第5回 審査支払機能の在り方に関する検討会 議事録

日時

令和2年12月24日(木)14:00~16:00

場所

全国都市会館 大ホール 
千代田区平河町2-4-2
(オンライン開催)

出席者

構成員(五十音順)

議題

1. 審査結果の不合理な差異の解消について
2. 支払基金と国保連のシステムの整合的かつ効率的な在り方について
3. その他

議事

(議事録)

○姫野保険課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第5回「審査支払機能の在り方に関する検討会」を開催いたします。
本日は、大変お忙しい中、御参集いただき、誠にありがとうございます。
本日も、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。会議中、御発言の際はZoomの機能で挙手をいただくか、難しい場合には画面越しに手を挙げていただき、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただくようお願いいたします。
次に、本日の出欠状況ですが、宮田構成員から欠席の御連絡をいただいております。また、横尾構成員からは急遽、別の公務のため遅れるという御連絡をいただいておりますけれども、オンラインでは視聴いただけていると伺っております。
会議冒頭のカメラの頭撮りは、ここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○姫野保険課長 それでは、以降の議事運営は菊池座長にお願いいたします。
○菊池座長 皆様、年末の押し迫った折に御参集くださいまして、誠にありがとうございます。
それでは、早速、議事に入らせていただきます。
まず、議題の1につきまして、前回に引き続き、「審査結果の不合理な差異の解消」を議題としております。これに関しては、これまでの検討会におきまして、構成員の皆様から「不合理な差異解消の検討に当たって、支払基金と国保連のコンピューターチェックの数量を整理してほしい」という御意見がございました。
そこで、本日はその点につきまして事務局から御説明をお願いいたします。
○姫野保険課長 ありがとうございます。資料1について御説明をさせていただきます。
座長から御紹介がありましたとおり、これまでの検討会議の中で支払基金、国保中央会、それぞれのコンピューターチェックルールの種類、数について御報告してございますけれども、両機関の分類法、あるいは数え方などが違うということで、そちらを整理してもらいたいという御指摘をいただいてございました。こちらの資料につきましては、そういった整理を試みた途中経過ということになります。
まず1ページでございますけれども、結論から申し上げますと、両機関のコンピューターチェックは3つに分類いたしますと、上2つの分類、「受付時点の形式チェック」、それから「「医科及び歯科電子点数表」に基づくチェック」につきましては、内容面での整合性などをとっているということを確認してございます。
一方で、その他に分類されております部分につきましては、注釈のところにもございますけれども、支払基金の場合はチェックマスターですとか本部点検条件と呼んでおります。また、国保につきましてはVランプなどの名称がついておりますけれども、そういったものについては整合性を現在まだ精査中ということで、確認が取れていないという状況を御報告したいと思います。
まずこの3つの区分がございますけれども、「受付時点の形式チェック」については例えば患者名の漏れですとか、存在しないコードの記載、そういった形式的な不備をチェックするものでございます。
また、2つ目の「「医科及び歯科電子点数表」に基づくチェック」につきましては、診療報酬の告示・通知で明記されている回数制限など、判断が明らかなものを確認するチェックということになります。こういったものについて、内容面では整合性の確認は取れておりますけれども、右側の列にありますように、カウントの仕方が若干ずれておりますので数が変わっているということでございます。
具体的には2ページを御覧いただきますと、一例でございます。例えば、基本的検体検査実施料というものの中には様々な検査が包括されているということでございますので、包括されている検査が重複して算定されていないかということをチェックする必要がございます。この場合、基金の場合は基本的検体検査実施料に包括されている検査、443事例を列挙して、これがチェック事例数であるというカウントをしてございます。
一方で、国保の場合はこの実施料が1項目という数え方をしているということで、数量の違いが生じているというのがこの点の説明でございます。
1ページ戻っていただきまして、「その他のチェック」という3段目の部分でございます。ここは医学的な判断を伴うチェックなど、上記2つ以外のチェックルールでございますが、例えば医薬品の添付文書に記載された適応症と、レセプトに記載された傷病名、これが適合しているかどうかというチェックをする部分でございます。
ここはまだ未精査ということですが、どういう構造になっているかを3ページで図解をしてございます。これは一例でございますけれども、医薬品の傷病名と適応症とのチェックということで、例えばアレルギー性鼻炎の薬のアレグラというものを例示いたしますと、支払基金におきましてはアレグラ30mg錠、アレグラ60mg錠といった品目に応じて適応症が適合しているかどうかをチェックするという構成になってございます。それで、基金につきましては全ての品目について品目単位でのチェックをかけていくという構造になってございます。
一方で、国保につきましては、例えばアレグラでありますと、こういった30mg錠、60mg錠という成分量、剤型などを包含いたしまして、アレグラという銘柄名で傷病名との適合をチェックしております。
それで、その他の薬剤、例えばゾルピデムという睡眠導入剤につきましては銘柄名、品目名ではなくて成分名ということで一くくりにして適応関係を確認しているということでございまして、ここがチェックルールに応じまして柔軟に使い分けられているということで、この適応関係を基金と国保で現時点ではつぶさに確認することができないという状況でございまして、ここを精査するためにはもう少し時間、労力をかけなければならない状況になってございます。
以上が、途中経過的な報告で恐縮でございますけれども、資料の説明になります。
○菊池座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関しまして御意見、御質問などございましたら挙手の上、御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
森構成員、お願いいたします。
○森構成員 ありがとうございます。日本薬剤師会の森でございます。
今の資料の3ページのところなのですけれども、「「その他のチェック」の設定及びカウント方法」のところで、これは国保中央会さんにお答えいただくのがいいかと思うのですが、今、事務局のほうから支払基金では品目単位でコンピューターチェックにかけているというお話がありました。
それで、国保中央会さんのこれだけの資料では分からないのですけれども、銘柄名でチェックをかけるときや、成分名でかけるときなど分けていらっしゃるようですが、同じ成分でも規格含量によって適応症が違うことがあります。そのようなときには何か特別な別のルールを設けてやっているのかどうか。最初の入り口の部分ですから、統一することが必要だと思います。そこのところがこの資料だけでは読み切れませんでしたので、御説明いただければと思います。
以上です。
○国保中央会(高藤) 国保中央会の高藤と申します。先生の御質問にお答えします。
国保中央会、国保連合会では、この適応症のチェックについては成分名、それから銘柄名、品目、それぞれに応じて管理しておりまして、例えば、先発品と後発品があった場合に、適応傷病名が全て同様というようなケースの医薬品については成分単位で一括して管理をしているという状況になります。
また、例えば先発品と後発品で適応傷病名が異なるというようなケースについては、銘柄名、アレグラというふうにここに例示がありますけれども、そういった管理をしている。
さらには、品目ごとに規格が違って適応傷病名が違うといった場合には、品目ごとに管理し、チェックを行っている。これは管理の仕方の違いというようなことで、そのチェック項目の中には医薬品ごとに設定をしておりますので、基本的には基金さんと同じようなチェックができていると考えてございます。以上でございます。
○菊池座長 森構成員、いかがでしょう。
○森構成員 ありがとうございます。
これは、見た目だけでは分からなかったのですけれども、整合性が取れていること、コンピューターチェックとしてきちんと機能されているということが分かりました。ありがとうございました。
○菊池座長 ほかにはいかがでしょうか。
ございませんか。よろしいでしょうか。
それでは、横尾構成員からメモを言づかっているということで。
○姫野保険課長 横尾構成員から、本日遅れるので念のためということで御発言のメモをいただいております。事前に委員の皆様にはメールなどで送付させていただいておりますけれども、その資料は合計3ページございますが、3ページ目の2つ目のパラグラフの部分にこの資料についての御意見が記載されております。読み上げはいたしませんけれども、御参照いただければと思います。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
それでは、続きまして議題の2、「支払基金と国保連のシステムの整合的かつ効率的な在り方」につきまして、これまでの皆様の御意見を基に方向性のたたき台を事務局に用意していただいておりますので、御説明をお願いいたします。
○姫野保険課長 ありがとうございます。資料の2につきまして御説明をいたします。
まず、資料2を作成するに当たりまして、参考資料で配付してございますけれども、これまでの検討会におけます皆様からの意見を整理したものでございます。これの主に5ページからが支払基金、国保連のシステムの整合性、効率性に関する御意見でございます。
この中を少しかいつまんで申し上げますと、例えば5ページの【最終形として目指す姿】の中ですけれども、3つ目のパラグラフにありますように、基本的には共同利用をしていく、あるいは開発の体制もそれを前提としたものを検討していただきたいといった御意見が多かったかと受け止めてございます。
また、以下6ページからもございますけれども、例えば8ページになりますとスケジュール、体制などの部分でございますが、整合的かつ効率的なシステムにするためには同一の機能を1つにまとめ、1つの仕組みを双方で共有するというのが最も好ましい方法である。
ただ、一方で効率性よりも整合性のほうが議論の中心にあるということで、効率的であることは第2ステップとして、2024年に向けてはまず整合的であるということを最低限のこととして開発してはどうか。そんな御意見もいただいておりました。
こういったところを踏まえまして、資料2を整理させていただいてございます。
まず資料2の1ページ目でございますけれども、「稼働時に実現を目指す内容」ということで左側に書いておりまして、そして右側から具体的なスケジュールのイメージを描いてございます。
実現を目指す内容といたしましては、これまでの御意見も踏まえまして、「整合性の実現」という部分と「効率性の実現」という部分と、2つに大きく整理をしてございます。
