第313回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

日時

2020年(令和2年)12月23日(水) 13時30分~
 

場所

東京都千代田区平河町2-4-2 全国都市会館 第2会議室

出席者

(公益代表委員)
  • 小野 晶子
  • 鎌田 耕一(部会長)
(労働者代表委員)
  • 木住野 徹
  • 永井 幸子
  • 奈良 統一
  • 仁平 章
(使用者代表委員)
  • 佐久間 一浩
  • 中西 志保美
  • 平田 充
  • 森川 誠

議題

(1)へき地の医療機関への看護師等の派遣等について(公開)
(2)労働者派遣事業の許可等について(非公開)
(3)有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可について(非公開)

議事

議事内容
○鎌田部会長 定刻となりましたので、ただいまから第313回労働力需給制度部会を開催いたします。本日は公益代表の藤本委員、松浦委員が所用により御欠席されます。
本日は、へき地の医療機関への看護師等の派遣等について公開で御審議いただき、その後、許可の諮問に係る審査を行います。このうち、許可の諮問に係る審査については、資産の状況等の個別の事業主に関する事項を扱うことから、「公開することにより、特定の者に不当な利益を与え又は不利益を及ぼすおそれがある」場合に該当するため、非公開とさせていただきます。傍聴されている方につきましては、議題(1)の終了後に御退席いただくことになりますので、あらかじめ御了承ください。
それでは、議事に入りますのでカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。議題(1)「へき地の医療機関への看護師等の派遣等について」、事務局より説明をお願いいたします。
 
