令和3年2月26日 第52回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和2年度第12回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和3年2月26日(金) 14:00~15:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより第52回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」及び令和2年度第12回「薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」の合同会議を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、ご出席いただき、ありがとうございます。
まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方についてご連絡させていただきます。
ご発言される場合は、まず名前をおっしゃっていただき、座長から指名されてからご発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですので、タイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージまたはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。
現在、副反応検討部会委員9名のうち9名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
また、健康局長の正林は、公務のために欠席でございます。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、ご協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして、留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。
留意事項に反した場合は、退場していただきます。
また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡委員 よろしくお願いいたします。
それでは、まず、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、御報告をお願いします。
○事務局 審議参加について、ご報告いたします。
本日、ご出席された委員、参考人の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただきました。
本日の議題において審議される品目は、新型コロナワクチンであり、その製造販売業者はファイザー株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。
各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、ご確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、全ての委員において、ファイザー株式会社より50万円を超える受け取りはございませんでした。
なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、各委員より申告いただいておりますので、この場でご報告いたします。
石井委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取り、柿崎委員はMSD株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取り、宮川委員は第一三共株式会社及び武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○岡委員 ありがとうございました。
次に、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1~2、参考資料1~5になります。
不備等がございましたら、事務局までお申し出ください。
○岡委員 それでは、資料1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等について」事務局からご説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
資料1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等について」をお開きください。
「1.接種状況について」ですが、新型コロナワクチンの接種は、2021年2月17日から開始されまして、昨日25日までにV-SYS(ワクチン接種円滑化システム)を通して報告された接種実績数は2万1896回でございました。なお、この実績数には、後ほど伊藤先生よりご説明のある先行接種健康状況調査の対象となっている方の接種も含まれております。
2つ目に「副反応疑い報告の報告数について」ですが、2月17日の接種開始後、昨日までに医療機関から3件の副反応疑い報告がございました。
症例の概要については、3枚目の別紙にございまして、皮膚及び口腔内アレルギー反応1例、冷感、悪寒戦慄1例、脱力(手足が上がらない)、発熱が1例の計3例でございます。いずれも症状は回復しております。
2ページ目に行きまして「3.副反応疑い報告の今後の公表方針について」ですが、現在、副反応疑い報告の報告数及び症状名については、最初の副反応疑い報告事例について、迅速な情報提供を図るという観点から、毎日接種状況と併せて厚生労働省のウェブサイトにおいて公表させていただいております。
一方、今後は以下の取扱いにしてはどうかといったことでご審議いただきたいと考えております。
死亡・アナフィラキシー事例の公表方針については、まず、最初の事例が発生した場合、それぞれ発生が判明した時点で速やかに公表を行うとともに、直近に開催される合同部会にて評価を行います。この取扱いは、初事例が報告されてから直近の合同部会の開催までの期間とさせていただきたいと考えております。
