第18回がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会(議事録)

健康局がん・疾病対策課

日時

令和3年1月27日(水)14:00~16:00

議題

(1) がん診療連携拠点病院の指定等について
(2) その他

議事

 

○がん対策推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第18回「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。
 本日、事務局を務めさせていただきます健康局がん・疾病対策課がん対策推進官の岩佐と申します。よろしくお願いいたします。
 開会に当たりまして、がん・疾病対策課長の古元より御挨拶を申し上げます。
○がん・疾病対策課長 皆さん、こんにちは。がん・疾病対策課長の古元と申します。
 着座にて失礼いたします。
 第18回「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」の開会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。構成員の皆様におかれましては、平素より現場などにおきましてがん対策の推進に御尽力、改めて御礼を申し上げます。また、お忙しい中、本会議に御出席を賜り、重ねて御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
 拠点病院等につきましては、全国どこにいても質の高いがん医療を提供することができるよう、がん対策推進基本計画に基づき整備を進めてまいりました。標準的な治療などの均てん化が必要な取組につきまして、引き続き拠点病院等を中心とした取組を進めてまいります。皆様の御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 本日は、各都道府県で取りまとめていただきました医療機関につきまして、平成30年7月に改定いたしました指針に基づき、拠点病院等として適切かどうか御審議いただき、併せて運営に際しての必要な助言をいただきたいと考えております。構成員の皆様におかれましては、十分に御議論いただき結論をおまとめいただけますと幸いです。よろしくお願い申し上げます。
 簡単ではございますが、御挨拶とさせていただきます。
 本日は何とぞよろしくお願い申し上げます。
○がん対策推進官 本日の会議の出席状況でございますが、構成員の方皆様に御参加いただいております。また、本日、健康局長は、申し訳ありませんが、公務のために欠席となっております。
 当会議におきましては、御発言される際には手を挙げていただきまして、委員長からの指名をもって御発言いただければと思っております。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。
 資料は、ホームページにも掲載してございますが、資料1、2及び参考資料が1から4ということでございますので、御確認いただければと思います。
 また、構成員の方々には、現在の指定状況、要件充足状況等についてまとめた資料を事前に御送信しておりますので、審議の際には参考にしていただければ考えております。
 それでは、議事の進行を藤座長のほうにお渡ししたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○藤座長 皆さん、こんにちは。昨年度に引き続き本検討会の座長を務めさせていただきます九州がんセンターの藤でございます。マスクをしたまま失礼いたします。
 この1年間は、新型コロナウイルス感染症によって、皆様それぞれのお立場で例外なく御苦労なさっておられるかと思います。本当にありがとうございます。
 本検討会もウェブでは初めての開催となります。種々不慣れな点もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、令和3年のがん診療連携拠点病院の指定に関して、前回までの考え方の整理、今回の指定のために特別に検討すべき点について、まず事務局から資料1について説明をしてください。お願いします。
○事務局(湯川) がん・疾病対策課がん医療専門官の湯川でございます。私のほうから資料1について御説明差し上げます。
 お手元に資料1「がん診療連携拠点病院の指定等について」というところで、2枚目、現在の類型について述べております。
 3枚目に行きますと、現在の類型が何病院あるかというところを載せております。
 4枚目は類型の見直しというところで、高度型から一般型、一般型から特例型というところで類型が見直されることがございまして、特例型の右下のところに載せております「更新時において地域拠点病院の指定要件を充足していない場合は、指定の更新は行わない」というところが整備指針の中に示されております。
 5枚目「拠点病院等の選定の方針について」というところで、こちらは昨年度とほとんど内容が変わらないものとなっております。要件を全て満たしているものについては2年間の指定。新規推薦の場合は、推薦時に全ての要件を満たしているということが前提となっております。1月末に検討会をしておりますので、2月、3月に何とか要件が充足できる場合とか、放射線機器の入替えによって要件が充足できない場合というのは、1年間指定ということにしております。要件未充足については、後ほどのスライド9枚目で御説明差し上げます。
 6枚目は、高度型の選定の方針というところで、高度型として指定されない場合には一般型として指定される。こちらについては、高度型の場合は一般型の要件を全て満たしていることが必要となっておりますので、このような方針とさせていただいております。
 7枚目に参ります。今年度については、新型コロナウイルスの対応について、都道府県並びに拠点病院等で大変御尽力いただいておりまして、現場の負担等を考慮しまして、例年どおりの分厚い現況報告書の提出というものは一部省略させていただいております。ただし、指定要件未充足の報告や、新規の推薦の場合については、例年どおりの書類の提出を求めているという状況でございます。
 8枚目については、先ほどもお話ししましたように、2月、3月に何とか要件を充足できるとか、あとは放射線機器の入替え等とか、そういったところでない場合に要件の未充足がある場合というところで、勧告、指定類型の見直し、指定の取消しを検討するところとしております。
具体的なところで、9ページに参ります。要件充足の確認日としては、令和2年9月1日というところではございますが、未充足項目がある場合には、昨年と同様に検討会時点までに要件を充足できるということを確認できた場合は、要件を充足したものとみなしております。
さらに、2)放射線機器の入替えや、2月、3月に何とか要件を充足できるというところは、1年間の指定とさせていただいております。
(ア)人員を満たさないとか、実績が足りないという場合には類型の見直し。(ア)に該当しないような軽微な要件と判断される場合は勧告を行う方針としております。
 3)のところも、繰り返しになりますが、特例型の病院については、更新時において要件を充足していない場合は指定の更新を行わないとなっております。
 4)のところにありますように、今回一般型から特例型に類型を見直された病院については、6月をめどに再度検討会を行う予定としておりまして、そこで要件を満たしておれば一般型に戻るという、昨年と同様の対応を取らせていただこうかと考えております。
 10枚目は、今、お伝えした内容を図に示したものとなっております。
 11枚目「勧告について」というところですが、地域がん診療病院のうちの1つの病院が指定要件の中の緩和ケア研修会を行っていなかったというところでして、こちらについては、今回2019年1月から12月のうちに緩和ケア研修会をやっていただかないといけなかったところではございますが、2019年11月に予定していた研修会が都道府県の他の病院と同じ日程になってしまったというところで、規模を縮小して2019年11月に行ったところ、緩和ケア研修会の開催指針に沿うものではなくなってしまったというところがございます。それで、令和2年3月に再度研修会を行う予定としておりましたが、こちらがコロナの影響で延期になってしまっているという状況です。こちらについて本年3月にウェブで代替の研修会を行う予定としているというところで、こちらを前提に勧告を行うこととしてはどうかというところで、御提案させていただいております。
 12枚目は高度型で審議いただきたいところでございまして、今回新規推薦として5施設ございますが、Dの病院について、高度型の要件である高度な放射線治療を提供できるかというところにつきまして、当該年度、2019年1月から12月にこの病院は実績がございません。2018年に3件、2020年に1件の実績がございますが、こちらについて要件を充足していると捉えるのかどうかということについて御審議いただきたいと思っております。
 13枚目は、「新型コロナウイルス感染症の影響を鑑みた緩和ケア研修の開催に関する指定要件の取り扱いについて」ということで、現在、緩和ケア研修会については、緩和ケア研修会の開催指針に準拠する形で行っていただくこととしておりますが、こちらの集合研修というところが新型コロナウイルス感染症の流行下では難しくなっているという状況がございます。
 こちらについて、集合研修のうち、講義とグループワークについては、緩和ケア研修会の開催指針に準拠する形でウェブで代替することが可能だというふうに一定のコンセンサスが得られておりますので、こちらの2点について緩和ケア研修会の開催指針に準拠する形でウェブで代替することで、拠点病院としては指定要件を充足したとみなすというところでどうでしょうかというところを御提案させていただいております。
こちらについては、次回の現況報告をいただく当該期間が2020年1月から12月というところで、もう既に過ぎてしまっておりますので、今回については令和3年12月まで2年間というところで、少し幅を持たせて要件充足の期間とさせていただいてはどうかというところを併せて御提案させていただいております。
 ただし、2点をウェブで代替する場合に、ロールプレイを現行の指針に準拠する形で行っていなければ、現時点では緩和ケア研修会を修了したと認定されるものではありませんので、こちらについては今後の検討課題とさせていただけたらなと思っております。
 14枚目以降については、整備指針の中から指定要件について抜粋したものとなっておりますので、省略させていただきます。
 以上です。
○藤座長 ありがとうございました。
 今の資料のスライド9枚目の昨年申請時点での要件未充足がある場合の選定方針というのは、昨年と同じ考え方になります。
 スライドl2枚目の高度型の指定、スライドl3枚目の新型コロナウイルス感染症下での対応については議論があるかと思いますので、それは後で御意見を伺いたいと思います。
 その3点を除いて、御質問、確認したいことはございませんでしょうか。高度型と感染症下の対応についてはこの後に議論いたしたいと思います。いかがでしょう。手を挙げていただければ分かりますので、挙げていただければと思います。
 では、先に進んでよろしゅうございますか。いいときはうなずいていただければありがたいです。
  (構成員首肯)
○藤座長 では、次に行かせていただきます。
 今、申し上げましたスライド12枚目、高度型の指定について審議をしたいと思います。具体的な名前は、机上配付資料2にございますが、後でまた見てみたいと思います。
 D病院は、申請の当該年度において高度の放射線治療の実績がゼロということでございます。実際に当該年度の前の年には3件あって、当該年度の後に1件、核医学の治療実績はございますが、IMRTの実績はないということです。
 これをもって高度な放射線治療を提供できると判断するかどうかということについて、御意見をいただきたいと思います。何か御意見ございますでしょうか。唐澤構成員、お願いいたします。
○唐澤構成員 放射線治療学の専門でございます唐澤でございます。
 Dの病院は、外部照射ではなくて、核医学治療で高度型と言っておられるわけですが、できるかできないかというのは、全くやっていないと分かりかねるかと思います。だから、できると言われてしまっても、では、やっていないではないですかと。これはなかなか難しいかなと思うということと、もう一点は、放射線治療の類型、要件を変える必要が次回からあると思いました。高度型要件3、強度変調放射線治療や定位放射線治療、あるいは粒子線治療等の高精度放射線治療を提供できるというようなことに将来的には変えたほうがいいかなと思います。
 今年度、今回に関しては実績がないので、いかがなものかなと思います。
 以上です。
○藤座長 ありがとうございます。
 たしか前回、この要件のことも唐澤構成員から御意見があったかと思いますが、むしろ高度型というのはIMRTとかのほうではないかという意見があったかと思います。ただ、前回の段階ではIMRTがなくて核医学だけやるというところも高度型になってもらったという現実がございまして、今度は核医学がないけれどもIMRTはあるというところもあるのですが、Dに関しましてはそれもないということです。これに関してはいかがでしょうか。村本構成員、お願いします。
○村本構成員 私も指定要件の「高度な放射線治療を提供できること」というところの解釈に関しては、その提供体制が備わっているかどうかということよりも、実際の診療実績をもって判断しないと、患者視点からもよく分からないということになってしまうと思います。したがって、該当する放射線治療の実績がないD病院については高度型としては適当でないというふうに考えます。
 それと関連してD病院以外のことについても申し上げてよろしいでしょうか。
○藤座長 どうぞ。
○村本構成員 A病院とE病院に関してはIMRTの実績はあるものの、核医学治療ですとかその他の実績がありません。昨年の第16回の検討会で今回とは逆のケースを議論したときに、唐澤構成員よりIMRTは今は決して高度な治療とは呼べないのではないか、あるいは核医学治療は高度な治療だが、汎用性が低いといった御発言があったように認識しているのですが、その点に照らして、A病院とかE病院がどうなのか、唐澤構成員の御見解を確認させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○藤座長 唐澤構成員、お願いいたします。
○唐澤構成員 村本構成員、ありがとうございます。
 仰せのとおりでございまして、「高度放射線治療」という言葉を私どもの領域ではあまり使わないわけです。今おっしゃっていただいたように、多くの患者様に割と「高精度」という言葉は使うのですが、高精度の、きちんとやらないと危険な放射線治療ができるかというのが高度型の指定にかかってくるかなと思います。
 もしここに挙げるなら、IMRT/、粒子線はあってもなくてもいいと思うのですけれども、加えて定位放射線治療等の高精度放射線治療というふうにすれば、まだいいかなと思います。密封小線源、核医学、もちろん大事な治療ではあるのですが、汎用性が低いので、これだけやっているから高度だと言ってしまうと、今回のように、D病院は核医学治療、要するに、注射をすれば終了で、外部放射線治療を全くやっていなくてもオーケーになってしまう。放射線治療医としては、これでうちは高度の放射線治療をやっていますというふうに言われるのは問題かなと思いますので、次回はこの要件をぜひ変更していただきたい。
 ただし、今回に関してはこの要件で行っていますので、要件を変えるわけにはいかないので、今回は実績なしということで、ここの施設には無理と申し上げるべきかなと思います。
 以上でございます。
○藤座長 ありがとうございます。
 ほかにございませんか。
 では、D病院に関しては高度型とは認められないということでよろしゅうございましょうか。
