第4回社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会 議事録

日時

令和3年3月8日(月) 10:00~12:00

場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8E
(東京都千代田区内幸町2丁目2-3 日比谷国際ビル8階)

出席者

構成員(敬称略・五十音順)

川原(かわはら) (たけ)(よし)     川原経営グループ 代表
田中(たなか) (しげる)(座長)  埼玉県立大学 理事長
松原(まつばら) 由美(ゆみ)     早稲田大学人間科学学術院 准教授 
宮川(みやかわ) (やす)(のぶ)     独立行政法人福祉医療機構 福祉医療貸付部福祉審査課長 
山田(やまだ) (ひろ)()     地域密着型総合ケアセンターきたおおじ 代表

議題

(1)社会福祉連携推進法人の施行に向けた検討について
(2)その他

議事

 
○田中座長 おはようございます。
定刻になりましたので、ただいまより第4回「社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会」を開催いたします。
本日は、前回と同様、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえて、オンラインでの開催となっております。構成員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
会議に先立って、事務局より本日の構成員の出席状況について説明していただくとともに、資料の確認をお願いします。
○滝澤法人指導監査官 本日の構成員の出欠状況について御報告申し上げます。
本日は、前回同様オンラインでの開催となりますが、全ての構成員に御出席をいただいております。また、資料につきましては、座席表及び議事次第に加えまして、
資料1 社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する論点整理(社会福祉連携推進業務➂・法人ガバナンスルール等)
を準備させていただいており、事前にメールにて各構成員に送付させていただいております。お手元に資料を御準備いただければと存じます。
以上でございます。
○田中座長 ありがとうございました。
カメラの方はこれにて退出ください。
(カメラ退室)
○田中座長 早速、議事に入ります。
事務局より、資料1についての説明をお願いします。
○初鹿専門官 それでは、資料1について説明をさせていただきます。
本日、御議論いただきたい論点は、社会福祉連携推進業務のうち人材確保等業務と、法人ガバナンスルール等となっております。
2ページ目は「人材確保等業務の内容の検討に当たっての視点」でございます。少子高齢化、人口減少等により、今後、生産年齢人口は減少していく一方、国民の福祉・介護ニーズはますます高まっていくことが予想される。こうした中、福祉・介護人材確保の動向については、特に介護分野について見ると、足元の有効求人倍率は4.23倍(令和元年度)となっており、全職種の1.41倍に比べて高い水準にあり、この状況はコロナ禍においても変わっておらず、介護分野における労働需要は依然として高い状況にある。
このため、福祉・介護の仕事が生涯働き続けられる、やりがいのある職業として認知されるとともに、今後の福祉・介護ニーズを踏まえ、他産業にも増して国民から選択される職業として確立していく必要があり、政府においても処遇改善や就業促進、職場環境の改善による離職の防止、人材育成への支援なども含めて、総合的な対策が進められている。
また、近年、介護の技能実習生や特定技能等により、福祉・介護分野における外国人材の受入れが始まっており、それぞれの制度趣旨を踏まえつつ、外国人材を適正に受け入れ、育成していく必要性も生じている。
以上を踏まえ、連携法人が行う人材確保等業務に当たっては、新規学卒者を含め多様な人材の参入の促進を図る観点から、連携法人としてどのような関わりができるか。既存の職員がやりがいと誇りを持ち、生涯にわたって働き続けられるよう、その定着や資質向上を図る観点から、連携法人としてどのような関わりができるか。福祉・介護の仕事の魅力を発信する観点から、連携法人としてどのような関わりができるか。福祉・介護分野における外国人材の受入れ・育成を適正に行う観点から、連携法人としてどのような関わりができるかなどの観点から、検討を御議論いただきたいと考えております。
3ページ目から、具体的な論点と対応の方向性について御説明させていただきます。
論点としましては、社員が経営する社会福祉事業の従事者の確保のための支援及びその資質の向上を図るための研修(人材確保等業務)について、➀人材確保等業務のうち、委託募集の特例の詳細についてはどのように考えるのか。➁社員間の従業員の人事交流・労働移動に関して具体的に実施可能な業務は何か。また、人事交流の調整に当たり、労働法上留意すべき点は何か。➂技能実習制度における監理団体等、外国人材に関する業務は人材確保等業務として実施可能なのかとなっております。
まず、各論点に入る前に、人材確保等業務として実施可能な業務について整理させていただきたいと思います。
法第125条第5号の規定により、社員が経営する社会福祉事業の従事者の確保のための支援、社員が経営する社会福祉事業の従事者の資質の向上を図るための研修のいずれかの取組に該当している必要があります。ここの社会福祉事業の従事者の確保については、ア新たな従事者の募集や採用、外国人材の受入れの調整等、多様な人材の確保のための取組、イ社員間の人事交流の支援等、既存の従事者が職場に定着するための取組、ウ学生に対する職場体験の調整等、福祉・介護の仕事の魅力を発信するための取組など、多様な取組が広く含まれることとしてはどうかと考えております。
それでは、論点の➀について、委託募集の特例なのですけれども、通常、職業安定法によって人材の募集を委託する場合には、委託する側、連携法人の場合は個々の社員が厚生労働大臣、都道府県労働局長の許可を取りに行く必要があるのですけれども、法律上で連携法人は特例を認めておりまして、受託側の連携法人が届出をすることで足りるということになっております。
ここで法第134条第2項に基づきまして、連携法人は、委託募集をするときは、あらかじめ、厚生労働省令で定められた事項を厚生労働大臣(都道府県労働局長)に届け出なければならないこととなっています。当該事項については、委託募集の規定がある他の法令を参考に、➀募集に係る事業所の名称及び所在地、➁募集時期、➂募集職種及び人員、➃募集地域、➄募集に係る労働者の業務の内容、➅賃金、労働時間その他の募集に係る条件としてはどうかと考えております。
また、連携法人が委託募集を適切に行うよう、募集・求人業務取扱要領の委託募集の許可基準のうち必要な事項について、厚生労働省令において定めることとしてはどうかと考えております。
続きまして、論点の➁で、前述のとおり、人材確保等業務には連携法人が社員間の人事交流を支援することも含まれますが、人事交流を支援するに当たっては、労働法に抵触しない方法で行うことが必要となります。連携法人が職業紹介や労働者派遣を行う場合は、別途各法令の要件を満たした上で、適正な手続により許可を取る必要があります。例えば、以下について留意が必要として、2つ載せております。