上記の合同部会でそれぞれ一度評価を行った以降は、発生時ではなく、それぞれの合同部会のたびに死亡・アナフィラキシー以外の報告事例と併せて公表することを原則とすると考えております。
また、死亡・アナフィラキシー以外の事例の公表方針につきましては、今回の合同部会以降は、合同部会のたびに公表を考えております。
なお、仮に未知の事象が高頻度に報告された場合等については、別途検討を行います。
よろしくお願いいたします。
○岡委員 それでは、ただいまの事務局からの御説明のうち、まず全般のワクチンの接種状況と具体的な副反応疑い報告例に関してという点について、ご質問、ご意見等をお願いいたします。
いかがでしょうか。
2万1000回の接種の中で、主治医が重篤と判断したのが3例だったというご説明だと思います。
よろしいですか。
資料を拝見しますと、転帰のほうも回復となっているということで、詳細については、今後、さらに調べていただけるということになるかと思います。
柿崎委員、ご発言をお願いいたします。
○柿崎委員 新聞とかの報道を見ますと、例えば5,000人打たれて、副反応疑いの報告が3例あったという報道のされ方をするのですけれども、確かにそれ自体は正しいことだと思うのですが、実際には報告基準に合致した報告が3例あったということで、一般の方々には副反応が3例だけだったという誤解を与えるのではないかと思うので、報告基準に合致した症例が3例あったということが伝わりやすい報道にしたほうがいいのではないかと思います。
○岡委員 ありがとうございます。発熱等については、ここには含まれていないのだというご指摘かと思います。
そのほかにいかがでしょうか。
○事務局 柿崎先生、ご意見ありがとうございました。
報告基準に合致したものが3例ということになりますと、それ以外は集めていないように思われてしまいます。副反応疑い報告基準はあくまで一つの目安でございまして、そのほかにも、その他の反応といった項目で広く集めております。実際、今回上がってきております3例は、アナフィラキシーの項目でなく、その他の反応として報告されており、蕁麻疹であったり、悪寒戦慄であったりと広く集めており、副反応疑い報告制度がきちんと機能しているという点で評価できるのではないかとも考えております。
また、先生のご指摘のとおり、この制度は発熱や接種部位の反応、倦怠感等を集めることを目的としておりません。そういった症状については、別の健康状況調査等もございます。また、伊藤先生に実施頂いている先行接種調査で調査していただいておりますので、速やかに情報提供できるような形で進めたいと考えております。
○岡委員 ありがとうございます。
その部分について、またこの後で伊藤先生からご説明をいただけるかと思っております。柿崎委員、ご意見ありがとうございました。
濱田委員、よろしくお願いします。
○濱田委員 副反応疑い報告様式が厚労省のホームページに載っておると思うのですけれども、結局、この3例は、これを提出した医療機関からの報告と考えてよろしいのですか。
○岡委員 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 御指摘のとおりでございます。
様式に書いてございますが、アナフィラキシー、その他ということで幾つか報告を求めている事項もあります。それから、それ以外にも入院程度の重症といったことについて報告を求めておりまして、その報告制度に基づいて報告が上がってきたものということになってございます。
○濱田委員 分かりました。どうもありがとうございます。
○岡委員 よろしいでしょうか。
そのほかにいかがでしょうか。
○岡委員 では、伊藤委員。
○伊藤(清)委員 先ほど柿崎先生がおっしゃったことと同じことなのですけれども、こういう基準で報告を受け付けた結果、これが上がってきたと。資料の2番にある「副反応疑い報告の報告数について」にそれを併せて記載していただいたほうが誤解を与えないのではないかと思うのですけれども。ほかの資料を見れば、どういう基準かというのが分かるにしても、入院をされたとか、そういった基準がはっきりと分かる形での公表のほうがいいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○事務局 ご意見ありがとうございます。
公表については、こういった副反応疑い報告の制度があって、その制度の下で3例の報告があったといった形で、今後、情報提供できるような形で進めたいと思います。ご意見ありがとうございました。
○岡委員 ありがとうございました。
そのほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
この後の調査のほうの伊藤先生のご発表の中でも関連したことがあると思いますので、またそのときにご一緒にいただければと思いますけれども、発表の仕方については工夫をしていただいてというご意見があったかと思いますので、その辺りはよろしくお願いいたします。
そうしましたら、今回、報告のあった具体的な事例を踏まえて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうかということについてですけれども、まだ接種が始まって2万1000件ということですが、何かご意見はございますでしょうか。
特段の御意見がなければ、今回は例えば予想外の重篤な何らかの有害事象が起こったということではないと思いますので、ご審議いただきましたこのワクチンについて、これまでの副反応報告によって、安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡委員 では、御承認いただいたということで、進めさせていただければと思います。
さて、続いてですけれども、先ほど御説明がありましたが、2ページ目の「副反応疑い報告の今後の公表方針について」ということで、これについて何かご意見、ご質問等はございますでしょうか。ぜひ積極的によろしくお願いいたします。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。多屋です。