  (構成員首肯)
○藤座長 今、お二人からお話がございましたように、これは要件そのものを見直す必要がある。今回、このタームの要件というわけではございませんけれども、これをこの指定の検討会からあり方検討会とかにちゃんと提言をしていく必要があるということでいきたいと思います。
 事務局はそれでよろしゅうございますか。
○事務局(湯川) 今、先生方に御議論いただいたようなところで十分理解いたしました。ありがとうございます。
○藤座長 ありがとうございます。
 では、次に行かせていただきます。資料1のスライドl3枚目、新型コロナウイルス感染症下での対応について、御意見等ございますでしょうか。ウェブで集合研修の講義とグループワーク。集合研修の中には講義とグループワークとロールプレイというのがございます。その中の講義とグループワークについてウェブで行っていれば可とすることで拠点病院の要件としてはいいのではないか。それから、指定要件の該当期間を今年のl2月までにするという点について、御意見をお聞かせください。いかがでしょうか。村本構成員。
○村本構成員 村本です。
 結論としては御提示いただいた案でよいと考えます。現在の環境下、緩和ケア研修会についても無理して集合開催するよりは、この1年間の急速なオンラインツールの普及拡大に伴い、オンラインで本来の緩和ケア研修会の趣旨に沿ってできることも一気に広がっているわけで、今回の御提示は妥当だと思います。あえて申し上げれば、今回緩和ケア研修会のロールプレイに関しては対応案に盛り込まれていませんが、ロールプレイについては、拠点病院の指定要件というよりは、緩和ケア研修会の開催指針を踏まえて議論いただくべきところかもしれませんが、近い将来に向けてウェブでの開催も可能とするよう整理、検討いただきたいと思います。もちろん、ロールプレイがリアルな場所でできることに越したことはありませんが、患者視点に立てば、たとえウェブであってもロールプレイも医療者の研修の重要な構成要素と考えますので、どうぞよろしくお願いします。
 私からは以上です。
○藤座長 ありがとうございます。
 今の事務局側からの提案はオーケーだけれども、ロールプレイまでも含めて将来的に考えてもらいたいということかと思います。
 羽鳥構成員、お願いいたします。
○羽鳥構成員 僕も村本構成員と同じ意見で、講義とグループワークについてはウェブで十分だと思います。村本先生からも御指摘がありましたロールプレイについて、解決策を厚生労働省のほうでお考えがあったら教えていただきたいと思います。実は日本医師会も様々な生涯教育とか産業医の講習、かかりつけ医の講習などで、どうしてもロールプレイが入ってくるものについてや対面で行うべきグループワークがあり、もし厚生労働省で解決策、お考えがあったら、ぜひ教えていただきたいなと思います。
○藤座長 よろしくお願いします。
○がん対策推進官 厚生労働省でございます。
 正直に申し上げますと、クリアな解決策がなかなかないというのが現状でございます。まさにロールプレイをどういう形でやると実効性が上がるのか。特にお伝えをした際の相手の表情、反応、そういったものをどう受け止めて、どうお声をかけていくか、そういった辺りの研修が重要だという観点から、実は別の患者の代表で緩和ケアの研修等に携わっている方々にお伺いすると、ロールプレイに関しては対面でやってほしいという思いも強く出ているというところでございます。
 ですので、その点は緩和ケア研修会の実施方法の検討の中でしっかりと検討した上で、実効性が高く、また実現性のある対応をしていきたいと考えております。ただ、その検討が遅くなるがゆえに拠点病院の指定というものが指針を満たす研修会が開催できないということで、遅れていくというのは少し問題があるのかなということで、今回こういった案を示させていただいているというところでございます。
○羽鳥構成員 了解いたしました。
 僕は充足とみなしてよいと思います。
 以上です。
○藤座長 ありがとうございます。
 ロールプレイというのも今、説明があったとおりですが、ウェブのオンラインの会議というのは日々進歩していって、システム側も進歩していっている。やっている自分たち側もどんどん進歩していっているということですので、将来的にはできるようになるのかもしれません。ただ、オンラインであろうが、そうでなかろうが、本来質がしっかり担保できているかどうかというのをよーく考えながら検討していかないといけないということなのだと思います。
 事務局、今まで患者会の方々とか、実際の拠点病院の方々で、現状でロールプレイというのはできるのか、できないのか、そんな声はありますか。
○事務局(湯川) 現段階では緩和ケア研修会の開催指針に沿うような形でのロールプレイ、模擬患者さん役とか、そういったことも含めてロールプレイをなかなかウェブで行うことは難しいのではないかという声ももちろんございますので、そういった意見も踏まえながら今後のウィズコロナの時代の適切な実効性のあるやり方について引き続き検討させていただきたいと思っております。
○藤座長 ありがとうございます。
 ほかに御意見ございませんでしょうか。
 では、この件に関しましては、集合研修のうち講義とグループワークについてウェブで行っていれば拠点病院の要件としては可とするということでよろしゅうございましょうか。
  (構成員首肯)
○藤座長 では、このような形で指定の検討をしていきたいと思います。ありがとうございました。
 資料1について、ほかに御意見、御質問等ございませんでしょうか。
 それでは、令和3年度のがん診療連携拠点病院の指定に関する考え方については、資料1の対応方針について検討会として御承認をいただいたということにしたいと思います。
 では、その選定の方針に従って実際の指定の有無について、資料2について事務局から説明をお願いします。
○事務局(湯川) それでは、資料2について御説明差し上げます。お手元に資料2をお持ちいただきまして、例えば最初の都道府県がん診療連携拠点病院のところでございますが、2病院載せております。こちらは内容が指定更新で2年間というところで、昨年度1年間のみ指定されていたところについて、未充足要件がないので、2年間指定されていたというところでございます。
その下の高度型については、先ほど御議論いただいたような内容で少し修正させていただきたいと思いますが、先ほどの御議論の前の状態というところで5病院載せさせていただいております。
 その次の地域がん診療連携拠点病院のところは、少し内容が煩雑になっております。例えば1番目のところについては、現在特例型の病院が要件を全て充足しているので、2年間の指定。
 2番目については、現在地域がん診療病院のところで拠点病院としての要件を全て充足するというところで、拠点病院として2年間指定ということになっております。
 3番、4番については、昨年度は指定年限を令和5年3月まで指定されていたようなところが、今回新たに未充足な要件があり、なおかつ2月、3月に何とか要件を充足できる予定というところで、1年間のみに指定年限の変更という形で記載させていただいております。こちらについては、2月、3月に要件を充足したということを事務局と座長とで確認させていただいて、その後、構成員の先生方にお伝えするというところを考えております。
 9番、10番のところで特例型からの類型変更というところがございますが、1年間というところで、こちらも2月、3月に現在特例型の病院が何とか要件を充足できるというところで、1年間拠点病院として指定というところと考えております。
30番の病院につきましては、現在放射線機器の入替えを行っているというところで、1年間のみ指定というところとなっております。
その他、全く新規で指定という病院もございます。こちらについては推薦時点で要件を全て充足しているということを確認しております。
裏面、2/2というところに参ります。現在拠点病院で要件充足が年度内に難しいというところで、特例型として指定する、特例型に類型変更、1年というところ。
