第28回政策評価に関する有識者会議 議事録

日時

令和3年3月24日(水)9:30~12:30

場所

オンライン開催

出席者

菊池座長、渥美委員、池田委員代理新田様、石田委員、井深委員、岩佐委員、岩崎委員、印南委員、大西委員、河北委員、玄田委員、平野委員、藤森委員、皆川委員、宮﨑委員、山田委員
 

議事

 

○政策立案・評価担当参事官室長補佐
少し時間を過ぎてしまいまして、大変申し訳ございません。
ただいまから、第28回「政策評価に関する有識者会議」を開催いたします。
委員の皆様におきましては、オンラインでの会議開催に御協力いただき感謝申し上げます。
池田委員でございますが、本日は御予定があるということで、代理ということで日本経済団体連合会労働政策本部統括主幹の新田様に御参加いただいております。
今回は、オンラインで開催する初めての有識者会議でございまして、御不便をかけることもあるかと存じますが、会議途中で不都合が生じた場合には、Webexのチャット機能または電話にて事務局まで御連絡いただきますようお願いいたします。
本日の会議では、事前に委員の皆様にお送りした会議資料を使いまして、議事を進めさせていただきます。
会議中は御自身が御発言される場合以外は、マイクをオフにして、音声ミュート状態にしていただくとともに、ビデオは停止状態にしていただくようお願いいたします。
御発言の希望がある場合には、Webexの「挙手」アイコンをクリックいただくか、チャット機能を使って御発言の希望の旨を事務局に御連絡ください。
事務局にて御発言の希望を確認した後、発言者を座長から指名させていただきますので、座長から指名を受けましたらミュートを解除し、御発言ください。
発言に合わせて御自身の映像を表示される場合には、「ビデオを開始」というボタンをクリックいただければ、皆様の画面及び会場のモニター上に映像が表示されます。
御発言が終わりましたら、再度マイクをミュートにするとともに、ビデオも停止していただくようお願いいたします。
それでは、本日の全体会議の議事進行につきましては、菊池座長にお願いしたいと思います。
 
○菊池座長
おはようございます。
全体会議の座長を務めさせていただきます菊池でございます。
皆様、年度末の大変お忙しいところをお待たせしてしまいまして、大変申し訳ございませんでした。言い訳のようなのですけれども、当初、会議を中労委で行うということになっていて、その後、オンライン開催のときには場所変更という話もあったなと思い返しているのですが、私のほうで中労委という認識で、そちらのほうに行ってしまって、急遽、こちらのほうに参上したという次第で、貴重なお時間をお待たせしてしまいました。本当に申し訳ございませんでした。
それでは、早速進めさせていただきます。
議事次第の(1)にあります政策評価に関する第4期基本計画の改正案、令和3年度の事後評価の実施計画案、令和3年度の実施要領案について、事務局から御説明をお願いいたします。
 
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
では、事務局から説明させていただきます。
お手元の資料1から資料3が基本計画、実施計画、実施要領の改正になります。
基本計画と実施計画の改正につきましては、私どもの部屋の所属の組織の名前が昨年8月に変更になりましたので、その点の修正、または令和2年度を令和3年度に修正するというような機械的な修正を行っておりますので、詳細な説明は割愛させていただきます。
資料3の別紙1-2に、第4期基本計画期間中、令和3年度が最後の年度になりますが、これまで委員の先生方から御指摘いただいた内容を記載要領のほうに幾つかまとめております。
簡単に御説明しますと、例えば測定指標について、複数年度にわたり上限値にかなり近いような数値を維持している指標については、この推移を把握したところで、あまり施策の進捗状況を測定できないと考え、新たな指標の設定を促すということ。
また、アンケート調査、理解度調査等々につきましては、実績値を記載する際には回答数や母集団を必ず明らかにすることといったような全体に関わるルールを今回追記させていただきました。
簡単ですが、以上が議題1でございます。
 
○菊池座長
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問などがございましたらお願い申し上げます。
玄田委員、お願いいたします。
 
○玄田委員
ないです。いいと思います。
 
○菊池座長
手を挙げられていると思ったので。分かりました。
ほかにいかがでしょうか。ございませんでしょうか。
特にないようでしたら、事務局におかれましては御説明の線で令和3年度の基本計画、実施計画、実施要領の策定作業を進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
続きまして、議事次第(2)政策評価に関する有識者会議開催要綱の改正(案)及び政策評価に関する有識者会議ワーキンググループ開催要綱(案)につきまして、御説明をお願いいたします。
 
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
議題(2)について、事務局より御説明申し上げます。
皆様のお手元にある資料4と資料5になります。
資料4は有識者会議に関する開催要綱でございまして、今回、3の(4)の部分につきまして改正を行いたいと思います。
内容としましては、昨年度来、コロナの流行によりまして、会議の持ち方が持ち回りですとか、今回のようにオンライン開催になりますとか、いろいろ事務局として座長に御相談しながら進めることが多うございますので、会議の運営に関し必要な事項は、座長が定めるというような旨を明記させていただくこととしました。このような規定は、ほかの会議の開催要綱にも多くあるような記載でございます。
続きまして資料5ですが、ワーキンググループに関しましても同じような規定を4の(2)に追記したとともに、ワーキンググループにつきましては、これまで開催要綱という形ではなく運営しておりましたので、この機会に開催要綱をきちんと定めさせていただくというようなことをしたいと思っております。
説明は以上でございます。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問などがございましたらお願いいたします。
特にございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
渥美委員、お願いします。
 
○渥美委員
渥美でございます。
平たく言うとオンラインですけれども、今、政府の審議会のオンライン会議が増えているので、1点気になっていることだけお伝えしたいと思います。
こういうオンラインの会議は自宅からでも参加できるので非常にありがたいのですけれども、今回の政策評価に関しては初めてなのでしようがないとは思うのですが、リアルに集まってやるやり方をオンラインでも持ち込んでやっているというのは非常に気になっていて、例えばオンラインという同期と、オフラインの非同期を使い分けたほうがもっと効率的に審議会を運営できると僕は思っています。
例えば、これから説明があると思うのですけれども、そういう説明動画をURL限定でユーチューブにアップロードしていただければ、ほかの人はまず見られないので、すぐに削除していただければ全く漏えいにはならないし、きちんと説明動画として作ってもらったものを聞く方が多分理解は深いし、それを非同期でやっていただければ集まる時間はもっとコンパクトにできると思います。ですから、やり方をもうちょっと工夫できないものかというのはいつも感じているところなので、意見申し上げました。
つまらない意見かもしれませんけれども、御参考にしていただければと思います。
以上です。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
直接議題とは関わりませんが、御意見として承っておきたいと思います。
私も様々な審議会等に参加しておりますが、大抵事務局はばたばたして、当日の直前まで資料を作っていたりします。そういうこととの兼ね合いもちょっとあるかなというような部分がありますが、工夫できるところがあればしていただきたいと思います。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御意見がございませんようですので、それでは、有識者会議の開催要綱を改正し、また、ワーキンググループの開催要綱の策定作業を進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
続きまして、議事次第(3)令和3年度事前分析表(案)につきまして、御議論をお願いしたいと存じます。
初めに、事務局から進め方などについて御説明をお願いいたします。
 
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
事務局より説明をさせていただきます。
資料6の政策評価実施予定時期を御覧ください。
第4期基本計画期間中における実績評価の実施時期及び第5期基本計画の初年度に当たる令和4年度の実績評価の対象を示しております。
本日は令和3年度事前分析表のうち、令和4年の夏に各ワーキングにおいて評価書を御議論いただく14の施策目標について御意見をいただきたいと考えております。
施策目標とは、言わば実現したい社会像であり、それに向け、課題を適切に分析・把握し、課題に対応する形で施策目標の実現のために必要となる達成目標を設定しています。設定した達成目標の進捗状況をどのような指標により測定するのか、目標水準は妥当なものなのか、そのような観点から、委員の皆様から御意見をいただければ幸いでございます。
また、大変恐縮ではございますが、時間の制約上、質疑応答から始めさせていただきます。
事務局からは以上でございます。
 
○菊池座長
進め方につきまして先ほど御意見をいただいたところでありますが、差し当たり今回につきまして、今、御説明がございましたようなやり方でよろしいでしょうか。
特に御異議がないようでしたら、進めさせていただきます。
なお、効率的な会議運営のため、施策内容の分量等を踏まえ、一部について複数の施策目標を一まとまりにして御意見を伺わせていただきます。また、議論の順番についても、施策目標同士の関連性を考慮し、一部順序を入れ替えさせていただきたいと思います。
それでは、事前分析表(案)について御議論をお願いしたいと存じます。
まず、医療・衛生ワーキングの事前分析表について質疑を行います。
施策目標Ⅰ-6-1(新医薬品等の迅速な提供)、Ⅰ-7-1(献血の推進)、Ⅱ-4-1(化学物質の安全性確保)、以上3つの事前分析表について御議論いただきます。
本項目については担当課より補足事項があるとのことですので、まず補足説明の後、質疑に入りたいと思います。
それでは、補足説明のほうをよろしくお願いいたします。
 
○医薬・生活衛生局
それでは、血液対策課長の中谷でございますが、事前分析表のⅠ-7-1の献血、血液の確保に関しまして補足説明をさせていただきます。
事前の御質問で、海外での血液確保の対策の状況についてという御質問があったと伺っておりますが、海外におきましても、日本と同じように少子高齢化の影響がございまして、献血者の高齢化等の影響で、将来の血液確保の対策が必要であるということで、日本と同じように、日赤と同様の組織がございまして、広報やSNSを通じたリクルート活動などを強化しているということは同様でございます。
ただ、海外と日本で違います点は、採血をできる基準としまして、1回当たりの血液量が日本は400ミリリットルとしておりますが、海外では体格も大きい等がございまして、500ミリリットルも可能となっているといったことですとか、年間の採血回数の上限が、日本は400ミリリットル献血で男性は年間3回までとしておりますが、欧米のほうは、80キロといった大きな方もいらっしゃるので、そういった方では6回ぐらいできるといったようなことで、日本よりは1回当たりの量と回数が採れるといったようなこともしておりまして、現在、その点につきましては、研究事業などを通じまして、安全性を確認しながら我が国でも検討できないかということで、当課のほうで検討しているところでございます。
補足説明は以上でございます。
 
○医薬・生活衛生局
続きまして、化学物質に関して補足説明させていただきたく思います。
事前の御質問で、毒物劇物営業者登録等システムの登録権限を都道府県に移管したと書いてあるが、都道府県から国に情報が一元的に上がってくるのかという御質問がございました。
まず、登録権限に関して少し御説明を加えたいと思いますけれども、地方分権推進の観点から、毒物及び劇物に関する登録業に関する登録の権限につきまして、データベースの権限というよりは、むしろ登録権限そのものが段階的に都道府県に権限移譲されてきたという経緯がございます。
こちらの資料の記載のとおりなのですけれども、令和2年度に毒劇物の原体の登録に関する権限も移譲されまして、事実上、ほぼ全ての権限が地方分権という形で都道府県が管理するという運用になってございます。
国としても、毒劇物の所在や事故情報を把握しておく必要がありますため、都道府県に任せきるのではなくて、実際、毒劇物を使用する現場で事故が起きた、あるいは大型の台風が来て毒劇物が流出したなど、1つの都道府県で得られた知見がほかの都道府県にも使えるというものがもし出てくるようであれば、それを制度設計の中に取り込むということなどをやらなければいけませんので、そういった意味から、登録情報を閲覧することができるシステムを組むといったことをしてございます。
以上でございます。
 
○菊池座長
ありがとうございました。
今、御説明の中でありましたように、補足説明は事前に委員から御質問いただいた点につきまして御説明いただいているということでございます。
それでは、ただいまの補足説明を含め、御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。挙手のほうをよろしくお願いいたします。
石田委員、お願いします。
 
○石田委員
詳細にまとめていただいて、ありがとうございます。
事前に資料も拝見させていただいて、私のほうからは、Ⅱ-4-1の化学物質の適正な評価・管理に関して意見を申し上げたいと思います。資料のⅡ-4-1の2ページになります。
達成目標の2番、毒物劇物の安全対策と、達成目標の3番について、測定指標の設定がなされていないことの具体的な理由を少し教えていただければと思っています。
今、御説明にもあったとおり、自然災害も含めて、台風による浸水やタンクからの漏えい、また、場合によっては輸送中の事故も想定されることから、工場からの事故に限らず、安全対策が極めて重要だと思っています。
幅広く対策が講じられているかを適正に評価できるアウトプット、アウトカム指標を設定することがPDCAを回し、今後の対策強化のために不可欠だと考えるので、そういった意味で、測定指標の設定の考え方について、少し教えていただければと思います。
私からは以上です。
 
○菊池座長
いかがでしょうか。
 
○医薬・生活衛生局
毒物及び劇物取締法の制度等についての御質問という形で承りました。
毒物及び劇物取締法のターゲットは、盗難や漏えいなどを防ぐこと、それから今言った自然災害対策などがございます。そういったときの指標として、例えば自然災害をターゲットにできるかどうか。あるいは盗難の防止、いわゆる犯罪件数という形でターゲットにできるかどうか。それから、もしできるとすると、労働のところはその範囲に限ればいけるかもしれないのですが、実は対象の範囲は広く、毒物及び劇物取締法は化学物質に関する急性毒性に着目をした、横串を通した事案、学校の事故から、他の分野の事故まで全てを拾う形になってございます。
今は、対象が広すぎることから、直接の指標という形では定めておりませんけれども、査察件数という形で、むしろ監視指導件数のほうで参考という形で入れさせていただいてございますが、地方自治の特性かもしれませんけれども、各自治体がかゆいところに手が届くという形で、それぞれの自治事務の中で起きた事案に対して、一度、査察が入っておかしなことが見つかれば、それに対してフォローアップをするという形を取りながら、査察件数で見たらどうかと考えているところで、一応ここで落ち着いているところでございます。
考え方としては、以上でございます。
正直なところでいうと、本当は人の命が救われる、事故の件数が減るという形で指標を設定したほうが分かりやすいのですけれども、中のコンテンツがほぼ急性毒性を持つ化学物質の全てに関しての話になりますので、そこのところは査察件数、いわゆる監視監督件数のほうでお示しする形を取ってございます。
以上でございます。
 
○菊池座長
オンライン参加の皆様、今、マイクから遠かったので、聞き取りにくいところがありまして申し訳ございませんでした。
石田委員のお声はかなり通ると思うので多分聞こえたと思うのですが、この質問に関しては申し訳ございません。次からはもっと大声でお話しいただくか、こちらの席に移動していただいて、ゆっくりお話しください。
よろしいですか。
 
