第141回社会保障審議会医療保険部会 議事録

日時

令和3年3月4日(木)14:00~15:39

場所

全国都市会館

議題

  1. 1.医療保険制度における新型コロナウイルス感染症の影響について
  2. 2.オンライン資格確認等システムの進捗状況について

議事

議事内容

○須田課長 それでは、ただいまから第141回「医療保険部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきましてありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。会議中、御発言の際は、「手を挙げる」ボタンをクリックし、部会長の指名を受けてから、マイクのミュートを解除し御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしてくださいますようにお願いいたします。
また、議題に対して御賛同いただく際には、カメラに向かってうなずいていただくことで、いわゆる「異議なし」の旨を確認させていただきます。
次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
本日は、平井委員、前葉委員、一瀬委員、藤原委員、池端委員より御欠席の御連絡をいただいております。
本日、記者の方には、別室にて会議の模様を傍聴いただいております。なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○須田課長 それでは、以降の議事運営は、田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 それではまず、欠席委員の代わりに出席される方についてお諮り申し上げます。平井委員の代理として西尾参考人、前葉委員の代理として福田参考人、藤原委員の代理として井上参考人、池端委員の代理として井川参考人。以上4名の出席につき、御承認いただければと思いますけれども、いかがでございましょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございます。
それでは、議事のほうに早速入ってまいりたいと思います。
本日は「医療保険制度における新型コロナウイルス感染症の影響について」「オンライン資格確認等システムの進捗状況等について」を議題といたします。
では、初めに「医療保険制度における新型コロナウイルス感染症の影響について」を議題といたします。
それでは、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。
では、よろしくお願いいたします。
○西岡課長 調査課長でございます。
資料1を御覧ください。
前回に続きまして、新型コロナウイルス感染症の影響として、最近の医療費の動向を取りまとめましたので報告いたします。
今回は、医療費の動向(メディアス)として4月から10月分、レセプトの件数・点数に関する調査として12月分までを紹介いたします。前回よりそれぞれ1月分更新されております。
2ページを御覧ください。
概算医療費全体に関しまして、10月は対前年同月比プラス1.5%になっております。昨年3月に対前年同月比がマイナスになって以来、8か月ぶりにプラスに転じております。その内訳につきましては、医療費の要素を頻度を表す受診延べ日数と密度を表す1日当たり医療費に分けてみると、受診延べ日数はマイナス1.3%、1日当たり医療費はプラス2.9%になっております。
ここで、先に13ページまで飛んでいただきたいのですけれども、昨年10月は、前年の10月に比べまして祭日が2日少なく、土曜日が1日多くなっております。その関係で、スライドの右、(参考)のところに書いておりますけれども、日曜・祭日等が1日多いことでマイナス2.7%医療費が減少すると見込んでおります。このため、稼働日数補正後の10月分の医療費は、プラス1.5から4.4%分が補正されてマイナス2.9%となります。9月がマイナス3.0%ですので、それとほとんど変わっていない状況にあります。補正後の数字を見ますと、7月以降の医療費水準はあまり変わっていないと見るのが適切と考えております。
それでは、もう一度3ページに戻ってください。
この後の数字も、この日数補正の件を認識して御覧になっていただきたいところでございます。診療種別に見ますと、医療費はプラス1.0%とプラスに転じておりますが、受診延べ日数はマイナス3.1%と低く、1日当たり医療費は4.2%と高くなっております。
4ページでございます。
入院外につきましては、医療費はプラス0.4%に対して、受診延べ日数はマイナス2.5%、1日当たり医療費はプラス2.9%となっております。
5ページでございます。
歯科についてでございますが、前回から申し上げているとおり、8月以降プラスに転じておりまして、10月はプラス9.6%と他の診療種別と異なる傾向が見られます。要素別に見ても、受診延べ日数がプラス3.9とプラスになっています。
6ページでございます。
調剤ですが、調剤医療費はプラス1.1%となっております。
7ページ目からでございますが、年齢の区分で見ますと、7ページの75歳以上はマイナス0.1%、ちょっと飛んでいただき、9ページの未就学者を除く75歳未満はプラス3.3%、そして、10ページですが、未就学者についてはマイナス5.8%となっておりまして、未就学者を除く75歳未満が比較的高くなっているということに加えまして、未就学者につきましても、前月までマイナス20%程度で推移してきたところが、10月はマイナス5.8%になっておりまして、これは稼働日数の域を超えて減少幅が小さくなっているところでございます。ただ、後ほど御紹介するレセプトの件数・点数で11月分、12月分を見ると、再び未就学者のところは減少幅が大きくなっておりまして、一時的な変動と見るべきと考えております。
11ページでございます。
診療所の診療科別で見ますと、子供の医療費の減少幅が小さくなった影響を受けまして、小児科はマイナス7.5%、耳鼻咽喉科はマイナス6.1%と減少幅が小さくなっております。これは外科のマイナス7.5%と同程度となります。
12ページでございます。
都道府県別の状況につきまして、こちらは入院外で見ておりますが、最も高いのが埼玉県のプラス3.0%、最も低いのが青森県のマイナス2.5%ということでございますが、減少幅の大きな都道府県が四国、九州に偏っている傾向は前月から変わっていないと見ております。
電子レセプトを用いた分析といたしまして、15ページに飛んでいただけたらと思います。こちらはもう少し詳しく見たものでございまして、年齢階級別で見ますと、右側の表でございますが、入院外で最も減少幅が大きいのは0~5歳のマイナス9.1%ですが、次に減少幅が大きいのは95~100歳のマイナス8.5%、その次が25~30歳のマイナス6.7%ということで、子供の年齢以外のところでも低くなっている年齢が出ているということが分かります。
16ページでございます。
疾病分類別の分析について、まず入院についてですが、「呼吸器系の疾患」が引き続きマイナス17.4%と減少しております。一方で、「循環器系の疾患」はプラス3.2%に回復しておりまして、医療費の寄与度は右側の棒グラフで示しているのですが、「呼吸器系の疾患」がマイナス1.1%なのに対して、「循環器系の疾患」がプラス0.7%で戻しており、また、「筋骨格系及び結合組織の疾患」などの他の疾患もプラスに寄与した結果、合計でプラス0.4%となっているところでございます。
17ページでございます。
入院外についてですが、こちらも「呼吸器系の疾患」が引き続きマイナスの18.1%、「感染症及び寄生虫症」がマイナス11.5%と減少傾向が続く一方で、「眼及び付属器の疾患」がプラス9.0%、「新生物」がプラス3.8%など、プラスになっている疾患がありまして、医療費への寄与度としては、「呼吸器系の疾患」がマイナス1.4%、「感染症及び寄生虫症」はマイナス0.3%と、これらがマイナス要因になるのに対して、「眼及び付属器の疾患」がプラス0.5%、また、グラフでは緑色のプラス1.9%の中に含まれているのですが、「新生物」がプラス0.5%とプラス要因がありまして、結果としてプラス1.2%となっております。
18ページ、診療内容別でございます。こちらは、入院については「手術・麻酔」が4月以降初めてプラスになっているというのがポイントかと思います。
そして、19ページでございます。「初診」が引き続きマイナス12.1%とマイナス傾向が続いていますが、「医学管理」や「検査・病理診断」がプラスになることにより、合計ではプラス1.2%となっております。
20ページからでございますが、レセプト件数・点数に関する調査で、今回12月分までを掲載しております。
まず、21ページの一番右にあります総計のレセプト件数は、10月が99.0、11月が91.4、12月が92.6となっております。
27ページに飛んでいただきたいのですが、27ページの一番右側にあります総計の点数でございますが、10月が101.9、11月が96.5、12月が98.5となっております。これをメディアスで用いる休日等の補正を行いますと、11月は99.2、12月は98.5となりまして、補正後のメディアスの数値を9月以降でつなげてみると、9月がマイナス3.0、10月がマイナス2.9、11月はマイナス0.8、12月はマイナス1.5で推移していることになります。
12月になると再び新規の感染者数の増加が見られ始めた時期となりますが、この数字だけではこの増加が医療費にどのように影響を与えたのかは判断できないと考えております。引き続きメディアスによる詳細なデータを見ていくことで医療費の動向を見極める必要があると考えており、今後の動きに注視していきたいと考えております。
