令和3年3月26日 第54回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和2年度第14回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和3年3月26日(金) 13:00~15:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより第54回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」及び令和2年度第14回「薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」の合同会議を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まず、お名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですので、タイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージまたはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。
現在、副反応検討部会委員9名のうち8名、安全対策調査会委員6名のうち4名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
石井委員、永井委員、舟越委員より会議の途中から参加する旨の御連絡をいただいております。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。
留意事項に反した場合は、退場していただきます。
また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡委員 岡でございます。
それでは、本日の会議を始めさせていただきます。
まず、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。○事務局 審議参加について、御報告いたします。
本日御出席された委員、参考人の方々の過去3年度における関係企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただきました。
本日の議題において審議される品目は、新型コロナワクチンであり、その製造販売業者はファイザー株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。
各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、全ての委員においてファイザー株式会社より50万円を超える受け取りはございませんでした。
なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開催中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、各委員より申告をいただいておりますので、この場で御報告いたします。
石井委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取り、柿崎委員はMSD株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取り、宮川委員は第一三共株式会社及び武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○岡委員 ありがとうございます。
それでは、引き続いて事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1から資料1-5、資料2、参考資料1~4になります。
不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○岡委員 ありがとうございます。
それでは、始めさせていただきます。
議題なのですけれども、伊藤澄信委員が途中で退席されると伺っておりますので、まず、議題2から始めさせていただきたいと思います。資料2「健康観察日誌集計の中間報告」について、代表研究者を務められております伊藤委員から御報告をお願いいたします。よろしくお願いします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。伊藤でございます。
前回に引き続き、今回の「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)」の結果をお話しさせていただきたいと思います。
1枚おめくりいただくと、前回も提示しておりますが、この調査の全体像です。NHO、JCHO、労災病院の職員を対象とした約2万人の調査です。
今回は、研究班で配布した体温計と定規の写真を入れております。この定規と体温計を使って統一した調査データを取っております。
1枚めくっていただきますと、最終的に登録した計1万9808例の時間的推移です。ここまでは前回までと変わりはございません。
4ページ目は1万9808例の人口統計学的特性で、これも前回と変わりはございませんが、5ページ目の「2回目被接種者の人口統計学的特性」と比べていただくためにいれております。今回は、3月24日の状況ですが、全体の89%で2回目接種がされています。比べていただくと分かるとおり、それほど大きな違いがあるわけではございません。全体の9割が既に2回目接種が終わっております。
6ページ目からが新しいところですので、少し詳しく説明させていただきます。
今後示すスライドは上段が1回目接種ですので、2回目接種を下段に示しております。CDISCの関係で、接種日がDay1になっておりますので、翌日がDay2、それからDay3、Day4という形で、1週間分のデータを示しています。上段が1万9035例で、下段は日誌を回収できた3,933例のものでございます。
2回目接種は、3月10日以降に開始されておりますので、1週間分の日誌を書いていただいて、結果の回収は18日以降になっております。実施施設の方々に無理なお願いをして、できるだけおとといの24時までにデータを入力してくださいとした結果、入力していただいた3,933人分のデータをまとめております。これは全体の約20%ですので、当然のことながら、最終結果とずれる可能性があることを前提としてご覧いただければと思います。
上下を比べてご覧いただくと分かるとおりで、2日目に37度5分以上の発熱が33.8%の方に見られておりまして、うち38度以上の方は18.1%というデータでございます。
年齢、性別を見ますと、若い人の頻度が高くて、男性よりも女性の頻度が高いというプレリミナリーなデータが、得られておりまして、接種された方によって、発熱の頻度が随分違うということが分かってきております。
7ページは、前回から示させていただいている重症度判定の定義です。
8ページをご覧いただきますと、接種部位反応です。上段は1回目で、下段は2回目で対比ができる形にしています。グラフの縦軸は、比較できるようにそろえております。局所反応に関しては、ご覧いただいて分かるとおりで、1回目接種と2回目接種でそれほど大きな違いがありませんでした。
9ページでございますが、疼痛と熱感、かゆみで、疼痛については、縦軸に関しては100%です。ほかは14%ですので、疼痛が著しく高いということは分かるとおりですが、1回目と2回目でそれほど大きな違いがございませんでした。「Day3」と書いてあるのが接種翌々日、2日間ぐらいが痛いという状況で、接種日に関しては、接種から4時間ぐらい経ってから痛みが始まって、その後2日ぐらいが痛いという状況だと認識しております。そのほかの局所反応についても一緒でございます。
ここまでは、発熱以外は1回目と2回目でそれほど変わってございませんが、10ページ目をご覧いただければと思います。1回目と2回目で著しく違いがあったのが全身倦怠感と頭痛です。
全身倦怠感は、2日目に64%の方、頭痛も43%の方が自覚されています。これは年齢、性別で見ますと、発熱の頻度と同様で、若い人で頻度が高くて、しかも男性よりも女性に頭痛、倦怠感も高いという状況が分かっております。現在は、全体の20%のデータなので、全体を集めると年齢性別が少しずれることが予想されますので、最終データはこの数字とずれると思っております。年齢、性別による違いは、昨日の夜に解析をしてみて分かりましたので、この資料につくり込んでおりませんが、そういったことも含めて、また報告する機会をいただければと思っています。
なお、こうした副反応で勤務を休まなければならなかった方についても、日誌でデータを取っております。病休の記載があった方は217例でした。3,933人のうちの全体の5.5%の方が日誌から判断する限り、予定外で勤務を休まなければいけなかったということです。病休の御報告をいただいた方は、接種の翌日が106例、2日後が53例でした。
東京医療センター先行モデルで、2回目接種は休みの前にお願いしておりました。多分、翌日に関しては、37度5分を超えると勤務ができないということもあって、そういったお願いをしていたので、こういった比較的少ない数になっているのではないかと思ってはおります。今後、2回目接種に関して、優先接種をされている医療機関におかれては、勤務体制の構築も含めて参考にしていただければと思います。
11ページをご覧いただきますと、1週間を過ぎた後の発熱とかその他の頻度です。海外治験のデータを見ておりまして、1週間以上発熱が続くのではないかという懸念もあったので、通常の治験よりも2週長く記録していただいておりましたが、その心配は杞憂に終わっているかと思っております。
12ページです。PMDAに報告させていただいた20例のラインリストです。接種から1か月でPMDA報告が20例になっております。2009年の調査でベースラインの医療従事者の入院率は1か月当たり1,000人に1人と考えておりましたので、ちょうど同じような頻度です。2万人ですので、1か月で20人と予想しておりましたので、その程度の数字が集まってきていると思っていますが、この中にはワクチン接種直後に見られる反応も報告されています。
ご覧いただいたとおり、2回目接種でアナフィラキシーの報告が3例ありました。3例とも女性で、1例は、1回目接種後30分以内に左の頬部から耳にかけて蕁麻疹があったということと、1回目接種後の日誌では、翌日に顔面浮腫があった方ですが、2回目接種ではそれのある程度ひどい反応が起きたということだと思っています。
もう一例は、1回目接種直後は特に異常はなかったようですけれども、翌接種日から背部痛とか、接種の4日目に蕁麻疹、3日目から口内炎があったという記載が日誌にございました。
もう一例は、直後、日誌とも特段の異常がないという記載でした。13ページは、因果関係を問わず、入院された方々の報告を収集しております。これは調査を担当した医師が有害事象と気がつかないものが後になってわかってくるのではないかという、治験と同じような考え方で、因果関係がないと判断されても報告していただいております。ラインリストはPMDA報告と重複しておりますが、これはそういった形で整理していると御理解いただければと思います。
14ページの説明は、前と同じように入れさせていただいていますけれども、15ページは今回のものと海外の治験、不活化インフルエンザワクチンと比較する比較表の形になっております。赤字にしておりますが、2回目接種では、35.6%の方が37度5分以上の発熱があった。海外の治験では38度以上を発熱として取り扱いをしておりますので、頻度については違いがありますが、38度以上にいたしますと、19.1%という状況でございました。
2回目は、1回目に比べて全身倦怠感とか頭痛の頻度が著しく高くなっているということが分かっています。
しかしながら、全体の2割のデータで予備的な解析ですので、はっきりとしたことを申し上げにくいところもございますが、若年者及び女性で副反応の頻度が高いということが分かってきております。この数字も、バックグラウンドが変わると当然変わります。今後集めてくるデータは、若年層が入ってくるので、この数字よりも高い数字を最終的な報告とさせていただく形になるのではないかと予測しています。
最後のページにまとめを書かせていただいておりますが、今、申し述べたとおりでございます。