○東江補佐 では御説明いたします。資料1です。1枚目は「へき地の医療機関への看護師等の派遣について」、2枚目に「社会福祉施設等への看護師の日雇派遣について」、こちらにつきまして事務局のほうで考え方と対応案について示しております。
1枚目、へき地の医療機関への看護師等の派遣の考え方です。1点目、医療関連業務については、医療機関が派遣労働者となる医療資格者を特定できないということで、チーム医療に対する支障が生じる懸念があることから、原則として労働者派遣が禁止されていますが、医師については、平成18年より、医師確保のための選択枝の1つとして労働者派遣を認める必要性が高いということで、例外的に派遣が認められています。
3点目、今回、地方分権改革に関する地方からの提案で、へき地の医療機関においては、現在認められている医師だけではなくて、看護師をはじめとする深刻な医療従事者の不足に悩まされており、そうした人材確保のための選択枝の一つとして、労働者派遣を可能とする必要性が指摘されたところです。一方で、先ほど申し上げたとおり、医療関係業務の労働者派遣については、チーム医療への支障という部分もありますので、適切なチーム医療の提供がなされるのかということと人材確保の必要性の双方の観点から検討する必要があると考えております。
対応案です。看護師、准看護師、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師について、既にへき地の医療機関への派遣が認められている医師と同様の枠組みによって、下の点線枠囲みの部分ですが、チーム医療への支障を回避してはどうかと考えております。
(1)として、各都道府県のへき地医療支援機構等による事前研修の実施です。へき地の医療機関に看護師等の労働者派遣を行うに当たり、派遣元は、へき地において対応すべき医療ニーズが広範にわたり得るという特性にかんがみて、業務を円滑に行うために必要な事前研修を受けた上で、看護師等を派遣するということ。次に、事前研修のプログラムの作成であったり、修了証明書の発行等については、そのへき地医療支援機構等が中心となって行うという形のスキームで考えております。
(2)派遣先による事前研修修了の確認です。先ほど申し上げた、へき地医療支援機構等が発行する修了証明書により、派遣されてくる看護師等の方がきちんと事前研修を受けた方なのかどうかを派遣先で確認するということ。
(3)は、派遣された後も、派遣先によって、適宜、よりへき地の実情に即応した内容・形態の研修を必要に応じて行うということで、教育訓練の機会の確保に努めること。この(1)~(3)の3点でチーム医療への支障を回避してはどうかと示させていただいています。
次が2枚目、社会福祉施設等への看護師の日雇派遣についてです。考え方です。1点目、社会福祉施設等における医療関係業務については、緊密な連携が必要な高度なチーム医療は一般的に行われないということで、労働者派遣が認められております。ただし、一方で、日雇派遣については原則禁止となっております。
2点目、こうした状況の下、離職中の看護師の中には、多様化するライフスタイル等に合わせて日雇派遣という形で働くことを求める声もあり、先日実施した実態調査の結果においても、派遣労働者として短期就業を希望する者が一定程度存在するということが確認されました。
先日実施しました関係団体からのヒアリングにおいても、社会福祉施設等での看護師の確保は困難な状況であると、そうした中で突発的な欠員が生じた場合に、短期で、かつ、早急に人材を確保できる日雇派遣という形態には、一定のニーズがあるだろうという意見がありました。
ついては、新型コロナウイルス感染症の影響もありまして、看護師の役割とニーズが高まっている状況の中で、社会福祉施設等への看護師の日雇派遣については、受入側からすると、看護師不足に対応するための必要な選択枝の一つとなり得ますし、また、働く側のサイドといたしましても、看護師の多様な働き方へのニーズに対応するものになるのではないかと考えております。ただ、他方で、先日のヒアリングでも挙がったとおり、適切な事業運営の観点や適正な雇用管理の観点から懸念が示されていることも事実ですので、そうしたことも踏まえ、以下のとおり対応案を示させていただいております。
点線枠囲みの対応案の部分ですが、以下のとおり適切な事業運営、適正な雇用管理の実施を図るための措置を派遣元・派遣先に求めることとしてはどうかということです。
具体的には、(1)適切な事業運営の実施を図るための主な措置です。1点目、派遣元と派遣先は、労働者派遣契約の中で基本的には業務内容を決めていくことになると思いますが、派遣される看護師の業務を、基本的には利用者の日常的な健康管理とするとともに、必要に応じ、派遣される看護師に求める条件を派遣契約の中で定めるということ。2点目、派遣元は、社会福祉施設等への看護業務を適切に遂行するための教育訓練を実施すること。3点目、派遣元は、派遣就業日の業務内容等をきめ細かに把握した上で、派遣労働者に対し、派遣就業前に説明すること。4点目、派遣先は、派遣労働者に対し、具体的な業務内容等についてオリエンテーションを実施すること。5点目、派遣先は、利用者に対し、派遣される看護師を含むサービス提供者の勤務の体制等について適切に説明を行うこと。こうした措置によりまして、適切な事業運営の実施を図るものです。
次に、(2)適正な雇用管理の実施を図るための主な措置です。1点目、派遣元のほうは、労働者派遣法上求められている就業条件の明示の義務がありますが、こちらをしっかり派遣労働者に対して確実に行っていただく。派遣先のほうは、労働者派遣法上求められている責務があり、例えば下の※にあるように、労働時間管理、労災防止措置等、労働関係法令に基づく事業主としての責務の一部が課せられておりますので、そうした責務を適切に果していただくということ。3点目、派遣元・派遣先は、派遣契約を締結する際には、損害賠償を含む責任の所在について明確に定めるよう努めるということ。
こうした措置によりまして、適正な雇用管理の実施を図ってはどうかと考えております。事務局からの説明は以上です。
 
