2021年2月12日 第8回「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」 議事録

日時

令和3年2月12日(金) 10:00~12:00

場所

中央合同庁舎5号館厚生労働省議室(9階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

出席者

参集者:五十音順、敬称略
磯博康、杉薫、髙田礼子、高橋正也、
嵩さやか、豊田一則、西村重敬、野出孝一、水島郁子

厚生労働省:事務局
小林高明、西村斗利、西岡邦昭、中山始、中村昭彦 他

議題

  1. (1)脳・心臓疾患の労災認定の基準について
  2. (2)その他

議事

議事録


○中村職業病認定対策室長補佐 ただいまより、定刻を過ぎましたので、第8回「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、会議に御出席いただきありがとうございます。本日の委員の御欠席について御報告いたします。小山委員が欠席となります。髙田委員と豊田委員は遅れての参加となります。また、今回は、髙田委員、高橋委員、嵩委員、豊田委員、野出委員、水島委員の6名の方がオンラインでの参加となります。
最初に会場で御出席の方にお願いいたします。発言される際には、長いマイクの下のボタンを押していただき、赤いランプがつきましたら御発言をお願いいたします。終わりましたら、お手数ですが再度ボタンを押していただきますようよろしくお願いいたします。
次にオンラインで参加される委員の方にお願いがあります。前回と同様に、発言される際にはマイクのミュートを解除した上で、お名前と発言があります旨を発言していただくか、またはインスタントメッセージで「発言があります」と送信していただき、更にその後、座長から誰々さんお願いしますと指名させていただいた後に発言をお願いいたします。御協力をよろしくお願いいたします。また、大変申し訳ありませんが、通信が不安定になったり通信速度が遅くなったりすることで、発言内容が聞き取りにくい場合があることに御容赦願います。
傍聴される方にお願いがあります。携帯電話などは、必ず電源を切るかマナーモードにしてください。そのほか、別途配付しております留意事項をよくお読みの上、検討会開催中はこれらの事項をお守りいただいて傍聴されるようお願い申し上げます。また、傍聴される方には、会議室に入室する前にマスクの着用をお願いしておりますので、御協力をお願い申し上げます。万一、留意事項に反するような行為があった場合には、この会議室から退出をお願いすることがありますので、あらかじめ御了承ください。
写真撮影はここまでとさせていただきます。以後、写真撮影等は御遠慮ください。よろしくお願いいたします。では、磯座長、以後の議事の進行をよろしくお願いいたします。
○磯座長 おはようございます。それでは、議事に入る前に、事務局から本日の資料の確認をお願いします。
○中村職業病認定対策室長補佐 それでは、資料の御確認をお願いいたします。本検討会はペーパーレスでの開催とさせていただいておりますので、お手元のタブレットで資料の確認をお願いいたします。
本日の資料は、資料1「第8回における論点」、資料2「評価期間に関する平成13年検討会の検討内容」、資料3「第6回検討会の議論の概要」、資料4「第7回検討会の議論の概要」、参考資料として「団体からの意見要望」となっております。
○磯座長 それでは、資料1の論点に沿って検討を進めます。今回は主に第6回で検討しました「対象疾病」、これまで検討を行っていない「評価期間」、前回検討しました「異常な出来事」及び「短期間の過重業務」について検討を行うこととします。
始めに、論点Ⅰの対象疾病について説明をお願いします。
○西川中央職業病認定調査官 それでは、事務局から対象疾病について御説明をさせていただきます。その前に、先ほど座長の磯先生からも触れていただきましたが、本日の検討会では論点を3つ予定しております。論点ごとに事務局から御説明をいたしまして、先生方に御議論をいただくという形で進めさせていただきたいと考えております。
なお、本日の資料は資料1~4となりますけれども、それと別に参考資料を付けさせていただいております。本年1月15日付けで、過労死弁護団全国連絡会議から、本検討会における検討に関する緊急意見書を頂いております。これを参考資料として提出しておりますので、内容の御紹介は割愛いたしますけれども、適宜、御参照くださいますようお願いいたします。
それでは、論点Ⅰの対象疾病について御説明をいたします。対象疾病につきましては、12月の第6回検討会で様々な御意見を頂いております。第6回検討会の概要については、資料3として別途取りまとめておりますので、こちらも内容の御紹介は割愛させていただきますが、御参考としてください。
資料1を御覧ください。1ページ目からはいつものとおり論点を簡単にまとめておりますけれども、3ページ目以降が詳細な論点となっております。3ページ目以降に沿って御説明をさせていただきます。
3ページです。まず、A「心不全」に関する論点です。不整脈による心不全等について、第6回検討会で、事務局で再度整理するということとなっておりました。第6回でも御説明しましたとおり、平成8年の認定基準の改正において、「不整脈による突然死等」が対象疾病として追加されました。この部分は平成13年の改正におきまして、「心停止(心臓性突然死を含む)に含めて取り扱う」とされております。ここで言う、「不整脈による突然死等」については第6回でも御説明をいたしましたが、右の参考事項欄にありますとおり、心停止のほか、「心不全症状あるいは脳虚血症状などにより死亡又は療養が必要な状態になったもの」、これを対象とするとしております。
第6回の検討会において、最終的に心停止に至った場合を現行の対象疾病の「心停止」に含むことには異論はないが、不整脈による心不全などをどういうふうに整理するかは改めて検討したいと御意見を頂いたものと事務局では承知をしております。
そこで、論点A1がこの関係です。不整脈による心不全症状や脳虚血症状について、「心停止」とは区分して対象疾病に掲げることが必要かというものです。この論点は更にア、イ、ウと細分化しております。
まず、不整脈による重篤な心不全について対象疾病に位置付ける必要があるか、これは先ほど申し上げた、A1の大きな見出しと同じです。13年の認定基準の改正において、対象疾病を狭めるという意図はなかったのですが、心不全症状について「心停止」に含めて取り扱うということについては疑議があるということであれば、「不整脈による重篤な心不全」について対象疾病として記載することが分かりやすいのではないかという論点です。
あわせて、「重篤な心不全」の考え方が論点イです。第6回の御議論でも、心不全というのは非常に軽症のものから重症のものまで幅の広い概念であり、「重篤な」とか「急性」とか、そういった限定が必要ではないかという御意見を頂いておりました。
近年、医学の進展によりまして、軽症の心不全もとらえやすくなっている部分があるかと思いますが、労災で認定しております脳・心臓疾患というのは、もともと基礎的病態があり、血管病変や心筋変性等の基礎的病態が業務による明らかな過重負荷が加わることによって自然経過を超えて著しく増悪し発症したというものを対象としているところです。軽症のものについては、御指摘いただいたとおり、基礎的病態そのものや、それが自然経過によって少し悪くなって発症した、又は過重労働がなくても発症したかもしれないものとの区分が困難であると考えられます。
平成8年の検討におきましても、特に基礎疾患がある場合については、基礎心疾患等が急激に著しく増悪したものであるかどうかを慎重に判断する必要があるとされておりまして、明らかな増悪、心不全の発生ということを求めていたものと解されるところです。
そこで先ほどのアの中にも、たたき台として「重篤な」という言葉を入れていますが、この「重篤な」という限定といいますか、記載の是非、また、どのようなものを重篤と考えるかということなどについて御意見をいただきたいと思っております。
ウについては、同じく、平成8年の認定基準の解釈におきまして、「心不全症状」と並べて「脳虚血症状」と記載されております。こちらについて、脳梗塞に含めて整理することが可能であれば、そのようなことを明示すれば対象疾病の追加の問題は生じないとは考えてはおりますが、そのような整理が可能かどうか、先生方の御意見を頂きたいと思っております。
このア~ウ、特にアとイについては相互に関係してまいりますので、A1の論点として、まとめて御議論いただければ有り難いと思っております。
続きましてA2です。A2は同じく心不全の話でA1と関係してくるわけですが、不整脈によらない重篤な心不全についてどう考えるべきかというところです。その前提として、第6回にも御議論いただきましたが、基礎疾患に関する考え方があります。先天性心疾患等があっても、それが安定していて、業務による明らかな過重負荷によって著しく重篤な状態に至った、そういう場合には業務と発症との関連が認められる。これについては右にありますように、平成7年の認定基準に記載がされておりまして、13年の報告書にもそのような記載があります。第6回で御議論いただきまして、この考え方についてはおおむね合意を頂いたと思っております。
ここで「著しく重篤な状態に至った」というのが、どういうような場合かと考えますと、典型的には対象疾病にあります心停止の状態に至った場合です。これは非常に分かりやすいと思いますけれども、このような場合には、基礎疾患が安定していたかどうか確認した上で、これが安定していたという状況で、過重負荷によって急激に著しく増悪して心停止に至ったということであれば、現行認定基準に基づき、労災認定されることになります。
また、A1で御説明させていただいたとおり、基礎疾患が過重労働により著しく増悪して不整脈を生じさせ、その結果、心不全症状の虚血症状に至ったという場合にも、ここでいう「著しく重篤な状態に至った」ということで労災認定されることになるかと思います。
ここで、過重労働により不整脈によらない重篤な心不全を生じさせることがあるかどうか、基本的に不整脈を伴うということであればA1の整理で足りることになりますし、そうとも限らないということであれば、A1を対象疾病とするかどうかと合わせて、「不整脈による」という限定は不要ではないかということについても検討いただくことになろうかと思います。この点について御議論をお願いしたいと思います。Aは以上です。