接種後8日目以降に回収したデータ、3,933例の健康日誌から発熱の頻度が1回目は3.3%だったのに比べ35.6%と高率になっております。発熱の場合は、翌日が多くて、接種3日後には解熱しております。接種日の疼痛は、90%を超える被験者が自覚されて、接種翌日が最も頻度が高く、接種3日後にはほぼ軽快されているという状況でございます。2回目は、1回目に比べまして、接種翌日に頭痛が4割、全身倦怠感が6割というかなり高率の状況になっているというのが分かっているところでございます。
最後は、PMDAに報告させていただいた20例ということでございます。
報告は以上でございます。
○岡委員 伊藤先生、どうもありがとうございました。
委員の先生から何か御意見や御質問等はございますでしょうか。いかがでしょうか。
森尾委員、お願いいたします。
○森尾委員 伊藤先生、膨大なデータを短い時間でまとめていただき、本当にありがとうございました。
2つお伺いしたいのですが、1つはコメントです。まだ3,900人なので分からないと思うのですけれども、例えば60歳以上の方々が何人かいらっしゃると思うので、そういう方々で発熱や全身倦怠感とかのデータがあると、これからの高齢者の接種のところでまたいろいろな情報になるかなと思いましたので、次以降、よろしくお願いいたしますというのが1点目でございます。
2点目が、先ほど伊藤先生がおっしゃったのですけれども、病欠というのは、あくまで勤務を休んだ方ということで、接種の翌日とかが休日の場合には数えていないと考えてよろしいですか。
○伊藤(澄)委員 1点目に関しては、今、解析をしておりますが、60歳代の方が393人で、70歳代の方が35人と少数ですので、はっきりとしたことはあまり申し上げられる状況ではございませんが、60歳代の発熱の頻度が18.1%と全体に比べると著しく低いということなので、高齢の方には、今提示させていただいているデータはあまり参考にならないのではないかと思っております。同様に、全身倦怠感についても、若い人の半分とは言いませんけれども、60歳代では、少なくとも3分の2程度になっているという状況です。
もう一つは、女性と男性で頻度に違いがあるというデータも出ていますので、もう少しnの数が増えた段階できちんとした数字として提示させていただきたいと思っております。
2点目の病欠に関しては、おっしゃるとおりで、もともと休日とか、勤務をしない予定になっている方に関しては、病欠と書いておりません。ですので、病欠と書いてあるのは、勤務をするつもりであったにもかかわらず、熱が出たりとか全身がだるかったりして勤務ができなかったという方が病欠としてのデータをいただいています。
今回、解熱剤の話について質問が出るとは思っておりますが、それに関しては、1日では解析しにくいので、そのデータについては、今回は持ち合わせておりません。事前にお断りをさせていただきます。
以上でございます。
○森尾委員 ありがとうございました。
だんだん一般の方の接種に移行するに当たり、どのぐらいの方が病欠しなければいけないのかというデータがきっと重要なデータになってくると思いますので、また工夫していただいて、いろいろと教えていただけたらと思います。ありがとうございました。
○岡委員 ありがとうございます。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 伊藤先生、貴重な結果をまとめていただきまして、本当にありがとうございます。
今後のこともあって、一つ教えてください。
1回目にそれほど重くないアレルギー反応を起こした人は一定数いらっしゃると思うのですが、その方が2回目を接種したときに、同じ程度のアレルギー反応だったのか、2回目は何もなかったのか。何人かアナフィラキシーの方がいらっしゃいましたけれども、2回目は1回目と同じ程度のアレルギー反応だと言っていいのか、1回目よりひどいアレルギー症状が出るかもしれないと言ったほうがいいのか、その辺がもし分かれば、教えていただけると、次に2回目を受ける方には助かるかなと思いまして、質問させていただきました。よろしくお願いします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
まだ分析をしていないのですけれども、日誌の回収のときに、1回目に副反応が出たから2回目は受けませんという申し出をされた方もいらっしゃいますので、1回目に具合が悪かった方が2回目接種をされているかどうか。また、1回目で具合がある程度悪かった方に対しては、2回目は医師が勧めていないという状況ではございますので、そういう前提条件の中で調べさせていただきたいと思っております。1回目は、少なくとも80何例の具合が悪かったという方がいらっしゃって、その方が2回目接種されたかどうかということについては調査ができると思っていますので、それはさせていただこうと思います。
現段階で2回目の30分以内に具合が悪かったと言われた方は40数名で、今、手元にデータを置いていないのですけれど前回の数よりも少なかったと思っております。
○多屋委員 ありがとうございました。
○岡委員 ありがとうございます。
そのほかにいかがでしょうか。
途中経過ではございますけれども、今後、このデータは、これから集団で打っていくときに共有すると、非常に大事なデータになるかと思います。
そうしましたら、長谷川委員、次に倉根委員ということで、長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 伊藤先生、どうもありがとうございます。
疼痛についてですけれども、2日目に90%の方が痛みを訴えられていて、そのうち約20%の方が中等度ということで、中等度の定義が鎮痛剤を1回服用ということですけれども、ほとんどの方は鎮痛剤を持たせているけれども、服用するほどの痛みではなかったと考えてよろしいでしょうか。
○伊藤(澄)委員 この調査では、副反応に対して薬を使った方に関しては記載をしてくださいとお願いしております。
前にも説明させていただいておりますが、その薬を使った人よりも、中等度とされた方のほうが人数としては多い印象があります。それに関しても、いずれかの段階できちんと整理させていただこうと思っておりますが、薬を使うぐらい痛かったという方が報告をいただいていると認識しております。
○長谷川委員 そうしたら、ここの中等度というのは、軽度の中にも薬を飲まれた方がいらっしゃると。
○伊藤(澄)委員 もちろん、それが熱なのか、痛みなのか、例えばアセトアミノフェンをお使いになられる方の中には、熱でお使いになられている方も混じるので、申し訳ございませんが、明確な意味での区別はつかないと思います。
○長谷川委員 ありがとうございます。
○岡委員 ありがとうございます。
続きまして、倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 先生、膨大なデータをありがとうございます。
今回、アナフィラキシーあるいはアナフィラキシーショックという症状名でここに出てきている方々は、これまでほかの要因でこのようなことが起こったかどうかという解析はできるのでしょうか。あるいはその背後関係は分からないので、そこは無理だということになりますでしょうか。
○伊藤(澄)委員 御自身が日誌あるいは予診票の中にお書きになられているものは分かりますが、もしアナフィラキシーを起こしていたにもかかわらず、予診票にお書きになられていないと分かりません。過去にアナフィラキシーがあったと言われる方に関しては、接種担当医が慎重になっているので、多分、出てこないのではないかと思っております。
また、個別のそういった症例に関しては、解析してみないといけないと思いますし、昨日、厚生労働省から指摘がございましたので、昨夜、アナフィラキシーとして報告があった症例のバックグラウンドについては、先ほど御説明させていただきました。1例は造影剤のアレルギーという報告はありましたけれども、あとのお二人の方に関しては、蕁麻疹はアレルギーと取るのか、取らないのかとは難しいなと感じています。1回目の接種後に多少蕁麻疹様の症状が出た方が、2回目は大変強く出たという方もいたと資料からは読み取れるのかなと思います。
○倉根委員 ありがとうございます。
○岡委員 ありがとうございました。
続きまして、伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
大変貴重なデータをありがとうございます。
15ページにまとめていただいているのですけれども、37.5度以上の発熱が2回目で35.6%と非常に多いということなのですが、38度以上ですと19.1%ということで、これですと海外の16%とそれほど違わないのかなという印象があるのですけれども、海外の治験で37.5度以上のデータはないということなのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 ありません。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
それと、先ほどおっしゃっていました若年者とか女性が多そうだということは、海外では何か言われていることなのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 いわゆる鳥インフルエンザのワクチン治験とかもやっているのですけれども、これは、高齢者は副反応が明らかに低くなるというのは分かっています。今回、女性と男性でこれほど違いが出ると思っていなかったので、それについては少しびっくりしています。
一般的に、ワクチンに関しては、有効性の部分もそうですけれども、年齢が高くなると副反応は低くなるというのは分かっておりましたし、コミナティの海外試験の55歳以上のデータを見ても、年齢が高いグループで副反応は低そうだというデータがありました。60歳以上の方の数がそれほど多いわけではないので、結論めいたことを申し述べるのは、ちょっと時期尚早だと思っておりますが、そういう傾向が示唆されるデータです。
ただ、4,000人のデータですので、確度は相当程度高いと思いますが、研究グループとしての全体の確定的な数字を出したいと思っておりますので、数字が独り歩きしてしまうのも嫌なので、今回は提示させていただいていないと御理解いただければと思います。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
そうしますと、女性のほうが多いというのは、もしかすると日本人で特有のことかもしれないということなのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 そうですね。今までの論文を全部読み切っているわけではないのですが、そういった形で海外の治験で男女に分けて解析したのを見たことがないと思っていますので、これに関しては、見てみるまで男女差がそんなにあるものではないと予想しておりました。蓋を開けて、昨日の夜にこんな形でしたので、少しびっくりしております。早めの段階で皆さんと情報を共有するのがこの研究グループの目的だと思っておりますので、今日、お話しさせていただいております。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
○岡委員 ありがとうございます。
続いて、濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 非常に興味深いデータをありがとうございます。
この中で、12ページに副反応疑いの例が出ているのですけれども、多分、細かい点は、これ以上のものは分からないと思うのですが、2つ気になるものがあります。5番が因果関係否定のため「肺炎」が削除されております。これは、COVIDにかかったわけではないのですね。
○伊藤(澄)委員 COVIDではございません。
○濱田委員 肺炎ではあるということは確かなのですね。
○伊藤(澄)委員 はい。肺炎があったと報告が来ておりまして、実施医療機関から当初は因果関係ありで報告がありましたけれども、途中から、検査結果が出てきた段階で因果関係はなしにするということで取り下げたということでございます。
○濱田委員 これがCOVIDだったら、因果関係ありになるのですか。その辺はどうなのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 COVIDで因果関係ありにするかどうかはわかりませんが、研究者の立場では私なら因果関係なしで出すかと思います。
○濱田委員 分かりました。
○伊藤(澄)委員 通常は、因果関係については、治験ならばなしで判断すると認識しております。
○濱田委員 もう一つ、副反応疑い例8なのですけれども、末梢性顔面神経麻痺なのですが、日本の治験では全く見られなかったのですけれども、欧米の治験で一定数顔面神経麻痺が出ていました。これは「軽快」となっておりますが、顔面神経麻痺はどれぐらいの期間を見て判断されていらっしゃるのですか。