社員Aで働いている従業員がAから退職し、社員Bに就職する場合、連携推進法人が求人及び求職の申込みを受け、当該従業員と社員Bとの間における雇用関係の成立をあっせんすることは、職業安定法の職業紹介に該当すること。連携法人と従業員が雇用契約を締結し、当該従業員を社員の指揮命令において社員の下で労働に従事させることは、労働者派遣法の労働者派遣事業に該当することとなります。
続いて、論点の➂になりますが、技能実習の監理団体については、社員は当該法人の経営(事業の遂行)の一貫として介護職種に係る技能実習を実施するものであり、当該技能実習を適切に実施するために連携法人が監理団体となって実習監理を行うことは、社員の経営ノウハウに関する支援であると言えることから、連携法人が監理団体として監理事業を行うことは、人材確保等業務ではなく経営支援業務に含まれると整理しております。
続いて、5ページ目のその他の外国人材の受入れ支援については、社員が技能実習生以外の外国人材を受け入れるに当たり、連携法人が社員を支援することは、社会福祉事業の従事者の確保に当たることから、連携法人は別途各法令の要件を満たした場合、人材確保等業務として行うことができることとしてはどうかと考えております。
以上を踏まえ、社員合同での採用募集、出向等社員間の人事交流の調整、賃金テーブルや初任給等の社員間の共通化に向けた調整、社員の施設における職場体験、現場実習等の調整、社員合同での研修の実施、社員の施設における外国人材の受入れ支援などを人材確保等業務の例示としてはどうかと考えております。
なお、介護職種に係る技能実習の監理団体については、前回御議論いただきました経営支援業務として行っていただきたいと考えております。
6ページ目は、これまで御説明させていただいた内容を図でまとめたものになります。
7ページ目から社会福祉連携推進認定の申請等に関する論点整理を行いたいと思います。
8ページ目に、まず論点1としまして、社会福祉連携推進方針の記載内容の詳細はどのように定めればよいかについて対応の方向性を載せております。
社会福祉連携推進方針は、地域住民等に対して、当該連携法人の業務内容を周知する観点から、以下の内容を記載しなければならないこととしてはどうか。ア、連携法人の名称、イ、参画する社員の名称、ウ、理念・運営方針、エ、社会福祉連携推進業務を実施する区域(社会福祉連携推進区域)、オ、社会福祉連携推進業務の内容、カ、貸付業務を行う場合には以下を記載ということで、➀貸付対象社員の名称、➁貸付けの金額及び契約日、➂予算・決算等の貸付対象社員の重要事項の承認方法。また、社会福祉連携推進方針の決定または変更に当たっては、社員総会の決議を経なければならないこととしてはどうかと考えております。
13ページに社会福祉連携推進方針の記載イメージを載せておりますので、参考にしていただければと思います。
9ページ目は論点2として、定款記載事項のうち法律で決まっていない部分については、➀理事及び監事の要件は社会福祉法人と同水準のものとすること、➁貸付けを受ける社員が連携法人に承認を受ける事項は地域医療連携推進法人を参考にすること、➂社会福祉連携推進認定の取消しを受けた場合の財産の贈与先は国、地方自治体、連携法人及び社会福祉法人とすることとするのはどうかについてです。
まず、法第127条第5号の規定により、連携法人の認定に当たっては、定款において、ア社員の議決権に関すること、イ役員に関すること、ウ代表理事に関すること、エ理事会に関すること、オ社会福祉連携推進評議会に関すること、カ貸付業務を行う場合に貸付対象社員があらかじめ連携法人の承認を受けなければならない事項に関すること、キ資産に関すること、ク会計に関すること、ケ解散に関すること、コ社会福祉連携推進認定の取消しを受けた場合の財産の帰属先に関すること、サ清算する場合の財産の帰属先に関すること、シ定款の変更に関すること等を定めなければならないこととしています。
まず、論点2の➀については、理事・監事については、法第127条第5号ロの規定により、ア理事6人以上、監事2人以上を置くこと、イ理事のうちに各理事の配偶者等特殊関係者が3人を超えて含まれず、さらにこれら特殊関係者が理事の総数の3分の1を超えて含まれないこと、ウ監事のうちに各理事・監事の配偶者等特殊関係者が含まれないこと、エ理事及び監事のうち、それぞれ少なくとも1名以上は社会福祉連携推進業務について識見を有する者を含むこととされています。
イ及びウの「特殊関係者」については、配偶者、三親等以内の親族以外については厚生労働省令で定めることとしているが、社会福祉法人と同様、当該役員と事実上婚姻関係と同様の事情にある者、当該役員の使用人等を含めることとしてはどうかと考えております。
エの「社会福祉連携推進業務について識見を有する者」については、厚生労働省令で定めることとしていますが、理事にあっては社会福祉連携推進区域における福祉に関する実情に通じている者、監事にあっては財務管理について識見を有する者としてはどうかと考えております。
続きまして、11ページ目の論点2の➁の貸付けを受ける社員が連携法人に承認を受ける事項については、貸付けを受けた年度から当該貸付金の返済が完了する年度までの間、➀予算(補正予算を含む)及び決算、➁借入金(当該会計年度内の収入をもって償還する一時の借入金を除く)の借入れ、➂重要な資産の処分、➃合併、➄目的たる事業の成功の不能による解散について、連携法人の承認を受ける必要があることとしてはどうかと考えております。
また、連携法人に承認を受ける事項について、貸付けを受ける社員は、承認の手続前に、少なくとも当該社員の理事会で決定される必要があることとしてはどうかと考えております。
続いて、論点2の➂の社会福祉連携推進認定の取消しを受けた場合、または連携法人が解散する場合の残余財産の帰属先については、連携法人の業務の公益性に鑑み、国、地方公共団体、連携法人または社会福祉法人とすべきではないかと考えております。
12ページ目は論点3として、申請等に係る添付書類については、地域医療連携推進法人を参考にしつつ、必要なものを添付するのはどうかという論点について、社会福祉連携推進認定の申請に当たっては、地域医療連携推進法人も参考に、以下の書類をもって行わなければならないこととしてはどうか。ア申請書、イ定款、ウ登記事項証明書、エ社会福祉連携推進方針、オ役員名簿、カ社会福祉連携推進評議会の構成員名簿、キ社員名簿、ク認定基準に適合することを証する書類、ケ役員が欠格事由に該当しないことを証する書類、コ役員・評議会の構成員の就任承諾書・暴力団員に該当しない旨の誓約書と考えております。
続きまして、14ページ目からは連携法人のガバナンスに関する論点整理を進めていければと思います。
15ページ目は論点1として、社員として参加できる者の範囲はどのように定めればいいか(「社会福祉法人の経営基盤を強化するために必要な者」の範囲、法人格の必要性等)につきましては、法第127条第2号の規定により、社員に参画できる者は、社会福祉法人その他社会福祉事業を経営する者、社会福祉法人の経営基盤を強化するために必要な者として厚生労働省令で定める者とされ、社会福祉法人である社員の数が社員の過半数であることとされています。ここでいう「その他社会福祉事業を経営する者」とは、社会福祉法第2条第1項に規定する第1種社会福祉事業及び第2種社会福祉事業を経営する法人をいうものであり、法人種別は問いません。
また、「社会福祉法人の経営基盤を強化するために必要な者」については、連携法人の社員総会において議決権を有する社員となることから、社会福祉連携推進業務により、直接的に便益を受け得る主体に限定することとし、介護保険法に規定する居宅介護支援事業や有料老人ホームを経営する事業など、社会福祉に関連する公益を目的とした事業を経営する法人、介護福祉士養成施設や社会福祉士養成施設、保育士養成施設、初任者研修実施機関など、社会福祉事業に従事する者を養成する機関を経営する法人を厚生労働省令で定めることとしてはどうかと考えております。
続きまして、この他、社員については以下のとおりとしてはどうかと考えております。連携法人の安定的な経営のため社員は法人であること、連携法人の目的に鑑み2以上の法人が参画しなければならないこと、2以上の施設・事業所を有する法人の場合、主として一部の施設・事業所のみが連携法人に参画することも可能であるが、この場合にあっても、施設・事業所単位ではなく法人として社員となるものであること、地方自治体については、社会福祉法人等に対し、施設・事業所の許認可、補助金等の支給、指導監督など優越的地位にあることから、社会福祉法人を中心とした民間事業者の対等な連携の枠組みである連携法人の社員となることができないものであること。なお、地方自治体と連携法人が実効上の連携を図ることを妨げるものではございません。
続きまして、17ページ目から論点2としまして、社員の議決権の取扱いについてどのように定めればいいか(1社員1議決権の例外的取扱い、社員である社会福祉法人の議決権の割合、各社員の理事会との関係等)の対応の方向性についてまとめております。
連携法人の社員の議決権については、社員間の公平性を保ち、適切な運営を担保するため、原則として、1社員当たりの議決権は1の議決権としてはどうか。
ただし、連携法人の適切かつ効果的な運営を推進する観点から、以下の要件を全て満たし、社員間の合意に基づく場合は、定款の定めるところにより、原則とは異なる取扱いとすることも可能としてはどうか。ア、社会福祉連携推進目的に照らし、不当に差別的な取扱いをしないこと、イ、社員が連携法人に対して提供した金銭その他の財産の価額に応じて異なる取扱いをしないこと。
上記アの「不当に差別的な取扱い」に該当するものとしては、例えば、特定の法人格であることを理由に議決権の配分を減らすこと、貸付業務の貸付けを受けることを理由に議決権の配分を減らす等、社会福祉連携推進業務に当たって社員間に生じる立場の違いを理由に議決権の配分を減らすこと等が考えられ、社員の事業規模に応じて議決権を配分することは社会福祉連携推進目的に照らし、不当に差別的な取扱いとは言えないことから、該当しないこととしてはどうか。
また、社員の過半数は社会福祉法人でなければならないこととしているが、議決権行使の場面でもこれを担保するため、社員である社会福祉法人の議決権が総社員の議決権の過半を占めていることとしてはどうか。この他議決権の行使に当たっては、公正な意思決定プロセスを担保するため、当該議決権行使の内容につき、社員が運営する法人の理事会において決議を経ている必要があることとしてはどうかと考えております。
続きまして、18ページ目の論点3の会計監査人の設置義務の範囲や監査の内容等はどのように定めればいいかにつきましては、連携法人の目的に鑑み、連携法人の会計監査人の設置義務の範囲については、社会福祉法人の基準と原則合わせるべきであることから、当面、社会福祉法人と同様、収益30億円または負債60億円を超えることとし、連携法人の運営の実態を踏まえつつ、必要に応じ見直すこととしてはどうかと考えております。
続きまして、論点4の社会福祉連携推進評議会の構成員について、➀の具体的なイメージとしましては、社会福祉連携推進評議会は、連携法人の意見具申・評価機関として代表理事が招集する。当該社会福祉連携推進評議会は、地域福祉の増進に資するよう、幅広い視点から中立公正な立場で連携法人に対して意見を述べることができるよう、福祉サービスの利用者団体、福祉サービスの経営者団体、学識有識者、介護福祉士・社会福祉士等の職能団体、社会福祉協議会、共同募金会、ボランティア団体、自治会、民生委員・児童委員、福祉・介護人材の養成機関、就労支援機関、商工会議所、地方自治体、その他地域福祉に関して中立公正な立場から意見を述べられる団体または個人などから推薦を受けるなどして構成することとしてはどうかと考えております。
19ページ目に続きます。また、評議会の構成員の員数については、法第127条第5号ヘ(1)に規定する「福祉サービスを受ける立場にある者、社会福祉に関する団体、学識経験を有する者」の3者が参画する者の例示となっていることから、複数で意見が分かれた際に賛否が決定できる最少人数である3人以上であって、具体的には定款で定める員数としてはどうかと考えております。
続いて、論点4の➁につきましては、社会福祉連携推進評議会の構成員は、その中立公正性を確保する観点から、連携法人及び社員である法人の役員との兼務は認められないこととしてはどうかと考えております。
論点4の➂につきましては、社会福祉連携推進評議会の構成員の選任に当たっては、➀理事会において人選の提案を決議し、➁社員総会において当該人選について承認を受けなければならないこととしてはどうか。また、解任に当たっても、上記と同様、理事会において解任を決議し、社員総会において承認を受けなければならないこととしてはどうか。構成員の中立公正性を確保するため、その任期は4年としてはどうかと考えております。
20ページ目の論点5の連携法人が社会福祉連携推進評議会に意見を求めなければならない事項は、具体的にどのようなものが考えられるかについては、連携法人が社会福祉連携推進評議会に意見を求めなければならない事項は以下のようなものとしてはどうか。ア連携法人の事業計画へ地域ニーズを反映するための意見具申、イ評議会の構成員の定数を変更する場合の意見具申、ウ構成員の過半数の賛成により、社員総会において意見を述べる必要があるとされた場合の意見具申。
上記の他、新規事業の立ち上げ、既存事業の廃止など、連携法人の事業運営に関して重大な変更を行う場合、必要に応じ理事会の求めに応じて議論を行うことができることとしてはどうかと考えております。
続いて、論点6の社会福祉連携推進評議会の評価項目は、具体的にどのようなものが考えられるかにつきましては、社会福祉連携推進評議会の評価項目は、以下のようなものとしてはどうかと考えております。ア社会福祉連携推進方針に照らした個々の業務の実施状況(業務の性質に応じて、福祉サービスの質の維持・向上の状況や、地域住民のニーズや要望の把握状況も含む)、イ連携法人の事業報告、ウ個々の業務の費用対効果、エ連携法人の運営の全体評価です。
21ページ目は連携法人のガバナンスルールの全体像で、今まで御説明したことを絵でまとめております。
22ページ目は連携法人における法人ガバナンスルールの概要ということで、機関ごとに位置づけや構成員の資格などをまとめております。
23ページ目、24ページ目で社会福祉連携推進評議会の位置づけについてまとめております。
25ページ目からその他の事項に関する論点の整理をまとめております。
26ページ目の論点1の社会福祉連携推進方針や計算書類等の情報公開をどのように行うかについては、連携法人の情報公開は、法第144条による社会福祉法人の情報公開の規定の準用により、定款、役員名簿、役員報酬基準、計算書類、法人現況報告書等を開示しなければならないこととされています。これに加え、社会福祉連携推進方針についても公表しなければならないこととしてはどうか。また、社会福祉法人の「財務諸表等電子開示システム」を参考としつつ、これらの情報に国民が容易にアクセスできるような仕組みを考えてはどうかと考えております。
論点2の連携法人の財産の取扱いについては、地域医療連携推進法人の仕組みを参考にしつつ、社会福祉法人と同様とするのはどうかについては、連携法人は法第137条に基づき、一定の財産について社会福祉連携推進業務を行うために使用または処分しなければならないこととなっており(社会福祉連携推進目的事業財産)、また、法第127条第5号ルにより、認定の取消しを受けた場合は、法第146条第2項に規定する「社会福祉連携推進目的取得財産残額」を認定の取消処分の日から1か月以内に国等に贈与することとなっています。
これらの財産の算定の細目について厚生労働省令で定めることとなっているところ、公益法人や地域医療連携推進法人を参考に細目について規定することとしてはどうかと考えております。
27ページ目の論点3の連携法人の税制はどのようになるのかについては、連携法人は一般社団法人であり普通課税となるが、剰余金の分配禁止、関係者への利益供与の禁止、役員の同族制限などの要件を満たしていることから、法人税法上の要件を満たした上であれば「非営利型一般社団法人」となる可能性があると考えられると考えております。
下の米印の部分で、非営利型法人の要件として、公益認定を受けていない一般社団法人のうち、次の➀非営利性が徹底された法人、または➁共益的活動を目的とする法人のどちらかに該当するもの(それぞれの要件の全てに該当する必要がある)は、特段の手続を踏むことなく公益法人等である非営利型法人になるということで載せさせていただいております。
28ページ目の論点4の社員間の情報共有の仕組みについてどのように考えるかにつきましては、連携法人の円滑な運営のために、社員総会などを通じて社員間で定期的に情報共有することが望ましいこととしてはどうか。また、社会福祉連携推進業務の実施上必要な情報共有がある場合については、個人情報保護法等の関連法令にのっとり、あらかじめ取決めを行い、個人の同意を取るなど、適切に管理すべきとしてはどうか。社員の施設利用者の情報については、個人情報であることに鑑み、それぞれの社員において適切な管理が行われることが望ましいこととしてはどうかと考えております。
資料の説明については以上となります。
○田中座長 説明ありがとうございました。
本日も論点が多岐にわたります。テーマを3つに区切って議論を行ってまいります。
まず、社会福祉連携推進業務のうち、人材確保等業務に関する論点整理から議論を行います。資料1で言いますと、1ページから6ページまでです。ここまでの関連で各構成員より御意見や御質問をお願いいたします。人材確保等業務については、社会福祉連携推進方針の中で最もニーズがあると考えられます。そこで構成員の皆様から、この業務の位置づけなどについて、知見を生かした積極的な御提案を期待しております。どなたからでもどうぞ。
1ページから6ページについて、何か御意見、御質問等おありではないでしょうか。
宮川構成員、お願いします。
○宮川構成員 ありがとうございます。
5ページ目になるのですが、2つめの〇、以上を踏まえ、のところで色々具体的な事業が書いてありまして、こちらに関してはそのとおりだなと思っているのですが、多分、このようなことをやる場合に、採用活動や職員の派遣などに諸経費がかかってくると思うのですが、社員からの諸経費の徴収に当たって何らかのルールを定めることは今回されないのでしょうか。もしくは、今後、ガイドラインみたいなもので示す予定があるのかについて教えていただければと思います。
○田中座長 事務局、お答えください。
○初鹿専門官 ありがとうございます。
今、御指摘いただいたとおり、それぞれの業務をするに当たってはお金がかかってくるところかと思うのですけれども、実際、それを何で賄っていくかということについては、第2回検討会で御議論させていただいた会費ですとか、連携法人に対して社員が委託するというものであれば委託費といったもので賄っていただきたいと考えております。
○田中座長 よろしいですか。
どうぞ。
○宮川構成員 おっしゃるとおりかと思うのですけれども、結構お金のやり取りが大きくなってくるかなという気がしますので、会費とか委託費、特に会費で賄えなかった部分などに関しての取決めみたいなものをあらかじめしておくという必要性はないのかなと思いました。
○田中座長 どうぞ。
○初鹿専門官 基本的にはそれぞれの法人の中で話し合っていただく必要があるとは考えていますが、この人材確保等業務の諸経費の部分だけでどうしていくかというよりも、他の業務であっても同じように、もともと考えて会費として取っていたものよりも超えてしまったものについての取扱いをどうしていくかというのと同じように論点として起こってくるところかなと思いまして、それぞれの法人で超えた部分についてはどうしていくかというのはあらかじめ設立のタイミングや運営していく中でも御検討いただければと思っております。
○田中座長 よろしいですか。
川原構成員、お願いします。
○川原構成員 ありがとうございます。
5ページ目なのですけれども、社会福祉連携推進法人は社会福祉事業ができないという立てつけだったと思いますので、保育園とかは運営できないと思うのですけれども、例えば託児所ですとか学童保育とかは人材確保事業のために可能だという形になるのでしょうか。
○田中座長 どうぞ。
○初鹿専門官 今、御指摘いただいたとおり、連携法人は社会福祉事業ができないこととなっていることに鑑みまして、第2回検討会の議論のときに有料老人ホームといった社会福祉事業には該当しないですけれども、それに関連するような事業についても実施することはできないこととしてはどうかということで、論点で対応の方向性を示させていただきまして、皆様に御議論いただいたところでございます。
それと並行に考えたときに、保育関係のところ、いわゆる企業内保育ですと、企業内保育に当たるものと事業所内保育に当たるものがそれぞれ制度化されていて一定の補助が出ているかとは思うのですけれども、その企業の方のお子さんだけではなくて地域枠を設けることがマストのものですとか、地域枠を設けることができるといった形で、地域の方、社員の従業員の方ではない人たちも入ってこられる仕組みというものが取られていることを鑑みると、有料老人ホームのようなものができない中で、保育関係であれば他の地域の方、連携法人の社員の従業員の方以外の方が入ってこられるものを実施できるようにすべきかどうかというのは、有料老人ホームのようなものと並びを取ることができないのではないかと考えておりまして、何か支援を受けながらやっていくのは難しいのではないかと考えているところでございます。
ただ、それぞれの法人独自になってしまうと思うのですけれども、従業員の方のお子さんの保育のサポートをしていくみたいなことそのものは否定されるものではないと思うのですが、制度としてあるものを活用していくのはなかなか難しいところかなと考えております。
