令和3年3月12日 第53回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和2年度第13回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和3年3月12日(金) 13:00~15:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより、第53回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和2年度第13回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同部会を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まず名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージまたはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します
 現在、副反応検討部会委員9名のうち9名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規程により、本日の会議は成立したことを御報告します。
 なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
 本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。
 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾委員 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
 本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただきました。
 本日の議題において審議される品目は、新型コロナワクチンであり、その製造販売業者はファイザー株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、全ての委員においてファイザー株式会社より50万円を超える受け取りはございませんでした。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受け取り状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
 石井委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取り、柿崎委員はMSD株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取り、宮川委員は第一三共株式会社及び武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○森尾委員 ありがとうございました。
 それでは、次に、事務局から、本日の配付資料の確認をお願いします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1から1-5まで、資料2、参考資料1から7になります。
 不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○森尾委員 ありがとうございます。
 それでは、議題(1)「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等について」、資料1-1から1-4について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 初めに、全体的な事項を説明いたします。
 資料1-1は、予防接種法に基づく医療機関から報告された副反応疑い報告をまとめております。
 資料1-2は、薬機法に基づく製造販売業者からの報告をまとめております。
 2つの資料の位置づけの違いでございますが、資料1-2の製造販売業者からの報告をまとめたものは、製造販売業者による医療機関への調査、PMDAによる因果関係評価等が入りますので、その分時間はかかりますが、より詳細なデータが得られたものとなります。また、医療機関からの報告には、報告基準に該当する症状については非重篤のものも含まれております。したがって、資料1-1は報告のトレンドを速やかに確認するためのもの、資料1-2は詳細な検討を行うための資料という位置づけと考えております。
資料1-1をご覧ください。予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況についてです。
 1ページ目に、資料1-1の全体の資料構成を示しております。
 2ページ目、1ポツ、医療機関からの副反応疑い報告。マル1として、医療機関からの副反応疑い報告の累積週別報告件数を示しております。2月15日から3月7日の推定接種者数は4万6469、報告件数は22件、報告頻度は0.05%となっております。
 3ページ目のマル2及び4ページ目のマル3につきましては、報告医による因果関係の見解を有無別に集計したものになります。
 5ページ目のマル4は、副反応疑い報告基準に定められた症状について集計した結果です。現時点ではアナフィラキシーのみとなっております。今後、報告基準に該当する事象が追加された場合には、それに合わせて本表でも項目を追加してまいります。
 6ページ目のマル5は性別、7ページ目のマル6は年齢階級別の集計です。
 8ページ目のマル7は報告された症状別に集計した結果です。
 9ページ目のマル8と10ページ目のマル9は、接種回数別の報告件数、死亡件数を集計したものです。現在は全て1回目の接種となっております。
 11ページ目は、2ポツ、報告症例一覧となっております。報告症例の内容を横一行のリストでお示ししたものです。
 なお、No.2につきましては、個人情報保護の観点から、年齢、性別は非開示とさせていただいております。
 続きまして、資料1-2をご覧ください。薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況についてです。こちらの資料も基本的な構成は資料1-1と同様です。
 2ページ目1ポツ、製造販売業者からの副反応疑い報告マル1は、週別の報告件数及び推定接種者数に基づく報告頻度になります。冒頭で御説明しましたとおり、製造販売業者からの報告は、医療機関への詳細な調査などを実施している関係から報告までに時間差がありますので、資料1-1と同じ期間であっても報告件数に差異がございます。2月15日から3月7日の報告件数は4件、報告頻度は0.01%となっております。
 以降の資料につきましては、この報告件数に基づいて資料1-1と同様に、マル2からマル6までの資料を作成しておりますので、説明は割愛させていただきます。
 ページを飛びまして、9ページをご覧ください。報告症例の内容を横一行のリストでお示ししております。報告症例一覧となっております。
 資料の右から4つ目のカラムに、専門家の因果関係評価を記号で記載しております。評価記号の内容につきましては、下段欄外の※1を御参照ください。
 10ページは、3ポツ、報告症例の症例経過です。
 No.1につきましては、個人情報保護の観点から、基礎疾患等、症例経過の欄は非開示とさせていただいており、本症例の概要につきましては委員限りの資料として配付しております。先生方におかれましては、委員限りの資料についてその内容を御発言いただく際には、患者さんの個人の特定につながらないよう御配慮いただきますようお願いいたします。
 No.3が死亡症例です。
 次の資料1-3に別途詳細を掲載しておりますのでご覧ください。資料1-3は、新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要についてです。先ほどまで御説明した資料1-1及び1-2につきましては、3月7日までの報告に基づいて作成している関係から、それ以降3月11日までに届いた報告も含めて、こちらの資料に概要をまとめて掲載しております。3月11日までに報告された死亡症例は1件であり、3月9日までに報告された1事例を対象に専門家の評価を実施しております。追加報告がなされた場合や、今後の事例につきましても引き続き専門家の評価を行ってまいります。事例の公表状況につきましては、参考資料2のとおり、事例1件について副反応疑い報告がなされた時点で公表しております。
 2ページ目以降の別紙1は事例の詳細となります。
 3ページ目、(6)専門家の評価につきましては、因果関係評価γ「情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できないもの」となっております。こちらの評価は下段の注釈のとおり、3月9日時点で最後に報告された副反応疑い報告の内容に基づいております。
 次の別紙2は、資料1-3に掲載している症例について報告症例の内容を横一行のリストでお示ししております。
 続いて、資料1-4をご覧ください。新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシーとして報告された事例の概要です。先ほどの資料1-3の死亡事例の概要と同様に、3月11日までにアナフィラキシーとして報告された事例についての概要となっております。また、アナフィラキシーにつきましてはブライトン分類レベルの評価を行っております。3月9日までに報告された17事例を対象に専門家の評価を実施しており、ブライトン分類3以上のアナフィラキシー症例は7件となっております。
 2ページ目以降の別紙1は、37事例の詳細となっておりますので、ページを飛びまして40ページ目の別紙2をご覧ください。別紙2には、因果関係評価を行った17事例について報告症例の内容を横一行のリストでお示ししております。いずれの症例につきましても、アナフィラキシーが疑われた早期に適切な医療介入がなされ、症状は軽快、回復しているという状況です。
 なお、資料のページは戻りますが、32ページ目、事例31です。接種後に喉の渇き、違和感のあった本症例につきましては、この資料をまとめた後に追加報が届いておりまして、アナフィラキシーではないとして報告されております。したがいまして、1ページ目に掲載しております37件は、現時点で36件となっておりますことを申し添えます。
 以上で、資料1-1から1-4の説明となります。よろしくお願いいたします。
○森尾委員 ありがとうございました。
 それでは、引き続いて、資料1-5の説明につきましても事務局からお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。資料1-5をご覧ください。国内でのアナフィラキシーの発生状況についてまとめた資料を御説明いたします。
 2ページ目をご覧ください。こちらはアナフィラキシーについての内容、また、米国CDCでの報告を示しておりまして、アナフィラキシーの状況について記載されております。こちらは副反応検討部会2月15日でお示ししましたものと同じものになります。
 続きまして3ページ目に、アナフィラキシーに対する対応について、これまで行ってきたものをまとめております。まず、接種前の対応としまして、問診・診察における注意点を研究班で取りまとめて周知すること。また、予診の際の有効性・安全性、被害救済制度等について適切な説明を行うとともに、文書同意を得た場合に限り接種を実施すること。また、接種後の観察においては、適切な観察時間や見守り体制を設定すること。また、アナフィラキシーの発症に備えた対応についてもお示ししてきたところでございます。
 4ページ目をご覧ください。こちらにはアナフィラキシーに関連する接種不適当者と接種要注意者等ということで、予防接種実施規則及び新型コロナ臨時接種実施要領に規定されている内容が記載されておりまして、接種不適当者として、「本予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者」が載っております。また、接種要注意者としまして、「予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者」、また、「接種しようとする接種液の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者」が記載されております。
