2でWHO、ECDC(ヨーロッパ)、FDA(米国)、韓国赤十字、香港赤十字という形で感染後の献血の制限、採血制限についてのおおよその日数等が書かれております。日本に関しましては、先程説明させていただいたとおり、現状といたしましては陽性者の方は当面採血しないことになっておりますが、例えば、WHOの場合は表を見ていただくと分かるのですけれども、感染と診断されPCR陰性後14日、欧州の場合も14日、米国の場合も14日。
○長村委員 すみません、どの資料ですか。
○水上参考人 資料1の一番最後のページに、参考2という形で表が出ております。御確認できますでしょうか。
○長村委員 了解しました。
○水上参考人 こちらは2021年1月20日現在ですので、もしかしたら最新版では変更があるかもしれませんが、WHO、欧州、米国、日本と比較的感染率等が近いであろう韓国や香港での献血制限の日数が書かれております。こちらが参考になるかと思われます。
○長村委員 ありがとうございます。そうすると、当面全て中止というのは逆に日本だけのような気がいたします。
○濵口座長 長村先生の御指摘のとおりだと思います。研究班としては、回復後にどの時期から献血できるようにするかについては議論をしたのですけれども、場合分けがまだクリアにできないということもあって、今回どちらかというとワクチン接種後の献血制限を最優先でやりましょうということで、これはもう少し時間をかけて議論した方が良いのではないかという結論になりました。ですので、この部分は引き続き研究班として議論をやっていきたいと思いますので、今回は何日という形で出せませんでしたけれども、そこはまた次回にお願いしたいと考えております。
他に先生方から何か御意見ございますか。
○日本赤十字社佐竹中央血液研究所所長 日赤の佐竹ですが、よろしいでしょうか。
先程水上先生からのお話にあったとおりで、世界中で、我々もこの辺のところは十分調べ尽くしておるのですけれども、このような決まりになっているのは世界中で日本だけです。現在、現場に感染した人はどうなるのかと実際に問い合わせされる方も本当に気にされている方ばかりなんですね。ですので、そういう方たちを既往があったからということで、こちらでいつまでもお断りするのは大変つらいところがございますので、できる限り早めにこの辺の御結論をいただければと感じております。
以上です。
○濵口座長 ありがとうございました。その点は了解いたしましたので、検討させていただきます。
他にいかがでしょうか。
○長村委員 東大医科研の長村です。
佐竹先生がおっしゃったとおり日本だけということで、本当に何もなくて、無症状で濃厚接触者かなというので引っかかっただけの人もいらっしゃるので、今、大阪ですごく感染が拡大していますけれども、逆に全員駄目だとしてしまうと献血者が足りなくなるのかなと思っています。今、若年層がかなり感染しているとお聞きしていますので、なるべく早く設定されるのが良いかなと思いました。宜しくお願いします。
○濵口座長 ありがとうございます。
大隈先生、お願いします。
○大隈委員 既感染者の採血の制限につきまして、このように海外では既に既感染者の方の献血がなされていて、その血液を用いてつくられた血液製剤、血漿分画製剤が日本に一部輸入されている状況かと思います。この血漿分画製剤については、以前の安全技術調査会でも不活化がきちんとなされているということだったと思いますけれども、そうであれば、日本におきましても、輸血用血液製剤、血漿分画製剤のための献血を一律決めるという方法もあるとは思いますが、例えば、海外からの輸入の状況を鑑みて血漿分画製剤のための献血は別にするとか、先行して決めるといった考え方もあるのかなと思いましたので、少し意見を述べさせていただきました。
以上です。
○濵口座長 ありがとうございました。今の御意見も研究班の中で少し検討させていただきたいと思います。できるだけ早くということですね。
他はいかがでしょうか。ここにつきましては、研究班からの提案が出せておりませんので次回という形にさせていただきたいと思います。引き続き研究班では情報を集めていただきまして、日本の状況を踏まえた上で、適切な献血制限の期間を設定していただきたいと思います。事務局におきましても、引き続き御対応を宜しくお願いいたします。
最後に、議題3「その他」ですが、事務局から何かございますか。
○佐野血液対策課長補佐 特にございません。
○濵口座長 ありがとうございました。
本日の議題は以上となります。最後に何か御意見があれば承りたいと思いますが、何かございますか。
それでは、事務局に議事進行を戻したいと思います。
○佐野血液対策課長補佐 濵口座長、ありがとうございました。
次回の安全技術調査会の日程は、別途御連絡差し上げます。
これにて血液事業部会令和3年度第1回安全技術調査会を終了いたします。
ありがとうございました。
 
(了)