第144回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 議事録

日時

令和2年12月11日(金)15:30~17:00

場所

厚生労働省 省議室及びオンライン
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館9階)

議事

議事内容
○伏木雇用保険課長補佐 お忙しい中、御参集いただきましてありがとうございます。
 事務局のほうから開催に先立ちまして、毎度でございますが、オンラインの御案内だけ御説明差し上げます。
 本日も一部の委員の皆様はZoomを利用して御出席いただいておりまして、部会の進行中マイクはオフとさせていただいております。発言なさる際は画面上で挙手いただいて、部会長の許可を得て、マイクをオンにして御発言をお願いします。
 会議進行中、通信トラブルで接続が途切れてしまった場合などは、トラブルがありましたら、チャットないし電話番号まで御連絡ください。通信遮断が大きく生じた場合には部会を一時休憩とさせていただくこともございますので、その点、あらかじめ会場の皆様も含めて御容赦くださいますようお願いします。
 また、本日、ペーパーレス開催となります。資料はお手元iPadに格納されてございます。現在は議事次第が表示されているかと思いますが、操作確認で一度タッチしていただいて、左上に表示される三角マーク、「雇用保険部会」というマークで資料の選択画面に移っていただけます。御不明点がありましたら挙手いただきますと、事務局から説明いたしますので、よろしくお願いします。
 また、本日も新型コロナウイルス感染症蔓延防止の観点から、傍聴は別会場においてオンラインで行わせていただいております。傍聴の皆様におかれましては御理解いただけますよう重ねてお願いいたします。
 事務局からの説明は以上となります。
 それでは、部会長、よろしくお願いいたします。
○阿部部会長 皆さん、こんにちは。
 それでは、ただいまから第144回「雇用保険部会」を開催いたします。
 本日の委員の出欠状況ですが、公益代表の小畑委員、使用者代表の平田委員が御欠席です。
 オンラインでの御出席は、公益代表の中窪委員、田島委員、水島委員、労働者代表の小林委員、使用者代表の湊元委員、柴田委員です。また、使用者代表の平田委員の代理として、日本経済団体連合会労働政策本部統括主幹、酒井様がオンラインで出席をされております。
 それでは、議事に移ります。本日は、議題1「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案について」、議題2「押印を求める手続の見直しのための厚生労働省関係省令の一部を改正する省令案について」、議題3「雇用保険二事業について」の3点となっております。
 まず、議題1「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案について」、議論したいと思います。事務局で省令案要綱を作成し、本日厚生労働大臣から労働政策審議会に諮問がなされています。まずは事務局から資料に沿って御説明いただき、その後、質疑に入りたいと思います。
 それでは、事務局から資料について説明をお願いいたします。
○伏木雇用保険課長補佐 それでは、私、伏木から御説明を差し上げます。資料は、先ほど説明を差し上げたとおりファイルの一覧に戻っていただいて、「資料1-1(休業支援金 要綱)」というところを御覧いただければと思います。
 資料の2枚目が諮問文ということでございます。3枚目が省令案の要綱ということでございます。こちらにつきましては、重ねてこの部会でも御議論いただいてきておりますが、新型コロナウイルス感染症対応の休業支援金につきまして、以前、12月31日までということで、期限の延長についてお諮りをして、改正を差し上げたところでありますが、年明けのことにつきまして、先般11月27日に田村大臣のほうから発表させていただきまして、また、先日閣議決定した経済対策の中でも雇用調整助成金の特例措置と併せてということですが、現行措置を来年2月末まで延長の上、3月以降段階的に縮減し、5~6月にリーマンショック並みの特例とすることを基本の想定としつつ、感染の状況や雇用情勢を踏まえて柔軟に対応すると。具体的には1月末及び3月末時点でそれぞれ感染状況や雇用情勢を見極め、休業者数、失業者数が急増するなど雇用情勢が大きく悪化している場合、感染が拡大している地域、特に業況が厳しい企業について特例を設けることとする。こういった内容で閣議決定をしているところでございます。
 そうしたことも踏まえまして、本日お諮りする内容は、第一に記載のとおり、休業支援金の対象の期限、令和3年2月28日まで延長するという内容でございます。公布して、即日の施行となります。