「整合性の実現」ということにつきましては、審査・支払いのシステム、レセプトを受け付ける段階、審査をする段階、そして支払いをする段階と大きく3つに分けられますけれども、受付の段階についてはまず共同利用ということを目指していくということを示してございます。具体的には、オンライン請求システム、そして形式的なチェック、または告示・通知に基づくチェック、先ほど資料1でお示ししましたように、支払基金と国保の間で整合性が取れている部分についての共同利用というものを目指していくというのが1点目でございます。
2つ目の「審査領域の業務要件の整合性の確保」という部分につきましては、コンピューターチェックルール、その他の部分も含めまして、まず支払基金と国保の中で整合的なものにしていく。また、国保につきましては連合会ごとの外づけのシステムもあるということがこれまでも議論されておりますけれども、そういった外づけシステムの中でもコンピューターチェックに関わるものについては廃止を目指していくというのが一つの方向性ではないかと考えてございます。
また、支払基金におきましては自動レポーティング機能を実装していくということになりますけれども、国保についても同様に支払基金と整合的な自動レポーティングというものを実装していくというのが整合性の観点からの目指す姿ではないかと考えてございます。
こういった機能につきまして、2024年4月の国保総合システムの更改に向けまして、設計・開発・試験をしていく。また、※に書いてございますけれども、国保総合システム全体のクラウド化ということもこのタイミングで目指していくということでございます。
体制といたしましては、国保中央会が中心に対応いただきますけれども、当然デジタル庁の動きというものも見据えるべきという御意見もいただいておりましたので、こういったことの連携をこの中に示してございます。
また、次に「効率性の実現」の部分でございますけれども、審査・支払いの領域につきまして、まず整合性を取っていくわけですが、さらにそこを共同利用するということを目指していくというのがここに書いている部分でございます。
可能な機能から医療機関、保険者への利用を開放していく。そして、最終的には「共同利用機能とその他の機能・システムの疎結合化」と書いておりますけれども、注の3にありますように、異なる2つの構成要素の結びつきを弱くするということで、独立性を高くして再利用を可能にしていくといったことを念頭に効率化を進めていけばと考えてございます。
この点につきましては、第2段階へ進めてはどうかという御意見もありましたけれども、順次、共同開発を進めていくということで、実証的な開発、再開発、または段階的な機能導入ということも視野に進めてはどうかと考えてございます。
次の2ページでございますが、こちらで今、事務局としてのたたき台をお示ししてございますけれども、本日の御意見も踏まえまして、1月以降も厚生労働省、国保中央会、支払基金、実務者を中心に専門家の助言もいただきながら、技術的な実現可能性の精査を行っていきたいと思います。
その上で、年度末に向けて本検討会における最終的な工程表の取りまとめをお願いしたいと思ってございます。
資料の説明は、以上でございます。
○菊池座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして御意見、御質問等がございましたら挙手をお願いしたいと存じます。
岡﨑構成員、お願いします。
○岡﨑構成員 全国市長会、高知市長の岡﨑でございます。ありがとうございます。
まず、今の資料2の1ページにあります受付領域のところの共同利用ということでございまして、今、支払基金におけますシステムの中身を国保中央会で多分精査している段階だと思います。
審査領域の共同利用ということで、そこにもあります資料2の国保総合システムというのがかなり大きいシステムなので、どの部分まで受付領域の共同利用が中に及んでいくかということもあるので、多分国保中央会のほうでそこを今、精査している段階だと思います。
受付領域の部分を共同利用することによって、全体の部分に与える影響というのはどこまであるのかということを精査していく必要がありまして、1月以降もそういう技術的なワーキングチームにおいて、なお精査はしていく必要があると思いますので、厚生労働省のほうも協議に加わっていただいて、ぜひその協議を進めていただきたいと思います。
それと、前回も少し申し上げましたけれども、全体を段階的に統合していくという流れではいっていますが、国保中央会というのは各県のそれぞれの個々の連合会、各都道府県別の国保の連合会の集合体ということになっていまして、これまでもそうでしたけれども、いろんなシステムの構築をするときに、最終的には都道府県の国保連合会で、それはどこへ最終的にいくかというと、各市町村の負担になりますので、できるだけコストダウンをしながらということにはなると思いますけれども、多分相当の経費、一定の経費がやはりかかるものと想定をしております。市町村に対します財政的な負担の支援ということはしっかり行っていただきたいと思います。
いずれにしましても、技術的な分野で混乱があったらいけませんし、1月から技術系を含めて相互のワーキングチームで中身を精査していただきたいということを申し上げておきたいと思いますので、厚生労働省の方々もよろしくお願い申し上げたいと思います。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
今2点ありましたが、事務局から何かございますか。
○姫野保険課長 ありがとうございます。少し言葉足らずで恐縮でしたけれども、2ページにあります1月以降の技術的な精査につきましては、受付領域の共同利用の部分も含めてしっかりと精査をしていきたいと思います。
○菊池座長 よろしいでしょうか。
それでは、いかがでしょうか。
木倉構成員、お願いいたします。
○木倉委員 ありがとうございます。協会けんぽの木倉です。
この前も、共同でということを私からも発言させていただきました。今日は、御説明いただいてありがとうございます。
今、岡﨑さんのおっしゃった受付領域の共同利用をまず率先して取り組まれること、これは大変意義深い第一歩だと思います。これを、2024年の国保のほうの刷新に向けてぜひ確実にやっていただきたいということです。
それから、下のほうですが、「効率性の実現」で、これは右の矢印もどこが終わりということはなく伸びているわけでありますが、この前言いましたように、本来はこの計画の中でも支払基金、国保連、国保中央会が共同で取り組んでいこうという計画であったと思うのですが、やはりなかなか難しいようでして、支払基金さんのほうの検討が先に進んでいる。期限もありましたが、進んでいると思うのですが、※4の注で一番下に書いていただいたように、実務的な部隊を遅くてもやらないよりはいいので、これから構成をして一緒に取り組んでいかれるということであれば、この共同開発をぜひ実働的に、技術的にきちんと早期にアイデアを出し合って、右の矢印が延々と伸びていかないような形でやっていただきたい。
それから、支払基金さんに期限があるということは分かるのですが、やはり先行されているからその技術を優先してということではなくて、国保中央会さんのほうも国保連さんのほうも新しい提案もしっかりいただいて、AIの審査の機能にしてもですが、デジタル庁の参画も得るのであれば可能だろうと思いますので、日進月歩の最新の知見でもって効率的な審査の中身の仕組みを作り上げていっていただきたい。そして、早くこの矢印の期限が切られるような形で実現をしていっていただきたい。
そのためにも、今もありましたが、ぜひ厚生労働省のほうは主導的に、両団体の技術的なすり合わせがあっても両団体に任せるということではなくて、最新のものが取り込まれていくような効果があるようなものをよく進捗管理をお願いしたいと思います。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。御意見、御要望ということで承っておきたいと思います。
佐藤主光委員からお手が挙がっていたかと思います。お願いします。
○佐藤(主)構成員 よろしくお願いします。ありがとうございました。
まず、これは工程表ですから、進捗管理というのは当然あってしかるべきですので、整合性の実現にしても定期的にどこまで進んだかということについてのチェックと、見直すべきところ、改めるべきところについてPDCAサイクルを回せるようにしてほしいというのと、24年のところで矢印が終わっているのですが、一応ここで完成形を目指すのか。
ただ、実際のところ何か課題が残るかもしれませんので、24年以降も残された課題についてどう扱うのかということについて目配りをしておいたほうがいいかと思います。
それから、御説明があったのかどうか分からないですけれども、「効率性の実現」のところに2021年の4月から2024年の4月以降、3本の矢印がありますが、これは長さがちょっと違う。開始の時期、終わりの時期がちょっと違うのですが、具体的にどんなことをイメージされているのかということについて御説明いただければと思います。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
いかがでしょうか。
○姫野保険課長 御指摘ありがとうございます。
1ページ目の「効率性の実現」のスケジュールの部分ですけれども、この3本の本数、あるいは長さについては特段の意味はございませんが、①、②で書いてございますように実証的な開発・再開発をして、あるいは段階的に機能導入をしていくということで、多段階で進めていくということをイメージで表した部分でございます。
○菊池座長 上のほうの2024年で完成形かというようなお尋ねも含められていたかと思いますが、いかがですか。
○姫野保険課長 失礼いたしました。
上の部分につきましては、2024年に国保総合システムの更改をしなければならないということでございますので、その時点でここの左側にありますような内容を完成させるということでこのイメージ図は描いてございますけれども、御指摘のとおり、その後について当然アップデート、あるいは改善すべき点、そういったものの進捗管理というのはしなければならないということかと思いますが、そこをこの図の中であまり明示的に書いていなかった点については少し検討したいと思います。
○菊池座長 よろしいでしょうか。
それでは、林構成員お願いします。
○林構成員 ありがとうございます。日本歯科医師会の林でございます。
資料2のところなのですけれども、スケジュール感の話が出たのですが、2021年の4月から審査支払いのみならず受付も含めて2024年の4月までに共同利用システム改修を行っていくんだということでございました。前にも申しましたけれども、国保連に関しましては保険者の機能としての従前のシステムというものがございますし、もちろん財政面の問題もございますので、こういったスケジュール感の中で医療機関、保険者、患者、国民等に負担のない、混乱のないような運びで改修が進められていくのかどうか、こういったところのスケジュール感の話を御説明いただいたらと思ってございます。
以上でございます。
○姫野保険課長 御指摘ありがとうございます。
ここのスケジュール感のイメージですけれども、受付の領域、審査領域、そして支払領域とございますが、まずは受付領域について共同利用をしていくというところを最初のステップとしてこのイメージ図では描いてございます。