あとは、連携法人がやっていくことが難しくても、場合によっては社会福祉法人なりそれ以外の法人でも、社員のところで企業内保育が行われているケースがあると思うのですけれども、そういったところにもし空きがあったら、連携法人が紹介をして、お子さんの利用を調整するということはあるとは思います。
以上です。
○田中座長 どうぞ。
○川原構成員 ありがとうございます。
そうなると、これはどこまでがオーケーでどこからが駄目なのかという線引きがかなり入り組んでくるような気がしますので、もし定めるのであれば、もう少し細かくこれはオーケーでこれは駄目ですという定めの方がいいのかなと思いました。
以上です。ありがとうございます。
○初鹿専門官 御指摘いただいたとおり、人材確保等業務はやろうと思えば色々なことが福利厚生の関係でもできてくると思うので、事前にありそうなものについてはできる、できないというのをある程度示していくのは必要だと思うのですけれども、実際に制度ができてみて、これは本当にできるのか、できないのかという疑義が上がってくるようなこともあると思いますので、それはその都度しっかり解消していけるようにしたいと考えております。
○田中座長 そうですね、質問を挙げていただいて答える方法しかないですね。ありそうなものについては事前に作っておくということです。よろしゅうございますか。
山田構成員、お願いいたします。
○山田構成員 質問ですけれども、資料の4ページの最後の確認なのですけれども、技能実習生の監理団体については、連携推進法人は監理団体となる要件を満たしているというのは制度上、整理されていることなのかという質問が1点目です。
2点目ですが、5ページでは、田中座長もおっしゃったように連携推進法人の一番大きな成果を期待されるものと私も考えているのですが、特に黒ポツの6つの中で、1つ目の社員合同での採用募集、最後から2つ目の研修の実施です。質問なのですけれども、先ほどの御質問ともかぶってくるのですが、昨年度は東京と京都の学生さんたちのグループヒアリングをしたところ、企業に対して、エントリーした場合の就職説明に際して、社会福祉法人の場合は、人事の担当者は専任の方がいない。あるいは、労務の担当者の専任の方がいない印象で、やはり不安を感じて大きな企業に行ったという声が結構ありました。そういう意味では、この社員合同での採用募集というのは、社会福祉法人が連携推進する場合に結構大きなポイントだと思っていまして、そこで共同で担当者を連携推進法人に配置して、連携推進法人の職員を募集する場合の職業安定法など、こうした法律との抵触の境目みたいなことについてお聞かせいただきたいというのが2点目です。
最後は意見ですけれども、この研修なのですが、事業者団体とか社会福祉協議会で随分たくさんの研修をされていますので、特に連携推進法人で研修をする意味というものが十分に理解できないというお声があるのですけれども、こういう連携推進法人のように、ある一定の目的を持って、かなり強い連携をするグループというのは、一般の事業者団体の研修とか社会協議会の外部研修に職員を出すというのとかなり違うと思います。そういう意味では、職員の育成という意味でこの辺りの具体的な事例とかをもう少し広報することで、この連携推進法人へのインセンティブみたいなものを強められたらどうかという意見です。
以上です。
○田中座長 2つ御質問がありましたので、お答えください。
○初鹿専門官 まず、1点目の技能実習の監理団体については、技能実習制度の担当とも調整の上でこのような形でまとめさせていただいております。技能実習は技能の国際移転が目的ということもございまして、その意味で、他の外国人材の受入れに関する業務と整理を一部変えまして、人材確保等業務ではなくて経営支援業務に含まれるという形でまとめているところでございます。
2点目につきましては、御指摘いただいたとおり、合同で採用といったことは連携法人の人材確保等業務を行うに当たってとても重要なことになってきますし、連携法人をつくっていくメリットにはなるのですけれども、担当者を配置していただいて、その方が実際に主な担当として募集の活動に当たっていただくという上では、募集という行為そのものを連携法人が行っていく、それぞれの法人名で募集を行っていくのではなくて、連携法人として募集を行っていくということであれば、職業安定法の委託募集の規定を満たして対応していただく必要があると考えています。
その上で何か活動がしやすいような方策が取れないかと考えた中で、職業安定法の委託募集の特例という形で、個々の社員が都道府県労働局長に許可を取りに行くとなると、例えば6つとか7つを社員が1回1回取りに行くよりかは、連携法人がまとめて届出をした方が手続の煩雑さがなくなるかなということで、今回はこのような対応をさせていただいているところでございます。
3点目につきまして、まさに研修は体系的に行っていくにはある程度の規模感みたいなものも必要だと思いますので、山田構成員のところで既に先進的に取り組まれていることなどを参考にしながら、連携法人をつくっていくことのメリットの部分をしっかり広報していければと思っております。
以上です。
○田中座長 山田構成員、よろしゅうございますか。
○山田構成員 ありがとうございます。
○田中座長 松原構成員、お願いいたします。
○松原構成員 先ほどの川原構成員の保育園の件で、コロナになって、福祉とか医療機関に勤めている方のお子さんが見てもらえないという問題が起きましたので、ぜひ前向きに検討できないかと考えております。有料老人ホームとか他の事業との整合性ということですが、例えば、有料老人ホームについては、少なくて困るという話は出ていないと思うのです。特養は量が不足している問題がありますが、有料老人ホームについてはそういう問題は聞いておりません。一方で、保育園につきましては、地域差はありますけれども、まだまだ待機児童の問題もありますし、今は随分改善しましたけれども、コロナの中で介護施設や病院に勤めているから保育園で預かってもらえないというようなことも起きましたので、これは特例という考え方もあるのではないかと思います。
以上です。
○初鹿専門官 ありがとうございます。
保育に関しては他の社会福祉の分野と果たして並びが取れるような状況にあるのかという御指摘をいただきまして、検討させていただければと思います。
○田中座長 課長、お願いします。
○宇野課長 今までの御意見を伺いまして、私の方からも補足させていただきます。
松原構成員のお話は確かに問題意識としては十分に理解できるところでございます一方で、法律上、社会福祉事業はできないという形になっていますので、そことの整合性をどう担保していくのかということを踏まえて、今、初鹿が申し上げたとおり検討させていただきたいと思います。
また、山田構成員からお話のありました特に研修のメリットということで、確かに研修というと皆さんは一般の事業主団体が行っている研修をイメージしてしまうところがあるのですが、連携推進法人で考えている研修はそうではなくて、各法人が自分たちの目的に合った形での人材育成をどうやっていくのか、それは単独では難しいので、同じ目的を持った法人で一緒にやっていくという、まさに内部的な人材育成というイメージです。そういう意味では、私もよくここの説明をするときにイメージが湧くように、第2回検討会で山田構成員にご説明いただいたリガーレの取組を御紹介させていただいていますので、周知に当たっては山田構成員の御協力をいただければと思っています。