 私からの説明は以上となります。よろしくお願いします。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 本件に関しまして御質問、御意見がありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。オンラインの方は、「手を挙げる」ボタンなり、画面上で手を挙げていただいてもこちらで見えますので、いかがでしょうか。湊元委員、お願いします。
○湊元委員 日本商工会議所、湊元です。
 では、1点御質問なのですが、休業支援金の支給実績についてお伺いしたいと思います。これまでの支給決定の累計額について、雇用保険被保険者分及び被保険者以外分の内訳はそれぞれ幾らか、もし分かったら教えていただきたいです。また、政策目的に見合った効果がきちんと出ているのか教えていただけますでしょうか。
○阿部部会長 では、事務局、お願いいたします。
○長良雇用保険課長 雇用保険課長でございます。
 休業支援金の支給の実績でございますけれども、額について、今、手元に完全な資料はないのですが、累計で申請件数が70万件を超えまして、支給決定も60万件を超えております。支給額については大体500億ぐらいの規模で出ているところでございます。
 雇用保険の被保険者と被保険者でない方の割合。雇用保険の被保険者でない方は、休業支援金という形で一般財源で措置をしておりますけれども、この両者を比較いたしますと、雇用保険の休業支援金と雇用保険でない休業給付金の割合が1対2に近い形になっております。申請件数のオーダーで言うと、雇用保険に入っていない方のほうが、入っている方よりも2倍近く申請が多く、支給決定の額についてもかなりそれを反映した数字になっているところでございます。
○阿部部会長 湊元委員、よろしいですか。
○湊元委員 ありがとうございます。
 ということは、雇用保険に入っていない人のほうが2倍ぐらい多いということは、雇用保険の対象である社員の給与や休業手当については、大半の経営者が、雇用調整助成金の活用などを通じて適正に支給している結果と考えて評価してよろしいのではないかと思うのですが、厚生労働省におかれましては、いかがお考えでしょうか。
○阿部部会長 では、事務局、お願いします。
○長良雇用保険課長 私どもも雇用保険に入っている方に関しましては、かなりの方々が雇用調整助成金の御活用のほうに回っているのではないかと受け止めているところでございます。
○阿部部会長 湊元委員、よろしいですか。
○湊元委員 ありがとうございました。
○阿部部会長 それでは、酒井代理から手が挙がっておりますので、酒井代理、お願いいたします。
○平田委員(代理 酒井主幹) ありがとうございます。発言をさせていただきたいと思います。
 個人に対する給付である新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金について、平田委員から以前から申し上げていることでございますが、改めて3点申し上げたいと思います。まず、本来休業手当の支援は雇用調整助成金を通じて行うべきでありまして、個人向け給付として特例的に創設された新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金に安易に流れることがないよう、引き続き政府は雇調金の周知に努めるべきです。
 第2に、本来個人向け給付は全額事業主負担の雇用保険二事業で行うべきではなく、今回限りの特例とすべきです。
 第3に、支援金・給付金はコンスタントに申請件数が増大してきています。引き続き事後チェックや不正受給が行われた場合の返還命令の厳格化など、不正防止に努めていただきたいと思います。
 私からは以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 それでは、仁平委員、お願いいたします。
○仁平委員 2月末までの期間の延長について、労働側としては了解しました。3月以降について、今後の感染症の状況、支給の実績、雇用維持の効果なども確認いただく必要があると思っております。
 そこで1つ質問ですが、雇用維持の効果について何らかの分析が可能なものなのでしょうか。
○阿部部会長 それでは、事務局、お願いいたします。
○長良雇用保険課長 今の御質問は休業支援金のほうということでよろしいですか。
○仁平委員 はい。
○長良雇用保険課長 恐縮でございます。
 雇用維持の効果という詳細に関して、実は休業支援金のシステム上、なかなか取ることが難しいという部分もございまして、あまり詳細な分析ができない状況でございます。いろいろなデータを見ていく中で、4月、5月、6月の休業の方が非常に多いボリュームを占めていることは確かでございます。当初申請期限の締切りが9月末までだったのを12月末までに延長したりしているところでございますが、そういった点を考慮して、9月末ぐらい申請が多く来ていて、最近は申請件数が減っているところでございます。4月、5月、6月の休業に関して、この休業支援金についてもかなり効果を発揮しているのかなと思いつつも、最近は申請のほうは落ち着いてきているのではないかと見込んでいるところでございます。