一方で審査領域、支払領域につきましては共同利用というところまではなかなか2024年という時間軸を考えると実現できるかどうかというところの課題もございますので、そういった意味ではまず内容面でのコンピューターチェックの整合性を図ることを最優先に24年までは取り組む。その後、審査領域、支払領域の共同利用ということについては、引き続き効率性の実現という観点で、次の段階的な機能導入という中で取り組んでいってはどうか。
そういった意味で、少し段階を分けて、無理が極力起こらないようなことをイメージして描いているところでございますが、そういった段階的な取組について妥当かどうかということについて、技術的な面は引き続き年度末までかけて検証していきたいと思いますし、また、本日そういった観点から御意見をいただければありがたいと思ってございます。
○菊池座長 よろしいでしょうか。
○林委員 どうぞよろしくお願いいたします。
○菊池座長 続きまして、森構成員お願いいたします。
○森構成員 ありがとうございます。日本薬剤師会の森でございます。
まず、受付領域の共同利用、それから審査領域の業務要件の整合性の確保が図られるというのは意味があることではないかと思います。
また、当初、たしか国保では2024年、2027年、2031年でしたか、段階的に進めるという案が示されていると思いますが、このスケジュールどおりに進めば前倒しになると思います。
ただ、これまで異なったシステムで行っていたことを統一すること、それから先ほど岡﨑構成員のほうからもありましたけれども、国保は様々な機能があって大きいシステムだというようなことがありました。そういうことがあって、後から何かシステム的な問題が生じないように慎重には進める必要があるのではないかと思います。
その上で、今日の資料2の裏のページにもありましたけれども、国保と支払基金のほうでしっかり連携を取るのはもちろんなのですが、厚労省がしっかり中に入って迅速かつ慎重に進めていく必要があると思います。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。御意見、御要望ということで承っておきます。
ほかにいかがでしょうか。
では、初回の御発言ですので、黒田構成員から先にお願いしてよろしいでしょうか。
○黒田構成員 黒田です。よろしくお願いします。
いただいた資料の2ページ目のところに書いてある技術的実現可能性というのをちゃんと見積もっておかないと、早く一緒にしたほうがいいという御意見は、私もある程度一緒にしたほうがいいと思ってはいるのですが、とはいえ、技術的に可能なことからやらないとかえって余計なコストがかかるのは間違いないことなので、まずそこを精査することが必要だということを御意見として申し上げておきます。
2つ目は、24年の段階で少なくとも基金も国保もクラウドに上がるので、ハードウエアの使用期限という縛りから解かれることになりますから、ソフトウエアの使用期限というのはありますけれども、ある程度時間に追われることなく検討することはできる状態に入るのだろうと思っています。
そう考えたときに、1ページ目の※4に書いてあるところがポイントだと思うのですが、合同実務部隊を編成するということが非常に重要だと思っていて、合同で実際に物を作られて、それを皆さんおっしゃっているように厚労省がある程度ナビゲートされながら、これも同じようにできるところから順番に一つずつブロックを切り分けるようにやっていくということで、割と確実にやっていただくことは必要な気がするので、そのあたりはちょっと丁寧に考えていただいて、あまり拙速にならないようにということを考えていただかないといけないのではないかと、一人のコンピューター科学者として思いますので、そこだけ御意見として申し上げておきます。
以上です。
○菊池座長 貴重な御意見、ありがとうございます。特に、事務局はよろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、岡﨑構成員、お待たせしました。
○岡﨑構成員 先ほどからも2031年という話が出ていまして、国保中央会のスケジュールの中で最初の段階で2031年という話が出ていますが、やはりさすがに2031年はちょっと遅いなということで、多分いろんな御意見があったと思いますので、段階的にはなりますけれども、非常に大きなシステムなので段階的に進めていかなければいけませんので、先ほど黒田委員さんのお話もありますが、やはり混乱しないように確認をしながら、2031年というのは前倒しをしていくべきだろうと我々も考えています。
その確認は、厚生労働省も入っていただいて実務部隊でしっかりとやっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
○菊池座長 ありがとうございます。御要望として承らせていただきます。
ほかにはいかがでしょうか。ございませんでしょうか。
それでは、横尾構成員からメモがございますので、御紹介いただけますでしょうか。
○姫野保険課長 ありがとうございます。
横尾構成員からのメモでございますけれども、1ページ目の2つ目のパラグラフからが資料2に関するコメントということでございます。
2ページ目も含めまして資料2についてのコメントをいただいておりますので、御参照いただければと思います。
○菊池座長 ちなみに、この御意見、メモは資料として残るものではないという理解でよろしいですか。
○姫野保険課長 そこの取扱いは、まだ横尾構成員と御相談できておりませんので、資料として残していいものかどうか、御相談した上で、また座長にお諮りしたいと思います。
○菊池座長 分かりました。よろしいでしょうか。
それでは、続きまして議題の3、「その他」でございます。本日は2点、「レセプトのオンライン化の促進に向けた現状と課題」、そして「審査における診療データの活用」について御議論をお願いしたいと存じます。
まず、事務局からレセプトのオンライン化の促進に向けた現状と課題につきまして御説明をお願いいたします。
○大竹保険データ企画室長 保険データ企画室長でございます。資料3に基づいて御説明をさせていただきます。資料3「オンライン請求の促進に向けた取組」ということでございます。
現状、紙のレセプトが残っているということでございまして、世の中全体のデジタル化の中で少しでも減らしていけないかということで御議論いただければと考えております。
1ページ目でございますが、「レセプトオンライン化の経緯」ということでございます。一番上、平成17年12月でございますけれども、「医療制度改革大綱」の中で平成23年度当初から原則として全てのレセプトがオンラインで提出されるものとするということが打ち出されております。
それに基づいて省令改正なども行われましたけれども、様々な環境の変化も踏まえまして、その下、平成21年11月に省令が改正されたということで、例外措置が幾つか規定されたということでございます。電子媒体による請求とか、手書きで請求している医療機関については紙媒体での請求可能とか、あとは年齢の除外というものが規定されたということでございます。
この規定に基づきまして、省令改正から数えて10年少したっておりますけれども、一番下の枠に書いてございますようにレセプトの電子化が進められてきておりますが、この例外の規定の部分以外でもこの下にA、B、Cと書いてございますけれども、保険医療機関等からの返戻の再請求について紙レセプトが可能になっているということ、またはBとしまして保険者側からの再審査の申出について紙レセプトによるものが可能になっているということがございます。
あとは、Cで訪問看護のレセプト、これは当初件数が少ないということで紙でということになっておりましたけれども、それの数も増えてきているのが現状ということでございます。
続きまして資料の2ページ目、「レセプトのオンライン化の期待効果と主な課題」ということでございます。
左の下に「期待される効果」として書いてございますけれども、1つは医療機関等、または保険者における効率化が図られるであろうということがございます。あとは、データヘルスの推進ということで、データの利活用がより一層進むのではないかということ。また、3点目として審査支払業務の効率化・高度化が図られるのではないかということでございます。
一方で右側、「主な課題」と申しますか、現状ということでございますけれども、A、B、Cという形でございます。こちらについては、その次の3ページ目を御覧いただければと思います。図でこの関係性を示しておりますけれども、保険医療機関からまず審査支払機関に請求をしていただきますが、ここがオンラインでなされたとしても、返戻については出力された紙のレセプトとオンラインの両方で返戻をする規定になっているということでございます。これに基づいて、保険医療機関のほうで再度、審査支払機関のほうに再請求するときに紙というものが可能となっているということでございます。
一方で、一番右側の保険者側からでございますけれども、保険者からの再審査の申出についても出力した紙レセプトというものの選択が可能になっているということでございます。
このAの部分、Bの部分が紙として残っているということでございます。
あとは、別にCとして訪問看護事業者からの請求について紙のレセプトが残っているということでございます。
続いて、4ページ目でございますが、「審査支払機関における事務効率化の課題」ということでございます。オンライン、電子媒体、紙という形での請求がございますけれども、オンラインと電子媒体で、電子媒体については最初の受付の時点で媒体を読み込みまして、それ以降はオンラインと同じということになりますけれども、基本的に審査事務、請求事務について手作業がないということになります。もちろん、画面上では処理をしますので職員の方は何もしていないということではないですけれども、手作業はないということになります。
一方で、紙で請求をいただきますと、例えば受付の段階でレセプトの件数とか枚数の確認というものが必要になりますし、画像データの取得というものも必要になるということでございます。
右にいっていただくと、審査事務については付箋を付けたり、はがしたりということも必要になりますし、請求の段階でデータの入力だとか、最終的には原本の破棄、溶解といったことが必要になるということでございます。
このような現状でございますので、続いて5ページ目になります。これまでいろいろ御意見をいただいておりますけれども、主なものということで書いてございますが、例えば紙レセプトの削減も重要ということで、減らすような取組をお願いしたいということであったり、2つ目は紙レセプトをなくしていくべきということで、様々なインセンティブのようなことも含めて検討してはどうかということ。
あとは、審査効率化のために削減に取り組んでいく。
4点目は、訪問看護についても取り組む必要があるのではないかということで御意見をいただいております。
次の6ページ目以降では、少しデータとしてお示しをしております。
一番左に種別で医療機関、保険医療機関の数が書いてございますけれども、一番下に免除・猶予されている保険医療機関等の数をお示ししております。
一方で、1つ右側の欄にいっていただきますと、現状どの程度、紙によって請求されているのかというレセプトの件数が書いてございます。免除・猶予されている保険医療機関から月に67万件出ておりますけれども、こちらが全体の47%ということでございます。