その他、今回、監理団体につきましては、一般社団法人のままではできませんが、今回はこの連携法人だからこそ監理団体ができるように、我々としましても制度所管として調整をさせていただいてこういう整理になっているということを御理解いただければと思っています。
以上です。
○田中座長 理解が深まりました。ありがとうございます。
他によろしゅうございますか。
今の監理団体の件、保育所の件はいずれも重要です。御議論ありがとうございます。
次に移ります。続いて、社会福祉連携推進認定の申請等について議論を行います。資料で言いますと7ページから13ページです。ここに関連して、構成員の皆様より御意見や御質問をお願いいたします。
お願いします。
○川原構成員 ありがとうございます。
まず、10ページのところなのですけれども、理事につきまして、特定の社会福祉法人への偏りというものを何らかの形で担保する必要がないのかを質問させていただきます。
○田中座長 川原構成員の質問にお答えください。
○初鹿専門官 まず、理事なのですけれども、10ページの最初のポツでまとめている特殊関係者関係の規定というのは、理事と個人的にどういう関係にあるかということについて一定の制限を設けているという内容になっておりまして、実際に今、法律上である社員からどのぐらい理事を出せるかといったところの制限そのものの規定はしていないところではございます。
実際に、各連携法人のつくられ方によって、途中で説明させていただいたとおり、2つ以上の社員に集まっていただければ連携法人を組めるという形にしておりますので、最小だと2になるので、運営自体が特定に偏ってしまうというのも当然あってはならないと思うのですけれども、実際に何人以上にするというところでどういうふうに縛りをかけていくかというところは検討しなければいけないと考えております。御指摘を踏まえて、特定の社員に偏っていくような仕組みというのは連携法人の目的に鑑みても望ましいことではないと思いますので、どういうふうにその部分を担保していくかというのは検討させていただければと思います。
○田中座長 それは今後検討するのですね。
○初鹿専門官 ちょっと考えさせていただきます。
例えば、地域医療連携推進法人などはどのくらい各社員から理事を出してという部分の制限がなかったりすることもあるので、そういった他のものとの整合性ですとか、どういうふうに実際にやっていくかというところを見ながら考えたいと思っています。
○田中座長 課長、お願いします。
○宇野課長 そういう意味では、まさにここで御議論をいただきまして、その上で次回の総括的な検討の中で、我々事務局として検討した結果を御提示したいと思っていますので、まず、この辺の必要性も含めて、今日、御議論をいただければと思います。
○滝澤法人指導監査官 1点補足させていただきますと、社会福祉法人につきましては、理事が役員を務める法人の同じ役員が理事となることについて、それは理事総数の3分の1までという制限をかけていますので、そういう制限も踏まえながら、連携法人の役員の在り方についても検討を進めていきたいと思っております。
○田中座長 次回のまとめのときに改めて議論いたしましょう。
他に7ページから13ページについてはいかがですか。
宮川構成員、お願いします。
○宮川構成員 ありがとうございます。
11ページの一番下の➂について、残余財産の帰属先でございますが、社会福祉連携推進法人は国、地方公共団体、社会福祉連携推進法人又は社会福祉法人とすべきではないかとなっておりますが、この中の社会福祉連携推進法人は他の社会福祉連携推進法人のことだと思いますが、これが入った理由みたいなものがあれば教えていただければと思います。
○田中座長 お答えください。
○初鹿専門官 残余財産の帰属先なのですけれども、実際にこの財産が形成された理由としては、社会福祉連携推進業務を進めていって社会福祉連携推進目的を達成していくために一定の財産がつくられて、それを基に運用されていたというところになると思うのですけれども、同じように、他の社会福祉連携推進法人であれば、同様の目的で社会福祉法人が中心となって構成されているということもございまして、連携法人であれば残余財産の帰属先として問題ないのではないかと考えているところでございます。
○田中座長 よろしいですね。
また後で戻っていただいても結構ですが、次に進みます。次は、社会福祉連携推進法人のガバナンス及びその他の事項を併せて議論を行います。資料で言いますと14ページから28ページです。構成員の皆様から意見、御質問をお願いいたします。
川原構成員、どうぞ。
○川原構成員 ありがとうございます。
17ページなのですが、先ほど私が言いました理事と同じように議決権についても特定の社会福祉法人に偏るということも考えられると思いますので、これにつきましても御検討をお願いできればと思います。
以上です。
○田中座長 御意見ですね。ありがとうございました。
松原構成員、お願いします。
○松原構成員 同じく17ページについて、議決権は1人1票の議決権を原則とするのは大変いいと思います。その後の原則とは異なる取扱いについて、非常に丁寧にまとめていただいたと評価しております。
ただ、先ほどからお話が出ていますように、この連携法人はあくまで社会福祉法人を中心とした法人で、社会福祉法人の一つのグループなわけです。社会福祉法人というのは、民間、非営利というのが大きな特徴です。原則と異なる取扱いのを丁寧には書いていただいたのですけれども、例えば、規模に応じた議決権ということが考えられますが、非営利というのは配当さえしなければいいというのではなくて、経済的要因ではなくてあくまでミッションを目的に動くのだというところが重要であって、利益非分配はその手段にすぎないと考えます。経済的要因によって意思決定が左右されるというものを入れ込むことに対してどうなのかという懸念を持っております。ですので、1人1票というところを貫くようにするということを検討する価値はあるのではないかと思います。意見です。
○田中座長 ありがとうございました。
山田構成員、どうぞ。
○山田構成員 ありがとうございます。
18ページの論点3ですけれども、この30億、60億の負債というところなのですが、ずっと制度の流れからいえばあまり大きな事業を行う連携推進法人のイメージではないので、これは参加する法人の収益合計ではないですよね。その辺の確認の質問です。お願いいたします。
○田中座長 確認です。お答えください。
○初鹿専門官 参加する社員の収益合計ではなくて、あくまでも連携法人としての収益と負債を見ていくという仕組みで考えております。
○山田構成員 ありがとうございます。
○田中座長 宮川構成員、お願いします。
○宮川構成員 ありがとうございます。
2点ございまして、まず1つ目は15ページ一番下の○で、「社会福祉法人の経営基盤を強化するために必要な者」の要件でございます。こちらに記載があるものは特に問題ないと思うのですが、例えば、災害専門のNPOなどの非営利法人もあると思うのですが、そういったところはやはり今回の連携推進法人と業務で重複する部分があると思うのですけれども、参画することはできないのかという質問が1点です。