○阿部部会長 よろしいですか。
○仁平委員 はい。
○阿部部会長 ほかにいかがでしょうか。特段よろしいですか。
 労使それぞれから御意見を頂戴しました。私も個人的には休業支援金の効果がどういうものであったのかというのをしっかり検証していく必要があるだろうと思っております。また、そもそも雇調金で支給すべきものであるはずなので、この辺りはどのように政策的に対応していくかというのも本当に考える必要があると思います。
 それから、前回の部会で中窪委員から財源の話があったと思いますが、そういうことも踏まえまして、3月以降どのような制度設計をしていくのかというのもしっかり考えていただきたいと個人的には思います。
 ほかに何か御意見、御質問はございますか。
 それでは、特になければ、当部会としては、「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」について、「おおむね妥当」と認めることとし、その旨を職業安定分科会長宛てに報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(委員 首肯)
○阿部部会長 ありがとうございます。
 それでは、「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」の報告文案の配付をお願いいたします。オンラインの方は、ただいまから画面に表示しますので御確認ください。
(報告文案の配付及び掲載)
○阿部部会長 御確認いただけますでしょうか。
 それでは、ただいま掲載いただいた報告文案で職業安定分科会へ報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(委員 首肯)
○阿部部会長 ありがとうございます。
 それでは、この報告文案で後日開催されます職業安定分科会に報告したいと思います。
 次に、議題2と議題3に移ります。議題2「押印を求める手続の見直しのための厚生労働省関係省令の一部を改正する省令案について」、議題3「雇用保険二事業について」、事務局からまとめて報告をいただきたいと思います。
 では、事務局、お願いいたします。
○伏木雇用保険課長補佐 それでは、議題2と議題3につきまして、続けて御説明差し上げます。
 資料は、一覧に戻っていただきまして、「資料2-2(押印 概要)」という資料をお開きください。よろしいでしょうか。
 2ページ目から資料に入りますけれども、こちらは、背景といたしまして、令和2年7月の規制改革実施計画というところで、原則として全ての見直し対象手続として、書面の作成・提出を求めているものとか、押印を求めているものとか、対面の手続を求めているものなどを見直し対象手続として、恒久的な対応として、年内に順次必要な検討を行い、改正を行うということでございます。いわゆる新聞でも押印を廃止する、判子を廃止するということで大きく報道されていたかと思いますが、そういった関係になります。
 厚生労働省の関係も多数押印等の廃止を行っておるものでございまして、先立って職業安定分科会のほうにお諮りして、妥当との御結論をいただいておるところでありますが、雇用保険部会におきましても御報告を差し上げるということでございます。
 資料は1ページお進めいただきますと、部局の手続がずらっと並んでおりますが、雇用保険の関係につきまして赤枠囲いをしております。(2)といたしましては激甚災害時の雇用保険法による求職者給付の支給の特例。いわゆる激甚災害のときに、みなし失業給付という形で、会社が休業状態になったときに特例的に、休業なので失業はしていないのですけれども、基本手当をお支払いするという仕組みが激甚災害法の中でございます。したがって、こちらもいわゆる離職のときの手続と同様の内容を若干言いぶり変えて、休業証明書とかそういった形で規定しておりますので、ここに並んでおります。
 その下に参りまして、(5)雇用保険法施行規則というところで各種の手続におきまして押印・署名の廃止を実施してございます。こちらは全てを廃止したということではなく、一部の手続につきましては引き続き押印を残すものもございます。それはここには載ってこないということです。そういったものは、会社さんは事業所を設置するときにハローワークに判子を登録していただくような形になっておりますが、基本手当を受けていた方が早期に再就職すれば再就職手当をお支払いすると。そのときに再就職の内容、どういった労働条件で就職したかという証明を出していただいて手続をするというものがございます。本人が手続をするときに会社さんの証明を必要とするというときに、会社さんのほうでハローワークに登録している印を押して出していただくということをしてございますので、そういったものは第三者の証明を必要とするというところで、押印は登録印という形で残してございます。
 その他のものにつきましては、幾つか類似のものはございますが、あとは事業主から直接お出しいただくときに事業主の判子を毎度は求めない。労働者さんから手続をしていただくときに労働者の判子は求めないという形で、原則としては廃止という形で記載してございます。