今回は、新しいワクチンということで、ここまではリアルタイムにプレス発表などもされてきたと思うのですけれども、この部会自身が比較的頻回に開かれると伺っておりますので、この部会が開催されるときにそこまでの報告がまとめて報告されて、ここで審議されるという形がよろしいのではないかと思っているのですが、いかがでしょうか。
○岡委員 今回の2ページ目に書いてある方針はそういう方向性なのかなと思いますけれども、それでよろしいのではないかというご意見かと思いますが、ほかの委員の先生方、いかがでしょうか。
もちろん、国民の皆さんが非常にご心配されていることは分かりますけれども、逆に伝え方によっては、誤った印象を与えてしまうと思いますので、その辺りをちゃんと考えた上でということだと思いますが、どなたかいかがですか。
長谷川委員、よろしくお願いします。
○長谷川委員 優先して公表していくという点では、死亡・アナフィラキシーという重大なものを優先していくことが重要だと思います。その方針でいいと思います。
ただ、そのほかのものに関しても、ある一定程度まとまった段階で公表できるシステムがあったほうがよろしいかと思います。
以上です。
○岡委員 ありがとうございます。
長谷川委員、例えばこの部会が1~2週間に1回と言われています。そのぐらいのスピード感ということでよろしいでしょうか。
○長谷川委員 1週間に1回が適当かどうかというのは、むしろ今後、どれぐらいになるかという数にもよってくると思いますけれども、その辺を検討してということがいいかと思います。
○岡委員 ありがとうございます。
そのほかにいかがでしょうか。
森尾委員、お願いいたします。
○森尾委員 付随してですけれども、ここに「未知の事象が高頻度に報告された場合は別途対応を検討」と書いてございます。こちらは、部会のスケジュールによらず、緊急開催もあるという理解でよろしいでしょうか。
○事務局 はい。そのとおりでございます。
この1~2週間に1回しか評価しないのではなくて、まずPMDAに届いた後は、PMDA、そして厚労省、感染研でリアルタイムにモニタリングを行っております。そうした中で何か起これば、すぐに対応できるよう体制を整えております。決して1~2週間先延ばししているということではなく、常にリアルタイムのモニタリングが行われていて、そこで何かの事象が疑われた場合については、緊急開催等も検討させていただくといったことでこのような記載にさせていただいております。
○森尾委員 ありがとうございました。
○岡委員 そのほかにいかがでしょうか。
先ほど多屋委員から御発言があったように、合同評価部会は結構頻回に開かれますので、その都度ということで、ただ、ここに書かれているのは、この方針は、死亡・アナフィラキシー事例の速やかな公表を最初のときだけはしましょうということですか。それは皆さんに注意喚起をするという意味で、最初の1回はそのようにして、それ以降は、合同評価部会で評価したものを出していくということで、しっかりとした説明をしていくという理解でよろしいですか。
という方針だと思いますけれども、何かご意見がなければ、この方針で進めていただければと思いますが、よろしいですか。
では、佐藤委員、どうぞお願いします。
○佐藤委員 少し先の話になるとは思うのですが、今、1回目の接種をしている段階で、2回目の接種が2週間後に始まると思うのですけれども、当面は1回受けた方、2回受けた方ということで、情報は分けて出していかれるのでしょうか。
○事務局 お答えいたします。
現在は3件ということですので、このような表でお示ししておりますが、またもう少しデータが集まってきましたら、表の形での集計のようなものも出していきたいと考えております。
接種回数についても、ご指摘いただきましたとおり、重要な点と考えておりますので、1回目がどれぐらいあったとか、2回目がどれぐらいあったというのもお示ししていきたいと今考えております。
○佐藤委員 分かりました。よろしくお願いします。
○岡委員 宮川委員、よろしくお願いします。
○宮川委員 宮川です。
公表に当たっては、正確な情報をもってしっかりとした中身が担保されないといけないわけです。こういう新しい事象は、とかく誤解を受けやすかったり、風評を生みやすかったりすることがありますので、先ほどお話しになったように、しっかりとした構築をもって公表していくというふうにしないと、国民の理解を得られないと思いますので、ぜひそのような方針で行うことが正しいかなと私も思います。
以上です。
○岡委員 そのほかにいかがでしょうか。
そうしましたら、迅速な公表ということはあると思いますけれども、この部会できちんと評価した情報を出していくという方針でということで、あと、未知の事象が高頻度に報告されたといった場合には、先ほどご質問もあったように、別途迅速に対応するという方針だと思いますが、ご承認いただけますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡委員 それでは、承認いただいたということで、進めさせていただきます。部会として、事務局提案のような方針で了承したということで進めさせていただきます。
それでは、次の議題ですけれども、資料2「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)」について、代表研究者をお務めいただいております伊藤委員からご説明をお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。伊藤でございます。
今回の「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)」について、御説明させていただきたいと思います。
1枚目に書かせていただいておりますが、分担研究者として楠先生、土田先生、金子先生、事務局として飛田先生に御協力いただいて、順天堂大学の臨床研究・治験センターで事務局をしながら実施しているところです。