たしか市販後に顔面神経麻痺は注意していかなければいけないということが、承認時に話題になっていたと思うのですけれども、先生、これについては何か情報をお持ちでしょうか。
○伊藤(澄)委員 ここに出てきている情報に関しては、PMDAにお渡ししている情報は全て出てきておりまして「軽快」になったのは25日で、昨日付で「軽快」と出てきております。昨日退院されたということで報告されていると思っております。
○濱田委員 分かりました。どうもありがとうございます。
○伊藤(澄)委員 ここで皆さんも大変気にしているのは、前庭神経炎とか末梢神経障害、三叉神経障害とかが出てきておりまして、研究グループでは実施医療機関にお願いして、そういったものに関しては上げてほしいとお願いをしておりますので、上がってきていると思っておりますが、年齢が若い方で、例えば20代の女性の方の顔面神経麻痺が出てきたとすると、一般的にその年代層で顔面神経麻痺がおきるのかなと不安でもあるので、症例を積み重ねて因果関係を判断する必要があるのではないかと思っています。
○岡委員 ありがとうございます。
後遺症が起こり得るそういった合併症については、丹念にまた追っていただければと思います。ありがとうございます。
そうしましたら、佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 大変貴重なデータをお示しいただきまして、ありがとうございます。
ちょっと細かいのですけれども、データのことについて教えていただければと思います。
8ページから接種部位の反応と全身性の反応のAEがいろいろと載っているのですけれども、1回目と2回目は、2回目のほうがドラスチックになっているものと、1回目と2回目でほとんど差がないものがあると思うのです。多分、2回目のほうが激しくなるとか、プロファイルが長引くものは、比較的免疫がついてきて出てきている。例えば疼痛とかですと、1回目と2回目の反応の頻度がほとんど変わらないので、もしかしたらですけれども、これは製剤的な原因でアキュートな影響かなと思ったのです。
その辺は、これからワクチンで様々な製剤が出てくるところだと思いますので、このデータは非常に貴重ですので、ほかのワクチンでも同じようにやっていただいて、製剤的な副反応と免疫的な副反応を見られるように、ぜひとも継続的にお願いできればと思いました。ありがとうございました。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
次に続くワクチンに関しても、同じプラットフォームでやることになっておりますので、同じようなデータとして、ワクチンごとの比較ができるのではないかと思っております。
今回はまだまとめておりませんけれども、皮下のリンパ節が腫れて痛むという症状も出ておりますので、基本的には、数時間たって筋肉細胞がSタンパクをつくり、それに免疫反応を起こして、全身の症状が起きてくるのだと思っております。
1回目と2回目は、局所に関しては、ほとんどの人たちが左の三角筋に接種されていますが、局所反応に関しては、局所の筋肉細胞でウイルスタンパクをつくって、それに対しての免疫反応が起きているということなので、1回目も2回目もそれほど大きく変わりはないのでしょうけれども、ウイルスタンパクに対して全身に出てくる反応に関しては、1回目と2回目で違いが出てくるということだと思っております。
今回、予診票に基づいておりますので、どうもCOVIDに既感染の人が打たれているかどうかは知る方法がないのですけれども、調査対象施設の方と内々の話として聞いたのですが、既感染の方に1回目を打った際の発熱や全身反応の副反応の出方は、ちょうど2回目に近い反応が出ていた人がいるという話は聞いております。
ただ、研究グループとしてそれをディテクトする方法はないのですけれども、そういった事例も伺っておりますので、このワクチンは、免疫を惹起する作用が大変強い。それに付随する形で副反応が起きていると認識するのが多分いいのではないかと個人的に思っています。
○佐藤委員 分かりました。どうぞよろしくお願いします。
○岡委員 ありがとうございます。
時間の関係もありますので、そろそろ質疑は終わりにしたいと思いますけれども、実際に本当にお忙しい中での中間報告ということで、中間報告でも4,000名ですので、大変な御尽力だと思います。さらに、89%の方が2回目を打って、そのうちの4,000名についての解析で、残りの1万4000名ぐらいをさらにまた次回に御報告いただけるのかなと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
特によろしいでしょうか。
そうしましたら、次に進めさせていただきます。どうもありがとうございました。
次の議題でございますけれども、議題1に戻って「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等について」ということで、資料1-1から資料1-4について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料1-1から資料1-4について、御説明いたします。
資料1-1をご覧ください。「予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について」です。資料の1ページ目に資料1-1の資料構成を示しております。
2ページ目の1ポツ、医療機関からの副反応疑い報告のマル1は、医療機関からの副反応疑い報告の累積週別報告件数を示しております。2月17日から3月21日の推定接種者数は57万8,835、報告件数は733件、報告頻度は0.13%となっております。
3ページ目のマル2及び4ページ目のマル3は、報告医による因果関係の見解を有無別に集計したものです。
5ページ目のマル4は、副反応疑い報告基準に定められた症状について集計した結果です。
6ページ目のマル5は性別、7ページ目のマル6は年齢階級別の集計です。
8~11ページ目のマル7は、報告された症状別に集計した結果です。
12~13ページ目のマル8は、接種回数別の報告件数、重篤件数、死亡件数を集計したものになります。
また、今回より、14~15ページ目に2ポツの図表を追加しております。副反応疑い報告のデータを基に、国立感染症研究所に作成いただいた図表となっております。
14ページのマル1、マル2は週別報告件数、15ページ上段のマル3は累積週別報告件数、下段のマル4は、接種から発症までの日数別報告件数をまとめたものになっております。
16ページ目以降は、3ポツ、医療機関からの副反応疑い報告症例の一覧です。報告症状の内容を横1行のリストでお示ししたものとなっております。
なお、No2につきましては、個人情報保護の観点から、年齢、性別は非開示とさせていただいております。
続きまして、資料1-2をご覧ください。「薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について」です。
2ページ目の1ポツ、製造販売業者からの副反応疑い報告のマル1は、週別の報告件数及び推定接種者数に基づく報告頻度になります。
製造販売業者からの報告は、医療機関への詳細な調査などを実施している関係から、報告までに時間差がありますので、資料1-1と同じ期間であっても、報告件数に差異がございます。2月17日から3月21日の報告件数は65件、報告頻度は0.01%となっております。
以降の資料につきましては、この報告件数に基づいて、資料1-1と同様にマル2からマル6までの資料を作成しておりますので、説明を割愛させていただきます。
ページを飛びまして、12ページをご覧ください。3ポツ、製造販売業者からの副反応疑い報告症例の一覧となっております。報告症例の内容を横1行のリストで示しておりますが、資料の右から4つ目のカラムに専門家の因果関係評価を記載しております。
評価記号の内容につきましては、15ページの欄外の※1を御参照ください。
17ページ以降は、4ポツ、製造販売業者からの副反応疑い報告症例の症例経過です。
なお、No1につきましては、個人情報保護の観点から「基礎疾患等」「症例経過」は非開示とさせていただいております。本症例の概要は、委員限りの資料として配付しておりますので、御確認ください。
委員限りの資料につきましては、その内容を御発言いただく際は、患者さん個人の特定につながらないよう御配慮いただきますよう、お願い申し上げます。
No3が死亡症例となっております。資料1-3にて別途詳細を掲載しております。
資料1-3をお願いいたします。まず、死亡及びアナフィラキシーにつきましては、2月26日の合同部会におきまして、副反応疑い報告の今後の公表方針として、「当面はそれぞれ発生が判明した時点で速やかに公表を行うともに、直近に開催される合同部会にて評価を行う。合同部会でそれぞれ一度評価を行った以降は、発生時ではなく、それぞれ合同部会のたびに死亡・アナフィラキシー以外の報告事例と併せて公表」という方針について御議論いただき、御承認いただいております。
さらに、この公表方針につきましては、前回3月12日の合同部会においても確認させていただいているところでございます。
1例目の死亡症例につきましては、発生が判明した時点で公表し、その後、3月12日の合同部会において評価を行っていただいております。
今回、資料1-3にてお示ししている死亡症例につきましては、先ほど御説明した公表方針に沿って、合同部会ごとに公表させていただく死亡症例を含んでおります。
「1.報告状況」をご覧ください。令和3年2月17日から令和3年3月21日までに副反応疑い報告において死亡として報告された事例が1件ありました。また、3月24日に1例報告がございましたので、令和3年2月17日から令和3年3月24日までに副反応疑い報告において死亡として報告された事例は2件となっております。
「2.専門家の評価」です。3月2日に報告された1事例について、前回3月12日の合同部会以降の追加報告を踏まえ、専門家による評価を再度実施するとともに、3月24日に報告された1事例を対象に専門家の評価を実施しております。
結果はいずれもγでした。情報不足等により、ワクチンと症状名との因果関係が評価できないとされております。
2ページ目の別紙1に各事例の詳細をまとめておりますので、ご覧ください。
事例1、61歳女性の事例となります。
本事例につきましては、前回3月12日の合同部会でも報告させていただきましたが、前回の合同部会以降に追加報告がございましたので、更新点を中心に御説明いたします。
まず「基礎疾患等」についてですが、前回は「無」として報告しておりましたが、その後の調査の結果、頭痛、骨粗鬆症、衰弱を有することが分かりましたので、追記しております。概要のほうも更新しております。
3ページ目の下から8行目をご覧ください。前回の合同部会においては、「髄液検査は死因がくも膜下出血であることを示したが、最終診断は剖検結果による」とされていると報告いたしましたが、その後の調査の結果、「事件性がなかったことから剖検は実施されなかった」と報告されました。
また、本症例について、接種病院の報告医に連絡いたしまして、詳細を確認しましたところ、「2か所の髄液検査を行って、外傷も見つからなかったことから、臨床的には内因性の疾患としてのくも膜下出血として妥当であろうと判断になった。ワクチン接種の事実も伝え、救急担当医等の判断から事件性がないということから、解剖はしないこととなったと聞いた。以上から、救命医は内因性のくも膜下出血として判断を行った」と回答いただいておりますので、御報告いたします。
4ページ目の「専門家の評価」です。追加報告を踏まえた評価となっております。
因果関係評価はγ、専門家コメントは、剖検の結果は得られておらず、くも膜下出血の診断に関する情報が不足している。接種前の頭痛、体調不良が報告されているが、画像検査などの情報はなく、本事象とワクチン接種の因果関係は評価できないとされています。
次に、5ページの事例2をご覧ください。26歳女性の事例となります。
「基礎疾患等」は「無」と報告されています。
「(4)症状の概要」です。
接種日時は、令和3年3月19日午後、時間不明。
発生日時は、令和3年3月23日午前11時頃。
死因は、脳出血(小脳)、くも膜下出血。
概要は、3月19日、ワクチン接種1回目。接種後、アナフィラキシーなどなし、体調変化なし。
3月22日、通常勤務。
3月23日、夜勤だが、出勤されず、家族へ連絡し、当院職員も自宅へ。家族、警察、救急隊が先に午後5時15分頃到着し、死亡確認された。検死により午前11時頃の死亡と推定されたと報告されております。
詳細は、以降の記載を御確認ください。
