第3回がん全ゲノム解析等連絡調整会議

健康局がん・疾病対策課

日時

令和2年12 月7 日(月) 18:00~

議題

(1)検討スケジュールについて
(2)第2回がん全ゲノム解析等連絡調整会議における協議事項の確認
(3)「全ゲノム解析等実行計画」の推進に向けての検討
(4)その他

議事

 

2020-12-7 第3回がん全ゲノム解析等連絡調整会議

 

○がん対策推進官 定刻となりましたので、ただいまより、第3回「がん全ゲノム解析等連絡調整会議」を開催いたします。

 構成員、オブザーバー、参考人の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 本日、全ての構成員の方々に御出席いただいているところでございます。また、本日は、オブザーバーとしまして、難病に関するゲノム医療推進にあたっての統合研究班の構成員の先生方、データセキュリティーの専門家としまして、厚生労働省データヘルス改革推進本部参与、独立行政法人情報処理推進機構CIO補佐官であります葛西重雄参与に御参加いただいております。詳細は、参考資料2の名簿を御参照いただければと思います。また、事務局からの出席者については、座席表を御参照いただければと思います。

 まず、事務局から、資料を確認させていただきます。

 資料につきましては、ホームページに掲載されているものを、各構成員、参考人の皆様方に御用意いただいていると思いますが、資料1~5、参考資料1~4がそれぞれございますので、いま一度御確認いただければと思います。

 会場等でのカメラの撮影はこれまでとさせていただきますので、御協力のほどお願いいたします。

 以降の進行につきまして、中釜主査にお願いいたします。

 よろしくお願いいたします。

○中釜主査 主査の中釜です。

 本日も、年末のお忙しい中、この連絡調整会議に御出席いただき、ありがとうございます。本日もいろいろな議題を御討議いただきますが、メインは前回の調整会議で御議論いただきました対応方針案についての確認と対応方針案の残りの部分に対する議論の辺りを中心に進めさせていただきたいと思います。限られた時間の中でタイトなスケジュールではありますが、よろしくお願いいたします。

 早速ですけれども、事務局より、資料1の説明をお願いいたします。

○がん対策推進官 資料1の説明をさせていただきます。

 おめくりいただきまして、検討のスケジュールは前回お示しさせていただいたものとなります。今回につきましては、「対応方針案の協議」で○をつけている項目について資料3で対応させていただきたいと思っております。また、先ほど中釜主査から御報告がありましたとおり、前回協議をした内容についても簡単に最終確認という形でさせていただきたいと思います。1点、データ共有ワーキンググループの最後の項目に赤字で書いてございますが、知的財産の考え方の整理につきましては、前回まではELSIワーキングの項目として入れさせていただいておりましたけれども、データ共有ワーキングの中で整理をしていくということで場所を移しております。

 3ページ目の今回の検討の進め方ということで、前回お示しさせていただいたスケジュールと大きく変わりはないところでございますが、見え方としまして、真ん中のところに、今回、第3回の会議の下に矢印がありまして、全ゲノム解析等実行計画の推進に向けた検討会議という形で示させていただいております。こちらにつきましては、この下半分のところが難病に対する検討ということで、難病に対する検討とがんに関する検討の実際にやっていく中身は全ゲノムでいいますとかなり共通項も多いというところがございますので、ここの部分はがんに関する全ゲノム解析等の推進に関する部会、いわゆる部会と、難病の会議の合同開催のような形で、この全ゲノム解析等実行計画の推進に向けた検討会議を開催するという形にしたいと考えておりまして、この先の部分に関しましては、難病とがんがある程度一緒になって検討を進めていくと考えていただければと思います。まさに今回の会議で検討したこと、また、明日には難病の領域での検討会がございますので、それらを併せて1210日の第1回検討会議で検討させていただくという形で進めていきたいと考えておりますので、当会議の位置づけということで御承知おきいただきたいと考えております。

 私からは、以上です。

○中釜主査 ありがとうございました。

 今後の連絡調整会議及び全ゲノム解析等実行計画の推進に向けた検討会議の検討スケジュールについて説明がありましたが、何か御質問や御意見はございますでしょうか。特にございませんか。

 ありがとうございます。

 引き続き、事務局より資料2の説明をお願いいたします。

○がん対策推進官 引き続き、資料2について、御説明させていただきたいと思います。

 第2回連絡調整会議で協議をしていただいた内容を反映しまして、資料2のように修正させていただきました。

 主な修正点は、表題と前文の修正、1ページ目、1.(1)の検討の視点、2つ目の○にシステムインフラの可用性を追記させていただいております。

 3ページ目、2.(1)の対応方針案、2つ目から4つ目の○にデータセキュリティー上の観点からの追記をさせていただいております。

 同様に、4ページ目、3.(1)の検討の視点、対応方針案に、データセキュリティー上の観点からの追記を行っております。

 5ページ目、3.(2)の対応方針案、2つ目の○のデータストレージについては、クラウドとオンプレミスは相反する概念ではないため、オンプレミス及びクラウドのハイブリッドという表現を削除し、(3)の対応方針において、クラウドの利用に当たっての注意事項を追記いたしました。

 6ページ目、4.(1)の対応方針案、3つ目の○の「産業利用」の前に、「新たな医薬品の開発等を目的とした」という一文の追記をしてございます。6個目の○の「プロジェクト」を「各研究班」に修正しております。

 こちらを最終案とさせていただきたいと思います。御検討のほどよろしくお願いいたします。

○中釜主査 ありがとうございました。

 今、前回御議論いただいた点の修正箇所について簡単に御説明させていただきましたが、何か御質問はございますでしょうか。

 天野構成員、お願いいたします。

○天野構成員 天野です。ありがとうございます。

 今回の資料2は、本日の別添資料にある参考資料4とも共通するところがあるかと思いますので、そちらで意見を申し上げたほうがよろしいかと思いましたが、念のため、この場で1点申し上げます。

 細かいところで恐縮なのですが、前文の部分になります。いわゆる「骨太の方針」、経済財政運営と改革の基本方針について引用いただいている部分があるのですけれども、原文の2019のバージョンを見ますと、この引用いただいた後に「また、ゲノム医療の推進に当たっては、国民がゲノム・遺伝子情報により不利益を被ることのない社会を作るため、必要な施策を進める」という一文が加えられています。この一文は不要だと思われたのかもしれませんが、非常に重要なことだと思っています。今回の会議は技術的な視点から細部を詰めていく会議であることは十分に承知しているのですが、このELSIや患者視点の部分を含めてこういった部分について触れていただかないと困るということはありますし、海外の同種の会議等においてはこういった部分は研究者の方からその必要性について積極的にご意見をおっしゃっていただくことがしばしばある状況かと思っているのですが、この会議では一部の研究者の構成員の方を除いてそういった意見がなかなか出てきていない状況がございますので、前文にこの一文も加えていただきたいと思います。

 私からは、以上です。

○中釜主査 ありがとうございます。重要な御指摘と思いますので、その辺は考慮して追記したいと思います。

 ほかに御意見はございますか。

 製薬協、角山構成員、お願いいたします。

○角山構成員 製薬協、角山でございます。

 少し細かい点を確認させていただきたいのですけれども、FASTQBAMCRAMファイルの話がございまして、念のため確認させていただきたく存じます。まず、その3つのファイル形式の相互の復元性は、例えば、FASTQBAMの間とかですけれども、100%保証されているものでしょうか。例えば、BAMからFASTQへの変換、戻すことは、手法によっては100%戻せない場合があるのですけれども、こちらはどうなっておりますでしょうか。それと、BAMCRAMの間の関係はどうなっているのか、少し確認させていただけませんでしょうか。

○中釜主査 ありがとうございます。

 この点については、解析ワーキングから、小川構成員、今の質問にお答えいただけますか。

○小川構成員 基本的には、BAMフィルからFASTQへの変換は可能だと考えていますけれども、確かに、御指摘のように、一部戻せないようなBAMファイルの構成の仕方があると思います。今回は少なくとも復元可能なようにしたいと思いますし、FASTQファイルも同時に復元されます。CRAMファイルは、圧縮の度合いという意味ではBAMファイルよりもずっと圧縮の効率がいいので、最近はよく使われていますけれども、実際に我々が解析するときにはBAMファイルのほうが使いやすいという意見もあるので、実際にはこの3つのファイルが併用されるというか、主にBAMファイル、CRAMファイルまではアップロードをして、ここは自由にアクセスしやすいようにいたしますし、我々解析ワーキンググループも、主にBAMファイル、場合によってはCRAMファイルも使うということが起こると思います。

 ただ、FASTQファイルが利用できるように担保することは明記しておりますので、FASTQファイルの要求、需要において使う。ただ、FASTQファイルは、御承知のように、サイズが大きくなりますので、できるだけBAMファイルをつくった後はクラウドなどのようなところに現在のところでは保存するようにしようと思っています。ただ、今後、データストレージが、非常に安く、めちゃくちゃに安価になってくれば、その場合にはもちろんFASTQファイルももちろん利用できるようにしたいと思いますが、今のところ予定しているのは、BAMファイル、CRAMファイル、FASTQファイルを構成して、それを共有可能にするということになります。

○中釜主査 ありがとうございます。

 今の説明でよろしいでしょうか。

○角山構成員 ありがとうございます。

 もう一点だけ、今のFASTQの利用に関して確認させていただいてもよろしいでしょうか。

 今、小川先生がFASTQを使えますとお話しいただいた一方で、資料中にFASTQは必要に応じて提供すると書かれておりまして、これは何らかの特別な審査等々が必要なのか、あるいは、決められた、承認を受けた研究の中であれば、こちらの利用者の要望に合わせて自由にFASTQへアクセスできるのか、どのような形態を今は想定されているのか、教えていただけませんでしょうか。

○小川構成員 これに関しては、私から答えるのは適当ではないのかもしれない。この共有の仕方、ルールについての議論は、今のところ、細部については解析ワーキンググループでは詰めておりません。恐らく、どんな形の共有あるいは供与という形に関しては、データ共有ワーキンググループでより詳細な議論がされるのだろうと理解しておりますが、現在のところ、決定事項としては、決定していないかもしれません。例えば、個別研究グループが構成された場合には、もちろん必要に応じてFASTQファイルが提供されるということは前の回でも回答されていると思いますが、具体的にどんな手続でどれほど面倒くさいことになるのか、あるいは、簡単に提供できるのかというのは、恐らく今のところはまだ最終的に決定していないと私は理解していますが、油谷先生、それでよろしいでしょうか。

○中釜主査 油谷先生、この点について何か追加での御発言はございますでしょうか。

○油谷構成員 今の議論にもありましたように、まだ保存形式についても確定しているものではありませんし、小川構成員が御回答されましたように、若干サイズは大きいけれども、BAMファイルでの提供がまずは原則として、FASTQの場合、利用者様がそちらがいいということで、計算機の使用料がそれで上がることも納得するということで、特別にリクエストをされる場合には提供が可能とは考えておりますが、まだその辺りは今後の検討事項かと思います。

○角山構成員 ありがとうございました。

○中釜主査 ありがとうございます。

 ほかに御質問はございますか。

 横野構成員。

○横野構成員 7ページのリコンタクトに関する部分なのですけれども、以前の会議ではこの部分について、厚労省の皆様の理解やワーキングによって理解が異なっていましたので、その後、この辺りを整理しました。今日扱う部分とも重複する部分がありますので、この辺りは今後もう一度その後の議論を踏まえて整理させていただきたいと思います。

○中釜主査 ありがとうございます。

 この点について、よろしいでしょうか。ほかに、御意見、御質問はございますか。よろしいでしょうか。

 資料2につきましては、前回、主査預かりとさせていただき、今回はその修正案を提示させていただきましたが、これらの案を、調整会議として、先ほど天野構成員からいただいた意見等を付記した形で決定とさせていただきたいと思います。また、追加で修正が必要な箇所があれば、その点はまた調整いたします。よろしくお願いします。