2枚目をご覧いただきますと、この調査の目的を書いていますが、リスクコミュニケーションの一環として、治験と同様の手法で今回、1~2万人の安全性情報を収集し、この合同会議ですけれども、厚労省の審議会を通じて、国民の皆様に本ワクチンの安全性情報を発信することを目的としております。免疫を惹起することに伴う発熱とか倦怠感などの副反応の情報を正確に把握し、医療機関の業務と両立したワクチン接種が遂行できるようにするための情報発信と思っております。
調査内容は、このワクチン接種者の最終接種4週後までの安全性の評価です。最終接種4週後とは、2回目接種の28日までで、体温とか接種部位反応、全身反応だけではなくて、2万人という大人数を対象にするのは、副反応疑いとか重篤な有害事象(因果関係問わず)のコホート調査による頻度調査が主たる目的だと思っております。
2万人を調査いたしますと、6,700人に1人発現する副作用を95%の可能性で捕捉できますから、そういう意味で、それぐらいの頻度の副反応については、この調査に入ってきて、データベースが構築できるだろうと期待しています。
ワクチン被接種者を対象とする前向きな観察研究として実施しております。これはあくまでもワクチンを接種された方を対象にしておりますので、その方に対して同意をいただくということでございます。
3ページ目は、前回、厚労省からご報告させていただいているポンチ絵でございます。こういった形で1回目接種後、2回目接種後に観察日誌をつけていただいて、それを回収するという枠組みだということですが、それをもう少し詳細に説明させていただきたいと思います。
4ページ目をご覧いただきたいと思いますが、今回のコホート調査の実施体制です。
3つの独立行政法人が参加する調査ですので、臨床研究中核病院である順天堂大学に研究事務局を置いております。
この調査は、一にも二にも迅速で、かつ欠落のないデータを収集することを目的としておりますので、ワクチンの医師主導治験で使用しました「Forum PLUS」というエレクトリック・データ・キャプチャー(EDC)を含んだ臨床研究情報共有プラットフォームを使っております。
本研究は、人を対象とした医学系研究に関する倫理指針に準拠する観察研究ですので、SMOの倫理審査委員会、未来医療研究センターで倫理審査を受けております。
2月3日に条件付承認を受けておりますが、2月14日の特例承認とか15日の予防接種・ワクチン分科会による副反応疑い報告基準や予診票の確定をまって、16日に最終的な承認を得ております。その後、各施設の院長承認を得て、17日から100施設で調査を開始するという綱渡りでスタートしています。
昨日13時の接種済みの被接種者までを調査対象者とさせていただいておりますが、全体として、NHO(国立病院機構)が1万2200例、JCHO(地域医療機能推進機構)が5,600例で、労働者健康安全機構が2,000例の約1万9800例でのコホートが昨日完成いたしました。以前より報道されております接種希望者4万人のうちの残り2万名は、医療従事者優先接種対象者となる予定です。
コホート調査の対象者のうち、同意をいただけた方に関しては、ファイザー社の製造販売後調査の対象となる予定になっております。具体的なプロトコルはまだフィックスしていないと伺っておりますが、約2万人の被接種者の今後1年間の安全性の情報について収集していくという枠組みだと聞いております。
次のページをおめくりいただきますと、研究における個々人の調査の流れですが、この研究では、当初は2回目の接種のときに日誌を回収してと思っておりましたが、こういう時代ですので、できるだけ早くデータを収集したいということで、1回目のワクチンを接種して、その後日誌を書いていただくのですけれども、日誌を7日分書いていただいた段階で8日目に回収します。その後、2回目の接種時に9日から21日までの部分について、何か有害事象がおきたかどうかを回収するということで、被接種者の人たちには全部で5回データを書いた紙を事務局のほうに持ってきていただくという状況になります。先週接種された1日目が22人なのですけれども、昨日確認したところ、今のところ21人の日誌が回収できているというところですので、今後、1週間後に大体1万9000人の人たちの接種したデータが回収され始めるので、1週ないし2週後には日誌の情報についてもお伝えできるのではないかと期待しております。
6ページ目ですけれども、これがコホート調査に用いております「Forum PLUS」のトップ画面です。
ご覧になってわかるとおり、このプラットフォームの中で、この画面を通してほぼ全ての情報を提供し、情報の共有をし、安全性の情報、先ほど来、出ております副反応疑い情報についてもこの中で共有させていただいています。研究計画書とか日誌などもここからダウンロードしていただいて、各施設に配るということで、研究としてお渡ししている体温計とスケール以外は、ここから取っていただいています。
次のページをおめくりいただきますと、EDCの画面の問診票の1回目の調査の内容です。ほぼ予診票の内容を取り込んでおりますので、後ほどご説明させていただく形でデータが収集できる形になっています。
8ページ目の健康観察日誌を印刷していただいて、各被験者にお持ち帰りいただいて記載していただき、1週間後に提出していただくことになってございますが、ここに書いております「発赤」とかの何センチメートルかというのはそのままなのですけれども「疼痛」とか「熱感」「かゆみ」の基準は、従来から医師主導治験の際に使っている基準です。ですので、統計学的な解析はいたしませんが、新型インフルエンザのワクチンと比較することが可能だろうと思っていますので、そういった情報も含めて皆さんのところに提供できるのではないかと思っております。
また、例えば副反応で予定外に勤務ができなかった場合などについては「その他の症状」に「病休」と入れていただくことを考えておりますので、1回目はあまり問題にはなっていないかと思っておりますが、2回目接種後の発熱とか全身倦怠感で実際に勤務ができなかった人についてのデータも取れる予定にしています。
9ページ目が、今回の副反応の報告制度に基づく報告のスキームです。
今回、副反応疑い情報は、一度研究事務局でデータを頂いた上で、PMDAに提出する処理をしています。報告基準に合致しないものについても幾つかの報告をいただいていますが、これについては事務局でEDCに入力してくださいとお願いしたものもあります。その結果、PMDAに報告すべきとなったものが3件だったということです。