そうしますと、その上のほうで紙のレセプトのうち53%が猶予・免除されていないところから出てきているということで、こちらが主に返戻再請求に基づくものだということでございます。
その右の欄にいっていただきますと、保険医療機関の中での割合ということで、レセプトで1枚でも紙で提出している保険医療機関というものをカウントした場合にどうなるかということでございます。免除・猶予されているところがほぼ紙というところはございますけれども、一番上のかなり規模の大きい医科の病院であっても96.7%ということで紙が発生しているということでございます。
そして、一番右が一機関当たりの紙のレセプトということでございますけれども、平均で1.2%程度、1%弱から2%程度、請求における紙レセプトの割合になっているということでございます。こちらが、保険医療機関等における紙レセプトの現状ということでございます。
続いて、資料の7ページ目でございます。こちらは、保険者側の紙レセプトの現状ということでございます。こちらも、一番左に区分ごとに分けておりますけれども、協会けんぽさんであったり共済組合さんにおきましては、再審査申出におけるレセプトオンライン化率ということで見ますと80%以上になっているということでございます。
一方で、健康保険組合さんであったり公費実施機関さんであると、20%未満のところが多いということでございます。20%未満の中でも、0%というところがかなりのところを占めるということでございます。こちらは、保険者側の現状ということでございます。
次に資料の8ページ目でございますが、オンライン化を進める上での課題ということでございます。2つ、【システム上の課題】と【業務上の課題】ということで分けさせていただいております。
まず【システム上の課題】ということで、幾つかシステム業者さんなどにもヒアリングをさせていただきましたけれども、基本的に1つ目の■に書いてございますが、多くの保険者、また保険医療機関のほうに導入していただいているシステムですね。こちらについては、オンライン請求の機能が備わっているということがございます。
一方で、医療機関、保険者によってはその機能を使っていない、開放していないというケースがあるということですので、その機能の開放作業が必要になるということがございます。
あとは、大部分のシステムにはこの機能が備わっているということでございますけれども、一部のシステムにはこの機能が備わっていないということでございますので、この機能を追加する必要があるということでございます。これは、機能の開放であっても作業に費用がかかるということであったり、機能を追加するということであればその開発費用がかかるということでございます。一医療機関、または一保険者当たりの費用がどのくらいかかるかというのは、そのシステム業者さんがどのくらい顧客を持っているかということにもよるわけですけれども、医療機関側であればゼロのところも当然ありますが、5万とか10万とか、そういう話が価格帯としては多いのかなと聞いております。保険者さんのほうは、もう少しかかるところもあるというのが我々の把握している状況ということでございます。
続いて、【業務上の課題】ということでございますけれども、基本的に返戻については紙と、あとはデータ、CSV方式で提供されるということでございますので、紙を使わないということになりますとレセプトデータのダウンロード、またはレセコンへの読込みが必要になるということがございます。場合によっては、別の端末に移し替えることも必要になるということでございます。
その上で、例えば修正が必要なものということになりますと、医師のところに紙で持っていくというフローが少し定着しているということで、保険医療機関側の業務フローとしてはあるのかなと考えております。このような仕組みになっているということでございます。
一番下に*で書いてございますけれども、保険者側の場合ということで申し上げましたが、国保、あとは後期高齢者医療については統一的なシステムを使っているので紙で提出されることはないということでございますので、念のため申し添えさせていただきます。
続いて、9ページ目でございます。こちらは「訪問看護レセプトの電子化」ということで、関係者の方でまだ御議論いただいているということでございますけれども、2つ目のポツに書いてございますとおり、下記の方針で調整中ということで、令和5年1月を目指して調整、検討を進めているという状況でございます。
以上が状況ということでございますけれども、8ページ目で御説明させていただいたとおり課題もございますが、全体のデジタル化という方向性の中で進められるものは進めていきたいということでございます。
また、返戻そのものもオンライン資格確認の仕組みも入っていくことで減っていくという方向性かと思いますので、そういった中で御検討、御議論いただければと考えております。
資料3については、以上でございます。
○菊池座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関しまして、御意見、御質問をお願いいたします。
松本構成員は途中退席と伺っておりますので、先にお願いいたします。
○松本構成員 ありがとうございます。日本医師会の松本です。
保険者からの返戻レセプトが紙で届いた場合ですが、医療機関は紙で対応するしかないのが現状かと思います。
また、医療機関から再審査請求する場合、ほとんどが紙となっています。これはなぜかというと、紙の方が断然、楽だからであります。再審査請求を紙で行う場合、指定用紙に記入するだけで済み、二重線での修正も容易に行えます。また、返戻内容について、これは事務の方だけで行うわけではありませんので、多忙な医師に確認する際にも紙は持ち運びに便利でどこでも見てもらえるということがあります。
一方、レセコンでの修正は入力に時間がかかり、レセコンメーカーによって修正方法も異なる現状となっています。
8ページ目に現行の業務フローの課題などが整理されておりますが、今、進められているオンライン資格確認で、資格確認端末がオンライン請求も兼ねることとなったので、これまで推奨されなかったオンライン請求のPCと、レセコンや電子カルテを物理的に接続する必然性が出てきています。
医療現場でなぜ紙で対応しているのかを把握していただいて、ペナルティーや義務化ということではなくて、自然と紙レセプトが減る、現場に負担をかけない対応策を検討していただきたいと考えます。
また、審査支払機関には、医療機関の手間も省くという役割もあるのではないかと思います。電子でも紙と遜色ない修正方法で対応できるようになれば、それを現場も受け入れやすくなるかと思います。よろしくお願いいたします。
○菊池座長 御意見ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
河本構成員、お願いいたします。
○河本構成員 ありがとうございます。健保連の河本でございます。
オンライン請求の促進、紙レセプトの削減について、徐々には進んでいるものの、御説明にあったとおりいまだに一定の規模の紙レセが残った状況でございます。これは、先ほど御説明があったとおり、そもそもオンライン請求を免除・猶予されている医療機関があることに加えて、オンライン対応している医療機関でも、返戻再請求においては紙レセプトでの請求がなされていることとか、それから保険者においても特に規模の小さい保険者では紙レセと電子レセの2パターンでの再請求を行うということの手間の問題ですとか、これも御説明にございましたけれども、システム改修費用ですね。そういったものがネックとなって、オンライン再請求が進んでいないということに起因していると思います。
その意味で、現状の中途半端な状況では今後も大きな進捗はなかなか難しいのではないかと考えておりまして、やはり医療機関、保険者、支払基金、それぞれの問題を一体的に見直していく必要があると考えております。
併せて、これは以前にも申し上げておりますけれども、厚労省の通知の見直しも必要だと思います。
今後、支払基金における審査支払システムの刷新ですとか、あるいはオンライン資格確認のレセプト振替え、手数料の階層化、こういった大きな改革が順次進んでまいりますけれども、こうしたタイミングを捉えて国が主導して期限を定めて、ある意味、一気呵成に進めていくことが必要になるのではないかと私どもは考えております。
その際に、先ほど申し上げたシステム改修に対する財政支援ということもぜひお願いしたいと思っております。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございました。
大石構成員、お願いしてよろしいでしょうか。
○大石構成員 ありがとうございます。
私は、免除されている医療機関は別として、それから訪問看護は別として、残りのところでこんなに多く返戻のときに紙が行き来しているかという数というか、パーセンテージを見て非常にびっくりしました。
やはり、一般的に何かを効率化するときには、その効率化する部署だけで効率化するのではなくて、その前後のところを合わせて全体の流れの中で効率化しないと、本当の効率化というのはできないというのが定石だと思います。
ですから、やはりここで紙が残っていると、幾ら支払基金の中で効率化をしても限度があると思いますし、大きな方向性としてはオンラインでやるということは決まっているので、ぜひこれは進めるべきだと思います。
それで、私もこれは実態がどうなっているのかということを周りに聞いてみたんです。それで、ちょっと時間がなかったので網羅的に聞けたわけではないのですが、医療機関ですね。診療所だとか病院で紙で戻しているのかということと、あとはなぜかということと、そうじゃなくてオンラインにしたときにどうなるのかということを聞いて回りました。
その結果、一番大きかった、なぜ紙が行き来しているかというと、紙で来るから、紙に付箋がついてくるので、これは普通、紙で戻すだろう。当然、楽だというのはあるんですけれども、紙で来たから紙で戻しているという話が基本的にほとんどだったです。
ですから、これはそもそも出元で紙ではなくてオンラインで戻し、それをオンラインで再請求していくという仕組みにすればできるだろうと思います。
それで、すごく何か不便があるかというと、ユーザーインターフェースの話は実際のシステムで出てこないと分からないので、そこはぜひちゃんと検討していただきたいのですが、多分、医療事務の人が紙に印刷して、それを先生のところに持っていって、直してもらったものをまた入れ込むという流れになるので、何か抜本的にすごく困るということはないと言われました。
ですから、やはり全体的な今、達成しようとしている目的からいうと、できるだけ早く全部オンラインにしていくということがとても重要だと思います。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
林構成員、その後、佐藤主光構成員からお願いします。
まず、林構成員どうぞ。
○林構成員 ありがとうございます。日本歯科医師会の林でございます。
紙レセプトでの請求に関しましては、もちろん請求省令の特例というもので認められております。個人立が多い歯科診療所においては少なくはなってきているものの、まだ一定程度、紙レセプトでの請求を利用しております。自然に電子請求に移行していくことは理解しておりますけれども、現時点では紙レセプトの請求にペナルティーを課していくような手法での取組ではなくて、オンライン請求等のデジタルへの取組を本当に医療機関にとって分かりやすく説明いただき、その取組に対しまして医療情報の共有も含めてインセンティブとしてしっかりとつけていって説明していただくことが重要と考えております。