 5ページ目に、予診における取り扱いとしまして、実際こういったものが現場でどのような形で運用されているかといったことを示しております。予診票の中には、こちらの赤で2つ囲っているところがございますが、上のほうにはアレルギーの既往について聞くところや、下側の赤ではアナフィラキシーを含む即時型アレルギーを問診する項目が設けられております。
 6ページ目をご覧ください。こちらは第19回ワクチン分科会2月15日に審議された結果になります。アナフィラキシー発生時に対応するための接種後の待機時間については、海外ではおおむね15分以上とされていますが、米国のCDCでは接種後30分間経過観察すべき方として、重度のアレルギー反応を起こしたことがある人や、ワクチンや注射に何らかの即時型アレルギー反応を残したことがある人をあげています。そうしたことを踏まえ検討された結果、下の囲みに記載されておりますが、「過去に、アナフィラキシー含む、重いアレルギー症状を引き起こしたことがある者については、接種後の経過観察を30分間行うこととし、その他の者については、少なくとも15分間行うこととする」とすることになりました。
 以降が新しい資料になりますが、7ページ目をご覧ください。アナフィラキシーの報告状況について、ファイザー社製の新型コロナワクチンについての海外の状況ですが、米国においては、当初2020年末までのデータによりますと、100万回当たりの11.1件でした。それが、今年に入った新たな数値ですと、100万件当たり5.0件となりました。また、イギリスにおいては100万件当たりで18.6件。また、日本においては204件といった数字が上がってきております。
 一方で、その報告件数のところに記載されておりますが、米国の接種開始当初、アナフィラキシーを含む重篤なアレルギー反応の報告175件を精査した結果、21件とされたということがあったり、イギリスのほうでは、アナフィラキシー及びアナフィラキシー様反応を含むといった記載がされていたりとのことで、これらの数値を単純に比較するということは難しいのではないかと考えております。
 続きまして8ページ目に、予防接種後のアナフィラキシー症例の評価についてというスライドで、現在、定期接種のワクチンを含め、アナフィラキシー症例の報告があった際にどのような運用がされているかをお示ししております。副反応疑い報告制度においては、より広範囲に事例を収集した上で、専門的検証を経た上で、本合同部会で審議が行われております。その際の個々の症例の評価に当たってはブライトン分類が用いられております。
 副反応疑い報告制度としましては、幅広く副反応事例を収集する観点から、報告の基準を施行規則等で定めております。報告がなされた症例については、ブライトン分類に基づいた詳細情報を収集し、専門委員による評価がなされた上で審議会において検討が行われています。
 また、こちらでブライトン分類ということの説明を簡単にさせていただいておりますが、こちらは予防接種後の副反応に関して広く受け入れられる標準化された症例定義をつくるために作成されたものでございます。こちらの評価方法の導入により、もれなく効率的に収集及び評価ができる、また、「診断特異性」、つまり診断の確実さを客観的に評価できる、また、世界的に同じ基準で報告・収集・評価が行えるといった利点が考えられております。
 9ページ目には、ブライトン分類におけるアナフィラキシーの分類評価ということで載せさせていただいております。
 続きまして10枚目ですが、今回のスライドのまとめと論点になります。
 副反応疑い報告制度においては、アナフィラキシーとの報告が、接種開始から3月11日までに37件報告されまして、接種10万回当たりですと20.4人に相当します。
 国内の報告件数は、欧米で公表されている報告件数と比較して多いと考えられますが、海外との比較においては下記の理由から、単純な比較が難しい状況と考えられます。
 現時点の日本の報告数というのは、医療機関からの報告数そのものでありますので、情報を精査した場合に、ブライトン分類ではアナフィラキシーに該当しない可能性がございます。
 また、海外においては、接種開始当初は報告の頻度が高かったことや、丁寧に報告を求めた研究報告においては、発生頻度が高かったといった報告もございます。また、接種対象者の背景が我が国と異なる可能性、つまり、我が国は現在のところ医療従事者ですが、海外では医療従事者に加えて高齢者にも接種が進まれているような状況で、背景が異なるということもございます。
 現在、先ほどお示ししましたように症例の詳細な情報を収集し、ブライトン分類による評価を進めて、合同部会で審議しているところでございます。
 また、これまでに報告された例は、速やかな医療処置が行われて、全て軽快、回復しているような状況でございます。
 こちらの論点として記載しておりますが、報告頻度の比較に当たっては、引き続き、症状に関する情報を集めた上で、国際的な基準により精査を行っていく必要があるのではないか。
 また、接種後には、一定頻度でアナフィラキシーまたはアナフィラキシー様症状が生ずることを前提とした上で、対応を検討する必要があるのではないか。
 その際、現在行っている次のような対策の妥当性についてどのように考えるか。また、こうした対策を一層徹底する必要性についてどう考えるかということで、現在行っている対策としまして、予診におけるアレルギー疾患の既往歴や、アナフィラキシーを含む即時型アレルギー反応の既往歴を確認する。接種会場において、少なくとも15分、また、既往のある方については30分間の観察を行う。アナフィラキシーの発症時に対応できる体制を確保し、実際に発症した場合には速やかな治療を実施する。こうした対策の妥当性についてどのように考えるかを、本日は御議論いただきたいと考えております。
 以降の参考資料につきまして簡単に御説明しますが、12ページ目には、日本アレルギー学会の「アナフィラキシーガイドライン」。
 13ページ目、14ページ目、15ページ目、16ページ目に海外での報告が載っておりまして、特に15ページ目は、海外のボストンでの病院の職員6万4900人を対象とした前向きの調査研究で、アナフィラキシーの件数がこちらでは1万人当たり2.7件であったといった数の報告がございます。
 また、17ページ目、18ページ目には、定期接種ワクチンでのアナフィラキシーの評価例について載せておりまして、報告数とアナフィラキシー、副反応疑い報告として上がってきた報告数とアナフィラキシーのブライトン分類で算出された症例の数、また、その症例の詳細の経過と、委員の先生による評価の内容が記載されております。
 以上となります。お願いいたします。
○森尾委員 ありがとうございました。
 資料1-1から1-5と、参考資料についても若干説明していただきました。
 ただいま、事務局から、新型コロナウイルスについて、これまでの副反応疑い報告の状況、ワクチン接種後の死亡としての報告のあった事例、さらに、接種後にアナフィラキシーとして報告された事例と、それらを踏まえた対応について御説明いただきました。
 論点が複数ございますので、まず、ワクチン接種後の死亡として報告した事例、資料1-3に記載されている事例でございますが、御質問、御意見がありましたら承りたいと思いますが、委員の皆様からいかがでしょうか。
 岡委員、お願いいたします。
○岡委員 この方は急にお亡くなりになって、その前にワクチンを接種されていたということですけれども、くも膜下出血だとすると、くも膜下出血自体はやはり動脈瘤の破裂という可能性が高いということになりますので、そうしますと、元から私たち誰もが持っているかもしれない動脈瘤の問題かもしれないということになりますし、特に、くも膜下出血を含む脳卒中の頻度が高くなるという報告も海外での知見もありませんので、直接的には関係ない可能性が高いと思うのですけれども、最終的にはくも膜下出血だったかどうかということが大事になってくると思うのですけれども、そのことの情報というのは今後どういうふうになりますでしょうか。
○森尾委員 事務局、いかがでしょうか。くも膜下出血の診断、画像的なことを含めてでございますが。
○事務局 事務局でございます。
 この事例につきましては、現在も調査中の事例となっておりますので、また追加の情報が得られましたら、この部会でお示しして審議いただきたいと思っております。
○森尾委員 岡委員、ありがとうございます。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 このケースは、自宅の風呂場で倒れているのが見つかったと書かれているのですけれども、外傷性のくも膜下出血ではないということは確かなのでしょうか。検視をしているということで、それが出ればもうちょっと分かると思うのですけれども、外傷性かどうかというのがあるかどうか、傷があるかどうかで分かると思うのですが、それだけでも分かったら教えていただければと思うのです。
○事務局 ありがとうございました。
 現時点で得られている情報につきましては、資料1-3に記載したものが全てでございまして、また、検視も行われると聞いておりますので、その結果が出ましたらまた御報告したいと思っております。
○濱田委員 分かりました。
○森尾委員 柿崎委員から手が挙がっていますでしょうか。お願いいたします。
○柿崎委員 この事例は髄液検査が血性ということでくも膜下出血の疑いと診断しているようですけれども、CTあるいは死後CTなどを撮られたかどうかは分からないでしょうか。
○事務局 すみません。現在調査中でして、得られている情報はこれが全てということになりますので、また得られましたらこの審議会でお示ししたいと思っております。
○柿崎委員 分かりました。
○森尾委員 記載のものが全てということのようでございます。ほかに委員の皆様からいかがでしょうか。現時点でくも膜下出血とすれば、専門家の意見としてもγという形での記載をいただいている症例でございます。
 長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 現在調査中ということなのですけれども、この死因のところにはくも膜下出血と書かれているのはなぜでしょうか。
○事務局 こちらは、医療機関副反応疑い報告ということで上がってきたものの中に、報告医の評価としましてくも膜下出血であると考えているという記載がございますので、そちらを記載させていただいているという状況になります。
○長谷川委員 解剖はされているのですか。
○事務局 解剖も検討されていると聞いておりますので、その情報は入手しようと動いている状況でございます。
○長谷川委員 ありがとうございます。
○森尾委員 ほかに委員の皆様からいかがでしょうか。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 海外でも新型コロナワクチン接種後のくも膜下出血の報告はあるようです。ただし、ワクチンを接種した方、そしてワクチンを接種していない方を比較した検討も行われています。その結果から、異常なシグナルは出ていないという報告がありますので、そういう海外での情報も非常に参考になると思いました。あとは、剖検などもされていると思いますので、その詳細な結果がここで検討されればと思います。
 以上です。
○森尾委員 重要な御意見をありがとうございます。
 一般的な頻度と比較してということは、これからまた重要になってくるという御意見でもあると承りました。ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。重要な御指摘をありがとうございます。
 それでは続きまして、ワクチン接種後のアナフィラキシーとして報告された事例について、事務局から、副反応疑いの報告の状況と論点の整理をしていただきました。こちらにつきまして、御意見、御質問等をよろしくお願いいたします。これはいろいろな視点があるかと思います。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 先ほどお示しいただきました資料ですと、日本が非常に高いように見えてしまうかもしれないのですが、参考資料としてお示しいただいたJAMAの論文を読みますと、現在の日本とほぼ同じ頻度で報告されているようです。具体的には2.1%ぐらいで急性のアレルギー反応が報告されています。1,385人の方からアレルギー症状が報告されているということですので、現在の日本での報告頻度とそう大きく違いはないと考えます。