10ページには副反応疑いの報告書の書式を具体的に示しておりますが、この部分については、PMDAの書式をそのままいただいて、PMDAに報告いたしています。
11ページをご覧いただきますと、重篤なAEのことについて書いてありますが、これは観察研究の形を取っておりますが、医師主導治験と全く同じフォーマットで皆さんからデータを頂いております。ですので、因果関係がないと接種を実施された医師が判断したものについても一応全部集めてみて、将来的に、その2万人の中の重篤なAEが、後になってみるとやはり副反応でしたということがないような集め方をすることにしております。最終的な報告の中では、因果関係がないとされた重篤な有害事象に関しても取りまとめた上で、資料としてご報告させていただく予定にしています。
12ページが、研究事務局への副反応疑いの報告フローです。治験のときのSAEと少し違いがあるので、こういったフローを使って、研究実施施設に説明させていただいております。
まず、何らかの有害事象が発現したときに、アナフィラキシーと副反応の重症度評価基準記載にありますけいれんとかギラン・バレー、ADEMとかの12疾患に該当するかどうかを判断していただきます。該当したものについては、症状の程度、入院するとかしないとかを問わず、必ず副反応疑いの報告書として提出してくださいとお願いしております。この疾患に該当しなかった場合は、予防接種法上のSAE報告基準に該当するか、具体的には、入院あるいは、死亡または永続的な機能不全を陥るおそれがある場合のもので、かつ予防接種を受けたことによると疑われる症状で因果関係があると判断されてたものは副反応疑い報告書として提出してくださいとお願いしております。これが今回提出されている3件に当たるものです。
それ以外のものに関して、因果関係のないものについても報告してくださいとお願いしております。入院されていない、程度として重篤ではないと判断とされたものについては、EDCで日誌と同様のところに入力していただくようにしておりますので、それについては別途整理をした上でご報告をさせていただく形になると思っています。
1週間の被接種者数の登録結果を13ページに書いております。22日に大体2万人に到達しそうだと思われましたので、22日の夕刻には25日にほぼ登録が終了しそうですと実施施設にお伝えしています。昨日の15時現在に入力されたケースが1万8794名で、その後、全部集まってきた段階では、現在1万9800例が入力されている状況になっております。
14ページをご覧いただきますと、こういった形で整理しているのがお分かりいただけるかと思いますが、年齢分布は、20代、30代、40代、50代がほぼ20~25%程度になっておりまして、男女比は66%が女性で、男性が34%でした。職種は医師が17%、看護師が46%という状況でございます。
主な治療中の疾患についてはどんな方がということについてチェックボックスでベースラインを取っておりまして、高血圧とか脂質異常症、糖尿病がこういった頻度になっています。
それから、既往症では、気管支ぜんそくと悪性腫瘍の既往がある方についてはどれぐらいというのを一応データとして取っています。
15ページに書かせていただいておりますけれども、開始から1週間、17日から先行接種対象者を対象に接種開始しており、現在、1万9800人の被接種者が接種されて、コホート調査に登録されています。
被接種者は20代から50代がそれぞれ21~25%程度で、60歳以上が8.6%、それから男性が34.2%という状況なのと、65歳以上が540名いらっしゃいますので、こういったデータに関しては、高齢の人たちの参考になるように、65歳以上の人たちのデータについても取り分けて、発熱とかそういったデータの解析ができるのではないかと思っています。
接種後の副反応疑い3例については、PMDAに報告したとおりでございますが、一番問題になりますアナフィラキシーはゼロ例でした。。
報告は以上でございます。
○岡委員 ありがとうございました。
何かご意見、ご質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
今までのところ、非常に順調かと思います。
舟越委員、よろしくお願いいたします。
○舟越委員 舟越です。大変貴重な資料をありがとうございました。
4ページ目のスライドで、確認なのですけれども、今後出てくるワクチンにもこのプロトコルは適用させていく予定なのでしょうか。そこにどのワクチンが当たるか分かりませんみたいな一文が書いてありましたので、このプロトコルは、未承認なので、まだ情報としては出ないと思いますけれども、今後出てくるものもこういった形で対応していく予定かというのを一つ確認させていただきたい。
○岡委員 いかがでしょうか。
○伊藤(澄)委員 この点は厚生労働省からお答えいただいたほうがいい案件だと思っておりますが、このコホート調査が企画された時期は、3つのワクチンがいつ、どのような形で承認になるかというのが分からない時期に立案されております。
医療従事者の優先接種が全部終わった後に次のワクチンが出てくると、このスキームがなかなか使えないと思っておりますが、私の承知する限りにおいては、医療従事者を対象とするかどうかは別にして、先行接種のような枠組みについて、ほかのワクチンについても評価しなければいけないと認識しています。それに合わせて枠組みについてはまた何らかの形でつくっていくと思っています。
○舟越委員 そうですね。諸外国と同じように、しっかりとしたデータを出すのであれば、ほかのワクチンのときにも適用できたらいいのかなと思いまして、質問させていただきました。
もう一つは、この先行接種のプロトコルに観察研究を合わせて、この後に企業の製造販売後調査、1年間の調査に移行すると思うのですけれども、同意のタイミングは、2回目の接種が終わったタイミングで同意を取られるのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 はい。そのとおりです。