説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等ございましたらよろしくお願いいたします。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
これまでの繰り返しになってしまうのですが、受診控えによって重症化した方がどのぐらいいらっしゃるのか、また、実際にどの薬剤の処方が減ったのかということをお示しいただければと思います。特に処方の動向につきましては、現在検討していていただいているセルフメディケーション税制の対象薬剤の拡大に当たって大変有益な情報となるのではないかと考えておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
引き続き、石上委員、よろしくお願いいたします。
○石上委員 要望なのですけれども、次回以降で構いませんので、傷病手当金や出産手当金、出産育児一時金といった現金給付に関するデータも、コロナの感染拡大からもう1年もたちましたのでぜひ示していただければと思います。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ほかにいかがでございましょうか。
では、松原委員、よろしくお願いいたします。
○松原委員 コロナの影響が表として出ているわけですけれども、10月に少し落ち着いたのかなと思いましたが、結局11月から落ち始めて、12月は国民の皆さんも大分危険だということを御理解いただいて、外出も控えられたこともあって少なくなっているわけであります。こういったことに対しては致し方のないことだと思いますけれども、これも中医協で議論していただいて、適切に対応していただきたく思います。
それと、今、藤井委員がどれだけ重症化になったのかと。この重症化とか、がんが放置されて手遅れになるとかというのは何年か先に出てくる話でありますので、今年の数字から類推するのは無理だと私は思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
では、給付のことだけ御説明をお願いいたします。
○西岡課長 調査課長でございます。
先ほどの石上委員からの現金給付の件ですけれども、協会けんぽに関してであれば傷病手当金、出産育児一時金等のデータを収集しておりますので、それは次回までに準備してお示ししたいと思います。
○田辺部会長 引き続き、井川参考人、よろしくお願いいたします。
○井川参考人 ありがとうございます。
このデータは非常に重要なデータだと思っておりまして、医療費がどう影響を及ぼされたかということで出ていると思うのですけれども、このデータ、10月ぐらいまで恐らく患者さんの受診控えであったりとかということが非常に多かったと思うのですが、12月から入りました第3波のさなかに改正感染症法が成立いたしました。その結果、例えば大阪府下では民間の急性期病院で病棟をコロナ病床として開放したところが少なからずございます。そうしますと、今後、コロナが終息していきますと、コロナの病床が丸ごと空床となります。そうすると、急性期病院は急いでそこを埋めなければならないということになりまして、結果的に慢性期に移ってこられる患者さんの減少が当分の間は続いてしまう可能性があるということで、このデータというのは今後これからひょっとして様変わりするかもしれないということを念頭に置いた上で、今後も割と長期にわたって取っていただかなければいけないデータであると思っております。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、横尾委員、よろしくお願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。
2点あります。
1点目は、この新型コロナウイルス感染症のまだ蔓延の中で、医師会、歯科医師会、薬剤師会の皆さん、特に医師会の皆さんはナースの方も含めて大変御苦労いただいていることに敬意を表します。また、今回、ワクチン接種に移っていきますけれども、地方自治体のほとんど全ての自治体が地元の医師会の先生方に大変お世話になりながら、協議をし、準備をしています。心から感謝をしたいと思っています。日々の医療対応や患者の方の対応など、本当に緊張感の高い中でストレスも多い中で奮闘中と思いますが、引き続き地域医療とワクチン接種に向けて、御協力方、よろしくお願いしたいと感謝を込めながら思っているのが1点目です。
2点目はデータのことです。こういったデータを示していただいて大変ありがたいと思っています。ただ、私ども、佐賀県内でも同じような調査データを見たのですけれども、それで気づいたことがあります。これは月々に診療科目ごとに平均値を出していただいていると思いますが、実は佐賀県のデータが穏やかな結果だったりするのです。そうすると、ひょっとしたら、都道府県別に見るともっと厳しいところもあるのだなと思ったりしています。厚生労働省のほうでは恐らくそのことも把握されているかもしれませんが、可能でありますならば、毎月は大変だとしても、最低のところや窮状の深刻なところは実はこうなっていますよとかというデータがあれば、示していただくと理解も深まり、いいのではないかと思います。
例で言いますと、耳鼻咽喉科が減ってマイナスになっていたものが今回復中だと思いますけれども、平均がこうだということは、佐賀県は実はこれよりもっと穏やかなのです。そうすると、もっと厳しい都道府県がどこかにあるはずだと思っていますので、そういった平均値のトリックにかからないように、現実をリアルに見られるような資料の提示も今後配慮いただくと、より皆さんと一緒に情報を的確に共有できて、的確な対策につながると思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御意見がなければ、本議題についてはこれまでとさせていただきます。
次に、「オンライン資格確認等システムの進捗状況について」を議題といたします。
事務局から資料の説明をお願いいたします。
では、よろしくお願いいたします。
○山下課長 医療介護連携政策課長でございます。
資料2、オンライン資格確認等システムの進捗状況について説明をさしあげます。
まず2枚目のスライドは、医療機関・薬局におけるオンライン資格確認システムの導入準備状況でございます。顔認証付きカードリーダーの申込みで見ますと、32.8%の医療機関・薬局の皆様方が申し込んでいただいているということでございます。右側にありますが、公的医療機関で見ますと、国立病院機構、労働者健康安全機構、労災病院ですね。あと、JCHO、国家公務員共済連合会は100%、全ての病院で顔認証付きカードリーダーを申し込み済み。都道府県立病院は92.5%、市町村立病院は85%となっております。ちなみに、ここに資料はありませんけれども、日本赤十字社、日赤は3分の2が導入済み、済生会は7割以上、また、厚生農業協同組合連合会さんは約7割、国立大学は76.6%となっております。
次に左下、2ポツの課題なのですけれども、やはり引き続き病院とか診療所ではシステムベンダーによる見積もりが過大となっていて、その結果、導入を見送ろうというような医療機関がありますので、私たちとしてはシステムベンダーさんに対し、個別個別の医療機関から見積もり書をいただきながら、大手のシステムベンダーさん、また、大手に限らずシステムベンダーさん一社一社とお話をさせていただいて、いろいろと相談に対応しているところでございます。
あわせて、2ポツの課題にもう一回戻りますけれども、それだけではなくて、世界的な半導体の不足というような影響を受けております。全世界的にパソコンの供給が非常に少なくなっているというようなことから、オンライン資格確認のシステムを入れるために必要なパソコンが手に入らないというようなことも起きております。これは外部要因としていかんともしがたい影響ですけれども、御紹介させていただきます。
続きまして、3枚目のスライドを御覧いただきたいのですけれども、この3月3、4日の間に、社会保険診療報酬支払基金のほうから、全保険医療機関、全保険薬局に対し、このリーフレットを送らせていただいております。令和3年3月31日までに顔認証付きカードリーダーを申し込んでいただければ補助上限額まで全額見ますというような特例がまさに今月末で切れますので、最後のお知らせということでこのような形でやらせていただいております。
また、4枚目のスライドなのですけれども、オンライン資格確認というのがいったいどんなものか、医療機関にとって、薬局にとって、これは入れるとどんなメリットがあってどんなことになるのだろうと。また、入れるに当たってどんな作業をしなければいけないのだろうというようないろいろな疑問をいただいていますので、それらについて、動画や既に導入しているところの方々のインタビューを紹介するウェブサイトを近々、今日、明日にでも立ち上げて御覧いただけるようにしてまいります。
次に、5枚目からオンライン資格確認稼働後の医療機関を利用する流れを御紹介させていただきたいと思います。
6枚目のスライドは、まず患者さんの視点に立って、患者さんはどう動いたらいいのかということなのですけれども、この6枚目のスライドの前に、厚生労働省のホームページでマイナンバーカードを健康保険証として使える医療機関はこちらですということも出します。それをまず見た上でということになりまして、マイナンバーカードを持参した場合と健康保険証を持参した場合とそれぞれ用意させていただいています。