 地域がん診療病院については、3病院が指定の更新。残り、現在特例型の病院について、同じ医療圏に拠点病院がないというところと、拠点病院としての要件充足は難しいが、地域がん診療病院としては要件を充足できるというところで、地域がん診療病院として都道府県から推薦がありました。あとは、現在一般型の拠点病院でありまして、同じく拠点病院としての要件充足は難しいですが、地域がん診療病院としての要件は充足できそうで、同一医療圏に拠点病院がないというところで、地域がん診療病院として都道府県から推薦があったというところがございます。
勧告については、先ほど御報告させていただいたところでございます。
 最後につきましては、現在特例型の病院で年度内に要件充足が難しいところについては、指定更新をしないというところで載せております。
 以上でございます。
○藤座長 ありがとうございました。
 資料2について、上から順番に指定がこれでいいか、判断がこれでいいかの議論をしてまいりたいと思います。
皆さん、資料2の1のほうを御覧いただきたいと思います。繰り返しになりますが、簡単にお話をしながら一つ一つ行きたいと思います。
まず、都道府県がん診療連携拠点病院は、2つの都道府県拠点が安全研修について充足していなかったということで、1年ということだったのですが、それが充足したということで、残り2年を指定をするということでございます。これについてはよろしゅうございますか。質問があれば。
  (構成員首肯)
○藤座長 では、これはこのままオーケーという形にします。
 2番目、地域がん診療連携拠点病院(高度型)につきましては、先ほどの資料1のスライド9で話したとおりでございます。4番目の広島県の病院が県から推薦をされておりますが、高度の放射線治療の実績がないということで、これの指定をすることは見送るというか、今回は指定ができない。そのほかの4つに関しましてはオーケーということ。1番と何番でしたか、それは核医学がなくて、IMRTだけのところもありますが、昨年のことも考えて、現状では指定を認めるという形になるのかと思います。
 これについて、よろしゅうございますか。
  (構成員首肯)
○藤座長 では、次に地域がん診療連携拠点病院。これは俗に言う一般型になり、それを継続するという形になります。繰り返しますと、これは5つのパターンがございます。新規のもの。それから特例型が一般型へ復活と言っていいのでしょうか、戻る。それから指定年限の延長。何かが足りなくて1年だけの更新だったのだけれども、それがオーケーになって、2年になった。逆に2年で指定を受けていたけれども、今年度の間に未充足が出てきた等で1年になる。それから地域がん診療病院が地域がん拠点病院に変更になる。
ということで、北から並んでおりますので、今の類型のパターンの変化のとおりには並んでおりませんが、これについて、皆さん、資料1等々を参考にしていただいてチェックはしていただいているかと思います。事務局と私もこれでチェックをして一応確認はしておりますが、御意見をいただきたいと思います。
 この中で、まず14番の上尾中央総合病院について、経過を報告だけさせていただきます。ここは2017年に推薦があったのですが、その当時、自費診療の免疫療法をしているので、それはいかがなものかという御意見がありまして、その時点では地域がん診療連携拠点病院には指定をすることができないという形になっておりました。今回、指定要件は全部満たしている上で、先ほどの免疫療法に関しましては中止をしている。それは公文書として関東信越厚生局への中止の報告書、それから病院長から実際に中止をしているということのお手紙等々ももらって、こちらで確認をしておりますので、新規指定の地域がん診療連携拠点病院として要件を全て満たしているのでオーケーという形になっております。
そのほか、一つ一つずっと言えば大変なのですが、見ていただいて問題がありそうなところ、疑問がありそうなところの御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。村本構成員。
○村本構成員 私も上尾中央総合病院に関しては、今、藤座長がおっしゃった過去の検討会での経緯が非常に気になっておりました。その点を御確認いただいたということであれば、それはそれで結構です。
もう一点ですが、藤座長のお膝元で恐縮なのですが、福岡県に関して、今回3つの病院が新規指定になっております。このうちの原三信病院は、昨年の検討会で特定領域ではなく一般型としてはどうかということになりまして、ほかの今回の2つを含めていずれも指定要件を満たしています。ただ、この新規指定の3つの病院は、既に拠点病院が区分される、ある同じ医療圏に所在しています。私自身は、3年前に新たに策定された整備指針に照らして、同時に、特に大都市部においては患者視点での利便性も踏まえて、指定要件を満たすところは積極的に指定すべきと考えるものではあります。ただ、この拠点病院制度がもともとがん医療の均てん化を一番の目的にスタートして、過去には同じ医療圏内での複数指定に非常に慎重だった時期もあり、また、現在の連携拠点病院にも、連携、という言葉が入っている制度である以上、今回の複数指定に関する病院の連携の意味合いははっきりさせておいたほうがよいと思っているのですが、その点はいかがでしょうか。
 私からは以上です。
○藤座長 ありがとうございます。
 今、村本構成員がおっしゃったように、私の出身の医療圏でございます。今から意見というか、御説明もしたいのですが、その前に申し上げておきたいのは、私、この推薦の施設の選定には県と全く関わっておりません。この3つが上がってきて初めて、あっと思ったぐらいですので、そこをまず御了解いただいた上で今からの説明を聞いていただければと思います。
すみません。自分のところを言い訳しているみたいな形がどうしても自分の気持ちの中であるのですが。よその県もそうかもしれませんが、福岡県は福岡市と北九州市に病院が集中しております。そういうこともあって、患者の流れを全部チェックした上で、福岡県は2009年の段階から4つのブロックとして医療圏を考える。そのうちの一つが福岡医療ブロックなのですけれども、大きく4つのブロックで拠点病院の配置を考えていこうということをしております。
 福岡ブロックの中に福岡・糸島医療圏という今の医療圏があるのですが、ここには九州大学と九州がんセンターと福岡大学と九州医療センター、山のようにいっぱい病院がございます。しかし、福岡ブロックのほかの3つの2次医療圏には拠点病院が1つと地域がん診療病院が1つあるだけで、1つは病院がございません。その辺りの患者さんの移動を考えますと、その3つの医療圏から福岡市の病院に集中してやってきているという事実がございます。福岡ブロックには九州一円から患者が10%来ているということで、年々このブロックのがん患者さんは増加傾向にあります。福岡市そのものがまだ人口が増えていっているということもあって、大病院なのに拠点でない病院があるということが、逆に患者さんにとってもちょっと不都合があるのかということもあって、県はこうやって指定をしているのだと思います。
 村本構成員がおっしゃったように、今の指針から言えば、資料1の5ページを見ていただければ分かるのですが、これは新規で全部オーケーだったらそのままオーケーとせざるを得ないということですので、今回はオーケーにならざるを得ないのですが、やはりどのくらいの人口当たりに1病院があるとか、どのくらいの面積当たりに1病院にするとかというのは、最初の頃から議論もあったのだと思いますけれども、全くそういう規定がございません。したがいまして、こういうことが起こってきているというのも、先ほど放射線のこともございましたが、今後のあり方検討会で検討する題材、テーマになり得るのかもしれないなと思っております。
