2021年1月22日 薬事・食品衛生審議会 化粧品・医薬部外品部会 議事録

日時

令和3年1月22日(金)14:00~

出席者

出席委員(13名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理
 

欠席委員(0名)

 
行政機関出席者
 
 吉田易範(医薬品審査管理課長)
 新井洋由(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事・審査センター長事務取扱)
 山田雅信(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
 池田三恵(独立行政法人医薬品医療機器総合機構執行役員) 他
 

議事

○医薬品審査管理課長 それでは、定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会化粧品・医薬部外品部会を開催いたします。この度の本部会については、新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点から、web会議形式での開催とさせていただいております。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。初めに、この部会ですが、約2年ぶりの開催になっております。前回から委員の改選も行われております。したがって、最初に化粧品・医薬部外品部会の委員名簿に即して、委員の先生方のみ御紹介させていただければと思います。資料に化粧品・医薬部外品の名簿があるかと思います。それを御覧いただきながら、御紹介させていただきますが、お名前のみ御紹介させていただきます。有森和彦委員、伊藤清美委員、井上薫委員、井上和秀委員、関東裕美委員、栗原正明委員、佐藤薫委員、杉林堅次委員、宗林さおり委員、橋田充委員、堀里子委員、本間正充委員、松永佳世子委員になっております。よろしくお願いいたします。それから、形式的なことですが、本部会の部会長ですが、橋田充委員が部会長に選任されておりますので、御報告を差し上げます。

 続いて、薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規程に基づき、部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名する者がその職務を代理するとされており、部会長代理については、部会長から御指名いただく形になっております。橋田部会長、よろしくお願いいたします。

○橋田部会長 橋田です。本間委員に部会長代理をお願いしたいと思います。いかがでございましょうか。

○本間委員 本間です。了承しました。

○橋田部会長 よろしくお願いいたします。

○医薬品審査管理課長 それでは、本間委員に部会長代理をお願いいたします。続いて、委員の出席状況ですが、現時点におきまして、定員13名全員の御出席を頂いております。定足数に達していることを御報告いたします。

 また、冒頭に申しましたように、約2年ぶりの開催ですので、事務局、厚生労働省、医薬品医療機器総合機構における幹部についても御紹介させていただきます。まず、厚生労働省ですが、本日、所用で席を外しておりますが、医薬・生活衛生局長の鎌田、大臣官房審議官(医薬担当)の山本、医薬・生活衛生局医薬品安全対策課長の中井、それから、私は医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長の吉田です。続いて、医薬品医療機器総合機構ですが、理事・審査センター長事務取扱の新井、安全管理監の山田、執行役員(信頼性保証等部門担当)の池田、一般薬等審査部長の横田、最後に医薬品安全対策第一部長の鬼山です。事務局の御紹介は以上です。

 続いて、部会を開始する前に、事務局より、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告をさせていただきます。薬事分科会規程第11条におきましては、委員、臨時委員又は専門委員は在任中、薬事に関する企業の役員、職員、又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問などに就任した場合には、辞任しなければならないと規定されております。今回全ての委員の皆様から薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告をさせていただきます。委員の皆様には、会議開催の都度書面を御提出いただいておりまして、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 また、本日のweb会議に際し、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、説明者におきまして、マスクを着用したまま説明させていただいておりますけれども、御了承いただければと思います。

 それでは、長くなりましたが、橋田部会長、以降の進行をよろしくお願いいたします。

○橋田部会長 それでは、事務局から本日の審議の進行方法について、御説明をお願いいたします。

○課長補佐 それでは、事務局から審議の進行方法の御説明をさせていただきます。本日はwebでの審議のため、対面での進行と一部異なる部分がございます。審議中に御意見、御質問をされたい委員におかれましては、まず、御自身のお名前と発言したい旨を御発言いただきますよう、お願いいたします。その後、部会長から順に発言者を御指名いただきます。御発言いただく際は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、御発言をお願いいたします。なお、発言者が多い場合には、発言されたい委員がメッセージに御記入いただくことで、部会長より発言者を順番に御指名いただく形をとらせていただきたいと思いますので、適宜メッセージ機能も御利用いただければと思います。

○橋田部会長 それでは、これまでの御説明に対しまして、御質問、御意見等ございますか。よろしいでしょうか。それでは、本日の議題に入ります。まず、事務局から資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告を頂きます。

○課長補佐 本日は、あらかじめお送りした資料のうち、資料1及び資料2を用いますので、お手元に御用意をお願いいたします。なお、システムの動作不良などございましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局までお申し付けください。