○石田委員
ありがとうございます。
 
○菊池座長
ちょっとお聞き苦しくて申し訳ございません。次から気をつけます。
オンライン参加の委員の皆様から、何かございませんでしょうか。
それでは、河北委員、お願いします。
 
○河北委員
今の毒物劇物の安全対策というところですけれども、令和2年から権限を都道府県知事に移譲していると書いてありますが、この件に関しては、権限はいいのですけれども、国への報告義務、統計的に、あるいは統計以外の情報も国が報告をするということを付け加えておいていただきたいと思います。
以上です。
 
○菊池座長
いかがですか。
 
○医薬・生活衛生局
化学物質安全対策室長の佐々木でございます。
国の報告義務は、法律上は義務づけられておりませんが、災害対策基本法の関係で、国と地方自治がやっている皆様との関係で連携を取ることがしっかり決められておりますので、そういった意味では、災害だけではなくて、ふだんからの連携を取る形によって、少なくとも年に何回かお会いする機会、協議の場がありますし、レポートという形で、どういう事故が起きているのかというのを頂く形を取っておりますので、引き続きそういった事故を踏まえながら、自治体間で何かコモンイシューがあるかどうかと見ながら、しっかり施策を講じてまいりたいと思います。
 
○河北委員
今回のコロナの保健所の対応もそうですけれども、ファックスだとか紙で行うということではなくて、オンラインできちんと報告できるような仕組みもつくっておきましょう。お願いします。
 
○医薬・生活衛生局
ありがとうございます。
毒劇物のシステムがございますので、その運用を浸透してまいりたいと思います。
 
○菊池座長
河北委員、よろしいでしょうか。
それでは、ほかにございませんでしょうか。よろしいですか。
特にお手が挙がっておりませんので、それでは、担当課におかれましては、今、御質問、御意見等がございましたので、必要に応じて事前分析表の修正も行っていただければと思います。ありがとうございました。
それでは、次の施策目標に移りたいと思います。
 
(説明者入替え)
 
○菊池座長
続きまして、生活衛生関係の施策であります施策目標Ⅱ-1-1、Ⅱ-2-1、食品の安全性の確保及び上水道について御議論いただきます。
御意見、御質問等はございませんでしょうか。いかがでしょうか。
河北委員、お願いいたします。
 
○河北委員
Ⅱ-2-1、水道のことでもよろしいですか。
 
○菊池座長
結構です。
 
○河北委員
今回には関係ないかもしれないのですけれども、今後、限界集落みたいな地域がものすごく増えていくだろうと思うのです。今までの水道施策のように、全ての家庭に良質な水を届けるということが本当にパイプを配置すればいいのか。これは恐らく飲料水、食料水に関しては、家庭ではペットボトルの水をかなり使っているのだろうと思うのです。ですから、ペットボトルを届けるということも踏まえて、水道の整備に関して、飲食料水というものは配達をすればいいというものに替えていっても可能ではないか。
例えば、お風呂だとかお手洗いの水に関してはまた別だと思いますけれども、そういった大きな施策の変更というものも今後考える必要があるだろうと思います。
以上です。
 
○医薬・生活衛生局
水道課長の熊谷と申します。
御指摘どうもありがとうございます。
まさにおっしゃるとおりで、これからの長期の人口減少社会を考えますと、今のような集中型でやるような水道システム一辺倒ということではもう無理な状況が出てきておりますし、先生がおっしゃったような対応、生活用水みたいなものは施設的に配布しながら、台所と飲料水についてはボトル水を配るとか、サーバーのようなもので対応するというような事業体も出てきておりまして、それに関しては、水道の行政としても、そういうものをうまく活用する方向に全体を動かしている最中でございます。
御指摘どうもありがとうございました。
 
○河北委員
了解しました。ありがとうございました。
 
○菊池座長
それでは、井深委員、お願いします。
 
○井深委員
ありがとうございます。
私からは、施策目標Ⅱ-1-1について質問させていただきます。
こちらの達成目標で、幾つか過去5年の平均以上とか以下といった形での目標の値が設定されているところがあると思うのですけれども、例えば達成目標2なんかで、3と4の大規模食中毒の発生件数等に関しては過去5年の発生件数の平均と同水準以下という目標になっていて、これは発生するのがあまり予測できなくてランダムに起こるようなものなので、中長期的には減らしていくという方向性で、過去5年の平均値よりも低くした値を目標値にするということは非常によく分かるのですけれども、一方で、達成目標1のほうの①、ポジティブリスト制度の導入に伴い新たに残留基準を設定した農薬のうち、基準の見直しを行った農薬等の数に関して、過去5年の品目数の平均以上という値が目標値になっていると思います。
そちらに関しまして、値を見ていくと、これも多いほうがいいということだと思うのですけれども、例えば毎年かなり変動があって、特に平成29年度は82品目ですごく多くて、これ自体は好ましいことだと思うのですけれども、過去5年の平均値を計算すると、それ以上達成するのが逆に難しくなるというような形での目標値になっていて、この過去5年の品目数の平均以上という設定の仕方が果たしてどういう意図をもってこういう値になっているのかというのがちょっと分かりにくいかと思ったので、その辺を御説明いただければと思います。
以上です。
 
○菊池座長
いかがでしょうか。
 
○医薬・生活衛生局
食品基準審査課長の近澤と申します。よろしくお願いいたします。
当初は、ポジティブリスト制度を導入したばかりということで、見直すべき農薬等の暫定基準が758の物質にあり、これらに対して、急いで本基準に見直すという作業を開始しました。当時、目標は高いほうがいいだろうということで5年分の平均以上という形としました。
29年度や30年度は、暫定基準のうち、使用されていない農薬等については、削除するというような作業を進めたものですから、特に29年度、30年度というのは高い水準になっています。使っていないという理由により削除するというのは結構簡単ですが、それ以降は、安全性の評価を精緻に行った上で、基準値を定めなくてはなりませんので、そういう意味で数が少し減っているということになります。
先生が御指摘の過去5年間の平均以上という目標が適切かというと、もし5年前だったら、これでよいだろうかという話だと思います。しかし、今後は、最近の品目の推移を見ながら、あるいは、基準値を策定した品目の性質や使用実態、例えば、野菜向けなどの用途、生産量、使用量なども見つつ、必要に応じて、見直すということを考えたいと思っております。
以上でございます。
 
○菊池座長
井深委員、いかがでしょうか。
 
○井深委員
ありがとうございます。
御説明はよく分かりましたので、適切な形で目標値が設定できるようにどうぞよろしくお願いいたします。
 
○医薬・生活衛生局
ありがとうございます。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。ございませんでしょうか。
ないようです。貴重な御意見、御指摘だったと思いますので、担当課におかれましては、それらも踏まえて、必要に応じ、事前分析表の修正等を行っていただければと思います。どうもありがとうございました。
続きまして、労働・子育てワーキングの施策目標に移りたいと思います。
今、所管課の交代がございます。少しお待ちください。
 
(説明者入替え)
 
○菊池座長
それでは、まず施策目標Ⅲ-1-1、労働条件の確保改善について御議論いただきます。
皆様から、御意見、御質問等ございませんでしょうか。
石田委員、どうぞ。
 
○石田委員
連合の石田でございます。
資料の作成、お疲れさまでございました。私のほうからは、Ⅲ-1-1の2ページ目の達成目標2番の関係で、測定指標の6と7について少しお尋ねをしたいと思います。
測定目標6については、既に目標値をクリアしていると読み取っても特段支障はないのではないかと思っています。ただ、内容としては極めて重要なことだと思っていますので、目標値のさらなる上方修正等も含めて、御見解があれば教えていただければと思います。
それから、測定指標7番も90%をずっと超えている状況になっておりますけれども、この指標の役割については、どのように評価をされているのか。これからも続けるか、やめるのかということについても、少し踏み込んだほうがいいと思います。広報誌への掲載ということですが、実際、最低賃金の影響を受けるパートタイマーの方、アルバイトの方、若年層の方、そういう方々を考慮すると、紙媒体以外にネット上の情報発信についても、どれだけ情報として受け取ってもらっているかについて測定指標とすることも一つの考え方だと思いますが、その辺について少し御見解を教えていただければと思います。
以上です。
 
○菊池座長
ありがとうございました。
いかがでしょうか。
 
○労働基準局
遅れて申し訳ございませんでした。賃金課長の大塚でございます。
今のは最低賃金の広報に関する御指摘だったかと承知しておりますけれども、まさにおっしゃるとおり、若い層に対する訴求というのは非常に大事だと思っております。
ネットに関係しても、最低賃金特設サイトというものを設置しておりまして、それで若い層が見られるような状態にしているところなのですけれども、実際にどれぐらい特設サイトのほうにアクセスがあったのかというのは、私どもが把握しているところでございます。数字で申し上げると、参考指標9に掲げておりますが、平成29年度と令和元年度を比べますと、数字的にはかなり増えている状況にあることが分かると思います。このアクセスされた後に、実際に直帰してもらっては元も子もないわけで、我々としてはそこに載せている様々な情報、最低賃金そのものの情報もあれば、業務改善助成金など様々ございますけれども、そういうところにいかに誘導していくかの取組は行っていきたいと思います。
なので、今日いただいた御指摘も踏まえて、今後も実際どういう方がどのようにアクセスして、そのまま各コーナー、コンテンツのほうに入っていただいているのかどうかも含めて検証し、改善を図っていきたいと思っております。
御指摘ありがとうございます。
 
○菊池座長
よろしいですか。
 
○石田委員
ポスターのほうは。
 
○労働基準局
ポスターは、資料に掲げさせていただいた数字で見ますと、認知率というのはそれほど変わらないのかもしれませんけれども、実はそれよりも前の年度などに比べると4~5ポイントぐらい増えている状況にあります。いずれにしても、見映えのいいポスターにして、取りあえず注目してもらうということも大事だと思いますが、先ほど申し上げたような特設サイトからの誘導とか、様々なツールを活用して、ポスターを見てもらって、最賃の中身についても関心を持ってもらうという取組は進めていきたいと思います。
目標値につきましては、それまでに比べたら伸びていることで推移しているのですけれども、御指摘を踏まえてどういう数字が適切かというのは検討していきたいと思っております。
 
○菊池座長
よろしいでしょうか。
 
○石田委員
ありがとうございました。
いずれにしても、表示、掲載の割合というよりは、その結果として、受けての認知度向上にどうやってつながり、そのために、この指標をどのように変えていくのかが重要であり、本来の目標だと思っていますので、手段よりも目標のところを指標として採用したほうがよりよくなるのかなと思いますので、お願いいたします。
私からは以上です。
 
○菊池座長
御指摘ありがとうございます。
次に新田様、お願いいたします。
 
○池田委員代理新田様
経団連の新田でございます。
資料のⅢ-1-1の1ページ目の下の達成目標1について、2と3に関して質問をさせてください。
目標値と実績値を見ると、目標値を実績値がかなり上回っている状況が続いていると思います。通常、目標というのは実績よりも高いところに設定して、そこを目指していくものだと私は理解をしておりますので、なぜ実績よりも下回っているものが目標値として設定されて続けていて、なおかつ、令和3年度もそのような状況になっているのかについて確認をさせていただければと思います。
そしてもう一点、確認させていただきたいのですが、3ページ目の参考資料10、最低賃金の未満率・影響率の推移ということで、影響率の数字が掲載されておりますが、恐らくここに載っているのは賃金センサスを使ったものだと思われます。ただ、影響率の数字はこのほかに最低賃金の実態調査によるものもあると承知しておりますので、なぜそちらでなくてこちらなのかということと、もし可能であれば、今、影響率といった場合に2つの数字がありますので、両方を併記していただくということを検討していただけないかということを申し上げたいと思います。
私からは以上です。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。
 
○労働基準局
1点目の御指摘につきましては、確かに実績はいずれも満足度あるいは参考になったという回答の割合につきまして、それぞれの事業が直近ですと90%を超えているものでございます。
この目標水準につきましては、他の類似事例も参考に設定しているところでございますが、御指摘はごもっともでございますので、今後の指標の在り方については検討してまいりたいと思っております。
 
○労働基準局
新田委員の御指摘の2点目について、賃金課からお答え申し上げます。
影響率についてですけれども、こちらに掲げさせていただいている影響率は、賃金構造統計基本調査から取ったものでございます。なぜこの数字を使っているのかといいますと、これが基幹統計ということで、御指摘の賃金の実態調査よりは母集団の選定方法等で信頼性が高いからということでございます。
ただ、他方で、賃金構造統計基本調査のほうは、零細企業が入っていないという問題もございまして、新田委員が御指摘のような賃金実際調査、零細の30人未満の事業場が対象ですけれども、これの影響率も併記するということについては、その方向でできないか検討してみたいと思います。
御指摘ありがとうございます。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
新田様、どうぞ。
 
○池田委員代理新田様
今、後半の大塚課長の説明は聞き取れたのですが、その前の説明がほとんど途切れ途切れで聞こえなかったので、可能であればもう一度御説明をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか。
 
○労働基準局
監督課長の尾田でございます。
1点目に御指摘いただきました2の満足度、3の参考になったという回答の比率でございますけれども、御指摘のとおり、直近ですと90%を超える状況になっております。もともとの目標値につきましては、類似事例を参考に設定したものでございますが、御指摘はごもっともかと思いますので、今後の目標値につきましては、引上げも含めて検討していきたいと思っております。
ありがとうございます。
 