(5)、報告者によるワクチン接種との因果関係ですが、評価不能、死亡時画像診断では、上記の所見を認め、直接死因と判断した。ワクチン接種と死亡との因果関係は評価不能と報告されています。
他要因の可能性の有無については「有」脳出血(小脳)、くも膜下出血とされております。
「(6)専門家の評価」です。
因果関係評価はγ、専門家コメントは、死亡時画像診断(CT)にて、小脳半球から小脳橋角部にかけて石灰化を伴う血腫を認めており、脳動静脈瘤や海綿状血管腫の存在が示唆されるが、特定のためには剖検などのより詳細な情報が必要である。脳出血による死亡とワクチン接種の因果関係は評価不能であると報告されています。
続いて、資料1-4をご覧ください。「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシーとして報告された事例の概要」についてです。こちらも先ほどの資料1-3の死亡事例の概要と同様に、公表方針に沿って、合同部会ごとに公表させていただくアナフィラキシー症例を含んでおります。
アナフィラキシーについては、ブライトン分類レベルの評価を行っており、3月21日までに報告された181事例を対象に専門家の評価を実施しております。ブライトン分類3以上のアナフィラキシー症例は47件となっております。
2ページ目は、参考1として、ブライトン分類レベル1~3の報告頻度、参考2として年齢別、性別報告件数をまとめております。
3ページ目以降の別紙1は、181事例の詳細となっております。
ページを飛びまして、206ページ目の別紙2にブライトン分類評価因果関係評価を行った181事例について、報告症例の内容を横1行のリストでお示ししております。
なお、一覧表では183となっておりますのは、前回3月12日の合同部会の際に口頭で説明したアナフィラキシーではないとされた症例No31に加えまして、その後、同様に報告者よりアナフィラキシーではないとされた症例No6の取下げの2例を含めてお示ししているためでございます。
なお、この中に転帰内容が「不明」「未回復」となっている症例もございます。これは最後に報告された報告内容に記載されている転帰を掲載しております。
これらの症例につきまして、報告医に連絡をして詳細を確認したところ、いずれの症例も軽快している状況であることを確認いたしております。
資料1-1から資料1-4の説明は以上です。
○岡委員 ありがとうございました。
そうしましたら、引き続いて事務局から資料1-5について御説明をお願いいたします。
○事務局 よろしくお願いいたします。
国内でのアナフィラキシーの発生状況につきまして、国内で発生したアナフィラキシー事例の最新の御報告とそれらを踏まえた対応につきまして、資料1-5で御紹介させていただきます。
2ページ目でございますけれども、まず、前回の副反応部会までの国内でのアナフィラキシーの発生状況につきまして御紹介させていただきます。
上段にありますのが、前回の副反応部会までの状況でございまして、1ポツでございますけれども、副反応疑い報告制度におきまして、アナフィラキシーとしての報告が接種開始から3月11日の時点までで37件報告されました。国内の報告件数は、欧米で公表されている報告件数と比較して多いと考えられますが、海外との比較においては、下記の理由から、単純な比較が難しい状況にあると考えられました。
日本の報告につきましては、医療機関からの報告のため、情報を精査した結果、ブライトン分類ではアナフィラキシーに該当しないものが含まれる可能性がある。
一方で、海外の報告につきましては、接種開始当初は報告の頻度が高かったことや、丁寧に報告を求めた研究報告においては、発生頻度が高かったとの報告もございます。また、接種対象者が我が国とは異なるといった状況もございます。
こうした状況の下、症例の詳細な情報を収集し、ブライトン分類による評価を進め、合同部会で審議している状況でございました。
また、前回に報告された例は、速やかに医療処置が行われ、全て軽快または回復しておりました。
こうした状況を踏まえまして、下段の「前回の副反応部会での審議結果まとめと課題」を述べさせていただきます。
1ポツ目でございますけれども、報告頻度の比較に当たっては、引き続き症状に関する情報を集めた上で、国際的な基準、ブライトン分類により精査を行うこととなりました。
2ポツですけれども、接種後は、一定頻度でアナフィラキシーを含む即時型のアレルギー反応が生ずることを前提とした上で対応を検討する必要があると考えられました。
上記を受けまして、下記の対策を一層徹底する必要があるとなりました。
1つ目は、予診において、アレルギー疾患の既往やアナフィラキシーを含む即時型のアレルギー反応の既往歴を確認すること。
2つ目として、接種会場において、接種後少なくとも15分、アナフィラキシーを含む重いアレルギー症状を引き起こしたことがある者については30分間の観察を行うこととなりました。
3つ目としまして、アナフィラキシーの発症時に対応できる体制を確保し、実際に発症した場合には速やかな治療を実施することとなりました。
3ページ目も以前にお示ししたものでございますが「アナフィラキシーに対する対応について」のスライドでございます。
ワクチンの接種により、まれに発生し得るアナフィラキシーについては、発生のリスクをできるだけ減らすための予診時の工夫、発生した場合の早期発見や早期対処、万一副反応による健康被害が発生した場合の被害救済などの複数の対策により備えていることをお示ししております。
4ページ目でございますけれども、前回の合同部会の検討結果を踏まえまして、下記の留意事項について、自治体に改めて周知したことを御報告させていただきます。
内容につきましては、先ほど御紹介させていただきましたが、3項目を令和3年3月15日付の通知で周知させていただいております。
5ページ目でございます。前回の御紹介では、日本のアナフィラキシーの報告状況と海外の報告状況につきまして併記させていただきましたが、今回は症例数も重なってまいりましたため、まず、5ページ目におきまして、日本のアナフィラキシーの報告状況につきましてまとめさせていただいております。
上段の表が、医療機関からアナフィラキシーとして報告された件数に関してでございます。下段の表が、ブライトン分類に基づき評価された件数でございます。表の上段部分につきましては、集計期間が3月11日締めということで、前回までの合同部会の結果とお考えください。
報告件数としましては、前回は、上段の表の最上段になりますけれども、18万回接種のうち35件で、先ほど資料1-4でも御紹介がありましたが、前回の集計後、2例が報告者によりアナフィラキシー事例から取り下げられたため35件となり、100万回接種当たりの報告件数は193件となっております。
今回、3月21日までにアナフィラキシーとして報告された件数でございますけれども、約58万回接種中181件で、100万回接種当たりの報告件数としましては313件となっております。
下段のブライトン分類に基づきまして評価された件数でございます。前回の3月11日までの段階におきましては、約18万回接種のうち10件で、100万回接種当たりの報告件数としましては55件。直近の21日までの集計結果といたしましては、約58万回接種で47件ということで、100万回接種当たりの報告件数は81件となっております。
6ページ目でございます。御参考までに、以前にお示ししましたブライトン分類におけるアナフィラキシーの分類評価のスライドを再掲しております。
7ページ目でございます。海外のアナフィラキシーの報告状況につきまして、まとめさせていただいております。
前回の部会でも御報告させていただきましたのが、上段の4段が米国からの報告、下段2段が英国からになりますけれども、前回の時点では、米国の上3段、英国の上1段を表として掲載させていただいておりました。
米国の4段目につきましては、参考資料として御紹介させていただきました、対象者が医療ネットワークの職員となっております6万4900回接種のうち16件のアナフィラキシーの報告が上がった報告でございまして、参考になる数値として、100万回接種当たりの報告件数は247件ということで、今回、こちらの表に入れ込ませていただいております。
また、下段の英国の評価に関しましては、備考のところに記載しておりますとおり、アナフィラキシー及びアナフィラキシー様反応を含む報告となっておりますけれども、こちらも進捗がございまして、最終的に100万回当たりの報告件数としましては19.4件となっております。
以上、報告基準や接種対象者が少しずつ異なる面となりますが、参考となるものとして提示させていただいている次第でございます。
8ページにおきまして、アナフィラキシーの報告状況について整理させていただいております。
1ポツ目でございますけれども、副反応疑い報告制度におきまして、アナフィラキシーとして報告されたものが、接種開始から21日現在まで181件報告されております。ブライトン分類に基づく評価におきまして、21日までに47件がアナフィラキシーと評価されております。
新型コロナワクチンについては、幅広く副反応疑い報告を行うことに御理解いただき、多くの報告を収集することが可能となっております。
一方で、報告内容につきまして、透明性をもって公表するため、報告件数をそのまま公表する一方で、正確な評価も重要であり、引き続いて国際的な基準に基づく評価を行っております。
また、海外との比較においては、複数の理由から単純な比較は難しい状況であると考えられております。
最下段でございますけれども、アナフィラキシーとして報告された症例の転帰に関しましては、先ほど資料1-4でも御説明がありましたとおり、これらの症例につきまして、報告医に連絡して最終的に詳細を確認したところ、いずれの症例も軽快・回復している状況を確認しております。
9ページ目でございます。副反応疑い報告に基づきました円滑な運用を図るための取組としまして「副反応疑い報告書の記載方法についての周知」についてお諮りいただきたいと考えております。
新型コロナワクチンの接種に関する副反応疑い報告については「定期の予防接種等による副反応疑いの報告等の取扱いについて」の改正等により周知・依頼しているところでございます。
また、同改正の周知等に基づき、提出のあった予防接種後副反応疑い報告につき、発生した事象に照らしたところ、以下の結果が明らかとなっております。
資料1-4でも御紹介させていただきましたように、ブライトン分類4に相当する、十分な情報が得られておらず、症例定義に合致すると判断できない報告が見られております。また、ブライトン分類5に相当するアナフィラキシーではない報告も見られます。
こうした事象も含め、幅広く報告を受けること自体は副反応疑い報告の制度に沿ったものでございますが、一方で、アナフィラキシーではない症例がアナフィラキシーとして報告されると評価が難しくなるといった側面もございます。
こうしたことを踏まえまして、論点として2つ取り上げさせていただいております。
即時型アレルギー反応に係る情報をより的確に評価することを可能とするために、アナフィラキシーの発症には至らないが、入院等を要するアレルギー反応が発生し、副反応疑い報告を実施する必要があると判断した際に、アナフィラキシー以外の病名で報告する際の記入の手順を分かりやすく示してはどうか。
また、実際にアナフィラキシーを発症したと判断した場合には、当該症例について副反応疑い報告を実施する場合には、アナフィラキシーと診断した根拠となる臨床所見をできるだけ具体的に記載するよう求めることとしてはどうかといったところを論点として挙げさせていただいております。
10ページ目でございます。今後の接種体制の拡大に当たって、アナフィラキシーへの対応の普及についての御紹介でございます。
上段で現状のワクチン接種の状況について御紹介させていただいております。アナフィラキシーの対応につきましては、既にお示ししておりますとおり、予診での留意事項あるいは接種後の観察、発生時に処置や搬送等についての留意事項を示しておる次第でございます。
そうした中、今後は、医療従事者以外の被接種者への接種が開始となる見込みとなっております。
また、これまでの医療従事者の接種と異なりまして、医療機関以外に市町村が設置した特設接種会場や高齢者施設等での接種も行われるようになります。
こうした状況も踏まえまして、現在進めております今後の対応案を御紹介させていただきます。
今後、医療機関以外の会場で多くの接種が行われる際にも、既に示しているアナフィラキシーへの対応が現場で引き続き適切に実施されるよう、情報提供等を行うことを考えております。