○鎌田部会長 ありがとうございます。それでは、ただいまの説明に対する御質問、御意見がありましたら発言をお願いいたします。仁平委員どうぞ。
 
○仁平委員 議題1のへき地の医療機関への派遣について意見を申し上げます。これまで発言してきたことの繰返しになる部分もありますが、改めて述べさせていただきたいと思います。へき地の医療機関において、看護師不足という課題が生じていることは理解していますが、人材が確保できないことを理由に派遣を容易に解禁することになれば、一時的・臨時的なものではなく、常用代替として使われることが非常に懸念されます。
特に、人の命をあずかる医療という分野だからこそ、医療の安全性確保の上でも直接雇用が原則だという考えに変わりはありません。へき地の医療従事者不足の課題は、国・都道府県の関与等により、あくまでも医療政策上解決すべき課題だと認識しているところです。その上で、へき地への看護師派遣を認めるのであれば、対応策において示されている派遣元及び派遣先の研修及び教育訓練について、地域に特有の事情等にもしっかりと配慮した研修と教育訓練を実施することが重要であると考えております。
また、都道府県関与の下、へき地医療支援機構が適切に看護師の派遣について支援・調整を行っているのかということについても、労働者保護の観点から労働行政として厳正に指導・監督を行っていただきたいと思います。以上です。
 
○鎌田部会長 ありがとうございます。御意見として伺うということでよろしいですか。
 
○仁平委員 はい、意見です。
 
○鎌田部会長 それでは、ほかにありますか。中西委員どうぞ。
 
○中西委員 事務局におかれましては、御説明いただき、ありがとうございました。数点、意見及び要望を述べさせていただきたいと思います。まず、へき地の医療機関への看護師等の派遣について、意見を申し上げたいと思います。派遣労働者への事前研修や派遣先での教育訓練により、チーム医療への支障を回避するとの事務局案に賛成をいたします。ただし、これらの事務局案が、チーム医療への支障を回避することに有効であるのか、しっかり検証し、必要に応じて見直すことが重要であると思っておりますので、御検討いただければ幸いです。その上で、へき地の医療機関への看護師等の派遣を可能とし、へき地の医療機関が看護師等の人材確保を行う際の選択肢の一つとすべきであると考えます。
続いて、社会福祉施設等への看護師の日雇派遣について意見と要望を述べさせていただきます。日雇派遣の例外業務の定義は、専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務のうち、日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務とされています。社会福祉施設等における看護師の業務は、専門性があり、かつ、今回の事務局案が担保されれば適正な雇用管理に支障はないと考えられることから、日雇派遣の例外業務に該当するものと考えます。
その上で、2点要望したいと思います。まず1点目は、もともと社会福祉施設等における医療関連業務は、日常的な健康管理が中心であることを理由に派遣が可能となっている趣旨を踏まえますと、日雇派遣の看護師の業務についても、基本的には日常的な健康管理業務となるよう、派遣元・派遣先に求めていただきたくお願い申し上げます。そして、その上で、事務局案に記載されているとおり、派遣元については、業務内容のきめ細やかな把握と、派遣看護師への説明を徹底すること。派遣先は、具体的な業務内容等についてオリエンテーションの実施を徹底すること。これを各派遣元・派遣先に求めていただきたいと思います。
最後に、2点目は、今回、日雇派遣を解禁する場合には、労働局における指導・監督により、適切な労働者の履行確保が図られることをお願いし、私の意見とさせていただきます。以上です。
 
○鎌田部会長 ありがとうございます。御意見と要望ということでよろしいでしょうか。
 
○中西委員 はい。
 
○鎌田部会長 ありがとうございます。ほかにありますか。木住野委員どうぞ。
 
○木住野委員 社会福祉施設等への看護師の日雇派遣について4点、意見を申し上げたいと思います。施行状況調査や看護師の日雇派遣に関するニーズ調査など、これまでの審議会でも資料が提出されておりますが、例えば契約業務外の仕事に従事させられてしまうとか、利用者情報が不十分であるという課題は、検討を重ねていかなくてはいけない1つの課題であると改めて申し上げておきたいと思います。
もう1つは、人手不足という課題に対し、日雇いという雇用形態で対応することに関する懸念があります。日雇派遣は雇用管理が十分でない実態も明らかとなっており、本来であれば医療政策全体の中で考えるべき課題だと思います。
その他、本日示されている対応案について2点申し上げます。業務の内容は基本的に利用者の日常的な健康管理だということですが、例えば、施設によって日常的な健康管理業務の内容が異なるようなことが考えられるため、実効性を確保するためには課題があるのではないでしょうか。
また、緊急事態における対応について、日雇派遣で派遣される看護師が適切に所掌を把握し、対応できるのかということも懸念していることを申し上げておきたいと思います。以上です。
 
