第2回障害者の就労能力等の評価の在り方に関するワーキンググループ(議事録)

日時

令和3年1月29日(金)10:00~12:00

場所

オンラインによる開催(職業安定局第1会議室)

議事

○小林障害者雇用対策課課長補佐 それでは定刻となりましたので、ただいまから「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会 第2回障害者の就労能力等の評価の在り方に関するワーキンググループ」を開催いたします。皆様方におかれましては、お忙しいところ御参集いただきまして誠にありがとうございます。本日のワーキンググループはZOOMを使ったオンラインで開催いたします。開催に当たりまして、オンラインについて操作方法のポイントを説明させていただきます。
ワーキンググループの進行中は、皆様のマイクをオフとさせていただきます。御発言をされる際にはサービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックいただきまして、主査の許可があった後にマイクをオンにして、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。なお、通信遮断等が生じた場合には、一時休憩とさせていただくこともございますので、御容赦くださいますようお願いをいたします。
続きまして、資料の確認です。本日の資料は、議事次第と資料が1と2、そして参考資料が1~3まででございます。これらの資料に不備がございましたら、事務局までお申し付けください。
それでは議事に入ります。以後の進行は倉知主査にお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○倉知主査 今日は、私も含めてオンラインですので、皆さんよろしくお願いいたします。それでは早速、議題1、2から入りたいと思います。最初に、事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。私から資料1、資料2に基づき、御説明をいたします。まず資料1「論点を踏まえた議論等の整理(案)」としておりますが、これにつきましては、前回お示しした論点について、頂いた御意見等を整理しています。簡単に御説明します。
まず、1の現状の課題の部分ですが、この記載については、当日頂いた意見等をまとめて追記をしています。例えば、特別支援学校卒業生等の就労系障害福祉サービスの利用に当たって、B型の場合には「就労アセスメント」、継続Aや就労移行支援事業の利用を希望する場合には、「暫定支給決定」といった形で一定の仕組み・機能があるのですが、これらが目的や機能に沿った取扱いがなされていない実態もみられるであろうということ。あるいはハローワークにおいても、来所した障害求職者の方に対して、必ずしも統一的な評価の下で求職活動に対する支援指導等が開始されていないという状況も見られる中で、課題があるのではないかというところを具体的に追記しております。
その中で、本ワーキンググループにおきましては、働くことを目指してサービス等の利用を希望する最初の段階を念頭に置いて、障害者の就労能力や適性の評価、いわゆるアセスメントの在り方を検討するということです。サービス等の選択・決定に先立って、その選択・決定が有効なものになるようにアセスメントを実施していくことをメインとして、このワーキングでは御議論いただきたいということですが、最後の○にあるように、一定のサービスあるいは支援の利用中や実施中であっても、それぞれ定期的にその状況について把握をするモニタリングの重要性につきましても御指摘がありましたので、改めて留意することが必要と書いています。
2です。論点の整理(1)「アセスメントの目的・対象者」につきましては、まず目的ですが、この辺りは異論はないかなと思っていますが、サービス等の選択・決定に先立って、十分なアセスメントを実施して、御本人や関係者と共有するということ。アセスメントは、就労の実現に向けての長期的な視点に立ったものであることを目指すということであると、環境面で何が必要かを明らかにすることが重要であろうということです。
次のページです。ただし、懸念点としては、アセスメント自体が一方的な押し付けになったり、あるいは特定のサービス等への振り分けになったりということにならないように留意する必要があると、繰り返して御指摘があったところです。
次に、対象者につきましては、働くことを希望する障害者について、まず、アセスメントの目的・趣旨を説明する。ハローワークの利用以外については、基本的にアセスメントの実施がサービスや支援を受ける前提となるということかと思いますが、アセスメント自体の実施は基本的に広く対象としていきたいと思います。そこを目指した上で、実施体制等の検討を進めてみてはどうかということです。今の現状を踏まえると、就労系障害福祉サービスと職業リハビリテーションサービスといったことで、それぞれの利用の仕組みが異なるといったことがありますので、例えば、まずは職業経験を積んでいない方を中心として実施をするなど、実行可能性等も考慮した、段階的な対応策ということを検討してみてはどうかとしております。
(2)「アセスメントの結果を活用する場面」につきまして、まず福祉の場面につきましては、先ほど1で触れたような課題が生じているという中で、現行のアセスメントの仕組みを整理して、これらの就労系福祉サービスの御利用を希望される方については、共通のアセスメント実施の仕組みを設けていくということ。
雇用の場面においては、当面は職業経験を積んでいない方に対して、求職活動に入る前に、必要な方に対して一定のアセスメントを実施するということで、その結果を参酌しながら、職業指導等を実施していくということ。更には、就業経験を有する方も加えていくという段階的な対応ということが考えられないかということです。