 続いて、本日のweb会議における審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告します。競合品目・競合企業リストを御覧ください。競合品目・競業企業及びその選定理由について御説明します。議題1のアースシラミとりローションは、アタマジラミの駆除を目的とする殺虫剤です。効能・効果はアタマジラミの駆除で、同様の効能・効果を有する製剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定をしております。以上です。

○橋田部会長 ただいまの事務局からの説明に、何か特段の御意見等ございましたら、お願いいたします。いかがですか。よろしいでしょうか。それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、先生方の御了解を得たものとさせていただきます。次に、委員からの申出状況について報告をお願いします。

○課長補佐 各委員からの申出状況については、議題1、アースシラミとりローションについて、退室委員なし、議決には参加しない委員なしという状況です。以上です。

○橋田部会長 ただいまの事務局からの説明について、何か御意見等ございますか。よろしければ、先生方に御確認を頂いたものとして、議題に入ります。本日は審議事項が1議題、報告事項が1議題となっております。それでは、審議事項の議題1に移ります。まず、資料1について、医薬品医療機器総合機構から概要の御説明をお願いいたします。

○医薬品医療機器総合機構 それでは、機構から、議題1、アースシラミとりローションの製造販売承認の可否について御説明します。初めに、資料1の審査報告書3ページの1.申請品目を御覧ください。申請品目の販売名は「アースシラミとりローション」、申請者はアース製薬株式会社です。本剤は、アタマジラミの駆除を目的として使用するローションタイプの殺虫剤であり、100g中に有効成分としてジメチルポリシロキサン4gを配合しています。

 イ項、起源又は発見の経緯及び外国における使用状況等に関する資料を御覧ください。本邦では、既承認のシラミ駆除剤として、ピレスロイド系薬剤であるフェノトリンが使用されていますが、ピレスロイド系薬剤に対する薬剤抵抗性の発達が報告されています。本剤の有効成分であるジメチルポリシロキサンは、虫体の気門や気管を閉塞して水分排泄を阻害することにより、腸の崩壊や不可逆的な運動抑制を起こして致死効果を発揮すると考えられており、ピレスロイド系薬剤の作用機序である、昆虫の神経細胞のナトリウムチャネルへの作用による神経伝達阻害とは異なる作用機序を有しております。本成分を含有するアタマジラミ駆除剤は、2006年にイギリスで販売が開始され、202011月現在、欧州やカナダ等において市販されております。

 4ページから5ページのロ項及びハ項を御確認ください。本成分は、既承認の一般用医薬品「ビオナットアルファ」の有効成分である○○○「ジメチルポリシロキサン(内服用)」と同一とされており、○○○に設定されている規格に加えて、○○○や○○○、○○等の規格が実測値に基づき設定されています。本成分の安定性については、ビオナットアルファの承認前例より、25℃、3年以上の安定性が担保されており、光に対しても安定と判断されています。審査の過程で、○○○○○○○○○○○については安定性試験が実施されており、本成分及び本剤の規格及び試験方法、並びに安定性に特段の問題はないと判断しました。

 5ページのニ項、安全性に関する資料について御説明します。本成分は、○○○「ジメチルポリシロキサン(内服用)」と同一とされ、○○○○○○○○○としても使用されておりますので、本成分の安全性に関する新たな試験成績は提示されておりません。本製剤の安全性試験としては、5ページから7ページ目に記載しております単回投与毒性試験、皮膚刺激性試験、眼粘膜刺激性試験、皮膚感作性試験及びヒトにおける安全性試験の結果が提出されました。

 6ページ、ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、本剤の4時間の閉塞貼付により軽度の刺激性が認められましたが、2時間以下の閉塞貼付では皮膚反応が認められなかったこと、本剤は頭髪に塗布して5分間程度放置した後に洗い流す用法であることから、実使用時の安全性には問題ないと説明されております。その他の安全性試験においては問題となる所見は認められなかったことから、本剤使用時の安全性に特段の問題はないと判断しました。

 ホ項、効能又は効果に関する資料について御説明します。効力を裏付ける基礎試験として、7ページから9ページに記載の基礎効力試験及び○○○○○○を用いた準実地効力試験が実施されました。7ページの表7に記載の用量設定試験の結果より、本成分の配合濃度は、100%の致死率が認められた4%とすることが妥当と判断され、以降の試験につきましては、いずれも本成分4%を用いて実施されております。また、アタマジラミについては○○○が確立していないことから、アタマジラミと○○○○○○し、○○○○されている○○○○○○が供試虫として用いられ、本剤の○○○○○○成虫及び卵に対する致死効果や孵化阻害効果が確認されました。

 これらの試験結果を踏まえ、本剤のアタマジラミ症患者に対する有効性が、9ページにお示しした臨床試験により評価されました。本臨床試験は、既承認のシラミ駆除剤で実施された臨床試験を参考に有効性評価項目が設定されており、11ページの表16に示した虫体数の推移や、表17に示した推定生卵数の推移に基づき、表18に示した改善度が評価され、著明改善が1例、軽度改善が21例、不変が1例という結果でした。また、試験期間中に有害事象は認められませんでした。なお、試験に登録された35例のうち、ほとんどが14歳以下の小児となっております。

 13ページの審査の概略を御確認ください。アタマジラミ症患者を対象とした本剤の臨床試験は、○○○の1施設で実施されております。その理由として、ピレスロイド抵抗性アタマジラミへの有効性を評価するために、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○で臨床試験を実施したこと、○○○内でアタマジラミ疾患者を対象とした試験を実施できる試験施設は実質1施設のみであることが説明されました。

 機構は、○○以外の地域でも臨床試験を追加で実施するように求めましたが、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○以外の地域では、既承認のフェノトリン製剤を使用すれば駆除できる環境であること等から、被験者を確保することは困難であったこと、また、本成分は物理的作用によって殺虫効果を示すものであり、基礎効力試験及び準実地効力試験において、ピレスロイドに感受性のある○○○○○○成虫に対する高い致死率及び孵化阻害率が確認されておりますので、本剤のアタマジラミに対する駆除効果に地域差はないと説明されております。

 14ページです。実施された臨床試験においては、対照群は設定されておりません。対照群としては、既承認のフェノトリン製剤が考えられますが、○○○においては、フェノトリン製剤によるシラミの駆除は困難であり、対照群の設定は、試験期間中の治療の停止による症状の増悪、他者への感染拡大を意味し、倫理的な問題があると説明されています。以上の状況を踏まえ、機構は、対照群を設定せず、1施設のみで臨床試験が実施されたことは許容可能と判断しました。

 また、本剤の臨床試験では、試験開始時の虫体数及び推定生卵数が軽度以下に偏る傾向が認められましたが、準実地効力試験では、○○○○○○1体当たり○○○○○○成虫を合計○匹又は卵を合計○~○○個設置し、90%以上の致死率及び孵化阻害率が認められているため、中等度以上の患者に対しても本剤の有効性は期待できると判断しました。

 ()臨床的位置付けについての項を御確認ください。アタマジラミのピレスロイド系殺虫剤に対する薬剤抵抗性遺伝子の保有率は、2011年までの調査で、沖縄県では95.9%、沖縄県を除く日本全国では5%であったと報告されています。本成分は、ピレスロイド抵抗性アタマジラミに対する有効性が期待でき、物理的作用により殺虫効果を示すため、本成分に対する抵抗性の発達は起こりにくいと考えられます。また、既承認のシラミ駆除剤と異なり、本剤は卵に対しても高い孵化抑制効果が認められていることから、申請者は、現時点でピレスロイド系殺虫剤に対する薬剤抵抗性が発達していない地域においても、本剤が今後のシラミ駆除剤の主流になると説明しています。以上を踏まえ、本剤は、アタマジラミ症に対する新たな治療選択肢として意義があると判断しました。

 申請時の効能・効果はシラミの駆除とされていましたが、機構は、本剤で実施された臨床試験の対象はアタマジラミ症患者のみであることから、効能・効果はアタマジラミの駆除とすることが適切であると判断しました。また、申請時の用法・用量では、1回使用量が○○○○○○○○○記載されていましたが、機構は、○○○○○の定義が不明であることから、25mL50mLと幅を記載することが適切であると判断しました。

 最後に、3.総合評価を御覧ください。以上の審査を踏まえ、機構は、本品目を医薬部外品の殺虫剤として、こちらに記載した効能・効果、用法・用量において承認して差し支えないと判断しました。説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いします。

○橋田部会長 ありがとうございました。それでは、ただいま御説明を頂きました内容に関して、委員の先生方より、御質問、御意見がありましたらお願いします。新しい作用機序に基づくアタマジラミの駆除剤ということで、医薬部外品としての製造販売承認に対する御審議ということです。

○井上委員 国立衛研の井上です。

○橋田部会長 お願いします。

○井上委員 今、御説明いただいた内容で安全性は十分に確認されると考えているのですが、一応、念のための確認ということで、もし分かっていたら教えてください。同じ成分で同じ濃度のものが海外で既に使われています。海外において、安全性に関して、何か問題事象となったことはないということでよろしいでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 機構からお答えします。特に、海外の安全性において問題となったという情報はありません。