 ほかに御質問はよろしいでしょうか。

 続きまして、資料3、4について、御説明いただきます。資料3は各ワーキンググループ代表の先生から御説明いただき、資料4については事務局から連続して御説明した後に、議論とさせていただきたいと思います。

 各ワーキンググループ代表の先生方におかれましては、それぞれ5分という短い時間ですけれども、時間厳守で説明をよろしくお願いいたします。

 最初に、まず、間野構成員、お願いいたします。

○間野構成員 バイオバンクワーキンググループに関して、御報告いたします。

 バイオバンクワーキンググループは、そこに書かれていますメンバーによって構成されていまして、我々が担当している項目としては、臨床情報の収集・内容の決定、現場の負担軽減策の検討、さらには、実際に検討を集めたり、DNAシークエンスに送る際のロジスティクス、SOP、ワークフローを確立することが求められています。1番の臨床情報の内容と収集のシステムについては、前にもお話ししましたけれども、固形腫瘍、造血器悪性腫瘍、それぞれのサブワーキンググループにおいて、収集内容、収集方法も確定しまして、現在参加施設にありますゲノム検査ポータルから臨床情報を収集するEDCシステムを構築しているところで、年度内に完成する予定であります。現場負担軽減策としましては、収集する臨床項目を厳選するとともに、選択方式はプルダウンを基本として定義の明確化を行って入力の質の向上を図ります。また、実際に入力する人員としては、医師が入力することは現実的に不可能ですので、それを入力するような人員の確保を予算面においても確保していただくことが重要だという議論になっています。3番のワークフローに関しては、討議しまして、それを以下に簡単に御報告いたします。

 このページ4が、解析するまでの検体の流れを表しています。上部では、腫瘍組織を外科ないし内視鏡下において採取した後、それを新鮮凍結保存いたします。また、末梢血も採って、両者から核酸を抽出してシークエンスを行って解析環境に導出いたします。また、臨床情報に関しては、さっき申し上げましたように、病院に設置されたポータルから臨床情報を入力していただいて、EDCに蓄えて、その情報を解析環境に供与する形になります。バイオバンクワーキンググループとしては、この全体のところを所管することになります。

 次のページをお願いします。実際の検体処理のワークフローですけれども、現在は第1次案としてここにお示しします。既存検体に関しては各バンクの既存インフラを用いて、核酸調製は原則的に各バンクで行っていただく。前向き収集検体について、現在、SOPを議論しているところでありまして、これはその第1次案になります。そこに書いてありますように、組織検体前向き収集の推奨手順書案ということで、SOPに関して、完全にこれに各施設が従うという形ではなくて、推奨ですので、各施設のマイナーなモディフィケーションに関しては各ワーキンググループで議論して認可する方向で行いたいと思います。また、OCT包埋のサンプルを同時に全検体で取るかということに関しても現在検討しているところで、さらなる討議が必要ですけれども、全サンプルのOCT包埋を平行して採取するという形はおそらく取らないのではないかと考えています。

 そのSOPに関しては、次のページの形で議論がなされております。

 腫瘍部及び外科切除したペアの正常部の保存方法がここで書かれています。これは第1次案です。この後、末梢血の収集SOPもつくらないといけませんし、造血器悪性腫瘍に向けたSOPはまた別につくらないといけませんので、これからさらに議論を進めていきたいと考えています。

 バイオバンクワーキンググループは、以上です。

○中釜主査 ありがとうございました。

 引き続き、小川構成員、お願いいたします。

○小川構成員 解析ワーキンググループでは、シークエンス拠点から出されてきたシークエンスデータの組織ファイルから、マッピングをして、変異コール、ストラクチュアルバリエーションのコール、コピー数のコールという基本的ながんの異常のコールをして、これを、二次解析、個別のがん研究グループが解析できるようなデータを整備していって、これを共有できるような形にするところまでが我々の仕事になります。具体的に言うと、現在のところは、どんなシークエンスプラットフォームで進んでいるのかという検討に関しては、今のところ、イルミナベースのシークエンスを想定していますが、一部で解析が行われているいわゆるロングリード等々の解析プラットフォームについても検討を進めています。標準的なパイプラインの構築、その解析環境の決定は、コンピューターでそういうふうにやっております。

 具体的なその協議事項ですが、次のページをお願いします。今日は、主にこのページの下のほうにより詳細なまとめがありますが、時間も限られておりますので、協議事項として、4つの点について、主な決定事項について、お話ししたいと思います。1つは、計算機リソースについて、先ほどお話がありましたように、オンプレミスのスパコン、クラウド、双方を使った形になると思いますけれども、当面はクラウドの利用が整備されていませんから、まずはスパコンで始めるということに関して、第2回は連絡調整会議で合意いただいているところです。今後、CANNDsとの連携をどうするのかということは継続的に協議して、まず、火急に整備していただくのは、こういった解析パイプラインの構築といったコンピューターリソースを確保することでありまして、これは、厚労省、国にもお願いいたしているところであります。もう一つ、重要な論点として、そういう計算機リソースの上で解析するのですが、セキュリティーポリシーについては、どこまで、セキュリティーは緩めれば緩めるほど使いやすくなりますけれども、一方でリスクも生じてくるということで、そこのバランスをどう取るかということはまだ協議をしております。次に、解析をどんな体制でやるかというのは非常に重要なことなのですが、非常にコンプリケートしました大量のデータを扱って解析をしなければいけませんが、この「統一パイプライン等を整備し一次解析に特化してこれを整備する体制の構築」はぜひとも必要で、この解析ワーキンググループはそれを担ってはいるのですが、これに特化した専門の体制の構築が必要であるという認識を現在の解析ワーキンググループでは共有しております。一方で、解析ワーキンググループの現時点での我々の作業ですけれども、解析項目が多くございます。1人の人が全部をやるわけにはもちろんいきませんから、各専門の先生方にお願いして、サブグループを構成して、サブグループ内で協議を開始しているところです。ただ、これについては、さきに述べました体制の構築とは取りあえずは関係がありません。現在、解析体制の構築としてこれをやっているということです。

 3番目、解析とデータ共有及びパブリケーションのルールの策定の必要性は、解析ワーキンググループ内のミーティングが挙がってきました。解析をしたデータをどんな形のデータを共有するのか。データの種類です。どこまでの範囲のデータを共有するのかということに関して、早急に協議をして合意を形成する必要があるとしています。より重要なのは、その解析に携わる多くの人々のインセンティブを確保するという意味で、混乱が生じないことと、モチベーションを維持するという意味で、出版ルールです。これはまた今後にされるわけですけれども、個別解析に携わるものとがん種横断的な解析グループです。これは恐らくは今の解析グループの多くの人たちが重複していると思いますが、その人たちがどのようなオーサーシップを共有するのかということについてルールが必要だと考えています。最後ですけれども、4番はAIの活用のための検討が今後は必要であるということで、その検討の視点、対応方針等々について、解析グループで議論させていただきました。この中で重要なのは、いずれにしても人工知能を活用したデータマイニングとしても、AIが利用可能なデータのフォーマットを統一化しておくことが重要と考えます。これは臨床データについてもそうでありますし、今後出てくるゲノムデータについても統一した解析の形式でデータを保存していくことが重要であるということであります。人工知能による効果は、一つには、変異コールの精緻化、より正確にするということもありますが、もう一つは、コールされた変異に該当する薬剤あるいは治療法を自動抽出できる機能、治療への応用という視点も非常に重要な視点として議論してございます。

 この下に、長々しいのですけれども、各項目について詳しく述べています。

 以上です。

○中釜主査 ありがとうございました。

 続きまして、データ共有ワーキンググループから、油谷構成員、お願いいたします。

○油谷構成員 データ共有ワーキンググループでは、(1)にデータの二次利活用の制度の整備、構築、及び、(2)にありますように、特に産学連携体制・情報共有体制の構築という大きな課題の中に、最後の20ページの全体図を前回もお示しした中で、今後整備していく項目について、データ共有のルール、臨床情報の共有、臨床情報、これは特に詳しい臨床情報、患者由来検体等へのアクセス、小川構成員からもありましたAIの活用、データアクセス管理委員会の策定、データセキュリティーにつきましては、冒頭に厚労省からも御説明がありましたが、それをほかのワーキンググループとも協力して設けていく。産学連携に関しましては、本プロジェクトにおきましては、先行研究と既存検体と前向き検体の収集がございますので、その間でELSI上の課題についても検討を行っております。ここに書き漏らしましたが、知財権に関するルールに関しましても、ELSIワーキンググループからこちらのワーキンググループでの検討を要請されております。前回の連絡会議から2回、16日と25日でのオンラインでの会議を行いまして、特に25日に関しましては、ELSIワーキンググループから、武藤委員、横野委員、安中委員に御参加いただいて、合同で検討会を行いました。

 次のスライドをお願いします。私が提出したバージョンから若干修正を行っておりますので、その点、御注意いただきたいと思うのですが、まず、このプログラム参加メンバーは、データアクセスを申請し、承認を受ける。この原則の下に、がん種ごとのプロジェクトに加えて臓器横断的解析プロジェクトのデータのアクセスの時期につきましては、他のワーキンググループと継続審議ということで、そこのルールづくりはまだ検討中でございます。加えまして、解析結果もプログラム内で進捗を共有して、定期的にレポートをするということの、このプログラム全体で特定のがん種ごとのプロジェクト間での共有を進めて、成果を早く実用化に結びつけたいという目的であります。研究成果の対外発表ルールは既に解析ワーキンググループでも御発表がありましたけれども、このルールづくりが重要であります。検体につきましては、バイオバンクワーキンググループとも議論になりますが、先行解析で既に検体が一定のICの下に収集されておりますので、本プロジェクトの場合には事業利用を一つの優先項目にもしておりますので、事業利用についても承諾が得られる、現時点でなくても倫理審査が今後は可能で承諾を得られる検体を用いることを原則としたいということで合意が得られました。データの優先利用については3年程度で、これは先ほどのパブリケーションという意味でのアカデミア側でのルールでございます。データアクセス管理委員会の委員の構成につきましては、議論を必要といたしますけれども、できるだけシンプルな管理体制にしたい。いわゆるワンストップでのデータアクセスの承認を考えております。次の文章は若干未熟な文章で申し訳ありません。個別交渉なしにということではなくて、データアクセス申請、検体提供機関への要望等については、管理委員会を通して行う体制を整備するという意味でありまして、最終的にはそれが承認された場合に検体などへのアクセスについては個別提供機関と交渉していただくことになると思いますが、まずは、最初の窓口といたしまして、このプロジェクト内にデータあるいは検体アクセス管理委員会を設けるということでございます。また、臨床情報につきましてもバイオバンクワーキンググループで整備を進めていただけるということでございますが、臨床経過に伴い臨床情報はどんどん増えてまいりますので、それを優先的に収集したいという企業あるいはアカデミアからの要望があった場合には、特に企業からのリクエストがあった場合には、優先的にその情報を集めることに関しましても応分の費用負担をいただけるであろうということで、これも意見交換が行われたということになります。