当然、オンライン請求を既になさっている医療機関の返戻等に関しましては、それなりに電子での対応ということは可能になるかも分かりませんが、その中身の中で返戻の際に診療情報、診療検査の中身まで求められることもございまして、そういったところは紙でないとなかなか対応できないというところもあります。そういうところも含めて、デジタルの利用の利便性というものの御説明をしっかりとしていっていただいたらと思っております。
デジタル化に関しましては、医療の生産性を高めて今後さらに推進していっていただきたいところと思ってはおりますが、地域における歯科医療の提供がデジタル化の推進によりまして妨げられることのないように、審査支払機関におかれましても注意深く御配慮いただいて御検討いただきたいと思っております。
要望でございます。以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
それでは、佐藤主光構成員お願いいたします。
○佐藤(主)委員 大きく2点ほどコメントですが、これは今回の支払基金の問題に限らないのですけれども、自治体のデジタル化とか、そういったところにも必ず出てくるのですが、いわゆるエンド・ツー・エンドという考え方は絶対必要だと言われるんです。つまり、ここで言えば受付から支払いまで、自治体などですと受付から例えば許認可まで、全てのプロセスがオンライン、デジタル化で一貫できるかどうかをPPRみたいなものでそのビジネスのプロセス、業務フローをちゃんと検証しようということを実際やっています。
それで、さっき大石委員からも指摘がありましたけれども、その場、その場、その部署、その部署で個別にデジタル化していっても、その間が全然だめだったりするとやはり紙が残るということがあるんです。
ですから、これは業務フローをやられているのはいいと思うんですけれども、医療機関の内部から、それから保険者機関の内部まで含めて、それぞれの業務フローを全部検証してどこで紙が発生しやすいのかということで、そこはちゃんとデジタル化で対応できるかどうかということを考えたほうがいいかと思いました。
それから、これはさっき指摘するべきだったのかもしれないですけれども、2点目は、今、政府のほうでも政府共通プラットフォームのような議論をしていますので、ある意味、支払基金とか国保連合会のこういう話というのは、まさに医療は公共部門の一部ですから、政府共通プラットフォームにうまく乗るのであれば、その中で業務の標準化とか、デジタル化とか、もちろん財政的な支援とか、そういった議論もできると思います。
せっかくデジタル庁もできますので、今回のこういう取組が政府共通プラットフォームの枠の中でできるかどうかということは検討いただいたらいいかと思います。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
事務局は、最後にまとめて何かコメントがあればお願いしたいと思います。今、政府関連の話も出てきました。
ほかにいかがでしょうか。
森構成員、お願いします。
○森構成員 ありがとうございます。
紙レセプトでの再請求の件ですけれども、レセプトのオンライン化は薬局が一番早かったのですが、今日の資料を見ると紙でまだ請求している薬局が56.5%あります。ほぼ全てが再請求だと思うのですけれども、先ほど松本委員がおっしゃったように、オンラインでの再請求には手間がかかります。返戻があったということが分かって、そしてオンライン用の端末から審査支払機関に自分で入っていって、それで返戻されたレセプトをダウンロードして、別の端末に持ってきて読み込ませて、それから返戻のための作業ということになり、正直手間がかかります。
そのために、紙のレセプトでの再請求が多いのだと思います。現場に負担をかけないような仕組みになればオンラインでの請求が進むのではないかと思います。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
いかがでしょうか。
佐藤好美構成員、お願いいたします。会場からです。
○佐藤(好)構成員 佐藤好美です。質問なのですけれども、教えてください。
来年10月にはマイナンバーがオンラインでレセプトと通じるようになって、スマホで自分の処方箋等が見られるようになると理解しています。返戻で紙になったものは情報として落ちてくるのかどうかを教えてください。
○大竹保険データ企画室長 ありがとうございます。来年の3月からオンライン資格確認システムというものが始まりまして、マイナンバーカードが保険証として使えるようになるということでございます。
それで、医療機関や薬局でも、薬剤情報は10月からになりますけれども、特定健診情報などは3月から見られるということになります。御自身のスマホとかパソコンでも、マイナポータルというサイトでそういう情報が見られるということになります。それで、ダウンロードできますので、ダウンロードした情報を御自身で例えば打ち出すということをすれば紙にもなりますし、今後医療費通知なども電子化されますけれども、それは例えば確定申告のときにダウンロードしなくてもe-Taxのほうに電子媒体として登録することができるということになります。
○佐藤(好)構成員 質問の意図はそうではなくて、要はオンライン化された情報が自分の手元で見られる。それは患者の利便性にもつながるし、いずれスピードが早くなれば、例えば薬局で、来年でこそ2か月前くらいのものしか見られませんけれども、もう少し早くなれば、例えば先月出た処方箋が通観して見られることを割と楽しみにしているのですが、結構な数が返戻されたものについては紙で処理されているというのは、紙で処理されたものは来年10月以降、手元で情報として出るのか出ないのかという質問なのですけれども。
○大竹保険データ企画室長 失礼しました。基本的には電子化されたものを対象にしているということになりまして、請求のあった時点、翌月の10日とかに情報を反映するという仕組みになりますので、紙とかの反映ができないということになります。
○佐藤(好)構成員 医療の質の向上にもつながることとしてオンライン化が進められていることですし、返戻によるものは紙だから、患者さんが見られなくても仕方ないね、ということにはならないと思いますので、何とかオンライン化していただけるようにお願いできればと思います。
○菊池座長 貴重な御意見、ありがとうございます。
黒田構成員、お願いいたします。
○黒田構成員 既に出ている御意見も一部ありますが、2点、意見として申し上げます。
1つ目は、元のスライドの7ページ目にあるように、私自身も京都大学病院という保険医療機関に勤めておりますが、私どももほとんど再請求は紙です。それは、7ページを見ていただいたら分かるように、公費のほうが実はかなりの確率で紙で返ってくる。健保のほうでも、かなりのところが紙で動いている。そうすると、先ほどエンド・ツー・エンドという話がありましたけれども、一部でも紙でくるものがあれば、紙でやらないと、全部まとめて処理することができないという現実があります。「某かのペナルティー、もしくはインセンティブを」というお話がありましたが、やるのであれば、まず請求側のほうのペーパーレス化ということを先にやっていただきたい。医療機関のほうは多分、その後であろうと考えています。それが1つ目です。
2つ目の意見ですけれども、先ほど資格確認の話もありましたが、厚生労働省を取り巻くこの手のシステムの最大の問題は資格確認に使っている専用ネットワークの存在です。専用ネットワークで作られた専用のシステムにつながなければならないという大きな負担が医療機関に発生しているというのが現実で、これだけネットワークが発達をしてクラウド化されていて、どこからでもつながるのが当たり前という世の中で、特別なネットワークに全部がつながらなければならないということが、医療システムのコストを押し上げています。ぜひそこのところを考えていただいて、今後の大きな政策の方向性ということになると思うのですけれども、保険医療システムのネットワークに関する、もしくはセキュリティーに関する考え方というものを改めていただくことをお願いしたいと思います。それがないと、なかなか全体のコストを下げながら、全ての小さな保険者までがペーパーレス化をするというのは難しいのではないかと私は考えます。
以上です。
○菊池座長 どうも御意見ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
平川構成員、お願いします。
○平川構成員 ありがとうございます。病院団体を代表しまして、意見を申し上げます。
電子カルテという我々が院内で使っているシステムがあるのですけれども、これは全く外部と縁を切っている場合が多いんです。ですから、新しくレセプトになったらレセプト用専用のコンピューターがあって、また先ほどもお話があった支払基金との専用の回線があるということで、これを今、使い分けてやっているところで、この辺が一体化するというようなイメージは今のところ我々にはないことだけ一応申し上げておきたいと思いますので、まずはやはり保険者側のほうのシステムのペーパーレス化というのは先ほどお話がありましたが、そちらから始めていただいて、こちらが後から合わせるというような形になるかと思っています。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
横尾委員が御到着になられましたので、どうぞ。
○横尾構成員 ありがとうございます。
前段の部分も含めて、少し遅れるという前提がありましたので、メモを入れさせていただいています。別紙で添付させていただいていますように、本検討会への意見として書いています。
今、話題になっているオンライン請求の促進に向けたことについても3ページ目に書いております。デジタル改革推進という大きな改革を掲げておられる政府の下に、今後は様々なことが進んでいくと思いますが、今ある紙を使用する事務事業を、単にそうではないものにするという発想ではなくて、仕事、ワークロードのフロー全体を捉えながら、デジタル化できるものはデジタル化するという本質的な視点に立ってぜひ改革をお願いしたいという趣旨で書いています。
その前後のところにも、コンピューターチェックのことですとか、データの審査に関する活用のことなどもあります。
また、私が先ほど入る前には多分説明があったかと思いますが、今回、支払基金と国保中央会の審査機能の共同開発化みたいな資料があると拝見したところでございます。これについても大変大きな改革の一手になると思って期待をしています。ぜひこのことが効率的、効果的、かつ迅速にできることを願いますけれども、ただ、短兵急に行って後々コストがかかっては意味がありませんので、十分な現状に関するヒアリング、調査、例えば国保と支払基金のどこがどのように違うのかとか、基本的なことも含めて、しっかりリサーチ、検証した上で、後々でやり戻し等がないようなことをお願いしたいと思います。
なぜこのことを強く申し上げるかといいますと、かねて介護保険がスタートのときも、後期高齢者医療広域連合の仕事がスタートするときも、それぞれシステム開発等が行われているのですが、冒頭からはなかなか完成品がない状況があったり、途中で少しトラブルもあったりした経緯があります。それらのような問題を回避するには、事前にしっかりとした実証検証を行えばできますし、今回のオンラインのことにつきましても、システム設計をして、実証まできちんとやって実用化、実装化としていけば大丈夫かと思います。