 ただ、ブライトン分類に照らし合わせてアナフィラキシーとして3以上の方がどれぐらいかというのを今後は見ていくことになると思うのですけれども、先ほどの数字だけが独り歩きしてしまいますと、日本だけが多いように誤解されてはいけないと思いまして、後半の参考資料をご覧いただければと思いました。
 また、速やかに対応もされていて、皆さん回復されているということ。そして、こういうふうにきちんと報告がなされてくるということは、逆にそれは悪いことではないのではないかなと感じます。
 以上です。
○森尾委員 提案ありがとうございました。
 参考資料に出ておりますMGBからでしたか、報告での頻度と、あとは対応をしっかり今までの症例もされているということ。そして、報告を上げていただいているということ自体が非常に重要なことであるという御意見でございます。ありがとうございます。
 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 今の多屋委員の御発言は重要で、3月8日にJAMAに出たのはそういう意味ではタイムリーでよかったと思います。しかも対象者が医療従事者であるというところも今回の対象者と一緒であるというところも参考になるのですが、一方で、このワクチンの中に含まれているポリエチレングリコール、PEGに関しての問題というのはまだ十分に明らかにされていなくて、一方で医療従事者は、様々な場面で一般集団よりもこのPEGにさらされている、曝露されている頻度が多いために、医療従事者はどちらかというとどうも多く出るのではないかという話も聞くのですが、その辺りのところも今後の検討というか情報が出てきたときに情報提供する重要な視点かなと思いました。
 以上です。
○森尾委員 山縣委員、科学的な見地からの御指摘をありがとうございます。
 PEGに対するアレルギー、ポリソルベートということもございますけれども、そこら辺は医療者側がもしかしたら曝露が多い可能性がある。いろいろな可能性、しっかりデータを集めておくということが重要かと思います。
 佐藤委員から手が挙がっていますでしょうか。
○佐藤委員 皆さん非常に懸念されている点だと思うのですけれども、その1回目に何らかの副反応、アナフィラキシーといった激烈なものはもちろんなのですけれども、このワクチンそのものが2回接種を前提としているときに、2回目を打つかどうかという判断というところの現状の指針というのは決まっているのかということと、決めるのであればどこで決めなければいけないのかというところを教えていただけないでしょうか。
○森尾委員 ありがとうございます。
 2回目の接種について、不適当者と要注意者というところで何か変更があるのかということでございます。事務局からお願いいたします。
○事務局 資料1-5のスライドの4と5にございますように、まず、本予防接種の「接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者」は不適当者になりますし、接種しようとする「接種液の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者」また「予防接種で全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者」は要注意者になっております。これが現在の運用といったことになります。また、それらについて予診票で記載していただくような形での運用が現在行われている状況でございます。
○佐藤委員 すみません、資料1-5の何ページですか。
○事務局 資料1-5の4ページと5ページが、接種不適当者と接種要注意者、また、予診における取り扱いです。
○佐藤委員 これは、実際に接種を受けられるお医者さんが皆さん、ここのところはコンセンサスが得られているという理解でよろしいですか。
○事務局 コンセンサスと言われるとそういうものではなく、添付文書上を踏まえてこうした対応を行っているということです。
○佐藤委員 これは添付文書をまとめたものなのですか。この資料そのものが行き渡っているわけではないのですね。結構きれいにまとめていただいているので、これを周知していただけるといいのではないかと思ったのです。
○事務局 添付文書にも最初のところにも掲載されています。接種不適当者として、本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある者ということで、本剤の成分というのを一覧表にしてございます。それから、予防接種の手引にも書いてございますので、違う媒体で同じ意味のものが掲載されています。
○佐藤委員 同じ内容でちゃんと入っているということですね。
○事務局 はい。周知を徹底しているということであります。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○事務局 あと、予診票には説明書もついてきますので、こういった内容をできる限り分かりやすくなるような形で記載させていただいております。
○佐藤委員 なるほど。受けられる接種者のほうにも情報が共有されるということですね。
○事務局 はい。接種者の方にも、こちらの赤の四角の2つ上なのですけれども、「『新型コロナワクチンの説明書』を読んで」というところで、新型コロナワクチンの説明書の中にこういった要注意者、不適当者の記載について説明する項目がございます。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○森尾委員 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 昨日までのアナフィラキシーの日本での発症者が一応36人という報道がされているわけなのですけれども、これは本当に全てアナフィラキシーかどうかというのはちょっとまだ判断はできないと思います。これが100万に5人というアメリカのCDCが出しているデータに比べると高いことは高いと思います。けれども、JAMAの3月8日に出た論文でアメリカのMGBですか、そこでやっているデータからすると、むしろ向こうのほうがアナフィラキシーの率がもっと高いのです。だから、決して日本が高いというわけではないところを確認しておいたほうがいいと思います。あの論文で言っているのは、明らかに当初の100万に5人よりも高いことは高いと。けれども、結局、事前の問診とか接種後の観察、そして発症後の対応をすることによって亡くなっている方はいないし、軽快しているということから、そんなに恐れるものではないという書き方をしております。私はそこが非常に大事だと思いますので、その辺をこの副反応部会としても、高いことは高いかもしれないけれども、メッセージとして、あまり今の段階で恐れるものではないということを出したほうがいいのかなと思っております。
 以上でございます。
○森尾委員 濱田委員、ありがとうございます。
 MGBもプレリミナリーではありますけれども、むしろデータをしっかり集めていく必要がまだあるのだということも感じさせるようなものかなと個人的に思っております。ありがとうございます。
 お二人の手が上がっていますでしょうか。伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 今の濱田先生のお話のJAMAの報告なのですけれども、CDCのレポートと比べて多分数十倍高いというところ、その理由といいますか、何か考察をされているのでしょうかというのが一つです。あと、海外の結果と単純に比較できないということはいろいろお話があったと思うのですけれども、例えば、資料1-5の7ページに書いてある単純に比較できない理由として、例えば、海外では医療従事者に加えて高齢者にも接種されているというところなのですが、例えば、医療従事者の割合といいますか、実際に接種された統計に入っている中で、実際に医療従事者が何割で高齢者が何割でということは分かるのでしょうか。あとは、例えば、アナフィラキシーの定義といいますか、海外ではブライトン分類3以上のものぐらいしか報告されていないですとか、そういった可能性というのはあるのでしょうか。すみません。幾つかお伺いしたいのです。
○森尾委員 伊藤委員、ありがとうございました。
 一つはCDCによる副反応の集め方ということで、事務局、お願いします。
○事務局 分かる範囲で答えさせていただきます。
 先生の御指摘のCDCについてはナーシングホームと医療従事者になってございまして、その割合は申し訳ございませんが、今は分かりかねます。ただ、結果的には一定程度高齢者が入っているのだろうなということが想像できるということであります。それから、もともとCDCも、この資料の7ページにありますように、最初は100万分のうち11.1回というのがどんどん下がっていたという経緯がございます。これは多分、2回接種が入ってきてから変わってきたのだと思います。それから、CDCは1月15日に出しているMMWRで、CDCの職員の方が175例の報告があったうち、結果的にブライトン分類を行って21例ということを報告してございますので、最初は大きく集まってブライトン分類をした結果、21件になったのだと理解しております。
○伊藤(清)委員 そうしますと、今の日本の報告のほうが少し緩くというか、軽いものも報告されている可能性もあると考えていいのでしょうか。
○事務局 そこはどう評価するかということでありますので、そういう意味で今回、一応、日本の3月9日の分まではブライトン分類の分類評価を一定行っているということが今回、一つの評価だと思います。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
○森尾委員 一つは、ちょっと明示的に両者が何人ぐらいかということはなかなか分かりにくいということですね。あとは、CDCのデータの集め方というか集まり方というのは何か情報はありますでしょうか。
○事務局 一応、このボストンからの研究報告では、筆者らはCDCのサーベイランスシステムはpassive, spontaneousということで、受け身で自発的な報告であるという事実だけ記載しております。恐らく著者の方もそこは評価が難しい点ということもありますので、事実としてそういった報告システムであることについては記載しております。
○森尾委員 伊藤委員、よろしいでしょうか。
○伊藤(清)委員 はい。ありがとうございます。
○森尾委員 倉根委員、お待たせいたしました。お願いいたします。
○倉根委員 まず、私も現段階での解釈としては、今、委員の何人かがおっしゃいましたけれどもそういうことだとは思います。そういうことというのは、どうも日本と米国とそれほど、ある条件の下では違わないのかなとは思いますけれども、とはいえ、国際的にというのがページに書いてありましたけれども、各国少しずつやはり、必ずしも同じ基準を各国で決めてやっているわけではないはずなので、日本もそうでしょうし英米もそうでしょうし、今後、他国でもこれらのワクチンについてきちんとしたデータが出てくる、各国のデータもそろってくるでしょうから、やはりきちんと精査していくというのは大事だと思いますが、各国のデータの集め方でどこが違っているかということを理解するということが重要なのかなと思います。理想的には各国全て同じものでやるのがいいのでしょうけれども、やはりちょっとずつ違う、対象も違うということなので、そこは慎重な立場でデータを見ていく必要があるのかなと思います。
 というのは、私もこれまで各委員がおっしゃったのと同様の意見ではありますけれども、しかし、逆に申しますと、もう少し現段階でそこまでのクリアなデータ解釈というのは躊躇するところもなくはない。やはりデータがもうちょっと必要だなというのが正直なところかと私は思っています。