もう一点でございますが、先ほど松原先生からもお話がありました17ページの事業規模の所でございます。3つ目の〇「不当に差別的な取扱い」に該当するものとしてはというところの次の2つの・の後の所です。私も個人的には、公平性を確保するためには、1つの法人さんが1つの議決権を持つというのが本当は一番いいとと思っているところなのですが、もしどうしても除外要件を入れなければいけないという話であるのであれば、この内容でも構いませんが、逆に除外要件に該当しない形として、単純に事業規模と書いてありますが、事業規模だけではなく、もう少し合理的なもの、規模だけだと単に大きな法人だけが議決権が強くなるというのも正直どうなのかなと思いましたので、そこに関する質問の2点でございます。
○田中座長 2点、お願いします。
○初鹿専門官 まず、1点目の15ページの社員の範囲で、今、御指摘いただいたような災害専門のNPOということなのですけれども、考えているものとしては、連携法人がそこのNPOと一緒になって業務をやっていくようなことは想定されるようなことかなと思うのですが、実際にここで社員となってくると、連携推進業務により直接便益を受け得る主体であることが望ましいと考えておりまして、1社員1議決権を原則としてのどういった例外があるかということで御意見をいただいているところでございますけれども、実際に議決権を持って連携法人の運営に関与していくということになってくると、便益を受ける者である方が権利の行使者としてふさわしいのではないかと考えたときに、災害専門でNPOに取り組まれているところが、イメージが湧かなくて恐縮なのですけれども、福祉の関係でどのぐらい便益があるのかというところが分かりかねるところもございます。一緒に業務をやっていくということはあり得るかなと思っているのですけれども、連携推進業務で直接的に便益を受ける者に社員となるものについては限定をすることが整理としてあるかなと考えているのが1点でございます。
それから、後半の方なのですけれども、最初に川原構成員からも議決権が特定の社福に議決権が偏ることがないようにというのは、社福だけではなくて法人全体としてということかと思いますし、松原構成員から御指摘いただいたこと、宮川構成員から御指摘いただいたとおり、議決権の部分の不当に差別的な取扱いというものをどのように考えてくるかということは御意見を色々いただいたところでございます。
1社員1議決権の部分を完全にルールとして例外なしでやっていくとなると、実際に連携法人を組んでいくときに、地域でどこかの社会福祉法人ですとかがイニシアチブを取って地域の他のところを誘って組んでいくということを考えたときに、中心となっていく法人がやっていく気持ちになっていくものになっていかないのではないかという組みやすさの観点から、一定の例外として不当に差別的な取扱いをしないこと。それから、規模の大きなところになれば、多くの金額を出していくことも考えられると思うので、イとして、提供した金銭その他の財産の価額に応じて異なる取扱いをすることはしてはいけないと考えているところでございます。
事業規模については、どのように考えていくかというところがあると思うので、ただ、今回御指摘をいただいた中で、あまり偏りが起きてしまうと、そもそも連携法人の目的として社会福祉の担い手としてふさわしくないのではないかという趣旨の御意見をいただいていると思いますので、この部分をどうするかというのは検討させていただければと思います。
○田中座長 松原構成員、どうぞ。
○松原構成員 18ページについて、評議員会の構成員に関してなのですが、私が常々連携法人の最初の検討会の立ち上げのときから言い続けていること、今も懸念していることは、山間部においてこの連携法人ができることによって、地域で独占的なグループができたということにならないかということを懸念しています。独占がダメだと言っているのではなくて、社会的弱者が声を上げづらくなってしまうことが懸念されます。本当は自分がこういうニーズがあっても、こんなことを言ったらこの地域でケアを受けられなくなるのではないかといったおそれが生じないように、ぜひ地域の声をちゃんと反映できるような仕組みを構築してほしいと思います。
ここに案を色々出していただきましたけれども、中立公正な立場はこういう人たちというよりも、地域の福祉を分かった方に入っていただきたいということであって、別に商工会議所の方が駄目だとかという意味ではないのですけれども、地域福祉をしっかり現場から分かっている方に入っていただきたいということを考えています。
ですから、書きぶりとしては例えば、「社会福祉士等」とかのように地域福祉に理解のある人をぜひ評議員会のメンバーにしていただきたいと考えています。
以上、意見です。
○田中座長 課長、どうぞ。
○宇野課長 松原構成員、ありがとうございます。福祉基盤課長です。
今、おっしゃった件は一昨年の事業展開検討会でもおっしゃっていたことだと理解しております。ここの部分について、今の御意見も踏まえましてどういう書きぶりができるか、例えば、もちろん社会福祉士等という書き方もあるのでしょうけれども、今、先生のおっしゃる方は社会福祉士であれば全ていいわけではなくて、地域の福祉をよく分かっていらっしゃる方に入ってくれということを担保できるような表現ぶりができないかというのは、我々としても宿題として検討したいと思います。
○田中座長 地域福祉を分かっている人を評議会に加えるべきという御意見でした。ありがとうございます。
川原構成員、どうぞ。
○川原構成員 ありがとうございます。
16ページなのですが、地方自治体は社員として参加できないということなのですけれども、例えば、地方自治体立の施設とかが給食を連携推進業務としてやった場合に、そこに参画したい場合には参画できないという立てつけという解釈でよろしいのでしょうか。
○初鹿専門官 ここで書かせていただいているのが、施設事業単位ではなく法人として社員になっていただいて、かつ地方自治体については社員となれないということなので、自治体立の施設に給食の提供をすること自体は連携推進業務としてはできないものの、ただ、第2回検討会の議論のときに、連携推進業務に関連している業務であれば、全体の事業規模の半分に満たないものであれば実施可能と提案させていただいて御議論をいただいたところかと思うのですけれども、連携法人が前回の検討会で議論をしていただいた物資等供給業務の中で給食センターを運営する場合に、そこでできた給食の配給を自治体の施設が受けるということは連携推進業務ではない部分の関連する業務として受けていただくことはできると考えておりますので、そういった意味では連携推進法人がつくられることによってできた給食センターの恩恵を受けることは、連携推進業務以外の部分でできると考えております。
○川原構成員 ありがとうございます。
あと、地方自治体がある社会福祉法人に指定管理として委託した場合には、そちらの委託管理を受けた法人が社員になる分には構わないという形ですよね。
○初鹿専門官 指定管理として委託を受けている委託先が、社会福祉事業を実施している者であれば、入っていただくことは可能になります。
○川原構成員 ありがとうございます。
○田中座長 宮川構成員、お願いします。
○宮川構成員 ありがとうございます。