具体的に、そういった広くアセスメントをハローワークの場面でも行われていった暁には、実際のマッチングに際しても、そのようなアセスメントの結果を参考として、必要な合理的配慮等について、事業主に対しての助言・指導ということでいかしていってはどうかということです。
次に、教育現場での活用方法ということで、現在、教育現場では、個別の教育支援計画が作成された上で教育が行われていると認識しております。教育から社会に出て行く際、福祉・雇用施策への切れ目ない支援ということを考えた場合に、うまくつながっていくことが重要かと思っておりますが、次のページに移ります。その実現のためには、教育、福祉、雇用というところでの「共通言語」が必要であるのではないかということ、第1回目の複数の委員の御意見として頂いております。
他方で、アセスメントの結果を教育現場と共有するといったことで、教育・福祉・雇用での「相互理解」を形成するということに有益であろうという御指摘であって、そのアセスメントの結果を教育現場にフィードバックするということで、学校においての指導内容の充実といったことにもつながるという意味で、教育・福祉・雇用それぞれの関係者の中でのPDCAサイクルが、これらの関係者の中での相互理解を進めるということにも資するのではないかといったことでした。
この辺り、複数の委員の方からの問題意識や御意見を多々頂きましたので、本日も更に、「共通言語」や「相互理解」の実現に向けて、何か具体的な御意見等を頂ければと思っております。
(3)です。方法、運用面での留意点ということで、アセスメントの実施に当たっては、どのような事実を把握するか、また、把握した事実をどう評価するか、2つの面が重要であると。まず、1つ目のどのような事実を把握するかについては、御本人の状況等を踏まえ、把握すべき情報を明らかにした上で、面接や関係機関からの情報収集、また、標準的なツールを使うことで、総合的に把握していくということかと思われますが、その上で、それをどう評価するかというのが重要であり、かつ困難ということであり、この辺りは専門的な議論になろうかということで、今後、御本人や関係者の視点も踏まえて検討していく必要があると記載しております。
ツールにつきましては、現在、JEEDのほうに要請研究を出しておりますので、ここで開発されたものにつきましても、活用することが考えられるということ。それから、やはり相互理解の促進については、重要性の指摘、繰り返しあったところでありまして、特に、支援に携わる関係者が共通の目標設定を持つということが必要ではないかということで、共通の目標設定に向けた具体的な方策について、更に御議論や御意見を頂ければと思います。
それから、目標設定を共有する上では、現時点においても様々な場面でケース会議等が行われていると思いますが、こういったケース会議等を通じての情報交換や意見交換ということが重要になってくるであろうと。そのほか、相互理解を図る上での有効な手段について、具体的な御意見を頂ければと思います。
それから、アセスメントで考慮する要素として、前回においても、例えば生活面や医療面、あるいは企業がどういう能力を欲しているかといった企業側の視点、職務能力や志向性といったこと、様々に留意する点について御指摘があったところですが、これらの留意点に対して具体的な対応として、どのようなことが考えられるかといったこと。
最後のページです。(4)実施主体につきましては、最終的には全国で実施し、それぞれ一元的な取組というプラットホーム化ということを想定していますが、まずは段階的な対応策ということで、どう考えていくのかということ、あるいはアセスメントの実施に当たっての質の担保について、具体的な対応策をどう考えるかといったこと。
(5)その他です。少し将来展望としては、個々の就労の困難性を評価して、その結果に基づいて、雇用率制度における障害者として取り扱うといったような可能性、あるいは本人の能力・適性等と個々の職業の必要な能力等のマッチングを評価するといった仕組みにつきましても、今後の検討の課題として記載しております。
資料2です。今、御説明したものを、1つイメージを持って捉えていただきたく御提示をしております。今、説明を申し上げたように、現状の支援の流れというのは、障害者御本人が地域において、市町村の窓口に行くか、あるいはハローワークを訪れるかということにより、赤いラインの就労系障害福祉サービスの利用の流れに乗っていくか、あるいは下のブルーの職業リハビリテーションサービスの流れに乗っていくか、これが分断されてしまっているというのが現状あるかと思っております。
基本的には、地域において働くことを希望する方については、一般就労実現に向けてワンストップでそれぞれのサービスの流れに分かれる前の段階で、1つの機能としてアセスメントの仕組みを仕組んでいくということを目指していくというのが将来的な目標かと思っております。
ただし、今の現状、2つの流れがある中で、一気にそこに到達することについては難しいだろうということで、まずは就労系障害福祉サービスの中において、現状、就労アセスメント、暫定支給決定といったことで一定の仕組みがあるのですが、現行の仕組みを整理して共通のアセスメントの仕組みを設けていくということで、より目的や機能にかなったような取扱いというのを目指していく。