まず、いつもどおり健康保険証を持ってきた場合はどうなるのかといいますと、いつもどおり健康保険証を医療機関・薬局の窓口の職員にお渡しして提示していただければ結構です。そうなると、窓口で患者さんの健康保険証をいただいた職員は何をするかというと、その健康保険証の番号をパソコンにたたいていただけると、その健康保険証が有効なのか無効なのかということをその場ですぐ医療機関の窓口の職員は分かるようになるということになります。
また、マイナンバーカードで受診した場合についてどうなのかということになりますが、これについては6ページから7ページに移っていただいて、3種類のカードリーダーが今ポスターでありますので、これを御覧いただきたいのですけれども、左側のカードリーダーであると、顔写真がついているマイナンバーカードを表にして縦向きに。たしかマイナンバーカードをもらうときにご自身のマイナンバーを隠すためのカバーをもらっていると思うのですけれども、そのカバーは必ず外してください。そのカバーは外した上で、置き方はそれぞれこの3種類があります。だけれども、これは横向きなのか縦向きなのか覚えられないと思いますが、御安心ください。このカードリーダーに溝がついておりますので、カードをちゃんと置けば、少なくとも顔写真さえ表に置いていただければしっかりとなりますし、顔写真が上でなっていなければブーと鳴るような形になっておりますので、そんなに使い方は難しくないことになっております。カードを入れると、それで認証をしていくということになります。
8枚目のスライドで、病院での受付が健康保険証とマイナンバーカードとそれぞれあるのですけれども、健康保険証を持ってきた場合のいつもの動線と、マイナンバーカードでやる場合の新しい動線がどうなるのかということを用意させていただいております。
病院での受付については、これはいつもの話だし、また、医療機関のほうが後ろの窓口で何をしているのかということもこの上の状況であります。
それに対して、マイナンバーカードの場合は、診療の申込書の記入とか窓口での受渡しということは一緒なのですけれども、そこで本来であれば保険証を窓口に渡すのですが、その代わりにマイナンバーカードをこのようにカードリーダーにかざすということになります。それで待ち時間がありまして、その間何をしているかというと、医療機関は、健康保険証であればデータの入力が必要だったのですけれども、マイナンバーカードの場合には医療機関の窓口の職員はデータの入力をせずとも情報の連携がされまして、手続が進むことになります。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、健康保険証の場合の待ち時間の写真とマイナンバーカードの待ち時間の写真は同じ写真なのですけれども、マイナンバーカードの場合の待ち時間の写真の方がちょっと薄くなっておりまして、少し待ち時間が短縮できるというようなイメージをお持ちいただけるとありがたいと思います。これは実際に体験しないと分からないと思いますが、そのようなこととなります。
続いて、9枚目のスライドなのですけれども、これは毎度毎度お伝えしている話なのですが、改めてもう一回言います。マイナンバーカードのカードリーダーに自分のマイナンバーカードを自分で置いた場合に、モニターにどんなふうに表示されるのか。そして、自分はどうすれば顔で認証できるのかというような流れでございます。本人確認をしますので、顔で認証をするのか、それとも暗証番号で行うのかというようなことでどちらかを選んでいただきます。
顔で認証するという場合には撮影をします。ちなみに、この撮影された情報についてはマイナンバーカードとの照合だけにしか使いませんので、照合がされたらすぐ消すような仕様に全ての顔認証付きカードリーダーはなっていますので、顔の情報をどこかに集めているというようなことは決してございません。
その上で、本人確認をしている間に何があるかというと、赤枠になるのですが、同意の取得ということで、御自身のこれまでのお薬情報、つまり、いろいろな医療機関でどんな薬を処方されたのか、どんな注射を受けたのかというような情報をこの医療機関に提供することに同意しますかということ。これは御自身で「同意する」「同意しない」のボタンを押すことになります。また、40歳以上の方、75歳以上であれば後期高齢者の方については、受けている健康管理の情報、つまり、健康診断の情報について同意するかしないかというようなボタンを押していただくことになります。その間に資格確認が終わるようになります。この5秒ぐらいの間で資格確認が終わるようになっていまして、その後、高額療養費の制度を利用する方は自分の限度額情報を提供する、しないという形で医療機関に提供する、しないと選んでいただいて、それで受付が終わるということになります。
次に、10枚目のスライドになりまして、赤枠で囲った同意取得でいったいどんな自分の情報が提供されるのかということについて、もう一回おさらいをさせていただきたいと思います。
特定健診等の情報は、メタボ健診の情報、また、後期高齢者の場合は後期高齢者の健診された情報について提供されることになります。実際に提供される情報というのは、例えば血圧や血糖値、また、喫煙歴というような情報が提供されるということになります。これは今年度以降順次実施された健診結果が提供されます。ですから、将来は5か年分の情報を見ることができるようになります。
また、薬剤情報については、院外処方、院内処方、入院、DPCいずれであっても、投与された薬剤、これは内服薬、外用薬、注射や点滴などの薬剤について提供することになっていまして、どの薬がいつ調剤されたのかというようなこととか用法、用量が提供されるということになります。この情報は、今年9月、皆様方が診療していただいたレセプトが各医療機関・薬局から翌月10日までにオンライン請求で来ますので、そのオンライン請求が来る10月から、その前の9月の診療分の情報で薬剤情報を見ることができるようになるという形で進めております。その情報も、その後蓄積されると、約3年分の情報がこれから見ることができるようになるということでございます。
次に11ページまでいっていただきまして、特定健診の情報を見ることができると言いましたけれども、特定健診を見ることができるかどうかというのは、当たり前なのですけれども、まず御自身が特定健診とか健診を受けていないといけません。受けているとともに、御自身が所属している保険者さんがデータベースに健診結果を入れないと、自分は受けたとしても見ることができません。なので、今後、厚生労働省としては、どの保険者が加入者の特定健診の情報を入れたか入れないかということをお知らせいたします。そのお知らせをすることで、自分の所属している保険者が特定健診の情報を入れたのかどうなのか確認をした上で対応していただくということになります。
また、12枚目のスライドなのですけれども、今度は、全ての患者さんが強制的に同意を押させられるということではないということをぜひ御理解いただきたいと思います。全ての医療機関の薬剤の履歴情報や特定健診の情報は、患者さん御自身が自分の情報を管理するということでありますので、自分で同意しない限り、その情報は医療機関や薬局とは共有されないということであります。なので、例えばこの医療機関・薬局はまだよく分からないから自分の情報は伝えるのは、というような患者さんであれば、それは何も同意を無理やり押してくださいというわけではございません。なので、自分で信頼できる医療機関・薬局であれば自分の情報を提供して、一緒になって治療を受けるというようなことになります。
また、2番目なのですけれども、誰が自分の情報を見たのか、どの薬局が、どの医療機関が自分の情報を見たのかということについては、その情報が残ります。そして、その情報は自分のマイナポータルでいつどの医療機関・薬局が見たのかという管理が自分でできるようになります。
さらに、3番目になりますけれども、医療機関・薬局でも誰が見たのかというのは、有資格者が必ず見るようにということになりまして、IDとかパスワードで見られる人をきちんと限定するというものでございます。
次に、飛びますけれども、最後に15枚目のスライドから、一方で、このオンライン資格確認等システムで、健康保険、健康診断の情報がどのような形で安全にプライバシーが保たれているかという説明をさせていただきたいと思います。
まず16枚目のスライドなのですけれども、その鍵となるマイナンバーカードがどんなものかということでございます。マイナンバーカードなのですけれども、たとえ落としたとしても、基本的に他人が使うことはできないようになっています。例えばどういうことかというと、そのカード自体を使おうにも、そこには写真が入っていて、使う人とマイナンバーカードに書かれてある顔写真とが一致していなければ、誰だこれは?という話になってしまいます。さらに、もしマイナンバーカードを電子的に使おうとしたとしても、本人しか知らない暗証番号を打ち込めない限り使えないということになります。かつ、4桁の番号ですから1万分の1で何か当ててみようとなると、違う番号を繰り返し使うとICチップ自体が壊れてもう使えない。つまり、他人がいろいろな番号を当てにいったとしたらすぐ壊れるという形になっていますので、そういった面でも、マイナンバーカードは落としたとしても他人が使うことができないということでございます。
さらに、マイナンバーカード自体にいろいろな情報が入っているのではないかという御不安を持たれる方もいらっしゃいますけれども、それらのマイナンバーカード自体に大切な個人情報、例えば私が言っているような健康や治療の情報がマイナンバーカード自体に入っているわけではありません。マイナンバーカードはあくまでも、例えば健康医療のデータベースに御自身で入るための鍵でしかなくて、その鍵自体には何も情報が入っていないということを御理解いただきたいと思っております。