 次のスライドをお願いいたします。第2回は、特に企業利用という点からの検討が専らでございましたけれども、まずは製薬協様から全ゲノム解析推進に向けて、特にゲノミクスイングランドでの仕組みの紹介、セキュリティーというポイントから、データアクセスは個人IDとパスワード認証なのですけれども、一定の契約に基づいた環境であれば、いわゆる監視カメラのついているような環境を求めるものではないという実例を御紹介いただきました。以前にも御紹介させていただいたと思いますが、ゲノミクスイングランドの場合には、データセキュリティーのために、生データはダウンロードができずに、解析結果の持ち出しは事前審査が必要ということで、それを担保するものとしましては、プロジェクト側でPCでの操作ログなどが監視されているということでございます。企業利用とELSI上の課題では、武藤委員、横野委員から、公的データベース連携も推進されているので、オプトアウトの機会を設けるべきであるという御意見や、既存検体については、アカデミアとの共同研究を前提とした企業利用でございますので、企業が単独で利用するという意味では若干ハードルが高いのではないかという御意見がありました。その場合には、既存検体につきましては、それを提供するアカデミアあるいは医療機関との共同研究ということでそのハードルを乗り越えていただければよいだろうということでございました。既に医療の保険診療としてスタートをしておりますC-CATのデータの利活用も議論されているところだと思いますが、河野委員より、C-CATにおけるセキュリティー体制として利活用検索ポータルの構築が進められて、来年度には開始予定、また、さらにその先のC-CATクラウド上でのゲノムデータの研究利用については、現在は検討中ということでございました。C-CATの場合には診療データ、本プロジェクトは研究事業がベースでございますので、全く同一のルールの適用するものではないことは確認が行われました。

 今後、まだ残っている課題は多々ございますが、セキュリティーの問題は解析ワーキンググループと合同で検討が必要でありますが、国内に既にNBDCのセキュリティーガイドラインもありますので、そういうものをまずは一つのたたき台として、先ほども厚労省から御紹介がありましたが、難病ワーキンググループとのすり合わせも必要になってくる。データアクセス管理委員会は、先ほどこの資料で若干言葉足らずのところがございましたが、委員会メンバーの構成も含めまして、データ公開時期、データ共有ルールは特に企業とアカデミアでそれぞれのルールを策定することになります。ジャームラインバリアントの情報の管理につきましては、デリケートでございますので、特に同じ問題点を抱えていると思いますが、難病研究事業とのすり合わせを進めていきたいと考えております。サーバーに関しましては、既に小川構成員からも御紹介がありましたが、上記のNBDCのガイドラインには、機関外サーバー、いわゆる所属機関外の利用可能サーバーということで規定がございますので、利用するサーバーについては、その環境を満たしているか、準じているかということを確認しながら使用していくことになると思います。企業利用については、繰り返しになりますが、ワンストップでのアクセス申請を可能とするようなデータアクセス管理委員会を構築するということでございます。知的財産権の確保について検討してほしいという要望がございましたが、ゲノム配列で特許を取るということは、国際的には、米国では少なくとも認められておりませんので、そこにさらなる知的な発見を加えて用途特許を取ることは問題がないのではないかということで、ここに関しましてはそういうものを全く妨げるものではないということで、ただ、上記の情報を共有していくという点で、そこの部分を尊重していただきながら知財を確保していただくことは必要になってくると考えました。

 以上です。

○中釜主査 ありがとうございました。

 引き続き、テキスト ボックス: 横野構成員から、ELSIワーキンググループの報告をお願いいたします。

○横野構成員 先に、武藤委員から一言。

○中釜主査 お願いします。

○武藤(香)参考人 武藤です。このたび、委員の追加をお認めいただきまして、本日御出席いただいております天野慎介さん、桜井なおみさんに新たにワーキングに加わっていただくことになりましたので、冒頭で御報告申し上げます。

 内容につきましては、横野先生からお願いいたします。

○中釜主査 ありがとうございました。

 横野構成員、お願いいたします。

○横野構成員 引き続き、ELSIワーキングでの検討についてです。

 先ほどのスケジュール案の中にありました検討項目は、当初はこちらの4点がELSIワーキングの対象になっておりましたが、先ほどもありましたように、知財については全体的な産学連携体制の問題としてデータ共有ワーキングで御検討いただく形になっております。

 次に、(1)について検討したいと思います。まず、先行解析の全体像ですが、こちらは実行計画での想定を少し形を変えて表にしたものです。既存検体と新規検体とございますが、既存検体については、既存の同意をしていただいたときのICFに加えて、倫理審査等、必要な手続を行って利用する形になります。新規検体については、本格解析に準じた統一的なICFを用いることが想定されます。

 次のページをお願いいたします。先行解析の候補として幾つかの施設の同意・説明文書の記載内容を確認いたしました。本計画で予定しています主な項目は、こちらの左側にあります全ゲノム解析等の実施、外部への解析の業務委託等々ですが、これらに関しましては、基本的には指針上の既存試料の他機関提供という形になるケースがほとんどだと思いますので、計画変更申請、倫理審査委員会での承認、あるいは、必要な手続としてオプトアウト等を行った上で、機関の長の承認があれば、基本的には利用可能になるケースが多いと思います。バイオバンクの場合には、提供に係る審査を受けて承認を受けることも必要になってくる場合があると思います。ただ、先ほども少し出ましたが、既存のICFの中での記載状況を見ますと、ばらつきはあるものの、企業による単独利用を想定した記載は限られていまして、企業による単独利用については、指針上、明示的なその旨の説明があった上で同意が得られていることが必要になりますので、先行解析においてはそれを前提として考えた場合には利用できる検体の数は非常に限られてくると思います。全体の方針としては、必要な対応はそれぞれのもともとのICFの記載内容によって異なります。ばらつきもありますので、施設や計画ごとに必要な手続を確認して行っていくことになります。バイオバンクを通じて新規検体の提供を受ける場合には、事前にできるだけバイオバンクのICFと統一化ICFとの内容を調整し、統一化ICFを前提とした同意をバイオバンクに御提供いただくときに取得しておくことが重要かと思います。これに関しては、既に御検討いただいている施設もあるかもしれません。

 次に、参考として、アメリカの新しいコモンルールで、ICFで記載すべき事項として定義されているものについて、この後半の3つの点、必要に応じて追加する事項の記載等が参考になると思います。

 次、3番目の点に移りたいと思います。治療に有用な情報等の患者や家族への丁寧な説明等のガイダンスを策定という項目ですが、本計画において、治療に有用な情報等の説明には、ゲノム医療に係る情報伝達、研究で得られた結果の開示・説明という2つの視点が必要になると考えます。この2つの点に関しては、近年、AMEDの研究班でかなり詳細に検討した上で提言が発表されています。2020年の小杉班のものがゲノム医療の観点から、2019年の長神班のものが研究で得られた結果の開示の観点からの提言になっていますので、先行解析でこれらの提言をできるだけ活用していただいて、このプロジェクトでどういった課題があるかということを抽出していきながら、2021年3月までに本事業で使用する具体的なガイダンスの策定を目指すという方針で考えております。この際には、AMEDの研究班提言や国内外の事例・議論状況を参照して検討を進める必要があると思います。また、その際に、家族への説明と患者に対する守秘義務との関係についても具体的な場面を想定した整理が必要になってくるかと思います。

 最後、4点目になります。ELSIに関わる必要な法制度の検討、相談支援体制の整備に向けた検討という点ですが、ゲノム情報に関連した新たな差別や不利益が生じないようにするという観点、既存の差別や不利益の拡大・助長につながらないようにするという観点が重要であると考えます。制度整備としては、一つは、これは主に法制度になりますが、差別等の不利益の防止や情報漏えい・悪用に関して防止や制裁のための法整備を具体的に検討するということで、これは関連する他の研究班と連携しながら行っていきたいと考えています。こういった差別や不利益に関する不安等がある場合に、十分な相談窓口がないということで、相談支援体制を整備することも重要になってくると思います。既存の相談機関で一次相談を引き受けて、その後、具体的な対応につなげていくことができるように教育啓発活動を通じて支援体制を整備していくこと、特にがんゲノム医療中核拠点病院等で相談支援センターにおいてこうした対応ができるような形で強化をしていくことが想定されます。さらに、ゲノム医療、ゲノム研究に関して社会全体としてリテラシーや信頼を醸成していくために、具体的な対象を絞った上で、特にこうした問題に対する不安や懸念等が生じやすい場面で教育啓発活動を行っていくこと、このプロジェクト自体において、透明性を確保するために、患者・市民の視点を取り入れた説明や対応方針を策定したり、あるいは、提供されたデータについてトレーサビリティーを確保したり、利活用に関して透明性を確保することが必要になってくると考えます。

 ELSIワーキングからは、以上です。

○中釜主査 ありがとうございました。

 引き続きまして、事務局より、資料4、「全ゲノム解析等実行計画」の推進に向けての検討について、説明をお願いいたします。

○がん対策推進官 こちらの資料につきましては、ワーキンググループでの議論等を踏まえまして、事務局としまして検討の視点や対応方針案をまとめさせていただいたものでございます。本日、この後の議論につきましては、こちらの資料をベースに御議論いただきたいという形でお示しさせていただきたいと思います。

 まず、「1.全ゲノム情報に付随して保管する検体や臨床情報等についての検討」、こちらはバイオバンクワーキングで検討していただいている内容です。

 「(1)臨床情報の収集における現場負担軽減策の検討」で、検討の視点は2点ございます。臨床情報の内容については、情報が網羅されていること、収集方法については、情報の提出元、収集側ともに情報セキュリティーの徹底した確保及びデータ入力の負担軽減、潤滑な情報の利活用に留意することが必要であると考えております。対応方針案としましては、臨床情報の収集方法としましては、セキュリティーの確保されたネットワークを使用しての入力を基本とする。ここは誤植です。「可能性」ではなく「可用性」、可用性はシステムが継続して稼働できる能力という意味でございます。その際に、データ収集の可用性や、また、情報入力の負担を軽減する仕組みを検討する。さらに、利活用の促進と入力の負担軽減の双方の観点から、収集する臨床項目を厳選、選択方式を基本として定義の明確化を行って、入力の質の向上を図る。その収集するデータ形式は標準化処理を行う。さらに、デジタル化の推進及び現場の負担軽減という観点から、クラウドの活用を含めた臨床情報の収集・共有、臨床情報の構造化、ほかのデータベースとの連携や電子カルテへの標準化処理等についても検討を行うことが必要であると考えております。

 (2)につきましては、検討の視点は3点ございます。検体処理については、均一で高品質なシークエンスが可能、さらに検体処理・収集・保管を行う人員・機材の確保に留意すること。残余検体、追加検体の収集・保管については、追加で解析が可能な拡張性を確保すること。検体の保管に当たっては、情報管理上のセキュリティー対策だけではなくて、検体管理に用いる識別子や管理環境についても、標準型攻撃を含むセキュリティーを確保することを考えております。対応方針案としましては、検体の処理に係る標準作業手順書、SOPの骨子案を検討して、その残余検体、追加検体の収集・保管につきましても、既存の保管施設の有効利用を含めまして、早い段階で上記SOPに追加することを考えております。また、検体の取り違い防止などの観点から、検体及びその中間生成物が常にゲノム情報のデータベースとひもづけが可能となるように管理するなどの仕組みが必要ではないかということを考えております。

 「2.効率的かつ統一的なシークエンスや解析方法等についての検討」で、解析ワーキングで検討していただいた内容です。

 「(1)全ゲノムデータ等の網羅的解析のための人工知能の活用」につきましては、検討の視点に基づきまして、対応方針案としましては、人工知能を活用するための条件として3つ挙げております。データを統一化しておくこと。人工知能モデルの質や性能の評価を実施すること。人工知能技術に治療法・薬剤との関連に関する情報が含まれていること。さらに、人工知能による効果としては2つ挙げております。遺伝子変異コールの精緻化。さらに、コールされた変異に該当する薬剤・治療法を自動抽出できる機能等、治療への応用を考えております。