一方で、下のハローワークですが、やはり現状、働きたいということでハローワークにいらした方に対して、統一的に職業評価等を行って、アセスメントの結果を活用しながら、求職活動等の御支援をしていくといった認識が十分でない部分もありますので、まずはこちら側での運用の強化、改めての現場への指示を徹底した上で取り組んでいく。その際に、まずは職業経験がない方を中心に対応したいということです。こういった職業経験を積んでいない方を中心にスタートし、その上で更に広く対象者としていった暁には、赤、青と振り分けが起こらないような形で、最初の段階での一元的なプラットホームとしてのアセスメントを仕組んでいくといった段階的な対応を考えていきたいということです。
また、更にはサービス支援の利用選択決定の前段階においてのアセスメントだけではなくて、当然、このような利用が進む中、支援を続ける中においてのモニタリングなどの重要性についても触れていますので、将来的には更に検討をしていくことかと思っております。一定の枠組みの中で、方向性として大枠をオーソライズいただければ、具体的な実施主体をどうするか、あるいは具体的な運用や質の担保といったことにつきましては、この場においては、今後具体化をしていく中での検討の方向性なり、留意点などについて御意見を頂ければということです。具体的な制度設計等にまで、この場で議論を尽くしていくことは現実的ではないかなと考えております。事務局の説明は以上です。よろしくお願いいたします。

○石井障害者福祉課課長補佐 障害福祉課の石井です。ただ今、説明した内容について、併せて1点だけ補足説明いたします。今般、御説明した内容につきまして、障害福祉サービス又はハローワークにおける職業リハビリテーションにおける就労アセスメントについて、将来的にはワンストップによる仕組みが目標かと思うところ、まずは、それぞれに段階的に就労アセスメントを検討してみてはどうかということを説明をしたところです。そこで、就労系障害福祉サービスについては、その利用に当たっての就労アセスメントにつきまして、各サービス共通のアセスメントが何らかの形で設けられないかという内容をお示ししたところです。ここで、就労系障害福祉サービスを利用を希望する人については、広く共通の就労アセスメントを実施するという方法もあるのかなと思っているところですので、その点につきましては、このワーキンググループの場でも御意見を頂ければなと思っています。念のため、補足説明させていただきました。よろしくお願いいたします。
○倉知主査 ありがとうございました。これから意見交換に入りますが、全体的な流れとして、職業経験のない方の職業リハビリテーションおよび障害福祉サービスについては、就労経験の有無にとらわれずに希望する方にはやる方向で考えていきたいということでよろしいですか。それで、具体的にどのようににしていくのか、どこが担当したらいいのか、その辺りも含めて今日は検討したいと思います。
今、お話いただいた説明資料は、前回のワーキンググループで最初に提案された論点に沿って整理していると思います。前回の意見を踏まえて、少しずつ補強しているわけですが、最終的にはこの資料の内容をもっと肉付けたり、修正したりしながら仕上げていくことを考えておりますので、そういうことを踏まえて今日は御意見、御発言を頂けると有り難いと思っております。
まず、御質問や御意見がありましたら、手を挙げるボタンをクリックしていただいて、私が指名した後にお名前を名乗って発言いただくようにお願いいたします。
最初に、前回御発言が頂けておりませんでした川崎市、鳴門市のアドバイザーの方から、よろしければ御発言をお願いして、その上で皆さんから手を挙げるボタンをクリックいただいて、意見交換をしていきたいと思います。最初に川崎市様、よろしいですか。
○川崎市健康福祉局障害保健福祉部障害者雇用・就労推進課 川崎市役所の金山と言います。よろしくお願いいたします。川崎市では、短時間雇用プロジェクトということで、独自の事業を行っておりますので、今日はその取組のお話もしながら発言させていただければと思います。
川崎市では、平成28年度から短時間雇用プロジェクトとして、週20時間未満の、いわゆる法定雇用率対象外の求人を開拓して就職につなげるという事業を行っており、昨年度末までに88名の方が就職している状況です。
この事業の特徴は3つあります。まず1つは、名前のとおり、雇用率の対象外となる週20時間未満の雇用を開拓しております。2つ目は、作業内容を1つあるいは2つに絞って求人開拓を行っております。3つ目は、開拓した求人を就労援助センター、いわゆる障害者就業・生活支援センターに似た機能ですが、そういった就労援助センターや就労移行支援事業所の利用者とマッチングさせているということです。
事業をやってきて変化ということですが、就労援助センターが市内には3カ所あるのですが、短時間雇用の事業を開始したことで、求職相談の対象者の幅が広がったということがあります。これまではセンターに相談に来られても、週20時間以上働けなさそうな方とか、作業能力的にいろいろな作業をするのは難しいかなという方は、就労継続Bに紹介して、相談はそこで終了ということが多かったのですが、今はそういった方たちを一旦は就労継続とかにつないだとしても、その方に合いそうな求人が出てきた場合には、その短時間雇用の求人を御紹介するという流れができているかと思います。センターの職員の意識も大分変わったという印象を持っております。
アセスメントとの関連で言えば、1つは、ハローワークとかにある基本の求人票を念頭にアセスメントしていくというのも現実的な対応かなとは思いつつも、本人のできる、できないだけではなくて、勤務条件だったり、職場環境だったり、どういう条件であれば働けるのかという視点でアセスメントをしていくことが大切ではないか。
もう一つは、採用後は当然しっかり職場の戦力として働くということが大切だと思いますので、その方がどんな作業が得意なのかとか、どういう配慮があると力を発揮できるのか、そういったアセスメントは非常に重要だと思いますし、できればそういった情報を採用時に本人と企業の双方が共有して就職してもらえると、採用後のトラブルが減るという印象を持っております。以上です。
○倉知主査 ありがとうございました。重要な示唆を頂きました。どのような条件であれば働けるのかとか、本人の強みをどう見るかという視点が重要で、それを企業も含めて共有しながら進めていくということでよろしいですか。
○川崎市健康福祉局障害保健福祉部障害者雇用・就労推進課 はい。
○倉知主査 ありがとうございました。それでは鳴門市の方、よろしいですか。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 鳴門市です。よろしくお願いします。鳴門市就労支援部会アシスタントディレクターの林です。今日は打合せで5、6分お時間を頂いているので、鳴門市の取組についてお伝えしたいと思います。今日は、メンバーはそろっております。それでは、鳴門市については、就労移行3年目の延長について具体的な取組をしてきました。まず、鳴門市の横手さん。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 市役所の横手と申します。私のほうからは、就労移行3年目について、幾つか課題がありまして、平成28年ぐらいに見直しを行ったのですが、それまでは本人が3年目を希望する、事業者も3年目を希望したときに、市役所のほうでそれを判断して、無理ですとか、続けていいですというのは判断がなかなか難しいです。ですから、やはり希望が出たら認めざるを得ないと。
ただ、実績を追って見ますと、平成25年から平成27年の3年間で6名の方が3年目を希望したのですが、3年目の中で就職できた方は0でした。市役所としても実績が上がらない中で、3年目を認めないのか。そうではなくて、3年目に入る人を就職にいかにつなげていくかというほうに取組をしていきたいと。そういうことで就労部会のほうに協力を求めました。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) それでは、就労支援部会長の松尾さん、どんな取組をしたか教えてください。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 松尾です。3年目のコア会議に当たって、本人が利用される事業所の方と、本人にプレゼンテーションをしていただいております。そのコア会議に当たっては、本人に関係する相談支援専門員やナカポツセンター、地域のハローワークの方、場合によっては職業センターの方に来ていただいて、2年間の取組についてと、今後延長する1年間はどういうことを取り組むかということについてコア会議を行いました。
その中で、中には施設外就労の経験がなかったり、求職登録も実はやっていないという場合もあったので、そのことについて本当に基礎的な部分から、関係者と協議して助言をさせていただいております。相談支援専門員もいろいろ担当はしますが、御本人がどういう活動を実際やってきたか知らないこともあるので、その場面にいろいろな方が参加していることに非常に意義がありました。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) それでは、具体的に事業所で参加されていた椢原さん、どんなことがあったか教えてください。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 就労移行支援をしている椢原です。当事者と計画を再確認して、市の就労支援部会でプレゼンを行いました。かなりプレッシャーはあったのですが、いろいろな視点からのアドバイスを頂いて、それを新しい課題として計画に取り入れることにしました。当事者も目標をしっかり持って、応援団もいるという強みもあったと御本人も言っておられました。部会も、福祉教育とか他分野において共有するメンバーがいるということと、定着をずっと続けているということで、そのまま継続につながっている現状です。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) ありがとうございます。それでは相談支援専門員の方たちにも聞いてみたいと思います。まず益田さん、この会議に参加されてどう思われましたか。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 鳴門市基幹相談支援センターの益田です。私は相談支援専門員をしていますが、担当している方が就労移行の3年目を使うということで、会議に出させていただきました。御本人のことを市役所の方も知らない方が多いかなと思いましたので、市役所の方にも御本人に会ってもらって、この会議で思いを知ってもらうということは非常に大事だなというところと、御本人にとっても、この会議で自分のプレゼンをすることで、3年目で何を頑張ろうかというところが整理できているように思いましたので、非常に良い会議だと思いました。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 平尾さん、どうでしょうか。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 愛育会地域生活総合支援センターで相談支援専門員をしている平尾です。私が相談支援に関わるようになってから、そのときにはコア会議ができていたので、私が3年目で関わった方はほとんどコア会議を経てということになっています。もしコア会議がなかったらと言いますと、私たち、相談支援専門員は、事業所の方と比べて非常に情報は少ないので、もし事業所の方が必要ですと言われたら、そのとおりのような計画を立ててしまったのではないかと思います。