また、税や年金などの情報というのはまた別の行政機関において管理していますので、医療と税や年金が芋づる式に出ていくということでは全くありません。
もしマイナンバーカードを落としてしまったら、これはクレジットカードやキャッシュカードを落としてしまうのと同じようなリスクがあります。その場合には必ず24時間365日つながる電話番号がありますので、そこに連絡をいただければ、落としてしまったマイナンバーカードはすぐ失効させるというような形でやっております。
最後、19枚目の資料なのですけれども、今度はマイナンバーカードではなくてデータベースのほうのセキュリティー対策ということなのですが、あえて説明はしませんけれども、こういった形を取ることによって、電子的に管理するときに当たって、紙以上により強固なセキュリティー対策を行っているということを紹介させていただきたいと思います。
長くなりましたが、私からの説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等ございましたらよろしくお願いいたします。
では、藤井委員、よろしくお願いいたします。
○藤井委員 ありがとうございます。
2点申し上げたいと思います。
まず、今後、医療従事者以外に対する新型コロナワクチンの接種が始まると思いますけれども、この機会に、コロナワクチンはもちろん、乳幼児期や学童期からの予防接種の記録などについてもこの仕組みで閲覧できるようにしていただければと思います。実際に自分が受けたかどうか定かでないという人も結構いるようでございまして、皆さん不安がっておりますし、そういった情報を追跡調査していただければ、どのような効果があったかということも今後研究していただけるのではないかと思います。
2点目でございます。この仕組みの前提となるマイナンバーカードですけれども、全体として見れば、まだその普及は低調であると言わざるを得ないわけでありまして、その大きな理由として、国民のマイナンバーカードに対する相当な誤解や理解不足があるのではないかなと思っております。つきましては、マイナンバーカードの保険証の利用が始まることですとか、先ほど御説明いただいたように、16ページ以降に記載されているような安全性に対する誤解を解きほぐすようなこと、さらにはマイナンバーカード自体が自分自身の健康のために、あるいは経営者にとっても従業員に安心して働いていただくために大切だということ、ひいては、我が国全体の医療費の適正化のために必要不可欠なカードであるということをいろいろなマスメディアを通じて、政府が主体となって国民に周知、広報をしていただきたいと思います。
また、その上でちょっと気になったのは、先ほどの9ページの御説明でございますが、顔認証データはそのときだけで残っていないということも皆さんあまり分かっていないと思いますので、例えば画面に出していただくとか、あるいは本人同意の取得ですね。先ほど、必ずしも同意しなくてもいいとの御説明がございましたが、それはもちろんでございますが、あまり説明がないと、この画面だけ見ますと「同意しない」を押してしまう人が多いのではないかと思います。ぜひ同意をしてくださいと促すように持っていけないものかと思います。
それから、あなたの健康を守るためにこういったものが必要なのだということを現場でも画面でも教えていただくようにしていただければ、実際に現場で迷ったときに非常に助けになるのではないかと思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、佐野委員、よろしくお願いいたします。
○佐野委員 ありがとうございます。
何度か申し上げていますが、要は、3月末に向けて導入推進の取組を、まさに3月を一つの区切りとして厚労省のほうでも取り組んでいただいている。これについてはもちろん評価をしたいと思いますけれども、やはりまだまだという状況から脱し切れていないのだろうと思っています。そういう点では、3月が区切りとしても、4月以降この推進策をどう進めていくのかということは大変重要なのだろうと思います。3月を過ぎたらある種の踊り場になってしまって、伸びが鈍化してしまったということでは意味がないと思いますので、ぜひ4月以降、次の手をどう打つのか。そこを迅速に行っていただきたいと思います。また、この点について事務局のほうでお考えになっている部分があれば、今お伺いできればと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
引き続き、石上委員、よろしくお願いいたします。
○石上委員 ありがとうございます。
既に2月からプレ運用が始まっているとお伺いしておりますけれども、その中で明らかになった課題と、その解決に向けた対応についてお伺いしたいと思います。その上で、このプレ運用の結果を踏まえて、3月下旬からの本格運用というスケジュールに変更はないのかということについて御確認をさせていただければと思います。よろしくお願いします。
○田辺部会長 では、この点、事務局、よろしくお願いいたします。
○山下課長 今、3名の委員の方からいただきましたけれども、まず、藤井委員からありました予防接種につきましては、実は既に市町村のほうで登録をしておりまして、その情報はマイナンバーカードを通じて自分の予防接種の記録を見ることができるようになっております。さらに、マイナンバーカードの普及なのですけれども、現在、3200万人の方々がマイナンバーカードを持っておるのと、1日10万人以上の方々が毎日毎日マイナンバーカードの申請をやっております。残り2年間、750日だとすると、1日10万人だとすると約7500万人の方々がマイナンバーカードを取得するというようなすごい勢いで申請が来ているということをお伝えさせていただきたいと思います。
また、佐野委員からありました4月以降の推進策というところなのですけれども、これまで私たちは、こういうことをします、こういうことをしますということをお伝えしているだけであって、実際に一人一人の健康保険の加入者が保険医療機関に行ってどうなるかということが見えていない中で言っていたところ、本日から、全国まだ19かもしれませんが、19の医療機関で始まって、実際に顔認証付きカードリーダーを見ていただいて、また、マイナンバーカードを持っている方が使ってみていただいてということが始まります。私たちとしてはその一人一人のご体験が大変重要だと思っていまして、そこで得られて、それが使いやすい、また、今までの入力の手間がなくなるといったことを一つ一つ使っていただいた方に理解していただいて広まっていくということを考えております。
また、石上委員からありましたけれども、確かに2月からテスト運用をしております。そこで明らかになった課題については、例えば、一つはカードリーダーが不具合になって少し動かないことがある。医療機関のシステムのところで情報が取り込めないことがある。もっと言うと、さらに元々の保険者さんからのデータがそのデータと結びつかないというような問題があると聞いております。
このため、私たちとしては、それらの課題に対して一つ一つ解決をし、また、一つ一つの保険者さんに問合せをしていただいて、加入者の情報がしっかりと正しく入っているかどうか、もしかしたら、保険者から加入者まで聞かなければいけないこともあるかもしれませんけれども、そういったことをしてくださいとお願いしております。その対応をしている最中なのですけれども、そういった対応を常に私たちのほうにも共有していただきながらやっていくということでありますので、現在のところの課題とその対応の進捗を見ている限りにおいて、スケジュールに変更はなく進めていけると考えているところでございます。
○田辺部会長 引き続き、横尾委員、よろしくお願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。
1つ確認ですけれども、8ページに病院での受付の動線イメージというものが出ています。私もこの間、検査の関係もあって実際に病院に行きましたけれども、最初に診察券をリーダーに入れて、続いて保険証を入れて資格確認をして、その結果、当日の検査に必要な印刷したものが出てきて、ファイルに入れて、実際の診療科のほうに行くのですけれども、これはそれをまさに1枚でできると理解していいのですよね。これは確認なのですけれども、教えてください。
○田辺部会長 では、よろしくお願いいたします。
○山下課長 ありがとうございます。
横尾委員のおっしゃることはそのとおりでございますが、1つだけお伝えしますと、今のお話というのは、その病院にあるデータを使うことでやっていけるのではないかと思いますが、私たちが行おうというオンライン資格確認システムというのは、その病院だけではなくて、他の医療機関も含めて、別の医療機関で受けたことがオンライン請求で私たちのほうに来た情報を、例えば私なら私の情報としてお返しするということで、その医療機関に限らず、他の医療機関も含めた情報をお返しするといった形にしていくということです。今やられているのは、ずっとかかりつけの病院での情報を、病院が持っている情報を診察券と結びつけてお返しするということをしておりますが、今後私たちがしようとしているのは、繰り返しになりますけれども、マイナンバーカードで他の医療機関も含めた御自身の診療情報をお返しするというようになっていくということでございます。
○横尾委員 情報については、その前提でつくられていると理解していまして分かるのですが、一般の方は、例えばこの2枚のカード、診察券と保険証を提示してこれで入っていくのですけれども、これが1枚で済むようになるということですかね。利便性が高まる。