 続きまして、「3.データを共有・活用するための考え方、インフラ等についての検討」、データ共有ワーキングで検討していただいた内容です。

 「(1)データの二次利活用の制度を整備、構築する」、検討の視点としては、5つ挙げております。国民、患者等にいち早く成果を届けるためのシステムの構築。利用者の目的に応じた二次利活用のルールを構築すべきではないか。また、アクセス管理の手段を確保する必要があることと、データをストレージするだけではなくて積極的にデータの分析分類等を行い二次利活用の提案をするシステムが必要ではないかということ、持続可能な二次利活用のビジネスモデルを構築すべきではないかということを挙げております。対応方針案としましては、ワンストップの利用申請で、適切かつ迅速な審査等の上で、産業利用を含めてデータを最大限利活用可能なシステムを構築するということ、また、アカデミア及び新たな医薬品の開発等を目的とした産業利用、それぞれについてのルールを策定し、迅速なデータ利用を実現すべきではないかということ。取得したデータが外部に漏えいすることなく安全に利用されるために、管理するデータごとに必要なセキュリティーレベルを明確化し、アクセス権限を有する者の範囲の制限やアクセスモニタリング、本人認証の強化等、適切な対策を講じること。臨床試験の支援をするなどのデータ利活用促進機能を導入する等、積極的なデータ利活用を推進すること。民間のノウハウや資金も最大限利用するために、データの利活用に際して課金をデータの内容や件数などに応じて段階的とすることなどが必要ではないかということを考えております。

 「(2)産学連携体制・情報共有体制の構築及び知的財産の整理」となっております。検討の視点は3つあります。二次利活用の推進のための産学連携体制・情報共有体制をどのように構築するのか。国民、患者等にいち早く成果を届けるためには、開発や研究を進める上でのインセンティブ等の観点から、知的財産権の在り方について検討する必要があるのではないか。知的財産権を広く独占することなどにより、他者の開発及び研究の推進が妨げられるような状況は避ける必要があるのではないかという視点です。対応方針案としましては、産学連携体制としては3つ、知的財産等の整理としては2つあります。まず、産学連携体制としましては、データセンター運営において、アカデミア、産業界双方が主体的な関与ができる形を基本とする。また、データ利活用促進機能として、アカデミアと企業とのマッチングシステムや臨床試験構築のための支援システムを構築する。英国での取組などを参考に、アカデミア、産業界、それぞれにアカデミアフォーラム、産業フォーラムを構築し、情報共有を自主的に定期的に行うこと。アカデミア、産業界、相互の人事交流を通してデータ利活用に係る人材育成を行うことを考えております。また、全ゲノム解析等を二次利活用することにより得られた知財につきましては、原則として新たな知見を得た研究者、企業等に属するものとする。また、そういった知財に関しましては、より多くの患者が容易にアクセスできるように配慮すること、使用しない場合には、知財を譲渡するなど、積極的に使用することを考える必要があるのではないかということを考えております。

 続きまして、「4.倫理面や幅広い利活用を可能とするためのICの在り方等についての検討」で、ELSIワーキングで検討していただきました。

 「(1)過去に取得された同意について、統一化された同意との同等性確認」ですが、こちらは確認結果ですので、先ほどのELSIワーキングの発表と重複するので割愛させていただきたいと思います。

 「(2)治療に有用な情報等の患者や家族への丁寧な説明等のガイダンスを策定」、検討の視点は2つあります。治療に有用な情報等の説明は、ゲノム医療に係る情報伝達と研究で得られた結果の開示の双方に関わるため、2つの視点からの検討が必要ということ。家族への説明と患者に対する守秘義務との関係を整理する必要があること。対応方針案としましては、関係法及び倫理指針を遵守しつつ、AMED研究班の提言に基づき、国内外の事例や議論状況を参照して、2021年3月までに本事業に用いるガイダンスを作成することとしております。

 「(3)ELSIに必要な法制度の検討、相談支援体制の整備に向けた検討」についてです。検討の視点は3つあります。ゲノム情報に関連した新たな不利益が生じないようにするだけではなく、既存の不利益の拡大につながらないように努めることも重要であること。不利益に関する相談の受皿を充実させることが必要であること。国民の支持と信頼を醸成するための取組が求められることです。対応方針案としましては、ゲノム情報に関連した不利益の防止や情報漏えい・悪用に関する防止・制裁のための制度の在り方について検討することが考えられております。また、相談支援体制としましては、既存の相談機関で一次相談を引き受けられるよう、教育啓発活動を通じて支援体制の整備・拡充を推進すること。がんゲノム医療中核拠点病院等における相談支援センターにおいて、相談対応が可能となるように取り組むこと。対象を明確にした教育啓発活動によりゲノム医療に関するリテラシーの向上やゲノム情報による不利益が生じない社会環境の醸成を図ること。患者・市民の視点を取り入れて、データのトレーサビリティーや利活用に関する説明や対応方針を策定することなど、本実行計画の実施状況の透明性を高める方策を実施することが必要ではないかと考えております。

 以上、簡単ではございますが、検討の視点や対応方針をそれぞれの項目ごとにお示しさせていただきましたので、これを踏まえてこの後の御議論をしていただければと思います。

 事務局からは、以上となります。

○中釜主査 お願いします。

○がん・疾病対策課長 続きまして、がん・疾病対策課長の古元でございます。

 ここで、1点、ディスカッションに入る前に補足をさせていただきたいと存じます。

 このがんの全ゲノム解析等につきましては、患者さんへの還元をその目的としているところでございまして、そちらは皆様と同じ認識でございます。今回の実行計画におきましても、既存検体のみならず、新規症例についての解析も行い、患者還元をすることを視野に入れた計画となっていることは、皆さんも御存じのとおりと思います。

 これまでこういった新規症例を用いた直接的な患者さん還元への在り方につきましては、具体的な検討を進めておりませんでしたが、厚労省といたしましては、その点についての議論を深める必要があることも併せて考えております。つきましては、本日、今し方御説明申し上げました資料4に沿って、個別のテーマについては御議論いただきたいと思いますが、その後に、こういった患者還元についてのディスカッションも今日は少しお時間を取りたいと思いますので、後ほどお願いできればと思います。

 以上です。よろしくお願いいたします。

○中釜主査 ありがとうございました。

 まず、先ほど説明いただきました資料4において、それぞれの項目において、検討の視点、対応方針案をまとめていただきましたが、対応方針について一つずつまとめていきたいと思いますので、御意見がありましたらよろしくお願いいたします。

 まず、資料4の1ページ目、1.「(1)臨床情報の収集における現場負担軽減策の検討」の検討の視点を踏まえた対応方針について、何か御意見はございますでしょうか。

 大津構成員、お願いいたします。

○大津構成員 若干コンフューズしてしまうのですけれども、結局、先行解析での集め方と、本格解析でブロスペクティブに集める仕方によって、収集範囲、収集項目、収集方法が大分変わってくるのではないかと思いますので、先行研究の話と本格研究の話を少し区分けしていただけるとありがたいと思うのです。先行研究での話で、臨床研究、創薬というところまでいくと、データの欠損値その他が多くて、治療のアウトカムまで持ってくるとなると、今までのものは難しいのかな、ある程度限られるのかなという気がするのですが、その辺を区分けした議論をしていただけるとありがたいかなと思います。

○中釜主査 ありがとうございます。

 その点について、お願いいたします。

○がん対策推進官 その点につきましては、まず、事務局から、この資料の立てつけは、前回、第2回のときに最初に申し上げさせていただいたところなのですけれども、基本的には、本格解析、前向きの解析をする際の考え方を示させていただいておりまして、先行解析部分についても、これに準ずる形で進めるものと考えております。ただ、先生がおっしゃられたところに関しては、準ずることが難しい点も多々あるというところでの御意見かと思っておりまして、その辺りはどういうふうにすればより本格解析と同じようにデータが集められるのかという辺り、もし御意見等がありましたらいただければと思っております。

○中釜主査 ありがとうございます。

○大津構成員 そうすると、確認ですけれども、基本的には今回の資料4での議論は本格解析のことを主眼にした検討という理解でよろしいでしょうか。

○がん対策推進官 はい。そのような形でお願いいたします。

○大津構成員 了解しました。

○中釜主査 今の説明に関して、よろしいですか。

 古川構成員、お願いいたします。

○古川構成員 東大医科研の古川です。

 今の臨床情報のことに関して、もう一つ、追加で質問させていただきたいのですが、リコンタクトを検討されているということでしたけれども、リコンタクトに関しては、データの欠損値等を補うためのリコンタクトなのか、あるいは、何らかの別のスタディーのためにリコンタクトを取るのか、その辺はどのようにお考えなのでしょうか。

○中釜主査 ありがとうございます。

 これについては、横野構成員から、少しコメントをいただけますか。

○横野構成員 現時点では、双方が想定されているとは思います。具体的に解析が始まった後にどういったニーズが出てくるかということもあると思うのですが、どちらを排除しているということでは、現時点ではないと思います。

○古川構成員 ありがとうございます。

 既存検体についてはなかなか患者さんとのリコンタクトは難しいかと思うのですけれども、これは前向き研究を主眼としてのリコンタクトなのでしょうか。

○横野構成員 私たちELSIワーキングではそのように理解しています。

○古川構成員 ありがとうございます。

○中釜主査 よろしいでしょうか。

 中村構成員、お願いします。

○中村構成員 中村です。

 どんな臨床情報が必要なのかは、何をゴールにするかによって違ってくると思うのですね。新しい変異を見つけてそれを創薬につなげるだけなのか、今行われている治療薬の使い分けにつながるようなデータを求めるのかによって、臨床のデータ量は違ってくると思いますし、間野先生が先ほどデータを絞って労力を減らすと言われましたけれども、現在のデジタル化の情報を使ってAPIをつくれば臨床情報をトランスファーするというのはいろいろなところで行われつつありますので、逆にフレキシブルにどんな形でも使えるようにデータを集めるような方法を考えていくほうが、結果的にこのプロジェクトの成果につながると思います。その点はまた検討していただきたいと思います。

○中釜主査 ありがとうございます。

 今の御指摘に対して、間野構成員から何かありますか。

○間野構成員 御質問をありがとうございます。

 実際に、先生がおっしゃるとおりで、このデータが、既存検体の解析が先行研究になっていますけれども、既存検体の場合には、患者さんの予後情報がありますので、極めて貴重な解析データとなります。これまでに既に製薬協にもお邪魔して、全ゲノム解析でどういうデータが欲しいですか、どんなフォーマットで欲しいですかという議論もしてまいりました。ですので、それらを含めて必要最小限ということだけであって、やはり予後情報や必要なデータを取りたいと考えています。ただ、電子カルテのデータをそのまま取り込んでも、今の段階の技術では、例えばPFS(無増悪生存期間)を見つけることは難しいので、取りあえず今は直接的に人員を雇用して入力していただくようにしていますけれども、将来的にはそういうパイプライン活用みたいなことも考えたいと思います。

 さっき大津構成員もおっしゃっていましたけれども、確かに治験のような厳密なデータセットは得られないのですけれども、研究用のデータベースである、例えば、TCGAとか、ICGCとかでも、予後情報は研究データで取れますので、治験用の精緻なデータではないのですけれども、nが大きくなると多少のこぼれ値があっても特定の遺伝子変異が薬の反応性に関連するとかということは分かってきますので、そういうレベルのクオリティーデータではありますけれども取っていきたいと考えています。

 以上です。

○中釜主査 ありがとうございます。

 先に、大津構成員、お願いいたします。

○大津構成員 大津です。

 今の点ですけれども、恐らく治療というか、薬効との相関を見るということで考えると、結局、治療のラインが幾つものラインで幾つもの治療が入ってということになってくると、非常に解析が難しいと思うのです。そういったトライアルベースでやるか、カプランマイヤーはOSのところだけでつくるとしても、どこを起点に取るかで大分ばらつきが出てしまいますし、なかなか難しいのではないかと。それであれば、むしろそういった治験とかに入った症例の過去検体でも解析をしたほうが、そんなに数をしなくてもかなり精度が高いデータが出る可能性があるかなという感じはします。

 いずれにしても、前向きをやるときには、画像の評価もある程度間隔を決めてからやらないと、後から振り返っても取れなくなってしまうので、その辺はどのデータを取るかということをある程度は見た上で決めていったほうがいいのではないかと思います。