続きまして4ページ、論点Bは現行の認定基準における「解離性大動脈瘤」の表記についてです。右にありますとおり、ICD-10では、I71.0は「大動脈の解離」という病名となっております。必要があればこちらについても修正をしたいと考えておりますので、御意見を頂きたいと思っております。
続きまして論点Cの対象疾病以外の疾病についてです。C1についてですが、第6回検討会におきまして、これまで右に書いてあるような個別に認定された疾病を御紹介いたしまして、これらに関する考え方について御意見を頂きました。
御意見といたしましては、動脈硬化等が原因と理解できるものは対象疾病と同様に扱うことができるけれども、疾病の頻度や過重労働と異なる原因の場合もある。原因不明の場合もあることからケースバイケースで考えることがよいのではないかとの御意見を頂いていたかと思います。
そこで、C1のようなまとめのたたき台をお示ししましたので読み上げさせていただきます。
対象疾病以外の体循環系の各動脈の閉塞または解離については、発生原因が様々であるが、(脳・心臓疾患の認定基準の)基本的考え方により業務起因性の判断ができる場合もあることから、これらの疾病については、基礎疾患の状況や業務の過重性等を個別に検討し、対象疾病と同様の経過で発生し、業務が相対的に有力な原因であると判断できる場合には、業務に起因する明らかな疾病として取り扱う。このような整理でよいかどうか。第6回の御議論の確認的な事項になるかもしれませんが、御意見を頂きたく思います。
また、第6回の検討会におきまして、杉先生から、たこつぼ心筋症について、過重労働やストレスの影響があるのではないかと、こういったものも個別に検討することを示してはどうかという御意見がありました。
事務局でも、たこつぼ心筋症について確認をさせていただきまして、この疾病については、精神的あるいは身体的ストレスを受けた後に発症したという報告が見られますが、まだ、現実には労災の請求例、決定例がないということもありまして、第6回でも御説明をさせていただきましたけれども、請求があれば個別に検討することを前提といたしまして、将来的な検討課題としてはどうかとの事務局案を示させていただきました。
最後5ページ、C2の肺塞栓症についてです。肺塞栓症については、第6回検討会の御議論において、動脈硬化等を基礎とする対象疾病とは発症機序が異なり、長期間の過重業務によって発症するということは考えにくいのではないかという御意見であったかと思います。
これを踏まえまして、肺塞栓症については、業務による座位(座った状態)及びその継続の程度等が下肢静脈による血栓等の原因ですので、そういった仕事による作業姿勢が静脈における血栓形成の有力な要因であったと言える場合に、「その他身体に過度の負荷のかかる作業態様の業務に起因することの明らかな疾病」として、引き続き労災認定を行うことが適当ではないか。いわゆる過労死のカテゴリーではなく、作業態様による疾病というカテゴリーで、引き続き労災認定を行うことが適当ではないかということで、こちらも第6回で確認いただいたことの確認にはなりますけれども、この整理でよいか御確認をお願いしたいと思います。
論点Ⅰに関する御説明は以上です。御検討、よろしくお願いいたします。
○磯座長 それでは、論点Ⅰの対象疾病について、事務局が作成した具体的な論点、たたき台に沿って進めたいと思います。初めに資料の3ページ、Aの重篤な心不全等の取扱いについてどのように考えるかについてです。
まず、A1の不整脈による心不全症状や脳虚血症状について、心停止(心臓性突然死を含む)とは区分して対象疾病に掲げることが必要かについて、事務局の説明に対して御意見等がありましたら御発言をお願いします。
○杉委員 ありがとうございます。以前、意見書の依頼があった事案で、上室性の不整脈があって、すごく症状が強くて働くのが困難という状況がありました。そのときには胸の違和感、胸痛ということもあったものですから、それを狭心症として処理をしたのですが、上室性の不整脈で心停止(心臓性突然死を含む)の中に入れて書こうとすると無理があって、違和感が非常にありました。そのうちに心房細動というのがすごく注目されるようになって、心房細動によって心不全も来しますし、脳血栓・塞栓も起こしやすいということがあって、これをただ不整脈の中の心停止として入れるには違和感があると感じているところです。そんな中で不整脈による心不全に関しましては、先ほど磯先生もおっしゃいましたが、器質的な心疾患があって、過重負荷がかかって心不全になるものと同じような条件で考えていいと思うのです。ただし、不整脈による症状、心停止は、ちょっとまた別の問題だと思いますので、可能であれば不整脈による症状を1つ入れていただけると、意見書が書きやすいことは書きやすいと思っております。心停止も含めてしまうと、やはり違和感がありましたので、御検討いただければと思います。
○磯座長 ただいまの杉委員からの御説明ですが、それに関して何か特に臨床の先生から御意見等ございますか。西村先生どうですか。
○西村委員 西村です。平成8年の1月22日付けの事務連絡第3号には1月12日付の「不整脈による突然死等に関する専門家会議の報告書」が記載されていて、医学的な基準が示されています。杉先生が御覧になれば、心房細動についての考え方を理解されると思います。ここでは、不整脈一般に触れて、致死的で非常に危険なもの、ある条件が加わったときに危険なもの、突然死等の危険が少ないものに分けられています。成因については、①心筋虚血によるもの、これは頻度の高い虚血性心疾患、心筋梗塞等、②虚血性心疾患以外の基礎心疾患による不整脈について記載されています。そして、③基礎疾患がない又は疾患の存在が明確でない不整脈に分類されています。ここでは「危険な」という言葉が使われていて、危険な疾患の定義は今回の議論に含まれると思います。危険なものとは、失神などの脳虚血症状を誘発する不整脈、また、脳塞栓を発症させ致命的となる場合の不整脈を含むとするのが一般的と考えます。これらを発症する不整脈として、心室頻拍、心房頻拍、房室接合部頻拍、心房粗・細動や高度房室ブロック、洞不全症候群が明記されています。その後の平成13年の検討会では、それまでの「一次性心停止」及び「不整脈による突然死」を「心停止(心臓性突然死を含む。)」に含めて整理するとの考え方から検討が行われました。今回の検討会では、この点について議論・検討をすることは重要と思います。さらに、業務との関連についての判断では、基礎疾患がある場合は基礎疾患が業務によって急激に著しく増悪したものであるか否か、基礎疾患の存在が明確ではない場合は、過重負荷による起因性の有無について、虚血性心疾患との比較も行いながら検討する方法もあると考えます。もう1点、気になるのは、多種類の不整脈を不整脈一般としてまとめて扱った場合、その発症と過重労働時間数との関連を示した医学的根拠がどの程度有るのかです。最終的には全体の総合判断になるとは思うのですが、心房細動は頻度が高い不整脈疾患であり、過重負荷がなくても起きてしまう場合もあるので、心筋梗塞等とは発症要因・その関連程度はかなり差があると判断されます。
○磯座長 ありがとうございます。これはどこの資料なのですか。
○西村委員 これは、私自身が持っています平成8年1月12日付の報告書です。
○磯座長 分かりました。平成8年の報告書ですね。
○西村委員 はい。
○磯座長 お二人の先生方から、心停止に含めるのではなくて、不整脈による重篤な心不全という形で括ったほうがよいという御意見だと思いますが、ほかの臨床の先生方はいかがでしょうか。野出先生いかがでしょうか。
○野出委員 ありがとうございます。この点が一番難しいかなと思いました。杉先生がおっしゃっているのは、不整脈によって重篤な胸部症状があった場合に、これも労災認定をするかどうかという論点だと思うのですが、これは致死性ではないですね。不整脈による胸部不快感とか、胸部痛というのは、なかなか労災には馴染まないものではないかなということも1点あります。
一方で、不整脈によって重篤な心不全に至るというケースもあるのですが、不整脈による重篤な心不全で致死性というケースは、むしろ少ないような気がいたします。
もう一方で脳梗塞に関しては、これは心原性脳梗塞で、もともと心房細動があると、過重労働によって血栓・塞栓によって重篤な脳梗塞に至る。これは労災に認定するところだと思いますので、不整脈による脳梗塞、これは妥当だと思いました。ただ、不整脈による心不全というのをここで入れるかどうかというのは、先ほどほかの委員からありましたように、少し議論が要ることかなというのが今私の考えです。以上です。
○磯座長 ありがとうございます。豊田先生いかがですか。
○豊田委員 不整脈によって脳梗塞が起こることは、野出先生も心原性脳塞栓症のお話をされたように大いにあることなのですが、脳梗塞になってしまえば脳梗塞という病名で労災の対象になりますので、あえて不整脈による脳梗塞を別の疾患として取り上げなくても、従来の疾患カテゴリーで対応できていると思います。もし、不整脈による一過性の虚血発作などを考えていらっしゃるのだったら、それはほかの理由の一過性脳虚血発作も、別に労災の対象にはなっていないのであれば、対象に加えなくていいと思います。ですから、不整脈による脳虚血症状というのを新たに対象疾病に挙げなくても、今の対象疾病で十分対応できていると思います。以上です。
○磯座長 ありがとうございます。
○野出委員 杉先生、貴重な御意見ありがとうございます。杉先生がお考えになっている、不整脈による心不全症状というのは、具体的には心房頻拍とか、心室性頻拍というところをお考えということでよろしいのでしょうか。
○杉委員 ありがとうございます。一般的には心房細動が中心だと思います。心房頻拍という呼び名がありますが、多分、発作性上室性頻拍であって、最初のときは動悸以外にほとんど症状がないのだけれども、何日も何週間も続くと心不全になるというのがあります。
もう1つは心室頻拍でも特発性心室頻拍のように、動悸以外にほとんど症状がなくて、長く続く場合があります。続きますと心不全という状況になります。ですが、不整脈が起こるときに、やはり睡眠不足、疲労、ストレス、お酒というような条件がある程度あって、それ以外のときにももちろん器質異常があれば起こることもありますけれども、労災に関連したことで起こることもありますので、一応項目に挙げさせていただいたわけです。
ただし、野出先生が御懸念されるように、不整脈による心不全ということであれば、あとで論議していただく心不全というところに入れていただいて、不整脈はその原因の1つということで入れていただければ、その心不全をどう扱うかということで、専門の野出先生、西村先生の御意見を伺えれば幸せだと思っております。
○野出委員 したがって今、杉先生の御意見を伺いますと、このA2の全体的な心不全、これは弁膜症がベースにある。心筋梗塞がベースにあると。そういう方が業務負荷によって、重篤な心不全に至ると。これは十分な労災認定の対象になると思うので、そこに含めてよろしいのではないかと思いましたし、あえて不整脈、心不全だけで独立する必要はないかなと思いました。以上です。
○磯座長 杉先生いかがでしょうか。
○杉委員 ありがとうございました。野出先生のおっしゃるとおりで、不整脈による心不全というのを新たに設ける必要はないと私も思っております。ただ、不整脈の発症自体が、睡眠不足、疲労、ストレスというもので起こるということがありますので、その場合に訴えられることもあるかなということで、何か項目があると良いなとは思っていたところであります。ただ、心房細動を心停止とするには、ものすごく違和感があります。事務の方とお話しすると、不整脈を労災として扱うという解釈があったのだというのを聞かされて、それがあったのならもっと表に出しておいてもらえればよかったなというのがあったのです。認定基準の対象疾患としては4つしか認識がなかったわけです。心臓としては心筋梗塞、狭心症、大動脈瘤、心停止しか前面に出ていないのです。ところが、解釈ではそれに付随した「等」というようなものがある。それであるならば、「等」というのを表に出しておいていただいたほうがいいなというように感じました。
○野出委員 したがって認定基準の中に、心不全の原因として、先天性心疾患、弁膜症、虚血性心疾患、心筋症、そこの中に心房細動等の不整脈という文言を入れておくと、今の杉先生の御懸念が解消されるかなと思いました。以上が私の意見でした。
○磯座長 ありがとうございます。西村先生、いかがでしょうか。
○西村委員 杉先生がおっしゃったように、平成8年1月12日の検討会の報告書を踏まえての表現でいいと思います。
不整脈の病因・病態の解明が進み、心臓突然死についても多くの知見が得られた時期であり、それらを反映した内容であったと考えています。心不全は、いろいろな原因で起こりますし、自然経過も基礎疾患で多様です。心不全の経過中に、不整脈を併発することや不整脈併発により病態が悪化することもある事実から、心不全をどう扱うかの議論も必要と思います。心不全の増悪には、虚血性心疾患以上の多くの要因、例えば、服薬の中断、過労、暴飲、過度の飲水等、あるいは感冒罹患などが影響を与える場合があります。長期間に、数多くの要因がかつ複雑に影響する経過をとる中で、過重労働の要因に着目した研究は少なく、エビデンスは不足しているのが現状と考えています。
○磯座長 ほかにございませんか。1つの考え方は、このA1のアの「不整脈による重篤な心不全」というのを独立して出すのではなくて、A2にあるような、「不整脈によらない」と書くのではなくて、重篤な心不全として、A2のほうの議論に落とし込んだほうが、全体的に整理されるかと思います。その中で、先天性心疾患等が書いてありますが、弁膜症、虚血性心疾患、心筋症、そして心房細動等といった疾患を入れておくことが、1つの考え方だと思いますが、いかがでしょうか。
西村先生がおっしゃったように、睡眠不足、疲労は、既に心房細動があって、それが発作性であったのが、持続性になったり、病態が進行して脳梗塞を起こすということもありますし、心不全が更に悪くなるということもあります。心不全という病態自体が非常に様々な原因があり、程度も非常に軽いもの、中程度、重症度といろいろあって、更にそこに労働に関する負荷がどの段階で、どの程度加わることによって、更に重症化するかというのは、個別のケースになると思いますので、その辺りで整理するという考えでいかがでしょうか。
○杉委員 杉ですが、今の磯座長がおっしゃったことに賛成です。新たに項目を設けるというよりも、やはり心不全についての考え方というのは難しいと思って、ただ、確か2018年だか2017年に、心不全のガイドラインが出まして、そのガイドラインによれば、心不全のリスクのある人と、実際の心不全というものを分けて区別している。ただ心不全自体は機能的な病態ですし、疾患とするにはあまりにも大き過ぎて、何か取りとめのないところもあるのですが、実際には心不全という呼び名でいけば、ある程度のものは補完されると思います。ですから、ここで思い切って心不全というのを入れてしまうと、意見書も書きやすいということになります。実はこの病態は、対象疾患に入っていませんと言われることが多々あるのですね。だからこれは労災の認定になりますかと言われても、いや、対象疾患に入っていないから駄目ですということになれば、心不全になった人に過重労働がかなりあったときには、可哀想な感じがいたしますので、少しそういう方の救済も考えたほうがいいと思っております。
○磯座長 ありがとうございます。先生方の御意見を集約すると、A1のアの不整脈による重篤な心不全を特出しして位置付ける必要はないのではないかということ。ただしA2のところで、重篤な心不全ということで、例えば、脳梗塞、あとは心臓自体の機能が非常に落ちて死に至る、または療養が非常に必要になるというようなことで、A2のところの附則事項としてとする形が妥当かと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。また事務局で今までの先生方の議論で少し整理してもらえばと思います。そうなりますとA1のイについては、心不全の重篤性についてどう考えるかですが、A2の重篤な心不全のところで、先ほど野出先生や西村先生からもお話があったような、基礎疾患をもう少し具体的に加えていく。弁膜症、虚血性心疾患、心筋症、心房細動等を加えていくことが重要かと思います。これについてもよろしいでしょうか。ありがとうございます。
それではA1のウについては、これは先ほどから話がありましたように、心房細動から脳梗塞になるということで、虚血症状という文言ではなくて、それを脳梗塞に含めてしまうということでよろしいでしょうか。これは豊田先生の御専門なのですが、TIAというのが一過性で24時間以内に症状が消えるということで、それだけでは重篤なものに至ることは非常に少ないと思うのですが、以前、RIND(リンド)といっていた3週間以内に症状が消失する病態も、私の理解では今では脳梗塞に含めていますね。ですからウについては先生、どのような御意見でしょうか。豊田先生。
○豊田委員 脳梗塞に含めてしまっていいと思います。脳梗塞という元からある対象疾病に含めていいと思っております。
○磯座長 ありがとうございます。これについてほかの先生から御意見はございますでしょうか。
○杉委員 豊田先生の御意見と同じですけれども、この項目のA1は不整脈について述べておられるので、不整脈の観点から述べさせていただきますと、不整脈でも脳虚血症状という状況がございます。それは一般的には徐脈です。ペースメーカーを入れるときに徐脈性の脳虚血症状があるので、ペースメーカーの適用になりましたということで書くことがあります。もう1つなるとすると、頻脈性の不整脈ではトルサード・ド・ポアンツ(倒錯性心室頻拍)か器質的心疾患のない人に起こる心室細動になります。これはブルガダ症候群とかJ波症候群、QT短縮症候群、QT延長、それらの器質的な異常はないのだけれども、心電図上でおかしい状況があって、これらの人たちが心室細動になったときに、一過性で心室細動が止まることがあります。そうすると失神というような状態になりますので、表現としては脳虚血症状になります。でも先ほどから議論のあった心不全というものを考えると、これは心臓の機能が著しく低下して生命の危険になるような状態というようにしますと、その中にトルサード・ド・ポアンツも心室細動も入ってしまいますので、そこでそういうものを議論していただければいいと思っておりますので、この脳虚血症状というのは不整脈からすると、そういうものはあまり不整脈には入れないほうがいいと思っていて、A1に入っておりますけれども、これはまた別のところでの脳疾患で考えていただければいいと思います。
○磯座長 そうなりますと脳疾患の中で、この記述を入れるということになりますでしょうか。
○杉委員 これまでどおりで、先生がおっしゃったようでよろしいのではないかと思います。
○磯座長 分かりました。ほかに御意見等ございますか。確認したいのですが、脳梗塞になって重篤になる場合は従来の判定で労災認定に入りますけれども、そうではなくて先生がおっしゃった徐脈とか頻脈で失神とか一時的な脳虚血症状については、これを対象疾患としてどのように考えるということでしょうか。
○杉委員 徐脈性の不整脈による脳虚血症状は、これはもうその人の基質なのです。過労があろうがなかろうが何の関係もなく起きます。完全または高度房室ブロック、それから洞不全症候群にしても、これはその人の基質なのです。いろいろな物質の沈着があるとは言いますけれども、やはりこれまでの労災の考えで、動脈硬化のような積み重なってきた過労によって起こるというものではないと思います。ですから、ペースメーカーを入れてしまえばもうそれで済みますし、そしてそういう場合には障害認定になりますので、患者さんは救われるということになります。
○磯座長 分かりました。ということは、ここはもう脳梗塞に含めて整理することでよろしいということでしょうか。
○杉委員 はい。
○磯座長 ありがとうございます。
○豊田委員 豊田ですけれども、よろしいですか。
○磯座長 どうぞ。
○豊田委員 例えば徐脈による失神などは、脳の虚血というか、もう脳全体の乏血ですよね。ですから、脳梗塞とは言えないわけですけれども、今なさっていたお話は徐脈などで失神が起こったときに、それを脳梗塞の括りでというお話ではないと思っていいのでしょうか。どういうお話になっているのかが、ちょっと分からないのですが。
○杉委員 杉ですが、言葉が足りなくて申し訳ありません。脳梗塞とは全く違うということで、一過性の脳虚血発作ですけれども、先生がおっしゃったように一過性なのです。そして不整脈によって起こるものも労災認定の対象には入らないだろうと。対象疾患には入らないだろうと理解しておりますが、よろしいでしょうか。
○磯座長 豊田先生、私の説明の仕方が悪かったですね。脳梗塞に含めてではなくて、含めないということですね。そういうことになります。
○豊田委員 分かりました。
○磯座長 西村先生、どうぞ。
○西村委員 今の議論のところは、この報告書の一部分だけなので、誤解を生じ易いと思われます。平成8年1月の検討会報告書では、危険な不整脈か否かで分類されいます。不整脈によって狭心症や心不全あるいは失神などの脳虚血症状を誘発するリスクを有する不整脈であるために、危険であると記載されていると理解出来ます。ここの表現を少し改めれば、先生方がおっしゃっていることは十分伝わるようになるのではないでしょうか。失神による転倒から発症した頭部外傷などによって危険な状態に陥りますから、リスクを有していると考えます。
○杉委員 よろしいでしょうか。
○磯座長 どうぞ。
○杉委員 もちろん先生のおっしゃるとおりで危険な状態ではありますが、おそらく徐脈によるものは一過性ですね。その中の房室ブロックに関しては、心室細動を起こして死ぬこともありますけれども、洞不全症候群はもうほとんど死なないことが定説になっておりますので、一過性に失神する、意識がなくなるというのはあっても、また回復することになります。これを労災認定で扱うことは必要ないのではないかということでございます。
○磯座長 ちょっと整理したいのですが、例えばそういう失神を何らかの意味で徐脈、頻脈になって、それは体質であるということなのですが、その中で失神を一過性に起こして、車を運転中に事故を起こして大けがをしたとか、亡くなったといった場合は労災認定はどうするのですか。
○西川中央職業病認定調査官 事務局からお答えいたします。今、磯先生がおっしゃられました、失神によって、例えば転んでけがをしたとか、車の運転中に事故を起こした、仮にそこが明らかに分かったとしますと、結局その失神の原因が何であったかを考えることになります。それが失神でなくても例えば脳梗塞と名前が付くものであれば、これが過重労働によるものであるかどうかということを調べます。いずれにしても、その元の疾病、脳梗塞であったり、失神であったりが労災になるのであれば、けがについてもお支払いをしますし、元のものが違うのであれば、けがについても違う、ただし、そこに業務行為や事業場施設の欠陥等が関与していればそれを考慮するということになろうかと思います。杉先生がおっしゃっておられるのは、徐脈による、そういった失神については過重労働の影響はほぼないのではないかという御指摘であったものと認識しております。
○磯座長 それで整理がつきました。これまでの議論で何かほかに御質問等ございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それではこれの議論を踏まえて事務局で整理してください。
次に進みます。資料4ページ、Bの現行認定基準における「解離性大動脈瘤」の表記を修正することについて、どのように考えるかについて御意見等がありましたら、御発言をお願いします。これは前回の委員会でも議論になりましたが、ICD-10ではこの用語はもう使っておりませんので、事務局からお話がありましたように、大動脈の解離という形で、Iの71の副分類がありますので、ICD-10に揃えるということでよろしいでしょうか。特に御異論がなければ、そのようにしたいと思います。ありがとうございました。
○豊田委員 ICD-10に揃えて、大動脈の解離という言葉に直すということですか。どのような言葉に直すのですか。
○磯座長 大動脈の解離ですか。
○豊田委員 大動脈解離でいいのですね。
○西川中央職業病認定調査官 そこはどちらがよろしいとか、違いがありますでしょうか。大動脈の解離か、大動脈解離か、いずれかかなとは思っておりますが。
○豊田委員 「の」は要らないだろうと思って発言しました。
○西川中央職業病認定調査官 分かりました。ありがとうございます。
○杉委員 杉ですが、大動脈瘤というものもあると思うのです。解離はしてなくて、膨れてしまって破裂が問題になるものですね。それからあんまり膨れてなくても解離ができるということで血行動態ががくっと落ちることがございます。今扱っているのは動脈解離だけですね。これまでも大動脈瘤という動脈硬化があって、腹部の大動脈瘤だと動脈硬化がだんだん強くなって膨れてくるという状況もありますが、これは労災に含めると思うのですが。動脈瘤というものは、含まないということでよろしいのですか。
○磯座長 動脈瘤も含めるのでしょうか。
○西川中央職業病認定調査官 今の認定基準の取扱いでは、まず定義が解離性大動脈瘤となっておりますので、真性大動脈瘤や仮性大動脈瘤、もあるというように承知はしているのですけれども、それらではなく解離性大動脈瘤のみという整理にしております。
○杉委員 私の理解では、解離性という言葉が入ると、これは中膜の間に隙間ができてしまうということだと思うのです。動脈瘤というと、ただ嚢状に膨れたり大きくなってくるということがあると思うのですけれども、その2つとも入っているということで理解するのでしょうか。
○西川中央職業病認定調査官 現行の認定基準では、いわゆる膜が破れて中膜の間、そこに血液が入ると言いますか、解離性の大動脈瘤を対象にしています。
○杉委員 別にそういう解離がなくても、内腔からずっと膨れることがありますよね。多分、胸部と言いますか、上行大動脈とか下行の、胸部の大動脈に関しては、動脈硬化にあんまり関係なくて、いわゆる器質的な大動脈の脆弱性があると。だけど腹部大動脈から下の方、そのところは動脈硬化がある程度影響してくるということですから、今までの労災認定で、異常な過重な負荷がかかると動脈硬化が進展するということから考えると、普通に解離がなくても動脈瘤というのもその疾患に入るのではないかと思うのです。それはいかがなのでしょうか。
○磯座長 野出先生いかがでしょうか。例えば、瘤でも大動脈の起始部で起こると、心臓に非常に大きな負荷がかかりますし、あと腎動脈とかにも瘤が発生しますと、臓器障害になってくるのですが。
○野出委員 杉先生のおっしゃっている点は、とても良く理解できます。ただ動脈瘤といたしますと、慢性的な病変ですので、動脈瘤の形成に過重負荷が関与しているかどうかを認定するのは難しいかなと思います。
一方、解離性というのはあくまでも急性期の進展、プロセッシブな病態ですので、やはりここでは事務局がおっしゃるような大動脈の解離という表現のほうが、労災認定にはなじむのではないかなと思います。大動脈瘤だけではここでは記載しないほうがよろしいかなと思いました。
○杉委員 杉ですが、今、抱えている案件が腹部ではない、動脈瘤なのですけれども、腹部であれば動脈硬化が関係するので、そのことをかなり突かれました。ただ私が関与した事案は上行大動脈だったので、先生がおっしゃるように心臓にタンポナーデが起こって、それをどうするかということの事案だったのですけれども、それがもし腹部であれば、動脈硬化が関係するということになったので、日本循環器学会のガイドラインも、この2020年には大動脈瘤と大動脈解離という名前で出しております。ですからその2つ出ていれば、両方ともカバーできるなとは思ったのですけれども。
○磯座長 いかがでしょうか。基本的には大動脈解離という形で含めるということに皆様は合意されると思うのですが、そのときにICD-10のIの71にあります大動脈瘤及び解離というように、動脈瘤も入れるかということが議論になると思いますが。
○豊田委員 現行の基準では、解離を伴わない胸部大動脈瘤や腹部大動脈瘤の破裂について、労災認定はどのように取り扱われているかを教えていただけますか。要するに解離を伴わない大動脈瘤の破裂も解離性大動脈瘤という範疇の中に入れて認定していたのですか。そういうことはないわけですか。そこが良く分かりません。
○磯座長 どうでしょう事務局。大事な確認事項だと思います。
○西川中央職業病認定調査官 事務局からお答えいたします。あくまで今の認定基準で対象疾病となっておりますのは、解離性大動脈瘤でございますので、今、豊田先生から御質問のありました解離を伴わない大動脈瘤については、対象疾病には含まれないと整理をしております。ですので、対象疾病にない疾病が請求された場合には、個別に検討していくということにはなるわけですけれども、必ずしも過重労働があれば認定されるという、要するにこの認定基準に基づいて判断するということではございません。
○豊田委員 良く分かりました。ではその大動脈瘤を対象疾病に格上げしようという大きな議論でないかぎりは、このBにおける名称を現在風に修正するという意味では大動脈解離性で私はいいと思います。大動脈瘤の破裂を入れるとなると、また別の議論になると思いました。
○野出委員 杉先生のおっしゃるのはそのとおりだと思います。例えば解離が伴わない胸部大動脈瘤で虚血が起こる場合は、これは心筋硬塞に入りますので、そこは心筋硬塞の発症という範疇で処理できるのではないかなと思いました。
○杉委員 杉ですが、よろしいでしょうか。先生方のおっしゃっていることは良く分かりまして、これはやはり急性期に起こるのは大動脈解離ということでございます。ですから今の事務方からの説明にもあったように、大動脈瘤が時間をかけて大きくなってしまって、それが何らか障害が出てきたたら、それは個別の事案として扱うという形で整理していただいて、文言に入ればそれでよろしいかと思います。
○磯座長 西村先生、よろしいですか。
○西村委員 今の杉先生の意見と同じでございます。もともと解離に限定していたと思います。
○磯座長 それではこのBについては、大動脈解離という形の文言にするということで合意が得られたかと思います。ありがとうございます。それでは次に進みます。C。その他の関連する疾病についてどのように整理することが適当かです。
まずC1、対象疾病として列挙しない疾病について、対象疾患と同様の考え方により業務起因性の判断ができる場合であることから、例えば、次のように整理してはどうかということで、6行の文章がありますが、これについていかがでしょうか。
発生原因はさまざまであるということと、業務起因性の判断ができる場合もあるということ。その2つの背景から、個別に検討するということですね。業務の過重性、疾患の状況、そして対象疾患と同様の経過で発症して、業務が相対的に有力な原因と判断できる場合は、業務に起因することの明らかな疾病として取り扱う。いろいろな疾病がありますけれども、それを個別に判断して、業務との関わり合いが強ければ、対象疾患として取り扱うということです。これについては法律の観点から、いかがでしょうか。まず水島先生から、C1のこの文言について特に問題ありませんでしょうか。
○水島委員 水島でございます。ありがとうございます。私は、お示しいただいたとおりで問題ないと思いました。以上です。
○磯座長 ありがとうございます。嵩先生、どうですか。
○嵩委員 私も対象疾病として挙げなくても、業務に起因することの明らかな疾病というところで拾っていくということという整理で良いと思いました。以上です。
○磯座長 ほかの先生から特に御意見等ございますか。よろしいでしょうか。豊田先生、どうぞ。
○豊田委員 いいですか。ちょっと今、気が付いたのですが、この体循環系という言葉は、どこからどこの循環を指しているのかが、ちょっと良く分からなかったのですが、肺循環以外は全て体循環でいいのですか。ここで言うところの脳も腸間膜も全て、上肢も下肢も含んでいるということですよね。どなたかに確認していただきたいです。
○磯座長 これは何か意味があるのですか。体循環系というのは。
○西川中央職業病認定調査官 一応、肺循環以外のというつもりで書かせていただいたものでございます。御指摘があれば、是非頂きたいところです。
○豊田委員 逆にその肺循環の障害である肺塞栓とかは別項に書いてあって、ここでは論じなくていいということですよね。ちょっと確認です。
○磯座長 肺塞栓は、また別に記載していますね。
○西川中央職業病認定調査官 肺塞栓については、別にC2のほうで御議論いただくことを予定しております。ここはあくまで、体循環系の動脈の閉塞や解離については、先ほどのお話の中からも何度かありましたが、動脈硬化によるものが中にあると、いわゆる認定基準と同じような考え方で判断できるものが中にあるということを記載したいということでございます。
○磯座長 よろしいでしょうか。
○豊田委員 分かりました。ありがとうございます。
○磯座長 それでは、C1は合意を得られたものと判断して、C1の括弧付けしているたこつぼ心筋症についての文言のところですが、杉先生、これについてコメントをお願いします。
○杉委員 消防団の補償について1995年からずっと関わらせてもらっているところなのですが、その中に火事場に行くときに急に心筋梗塞のようになってしまって、それがたこつぼ心筋症であったという事例が幾つかあったものですから、それで今回こういうものも入るかと思って、質問として出させていただきました。ただ今までの事案をみると、請求がないということでありますし、もしたこつぼ心筋症になったとしても、一過性の心不全という形で表わせるのだと思うのです。ですから今度、心不全という項目が何かそこで議論が行われるのであれば、その中に入れればいいことであって、特にこれは取り上げることはないかと理解していました。
○磯座長 ありがとうございます。それでは、これは参考として考えるということでよろしいでしょうか。分かりました。ほかにこれについて特に御意見等ございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、次に5ページのC2になります。肺塞栓についての記載です。これについて、前々回御議論いただきましたが、言うならば業務による動脈硬化ではないのですが、業務による座位の状態の継続というのが非常に有力な要因であるという場合には、労災認定を行うことが適当ではないかという話ですが、これについての御意見等ございますでしょうか。医学的な観点から特に御意見はございませんでしょうか。法律的な観点からどうでしょうか。この文言について、水島先生、どうですか。
○水島委員 特段、問題ないと思います。これで結構かと思います。
○磯座長 嵩先生、どうでしょうか。
○嵩委員 ありがとうございます。私もこちらの整理でいいと思いました。
○磯座長 ありがとうございます。杉先生、どうぞ。
○杉委員 杉ですが、こういうものも対象疾患であるということが、どこかに明記されるようにしていただければいいのではないかと思うのです。今までは対象疾患ではないということでしたので、対象疾患であるということがどこかの文言に入ればいいと思います。
○磯座長 それでは、事務局どうぞ。
○西川中央職業病認定調査官 杉先生がおっしゃられるのは、労災の認定の対象という趣旨でよろしいですか。
○杉委員 はい、そういうことです。
○西川中央職業病認定調査官 労災の認定の対象になるということは、報告書などで明らかにしたいと思っています。ただ、この脳・心臓疾患の、業務の過重性を判断する枠組みで判断する対象疾患ではないということも、あわせて明らかにしたいと考えております。
○杉委員 ただ、循環系のところで意見書を求められることが多いと思いますので、何か簡単な文言でも付加的なもので、参考に記載しておいていただけると助かります。
○水島委員 よろしいでしょうか。
○磯座長 はい、どうぞ。
○水島委員 今の点は私も事務局の見解と同じで、労災の対象になり得るということだけであって、対象疾病という形で記載することにはならないのではないかと思います。あくまで、業務に起因することの明らかな疾病という中で、可能性があるにとどまると思います。
○磯座長 それでよろしいですか。
○西川中央職業病認定調査官 事務局としては、そのように整理させていただきたいと考えております。
○杉委員 対象疾病ではないということですね。
○西川中央職業病認定調査官 いわゆる脳・心臓疾患の過労死の認定基準の対象疾病ではない。ただずっと座っていたとか、そういったような場合に業務姿勢によるもの、作業態様によるものとして労災認定の対象にはなるということは、あわせて明らかにしたいと思っております。
○嵩委員 すみません、確認ですがよろしいですか。
○磯座長 どうぞ。
○嵩委員 今の話ですと、この施行規則の第3号の5に当たるということでしょうか。「その他身体に過度の負担のかかる作業態様の業務に起因することの明らかな疾病」というところで拾うということですよね。
○西川中央職業病認定調査官 嵩先生のおっしゃるとおりでございます。
○嵩委員 分かりました。それではそちらの整理で、これは何に当たるかというのが、対象疾病という形ではなくて、現場で判断される方が分かるようにしておくと、より良いということなのかと理解しました。以上です。
○杉委員 よろしいでしょうか。そうすると今の嵩先生のおっしゃるとおりで、脳・心部会には入ってこないということで理解していいでしょうか。
○磯座長 それは脳・心部会以外の部会で検討するということですか。
○西川中央職業病認定調査官 作業態様による疾病として認定するわけではあるのですが、先生が最初におっしゃられたように循環器系の疾病ではありますので、専門医の先生のどなたに御意見を伺うかということを局署が考えたときには、引き続き循環器の先生方に御相談することになろうかと思います。
○杉委員 ただ、意見書としては対象疾病ではないと書くので、そのところを署の職員の方に十分理解していただきたいというのが実情でございます。
○磯座長 分かりました。なかなか微妙なところなので、うまく整理をしていただければと思います。この件につきましては、よろしいでしょうか。
○高橋委員 高橋です。
○磯座長 どうぞ。
○高橋委員 1点確認なのですが、どういう枠で補償するかということは議論が明確になったと思うのですが、例えばトラックドライバーとかで時間外労働が80時間にいかず、せいぜい50時間とか60時間で倒れるという場合、それがもし肺塞栓に関係してとなると、どういう取扱いになるのかと思って考えておったのですが、いかがでしょうか。
○磯座長 それは事務局からありますか。
○西川中央職業病認定調査官 トラックドライバーの方が肺塞栓症を発症されたという場合に、その発症直前の1週間ぐらいみるのかもしれませんが、発症に近い時期の運転の状況といいますか、座ってその業務をやらなければいけなかった状況、途中で立てたのかどうかとか、そういったことも全部調査させていただきまして、大変恐縮ですが循環器の先生の御意見も承った上で、そういった作業態様によって、この肺塞栓症が発症したものかどうかということを個別に判断させていただくことになろうかと思います。
○磯座長 高橋先生、よろしいでしょうか。
○高橋委員 そうなると、要するに過労死事案には含まれないわけですよね。
○西川中央職業病認定調査官 過労死事案を、この施行規則の別表第1の2の第8号の事案ととらえた場合には、そこには入らないということになろうかと思います。
○高橋委員 分かりました。
○磯座長 ほかにございませんか。ありがとうございました。それでは、労災認定にはなりますが、こちらの循環器のほうの過労死認定にはならないということですね。それで整理ができたかと思います。
それでは、今までの論点Ⅰについてはこれまでの議論でよろしいでしょうか。何か追加の御発言等ありましたら、よろしいでしょうか。
○西村委員 A2のところの「重篤な」という定義には、触れないで議論するのでしょうか。例えば外来で利尿剤だけで良くなる方でも病名は心不全であり、また入院し安静にしているだけで改善する場合もあります。一方で病態によっては集中治療室での治療を要することもあり、心不全は軽重程度の幅が広い疾患です。重篤の見解が分かれる懸念があります。
○磯座長 これについて、西村先生のほうから何かご見解は。
○西村委員 心不全では、患者さんの希望だとか事情などによって入院が決まる場合もあります。例えば、仕事があるから入院できないとの理由からです。また、自宅療養を通院で治療を受けたいとの方もあります。そのような場合でも、病名は心不全であり、一般には「重篤な心不全」とまでの詳記しません。
○磯座長 いかがでしょうか。「重篤な」というところを少し具体的に書き込めるかどうかということですが。いわゆる心不全のステージだけでは表現しにくいでしょうか。
○西村委員 心不全は、進行程度をステージングとして評価することが行われています。ステージAからB、進行して有症状にあたるステージCになった場合が、多くの例で入院に該当します。入院というのは1つの重要な判断規準と成ります。ステージングが進んでいくと、ステージCの中期においても普通の勤務はできるのですが、軽い負荷で心不全を発症してくる危険性はあります。その際には、経過における負荷の要因と程度及び心不全の重症度と基礎疾患の特徴も考慮して、幅広い観点から検討し総合的に判断することが求められます。心不全においては、このような状況に対処できる基準、そこまでは無理であれば方向性を示すことは重要と思います。
将来心停止のリスクが高い心疾患等、に分類するなど、見解によっては大まかな群分けにならざるを得ないのではないかと思います。心不全では、ステージAの通常の生活ができている軽症な方のほうが心不全死よりも突然死の相対的リスクは高く、心不全が進行し退院が不可能となるステージDでは、ポンプとしての機能が落ちて心不全死の率は増え、当然ながら総死亡率も高くなります。ステージAの方が突然死された事案で、過重負荷の起因性についての判断が争点なったことがありました。
○磯座長 そうしますと、急性心不全とか慢性心不全ですね、ここで考えているのは。
○西村委員 「急性増悪」で、それを言い変えて「急性心不全の再発」というような表現がされています。新型コロナウイルス感染症の重症度評価ではないですが、集中治療室に入った場合に重篤相当と判断するとの考え方もあります。突然死という重い医学的出来事と心不全の発症とについては、医学的重症度評価における公平性からの議論も必要ではないかと考えます。医学的な重症度の差が過大すぎないかとの意見が出てくるのではとの懸念が有ります。心不全を対象疾病とする方向性は正しいと思うのですが、重症度の目安は示した方が良く、それを求められるのではないかと思います。
○磯座長 どうしましょうか、この辺りは非常に難しい。重篤な心不全という言葉を心不全だけにするとまた幅広くなってしまいます。ただ文言の議論の中に著しく重篤な状態に至ったということで、先生がおっしゃるステージが軽くても無理をして非常に悪くなる場合もあるということなので、結果的に重篤な状態に陥ったということになるのですが、重篤な心不全をどう定義していいのか。どうぞ杉先生。
○杉委員 よろしいでしょうか。西村先生のおっしゃったステージ1でも、やはり突然死はあり得るのですが、でもこれは認定に関しては「心停止(心臓性突然死を含む)」に入れれば解決すると思います。それからもう1つ、入院を要するような心不全で、なおかつ労災の事案で挙がってくるのは、過重労働があるかどうかだと思うのですよね。ですから、その過重労働のほうで対処できるのではないかと思うのです。
心不全と言っても、過重な労働がなくても心不全になることはあります。それは基礎疾患によると思うのです。ですから一応、先生方のおっしゃるように重篤な心不全又は入院を要する心不全とか、何か指定を置けば、後の判断として労災認定は過重性があるかどうかで決まってくると思いますので、いかがでしょうか。でも、この心不全というのを何か入れといていただけると対象疾病になりますので、助かることは助かります。
○西村委員 異論はございません。そのとおりで、入口としてはきちんと確保しないといけないと考えます。繰り返しますが、程度において「重篤」との目安を示してきた経緯からも、該当疾患に突然死があり、一方で軽い心不全も含めることで、公平性が保てるのかどうかの観点です。最終的には、個々の事案で重症度の評価が行われることは原則です。過重労働時間数についても、心不全の再発に関して今の認定基準の労働時間数の基準は妥当かどうかというエビデンスは乏しいと認識しています。心不全という、重要であるが幅広い多様な病態を示す症候群的な疾患を対象疾病に入れるには、医学的な基準は必要と考えます。
○磯座長 文言の問題なのですが、重篤な状態に陥った心不全というのは、結果論ですね。現在、重篤かどうかというのは問わないが、最終的に業務によってそれが重篤化するということなので、重篤な心不全というのは、その前の状態が重篤かどうかではなくて、最終的に結果論として重篤になるという意味で、そういう理解であれば、この文言はそのままでも良いような気がしますが。重篤な結果に至る、重篤な状態に至る心不全としましょうか。難しいですね。野出先生、どうぞ。
○野出委員 野出です。西村先生と杉先生の提案に私は賛成でして、心不全は非常に極めて多彩で、病態も違いますし、原因もいろいろあるということで難しいと思います。心不全の予後を予測するのはなかなか不可能なので、労災認定という観点からしますと、この重篤な心不全を置いておいて、括弧で入院を要する急性心不全と、ある程度限定したほうが分かりやすいと思います。だからICD-10コード、心不全が原因で入院という病名がはっきりありますので、そこでしっかりと評価すると。
急性心不全で入院した場合には、入院する前、何時間、何日までの労働時間が分かりますので、はっきりとまず心不全というよりは、急性心不全で入院をするということで限定して、そこから労災認定といいますか過重労働の評価をしていくほうが妥当かと思います。あとNYHA分類では4なのですが、NYHA4というのは少し難しいですので、やはり入院を要する急性心不全という括弧付きで定義をしておくというのが、1つの方法かと思いました。以上です。
○磯座長 ありがとうございます。それでは、重篤な心不全という文言は残しておいてよろしいですか。それでその説明の中に、今、野出先生がおっしゃったように、6回における議論の文言の中で先ほど議論がありましたように、虚血性心疾患以外の様々な基礎疾患についても具体的に入れると同時に、業務による明らかな過重負荷によって入院を要するなどという、何かそういった表現を入れることも大事かと思いますので、事務局のほうで整理をしてください。ありがとうございました。建設的な御意見ありがとうございます。
それでは、6ページの論点Ⅱ評価期間について、事務局から説明をお願いします。
○西川中央職業病認定調査官 対象疾病についての御議論ありがとうございました。
論点のⅡの評価期間について、手短に御説明をさせていただきたいと思います。6ページを御覧ください。まず論点のAですが、現行認定基準における要件ごとの評価期間について、維持することが適当ではないかという論点をお示ししています。この論点はA1、A2、A3と分かれていますが、A1が原則の部分です。今の現行認定基準では、異常な出来事については発症直前から前日までを評価する。短期間の過重業務では発症前おおむね1週間を評価する。長期間では、発症前おおむね6か月を評価するという形にしています。これに関して、医学的知見と裁判例をお示ししています。医学的知見について、右側の欄にまとめて書いていますが、具体的には9~16ページを御覧ください。異常な出来事に相当する負荷を調査しているものについては、消防士の業務中の突然死など、そういった発症時の状況、あるいはその直前の状況を調査しているというものが、全てになっています。
また、短期間の過重業務に相当する負荷を調査した疫学調査ですが、こちらは発症前1日~14日間のものを調査したものがあるという状況でした。一番多いのは、発症前7日間を調査して、それによって分析をしているというものです。
最後の長期間の過重業務に相当する疫学調査ですが、これは非常に数が多いところです。こちらが11ページ~16ページまでありまして、個別に御説明する時間がお取りできないかと思っているところですが、発症前4週間から一番長いものでいきますと、騒音などで10年以上の負荷について調査をしているというものがあります。ただ、このような調査において、例えば前の年を調査している、前の年の労働時間や睡眠時間を調査しているという疫学調査では、調査時のベースラインの段階で、あなたの去年の労働時間はどれぐらいでしたか、去年の睡眠時間はどれくらいでしたかなど、そういったことを概括的に質問するという形で、ざっくりと聞いているというようなところです。
労災の認定では、毎日毎日の労働時間などを全て把握して、それを分析して負荷を判断しているのですが、収集した疫学調査の中にも1件、30日間の睡眠時間を毎日測定したというものがあったところですが、多くのものは、今、御説明したような概括的な状況の把握にとどまるものが多いということで、労災でやるような評価期間の参考と直ちにすることは、ちょっと難しいのではないかと考えているところです。
また、収集した医学的知見の中には、症例報告もありましたので、こちらは17ページにまとめさせていただいていますが、症例報告では発症の前日から発症前1か月、あるいは発症前7か月ぐらいまでの状況を報告しているところです。
裁判例については、個々に御紹介できませんが、現行の裁判例のほとんどは、今回の資料に載せなかったものも含めまして、認定基準に沿って発症前6か月間の負荷を検討しているという状況です。その中で、A2にB11、B18、B20とありますが、幾つかは発症前6か月よりも前の時間外労働を評価しているものがあるという状況です。
こういった状況を踏まえましてA1ですが、現在の要件ごとの評価期間について、これを維持することが適当か、変更するだけのエビデンスがあるかということについて、御議論を頂ければと思っています。
A2ですが、先ほど裁判例の関係でも少しお話をさせていただきましたが、長期間の過重業務に関して、こちらは、現在、基本的には発症前おおむね6か月をみるということにしているわけですが、それより前の業務、それより前の負荷の取扱いです。現行認定基準においても、発症前おおむね6か月より前の業務については、付加的要因として考慮するということを示しています。実際にもこうしたケースで、支給決定しているものはあるという状況です。この取扱いについて、維持するということが適当ではないかというたたき台を書かせていただいておりまして、こちらについて御議論を頂ければと思っています。
A2は長期間の過重業務の関係でしたが、A3は短期間の過重業務における原則の評価期間より前の取扱いに関するものです。短期間の過重業務の評価期間は、基本的には発症前おおむね1週間としています。これを超える部分には、長期間の過重業務のほうでみるということになっているところですが、事案の中には発症直前の10日間や2週間、それぐらいの期間だけが非常に忙しく、その前は大したことはなかったということで、1か月でみると100時間には至らないといったような事案があるところです。この場合ですが、発症前1週間を含めた先ほどの期間、忙しかった10日間や2週間などといった期間の業務の過重性を評価して、それが特に過重と認められる場合には短期間の過重業務として労災認定することとしているところです。
この運用は、現在の補償課長通知に記載をしていますが、認定基準には記載はありませんので、取扱いを維持するとともに、認定基準上、明確にすることが適当ではないかということについて、御意見を頂ければと思っています。