 それから、今回は医療従事者の方が接種され、そして病院といいますかかなり整備されたところでの接種が行われていることになりますが、今後、接種者の年齢も違ってきますし、それから、接種する場所といいますか施設といいますか、状況もかなり違ってくるという、そういう異なる状況で打つときに、やはり広く注意をしつつ対処できるようなメッセージといいますか、それは国民の皆様もそうでしょうし、接種する側に対しての準備というのをきちんと持っていただくということが重要なのかなと思っています。今の接種は、あるところ非常に整備された中での話ですので。とはいえ、その中でも何人か重篤になる人もいないではないということですので、以上が私の意見です。ちょっとまとまりのないところで申し訳ございません。
○森尾委員 倉根委員、ありがとうございました。
 国際的な比較が重要で、その点ですと、恐らく、ブライトン分類をしっかりとさせていただくということかなと思います。
○倉根委員 そうですね。
○森尾委員 いずれにせよ、データの収集が必要だということの御指摘であります。
 そしてもう一点、やはり接種者への対応を確保しておく必要があると。非常に重要なポイントでございまして、こちらはまた深めたいと思いますが、先に舟越委員から手が挙がっていらっしゃいましたので、どうぞお願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
 2つ目の論点については、症例を見ていても、あとは現場でも見ていても、アナフィラキシーの対応に対して迅速な対応を、早期発見をして適切な処置をしているので、この二重丸の部分の妥当性についてはこのままでよいよいと思います。
 事務局に質問なのですけれども、資料1-1の6ページ目の男女比の部分で、女性が多いというのが一般のメディアで流れている部分で、これから一般の住民接種も始まる中で、男女比の部分の何か新しい見解、知見があるのか。また、今後この件に関して諸外国を含めて何か原因究明等をしていく方向が何かあるのかということが一つです。
 もう一つは、資料1-4の別紙2を先ほど説明いただきましたが、もう既にロットが不明というラインリストの中で症例も出てきていますが、ロット間での発生の割合とか、報告の中でそういったものが諸外国でロット間の差というものが、例えば、報告は私は知らないのですけれども、そういったもので異常なシグナルがあったとかという報告などは何かあるのでしょうか。この2点を確認させていただきたいと思います。
○森尾委員 舟越委員、ありがとうございました。
 女性が多いということに関するそのほかの情報がどうかと。原因はいろいろと、論文的なところとかがあるようには思っております。それが一点ですね。
 あとは、ロット間差があるかどうかというところは何か情報がありますかという点でございます。事務局、いかがでしょうか。
○事務局 男女比の検討も海外でも同じような状況でございますので、引き続き情報収集を行っていきたいと思います。どういった既往の方がアレルギーを起こしやすいのかについては、引き続き情報収集を行っていきたいと考えております。
 また、ロット別の集計についても、こちらは今の段階で不明になっていますけれども、通常は詳細調査等でどんどん入っていくものでございますので、ロット間の比較等も行っていくと思います。また、海外ではモデルナのワクチンについてロットの件で、ワクチン接種を続けるかどうかについて検討が行われたという事例はあったということは承知しております。
○事務局 補足させていただきます。ロット間については先ほど御説明のようにこれからしっかり調べていくということになると思います。現段階で特に偏っているかどうかということは今のところ思ってございません。ただ一方で、日本に来ているロットというのは世界にも流れているロットでありまして、それによって何か特別なことがあるかどうかということについては、今のところ、そういう情報は持ってございません。
○舟越委員 分かりました。ありがとうございます。
○森尾委員 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。先ほど、被接種者への対応、今までは医療機関の中で行われてきたので比較的早く速やかに対応されたのではないかということもございました。
 岡委員、どうぞお願いいたします。
○岡委員 ちょっと今の論点とは違うのですけれども、先ほど来、この37件という、資料の7ページの表の数字についていろいろ御意見があったかと思うのですけれども、この表をこのまま出してしまうと、何となく質の違う数字が並んでいるとは思うのです。先ほど事務局がおっしゃったように、例えば、CDCなんかですと175名アレルギー様の報告がある中で、結局21名に絞って報告していて、それはたまたまかもしれませんけれども、全員ブライトン分類の1とか2の方だったりします。ですからこの表が何となく同じ条件の各国の数字を比較しているように見えてしまうと思います。そういう意味ではこの37件及び100万人に204件というのは、言ってみれば、※か何か注釈つきの数字というふうにしていただいたほうが誤解がないのかなと思います。引き続きやはり私たちも、我が国で多い可能性がないかどうかということは本当に真摯に検討していかないといけないと思いますけれども、ただ、ちょっとこの数字がそのままではおかしいのではないかというのが委員の先生方の御意見かなと思いますので、それも御検討いただければと思います。
○森尾委員 宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 今の御発言は非常に重要なので、この数字というのが独り歩きしないように。私たち医療者というのは、私たち医療者は、正確かつ詳細に、そして非常に小さな現象であれしっかりと記入しています。今後、このワクチンがどのように取り扱われていくのがいいのか、一般国民に対してどのような注意を払って接種をしていくということがいいのかということに目を向けなければなりません。この36例、報告が上がっているのは非常に良いことです。しかしながら、これはアナフィラキシーやアナフィラキシー様、そして疑いを含めて全部上げてもらっているのだと報道関係に認識していただきたいのです。
 ですから、これを例数としてアナフィラキシーの報告状況という中に入れるのは好ましくないと思います。これは全て疑いとして報告が上がり、そして本会でブライトン分類という枠組みの中で1から5のどこに入るのかということで、物事がはっきり分かってくるのです。各種報道の中では「アナフィラキシーが」と書いて報道されています。これは報道としては間違いだろうと思うし、私たちはそんなことを言っていないわけです。
 ですから、誤情報という形で私たちから出さないように、あくまでも疑いの症例を含めて36例あって、それを予断なくブライトン分類の中で判断し、どのような副反応として取り扱っていくのかという声明を出していくことが、国民に対しての私たちの責務だと思います。医療機関で今までやっているころは非常に優秀に報告しているわけですから、これが集団接種や個別接種になっていく過程への、私たちからのメッセージであり、それから報道というものもしっかりとされるべきであろうと私は思っています。
○森尾委員 ありがとうございました。
 実際には資料1-5の7ページのところの見出しがアナフィラキシーの報告状況となっているというところで、どこかでアナフィラキシーを含むみたいな形の中でのしっかりした広報が必要ではないかという御意見だと思いました。これは非常に重要ではないかと思います。
 永井委員、お願いいたします。
○永井委員 資料1-4の個別のケースの背景のところです。資料を見ると、ほとんどの方がやはりもともと何らかのアレルギーを持っていたり、ほかのワクチンで症状が出たりという方が非常に多いと思うのですけれども、一つは、もともとそういうのがない方でどのぐらいで起こったのかとか、比較的なデータがあると少し分かりやすいかなというのと、あと、そういう問診でヒストリーのある方、アレルギーのヒストリーのある方にどう対応しているのかというのを少し明確にしていってもいいのかなとちょっと思いました。
 以上です。
○森尾委員 ありがとうございます。
 もう一点、重要なリスクのある方、背景の方が今のところどうかというところと、これからどういうふうに注意喚起していくかということだと思うのです。今のところ、事務局、どうですか。アレルギーの既往のある方、このアレルギーの定義というところも非常に難しいところなのですけれども、問診票とかに記載のあるような薬とか食品に対してアレルギーのある方という形ですけれども、今は頻度的にどうですか。
○事務局 事務局でございます。
 今、公表しているアナフィラキシーとして報告のあった37件、今日、1つ減って36件でございますが、このうち、食品、薬品等に関して何らかのアレルギー症状をお持ちという方は30名弱、ざっと数えて28名程度と考えてございます。
○森尾委員 よろしいでしょうか。
 では先に、石井委員、山縣委員と移りたいと思います。
 石井委員、お願いいたします。
○石井委員 ありがとうございます。
 宮川先生がおっしゃったように、私も丁寧に解析していくことが非常に重要だと思います。今、例えば、アナフィラキシー症状というふうに報告してくださいとお話ししても、医療現場での解釈が全く共通の理解でできているかというと、やはりそこは言葉上の問題ですからなかなか難しいかと思います。その上で、今回はできるだけたくさん集めるということですので、皆さん真面目に報告してくださっているように思いますので、今後丁寧に分析していくことが重要です。
 逆に、分析された内容も丁寧にフィードバックして、言葉のそごと接種された方の状態の差ですね、施設間の差を埋めていくことが重要に思います。ましてや、今回はまだ1回目でございますので、副反応の数というのはやはり2回目よりも少ないかと推察することができますので、できれば1回目のうちになるべく情報を集めていく必要があると思います。
 なお、私自身もあまり文献を読んではっきりしないところは、外国でのアナフィラキシーの程度ですよね。今回はほとんどの方が軽快な方ですぐ回復されているように思いますが、それは適切な治療があってすぐ回復されているのか、そもそも軽いのか、その辺りの情報をつかめればいいかなと思います。
 また、今回副反応が女性に多い点ですが、医療者側女性であるということは注意喚起が必要だよという一つのメッセージでもありますので、そこもまた丁寧に発していく必要があるように思います。そんなに怯える必要もないように思いますが、そんな点が指摘事項でございます。以上です。
○森尾委員 ありがとうございます。
 先ほど、CDCの報告だとレベル1、2が大部分だったということでいただいていますが、ここら辺もやはりデータの収集が非常に重要だと理解いたしました。ありがとうございます。女性のところが難しいなという印象もありますけれども、これの御意見も後ほど頂戴できればと思っております。
 多屋委員、手を挙げていただきましたでしょうか。ありがとうございます。その後、皆様に回りますのでお待ちください。多屋委員からお願いいたします。
○多屋委員 すみません。女性のことの前の部分なのですけれども、実は去年、副反応疑い報告で届けられた症状のうち、ギランバレー症候群とADEMにつきましては調査票を作って昨年10月から運用をされていると思います。アナフィラキシーはそれよりももっと前からブライトン分類がこの部会にも導入され、ブライトン分類1とか2とか、そういう評価がされてきましたので、接種医の先生には少し御負担をおかけすることにはなってしまうのですけれども、調査票を作って書いていただくというのも一つの方法かなと思いました。
 もう一つは、やはりアレルギーを起こしている原因物質を究明するということはとても大事だと思います。ポリソルベートとかポリエチレングリコールとは言われているのですけれども、アナフィラキシーのブライトン分類少なくとも3以上の方から御協力をいただいて、その方について原因物質を究明するという何らかの検査などを検討していくというのはどうかと思いました。
 以上です。
○森尾委員 ありがとうございます。
 ブライトン分類の票をお渡しするという。伊藤委員からお願いいたします。
○多屋委員 失礼しました。票をお示しするのではなくて、ギランバレーとADEMは報告者の先生方に記入していただくとブライトン分類での数字が出てくるという仕組みをつくりました。そちらのほうです。
○森尾委員 チェックリストみたいなものですね。
 伊藤委員、お願いします。