○鎌田部会長 ありがとうございます。懸念があるということで、御意見を伺ったということでよろしいですか。では、ほかにありますか。永井委員どうぞ。
 
○永井委員 私からも社会福祉施設等への看護師の日雇派遣について意見を述べたいと思います。2回にわたり、関係団体へのヒアリングを行う中では、施設の人員配置基準を満たすために日雇派遣は有用だという御意見もありましたが、一方で、専門性が求められる利用者への対応は難しいといった御意見もありましたように、日雇派遣看護師のニーズは極めて限定的だと認識しております。
今現在、コロナ禍で現場も逼迫している中において、看護師へのニーズが高まっていることは理解いたしますが、派遣先が求める人材像に対し、派遣元がしっかり派遣看護師の能力・経験を把握し、適正な人材をマッチングすることが、果たして可能なのか、そこには大いに疑問があるところです。
また、前回のヒアリングにおいても、赤裸々な御意見として、派遣看護師が急に欠勤したにもかかわらず、派遣元が緊急連絡先も把握していないとのケースや、呼吸器の管理といった簡単な処置にも対応できない看護師が派遣されたといったケースも報告されました。これは、通常の看護師派遣においても、雇用管理が十分に行われていないことの現れであり、ましてや、日雇派遣において、適正な雇用管理が確保されるとは、実態調査などを見ても非常に考えにくいのではないかと思っております。適正な雇用管理に欠けた派遣は利用者の安全を損なうことにもつながりかねず、派遣される労働者に責任が負わされることになれば、労働者保護にも欠けることになります。労働者が安心して働くことができ、利用者も安心してサービスを受けるためには、依然としてそのような課題が多いのではないかと考えているところです。以上、意見として申し上げます。
 
○鎌田部会長 ありがとうございます。看護師の日雇派遣について、いろいろと課題があるという御意見ということで承ります。それでよろしいですか。佐久間委員どうぞ。
 
○佐久間委員 遅くなりまして申し訳ありません。まず、へき地の医療機関への看護師等の派遣については、やはり、雇用管理に十分留意していただきながら、この地域に住んでいらっしゃる方々にとって「へき地」ですので、結局、無医村というか、無医村ですとお医者さんがいないことになってしまいますが、診療所の規模が小さい、診療所までも距離が離れているなど、そういうところで逆に人の命をあずかるということで、選択肢を広げていくためにも、へき地の医療機関への看護師の派遣を認めていただければ幸いだと思います。
あと、もう1点は、社会福祉施設等への看護師の日雇派遣ですが、これもかねてから申し上げておりますとおり、その日雇いのルールにいろいろと問題があって出てきたわけです。ただ、私もこの会議体で、例えば、日本看護協会の御意見などをお伺いする必要があるのではないかと意見を申し上げてきたわけですが、日本看護協会は、やはり正社員、正職員など、常用労働の看護師の方たちが多いということ。社会福祉施設等で働くことになると、どうしても看護師も正社員や常用で働いている方だけではなく、パートや短時間労働してみたい、また育児や介護なども手掛けたい方もいらっしゃいますので、選択肢を広げる意味で拡大していく、日雇いのところを認めていくのもやむを得ないのではないかと考えております。ただ、この「日雇い派遣」のルールができた背景にはやはり重いものがあると思いますので、こちらもなるべく広げないことで認めていくような方向でいけばいいのではないかと考えております。以上です。
 
○鎌田部会長 ありがとうございます。御意見として伺いました。ほかにありますか。奈良委員どうぞ。
 
○奈良委員 私は社会福祉施設等への看護師の日雇派遣について、この間、何度か述べさせていただきましたが、改めて意見を述べたいと思います。2日にわたりヒアリングもしていただき、とりわけ、事業者の方から一定のニーズがあるのだというお話でしたが、よく聞いてみると、深刻な看護師不足の中でやむを得ず短期の日雇雇用を求めるといったような極めて消極的なニーズではなかったか。
一方で、その事業者の方が経営上の懸念として、派遣を受け入れるコストについて言及されていて、限られた介護報酬の中で事業を運営していく上で、この派遣・紹介に頼る、そのような採用の経費に限られた資源が取られていく。本来であれば、サービスの向上や、もちろん処遇改善に回るべき原資が、こういったところに回さざるを得なくなっている、そのような現状の指摘を極めて深刻だと受け止めたところです。そのような消極的なニーズではあるが、ニーズがあるのだということで、日雇派遣を解禁していいのかというのも非常に懸念が残るところです。
労働の特性からいっても、一般的に、日常的な健康管理が主たる業務だということで、特段、チーム医療が一般的に行われない、そういうことで日雇派遣も可能にしてはどうかというわけですが、一方で、例えば、重症児のケアについては、その多くが医療行為であるという指摘があったり、特養における質の高いケアは、様々な専門職の協働によって実現されるのだと。こういう、ある意味、チームとしての医療業務等が当然に求められるという御指摘もありました。そういう点でいうと、やはり日雇派遣についてはかなり慎重な検討が必要なのではないかと考えます。
一方で、働く側、看護師側のニーズということもありましたが、これは自らのライフステージに合わせた働き方が、正規雇用の中できちんと実現されるようにすることこそが、やはり本道なのではないか。十分に正規雇用の職場で産休や育休が取れる、自らの生活に合わせた働き方ができる、そのような労働現場を作っていくことが求められているのではないかと思います。以上です。
 
○鎌田部会長 御意見ありがとうございました。ほかにありますか。平田委員どうぞ。
 
○平田委員 私からは、2つ目の看護師の日雇派遣について御意見を申し上げたいと思います。事務局の調整によりヒアリングを計5団体していただき、実態等もよく分かり、社会福祉施設等で施設利用者の健康管理業務などについて、日雇派遣に対する一定のニーズがあることはよく分かりました。
他方、皆さんも御指摘しているところですが、日雇受入派遣に際して、関係者が懸念を持っているということは明らかになったと思っています。ヒアリングの際にも質問しましたが、その懸念は、必ずしも介護施設等における派遣特有のものではないと理解しています。就業前に教育訓練やオリエンテーションを実施したり、看護師の勤務経歴の確認や緊急時の対応等について、派遣元と派遣先と派遣労働者の三者が現場で工夫したりすれば解決できるということでした。そのような方向で、懸念は解決していくべきであると考えています。
御存じのとおり、コロナによって医療施設における看護師のニーズが高まる中で、社会福祉施設等での看護師確保は、極めて困難になっているのではないかと思っています。そこで、日雇派遣の解禁は人手不足解消策の1つにはなるだろうと考えています。加えて、多様な働き方へのニーズにも応えることになると思っていますので、対応案は妥当な内容なのではないかと考えています。
最後に、日雇派遣の問題が課題になったのは、多分、2008年の頃で、鎌田部会長もいらっしゃったと思いますが、せっかく拡大していく中で、しっかり法律を守るという履行確保を図るということは非常に大切だと思っておりますので、そのことは付言しておきたいと思います。
 