続きまして、7ページです。論点のBの過重な負荷と発症との時間的な関係性についてです。こちらについては、評価期間の中において、時間的な観点から負荷と発症との関係を整理したいというものです。
まずB1ですが、認定基準は、平成13年よりずっと前からですが、負荷が発症に近ければ近いほど発症への影響が強いという考え方が基礎にあるところです。これはB2の中でもそれが具現化されていますし、長期間の疲労の蓄積という概念を入れた平成13年の議論の中でも、この考え方は医学的に間違いではないというような見解が示されているところです。今回の検証においても、この考え方を維持していいかということについて、御確認をお願いしたいと思っています。
これを踏まえまして、B2です。短期間の過重業務の判断に当たっては、まず基本的に1週間をみるのだが、一番大事なのは発症直前から前日だということを認定基準に示しています。発症直前から前日までが特に過重であれば、そこで判断を終えてよい。1週間で平均してみたら、そこまでいかなかったとしても、直近の2日間、発症直前から前日までの業務が特に過重であれば、これは認定されるということです。
これが特に過重であると認められない場合に、おおむね1週間の業務が特に過重であるかどうかを判断しましょうということになっていまして、これは昭和62年の報告書から続く考え方で、今の認定基準にも書いてあるところですが、引き続き、取扱いを維持することがよいと考えてよいかどうか御意見をお願いしたいと思います。
さらにB3です。B1の考え方に沿った長期間の過重業務に関する取扱いです。長期間の過重業務の判断においては、発症前おおむね6か月を評価期間とするわけですが、中にはこういった長期間の疲労の蓄積に加えて、発症に近接した時期に一定の負荷要因、例えばかなりのストレス、心理的負荷となる出来事が認められるといったような場合があるところです。発症前1週間というのは、当然、発症前6か月の中に含まれますので、そういった出来事、負荷要因を評価するということは当たり前でもあるのですが、より適切な運用がなされるように、長期間の過重業務の判断において、短期間の過重業務についても総合的に評価すべき事案があるということを、認定基準上明らかにしてはどうかというものです。右欄には裁判例を書かせていただいていますが、裁判ではやはり発症に近接した時期に何らかの目立った負荷があれば、これに言及がされ、評価されているというところです。
また、次のページを先に見ていただきますと、平成13年の報告書の抜粋を記載していますが、右下に第2回でも御紹介しましたが、発症と業務による負荷の関係を示した概念図があります。ロのところが先ほど御説明したような話なのですが、イの矢印が長期間の過重業務の疲労の蓄積です。それだけで発症までいってしまうというのが、イの矢印です。そういったものがあるところに、急性の負荷も加わったというものが、ロの矢印です。平成13年報告書においても、ロの場合のパターンを最も重視するとされていたところであり、これを認定実務においてもより適切に活かしていきたいというのが、このB3の論点です。
戻っていただいて、論点Ⅱの最後B4です。B4は、B2やB3とは逆のパターンです。発症に近い時期の負荷が小さく、発症から離れた時期の負荷が大きい場合の考え方についてです。右側に裁判例を記載していますが、例えば発症前に3か月程度の時間外労働はぐっと短くなったのだが、発症前6か月でみると4、5、6か月のところに月126時間といったような、極めて長い時間外労働があったというような事案の考え方です。この事案では、発症前3か月間においても、精神的緊張もかなりあったということが、合わせて評価されているところで、いずれにしても事案に応じて総合的な評価をしていくということになるかと思いますが、今後の認定に活用していくためにも、このような事案の考え方について御意見を頂ければと思っています。論点は以上です。
参考資料として、先ほど御説明しましたとおり8ページには平成13年報告書の抜粋、その後ろに医学的知見、更に評価期間に関する裁判例を付けています。また、23ページ以降は第3回の資料のうち、異常な出来事に関する裁判例をまとめたもの。26ページ以降は同じく短期間の過重業務に関する裁判例をまとめたものです。また、平成13年の検討会のうち、評価期間に関する議事の、特に結論となった第11回、12回の議事録の抜粋を資料2として添付しています。論点Ⅱに関する御説明は以上です。御検討よろしくお願いいたします。
○磯座長 ありがとうございました。今、事務局から説明がありましたように、これまでの我々の議論を踏まえて、更にこれまでの疫学的なエビデンスと裁判事例に沿って明確化して、若しくは確認しておくべき事項を挙げています。まずA1については、この3つの異常な出来事と短期間、長期間については、それぞれ評価期間が示されていますが、これについて特に異論等はありますか。よろしいでしょうか。これまでの議論の中で度々確認がされたものですので、これはこれで承認されたものとして進めさせていただきます。
それを受けてA2ですが、これについては、6か月より前のところについての負荷要因として考えていくということで、疫学研究というのは、例えば1年間、2年間といったエビデンスが少ないので、状況に応じて付加的な要因として考えていくということになりますが、これについてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。特に御意見はないようなので、これについても合意を得られたものとさせていただきます。
次のA3については、先ほどは長期間のものなのですが、短期間のところで発症前1週間を含めて、それよりも前も含めたところ、1か月ぐらいのところで、それなりの過重性が付加されたということがあれば、それも勘案するということについてです。これもよろしいでしょうか。特に御意見はありませんか。ありがとうございます。
それでは、次に7ページ。B1ですが、そういったAの議論も踏まえて、どこを中心に考えるかということで、やはり発症と近いところを重視するというB1の方針ですが、これもよろしいでしょうか。特に御意見はないようですね。ありがとうございます。
それでは、それを受けてB2ですが、短期間の過重労働について、まずは発症前から前日、しかしながら1週間以内に特に何か付加的なものがあったかどうかを勘案するということです。まずは近いところを重要視するのですが、それよりも前のところについても考慮する。ちょっと幅を持たせるということですが、これについてはいかがでしょうか。これも特に御意見はなさそうですね。ありがとうございます。
B3です。今度は長期間のほうです。長期間のところについても、同じように幅を持たせるということなのですが、発症に近接した一定の負荷要因が認められる場合、特に近接したところも十分考慮するということです。これも裁判事例等からこういった明確化が必要であるということで、この文言が出てきたと思いますが、これについてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。特に御意見等はありませんか。ありがとうございます。
B4に進みます。長期間の過重業務について、逆に発症に近い時期の負荷が小さいが、それより前に結構大きな負荷があった、実際の精神的緊張の業務があったということが裁判例でありますが、これについてはいかがでしょうか。水島先生、どうぞ。
○水島委員 ありがとうございます。難しい問題ですが、事務局に御用意いただいた裁判例のB23を見ますと、時間外労働の点では確かに負荷が小さく見えるのですが、この時期に労災に遭っていて、発症に近い時期の負荷が小さいとは必ずしも言えない事案のように思いました。また、地裁では国側が勝訴し、高裁で国側が敗訴したという、判断が難しい事案ですので、この事案を挙げて検討するのが、適切であるのかということに疑問がありました。
その上で、このようなケースにおいても、B3と同様に総合的に評価するということになるのではないかと考えました。以上です。
○磯座長 B4については、特に御異論はないということでよろしいでしょうか。ただ、その裁判例の例題が必ずしもフィットしていない可能性があるといった御意見でよろしいでしょうか。
○水島委員 はい、そういう理解です。また、この資料からは、発症に近い時期の時間外労働が短くても、発症前4~6か月に極めて長い時間外労働があれば、業務の過重性が認められるようにも読めてしまうのですが、そうではなくて、この事案は発症前の1~3か月の時間外労働は短いものの、他の事情があったということを考慮すべきと考えます。
○磯座長 そうなりますと、事務局は別の事例を参考例に出すということでしょうか。
○西川中央職業病認定調査官 水島先生の御意見は、あくまで全体を総合的に評価するべきであるという御指摘であったかと思います。時間数だけにとらわれず、直近の負荷についても中身を精査するというような御趣旨の御指摘と承りましたが、そういった理解でよろしいでしょうか。
○磯座長 はい、そのような理解ですので、文言を修文してください。よろしいですか。それではBについての議論はこれで終了したいと思います。
次に30ページです。Ⅲの過重負荷の判断について、事務局から説明をお願いします。
○西川中央職業病認定調査官 それでは引き続きまして、論点Ⅲの過重負荷の判断について御説明させていただきます。資料は30ページを御覧ください。
こちらの論点については、前回第7回の検討会においても、支給決定事例を踏まえて非公開で御議論を頂いたところです。今回、公開の検討会において論点についての考え方を改めて確認、整理いただきたいと考えています。重複する部分もあろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。なお、この関係について、第7回検討会の議論のうち、公開して差し支えない部分について、資料4としてまとめさせていただいていますので、適宜、御参照いただければと思います。
まず、30ページ、論点1は異常な出来事です。Aの異常な出来事とはどのようなものかについて、今、課長通達においてこの出来事が急激な血圧変動や血管収縮を引き起こすような出来事であると、前回の御議論の中で不整脈の関係や血栓形成の関係なども考えられるので、「等」を入れておくことが必要だという御指摘もありましたので、それを踏まえてこのような定義をしてはどうかということです。