そういった視点に立って、共同の開発や共同利用についても改めてお願いしたいという旨を書いておりますので、ぜひ厚生労働省並びに委員の皆さんに後ほど読んでいただければありがたいと思うところです。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございました。
それでは、河本構成員お願いいたします。
○河本構成員 ありがとうございます。
若干誤解があるかと思ったのですけれども、オンライン対応されている医療機関でも返戻の再請求のときには紙レセプトの請求がされている。これは保険者とは関係のない話でございます。先ほども申し上げましたが、やはり医療機関、保険者、支払基金、それぞれの問題を一体的に解決する。例えば保険者だけがそうなって医療機関が紙で対応しているということだと、先ほども何人かの委員の方がおっしゃいましたけれども、やるときは一体的に進めていかないとこういうICTのメリットというのは出てこないのではないかと思っております。
ですから、先ほど申し上げたとおり、一体的に見直していく必要があるということでございますし、国が主導して期限を定めて一気呵成にやる。そのときに、先ほどシステム改修等に関する財政支援ということを申し上げましたけれども、やはりそういう進め方が必要なのではないかと考えております。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
様々な御意見をいただいたかと思います。事務局から何かコメントがあればお願いできればと思いますが。
○大竹保険データ企画室長 ありがとうございます。
様々な御意見をいただきましてありがとうございます。デジタル化の中でどこまで進められるかということで、様々な課題があるというお話をいただいたかと思います。
一方で、電算化、オンライン化、デジタル化が進んだ病院であっても、紙で戻ってくるから紙で戻しているんだというようなお話もございましたし、もう少し何とかならないかというところはあるかと思っています。そういったわけで、現場の方の負担感だとか、ユーザーインターフェースとか、そういうお話もいただきましたし、また費用面での課題ということもいただいたかと思います。
全体のフローの中でどういうふうにしていくかということもございますし、現状をよく踏まえて対応させていただければと思いますので、また改めて御相談させていただければと思います。
○菊池座長 引き続き、取りまとめに向けて御検討をお願いできればと思います。
それでは、よろしいでしょうか。次の議題に移らせていただきます。審査における診療データの活用の現状等につきまして、まず事務局から御説明をいただき、その後、審査の現場における診療データの有用性と、そのボリュームなどにつきまして、支払基金さんと国保中央会さんからそれぞれヒアリングをさせていただきたいと思います。
まず、事務局からお願いいたします。
○姫野保険課長 ありがとうございます。それでは、資料4-1について御説明をいたします。
「診療データの審査における活用の現状と論点」という形で整理してございます。
まず、こちらは平成29年7月にまとめました「支払基金の業務効率化・高度化計画」の中の記載でございますが、医療判断の基となる検査とエビデンスデータの添付などが選択的に可能となる柔軟な仕組みを導入するということが検討課題とされてございます。
「期待される効果」ということで整理してございますが、現状では診療データをレセプトに添付するというケースは省令などで定める場合と、それから審査委員会から添付を依頼する場合がございますが、いずれも件数としては多くはないということでございます。
しかしながら、レセプトがオンラインで送付され、診療データは紙送付などになった場合、以下のような事務負担が保険医療機関、審査支払機関、保険者等で生じているということでございます。具体的には、レセプトと診療データの手作業によるひもづけですとか、郵送管理といった業務が発生いたします。
仮にオンラインで診療データの送受信が可能となった場合には、このような業務、事務を廃止することは可能になります。加えまして、検査値などの診療データがレセプトにあらかじめ記載されますと、審査支払機関から医療機関へのレセプトの返戻自体を減らすという効果も期待されると考えてございます。
他方、右側の論点ですけれども、現状の審査において検査値、画像データなどの診療データを、どのようなケースにおいて活用するのが有用なのかということ。そして、現状の審査において送受信するボリュームはどの程度なのか。また、こういったものをオンラインで送受信するためには、医療機関、審査支払機関、保険者、それぞれでどの程度の追加の費用が生じるか。こういったところが、論点ではないかと考えてございます。
説明は、以上でございます。
○菊池座長 ありがとうございます。
それでは、まず支払基金のほうから御説明をお願いいたします。
○神田支払基金理事長 それでは、お手元の資料4-2に基づいて、今の件数ですとか実態について御説明をさせていただきます。
資料4-1の一番左上に書いてありました厚生労働省令等により診療データを添付する場合というのが、スライドの1ページ目に出ております。医科で35万点以上、歯科で20万点以上のものの症状詳記であるとか、100万点以上のものについては血液製剤等の高額な薬剤であるとか、人工透析等の処置に症状詳記を求めるというふうにされております。あとは、個別の診療行為単位で症状詳記が求められるものがございます。
また、一番下にございますように、DPCのレセプトであっても包括されている投薬、注射等について、コーディングに必要なデータの添付が必要というふうにされているものがございます。それが、国のほうで添付することとされているものでございます。
2ページ目が、審査委員会から添付を依頼するケースということでございます。
一番上のところでございますが、審査委員会から確認が必要ということで添付を求めているケースということで、最初に書いてあります一般的な診療と異なるような場合は、例えば骨折したときにボルトを通常より多く使っているとか、カテーテルを何本も使っているというような通常より数量が多いような場合に手術後の画像を求めるというようなことがされております。
それから、輸血の量の判定にヘモグロビン値を求めるとか、あるいは救急医療管理加算で重症かどうかという場合に検査値を求めるということが現場で行われております。これは、医療機関にレセプトを返戻して照会をするというような形で行われているものと、医療機関側から自主的に出していただくものがございます。
それから、算定された術式が適切であるかどうかを確認するために、手術記録を求めるというものがございます。
それから、高額レセプトということで各審査委員会の審査専門部会という部会で6万点から8万点以上の高額点数のものについては審査をしておりますけれども、あらかじめ返戻を防ぐために高額のレセプトについては症状詳記をお願いしております。
参考のところが数量でございますけれども、紙レセプトに添付されているものを数えることはできませんが、電子レセプトに添付されているものを2支部について確認をいたしましたところ、審査委員会からお願いしたものと、過去に査定されたとか、そういうことで医療機関から任意に提出されたもの全てを含めて、件数でいいますと0.005%とか0.006%、10万件当たり5、6件というのが今の添付の実態でございます。
あとは、前にガイドラインとの関係をコンピューターでチェックしてはどうかというお話がございました。お手元の3ページ目でありますが、ガイドラインについては作成主体もまちまちでありますし、エビデンスのレベルについても様々なものがあるということでございます。審査は基本的には療養担当規則と点数表に照らしてするということでありますけれども、その内容が適切であるかどうかということについて、医学的妥当性についてガイドラインはあくまでも参考ということで、参考にして判断をしているということでございます。そういう意味では、エビデンスレベルの低いガイドライン等で、保険診療ルールの中に明確に位置づけられていないものについては個々に判断する必要があるというのが実態でございます。
4ページ目でございますけれども、前に医薬品について適応チェック等をもっとデジタルファーストでできるようにしてはどうかという御指摘がありましたが、現状でいいますと4ページ目の一番上に書いてあります医薬品の適応、用法、用量、禁忌、それから診療行為の病名との適応関係については今チェックマスターという形でコンピューターチェックを既にしております。
ちなみに、医薬品についていいますと、全医薬品2万4000弱のうち1万3000の医薬品については適応傷病名チェックを今コンピューターでかけております。かかっていないものというのは、例えば抗菌剤とかステロイドといったような極めて広範囲に使われている、病名が非常に広いものであるとか、病名がないような漢方薬とか生薬とか、そういうものについてはかけられておりませんけれども、今後とも100%にしていくようにしていきたいと思っております。
検査値データであるとか、画像データをつけることについての課題ということが5ページに書いてございますけれども、現状でいうと10万件に5、6件ということでありますが、審査に有効かどうかということで、どの範囲についてデータ添付を求めるのかということについての検討は整理が必要だと思っています。したがって、審査の有効性についてまず試行的に添付をしてもらって、有効性を検証しながら順次拡大して、ステップ・バイ・ステップでやっていくというのが現実的ではないかと私どもは考えております。
3つ目でありますけれども、診療データを添付させる場合の義務づけ等の根拠をどうするのかといったことでありますとか、試行的に実施をするといたしましてもシステム改修等のイニシャルコストもかかりますし、ランニングコストもかかりますので、その費用負担をどうしていくのかということについての整理が必要かと考えています。
審査の実態については、田口委員長のほうから御説明をさせていただきます。
○支払基金(田口) 支払基金の田口でございます。
今、理事長のほうから説明がございました診療データの審査ということについて、それからガイドラインについて、少しだけ審査委員長という立場から補足、あるいは説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず、添付データを求める目的でございますけれども、私ども審査をする上におきましてはその医療行為が正しいかどうかということを確認するためにそのデータを求める。それで、そのデータを基に適正な審査をする。これが目的でございます。
このデータ添付におきましては、算定ルールで医療が行われているかどうかを確認したり、それから標準的な医療を超えるような検査、あるいは治療が行われている場合にその内容を問うということでデータ添付をお願いするということになっております。
そのデータといたしまして、まず1つは血液検査がございます。それから、2つ目としては画像検査、これもデータの対象でございます。それから、患者さんの病態を把握するという意味でバイタルサインもお願いするデータの1つでございます。それから、これは外科系でしょうけれども、手術記録をお願いする。こういうようなことが、適正な審査をする上において必要なデータというふうに考えております。