1つ目のポイントといたしまして、予診においてアレルギー疾患の既往歴やアナフィラキシーを含む即時型のアレルギー反応の既往歴を確認することとしておりますが、こうした際の取扱いの考え方について、予診を行う現場の医師等への普及のため、分かりやすい資料を提供することを考えております。
また、アナフィラキシーの発症時に、必要な場合には、接種場所から体制の整った医療機関への救急搬送が円滑に行われますよう、関係省庁とも連携し、改めて自治体や消防機関に搬送体制の連携の考え方を示すことを考えております。具体的な内容につきましては、後ほど御紹介させていただきます。
11ページ目は、今お示ししました、現時点で想定おります今後のワクチンの接種の流れについて、御紹介させていただいており、現在の医療従事者等への接種から、今後は高齢者への接種あるいは基礎疾患を有する者への接種が始まるといったところを絵で示しております。
12ページでございますけれども、1つ目の取組に関して、参考としまして、実際に接種会場で使用されております新型コロナワクチンの接種の予診票をお示ししております。新型コロナワクチン接種の予診票には、アレルギーの既往歴等に関する予診の端緒となる質問項目が設定されており、赤で囲った部分でございます。
13ページ目におきまして、具体的に、予診票における留意点の分かりやすい資料の提供ということで、現場の医師等に予診時に参考にしていただけるよう、自治体向けに提供予定の予診票の確認ポイントで、現在作成中のものの案をお示ししております。
先ほど赤で囲いました上段の第10番「薬や食品等で、重いアレルギー症状(アナフィラキシー等)を起こしたことがありますか」という問いにつきまして、確認のポイントをお示ししております。
ポイントといたしましては、1回目の接種でアナフィラキシーを起こした人は、2回目の接種はできません。
一方で、食物アレルギー、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)、蕁麻疹、アレルギー体質等だけでは接種不適当者にはならず、接種するワクチンの成分に関係ないものに対するアレルギーを持つ方も接種は可能ですということをお示ししております。
ただし、一方で、即時型のアレルギー反応の既往がある人につきましては、接種要注意者として、接種後30分間の経過観察をしますといったことをお示ししております。
14ページ目に移りまして、第11項目「これまでに予防接種を受けて具合が悪くなったことはありますか」というところに関しての確認ポイントでございます。
ポイントといたしましては、先ほどと同様、1回目の接種でアナフィラキシーを起こした方については、2回目の接種はできませんということを再掲しております。
一方で、アナフィラキシー以外の即時型のアレルギー反応が見られた方については、接種の是非を慎重に判断しますということを述べさせていただいております。
また、過去に迷走神経反射を起こしたことがある方につきましては、接種後30分間の経過観察を行い、ベッドに臥床して接種することも迷走神経反射の予防法の一つということで御紹介させていただいております。
下線を引いておりました解説部分におきまして、最下段の3行についてご覧ください。新型コロナワクチンの1回目接種でアナフィラキシー以外の即時型のアレルギー反応を起こした方については、第10項目も参照し、接種を見合わせるか、重度の過敏症発症時の十分な対応ができる体制の下で接種を行うかを慎重に判断する必要がありますというところで、こちらでも述べさせていただいていることを御報告させていただきます。
最後のスライドになりますけれども、円滑な救急体制の確保に向けての取組の案でございます。高齢者や基礎疾患を有する者への接種開始に向け、搬送救急体制の確保についての連携の考え方についての周知を予定しております。
1ポツ目ですけれども、新型コロナワクチンの被接種者にアナフィラキシー等が発生した場合の救急対応につきましては、既に新型コロナウイルスに係る予防接種の実施に関する手引等により周知しております。
また、今般、アナフィラキシーの副反応疑い報告がされているとともに、高齢者や基礎疾患を有する者への接種が始まることから、関係機関と連携し、医療機関への搬送が円滑に進むよう、連携に当たっての考え方を示す取組を行っております。
左下に、ポンチ絵といたしまして、都道府県、市町村、救急医療機関、消防機関が連携することによって、搬送体制の確保に向けての連携の考え方としてお示ししている次第でございます。
以上、副反応疑い報告の最新状況の報告と論点及びそれに係る取組案を御紹介させていただきました。本資料を参考に御審議いただけますと幸いでございます。
○岡委員 ありがとうございます。
事務局から今までの副反応疑い報告の状況、ワクチン接種後の死亡としての報告があった事例の御説明、そして接種後のアナフィラキシーに焦点を当てた御報告という流れで御説明いただきました。
最初に、21日の2例目のワクチン接種後の死亡の御報告もございましたので、それについて何か御質問や御意見等はございますでしょうか。資料1-3になるかと思いますけれども、いかがでしょうか。
私のほうでまとめさせていただくと、1例目の方については、前回は剖検をされたのかもしれないというお話だったのですけれども、最終的には事件性がないということで剖検されなかったということで、因果関係については、これ以上詰めることは難しいということで、一応γという判断になりましたということです。
2例目については、まだ日数がないので、今分かる段階での情報ということだと思いますけれども、御自宅で接種後4日後に亡くなられているところが発見されて、亡くなった後にAi(オートプシーイメージング)ということで、全身のCTを撮られて、小脳の出血が見つかったと。あわせて、もともと血管系あるいは腫瘍という病変があったことを示唆する所見も併せてあったのでということで、そこからの出血ではなかったのかということが診断医の先生から上がってきているということになるかと思います。
何か御意見等はございますでしょうか。いかがでしょうか。
森尾委員、お願いいたします。
○森尾委員 まず、上がってきてから割と比較的早く情報を集めていただいて、今回の部会で検討できたのはよかったのではないかと思います。
ちょっと細かいところなのですけれども、6ページ目の「専門家の評価」で「脳動静脈瘤」と書いてあって、私も医学用語を確認しなければいけないのですが、これは「脳動静脈奇形」のほうが適切なのかどうかを確認していただければと思います。AVMかどうかということだと思います。よろしくお願いします。
2点目が、2例の死亡の方々は、両方ともくも膜下出血ということなので、海外の情報等も含めて何か科学的なものがもしあれば、どこかでお示ししていただいて提示するということも重要なのかなと思っております。
以上です。
○岡委員 ありがとうございます。
一つは、コメント欄の診断名の記載と「脳動静脈瘤」なのか「脳動静脈奇形」なのかということと、もう一つは、海外での知見についてということで、事務局、いかがでしょうか。
○事務局 事務局でございます。
現時点で把握しております海外の情報につきましては、米国からの報告におきまして、頭蓋内の出血に伴う死亡との因果関係は、現在のところワクチンとの関連が明らかではないと報告が上がっていると承知しております。
○岡委員 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
病名の記載については、また御検討ください。
委員の先生方、そのほかにいかがでしょうか。
柿崎先生、手が挙がっておられるでしょうか。大丈夫でしょうか。失礼いたしました。
○柿崎委員 柿崎ですけれども、1例目の方は死後CTが撮られてなくて、2例目の方は死後CTが撮ってあります。2例目の方に関しては、石灰化があったりとか、血管腫や髄膜腫が疑われるなどの情報が増えているということで、今後、亡くなられた方などの場合に、原因究明のためのデータというか情報を得るために死後CTができる施設では死後CTを積極的に取得していただくとか、そのような啓発みたいなものはどうでしょうか。
○岡委員 ありがとうございます。
大事な御指摘かとは思いますけれども、これからいろいろな状況があり得るとは思うのですが、現時点で事務局のほうで何かございますか。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
今、岡委員からも御紹介がありましたとおり、現場で全例CTを撮るということは、評価という意味では確かに望ましいのですけれども、現場の状況もございますので、我々としてもそういった体制が望ましいか検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○岡委員 ありがとうございました。
山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 山縣です。
この時点で2例というのは、一般的に、今、日本人で10万名当たり20人ぐらいというデータがあると思うのですが、そう考えると決して少なくはないという気がしますので、くも膜下出血のハイリスクの人たちに対しては引き続き注意喚起が必要な気もします。ただ、まだ2名なので、何も言うことはできないと思うのですが、原因というか、ハイリスクの人たちだったのかどうなのかも含めて、やはりもう少し詳細なデータがあったほうがいいかなと思いました。
以上です。
○岡委員 ありがとうございました。頻度を踏まえて注意していく必要があるだろうという御指摘かと思います。
今後、1例目、2例目の情報がさらに集まるというのはいかがなのでしょうか。これ以上情報を集めるのはなかなか難しいという感じになりますでしょうか。
○事務局 1例目につきましては、医療機関報告、企業報告も上がってきてございます。その関係で、また確認をいたしますが、これよりもう少し詳しいと言われてもなかなか難しいところはあるのだと思うのですが、2例目については、まだ医療機関報告、かつ、おとといのことでございますので、今後、情報は増えていくことを期待しております。
○岡委員 引き続き集められる情報がございましたら、よろしくお願いいたします。
そのほかにいかがでしょうか。
そうしましたら、接種後に亡くなられたお二人の方に関しては、引き続きこういった症例の患者さんの情報を集めながら注意して見ていくということで、現時点でγという判定ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡委員 それでは、そのように進めさせていただきます。
そうしましたら、続きまして、今度はワクチン接種後のアナフィラキシーとして報告された事例について、先ほど報告の状況、最後に論点を整理した資料に基づいて御説明がございましたけれども、この点について何か御質問や御意見等はございますでしょうか。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 まず、資料1-4なのですけれども、すさまじい量があります。報告事例の状況が全部書いてあるのですけれども、これをいきなり直前に送ってこられても、ほとんどの方は見ることができないのではないかと思うのです。手続上、出すのはいいのですけれども、できればこの中でブライトン分類の3以上の方の集計で、アレルギーの既往があったのかとか、転帰をまとめた表を入れていただきたいのです。
たしか年齢とか性別は書いてあったと思うのですが、お忙しいのは分かるのですけれども、この部会を円滑に動かすためには、ブライトン分類3以上を事務局でまとめていただければと思っております。
あと、もう一点。資料1-5の論点で、報告の仕方をどうするかという御説明があったと思うのですが、この説明がちょっと分かりにくくて、私はあまりよく理解できなかったです。結局、国際分類というのは、最終的にブライトン分類で判断されることになるわけですね。そうであれば、まさにブライトン分類を示して、これの1~3を報告してくださいという書き方にしたほうがよほど分かるのではないかと思うのです。
以上の2点でございます。よろしくお願いします。
○岡委員 最初の御質問で、確かに膨大な資料で、これだと審議もなかなか難しいということで、これについては、何か改善のあれはありますでしょうか。
よろしくお願いします。
○事務局 資料1-4でございますけれども、これも事務局は相当苦労しておりまして、もともと手書きで書いてあるものを全部移すという作業をやっておりまして、その上でブライトン分類の評価をするということをやってございます。正直に申し上げると、これだけ数が増えると、この様な形で全部やるのは、結構大変なことになってきているなという状態で、今後はどうしようかと今考えているところであります。これらの作業をまとめたものが別紙2で、206ページ以降にまとめている形になっています。今後、接種数も大幅に増加することや先生の御指摘を踏まえて、少し考えさせていただきたいと思います。