 こちらは安定分科会にお諮りをした際に、労働者代表さんのほうから御意見をいただいております。ホームページにも掲載してございますが、御報告ということで、この場でも読み上げさせていただきます。
 今回の改正は、雇用保険被保険者離職票における労働者の署名・押印も廃止の対象となっている。離職については、これまでも離職理由が会社都合か、自己都合かについて、労使間のトラブルが発生しており、今回の改正により労働者が確認すべき項目が省略されるため、労使間のトラブルがさらに増加することを懸念している。今後のトラブルを低減する観点から、労働局としてこれまで以上に離職者及び企業への確認を強化することについて、局長通知などで発出するとともに、その通知及び確認した件数の記録を職業安定分科会に資料として提出する必要がある。なお、省令の規定によらない助成金の申請書類などの署名・押印については、不正や労使間のトラブルを未然に防止する観点から、一律としないなど慎重な対応が必要である。
 1点目の離職票というものについて、少しだけ補足的に御説明します。離職票は、先ほど御説明したラインナップの中に載っております。(5)の⑦⑧といったところが離職証明書ないし離職票というものです。労働者さんが離職なさるときに、会社のほうからハローワークに対して離職票を出していただきます。それが⑦です。その中に離職理由というのがありまして、いわゆる会社都合なのか、自己都合なのか、様々類型がありますが、そういった欄のチェックがあります。その際に、労働者さんに内容に相違ないかというところをチェックいただいた上で出していただくということですが、この部分に押印とか署名がない状態でやられると、会社が一方的に出してしまうようなことも懸念されるのではないか、トラブルが増えるのではないかということを御懸念いただいていると承知しております。
 この点ですが、その続きの⑧に「離職票-2」というものがございます。離職なさった後、失業された方は、ハローワークに基本手当の手続をしにお越しになります。そのときに、御本人に「離職票-2」という形で、これは写しの形になっていますが、持ってきていただきます。ハローワークとしても、それは給付制限がかかるか、かからないかという大事な部分ですので、窓口でこちらの離職理由に間違いないですかと改めてきちんと確認はしてございます。今も運用上そういったことはしっかりしてございます。そういったところがございまして、今回の話を受けまして、代替措置ということでもありませんけれども、改めまして我々の運用を示している通知、業務要領の中で、ハローワークで手続をいただく際の確認というのをしっかり徹底するということをやってまいりたいと思います。こちらは件数ということもいただいていますが、それは全件しっかり確認してやっていくということで考えておるということでございます。
 議題2についての説明は以上とさせていただきます。
 続きまして、議題3について簡単に御説明します。資料は「資料3-1 雇用保険二事業について」を御覧ください。毎年1回雇用保険二事業について、この雇用保険部会の場で御説明、御報告をさせていただいております。資料の2ページ目にありますとおり、いわゆるPDCAサイクルで事業の実施、チェック、そして見直しということを毎年やってございます。こちらは今、「労働政策審議会での報告・確認」ということで、左上にございますが、要は、アクションして、来年度の予算要求を実施したところでその内容について報告・確認ということでございます。
 3ページ目に「雇用保険二事業の評価方法」ということで、詳細の説明は割愛させていただきますが、評価の仕方としてa、b、c、d評価。縦軸は事業執行率。予定していた事業をちゃんと執行したかどうか。横軸はあらかじめ立てていた目標の達成度合いということで評価をしてございます。事業執行をたくさんしたのだけれども、目標を達成していないというのが一番悪いd評価。そういう形でやってございます。
 二事業は事業が多数になりますので、簡単に御説明ということで御容赦いただきたいのですけれども、3ページ目に令和3年度の概算要求ということで、雇用保険二事業関係予算の概要が載ってございます。全体といたしまして雇用保険二事業の財政は非常に厳しい状況であると。前回の部会で状況を御説明しましたが、厳しい状況であることを踏まえまして、厳しく精査をしてございます。真ん中の段、令和2年度の当初予算の比較で、一番下に参りまして、全体として1373億のマイナスで予算を要求しております。最終的な当初予算の編成に向けては、今、また財政当局と協議しておるところでございますが、こういう金額で要求しております。