この調査の開始の段階で製造販売後調査が後ろに来ることはお伝えしています。接種が終わった後、この観察研究に入っていただく当初の段階でそういう情報提供をしており、この枠組みの中で製造販売後調査に対して同意いただけるかどうかというチェック欄は日誌の中に既に入っておりますので、そこにチェックいただいた方に対しては、ほぼ自動的に企業が製造販売後調査を進めるような枠組みになろうかと思っております。それについては、最初からシームレスになる形でつくり込んでおります。
○舟越委員 ありがとうございます。
治験でもフェーズ2からフェーズ3に移行するときとかに、その後継続的に行うことを断る方もある程度いらっしゃるので、できたらこの1万8000人がちゃんと全部、疫学的にも取れるような調査になればいいのかなと思ったので、発言させていただきました。ありがとうございました。
○岡委員 ありがとうございました。
そのほかにいかがでしょうか。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 大変貴重な調査だと思っております。
ここで伺いたいのは、8ページの健康観察日誌で、服用した薬剤を書く欄があるのですけれども、一つは、接種前に、痛かったり、熱が出たらこういう薬を飲んだほうがいいということを何か事前に言われているのかということ。また、この書き方だと、何日飲んだというより、薬の名前を直接書くと理解してよろしいのでしょうか。その2点をよろしくお願いいたします。
○岡委員 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤(澄)委員 この研究班のグループの中では、東京医療センターで先行接種のモデル接種プログラムをつくって配っております。その中では、海外と同様にアセトアミノフェンを推奨というか、それを配るのも悪くないということを書いておりまして、実際、東京医療センターでは、アセトアミノフェン500ミリグラムを接種のときに4錠渡しております。多分、1回目は問題にならないと思うのですけれども、国内の試験では2回目の接種のときに37度5分以上の発熱が30%を超えて出ていますので、そういうときに必要になろうかと思っております。
結論から申し上げますと、副反応のために飲んだ薬に関して書いてくださいということを集計するつもりでおりますが、その量に関しては、集計して層別化するのは多分難しいと思ったのと、この調査票をご覧いただいて分かるとおり、できるだけ簡略に、入力に際して医療機関に負担がかからない形でつくっております。製薬企業とも製造販売後調査のことで多少相談いたしましたけれども、飲んだ薬の名前だけで投与量とか回数に関しては必要ないと了解を取りましたので、こういう形にしております。
個別の症例の詳細なものを取るよりは、まずは早く集計して、皆さんのところにお届けしたい。そのためには医療機関の負担を最小化したいということで、こんな形でつくったと御理解いただければと思います。
以上でございます。
○濱田委員 分かりました。どうもありがとうございます。
○岡委員 ありがとうございました。
お2人手が挙がっていますので、まずは伊藤委員からよろしくお願いします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
14ページで、治療中の疾患をチェックボックスの形でご回答いただいたということで「その他」が結構な人数がいらっしゃるのですけれども、そこに関しては、具体的なデータを取られているのでしょうか。
あと、先ほど高齢者については解析していただけるということで、非常に貴重なデータになると思うのですけれども、基礎疾患に関しても、基礎疾患ごとの解析とかは予定されているのでしょうか。お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 「その他」は、その後空欄をつけておりますので、記載していただけていれば、自由記載の疾患名は集計するつもりでいます。
治療中の疾患についてチェックボックスを作っていないと、例えば高血圧や糖尿病とかはたくさん出てくるので、過去の経験から疾患数が多いものに関しては、こんな形でチェックボックスをつくっておりますが、それ以外のものは「その他」としています。これは実際に集計してみないとどの疾患が一番多いとなるのか分かりません。この時期ですので、花粉症とかアレルギー性鼻炎という疾患名が山のように上がってきている可能性はあると思ってはおりますが、そこについては、蓋を開けてみないと分からないと思います。
過去の自分の経験からいうと、発熱とともに気管支ぜんそくの発作を誘発される方もいらっしゃったりもしたので、喘息は聞いておかないと危ないと思ったので聞いています。
一方で、気管支ぜんそくの患者さんとワクチンの副反応とかについて、直接の関係がないという論文報告もありますが、今回に関しては、出してみないと分からないと思っておりますので、ある程度の粗集計が終わった後には、そういうサブグループの解析もした上で、皆さんに報告させていただきたいと思っています。
逆に、こういう解析をすればいいのではないかというご示唆をいただければ、それに合わせて解析をしていきたいと思います。
お答えになっていますでしょうか。
○伊藤(清)委員 はい。どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○岡委員 ありがとうございます。
そうしましたら、倉根委員、よろしくお願いいたします。
○倉根委員 もっと細かいところなのですが、8ページに観察日誌があるのですけれども、今回の被験者は結構多いわけですから、専門家といいますか、医療関係者が書く部分で、例えばセンチや度とかの数値が出るものについては、例えば体温だとこういう体温計で測ってくださいねというふうに統一しているのか、あるいはここの「はれ」のセンチとかを出すときに、このような図り方をしてくださいというある程度の決めはそれぞれの被験者に行っているのでしょうか。それとも、通常やっておられるように測ってくださいねという形なのでしょうか。
○岡委員 いかがでしょうか。
○伊藤(澄)委員 今回、具体的に2万7000本の体温計と定規を配布しております。全て治験と同じ取扱いでやらせていただいています。