この添付データでございますけれども、これは診療科、すなわち外科系、あるいは内科系、これによって異なります。また、傷病によっても求めるデータが異なります。それから、審査をするレセプト、どの時点の審査なのかというポイントによってもデータの種類というのでしょうか、要求する内容が変わってくる。すなわち、入院時のデータを求めたり、あるいは治療経過でその後どうなったか、そのためにこういう治療はというようなデータを求めるものが必要になってくるということです。
これが、データを求める目的でございまして、では具体的にどうかということで、先ほど理事長のほうからもありましたように、1つとしては入院の救急管理加算というものがございます。これは、2種類ございます。点数の低いものと、点数の高いもので、この管理加算を取るためには条件がございます。これは、国で決めた条件で点数表に出ているものでございますけれども、この場合に例えば強い脱水、高度の脱水のときに高い点数を取れるというようなことはございますが、レセプトでは単に脱水症ということで高い点数を取ってきているレセプトは現実にございます。
そうしますと、私どもは傷病名から例えば胃腸炎で強い脱水はどうか、あるいは肺炎で強い脱水はどうかというふうに疑問を持ちます。その場合に、脱水ということに関しましてデータを要求するというか、お願いする。その場合には、やはり検査データということになってこようかと思います。
それから、2つ目としましては画像診断といたしまして、その治療あるいは医療材料の使用、薬の使用、そういうことに関しましてはその画像の病変の部位、あるいは大きさ、個数、これによって使う材料も変わってきます。これが標準的なものを超えた場合には、やはりその内容を問い合わせるようにしております。
それから、もう一つは手術記録でございますけれども、これは標準的な手術をしている間にやはりそれを超えたような長時間のものかどうかで点数がかなり変わってきます。そうしますと、麻酔の状況とか、そういうことを踏まえまして手術記録を出してもらうことによってそれが判断できるようになってくるので、データをお願いするということになります。
そういうことを考えますと、私どもはデータとしましてただたくさんのデータを出してもらうということではかえって判断に迷いますので、必要なものを必要なだけ出していただくということが今後求められます。そうしますと、返戻のレセプトも減ってくるということになるでしょうし、審査の効率にも結びつくのではないかと考えているということでございまして、これは診療データに関することでございます。
続きまして、ガイドラインのことについて説明させていただきます。ガイドラインというのは、医療の質の向上を図ったり、専門医のみならず一般の臨床医が効率的に、かつ適切な診療ができるよう、全世界の文献を再評価いたしまして、それでEBMに基づいた標準的な治療方針を定める。これがガイドラインだと理解しております。
このガイドラインに関しまして、公的な機関としましてMindsが我が国では現在280幾つのガイドラインを提示しておりますけれども、公的なものではないものを含めますと、500~600あるというふうにも聞いております。
それで、ガイドラインというのは全て内容が保険ルール、あるいは医薬品の適正使用と合致しているということではないというところが課題だと思います。実際に点数解釈で我々が扱っているものの中に、ガイドラインという項目は90幾つ出てきます。そうしますと、先ほど説明しましたようにMindsは300近くガイドラインを出していて、取扱いのほうでは100くらいということで、3分の1くらいの数ということでございまして、我々が実際にレセプトを審査するときにはやはり算定ルールを基本にするのが我々の一般的な考え方でございます。
ただ、ガイドラインは参考にさせていただいております。特に推奨度の高いものに関しましては、それを容認するということが多いのですけれども、推奨度の低い内容のものに関しましての判断が今、分かれているというところでございます。
1つの例といたしましては、先生御存じのように前立腺がんのPSAという項目がございます。ガイドラインでは、年齢に分けてその数値を決めております。それで、次の検査を決めてやりますけれども、厚労省の留意事項ですと年齢が書いていないんです。数値だけというようなことがあります。これは、やはり整合性が少し少ないということになろうかと思います。
それから、肝臓の疾患でのアルブミン投与に関しましても、推奨度はアルブミンを投与するのは推奨するということでございます。これは低たんぱく血漿の浮腫を治す。
ところが、どのくらいの数値のときにというところまでの踏み込みがないということになります。そうしますと、これは我々が医学的に判断せざるを得ないということで、これもやはり今後の課題になろうかと思います。
ただし、ガイドラインとして比較的高度の医療に対しまして、高額なお薬に関しましては推奨度の非常に高いもの、これは我々はよく認めております。これの一番典型的なものとしましては、抗がん剤でございます。抗がん剤というのは、やはり適応する幅がかなり限られていることがございます。
ところが、一般の医療としてはやはり広くお薬を使います。そうしますと、Aというお薬がBという病名に直接適応ではないんですけれども、その細胞形を見たり、あるいはガイドラインで推奨されたりということで使用を認めているというのが現状でございます。その場合、大体レセプトにはこのガイドラインに沿ってこの薬を使ったという明記もございますので、それを参考にさせていただいているということでございます。
ただ、先ほども話しましたように、ガイドラインというのはEBMに沿ったものでございまして、保険診療とちょっと整合性がないところがございます。
今後の課題といたしましては、その細部についていろいろとこれから検討して、今後コンピューターチェックだとか、AIの導入による審査とか、そういうものに対しましてガイドラインと我々の審査の細部が話し合われて煮詰めていければ、よりよいものになろうと考えております。
少し長くなりましたけれども、以上でございます。ありがとうございました。
○菊池座長 神田理事長、田口審査委員長、どうもありがとうございました。
引き続きまして、国保中央会さんからよろしくお願いいたします。
○国保中央会(津田) ありがとうございます。国保を代表いたしまして福岡県の津田でございます。
基金の神田理事長と田口先生がほとんどお話をしてくださいまして、どうもありがとうございました。私は、少し視点を急遽変えさせていただきまして、述べさせていただきたいと思います。
まず第1に、今お話がありましたように、審査委員会からいろんな医療機関に求める場合は、青本(点数表の解釈)に書いてあることや、ルールブックに書いてあることは求めますけれども、それ以上のものは、いわゆる適正な診療が行われるかどうかの判断に、全例ではなく個々の症例によってお願いしている。これは、基金のほうからお話があったとおりでございます。
ただ、申し上げたいのは、過去十数年の間にいろいろ医療費の問題、それから請求の複雑さの問題がありまして、厚生労働省のほうでいわゆる丸めのシステムが入ってまいりましたDRGPPS、それから今はDPCになってきました。これが、実はかなりの病床と医療費の大部分を使っているという事実がございます。
そこをどうして評価するかにつきましては、厚生労働省のほうでDPCの細かい枝をどんどん複雑に作ってきて、細かくなってまいりました。ですけれども、まだまだそれでも一人一人違うというところがあるものですから、全部で表せないということがあって追加の資料をお願いすることがあるわけです。
それともう一つは、青本(点数表の解釈)には書いていないのですけれども、高い医療費、いわゆる高点数の場合には、医療機関に症状詳記を書いていただきます。これによって、正しく医療が行われているかどうかを判断するということで、全例ではありませんが行っております。
医療費のかなりの部分が救急医療とかで使われております。その辺の審査が、必ずしも十分にはされていないことが問題です。私は現場の人間ですが、皆様方は御存じかどうか、特定入院料というものがございます。いわゆる救命救急、それから集中治療、ICUですね。そういったところの点数が大変高いです。今、実はコロナもありますけれども、一番高い救命救急のところは1晩で30万円のベッドで、それでも間に合わないくらいみんな大変になっています。
この特定入院料の審査が、実は審査較差の問題になってくるわけですけれども、審査委員会によって、県によって、見ているところと見ていないところがあります。フリーパスと、そうでないところがあります。これは健保連のほうから聞かれるといろいろ問題があるかもしれませんけれども、ほとんどフリーパスで通しているところがあります。これはいかがなものかというのが私の考え方で、やっております。限られた医療費でございますから、それをちゃんと評価していかないといけないのではないかという考え方を持っております。
それから、今回の検討会に出席させていただきまして、大変ありがたく思っております。最初の段階で基金と国保の審査較差は大した差異ではございませんので、これから厚生労働省の御指導で基金と国保が一緒になって決めれば簡単に片づく問題です。
問題は、その先のシステムの問題です。今日もお話がありましたけれども、大変いい話を聞かせていただきまして、これから基金と国保が実践面で、共同でやっていくということで、国保の方たちも1月からそれが始まるということで、ここでは大変ありがたくお礼を申し上げたいと思っております。
実はその次の問題がございまして、皆様方はお感じだと思いますけれども、国保は各県でやっておりますので、地域、地域のいろいろな事情でやっております。国保総合システムは大変重いというお話がありました。日本の今の人口構成を考えますと高齢者社会でございます。団塊の世代が2050年になったらみんな消えるから問題なくなるというわけでもなく、病気になるのは65歳以上です。
この検討会のテーマとは別に、政府のほうからいわゆるデータベースをどうするかということがございました。ナショナルデータベース、それから国保のデータベース、ついでに介護保険もやるということ、子供さんたちの、がんの問題、それから地域医療構想の中では精神科の病床は全然扱われていないのです。そういったことがこれから入ってくる。それは今、全部国保が各県で扱っているわけです。
ですから、この先の道筋として実は国保が各県をやっているので、これから地方再生などということを言われるのであれば、そこを国保を十分生かしていくのがよいのではないかと思っておりますので、私の個人的な見解ですけれども、すべてを国保が担うべきという意見に代えさせていただきます。
以上です。
○菊池座長 津田会長、どうもありがとうございました。
それでは、御意見、御質問をお受けしたいと思いますが、横尾構成員は次のお仕事で退席されましたが、メモを残されておりますね。事務局のほうで確認していただいてよろしいですか。
○横尾構成員 ネットですけれども、発言していいですか。
○菊池座長 どうぞ、横尾構成員。
○横尾構成員 今、座長が言っていただきましたが、メモにも書いていますように、具体的な実務というのはすごく重要だと思っていまして、ぜひ両者のヒアリング等を慎重にしていただきながら、丁寧な準備と分析と検証をしながら進めていただくことが何より重要と思っておりますので、提出した詳細な意見メモにかなり詳しく書いております。これは発言時間も限られているかと思って、先にメモを入れさせていただいているものです。