現在、医療機関報告は全てファクスで来ている状態になっております。4月からは電子の報告が上がってくる状態になってくるのですが、一気に全部電子にならないと思っております。一方で、医療機関報告から少し遅れるのですが、企業報告が薬機法の規制で15日以内に上がってくることになっています。一般的に、その報告のほうがより詳細になることと、また、電子で上がってくるようになっていまして、そちらのほうを活用することも含めて、少し考えさせていただきたいと思います。
○岡委員 よろしくお願いします。これからさらに接種者の数が増えると、報告数が増えてきますので、本当に事務局もどのようにされるかをよく準備をお願いしたいと思います。大事な点だったかと思います。
2例目の論点で、これは資料1-5の9ページ目ぐらいのところの資料についての御指摘であったのではないかと思いますけれども、事務局、いかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
こちらは、少し情報量が多くて恐縮でございますけれども、我々の意図といたしましては、繰り返しになりますけれども、臨床の現場の先生が報告する際に、より的確に評価することを可能とするということを主眼に考えております。
御存じのように、ブライトン分類は非常に複雑な、やや情報量が多いものになっておりますので、一応、通知にも添付資料としておつけすることは考えておる次第でございますが、それをよりいい形で御利用いただけるような分かりやすいメッセージを添えた資料を作っておりまして、申し訳ございませんが、本来であれば参考資料としておつけしたほうがよかったのですけれども、先生の御意向を組むような通知をする予定としております。
○岡委員 濱田先生、よろしいでしょうか。
○濱田委員 はい。特に最初のほうは、事務局は非常に大変な仕事量になると思うので、それを迅速に審議するためのうまい方法を御検討いただければと思っております。よろしくお願いします。
○岡委員 それでは、次は柿崎委員で、その後に佐藤委員としたいと思います。
柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 次の資料1-5にも関連するかと思うのですけれども、アナフィラキシーの疑いの中から、ブライトン分類4、5を除いた1~3の数が議論されるわけですが、ブライトン分類4の情報不足で除外される症例と、ブライトン分類のアナフィラキシーではない、その他で除外される症例で若干違うかと思うのですけれども、今回報告された中で、ブライトン分類4で除外された症例の比率や数、情報不足の中でどういった情報が不足していたのかというのが分かれば、教えてほしいのです。
○岡委員 ありがとうございます。
ちょっと細かい点になってしまいますけれども、いかがでしょうか。
まず、ブライトン分類の4がどのぐらいかというのは、どこかの資料にございますでしょうか。
○事務局 まさに資料1-4にございまして「2.専門家の評価」の部分になります。令和3年2月17日から3月21日までの報告が181件ございまして、うちブライトン分類が4だったものが132件でございました。
○柿崎委員 「ブライトン分類」で数字が書いてあるところは分かるのですけれども「-」になっているのは、そこの数字はどうなのでしょうか。資料1-4の206ページ以降に、ブライトン分類が記入されている欄があるのですけれども、数字が入っていない方もいらっしゃるみたいなのです。
○事務局 別紙2の資料の見方なのですが、3月12日時点の前回の合同部会の段階でのブライトン分類のものと、新たに今回の部会の3月26日時点で分類したものがございまして「-」になっている部分は、3月12日時点で、前回の時点ものです。それも踏まえて、報告が追加であったものや、今回新たに来たものについて数字を入れております。
○柿崎委員 分かりました。ありがとうございます。
○岡委員 あと、柿崎委員の御質問で、あとどういった情報を追加してもらえばいいのかということは、今後、御検討いただけますでしょうか。いかがでしょう。
多分、今、即答は難しいと思うのですけれども、先ほどの報告資料を変えていこうというのもその辺りとつながっているのですが、もし今何か答えられることがあったら、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
アナフィラキシーの判定につきましては、血圧の情報があるとか、循環に関する情報が非常に重要なのですが、現場のお忙しい先生の中で、そういった詳細な数値とかそういったものはなかなか書けないという状況もあるかと思います。
ただ、一方で、我々として評価するに当たって、こういった項目が重要ですといった項目は、一応述べさせていただいておりますので、現場に御負担がかからない範囲でそういったアナフィラキシーの判定に必要な項目も記載していただければと考えております。
○岡委員 ありがとうございます。低血圧があるかどうかは本当に大事なポイントになってきますので、その記載をということかと思います。
よろしいでしょうか。
○柿崎委員 ありがとうございます。
○岡委員 次に、佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 今、資料1-5についての質問をしても大丈夫ですか。
○岡委員 はい。大丈夫です。
○佐藤委員 今日、資料1-5の情報提供の文言的な部分でかなりお話を詰めないといけないようなことをおっしゃっていたと思うので、念のためにちょっとお伺いするのですけれども、13ページ目の資料の提供と書いてあるところがあるのですが、これがこのまま医療機関に配布されるのですか。
○岡委員 いかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
ちょっと情報量が多くて大変恐縮でございますけれども、タイトルの下のところにございます内容としましては「現場の医師等に予診時に参考にしていただけるよう、自治体向けに提供予定」としておりまして、実際に予診票の確認のポイントという形でお示ししております。
今後、広く接種会場あるいは接種対象者が広がっていく中で、いろいろな先生が接種に関わっていただくと理解しておりますので、そういった現場の医師等の方々に情報としてより分かりやすいメッセージを伝えていければといったところで、現在、作成中というところで案という形にはなっておりますけれども、こうした取組をしておりますといった御紹介となります。
○佐藤委員 13ページ目のものは、自治体に配るのであって、現場には行き渡らないのですか。
何が気になったかというと、一つには、接種要注意者への注意という書き方がまず気になっていて、今までのすごく大変な量のデータを全部まとめていただいて、だからこそ分かったのですけれども、リスク的なことを考えると、接種要注意者は、確かに気管支ぜんそくや食物アレルギーとかのアレルギーの既往症のある方は、そういった症状を出されている確率が高いのかなと思いつつも、全員が全員出されているわけではないのだろうとも思いつつ、資料を拝見していました。要するに、実際にアレルギーをお持ちの方は、全員が全員副反応が激しいとか、出るということではないのだろうというのが正しいのだろうと思います。
恐らく、ここで言わなければいけないのは、即時型のアレルギー反応がある方が要注意者であるということなのですね。食物アレルギーという方の中でも、特に即時的なアレルギー反応がある方は要注意者ですと先に書かないと、リスクのコミュニケーションの順番としてはよくないのかなと思ったのが一点です。
ただし、アレルギー反応によっては受けられる方もいらっしゃいますということで、御注意していただくのがいいのかなと思いました。実際、本当であったら、アレルギー反応があるからといって、全員が全員こういった副反応が出るわけではない、全員これを受けないほうがいいと思ってしまうのは誤解なので、それは避けるべきだと思うのです。
そこはしっかりと分けて、きっちり伝わるような言い方にしないといけないということと、予診票はこう見ても全然分からないのです。だから、最初に、医療機関の方に13ページの資料が届くのだと私は思ったのです。それで実際に予診票を見ながら、先生と患者さんが相談する機会を設けられることを想定していらっしゃるのかなと思ったのです。
でも、そういうわけではないとなると、今、本当に起こっている現場の情報が何となく伝わらないですね。だから、13ページはすごく詳しいのですけれども、これを現場の先生がきちんと患者さんに御説明して、リスクというのも段階的なものだということをきちんと分かっていただけて、正しい選択をしていただけるという形にできないものなのかと思って、13ページと12ページの予診票の辺りの文言的なところをもう少しうまくブラッシュアップされるといいのかなと思いながら伺っていました。
○岡委員 何か事務局のほうでありますか。
先生の意図は分かりました。
○佐藤委員 自分たちの周囲情報と乖離があるので、情報が行き渡っていないのだと思います。怖いという気持ちと受けなければいけないという気持ちがせめぎ合っているのでは。
○岡委員 佐藤委員、私から一言よろしいですか。
もちろん、委員の御発言を遮るつもりはないのですけれども、ほかの資料もあってのこの資料かなと思います。先生の非常に大事な御指摘で、アレルギーを持っている人は、みんな打てないのではないかと思ってしまうのではないかという御指摘だと思うのですけれども、確かに実際にアナフィラキシーの既往のある方は、人口の中で1~5%ぐらいいらっしゃるので、先ほどの100万単位でいうと、1%だと1~5万人ぐらいいることになってしまうわけです。ですので、その中で実際に起こす方は圧倒的に少ないのだということは、確かに先生がおっしゃるように、情報を伝えていく必要は本当にあるのかなと思います。
これは、要するに問診する医師向けにこういう情報を出していこうということかと思うのです。医師のほうは、この説明文で、ポリエチレングリコールも前回、佐藤委員に御指摘いただいたので、かなり分かりやすく書いていただいたのかなと思うのですけれども、それについて、どういうものを注意したらいいのかというのが医師には伝わるようにはなったのかなと思いますが、さらに一般の方にその辺りの不安を軽減するようなコミュニケーションがあってもいいのではないかといった御指摘でよろしいですか。
○佐藤委員 はい。そうです。ありがとうございます。
○岡委員 多分、確かに問診する医師は分かると思うのですけれども、その前段階で打たれる方は、恐らく、どちらかというと自分はどうかとかかりつけの先生と御相談されることになるのではないかと想像しますが、その辺りは。
○佐藤委員 13ページ目の資料は、自治体で止まると今、事務局の方が。
○岡委員 これは医師が予診のときに参考にするとここに書いてありますので、現場の先生方のところまで行くということです。
○佐藤委員 これは医師の方には行き渡るということですね。分かりました。
○岡委員 よろしいでしょうか。
そうしましたら、伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 2つお伺いしたいのですけれども、1つ目は、今の佐藤先生の御指摘と少し似ているのですが、13ページに1回目の接種でアナフィラキシーを起こした人は、2回目の接種はできませんということで、アナフィラキシーとして医療機関から報告されてきても、結局、専門家の先生方の御判断でブライトン分類4だったり5というのが多いということが分かったわけですけれども、そういったフィードバックといいますか、ブライトン分類4とか5とされた方々も2回目の接種はできないのか、あるいは専門家の御判断を現場のほうにフィードバックして、そういう方々は2回目を受けられるのかとか、その辺りはどのようにお考えでしょうか。
○岡委員 フィードバックするかどうかという点については、いかがですか。
○事務局 ありがとうございます。
今日の資料で既に公表していますので、個別にご覧になってこれだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、個別の医療機関に一つ一つの症例について、これは4です、5ですとか、そういうことをお示しすることは予定しておりません。アナフィラキシーに分類されるものも、そうでないとしても、過敏症の症状があったということは間違いないことだと思いますので、現場でそれをご覧になっている先生方が接種の適否について御判断いただくということが適切なのだと思っております。
○伊藤(清)委員 分かりました。ありがとうございます。
それと、ちょっと違うところなのですけれども、7ページに海外のアナフィラキシーの報告状況についてまとめていただいているのですけれども、数字だけを見ると結構幅があって、なかなか比較が難しいところだと思うのですが、恐らく、それぞれの報告基準が異なると思いますので、できればその辺りを分かる範囲で示していただけたらいいかなと思うのですが、この中で例えば英国の最後の19.4件というのは「アナフィラキシー及びアナフィラキシー様反応を含む」ということで、この表現は、日本の基準よりも緩いのでしょうか。それでもこの程度だと考えられるのでしょうか。
○岡委員 その辺りはいかがですか。事務局で分かりますか。
よろしくお願いします。
○事務局 根拠につきましては、英国のMHLRAが出している報告書がございまして、そこから引っ張ってきて、そこに書いております。
これ以上となると、別途英国の担当者へのコンタクト先を探して、連絡して条件を調べるということをやらなければいけませんので、そこまでやっている余裕がないという状態で、申し訳ございません。今はそんな状況であります。
○伊藤(清)委員 分かりました。前回のJAMAの247件にしても、恐らく基準が違うことで、単純には比較できないということでしたので、この数字だけ並べてしまいますと、誤解を招くこともあるかなと思いましたので、分かる範囲でそういった基準も一緒に示していただけるといいかと思いました。
以上です。
○事務局 ありがとうございます。
できる限りはそういうことをさせていただきたいと思うのですが、確かに基準だけではなくて、例えばアメリカではベアーズという制度がございますが、どれぐらいそれが浸透しているかとか、日本の場合、一応、法律に基づいた報告制度になっているのですが、そこまでやっているかとか、アメリカの場合は、なかなかそこまで調べられていないという状況でありまして、そこも含めてできる限りやっていきたいと思っております。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
それと、言い忘れてしまったのですけれども、例えば1回目の接種と2回目の接種で分けてこういう表を示すことは可能なのでしょうか。もしそれができたら、もう少しいいかなとも思うのです。
○岡委員 いかがですか。
○事務局 米国の場合で、今、うろ覚えの数字を言ってはいけないのでしょうけれども、1回目と2回目で、2回目がゼロではなかったのですが、かなり少ないという結果になっています。恐らく、1回目にアナフィラキシーを起こした方は、2回目を打たれなかったのではないかと想像いたします。
○岡委員 よろしいでしょうか。
○伊藤(清)委員 はい。ありがとうございます。
○岡委員 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
先ほどの委員の先生方と類似していますが、資料1-5の論点の2つ目のマルですが、アナフィラキシーの診断根拠となる臨床所見をできるだけ具体的に記載するように求めることとしてはどうかについてですが、血圧のこともそうですが、副反応の確度を上げること自体には異議、異論はありません。一方で先ほどまでのブライトン分類4の部分ではないですが、必要以上の記載を求めると、現場の医療従事者の負担にもなるので、所見をどこまで求めるかというのは、ある程度具体的な案みたいなものは出ているのでしょうか。
○岡委員 現時点でいかかですか。次回出すというのは。
どうぞ。
○事務局 事務局でございます。ありがとうございます。
先ほどは代表として血圧や循環に関する情報ということでお出ししましたけれども、次回、資料として掲載させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○岡委員 よろしいでしょうか。
○舟越委員 もう一つですが、先ほど佐藤委員からもありましたが、地域住民の場合ですと自治体から各集団接種会場、サテライト会場、連携施設会場に先ほどの分かりやすい資料みたいなものが回ってくるということは現場では理解しておりますが、資料関係で、今、事務局負担が非常に厳しいということですが、例えば動画、紙媒体なのか、PDFでどこか厚労省のページへの掲載も含めて、どういった形で提供するのか提供媒体で、紙なのか、PDFなのか、あとはもし動画等があると、現場でもeラーニングやストリーム配信ができるので、地域住民の方のリスクコミュニケーションのこととは別として、今回は医師といっても、どの医師も皆さん全員で接種をやっておりますので、幅広く周知をするに当たって、幅広くこの情報が周知される媒体をどう考えているかということが一つ質問です。
○岡委員 いかがでしょうか。
事務局から何かございますか。
お願いします。
○事務局 事務局でございます。
こうした資料の周知につきましては、非常に重要なことだと思っております。これまで厚生労働省のホームページに自治体向けのページ、医療機関向けのページ、医療従事者向けのページをつくっておりまして、そういったところでできるだけ見やすくこうした情報をご覧いただけるようにということに心を砕いているところでございます。こうしたものをつくらせていただいたときには、そうした医療機関向けのページ等に掲載させていただいて、接種をされる方がそこを見れば、一覧性を持って見られるような工夫をしていきたいと思います。
加えて、先ほど動画というお話もありましたけれども、例えば接種の手技に関わることなんかにつきましては、文字だけではなかなか表現できない部分もございますので、そうしたことを中心に、動画の作成などについても進めているところではございます。
○舟越委員 ありがとうございます。
最後に、一つ注文なのですが、前回3月12日のときにもお話ししましたが、各学会でステートメント、いろいろな提言が出ております。例えば日本アレルギー学会ですと、アナフィラキシーや過敏症が出たときに、ポリエチレングリコールを添加物として含まないH1拮抗剤を使用することが望ましい提言を書いていたりとか、そこら辺は学会と厚労省の部分での情報をある程度一元管理していただけると、専門医ですと学会のステートメントは見落とさないと思うのですが、一般の総合診療医等でそういったものを見落とすケースも出てきますので、先ほどの情報提供の媒体と併せてなのですが、学会関係の部分でそういった情報は一元管理していただけるというのは、現場の医師から要望が上がっておりましたので、一言添えさせていただきます。
以上です。
○岡委員 今の点について、事務局から何かコメントはございますでしょうか。
○事務局 御指摘ありがとうございます。事務局でございます。
御指摘のように、アレルギー学会のほうでもガイドライン等を出していただいているのは承知しておりまして、実際に我々としても、今回の部会に備えまして、アレルギー学会と連携しての取組を行っていこうと思っていたところなのでございますけれども、学会のほうでもコロナ禍でございまして、大変お忙しいといったところもありまして、今後、近いうちに協議して、すり合わせを行いながら、正しいメッセージがより伝わっていくようにしていきたいと思っているところでございますので、引き続き努めてまいりたいと思います。御指摘ありがとうございます。
○岡委員 ありがとうございます。
それでは、宮川委員、お願いいたします。お待たせしました。
○宮川委員 各委員の御懸念がすごく分かるのです。現場では接種要注意者と接種不適合者をどうやってきちんと区別するかということが大事になってきます。それもなるべく短時間に判断することを集団接種であれば、なおさら要求されます。
その中で、接種要注意者をどのように扱っていくのかが重要です。接種者である医師をはじめとする医療者、それから、される側としての国民が、双方ともが共有できる、予診票を補う形の用紙が求められます。正しくワクチンを受けるための用紙です。その用紙を持って接種会場に行く、例えば高齢者であれば、いろいろな医療機関がすでに関わっているわけですから、前もって作成してもらい、接種医が速やかに的確に判断できる工夫が必要です。前回もご指摘申し上げましたが、予診票をつくるに当たっての予診票というようなものを、共通の材料にしていくということが重要なのではないかと思います。
ですから、アレルギーとかアナフィラキシーについて相談を受ける地域のかかりつけ医がお手間ですが関わっていただき、各委員がご懸念され、いろいろと御意見されている問題を少しでも解消できればと思います
そういう意味では今回、接種する側とされる側双方がワクチンを勉強する本当にいい機会だと捉えて、今後の日本のワクチン体制をしっかりと作り上げる礎とすることが大切です。そしてもちろん、私たちだけではなくて、それを報道する側もしっかりとワクチンを勉強していただいて、どのように取り扱っていくのか、そしてアナフィラキシーをはじめとする副反応をどう報道していくのかが問われていると思います。
今、アナフィラキシーと言いましたけれども、アナフィラキシーと、アナフィラキシーとして報告が上がっているのは、明らかに違います。そういう意味で、アナフィラキシーは即時型のアレルギーの一例にすぎないということも含めて、接種する側、される側双方がしっかりと理解しながら、また報道する側も理解していただくことが重要です。いたずらに接種会場で迷走神経反射による事象がたくさん起こってくるようなことがあってはいけません。そういうことも含めて、これからいろいろなメッセージを出していくことが大切です。短期間に解決しなければならないことが多く大変なのですけれども、各委員にもお願いして、さまざまな工夫の中で事態を収束させなければなりません。
以上でございます。
○岡委員 ありがとうございます。今日非常に御質問が多かった点について、お答えできる方向で御準備いただいているということで、またそれを参考にさせていただければと思います。
倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 ただいまの議論と少し違うことでもよろしいですか。
○岡委員 はい。結構です。
○倉根委員 資料1-4の別紙2を見ると、接種された先生はほぼ関連があると出してきておられるのですけれども、α、β、γで見ると、8割方がγという判定であります。2割ぐらいがαで、βはまずない。
そうすると、専門の先生というか、判断を下す先生がγだと、情報量が足りないので判断ができないということであるとすれば、全てがαかβになるとは思いませんけれども、何かもうちょっとどのようなデータがあると判断できるのかということを伺うことによって、あまり現場の負担にならないような、しかし、もしこういうデータがあれば、もう少し判断ができるのだという御意見をこの判断をする立場の先生に伺って、これが5割か6割はαかβになるということができればいいのではないかと思いました。
ただいまですと、8割方が判断できないということであると、集めてきたデータあるいは報告していただいたことの意味がなかなか難しいのかなと思いましたので、できる限りここをきちんと判断いただくような形に持っていければいいのではないかと思いました。
そういう意味で、これはひょっとすると今の資料1-5の論点で、例えば他の臨床所見をもう少し記載していただきたいとか、少しでもキーになるものがあるとすれば、そこについても報告をお願いすることが必要なのではないかと思いました。そういう意味で、私はここの根拠となる臨床所見をできるだけ具体的にということに私は賛成であります。
○岡委員 ありがとうございます。先ほどの点について、そういう方向でいいのではないかということだと思います。
どうぞ。
○事務局 1点だけ御報告申し上げたいと思います。
倉根先生が御指摘のどういう情報が必要かということについては、今回の資料1-2にあるのは、企業報告になります。企業報告は、いろいろな例外があるのですけれども、医療機関報告を受けた形で企業が詳細情報を調査することが多いです。医療機関報告が一番すぐに報告が上がってきます。その後、医療機関報告を受けたかたちで企業報告の調査が開始されます。
企業報告は、先ほど申し上げましたように、薬機法の規制によって15日以内に報告というルールがありまして、字が小さくて恐縮なのですが、資料1-2の後ろのほうにずらっと書いてあるように、どういう経緯があったかということも含めて詳細がほとんどの場合電子データで報告されます。それを踏まえて、通常のワクチンですと、資料1-2の後ろのほうに書いてありますけれども、ブライトン分類を含めてα、β、γという評価をしております。