この資料につければよかったのですが、治験と同じように、例えば痛みの中等度は、痛み止めを1錠でも飲めば中等度で、逆に言うと痛み止めを使わなかった人は軽度にしてくださいという注意書きとかを書いた、程度の評価表は健康観察日誌の裏につけております。ですので、被接種者ごとに差がつかないように最大限の努力をしていると思っております。
「赤み」と「はれ」の話に関しては難しいのですけれども、通常、赤いところの長径と短径で記載してくださいとお願いしています。「硬結」に関しては、どこまでを硬結と取るのかというのはずれが生じるかもしれませんけれども、透明なスケールですので、それで押さえていただくと、紅斑とか発赤の部分はある程度分かるかなと思います。
これは、過去の医師主導治験も同様の方法で実施していて、大きな問題にはなっていないと思っていますので、そういう意味でいえば、標準化の問題はあまりないのではないかと個人的には思っております。
○倉根委員 ありがとうございました。
○岡委員 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
そうしましたら、佐藤委員、手が挙がっていますでしょうか。
○佐藤委員 昨今、いろいろと話題になっているので、個人情報のことを少し確認させてください。
個人情報については、資料の9ページ目がこの調査の概要になるかと思います。多分、医療機関と研究事務局、PMDAが個人情報を保管されることになって、多分、きっとここにCROが入って、匿名化するような形にして、製薬企業にデータをお渡しすることになるのですね。
○岡委員 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤(澄)委員 その説明をすっ飛ばして申し訳なかったです。
10ページ目に書いてあるとおりで、本来、研究では個人情報を絶対に取りたくないのです。絶対に取りたくないのですけれども、これは法律上、副反応疑い報告書は居住地に伝達されるので、本人の名前と居住地を書かざるを得ないのです。これは法律なのです。なので、この部分だけは個人情報をいただいています。それ以外は、各施設で被験者番号を発番しますので、連結表に関しては、各施設にしかありません。私共どもは一切持っておりません。
ですから、副反応疑い報告書が上がってきてしまうと、個人の名前が入りますけれども、事務局で個人情報を持っているのはこの3名の方だけです。
○佐藤委員 3名というのは。
○伊藤(澄)委員 副反応疑い報告書が出てきた3名だけです。
○佐藤委員 そうなのですね。
○伊藤(澄)委員 はい。
○佐藤委員 では、9ページ目に書かれているスキームの中で登場されている方々自体は、個人的に取り扱った方しか分からないということで、情報は蓄積されないということですね。つまり、安全性が担保されていると。
○伊藤(澄)委員 はい。もちろん。
○佐藤委員 ここにCROが入っている点がちょっと分かりにくかったので。今後の管理がどうなっているのかなというのが少し気になりました。
○伊藤(澄)委員 これはCROというより事務局ですが、3名の方の個人情報について持っているのは事務局だけで、ほかのところには出しておりません。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございました。よろしくお願いします。
○岡委員 森尾委員、どうぞ。
○森尾委員 ありがとうございます。詳細なデータだと思います。
健康観察日誌なのですけれども、先ほど伊藤委員がおっしゃっていただいた病休データは、医療関係者の接種に当たっては、これからすごく重要なデータになるのかなと思いますので、こちらもぜひと思っているというのは、コメントで1点目ございます。
2点目が、情報発信の上で、局所の疼痛とか頭痛、関節痛に対して鎮痛解熱薬が効いたかどうかというのは、皆さんお知りになりたいことだと思うのです。伊藤委員は、それが効いた方は軽症とか、収まらなかった方は中等症とおっしゃっていたので、そういうところが恐らく情報発信になるのかなと思いました。ここら辺もアイテムごとに詳しくいうのはなかなか難しいと思うのですけれども、伊藤先生のほうで何かコメントがありましたら、お伺いできたらと思って質問させていただきました。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
データとして取るのは、例えば薬でアセトアミノフェンを使われる方は痛みについては中等症と記載していただくとか、解熱剤に関しては、体温をずっと測りますので、ある程度のところでお使いになられたということしか分からなくて、今、森尾先生がおっしゃったような薬が効いたか、効かないかということについては、この枠組みでは取る自信がございません。取ることを前提にしてつくっておりません。
○森尾委員 シンプルなものがいいと思うので、それはちょっと求め過ぎだと思うのですけれども、何かいい情報発信ができたらなと思っただけです。ありがとうございます。
○岡委員 あと、山縣委員の手が挙がっておられます。
○山縣委員 山縣です。
伊藤先生、本当にありがとうございます。治験レベルの質の保証と質の管理ができているコホート研究だと聞いて、とてもよかったと思います。
ただ、一方で、私も今、森尾先生と同じ質問をしようと思いまして、国民として知りたいことは、例えば痛いけれどもとか熱は出るけれども、何かすればうまくいくのかなというのを知ることができると、非常に安心して打つことができるのかなと思っていました。
もう一つは、今回は医療従事者の方なので女性が多かったり、高齢者の方が3%ぐらいで、ただ、これから大量に打つ方が高齢者なので、高齢者の方の分析が一番注目されるような気がいたしますので、前回もちょっとお話ししたのですが、高齢者の場合、有害事象発症に対して、交絡因子とか修飾因子がいろいろとあると思うのですが、次の段階でこの結果をどう伝えていくかという点を研究班として検討されるのか、それとも、どこかで何かワーキングみたいなものをきちんとつくって、先生方のデータをしっかりと伝えていくようなことをしなければいけないのかということに関しては、先生はどのようにお考えかを伺いたいのです。