○伊藤(澄)委員 伊藤でございます。
 後で御報告しようかと思って発言を控えておりました。先行接種の調査班では実施医療機関にブライトン分類を配りました。それに基づいて評価してくださいと願いをしたので、2万人の調査の中でアナフィラキシーという該当者はおりませんでした。
 一方で、アナフィラキシーを疑って治療されたとかことで後でお示ししますけれども、PMDAに報告をさせていただいた2例はアナフィラキシーに近い治療をされております。
 ですので、最終的な評価としてアナフィラキシーかどうかという話をするときにはブライトン分類とは大切だと思う反面、アナフィラキシーとしての対応はそれ以前にされているのだろうなと思っております。
 後でまた、もう少し詳細については説明をさせていただきたいと思っております。
○森尾委員 ありがとうございます。
 あと、女性の原因の、これは恐らくまた研究的な側面もあり、あれですかね、省庁に考えていただいてというふうになるのでしょうか。ありがとうございます。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 
 2点あって、1つは、先ほどから出ている37人のうち、今回、専門家によるブライトン分類で1から2に評価されたのが6人、これは3月9日ですから17人中6人ということですよね。3になると7人ということで、半分以上がそこから除外ですから、これはもうちょっと早めに公表できないのですかね。もう少し早めに専門家によるブライトン分類の判断を出していったほうがいいのかなと。数字がやはり先に歩いてしまうので。
 それともう1点、今回のファイザーのワクチンの場合、ポリエチレングリコールが、PEGが注目されておりますけれども、今までにないこのワクチンに含まれる成分として、ヒドロキシブチルアザンジイルとホスホリルコリンがあるのです。この2つについてもアレルギーを起こし得る。例えば、ヒドロキシブチルアザンジイルは化粧品に含まれていますし、ホスホリルコリンはいろいろな食品にも含まれているわけなので、PEGだけではなくてもう少し広く見ていったほうがいいのかなと思いました。多屋先生が言われるように、アナフィラキシーを起こした方について、さらにアレルゲンが何かを調べていくという形ですかね。そういうふうに思いました。
 以上でございます。
○森尾委員 ありがとうございました。
 科学的な検証にも関することですね・少しコメントとして残しておくぐらいの形で対応かもしれません。ありがとうございます。
 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 ありがとうございます。
 先ほど宮川委員が言われたような、どういう情報発信をするかという点は非常に重要だと思います。そういう意味では、透明性は非常に大切なのですが、ただ、そのまま出すというのではなくて、やはり情報不足によるミスリードがないようにするということもとても大切だという意味では、現状で出ているあのラインの情報というのは、やはりあれでは不十分なような気がして、あれをアナフィラキシーの疑いとして出すことは少し検討の余地があるのではないかと思いました。
 それから、3月8日のJAMAの論文の中にも、それから今回もそうですが、やはりアレルギーの既往歴のある方が非常に多いという記載は共通で、それから、女性に多いというのも共通で、医療従事者に対しての今回はJAMA等の共通点が多いということはやはり皆さんに知っておいていただくべきことと、あとは、今、ケースだけについてアレルギーが多いと言っていますが、JAMAの中には、一般集団でも重度の食物薬物アレルギーが6%ぐらいいて、そう考えると、この接種した6万4900人のうちで4,000人ぐらいはそういう人が含まれているのだと。その中の16人がこういうシビアなものが出たのだという、一般集団とのコントロールとのバックグラウンドとの比較のような数字もやはり非常に重要なものではないかと思います。
 今後、高齢者の接種になるときには対象となる方の属性に関して、リスクであるのかないのかを評価するときの非常に重要な情報として入れておくべきことがあるのではないかと思いました。
 以上です。
○森尾委員 事務局、お願いします。
○事務局 先ほど来、先生方が御指摘しています今回の毎日出している情報についてでありますけれども、前回の部会のときに、死亡、アナフィラキシーについては発生後、次の部会までは随時公表していきましょうと。部会が終わった後は、部会ごとにできる限り評価もつけて公表しましょうということになっていたと思っています。既に死亡、アナフィラキシー以外のものについては部会ごとに公表するということで今回も準備してございます。死亡及びアナフィラキシーの今後につきましても、本日、ご議論頂ければと思いますが、できる限り早くしていきたいと思っておりますけれども、今後は同様にちゃんと評価もつけた形での公表ということを考えていきたいと思っております。
○森尾委員 ありがとうございます。
 今回の部会でもやはり明確にメッセージをある程度発したほうがよろしいかという御意見も頂戴しております。ありがとうございました。
 それでは、永井委員、お待たせいたしました。お願いします。
○永井委員 ありがとうございます。
 またアレルギーについてなのですけれども、この事例の細かい情報を見ていくと、これも丁寧にきちんと問診されていると思うのですけれども、通常の接種時のアレルギーの問診であると、実際に対象者の方もぜんそくがあるとか、はっきりしたアレルギー疾患がある場合は情報が出されますけれども、そうではない軽いちょっと湿疹ぐらいの場合には言われないことも結構多いと思うのです。
 だから、逆にもしほかの事例の何らかでちょっとした湿疹のようなアレルギーの方も、もしそういう症状が出る可能性があるのだったら、アレルギーに関しては丁寧に問診したほうがいいということを少し情報提供してもいいのかなと思いました。
 以上です。
○森尾委員 ありがとうございます。
 ここは重要なポイントで、アレルギーのところでアレルギー性皮膚炎とかアレルギー性鼻炎というのは要注意者に含まれないという形になっていると思います。こちらに関して委員からいかがでしょうか。
 岡委員、お願いいたします。
○岡委員 今日、多分、そういうことも問題になるということで資料1-4の5ページ目ですか、予診における取り扱いということを触れていただいているのだと思いますけれども、これを拝見すると、確かにそこで事務局が準備されているように、アレルギー既往についてということで、少し項目を分けて記載できるような形のほうが確かによろしいのかなという感じもいたします。例えば、アレルギー性鼻炎みたいなものが入ってきますと、それが本当にこのアレルギーと関係あるのかということになってきますので、やはりアナフィラキシーの既往がまず絶対ですけれども、それとやはり項目を絞って、気管支ぜんそくも入ってくると思いますけれども、そういったような記載の仕方というのは、今、永井委員もおっしゃったように、聞きやすくしておく必要があるのかなと思いました。
 以上です。
○森尾委員 ちょっと関係連連して宮川委員からコメントがございます。
○宮川委員 今、私のほうで予診票の予診票を作っているのです。というのは何かというと、予診票のアレルギーの既往の欄などの記入に国民は戸惑っています。予診票をどのように書いたらよいのかという、いわゆる予診票の予診票が必要です。これを前もってお渡しをして、それを接種会場に持っていくという形があれば迷いがなくなります。お近くの医師に一緒に作成してもらう。接種の要注意者を前もって抽出しておくことが重要です。 以上です。
○森尾委員 この点に関して、委員の先生からいかがでしょうか。要注意者といいますか、ハイリスク者のピックアップというのは非常に重要な課題だと思っております。現実的にどう対応していくかというところが大切で、恐らく医療現場のほうで対応していくことになるのでしょうか、そのような方向かと思います。よろしいですかね。ありがとうございます。
 次が倉根委員でしょうか。お願いいたします。
○倉根委員 ちょっとずれますけれども、また副反応のところに戻って、ちょうど今、接種された方が4万6000ですかね。ファイザーにしてもモデルナにしても、恐らく第3相試験の段階で接種されている人は2万とかそのくらいの数ではないかと思うのですが、今回、これまで日本で報告されているようなアナフィラキシーそのものではないけれども、いろいろなアナフィラキシー様症状というのが実際もし集められているとすれば、比較して同様な数が第3相試験の中であったのだろうかと。もともと第3相試験のときは症状を出すか出さないかということがキーでありましょうし、日本が認可しているわけですから、仮にそういう広く発表されていないような症状のデータがあるのであれば、実際どうだったのか。接種されている年齢も恐らく、二十歳ぐらいから六十幾つということで類似しているでしょうし、何かそういうデータもあるのであれば、比較の対象になるのではないかと思った次第です。
○森尾委員 ありがとうございます。
 長谷川委員、この情報はお持ちでいらっしゃいますでしょうか。
○長谷川委員 いや、情報はないのですけれども、今まで出ているデータで、治験の段階でのそういったアナフィラキシーというのは恐らくないと思います。100万人に10人と言っているのは、CDCが接種後一般に接種し始めた後の累計で、モデルナもそうですけれども、ファイザーとモデルナとそれぞれ報告があったアナフィラキシーについて上げたのが100万人に対しての人数で、100万人に対して10人ですと2万人の接種では当然引っかかる人数ではないといったところだと思います。
 それから、私が手を挙げて言いたかったのは、そこのところの統計の違いによって頻度が変わってくるというところで、今まで接種が始まる前には皆さんに、100万人に10人の頻度ですので大したことありませんと言っていて、それに比べて日本で始めて見たら多いではないかということになったら、いやいや実はアメリカで調べると日本と同じぐらい起こっているのですということになると、何か不信感を起こすことになるのではないかなと思うので、やはりその統計の背景を丁寧に説明する必要があるということと、やはり先ほどから皆さんがおっしゃっているように、重症度については早めにどれぐらいの程度のものがこのぐらいというのは明らかに重要かなと考えます。
 あと、論点の後半の対策については、今までの対策でこれだけ上がってきて対応もきちんとされて、それによる死亡者も出ていないということですので、そちらは今までの対応を続けるので問題ないと思います。
 以上です。
○森尾委員 貴重な御意見をありがとうございました。
 倉根委員、これに関してですね。お願いします。
○倉根委員 私が先ほど言いましたのは、アナフィラキシーそのものではなく、ここに出てくるような蕁麻疹であるとか四肢の麻痺であるとか、そういう情報が第3相試験の中で集められているのであれば、それは恐らく非常に大きなパーセントにはならないでしょうから、ひょっとしたら公表もされていない可能性がありますけれども、データとしてそこに存在しているのであれば、こういう我々が見るような症状のパーセントがどのくらいであったのかということの理解の比較にはなるのかなと。そういう意見でございます。
○森尾委員 ありがとうございます。
 なかなかアナフィラキシー様とか、アレルギー反応はなかなか難しい抽出なのかもしれないですね。重要なポイントだと思います。ありがとうございました。
 佐藤委員から手を挙げていただいていますでしょうか。お願いいたします。
○佐藤委員 本当に今の論点に関わるアナフィラキシーとかそういうところなのですけれども、先ほど医療従事者とか、結局、情報共有というところで、添付文書をよりどころとしてというお話だったと思うのです。アナフィラキシーに関して不適当者として指定するのが、本剤の成分でアナフィラキシーを呈したと言って、添加剤などの本剤の成分を見て実際何なのかと分かる方がいるのかというのが。コレステロールとか脂質とかPEGとかいろいろ入っていますけれども、そういうものを見てこれで判断できるかなというところがまず一点です。