○中釜主査 ありがとうございます。

 先ほどの厚労省の説明にもありましたが、今回の対応方針の検討については、基本的に本格解析をイメージした前向き検体に対する対応方針ということで議論を進めさせていただきました。その本格解析に向かう前の先行解析の位置づけというところから、極力その本格解析へスムーズに移行するために、欠損的なものがあるのはある程度は仕方がないというところですけれども、本格解析にいかにその経験値を踏まえて移行できるかという議論をしてきたと思います。まずはその本格解析をイメージしたデータ収集の在り方が基本と理解したのですが、そのような理解でよろしいですかね。

 その中で、先行解析でできることも当然あるかと思いますし、先行解析の強みは治療によるアウトカム等のデータが取れるという強みがあるので、その辺りも、本格解析、前向きの検体収集ではない強みがあると思います。そういうものをうまく生かせるところかと思いますので、先行解析から何か派生して本格解析というよりは、本格解析をイメージしたと御理解いただけるといいのかなと思いましたけれども、よろしいですか。

 間野構成員、そういう理解でよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。

 続きまして、油谷構成員、お願いいたします。

○油谷構成員 今の大津先生からのコメントも大歓迎でありまして、過去の治験検体でもしそれを先行研究として全ゲノム解析をさせていただけるのであれば、非常に臨床情報が豊富で、数十症例でも大変いい結果が得られるのではないかということなので、ぜひお願いできればと、改めてお願いしたいと思っております。

○中釜主査 ありがとうございます。

 その場合は、データの利活用のICがきちんと取れていることが重要ですよね。そういうことかと思います。よろしくお願いいたします。

 ほかに御意見はございますか。

 吉田構成員。

○吉田構成員 今映っている資料4の2ページ目、上から5行目の「他のデータベースとの連携」のところで、ぜひ行政にもお力添えいただかないとできないこととして、院内がん登録などの様々な登録やレジストリ事業、医療等IDなどをもう少し研究に活用できるようにするということがあります。それが実現すれば、既にキュレーションされて、標準化されたデータが現場の負担なく使えるようになるのではないかと思うので、もう少しその辺の行政の取組的なものが書き込めるといいかなと思うのですけれども、御検討いただければと思います。

○中釜主査 ありがとうございます。

 重要な御指摘かと思いますが、今の段階で厚労省からコメントはございますか。

○がん対策推進官 そこの辺りに関しましては、恐らくそれぞれのデータベースの利用目的等と照らし合わせて、さらには個人情報の突合をどうするのかというところなどもあるかとは思います。

 ただ、少なくとも将来的にそういったことが技術的には可能となるような仕様にしておく必要性があるというのがここでの記載のポイントかと考えております。技術的にできるようになって、それを本当にできるのかというところに関しては、我々でもしっかりと検討を進めていきたいと考えております。

○中釜主査 ありがとうございます。

 製薬協の安中構成員、お願いします。

○安中構成員 安中でございます。どうもありがとうございます。

 先ほど治験の検体に関する御意見をいただいておりますけれども、やみくもに反対するものではございませんが、直感的にこの政府の全ゲノム計画に供することができる同意が取得できているかというと、恐らく難しいのではないかということと、さらには検体の質も、例えば、フレッシュフローズンでゲノムシークエンスをすることに適した検体があるかというと、なかなかないのではないかというのが直感的な印象でございます。ですので、そこら辺をもう少し製薬協の中でもデータを集めて、可能かどうかということを引き続き御議論させていただければと思います。

 よろしくお願いいたします。

○中釜主査 ありがとうございます。

 ほかに御意見はございますか。

 小川構成員。

○小川構成員 そのことに関連して、臨床情報を集めることがこのプロジェクトが成功するかどうかの鍵になるわけで、ゲノムデータだけを取っても仕方がないので、結局、患者さんの治癒率改善に生かすためには臨床情報が必要なわけですが、先ほど過去の試験の検体では同意も取れていないし、マテリアルもフレッシュフローズンではなかったりするということなのですが、今後、この計画が、先行解析をした後、本格解析が続くわけですけれども、そうすると、十分な時間もあって、少なくとも今後行われるような臨床研究、治験については、そういった御配慮がいただけると相乗効果があるのではないかと思います。

 これは臨床の先生方で治験を一生懸命やられている先生、企業の意向も聴いて、それは企業にとっても決して損ではなくて、むしろゲノムデータが得られるわけですから、極めて利益があると思いますので、そういう仕組みができるといいのではないかと思った次第です。

 以上です。

○中釜主査 ありがとうございます。

 今の複数の構成員の御意見を踏まえて、製薬協としてもぜひ前向きに検討していただければと思いますが、よろしくお願いいたします。

 大津構成員。

○大津構成員 大津です。

 恐らく、医師主導治験とかでは取れると思うのですよね。企業治験の際、今は未申請のものは難しいですけれども、例えば、治験として効果がなくて失敗に終わった症例とか、そういった場合はそこまで企業さんもこだわらないのではないかというところと、その場合のバイオバンク等の検体が残っていれば可能かなという感じはいたします。少なくとも我々がやっている医師主導治験では産業利用も含めたもので取っていますので、恐らくそこは可能になるのかなという感じはいたします。

○中釜主査 ありがとうございます。

 大津構成員、その場合に、効果がなかった症例だけでよいのか、効果症例があって対比するほうがいいのか、それはどうですか。

○大津構成員 それはむしろ効果がないものがなぜ効かなかったかというのが分かるのが大事かなと思います。だから、治験としては失敗に終わったような薬剤においても見る価値があるのかなという感じはいたします。うわさでは、米国でFDAが音頭を取ってそれをやろうという計画らしきものも聞いているのですが、どうするのか、具体的に進むかどうかは分かりません。

○中釜主査 分かりました。

 ほかに御意見はございますか。よろしいですか。

 ありがとうございます。

 次の1.「(2)検体の処理・収集・保管等のワークフローを確立する」という点に関して、検討の視点を踏まえた対応方針案ですが、いかがでしょうか。御意見、御質問はございますか。この点について、よろしいですか。

 古川構成員、お願いいたします。

○古川構成員 先生、ささいなことなのですけれども、腫瘍のセルラリティー、腫瘍成分の割合とかは、採取のときに評価するのか、後ほど解析してから評価するのか、その辺はどのようにお考えでしょうか。

○間野構成員 それはワーキンググループの中でもどちらの意見もありまして、どのみち、全ゲノムになると解析対象が広いので、LOHの解析がかなり精度よくできますから、それを使って腫瘍のコンテンツはある程度はコンピューター上で予測できるので、それでいいのではないかという意見と、それこそさっきのOCTコンパウンドを使って病理学的にも検定したほうがいいという意見と両方がまだあるのが現状です。恐らく、腫瘍含有量がすごく少ないがん種に関しては、もしかしたらOCTコンパウンドでのチェックなどをやることになるかもしれません。それ以外のメジャーながん種の場合には、恐らく計算で予測する値で十分かと思っています。

 以上です。

○古川構成員 了解しました。ありがとうございます。

○中釜主査 ありがとうございました。

 ほかに、御質問、御意見はございますか。よろしいですか。

 次に、2.「(1)全ゲノムデータ等の網羅的解析のための人工知能の活用」ですが、この点についての対応方針案について、何か御意見はございますか。特に御意見はございませんか。よろしいですか。

 ありがとうございます。

 続きまして、3.「(1)データの二次利活用の制度を整備、構築する」に関する検討の視点及び対応方針案について、何か御意見はございますでしょうか。よろしいですか。

 ありがとうございます。

 引き続きまして、「(2)産学連携体制・情報共有体制の構築及び知的財産等の整理」につきまして、検討の視点及び対応方針案について、何か、御意見、御質問はございますでしょうか。データセンターの運営等においては、アカデミア、産業界、双方の主体的な関与等々、マッチングシステム等が書かれているということでありますが、よろしいですか。何か、追記、コメントはございますか。

 ありがとうございます。

 続きまして、これはELSIですが、4.「(1)過去に取得された同意について、統一化された同意との同等性確認」について、この点の検討の視点及び確認について何か。

○大津構成員 大津です。

 先ほど横野構成員からのお話を聞いて、企業単独での試料情報の利用には明示的な説明に基づく同意が得られているという方向のくだりに関しては、今までのバイオバンク等での同意でいいのか、範囲を超えてしまうのか、お話をお伺いしたいのですが。

○中釜主査 横野構成員、お願いいたします。

○横野構成員 我々は幾つかの同意・説明文書を確認しましたが、その中では、その点が明確に書かれているものは限定的でした。今後解析の対象になっていくものがどういった形の記載になっているのかというのは分からないのですけれども、この点については、企業に提供して活用していただきますということが書かれていることが前提になりますので、そういうものに絞るのか、そうではなくて、企業の利活用の範囲がある程度制約されるという前提で、それを先行解析の対象とするのかというところの選択になると思います。

○中釜主査 よろしいでしょうか。

 ほかに御意見はございますか。よろしいですか。

 製薬協、安中構成員、お願いいたします。

○安中構成員 安中でございます。

 今、横野先生あるいは油谷先生から、資料3の18ページで御説明いただきましたとおり、先行解析で用いるバイオバンクの既存検体は企業の単独利用のハードルが高いということでございますので、製薬協といたしましては、前向き検体の早期収集、本格解析の早期実施を強く希望いたします。1116日に開催されました「革新的医薬品・医療機器・再生医療等製品創出のための官民対話」におきましても、製薬協会長より、田村厚生労働大臣をはじめ4大臣に対しまして、本格解析の加速・推進を要望させていただいたところでございます。先ほど古元課長から御説明がありましたとおり、本格解析あるいは前向き検体の早期取得に向けた議論をぜひ始めていただきたいというのが製薬協の希望でございます。

 どうぞよろしくお願いいたします。

○中釜主査 ありがとうございました。

 ほかに御意見はございますか。よろしいですか。

 続きまして、「(2)治療に有用な情報等の患者や家族への丁寧な説明等のガイダンスを策定」をするという点に対する検討の視点及び対応方針案について、何か御意見はございますでしょうか。

 吉田先生、お願いいたします。

○吉田構成員 ここに、ゲノム医療と研究の両方の視点が必要と書かれています。まさにそのとおりで、大きな課題は、研究で得られたデータを改正医療法に合致した形で患者さんに伝えるところの仕組みが脆弱であるという点です。これを患者さんの自費診療の検査に頼るのか、あるいは、この研究で出てきた結果を、古元課長がおっしゃったように、患者さんにお返しする場合には、精度管理された衛生検査所で検査したものをお返しできるように、そういう体制・仕組みをぜひこのプロジェクトの中につくっていただければと思います。その辺のことを書き込めれば、説明の仕方という問題だけではないことが明らかにできるかと思います。

 以上です。

○中釜主査 ありがとうございます。

 その点については、よろしいですか。

○横野構成員 ありがとうございます。重要な点だと思います。ELSIワーキングだけの課題ではないと思いますので、全体の改正の中で御検討いただければと思います。

○中釜主査 ぜひよろしくお願いいたします。

 ほかに御意見はございますか。よろしいでしょうか。

 続きまして、「(3)ELSIに必要な法制度の検討、相談支援体制の整備に向けた検討」について、検討の視点及び対応方針案について、何か御意見や御質問はございますでしょうか。

 天野構成員、お願いいたします。

○天野構成員 天野です。恐れ入ります。

 私からは、3点、ございます。

 まず、1点目ですが、対応方針案の1個目、ゲノム情報に関連した不利益の防止や情報漏えい・悪用に関する防止・制裁のため、制度の在り方について検討すると資料4では書かれていますが、先ほどの横野構成員からは制度のあり方ではなく法整備の検討と説明されていたと思いますので、ここも「制度のあり方」ではなく「法制度のあり方について検討する」と統一していただければというのが1点目です。