○伊藤(澄)委員 大変難しい問題で、当初はこういったコホートの調査の検討がされた段階で、高齢者のコホートをつくるべきではないかという話はあったと思っております。それは先生方のおっしゃるとおりで、今後の大きな課題だと思っておりますし、少なくとも先ほどご質問がありました次のワクチンに関しては、多分、医療従事者が終わっている可能性もある程度あるので、フォーカスを少し変えた形でのコホート調査を考えないとなかなか難しいと思っています。
ですので、今、ご質問いただいた点に関しては回答がなくて申し訳ございませんが、研究班はこれだけで終わることではないと認識しておりますので、第一弾は今、ご報告させていただいているとおりです。ただ、今後の枠組みについては、第二弾の段階で世の中の実情を踏まえて考えていきたいと思います。厚生労働省の委託を受けてやっている事業ですので、また厚生労働省と相談させていただいて考えていきたいと思います。
それでお答えになっていますでしょうか。
○山縣委員 ありがとうございます。
○岡委員 かなり活発にご意見、ご質問をいただいたかと思いますけれども、大体よろしいでしょうか。
特例承認という状況の中で、こうした治験レベルの準備を非常に短期間でされたというのは、ご説明で非常によく分かったような気がいたします。特に新たに何かお願いするというよりも、むしろ非常に順調にエントリーまで来られているということで、多分、この部会としても、先生がこれから取っていただくデータが最も大事なアウトプットになると思いますので、ぜひ引き続きよろしくお願いできたらと思います。
そうしましたら、全体を通じて、そのほかに何かご意見、ご質問等はございますでしょうか。
今日は、これまでの有害事象の報告と、伊藤先生の研究班の進捗状況をいただいたところです。そうした副反応の報告については、最初はアナフィラキシーなどもある程度すぐに公表するとしても、その後は、この部会を通じてしっかりとした評価を出していくことが大事だと思います。伊藤先生の研究班から出ている数字が今後非常に注目されるところかと思っております。
よろしいでしょうか。委員の方から何か追加のご発言はございますでしょうか。
山縣先生、お願いいたします。
○山縣委員 何かくどいようであれなのですが、今、伊藤先生の研究班でどのような症状が出るのかということが精緻にしっかりと解析されるというのが一番重要なミッションだと伺いましたが、一方で、繰り返しになりますが、これから高齢者が打つときに、どのようなリスク・ベネフィットコミュニケーションをすればよいのかという点について、ワーキングなりをつくって、その方向性みたいなものをメディアと一緒に共有しておく必要は本当にないでしょうか。
前回の資料で、高齢者とか交通事故はこのようにあるという話は出ましたが、あれは十分ではないような気もいたしますし、その辺は事務局としていかがということだけお伺いしたいと思いました。
○岡委員 いかがでしょうか。
今回は、高齢とはいっても、お仕事をされている皆さんの接種をされていて、今度は施設等での接種が始まったときにということのご質問かなと思います。
そうしましたら、これは預からせていただいて、検討するということでよろしいですか。
○山縣委員 はい。よろしくお願いいたします。
○岡委員 事務局、どうぞ。
○事務局 ありがとうございます。
15日の副反応部会と、その前にこの上の分科会でもお話しさせていただいて、接種要注意者について議論したときに、そのときに基礎疾患が悪くなっている方とか全身状態が悪い方について、接種を慎重にというコミュニケーションをしていかなくてはいけないという議論がされたところでございます。
まだ接種の前だったので、こちらのほうで議論するというよりは、そちらでやってしまった部分もあるのですけれども、大変重要な点だと思いますので、どういったコミュニケーションをしていくのか、私たちのほうでも引き続きしっかりとやっていきたいと思っております。
○岡委員 ありがとうございます。
長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 高齢者に関連してなのですけれども、今回は高齢者の方は割合としてあまり多くなかったということなのですが、今後、高齢者の方の中での副反応の頻度は、65歳以上と一くくりではなくて、例えば60代、70代、80代という形がやはり必要になってくると思うのです。一斉に接種が始まる場合に、例えば若いほうから打つのか、高齢者から打つのかというのは恐らくもう議論されているのだろうと思うのですけれども、そこら辺の基礎になるようなものは、今、事務局でも何かございますでしょうか。
○岡委員 海外のデータ等も含めてだと思いますけれども、いかがですか。
○事務局 もちろん、現時点では国内で高齢者の接種がまだ進んでおりませんので、海外の情報等で参考にできるものがあるかどうかはまた情報収集をしていきたいと思います。
○長谷川委員 お願いいたします。
○岡委員 貴重なご意見をありがとうございました。
そのほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
石井先生、どうぞ。
○石井委員 今のことと関連いたしまして、今回は現役で働いている人ということで、比較的若いメンバーだったと思うので、2万人の投与をした際に、問診上、問題になる方はいらっしゃらなかったのですね。まずは全員受ける計画をされていて、全員が投与できたという解釈でよろしいですか。
そういった場合に、高齢者に広げていく場合に、そもそも投与上、問題になるか、ならないかといったところまで少し議論をしていかないといけないように思いました。
以上です。
○岡委員 ありがとうございます。希望者でやっているわけですし、確かにおっしゃるとおりかなと思います。
そのほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、ありがとうございました。
議事は以上とさせていただきます。
事務局はよろしいですか。
○事務局 本日は、長時間にわたり、活発にご議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○岡委員 それでは、本日の会議はこれで終了いたします。
活発にご議論いただきまして、誠にありがとうございました。