やはり、御本人が2年間やってきたことや希望を聞いて、そこに正確に反映していけるというのは良いと思います。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) それでは、ハローワーク鳴門の松浦さんにも聞いてみたいと思います。松浦さんには、かなり長く付き合っていただいておりますが、具体的に感じられていることをお伝えください。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) ハローワーク鳴門の松浦です。ハローワークとしては、毎年、県を挙げての合同面接会があるのですが、コア会議に参加する前は、支援機関から依頼があった方の履歴書支援策であるとか、面接の練習を行っていました。
ハローワークとしては、もっといろいろな方にこれを知っていただきたいという思いと、この就労支援部会の動き、3年目の方の就職の対策が一致しまして、一緒に履歴書添削会、模擬面接会を行うことになりました。当初、履歴書添削会を行えば白紙で持ってくる、模擬面接会を行えば普段着で来られる。移行に在籍しながら全くハローワークに登録のないという方もたくさんいらっしゃいました。
ハローワークとしては、その履歴書添削会を支援機関と一緒に行った結果、支援者は自身が通所されている方の履歴書も完璧に見れるようになりましたし、すごく支援者の質が上がっていると思います。またハローワークとしても、今年度は残念ながらコロナの影響で就職率は下がっておりますが、昨年度までは就職率が右肩上がりでどんどん上がっていたように思います。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) それでは戻ります。横手さん、効果のほどを教えていただけますか。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 横手です。先ほどお伝えしたように、平成25年から平成27年の取組を始める前は0だったのですが、平成28年度からは就労部会の協力を得て、コア会議を始めた後は9人の方が3年目に入ったのですが、そのうち8名の方が就職につながっています。どうしてかなと考えたときに、やはり、振り返りをして、また他の事業所の方や機関の方からアドバイスをもらえるということと、3年目に入る前に、あと1年では難しいかなというときに違う支援に切り換えるという判断のほうも事業所でしやすくなったのかなとは思います。
市役所としてもこの取組は続けたいとは思うのですが、今回は支給決定前のアセスメントも重要なポイントにはなっているとは思うのですが、今、就労部会のほうで取り組んでいることを支給決定前に全ての方にするというのは少し難しい面もあるかなとは思います。以上です。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 部会長の松尾さん、お願いします。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) このコア会議を開催した効果については、まず1つは、鳴門市が策定している障害者の計画の中で、就職の目標値を設定するのですが、その目標値をなかなかクリアすることが今までなかったという状況が、このコア会議を行うことでクリアをしました。鳴門市で今部会の実行委員の方とも話をしているのが、現在は3年目の延長の際にコア会議を開催しているのですが、もし可能であれば、移行支援を使い出した1年目にどういう振り返りが必要だったりとか、移行を使う前に、例えば特に支援学校の卒業生の方とかについては会議をしたほうがいいのではないかということも、このコア会議の検討課題としては上がっています。以上です。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 鳴門市、すみません、時間をたくさん頂きました。ありがとうございます、皆さん。
○倉知主査 ありがとうございます。就労移行支援事業を利用して3年目の方の支援を就労移行支援事業所だけに任せるのではなくて、協議会の就労支援部会にいる福祉や雇用、様々な機関が一緒になってチームを組んでサポートすることで雇用に結ぶ付くことができたという取組だと思います。
今の川崎市と鳴門市の御発言について、御質問なり御意見があればお願いします。
○横倉アドバイザー 川崎市も鳴門市も示唆を得られるような御発表をありがとうございました。鳴門市の最後の方がおっしゃっていた唯一出てきた話題ですが、支援学校と課題を共有すると言いますか、そういう話が最後に出てきたと思いますが、支援学校とどういうふうな連携とか相談の場、あるいはやり取りの中身や課題があれば是非御教示いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○倉知主査 お願いします。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 就労支援部会部会長の松尾です。よろしくお願いします。現時点では、支援学校の方と鳴門市も含めて相談支援、事業所という形で話し合いができたらというところで検討段階ではあるのですが、支援学校の先生が進路を決めるときに、就労移行が適切かどうかというところは御本人ともいろいろ考えて決められているとは思うのですが、まず1つは、鳴門市に申請が上がってきて、それから2年間、鳴門市も状況をしっかり把握できていないとか、2年間で本当に就職ができる可能性というのは不透明なところもあるので、結果3年目の延長ということで、2年間をどういうふうに過ごしたか、まず分かっていなかったというのはあります。