 主なところとして、大きく見直したところ、逆にそういった中でも強化しているところについて簡単に御説明します。右側に事業のそれぞれの概要がございますが、一番上「同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善」は、いわゆるキャリアアップ助成金の事業でございます。その下のほうに人材開発支援助成金でありますとか、職業訓練の委託をしている委託訓練というものにつきまして、大きくマイナスということで精査をしてございます。こちらは「人づくり革命」ということもございまして、令和2年度まで目標を立ててしっかり対応を強化しようということで、予算を大きく計上しておったところでありますが、2年度でその計画が終了しておるというところで、実績を踏まえ、もちろん執行に支障がないように必要な予算を計上した上で、内容については精査をして大きくマイナスを計上しているということでございます。
 強化しているものにつきまして数点御説明差し上げます。その1つ下の欄、マザーズハローワーク云々から始まり幾つかございますが、2つ目は訓練情報提供等によるキャリアコンサルティング等々ということです。こういったものは、ハローワークの窓口で就職支援に当たる就職支援ナビゲーターとかそういった方々です。ハローワークの窓口の体制整備につきましては、この情勢下で求められるだろうというところで、そうしたところはプラス予算の計上ということで対応を強化してございます。
 その欄の一番下、就職氷河期対策費というものも大きく増額してございますが、一部民間に委託している部分も含めて、失業されている方、仕事を探されている方の支援の強化というところにはしっかりと予算をつけているということでございます。
 もう一点、若干制度改正に伴うものもございます。その2つ下に行っていただきますと生涯現役社会実現事業から始まる欄がございますが、その下、65歳超雇用推進助成金というものがございます。その下、高年齢者労働者処遇改善促進助成金(仮称)というものが新規でございます。この65歳超につきましては、今年3月に法改正しました高年齢者雇用安定法の関係で65歳超の方々の雇用確保の努力義務が入ったというところで、そうしたことの事業主さんの取組をしっかり支援するために、こういったところはきちんと予算をつけてございます。
 もう一つ下、高年齢労働者処遇改善促進助成金は、同じく3月の法改正で雇用保険法の高年齢雇用継続給付、こちらは令和7年度から縮小していくという内容がこちらの部会でもおまとめいただきましたが、令和7年度の施行に向けて、企業においてしっかりと処遇を改善して、単に労働者さんの手取りが減るだけにならないような、十分な準備期間とその間の支援をしっかり行うという趣旨でこちらの助成金を新たに創設してございます。
 そういったことで、時勢に応じて求められるものでありますとか、制度改正の対応とか、そういったところには予算をつけつつ、全体としてはマイナス基調で厳しく精査をした結果、トータルでマイナス1373億ということで予算要求をしているものでございます。
 資料3-2と3-3というのは非常に細かいものでございます。個別事業ごとにPDCAサイクルを回す中で、こうした資料を使って評価結果を踏まえて、こういうふうに見直しましたということを整理して、確認しながら進めているということで、こちらは御参考として御覧いただければと思います。
 私からの説明は以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 それでは、議題2、議題3に関するただいまの説明につきまして御質問、御意見がありましたら、御発言をお願いしたいと思います。では、仁平委員からお願いいたします。
○仁平委員 どうもありがとうございます。
 議題2について、先ほど事務局に読み上げていただいた労側者側の意見、の補足をさせていただきます。
2つある意見のうちまず1つ目の離職票についてであります。
連合は全国で労働相談を行っているのですが、コロナ禍の下で例年の2倍程度の相談を受けており、解雇や雇止めに関する相談もございます。離職理由をめぐる労使のトラブルは今でも発生しており、今回の見直しによってそうしたトラブルが増加するということが一番の懸念事項でございます。
押印廃止には賛成したいと思っておるのですが、その前提として、これまで以上に離職者および企業への離職理由の確認を強化することについて、局長の通達をぜひ発出していただき、それを本部会のような労働政策審議会の場で報告をしていただきたい。通達というのは内部のものであるため、世間に見えるような形でそういうものを示していただくことが重要であると思っております。
 また、離職理由を確認した件数の記録についてもお願いしたいと申し上げ、それについては全件確認されるとのことでした。全件確認されるということは承知しましたが、申し上げたいのは、この見直しによって現場で問題が生じていないのかということについて、ぜひ目配りをしていただきたいということなのです。単に件数を知りたいということではございませんので、そういう御配慮をぜひお願いしたいと思います。