 多分、実際にその副作用をお示しになった方は何らかのアレルギーとか、ほかのものに対してアナフィラキシーを起こしておられるような方というのが結構いらっしゃって、そういう方は上記に該当する者のほか予防接種を行うことが不適当な状態にある者というところで、お医者さんに判断を委ねてしまうような形になるのかなというのが、ちょっと言葉足らずな感じがどうしてもしてしまうというのがあります。不適当者というところまでは行かないにしても、注意者としてこういう現状がありますよと。副作用を出している方というのは基礎疾患とまでは言いませんけれども、こういう既往症がありましたよという情報をお医者様が持っているか持っていないかというところで非常に判断が変わってくるのではないかなと思ったのです。ここにある資料1-5の4の条件だけでそこまで全部読み取ってやっていただけるのかなというのをちょっと思ったのですけれども、ここで要注意者のところに少し具体的な部分というのを少し入れたりということはできないのでしょうか。先ほどの多屋先生のお話にも、ほかのものでアレルギーが出る場合はやめたほうがいいのかなという話もちょっとあったと思いましたので、その辺はどうされるのかなと。このままやっていくのか、ここから発信できるのかというところも含めて教えていただけないかなと思いました。
○森尾委員 濱田委員、これに関連することでしょうか。よろしくお願いいたします。
○濱田委員 私もそう思っていまして、この成分を見てアレルギーと判断するのは、まず一般の方は難しいと思うのですよ。それから、お医者さんであってもPEGはどこに含まれているのかというのは分からないわけで、それをやはり明示した上で使用したほうがいいと思います。厚労省のホームページのワクチンのQ&Aにそれを少しずつ載せているということだと思います。今、これをやられているのは多分、予防接種室ですよね。ワクチンのQ&Aのところで、PEGはポリソルベートというのが近いもので、こういうほかのワクチンにも含まれていますとかなのですけれども、書いてあることがまだちょっと足りないですよね。それ以外のことは書かれていないので、もう少しその辺の情報提供はしていったほうがいいと思います。あのQ&Aをどこが管轄しているのかは私もよく分からないので、よろしく御対応を。佐藤委員の言われるのは確かだと思います。
 以上です。
○森尾委員 ありがとうございます。
 私もQ&Aを拝見してここに書いてあるのだなと思ったのです。
 事務局、お願いします。
○事務局 ホームページのQ&Aについては予防接種室で掲載させていただいております。ポリソルベート、それからPEGですね、非常にたくさんのものに含まれていて、それを全て書き出すということがもともと難しい状況にありますし、書き出したところでそれを全て網羅して確認をするということは、普通の一般的に医師の方や被接種の方にとって困難なことだと考えております。ただ、情報提供は非常に重要でありますので、医薬品の中でPEGが入っているものは何かということを検索する方法であるとか、そういったことについても情報提供させていただいています。その前提として、どういったものに含まれているということも書かせていただいております。そういった記述の充実については努めていきたいと思います。
 そして、資料1-5の4ページの接種不適当者と接種要注意者というところについては、今はこういう形でお示しをしておりまして、それが例えば、接種不適当者には「接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者」と。これを例えば、1回目の接種でアナフィラキシーを呈した方というのははっきりとこういったものに当てはまると思います。ただ、PEGが入っているかもしれないものにアレルギーがある方というところについては、この中でいうと接種要注意者に入る者ということだと思いますので、さらにそういう中身をどうさらに詳細化して周知していくかという議論になっていくのだと思います。
○森尾委員 ありがとうございます。
○佐藤委員 すみません。そうしたら、基本的にはホームページのQ&Aを参照してくださいという、回答としてはそこを充実させるということなのですかね。
○森尾委員 私も若干コメントします。こちらはやはり佐藤委員がおっしゃるように、「接種液の成分」と書いたときに皆さんが分からないだろうということで、ここからどこかに行くような形のほうがいいのかなという感じもあります。事務局、いかがでしょうか。これのQ&Aは能動的に見ていくような形にしていただくのがどうかということでしょうか。
○事務局 1点だけ補足させていただきます。ポリエチレングリコールといってもなかなか誰も分からないということをよく指摘されるのですが、確かにポリエチレングリコールの分子量によっても全然変わってきますので、一概に言いにくいというのは確かにそのとおりなのです。なので、一応そのアレルギーの既往、アナフィラキシーの既往のある方については、接種会場にしっかりとどまっていただくということをやって、早期に介入に結びつけるといったことも併せてやるということになっています。
○森尾委員 宮川委員、お願いします。
○宮川委員 今までの話は全て、接種要注意者ということは誰もが十分な判断できないということになります。ポリエチレングリコールやポリソルベーとなどは、様々な濃度が存在し、医薬品として口に入るもの、シャンプーや化粧品など、様々なものに入っているわけです。ですから、やはり何らかのアレルギーのある人は事前にちゃんと相談してくださいとして、どのようなアレルギーでも疑いの記入欄をつくって処理していくということが大事です。事前に接種者も被接種者、もそのことが分かっていて接種場所に臨むというふうにすれば、15分あるいは30分、そしてお家に帰っても何かあったら連絡し、指定の場所に行くという体制を組んでいくということが親切な対応になるのではないかなと考えます。
○森尾委員 宮川委員、ありがとうございました。
 やはり、絶対このPEGなんだという証左もないということもあるのか、と思います。ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。もし御発言が済まれましたら手下げをしていただきますとありがたいと思います。ほかに御質問はありますでしょうか。よろしいですか。議論していないことはありますかね。よろしいですかね。ありがとうございます。
 それでは、副反応疑い報告の状況全般につきまして何かございますでしょうか。よろしいですか。
 伊藤委員に手を挙げていただいていますね。失礼いたしました。よろしくお願いいたします。
○伊藤(清)委員 アナフィラキシーが女性に多いというのは報道もいろいろあるのですけれども、頂いた資料ですと、そうではない副反応も女性のほうが多いようなのですが、今日、舟越委員がちょっと触れたところなのですけれども、資料1-1の6ページなどを見ますと、アナフィラキシー以外も女性のほうが可能性が高いというのは、これは海外とか今までの報告と一致するところなのでしょうか。
○森尾委員 事務局、お願いします。
○伊藤(清)委員 原因が考えられるとか。
○事務局 免疫系以外のもので女性が多いということは聞いてございません。今、資料1-1の詳細が分かりませんので、この中にどれぐらい免疫系のアレルギー系が入っているかどうかをちょっと調べてみなくては何とも言えないのですけれども、現時点では海外でアナフィラキシー以外のもので女性が多いといった傾向についての何らかの報告というのは聞いたことがありません。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 多分、今接種された人数も少し女性のほうが多いみたいなのですけれども、伊藤先生の資料ですと3分の2ぐらいが女性ということですけれども、それに比べて少し副反応の割合は女性が多いのかなと思いましたので、たまたまなのかそれが日本人の特徴なのかというのがちょっと気になりましたので。
○森尾委員 先に行っていますね。
 事務局はいかがですか。
○事務局 今おっしゃったとおりで。
○森尾委員 大丈夫ですか。
○事務局 はい。
○森尾委員 伊藤委員、何かございますか。
○伊藤(澄)委員 後で御報告いたしますけれども、例えば、接種30分後以内に起きた副反応というのは、実は1万9808人の中で88人いらっしゃいます。それがやはりアナフィラキシーの疑いがあるようなものも多く見られまして、それは湿疹を伴わない迷走神経反射が5例とか、動悸、頻脈が9例、目まいが5例とか、しびれが5例、蕁麻疹がほてりとかというのが15例ぐらい。だから、ひどくなればアナフィラキシーの疑いが続いてくようなのがこれぐらいの頻度ではあった。だから0.4%ぐらい、200人に1人ぐらいは何らかの形で30分以内に具合が悪くなる方がいらっしゃいました。
 このデータは整理が未発表なので今日、資料の中には入れておりませんけれども、多少女性が多い印象はあります。この88名の中の性別を見ますと、接種者のものよりは女性のほうが多いのかなという印象はありますが、そういったものも含めて今後解析をしながら、皆さんのところに御報告させていただきたいと思っているところでございます。
 先ほど申し上げましたけれども、発症の直後というのは大変皆さん不安に思われます。その結果として、アナフィラキシーの治療がされたりとか点滴がされたりするけれども、中には混じっていらっしゃいますし、その結果として入院された方については、副反応疑い報告として上げさせていただいているというところです。
 そういう人たちが実際、後から振り返るとアナフィラキシーではなかったというふうに報告をいただいておりますので、研究班として当初の2万人の中からはアナフィラキシーとしての報告がなかった。それ以降出てくるのにこんなにアナフィラキシーの報告件数が多くなっているのはどうしてかなと思いますが、皆さん注意をして報告をしていただいているので、後から見たときにアナフィラキシーではないと判断されるものについても、PMDAに報告が出てきているのではないかと思うところでございます。
 以上でございます。
○森尾委員 ありがとうございました。
 アナフィラキシー、死亡以外は伊藤委員からまた御報告いただいて議論したいと思っております。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 いろいろな意見をいただきましたので、ちょっと内容をまとめさせていただきたいと思います。
 これまで確認していただいた内容でございますが、アナフィラキシーの発生頻度については、次のような点から、単純な比較は難しいという状況だというコンセンサスかと思います。国内の報告件数は欧米で公表されている報告件数と比較して多いと考えられますが、海外との比較においては、現時点の日本の報告数は医療機関からの報告数をそのまま計上しているということがございます。情報を精査した結果、アナフィラキシーに該当しないケースもあると考えられるという点でございます。
 海外でも接種開始当初は報告の頻度が高かったこと、丁寧に報告を求めた場合に頻度が高かったとの研究報告も見られることから、報告にばらつきがあるという点でございます。また海外では高齢者にも接種していますけれども、日本では現時点で医療従事者のみに接種している状況ということかもしれません。
 いずれにせよ、丁寧な解析が必要だというところと、データをこれからしっかり集積をしていく必要があると。現時点でアナフィラキシーという報告ではなく、アナフィラキシー、アナフィラキシー様をしっかり混乱しないような形で報告をさせていただいたほうがいいのではないかという意見を頂戴したと思っております。
 そして、報告例については、幸いにして比較的軽度な症状の段階でいずれも適切に治療されているということでございます。
 引き続き症状に関する情報をしっかり集めた上で、国際的な基準により精査を行っていく必要があるのではないかということでございます。
 また、接種後には、一定の頻度でアナフィラキシーまたはアナフィラキシー様の症状が生ずることを前提とした上で対応を検討する必要があるのではないか。これはやはりしっかりと何かあったときには対応していただきたいと。そういう点で、また、現在行われている対策については確実に実施されるように徹底する必要があるのではないかということでございます。
 アナフィラキシー以外の報告としましては、期間中の副反応疑いの報告の総数は0.05%でございます。このうち、死亡例1例が報告されていますが、死因は偶発的に発生し得る疾患と考えられ、現時点では接種との因果関係を想定するような情報は得られていないということでございます。