 そういうことで、今回はこれを認めざるを得ないし、福岡医療圏としては、この拠点病院がまた3つ加わること。福岡市的には隣の病院が全部拠点病院みたいな形になっているのですが、例えば地域連携クリティカルパスをするときに、拠点病院はやっているけれども、この病院はやっていないとか、いろんなミーティングをするときに、やはりこの大きな病院も一緒にやってもらわないといけないなということの弊害というのも今まで少しありましたので、そういう意味においては、実績がちゃんとあれば、そこに拠点病院として入ってもらうというのは相乗効果といいますか、何らかの効果はあるのかなと考えております。
 すみません。私が言い訳をするようなものではございませんけれども、この検討会の座長といたしましては、事務局と話して、ここの指定に関しましては、今回はそのままオーケーとするということにしたいと思っております。
 村本構成員、いかがでしょうか。今ので説明になっておりますか。どうぞ。
○村本構成員 村本です。
 座長の御説明、ありがとうございました。今の内容で福岡県の事情は大体承知いたしました。指定要件がこのようにある以上は出してきて、指定要件を満たすということであれば認めざるを得ないというのはそのとおりですし、基本的に大都市部においては患者の利便性という点でもそうあるべきだと思います。ただ、この拠点病院制度を考えた場合に、一つ一つの病院が申請するというよりも、都道府県で取りまとめての連携拠点病院制度だと思いますので、その辺りの連携の重要性に関しては、各都道府県におかれても再認識いただきたいと思いますし、今後の指定要件の検討に当たってもまた留意いただければと思います。
 ありがとうございます。
○藤座長 ありがとうございました。
 では、一般型の地域がん診療連携拠点病院について、そのほか御意見とか質問はございませんでしょうか。伊藤構成員、お願いします。
○伊藤構成員 伊藤でございます。
 基本的な考え方についてお尋ねを申し上げます。今、藤先生が御説明いただいた件ですが、福岡は、北九州に九州の他県から10%ほど患者さんが集まっておいでになるということですが、がん治療の拠点病院の考え方は、居住地に近いところで適切で十分ながん治療が受けられるということが根本にあったような気がしておりまして、何らかの歯止めがないと、福岡県に拠点病院が集中をすることによって、当然のことながら他の県からもそちらのほうへ患者さんが集中することで、本来の目的が薄れてしまう、危ぶまれるようなことになりはしないかと思って、ちょっと心配をしていますが、先ほど人口当たりという御発言もありましたけれども、そういう規制が必要ではないかと考えております。この点はいかがでしょう。
○藤座長 ありがとうございます。
 今の点について御意見ございますか。これは最終的には、こういう意見があって、診療提供のあり方に関する検討会等々で議論をしていただくようなことになると思いますが、この拠点の指定の検討会においての意見というのも言っていいのだと思いますが。ありませんか。
 では、事務局はどのように考えておられるでしょうか。
○事務局(湯川) 事務局の湯川です。
 村本構成員、伊藤構成員から貴重なご意見をいただきまして、誠にありがとうございます。例えば拠点病院の数、人口当たりにどれぐらいの病院が必要だということについては、現在の整備指針の中では明記されておりません。なので、構成員の先生方が御懸念されている点については、今後の検討課題と感じております。なので、次回の整備指針の改定に向けた一つの重要な課題として、この指定の検討会で出た議題として、あり方検討会のほうに上げて、議論させていただければと思っております。
○藤座長 伊藤構成員、よろしゅうございますか。
○伊藤構成員 はい。ありがとうございます。
 一度そういうところをしっかり御検討いただく様お願いします。そうしませんと、地方で症例数を重ねていくということに関してもなかなか課題が出てくるのではないかと思っておりますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○藤座長 ありがとうございます。
 均てん化というのが一番最初の目的でございましたので、それを求めていく必要がある。一方では集約化ということも出てきておりますので、その辺の兼ね合いをどこで折り合いをつけるかということは頭に置いて、今後の要件の決定とかもしていく必要があるのかと思っております。
 ありがとうございます。
 資料2の一般型について、ほかにございませんか。
 では、次に行きたいと思います。資料2の2枚目、2/2でございます。地域がん診療連携拠点病院の特例型になるという3つの病院がございます。これは地域がん拠点病院なのだけれども、未充足の要件が出てきたということでございます。秋田と栃木に関しましては放射線治療医がいないということ。神奈川県に関しましてはがん登録の中級者がいないということでございます。これに関しましては1年間の猶予を見て、特例型に指定するという形になります。これについて御意見ございますでしょうか。
 前回、昨年のことを考えますと、例えば4月とかにこれがクリアできれば、日にちが決まっておりませんが、今度あるであろう6月とかの本検討会でそのことが確認されれば、特例型から一般型に戻るという形になるかと思います。
では、この特例型3つはお認めいただけますでしょうか。
  (構成員首肯)
○藤座長 ありがとうございます。
 では、次に参ります。地域がん診療病院で5つの病院がリストアップされております。この中で新潟と滋賀と岡山は、もともと地域がん診療病院の中で医療安全の研修ができていなかったということで、指定年限が1年でございましたが、それがクリアできたということが確認できましたので、2年に更新をするという形になります。
 山梨県は特例型の地域拠点から地域がん診療への変更。鹿児島県も一般型の拠点から、充足することができないということで、地域がん診療病院になるということ。山梨と鹿児島に関しましては県からそのような推薦があったということで、地域がん診療病院としての要件は十分満たしているということが確認されております。
 これにつきまして御意見、疑問、質問ございますか。
 では、このような方向でよろしゅうございますか。
  (構成員首肯)
○藤座長 ありがとうございます。
 では、続きまして、その下の勧告の医療機関一覧について。これは1施設だけでございます。現在、山梨県のこの病院は地域がん診療病院です。地域がん診療病院なのだけれども、未充足のものが出てきたということですので、それをどうするかというと、地域がん拠点、一般型の拠点のときに特例型があったように、地域がん診療のときには特例型というのはございませんので、1年間を猶予として、この勧告ということで、更新を認めるというか、1年間経過を見るという形になるのかと思います。
 事務局、今の話でよろしゅうございますか。
○事務局(湯川) 事務局の湯川です。
 勧告について、座長のほうから御説明いただいたのですが、1年間というよりは、緩和ケア研修会を3月にウェブでやっていただくということを前提としておりますので、そういったところで要件を充足していただけるものと思っていますが、次回6月をめどに開催する検討会でそちらの確認をさせていただきまして、それでまだ要件が未充足であれば、指定類型の変更とか取消しというものを考慮することになるかなと思っております。こちらについては、資料1の説明を私がさせていただきましたが、スライド10枚目の絵のところ、少し説明を省略してしまって分かりづらかったと思いますが、こちらの一番下に勧告を行った場合の対応というところで、「次回検討会までに状況が改善しなければ、指定類型の見直し又は指定取り消しを検討する」と書かせていただいておりますので、そうご理解いただければと思っております。
○藤座長 ありがとうございました。
 資料1のスライド10とスライド11。スライド11で説明を受けたところはこの病院のことでございます。
 よろしゅうございますか。
  (構成員首肯)
○藤座長 ウェブで開催してくれればまたクリアできるということで、勧告がなくなるという形になるのだと思います。御質問ございますか。