 2点目、4ポツ目です。「例えば」から始まるくだりで、事業所、保険事業者、産業保健関係者、人権相談窓口、患者団体等に対して啓発・研修を実施するという趣旨のことが書かれていて、もちろんこれ自体は重要な取組だと思うのですが、一方で、そもそもこの全ゲノム解析の取組自体の啓発も必須だと思いますので、この取組について、例えば、成果発表会とか、分かりやすい形で国民に成果を示していただくことも重要かと思いますので、そういった内容も追記していただければと思います。

 最後、3点目ですけれども、先ほど1点目で指摘申し上げた法制度の在り方について、事務局にお尋ねしたいと思います。米国ではすでにいわゆるGINA法があるように、ゲノム関連の法律に関しては、既にかなり前から関係者の間ではその法整備がこういったゲノム解析の研究の推進と両輪で必要だという認識が多くの研究者の間でも醸成されていると思いますし、実際、国会の超党派の議連でも5年近くこういった検討が行われてきたと理解しておりまして、素案まではできている状態にあると思います。ただ、既に検討が始まってから5年程度が経過しているということもあるわけで、現時点でそういった超党派議連等においてどのような検討が法律の制定に向けて進んでいるのかということについて、事務局の理解をお尋ねしたいです。今回、全ゲノム解析も含めて、政府の施策としてゲノム医療に関しての施策がかなり進んでいる一方で、いわゆる社会的な不利益が生じないようにするための法整備が全く進んでいない状況は、車の両輪の片側が欠けた状態で進んでいるように思うのですが、そういった部分について、もちろん超党派議連で検討いただいているとは思うのですが、場合によっては閣法等で政府に検討いただくことも必要ではないかと考えますが、事務局のお考えをお聞かせいただければと思います。

○中釜主査 ありがとうございます。

 まず、最初の2点について、横野構成員からコメントはございますか。

○横野構成員 まず、第1点目の不利益等に対応した制度整備ですが、諸外国では法整備があることが10年ほど前から当然の前提となっておりまして、その次の段階の検討に進んでおりますので、法制度を前提に検討することが必要かと考えます。

 2点目については、私たちも課題と考えておりまして、今後、特に先行解析について、オプトアウト等で対応するケースも増えてくると思いますので、拒否機会の提供という意味でもそうした取組が非常に重要になってくると思います。ぜひ協力しながら計画全体で進めていければと思います。

○中釜主査 2点目については、その点も踏まえた記載、書きぶりも必要かということで、検討していただければと思います。

 最後、3点目、法制度の在り方、法整備について、厚労省、よろしいでしょうか。

○がん対策推進官 厚生労働省でございます。

 まず、この点につきましては、長らく議論されている中、外から見ると、なかなか進んでいない感じがどうしても見えてしまうという点については、そのとおりかと思います。非常に様々な観点で慎重な対応が必要なものだと考えております。

 その中で、まず、超党派議連による法整備に向けた動きについては、随時様々な動きがあると認識しております。当然、関係省庁として厚生労働省でもそこに関与をしながら進めているところではございますが、何分、そこの辺りは議連で進めていっているところですので、我々からそこの進捗がどうだという御説明はここではできないところでございます。

 ただ、後段におっしゃられたように、きちんと各法で検討すべきだというところは、その点もそのとおりだと考えております。ですので、今回、こういった議論の一つのポイントとしまして、どういった点が法律事項になるのか、また、どういった規制もしくは対応策、不利益防止のための法的な事項になっていくものなのかという辺りについて、少し芽出しをしていって、より具体化をしていくところも、今後、ELSIワーキングの方々もしくはその他の方々からも御意見をいただきながら進めたいと考えている状況です。

○中釜主査 ありがとうございます。

 今の説明でよろしいでしょうか。

 続きまして、武藤参考人、お願いいたします。

○武藤(香)参考人 武藤です。

 天野構成員がおっしゃられた2点目に関連するところなのですけれども、昨年、このがんゲノムの実行計画が出たときは幾つか報道があって、患者さんたち、一般の方々もそれを紙面で確認することができたと思うのですが、その後、コロナ関係のことでほとんどこの報道が全く1年間何もない中でここまで準備が進んだということは、早く患者さんや社会の方々に、今、この計画がここまで来ていること自体がきちんと知らされる必要があることを非常に感じているところです。

 このメモの中では、4.の透明性と書いてあるところですけれども、そこの中にある意味で集約される点かと思います。5点目ですね。「本実行計画の実施状況の透明性を高める方策」が多分すごく足りていないと感じています。もともとこの大本になっているがんゲノム医療推進コンソーシアムの懇談会は、間野先生、宮野先生が入られ、天野さんも入っておられたのですけれども、そこには国民参加型という理念がちゃんと出ていますので、実行計画においてそこの部分は十分に反映されておらず、もう一回ここでその当時のことを理念として入れ込んで、計画そのものが社会から信頼される状態になっていることが必要であると思います。

 そこで、可能な限り、メディアの方々にもきちんと説明する機会を意識的に設けていただきたいと、厚生労働省が大変お忙しいのは私も十分承知していますけれども、お願いしたいと思います。

 以上です。

○中釜主査 ありがとうございました。

 京都大学、武藤構成員、お願いいたします。

○武藤構成員 武藤です。

 このELSIの問題は非常に重要だと思うのです。実際、こういうことを担う人材が、例えば、各施設の相談支援センターで全ゲノムを担当する人がいるかといったら、多分恐らくいないと思いますし、認定遺伝カウンセラーの数だって少ないという中で、人材がいなければできないことに関して、そこの人材育成をどう考えていくのかというのは非常に重要な問題かと思います。

 人材に関しては、先ほどバイオバンクのところでも臨床情報をどう取るかという課題に関して、通常のCRCであれば決まった項目を入れていくのですけれども、どういう項目を取るかによると思うのですが、アブストラクターというデータを抽出してちゃんと解釈をして入れるという、少しリサーチナース的な人材も必要になるので、これまでに多分日本にない職種の人が必要になってくると思いますし、検体の品質管理に関しても、バイオバンカーというようなバイオバンクのきちんとした検体の品質管理が分かるような人がいなければ始まらないと思います。このELSIも含めてそれぞれの領域で人材の確保が急務ではないかと僕は思うのですが、その点はどうでしょうか。

○中釜主査 ありがとうございます。

 この点について、横野構成員、お願いいたします。

○横野構成員 ありがとうございます。

 非常にありがたい御指摘で、私たちもいつも人材のことに悩まされている状況です。こういった全体としての方針を決めるというところもありますけれども、特に現場でのELSIの人材が今後はより必要になってくると思います。これに関しては、試算等もしていただいているようですので、それに関しては、また情報共有がなされるのではないかと考えております。

○武藤構成員 このがんゲノムの中核拠点病院は、静岡を除いてみんな大学だと思いますが、大学の中には、安定的なポジションがなく、多くは有期雇用であって、こういう遺伝カウンセラーのポジションすら現在もない。安定的な雇用がなければ多分こういうものは根づかないと思うので、この辺も何か方針に入れ込んでもらってもいいのではないかとは思います

○中釜主査 人材育成は重要な問題と思いますので、どのくらい具体的な記述が可能かということに関しては、検討いただければと思います。ありがとうございます。

 ほかに御意見はございますか。

 松本構成員、お願いいたします。

○松本構成員 今の武藤構成員のお話にもありました人材育成という点に関して、全てのがんゲノム医療中核拠点病院の相談支援センターにおいて、相談対応ができるようなシステムを組むというのかなり難しいと思います。例えば、小児の問題に関しては、なかなか皆さんはうまくできないということもあるのではないかと推察します。

 そのときに、連携のシステムというのですかね、相談が自分のところだけで完結するわけではなくて、それぞれの相談支援センターが連携できるようなシステムが重要ではないかと思いますので、意見を述べさせていただきました。

 以上です。

○中釜主査 ありがとうございました。

 御指摘の点は、運用上の大きな課題かと思いますので、その辺りも考慮していただければと思います。

 ほかに御意見はございますか。よろしいですか。

 それでは、以上で、今日協議いただくべき対応方針案について、それぞれの論点について御議論いただきました。

 いただいた御意見を幾つかピックアップをしますと、国民参加型に資する記載とか、人材、特にELSIの人材の確保・育成、検体の取扱い等、臨床情報の収集の在り方等、法整備等につきまして、御指摘いただいた点につきまして、記載ぶりについては事務局と主査預かりとさせていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。

 天野構成員、お願いいたします。

○天野構成員 よろしいでしょうか。先ほど事務局から御説明いただいた点で、1点、追加で意見を申し上げたいと思います。

 先ほど事務局から患者還元の在り方についてご説明があったので、この後でもしかしたらそういったことを検討するパートもあるかもしれませんが、この場で申し上げたいと思います。患者にどこまで介入するのかということは、今後、いわゆる前向きの本格解析が始まったところで検討すべき問題かと思うのですが、やはり将来の患者さんに研究の進展によって還元する視点も大切ですし、現在罹患している患者さんに還元できるものは還元するという方針はこの中で一定程度示していただいたほうがいいと思います。もちろんどこまで返すかとか、二次的所見をどのように扱うのかということは非常に大きな論点を含んでいるので、ここで全てを決めることはもちろんできないと思いますが、方針として、そういった患者さんに可能な範囲で還元していくという方針はこの場でお示しいただきたいです。例えば、がんの種類を限定していくこともあるでしょうし、場合によっては難治がんや希少がんや小児がんに関しての方針とかもあり得るかとは思いますが、患者さんに一定程度返していくという方針はどこかのパートで明示していただく必要があると感じています。

 私からは、以上です。

○中釜主査 ありがとうございます。

 御指摘の点については、次に時間を設けて議論をしたいと思いますが、これまでの議論を受けた中で御指摘いただいた点については、繰り返しますが、事務局と主査預かりとさせていただき、対応方針案の修正という形で進めさせていただきたいと思います。

 今、天野構成員から御指摘がありましたが、先ほど冒頭に古元課長から提案のありました患者還元、特に前向き症例について及び御指摘のあった現在の患者さんについての患者還元の在り方等についてディスカッションをしたいと思います。この点について、御意見をお願いいたします。

 中村構成員、お願いいたします。

○中村構成員 中村です。

 1回目も2回目も申し上げましたように、これは単なる研究なのか、薬を作るための研究なのか、研究者が論文を書くためだけの研究なのかという視点と、かなり現実的に動きつつあるゲノム医療の観点からこの解析をどう見るのかということがあると思うのです。いろいろな技術的なディスカッションはあると思いますけれども、私は調整会議から加わったので経緯はよく分かりませんけれども、言葉としては患者さんに還元するという言葉は出てきますけれども、大体どんな道筋で返すのかというのはあまり伝わってこないと思います。

 間違いなくゲノムシークエンスをすれば、分子標的治療薬が見つかるケースがあると思いますけれども、それを先ほど天野構成員がおっしゃったように、衛生検査所でやる場合に誰が費用を負担するのか。見つかった薬に対して誰が費用を負担するのかという大きな問題はあると思いますし、今のがんパネル検査と同じで、薬が見つかっても自費負担になるのか、どう返すかということに加えて、どう利用するのかということも、これだけの大きなプロジェクトであれば、それを考える必要があると思います。恐らく大津先生が詳しいですけれども、アメリカではMATCH試験という形で行われているので、目の前にいる患者さんに希望を提供するために何かをやるのかという観点は絶対に必要ですし、それに対してどういう体制で臨むのかを考えておくべきだと思います。希少がんとか、肉腫とか、いろいろとされていますけれども、肉腫の場合は融合遺伝子が多い。今やアメリカでは融合遺伝子をターゲットにしたネオアンチゲン療法も始まっています。いろいろな視点で、10年前とは違って、今は得られた情報をいろいろな形で活用する手だてもあると思いますし、前回も申し上げましたように、アメリカや中国では80件近くネオアンチゲンというキーワードで臨床試験が行われています。