 あと、もう一つ、既往歴については、しっかりと問診をしていただくということが重要ではないかと。特にアレルギーについては聞いていただくということの御意見も頂戴いたしました。
 このような取りまとめでよろしいでしょうか。何か追加等がございましたら御指摘いただけたらと思います。
 永井委員、お願いいたします。
○永井委員 すみません。難しい質問であることは分かっているのですが、問診でそういうアレルギーが分かった人に、ワクチンを打つ、打たないをどう決めるのかというところは、コメントは何かありますでしょうか。
○森尾委員 これは恐らく、接種不適当者についての見解は変わらないと思いますので、それに関しての変更は恐らくないものと思われます。アレルギーを起こした方に対して注意して接種してくださいということであろうかと思います。よろしいでしょうか。
 岡委員、お願いいたします。
○岡委員 今後多分、予防接種を希望される方、予防接種を打つかどうかはそのときの打つところでの問診をしていただく先生とよく御相談いただいてという以上は難しいと思います。あとは準備体制を、どういうところで打つということを選んでいくかということで、そういう懸念のある方の場合にはお申込みをされる際に大きな医療機関とかそういうところで十分な救急体制のあるところで打っていただくとか、そういったような情報提供が必要になっていくのかなと思っております。
○森尾委員 よろしいでしょうか。先ほど議論が途中になっておりましたけれども、やはりそういう方々がどういうところで接種ということをしていくかと。これも恐らくプラスアルファの情報として何かの形でお伝えできればという感じはしております。
 ほかにはよろしいでしょうか。
 それでは、以上、今回報告のありました具体的な事例を踏まえまして、現在行われている対策を一層徹底するということが前提でございますけれども、新型コロナウイルスについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか。何か御意見はございますでしょうか。よろしいですか。
 そうしましたら、今、御審議いただいたワクチンにつきましては、これまでの副反応報告によって、その安全性について重大な懸念は認められないという評価。ただ、本当に慎重にデータを集めていく必要があるという見解でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾委員 どうもありがとうございました。
 続きまして、先ほど事務局からも御案内がありましたけれども、これからの予防接種後の副反応疑い報告の公表方針についてでございます。前回の本会議の議論では、死亡アナフィラキシー事例につきましては、初めての事例の報告から直近の合同部会の開催までの期間までは、今日までということでございますけれども、それぞれ発生が判明した時点で速やかな公表を行うとともに、直近に開催される合同部会で評価を行い、また、合同部会でそれぞれ一度評価を行った以降は、発生時ではなくそれぞれ合同部会のたびに死亡アナフィラキシー以外の報告事例を併せて公表を行うという方針で、委員の皆様には御了解をいただいておりましたところでございます。
 この方針に基づきまして、死亡及びアナフィラキシーの事例について、これまで事務局において公表が行われてまいりました。本日以降に報告があった事例については、前回の公表方針にのっとり、発生時ではなくて合同部会のたびに死亡アナフィラキシー以外の報告事例と併せて公表を行うということになりますが、こちらにつきまして何か御質問とか御意見とかはいかがでしょうか。これまで都度に何らかのコメントを出させていただいてきたということでございます。それを部会ごとにということの御提案でございます。先ほどのしっかり評価した形での御提示というのも重要であるという意見も頂戴しておりますし、もちろん非常に重要な場合には緊急で会議ということでございます。よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾委員 では、そのような形で進めさせていただきたいと思います。活発な御討論、どうもありがとうございました。
 それでは、2つ目の議題、資料2に沿ってでございますが、先行接種者健康調査の概要についてということで、研究代表者を務めていらっしゃいます伊藤委員から御説明をよろしくお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 1回目接種後の健康観察日誌の集計の中間報告をさせていただきます。国立病院機構、JCHOと労災の病院群でやった結果です。概要については2週間前に、どんなことをやるのかということについて詳細に説明させていただいておりますので、その分の概要は2枚目に書かせていてある通りです。
 3枚目をめくっていただきますと、接種者の数の推移でございますが、2月25日の13時までの接種で、1万9808例の方が登録されております。2月25日に接種された方が3月5日、金曜日にこの日誌を回収するという状況ですので、回収された日誌、3月10日の24時までの期間の日誌を集めた結果が、今回、報告をさせていただくいているものです。2月26日に報告したデータでは1万8794人でしたけれども、最終的な数は1万9808例になりました。このデータのコホートとしての最終数です。
 このデータの最新のものについては、順天堂大学の研究班のページにアップしておりますので、今日のデータも含めてそちらにデータを掲示していこうと思っています。女性が66%という状況になっております。アレルギーとして、気管支ぜんそくとかアトピー性皮膚炎の方々が2.2%、2.9%というのがベースラインとしています。既往歴として小児ぜんそくも含めてた気管支ぜんそくがあった人は10%近くいるということもわかっております。
 3月10日現在の日誌の回収数は1万7138名になっております。次のページをめくっていただきますと、体温の図を書いております、被接種者全体の86.5%の日誌が接種7日後から5日以内に回収できています。これを100%に近づけるべく鋭意、回収させていただいています。体温の推移ですが、体温が37度5分以上を発熱としたときに、横軸はCDISCの関係でDay1を接種日にしておりますので、Day2というのが翌日でございますが、翌日は1.9%の方が発熱していました。思ったほど発熱の頻度が高くなかったのですが、1週間のうちいずれかの時点で37度5分以上あった方については、後の表に書いておりますが、3.3%です。
 そのほかの症状の基準は、参考として次のページにつけております。有害事象の重症度判定基準ですが、前回提示しませんでしたので今回提示いたしました。これは医師主導治験のときに使ったのと全く同じものです。また、後で出しますが、2009年のH1N1pdm、インフルエンザワクチンのときの評価票もこれと同じですので、比較可能かと思います。
 次のページをめくっていただきまして、接種部位反応が2つ枚ありますが、発赤とか腫脹とか硬結に関して、やはり翌日から翌々日にかけて出ておりますが、これはご覧いただいて分かるとおりで、グラフ縦軸の最大値を14%とか12%にしてあるとおりで、それほど頻度の高いものではございません。
 接種部位で一番多かったのは疼痛で、次のページをめくっていただきますと、全体として見ると92.4%の方が痛かったと報告しています。薬を飲むほど痛かったというのが全体の10%ぐらいです。疼痛全体としては92.4%、翌日に痛かった人が89.9%という状況でした。熱感とかかゆみというのは1割とか1割以下の状況で、最大でも熱感が12.6%、かゆみが7.8%という状況でした。
 もう一つ、発熱と同時に問題だと考えておりましたのが全身倦怠感ですが、全身症状に関しては、頭痛が全体として21.3%、倦怠感が23.1%ということで、翌日の倦怠感でも16.6%という状況でしたので、当初懸念したほどの状況ではなかったと思っています。
 次のページに、副反応疑い報告として研究班からPMDA報告と、それから因果関係が否定されたSAEを一覧表にしております。これは昨日現在のもので、そのうちのPMDA報告させていただいたのは冒頭申し上げました3例、最初の1、2、3に関しては接種直後から1時間半ぐらいのうちに起きて、当初はこれはアナフィラキシーではないかというので、医療機関が対応したケースです。
 それ以外、突発性難聴とか三叉神経障害というのも出てきておりますのが、こういったした疾患については現在、集積しているところです。
 因果関係が否定されたものとしては、一過性の全健忘とか肺炎とかCOVID-19に感染された方とかというのが出てきておりますが、これらについても引き続き収集しています。
 先ほど申し上げましたとおり、1回目接種の30分以内に異常反応を認めた人は、200人に1人ぐらいはやはり具合が悪くなる。アナフィラキシーではないかと疑われる方とはそれぐらいの頻度でいらっしゃるのだと思います。
 それからもう一点は、ワクチンを打たれて、結果として勤務を休んだ人というデータも取っています。そのデータが1回目接種後、1万7138例中で49名の方が何らかの形でワクチンを接種されたことによって勤務ができなかったということです。このデータで一番気にしておるのは、2回目接種後ですが、これについても御報告いたします。
 最後に、これがどれぐらいの規模感の頻度なのか、ワクチンの危なさなのかご理解いただきたいと思いましたので、2009年のときに国立病院機構の職員2万人を対象にしてH1N1、今では通常のインフルエンザになっていますが、しかもあの当時は1回接種量が15μgですので、現在の季節性インフルエンザワクチンのワクチンの抗原量として4分の1なのですが、それを打ったときの反応と比較してみました。それが、最後から2枚目のページです。そのときの2万2112例のデータと比べますと、ご覧いただいて分かるとおり、接種部位反応の疼痛は明らかに高い。翌日から翌々日にかけて痛みが続くという状態が分かると思います。それこそ五十肩にいきなりなったのかと思うぐらいの痛みにはなりますが、筋注と皮下注の違いがありますので、もし皮下注にしますと局所の腫れとかかゆみとかが高く出ることが予想されますが、筋注ですので痛みしか出てこないのだろうと思います。全身症状が1回目接種に関しては全体で35.8%、倦怠感が23.1%ということで、インフルエンザのときに比べると、著しく高いという印象ではないというのが1回目接種だったと思います。
 ただ、チェックボックス項目で見たときはこんな形になりますが、これ以外の副反応として、日誌に記載された欄が8,000を超えるていますが、それについては未整理ですので、時間をいただいて整理した上で、報告させていただいてきます。定型的なものではない有害事象にどんなものがあるのかということについては、少し時間をいただきたいと思っています。
 最後のページにまとめを書いておりますが、時間がございませんのでまとめとしてお読みいただければと思いますが、国立病院機構、JCHOと労災の人たちには大変無理なお願いをして、日誌回収から5日の間に86.5%のデータを集めて今日の部会に報告させていただいております。研究代表者として各機構の皆さんには大変感謝いたしております。
 御報告は以上でございます。
○森尾委員 伊藤委員、大変詳細かつ重要なデータをシェアしていただきましてありがとうございました。
 委員の皆様から何か御意見とか御質問とかがありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
 長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 もしデータがあればですが、既往歴のところで、軽いアレルギー、花粉症とかといったものなどは取っていますでしょうか。
○伊藤(澄)委員 花粉症は取っておりません。ただ、ベースラインとして薬を飲んでいる方、薬を使用している方をの薬品名を取っておりますので、それをみるとある程度わかります。今の時期ですので抗ヒスタミン薬を飲まれている人がたくさんいらっしゃいます。
○長谷川委員 もしたくさんいるということが分かったら、花粉症の方が安心して受けられるかなと。気にしていらっしゃる方が結構いるのでと思いました。
 以上です。