19ページの一番上の〇になりまして、評議会の人数なのですけれども、3名以上ということで具体的な定款で定める員数としてはどうかとなっていますが、社会福祉法人の評議員会の場合は理事の定数以上とされていることを踏まえれば、もう少し多い方がよいと思いました。今回の連携推進法人に置かれる評議会は、先ほど松原構成員の御意見もありましたが、幅広い意見の者を参画させた方がいいと私も考えているところでございますので、ここにはミニマムで3名以上と書かれておりますが、もう少し多くてもいいのではないかと思っているところですが、いかがでしょうか。
○田中座長 評議会の構成員の人数は3人でよいかという御質問でした。
○初鹿専門官 御指摘いただいたとおり、社会福祉法人の評議員会と今回の連携法人の評議会は役割が違うというのはそうなのですけれども、この連携法人を構成するに当たって評議会の評議員の人数が増えれば増えるほど、なかなか実際に連携法人を設立していくことのハードルも上がってくるという観点もあるかと考えていて、一方、最初に御意見をいただいたような地域の方の声をきっちり反映していくようにという観点も重要だと思っております。何人にするかというところはなかなか難しいところではあるのですけれども、構成しやすいバランスと、適切に地域の声を反映させられるかというバランスを考えた上で、最少人数をどうするかというのは考えていく必要があると考えております。
○田中座長 よろしいですか。
私からも質問させてください。
先ほど何人かの構成員から事業規模の質問が出ていました。この場合、事業規模は何ではかるのでしょうか。企業ですと売上げもあるし、資産規模もあるし従業員規模と幾つか候補がありますが、ここでの事業規模について何かお考えはありますか。
○初鹿専門官 事業規模とだけ書いていたのですけれども、趣旨としては社会福祉関係の事業規模で、それが従業員の数なのか資産なのかというところはあると思うのですが、イメージしていたものとしては社会福祉関係の事業の事業費の関係ということを考えているところでございます。
○田中座長 今おっしゃったことが原案ですね。また、今後議論があるかもしれません。一応、社会福祉事業に伴う、俗に言えば売上げ規模、収入規模がどうかとのご回答ですね。
もう一つ、社会福祉法人の議決権が過半を占めている点は決まっていますが、一つの社会福祉法人が占める議決権の割合については何かお考えはありますか。
○初鹿専門官 それについては決めていないことになりますので、社会福祉法人が議決権の半分以上、さらにその中で、ある社会福祉法人が多くの議決権を取るということが今考えている対応の方向性の中ではできるというか、多くのものを取っていくことができるとなっていて、川原構成員からもその部分がそうなってしまってはまずいのではないかという御指摘をいただいたところでもあるので、検討させていただければと思います。
○田中座長 現行であれば1法人が過半数を取っても問題ないことになりますからね。
○初鹿専門官 連携法人を組んでいく目的というところにも鑑みて検討させていただきます。
○田中座長 よろしいですか。
御議論ありがとうございました。
第1回に事務局から提示された論点は今回までで一通り皆様と一緒に議論してまいりました。本日の論点に加えて、第2回、第3回で議論した論点も含めて全体を思い起こし、言い足りない点や気づいた点があればここで御発言ください。今日の論点に限らず遡って、全体を見渡して何かおありでしょうか。
宮川構成員、松原構成員の順でお願いいたします。
○宮川構成員 ありがとうございます。
私の方から2点ございまして、1つ目は不勉強で分からないので教えていただきたいのですが、今回の連携推進法人に対して、都道府県の関与の話は以前もあったかと思いますが、もし何かあった場合等も含めて、都道府県自体の連携推進法人に対する指導監査みたいなものがあるのかないのか、その点を教えていただきたいということと、もしあった場合に、今後、指導監査の通知みたいなものが出される予定なのかどうかというのが1つ目です。
もう一つは、結構込み入った制度になってくるかと思いまして、定款についても今回議論がございましたが、例えば、今後、社会福祉法人のように定款例とかを出される予定があるのかどうかについて教えていただければと思います。
○田中座長 お答えください。
○初鹿専門官 1点目なのですけれども、連携法人の所轄庁、都道府県ですとか市町村の指導監査については、社会福祉法人の指導監査の規定を法律で準用しておりまして、指導監査を行えるようにしております。実際にやっていくに当たって各所轄庁が困ることがないように、指導監査に関する取扱いをまとめたものを出していきたいと考えております。
定款例についても、ここで議論をいただいたことですとか、法律などの規定だけを見ても定款を作っていくのはなかなか難しいということもあると思いますので、定款例もまとめていければと考えております。
○田中座長 お待たせしました。松原構成員、どうぞ。
○松原構成員 意見を述べさせていただきます。
本日の資料の冒頭にございましたように、今は人手不足感が特にこの業界で強く出ております。人手不足の問題だけではなくて質の向上のためにも処遇改善が何よりも求められると思います。また、処遇改善と一緒にマネジメントのさらなる向上の2つがセットで行われる必要があると思います。
まず、処遇改善については、やはり財源確保ということが非常に重要です。財源確保というと結局のところ国民や企業に御負担いただくということになります。処遇改善のために財源確保する、そのためには国民の負担が増えるとなれば、マネジメントの向上もセットで行われることが求められるのではないかと思います。マネジメントの向上策の一つとして、連携法人というのは活用できると思います。山田構成員も色々御指摘くださっていますように、教育の質の向上やバックオフィスの効率化など、たとえば近年はIT化を進めることが求められる時代ですが、社会福祉法人でIT人材を専門で置いているところはほとんどございません。これからはそういうことも必要ですが、規模的になかなか難しいという中で、連携法人でIT人材を専門で置くということも検討の余地があると思います。そういう意味でも、この連携法人が広く活用されると良いと思います。
営利、非営利関係なく、SDGsへの取組が重要となる中で、営利企業もどんどん社会的課題について取り組んでいます。そういう中において社会福祉法人の存在意義は民間、非営利、公益性が制度として担保されている点にあり、その点が損なわれることのない形で連携法人を推進して頂きたいと思います
以上です。
○田中座長 御意見ですね。ありがとうございました。
他に御意見、御質問はおありですか。よろしゅうございますか。
ないようであれば、本日の検討会はこれにて終了いたします。
事務局は今日の議論も含めて4回の検討会における議論を精査してください。そして、次回までにこれまでの論点を整理して、提出してください。
最後に、事務局から次回の日程について報告をお願いします。
○滝澤法人指導監査官 次回、第5回では、ただいまの座長の御指示も踏まえまして、これまで本検討会で御議論をいただいた内容を整理し、検討の全体像について改めて御議論をいただきたいと考えております。日程については追って御連絡をいたします。
○田中座長 本日も様々な御意見を頂戴し、活発な議論ができました。どうもありがとうございました。
 

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