 続いて、2つ目の意見についてです。本日示されたものは省令の規定によるものですが、省令の規定によらない助成金の申請書類などについても、重要な部分がございます。不正防止や労使間のトラブル防止という点から、一律とせずに、慎重に労使に相談をしていただきながら対応していただきたいということを重ねてお願いしておきたいと思います。
 以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 では、事務局、お願いします。
○長良雇用保険課長 局長通知に関しましては、ただいまいただきました御意見を踏まえまして発出をする予定でございます。こちらの部会ということになろうと思いますが、その御報告についても、発出した後になろうと思いますけれども、させていただければと思っております。
 また、離職理由をめぐる労使間のトラブルについて、当然のことながら現場任せではなく、私どものほうでもそういったものがどういう状況にあるかというのは確認を取ってまいりたいと思っているところでございます。
 通達以下の様式につきましても、雇用保険以外、ほかのものも含めてどうするかというのは内部で検討させていただければと思います。
 以上でございます。
○阿部部会長 それでは、湊元委員から手が挙がっていたと思いますので、お願いいたします。
○湊元委員 ありがとうございます。
 まず、押印省略に関する省令改正の報告についてであります。これまで押印等が必要であった雇用保険関係を含む各種行政手続について、このたび押印等を不要とする答申を行ったことは、行政手続の簡素化や将来的な行政のデジタル化に資するものであり、異論はございません。厚生労働省におかれましては、リーフレットやポスター等により、企業の人事労務担当者に対し、今回の改正内容及び新様式について幅広い周知を行っていただきたいと思います。周知の際には商工会議所も協力してまいりたく存じます。
 なお、経過措置として、施行日以降に旧書式での届出を行った企業に対しましても、一定期間は受け付ける等、柔軟に対応いただきたいと思っております。
 続いて、雇用保険二事業懇談会の報告についてであります。二事業関係収支について、令和2年度二次補正予算措置後の安定資金残高は、雇用調整助成金の多額の支給により、令和元年度決算額の1兆5410億円から約1900億円に急減する見通しが示されていることから、弾力条項により、令和4年度から二事業の保険料が1000分の3から1000分の3.5に引き上がってしまうことが予想されます。仮に、弾力条項により、令和4年度以降、料率が1000分の3.5に引き上がった場合、費用対効果の観点からコロナウイルス感染症対策以外の事業は支出の大幅な見直しを行うことにより、差引剰余を確保し、安定資金残高を増やすことで、早急に1000分の3に戻るよう道筋をつけていただきたいと思います。
 また、繰り返し申し上げますが、コロナ禍は国家の非常事態であることから、雇用調整助成金をはじめとする雇用維持の支援は、一般会計による国費で負担すべきであり、雇用保険二事業や失業等給付に係る雇用保険料は将来にわたり引き上がることがないよう強く要望いたします。
 最後に、本則である25%の10分の1にまで軽減されている失業等給付の国庫負担率について、コロナの影響で積立金残高が目減りしていることから、国庫負担引下げの暫定措置の継続は令和3年度までの2年間に限るべきであり、令和4年度以降は、衆議院および参議院厚生労働委員会での附帯決議、令和元年度雇用保険部会報告の内容、雇用保険法附則第15条の規定を踏まえ、本則に戻すためのロードマップを早急に策定すべきであるということを申し上げます。
 以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 それでは、事務局、お願いいたします。
○伏木雇用保険課長補佐 私から押印の関係でいただいた御指摘につきまして御説明いたします。周知につきましては、御協力もいただけるということで、ありがとうございます。また御相談したいと思います。様式について、古い様式で出されたとしてもというお話がございましたが、資料2-1に要綱がございます。適宜御覧いただければと思いますが、最後に「この省令の施行に関し必要な経過措置を定めること」とございます。こちらは、様式を改正するとき往々にしてそうですが、当面従前の様式であっても使えますよという内容の経過措置はございますので、そうしたところもきちんと運用してまいりたいと思います。
○阿部部会長 ほかにいかがでしょうか。特段よろしいですか。
 では、ありがとうございました。
 それでは、この際、御発言のある委員はいらっしゃいますでしょうか。
 特になければ、本日の会議は終了したいと思います。
 本日の会議に関する議事録については、部会長のほか2名の委員に署名をいただくことになっております。つきましては、使用者代表の柴田委員、労働者代表の千葉委員にお願いしたいと思いますので、後日、事務局は連絡をお願いいたします。
 次回の日程ですが、事務局から改めて各委員に御連絡をいたします。
 それでは、以上をもちまして本日は終了したいと思います。お忙しい中、どうもありがとうございました。