 では、最後に参りたいと思います。これは今回が初めての出来事でございます。昨年の審査で特例型になっていた。そのときに指定の指針の中では、更新時において地域がん診療連携拠点病院の指定要件を充足していない場合は指定の更新を行わないと明記してございます。
 ここにある6病院は昨年特例型になったのだけれども、未充足項目は、そこに書いてございます2つないし3つ、ないしかなり未充足が多い病院もございますが、そのような未充足項目を充足させることができないという判断でございます。したがいまして、ここの病院は残念ですけれども、指定の更新を行うことができないという形になります。
 これについて御意見、御質問ございますでしょうか。村本構成員。
○村本構成員 村本です。
 確認で恐縮なのですが、先ほど地域がん診療病院を見たときに、山梨県で富士吉田市立病院が特例型から指定類型変更で地域がん診療病院にとありました。山梨県を見た場合、富士吉田市立病院は特例型から指定類型変更で地域がん診療病院へ。その一方で、市立甲府病院に関しては今回指定更新しないということで、恐らく山梨県におかれても十分に熟慮されて、どう振り分けするかというのを考えられたのだと思いますので、例えば福島県、富山県、鳥取県におかれては、同じ医療圏にほかの拠点病院があるということもあるのかもしれませんけれども、その辺りをよく考えられた上で、今回指定更新しないという結論に至ったのかどうなのか、判断に際してよく考えられた形跡があるのかないのか、その辺りは患者の利便性とも関わってくることでもありますので、確認をさせていただければありがたいと思います。
○藤座長 ありがとうございます。
 後で事務局に聞きますけれども、この6つの病院がある医療圏には地域がん診療も含めてほかに拠点病院がございます。だからこそ地域がん診療になれなかったというか、ほかにも病院があるから地域がん診療にならずに、指定が更新できないという形になります。
 ちなみに、1番の福島の病院ではプラス2つあります。2番がプラス1つ。3番がプラス1つ。4番がプラス1つ。5番がプラス2つ。6番がプラス1つ。別の病院がございます。もちろん、その地域においては交通のこととか考えると、どうしてもこの拠点は欲しいということもあるのかもしれませんが、都道府県とのやり取りの中で、そこを考えた上で取消しになるということについて、都道府県の意見というか、判断等は、事務局から何かございますか。
○事務局(湯川) こちらについては、まず一つ、文言として指定の取消しではございません。特例型について、更新時において地域拠点病院の指定要件を充足していない場合は、指定の更新は行わない、と指定要件の中で定められているというところでございます。 あとは、座長のほうから御説明いただいたように、同じ医療圏に既に拠点病院がございますので、先ほど地域がん診療病院のところで御説明いただいたように、特例型から地域がん診療病院への類型の変更ということは、現在の整備指針においてはできないということになっておりますので、これらを踏まえまして、指定更新せずという対応でいかがでしょうか、というところでございます。都道府県の判断で指定更新しないという結論に至ったというわけではございません。
○藤座長 ありがとうございました。
 「指定の取消し」と言ったらいけないのですね。
○事務局(湯川) そうですね。「指定の取消し」というのはまた別にございますので。
○藤座長 「指定の取消し」と言うと、言葉がちょっと違うことになるわけですね。
○事務局(湯川) 「指定の取消し」は医療安全上の懸念がある場合等に対象になりますので。
○藤座長 なるほど。「指定の取消し」というのは、医療安全で問題を起こしたとか、もうちょっとシビアな話になるので、失礼いたしました。「更新しない」ということで、訂正をさせてください。
 では、ほかに質問ございませんでしょうか。
 さくさくと進んでいるうちなのかと思いますが、では、資料2全体につきまして振り返ってみて、問題点、疑問点等ございましたら御質問、御発言をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 では、ないようですので、最後に資料2の内容について、構成員の皆様、御承認いただけますでしょうか。
  (構成員首肯)
○藤座長 ありがとうございます。
 では、このような形で指定の方針でいきたいと思います。
 これで審議は終わったのですが、最後に一つだけこちらから発言をさせていただきたいところがございます。お手元の机上配付資料1に載っていて資料2に挙がっていない点でございますが、都道府県から拠点病院に推薦があったのを拠点病院としては指定できないのではないかというところがございます。それは何かと申しますと、地域がん診療病院を地域がん診療連携拠点病院に推薦があったところがございます。ただ、2020年9月1日の時点でそこには放射線治療の実績がありません。ゼロでございます。にもかかわらず、都道府県から推薦されたところがございまして、これは整備指針の診療体制の中で、放射線及び薬物療法を効果的に組み合わせた集学的治療ができること、それから緩和放射線治療ができることが要件として入っておりまして、実績ゼロではここの要件も満たしていないという形でございますので、これを地域がん診療連携拠点病院として指定をするわけにはいかないという判断をしております。そこの医療圏は、もともとその病院が地域がん診療病院でございますので、全く空白の医療圏でもないということですので、今年は地域がん診療連携拠点病院として指定することはできないと判断をしております。
今のを御理解いただけましたでしょうか。
  (構成員首肯)
○藤座長 ということになります。
 ということで、各都道府県からの推薦に関して変更があった点ということの指定の許可とか否定ということも含めて、これで全部のところの審査が終わったという形になります。
 今回、本日以降の年度末までに書面による要件充足が確認できた病院には、本年度中にできたということで、1年間の指定にするという方針を一番最初に確認いたしましたが、これについての確認は事務局と私のほうで、まず書面をしっかり確認した上で、構成員の皆様に御報告して、最終的に1年更新ということを認めるというステップで参りたいと思います。
 以上で「がん診療連携拠点病院の指定等について」に係る検討は終了したいと思います。
 繰り返しますが、言い忘れたこと、質問したいことはございませんでしょうか。唐澤構成員、お願いします。
○唐澤構成員 ありがとうございます。唐澤でございます。
 今、先生がおっしゃったように、要件を満たさないのに都道府県が申請してきてしまうというのは、分かりにくい点があるのでしょうか。厚生労働省のほうでチェックシートみたいなものをつくってチェックして、これが全部満たされないとバツだよというのでもおつくりになったほうが、明らかに充足していないのを平気で出してくるというのは防げるのではないかなということを思いました。
 あと、要件の見直しということについて、次に向けて用意を我々もしていかなければいけないのではないかなと思いますので、その議論は引き続きこの会の後も続けていただきたいなと思います。
以上でございます。
○藤座長 ありがとうございます。
 今の点について、事務局はどうでしょうか。
○事務局(湯川) 事務局の湯川でございます。
 貴重な御指摘をいただき、ありがとうございます。唐澤先生おっしゃっていただいたように、都道府県のほうで御推薦いただくときにチェック機能のようなものがあればといった御意見も踏まえていければというところと、あとは、整備指針の解釈が難しいところがあるのではないかとも思っておりますので、そういったところは整備指針の改定に向けてこれから議論させていただこうと考えております。
 あとは、先ほど座長からお話しいただいたように、新規推薦の場合については、9月1日、現況報告の時点で要件を全て充足していることを都道府県のほうで確認いただいてというのが大前提でこれまでもやってきておりますので、そちらについてはいま一度ご確認いただければと思います。既指定の医療機関で未充足の要件がある場合は検討会時点まで見るというところと混同されているのかなと少し理解はしておりますが、新規の場合は推薦のときに指定要件を全て満たしていないといけないということをいま一度ご確認いただければと思っております。