○井上委員 承知しました。ありがとうございます。

○橋田部会長 ほかにいかがでしょうか。

○関東委員 東邦大学の関東です。

○橋田部会長 お願いします。

○関東委員 子供に主に使用されるということで、試験が14歳以下の小児ということでしたが、幅については、恐らく幼稚園児ぐらいの方も非常に多く罹患されると思うのですが、かなり幅広い年齢層で行われたのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 機構からお答えします。お配りした資料の資料概要の41ページに、実際に組み入れられた症例の年齢が記載されています。また、こちらの資料概要には記載されていませんが、実際に組み入れられた一番下の年齢としては、1歳からこちらの試験に組み入れられています。また、資料概要の記載にありますように、30代から40代の被験者も一部組み入れられております。

○関東委員 ありがとうございました。

○橋田部会長 ほかにいかがでしょうか。

○本間委員 国立衛研の本間です。

○橋田部会長 お願いします。

○本間委員 1つ教えてください。試験デザインから見る限り、アタマジラミだけではなく○○○○○○に関しても効果はあるように思われますが、これは臨床試験としてアタマジラミしかやっていないから、アタマジラミのみと限定されているということでよろしいのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおり、臨床試験において、有効性が評価されたのはアタマジラミのみとなっておりますので、アタマジラミに対する効能を付けることが適切と判断しております。また、○○○○○○については、基礎効力試験や準実地効力試験において有効性は評価されているのですが、○○○○○○については、基本的に薬剤の使用ではなく、シラミが寄生した○○○○○するなどにより駆除することが基本とされておりますし、本品のようなローション剤を○○○使用することも想定し難いので、効能・効果として含める必要はないと判断しております。

○本間委員 ありがとうございました。了解しました。

○松永委員 よろしいでしょうか。藤田医科大学の松永です。

○橋田部会長 お願いします。

○松永委員 安全性は問題ないように思うのですが、改善度の評価で、軽度改善が21例、著明改善が1例だったというデータなのですが、例えば、○○間の間に3回使用して、この数が出ているのです。臨床医としては、ここでいいですよ、これで終わったらと言った後に、どれぐらいの治癒率とか再発率があるのだろうと、とても気になる改善度なのですが、これぐらいの効果で、医薬部外品であればよいのかという疑問と、あと、もう少し塗布の時間というか期間を延ばせばもっと改善する可能性があったのかというところの考慮については、いかがでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 機構から回答します。改善度については、審査報告書の11ページの表18に定義が記載されております。まず軽度改善の定義というのが、「○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○が○○○○○改善し」ということになっております。中等度、著明改善については、それが○○○○○○○○○○○○○○○となったものが著明改善、という基準が設定されております。本試験に組み入れられた被験者が、表16と表17の試験開始日○日目の所に記載されていますが、虫体数が中等度であった1例を除いて、いずれも軽度な状態で組み入れられており、最終的には、虫体数についてはいずれも0匹、推定生卵数については、1例を除き0個と改善しているのですが、その改善度の評価基準が○○○○○改善しないと中等度以上の改善に分類されません。もともと組み入れられていた症例が観察基準が軽度の症例のみですのでこのような評価となっておりますが、実際には全ていなくなっていることが確認されております。

○松永委員 了解です。最初のスタートの所が軽症であったということですね。ありがとうございました。

○橋田部会長 ほかにいかがですか。

○宗林委員 国民生活センターの宗林です。1点だけ伺います。

○橋田部会長 お願いします。

○宗林委員 パッケージを見ますと、「火気厳禁」と書いてありますが、これは第三石油類での○○○○○○○○○○○がどのぐらい入っているのですか、何%ぐらい。これは頭に対しての刺激性はないということですが溶剤として相当入っているということですよね。

○医薬品医療機器総合機構 機構から回答します。

○橋田部会長 お願いします。

○医薬品医療機器総合機構 この製剤の処方については、ジメチルポリシロキサンが4%と、○○○○○○○○○○○○○という成分、溶剤が○%、また、○○○○○○○○○○○○○○○○というのが、そのほかの○%という処方になっております。お答えになっておりますでしょうか。