 税金を使う以上、目の前にいる患者さんに何かできるかという視点が我々には必要だと思いますし、どうも私がしっくりなじめないのは、研究者が論文を書くためにデータを集める、製薬企業は薬を作るためにデータを集めるという議論しか耳に残っていない気がします。現実的に製薬協の方が言われましたけれども、彼らとは視点が違いますけれども、目の前の患者さんを思い浮かべつつゲノム解析をして、どのような形で患者さんに返していくのかということを誰かが考えていく必要はあると思いますし、それを考えてもらえるのは患者さん方だと思います。だから、返す際にどうするのかということを倫理の観点からもう少し詰めていかないと、なかなか本格解析は始まらないと思いますし、私は個人的にはどうして本格解析に一気にいけないのかという疑問はずっと持っていますし、やはりこれだけの英知が集まっているわけですから、もう少し患者さんの顔を思い浮かべながら、見つかった情報をどう還元していくのかといった具体案があってもいいという感想です。今まで議論を積み重ねてこられて、その結果として今日があるのだと思いますけれども、もう少し患者さんの顔を思い浮かべながらの議論があってもいいと、私は個人的に思います。

 以上です。

○中釜主査 ありがとうございます。

 今の中村構成員からの御指摘は非常に重要な御指摘と理解します。この全ゲノム解析も基本的には患者さんへ裨益するデータを蓄積していき、新しい医薬や医療技術の開発を行うところがミッションかと思います。今、中村構成員も御指摘のように、全ゲノム解析輪行うことによって新たになるような事実に対して、臨床研究、開発研究を推進する。これがどうしても必須になってくる。そのための強力な体制の整備についてもがん全ゲノム体制班で推進していく必要があります。

 私がこれまでこの議論に参加して議論を聞くに、論文を書くためだけの議論とは捉えてはおらず、その辺りはここにご参加の構成員の先生方には、共通してまた改めて御理解いただきたいところです。臨床研究、開発研究を推進するためのツール・情報として、この全ゲノム解析があり、臨床的な有用性と、そのエビデンスを構築するための検証のフェーズも非常に重要であることの御指摘で、それを強力に積極的に進めていく。それは目の前の患者さんへの裨益という点も考慮して必要です。

 一方で、先行解析をできるだけ早く進められるかということも恐らく共通理解だと思うのです。全ゲノム解析の制度設計のための先行解析という位置づけであり、あくまで本格解析を見据えたオールジャパン体制でのフィージビリティーのしっかりとした体制を取るための先行解析という位置づけかと思います。このような理解でおりましたが、ほかに今の中村構成員の御指摘に関して御意見はございますでしょうか。よろしいですか。

 重要な御指摘をいただいたと思いますので、よろしくお願いいたします。

 ほかに、この患者還元等に関して何か御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 以上で、本日御用意させていただきました議題については全て御議論いただきました。最後の患者還元につきましては、重要な課題と考えておりますので、皆様の御意見等々を参考にしながら、また、これまでいただいたものを参考にして、厚労省と議論を深めていきたいと思います。

 続きまして、各研究班から資料5の進捗状況の報告をお願いします。

 初めに、難治がん検体を用いた解析の進捗状況について、柴田構成員、お願いできますでしょうか。

○柴田構成員 東大医科研の柴田です。

 難治がん検体を用いた解析の進捗につきまして、御報告いたします。

 前回御報告いたしました膵がん・白血病に加えまして、前回の議論で小児がんや希少がんにつきましても議論がありましたので、希少がんも解析の項目として追加して、現在、DNA抽出並びに解析の準備を進めているところです。

 次のページをお願いいたします。現在の進捗ですけれども、膵胆道がんと希少がんに関しましては、国立がん研究センターのバイオバンクから試料検体のサンプルの払い出しを行って、現在、DNARNAの抽出を進めているところです。膵胆道がんに関しましては約300例程度、希少がん、今回は若年者を含めた肉腫を中心に解析を行う予定ですけれども、こちらにつきましては180症例ほどにつきまして、現在、核酸抽出を進めているところです。実際にシークエンスを行うところで、DNAのクオリティーや必要によってはサンプル数が変動する可能性があると思っております。一部の膵がんに関しましては、これは腫瘍率を計算いたしまして、比較的腫瘍率の高い検体につきまして全ゲノム解析を開始しているといった状況です。白血病に関しましては、京都大学の小川先生のところでサンプルをそろえていただきまして、36症例、72サンプルとして、今後、同様にDNA抽出と全ゲノム解析を行う予定です。

 以上です。

○中釜主査 ありがとうございました。

 続きまして、遺伝性腫瘍等の検体を用いた解析の進捗状況について、吉田構成員、お願いいたします。

○吉田構成員 遺伝性腫瘍については、ジャームラインの全ゲノム解析を進めておりまして、この6ページ目は、第1回目、9月25日にお示ししたものと同じなのですけれども、1点、5.に「体制構築」の文言を追加しております。これは、もともとその予定であった点を明確にしたということなのですが、今年度までのゴールとしましては、約3,000人のジャームラインの全ゲノム解析を行って、AMEDが指定するデータベースに登録ということなのですけれども、そこから出てくる個々のバリアントのアノテーション、医学的意味づけは、場合によっては何年もかかるような仕事になるので、そのための体制構築をゴールにしております。

 次のスライドをお願いします。工程表も9月25日と変わらず、今、各施設の先生方にお願いして臨床情報の入力を一生懸命行っているところです。12月中に、まず、各施設から最初のデータを入れていただいて、その後、システムへの取込み対応をするために、臨床情報の収集は2月末を目標にしております。

 次のスライドをお願いします。この青が前回9月25日から進んだところですけれども、上の部分は、解析企業を入札で選びまして、統一のプラットフォームでのシークエンスの委託をしております。そこのデータが出てきまして、コピーが進み、順次、CRAMのマッピングが進んで、定型解析が始まっているところです。臨床情報については、先ほどのように12月中をめどに頑張っていただいているところです。

 以上です。

○中釜主査 ありがとうございました。

 今の2つの研究班からの進捗状況に関する報告ですが、何か御質問や御意見はございますでしょうか。よろしいですか。

 よろしくお願いいたします。

 最後に、「その他」ということで、参考資料4、がんの全ゲノム解析等に関する体制整備等に係る調査事業の進捗についてです。こちらの位置づけは、調査を担当していただいている三菱総合研究所さんにおいて、調整会議での議論なども踏まえた形で当該事業においてビジネスモデルの案を提案することになっております。現時点での調査の進捗状況や素案について、梁瀬参考人から御説明をお願いいたします。

 よろしくお願いいたします。

○梁瀬参考人 よろしくお願いします。三菱総合研究所の梁瀬です。

 次のページをお願いします。今回、中山先生からもお話がありましたが、我々の業務はこの下にあります人材育成や全ゲノム解析に向けた体制整備、特にビジネスモデルについて検討してまいりました。その途中経過を今日は御報告させていただきます。

 次のページをお願いします。現在の進捗状況ですが、まず、体制整備につきましては、これまでどおり、海外の状況やビジネスモデルの仮説などをつくりながらゲノミクスイングランドにメールをしたり、前回以降にやりましたのが国内の銀行や保険会社、ベンチャーキャピタル、いわゆる製薬企業様や医療機器会社さんではないところにインタビューをしました。そのデータの二次利活用の加速に向けたインタビューなどを整理して課題を整理しました。今日は、その体制整備の在り方について、我々の素案を御説明させていただきます。2番目の人材育成目標試算ですが、これは遺伝子検査を行っている20機関にアンケート調査を行いまして、今日はある程度理想的な試算の目標値を出しましたので、それについて御報告をさせていただきます。

 次のページをお願いいたします。これは前回も御説明しました全体の官民共同ビジネスモデルですが、この左側に、基礎運営基盤、いわゆるデータを集めてバイオバンクやデータセンターがあるところと、真ん中にありますが、活用促進機関を別に設けて、右側にあるような産業フォーラムとのやり取りができないかという仮説をつくらせていただきました。この仮説が合っているかどうかというのをずっと検証してきたのですが、その結果につきまして、次のページを御覧ください。

 まず、論点としては、左側にございますが、こういった新しい体制の投資や法人格についてどう考えるかということ。真ん中が、産業フォーラムでいろいろなサービス展開が考えられますが、それについて企業はどう思っているのかということ。3番目に、産業フォーラムで様々な二次利活用をするわけですが、それについてどう考えているかについていろいろとヒアリングをしてまいりました。まず、投資・法人格ですが、黒線で書いてありますけれども、基盤運営です。いわゆるデータセンターや推計をするようなところは、国が長期的に運営するという前提のものであれば、活用促進機関は民間企業からの投資や人員派遣は可能だといったお答えを承っております。これは、逆に言いますと、基盤運営をする国のところまで背負ってしまうと、企業としてはなかなか出資できない。ゲノミクスイングランドでは銀行の方々が経営陣として入っているという事例がありましたが、こういう形態であれば可能だよということでございます。産業フォーラムについての事業投資についても前向きな検討をいただきました。これは、商社とか、不動産会社とか、製薬企業以外の方にも聞いたのですが、これは非常に将来性があるので投資をしてもいいのではないかと。その推進活用機関についての法人については、株式会社でも一般社団法人でもいいけれども、株式会社でも、中立性や公平性を担保できることもあるので、それはこれからの議論だねということになっています。右側の我々の御提案でございますが、基盤運営機関は、国を主体とした運営として、今申し上げた活用促進機関については、基盤運営機関とは別の法人として設けて、民間企業からの出資を活用する方針で法人格を検討してはどうかと考えております。これが我々の素案でございます。真ん中、産業フォーラムにおけるサービス展開でございますが、ちょっと前のページに戻っていただきたいのですが、産業フォーラムのサービス展開といいますと、様々な解析の受託企業やCROが、オミクス解析とか、データ分析集計とか、リクルートのいろいろないわゆるサービスを展開しているということでございます。また戻ってください。これについて、真ん中のところですが、受託解析・臨床検査会社とか、商社とか、リアルワールドデータの収集販売企業とか、いろいろとアンケートを実施いたしまして聞きましたが、具体的な事業費はなかなか皆さんにはお答えいただけなかったのですけれども、ここについては非常に事業展開の可能性があります。新しい新規需要の拡大や新規顧客の獲得という意味で、ぜひそれは単独としてやっていきたいと。新しいものであって投資的なものであれば、例えば、商社ですけれども、ジョイントベンチャーのような形で複数の企業がお互いに出資してこの産業フォーラムの中で活用の活動をしていくといったお答えを承っています。これを踏まえまして、右側の我々の案でございますけれども、今後はこの形態が皆さんのほうである程度の方向性が御了承いただけているのであれば、実際に活用促進機関でどのようなことをやればいいのかといった契約形態とか、組織の在り方みたいなものについても議論したらいいのではないかと考えております。3点目、産業フォーラムにおける二次利活用でございますが、これは日本製薬工業協会におけるアンケート結果を参考にさせていただきました。主な意見としては、審査期間の短縮ですね。これは油谷先生からも出ていましたが、いわゆるデータアクセス管理委員会における審査期間を本当に極力短くしてほしい。あとは、先ほど来出ている知財の企業への帰属とか、研究成果の一定の公開可能性とか、リモートアクセス、今まで議論が出てきたようなことについての御意見が出ております。こういった活用促進機関でこういうことをするためには具体的に何をしようかといったことについて議論するのが、これからはよろしいのではないかと。これはワーキングの先生方との議論も踏まえながら詰めていく必要があるのではないかと考えております。

 次のページを御覧ください。もしこれがある程度できますと、資金といたしましては、データの検体利用料とか、新しくデータと検体を収集する場合の収集料も入りますし、産業フォーラムへの登録料とか、投資といった金額がこちらに入ってくると期待できます。サービスとしては、様々なオミクス解析から、データ分析・集計、リクルーティング、ここに書いているようなサービスを、この産業フォーラムを通じてやることができるのではないかと考えております。これが1点目の報告です。