そのために1年目の取組をしっかり、市も事業所も相談支援専門員も含めて状況を把握したいということ。それを2年目にいかすことはまず大事かなと思います。それ以前に支援学校から卒業するに当たっての本人の状況やニーズを知ることがまず大事かなと思います。
あと鳴門市の就労支援部会では、コア会議のほかにもいろいろな研修会を実施しています。それはテーマがあるのですが、当事者が学ぶことをまず大前提に、それに伴って支援者が学ぶという研修を行っています。先ほどもハローワークの松浦さんからも話があったのですが、徳島県で障害のある方の面接会があるのですが、それに当たって求人票の見方の勉強会をしたり、履歴書の書き方をしております。実際それは御本人が知らないというよりも、本人と書き方をサポートする支援者が書き方を知らないということもあるので、しっかりそれについても研修をしたりしています。それに合わせて、昨年はスーツの着こなし講座を行なったり、面接に当たってのマナー講座を実施しています。
その後、面接会に当たって模擬面接会を実施します。模擬面接会に当たっては、既に障害のある方を雇用している企業の方に御協力を頂いて、模擬面接官役という形で参加をしていただいています。これをすることで御本人もいきなり面接の会に参加する前に、こういう経験ができるというのはすごく効果があるなと思っています。これがコア会議に限らず、就労支援部会がいろいろな研修を交えて御本人の就職のサポートをしているというのが現状です。そこには支援学校の卒業生の方も参加をしてくださっています。以上です。
○倉知主査 ありがとうございます。ほかはいかがですか。
○中尾アドバイザー NPO法人ディーセントワーク・ラボの中尾です。よろしくお願いいたします。非常に貴重な取組を教えていただきまして、どうもありがとうございました。川崎市と鳴門市の両市から発表を聞かせていただいて、きめ細かいアセスメントとか、それを様々な分野の人が多角的に検討して、かつ対応していくということで、もともとB型対象になるかもしれなかった方が、雇用へとつながっていくというところが、実際の事例をもって教えていただいて非常に勉強になりました。
質問ですが、鳴門市の最後の方が移行の1年目、最終的に反省というか、今後についてというところで、1年目とか移行前に検討会議があればよかったということをお話されていたと思いますが、具体的にそれはどういうことで1年目にあったほうがよかったとか、またどういうところを検討すればよかったのかというところがありましたら教えていただきたいと思いました。
○倉知主査 鳴門市、よろしくお願いします。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 改めて、鳴門市就労支援部会の松尾です。この件については鳴門市の横手さんからコメントを頂きます。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 市役所の横手です。先ほど3年目についてということで効果が出てきたのですが、2年間の支援を振り返る中で、ハローワークに登録がなかったりとか、そういうことがその時点で分かったりする場合もあります。
そういうことを踏まえますと、1年目のときに基本的なところをしっかりするとか、そういう振り返りをするというのと、御本人が就労移行を使いたいということで使い始めたのですが、それが本当にどうだったのか、支給決定前のアセスメント段階では分からなかったとか、生活状況だったり、そういうところの振り返りも支援している事業所だけではなくて、ほかの目が入ることが良いのではないかというのを今考えております。
○倉知主査 今のは、1年目が終わった段階での話ですね。中尾アドバイザーは、それプラス利用開始前に必要なアセスメントの意義について教えてほしいということだったと思いますが、何かありますか。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) あと支給決定前のことになりますと、これは全員ではないのですが、やはり支援学校の生徒さんの場合には、職業能力は高いのですが、いわゆる学校生活の中のアセスメントということになって、卒業されて、御自宅で学校に行かない形の生活が始まったときに、そちらでリズムが崩れたりとか、そういう方もいらっしゃったりして、もう少し学校の情報を市とかほかの方もよく知っておけば、支援の仕方とか、能力は高いけれども、ここは気を付けておきましょうというのを始める段階から知っておけば、そこでつまずくことなく行けるケースもあったのではないかというのを感じているところです。以上です。
○倉知主査 ありがとうございます。中尾アドバイザー、よろしいですか。
○中尾アドバイザー 大丈夫です。ありがとうございました。
○倉知主査 永野アドバイザー、よろしくお願いします。
○永野アドバイザー 貴重なお話を大変ありがとうございました。永野と申します。鳴門市の方にお伺いしたいのですが、就労支援の3年目にコア会議を開いて、移行支援を3年間利用される方の就職につなげるようにしているというお話でしたが、このコア会議に参加される方は一体どういう方なのかを教えていただきたく存じます。対象となる方によって異なるのかどうか。また、どういう方がどのような観点から参加することとなっているのかを教えていただけますと幸いです。よろしくお願いします。