○鎌田部会長 御意見ありがとうございます。ほかに、小野委員どうぞ。
 
○小野委員 2つのことについて、このへき地と日雇いについて共通することで、少し質問と御意見を述べたいと思います。この2つに共通するのは看護師の派遣ということです。この看護師というのは、ほかの派遣業務と違って、かなり人の命に向き合う仕事であるということが非常に私は重要であると思っております。その中で、ヒアリングでいろいろお話を伺い、一定のニーズがあることも分かりました。ただし、仕事として非常に難しい現場であろうという想像もついております。
社会福祉施設への日雇看護師の派遣についてですが、2ページの(2)の一番下にありますように、「派遣契約を締結する際には、損害賠償を含む責任の所在について明確にするよう努めること」と書いてあります。やはり、命に向き合う仕事ですから、日常の健康管理業務であったとしても、現場で何が起こるかは計り得ませんし、その場に仮に看護師がいらっしゃった場合に何もしないというわけにはいかないと思います。ですので、そうなったときに、その看護師もですし、派遣元も派遣先もお互いに不幸にならないようなシステムを私は作らなければいけないと思っております。
ですので、これはへき地の医療機関への看護師の派遣も同じことです。まず、質問が1つありますが、このへき地の医療機関への看護師の派遣についての損害賠償の関係、そういったことになったときの責任の所在は、例えば、ほかの、もう既に薬剤師や臨床検査技師などが派遣されておりますが、その辺りはシステム的にはどうなっているのかをまず一つ教えていただきたいと思います。意見としては、申し上げましたように、その辺りのことをしっかりとした上で進めることが大前提になるだろうと思っております。
 
○鎌田部会長 ありがとうございます。御意見として伺いたいと思います。質問が1点あり、へき地への看護師派遣について損害賠償の責任の所在等についてはどのように考えたらいいのか。こういった御趣旨ですよね。
 
○小野委員 はい。
 
○鎌田部会長 今、事務局で準備はできますか。
 
○東江補佐 へき地の医療機関への医師の派遣について平成18年の制度改正の際、都道府県宛の通知を発出しております。その中で、労働者派遣契約における責任の所在の明確化ということで、派遣先、派遣元、派遣労働者の中で、損害賠償責任を含む責任の所在については明確にするよう努めることと定めており、今回も同様に考えております。
 
○鎌田部会長 よろしいですか
 
○小野委員 はい。
 
○鎌田部会長 ありがとうございます。ほかにありますか。森川委員どうぞ。
 
○森川委員 それぞれについてですが、このような看護師の日雇派遣について要望が上がっているということは、そもそも、切実なニーズがあるからだと理解しております。基本的には、懸念すべき点を改善しつつ、認めていくべきではないのかと考えております。そうした中で、この事務局でまとめていただいた対応案については、私は必要十分な課題への対応ができているのではないかと思っておりますので、このままお認めいただければよろしいのではないかと思います。以上です。
 
○鎌田部会長 御意見ありがとうございました。ほかにありますか。それでは、今、皆様から御意見を頂きました。私としては、まず、へき地の医療機関への看護師等の派遣については、これまで関係団体へのヒアリングを含め、合計4回審議を行ってまいりましたが、へき地の医療機関への看護師等の派遣については、本日頂いた御意見も踏まえつつ、案にのっとった対応を行うことで、当部会としての結論を得たものと考えておりますが、そういったことでよろしいでしょうか。よろしいですか。はい、ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
次に、社会福祉施設等への看護師の日雇派遣についてですが、労使双方の委員から対応案についての御意見がありました。懸念を示された御意見もありました。賛成するということで、なお、懸念を示されるという御意見もありました。そこで、引き続き議論が必要と考えております。事務局においては関係者との調整を行っていただき、再度、対応案を示すよう準備をお願いしたいと思います。このような進め方でよろしいでしょうか。それでは、このような進め方でいきたいと思います。ほかに御質問はありますか。
それでは、公開の議題はここまでとさせていただきます。議事録の署名は、佐久間委員、仁平委員にお願いいたします。冒頭申し上げましたとおり、傍聴の方々については、ここで御退席いただきますようお願いいたします。よろしくお願いいたします。
 
(傍聴者退席)