 2点目を御覧ください。次のページです。これは、本格解析時に全ゲノム解析を担う人材として新たに必要となる人材数を職種別に試算させていただきました。これは、先ほど申し上げましたが、遺伝子検査を実施している20機関にアンケート調査を行いました。現段階のアンケートでは、この2つ目のポツの下のほうに小さい字で書いておりますが、遺伝子パネル検査で臨床的な判断がつかなかった患者数の割合が全12拠点で約1割だったことを踏まえまして、仮にこれから本格解析のときに1万検査の遺伝子パネルを実施すると、1,000検査、1割ぐらいが全ゲノム検査をするのかなという仮定の下で試算をしたものです。この割合についてはいろいろあろうかと思いますので、御議論いただきたいのですが、表を見ていただきたいのですが、仮に1年間で1,000検体の全ゲノムを解析するとなると、赤字にあるのは新たに追加するものでございますが、特に理想的な人材を申し上げますと、例えば、遺伝カウンセリングが20名、ELSIの方が10名、バイオインフォマティクスが20名ということで、これは現在の施設の人材からすると3割以上を増やさなければならないようなところですが、この3種の人材の確保が非常に急がれる試算結果となりました。もちろんそれ以外にも病理学の先生とか、カウンセリングの先生方とか、いろいろとあるのですけれども、特にこの3種について非常に急がれる結果となりました。

 私どもの報告は、以上でございます。

○中釜主査 ありがとうございます。

 ただいまの報告に関して、何か御意見や御質問はございますか。

 白神構成員、お願いいたします。

○白神構成員 製薬協の白神でございます。

 事務局に確認するのがいいのかよく分からないのですけれども、この議論は参考資料ということで出てきておりまして、今回も中間報告ということではございますけれども、これが今後どこで議論されてどういうプロセスを経て確定していくのかということについて、コメントをいただきたいと思っております。まだこの辺りはどこのワーキンググループでも議論していないことだと思いますし、上位会議体の検討会におきましても、今後、3日後に1回と3月に1回とスケジュール上はなっていますので、3月にあと1回でこれを決めていくというのは難しいのではないかと勝手に思ってしまうのですけれども、その点について、プロセスとかが決まっているようでしたらコメントをいただきたいと思います。

 以上です。

○中釜主査 ありがとうございます。

 厚労省からお願いできますか。

○がん対策推進官 こちらにつきましては、なかなかここで同時にぽっと出てくると、同時に検討が進んでいるような形で思われることかと思います。この点につきましては、今年度、三菱総研さんにはこういうことの検討を様々な知識やデータを収集して、総研さんのレベルでまずはやってほしいと考えております。ですので、政府としての検討に関しては、あくまでもここで参考資料として出させていただいているとおり、御参考の一つになり、どういった形を最終的に採用して今後進めていくのかは全く別のスケジュールで進んでいくと御理解いただければと思います。

 具体的なこういう体制構築のスケジュールに関しては、まだ現段階でお示しできる形のものがないところで、そこは申し訳ありませんが、3月に一回ぽっとやって決まりましたという形のものではないとは考えておりますので、そこはまた別途の議論で進めさせていただきたいと考えております。

○中釜主査 白神構成員、お願いいたします。

○白神構成員 ありがとうございます。白神です。

 資料の位置付けやプロセスについては理解できたのですけれども、今後、例えば、この活用促進機関が要るのか要らないのかとか、ここには示されていないと個人的には思っていますけれども、司令塔機能みたいなところをどうするのかとか、恐らくそういうことが決まらないと本格解析には進めないのかなと思っておりますので、この議論はかなり細かいところについても緻密に議論が要るかと思っていて、この場で議論がそこまでできるものではないと理解しております。人材育成のところもそうなのですけれども、その点がみえる形で御検討いただければと思っております。

 以上です。

○中釜主査 貴重な御指摘をありがとうございます。

 南谷先生、お願いします。

○南谷構成員 南谷です。

 この人材育成に関して、このような全ゲノム計画が定常的に走った場合に必要な人材の数を計算されているのですけれども、まず、私たちが喫緊に知りたいのはこの基盤運営です。基盤運営を行う人材をどのように確保するのか、及び、規模に対して実際にどれぐらいの人が必要なのかというところをまずは知る必要があります。ですので、ニーズという点では、まず、基盤運営の部分を確立することが何よりも優先されるべきで、それがないと本格解析には絶対に走りません。ですので、ニーズという点では、もう少し各ワーキンググループのニーズを拾っていただけたらありがたいと感じました。

 以上です。

○中釜主査 ありがとうございます。

 よろしいでしょうか。その辺りの対応もよろしくお願いいたします。

 ほかに御意見はございますか。

 松本構成員、お願いいたします。

○松本構成員 ありがとうございました。

 この人材育成の目標試算結果概要を見ますと、本格解析を行ったときには年間1,000検体しか全ゲノムはやらないものなのかなと少し疑問に思ったものですから、前回の議論のときにはたしか年間6,000件ぐらいの全ゲノムがあったような気がしますし、小児がんに関しては年間2,0002,500件しか発症しないので、それを全例でやってもいいのではないかという議論も出ていたような気がするのですけれども、ここの試算でいくと年間1,000検体しかやらなくていいのだろうかというのが一つ疑問に思った点ですが、いかがでしょうか。

○中釜主査 この点に関して、梁瀬さんから何か追加でコメントはございますか。これはあくまで1,000件と仮定した場合、成人のパネル検査からの推定としての数字だということですが。

○梁瀬参考人 三菱総研の梁瀬です。ありがとうございます。

 今の御質問のとおりですが、我々も、全ゲノムの検査がどこまで必要なのかということが明確に決まっておりませんでしたので、取りあえず1,000検体と出させていただきました。ぜひこの辺は議論いただいたらまたそれを数値をつくって人材指数を試算したいと思っております。

○松本構成員 例えば、実際にこの数の6倍があるとしたら、確かにそのELSIやバイオインフォマティシャンとか、遺伝カウンセラーが少ないというのは分かるのですけれども、これ以上のかなりの量のバイオインフォマティシャンとか、そういう方々が必要になってくるかもしれない。でも、それをどうやって育成していったらいいのかということを考えないといけないのではないかと思いましたので、意見をさせていただきました。

○中釜主査 ありがとうございます。

 今の御指摘は、先ほどの南谷構成員の御指摘の基盤のところの人材の確保の辺りと非常に密接に関係するかと思いますので、その辺りの算定もお願いしたいと思います。それによって、実際に解析可能な検体数もある程度想定されるのかなと思いますので、よろしくお願いいたします。

 ほかに御意見はございますか。

 油谷構成員からで、続きまして、横野構成員、お願いいたします。

○油谷構成員 今、南谷構成員からも御質問がありましたが、こういう議論をこの場だけで議論するのは難しいと思うので、やはり個々のワーキンググループに今のような情報提供をふだんから行っていただいて議論するのが効率のいい議論になるかと思います。

 恐らくどこかの企業が得られたゲノム情報、臨床情報を、聞こえは悪いですが、販売するとか、企業に提供することになった場合、恐らくその検体収集のところからELSIの問題をもう一回議論し直さないといけないと思いますので、三菱総研さんが御検討されているような内容は、早めに議論をしておいたほうがいいのかなと思いますので、並行して参考資料としていつも出てくるのが、あまり建設的ではないと思います。

○中釜主査 ありがとうございます。

 横野構成員、お願いいたします。

○横野構成員 ELSIの人材についても、試算の対象にしてくださって、ありがとうございます。先ほど議論がありましたが、患者さんへの還元をより推進していくことになりますと、検査に要する費用はもちろんですけれども、ELSI、遺伝カウンセリングといったところの人材はさらに必要になってきますので、その辺りも今後の御検討の中で扱っていただければと思います。

○中釜主査 ありがとうございます。

 ほか、よろしいでしょうか。

 今、複数の構成員が御指摘のように、この人材育成のプログラム、プランニングをどうするかは非常に重要な件かと思いますので、これからはこの三菱総研さんとの議論あるいは各ワーキンググループとの議論の総合情報を共有して、より具体的な方向で計画を練っていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 ほかに御意見はございますか。よろしいでしょうか。

 本日、所定の時間をオーバーしてしまいましたが、本日の時間の都合もありますので、以上で、連絡調整会議を終了したいと思います。

 追加の意見等がございましたら、適宜事務局までお寄せください。また、構成員の皆様には、本日はスムーズな議事進行に御協力いただき、ありがとうございました。年度末、さらにはそれ以降に向けての議論する課題が引き続きあることが改めて認識されましたけれども、今後ともよろしくお願いいたします。

 事務局にお渡しいたします。

 健康局長。

○健康局長 最後に、一言、御礼を申し上げたいと思います。

 健康局長の正林でございます。

 まず、この年末の大変お忙しい時期に、また、大変お忙しい構成員の皆様方に今日のこの会議に御参加いただき、非常に活発な御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。

 特に今日は資料4が大分整理できつつありますので、着実に前に進んでいることを実感することができました。本当にありがとうございます。また、議論のなかで、中村先生から、患者様に対する還元が重要だということを、1回目でも2回目でも、今日もですけれども、御指摘いただきまして、本当にありがとうございます。1回目でも申し上げましたが、我々はこの仕事を何のためにやっているかといったら、一にも二にも患者さんのためであります。

 天野構成員からも出ましたが、将来の患者さんというよりは、やはり今目の前にいる患者さんにできるだけ早く還元できることが理想だと思っています。その意味でも、できるだけ早くこのプロジェクトを前に進めていくことが重要かと思います。

 ただ、天野構成員からも法的な整備について御指摘いただきました。我々のそれに対する答えは、何だかもやもやむにゃむにゃするような答えぶりにどうしてもなってしまうのですが、役人として直観的にゲノムの情報を扱う法律は相当難しい法律かなと感じています。作業的にもかなり大変ですし、私は健康増進法をやったことがありますけれども、やるとなったらあれを上回る大変さを伴う法律になるだろうなと直感的に思います。ただ、少しでも前に進めないといけないかなとは思います。

 今、コロナ禍で、正直に言いますと、我々、特に健康局の業務のかなり部分をコロナが占めてしまって、恐らく今日御参加のがんに関係する先生方からすると、コロナばかりやっていないで少しはがんにも力を注げとおっしゃりたいと思うのですけれども、そのとおりでして、特にコロナの分科会で私は一回発言したことがありますが、健康局長として、コロナの感染防止という仕事も大変大事なのですけれども、そればかりやっていて、例えば、ステイホームと言っていて、多くの高齢者が家にずっと閉じ籠もっていると、そのうち認知症が進行したり、あるいは、生活習慣病が後々大問題になったり、あるいは、経済状況が悪化し、失業者が増えて、結果として自殺者が増えてしまう。コロナによりお亡くなりになる方よりも自殺者のほうが多かったみたいなことが結果的にあってはならないと思います。その意味で、バランスを取りながら、コロナに伴う感染対策もウエートを置きつつ、同時に、自殺対策あるいは生活習慣病対策あるいはがん対策を同時に進めていく必要があるかなというのは常々感じているところであります。

 特に今日御参加の皆様はがん対策に関係する方々ですので、引き続き、特に今回の全ゲノム解析プロジェクトを前に進めるために、御協力、御尽力いただけたらと思います。

 繰り返しになりますが、今日は、大変お忙しい中、御参加いただきまして、本当にありがとうございました。

○がん対策推進官 本日は、誠にありがとうございました。

 次回の開催につきましては、事務局より追って御連絡させていただきます。

 また、構成員の皆様、長時間にわたりまして、ありがとうございました。

 以上をもちまして、本日の会議を終了とさせていただきます。

 ありがとうございました。

照会先

健康局がん・疾病対策課

代表 03-5253-1111(内線2359・3826)