○倉知主査 それでは、よろしくお願いします。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 就労支援部会の松尾です。先ほどもお伝えしたのですが、参加しているコア会議のメンバーは、本人が利用する事業所の方、御本人、鳴門市の社会福祉課の方、それと本人に関係している相談支援専門員、就労の分野のナカポツセンターとハローワーク、場合によっては職業センターの方にも参加していただいています。プラス、そのコア会議をいろいろな人に見ていただきたいというのもあるので、ほかの就労移行支援事業所の方にもある意味意図的に参加していただいて、こういうコア会議をしていますというのを見ていただいています。
実は、去年コア会議を開催したときに、御本人はもう既に事業所からトライアル雇用が入っていて、お仕事をもうされていました。ちょうど3年目の延長の更新の時期に入っていたのですが、本人がプレゼンテーションするにあたって、仕事をお休みして福祉課に来てプレゼンをするというのが少し気になったので、会社にも御相談させていただきましたら、本人が働く会社でコア会議をさせていただくことができました。
併せて、本人にお仕事を教えておられる会社の同僚の方と上司の方にもコア会議に参加していただくことができました。そのことで、行政の方も本人が働く会社を見る機会がなかなかないので、行政の方も障害の方が仕事をしているところを、実際に会社見学をしていただいたのが非常に効果があったと思っています。以上です。
○倉知主査 ありがとうございました。まだあるかもしれませんが、今回はヒアリングというわけではないので、同じアドバイザーとして意見を頂いたということで、これから資料1の論点を踏まえた議論の整理に入りたいと思います。鳴門市、川崎市の方もアドバイザーですので、意見等を頂ければと思います。では最初に、1番の就労能力や適性の評価に係る現状の課題という所で、御質問なり御意見なりがある方は挙手をお願いいたします。稲葉アドバイザー、お願いいたします。
○稲葉アドバイザー 名古屋市総合リハビリテーションセンターの稲葉です。よろしくお願いいたします。まず現状の課題の所で、1つ目は、就労アセスメントは、B型の利用を前提とした形式的なアセスメントになっている一面があるという課題があると思うのですが、実際に愛知県の周辺を見渡してみても、やはりそういう声は多く聞かれているかなと思っています。その1つの要因としてなのですが、まず就労アセスメントをする大前提として、特別支援学校の生徒さんとか御家族というところが、社会の中で障害のある人が働くというイメージが持てていないところがあるのではないかというのがちょっと思っているところです。これは、実はB型、特別支援学校の方だけの問題ではなくて、今でいうと重度の障害の方が介護付きで働くといったときも同じだと思うのですが、やはり働くイメージが持てない人に希望を持つというのはなかなか難しい話なのではないかと思っています。
ということで考えると、それ自体もアセスメントかもしれませんが、アセスメントを行っていく前提として、早い段階から、特別支援学校も低学年とか、そういったところから働くイメージを少しでも持てるといいのではないかと思っています。例えばですが、愛知県とかにおいて、ある地域では低学年というか、小学校、中学校といった所に対してなのですけれども、相談支援事業所とか企業、就労支援機関が一体となって、先ほどの鳴門の話にも通じると思うのですが、それらが一緒になって働くことに関する夢や希望を育むための会のようなことをやっていたりします。そうすると、小さい頃からそういったことにイメージを持っていけるのではないかと思っていて、そういったことも実際にアセスメントする上では、大前提として考えていかなければいけないのではないかというのが1点目です。
もう1点目に関してなのですが、今度は暫定支給に関するところの意見です。暫定支給は、就労系のサービスにおいてはA型と就労移行が実施されているかと思います。実際に暫定支給に関しては、本来は適切なサービスの利用を図るという観点から行っているというふうになっていると思うのですが、やはり形骸化されているというのが実態かなと思っています。なぜそのようなことが起きているのかといったときに、本来、障害福祉サービスの中でそういったことをやっていくというのには、やはりちょっと無理があるのではないかなと思っています。
どうしても障害福祉サービスに関しては、制度の特徴でもあると思うのですが、障害のある方が利用するというところで収入に直結するところがあるかなと思っていて、直結する期間がアセスメントして、その後、実際に利用という話になってくると、そこに利用する方がやはり多くなってしまうと思っているので、第三者が実施するなり、先ほどの鳴門の話ではないですけれども、いろいろな人の目に入る中できちんとアセスメントが行われていくという仕組みがやはり必要なのではないかと考えております。
なので、課題の就労アセスメントのB型又はA型とか就労移行に入る前の段階で、そういったところをちょっと気を付けて行っていく必要があるのではないかなと考えております。取りあえず以上です。
○倉知主査 ありがとうございました。1番の現状の課題とともに、2番の(2)の活用する場面の所までコメントいただけたと思います。それでは、大きい1番の現状と課題は取りあえずよろしければ、2番の論点を踏まえた議論の整理に入っていきたいと思います。(1)のアセスメントの目的対象者という所で、御質問なり御意見なりを頂ければと思いますが、いかがでしょうか。また最後に全体を通してやりますので。金塚アドバイザー、よろしくお願いします。
○金塚アドバイザー 金塚です。対象者の所ですが、先ほど来、職業経験のない人イコール支援学校の対象者というところが何度か発言があったかと思うのですけれども、私たちの法人は精神障害及び発達障害の方を対象に就労移行を実施する中で感じるところではあります。精神障害の方々というのは、結構な数、職業経験のある方々がおられるのですが、病気療養等を含めて社会就労生活からある一定の期間、中・長期期間、離れておられる方々がおられるので、そういう方々も是非、対象にしていただきたいなと思うのです。