 以上です。
○藤座長 ありがとうございました。
 今日を通してでも幾つかの点が疑問というか、ちょっと考えたほうがいいなという点もございますし、それの書きぶりであったり、なかなか難しい点もあるかと思いますが、そういう疑問というのは、診療提供体制のあり方検討会等々にまず認識をしてもらって、次期の指定要件を決めてもらう、整備指針をつくってもらうということをしていく必要があると思いますので、厚労省側としてもそのことを認識しておいていただければと思います。
 ほかにございませんか。木庭構成員、お願いします。
○木庭構成員 次回の審査、評価に向けて事務局にお願いです。コロナの関係ですけれども、拠点病院につきましては、茨城県だけではなくて、どこのところもそうだと思うのですが、濃淡はありつつも例外なくコロナ患者さんへの対応にはかなりの負担をおかけして、お願いをしているところです。次回の評価期間には、今、第3波の真っただ中で、何十床という病床をコロナの患者さんのために使っていただいている病院が本県でも多くありますが、がん治療にも待機、手術の延期とか、いろんな形で影響が及んでいる状況です。かっちりとした基準があるので難しい部分があるということを承知はしつつも、緊急事態ということで、診療実績を満たしていないということで機械的に落ちてしまうようなことがあると、現場で本来の専門性でないような医療を必死でやっていただいているドクターのモチベーションの低下にもつながりかねない部分がございますので、その点はぜひ配慮をお願いしたいなと思っております。
 以上です。
○藤座長 ありがとうございます。
 事務局、何かございますか。
○がん対策推進官 事務局でございます。
 まさに今回の現況報告書についても、現場の負担を考慮しまして、特に大きな変更がないところについては、その提出を省略するという形で対応させていただきました。
 当然次回の提出、まさに昨年、ちょうどコロナ対応のど真ん中というところで診療実績の低下ということは十分に予見できるところでございますので、その辺り、対応についてどうするか、コロナと併せてということで我々としても検討したいと考えております。
 また、具体的にこういうふうにしていただけるとというものがありましたら、ほかの構成員の皆様方も御提案などを具体的にいただければ、こちらのほうでも検討させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○藤座長 木庭構成員、ありがとうございました。
 コロナの程度とどこかで線を引くのでしょうけれども、常にまずそこを考えた上で線を引くという立場を取っていく必要があるのだと思います。
 ほかにございませんか。
 それでは、これで終了したいと思いますが、今後のスケジュールについて、事務局から説明をお願いします。
○事務局(湯川) 本日御検討いただきました病院につきましては、本検討会の結果をもちまして、所要の手続を経た上で、各都道府県に対して指定の通知を行う予定としております。
 また、本日以降、2月、3月に書面による要件充足が確認できるか、必要な病院につきましては、我々事務局と座長のほうで確認をさせていただきまして、構成員の先生方にお伝えさせていただこうと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○藤座長 ありがとうございました。
 本日はもう一点、参考資料4を御覧いただければと思います。村本構成員よりがん診療提供体制の患者への周知に関して御意見があるということでございますので、お聞きしたいと思います。
 では、村本構成員、よろしくお願いします。参考資料4でございます。
○村本構成員 村本です。ありがとうございます。
 現下の新型コロナウイルス感染症拡大の中でのがん診療提供体制等の患者への周知につき、本検討会の患者を代表する構成員として、私から意見書と関連調査資料を提出し、参考資料4としていただきました。
 ポイントを御説明します。意見書は、今回、がん診療連携拠点病院の各病院に以下2点を要望するものです。1点目は、現下の新型コロナウイルス感染拡大の中でのがん診療提供体制について、患者・家族等に対しホームページ等での周知を広く行うこと。2点目は、患者・家族に対し、主治医を中心とした医療スタッフから患者・家族の自己判断による治療の中止等を行わないよう働きかけること。この2つです。
 要望に至った背景は3つあります。まず、一般社団法人CSRプロジェクトが昨年10月に実施した「新型コロナウイルス感染症拡大が及ぼしたがん患者への影響調査」の結果を踏まえてです。この調査はサンプル数310名で、細かく見ていくと、少ない人数にはなりますが、私はがん患者の実態の一端を表していると考えます。調査結果の詳細は、後ほど参考資料4の後半を御覧いただきたいと思いますが、感染拡大の状況下にあって、私が特に重要と受け止めた点は3つです。がん患者の中で受療計画を変更している人が一定数いること。受療内容に変更を生じた人のうち、自己判断で変更した人が少なくないこと。また、新型コロナウイルス感染拡大の予防策の情報源はテレビやネットが多く、医学系学会や医療機関の情報は残念ながらあまり活用されていないこと。こうしたことが示されており、医療機関はもとより、がん患者にとっても極めて大きな影響を受けていると認識しております。
 次に、「がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針」に照らしますと、連携拠点病院の指定要件の中で、情報提供・発信に関連する事項がそれぞれ定められており、特に都道府県拠点病院においては、都道府県における情報発信を含む診療機能強化も定められています。これらは患者が診療を受けようとする上で極めて重要な点であると考えます。
 最後に、現下の新型コロナウイルス感染拡大の重大な局面の中でも、各がん診療連携拠点病院においては甚大な御苦労をされながら、がん診療提供の維持・継続に懸命に努めていただいていると重々承知しております。一方、緊急事態宣言下においても「通院」は必要な外出・移動とされてはいますが、がん患者・家族の側は不安や混乱を抱え、影響を受けやすいメディア情報に基づく自己判断で受療継続を変更しがちな点が少なからずあり、医療者の皆様も懸念されるとおり、受診控えによるがん発見・治療の遅れや病状の進行にますますつながりかねないことを懸念しております。
 病院によっては、自施設のがん診療提供体制を分かりやすく発信されている例もありますが、現下の状況だからこそ、患者・家族側の自己判断による行動に至らないよう、各がん診療連携拠点病院に対して今回の要望を申し上げる次第です。どうぞよろしくお願いします。
 私からは以上です。
○藤座長 貴重な御意見をいただきありがとうございます。
 これに関しまして、まず事務局、いかがでしょうか。
○がん対策推進官 事務局でございます。
 本当に貴重な御意見ありがとうございます。私たちとしても、もちろんコロナ対策というのも重要ですが、がんによる死亡が増えるということも避けなくてはならないと考えております。ですので、自らの判断で自己中断をしてしまうといったことは避けていただけるよう周知を進めていきたいと考えております。そういった中で、拠点病院等の皆様にそういった周知のお手伝いをしていただくということは一つやり方として十分あることかなと考えておりますので、そういったことも含めてさらなる周知ということで、いただいた提案も含めて、我々としても何かできることがないか検討したいと考えております。
○藤座長 ありがとうございます。