○池田委員代理新田様
今回はちゃんと聞こえましたので、ありがとうございます。
では、御検討をよろしくお願いいたします。
 
○菊池座長
失礼いたしました。
玄田委員、先ほどお手が挙がっておりましたので、どうぞ。
 
○玄田委員
新田委員と石田委員の御質問でもう十分です。結構です。
ありがとうございました。
 
○菊池座長
ほかにはいかがでしょうか。
山田委員、お願いします。
 
○山田委員
御説明ありがとうございます。
非常に参考になる指標がそろえられていると思うのですけれども、3点ほど気づいた点がございまして、それについて可能な範囲で御対応いただければと思います。
第1は、施策目標については、労働条件の確保・改善を図ることということで、36協定の届出件数をアウトカムにしているのですけれども、やはり景気動向の変動はあれ、死亡してもおかしくないような長時間労働の労働者の比率に関しては、モニターしていく必要があると思います。たとえサンプル調査でもモニターしていく必要があると思いますので、既にほかのところで収集されている指標かもしれませんけれども、もしそうでなければ、御検討いただきたいというのが1点目になります。
2点目については、この達成目標1について、いろいろと満足度とか理解度とかアンケートのようなものを捉えていて、これ自体は非常に興味深い指標ではあるのですが、一方で、具体的に労働者から相談があった場合に、それがどういうふうに是正に結びついているかというところも非常に重要なところだと思いますので、例えばどれくらい是正指導を行ったかとか、是正指導の結果どういうふうに改善されたかといった指標が参考指標であれ、あればいいなと思いました。
3点目は、最低賃金額に関するところです。これはいろいろな御事情があって、影響率・未満率については参考指標の取扱いとなっているかと思います。ただ、素朴に考えると、影響率に関しては確かに最賃を引き上げたレベルによって変わってくるので、やはり目標値を設定することにはなじまないというのはまさに御指摘のとおりだと思いますけれども、未満率についてはそういうふうに考えていいのかというのはちょっと気になるところで、こちらは達成目標2の測定指標のほうに格上げすると、最低賃金額の周知と実際にそれ未満の人たちが減ったというのと、そういうのがセットで分かってよいのではないかと思いました。
私からは以上です。
 
○菊池座長
いかがでしょうか。
 
○労働基準局
ありがとうございます。監督課でございます。
まず、1点目につきまして、例えば長時間労働の比率などをモニターすべきという御指摘でございます。
この長時間労働、具体的には私どもは週の労働時間が60時間以上の労働者の比率という形で、これは局の施策目標として掲げております。こちらの政策評価のほうには掲げておりませんで、手元に数字はないのですが、そういう形で、労働基準局といたしましては、施策の達成度を測る指標として長時間労働者の比率の低下というものを現実に見ておりますので、それをこちらのほうに参考指標として盛り込むかどうかというのは検討させていただきたいと思います。
2点目でございますが、結果としての是正指導、改善がどれくらい図られたかということも参考指標としてあるとよいという御指摘でございます。この点につきましては、私どもは毎年度、事業場に対する監督指導の件数と違反の状況、是正が図られた事業場の数等々につきましては公表させていただいております。ただ、その数字自体が、毎年度の重点の置き方、監督指導の現場における重点の置き方等によっても影響があるものでございまして、単純に世の中全体がどう改善したかというものを示すものではないということにはなります。このため、事業の直接の効果とは言えないかと思いますが、こうした政策の評価をするに当たって参考となるということであれば、盛り込むことも含めて検討させていただきたいと思います。
ありがとうございます。
 
○労働基準局
3点目の御指摘につきまして、賃金課の大塚のほうからお答え申し上げます。
まず、未満率は、この表の右側のほうに書いてございますように、最低賃金を改正する前に最低賃金額を下回っている労働者割合のことを言います。これが、すなわち法違反状態とイコールかというと、一部そうではないものが含まれる数字ということを御理解いただければと思います。
そう申しますのも、最低賃金法におきましては、個別に労働局長が許可することによりまして、例えば障害者とか監視・断続的労働とか、最低賃金を下回る賃金でもよいという特例の制度がございます。その特例の仕組みがあるがために、最低賃金を下回っている賃金を支払っている実態も見受けられるところでございまして、そういう意味で、未満率がすなわち全て法違反かというと、そうでない状態であるため、こちらの参考指標にとどめているところでございます。
測定指標とすることに関しましては、今、申し上げたような問題がございますので、私どもとしては慎重に検討する必要があるのかなと思っております。
以上です。
 
○菊池座長
山田委員、いかがですか。
 
○山田委員
ありがとうございます。
いずれも前向きに御検討いただけるということで、感謝しています。
それぞれについて個別にコメントさしあげて、それを持ち帰って御検討ということになると思いますけれども、1点目の60時間以上については、例えば80時間以上とか、100時間以上とか、エクストリームな、本当にすぐ亡くなってもおかしくないような長時間労働についても個別に分けて示していただきたいと。これはぜひなくすべきものですので、指標に入れていただきたいと。
2点目について、是正とかといったことについては、重点の置き方によって数値が変動する可能性があると。これはおっしゃるとおりだと思いますけれども、そういうことについてはこの後、数値の変動に関して分析を行うという段階もありますので、そちらのほうで御対応いただけるかなと思います。
3点目は特例の問題があるから、必ずしも法違反ではないということは理解しています。さはさりながら、特例がどれくらいの率であるのかというのはまず把握していただいた上で、実際に法令違反の傾向のようなものが見えてくるというのが、理想的には未満率という本来あるべき数値かと思いますので、いろいろと既存の特例でどれくらいそういった人たちがいるかということを把握していただいた上で、うまくそれを分離するような形で指標に入れていただきたいという再度のお願いでございます。
以上です。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
御検討いただければと思います。
続きまして、皆川委員、お願いします。
 
○皆川委員
千葉大学の皆川でございます。
本日は、資料のおまとめ、ありがとうございました。
私からは1点、Ⅲ-1-1の達成目標1の最初の1のところ、36協定の届出件数のところについて、簡単に御質問させていただければと思います。
36協定の届出件数がアウトカムとして達成目標となっております。ただ、御存じのように、36協定というのは各事業場で例えば時間外休日労働を行わせたい場合に届出が一種要件づけられているものでございますので、これは事業場の必要に応じて出てくるものかと思います。
その際に、単に目標数が36協定の届出数でいいのかなというところがちょっとだけ引っかかりまして、現在、改正された労働基準法の36条で、御存じのように時間外休日労働の上限などが明確にされて、特別条項を付す形で、例えば1か月に45時間を超えて労働させる月とか、時間数などを届け出るということになっているかと思います。
それに関して、参考指標になるかもしれませんが、例えば労基署の受付の段階で、36協定について是正した数とか、適正な特別条項の内容になっているかといった指導の件数とかを出していただけると、例えばそれが減っていくとか、そうした傾向が見られれば、36協定を受け付けて、それを運用していく段階で適切な労働条件の確保なり是正が図られるという一定の指標になるかなと思いましたので、そういったことも御検討いただけないかなというのが私からの御質問と意見のようなものです。
いかがでしょうか。
 
○労働基準局
御指摘ありがとうございます。監督課でございます。
36協定の窓口指導、事実上の行政指導でございますけれども、監督署で受け付ける、郵便で受け付ける等、どのような手段にしても受け付ける場合には、内容のチェックは必ずしておりますので、その段階で、法律違反があるものについては受け付けない、もう一回御検討をお願いするという対応はしております。
ただ、委員が御指摘されたような数字の把握まではできていない実情がございますので、御理解願えればと思っております。
 
○菊池座長
皆川委員、いかがですか。
 
○皆川委員
ありがとうございました。
確かにそこの数字をチェックするというのは少し難しいところかなと私も思いますので、可能な範囲で届出に伴う是正のところの指標があればと思ったもので、御参考までにということで、どうもありがとうございました。
私からは以上です。ありがとうございました。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
それでは、岩佐委員、お願いします。
 
○岩佐委員
岩佐です。ありがとうございます。
Ⅲ-2-1の御質問をしたいのですけれども、よろしいでしょうか。
 
○菊池座長
今、Ⅲ-1-1をやっておりますので、Ⅲ-1-1に関してでしたらお受けします。
 
○岩佐委員
分かりました。では、その案件のところになってから御質問します。
すみません。
 
○菊池座長 よろしくお願いします。
それでは、以上でよろしいでしょうか。
いろいろ御質問、御指摘いただきました。数値の見直しはまだ可能ということもありますので、持ち帰って御検討いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。御苦労さまでした。
(説明者入替え)
 
○菊池座長
それでは、続きまして、施策目標Ⅲ-1-2、最低賃金引上げに向けた中小企業等への支援、Ⅲ-4-1、集団的労使紛争の迅速かつ適切な解決について御議論いただきます。
それでは、いかがでしょうか。
石田委員、どうぞ。
 
○石田委員
資料をまとめていただいて、ありがとうございました。Ⅲ-1-2の最賃の関係の達成目標1、A3の1ページです。まず、測定指標1と2の相関関係についてちょっと教えていただきたいのですが、測定指標の2番は、いわゆる業務改善助成金の支給件数の目標値の900件を、最低賃金の影響を受ける労働者数の多い6つの業種に振り分けて設定した指標だと思っていますが、業種ごとに達成率を計算してみると差が非常に大きい。具体的に数字を見ると、例えば卸売業・小売業は3年間の平均で4割ぐらいになっていて、一番下の6番目の生活関連サービス、娯楽になると200%ぐらいの達成率になっているのです。これは企業単位でカウントされる業務改善助成金の支給件数を、最低賃金の影響を受ける労働者数ベースに案分をしているからだと思うのです。しかし、これで本当に整合性が取れているのかということに疑問があります。例えば、業種は最賃の影響を受ける労働者数をベースに、業種ごとの目標値は企業数をベースに計算するといった形にしていただく方がよいのではないかと思いました。
それと、Ⅲ-4-1で労使紛争の解決ということで、今後もいろいろな働き方、多様性が広がることで、働き方に関する紛争も起きるでしょうし、改善しなければいけないことがたくさん出てくるのだと思っています。そういった意味では、労使関係は引き続き注視をしていく必要性があると認識をしています。
これはⅢ-4-1の1ページなのですけれども、実績について見ると、おおむね目標値に近い数字となっています。まず、測定指標の1番について、この指標は5年に一度使用者側に聞いて、残りの4年間を労働者側に聞いているというサイクルで聴取をされているのだと思います。このサイクルについて、年度ごとにどちらか一方ではなく、労使双方均等に聞いていくほうが、実績値がより明確になるのではないかと思うのですけれども、現状それができていない理由を教えていただければと思っています。
それから、新規申立ての紛争解決の平均日数の関係が測定指標の2番に載っています。1年3か月以内ということなのですが、なかなか実績値が進展していかないといいますか、ずっとこの数値で継続しているということで、長期化という言葉が適切かどうかは分かりませんが、推移がこのような状況になっているのは、どんなところに理由があるのかなということを疑問に思いました。
日数を目標にするということも極めて重要だと思うのですけれども、まず、この紛争の原因が何によるものなのか、ということも重要であって、その原因によって、いわゆる日数のかけ方が大分違ってくるということであれば、一度原因を言及した上で、この四百数十日と高止まりになっているところをポイントでたたいたほうが、より効果があるのではないかと思います。そういった意味で、押しなべてということも一つの指標になりますが、原因も追及していただいて、より効果のある対策を講じていくというやり方も考え方の1つだと思います。その辺について御見解を教えていただければと思います。
以上です。
 
○菊池座長
お願いします。
 
○労働基準局
まず、1点目の御指摘に関しまして、賃金課の大塚のほうから御回答申し上げます。
御指摘いただきありがとうございます。
労働者数ベースでの指標が適切なのかどうかということだったかと思いますけれども、御指摘を踏まえて、どういう指標がいいのかは検討していきたいと思っております。
この件に関しまして若干申し上げますと、この施策の目標はまさに一番上に書いてございますように、事業場内の最低賃金引上げに向けた中小零細企業への支援が目的だと思っています。その目的を達成するための一助として業務改善助成金を使っていただきたいなと我々は思っているのですが、一方でこの助成金は執行率が低いという問題がございます。なぜ執行率が低いのかを、我々としては業界ごとに分析した上で、周知の方法を工夫していくべきではないか、そういう思いでこの達成目標2のところで、業界ごとの指標を並べさせていただいたところであります。
どういう業界をピックアップしたかなのですけれども、これは一言で言うと、最賃近傍の労働者が割合として多いあるいはボリュームとして多いものを掲げたものであります。業界ごとに結構特徴がありまして、卸売・小売とか、宿泊・飲食とかは利用があまり進んでいない一方で、製造業より下のところについては利用が進んでいる。これは様々な要因があって、恐らく業界の賃金構造の問題もあれば、業界におけるそれまでの生産性向上の取組の進捗度合いもあれば、様々な要因があるのですけれども、私たちとして振り返らなければならない要因もそこに潜んでいるのではないかと思っています。それはすなわち行政として行う周知の工夫の仕方だと思うのです。単に一般的な労使団体に周知の御協力を今までもお願いしてきたところでありますけれども、それだけでは足りないなと思っていて、きめ細やかに業界団体に対して、どういう材料を提供して、どういうふうに活用したいという気持ちになっていただくかというのを工夫しながらやっていきたいと思いますので、そういう一環で、達成目標2で種目標ごとの数字を挙げさせていただいたところであります。
指標の在り方については、冒頭に申し上げましたとおり、今後検討していきますので、引き続き御指導のほどよろしくお願いいたします。
 
○労働基準局
労働基準局労働関係法課でございます。
調査につきまして、労働組合側に聞いている年と使用者側に聞いている年とあって、これを毎年聞けるようにできないかということでございます。
私どもが使っている指標といたしましては、厚生労働省の統計の中の労働組合実態調査という調査がありまして、その中で毎年テーマ替えをしまして、労働組合側に聞く年と、使用者側に聞く年ということにしております。
先生がおっしゃいますように、本当は毎年両方に聞ければいいというのはあるのですが、統計全体の流れとしまして、どうしても最近、アンケートを受ける側の方々の御負担というお話も一方でございまして、全体としては統計を少し重複のないように絞ったりする傾向もございますところですから、そういったものには配慮しなければいけないという事情がございます。
私どもとしては、何年間に一度でも定期的にお伺いすることによって、長期的には傾向が把握できるかなとは思っております。
そういう指標とは別に、労働組合側、使用者側の意向をどうしたら把握できるのかというところ、実務の中で工夫できることがあるかどうかというのは、御意見を踏まえて、どういうことが可能なのかというのは検討してみたいと思います。
ありがとうございます。
 
○中央労働委員会事務局
中央労働委員会事務局審査課長の宿里と申します。
御指摘ありがとうございます。
まず、2の新規申立事件の終結までの平均処理日数が高止まりしているとの御指摘でございますけれども、これにつきましては、不当労働行為事件の審査というものは、ある意味、手続が定型化されていると申しますか、まず、申立てがあれば両当事者からの御主張を聞き、そしてさらにその御主張を聞いて、証拠を出してもらって、争点を整理してということを行った上で、審問を行って命令を発出する。そして、さらにその過程で和解を働きかけていくというように、ある意味定型化された手順がございますので、ここの部分をこうすれば短縮できるというのはなかなか難しいという、まずその仕組みの問題がございます。
そしてさらに、労使当事者、事情は様々でございまして、その主張を整理していくというだけでもかなり時間がかかるということもありますので、ここをこうすれば確実に短縮できるという方法はなく、今ある仕組みを前提として、いかに短縮を図っていくかという努力をしているところでございます。
ただ、そうした中で、今ある仕組みの中でできることとすれば、意外に両当事者の日程調整が難しいということもございまして、そういった場合には、まさに今、この会議もそうですけれども、調査においてウェブ会議を活用する。中央労働委員会の場合は、再審査事件は全部東京で行いますけれども、遠方からいらっしゃる方も多いのですが、そういった場合に例えばウェブ会議などを活用すれば、遠方にいらっしゃる方はより調査に参加しやすい。そうすると、争点や証拠の整理も進むのではないか。そういう試みも始めているところでありますので、そういう今の仕組みの中でいろいろな取組を引き続き行ってまいりたいと考えております。
もう一つ、紛争の原因について御指摘がございました。確かに最近の紛争は、労使関係の紛争と言いつつも、例えば、実質的には、いわゆる合同労組に、「駆け込み訴え」という言葉を使うこともございますけれども、合同労組に加入した労働者の方が解雇などの個別紛争を団体交渉によって解決しようというような事件が相当数を占めるようになっています。そうすると、こういった事件については、団体交渉を行って、労使関係を安定させていくというよりも、むしろ個別労働関係紛争で行われているような、例えば金銭による和解による解決とか、そういうものになじむようなこともありますので、先生が御指摘の紛争の原因に応じた解決の仕方は私どもとしても検討してまいりたいと考えております。それによって、より有効な紛争解決ができるということは御指摘のとおりでございますので、研究してまいりたいと思います。
ありがとうございました。
 
○石田委員
ありがとうございました。
 
○菊池座長
私は東京都労委の公益委員として、なかなか頭が痛い日数の削減ですね。本当に様々な要因があるなと感じているところでございました。これ以上はコメントを差し控えます。
それでは、玄田委員、お願いいたします。
 
○玄田委員
ありがとうございました。
私は、Ⅲ-1-2でございますが、先ほど課長から御説明があった測定指標2というのが極めて、本件に限らず雇用政策全般にとって大変重要な情報だろうと考えております。特に今回のコロナも含めて、様々な助成金があるにもかかわらず、非常に利用される助成金と利用されない助成金があるのはなぜなのかというのは、本当に雇用政策の根源のようなところで、こういう指標は今まであったようでなかったような気がするので、これをぜひ雇用政策課も含めて、安定局全体でしっかりと分析するべきではないかと。
そうなったときにやはり気になるのは、この指標と同時に、少し時間を取った事後的な評価ということももう一つ加えていかないと、答えはなかなか見いだせないような気がします。つまり、事後的な評価というのは、こういう助成金を受けたものに対して、抜き打ちではないですが、ランダムに幾つかピックアップをして、本当にその後に賃金の引上げが続いているのか。引き上げたことによって、かえってそれが重しになって、事業所の存続が難しくなるようなことがあるのか。また、場合によっては引上げが雇用に影響を与えているといったような、別の指標の組合せをすることによって、初めて問題が見えてくるような気がいたします。
以前、なぜ日本の賃金がデフレ下で上がらないのかを分析した際に、一旦賃金を上げてしまうと、その後に非常に厳しい状況が起こったときに、それが非常に重しになるということを想像以上に事業主は大変深刻に捉えているということが大きいのではないかという仮説がかなり有力なものとして浮かび上がってきておりますので、この測定指標と同時に、時には事後的な業績に関するランダムチェック、テストのようなことを組み合わせて、ぜひ、この解明について引き続きの御検討をお願いしたい。
冒頭で申し上げませんでしたが、Ⅲ-1-1も同じで、実際いろいろなことをした上で、実は事後的にどうなっているのかというふうな、少しインターバルを持った調査をしていかないといけないのだろうなというふうなことをここでも改めて感じましたので、意見として申し上げたいと思いますので、ぜひ引き続きの御検討をよろしくお願いいたします。
以上になります。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
コメントはありますか。
 
○労働基準局
玄田先生、賃金課の大塚でございます。御指摘いただきありがとうございます。
先生から御指導いただいていることもありまして、こういう業界別にどうなっているのかという指標を今回つくってみたところでございますけれども、改善助成金に関して申し上げますと、これは生産性向上のための設備投資と事業場内最低賃金の引上げが要件となっております。
事業主のほうから、引き上げるという計画を出してもらうわけなのですが、その計画がきちんと達成されているのかどうか。これを引上げ後、6か月間の賃金の実態を見ているということでございます。
もし仮に、一瞬上げたのだけれども、その後にまた元に戻したということであれば、これは助成金の返還を含めて対応しているところでございますので、この助成金の事後検証という意味におきましては、現在でも対応しているのかなと考えております。
その他、最低賃金政策に関する事後検証につきましては、先生からの御指摘もございますので、検討していきたいなと考えております。
御指摘ありがとうございました。
 
○菊池座長
よろしいでしょうか。
それでは、新田様、お願いいたします。
 
○池田委員代理新田様
経団連の新田でございます。
私からは2点、発言させていただきたいと思います。
1点目はⅢ-1-2のページ番号5の5番目に、最低賃金引上げの影響を受けた産業別の労働者数の構成比率があります。
これを取り上げた理由として、2番のところに付記されていると思うのですが、なぜ産業別の労働者数の構成比率をやることがこの指標として適切なのかについて、もう少し御説明をいただければと思います。当然、最低賃金が引き上がっていけば割合も上がっていくし、先ほどの影響率も上がっていくということで、これを労働者数の構成比率で指標化することの意味合いについて御説明いただければというのが1点目であります。
2点目は、Ⅲ-4-1で、先ほど石田委員からもありましたけれども、労使関係の調査、安定的なところということで、労働者側と事業主側とそれぞれ交互にというか、記入者負担の観点からということで御説明がございました。そういった観点はもちろん大事なことだと理解しているところでございます。
ただ、一方で、同じ時期に労働者側と事業主側の認識を知るということも大事ではないかと私は考えております。その数値に差があることが想定されますので、その差がどうしてなのかということも含めて、同じ時期に調査する意義はあるのではないかと思っています。
年度ごとの数値として設定されておりますが、労使関係についての数字が毎年度で大きく動くということは想定しにくいと私は感じております。したがって、年度ごとでないと駄目なのかということを私は承知していないのであえて申し上げますが、目標の立て方も年度ではなくて、労使関係の数値についてはもう少し中期的なスパンでの設定の仕方もあるのではないかと思っておりますので、その部分で御返答いただければと思います。
私からは以上でございます。
 
○菊池座長
お願いします。
 
○労働基準局
新田委員、御指摘ありがとうございます。
1点目につきまして、賃金課の大塚のほうから御回答申し上げます。
御指摘いただいた指標5の業種別の言わば影響を受けた労働者の割合なのですけれども、これはまさに先ほど玄田先生のほうから御指摘にありました2とも関連するのですが、この助成金の言わば周知のターゲットをどこにするのかというのを見極めるために立てた指標でございます。
まず、ここに掲げられた各業は2と同じでして、最賃近傍の労働者割合が多いあるいはボリュームが多いというところであります。
ここに掲げたような実態を見ますと、例えば卸売・小売では影響を受けるのがほかの業種に比べて極めて多いという実態等もございまして、要すれば、こういうところに対して私ども厚生労働省としては助成金の周知を創意工夫をもってやっていかなければいけないと認識しております。それを認識するための指標と御理解いただければと思います。
以上です。
 
○労働基準局
労働関係法課でございます。
Ⅲ-4-1について、労使関係の調査について御質問いただきました。ありがとうございます。
確かに同時期に労使に聞きますと、お互いの意識の違いが分かりますので、この調査は企業の規模別などでも調査しているところもございますので、そうしたもので、どういう意識の変化があるのかという分析ができるということもあろうかと思います。
一方で、限られた予算、資源などの中で調査を行うというところがありますので、御指摘はごもっともだと思いますけれども、どのようなやり方が可能なのかということを含めて、少し検討させていただきたいと思っております。
それから、目標の設定として毎年度調査をする必要があるのか、というところのお話でございますけれども、これも確かに普通に考えればそんなに急激な変動というのは大抵の場合ないと思われますけれども、景気の変動が急激であったりとか、労使の間に特殊な事情があった場合にそういったものが調査に与える影響などというのもございますので、そういったものも含めて、毎年伺っているというところですが、目標の設定の仕方などについては、いただいた御意見も踏まえまして、どういったことができるのか、検討してみたいと思います。
どうもありがとうございます。
 
○菊池座長
よろしいでしょうか。
 
○池田委員代理新田様
ありがとうございました。
大塚課長からの返答については、先ほど玄田先生からもありましたとおり、私も今回この目標の中で、先ほど2の部分で影響を受ける業種をピックアップしての目標設定をされているのは非常に有意義だと考えております。その関連ということで少し御説明をお願いしたという次第ですので、引き続き、どういうところをターゲットにしながら考えていったらいいのかについては御検討いただければと思います。
労使関係のほうについては先ほど私の問題意識はお伝えしましたので、それを参考にしながら今後検討していただければと思います。
どうもありがとうございました。
 
○菊池座長
それでは、皆川委員からお手が挙がっています。この項目は、あとは皆川委員のみということでよろしいですか。多少時間が気になってきたという面もございます。
それでは、皆川委員、お願いいたします。
 
○皆川委員
簡単に、私から質問が1点ございまして、Ⅲ-4-1の関連なのですけれども、達成目標の1について、3番目で従前挙げられていた調整事件終結までの日数の目標を今回削除されているのですが、この削除された理由について簡単にお伺いできればという1点です。
よろしくお願いいたします。
 
○菊池座長
いかがでしょうか。
 
○労働基準局
ありがとうございます。関係法課でございます。
御指摘いただきましたように、以前は調整事件の終結までの日数というものをアウトプットとして取っておりましたものを、労使関係セミナーの受講の満足度と変えております。これはもともとの調整事件というものが、非常に数が少のうございまして、年に数件程度という状況でございます。そうしますと、出てきた案件も様々な背景がある中で、それがたまたま早く解決したりすると100%になるけれども、1件特殊な事情があるとすぐに50%になるというばらつきが非常に激しいものでございまして、指標として適切かということがございましたので、より広く、セミナーによってもっとたくさんの人数が受けているところの中で定点観測をすることで、政策の効果を測っていきたいと考えたところでございます。
以上でございます。
 
○皆川委員
よく分かりました。御説明ありがとうございました。
私からは以上です。
 
○菊池座長
それでは、非常に多くの御意見、御質問がございました。担当課におかれましては、これらを踏まえて、必要に応じ事前分析表の修正を行っていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。どうも御苦労さまでした。
それでは、次の施策目標に移りたいと思います。施策目標Ⅲ-2-1、労働安全衛生についてでございます。
今、入れ替わりがございます。
(説明者入替え)
 
○菊池座長
それでは、大変お待たせいたしましたが、岩佐委員からお願いしてよろしいでしょうか。
 
○岩佐委員
ありがとうございます。質問の順番が間違っていまして、申し訳ありません。
私がお聞きしたいのは、この目標5のところでありまして、これまでの御質問と共通するところがあるかと思うのですけれども、質問の背景としては、外国人労働者の人たちは非常に脆弱な環境に置かれている可能性が高いということと、また、そういう労働者の人が増えていくということを背景にしているのですけれども、安全教育のための教材をしっかり作成していきましょうというのが一つの手段として測定指標になっているというのは、それはそれでいいと思うのですが、結局のところ、今の安全衛生環境の現状がどんな状態で、それが改善していっている方向にあるのか、ないのかということについて、直接の指標にできなくても、何らかの形を知るということが難しいのであろうかということの御質問です。
あわせて、外国人労働者の人の中で、場合によっては事業の種類ごとの安全が十分確保されていないような現状になるものもあるのかもしれなくて、そういう意味では、事業の種類とか実態に応じて、どこかターゲットに重点を当てて対応していくということもあるのかなと思って、その2点についてお聞きしたくて質問しました。
 
○労働基準局
安全衛生部でございます。
1点目の目標は目標として、現状どういったことになっているかということですけれども、一番分かりやすいものとしては、労働災害の発生状況というもので見るという方法があるかと思います。その場合には、一応国籍についても取れるということにしておりますので、外国人かどうかという観点で、どういった業種で増えているか、どの国の方が増えているかというのを把握できるようになっておりまして、そういうのは着目して、対策の資料としておるところでございます。
また、業種につきましても、そういった災害の分析を通じましてできる部分がございますので、そういったことでターゲットを考えています。
一例を申し上げますと、外国人だけに限った話ではないのですけれども、最近の災害動向ですと、三次産業が増えているですとか、あるいは、コロナウイルスに感染して休業している方が多いとか、そういった動向をつかんで対応しておりますので、そういった災害分析を通じてということでやっていきたいと思っております。
 
○菊池座長
いかがでしょうか。
 
○岩佐委員
ありがとうございます。
私が細かく実態を把握しているわけではないのですが、在留資格等々の関係で、衛生面とか賃金面もそうなのですけれども、困難な状況に陥りやすいというところがあるとは思っていますので、そういう意味では、全体もそうですけれども、外国人の人たちに焦点を当てて、一層御検討いただければと思います。
ありがとうございます。
 
○菊池座長
それでは、玄田委員、お願いします。
 
○玄田委員
今の岩佐委員の御指摘とも関係するかもしれませんが、私はシンプルに、測定指標1と2の労働災害による死亡者数のところをもう少し属性に分けて把握することが必要なのではないかと。外国人のところもそうですし、今、845人と過去最低になっていることは喜ばしいところですが、労働災害はかなり高齢者に集中しているということもありますので、一つは年齢別、特に60歳以上とか65歳以上というところに焦点を絞ることをまず指標として、その部分を改善していくということが社会的にも重要なメッセージになるのではないかと思います。
また、若干難しい部分はあるかもしれませんが、障害を持っていらっしゃる方についても、社会で安全な働き方をしているのかどうかということはかなり気になる部分でもあると思いますので、高齢者や障害者など、別の意味でも、法律的にも労働政策で重点化されている部分について、災害ということがさらに厳しいリスクに侵されていないかということを細分化した指標をもって検討するということもぜひお考えいただければと思った次第です。
私からは以上です。
 
○労働基準局
安全衛生部でございます。
今、細かい属性に応じてということでございました。属性に応じた状況というのは、先ほどのとおり把握できまして、在留資格別というのも取れるようになっておりますので、御指摘を踏まえてやっていきたいと思います。
高齢者と障害者というのが例示で出てきたかと思うのですけれども、高齢者につきましては、災害分析を通じまして増加していると。それから、災害の類型についても、例えば転倒したとか、そういう類型が多いということが分かっておりますので、例えば高齢者につきましては、災害の状況に応じて特に注意すべき点についてPRする等の対策を講じておりますので、引き続き御指摘を踏まえてやっていきたいと思います。
以上です。
 
○菊池座長
ほかにはいかがでしょうか。
石田委員、どうぞ。
 
○石田委員
連合の石田でございます。
資料の作成、あと御説明いただきまして、どうもありがとうございます。
何点か伺いたいと思います。
現在が「第13次労働労災防止計画」の期間中であり、5年計画の中の中段に当たるわけですけれども、一方で、コロナによる影響が起きているということで、これらも十分念頭に置くべきだと思っています。
そういった意味では、緊急避難的とはいえテレワークという働き方も、これを契機に在宅勤務などとして広がっている。その中で在宅勤務によるメンタルヘルス不調が拡大するのではないかと懸念しております。そこで、新たに在宅勤務とメンタルヘルス不調について、参考指標として何か設定すべきではないかと、そんなふうに思っておりますので、御見解があれば教えていただきたいと思います。
それから、資料の6ページの達成目標3番の測定指標の3番ですが、メンタルヘルス対策に取り組む事業所の割合が設定されています。実は全体で見ることも大事ですけれども、企業規模別に深掘りをすることも大切ではないかと思っています。大手の企業では、しっかりと対策が取られている傾向があるものの、中小零細については少し対策が遅れているのではと危惧をしており、全体で包含してしまうと、数値上、大手企業が職場の実態を引き上げてしまっているということも懸念されますので、その辺も含めて、企業規模別にみた測定指標が必要ではないかという気持ちがあります。
それと、達成手段をたくさん列挙いただいて、本当に幅広い中で対応していただいているとは思うのですけれども、私の勉強不足もあるのですが、個々の対策手段がどういう関連があるのだろうという疑問があります。例えば43番とか44番も含めてなのですが、なかなか直接の関係性が見えにくいのもあるので、今、全てを解明いただく必要はないのですけれども、少し整理をして、中心的なものを達成手段にするほうがより分かりやすいという感じがいたします。
7ページ、達成目標の4番、測定指標の5番、ラベル表示とSDS交付の関係なのですが、いわゆるラベル表示やSDSの交付の有用性を見るためにも、指標として、ラベル表示・SDS交付義務対象物質を原因とする労災の発生件数や割合についても参考指標に加えたほうが、よりよい対策ができるではないかなということを少し感じましたので、発言をさせていただきました。
それから、外国人労働者の関係で、多くの先生方から御指摘、御意見がありまして、そのとおりだと思っているのですが、私は加えて申し上げますと、8ページの実績と目標を見ると100%なのですが、ここでいう外国人向けの安全衛生教材の作成というのは、発注目標と発注数が合えば100%になる数字なのかと、失礼な言い方でしたら申し訳ないのですけれども、そのような数字なのであれば当初計画どおり発注すれば目標が達成ということになってしまうので、そういった意味では、教材を作成したことによってどういうメリットや効果が生まれたか、という指標の方がよいと感じますので、そこのところも少し御意見として申し上げたいと思います。
以上です。
 
○菊池座長
時間もありますので、端的にまとめていただければと。
 
○労働基準局
まず、1点目のテレワークでのメンタルヘルスを指標にすべきではないかということにつきましては、まさに中間年ですので、今後そういった御指摘も踏まえて考えていきたいと思います。
メンタルの取組を規模別に把握できているかということですが、メンタルの制度が始まって間もなく、御承知のとおり規模別の努力義務というところもありますので、ここも普及状況を今の時点でどちらで捉えるのがいいのかというのもありますが、御指摘を踏まえて検討させていただきます。
政策手段について分かりにくいというところは、工夫していきたいと思います。
ラベル、SDSについて、まずは交付しないと始まらないという問題がありますけれども、御指摘も踏まえて検討していきたいと思います。
外国人につきましても、段階的に教材資料を作っていくということで、大体そろってきたところですけれども、整備途上という段階にある中でのこういう目標だったわけです。ある程度そろってきた段階でどうあるべきかというのは、御指摘を受け止めたいと思います。
 
○石田委員
よろしくお願いします。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
それでは、いろいろ御意見、御質問をいただきましたので、担当課におかれましては、ただいまの御議論を踏まえて、必要に応じ、事前分析表の修正を行っていただければと思います。どうも御苦労さまでした。
それでは、次の施策目標に移ります。全体が大分押しておりますが、申し訳ございません。
(説明者入替え)
 
○菊池座長
続きまして、施策目標Ⅴ-3-1、高齢者・障害者・若年者等の雇用の安定・促進について御議論いただきます。
まず、お手が挙がっております渥美委員からお願いしてよろしいでしょうか。
 
○渥美委員
御指名いただきまして、ありがとうございます。渥美と申します。
私はダイバーシティの研究者です。7~8年前までは女性活躍を中心に研究していたのですけれども、ここ7~8年は障害者活躍を研究しております。その視点で、施策目標個別への違和感というよりも、全体的な意見として申し上げたいことがございます。
まず、障害者に関して、基本的にダイバーシティの一テーマとして位置づけるのであれば、女性活躍のときと同様に、社会全体での割合と職場における割合、管理職割合とか、いろいろな比較軸はあるのですけれども、そういうギャップ分析はすごく重要で、障害者活躍に関しても、施策の中に入っている発達障害者あるいは難病の難病患者でもあり就労者でもあるという人たちが、そもそも社会全体の分布はある程度分かるにしても、職場における実際の状況はまず分かりません。だから、ギャップが見えない状況です。
そもそもそういうデータ把握は大きな施策を考えるときには絶対に必要な数値ではないかと思いますので、調査はすべきではないかと思っております。個別の施策目標に異論はないのですが、ただ、そもそも就労支援で障害者が就労弱者だから支援しなければいけない、サポートしなければいけない。そういう視点で施策を組んでいくこと自体は別に必要な人たちは今もいるのでいいのですけれども、ただ、ちなみに私は発達障害者当事者なのですけれども、当事者として申し上げると、発達障害者もそうですし、難病患者もそうですけれども、別に能力的に弱者とは限らず、ある程度職場対応は必要にしても、活躍できない人たちではないと。ですから、女性活躍でも、そもそも女性がこういうふうに能力発揮して活躍しているという事例周知がそもそも女性の雇用を逡巡しているような企業があったら、そこを後押ししたという、ポジティブアプローチはすごく重要で、今、例えば障害者活躍の優良事例は幾つか国の外郭団体もなさっているものがございますが、それはあくまでも障害者が弱者だから、そういう人たちをサポートする企業の優良事例にすぎなくて、障害者がこういうふうに能力発揮して、管理職として活躍しているとかという事例は周知されていません。
ただ、私はそういう研究をしているので、いっぱい事例があるのは知っています。ですから、特に発達障害者とかの就労を応援するのであれば、発達障害者ならではの個性で活躍している事例とか、難病を抱えながらも活躍している事例、それには当然サポートが必要なのですけれども、そういう活躍事例を周知するという、女性活躍で成功しているアプローチは、今後障害者活躍でも御検討いただきたいと思います。
ですから、施策目標を変更するというよりも、今後厚生労働省としてそういうポジティブアプローチの事業を増やしたほうが、結果的には障害者、難病患者の人たちの就労は進むのではないかと思っております。
以上です。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。
 
○職業安定局
障害者雇用対策課でございます。
今の御指摘は、大変的確に今後の施策の方向性についても御示唆いただいたと思っております。
私どもとしては、障害者について必ずしも能力的な弱者という位置づけで捉えているというよりは、障害の方々それぞれが持つ特性をぜひとも強みにして、経営上も戦略化した上で、貴重な人材として御活躍いただく道を積極的につくっていくべきだと考えております。そうした発信が必ずしも十分ではなかったというところは、我々も今、反省に立っておりまして、特に積極的な障害者雇用を進めていただくという意味では、合理的配慮などしっかりと対応していただいた上で、能力が発揮できる環境の整備と、その方たちがまさに経営に寄与するような人材になっていくことについて応援をしていく、そういうスタンスを強調してやっていきたいと考えております。
そういう意味で、来年、新たにそういった戦略化を図った障害者雇用ということでのリーフレットなどを作りたいと考えているところであり、今いただきました御指摘も踏まえて、活躍事例なども積極的に展開をしてまいりたいと考えます。
以上でございます。
 
○渥美委員
御回答いただきまして、ありがとうございました。
厚生労働省様がそういうネガティブアプローチと決めつけているわけではないのです。ただ、例えば施策目標として、いまだに障害者を雇用していない企業が過半数を下回っている状況の数値を上げていくというアプローチは、僕の中では、社会全体で例えば積極採用している企業、要するに法定雇用率の10倍くらい採用している企業がもっと増えて、社会全体の障害者雇用率が高まるのはいいことだと思っています。
要は、本当に積極的に発達障害者活躍をやっている企業は実際に日本国内でもあるのです。ただ、そういう企業が表立ってそういうことを前面に出しているかというと、結果的にそうなっているというだけになるのです。御説明いただいて僕は納得しているので、その方向で進めていただければ結果的に、今、ネガティブに受けている企業が相当数あるというところをもうちょっとポジティブに意識を変える方向で施策のウエートを増やしていただいたほうが、結果的には目標達成に近づくのではないかなと思って意見申し上げました。
御回答いただきまして、ありがとうございました。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
それでは、玄田委員、お願いします。
○玄田委員
若年者について一言申し上げます。
ざっと読んだ限り、コロナ前に書いたような感じがするような書きぶりになっていて、これから感染症の動向にもよるのですけれども、かなり若年者に深刻な影響が及ぶ可能性をすごく受け止めて、それに対して目標を立ててやっているというのがちょっと読みにくいような、言い方を悪く言えば楽観視しているような書きぶりになっているように見えます。内定率も大分影響してきたし、何より気になるのは10代の自殺者数の増加とか、若年の不安定化をもう少し前面に出した書きぶりに書き加えていかないと、誤解を招くのではないかと。
今後の若年者雇用研究会も含めて、第二の氷河期世代を生み出さないというのは厚労省としてメッセージを出していらっしゃるということは存じ上げているのですが、その思いが何となく施策目標、評価の若年者のところにあまり反映されていないように見えるので、そこは来年度も含めてもう少し目標の設定の仕方を精査されたほうがよろしいのではないかなと感じましたので、ぜひ御検討いただければと思います。
私からは以上です。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
いかがですか。
 
○人材開発統括官
人材開発統括官付若年者・キャリア形成支援担当参事官室です。
ありがとうございます。おっしゃるとおり、第二の氷河期を生まないという部分は研究会でも発信させていただいておりますし、特にコロナを踏まえた中でという部分での目標設定につきましては、今後もそういった部分はもちろん非常に大事だと思いますので、また検討させていただいて、進めていければと思います。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
それでは、特によろしいでしょうか。
 
○石田委員
端的に申し上げます。石田でございます。
説明資料、ありがとうございます。
まず、資料の2ページの背景・課題のところで少し気になる点を申し上げたいと思います。
2番の内容で、今、障害者雇用と福祉施策の連携強化に関する検討会が開催されています。その内容の中間取りまとめで示されたものについて記載はないですが、それは次のタイミングになると思いますが、その辺についての見解と、今後、雇用側で整理をしていくのか、福祉側で整理をしていくのか。これは整理上の話ですけれども、どちらに記載し、どちらの政策評価のどちらのWGで検討するのか、もしお考えがあれば教えてもらいたいと思います。
それから、その下の3番なのですが、若年層の就職の関係で、今、各先生から御指摘がありました。我々としても、就職氷河期時代の再来は避けるべきだと思っておりますので、その辺についてもしっかりと前面に出していただければよろしいのではないかと思っています。
おめくりいただいて、資料の3ページの目標1の指標の3番、65歳から69歳の就業率、アウトカムが、実績の推移を見ると50%あるいは令和7年に51.6%という数字になっておりますけれども、来年というか今年の4月からさらに70歳以降の高齢者の関係は、努力義務で法改正がされるという背景もある中で、目標の立て方が少し低いのではないかと、もう少ししっかりと高い目標を立ててもいいのではないかと思うのですけれども、その辺について見解をいただければと思います。
それから、その下の4番の高年齢労働者処遇改善促進の助成金の関係について、60~64歳までの方への助成ということで記載がされておりますけれども、この関係については、高年齢雇用継続給付の減額の年次との連動性についてどういうふうに整理をしたらいいのかというのがありますので、このタイミングでこれを目標指標に入れていくということについて、少しお考えを伺えればと思っています。
要するに、高年齢雇用継続給付金が減額されるのが平成7年度以降ということになりますから、このタイミングでこの施策のアウトプットを目指していくというのは、時期的に少しずれているのではないのかなという感覚がありましたので、その辺について教えていただければと思います。
次のページの達成目標2の指標5、6、7、8なのですが、測定目標として設定されている基準値に対して目標値や実績値がここ数年同じような数字になっており、指標になり得ていないのではないでしょうか。基準値をもう少し引き上げるか、或いは別の指標を設定するなどの対応が必要ではないかと思うのですが、教えていただければと思っています。
簡単ですけれども、以上です。
 
○菊池座長
時間もありますので、端的にお答えください。
 
○職業安定局
1点目でございますが、今回の記載は令和2年度、令和3年度それぞれに関して、特に令和2年度予算事業として措置している施策についての背景・課題ということで整理しているものと認識してございます。御指摘の福祉との連携につきましては、まさに今、動いている話でございますので、今後、当然記載することになると思っております。
 
○職業安定局
3点目、高齢者雇用の目標の件に関して高齢者雇用対策課から回答させていただきます。
高齢者雇用の65~69歳の就業率の目標について御説明させていただきます。高齢者雇用対策課の松本です。
こちらにつきましては、改正高年齢者雇用安定法が来月4月から施行されるということで、この目標では低いのではないかという御指摘をいただいたと思うのですけれども、一旦、我々としましては、こちらにも書かせていただいているとおり、令和元年に成長戦略フォローアップで閣議決定された目標値を達成することが重要だと考えております。したがって、まずこの目標値の達成に向けて、それに基づいた当面の目標を設定していくことが大事だと思っている一方で、おっしゃるとおり、今回、改正高年齢者雇用安定法によって70歳まで就業を拡大したということで、想定より早い段階で当該目標を達成することも見込まれておりますので、早期に目標を達成した場合は、さらに目標の見直し等に努めて、着実に政策を実施してまいりたいと考えているところでございます。
以上です。
 
○職業安定局
高年齢雇用継続給付の関係で回答させていただきます。
先生がおっしゃるとおり、令和7年度から高年齢雇用継続給付の給付率が15%から10%に低下することを踏まえまして、その低下することを見据えて処遇改善を行った事業所に対して助成させていただくということを目的としている助成金なのですが、今回2万9000人という形で目標を立てさせてもらっておりますけれども、現在、年間で高年齢雇用継続給付の受給者自体が約57万9000人おりまして、そのうち3分の1程度、19万人ぐらいの方が最終的に令和3年度から令和6年度までの間に処遇改善されればいいということから、目標設定の数値を設定させてもらった次第でございます。
初年度なので、最初は準備期間とかがございますので、なかなかスタートからその数字を平年度化するというわけではなくて、準備も踏まえた形で設定させてもらっているというのが今回の2万9000人という数字になっておりますので、その目標達成に向けて引き続き取り組んでまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 
○職業安定局
最後でございますが、5、6、7、8につきまして具体的な目標になっていないという御指摘だったと思うのですけれども、就職件数や雇用率達成企業割合といった、具体的な数字を設定していると認識しています。
 
○石田委員
言い方が少し分かりづらくて申し訳ございません。
目標達成に対して、達成をされている数値が、いわゆる目標値よりも実績値が高いという形で推移をしているということに対して、改めてその目標を高いレベルで求めていくということも考え方の一つではないのですか、というような趣旨でございました。要するに、目標値を既に大きくクリアされていますよね、と。
 
○職業安定局
就職件数については、基本的に前年度以上を確保し、毎年毎年上げていこうということを設定の考え方にしております。また、雇用率につきましても、平均値をとった上で、それ以上に伸ばしていこうということで、基本的には今の障害者雇用の状況である右肩上がりの状況をまず維持するということを前提に置いております。御指摘を踏まえて、何かさらに具体的に考え方が取れるかどうかということについては検討したいと思いますが、基本的な考え方はそういうことでございます。
 
○菊池座長
よろしいでしょうか。
それでは、担当課におかれましては、ただいまの議論を踏まえて、必要に応じ事前分析表の修正等を行っていただければと思います。よろしくお願いいたします。どうも御苦労さまでした。
それでは、続きまして、福祉・年金ワーキングの施策目標に移りたいと思います。
 
(説明者入替え)
 
○菊池座長
既に11時半を過ぎておりまして、大変申し訳ございません。非常に盛りだくさんのテーマがございまして、もう少し時間がかかることが予想されます。とりわけ福祉・年金ワーキングの先生方はかなり長い間お待たせしてしまって申し訳ございません。
ここからは、まず福祉・年金ワーキングの委員の皆様の御発言を優先させていただくという形で進められたらと思っております。
まず、施策目標Ⅹ-1-1(公的年金)、Ⅹ-1-2(私的年金)についての御議論をいただきます。
本項目について、担当課より補足事項があるとのことですので、よろしくお願いいたします。
 
○年金局
ありがとうございます。年金局の企画官をやっております古川と申します。本日はよろしくお願いいたします。
事前に石田先生に御説明させていただいたときに御指摘いただいたのですけれども、測定指標の5番の厚生年金保険等の適用状況のところです。平成30年度までは、適用目標事業所数だけではなくて、適用目標被保険者数につきましても目標とさせていただいてございましたが、令和元年度以降は事業所数のみを目標としています。なぜ、被保険者数の目標を目標値から削除したのか。その理由を教示せよという御指摘と、あと、令和元年度の適用被保険者数の実績について教えてほしいというような御指摘をいただいているところでございます。
御案内のとおり、令和27年度から国税庁の協力も得まして、従業員を雇い入れて給与を支払っている法人の情報を提供いただきまして、適用対象の事業所を特定しまして、適切に適用に結びつけてきているところでございます。
特にまず優先したのが、適用の可能性がある従業員数が多い事業所というところから優先的にやらせていただいてございました。こうした取組の結果としまして、平成30年度までに従業員数が多いと見込まれる事業所の適用が一定程度進んだと判断いたしまして、平成31年度は、比較的従業員数が少ない事業所ないしは、これまで適用勧奨しているのですけれども御協力いただけないような事業所、こういったところを重点的にやっていこうというふうに変更をさせていただきました。
こうしたことに伴いまして、適用対象者数ではなくて、適用事業所数というものを目標にすることに変更したということでございまして、取組を弱めたということではございません。
なお、令和元年度の被保険者数につきまして御質問いただきましたが、17万5774名となってございます。
ありがとうございました。
 
○年金局
続きまして、年金局企業年金・個人年金課で課長補佐をしております日水のほうから、もう一点、石田委員より御質問いただいておりました私的年金の測定指標1、確定拠出年金、確定給付企業年金及び国民年金基金の加入者数というのが延べ人数になっておりますところ、DBとDCで重複があると思われるため、その内訳について回答をということで御指摘いただいておりましたので、御回答させていただきます。
直近の令和元年度の実績値につきまして申し上げますと、確定給付企業年金の加入者数が940万人、企業型確定拠出年金の加入者数が723万人、個人型のiDeCo確定拠出年金の加入者数が156万人、国民年金基金の加入者数が35万人、これらを合計して延べ人数1854万人という形で指標を掲載させていただいております。
こちらは複数の制度の組合せなので、重複を排除するというのを厳密に行うのは難しい点もあるのですけれども、ざっくりとしたイメージを申し上げますと、確定給付企業年金と企業型の確定拠出年金を併用している割合がおよそ40%強となっております。また、iDeCoと企業年金を併用されている割合も10%程度となっておりまして、それらを粗い推計で重複を排除すると、令和元年度につきましては延べ人数が1854万人であるところに対して、重複を粗い推計で排除しますと約1400万人が重複排除後の加入者数の規模感ではないかというような数字になっております。
説明は以上でございます。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
それでは、このテーマにつきまして御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。
御質問を御予定の委員の方におかれましては、あらかじめ手をお挙げいただけますでしょうか。山田委員のほかにはおられませんか。よろしいですか。藤森委員からもありました。
それでは、山田委員からお願いします。
 
○山田委員
ありがとうございます。
私から3点ありまして、2つはⅩ-1-1に関するもので、1点目は、測定目標1の1で必要な法令整備と掲げられているのですけれども、定量的なものはもう少し考えられないのかということで、例えば資格期間短縮とかはいろいろとはがきを送られているわけですけれども、そのうちどれくらいがちゃんと申請してきているかとか、あと、年金生活者支援給付金とかも同様にということで、今のはあくまでも例にしかすぎず、もう少し何らかの定量的な指標が考えられないのかというのを御検討お願いしたいというのが1つ目です。
これに関しての2つ目というのは、私の不勉強ですみません。必要な法律整備というのが毎年毎年入っていますけれども、これは具体的に何のことですかということをお伺いしたい。
3点目はⅩ-1-2に関することで、今、重複について御説明があったわけですけれども、施策の大目標としては老後生活の経済的自立の基礎となる所得保障の充実を図ること。言うならば、公的年金の給付水準がマクロ経済スライドによって低下する中で、どれくらい下支えできるかということで、実はもう一つ、将来一体どういう公的年金給付水準の人がどういった私的年金がもらえる見通しであるのか、もしくは加入しているのか、そこら辺がこちらの施策大目標の達成に向けて順調に進んでいるか知るためにはどうしても必要なことで、これは前々からいろいろな場で申し上げていましたけれども、やはり何らかの新しいデータを取る必要は標本調査であれ必要かと思っていますので、なるべく早期に、もし私的年金の充実を進めるのであれば、公的年金の給付水準ごとにどういうふうに加入状況がなっているのかとか、あとはそもそも可能であれば将来的な見通しとして、どのような組合せになるのか。給付水準の組合せになるか、公的・私的となっているのかということについて、分かるような資料を入れていただくように御検討いただきたいということになります。
私からは以上です。
 
○菊池座長
いかがでしょうか。
 
○年金局
ありがとうございます。
まず、公的年金のほうからお答え申し上げますが、測定指標のところで、もう少し定量的なものが入らないかという御指摘だったと思いますが、その点につきましては一度持ち帰らせていただきまして、検討させていただければと思います。
2点目の平成29年度以降の必要な法制整備と書いてあるのは具体的に何なのかという御質問だったと思いますが、平成28年法の改正に伴って、先生御案内のとおり、段階的に施行させていっているところでございまして、一番最後の令和3年度がまさにいわゆる通称賃スラ徹底と呼ばれる改正になってございます。基本的にその都度その都度、法律ではなくて政令、省令、告示等々という下位法令を準備して公布するという手続を進めておりまして、それをしっかりと確実にやるということを目標と書かせていただいたのがこちらの趣旨です。
ありがとうございます。
 
○年金局
続きまして3点目、私的年金について御指摘いただきました。
老後生活の所得保障を図るという観点では、私的年金単体で見るのではなく、公的年金の給付水準も併せて把握し、それについて検討する必要があるのではないかという点につきましては、御指摘を踏まえて、今後どういった対応が可能なのか、何らか対応ができることがあるかというのは検討させていただきたいと思います。
 
○菊池座長
山田委員、いかがですか。
 
○山田委員
ありがとうございます。
特に本当に私的年金に関してはデータが足りないところだということはいろいろな場で申し上げているとおりですので、ぜひそちらのほうを検討していていただければと思います。
御検討いただきありがとうございます。
 
○菊池座長
それでは、藤森委員、お願いします。
 
○藤森委員
藤森でございます。御説明ありがとうございました。
私のほうも、まずⅩ-1-1で、今、山田委員から御指摘のあったところにやや関連するのですが、8ページのところ、例えば財政検証について、財政検証を実施し、必要な検討を行ったという、財政検証の実績というのが目標になられているわけです。もちろん財政検証はとても必要なものだと思うのですが、この施策の大目標というのは、国民に信頼される持続可能な公的年金制度等を構築というところですので、財政検証を実施した後に、どれだけ分かりやすく国民に伝えていくのかという目標があってもよろしいのではないかなと思いました。それがもし定量的なものになり得るのであるならば、そんな形の工夫があってもよろしいのではないかということを思いました。これが1点目です。
それから、ここではそれ以外のⅧ-2-1についても御質問させていただきたいと思うのですが、それは別のところのほうがよろしいでしょうか。
 
○菊池座長
もしお時間がもうない、退室されるのでしたらよろしいのですが、そうでなければもう少しお待ちいただきたいのです。
 
○藤森委員
分かりました。では、後ほど申し上げたいと思います。
以上です。
 
○年金局
ありがとうございます。
財政検証につきまして、分かりやすくということで、私どももその方向でやっていきたいと思っているところなのですけれども、どのぐらい定量的なものが目標指標として設定できるのか、定性的なものはもちろんできると思うのですけれども、定量的なものができるのかというのは検討させていただきたいと思います。
1点だけ補足で御説明させていただきたいと思いますが、財政検証につきましては「いっしょに検証!公的年金」ということで、年金の漫画を作らせていただいてございます。令和2年度から着手し始めたのですけれども、令和3年度にかけて「いっしょに検証!公的年金」をバージョンアップして、リニューアルしようと思っています。そういったものも使いながら、より分かりやすい信頼される年金制度にしていきたいと思っています。
どうもありがとうございました。
 
○藤森委員
ありがとうございました。
私も「いっしょに検証!公的年金」は分かりやすく書かれているなと思いましたので、一層の工夫をしていただければと思っております。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
多分、ほかのワーキングの委員の皆様からもおありかと思うのですが、全体の進行上かなり押してございまして、申し訳ありませんが、福祉・年金ワーキングの委員からなければ、ここで一旦締めさせていただきたいと思います。申し訳ございません。
各委員から、指標の設定といった御要請もありましたので、持ち帰って御検討をお願いしたいと思います。また、必要に応じて事前分析表等の修正も行っていただくということでお願いいたします。それでは、御苦労さまでした。
 
(説明者入替え)
 
○菊池座長
続きまして、Ⅷ-2-1、福祉・介護人材の確保による福祉サービスの質の向上について御議論いただきます。
なお、委員の皆様、もし質問があるのだけれども、もう時間がないので退室しなければいけないということがあれば、その都度、直接お声かけいただくなり、チャットでお伝えいただくなりすれば、早く御発言いただけるようにしますので、お声かけください。
それでは、Ⅷ-2-1につきまして、御意見、御質問等はございませんでしょうか。
藤森委員、いかがでしょうか。
 
○藤森委員
Ⅷ-2-1の2ページなのですけれども、介護職員数が今後の目標に挙がっておりまして、これはとても大事な目標だと思っております。これを見ますと、年度ごとの実績値を見ますと、平成29年度から毎年3万人程度上がっていまして、令和2年度の目標が216万人ですので、15万人上がっていて、ここで増加人数が5倍に上がっていて、令和3年度は2021年度ですから、これも左側にあるように216万人で、同じ目標が掲げられているのかなと思います。
私のほうの質問は、1つは、令和元年度までも介護職員数を増やそうと努力されてきたと思うのですが、それが3万人、3万人で、令和2年度は15万人というところ。この部分は本当に高い目標設定を設定して、実現していかなくてはいけないところだと私も考えています。
一方で、増加人数で見ると5倍の人数になるところの実現可能性のようなところはどのように考えられているのかなというところを御質問したいと思いました。
以上です。
 
○菊池座長
いかがでしょうか。
○社会・援護局
福祉人材確保対策室の川端と申します。御質問どうもありがとうございます。
この数値の目標なのですけれども、介護保険法は3年に一度計画を立てて、目標値を立てるということで、年間6万人ずつ増やしていかないと、なかなかここに到達するのは厳しいところにあります。先生がおっしゃりますように、あと1年で15万人ということで、厳しいところにあると思います。
ただ、令和2年度については処遇改善の結果というのがここに出てくるところもございますし、あるいはコロナ禍で外国人の方々の入国が止まっていたというところもございますので、厳しいところではあるのですが、この処遇改善の結果がどの程度ここに反映されてくるのかというのを注視していきたいというところでございます。
現状としてはそういった状況になってございます。
 
○藤森委員
この部分はとても大事なところですので、また一生御尽力いただければと思います。
以上です。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
岩崎委員、お願いします。
 
○岩崎委員
よろしくお願いいたします。
私は障害福祉領域の専門家なのですけれども、今回、障害福祉の人材の確保について新規に項目を立てていただきまして、何回かこの会議で発言させていただいたことを受け止めていただいたということで、非常に感謝申し上げております。
ただ、その項目に連動する測定指標を拝見しますと、特定処遇改善加算については今年度の障害福祉サービス等の報酬改定においても、その障害領域の特性に応じて配分ルールを緩和していただいたりとかして、取得率の伸びを評価するということは適切だと思っております。
しかし、従来からございます処遇改善加算に関しては、今回83%から85%を目指すということで、目標設定がなされていて、測定指標として適切なのかどうなのか。あるいは、目標数値を見直していただく必要があるのかどうなのかということで、ちょっと疑問に思っております。
また、障害福祉領域のサービス全てが処遇改善加算の対象となっているわけではなくて、補助金による事業とか、あるいは計画相談支援事業所などは加算対象になっていないのです。ですので、処遇改善加算の評価が障害者を対象とした事業全体を反映しているわけではないという点も、ぜひ今後、指標を検討していただく上で考慮していただきたいと思っています。
ですので、障害福祉人材の実態を把握する上で、領域全体の従事者数であるとか、何人お勤めになっていて、定着率はどうなのかというふうな具体的な数字を目標値としてぜひ設定していただければと思います。
長くなって恐縮なのですけれども、いずれにしても、処遇改善は賃金改善に主眼が置かれているという点で、今度、サービスの質の向上というところが大きな施策目標として示されているわけですけれども、それをどう評価していかれるのかという点について、もしお考えがあったら教えていただきたいと思っています。
もちろんサービスの質の評価をどう実施するのかということは非常に難しい問題であるということは承知しております。福祉サービスの第三者評価が高齢者領域では非常に高い割合で実施されていますけれども、障害福祉領域においては補助金が出ている東京都以外は惨たんたる状況ということがございます。ですので、何らかの質の担保というようなことを考えていくというのは、虐待の問題とかも踏まえて非常に重要だと思っておりますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
以上でございます。
 
○菊池座長
いかがでしょうか。
 
○障害保健福祉部
障害福祉課の猪狩と申します。よろしくお願いいたします。
先生方に御指摘いただきました点で、まず、処遇改善加算の関係ですけれども、特定処遇につきましては先生におっしゃっていただきましたとおり、今回、令和3年の報酬改定において配分ルールを見直すということでございますので、それも踏まえて取得の促進が見込まれるのではないかというところで、目標値は60ということで設定させていただいております。
従来からの処遇改善加算につきましては、我々も取得促進に努めておりますけれども、今、85で適切かという御意見をいただきましたが、こちらは引き取りまして、どういったことが可能なのか、類似の制度であります介護保険における処遇改善加算もございますので、そういったところの数字等を見ながら考えていきたいと思っております。
それから、処遇改善加算の対象につきましては、従来から言われておりますけれども、ここは制度論の話になりますので、引き続きの検討課題かなと思っております。相談支援事業所をどうするかみたいなお話だと思いますけれども、ここは引き続きの課題と捉えさせていただきたいと思っております。
サービスの質の向上につきましては、各サービスでガイドライン等も出しているのですけれども、それをどう評価するかというのは確かに先生がおっしゃるとおりまだ障害サービスで弱いところがありますので、なかなか数値的なものというのは難しいかもしれませんが、どういった対応が可能なのかということを検討させていただきたいと思っております。
私からは以上でございます。
 
○岩崎委員
ありがとうございました。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
それでは、山田委員、お願いします。
 
○山田委員
ありがとうございます。
私からは4点ありまして、1つは今の御意見とも重なるのですけれども、達成目標の3のほうに福祉・介護職員処遇改善加算率の取得率と書いてあるのですけれども、私が読み違えていたら申し訳ないのですが、これは施策目標3の障害福祉人材の確保・定着に向けてのところなので、介護職員について分けて見ることができるのか。介護職員のところに関してはそれが出てこないので、福祉人材のほうに書かれていることが介護のほうには書かれていないというのがバランス的に気になるということです。1点目です。
2点目としては、先ほど御指摘があったように、介護給付費分科会とかでは勤続年数とか平均賃金とかも重要な指標として議論されておりますので、そちらに関しても類似の指標を参考指標として入れられないかというのが2点目。
3点目としては、別のエリアで出てきましたけれども、特定技能等で外国人材の受入れをこれから大幅に進めようという中で、外国人材の処遇というのもチェックする必要があると思います。それが低ければ、日本の方の処遇も一緒に落ちていってしまう可能性がありますので、こちらについては、これが非常に重要な外国人材の受入環境整備とも関わりますので、それをぜひモニターしていただきたい。
長くなってごめんなさい。4点目については、以前も申し上げましたけれども、介護施設とか福祉施設における非常にセンシティブな問題でありまして、行政との信頼関係という意味では難しいとは思いますけれども、虐待等の発生事案とかに関してもなるべくモニターして、入れていただければ、非常に悪い意味での質を端的に表す指標の一種かと思いますので、参考指標等について御検討いただければと思います。
私からは以上です。
 
○菊池座長 いかがでしょうか。
 
○社会・援護局
どうもありがとうございます。
1つ目のところですが、処遇改善等々、いずれも障害福祉の分野にあるのだけれども、介護分野にないというご指摘がございました。確かに最近処遇改善を図っているところで、どの程度捉えているのかというところを取っていくというのは重要だと思いますので、引き取らせていただいて検討したいと思います。
そのほか、外国人の方々の処遇ですとか、これから取っていくことになると思いますけれども、虐待の発生事案とか、こういったところも先生から御指摘いただいたものも引き取らせていただいて、どういったことが立てられるか、参考指標としてできるかということについて検討させていただきたいと思います。
 
○山田委員
よろしくお願いします。ありがとうございます。
 
○菊池座長
河北委員からお手が挙がっています。
医療・衛生ワーキングでいらっしゃいますが、関連した御質問だと思いますので、手短にお願いできれば幸いです。
 
○河北委員
手短に伺いたいのですけれども、私は現場からの意見を述べたいと思います。
今、介護福祉士という資格の有資格者に関しては、紹介会社に払う手数料が幾らぐらいか御存じですか。いかがでしょうか。
 
○社会・援護局
今、手元にはないのですけれども、たしかそういった調査をしているというのは聞いております。高いというご指摘も伺っています。
 
○河北委員
それでは全然答えになりません。
今は恐らく介護福祉士の人たちの紹介業者に払う紹介料は120~130万円です。看護師が大体75~85万円ぐらいです。ですから、看護師よりもずっと高い。さらに、無資格者の介護者というのは全く市場が成り立たないぐらい逼迫をしていて、不足をしています。
この問題を解決するために、先ほど山田先生が外国人の話をされましたけれども、今、外国人、特にアジア人の市場の争奪戦になっていて、ヨーロッパが圧倒的に勝っています。日本は物すごく遅れている。外国人のこういった人たちを受け入れるという体制が、国籍の問題、家族の問題、一体滞在資格をどうするか。そういったものが全く解決されていなくて、外国人に頼ることすらできないというのが現状です。
以上です。
 
○菊池座長
その辺の現場の状況を踏まえてほしいということでございますが、いかがですか。
 
○社会・援護局
外国人材の受入れということで、今、一番新しいところで言えば特定技能ですとか、技能実習の介護ですとか、いろいろな受入れの手法、ルートがございますけれども、先生がおっしゃりますとおり、処遇の面もそうですけれども、紹介料の件ですとか、もろもろ御意見いただいているところでございまして、そういった中で、どういった形で外国人の方の受入れをしっかりとしていくかということについては重要な点だと思いますので、マッチングもそうですけれども引き続き魅力も発信して、実際に入ってきていただいて定着をしていただくというところについてしっかり進めていきたいと思ってございます。
 
○河北委員
ぜひお願いします。
 
○菊池座長
貴重な御指摘ありがとうございました。
やはり政策評価を何のためにやるのかということに絡みますけれども、どういう政策、方向性あるいは戦略を立てるのか。それがあって、目標を立てていった先に指標を立てていく。そして、それを評価していく。やはり政策評価を何のためにやるかというと、国、厚労省の政策を推進するための有力な手段として行っているので、それも踏まえて、この政策評価の本分を生かしてほしいという御指摘かと思いますので、持ち帰っていただきたいと思います。ありがとうございます。
すみません、時間がございませんので、この課題については以上とさせていただきます。持ち帰って、御検討のほうをよろしくお願いいたします。御苦労さまです。
 
(説明者入替え)
 
○菊池座長
それでは、最後となります。12時を過ぎまして大変申し訳ございません。
Ⅺ-1-4、介護保険制度の適切な運営を図るとともに、質・量両面にわたり介護サービス基盤の整備を図ることとなってございます。
まず、平野委員から、大変お待たせして申し訳ございませんでした。よろしくお願いいたします。
 
○平野委員
平野です。
このⅪ-1-4は今回、実績報告がついていましたけれども、Ⅺ-1-2と比べて測定指標が2つというか、最初のほうが非常に総花的な指標になっていて、先ほど言ったⅪ-1-2のほうが指標が8つ設定されています。前半の指標のほうがもう少し工夫の余地があるのではないか。つまり、15ページの測定指標の件ですけれども、細分化する余地があるのではないかという意見を持っています。
特に先ほどから触れられていますように、今回は事業計画の実施年でもありましたけれども、特に有料老人ホームとかサ高住については計画の中に盛り込むような変化がございましたので、そちらはなかなかデータ的に取りにくい側面もあろうかと思いますけれども、そこは指標の見える化の作業なども利用しながら、ぜひ追加して、指標として検討していただけないかなとも思っています。
特に、やはりサ高住の問題は、一般的に言われる囲い込み等の問題点も指摘されていますので、適正化の中でも対象として考えていく余地はあるのではないかというのが一つです。
もう一点は、後半のほうの施策目標のほうなのですけれども、4のほうで地域密着の事業者数をアウトプットとしてカウントしていただいておりますが、ここは2つありまして、1つは小規模多機能型のほうと定期巡回のほうは分けて数値化するべきではないかということと、小規模看護のほうも含めてですけれども、日常生活圏域の分母を取るなり、どれぐらい地域に密着して整備されているかという指標のほうに踏み込んでいただく必要があるのではないかと思っております。
それに関連して、次のページ、(9)、(10)という辺りに関連する指標番号で6というのが出ているのですけれども、指標の6というのはなかったように思います。
以上です。
 
○老健局
老健局総務課長の竹林でございます。
先生、御指摘どうもありがとうございました。
まず、測定指標がほかと比べて総花的で少ないのではないかという御指摘については、先ほど、私は人材のところも聞かせていただいておりましたけれども、お恥ずかしながら、役所の中で作業が縦割りになっておりまして、ほかの部分がどんな形で作られているか、私も承知していないところがありました。先ほども障害のほうは処遇改善の話があるけれども介護のほうはないみたいな御指摘もありましたので、もう一回、ほかの部局がやっている作業ももう一回勉強させていただいて、こちらのほうに追加できるものがきっとあるのではないかと思っておりますので、御指摘を受け止めさせていただいて、もう少し充実をさせていただきたいと思います。
その上で、今、いろいろと個別のサービスごとに有料老人ホームとかサ高住、あるいは定期巡回、小多機といったお話がありました。個別のサービスごとの目標を書き込むというのが全体のバランスの中でどうなのかというのはもう少し検討する必要があるかなと思いますけれども、いずれにしても御指摘を踏まえまして、どのようなものが可能か考えていきたいと思います。
ありがとうございました。
 
○菊池座長
平野委員、よろしいでしょうか。
 
○平野委員
個別のという意味は分かるのですけれども、むしろ達成目標の4として地域密着側と設定されているという前提ですし、地域包括ケアの一つの重要なプログラムであることは間違いないので、ここだけが個別だという意味ではなくて、それが評価指標として重要だと私も認識した上で、拠点型とデリバリー型の区別はあるのではないかということですし、圏域ごとに密着型はどれぐらいの普及の状況があるかということは大事だと。そういう意味で申した次第です。
以上です。
 
○菊池座長
ありがとうございました。
あと、お手が挙がっているのは山田委員ですが、ほかにはおられませんでしょうか。よろしいですか。
それでは、山田委員、お願いします。
 
○山田委員
詳細な資料をありがとうございます。
私から3点ありまして、1点目は、以前も申し上げたかもしれませんけれども、地域密着型サービス等は市町村間のばらつきも非常に大きいと思いますので、散らばりの指標を新たに一次判定か二次判定における変更率で把握されているのですけれども、これに加えて、可能であれば、例えば各自治体で整備計画がいろいろと進められているわけですけれども、そのうちどれくらいが実際に整備されているかというモニター、もしくはそのばらつきを把握していただきたい。厚生労働省のほうで統一的に把握していくしかできないと思いますので、そちらをぜひお願いしたい。
2番目について、前のブロックでも議論になりましたけれども、質の評価に関しては、やはり情報の非対称性の問題がありますから、積極的にいろいろな施設が提供するサービスとか質の情報を生み出していくという面においては、第三者評価をどれくらい受けているかということについても一つ指標として考えられるのではないかということが2点目になります。
3点目については、ロボットセンサー導入支援件数となっていますけれども、私が聞く限りは業務支援ソフト、例えば欠勤が生じたときにシフトを組み替えてくれるようなものとか、業務先で電子的に書類を作るということで、かなり業務の負担が軽減される。そういったことはロボットとセンサーとはかなり質が違うことですので、今後の検討課題でも結構ですけれども、別立てで各事業所での普及率等について、もし可能であれば指標として検討していただきたいと思います。
以上3点になります。
 
○老健局
ありがとうございました。
御指摘を踏まえて、今後検討させていただきたいと思います。
確かに今、質の評価に関する指標がないというのは御指摘のとおりだと思います。質の評価は、性格上、定量的にどうやって把握し、データ化し、進捗を管理していく必要があるので、どういった指標を設定すれば、それが定量的に評価できるのかというのは、そういうことがなかなか答えが出なくて今、載せられていないのですけれども、御指摘もありましたので、引き続き何か適切な指標が採用できないか考えてみたいと思います。
あと、後者のロボットセンサーだけではなくて、業務支援ソフトみたいなものについても対象とすべきだというのは、御指摘の趣旨はよく理解をしました。少し悩ましいのが、実績が取れるかという話があって、ロボットセンサーのほうは今、補助事業をやっていますので、補助を出すという形で件数が把握できるのですけれども、業務支援ソフトの類いは各事業者が自主的に入れていただいているわけです。今、それを網羅的に把握する仕組みがないものですから、そういったところの制約が突破できるかどうか、ちょっと考えてみたいと思います。
ありがとうございました。
 
○菊池座長
山田委員、どうぞ。
 
○山田委員
質に関しては前のブロックでも議論が出たのですけれども、そこら辺は行政と事業者との信頼関係の問題もあるのですが、例えば第三者評価を受けた割合に加えて、虐待件数のような発生率は最悪の質の指標としては一つ考えられるかなと。
どちらのブロックでそれを載せるかというのも一つの検討課題ですけれども、御検討いただきたい。
あと、確かに悉皆調査のような全事業所の調査というのは、業務支援ソフト等は難しいとは思いますけれども、そこはサンプル、標本調査等の形で何らか既存の調査に乗せる形でできればなという実現可能性を御検討いただきたいと思います。
どうもありがとうございます。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
それでは、担当課におかれましては、今の議論を踏まえて、必要に応じ、事前分析表に反映するなりしていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。御苦労さまでした。
(説明者退室)
 
○菊池座長
それでは、以上で事前分析表に係る議論はひとまず終了させていただきます。
続きまして、議事次第(4)その他といたしまして、事務局から報告事項をお願いいたします。
 
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
本日はありがとうございました。
続きまして、事務局より、参考資料2に関しまして御報告ということでございます。
昨年9月に開催しました有識者会議ワーキングにおける御意見への対応状況を参考資料2で整理しております。お時間の関係から、私のほうでは1枚目のみ説明させていただきます。
全体で、3ワーキング合計で75の御指摘をいただきまして、そのうち現時点までにおいて対応しましたものが56%程度、また、引き続き検討しておるものが3割程度ございます。その他、対応困難というものが10%等々という状況になっておりまして、具体的な対応の状況はそれぞれ令和2年度でもう既に対応済みのもの、また、既に対応予定が決まっているようなものが31個という状況でございます。
具体的な個別の項目について御質問がある場合には、これから御質疑いただくと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
○菊池座長
そういうことでございますが、御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。
 
○石田委員
発言してもよろしいですか。もしお時間があれば、後ほど書面にてという選択をしますけれども。
 
○菊池座長
今の件に関してですか。
 
○石田委員
今の件です。
 
○菊池座長
承知しました。
ほかにオンラインで御質問、御意見等をなさりたい方は挙手をいただければと思いますが、いかがでしょうか。特におられませんでしたら、お願いします。
 
○石田委員
簡潔に申し上げます。
資料の7ページなのですけれども、多分一番上が44番になっていて、44番と後方の50番、51番総じてということになるのですが、特に44番については、養育支援訪問事業の関係について少し御意見を申し上げさせていただいて、引き続き検討ということになっておりますけれども、ぜひ支援を必要とする人に適切な支援が行き届く関係で検討がされるように、お願い申し上げたいと思っています。
それと、下の50番、51番の関係です。これも自立支援員の相談件数が50番に載っておりますけれども、目標が過大というような評価があったということはあるのですが、引き下げろという意味では決してございませんので、ぜひ行政以外が主体となって実施する相談支援の件数あるいは事例についても指標に含めていただいて、併せて把握できるように御検討いただければと思います。
最後の独り親家庭の子どもの生活、学習支援の事業についてでございますが、これも様々な課題があるわけですが、お子さんの最善の利益を考えた生活、学習支援、そして保護者に必要な支援の提供状況を測るための指標をぜひ御検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
簡単ですけれども、以上です。
 
○菊池座長
事務局、何かございますか。
 
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
今いただいた御意見につきましては、担当部局のほうにお伝えさせていただいて、事務局とともに検討させていただきます。
 
○石田委員
よろしくお願いします。
 
○菊池座長
ほかの委員からも、御自身の質問された部分でここはどうなんだというところが多分おありになるのではないかと思います。その際には、個別に事務局にお伝えいただいて、また所管課のほうに事務局から伝えていただく。そういうやり取りをしていただきますので、どうぞ御意見をいただければと存じます。
その関連で、特に今日の3つのワーキングに関わるテーマについては、御発言を用意しておられた方で御発言できなかった方もおられるかもしれません。その場合には、ただいまの御報告の部分も含めて3月29日の月曜日までに事務局に御連絡をください。今日のこの場での議論と同様、必要に応じ、担当部局で検討し、議事録とともに公表をすることにさせていただきます。よろしくお願いいたします。
それから、今日は私が遅れた上に、議事進行でかなり遅れてしまって申し訳ございませんでしたが、1点、会議の進め方について、事務局に来年度に向けて御検討いただきたいと思っていまして、今日もこのように1時間近く押したところであります。年度末の全体会議の在り方について、私は長く委員をやらせていただいているので随分大きく変わってきたなという認識がありまして、具体的には全体会議とワーキングの関係が不明確ではないかなと感じています。
従来、少し前までは、全体会議では個別の分析表というよりは基本計画や実施計画の在り方とか、そもそも政策評価とは何か、どこを見ていけばいいのか、その辺りの議論が中心だったように記憶しています。それは梅田先生とか森田先生といった政策評価の専門家が委員として関わっておられたということもあったと思います。
そうした議論の仕方というのは、相応の根拠があったと思うのです。1つには設置根拠です。全体会議とワーキングの位置づけの設置根拠がそのような形になっている。もう一つは、この有識者会議の発展経過の中でワーキングが置かれ、3つのワーキングに分かれて、そこで実績評価の意見聴取を行うという形になっていった。だから、その辺の目標設定、事前分析もワーキングでやるという方向性が一つ出たというのがあると私は認識しています。そのこともあって従来の運用が、さきにも申し上げたように、全体会議では大きな観点からの議論が中心だったと。だから2時間という時間設定がされていたと思うのです。
でも、今日まさにそうですが、個別のテーマについて皆様からコメントいただくことになると、5人のワーキングでも2時間でかなり時間いっぱいになりますので、15人で2時間というのはそもそも無理があると思います。
すみません、内容が聞き取れないという御意見があるので、多分接続の問題だと思うのですが、後で事務局のほうから伝えていただきますけれども、そのこともあって、事務局におかれましては、会議の持ち方、在り方について、そもそもの設置根拠、そしてこれまでの会議の発展経過などを踏まえて、整理をお願いしたいと思っています。
もし今日のような形で、全体会議で実質的な中身の議論を行うのであれば、多分4時間ぐらい必要だと思います。または、個別の実質的な部分についてはワーキングをつくって、ワーキングでやるということにしたのだから、そこでやるというのであれば、今日の事前分析表の評価についても、基本的にはワーキングの任務としてやっていくというのも一つあると思うのです。その辺りの整理を次年度に向けてお願いしたいと思っております。
すみません、お聞き苦しいというかそもそも聞こえなかったかもしれないのですが、何かコメント、御意見等はございますか。聞こえませんか。申し訳ございません、エラーになっているという話もあります。この部分については、後で文章化して皆様にお伝えしたいと思います。
 
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
私のほうから今の御発言に対する事務局の受け止めということなのですけれども、今、座長の菊池先生からも御指摘がございましたが、おっしゃるとおり、この2時間の中でというのはなかなか厳しいような状況もあります。また、そもそものワーキングと有識者会議での役割分担というところに鑑みましても、4期がもうそろそろ終わる中で、一度、再検討が必要な時期になっておるかと認識しておりますので、次年度に向けまして、今後、事務局内で検討を進めさせていただき、委員の皆様にも御相談させていただければと思っております。
本日は大変申し訳ございませんでした。
 
○菊池座長
議事は以上で終了ですが、最後に何かありますか。
 
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
以上をもちまして、全ての議題の御議論が終わりました。
本日の御議論を踏まえた上で、必要な作業を進めさせていただきます。
また、事前分析表につきましては、必要な修正を行いました上で本年夏頃をめどに公表する予定でございまして、確定した資料につきましては皆様に送付したいと思っております。
事務局からは以上でございます。
また、通信がつながっていない部分につきましては、議事録の送付で皆様に御報告という形にさせていただければと思います。大変申し訳ございませんでした。
 
○菊池座長
申し訳ございませんでした。
それでは、これをもちまして、本日の会議は終了とさせていただきます。
長時間にわたって御苦労さまでした。
 

会議後の提出意見

 座長の指示のとおり、会議時間の制約により、会議の場で発言できなかった意見については、事務局宛に提出されることとなっていたところ。石田委員より意見提出があったことから、議事録として以下のとおり公表する。
 
(意見箇所)
・議事(3) 令和3年度実施施策に係る政策評価の事前分析表(案)について
 (「福祉・年金WGの事前評価表について」への意見)
 
Ⅷ-2-1:福祉・介護人材の養成確保を推進すること等により、福祉サービスの質の向上を図ること
 
<確実な人材確保に向けて、年度ごとの具体的目標値を設定すべき>
  •  達成目標1の測定指標1「介護職員数(アウトカム)」の項について、介護分野においては、介護人材の確保が一番の課題になっている。現在でも有効求人倍率が(年1月、全国)と全産業平均(同)の3倍以上の高い水準で推移しており、人材確保難がサービス提供のボトルネックとなっている。
  •  また、介護人材の賃金の状況をみると、産業計と比較した場合に年収として万円以上の差(年賃金構造基本統計調査)がある。年末の介護保険部会意見において「賃金制度の整備を進めることも含め、介護職員の更なる処遇改善を着実に行うことが必要」と明確に記載されたにもかかわらず、年度から年度にかけて賃金制度の整備は進んでおらず、年度介護報酬改定においてもさらなる処遇改善は行われなかった。
  •  厚生労働省は、年度末には約万人の介護人材が必要との試算を示しているが、年度の実績値は万人に留まる。また、年度末には約万人必要とされているものの、年度の実績値は万人、年度は万人、年度は万人と年間万人の増加にとどまり、増加ペースを見ても、年間万人程度必要とされる介護人材を確保できていない現状にある。実績値の推移を踏まえれば、これまでの人材確保の取組みでは目標値の達成は困難ではないか。
  •  現在、第8期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について、都道府県において推計中とのことだが、確実な人材確保のためには、年度ごとの具体的目標値を設定すべきと考える。
     
    <介護職員の処遇改善の進捗状況をモニターする指標を設定すべき>
  •  達成目標3の測定指標9「福祉・介護職員処遇改善加算取得率(アウトカム)」に関連して、前述のように年度介護報酬改定においてはさらなる処遇改善は行われていない。年月に介護職員等特定処遇改善加算が新設されたが、訪問看護や福祉用具貸与、介護支援事業所など介護職員がいない事業所は当該加算の対象外とされるなど不十分な点がある。また、介護職員処遇改善加算(Ⅳ)(Ⅴ)は、年3月時点で同加算を算定している事業者について1年の経過措置期間を設けた上で廃止される。
  •  さらなる処遇改善策の継続的な検討はもとより、今後さらなる処遇改善につなげるべく、政策評価においても、例えば、他産業の同条件の労働者の給与額との比較や廃止される介護職員処遇改善加算(Ⅳ)(Ⅴ)の算定事業所のより上位区分の加算への移行率を指標として設定し、着実に介護職員の処遇改善が進んでいるのかを把握すべきと考える。
     
Ⅹ-1-1:国民に信頼される持続可能な公的年金制度等を構築し、適正な事業運営を図ること
 
<測定指標の定量化の可能性を含め、再検討すべき>
  •  達成目標1の測定指標1および2については、法令の整備や財政検証の実施などを評価指標としているが、すでに実施済みの事項について実施の有無だけを評価することになりかねず、適切とは言い難い。資料3「厚生労働省における政策評価実施要領」の事前分析表の記載要領にあるとおり、測定指標の定量化の可能性を含め、再検討すべきと考える。
 
<ねんきんネットの活用状況やユーザビリティについても評価すべき>
  •  達成目標2の測定指標7について、コロナ禍でオンライン化の一層の推進が求められる中、ねんきんネットの利用促進は重要だが、ID取得件数だけでは不十分ではないか。例えば、ページの活用状況を把握するための平均滞在時間等による検証、ページのユーザビリティを評価するためのアンケート調査を行うなど、ユーザーである国民目線の新たな指標を検討すべきと考える。
     
     
Ⅹ-1-2:高齢期の所得補償の重層化を図るため、私的年金制度の適切な整備及び運営をはかること
 
<企業年金・個人年金の普及率を適切に測る方法を検討すべき>
  •  達成目標1の測定指標1について、「確定拠出年金(DC)、確定給付企業年金(DB)、国民年金基金」の加入者の延べ人数が設定されているが測定指標としての適切性には課題があると考える。企業型DC、個人型DC、DBを併用している加入者も相当程度存在しているため、その重複を控除しないまま延べ人数の増加を目標としても国民全体からみた企業年金・個人年金の普及・拡大の達成度合を適切に測ることはできない。
     
  •  企業年金・個人年金制度は年金格差を拡大させており、重複を控除した加入者数が国民年金被保険者総数に占める割合を測定指標にするといった方法を検討し、全体の普及率を把握すべきと考える。
     
    <企業年金の普及率を測る指標を新設すべき>
  •  本分析表では、企業年金と個人年金を併せて「私的年金」と一括りにされているが、確かに企業年金と個人年金はいずれも老後の生活保障機能を有するという点は共通しているものの、企業年金は退職給付由来であり労使合意に基づいて実施されているものである。したがって、自助努力である個人年金とは区別して、企業年金を実施する企業の割合を指標として設定し、測定すべきと考える。
     
  •  特に中小・零細企業における企業年金の実施率が近年著しく低下していること、企業年金が適用されているパート・有期等労働者は極めて少ないままにとどまっていることを踏まえると、企業年金のカバリッジを高めていく取り組みは急務である。
     
     
Ⅺ-1-4:介護保険制度の適切な運営を図るとともに、質・量両面にわたり介護サービス基盤の整備を図ること
 
<市町村介護保険事業計画での整備目標数の達成状況も見て、全体の底上げを>
  •  達成目標2の測定指標4では、地域密着型サービス事業所数が指標となっており、毎年度その数を上伸させることが目標となっている。地域密着型サービスは、今後増加が見込まれる認知症高齢者や中重度の要介護高齢者等が、可能な限り住み慣れた地域で生活が継続できるように市町村指定の事業者が地域住民に提供するサービスである。事業所数という全体的な視点ももちろん重要であり、また地域の実情も踏まえることも必要ではあるが、全体の底上げのためには、各自治体における状況の把握も欠かせない。具体的には、市町村介護保険事業計画で定めている整備目標数が目標を下回っている市町村割合を測定すべきと考える。
     
     
    以 上