○山下課長 それがマイナンバーカードになると、例えば健康保険証、将来的には健康保険証を使わなくてもマイナンバーカードで利用できますし、また、医療機関が不要だと思えば、診察券も必要なく、医療機関に対して自分がどんな人なのかということもその医療機関はマイナンバーカードで情報を取り込み、結びつけますから、情報としてつながるということになります。
○横尾委員 そこで意見を申し上げたいと思います。
今回こうやって準備いただいているのはとても大事な一歩だと思っています。マイナンバー、特にマイナンバーカードを利用して、いろいろな意味でプッシュ型の行政に変えていく大事なキックオフの第一歩だと思っています。要だと思います。しかも、このことは国民の皆さんにサービスが見える、いわゆる「見える化」を進めていく大事な一歩ですので、ぜひ十分な配慮で今後とも対応していただきたいと思っています。
その際、9ページには同意に関する画像が出ています。これは、今回には該当しないと思うのですが、ふと思い出したことがありますので申し上げますと、実は以前、総務省管轄の電子投票をする自治体がありました。その際に投票のテーブルについて、電子投票をしようとテーブルの端に手をかけたときに、実はキーがそこにあったのです。そのために、早々と投票は終わったことになってしまってトラブルとなったという例も聞きました。既に試験もされているならデザインとかポジショ二ングは既に決まっているとは思うのですが、そういうミスがないような細かい配慮とかお願いします。あわせて、できれば同意するということを促すようなことをぜひスムーズにできるような配慮もしながら、今後の改善や対応をぜひしていただくと、普及も広がるし、同意も取れてやっていくということでできるのではないかなと思いますので、そういう配慮をお願いしたいというのが1つ目の意見です。
2点目は、今回の対応は今後にもどんどん拡大していくと思いますが、リーダーを使って様々なサービスになっていくのかなと思っています。その際には、医師会や三師会の方々も言われると思いますけれども、煩わしい、余分な業務と言うと失礼ですけれども、新たな事務などが発生しかねません。そういった煩わしさが医療現場に過重にかからないような配慮もしていただく必要があると思います。大きな病院で事務職員さんが多くいらっしゃって、専属の配置もできてやれればいいのですけれども、そうもできないクリニックとか医療機関の場合はいろいろな兼務で事務対応をされていまして、ここで煩わしさが重なってしまうと、ほかを待たせてしまうとかがあったりして困ったりしてしますうで、そういうことがないような細かい配慮もしながら、改善で前へ進めていただきたいと希望しています。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、次に樋口委員、よろしくお願いいたします。
○樋口委員 ありがとうございます。
日々「本人性」といいましょうか、自己責任がだんだん果たせなくなる後期高齢者といたしましては、15ページ、16ページにありますように、セキュリティーについて詳しくお書きいただいたことは本当にありがたいと思っております。しかし、こういう新しい制度が発足いたしますときに、しかも、今の高齢者の特徴は独り暮らしが急激に増加しているということ。それから、後期高齢者が急激に増えていくこと。それこそ本人の責任能力のない、あるいは乏しくなる人々が多く含まれておりますので、ぜひこのオンラインシステムについては繰り返し繰り返し分かりやすく御説明をいただきたいと思っております。
今回、15、16ページにポイントを挙げていただいたのはとてもありがたいことでございますけれども、ずっと読んでも何だか矛盾していて分からないこともございます。例えば、「大切な個人情報は入っていない」とありますので、ああよかったと安心いたしますと、次に、3番では24時間365日体制で一時利用停止を受け付けると言われますと、これはまた大変なのかなと思います。どちらが正しいのでしょうか。この情報は繰り返し高齢者に直接届くように流していただきたいのですけれども、例えば介護保険制度でしたら、分からないことがあれば、地域包括支援センターのケアマネージャーとか、あるいは介護相談員というような制度もございます。このマイナンバー制度について誰に聞いたらいいかというとき、地方自治体の直接的窓口としてはどなたに伺ったらよろしいのでしょうか。
以上2点、教えていただきたいと存じます。
○田辺部会長 答えられるか分からないのですが、よろしくお願いいたします。
○山下課長 樋口委員、ありがとうございます。
この16枚目のスライドは、確かに大切な個人情報は入っていないけれども、落としたりしたら一時利用停止、24時間365日とあるので、マイナンバーカードが安全なのか安全でないのか、どっちだというのはごもっともだと思います。
説明をいたしますと、このマイナンバーカードは、お手持ちの日常品でいうと鍵なのです。家の鍵と似たようなものなのです。その鍵が電子的に使えるということなのです。その鍵自体に個人情報が入っていないというのは、鍵を見れば分かっていただけるとおりなのですが、鍵を落としてしまうと誰かがその鍵を拾って自分のところに侵入してしまうというおそれがありますので、鍵を落としてしまう、つまり、マイナンバーカードを落としてしまったら、誰かが何かをする、どこかにアクセスしてしまうということもありますので、鍵を落としたら24時間365日、どこにという電話番号は、今は書いていなくて大変申し訳ないのですけれども、受け付けるようになっておりますので、御安心いただきたいと思っています。
また、マイナンバーカードというのはどういうものですかということについては、市役所でいうと住民課、つまり、住民票などの受付、まさに市区町村の役場の一番目の前で住民の方々と接している方々がよく御存じでありますので、そこにお尋ねいただければ健康保険証のことも含めて説明がされますので、御安心いただければと思っています。
○田辺部会長 よろしゅうございますでしょうか。
続きまして、森委員、よろしくお願いいたします。
○森委員 ありがとうございます。日本薬剤師会の森でございます。
先ほど石上委員のほうからもありましたが、3月末からの運用に向けて今、プレ運用がスタートしています。全国規模で初めての仕組みが3月末から動くことになりますが、プレ運用から本格的なスタートまでの期間が短いこともあって、十分に検証ができるのかという不安が正直あります。本稼働が始まってから現場でトラブルや混乱が起きてはいけないことだと思います。3月末からのスタートを目指すということになるとは思うのですけれども、ぜひプレ運用の状況を見ながら運用時期等については慎重に検討して、最終的にスタートを決めるべきだと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
引き続き、井川参考人、よろしくお願いいたします。
○井川参考人 ありがとうございます。日本慢性期医療協会の井川です。
先ほどお示しいただきました8ページの動線イメージからいきますと、初診で資格確認はマイナンバーカードから得られるということでございますので、マイナンバーカードに我々が登録したときに入力された住所であったり、氏名であったり、生年月日というものが自動的に取り込まれることになろうかと思うのですけれども、マイナンバーカードを登録するときに、実は、たしか名前の欄はややこしい漢字がある場合には代替漢字に変換されて入力されていると思うのです。そういたしますと、恐らく多くの場合、レセコンと電子カルテというのは連動しているので、その時点で電子カルテのお名前そのものが本来のお名前の漢字ではない漢字、代替漢字のままで登録されてしまう可能性が出てくるのではないかなというのが一つ心配していることです。
それと、先ほど石上委員もおっしゃっておられましたように、プレ運用のときに、実は知り合いの病院がプレ運用の実施病院でございましたけれども、そこのところに厚労省からいただいたとき、住所の欄で20%ぐらいの誤字が出てしまうというデータをお示しいただけていたのですが、そういうところは改善される余地があるのかということ。特にお名前の場合、非常に困るのは、我々臨床医からいいますと死亡診断書です。死亡診断書は原則的には戸籍と同じもので正しく書かなければならないとなっていると思っているのですけれども、そういたしますと、そこの部分が全く残らないままでデジタルのままで流れていってしまうというおそれがあるのですけれども、その辺はどういうふうにお考えかお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
○田辺部会長 では、事務局、よろしくお願いいたします。
○山下課長 ありがとうございます。
まさにそういうことがあるのですよね。我が国の戸籍とか名前というと、例えば同じ名前でも漢字が難しいものを使ったり、「タカハシ」姓の「タカ」がそれぞれ違うとかあります。だからこそ、マイナンバーという形で一人1つの生涯の番号を使ってやっていこうと。同時に、一方で、健康保険証の番号も昨年の10月から個人単位になっていますから、このマイナンバーと健康保険の被保険者番号とがきちんと結びつくということが大事になってきます。
名前だけでやろうとすると、当然同じ人なのかというところの疑問が生じてしまいます。だからこそ、生涯1個の番号を使って連携していくということになります。もちろんこれは私たち初めて今回対応することでもありますので、当然その番号がきちんと合っているのかどうなのかということをしっかりと検証していくことが大事でありまして、その検証をしっかりしない限り、本格的に進めるということは少し慎重に進めていかなければいけないということもあるだろう。それを今検証するのがまさにプレ運用ということで、ちゃんとなっているのかどうなのかということを一つ一つ確認していくということでございます。
そういった面でいうと、井川参考人からありましたように、住所につきましても、これは保険者さんからいただいている情報について、本当に正しいのかどうなのかということを一つ一つ確認しながら修正をしていくというような作業を今、保険者さん、審査支払機関と一緒になって対応しているところでございます。
○田辺部会長 よろしゅうございますか。
引き続き、佐野委員、よろしくお願いいたします。
○佐野委員 2回目で申し訳ございません。
先ほどの横尾委員と山下課長のやり取りのところで1点確認をさせていただければと思います。
マイナンバーカードを健康保険証で使った場合に、診察券の取扱いですけれども、私は今、基本的にはマイナンバーカードを保険証利用できても、診察券の代替はできないと認識しておるのですが、実際はそうではなくて、相当ケースにおいてマイナンバーカードを保険証利用した場合には診察券としても活用ができる状況になっているのかどうかを含めて、もしそこの情報があればお知らせいただけますか。これによって相当利便性は変わってくると思うのですが、その辺りについて教えていただければと思います。
○田辺部会長 では、事務局、よろしくお願いいたします。
○山下課長 少し詳しく説明させていただきますが、こういう状況でございます。
まず、健康保険証とマイナンバーカードのひもづけは保険者さんを中心に行っていただきます。一方で、例えばマイナンバーカードを健康保険証として受診した場合、カードリーダーにかざすと、保険者さんの健康保険証の情報が医療機関のレセプトコンピューターシステムのほうにやってきます。例えば私が厚生労働省の共済組合で、番号はこちらだという情報が診療所のレセプトコンピューターに来ます。そのレセプトコンピューターシステムは、これまではマイナンバーカードという情報はなかった。だけれども、厚生労働省の共済組合の山下護の被保険者番号という情報で管理していた。その情報が連携するようになります。そういうような形でシステム改修をしてくださいということを医療機関に言っています。
同時に、今度は、医療機関のほうはそのレセプトコンピューターシステムに入っている被保険者番号と診察券番号をひもづけて発行しております。そうするとどうなるかというと、一度受診するとマイナンバーカードと健康保険証とその医療機関の診察券が結びつくことになります。そうすると、2回目以降医療機関に受診するときは、診察券がなくともマイナンバーカードで行くと、この人の情報は何だということで、当然レセプトコンピューターシステムは診察券番号とその医療機関の電子カルテの情報と連動しているはずですので、その情報がポップアップされるのかどうなのかあれなのですけれども、出てくるということになります。
それらの改修を、今、医療機関、病院、また、薬局のほうでやっていただいておりますので、そうなれば一々診察券がここの診察券、この診察券ということがなくなると。そういうことを目指して医療機関のほうにこのオンライン資格確認のシステムに参画してくださいということになります。
○田辺部会長 よろしゅうございますか。
○佐野委員 もう一点すみません。
そうしますと、要は今、オンライン資格確認のマイナンバーカードのカードリーダーを導入している医療機関においては、今後診察券の発行をしなくても済むという理解ができるということでしょうか。
○田辺部会長 では、お願いいたします。
○山下課長 それは医療機関・診療所の経営の問題ですから、例えば診察券を発行することによって、うちの医療機関で面倒を見ますよというふうにしたいということについて否定はできません。けれども、技術的にいうか情報連携で言いますと、今言うような形で発行しなくとも、診療所のレセプトコンピューターシステム、診療所の電子カルテのシステムが患者さんのマイナンバーカードを通じて一緒に管理することができるようになるというものでございます。
○佐野委員 しつこくて申し訳ないのですけれども、そうすると、例えば3月の導入段階にカードリーダーを導入した医療機関において、何割ぐらいのところで診察券の発行が不要になる、もしくは利用者として診察券が要らなくなるという見込みがあるのでしょうか。
○田辺部会長 数字を持っていらっしゃいますか。
○山下課長 繰り返しになりますが、それは診療所の経営判断でございますので、診療所の経営判断については、私たちは全く関知できませんので、というか分かりませんので、そこについては徐々に診療所や病院の方々も私たちのシステム、マイナンバーカードの仕組みがこれは使えるねとなると、逆に診察券もじゃあいいかとなっていくかもしれません。
○佐野委員 分かりました。すぐに診察券が要らなくなるというような誤解を与えないようにすることが大事ではないかと思います。
何度も何度も大変失礼いたしました。ありがとうございました。
○田辺部会長 では、今の絡みで松原委員、よろしくお願いいたします。
○松原委員 御説明は分かったのですが、もし健康保険組合が変わったときにはどうなるのですか。マイナンバーカード自体がレセコンの中に残るのですか。
○山下課長 ありがとうございます。
まさにそういう御質問はあると思いましたので、説明をさせていただきたいと思います。
ちょっと長くなりますけれども、今、私は厚生労働省の共済組合の職員で被保険者です。その情報が私のマイナンバーカードとひもづいていますので、私のマイナンバーカードをあたかも健康保険証のように使うことができます。
そこで、例えば、私が協会けんぽの加入の事業所に転職しましたと。そうすると、厚生労働省の共済組合のほうでは、加入者であった山下護の情報を抹消します。同時に、私は協会けんぽの加入である事業所に届出をして、きちんと事業所が協会けんぽに届くように提出する。そうすると、協会けんぽのほうはこの人のマイナンバーカード、山下護のところに新しく協会けんぽの加入者ですという情報を入れ込みます。
そうすると、例えば私が同じように引き続きマイナンバーカードで受診をしますと、マイナンバーカードのほうでオンライン資格確認等システムに照会がいきまして、この人は今どこの保険者ですかというふうになります。そうすると、協会けんぽの情報がちょうど入っていれば、例えば3月31日までは厚生労働省の共済組合の山下護だったけれども、4月1日から協会けんぽの加入者になっていますというような情報を一緒に医療機関に返します。そうすると、これまで医療機関からすると、厚生労働省の共済組合でマイナンバーカードはこれだという情報がレセプトコンピューターにあると思うのですけれども、オンライン資格確認で照会して一緒に返ってくる。ですから、そうすると、ああ、なるほどということで、厚生労働省の共済組合にいた山下護を4月1日から協会けんぽの山下護に書き換えるということをシステム上やります。それが入力の手間がなくなるということでございます。
○松原委員 ということは、前に入っていたところも含めてデータとして医療機関に下りるということなのですね。簡単に考えますと、前の健康保険組合の番号に対して医療機関の番号を振っていたのがカルテ番号だったわけですから、それをこの仕組みの中で自動書換えにできるようにするということですか。
○山下課長 そうです。それが医療機関におけるシステム改修なのです。各医院でのシステム改修でそこをしていただくことによって、先ほどの医療機関の入力の手間がなくなるということでございます。
○松原委員 そこまでやらないとカルテ番号自体が空に浮いてしまいます。確実にできるのであれば診察券は要らなくなるかもしれないですね。これはやってみなければ分からないですね。
ありがとうございました。
○田辺部会長 引き続きまして、菅原委員、よろしくお願いいたします。
○菅原委員 ありがとうございます。
手短に、12枚目のスライドに関して質問をさせていただきたいと思います。こちらを読ませていただきますと、基本的には患者さんの御同意がなければ健康医療情報の共有だとか提供がないということは分かりますし、また、マイナポータルで患者御本人が医療機関とか薬局名を確認して、本当に提供したものが使われているかどうかを自分で確認できるということもよく分かります。
一方で、患者の同意が必要で、それが前提になっているということはよく分かるのですけれども、先ほど樋口委員からもお話がございましたが、例えばこういうシステムが幅広く御高齢の方やその他の方々に広まると、あるいはまた、複数の医療機関を受診されているような現実的な状況を考えますと、ある特定の医療機関では同意オーケーだったけれども、ほかのところではそれを出していないというような状況がありますと、御本人が同意をしたかしなかったかあやふやになってしまうようなケースも恐らく起こると思うのです。そして、事後的に自分のマイナポータルで確認をしたときに、この医療機関に同意したっけ、というようなことが恐らく現実的には起こってくると思います。
その際に、御本人がこのシステムの使われ方、自分の情報の提供の在り方に関して疑義照会をしたいといった際には、それをどこで受けるのかということが今の段階でよく分からないのです。それは、例えば現実的にはそこの病院に直接本人が行くのか、国がそういう場合があったときには一元的にこちらにお問い合わせくださいという形にするのか、あるいは、マイナポータルで確認をするわけですから、マイナポータル上でそういう照会のシステムをつくるのか。いずれにせよ、疑義照会についての実際例というのが運用の現場では出てくるような気がしますので、その辺りの対応をどういうふうにするのかを考えているのかという点と、万が一、実際にあってはいけないことですけれども、不要な方が見られているということが明らかになった場合に、それに対してどういう対応を取るのかという具体的な方策は何か考えられているのかということをお聞きしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 では、医療介護連携政策課長、よろしくお願いいたします。
○山下課長 ありがとうございます。
今、菅原委員からあったように、自分で見たときにどの医療機関が、どの薬局が自分の情報を見たのかといったことに疑義があった場合に、3つの手段として、マイナポータル、自分が通っている医療機関、オンライン資格確認とおっしゃいましたけれども、いずれの3つのどれであっても連絡ができるようにしていく予定でございます。例えばマイナポータルでもそれは受け付けますし、オンライン資格確認を運営する審査支払機関、厚生労働省の電話相談の窓口のほうに問い合わせていただくということもあります。また、医療機関のほうは、日常的に行かれているのであれば、自分からその医療機関にお伝えして対応してくださいというようなことももちろん全然問題なくできるということでございます。
さらに、自分の情報を全然違う人が見てしまいましたというようなことがもしあれば、それはぜひ御本人から連絡をしていただければ、このログが残るというのはどういうことかというと、どの医療機関で見たのかということが残ります。もちろんそれも含めたシステム改修を医療機関がしますので、その結果どうなるかというと、私たちのほうから、その医療機関は個人情報についてセキュリティー違反をしているという可能性が高いので、その連絡をするということになりますし、また、医療機関の中においては、誰が見たのか。それはログが残ってしまいます。紙をのぞき見する場合には誰がのぞき込んだか分からなくても、システムの場合には、言い方があれですけれども、残酷ですが全部閲覧ログが残りますから、何時何分にこのパソコンがここのサイトを見ましたというようなログが残りますので、何時何分にそのパソコンに近づいた人は誰なのですかということを医療機関のほうで調べていただいて、その職員が誰なのかということが分かってしまうことになりますので、この仕組みは残酷なまでにきちんと記録がされるということでございます。
○田辺部会長 よろしゅうございますか。
引き続き、井上参考人、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 ありがとうございます。
前回も申し上げましたけれども、このオンライン資格確認等システムは、今、政府全体で進めておられますDXの中核となる取組でございますので、今日もいろいろと丁寧に御説明いただきまして、非常に様々な取組、広報もされているということで、これはスタート時点が非常に重要でございますので、ぜひ力を入れて進めていっていただきたいと思います。
この取組は、健康保険法にあります、医療保険の運営の効率化、あるいは医療の質の向上にも資するものでありますから、そういう観点からもしっかり進めていただきたいと思いますし、考えてみますと、これまでの確認制度では本人確認が十分にできていなかったというのは意外な事実でございますので、そういう面でも非常にすばらしいシステムだと思います。
医療の質の向上という面からいきますと、過去の特定健診の情報や薬剤情報を使うことによって医療の質の向上というのは図られると思いますから、ある意味皆さんがこれを使うことで公共財の質が上がっていくというような性質のものだと思いますので、ぜひしっかり進めていただきたいと思います。
質問が2点ございます。特定健診の情報につきまして、この前提として保険者が登録する必要があるということがございますけれども、この保険者に対する働きかけというのは、今、どのような状況になっているのかという点と、あと、薬剤情報につきましてはどのような形で取り入れられていくのか、これは保険者が関係するのかどうかという点につきまして確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 では、この2点、よろしくお願いいたします。
○山下課長 御質問ありがとうございます。
まず特定健診につきましては、保険者からオンライン資格確認システムに格納していただくということになります。オンライン資格確認システムと言っても皆さんイメージが湧かないと思いますので、言い方を変えると、健康医療情報の一人一人の私書箱に保険者のほうから加入者の私書箱に情報を入れていただくということになっていまして、その働きかけをしているところなのですけれども、各保険者のシステム改修などのタイミングがありますので、そのタイミングも含めてどの保険者が入れているか、入れていないかということを最初はお伝えすることが大事。「俺は受けたのに入っていないよ」という混乱を避けるためにも必要だと思っております。だけれども、なるべく早く保険者の皆様方に入れていただきたいと思っております。
また、薬剤情報につきましては、実は保険者から入れるのではありません。昨年10月に被保険者番号が世帯単位から個人単位になりました。その個人単位になったことを踏まえて、今、保険者さんのほうから個人単位になった被保険者番号をいただいてこの私書箱を構築しています。同時に、今後、医療機関が被保険者番号でオンライン請求をするときに、審査支払機関のほうにオンラインで来た請求の情報につきまして、その情報を審査支払機関のほうで誰の請求なのか、誰に行った治療なのかということを一回確認しまして、その結果、一人一人の番号が振られて私書箱に入っていくというふうになりますので、その私書箱に入ったものの中からレセプトに書かれている薬剤情報を取り出して御本人に返すということをします。なので、結論から言いますと、薬剤情報については、審査支払機関のほうで自動的に一人一人の私書箱に入れ込む。それによって情報が組成されるというような形でやっていきます。
○田辺部会長 よろしゅうございますか。
次に井深委員、よろしくお願いいたします。
○井深委員 ありがとうございます。
私からは、2ページ目の今後の対応に関連する点として、1点質問をさせていただきたく思います。
先ほどお話にあったように、今後の対応で利用者の体験に通して広めていくということが大切だというお話があったと思うのですけれども、その点に関連すると、やはり医療機関がオンライン資格確認システムを導入しているということがとても大切になっていくと思います。その点で、資料のスライドの2ページ目に、病院の申込み割合が4県では6割を超えていて、薬局の場合は3県で6割を超えているという数字が挙げられていると思うのですけれども、これらの県でこういう申込みが増加している理由がもしあれば、教えていただければ今後の参考になるかなと思います。もちろん医療機関は数においても内訳においても地域ごとに大きな差があると思いますので、その点がもしかしたら影響しているかもしれないのですけれども、よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 では、この点、よろしくお願いいたします。
○山下課長 ありがとうございます。
理由までは分からないのですけれども、私は着任して1年半以上おりますけれども、これまで毎週毎週、最近は毎日いろいろな病院団体さん、もしくは各県どころか各市区町村、市町村の三師会の会議などに呼んでいただいて説明会をさせていただいておりますし、また、ベンダーを通じて、システムベンダーさんの会員の医療機関を集めた講習会に私たちも呼んでいただいて、私一人ではなくて課の職員総出で、説明会を通じて普及しております。私たちからすると、あまりばらつきがないような形なのかなと。結果的にいろいろな団体を通じて各都道府県まんべんなくやっているつもりではあるのですけれども、やはりそこでの関心がちょっと違うということもあるかもしれません。
いずれにしても、なぜこんなにばらつきがあるのと言われるとちょっと分からないところもあるのですけれども、正直、私たちとしては、たくさんのというか大半の都道府県の医療関係団体の方から問合せをいただいて、用意していただいた会議のほうに出向かせていただいて説明をしていますので、徐々にそれはなくなっていってほしいなと考えております。
答えになっていないかもしれません。すみません。
○田辺部会長 引き続き、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員 ありがとうございます。日本歯科医師会の林でございます。
私から1点質問がございます。
被保険者証の登録住所とマイナンバーカード等の住民登録の住所が違うというケースがよく見受けられると思うのですけれども、そういった形の対応で、医療情報の共有なども含めて対応ができるのかどうかというところを教えていただきたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 では、よろしくお願いいたします。
○山下課長 ありがとうございます。
まさにそういうような御不安もあると思います。そのためにも、やはりマイナンバー、被保険者番号がとても大事になってきております。
今、林委員からありましたように、国保や後期高齢者広域連合であれば、当然住所が加入者の加入の元になりますので、そこに違いはないということではあるのですけれども、残念ながら、被用者保険のほうでは、例えば住所が事業所の住所になっているというようなこともありますので、それらについてもまさに一件一件私たちのほうで各保険者に尋ねていって、しっかりと情報を正しくしていただきたいということをしております。そのためにも、加入者の情報をしっかりと管理していくということがまさに保険者さんのほうにも求められてくると思っています。その情報を一つ一つよくしていくということによって、きちんと本人の情報として格納されていくということになると思います。
○田辺部会長 よろしゅうございますでしょうか。
では、兼子委員、よろしくお願いいたします。
○兼子委員 ありがとうございます。
私のほうから、少し角度が違うのかもしれませんけれども、前置きみたいなことで1つあれなのは、先日、みずほの事故がありましたけれども、ああいった障害が起きないのかどうかです。コンピューターについてはよく分かりませんので、あれを見てそういったことがないのかどうかという不安を持ったということ。これはお答えいただいてもよく分からないと思いますので、ああいうことが起きないようにしっかりしていただきたいというのが一つです。
もう一つ、私は保険制度の在り方についてこれまでいろいろ意見を申し上げてきましたけれども、保険料未納者のことについてです。マイナンバーカードとひもづけされて、例えば未納の場合でも受診が制限されるとかいろいろあるわけですけれども、そういった使われ方もされるのでしょうか。その辺についてお答えいただければと思います。
○田辺部会長 では、この点、事務局、よろしくお願いいたします。
○山下課長 兼子委員、ありがとうございます。
まさにシステム事故ということが起きないかどうかということについては、起きてしまわないようにやっていくことはもちろんのこと、起きた場合であっても、例えば国民は年間20億回医療機関に行く。これは非常に身近に使われている社会システムでありますので、そこについて国民の皆さん、また、加入者の皆さんに混乱させないよう、私たちも各保険者さん、審査支払機関さん、医療機関さん、全ての方々と一緒になって慎重に、慎重にしっかりとやっていくものですので、対応してまいります。
また、保険料の未納者に対してどうなのかということにつきましては、今の段階では私たちとしてはそういったシステムの連携ということは考えておりません。だけれども、今後、このシステムが本当に保険者と加入者、そして、医療機関と連動するようになった場合、保険者の情報を顔認証付きカードリーダーのほうに映し出すというようなこともできるようになります。例えば患者さんが3割から2割負担になった場合は、保険者のほうで患者さんの負担割合はこれですよという情報を入れていただければ、マイナンバーカードを通じてその方の負担割合がこうだということもできますし、保険者の話を、顔認証付きカードリーダーを通じて御本人にお伝えするというようなことも将来できるようになると思っております。そういった面でも、このオンライン資格等確認システムというのは、医療機関と患者さんのコミュニケーションだけではなくて、保険者さんと加入者さんとのコミュニケーションツールにも使っていける可能性を秘めているということでございます。
○兼子委員 よろしいでしょうか。
私は今の保険料負担について、応能負担原則が貫かれているのかどうか疑問を持っているということも発言しましたし、それから、今の保険制度が、例えば国保とけんぽとか制度が一元化されていないので、それによっての負担の在り方もいろいろばらばらなわけですので、ぜひこの未納者の件、私自身は、応能負担をきちんとさせて、最低生活費以下の所得の方については保険料は免除すべきだという考え方をこれまでも申し上げてきましたけれども、そういう意味では、今のような形で利用されれば、非常に効率的に利用されるとは思うのですが、今のような問題を抱えている以上、この辺についてはあまり性急な形で未納者の扱いをこれで処理するということがないようにしていただきたいと、今の時点では申し上げておきたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
では、松原委員、よろしくお願いいたします。
○松原委員 日本医師会の松原でございます。
コロナ禍の下、医療機関は大変いろいろなことしなければいけなくて、デジタル化の十分な対応ができていないということは申し訳なく思っています。デジタル化は進めねばなりません。これからのこの人間社会を支える大きな要素であるのは私たちも十分理解しております。
ただ、先ほどからお話を聞いていると、いい話ばかり並べられているのですが、薬剤はレセプトの審査が終了しないと登録できない、審査されないと薬剤情報が出ないということは、結局、直近の薬剤情報は分からないということですね。それが1点。
次に、この同意というのは機関に行ったときに毎回取るということでよろしいのですね。というのは、一回行ってみて、この前のとき変なことを言われたからこの情報は出したくないとか、あるいは、この機関はまだ信用が十分に成立していない、かかりつけの状態でないから出したくないとかということは当然あることですし、変化することです。つまり、同意、非同意というのは毎回きちんと取っていただかないと、患者さんの思わないような結果を招く可能性がありますので、そこのところはきちんとしていただきたいと思います。
前回、病気の手術の名前を出すのは反対だ、要するに病名を出すのと一緒だと申し上げたわけですけれども、それと同じように、薬剤というのは、その薬剤を見ればどういう病気かも分かります。例えばエイズの方だったら、その薬を見ればその人がエイズだと分かりますし、あるいは抗がん剤を見れば、その方がどんな疾患にかかっていたかも、専門家でなくても分かるわけです。さらに、例えば、多くの精神疾患の中には、自分が何を飲んでいるか知られたくないという方がよくいらっしゃいます。
ほとんどの皆さんはお元気で、病気をされてもそれほどつらい思いの状態の方は今いらっしゃらないと思うのですけれども、やはり視点は病気でつらい方の立場に立って考えるべきです。その場その場でこれはいいだろう、これもいいだろうというようなやり方をしますと、当事者の方たちが非常につらい思いをします。そこのところを思いますれば、やはり同意、非同意というのは非常に大事な問題であります。全てを出すというのはいかがなものか。簡単に言いますと、薬とか身長、体重、その他メタボかどうかも含めて、個人情報が丸裸になっているような状態です。その方が本当にしたいのか分からないまま同意のところを押して、後でそんなはずじゃなかったというようなこともなきようにしなければいけません。プライバシーが十分に守れるような対応を今後とも変更しながらやっていっていただきたいと思っているところであります。
あくまでもつらい状態の人たちがさらにつらくならないように、その配慮が欠けてはならないと思います。いかがでございましょうか。
○田辺部会長 では、事務局、コメントを。
○山下課長 ありがとうございます。
まず、松原委員から最初にありましたレセプトの審査前、審査後、あと、直近という話でいいますと、オンライン請求されたレセプト情報から組成する薬剤情報は、審査前の情報、つまり、医療機関から来た情報を使って薬剤情報を組成していくということになります。そうすると、大変申し訳ないのですけれども、昨日出した処方情報については、現段階ではレセプト情報でつくりますので、リアルタイムの情報ではないということでございます。このため、昨年、厚生労働省のほうからリアルタイムの処方情報の共有として、電子処方箋をやっていこうというようなことも出していますので、これらを構築することができれば、リアルタイム、つまり、昨日、もしくは昨日どころかついさっきされた処方情報も共有されるようになっていくということでございます。
もう一つ、同意は毎回なのかどうなのかということでございますが、同意は毎回です。まさにおっしゃるとおり、患者さんの気分や気持ちなどもありますから、このときはいいけれども、このときは嫌というような話もあります。
一方で、レセプト情報で組成された薬剤情報について、自分のこの薬だけは見せたくないということができるかというと、残念ながらそれはできません。それは、私たちとしては、患者さんとお医者さんとの間でいうと、患者さんがどんな薬を過去受けているのか、レセプト情報かもしれませんけれども、それらの情報について、自分が同意したのであれば、その情報は全てお医者さんと共有していただきたい。その中から、お医者さんは全ての情報を見た上で、目の前の患者さんの症状に対して対応していただきたいと思っています。一方で、このお医者さん、薬剤師さんと共有するのが不安だし、ちょっと嫌だなということが少しでもあれば、それは同意しないという形で全ての情報を提供しないと。けれども、それは、一方で診察室の問診でいろいろと聞いていただいてやっていくという従来の診断になるということでございます。
○松原委員 結局、レセプトで判断するということは、ほぼ1か月遅れるということですね。
○山下課長 はい。
○松原委員 それから、一緒に議論している電子処方箋の情報については、十分議論させていただきたいと思います。
また、先ほども御意見もありましたように、そのときの気分とかだけではなくて、いろいろな理解の仕方、同意していったい何が起きるのか分からないまま同意される方もいらっしゃいます。その状態で、決めたから全てあなたの責任だよというわけではないということを御理解賜りたいと思います。そこのところを十分に理解しないと、その方にとっては、そんなことをしたつもりはないのになぜ私の情報が外に出るんだということになります。そういうことが決してなきように十分な御配慮をいただきたいと思います。
○田辺部会長 ほかにいかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
それでは、ほかに御意見等がなければ、本日はこれまでとさせていただきます。
次回の開催日につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
本日は御多忙の折、御参加いただきましてありがとうございました。
これで散会でございます。