このように、通常のワクチンでは、PMDAによる評価は企業報告をベースとして行われてきているのですけれども、今回のCOVIDの件につきますと、アナフィラキシーが注目されましたので、我々としましては、企業報告を待つ前に、医療機関報告でも何らかできないかということで、先ほどこんなものを突然送られてもという状況の御批判をいただきましたけれども、今回、資料1-4というすごく分厚いものをつくりまして、α、β、γ、ブライトン分類をしたという経緯になってございます。
これは先ほど御指摘いただきましたように、いつかの段階では本来の企業報告を基にした評価に変えていかなければと思っているのですが、いずれにしても、今はまだ始まったばかりで注目されているところもありまして速報性を重視した対応をしております。今回は必死になって何とかなったのですが、ご指摘も踏まえて、正確性と迅速性のバランスで対応を考えていきたいと思っております。
○岡委員 倉根委員、よろしいですか。
○倉根委員 分かりました。
そうすると、今後、報告もγが少し減ってくるといいますか、γではなくて違う判断が下されるものも出てくるだろうということと、そこに時間のファクターがあるということも分かりましたので、今後、γのパーセントを減らすことが可能なように持っていっていただければと思います。
以上です。
○岡委員 宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 個別接種であればいいのですけれども、集団接種であると、循環動態は非常に把握しづらいと考えます。事前の情報が乏しいからです。現行の予診票では推察できません。先ほどお話しした予診票のための予診票ではないですが、そのような用紙に常なる血圧とか脈拍数等を含めた記載があれば助かります。それを持って集団接種場に向かうという形にすれば、集団接種会場でのいろいろなバイタルの違いが判ります。そういうものも患者さんに提供できるような体制をつくっていければいいのではないかと思っています。そうすると、ブライトン分類に関して、後で疑義になるようなことも少なくなりますし、事後の拾い上げも意外とスムーズになるのではないかと思うので、工夫してみたいと思っています。
以上でございます。
○岡委員 ありがとうございます。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
今回の重いアナフィラキシーの報告を受けまして、アレルギーを専門としていない私たち感染症疫学センターのスタッフでブライトン分類のレベルが1~5のどれになるのかがすぐに分かるようなアルゴリズムをつくってみました。厚生労働省にお送りしているのですけれども、ぜひアレルギーの専門の先生に見ていただきまして、報告してくださるドクターがアレルギーの専門である、専門でないにかかわらず、ブライトン分類で何に当たるかがすぐに分かるような1枚紙をつくってみましたので、もしよろしかったら御審議していただければと考えております。
もう一つ、昨年、ADEMやGBSについて、こちらも報告書からは判断ができないという専門医の先生の御回答が多かったので、2ページぐらいの調査票をつくった経緯があります。御負担をかけるのは全く本意ではないですが、必要であれば、調査票をつくっていくというのも一つの方法かなと思いましたので、発言させていただきました。
○岡委員 何か事務局からございますか。
どうぞ。
○事務局 ありがとうございます。
多屋先生からブライトン分類におきます分かりやすいフローを頂戴しておりまして、また、今、お話にありましたように、接種会場だけでなくて、評価する方々にも非常に御負担になってくるところもあると思います。そういったところの負担も含めて、分かりやすい資料が集まってくることによりまして、全体がうまく回っていくのではないかと考えておりますので、ぜひ参考にさせていただきながら、また御相談していければと思っております。ありがとうございます。
○岡委員 ありがとうございます。
そのほかにございますか。
佐藤委員は、これは手を挙げていただいている。失礼いたしました。
○佐藤委員 今までの議論で先生方に言っていただいたことと関連してなのですけれども、今、多屋先生がアルゴリズムをおつくりになったということで、これから実証という段階なのかなと思いながら伺っていました。
ただ、実証するためには症例数が必要だと思います。資料1-5の9ページではアナフィラキシー以外の病名で報告する際の記入の手順を分かりやすく示すなど、記入法のハウツーを提示されるような記載があるのです。
これについても、さっきの舟越先生の御質問だったと思いますけれども、2番目のマルに関しては、来週ぐらいには原案がとおっしゃっていたように思うのですが、1番目の論点についても、例えばブライトン分類の4、5はアナフィラキシーと書かないでくださいみたいなことをはっきりと書くようなドラフト的なものが来週までにできるのですか。そのあたりがはっきりしないので教えていただけますか。
○岡委員 いかがでしょうか。
どうぞ。
○事務局 事務局でございます。
今日、いろいろと御意見をいただきまして、なるほどと思ったところもございますので、そういったものを参考にまとめるつもりでございます。
そこまで報告の在り方あるいは対象を変えることを想定しているわけではありません。何らかの理由があって報告基準に該当するということで報告されているということが現状なのだと思いますが、ただ、報告書の書き方のところでアナフィラキシーとその他という2つの欄があるだけなので、アナフィラキシーに近いとアナフィラキシーに丸がつきがちになってしまうとか、いろいろな報告書の様式の特性もあると感じております。そういったところの書き方を分かりやすく示すということでございますので、今日いただいた御意見を私どものほうで整理して、実施させていただきたいと思っておりまして、何か医学的に御相談させていただくようなことがあれば、また御相談させていただきますけれども、そういった報告の取扱いにつきましては、できましたらこちらのほうで進めさせていただけないかと思っているところでございます。
○佐藤委員 それを拝見する機会はいただけるのでしょうか。
割とこれは分かりますね、というときと、分からないですね、というときがあると思うのです。今日も時間が迫っていることも重々承知なのですけれども。
○岡委員 それは厚労省のほうでも検討いただいて、ただ、ここで審議しなければいけないことと、厚労省の判断でできることがあると思いますので、そういう意味で、その点については、場合によっては事後報告のものもあるかなと思いますので、その点は御理解いただく必要があるかなと。
○佐藤委員 分かりました。もちろんです。
恐らく、この辺が最初の元のデータに非常に近い部分で、ここのスタートラインで御負担自体もすごく変わってくるのだろうと思って拝見しましたので、ぜひ御考慮いただいて、うまくスピーディーに対応できるようにしていただければ十分だと思います。ありがとうございます。
○岡委員 ありがとうございます。
厚労省の事務局のほうには、今日、いろいろと宿題があったかと思いますけれども、この会の委員への情報の出し方は、幾つか本当に難しい問題があると私も思います。それから、特に委員の先生方から御指摘がありましたのは、今日御提案がありましたような現場の先生方への報告の様式への御意見です。ただ、方向性については、ブライトン分類をより書き込んでいただく方向性というのは御同意いただけたのではないかと思っています。あと、国民の方への情報の出し方という3点が主だったかなと思っております。
この部会として大事なことは、現在上がっている報告についてどう考えるか、今の新型コロナの予防接種の方向性はこれでいいのかということですけれども、今回御提示いただいたデータからしますと、0.13%の副反応の報告があって、その中で例えばアナフィラキシーについては100万のうち181名ですという頻度ではないかという報告が上がってきているということかと思います。
ただ、この時点での外国との比較は非常に難しいところがあるので、現在としては、前回の部会の結論だったと思いますけれども、引き続き皆さんに情報を開示しながら副反応の報告を集計していくという方向性ということでよろしいのかなと。これらの点については特に御異論がなかったかなと考えております。
(首肯する委員あり)
○岡委員 そして、新たに接種後にお一人亡くなられた報告がございましたけれども、その方については、判定としてはγということで、現時点で因果関係を強く示唆するという結論にはならないということで、引き続きこれもしっかりとデータを集めながら注視していくということで、現在の予防接種の方向性は維持するということでよろしいということかなと思います。
(首肯する委員あり)
○岡委員 ありがとうございます。
すごくたくさんの御意見をいただきました。少し、せかされるような感じになってしまったこともあり、繰り返しになるところもありますが、全体として本会議の意見を整理したいと思います。
副反応疑いの報告の状況としては、先ほど申し上げたように、医療機関からの報告に基づけば0.13%ということでありました。そして、アナフィラキシーの報告状況からしますと、海外との比較において、複数の理由から単純な比較は難しいという状況で、透明性をもって公表するために、報告件数をそのまま公表する一方で、正確な評価も必要であり、引き続き国際的な基準に基づく評価が行われていく必要があると認識しております。そして、アナフィラキシーの症例は、適切な対応により、現時点で軽快していることも大事なことかと思います。それを引き続き続けていくということかと思います。
報告書の記載様式につきましては、アナフィラキシー以外の病名で報告する際の記入手順を分かりやすく示すとともに、アナフィラキシーとして報告する場合には、アナフィラキシーと診断した根拠となる臨床所見をできるだけ具体的に記載するよう求める必要があるのではないかというのがこの部会の結論かと思います。
今後、医療機関以外の会場で多くの接種が行われる際にも、アナフィラキシーへの対応が現場で適切に実施されるように、予診を行う医師等に分かりやすい資料を提供する、あるいは接種場所から体制の整った医療機関への救急搬送が円滑に行われるように、自治体や消防機関に搬送体制の連携の考え方を周知するといった取組方を進めていくことに意義があるのではないかといったまとめ方をさせていただきます。
そして、死亡事例についてですけれども、前回の合同部会以降、新たに1件の報告がありました。これまでに2件の報告がなされております。1件目がくも膜下出血、2件目は小脳出血及びくも膜下出血が死因として報告されていますが、前回報告された死亡例については偶発的に発生し得る疾患と考えられ、現時点で接種との因果関係を肯定するような情報は得られていない。また、今回新たに報告した死亡例についても、CT画像により脳腫瘍血管病変等の存在が示唆する石灰化を伴う血腫を認めており、もともと頭蓋内の病変が存在したと考えられた。
以上のことから、現時点で得られた情報から因果関係は評価できないが、偶発事象の可能性もあり、ワクチンとの直接的な関連性を示す事実はないと考えました。
また、現時点ではワクチン接種に対するメリットはリスクを上回ることから、ワクチン接種に対する考え方を変える状況にはないと考えられます。
しかし、引き続き同様の事象がないかどうかについては注視しながら、副作用反応の報告を集めていく必要があるといったところでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡委員 繰り返しになった部分がありましたけれども、すみません。
ありがとうございます。
そうしましたら、以上のような具体的な事例を踏まえて、現在行われている対策を一層徹底することを前提とした上で、新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについて、御意見があれば、もう一度お聞かせいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
特に変更の必要がないということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡委員 御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡委員 ありがとうございます。
そのほかに御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、事務局にお返しします。失礼いたしました。
○事務局 本日は、長時間にわたり、活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○岡委員 ありがとうございました。それでは、本日の会議をこれで終了いたします。
活発な御議論をありがとうございました。