またBですが、今の認定基準に示している3つの異常な出来事の定義が、異常な出来事とは当該出来事によって急激な血圧変動や血管収縮等を引き起こすものだという考え方に照らして、妥当なものになっているかどうかという点です。前回、事例も踏まえて御検討いただきましたが、精神的負荷や身体的負荷に関して、「突発的又は予測困難な異常な」という限定がいかがかということで、事例や裁判例などを踏まえまして、左の欄に書いてあるような修正案のたたき台を示させていただいています。こちらは前回の御議論を踏まえたものとしたつもりですが、御議論をお願いしたいと思っています。ただ、あくまでこれは労災の認定基準における定義ということになりますので、客観的に判断するということは大前提にあるということです。
続きまして、31ページの論点のCですが、異常な出来事に関する検討の視点、あるいは業務と発症との関連性が強いとされる場合を例示するということについて、どのように考えるかということです。そして、たたき台を示させていただいていまして、検討の視点を1段落目に、現行の認定基準や前回御議論いただきました支給決定事例などを踏まえまして、取りまとめております。また2段落目に、このような場合には、業務と発症との関連性が強いと評価できることを踏まえて判断するということで、具体例を示しております。先ほどBの具体的な出来事の定義のたたき台から、突発性や予測困難というところを削った関係から、検討の視点に突発性の程度や予測の困難性というような文言も追加をしていますが、このようなたたき台について、これも前回の御議論を踏まえてお示しをしたつもりですが、御確認、御意見を頂ければと思っています。
続きまして、32ページです。論点Ⅲの2は短期間の過重業務についてです。まず、労働時間に関してですが、こちらについても検討の視点と業務と発症との関係性が強いと評価できる場合についてお示しをすることはどうかと、そのほうが分かりやすいのではないかということです。こちらも認定事例や現行の認定基準などを参考に、1段落目には検討の視点、2段落目には業務と発症との関係性が強いと判断できる場合の具体例について示しています。具体例の①ですが、発症直前から前日までに特に過度の長時間労働、例えば徹夜での勤務などを行った場合を想定しているところですが、こういった場合です。あるいは②のところですが、発症前1週間に継続した過度の長時間労働、毎日23時、24時といった深夜時間帯まで連日働かざるを得ないというような勤務を行った場合を想定しているところですが、前回の御議論において事例を踏まえても定量的な規定、要するに時間数などを数字で示すことはなかなか難しく、定性的な規定を置いて、多面的に評価しておくということがよいのではないかという御意見を頂いているところです。これを踏まえまして、ここで示したようなたたき台の検討の視点や、労働時間と発症との関連性が強いと判断できる場合の具体例について、前回おおむね御了承いただいた方向性かとは思いますが、御確認を頂きたいと思っています。
続いて、BとCは労働時間以外の負荷要因に関するものです。論点のBですが、労働時間以外の負荷要因については、短期間と長期間は基本的には同じと考えてよいか。ただ作業環境については、短期間のほうで重視して、長期間のほうでは付加的に考慮する。こちらは第5回の議論を踏まえたもので、こちらもおおむね御了承いただいた方向性かと思いますが、確認をお願いしたいと思っています。
最後にCです。論点のCは、先ほどまで短期間の労働時間のところや異常な出来事のところで、たたき台を示させていただいたように、業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化、具体化できないかというようなものです。しかしながら、前回の御議論において、支給決定事例を踏まえても類型化はなかなか困難であって、こういった具体例を示していくということも難しいのではないかというような御指摘もあったところです。この点についても御議論、御確認を頂きたいと思っています。論点Ⅲについては以上です。駆け足の説明となりましたが、御検討よろしくお願いいたします。
○磯座長 それでは論点Ⅲについて、これまでの委員会の議論を踏まえて事務局案がまとめられています。1つ1つの確認をします。まず、30ページの異常な出来事のAについてです。異常な出来事の定義として、当該出来事によって急激な血圧変動うんぬんとありますが、そこの血管収縮の後に「等」を入れました。これについては、いかがでしょうか。特に御意見はないでしょうか。それでは、これについては御了解いただいたということで、次に移ります。
Bについては、3つの異常な出来事についてです。1番の極度の緊張、興奮、驚がく等の強度の精神的負荷を引き起こす事態ということで、先ほど事務局が説明したように「突発的又は予測困難な」ということは削っています。これについても前回、相当議論していただきましたが、このことの確認と、更に2番目は急激で著しい身体的負荷ということで、3番目の急激で著しい作業環境の変化と文言を合わせています。いかがでしょうか。特に御意見、コメント等は。水島先生、どうぞ。
○水島委員 ありがとうございます。水島です。Bを修正する原案に賛成しますが、その上で、念のため確認させていただきたます。Bの方では突発的又は予測困難なという文言を削って、Cの方では新たに突発性の程度、予測の困難性を明記することになっていますが、この趣旨について、もう一度御説明いただけますか。
○磯座長 事務局からお願いします。
○西川中央職業病認定調査官 事務局から御説明させていただきます。Bの方は定義、これに当たらなければ異常な出来事に当たらないという趣旨のものになるわけですが、ここで強度の精神的負荷、あるいは強度の身体的負荷ということに加えて、「突発的又は予測困難な異常な」ということが定義に含まれていたところです。そうしますと、前回の御議論では、「強度」のということと別に「突発的又は予測困難な異常な」ということが必須のものになるのかという御指摘がありました。突発的であれば強度の精神的負荷になり得る、強度の身体的負荷になり得るということはあり得るとは思うのですが、これが必須なものであるのかということについて御指摘があったかと思っています。前回支給決定事例を見ていただいたほか、今回もバレーボールの身体的負荷の関係の裁判例を記載していますが、これは労災ではなく公務災害の事案ではありますが、バレーボール自体が突発的又は予測困難な異常なものであったかということになると、そこはやはり違うのではないかということで、定義のほうからは削らせていただいて、ただ出来事によっては、正に突発的であったから負荷がある、予測が困難であったから負荷が大きいという場合もあり得るということで、検討の視点についてはそういったことも適切に考慮するようにということで、盛り込ませていただいたところです。いかがでしょうか。
○水島委員 ありがとうございました。理解しました。
○磯座長 ありがとうございます。それではBについてもよろしいでしょうか。ありがとうございます。
それではCに移ります。Cについては具体化です。事務局から文言案があります。ちょっと長文ですが、先生方で確認いただいて何かコメント、御質問等はありますか。これまでの議論をまとめたという形になると思いますが。異常な出来事というのは、それぞれの個別の事例が多くありますので、総合的な判断が必要です。その判断の際にはどういった判断基準にするかということで、第2パラグラフ目から事例があります。これについても、先生方のこれまでの検討の中で個別で確認された事項を、事務局でまとめた形になるかと思いますが。特に御意見ありませんか。よろしいでしょうか。これも合意されたとして進めさせていただきます。
次の32ページです。短期間の過重業務、これについても同様な裁判例を踏まえて、文言の明確化ということで事務局案があります。これについてはいかがでしょうか。先ほど話がありました、定性的な判断が主なのですが、多面的に考えていくということで第2パラグラフ目から1、2についての文言が事務局案としてあります。これについてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。特に御異議はないということで、これについても確認させていただきました。
さらにBに移ります。労働時間以外の負荷要因について、短期間も長期間と同様に考えつつ、作業環境については短期間の過重業務としての判断を重視する。長期間では付加的に考える。これについても、これまで直近のところを重点に考えるということですので、同様な考え方だと思いますが、いかがでしょうか。これについて特に御意見ありませんか。よろしいでしょうか。
最後に移ります。労働時間以外の負荷要因に関しては、業務と発症との関連性が強いと判断できる場合について明確化、具体化できるかということですが、これは先生方と我々の議論の中で、非常に多様なケースがありますので、なかなか明確化できないのではないかという議論になったかと思いますが、これについてはいかがでしょうか。CについてはこれまでのAとBも踏まえながら個別に判断するということになると思いますが、いかがでしょうか。
○高橋委員 高橋です。
○磯座長 高橋先生、どうぞ。
○高橋委員 現状では、先生がおっしゃるように、こういう書き方しかできないかなと思います。何より今回の検討会で時間以外の負荷が改めて整理されて、これから世に出るところなので、その後を見ながら、もし可能であれば明確化や具体化を図っていければいいのではないかなと思いました。
○磯座長 ありがとうございます。ほかに御意見等はありませんか。よろしいでしょうか。法律の立場で、水島先生、嵩先生、何かコメント等はありますか。よろしいですか。ありがとうございます。本日の議事は以上になります。最後に全体を通して特に御意見、コメント等はありますか。ありがとうございます。
それでは、先生方の本当に活発な御意見をありがとうございます。これでだいぶ整理が付いたと思いますので、事務局でまた最終的な整理をしてください。本日の検討会はこれで終了します。次回の日程を含めて、事務局から何かありますか。
○中村職業病認定対策室長補佐 長時間、御議論ありがとうございました。次回の検討会の日程、開催場所については後日改めて御連絡させていただきますのでよろしくお願いいたします。本日はお忙しいところ本当にありがとうございました。
○磯座長 ありがとうございました。