○宗林委員 ありがとうございました。そうすると、相当揮発性が高い有機溶剤の中に溶け込ませているということですね。

○医薬品医療機器総合機構 ただ、安全性試験については製剤で行われておりまして、刺激性等については問題がなかったという結果が得られております。

○宗林委員 分かりました。ありがとうございました。

○橋田部会長 ほかにいかがですか。これは、医薬部外品ということですから、一般の小売店でも販売されるということでよろしいでしょうか。そういう意味で今、容器のこともありましたが、容器、包装、あるいは添付文書の内容等で十分消費者に御理解を頂くということと、安全性に関するいろいろな情報提供も十分できているかどうかという視点も大事かと思いますが、その辺りはよろしいでしょうか。

○関東委員 東邦大学の関東です。

○橋田部会長 お願いします。

○関東委員 今、御指摘いただいた、アースシラミとりローションの子供の絵が付いている紙のパッケージには、「無香料150mL」と記載があります。本剤の製剤設計の所には、「香料及び法定色素が添加剤として含まれる」と書いてありますが、実際の製品には無香料150mLと書いてあって、これは問題がないことでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 機構からお答えします。実際の承認申請書においては香料と着色料が記載されていますが、医薬部外品においては、香料とか着色料については一定の幅で変更できるシリーズ申請というものが認められておりまして、こちらもそれにのっとって、香料、着色料については、申請書上は記載されているのですが、今回のこのパッケージに示しております処方については、実際にその香料や着色料は入っていないという処方であることを確認しております。

○関東委員 添加剤として入っているのは、香料が入ってはいるのですよね。高齢者の治験をやっていなくて、高齢者が使わないならよろしいのですが、高齢者は割合、香料アレルギーを起こしている方もいらして、そういう方は、量ではなくて反応してしまうこともあるかもしれないとちょっと思って、今回、やはり安全性はある程度検証が必要かなと思ったので。製品としては香料、着色料は入れねばならない設計にはなっているのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 香料についても、実際に今、申請者が販売を検討しております製品については含めないということで、こちらの説明書に記載のとおり、香料と着色料のいずれも入っていない処方で販売される予定です。

○関東委員 分かりました。

○橋田部会長 ほかにいかがでしょうか。

○伊藤委員 伊藤です。

○橋田部会長 どうぞ。

○伊藤委員 ちょっと細かいことで恐縮ですが、使用上の注意の相談することの3つ目で、「誤って眼に入り、水又はぬるま湯で洗い流した後も症状が改善しない場合」とあるのですが、症状というのは、例えば痛みとかなのか、ちょっと分かりにくいような気がするのですが、これは一般的な表現なのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 基本的には、一般的な殺虫剤の使用上の注意の表現に沿って記載されていると思います。眼に付いたときの刺激性、刺激感などの症状ということを指していると考えます。

○伊藤委員 もし刺激感とかそういう言葉を書けたら、もう少し分かりやすいかなと思います。その上のほうにアレルギー症状とかも出てきますよね。もちろん関係ないとは思うのですが、ただ症状というと何となく分かりにくいかなと思ったのです。他でもみんなこういう表現なのであればいいのかもしれないですが。

○橋田部会長 いかがですか。

○井上委員 国立衛研の井上です。

○橋田部会長 どうぞ、お願いします。

○井上委員 今の眼に対して相談するということでちょっと気になったのですが、本剤は、確かどこかに、こぼしたら滑るので気を付けてくださいと書いてあって、もしかしたら少し粘性があるものなのかなと思ったのです。あと、髪に付けるときも、ぬれた髪でなくて乾いた髪に付けてくださいというものだということを考えると、眼に入ったときに水かぬるま湯で容易に洗い流すことができる性質なのか、その辺はいかがなのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 機構からお答えします。今、御指摘いただいた、滑りやすいというところは、確かに使用上の注意に記載がありますように、滑りやすいという性質があると考えます。ただ、一般的なシャンプーで洗い流せばそれは落とせるということになっておりますので、特段、何か特別な洗い流しの方法などは必要なくて、一般的なシャンプーで流せばよいということになっていると思います。

○井上委員 今の私のコメントは、頭に対するのではなく、眼に対して大丈夫かということで、つまり、シャンプーのようなもので洗い流すという性質を考えると、眼に対して、水とかお湯でスルッと洗い流せる性質なのかどうかというところです。

○橋田部会長 そもそもどういう性状の液かということの御質問です。

○医薬品医療機器総合機構 眼の刺激性については、安全性試験で評価して、特段問題がないというデータも出ておりますが、眼に実際に入ったときに洗い流せるのかというところは、申請者に確認させていただきたいと思います。

○橋田部会長 そうですね、はい。

○井上委員 承知しました。ありがとうございます。

○橋田部会長 先ほどの眼の刺激性というところでもありましたが、いわゆる使用者への情報提供として、十分な情報が提供されるように、申請者に対しもう一度確認をお願いしたいと思います。もし修正等が必要でしたら、また改めて作業をしていただき、最終的に私のほうで確認をさせていただくことになろうかと思います。ほかにいかがでしょうか。いろいろ御質問を頂きましたが、基本的には御説明を頂いたということと、一部につきましては、もう一度、開発企業に対して確認が必要な点も挙がってきましたので、それにつきましては、ただいま申しましたような形で対応させていただきます。よろしいでしょうか。今、申しましたように、頂いた御質問につきましては、御説明を頂いて御了解いただいたということかと思っております。

 それでは、以上を前提にしまして、議決に入りたいと思います。今、申し上げましたようなことを条件とするということになりますが、その上で、本議題について承認を可としてよろしいでしょうか。よろしゅうございますか。御異議がないようですので、承認を「可」とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。ありがとうございました。

 それでは、報告事項に移ります。本日は報告事項が1議題となっております。資料2について御報告いただきますので、医薬品医療機器総合機構から概要の説明をお願いします。

○医薬品医療機器総合機構 それでは報告事項、クリアデューMPDSaについて御説明します。まず、本剤の概要について説明します。資料2を御覧ください。申請品目の販売名は「クリアデューMPDSa」、申請者は株式会社オフテクスです。

 備考欄を御確認ください。まず、本剤の概要ですが、本剤は製剤100mL中に有効成分としてポリヘキサニド塩酸塩を1.1ppm及びアレキシジン塩酸塩4ppmを配合したソフトコンタクトレンズ用消毒剤です。アレキシジン塩酸塩を既承認品目の配合量である1.6ppmから4ppmへ増量した上で、既承認品目の配合量と同量のポリヘキサニド塩酸塩を新たに組み合わせています。現在のマルチパーパスソリューションでは、バイオフィルム等に対して十分な消毒効果を有していないとの報告があり、マルチパーパスソリューションの消毒効果を高めることで眼感染症を発症するリスクが低減すると考えられ、本剤が開発されました。

 次に、安全性及びソフトコンタクトレンズとの適合性について説明します。本剤にて消毒したソフトコンタクトレンズをウサギに21日間反復して装用する試験が実施されましたが、刺激性は認められませんでした。このほか毒性試験及び適合性についての試験として、アレキシジン塩酸塩についての眼粘膜一次刺激性試験、皮膚一次刺激性試験、皮膚感作性試験、本剤の眼粘膜一次刺激性試験並びに本剤をソフトコンタクトレンズに繰り返し使用した際の細胞毒性試験、復帰突然変異試験、染色体異常試験、皮膚感作性試験、レンズの物理化学的性質に関する検討及びレンズへの残留性に関する検討が実施されましたが、懸念される所見は認められませんでした。

 なお、事前に頂いた質問の中に、本剤によりソフトコンタクトレンズへの着色は懸念されないかという質問がありました。この点について説明しますが、本剤は無色透明な製剤です。また、本剤の用法・用量に従い、本剤にて30回処理したソフトコンタクトレンズについて、変色等は認められませんでした。

 次に消毒効果について説明します。消毒効果について、細菌及び真菌についてはISO14729に準拠して試験が実施され、スタンドアローンテストの第1基準を満たしました。また、ウイルス及びアメーバについては、ISO14729を参考にした試験が実施され、本剤の消毒効果が既承認のマルチパーパスソリューションと同等以上であることが示されました。

 なお、事前に頂いた質問の中にアメーバのシスト型についても有効性が確認できたのかという御質問がありました。この点について説明します。アカントアメーバに対しては、トロフォゾイド、シスト、それぞれに対して消毒効果試験が実施されていますが、本製剤にて消毒開始後、4時間でトロフォゾイド及びシストを1log以上減少させました。また、既承認のマルチパーパスソリューションと比較しても、消毒効果は同等以上でした。

 次にヒト試験成績について説明します。ソフトコンタクトレンズグループⅠの装用者172眼で28週間及びグループⅣの装用者80眼で14週間、毎日、申請用法・用量に従った消毒による非盲検非対照臨床試験が実施されました。

 有効性評価は、微生物学的検査及び眼科医による眼感染症所見及び特定菌の検出の有無の結果に基づき、「極めて有効」「有効」「有効性に疑問」「無効」の4段階で評価されました。「極めて有効」又は「有効」と判定された被験者は、グループⅠのソフトコンタクトレンズにおいては98.7%、グループⅣのソフトコンタクトレンズにおいては100%でした。グループⅠのソフトコンタクトレンズでは、12週時の被験者のソフトコンタクトレンズにおいて特定菌が検出されたため、2眼について「有効性に疑問」と判定されました。この結果について、発育が認められた特定菌に対し本剤を用いた消毒効果試験を実施したところ、十分な効果が確認できたこと、また28週間の使用期間中のいずれの来院時にも眼科医による診察で眼感染症所見は認められなかったことから、本剤の有効性には問題がないと判断されました。

 安全性評価は、副作用の有無及びレンズの性状の変化に基づき、「極めて安全」「安全」「安全性にやや問題あり」「安全性に問題あり」の4段階で評価されました。「極めて安全」又は「安全」と評価された被験者は、グループⅠのソフトコンタクトレンズにおいては91.3%、グループⅣのソフトコンタクトレンズにおいては96.3%でした。グループⅠのソフトコンタクトレンズにおいて副作用が認められた9眼及びレンズ性状に変化を認めた6眼が、グループⅣのソフトコンタクトレンズにおいては副作用が認められた2眼及びレンズ性状に変化を認めた1眼が「安全性にやや問題あり」又は「問題あり」と判断されました。この結果について、副作用が認められた症例は重篤な副作用に該当せず、治療を要する症例であっても短期間で回復したこと、レンズ性状に変化を認めた症例は異常が認められた来院ポイントと認められていない来院ポイントがあることから、一過性又は突発的に生じた事象であり、安全性には問題ないと判断されました。以上より、機構における審査の結果、本申請品目を承認して差し支えないと判断いたしました。

○橋田部会長 ありがとうございました。それでは、ただいま御説明いただいた内容について、委員の先生方から御質問、御意見がありましたらお願いいたします。事前に先生方から頂いた質問に対する回答も併せて御説明いただきました。いかがですか。

○宗林委員 国民生活センターの宗林です。

○橋田部会長 はい、どうぞお願いします。

○宗林委員 事前の質問にもお答えいただきありがとうございました。このマルチパーパスソリューションで一番気になるのは、先ほどお話があったアカントアメーバのシスト型についての殺菌力が、これまでのものでは足りなくて段々濃度を高くしてきたという経緯があると思うのですが、ここの消毒効果では、最後は既承認のMPSと同等以上であること、シスト型でも10分の1以下になったという意味なのでしょうが、これで十分とみなせる理由というのが何かあれば教えていただきたいことと、もう一点あって、用法・用量と最後の使い方の所と両方見ながらお聞きしたいのですが、これは毎日新しいものに換えていかないといけないと思うのですが、レンズケースにシスト型などはくっ付いているので、毎回換えなければいけないのではないかというものだろうと思いますが、その辺はどこかで読み取れる場所はあるでしょうか。よろしくお願いします。

○医薬品医療機器総合機構 総合機構から説明します。まず、御質問いただいたアカントアメーバについての有効性についての点ですが、こちらについては、本剤はアカントアメーバに4時間消毒した後の結果について検討されており、log数で3log以上減少したところを確認されているので、1,000分の1以下に減ったことになります。そして、こちらの試験を実施したときに、既に国内で承認されているほかのソフトコンタクトレンズ消毒剤との効力も比較していたのですが、既承認のものと比べて同等以上に有効性が認められたということです。

 御質問いただいた2つ目のレンズケースについてですが、レンズケースの交換の頻度は、購入するごとに新しいものと交換ということになっています。

○宗林委員 レンズケースの交換ではなく、レンズケースの中の液を、MPSを毎日捨てて交換する、入れ直すということがどこかに書いてあったでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 本剤の消毒・保存の方法として、お配りした添付文書の1枚目の左下の部分を御確認ください。使用方法の欄の消毒・保存の項ですが、本剤をレンズケースに入れ、レンズを浸けて4時間以上放置してから使用することになっています。また、こちらは装着する度に同じような操作を繰り返すので、装着の度にレンズケースへ新しく本剤が充填されるということになります。お答えになっているでしょうか。

○宗林委員 そうすると、この3番の所で、レンズを入れたら空の状態になっていて、新しくレンズケースにレンズを浸けてという意味ですね。

○医薬品医療機器総合機構 そういうことです。

○宗林委員 そうすると、一応毎日、消毒し終わったら、レンズケースを空に、それが正解なのですが、そのように使ってくださいというように読むということですね。

○医薬品医療機器総合機構 そうですね。お配りした添付文書の1枚目右側、使用上の注意の真ん中のカラム、してはいけないことの4番目、一度使用した薬液は再使用しないで、毎回新しい薬液を使用してくださいというように注意喚起をなされています。

○宗林委員 分かりました、ありがとうございました。最初のほうのアカントアメーバの件ですが、3log以上、1,000分の1ということで、これについては承知しましたが、従来既承認のMPSと同等以上であるというか、大分前からのMPSは消毒効果が低いという前提が何となくあったのですが、それよりも高いからということならば納得するのですが、同等となると心配でしたのでお聞きしました。でも、これ自体は1,000分の1以下にシスト型でもなるということですので。

○医薬品医療機器総合機構 失礼しました。シスト型については対数減少値で2log以上(2.2log)ですので、100分の1以下ということになります。ただ、こちらは既承認のソフトコンタクトレンズ消毒剤と比べて同等以上、同等よりも強く効果が認められていることは確認できています。

○宗林委員 分かりました、ありがとうございました。

○橋田部会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、本件の報告事項については御確認いただいたものとさせていただきます。どうもありがとうございました。これで本日用意した議題は終了いたしました。その他、事務局から何か御連絡等はありますか。

○課長補佐 今月末に薬事・食品衛生審議会の委員の改選があり、このため化粧品・医薬部外品部会のこのメンバーで開催するのは本日が最後ということです。薬事・食品衛生審議会の委員については、連続して10年を超えてはならないとのルールとなっており、今回、橋田委員、有森委員、栗原委員、杉林委員、松永委員の5名が御退任するということとなっています。恐れ入りますが、橋田部会長から一言御挨拶いただければと思います。

○橋田部会長 ただいま事務局からお話を頂きましたが、薬事・食品衛生審議会委員の改選に伴い、このメンバーでの部会開催は本日が最後、実は最初で最後ということになります。各委員の先生方においては、円滑かつ活発な部会審議に御協力いただきましたことを、本部会の部会長として厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。また、本部会の審議には、これからも引き続きお残りになる各委員の御協力を頂く必要がありますので、引き続き御支援いただければ本当に有り難く存じます。

 先ほど御紹介いただきましたように、今回、私を含めて5名の先生方が御退任ということになりますので、よろしければ一言ずつお言葉を頂けたらと思っています。有森委員、いかがでしょうか。

○有森委員 有森です。私は大学病院の薬剤部の立場から、いろいろと意見を言わせてもらいました。そして現在は薬局の薬剤師として、いろいろと審査に加わってきました。問題点を提起したこともありますが、いろいろとお世話になりました。ありがとうございました。以上です。

○橋田部会長 ありがとうございました。それでは栗原委員、お願いします。繋がっていませんか。それでは、杉林委員はいかがですか。

○杉林委員 杉林でございます。長い間ありがとうございました。メモにも入れさせていただきましたが、このように口頭でのお話する機会を頂き、ありがとうございます。長い間ありがとうございました。

○橋田部会長 ありがとうございました。松永委員はいかがですか。

○松永委員 長い間ありがとうございました。私自身は大変勉強になりましたし、少しでも安全性、有効性、そのような製品が消費者の方というか、国民の手に届くようになればという気持ちで御協力しました。どうもありがとうございました。

○橋田部会長 どうもありがとうございました。私も、特にこの1年、最後の1年間はこのようなweb会議という形式が中心になりましたので、何かと行き届かないことが多かったかと思いますが、本当に御協力いただきましてありがとうございました。

○事務局 今、栗原先生がマイクのミュートを解除されたので、もう一度お声掛けをしてもらえますか。

○橋田部会長 栗原先生、よろしいでしょうか。

○栗原委員 はい、栗原です。

○橋田部会長 それでは、先生から御退任のお言葉を頂けましたらと思っております。

○栗原委員 はい、分かりました。今までいろいろとお世話になりました。私も大変勉強になりました。ありがとうございました。

○橋田部会長 はい、ありがとうございました。本当に、今お言葉を頂きました先生方には、いろいろお世話になりました。ありがとうございました。

○課長補佐 ありがとうございました。今回御退任される5名の先生方、これまでどうもありがとうございました。また、引き続きこの部会に御協力いただける先生方、引き続きよろしくお願いいたします。

 また、次回については今月末の改選を踏まえ、新たな委員もお迎えした上で開催する予定としています。開催日程については、品目の審査状況等を見て事務局にて調整し、改めて御連絡させていただきます。本日はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

○橋田部会長 どうもありがとうございました。

( 了 )

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬品審査管理課 課長補佐 高畑(内線2737)