 実際に皆さんお感じになっておられると思いますが、後でデータも見ていただければ分かるように、受診抑制が起こっているという認識、我々現場の人間はよく分かっていると思います。まず、検診そのものが中断してしまったので全然いなかったのですが、今は検診が再開しているにもかかわらず、検診の施設等に聞きますと、コロナ前の70%しか検診を受けられていないということもあるようでございます。これは福岡県だけかもしれませんけれども。そういうことになると、進行した状態で見つかるという患者さんが当然増えてくるということもございます。それから、フォローアップ中の人も病院に来たくないという気持ちでフォローアップに来なくなるということも実際に経験をしております。我々はこういうことを認識はしているのですが、今、村本構成員がおっしゃったように、それを我々が情報発信をしているかというと、そこまで考えていなかったなということがひょっとしたらあるのかもしれません。ですから、これを機会に、今日傍聴の方もいらっしゃると思いますけれども、一人一人がそういうことがないようにという周知をしていくということが大切だと思いますし、これは拠点病院だけではないのですが、少なくとも拠点病院ではそういうことをホームページに上げたり、ドクターが一人一人言うような行為をする。例えば情報発信の中で、初診の人には、初診のときの担当医師が「仕事を辞めないでね」と言うというようなムーブメントが起こっておりますけれども、その中で、現在は「また来るときに勝手に自己判断で来ないようにしないでね」とか、「この病院は安全だからね」ということを言ってあげるムーブメントを起こさないといけないということですので、これは厚労省として何らかの形で少なくとも都道府県拠点病院には周知するような働きかけをしていただければと思います。
 例えばがん対策推進協議会でも話す。具体的には都道府県がん診療連携拠点病院の連絡協議会というのがございますので、それも地域がんはおりませんけれども、そこで厚労省がいつもコメントをしていただいておりますので、そこでも周知をして我々にはっと気づかせていただく。草の根的かもしれませんが、そういう活動をしていく必要があるのではないかと。今、村本構成員の御意見を聞いて私自身もはっとしたところでございます。
 これについて、現場でされている横川構成員、何かございますか。
○横川構成員 ありがとうございます。
 私たちも今、コロナのほうの対策が組織でもすごく大きな動きになっているので、なかなかがんのことは発信しづらい部分もあったりしている中、このように資料を頂きますと、組織にも働きかけられますし、情報連携部会というのが各県にもありますので、その中から県全体にも発信できるのかなと思いましたので、本当に貴重な資料を頂いて感謝申し上げます。これを自分の組織にもですし、近々ある情報連携部会にも県内全体で周知しようというふうに働きかけられるなと思いました。
 以上になります。
○藤座長 ありがとうございます。
 ほかにございませんか。伊藤構成員。
○伊藤構成員 伊藤でございます。大変貴重な意見をいただいてありがとうございました。
 今、ちょっと気になっていることがありまして、それは何かといいますと、一般の市中病院、特にがん拠点になるような中核病院でコロナを収容せざるを得ない、コロナの診療に当たらざるを得ないことから、特に入院診療が制限されつつあります。現状として大都市では救急搬送が受けられない状況が現実に起こっています。そういう状況ががんの治療に何らか影響を及ぼしていることはないのかということを一度しっかりと調査をしませんと、第3波で終わればいいのですが、次の第4、第5ということが起こってくると、がんの治療を患者様の都合で中断されるということではなくて、病院側がその治療に当たることができないということが起こり得るということを考えると、がんセンターなどは積極的なコロナの受け入れは難しいと思いますが、がんの治療に当たる中核病院などはコロナの受入制御を前もってするということも対策としてあり得るのかと思っていまして、ぜひそういう調査をした上、何らかの対応策を取っていただきたいと思っています。
 以上です。
○藤座長 ありがとうございます。
 実際に今回、診療の自己抑制、延長が起こっているというデータをこうやって出されますと、やはり考えないといけないというきっかけにもなると思いますので、そのほかに具体的にデータとして本当に抑制が起こっているのだ、がん診療にも大きな影響が及んでいるのだということの調査をするという認識をしっかり持っておかないといけないと思います。
 事務局、お願いいたします。
○がん対策推進官 ありがとうございます。
 我々としてもコロナにおけるがん診療の影響というのは調査をしていきたいと考えております。ただ、それを見る際に、またこれから対策をしていく際に、どういう点をポイントにしていくのか。恐らくいずれにおいてもできる限り全体としての死亡者を減らしていくという形になるのかなと考えておりまして、ですので、単にがん診療の数、実態が減っているから駄目だというふうに言っていくと、なかなか両立が難しくなってくる可能性はあるというところですので、計画的に診療の回数を減らしたり、そういうことはあり得ると考えておりまして、そこの辺りの違いをどう見ていくのかという辺りは非常に難しい点だと考えておりますが、いずれにしても何らかの形で実態の把握ということは私たちとしても進めていきたいと考えております。
○藤座長 ありがとうございます。
 厚労省だけではなくて、医療現場の声を聞いて、何をはかっていけば短期的な影響が分かりやすいか。長期的には5年生存率が5年後には下がったということにならないことを願いますけれども、今やらないといけないことを現場の声を聞きながら項目立てをしていって、システマティックに検査ができるようになればいいのかなと考えました。
 ほかにございませんか。中村構成員、何かございませんでしょうか。
○中村構成員 ありがとうございます。とてもすばらしい意見だったと思います。
 がん拠点病院でありながら、多くの病院はコロナ患者を受けざるを得ないという現状があります。それは県や各方面からも受けてほしいという要請がある中で受けざるを得ないというのも現状なのです。先ほど伊藤構成員がおっしゃったように、これからコロナ自体、また、コロナに代わる様々なこういった感染症の問題が起こってくることによって、患者様方の病院の受診抑制とか、本来見過ごしてはいけないがん患者さんたちの定期的なフォローアップができなくなるような事態は患者様方の問題、それから病院側としてそれを受けることができなくなる、そういう事態に関しても今後話し合ったり、実際にそういったデータを取っていきながら検証していく必要があると思っています。
○藤座長 ありがとうございます。
 村本構成員、手を挙げられましたか。どうぞ。
○村本構成員 村本です。皆様、ありがとうございます。
 今、現状として各病院におかれてはコロナ対応のさなかでのがん診療も大変厳しい状況だと思います。ただ、厳しい状況の中だからこそ、それでもなお安心して来てくださいなのか、あるいは一部制約が出ているので診療科に確認をお願いしますなのか、大切なことは、そうした状況を患者の想像力に委ねることではなくて、正しい事実を患者にきちんとお伝えいただくことだと思います。どうしても患者・家族は不安や混乱を抱えているので、ともするとよくないほう、安全なほうに判断が行きがちですので、皆様におかれましても正しい情報をお伝えいただくように、ぜひよろしくお願いします。
○藤座長 ありがとうございました。
 では、その他、全体を通してございませんか。
 では、最後に事務局からほかに連絡事項等ありましたら、お願いいたします。
 では、特にないようでございますので、これにて本日の検討会は終了したいと思います。貴重な御意見をたくさんいただき、ありがとうございました。これで終了させていただきます。ありがとうございます。
 

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健康局がん・疾病対策課

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