○伊藤(澄)委員 やはり一番問題になるのは接種30分以内の副反応が出る方で、疼痛に関してはほぼ全員が出るというか、出なければ逆に言うと、ワクチンが効いていないのではないかと思うぐらいの状況になっていますので、それについては初めから2日間は痛いものだと覚悟してワクチンを打っていただきたいというのが、今回取りまとめをした印象です。
○森尾委員 重要な点をありがとうございます。ちゃんと接種されたということですね。
 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 貴重なデータをありがとうございます。疼痛の方々はその後にアセトアミノフェンのような痛み止めを処方されたり、それによる効果のようなものもというのは分かるのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 そのデータは未精査の状態ですので持ってきておりませんが、副反応として薬を使われた方については全部データとして取っておりますので、次回のときにはそのことも含めて御報告させていただこうと思います。チェックボックスで取れるデータは簡単に集計ができるのですけれども、手入力のものについてはすぐに集計するのが困難で、薬品名で入っているものを集計すべく、一回、試みてみましたが、きれいに数値として出せませんでした。1,000人を超える方が疼痛に対して痛み止めを飲んでいらっしゃるのは確認しております。
○山縣委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○森尾委員 これも重要なデータになりそうですね。ありがとうございます。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 これだけ疼痛が出る原因ということについて、本当に推測でいいのですが、分かっている範囲で教えていただきたいのですけれども、メッセンジャーRNA自体が炎症を起こす物質であるということは言われているので、そういう影響なのですかね。先生のお考えでいいので教えていただければと思います。
○伊藤(澄)委員 メッセンジャーRNAが単独なのかはよく分かりませんけれども、少なくとも接種した直後に関してはあまり痛みが出てくるわけではなくて、夜から翌日ぐらいにかけて痛みが出てきているので、化学物質による炎症というよりは、何らかの形で反応して、筋肉細胞からSタンパクが出てきたて、それに対する反応として考えるほうが自然ではないかという気がします。もし化学物質であれば接種直後に痛みが出てきてもいいのかなと思いますが、接種直後はみんな「痛くない、痛くない」と言っていたのが、翌日になったら痛いとか、肩が上がらないとかという話になってきていると思っております。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
○森尾委員 それでは、柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 くも膜下出血疑いで死亡された方は2月26日の接種で、このコホートは2月25日に登録締切りになっていますので、このコホートには入っていないかと思うのですけれども、日誌とかを配布されていたかどうかというのは分かりますでしょうか。
○伊藤(澄)委員 すみません。この死亡された方については、研究班としてのデータは全く持っておりません。それから、日誌に関しても、日誌と体温計と定規を全部セットで配っておりますので、体温計と定規が配られていないので、多分、渡されていない可能性が高いと思います。
○柿崎委員 ありがとうございます。
○森尾委員 それでは、倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 貴重なデータをありがとうございます。ページ12で真ん中に第III相の結果を入れてあるのだと思うのですけれども、日本で38度以上で計算すると、先生の3.3%というのはどのくらいになるのでしょうか。今、37.5度ですと3.3%ですけれども。
○伊藤(澄)委員 解析しておりませんので、別途、解析をしてみます。ただ、頻度としては大変低かったと思っております。
○倉根委員 あとはそうしますと、大体海外のIII相試験のデータとほぼ一緒で、倦怠感と頭痛がIII相試験より少し低いというぐらいのところでしょうか。
○伊藤(澄)委員 ご覧いただいているのは、論文のフェーズIIIのデータの1回目の接種の部分から抽出していますが、日本の方が海外のよりも低いというのは少し驚きました。それなので、2009年のデータも引っ張り出して、再度データを突き合わせて、皆さんの御参考になるようにつくりました。
○倉根委員 ありがとうございました。
○森尾委員 ほかにいかがでしょうか。
 伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 12ページのデータがすごく分かりやすいと思うのですけれども、こういった形で、この統計について例えば男女別ですとか年齢別ですとかという感じで、こういったデータを今後示していただけると考えてよろしいのでしょうか。インフルエンザワクチンとそういった情報をもし比較できたら何となく分かりやすいかなと思うのですけれども、今後そういったことは可能なのでしょうか。膨大なデータを扱っていただいていると思うのですけれども。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 今、1万7000件というので、データが今、集まっている最中ですので、集まり次第というか、ある程度データのロックができ次第、そういった解析をした上で皆さんに報告をさせていただきたい。これはあくまで速報値であると御理解いただければと思います。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
○森尾委員 本当に速報でつくっていただきまして…。これから詳細な解析をしていただけると思います。
 佐藤委員、どうぞお願いします。
○佐藤委員 まさに私も伊藤先生がおっしゃっていた点で、この集団は女性が44%、人口比率とは集団の男女比が結構違うかなと思いましたので、そういう意味では男女別のデータというのは比較したほうがすごくいろいろなことが分かるのではないかなと思って拝見しました。本当にデータが多いのをまとめていただいて本当にありがとうございました。お礼申し上げたいと思います。
 あと、2万人を重点的に調査させていただくということで協力していただいている方が1回目受けられていますけれども、2回目もほぼ同じぐらいの数が確保できそうなのでしょうか。どうなのでしょうか。そこはまだ分からないのですかね。
○伊藤(澄)委員 2回目の接種が始まりましたのが今週の水曜日からですので、まだどれぐらいの人が2回目接種していただけるのかちょっと分りません。
 ただ一方で、2回目接種はしませんとおっしゃられる方もいることは承知しております。
○佐藤委員 いらっしゃるのですね。
○伊藤(澄)委員 はい。
○佐藤委員 1回目を受けられたときに2回目もなるべく受けるという方針ではなかったと。そこはもう自由にと。
○伊藤(澄)委員 方針は2回目も受けていただくことが前提なのですけれども。
○佐藤委員 最初の2週間きっちりというお話を伺っていたと思っていたので。
○伊藤(澄)委員 全員を強制するというものでもはもちろんございませんし、それから、1回目に副反応が強く出た方に関しては、多分受けられない可能性が高いのではないかと思っております。
○佐藤委員 そこら辺はやはり若干データが減るということになるわけですね。そこはもうそういうところなのですね。分かりました。ありがとうございます。
○森尾委員 佐藤委員、ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。あまりいろいろ求めて過ぎてもいけないような今の状況かと思います。
○佐藤委員 すみません。本当に貴重なデータなので、世界に先駆けたデータ、すごく質のいいデータが取れるのではないかなと思って期待ができるなと思って拝見しました。
○森尾委員 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。これはという御質問や意見がありましたら承りたいと思います。よろしいでしょうか。また伊藤委員にはいろいろと御報告を頂戴するのではないかと思います。本当にタイムリーに御提示いただきましてありがとうございました。お礼を申し上げます。
 座長の不手際で進行が遅れてしまいましたけれども、全体を通じしまして何か御質問、御意見等がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 ありがとうございます。
 今回の副反応の部分ですが、現場で今、やはり医療従事者から今度、地域住民の集団接種やサテライト、連携施設で行っていく中で、今回のアナフィラキシー関係のことで、やはり救急カートとかそういったものの整備というものが今急がれている中で、エピペンとかがある会社から1万1000本無償提供みたいなものが2月に、厚労省に相談をして配布を決めたというのが報道で流れているのですけれども、今、各自治体を含めて打合せをしているところで、エピペンなのか、またはアドレナリンプレフィルドシリンジなのか、そういったものが今現場で、行政と市町村との会議の中で、実際にそれが来るのか来ないのかという話が現場で議論になっています。今回のここでの議題ではないのですが、今現場でそういったアナフィラキシーの対応に対してそういったものが出ていることと、今日、3月12日に日本アレルギー学会でこのアナフィラキシーに対するガイドラインがまた改訂されてアップされていますが、その中ではH1ブロッカーがPEGを含まないが商品名での具体的な明記がされているので、少し学会とあとは厚労省の部分での文書の出し方というのをちょっと足並みをそろえていただけたらと思っています。
 以上です。
○森尾委員 コメントありがとうございました。
 対応カートとかの状況とかコメントは事務局からありますか。
○事務局 事務局でございます。
 御紹介いただきましたように、エピペンの配布を無償提供してくださるメーカーさんがいらっしゃるということで、そういったことについても市町村に情報提供させていただいております。
 それから、プレフィルドシリンジであるとかバイアル製剤のほうが量としてはたくさん供給されていますので、医療機関さんにはそちらのほうを中心に使っていただきたいということもお願いをしております。そういった議論を市区町村でしてくださっているということが、まさに体制整備が進んでいっていることのあかしであると思いますので、引き続きしっかり情報提供しながら一緒に進めていきたいと思います。
○森尾委員 どうもありがとうございました。
 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 ありがとうございます。
 リスクコミュニケーションに関することなのですが、今回、くも膜下出血での死亡例というものに関して、厚労省からの発信のされ方が非常によかったのだと思います。そのためにその後、メディアやほかのところでも様々な混乱がなく来ているということは本当によかったのだと思いますので、今回もアナフィラキシーに関しての今後の発表の仕方、それから、高齢者に対して打つ前の事前の知っておくべきことといったようなものの発信の仕方に関しては、毎回言っておりますけれども、ぜひ何らかの形でもう少し分かりやすい形での御検討をいただければと思います。
 以上です。
○森尾委員 貴重なコメントをどうもありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 長時間になりましたが、本日の議事は以上でございます。
 そのほか、事務のほうから何かございますでしょうか。
○事務局 本日は長時間にわたり活発に御議論いただきましてありがとうございました。
 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○森尾委員 どうもありがとうございました。
 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。活発な御議論どうもありがとうございました。