ぜひメモの内容を踏まえていただいて、今後生かしていただければ大変ありがたいと感じているところです。よろしくお願いします。
○菊池座長 どうもありがとうございました。
それでは、皆様から御意見、御質問はいかがでしょうか。
平川構成員、お願いします。
○平川構成員 ありがとうございます。
先ほど支払基金の方から、診療データを出すときに脱水の場合は云々、いろいろな場合は云々という話がありましたが、例えば脱水一つを取っても貧血の人が脱水になった場合とか、簡単に電解質だけで判断できないこともいっぱいあると思うんです。
そういう場合に、基金のほうからこういうデータを出してくれという形で具体的に出るのか。それとも、我々のほうで考えてデータを出すのか。医事課でその辺のデータを作成することになりますが、全部のそういう作業に医者が絡むというのは非常に非効率になると思いますので、具体的にこういうデータを出せというような形になるのかどうか、ちょっと教えていただきたいです。
○支払基金(田口) それでは、お答えさせていただきます。
現時点では、具体的にこの項目ということのお願いはしておりません。ただ、脱水ということを考えますと、やはりそれを評価する項目、検査データは公に一律的にあると思います。そのデータを求めるということで、具体的にこれとこれとこれということではなくて、脱水の状態を証明する、あるいは説明できるようなデータをお願いしたいというふうに現時点ではしております。
ただ、今、先生が御指摘になりましたように、今後はこれがいろいろな形で、例えばコンピューターチェックを含めてできるようになると仮定した場合には、最後に説明させていただきましたように、この疾患の場合はこのデータを添付していただくというようなシステムができるのが私は理想的と考えております。
ただ、現時点ではまだそこまでいっていないということで、ケース・バイ・ケースというふうに御理解いただければと思います。よろしいでしょうか。
○平川構成員 ケース・バイ・ケースは分かるのですけれども、今後どんどん拡大していく可能性があって、その辺をもし広げる場合にはきちんとしたデータを出していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○支払基金(田口) ありがとうございます。
○菊池座長 それでは、黒田構成員お願いします。
○黒田構成員 今、ケース・バイ・ケースというお話があったのですが、私は京大病院の中の情報システムを作る側の立場ですので、情報システムを作る立場からいくと、システムの作り方としてケース・バイ・ケースが一番作れないんです。基本的には、全てにおいて同じデータを抽出して同じように送って、ケース・バイ・ケースにするのは審査のときに必要なものを抽出する形にしていただかないと、それをやるのは極めて難しかろうというふうな気がいたします。
ただ、症状詳記の中に書かれていることはかなりナラティブな文章が多くて、片方で今お話があったとおり、一部のものは検査データから見ることができるというふうに考えたときに、ナラティブなものをメールのように書くというのは今の紙に書くシステムとほとんど変わりませんからやりようはあると思うんですけれども、データについて考えるならば、やはり既に取れていることがほぼ間違いないであろうというデータに限ってまずトライアルをするという場合には考えていただくようにしないと、余計な負担とコストがかかってしまうことになるのではないかと考える次第です。
それで、そのときに検査データというのは、本当は医療法の改正があった結果を受けて全て精度管理がされていることになっていますが、日本の国内のデータというのは基本的には外部精度管理が一元化されているわけではないので、データの中の値が例えば全く同じ検体の検査をしたとしても全く同じデータが出てくるとは限らないという状況になっているわけです。
そうすると、この制度を本気で投入する。こういうところに踏み込むというのであれば、診療報酬の制度の中で外部審査をして一定のレベルがそろっているということを証明された後でなければデータを受け取らないというような形にしないと、それこそ機械化できないということになってしまって効率が非常に悪いのではないかと思います。
ですので、まずやられたこと自身はトライアルとしてはやるべきことだと思うのですけれども、それをやるに当たって審査の立場で「個別案件」というふうに考えるのではなくて、システム全体としてどうあるべきかという視点で議論を整理し直していただくことをぜひとも厚生労働省のほうにお願いさせていただきたいと考える次第です。
私の意見は、以上です。
○菊池座長 御意見ということですが、どうぞ。
○支払基金(田口) どうもありがとうございました。
今お話が出ましたケース・バイ・ケースということですが、これは私が最初に説明させていただきましたように、疾患に対してと、疾患のケース・バイ・ケースです。ですから、例えば先ほどありましたように脱水ということに関しましてのケース・バイ・ケースではなくて、傷病名に対してどういうようなデータが必要かというふうに分かれますという意味のケース・バイ・ケースというふうに御理解をしていただければと思います。ちょっとニュアンス的に誤解されているところがあるかと思いますので、訂正させていただきます。
それから、2つ目としまして検査の結果がいろいろな方法によってデータが違うという御指摘はもっともだと思います。その場合に今どうしているかというと、現実的には基準値あるいは正常値も記載していただいて提出しているということもしておりますので、それは判断としては適正にできるのではないかと認識しております。
ただ、この疾患のときにはこういうようなデータは絶対最小限必要であるということは、今後それを構築するということが必要かと、このようにも認識しております。よろしいでしょうか。
○菊池座長 どうぞ。
○黒田構成員 今、御意見をいただいたことはごもっともだと思います。受け取る側の立場の論理で言えば、おっしゃるとおりだと思うんです。逆に送る側の論理からすると、「そんなことやってられるか!」という話に確実になるんです。
その間をつないで情報を整理して抜き出してくれるのがコンピューターシステムなので、全体としてどういうふうに作るかという視点で考えていただきたいということを厚生労働省のほうにお話をさせていただいたというのが今の私の意見の趣旨です。
○菊池座長 これは事務局に対する要望でもあるということですが、何かございますか。
○姫野保険課長 ありがとうございます。厚生労働省保険課長でございます。
今、黒田先生からの御指摘、また田口先生からの説明を踏まえまして、この点について再度しっかりと論点整理をしたいと思います。ありがとうございます。
○菊池座長 ありがとうございます。
では、どうぞ。
○国保中央会(津田) 私は現場におる人間として、それから医療機関におります人間として、それだけ求められると日常業務がそうじゃなくても回らなくなるのではないかと思っています。
だから、これはもうちょっと考え直さないと大変じゃないかと思っております。そのためにDPC制度というのが出てきた。DPC制度対象じゃない医療機関もありますけれども、そのためにDPC制度が出来たのだと思っております。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
それでは、佐藤好美構成員お願いします。
○佐藤(好)構成員 産経新聞の佐藤です。ありがとうございます。
検査値のデータをオンラインに乗せる話なのですけれども、大変すばらしい話で、ぜひやってほしいと思っております。先ほど申し上げた薬剤情報、特定検診情報の閲覧の仕組みに検査値が乗らないのは大変残念だと思っておりまして、審査の観点からではなくて早い段階で患者の手元に届くようになれば、それは医療の質の向上になるという観点から、ぜひ検査値等がオンライン化されていくことを願います。
それで、大変熱い議論があるところで申し訳ないんですけれども、やり方はよく分からないので、皆さんでこれだったらやれるというやり方を模索していただいて、ぜひ患者の医療の質の向上のために検査値のデータをオンライン化していただけるようにお願いいたします。
○菊池座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
津田会長、どうぞ。
○国保中央会(津田) 先ほど基金の理事長にもお伺いしたのですけれども、コンピューターチェックということで、これは一番大きなことだと言われておられて、なかなか完成の期日が大変じゃないかと思っております。
実は、私も病院の院長などをしていまして、事情によって業者に今いろんな審査とか、医事の事務を委託する場合がございますけれども、その場合はレベルにもよるでしょうが、大体1か月の時間があれば同じような審査をきちんとするのです。ですから、来年の9月と先日お話を伺ったときに、何人かの構成員の先生方もお話になっていましたけれども、簡単なところのものをまずやるというお話で、先ほど申し上げましたように実は今の医療費の中で、かなり高額の部分はなかなか手がつかないのじゃないかということで、実際にはどのくらいのスピード感になっていくのだろうか。
来年の9月を非常に危惧しておりまして、どうなのだろうと思っています。実は実物を見せてもらったらすぐ分かります。ここにおられる方々にとっては、その審査の場面というのはあまり関係ないかも分かりませんが、私どもにとりましては、実物を見ればすぐ分かるので、どうなのでしょうか。ここでこんな質問をして、申し訳ございません。
○菊池座長 神田理事長、お願いいたします。
○神田支払基金理事長 御指摘の点は、点検条件等のコンピューターチェックということでよろしいのでしょうか。
○国保中央会(津田) はい。そうです。
○神田支払基金理事長 それは、この場で2回目にもプレゼンさせていただきましたけれども、集約前には各都道府県の審査委員会、支部で支部点検条件というものをつけることができていて、それが14万ございました。それを、来年9月の新しい審査支払システムの稼働までには全て本部に既存の点検条件については集約をするということで、14万あったものが直近、足元でこの9月に1万2700まで集約しておりますので、来年9月には確実に本部に集約するということで、そこは対外的にもお約束していますのでそのようにさせていただきます。
それから、集約を始めた後に新しい診療報酬改定がありましたということで、新しく点検条件を支部で作成されたものもございます。そういうものについては、原則として半年間でその有効性が幾つの支部でつけられていて、そのうち査定に結びつく割合がどれくらいかという有効性検証をした上で、これも原則半年以内に新しいものも本部に集約していくという方針で、支払基金では進めております。
○菊池座長 よろしいでしょうか。
ほかにいかがでしょうか。ございませんでしょうか。
ございませんようでしたら、本日は田口審査委員長、津田会長、どうもありがとうございました。
それでは、そろそろ終了時刻も近づいてまいりましたので、本日はここまでとさせていただきます。
次回の日程につきまして、事務局から御連絡をお願いいたします。
○姫野保険課長 次回検討会の開催日時につきましては、1月22日金曜日の15時からを予定しておりますが、詳細につきましては追って御連絡をいたします。
○菊池座長 それでは、以上をもちまして、第5回「審査支払機能の在り方に関する検討会」を終了いたします。
ありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします。