第4回がん全ゲノム解析等連絡調整会議

健康局がん・疾病対策課

日時

令和3年2月5日(金) 15:00~

議題

(1)検討スケジュールについて
(2)がん全ゲノム体制班の検討状況について
(3)「全ゲノム解析等実行計画」の推進に向けての検討
(4)その他

議事

 
○事務局 それでは、定刻を少し過ぎましたので、ただいまより、第4回「がん全ゲノム解析等連絡調整会議」を開催いたします。
本日、司会を務めさせていただきます、健康局がん・疾病対策課の市村と申します。よろしくお願いいたします。
本日は、構成員、オブザーバー、参考人の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、井元先生が欠席と伺っておりますが、それ以外の構成員の先生方は御出席予定となっております。
また、本日は、オブザーバーとしまして、難病に関するゲノム医療推進に当たっての統合研究班の構成員の先生方、及びデータセキュリティーの専門家として厚生労働省データヘルス改革推進本部参与、独立行政法人情報処理推進機構CIO補佐官である葛西重雄参与に御参加いただいております。詳細は、参考資料2の名簿を御参照ください。また、事務局からの出席者については、座席表を御参照ください。
それでは、事務局より、資料の確認をさせていただきます。
資料については、ホームページに掲載されているものを各構成員、参考人の皆様に御用意いただいていることと存じておりますが、資料1~3までと参考資料1~4までがありますので、いま一度御確認ください。
では、カメラでの撮影は以上とさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
それでは、中釜主査に以後の進行をお願いいたします。
○中釜主査 中釜です。皆様、よろしくお願いいたします。
今日が本年度最後の調整会議となるわけですが、本日の議論、これまでの議論を踏まえて、今後のがん全ゲノム解析の推進が図られると理解しておりますので、本日もよろしくお願いいたします。
では、早速ですけれども、事務局から資料1の説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、「がん全ゲノム解析等連絡調整会議 検討スケジュール」についてです。資料1を御覧ください。
各項目につきまして、各ワーキングの担当の先生方に御議論していただき、主な検討内容につきまして、第2回、第3回とそれぞれ協議をしていただきました。今回は第4回となっており、全ての項目につきまして最終的な協議をしていただきたいと考えております。
以上です。
○中釜主査 ありがとうございました。
今の検討スケジュールについての説明ですが、何か御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、議事に従って進めさせていただきます。
続きまして、資料2、資料3について御説明いただきます。資料2は各ワーキンググループの代表の先生方から、また、資料3については事務局から、連続して御説明していただいた後に議論させていただきたいと思います。
各ワーキンググループの先生方におかれましては、それぞれ5分の時間厳守でお願いしたいと思います。
では、最初に間野構成員、お願いいたします。
○間野構成員 よろしくお願いします。
資料を掲示していただけますでしょうか。
まず、バイオバンクワーキンググループから御報告申し上げます。
ページ3を御覧ください。本バイオバンクワーキンググループでは、臨床情報の収集内容の決定と収集方法の決定、さらには、どのような形で臨床情報を集めることで現場負荷を軽減するか。それから、実際の検体の収集・管理・送付等のSOPをつくることがバイオバンクワーキンググループの任務となっております。
以下に名前がリストアップされていますけれども、これ以外に南谷構成員をワーキンググループ長として、血液疾患、造血器悪性腫瘍のサブワーキンググループが存在して、一緒に動いております。
最近では1月15日にSOPを策定するためのワーキンググループを開催いたしましたが、これまでの経過を簡単に御紹介申し上げます。
ページ4を御覧ください。これはこれまでの議論をまとめたものですけれども、既存検体を使った先行解析と、前向き収集検体を使った本格解析というように、全体が2つの大きなフェーズに分かれます。
既存検体に関しては、腫瘍部の新鮮凍結検体と同じ人のペア正常検体が既に保存されて、網羅的解析結果の公的データベースの登録などが可能な検体から解析をする。また、企業利用に関しては、もし企業利用が最初から可能なものは優先して解析をしようということになっています。
それから、前向き収集検体の場合には、今度は一から患者さんへの同意文書等をつくることが可能ですから、網羅的解析結果の公的データベースへの登録、企業利用が可能な統一ICFのひな型をELSIのワーキンググループに作成していただいて、そのひな型に準じたプロジェクトを進行するのが適切だと結論づけました。また、前向き収集検体に関しては、収集、保存のSOPを作成することも我々に求められています。
どちらのフェーズにおいても臨床情報の入力は、医師が入力するというのはあまりに負荷が多いですので、各参加機関がCRC等、適切な人材を雇用して、臨床情報を入力することが必要だと考えられます。
また、いずれの場合にも、検体をシークエンスする拠点から生成されるシークエンス情報を統一解析班が統一パイプラインで一次解析を行って、その結果を研究グループに返却するような全体のスキームがいいのではないかということがこれまで議論されてきました。
ページ5を御覧ください。これは臨床情報の収集システムで、これまでの調整会議でも御報告いたしましたけれども、収集内容が確定いたしまして、現在、EDCの収集システムをつくっております。実際に運用する際には、現在、日本のがんゲノム医療を行っている病院に、がんゲノム検査ポータルという端末がありますので、そこの中にがん全ゲノム解析というバナーを新しく用意して、それをクリックすると、セキュアな回線を通じて研究用のセキュアなクラウドに臨床情報を集めて、それを一次解析に供するということを考えております。
次のページをお願いします。以下は、簡単な検体収集のSOPをかいつまんで御説明いたします。
前向き収集検体の固形腫瘍の腫瘍部の検体の収集ワークフロー案でありますけれども、ここに書いてありますように、SOPに基づいて外科切除検体あるいは内視鏡で切除した検体から腫瘍部を取り出して、それをマイナス80度以下の急速凍結によって保存し、シークエンスに供するということが議論されています。スペースの関係で、今日はこの一部だけをお示しいたします。
次のページを御覧ください。前向き収集検体の固形腫瘍に関しては、同じ人のペア正常部が必要です。多くの場合は同じ人の末梢血のサンプルを用いますから、そのサンプルの収集SOPも作成いたしました。
このページの下半分は、造血器悪性腫瘍の腫瘍部を集める前向き収集のSOPの案であります。例えば白血病とかは末梢血自体が腫瘍部になりますので、そのような検体、あるいは骨髄穿刺したときのサンプルを凍結して収集するSOPも現在作成しております。
最後のページを御覧ください。ページ8は造血器悪性腫瘍のペア正常部、同じ人の正常部の集め方です。先ほど申し上げましたように血液自体は腫瘍サンプルでありますので、末梢血はペア正常には使えませんので、その場合は口腔粘膜のスワブをペア正常部として用いることになっています。よく口をすすいだ後のスワブをつくるとか、実際の施行の際にはそういう細かいSOPが必要ですので、ムービーをつくったりして参加施設の技術の標準化を図りたいと考えております。
バイオバンクワーキンググループからは以上です。ありがとうございました。
○中釜主査 ありがとうございました。
それでは、続きまして、小川構成員、お願いいたします。
○小川構成員 よろしくお願いします。
私のほうは、解析ワーキンググループの過去2回のワーキングミーティングの進捗について御報告申し上げます。
スライドをお願いします。これは解析ワーキンググループのメンバーですが、進捗と書いているのは大まかな進捗で、もう少し進捗はしているのですが、このワーキンググループでは、一番重要なことはシークエンスプラットフォームを確立することと、統一パイプラインの確定、解析インフラの整備等々です。これに加えて追加解析、全ゲノムシークエンスはほかにも併せて解析すべき項目がありますので、そういったものの解析と、人工知能の活用について今後議論していきたいと考えています。
本日は、主に統一パイプラインの開発、環境解析について、過去2回のワーキンググループで討議した内容について御報告するのと、シークエンスプラットフォームの確立についての御報告と、インフラ、統一パイプラインの構築についての少しの議論。それから、これはこの後の油谷先生が取りまとめられているデータ共有ワーキンググループと重なる部分もあるのですが、解析ワーキンググループとの関連について、少しお話をしたいと思います。
スライドをお願いします。これは我々解析グループの役割の大まかなサマリーです。これは何回かお示ししたスライドでございますが、この解析ワーキンググループでは、シークエンス拠点からシークエンスされた生のデータがFASTQファイルとして返ってまいりまして、ここから個別のがんグループの解析の促進をするために、どういう遺伝子が変異しているのか、どんな場所で変異しているのかといった詳細な変異情報をシークエンスデータから解析して、これを基礎データとして構築する。これを個々のワーキンググループが利用して個別のがんの解析に用いる、あるいは企業等々の利活用に供するというところの一次解析部分の役割になっていくことであります。
スライドをお願いします。協議事項ですけれども、まず、シークエンスプラットフォームの検討ということで、これは今、進捗中です。本年度3月末までには一応ここは終了の予定になっております。最初に30%と書いておりましたが、ほとんどシークエンスされてきておりまして、これから解析に入りますので、このシークエンスプラットフォームの検討では、全ゲノムシークエンスをどれくらいの深度でやるのか。それから、bisulfiteシークエンスはどうするのか。あるいは長鎖シークエンスの技術的な検討、トランスクリプトームの解析、あるいは経時的試料の解析といった項目について、少数の検体を使って、そこに書いてありますように膵がんオネガノイド5検体、大腸がん臨床検体5検体、白血病の経時的検体32例ということで、これを今年度末までに解析終了の予定にしております。
これによって、具体的にどのようなプラットフォームで、どれくらいのことをやればいいかということは大まかに見当がつくことになると思います。詳細はもちろんその都度必要です。
解析インフラについては、前回、前々回の連絡調整会議以来の懸案事項でございます。つまり、基本的な考え方として、スパコン、計算機リソースはオンプレミスのスパコン上のパイプラインを使って始めて、これは3年間の先行解析期間中には、クラウドコンピューティングに移行できるようにするということであります。この上にパイプラインを構築するということですけれども、現在のところ解析できるオンプレミスのコンピューターがないということで、これは従来より厚労省のほうにお願いしているところでございますが、まだまとまらないという状況で、これは全く動いておりません。オンプレミスのスパコンが決まり次第、これは動くことになると思います。
それから、パイプラインの構築についても、それを構築するコンピューターが今のところないので、後にお示ししますようなサブグループの各個人の所有しているコンピューターで細々と解析が進んでいるということです。
スライドをお願いします。パイプラインの構築体制については、前回の連絡調整会議でも御説明いたしましたとおり、みんなが同じことをやっていても仕方がないので、各個別の解析項目についてサブ解析グループを構成して、そこで特化して分担して、ショートリードのいわゆる通常の全ゲノムシークエンス、RNAシークエンス、ジャームラインのバリアントの検出、エピゲノムの解析。それから、以下はまだ検討項目にとどまっていますが、ロングリード、その他の特殊な解析の可能性に対する検討をそれぞれの各サブワーキンググループで行っております。
進捗については、一つは今、オンプレミスのスパコンのリソースしか得られていないということ。それから、後にも述べますが、特にジャームラインバリアントの解析についてはコントロールとなるようなシークエンスデータのJoint callが問題になるので、ここのところはまだ検討中ということでございます。
最後に、データ共有に関する部分でありますが、解析シークエンスデータはがんのシークエンスで解析すればいいというものではなくて、特に問題になるのはミューテーションゴールを統一化しないと、個々のがん腫で違ったりすると、それを横断的に解析することはなかなか難しくなります。
もっと重要なのは、ジャームラインリスクの解析。これは本プロジェクトの非常に大きな項目の一つになると思いますが、これを解析するときにはコントロールというものが必要です。これはがんの患者の正常検体とがんになっていない人の検体ということで、このプロジェクト外で全ゲノムシークエンスとして正常のコホートから得られるデータを使うわけですが、それらを取りまとめてミューテーションゴールにする必要があるのですが、それらをどこで行えばいいかというのは今、検討中で、これは国の基本的な方針とも関わる部分でありまして、そちらの決定を待たなければいけないというところでもございますので、我々としては要望として、そういうデータをJoint callが必要な1つのコンピューター上において解析することができるような仕組みをぜひ作成していただきたいというのが解析ワーキンググループからのメッセージというかお願いでございます。
以上でございます。
○中釜主査 ありがとうございました。
それでは、続きまして、データ共有ワーキンググループから油谷構成員、お願いいたします。
○油谷構成員 では、次のスライドをお願いします。
データ共有ワーキンググループでは、そこに4つお題をいただいておりまして、データの管理・運営、データの二次利活用、あるいは今既に小川構成員よりも御発表がありましたが情報共有体制の構築、企業利用の際の知的財産の考え方の整理ということで、ワーキンググループの構成員は上に書いてあるように私が取りまとめで、あと、各開催しました第3回、第4回のワーキンググループには適宜、オブザーバーとしてELSIワーキンググループあるいは解析ワーキンググループから御参加もいただいております。
主に検討いたしました項目といたしましては、これまでの連絡調整会議でも話題になりました患者還元ということで、情報をどのように回付するかということについて、海外の類似のプロジェクトについての調査・検討、特にNHS Genomic Medicine Serviceという、英国の保健省が実施するGenomics Englandの基盤をベースに、その上にさらに医療サービスとしてのゲノム医療というものをスタートしつつありますので、それに関する情報。及び米国、こちらはジャームラインのバリアントの情報収集が主でありますけれども、All of Usというプロジェクトについて、これにつきましては今日参考資料としておつけしております阪大の岡田教授のグループに、これまでのパブリックに出ている情報をコンパクトにおまとめいただきましたので、御覧いただければいいと思います。
続きまして、データの共有ルールの確定と知財に関する確認ということで、順番に御説明いたします。
次のスライドをお願いします。まずは情報共有基盤、既に解析ワーキンググループの小川構成員が御発表になりましたけれども、この文中にございますように、どこにデータを集約する計算機環境を置くか。あるいはそのデータを管理する母体をどうするかということにつきましては、これまでの調整会議で三菱総研様よりも様々な御提案といいますか、いろいろな意見集約が行われてきているところだと思います。
ここでは、Genomics EnglandとGenomic Medicine Serviceというものについての切り分けを考えますと、既に10万人のホールゲノム解析を行ったGenomics Englandは2018年にデータ収集は終了しておりまして、これらの情報をプラットフォームとして、今、がんや難病を対象に全ゲノム情報の診療への利活用を目指しているというプログラムでございます。
ただ、疾患にもよりますけれども、何か返却すべき結果があった場合に実際には1年程度要しているというのが現状でありまして、今後我が国で行う事業におきましても、パネル検査というようなものと同等にタイムリーに返すということではないということは御理解いただきたく思う次第でございます。
Genomics Englandはゲノム医療を支えるプラットフォームであり続けるとともに、その匿名データをアカデミアや企業に利活用する推進ということで、Genomics Englandの上にGenomic Medicine Serviceが乗るような形で、イギリスでは体制がつくられつつあると聞いております。
その中で、我が国でこのプロジェクトが実行計画に基づいて行われるがん及び難病の全ゲノムデータを集めるセンターは必ず必要でございまして、そこにおきまして全ゲノムデータの利活用を進める一方で、先行研究で収集される全ゲノムデータをいわゆる日本人のがんゲノムのレファレンスとした全ゲノムデータの医療応用について、そこで検討していく必要があるだろうと。そのためにはデータが離散したり漏えいしたりすることを防ぐために、visiting型のデータ利用基盤を準備する必要がありますし、そこでアカデミア及び企業によるデータアクセスを管理することになります。
すなわち、運営組織の体制といたしましては、データ及びサンプルの収集解析は国営の基盤が実施して、その利活用に関わる機能については、そこに別途活用を促進するような、データを管理したりする機関を設けるというのがいいのではないかという議論がございました。
ゲノムのバリアント情報、特にジャームラインのバリアント情報につきましては、先ほど小川構成員からも御意見がありましたけれども、ジャームラインということで、難病のデータベースとも共通化しやすいという面がございますし、その条件としては、レファレンスデータと比較する上では統一のパイプラインでのJoint callingが望ましいというか必須でありますので、そのような計算機環境、あるいはデータのアクセス環境を準備する必要があるということでございます。
ですので、データセンターを含む利活用の促進機関を担う、そして、様々な複数のがん腫についてのプロジェクトが今後進行するということを想定いたしますと、全体の進捗をモニタリングして、ステアリングする事務局機能を必ず設ける必要があると存じます。
次のスライドをお願いします。次は情報の回付、患者還元という点でどういう課題があるかということについての議論を行いました。
回付に関しましては、これは大変コストがかかりますが、今のがんパネル検査のような臨床検査グレードで全てのプロセスを実施するか、あるいは、これはあくまで研究でございますので、その得られた結果に対してNGS以外の臨床検査によって確認した上で、医療機関に対して回付するということが必要になると思います。これはこれまでの調整会議でも議論をしてきたところでありますし、さらに全ゲノムデータによって回付できる情報については、例えば既にがんパネル検査の結果とも比較検証しながら、何がそこに追加できて、提供できるかということ。あるいは少なくとも同等の情報は提供できるのかということの検証を慎重に行いながら行っていく必要がございます。
データの解析に必要なレファレンス情報としては、単に健常人のゲノム情報だけではなくて、各がん腫の日本人のがんゲノム情報が先行解析で収集されることが求められますので、その辺りは先行研究の内容についても今後の吟味が必要かと考えております。
本格解析、前向きの解析につきましては、全例を患者還元とするかどうかは、既に述べましたように慎重な議論が必要であるという意見が大勢を占めておりまして、現在は日本人がんゲノムのデータベースが存在しないということがありますので、つまり、これが単に日本人に多いバリアントなのかどうかということなどを含めまして解釈が困難でありますので、当面は回付内容については限定することが望ましいだろうということになります。
現行のパネル検査よりさらにリードの深度が薄いということや、凍結検体を用いることで、FFPを用いるパネル検査とは異なりますので、先ほど申し上げましたように、全ゲノムということで情報が多いことから結果の解釈にも相当な日数を要するので、治療方針の決定にすぐ用いることを期待するのは現行では推奨できないのではないかということになります。
全ゲノム情報の患者還元のロジスティックスを含め、どこがその情報に責任を持って解釈して、医療機関に返却するかというところのロジスティックスはまだ十分な検討が必要でございまして、体制整備を検討するような研究班を設置して、引き続き議論をしていただくのがいいだろうということでございます。
一方、先行研究につきましては、バイオバンクの既存検体を用いた解析でございますので、データの回付につきましては、御本人がデータ解析の結果を知りたいかということの説明同意文書も含めて本格研究とは異なる扱いが必要でありますし、一方で、先行研究のデータを企業が利用できないと不便といいますか、非常にもったいないことになりますので、説明同意文書で企業単独利用が許容されるような検体の解析を積極的に推奨したいという意見が出されました。
次のスライドをお願いします。これもこれまでの第1回からの連絡調整会議でお示ししてきたところでありますが、確認でございますけれども、左の解析グループから送られてきたものに対して、小川構成員が御説明された標準パイプラインによる一次解析のデータを共有する計算機環境というものを、ここでは仮にデータセンターと呼んでおりますが、そのデータセンターで一括管理をして、企業からのアクセス要望に対しては、原則的に課金をしてアーリーにアクセスしていただく。そして、知的財産権を獲得できるようなものを目指していただく、発見を目指していただくというコンセプトでございますので、つまりデータリリースというのは、一次解析が終わった時点を1つのポイントとする。ただ、これは毎日デイリーにリリースではございませんで、ある程度きちんとデータの内容をデータセンターの中の研究者がQCを行った上で、1年に大体2~3回データリリースを行っていく。そこのリリースの時点から3年後に、より公的なデータベースに登録というような形が望ましいであろうと。
当然、各臓器別グループ、あるいはがん腫横断的な解析を行いたい、あるいは企業からのアクセスということで、データアクセスを承認するためのData Access Committeeをこのデータセンターに設ける必要があります。
アカデミアは、がん腫グループがまずがん腫のデータを整頓して、がんのコミュニティーに対して分かりやすくデータを解釈することに3年ほどのアクセス優先権が必要であろうと。ですので、その間にほかのがん腫グループ、アカデミアが共同研究の下に研究をしたいという制限公開の場合には、その大本になるがん腫グループが判断をして、Data Access Committeeからオーケーを出すという形になると思います。
企業の場合には、いわゆる利活用のコンソーシアムに参加している企業ががん腫グループと同時に、つまりデータリリースと同時期にゲノム及び臨床情報にアクセス可能といたします。これは課金ベースであります。論文公表3年後までは不可といたしまして、ただし、得られた新しい発見については、特許申請は自由というルールを原則にしたいと考えております。
残り2枚は参考資料でございますので、後で御覧いただければと思います。
以上です。
○中釜主査 ありがとうございました。
続きまして、ELSIワーキンググループから横野構成員、お願いできますか。
○横野構成員 今回は武藤先生のほうにお願いいたします。
○中釜主査 武藤先生、御説明をお願いいたします。
○武藤(香)参考人 オブザーバーで参加しております武藤です。
では、ELSIワーキンググループの内容について説明いたします。
次をお願いいたします。ELSIワーキンググループでは、こちらの検討スケジュールにのっとって、項目に沿った検討をしております。
次をお願いいたします。ワーキンググループは、昨年12月24日を含めて計3回開催いたしまして、4つの論点について検討しております。
次のスライドをお願いいたします。まず最初に、インフォームドコンセントのフォームの案の検討がございます。これまで行ってきた議論を踏まえまして、インフォームドコンセントの案を作成いたしました。
我々として精いっぱい考えながら、案をつくったところでございますけれども、3つ目のポツにございますように、事業計画が未確定のために必要な説明を盛り込めない部分がまだ残されており、特にデータベースの運営の主体とかデータの利活用方針、製薬企業以外のユーザー産業の想定や移行、あるいは国内外の企業のどこまで出すのかといったことによって説明が必要になる部分がありますので、そこがまだ今、止まっている状況になっています。
また、恐らく電磁的な同意の取得をするのだと思いますけれども、それによりましても、対象者の方へのコンタクトの方針などのやり方が変わってくるというところがあります。
下の灰色のところにありますが、同意の層別化に関してですけれども、企業の単独利用については、オプションの同意という形にはしない案を今、作成しております。一方で、再連絡に関しては整理が必要でして、どういった場合に再連絡をするのかということは、事業計画と併せて決める必要があると考えられます。
次をお願いいたします。既存資料と情報に関しましては、こちらは先行解析の部分ですけれども、これまでの議論を踏まえて留意点の案を取りまとめたところであります。今も御議論がありましたけれども、既存試料・情報から得た結果を返却するといったことについてはかなり難しい論点を含んでおりますので、必要に応じて別途検討する予定であります。
3つ目の論点は、遺伝的特徴・情報に基づく差別禁止に関する法制度の検討であります。こちらについては、患者さんや御家族の方々からかなり不安の声があるところでして、我々のグループとしましては、理念法であっても一定の差別や不利益を禁止する旨の規定を整備することは、患者さん、家族の懸念の軽減、安心につながるという結論を出しております。
ただし、遺伝情報の過度な保護に対する批判として、過去に遺伝子例外主義、genetic exceptional-ismというのがありましたけれども、それに同調しているというわけではございません。患者さん、血縁者に利益のある活用は滞らないようにすべきという立場を取っております。
また、医療目的での必要な遺伝情報の利活用はしっかり確保しつつ、医療以外の場面で遺伝情報が不適切な形で用いられないことについては、実効性を持った担保が必要ですので、情報漏えい等については罰則を含め既存の法令等を積極的に活用できる仕組みがあるのではないかということで、横野先生を中心に、既存の法令の罰則についてかなり洗い出しをしていただいております。
次をお願いいたします。最後の論点が、解析結果の返却に関する留意点です。先ほど油谷先生からは情報の回付という表現でお話があった点で、私どもは解析結果の返却と申しておりますが、この点、用語の統一もきちんとすべきところであると思います。
こちらについてはまだまとまっておりませんけれども、インフォームドコンセントの案、留意点の案というところに両方とも論点として入っているのですが、これまでに行われたAMEDの研究班、その他のお仕事などを参考にしながら、全ゲノム解析における二次的所見を含めた結果返却の論点を別途留意点の資料として取りまとめる予定といたしました。いろいろな議論がありますけれども、特に医療目的の検査との違いは先ほども御議論があったとおりでございます。
また、海外の例で、例えばGenomics Englandのほうでは、患者返却の際には臨床検査での確認が必要という記載もあります。医療法の改正などを背景に、かなり難しい要件がいろいろありますので、その点を十分留意して、返却に伴って患者さん、御家族にかえって危害が及ぶことがないようにすべきと考えております。
以上です。
○中釜主査 ありがとうございました。
それでは、続いて、事務局より資料3「『全ゲノム解析等実行計画』の推進に向けての検討(案)」について、説明をお願いしたいと思います。
○事務局 資料3を御覧ください。
資料3は、事務局としまして、検討の視点や対応方針の案をまとめさせていただいたものを、第2回、第3回連絡調整会議で御議論していただき、各構成員の先生方の修正意見を反映させたものです。
本日は、その修正点を説明させていただいた後に、最終的な御議論をお願いいたします。
まず、資料3の2ページ目を御覧ください。赤字は、第2回、第3回の連絡調整会議で御議論していただいた後に修正意見を反映させたものであり、まず、4ページ目を御覧ください。対応方針(案)の3つ目の○に「多様な利用者が有効に情報を利用できるように、データ保管や、情報共有、解析システムの要件、在り方についてはオープンな議論を行った上で、最適な情報システム基盤の構築を行う」という項目を追記しております。
次に5ページ目を御覧ください。「(1)臨床情報の内容について」の検討の視点、「当該患者の診療、臨床研究、創薬」の後に「等」を追記させていただいております。こちらに関しましては、創薬以外にヘルスケア産業などによる利活用も想定されるということで「等」を追記させていただいております。
続きまして、6ページ目「(2)臨床情報の収集方法および現場負担軽減策について」の対応方針(案)の2つ目の○に「患者情報のやりとりをする医療機関においては、医療安全性ガイドラインや本事業に関連する情報セキュリティ確保に関する取り決めを遵守するなどセキュリティ対策を徹底し、情報漏洩などセキュリティインシデントが発生した際には事業実施主体に報告すること」という項目を追記しております。
続きまして、8ページ目を御覧ください。「3.効率的かつ統一的なシークエンスや解析方法等についての検討」の「(1)シークエンス等実施機関の在り方について」です。検討の視点及び対応方針(案)に記載のある「適切な精度管理」というところに米印を追記させていただきました。この「適切な精度管理」ということにつきまして、下の米印、ISO15189認定、CAP-LAP認定もしくはCLIA認定のいずれかを取得していることを最低条件とするという項目を追記いたしました。
また、対応方針(案)の1つ目の○の1.「第三者によるリスクやセキュリティー評価を定期的に行い、責任者は指摘内容に対処する」という項目を追記いたしました。こちらは検討の視点にも同様な記載があり、対応方針(案)にも追記が必要であろうという指摘で追記したところです。
9ページ目を御覧ください。「(2)収集したデータの管理の在り方について」の対応方針(案)の3つ目の○、分散保管の前に「物理的な」という言葉を追記しております。物理的に分散して保管することで安全性の向上を図るということで、「物理的な」を追記しております。
「(3)解析のためのコンピューティングリソースの在り方について」、検討の視点及び対応方針(案)のスパコンの後ろに「等」を追記しております。スパコン以外のコンピューターの性能が向上しており、スパコン以外でも解析ができるということからも、「等」
を追記しております。
そして、対応方針(案)の1つ目の○に「生殖細胞系列変異・体細胞変異それぞれを網羅的に解析する統一解析パイプラインを作成する」、2つ目の○に「資源の有効活用の面からも、統一解析パイプラインで一次解析を行う体制を構築する」というものを追記しております。また、4つ目の○に「データ管理やデータを取り扱う情報システムは、オンプレミス、クラウドサービス問わず、政府が示す情報管理に関する安全性確保に関する指針や本事業での安全性確保の取り決め事項への対応を行うこと」ということを追記させていただいております。
続きまして、飛びまして13ページ目、「(2)データの二次利活用の制度の整備、構築について」の対応方針(案)の3つ目の○に「横断的なデータ二次利活用を可能とするため、解析に用いた予算の種別等にかかわらず、共通のデータシェアリングポリシーを適用する」という項目を追記しております。こちらの項目に関しましては、15ページの「倫理面や幅広い利活用を可能とするためのIC(説明と同意:Informed Consent)のあり方等についての検討」の「(1)新薬開発への活用や将来の追加解析に耐えうる包括的な同意取得の統一化について」の対応方針(案)の2つ目の○にも同様の記載があります。「横断的なデータ二次利活用を可能とするため、解析に用いた予算の種別等にかかわらず、共通のICFを用いる」ということを追記しております。
こちらは、予算の種別でデータの二次利活用がこちらの予算であればできないとか、あちらの予算であればできるといったことがないようにするという意味合いで追記がされております。
16ページ目を御覧ください。「(2)患者等への再連絡も可能とする仕組みの構築について」というところで、「再連絡」につきまして、これまでは「リコンタクト」というワードが使われておりましたが、リコンタクトという言葉の意味につきまして、使う人や受け取る人により意味合いが異なることが指摘されており、今回はリコンタクトという言葉を全て「患者等への再連絡」という言葉へ変更させていただいております。
続きまして、17ページの「(4)治療に有用な情報等の患者や家族への丁寧な説明等のガイダンスの策定について」の検討の視点の2つ目の○です。「全ゲノム解析により得られた結果の分析的妥当性(analytical validity)の担保についての検討が必要」という項目を追記させていただいております。
それに対応する対応方針(案)としまして、18ページ目、「解析結果の妥当性を担保するロジスティックスを整備する」という項目を追記しております。
最後に(5)は、当初は「ELSIに必要な法制度の検討」でしたが、ELSIを日本語として表記し直した修正をしております。
以上が修正点となります。
○中釜主査 ありがとうございました。
それでは、資料3において、それぞれの項目において検討の視点、対応方針(案)をまとめていただきましたけれども、対応方針について御意見がありましたら、順次いただきたいと思います。
前回の議論を踏まえて、特に先ほど事務局のほうからは修正点の赤字で示されたところを中心に説明がなされましたが、項目ごとに検討の指針を踏まえた対応方針(案)について順次確認をしながら進めていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
まず最初、3ページ目の全体の方向性についての検討の指針、それに対する4ページ目の対応方針(案)について、赤字の追記、修正案がありますが、この点について何か御質問、御意見はございますでしょうか。
中村先生、お願いいたします。
○中村構成員 憲法のような基本的精神についてお伺いしたいのですけれども、そこにも書かれているように、一番の大きな目的は患者さんに還元すること。還元するためのいろいろなシステムを整えるということであったと思うのですけれども、情報解析グループの話を聞くと、本格的な解析になっても、患者さんに還元するのは難しいという声があったと。
本当に一丁目一番地として、全ゲノム解析のゴールはどこにあるのかということをはっきりしておかないと、本格解析になってもまだ患者さんへの還元の道筋は難しいという話と、もう一点、3年間データをホールディングする権利があるとを言われましたけれども、データを早く公にして、いろいろな人がアクセスをして、いろいろな新しい診断法や治療法を見つけていくというのが根本的なゴールだと思いますが、その点に関しても、研究者が3年間特権を持ってデータを自分の手の内に置いておくというのが本当にこのプロジェクトの在り方として正しいのかどうかということを考える必要があります。
解析したグループがオーケーと言えば共同研究できる。全ての権限を解析したグループに与えて、しかも3年間、自分たちが論文を書く形でまとめるまでは全ての権限が解析グループにあるというのもおかしな話で、税金をこれだけ投入されるわけですから、そこの使い方をもっと考えるべきだと思います。また、患者さんに還元しないと言うのであれば、今から始める解析と本格解析の間に何の違いがあるのかが分からないです。倫理的にもいろいろな課題があるというのは分かりますけれども、最終的に遺伝子情報を還元していくということを前提に仕組みをつくり上げていってこそ初めてこのプロジェクトの意義があると思うのです。
今ずっと話を聞いていても、解析した人たちが何年もホールディングした上に、患者さんに還元するのが難しいと言ってしまって、本当にこのプロジェクトの意義が見えてくるのかどうかを考えていただきたいです。1行目に患者さんに還元するということを書いてあるわけですし、局長も前回のミーティングで、やはり患者さんに還元するということがこのプロジェクトのゴールだと言っておられる基本的な精神がちゃんと共有されるべきだと私は思います。
以上です。
○中釜主査 ありがとうございました。
今の中村構成員からの御指摘に関して、情報解析ワーキンググループの油谷先生、何か追加で御発言はございますか。
お願いいたします。
○小川構成員 解析ワーキンググループの取りまとめとして少し御回答させていただきたいと思います。
○中村構成員 油谷先生に対するコメントです。
○小川構成員 私も今の中村先生の御意見について少しコメントさせていただければと思ったのですが、油谷先生の後でもいいですけれども、どうしましょうか。
○油谷構成員 では、最初に私から御回答いたします。
3年というのは、恐らくそのデータが出てきたときに、データが本当にもともとの患者さんから来ているものなのか、あるいは診断が正しいものかどうかというのは、恐らく中村先生もこれまで多くのゲノム解析をされてきた中で、このサンプルはやはりちょっと違うねとかというようなことを、少なくともデータが実際に出てきて、そろって、見て、それでこれはアウトライヤーとか、これはどうも診断が違うのではないかとか、サンプルが違うのではないかというようなことをチェックするだけでも、1万検体とか数千検体のデータを扱っていくことになるので、まずは間違いのデータを多くの人に出さないという意味で、最低限そこで1年間ぐらいの時間的な猶予が欲しいということと、それに加えて、Data Access Committeeで、その人たちが共同研究で一緒に研究しましょうというのを拒むことはあまり想定していないわけでありまして、そうであれば多くの人がデータを見てということについても、研究の推進の妨げにはならないと考えております。
○中釜主査 小川先生、追加で御発言はございますか。
○小川構成員 追加というか、この意義に関して患者への還元ということで、これが患者さんのためにあることは当たり前のことでありまして、我々もそれを目指してこのプロジェクトが進んでいくと考えております。
ただ、考え方が違うのは、例えば今すぐにある人の全ゲノムシークエンスをやりましたと。それで、この患者さんに対して何かアクションできる、あるいは役に立つ情報はどうやったら得られるのかというふうになりますと、今のところ全ゲノムシークエンスをしたら分かることはパネルシークエンスで分かることに加えて、どれほどの量が全ゲノムシークエンスで分かるかというと、これは非常に少ないと思います。なぜかというと、我々がまず見るのはコーディングシークエンスだからです。
それから、エクソンレベルのスキッピングというのはパネルシークエンスで見落とすこともありますから、そういう意味では、少しだけ既知のがん患者の遺伝子に関する情報は分かると思いますが、我々がここで目指そうとしているのは、そこでは限界があるというのが我々の今のところのエクソームシークエンスやパネルシークエンスの限界であって、これをさらに乗り越えて、それでも新たなアクショナブルな変異が見つからないような人たちにどのようにしてその人たちを救済してあげようかということを考えると、今まで我々がパネルシークエンスしか見ていない部分ではなくて、もっとあと100倍ぐらいする領域を見て、そうしたら何か役に立つ情報が得られないかということを調べるということがまず1つの目的であります。
つまり、我々がまだ知らない、コーディングシークエンス以外の制御領域の異常というものがあったとして、それが患者さんの治療の役に立つかどうかという新しい異常を見つけようということ。これがまず第一にあります。
もう一つは、そのような異常が見つかったときに、本当にそれを利用することによって、どのように患者さんに還元できるかということを我々は知らなければいけません。ただ異常が分かったからといって、これが患者さんの役に立つかどうかというのが直ちに分からないわけであります。
そこで、全ゲノムシークエンスする意義は、パネルシークエンスでは見つからない領域の異常を見つけて、それがどのように患者さんの治療の役に立つかということを我々は新しくちゃんと見つけなければいけない。これが、この全ゲノムシークエンスをやることによって、患者さんに利益を返せる一番重要な点だと私は考えています。
先生がおっしゃることもたしかで、現時点で、全ゲノムシークエンスで分かる、これはエクソンスキッピングがあるではないか、新しいフュージョンがあるではないかということは、もちろん返す方向でやればいいのですけれども、でも10万人レベルのことが、今のパネルシークエンスに毛の生えたような情報では全然コストパフォーマンスはよくならないし、国民にそれを説明することはできないと思いますから、我々はこの全ゲノムシークエンスすることによって、今のパネルシークエンスを大幅に上回るがんの治癒率の改善が得られる、あるいは得るためにやるのだと。できるかどうかは分かりませんよ。けれども、そういうことが目的ですから、直ちに患者さんに今すぐに返せるかということは、少し近視眼的な視野ではないかと私は危惧しています。
もちろん先生がおっしゃるように、返せる部分は返せばいいのです。
○中村構成員 例えばこのゲノム解析をする10万人は、全員パネル検査を受けておられるのですか。
○小川構成員 受けていないと思います。
○中村構成員 違いますよね。少なくとも全ゲノム解析をやる過程で、パネル検査と同じものが含まれるわけですから、パネル検査のアクショナブルなミューテーションは全ゲノム解析で見つかるわけですね。
○小川構成員 物によると思います。
○中村構成員 一定の割合で見つかったときにどうするのかということを考えるのも我々の責任ではないかと申し上げているわけで、別に新しい知見で新しいことをすぐにやれと言っているのではなくて、10万人か20万人か知らないですけれども、全てがパネル検査を受けているという前提ならば先生のおっしゃることは正しいですけれども、パネル検査を受けていないのであれば、少なくとも全ゲノム検査でパネル検査と同等のデータが得られるはずです。その場合に、患者さんに、あなたにはこの分子標的治療薬が使える可能性がありますよという道筋を残さなくていいのかというのが私の質問です。
○小川構成員 先生がおっしゃることは本当によく分かりますし、合意しますが、全ゲノムシークエンスをやるのがパネルシークエンスと同等かということに関して言うと、まず同等ではないのです。
○中村構成員 同等ではない。それぐらいは分かっていますよ。でも、全ゲノム解析の中にはパネル検査と同じ情報が含まれているわけです。
○小川構成員 見つかったら返すというのはいいと思います。でも、見つからない場合があるので、なかったらない。そういうことではないわけですから、患者さんにどう返すかというところに関しては、患者さん、あるいは返される主治医の側もよく理解した上ででないとなかなかここは難しいなと。
それから、我々が返すときに、これは怪しいな、どうしようかなというものはいっぱい出てくるはずなのです。そこはすごく悩むと思います。
○中村構成員 疑いが残る結果は別に検査室で確認すればいいわけで、例えば油谷先生がおっしゃった人の間違いがあるかもしれない、サンプルの取り違えがあるかもしれないと。
○小川構成員 そういうものは論外ですけれども、例えば、ある変異はたしかだとしても、これは病的なのだろうか、アクションしていいのだろうか、いけないのだろうか。このBRCAの変異は予防措置をやっていいのかいけないのか。ここは結構微妙なところがあるわけです。
○中村構成員 それぐらいのことは分かります。
○小川構成員 そういう問題があるので、それを1万例、10万例についてやるとなると、もちろんBRCAは10万人も見つかりませんけれども、やはりそこのところを解析ワーキンググループも含めて誰が責任を持ってやるのかというところは少し議論をしながら、いきなりは難しいのでもちろん3年、本格解析に向けてはそういうことができるようにするようにすべきだと思いますけれども、まず段階を踏んだ検討が必要ではないかと僕は思います。
いかがでしょうか。
○中釜主査 ありがとうございます。
今まで、中村先生の御指摘を受けてのお二人の意見、今の時点での御議論を少し整理させていただきますと、中村先生が御指摘のように、資料3で厚労省が示された「全ゲノム解析等実行計画」の最初に書かれている患者に積極的に還元する仕組みが、この全ゲノム解析の基本的な理念であると理解いたします。
その上で、各ワーキンググループの検討事項というのは、それを支えるための技術的な議論をしていただいているという位置づけになろうかと思います。その中で、患者に還元できる情報を返す。このパイプラインは検査室レベルでつくる必要があると思うのですけれども、それと、これはnイコール1ですかね。一人一人の患者さんに対して返せる情報を返す。その仕組みと、同時に、これまでのパネル検査等で見えてこなかったものが全ゲノムで見えてくる情報に関しては、恐らく新しいものがプラスアルファで見えてくるものに関して、どのように患者還元するスキームをつくっていくか。この2つの大きな流れがあるだろうと思うのです。私の理解は、ワーキンググループの中で技術的なところを詰めている件に関しては、そこが基本的な路線となり、患者還元の道筋にどのように繋げていけるかというところは、これからの運用面の中できちんと詰めていく必要があるのかなと、今の議論を聞いていて思いました。
もちろんその中では、例えば3年間のデータ保有の期間の妥当性等に関しては、もう少し議論があってもいいのかなと思います。ただ、今のお二人の構成員の御意見のように、その蓄積したデータが本当に患者還元に資するのかというところを少し検討しながら、返せるものに関しては返していきますけれども、返せないもので新しい遺伝的な変異が見つかってくる可能性もあるので、どのように扱うかということに関しては、慎重な対応が必要だろうという御説明であったかと思います。
臨床に返せる質をどのように担保するかということに関しては、1つのレファレンスとしてパネルということがあるかもしれませんし、あるいはPCR等で確認する、クリニカルグレードのことでやるなど、いろいろなアプローチがあるかと思います。そういう個々のケースの細かい運用面において、患者さんに結果を返却するところのプロセスに関しては、少し詰める必要があろうかと思いますけれども、来本的にこの基本計画の大きな理念としては、患者さんに積極的に還元することにあります。これは共通に御理解いただいているのではないかと私は思うのですが、構成員の意見が少し研究的な質のクオリティー、そのパイプラインをいかに確保するかというところが強調され過ぎていたためにそのように受け取られたかもしれませんけれども、基本的な理念はそこにあると思います。
ただ、やはり患者さんに返すときには、感度・特異度の問題はきちんと詰めた上で、全ゲノムの結果を患者さんに正しく返せるようにする。患者さんの不利益にならない形で返せるようにするために、これから検査ラインのパイプラインの中できちんと詰めていく必要があるのかなと理解しますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○中村構成員。
やはり難しいから、手続が大変だからできない、やれないということではなくて、本格解析が始まるまでにどんな壁があって、それを乗り越えるために何をすべきなのかという前向きな議論が必要で、何となくデータを抱えておくこと、あるいは患者さんに返すのは難しいという議論から始まると進まないと思うので、このグループのゴールの一つとして、いろいろな壁はあるけれども、どんな壁を取り払っていくと患者さんに還元できる道筋が本格解析でできるのか。それが我々の責任だと思います。
○中釜主査 ありがとうございます。
まさに中村先生が御指摘のとおりで、お二人の構成員の説明は、ややそういった意味での慎重論のところに重きがあったかもしれませんけれども、気持ちとして結果を返すという点は共通していると思います。そのためのパイプライン、品質保証された体制をきちんとつくっていくのだというところは変わらないだろうと思います。そこが容易ではないということは、恐らく構成員の皆さんは共有されているのではないかと思うのですけれども、だからといって進まないわけではないと私自身は解釈、理解しているのですが、両構成員、いかがでしょうか。
最初に油谷構成員、どうぞ。
○油谷構成員 恐らく前向きの検体収集の場合に、前向きの検体を出した機関にはデータが返るわけですので、そういう意味では、3年間その患者さんのデータがどこかでホールディングされるわけではありません。先行研究の検体はもうバンクに入っている何年か前の検体ですので、もちろん有用な情報もあるとは思いますけれども、そこについてはまずは日本のがんゲノムのデータのレファレンスをつくるということが重要なわけでありまして、今日、Genomics EnglandとGenomic Medicine Serviceの違いを時間を取って説明させていただいたのは、例えばイギリスの例を取れば、2013年からインフラをつくって、その上に患者還元をスタートしようとしているわけでありまして、日本の場合にはそれをぐっと圧縮して一気にやろうというところで、スピードアップはできると思いますけれども、まずは基盤もない状態で、日本人のがん全ゲノムの情報がない状態で、いきなりそれを解釈して返していく。
もちろん、パネル検査で明らかに分かるようなものについては、パネル検査が行われるか、前向きの検体であれば、その医療機関ごとにそれを解釈していただく。そのためのインフラをきちんとつくっていくということで、ゴールは同じものを目指しているのだと私は信じております。
○中釜主査 小川先生、追加で御発言はございますか。
○小川構成員 私の意図がちょっとずれてしまったのかもしれませんけれども、私が申し上げたかったのは、全ゲノムシークエンスで、それを直ちに患者さんに返すことだけがこのプロジェクトの一丁目一番地であるということだと。そうならば、別に全ゲノムシークエンスもやらないで、パネルシークエンスをやってあげればいいのです。そのほうが精度もいいし、もっと安くできてしまうのだから、いいわけです。そうではなくて、全ゲノムシークエンスをやるという意味は、我々の限界を超えてもっといい医療が提供できるように、新しい情報を取得するということが目的だとすれば、それが一丁目一番地ではないということになると、これは全ゲノムシークエンスをやる意義が失われるのではないかと思うのが一つです。
それから、例えばある分からない未知の遺伝子の遺伝的ジャームラインの変異を返す。最近白血病の変異が見つかりましたけれども、これを返すときに、そのオッズ比が40倍なのか、2倍なのか、30倍なのか。それをちゃんと言わないで患者さんに返すなんていうことは、ただ患者さんを困惑させるだけですから、あなたの変異は30倍白血病になりやすいということを教えてあげるためには10万人やらなければ分からないということなので、患者さんに直ちに返すことだけが一丁目一番地ではなくて、よりよい医療を構築するための日本の基盤知識を構築することも非常に重要な点だと私は申し上げたかったのです。
もちろん中村先生の意見にも十分同意するところです。
○中釜主査 恐らく中村先生はそういうことをおっしゃっているわけではないと思います。不確定な情報を返すのではなくて、返せる情報を積極的に返すのだと。そのためのパイプラインをつくると。ただし、そこにはもちろん技術的な基盤が必要だということだと思います。
○小川構成員 もちろんそうです。それだけが目的ではないということを言いたいのです。全ゲノムシークエンスをやるのであれば、それだけが目的では困るのです。だって、そんなの国民がどう受け止めるか。そんな高いお金を使わないでくれと。パネルシークエンスでいいではないかと。何でそんなにばか高いお金を使うのかと言われてしまいますから、それは国民の皆さんに説明ができないと思います。
○中釜主査 皆さん御理解いただいているのは、これまでのパネル検査等で返せるところには限界があるという点です。その中で、全ゲノムにまだまだ我々が知らない情報があるので、それをいかに患者さんに返すか。患者さんに裨益する可能性が大いにあるという期待の下で、このプロジェクトが走るのだろうと思うのです。もちろんこれは国民の税金を使って行う大きなプロジェクトになるということは中村先生及び多くの構成員が理解していることだと思います。
古元課長、お願いいたします。
○がん・疾病対策課長 厚生労働省の古元です。ありがとうございます。
前回の会議でも局長が申し上げましたとおり、このプロジェクトは患者さんへの還元をしっかり進めていこうと。それに向けて、全ての検討を進めていこうというのは基本的な考え方でございます。
先生方の今日の御議論も踏まえまして、こういったロジスティックスを含めて十分な検討が必要であるといった御指摘もいただいておりますので、患者還元のロジスティックス、その体制などについて具体的な検討を進めてまいりたいと思いますので、また御意見、御指導いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○中釜主査 中村先生、お願いいたします。
○中村構成員 私は多分ここにおられる誰よりも長くゲノム研究をやってきているので、ゲノム研究そのものの重要性は誰よりも分かっていると思います。でも、やはり目の前の患者さんに還元できるものがあるのであれば、還元できる方法を考えていただきたいということを言っているのであって、そこは誤解されて伝わっているようですので、一言だけ付け加えておきます。
○小川構成員 自分は分かっています。
○中釜主査 ありがとうございます。
ほかに手は挙がっていましたか。
天野構成員、お願いいたします。
○天野構成員 ありがとうございます。
今の中村構成員の御指摘に関連して、私からも一言御意見申し上げます。
今、先生方の議論を聞いていて、海外から比べれば期間を短縮して、基盤整備から一気にやっているので非常に困難を伴っているということも理解しましたし、結果を返すことについても種々の限界があるということも十分に理解いたしました。
その上で、あえて私から一言申し上げますと、本日御説明いただいたワーキンググループの資料の中で、20ページに参考資料として米国の全ゲノムシークエンスであるAll of Usの取組が紹介されていたかと思います。その中で、現在20万人以上が登録されているということで、当然日本よりは先行しているわけでございますが、この中で、参加者はポータルを通じて自身のほぼ全ての解析結果を閲覧可能であると説明されています。また、今後のゲノム解析結果については段階的な解析・情報還元を実施予定にしているという御説明があったと思います。
先ほど中村先生から、この部分は全ゲノム解析の憲法のようなものだという御指摘があったと思うのですが、私自身もそのとおりだと思っております。つまり、ゲノム情報は誰のものなのかという根源的な議論に尽きると思うのです。もちろんゲノム情報というのはゲノムを有する人のものであり、試料を提供した人のものであって、それに対して研究や産業に対して利用する際には、その方の同意をもって提供されていくというものです。
その提供に当たっては、もしスムーズな提供が行われないという事態になったら研究推進の障壁となってしまいますから、そういった面の議論は当然必要になると思いますが、先ほど中村構成員が御指摘されていたように、ゴールは患者さん自身の情報をどのように活用するのかということだと思うのです。なので、現在の厚労省でまとめていただいている報告書案を拝見しますと、冒頭の部分で患者還元を積極的に行うということは示していただいているのですが、そのゴールとするところはもう少ししっかりと書き込むことはできないのかというのが個人的な意見です。
患者還元に至るには、当然段階的な取組、時間が必要だということは本日聞いていて理解いたしましたが、そういったゴールが明確でないと、この議論が先ほど国民の方からどう見られているかという御指摘がありましたが、一体どこを目指しているのだろうかということは逆に指摘を受けかねないと思いましたので、私からあえて一言申し上げる次第です。
よろしくお願いします。
○中釜主査 ありがとうございました。
ほかに御意見はございますか。
大津構成員。
○大津構成員 今、議論にもありましたけれども、結局、長期的なメリットの話と短期的に診断薬あるいは治療薬の創薬等で開発する話と、ちょっと区分けが必要なのではないかと思います。長期的な視野で、小川先生がおっしゃったような全ゲノムの日本人の大規模なデータを集めてレファレンスとして、新しい未知のものを見つけるということは、趣旨は重々理解してございます。
ただ、その場合、既に先行で海外でも多数のデータがある中で、日本はどこで強みを出していくのか、そこの戦略が必要ではないかと思うことと、恐らく今のお話だと、本格解析も先行解析と同じような理念の下でやっていかれるようなイメージを持ってしまうのですけれども、そうなると、その辺の区分けをどうされるのか。もし近視眼的な話での創薬や治療薬の話でいえば、もう既に海外で簡単に全ゲノム、エクソーム、それからトランスクリプトームで、臨床研究ベースでもう幾つも走っていますし、我々のところも幾つか走り出していますが、そういった中でどこを目指していくのかを区分けしていただけると、全ゲノムで大規模なデータを取って、むしろヘルスケア的に将来のがんの発症予測や政策的に使うとか、そういったことでの活用も十分考えられると思います。小川先生がおっしゃったような、的確な予防の解析といったいろいろな用途はまず考えられると思うのですけれども、創薬とか診断薬開発とは少し分けて考えたほうがいいのかなと感じました。
○中釜主査 ありがとうございます。
それでは、古川構成員、お願いします。
○古川構成員 東大医科研の古川です。
先ほど、結果の開示で幾つか議論になっていたと思います。御存じのようにACMGはジャームラインのバリアントの中で結果を返却すべき遺伝子のリストを公表しています。日本においても次世代シークエンサーを用いた解析の際にパ、ネル検査で見つかる二次的所見の中で開示を推奨できる遺伝子は、遺伝子診療学会の小杉班の中で既に公開されておりますす。これら結果開示可能なジャームライン・バリアントについては、例えば今後、前向きに解析する検体については返していくということを検討しては如何でしょうか。
以上です。
○中釜主査 ありがとうございました。
これまでの構成員の御指摘で、非常に重要なミッションである患者に積極的に還元するという書き込みが、先ほどの天野構成員は、冒頭にはあるのだけれども、それ以降の記載であまり明確に書かれていないという御指摘だと思うので、その辺りは厚労省のほうで、もう少し患者への還元というところを書き込んでいただくような工夫、それが酌み取れるような工夫をお願いしたいと思います。
よろしいでしょうか。
○小川構成員 お時間もないかもしれないのですけれども、僕は大津先生にお返事をしたほうがいいですか。
○中釜主査 短く、小川構成員お願いします。
○小川構成員 後発というふうに言われましたけれども、日本がこういう国家プロジェクト的に何十万人のがんゲノムシークエンスをやろうというのは、そんなにめちゃくちゃに遅れているわけではないかもしれないというのが一つ。
幾つかの観点があると思います。まず1つは、日本人に固有のような疾患がありますね。例えばATLLなんかは代表的ですけれども、ATLLは数は少ないかもしれませんが患者さんにとっては非常に重要な疾患で、そういう疾患は日本でないとやりませんから、そういう日本人、アジア人に特徴的に多いような疾患については、やる意義が十分にあるのではないかということ。
それから、ジャームラインバリアントに関しては、先ほど古川先生から御指摘がございましたが、新しく見つかってくるようなバリアントは、例えばある種のバリアントというのは、エスニックによっても全然バリアントが違うということが普通にあるわけでありますから、日本人にしかないような白血病の変異というのは実際に観測されます。我々は第一義的には日本人のためにやるわけですから、そういう意味では、日本人のデータを取るということはやはり重要ではないかと思います。
最後の点でいうと、我々はまだ見ていないノンコーディングの部分に関してアクショナブルな変異を見つけようということは一つの大きな目標でありますから、これは全ゲノムをシークエンスしなければ分からない点かと思います。
○中釜主査 ありがとうございます。
日本人として、このがん全ゲノム解析を進めていく意義は十分にあり、世界との流れにおいて、まだそんなにすごく遅れているわけではないですし、日本人固有の情報を蓄積することの意義があるという御指摘だと思いました。ありがとうございます。
最初のところは重要なところでしたけれども、次に移らせていただき、また必要があれば御指摘いただきたいと思います。
5ページ目の2.の臨床情報の内容について、1箇所修正でしたが、検討の視点を踏まえた対応方針については何か御指摘はございますか。よろしいですか。
天野構成員、お願いいたします。
○天野構成員 先ほどワーキンググループの御説明があったときに、ワーキンググループの資料の5ページ、臨床情報の収集システムということで、がんゲノム医療病院からEDCの収集をするということがあったのですけれども、本日が最後の検討の場だと思うので、基礎的なことをもう一度確認させていただきたいのですけれども、このゲノム医療病院というのは、厚労省が指定するゲノム医療中核拠点・医療拠点・医療連携病院、それぞれあったと思うのですが、どの医療機関が関わる予定なのかということと、もう一つが、細かいですが、実際に入力するのは現場の医師なのでしょうか、それとも、診療情報を扱うような方が入絵力することになるのでしょうか。
基本的な質問で恐縮ですが、教えてください。
○中釜主査 間野構成員、お願いします。
○間野構成員 御質問ありがとうございます。
バイオバンクワーキンググループから御返答申し上げます。
病院の範囲ですけれども、今、想定しているのは、ゲノム医療を保険で行っている全ての病院になります。ただし、その中の病院全てががんゲノム研究に参画するわけではないと思います。それから、もしかしたらゲノム医療の病院ではないけれども、今回のがんゲノム研究に参画する場合があるかもしれません。そのような病院の場合には、新たにPCを病院で用意してもらわないといけないですけれども、EDCのアクセス権は付与する予定ですので、必ずしもゲノム医療病院に限定をされなくてよろしいかと思います。
実際に入力する方の問題ですけれども、これはバイオバンクワーキンググループの中でも非常に大きな問題だと考えていて、医師に入力してもらうというのは5万人とか10万人のデータというのは非現実的な数字です。本事業は研究ですので、CRC等の入力する専用のスタッフを各病院で雇用していただいて、入力する。もちろんこの事業がその費用を負担するということが必要だと考えています。
以上です。
○天野構成員 分かりました。ありがとうございます。
○中釜主査 ほかに御質問はございますか。よろしいですか。
続きまして、6ページの「(2)臨床情報の収集方法および現場負担軽減策について」です。検討の視点を踏まえた対応方針(案)の修正が示されましたが、情報セキュリティ対策等の徹底等を追記いただく修正を含め、何か御質問、御指摘はございますか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
7ページ目の「(3)検体の処理・収集・保管等のワークフローの確立について」は特に本日の会議では修正案は示されませんでしたが、何か追加で御指摘はございますか。
ありがとうございます。
続きまして、8ページ目の「3.効率的かつ統一的なシークエンスや解析方法等についての検討」の「(1)シークエンス等実施機関の在り方について」は幾つか書き込み、追記がされていますが、対応方針(案)についての修正案を含め、何か御指摘、御質問はございますでしょうか。
南谷構成員、お願いいたします。
○南谷構成員 新しく加わった米印のところ、ISO15189なのですが、これはショートリードシークエンスについてのお話でしょうか。比較的研究室でしか実現できないような解析をマルチオミックスの一環として行うと思うのですが、その全てがこういった認定を取得していることを最低条件とすると書いてありますけれども、ちょっと厳しい条件をクリアできるのかどうかというのは、そもそも可能なのかどうかということを疑問に思いました。
○中釜主査 今の御質問に関して、厚労省、お願いいたします。
○事務局 厚労省です。
シークエンスにつきましては、企業への外注委託を想定しておりますので、大規模なシークエンスができる企業に関しましては、特にこういった国際的な認定についての取得は問題ないと認識しております。
○中釜主査 南谷構成員、よろしいでしょうか。
○南谷構成員 質問が悪かったのかもしれませんが、これはいわゆるショートリードについてこういうことを想定されているのでしょうか。例えば全ゲノムのバイサルファイトシークエンスをするというようなことになった場合、それを請け負う企業はないのではないかと思われますので、そういった場合に、全ての検査に関してこういった認定を最低条件とするという書き方をしてしまうと、実現できなくなってしまうのではないかという危惧です。
○中釜主査 間野構成員、お願いいたします。
○間野構成員 バイオバンクワーキングの間野でございます。
基本的に一定の品質が要求されるのは、一次解析で全体として行うものですので、全ゲノムシークエンスのショートリードのシークエンスとか、RNAシークエンスに関しては、その取組のある検査室で行い一次解析班が一次解析をするということになっていると思います。
議論がまだ途中で、ロングリードシークエンスを一次解析に入れるかどうかというのはこれからの議論になると思いますので、バイサルファイトシークエンスを含めて、そういう新しいテクノロジーに関してどこでするかというのは、これからの議論になると思います。
以上です。
○南谷構成員 分かりました。ありがとうございます。
○中釜主査 ありがとうございます。
ほかに御質問はございますか。よろしいですか。
続きまして、9ページ目の「(2)収集したデータの管理の在り方について」です。こちらも1箇所修正がありましたが、この対応方針(案)について何か御意見はございますか。
小川構成員、お願いします。
○小川構成員 これは先ほどの解析ワーキンググループからの報告でも少し触れさせていただきましたが、特に生殖細胞系列のジャームラインのがんのリスクアレルを同定する場合には、コントロールというものが必要です。これは当然一般ポピュレーションというか、がんがエンリッチしないポピュレーションということになりますが、これは国家プロジェクトとしてやはり進行中のコントロールを対象として生成されてくる全ゲノムシークエンスデータ、あるいは難病の方の全ゲノムシークエンスデータががんのリスクアレルに対するコントロールになると思いますが、これを同定するときには関連解析というものをやるわけですけれども、そのときにミューテーションゴールというのは同じ方式、同じ基準でやる必要があります。
もちろんがんのデータに関して我々はコントロール下にありますが、しかし、いわゆるコントロールデータ、健常人あるいは難病の方々の全ゲノムシークエンスデータに我々が同じアルゴリズムでアクセスできるということは今のところ担保されていないと思います。
でも、これができないと解析に非常に大きな支障を来します。ノイズがいっぱい増えてくると思いますし、これは実際にそれを担当する解析サブグループのほうからも要望が出ているところでありまして、ここのところを国としてどのように進めていっていただけるのかというところに関して、これは我々の要望ですけれども、ぜひとも共通のJoint callができるような体制を整えていただきたい。これはとても重要な点だと思いますので、なかなか現時点では難しいのだと思いますけれども、全ゲノム計画案に対応方針あるいは解決先に関して一定の見解あるいは方式をそこに記載していただきたいと思うのです。
○中釜主査 今の御質問で、現時点でお答えできることがございますか。この計画案は大きなフレームを示しているということなので、その辺の具体的なことに関しては、これから書き込むという形、あるいは運用上つくっていくという形でよいのかもしれません。
何か御発言はございますか。
厚労省、お願いいたします。
○事務局 厚労省です。
関係省庁とも協力して、その辺はしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○中釜主査 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
○小川構成員 これは多額を使ってやるプロジェクトですから、もちろん国民の財産になりますから、どこかのグループが独占するような形だけはぜひとも避けて、みんながデータを持ち寄って、それが利活用できるような体制をぜひとも構築していただければと思います。
○中釜主査 重要な御指摘をありがとうございます。
それでは、角山構成員、お願いします。
○角山構成員 製薬協の角山でございます。
大変恐縮ですが、本当に2つの細かい点の確認と、1つ質問がございます。
前回も質問させていただきましたが、BAMファイルからFASTQに関しては、復元可能と書いてありますが、完全復元可能でよろしいでしょうか。
それから、物理的な分散保管を原則とするということで、今回新たに「物理的な」という文言が加わりましたけれども、これはシステムがばらばらになるという意味ではなく、物理的に保管が分散されていたとしても、システム上はマウントをするなどして1つのシステムからあちこちに接続できるというような状態と理解してよろしいでしょうかというのが簡単な確認でございます。
あと質問なのですけれども、9ページの一番最後のところに、安全性確保に関する指針等々の対応を行うことと書かれておりまして、今後実際にオンプレミスあるいはクラウドサービスを利用していくときに、何か障壁となるような指針の条項といったものがもしあるのでしたら、事前に改定等々を訴えていかなければいけないかなと思いまして、もし何かそのような障壁を既にお感じのようであれば、共有していただきたいなと思います。
以上でございます。
○中釜主査 ありがとうございます。
最初のFASTQから復元可能なBAMに関しては、小川構成員、コメントできますか。
○小川構成員 基本的には復元可能と認識していますが、BAMの中にマッピングされないリードに関しては、BAMファイルのデータ形式によりますか。技術的な部分は南谷構成員のほうが詳しいと思います。
○南谷構成員 BAMの中にアンマップドリードというタグがついて保存されます。ですから、保存されます。
○中釜主査 よろしいでしょうか。
○小川構成員 基本的には復元可能だと思います。
○角山構成員 要するに、特にトリム等々せずに完全に復元できると理解してよろしいですね。ありがとうございます。
○中釜主査 あと物理的な保管、分散保管に関して、利活用上不都合がないかということに関しては、油谷先生、コメントできますか。
○油谷構成員 恐らくこれはクラウドを想定しているのだと思います。なので、先ほど角山さんがおっしゃったように、データがどこにあるか分からなくても、1つのワーキングスペースのところで扱えるという理解でいいかと思います。
○角山構成員 ありがとうございます。
○中釜主査 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
3つの質問は次の事項に入ったので、そこでまとめての御回答でよろしいですか。
「(3)解析のためのコンピューティングリソースの在り方について」も幾つか御指摘がありましたが、先ほどの角山構成員の質問に対して、厚労省のほうから何かコメントはございますか。オンプレミス、クラウドサービス間で何か対応でコードすべき点があるか。
厚労省、お願いいたします。
○事務局 3省にガイドライン等での確認をお願いしたいと考えております。
○中釜主査 角山構成員、その答えでよろしいでしょうか。
○角山構成員 ありがとうございます。
○中釜主査 ほかに御質問はございますか。よろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、続いて11ページの「(4)全ゲノムデータ等の網羅的解析のための人工知能の活用について」、特に修正はなかったのですが、この点はよろしいですか。
角山構成員、お願いいたします。
○角山構成員 再度失礼いたします。コメントだけでございます。
人工知能の御研究をこのデータでされたいという場合に、恐らくアウトカムの情報が大変重要になってこようかと推測いたします。予後とか死亡情報とか、そこについて特に明記がございませんでしたので、コメントさせていただきました。
○中釜主査 重要な御指摘をありがとうございました。その辺りは書きぶりで少し工夫させていただきたいと思います。
小川構成員。
○小川構成員 それに関しては、各解析におけるデータを統一化しておくところで、我々は臨床データも含めてデータのフォーマットを統一しておくことが重要だということを記載したつもりだったのですが、ちょっと舌足らずだったかもしれません。今の御質問の内容はここに含まれていると我々自身は理解していたのです。
つまり、データの中には臨床データも含むということです。死亡データとか副作用のデータといったものがここに含まれて、ただ、それを後でAIで解析できるようなフォーマットを統一していくことが重要だということです。
○中釜主査 ありがとうございます。その辺りは少し追記が必要でありそうですので、検討をよろしくお願いいたします。
ほかはよろしいですか。
ありがとうございます。
12ページに移ります。「4.データを共有・活用するための考え方、インフラ等についての検討」ですが、先ほどの冒頭の厚労省の説明では修正等はなかったのですが、このページの対応方針(案)について何か御指摘、御意見はございますか。よろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、13ページの「(2)データの二次利活用の制度の整備、構築について」であります。ここでは冒頭、厚労省のほうから少し修正の御説明がありましたが、この対応方針(案)について何か御質問はございますか。よろしいですか。
特にございませんので、次に移らせていただきます。
14ページの「(3)産学連携体制・情報共有体制の構築及び知的財産等の整理について」です。ここも今回は特に追加の修正案は示されませんでしたが、この対応方針(案)について何か御意見はございますか。よろしいですか。
ありがとうございます。
15ページの「5.倫理面や幅広い利活用を可能とするためのIC(説明と同意:Informed Consent)のあり方等についての検討」、こちらは1箇所、赤字で示された横断的なデータ二次利活用を可能とするようなことに関する追記がありましたが、対応方針(案)について何か御質問はございますか。
横野構成員、お願いいたします。
○横野構成員 ELSIワーキングの横野です。
今、追記いただいた点について、何点か御質問をさせていただきます。
この方針自体に反対するとか、否定をするとかということではないのですが、5の項目はELSIワーキングでこれまで検討したことが中心になっていまして、ただ、今回追記していただいた項目については、これまでELSIワーキングに検討の依頼等があったわけではありませんし、ELSIワーキングでの検討の結果として、ここに掲載されているわけではないということをまず確認させていただきたいと思います。
それと、今回、先ほどのワーキングからの報告の中で、解析ワーキングの資料の13ページ辺りで、データ共有に関しては国全体の方針との関係もあって検討すべき点があるという御指摘があったかと思うのですが、今回の横断的なデータ二次利活用といった場合に、どこまでの範囲を想定されているのかということをお伺いしたいと思います。この計画の中だけの話なのか、あるいはもっと幅広い共通の利活用ということを想定されているのかということです。
それから、予算等の種別によって異なってくるという御説明でしたが、私の理解がもしかしたら間違っているかもしれませんけれども、予算の種別等というのも関係してくるのかもしれませんが、先ほどのワーキングからの報告の中で、事業計画が未確定なためにこれまで作成したICF案の中に盛り込めなかった事項として、データベースの運営主体とかデータ利活用方針といった点を挙げさせていただきました。
二次利活用が共通で行えるかどうかというところは、むしろデータベース運営主体、データ利活用方針というところによって左右される部分が大きいのではないかと考えていますので、もちろん同意も関わってくるのですが、その体制や条件といったところが未確定であると理解をしていますので、ICFという形だけ先に作成するというのは倫理的にも抵抗があるところです。
もう一つ、今回、文章の表現として「共通のICFを用いる」と書かれているのですが、文章自体が共通ということは難しいと思いますので、あくまでもここは二次利活用に関する条件を共通化した形で同意を取得するというような意図ということでよろしいでしょうかということです。
そのことに関して、先ほど来議論がありました患者さんへの還元とか結果の返却ということを考えますと、この計画以外とも共通化する場合に、この計画においては個人にひもづけた形でデータを置いておくということが前提になってくるのかなと思っていますので、共通にできるのかどうかということについては、検討すべき点があるのではないかと考えています。
以上です。
○中釜主査 ありがとうございました。
今の横野構成員からの御指摘に関して、厚労省、現時点でお答えできますでしょうか。
お願いいたします。
○事務局 横野構成員、御指摘ありがとうございます。
御指摘のとおり、共通のICFというのは全く同じICFを用いるという意味ではなくて、横断的な二次利活用が可能となるような立てつけのという意味でございます。
また、「横断的な」の意味につきましては、当面は全ゲノム解析等実行計画に係るものということになると思います。
○中釜主査 よろしいでしょうか。その辺りは少し分かるような書きぶりに修正が必要かなと思いますけれども、そこは御指導いただければと思います。
○横野構成員 もう少し具体的かつ限定的な書き方にしていただいたほうが、この会議の資料としてはよろしいかと思います。
○中釜主査 今の横野構成員の御指摘について、よろしいでしょうか。
では、その方向で少し検討させてください。
ほかに御意見はございますか。
山口構成員、お願いいたします。
○山口構成員 静岡がんセンターの中で検討する過程で、ICFは各医療機関がそれぞれ独自の内容に書き換えるものだが、研究計画は一本化が原則になります。そのときに、固形がんと血液腫瘍は同一の研究計画を想定しているのか、あるいは全く別の研究計画として考えているのかということは、今後の課題としておく必要があります。その理由は、さっきの報告にもあったとおり、血液系悪性腫瘍の場合は侵襲性の高い骨髄穿刺が入ってきます。ですので、固形がんの場合とはレベルがかなり違うと思います。その辺りのことは現時点で何か議論されているのでしょうか。
○中釜主査 この点については、間野構成員、お願いいたします。
○間野構成員 バイオバンクワーキングとして御報告します。
現段階ではまだ恐らく決まっていないと思いまして、今の想定としては、例えば胃がんの解析とか白血病の解析とか悪性リンパ腫の解析というふうに個別のがん種ごとの研究を想定してバイオバンクワーキンググループとしては動いています。実際にそこに全部のプロジェクトに共通のような事項が含まれるのか、あるいは山口先生が御指摘のように固形腫瘍と造血器腫瘍とは別の形の基本項目が含まれるのかについては、厚生労働省はどうお考えなのでしょうか。
○中釜主査 では、厚生労働省、今の議論を踏まえて現時点で何かお答えできる点がありましたら、お願いいたします。
○事務局 研究計画書に関しましては、研究班ができた時点で検討していただきたいと思っていますが、現時点では特にこうしなくてはいけないということは決めてはいません。
○中釜主査 基本的には恐らくがん腫ごとの計画、プロジェクトを想定した御発言で、その中で必要なICを記載した上での計画内容をきちんと評価していただきたいということだと考えます。その妥当性については、ワーキンググループ等とも相談いただくということかなと理解しましたが、そういう理解でよろしいですか。
山口構成員御指摘の骨髄穿刺に必要な部分に関しては、固形がんとは少し違った書きぶりが必要かもしれないという御指摘でした。
○山口構成員 山口です。
私たちの経験では、固形がんは一本化できると思います。確かにICのところでがん種によって異なるかもしれませんけれども、ただ、血液は全く別立てになるだろうと考えています。今後、明らかにされていくと思いますので、それを待ちます。
○中釜主査 ありがとうございます。
小川構成員。
○小川構成員 血液は、普通に診断の段階で骨髄穿刺はほとんど必須ですから、やりますから、そういう意味では手術でサンプルを取るのとあまり変わらないと思います。ですので、造血器腫瘍が特段に違うということではないと思います。ただ、違う事情があるとすれば、通常の固形腫瘍は末梢血がいいコントロールになりますが、造血器腫瘍は末梢血がコントロールになりませんから代替のコントロールが必要ですが、ここのところはほかの腫瘍と随分違って、非常に大きな問題があります。それはしばしば頬粘膜といえども非常に激しいコンタミネーションが起こるということがあって、これが今、全世界的に見ても造血器腫瘍のアンバイアスな解析があまり行われていない理由ですので、確かに先生がおっしゃるように造血器腫瘍でちょっと違った事情があることは技術的な点で確かだと思います。
ただ、結局のところ、最終的な目的というのはあまり変わらないのではないかと思われますが、これは私見です。
○山口構成員 スワブに関しては明らかに違います。けれども、侵襲の重さからいうと骨髄穿刺のほうが重いので、そこはやはりかなり慎重に研究計画を立てないと倫理的に問題が生じる可能性があります。今後の課題で結構です。
○中釜主査 ありがとうございます。
その点は十分御指摘の点を踏まえた上で、研究の際には御留意いただくということかと思います。
ほかに御意見はございますか。
天野構成員、お願いいたします。
○天野構成員 先ほどのワーキンググループの資料の中で、一番最後の27ページの文末に、返却の後に医療へと橋渡しする仕組みを用意する必要があると。課題として、確認検査や遺伝カウンセリングの費用などが保険適用外の場合が多いことであるという記載があったかと思います。
この部分については、これに対応する方策というか施策の部分が実行計画(案)のほうでなかったかと思いますので、特に遺伝カウンセリングの体制整備についてはゲノム医療の進展に伴ってその重要性が指摘されているにもかかわらず、いまだになかなか進んでいないという部分があるかと思いますので、その部分はどこかに書き込んでいただいたほうがいいのではないかというのが1点です。
もう一点、関連しているので併せてついでに申し上げてしまいますけれども、最後の啓発の部分について、実行計画(案)で指摘していただいているのですが、全て間接的な啓発になっているのです。直接市民や国民、患者の方に啓発するという仕組みにいま一歩届いていないような記載になっていると思うので、例えば一案ですけれども、教育啓発活動であれば、文部科学省が来年度から教育現場でがん教育というものを推進するということになっているわけでして、もちろん生徒や児童の発達段階に応じた教育が必要だということですので、いきなりゲノムのことを全ての学生に教えろというわけではないですけれども、例えば高校生以上であれば生物等を学んでいるわけなので、そういった知識の啓発も可能だと思いますので、やや中長期的な視点にはなりますけれども、そういった視点も入れてもいいのではないかと思いました。
私からは以上です。
○中釜主査 ありがとうございます。
18ページの対応方針に対する記載、教育啓発に関する追記の点について、御指摘を踏まえて厚労省のほうで少し修正をいただきたいと思いますが、今の時点で何かコメントはございますか。少し検討いただくという形でよろしいですか。
ありがとうございました。
ほかに御意見はございますか。よろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、続きまして、16ページの「(2)患者等への再連絡も可能とする仕組みの構築について」は、「リコンタクト」という表現を「患者等への再連絡」という表現に変えたということの御指摘があり、それを踏まえた修正ですが、この部分に関して何か御指摘、御質問はございますでしょうか。
山口構成員、お願いいたします。
○山口構成員 再連絡という言葉になって、分かりやすくなったと思うのですけれども、細かなことですが、主語を明確に書いたほうがいいと思います。
その理由は、ワーキンググループからの報告の25ページ、上の四角の2番目、製薬企業では、主として医療機関を経由した患者への連絡が可能になることを希望されていることを確認したと書いてあるのだけれども、この文章だと、製薬企業が患者さんに連絡をするというようにも読めるのです。
厚労のこちら側の文章が、そのことまで想定して書いてある文章なのか、常識的には医療機関が製薬企業の要望を受けてコンタクトをするのではないかなと思います。あるいは、製薬企業のほうで直接患者さんにコンタクトしたいという希望を本当におっしゃったのかどうか。その辺りを確認させていただけますか。
○中釜主査 この部分については横野構成員、御回答いただけますか。
○横野構成員 基本的には、医療機関を経由ということをお考えだと承っていますが、一方で、電子的同意そのほかのオンラインでのツールが今後普及していった場合に、直接連絡を取るといったことも発生してくるのかという議論もありますので、その部分を排除はしていないという形です。
○中釜主査 今の回答でよろしいでしょうか。
○山口構成員 安中構成員の意見を聞いてください。
○中釜主査 安中構成員、お願いいたします。
○安中構成員 安中でございます。
横野先生の御説明のとおりでございます。現時点におきまして、私ども製薬企業から直接的に患者さんに連絡することは考えておりません。
ただ、横野先生がおっしゃいましたとおり、将来的に例えばアプリとかのいろいろなツールができることによって、製薬企業からダイレクトなのか、それとも、これを取りまとめる組織からメールが配信されることになるのか分かりませんけれども、その可能性は排除しないでいただきたいということをお願いさせていただいたところでございます。
○中釜主査 ありがとうございます。
今の説明でよろしいでしょうか。
○山口構成員 今後考える必要がある点かなと思います。
○中釜主査 ありがとうございます。
南谷構成員、お願いいたします。
○南谷構成員 今の御説明ですと、製薬企業の方も患者様の連絡先、個人情報を知り得るような仕組みになるのでしょうか。
○中釜主査 安中構成員、お願いいたします。
○安中構成員 製薬協の安中でございます。
私どもとしましては、患者さんの直接的に個人に紐づく情報につきましては入手もしたくないですし、閲覧もしたくないと考えております。そのことにつきましては、間野先生のワーキンググループではお話しさせていただいているところでございます。
すなわち、解析のときには患者さんのこのプロジェクト特有のコードが見られるようにしてほしいということですが、患者さんのお名前とか住所、電話番号あるいはカルテ番号については閲覧もできないようにしていただきたいというお願いをさせていただいております。
以上でございます。
○南谷構成員 承知しました。
先ほど、直接コンタクト、再連絡を取れるような仕組みを残してほしいとおっしゃったので、そういうことかなと思いまして。
○中釜主査 ありがとうございます。
ほかによろしいでしょうか。
それでは、続きまして、17ページ「(3)過去に取得された同意と、統一化された同意との同等性の確認について」のページは、特に修正案は示されませんでしたが、何かコメントはございますか。よろしいですか。
ありがとうございます。
続きまして、その下の「(4)治療に有用な情報等の患者や家族への丁寧な説明等のガイダンスの策定について」は、修正箇所が2か所ほど示されましたが、この点を含めて何か御質問、御意見はございますか。よろしいですか。
この部分は、冒頭に中村構成員から御指摘があった患者への結果還元のことに関して、しっかりと対策を取りながら、患者さんに不利益がないように回付するというところも意識した書きぶりだと理解します。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
最後、18ページの(5)倫理的・法的・社会的課題についての部分ですが、先ほどタイトルが少し修正されましたけれども、特にほかは修正案が示されませんでした。この部分に関して御意見、御質問はございますか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、「『全ゲノム解析等実行計画』の推進に向けての検討(案)」ですが、全ての項目が議論されました。
一番大きな議論が、冒頭にありました患者さんへ返せる結果を還元することの重要性を共有するという点でした。ただし、全ゲノム解析の現時点での技術的な限界点等を踏まえた上で、患者さんに不利益がない形で回付する仕組み、さらにはイノベーションを起こすような新しいナレッジを得るようなことに関する同時並行的な解析の基本的なプラットフォームを構築する必要があります。繰り返しますけれども、各ワーキンググループでは基本的な仕組み等について精緻な議論をしていただいたと思いますので、冒頭に中村構成員が御指摘のように、最初だけに患者還元のところを記載するのではなくて、このプロジェクトに関する重要な理念だということが分かるような記載にしていただきたいと思います。
野田構成員。
○野田構成員 18ページの一番最後のところの(4)~(5)で、僕は(5)かなと思ったら(4)の一番後ろだったのですね。
解析結果の妥当性を担保するロジスティックスを整備するというのがどういう意味か、僕は理解できないのです。
○中釜主査 この点について、間野構成員、お願いします。
○間野構成員 バイオバンクのメンバーと話合いもしたのですけれども、現在のところ、ヒトの全ゲノムを解析する深度、カバレッジがパネル検査等に比べると高くないので、どれぐらいの偽陽性あるいはどれぐらいの偽陰性があるかというのが現段階ではまだ分からないというのが正直なところです。それを患者さんに返す際に、その信頼性を担保するためにも、例えば1つの方法として、別のシークエンスシステムで検証する。例えば他の遺伝子パネル検査で検証するとか、そのような検証法について検討して、ロジスティックスを整備するという意味で書いてあります。
以上です。
○野田構成員 ここに言葉でロジスティックスを使うと分かりにくくありませんか。
○間野構成員 ロジスティックスにしたのは、検査の解析信頼性だけではなくて、例えば検体の取り違えがないとかも担保しないといけませんので、そこまで含めて、ロジスティックスも含めたという書き方にしています。
○野田構成員 ロジスティックスも確かに入るのだけれども、今、間野先生が言われたことの中心にないし、私だけかもしれないけれども、ロジスティックスと言うと目の前を走っているクロネコヤマトや何かのあれを考えてしまうようなところがあるので、担保するもので非常に重要な部分なので、私だけのイメージかもしれませんが、言葉をもうちょっと考えたほうがいいのではないかと思います。
以上です。後になって直せないので、すみません。
○中釜主査 ありがとうございます。
その点は、御指摘を踏まえて少し言葉を考えていただきたいと思います。
ほかはよろしいですか。
それでは、今日幾つかの御指摘点がありましたので、その辺りの整理をさせていただいて、御指摘の点を反映するような形で、本体の修正を図らせていただきたいと思います。
それ以外で大筋のところは、冒頭の議論が非常に重要な議論であったかと思いますが、全体のミッション、この事業の目的みたいなものを明確に記載する。患者さんに返せる結果を返すところに関しては、もう少し読めるような形で記載を検討していただきたいと思います。よろしいでしょうか。
では、修正案等については、事務局と私、主査のほうで少しやり取りをさせていただいて、修正案をまた作成させていただき、皆さんに確認を取らせていただきたいと思います。それを踏まえて、最終的な同意が取れればと思うところであります。よろしいでしょうか。
では、最後になりましたが、その他ということで参考資料4、倫理的・法的・社会的課題の研究事業の進捗についての情報共有であります。
こちらについて、小杉先生は京都大学医療倫理学・遺伝医療学教授をされておりまして、日本遺伝カウンセリング学会の理事長など様々な要職に就かれ、日本のELSIを代表する先生として御活躍されております。
今回は、厚労科研の倫理的・法的・社会的課題研究事業におきまして、「国民が安心してゲノム医療を受けるための社会実現に向けた倫理社会的課題抽出と社会環境整備」の研究班の班長として、研究の進捗について、本日、情報共有をしていただきたいと思います。
それでは、小杉先生、参考にお願いいたします。
○小杉参考人 京都大学の小杉です。本日はよろしくお願いいたします。
資料を見せていただいてよろしいでしょうか。今年度からの厚労研究班で担当しております。
次のページをお願いいたします。この中で、これは結構幅広い過程なのですけれども、本日は「医療現場でのゲノム情報の適切な開示のための体制整備に関する研究」でまとめた提言書をこの厚労班でもさらにブラッシュアップしようということで、その進捗状況について主にお話をさせていただきたいと思います。
AMEDの提言ですけれども、これはがん遺伝子パネル検査が臨床応用されるという側面で、それに対する対応が必要とされたもので、ただ、がんパネルだけではなくて、生殖細胞系列のものもということで、その1、その2と、それからさらに先ほども少しお話が出ましたけれども、具体的な遺伝子についても提示する必要があるだろうということで、推奨度リストを公開しております。これらは3年間かけて遺伝関連学会やがん関連学会、あるいは中核拠点病院の連絡会議等で繰り返し意見を求めて改定をしてきたものであります。
次をお願いいたします。今回、厚労班では、それを患者、一般市民、倫理社会科学系研究者、法律家も含めた検討によってさらにブラッシュアップするということで、より双方向性を重視して、「情報伝達プロセス」から「コミュニケーションプロセス」というようにタイトルも変えるというような意見も出ておりますし、実際、当事者の方に対して、この提言について説明会を開催するようなことも予定しております。
そのほかに今年度行ったことは、実際にがんパネル検査をされている施設に対してのアンケートとインタビューを実施しておりまして、さらに患者さんのほうへの調査は今後予定しております。
次のスライドをお願いします。実施施設のほうの調査の一部を抜粋しておりますけれども、上のアンケートのほうでは、二次的所見の開示について、検査前に開示希望を患者さんが求められるかどうかということについて、両方とも98%ぐらいの方が検査前には開示を希望されているのですけれども、237例がFoundation Oneで疑いがあるとされたのですけれども、実際に確認検査が行われたケースは23%ですし、NCCのほうでも36例でSFが確定したのですけれども、最終的にそれが血縁者への検査等につながったというのは限られているということ。
それから、担当医に対するインタビューでも、コメントうち幾つか抜粋で書かせていただいたのですけれども、先ほども少し議論が出ておりましたが、確認検査に保険適用はなくて、混合診療を避けるために別途来院が必要というようなことも課題と出ました。そのほか専門家の不足であるとか、現在、標準治療が終わってからというのをがん治療開始時からにするべきであるとか、もっと一般的な遺伝リテラシーの法整備が必要とか、がん医療部門と遺伝医療部分の連携が必要というような、先ほども来も議論に出てきたような内容も出てまいりました。
次のスライドをお願いいたします。さらに、リストのほうに関してなのですけれども、次のスライドを出していただいて、この表を公開させていただいていると思うのですが、ここに開示推奨度を文献等に基づいてつくっているわけですが、もう一度戻っていただいて、その推奨度リストが果たしてこれでよいのかどうかの再検討をする必要があるということなのですけれども、NCCオンコパネルのほうでシークエンシングレポートがジャームライン全てについて今後つけられるということなので、より客観的にするために、エキスパートパネルを実施している中核拠点・拠点病院、全施設を対象に開示推奨度アンケートを近日中に実施予定でございます。
がん関連だけではなくて、全ゲノム計画ということとも関連して、そのほかの難病等のものについてのアクショナビリティーについても検討する必要があって、それのサマリーレポートを継続的に作成いたしておりますし、ケースシリーズというかケース困難例・事例集というものを作成したいと考えております。
そのほか、エキスパートパネルのフローに関して、特別扱いをすべきような遺伝子をリスト化するということと、今後、保険収載されると予定されているリキッドバイオプシーにおけるフロー、それから難病エキスパートパネルのほうの在り方を検討するということを実施しております。
次の次に行っていただけますでしょうか。これは提言で出しているフローなのですけれども、真ん中の「APC,RB1」と書いてあるのは、特別扱いをしたほうがいいのではないかという遺伝子なのですが、これが妥当かどうかという再検討。それから、これはあくまでもエキスパートパネルでのフローでありまして、表現型の評価が下のほうにあるにはおかしいと言う人がいるのですけれども、そもそもそれは臨床の最初に必要なことでありまして、そういう誤解がないように書いていこうと考えております。
次のスライドをお願いします。この提言の改定以外のELSI課題についても整備が必要ということで、検査を受ける患者さんだけではなくて、国民が安心してゲノム医療を受けるためには、一般の方に対するリテラシーが必要で、それに対しての教育教材の開発とか、市民・患者参画の活動等も実施しておりますし、遺伝差別・法整備に関する検討も実施しておりまして、最後のスライドをお願いします。そのような市民・患者参画であるとかということに関しまして、これは全体像ですけれども、法整備に関することに関しては、この会議にも出席いただいている横野先生、武藤香織先生等にも御協力をいただいてやっているところです。
以上です。ありがとうございました。
○中釜主査 ありがとうございます。
ただいま全ゲノム解析が医療実装される際に検討すべきELSI的課題の抽出と、それに対する社会的整備についての検討状況、進捗状況についてお話がありました。
何か御質問はございますか。
山口構成員、お願いいたします。
○山口構成員 御説明どうもありがとうございました。
パネルは今、どんどん進んでいるのですけれども、この国家プロジェクトにおいてどうしても必要なのは、2ページに書いてあるその2、次世代シークエンサーを用いた生殖細胞系列網羅的遺伝学的検査における具体的方針だと思うのです。この改定版というのは、疾患名がかなり挙げられているのでしょうか。
○小杉参考人 改定版の中身のほうにあるわけではなくて、開示すべきと考えられているものについて、日本のエビデンス等をまとめたサマリーレポートを重要な疾患について作成しているところでございます。一部に関しては公開しております。
○山口構成員 私たちの経験では、5,000例の解析で、エクソームまでですけれども、がんに関する生殖細胞系列の病的変異が8%ぐらい出ています。このうち、臨床的に遺伝性腫瘍と診断される症例は1%程度です。
一方で、ACMGの推奨基準にのっとって、がん以外の遺伝病に関して頻度を見ると0.3%となりました。ただ、ACMGの水晶疾患では疾患数は非常に少ないです。全ゲノムにおいてどういう方針にするのかというのは極めて重要なポイントなのですけれども、前回の推進会議でも指摘させていただきました二次的所見の取扱いの議論が非常に遅れています。先生の発表を期待しているのだけれども、今のお話だと、具体的には何遺伝子、何疾患ぐらいが挙がっているのでしょうか。
○小杉参考人 基本的には、今あるACMGの59遺伝子について、日本でそれが開示対象とできるかどうかということがまず基本のところだと思います。
○山口構成員 そうすると、当面は59を中心に動くという理解でよろしいですか。
○小杉参考人 基本的にはそうだと思います。まだ59の遺伝子について、日本で十分エビデンスがあるというところまで行っておりませんので、それについてエビデンスを整理して、分かりやすい状況で情報公開するとしていきたいと思います。実際にそれが見つかったときに、どのような医療的な対処ができるのかということをまとめて公開する予定です。
○山口構成員 ありがとうございました。
○中釜主査 ありがとうございます。
ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございます。引き続き、いろいろと情報共有させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
全体を通して御発言はございますか。よろしいですか。
それでは、少し予定の時間を超過してしまいましたが、本日の議事は以上とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。
今回で今年度の連絡調整会議は終了となるわけですが、これまでの議論を踏まえて、それから本日の非常に重要な議論を踏まえて、このがん全ゲノム解析推進計画の修文とそれに基づいた推進を図っていければと思いますし、この構成員を中心に、日本全体としての大きなプロジェクトとして、これを成功に収めていくような方向で進めていければと思います。
構成員の皆様には、この1年間にわたり貴重なお時間をいただきまして御議論いただき、誠にありがとうございました。
以上をもちまして、本日の会議を終了したいと思います。
ありがとうございました。
 
 
 

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