御自分での自己評価というところにおいて、なかなか客観的に自分の能力を評価することが難しくて、自分のことをとても高く評価したり、とても低く評価したりという現状がある中で、客観的なアセスメントを入れていただくことがとても大事になってくるかなと思います。
もう一点は環境要因です。前回の中でも少し発言させていただきましたが、個の要因だけではなくて環境的な要因、医療的な要因も含めてアセスメントする必要がある。よくあるのが年間を通して多くの方々が私たちの法人に見学、相談に来ていただけるのですけれども、その中で経済的な脆弱性から工賃をもらえずに訓練だけをしてというのが難しいという方がおられます。そうすると、そういう方々がB型とかA型に流れていって、中・長期的に見るとB型に流れていってそのままB型でずっと、移行に移行せずに一般就労に結び付かないというケースが結構あるのではないかなと。
なので、このアセスメントの中にあります、中・長期的に彼らをアセスメントしていくといったときに、働きたい希望があるけれども、環境要因の中で働くことが今現在難しいと。なので、今現在はB型に行って、ある一定の経済的な環境が整えばまた移行に移っていくということも視野に入れて、アセスメントしていただくというのはとても大事かなと思うので、是非、職業経験がない人イコール知的障害支援学校の人だけではなくて、精神障害の方々も対象に入れていただければいいのではないかなと思います。以上です。
○倉知主査 ありがとうございました。いわゆる中途障害の方々は、障害を受けてから職業経験がないと考えればいいということでよろしいですか。御意見を頂き、ありがとうございます。では相澤アドバイザー、よろしくお願いいたします。
○相澤アドバイザー 1番の6番目の所のマルで「障害者の就労能力や適性の評価(以下「アセスメント」という)」となっているのですが、この「アセスメント」でもニーズアセスメントのことも読み込めるように書いていただければと思います。
○倉知主査 ありがとうございます。就労能力や適性の評価の中に、ニーズも入れるべきではないかという御意見でよろしいでしょうか。ありがとうございます。では横倉アドバイザー、お願いいたします。
○横倉アドバイザー 特総研の横倉です。アセスメントの目的対象者の所の論点でよろしいでしょうか。本当にここの目的対象者の所は、よく整理して書き込んでいただいたなと感謝申し上げます。と申しますのは、先ほど来、特別支援学校の卒業生が非常にこの話題の中に挙がってきているわけですが、正しく私の問題意識ときちんとフィットするところなのです。要するに、就労アセスメントが、卒業生や在校生がどういう支援を受けていれば、あるいは環境的な条件が整えば働くことができるのかという発想は、とても大事な発想だと思うのです。従前でいえば、私などが経験した中では、適正とか適応に力点が置かれて就労アセスメントがなされてきたという部分はなかっただろうかと。逆に、働くためにはこの子には実際にどういう支援が必要なのだという、そういうところの視点でアセスメントを行っていくというのは、非常にアセスメントの意義を高めるというか、そういうこともあるのかなと思います。
具体的には、例えば教育の現場の中では、前回からずっと言い続けていますように、教育支援計画、個別の指導計画というのを策定して、その子に合った指導や支援を構築して指導に当たっているわけですが、それが学校段階で途切れる。そうではなくて、それが次の段階に引き継がれる、切れ目のない支援に引き継がれる。もっと言えば、学校で行われていた合理的な配慮や基礎的環境整備の視点が、卒業後にその子が働く場でも一定に整えられることがとても大事なのだろうと思います。
したがって、学校の中で策定されている個別の教育支援計画、そういったものが次の段階でもちゃんと引き継がれていく制度というかシステムというか、そういったものを構築していくことが非常に大事なのだろうなと思います。以上です。
○倉知主査 ありがとうございました。目的の所で、どのような支援や環境があれば働けるのかというところを、しっかりアセスメントすることが重要だということと、特別支援学校の場合には、卒業した後までアセスメント結果が引き継がれることが重要ではないかということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、鳴門市の松尾アドバイザー、よろしくお願いいたします。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 就労支援部会の松尾です。先ほどの横倉アドバイザーのお話を受けて、部会の実行委員で就労移行の管理責任者の方がちょっとお伝えしたいことがあるということなので、話をさせてください。
○鳴門市地域自立支援協議会就労支援部会(鳴門市役所) 就労移行をしています椢原と申します。うちでは、特別支援学校を卒業されて、その前に実習を何日か、何回かするのですが、その中で就労Bかなと思う方でも、取りあえず一度就労移行で暫定を受けながら取組をしています。ただ、家族の方がB型で進めていたりとか、いろいろな意見があるのですが、取りあえず就労移行を使って就労の可能性であったりとか、本人の就労、環境的なことも含めて取りあえず関わってみる、一緒にアセスメントを作り上げていくというところで、1年ぐらい様子を見ながらプログラムをしていきます。
その中で、ちょっとまだ就労には遠いかなとかとなると、鳴門市役所とか就労部会と相談しながら就労Bに一度戻ると。それでまた就労意欲が湧いたり、自分の中でイメージができてくると就労移行を利用してという感じで、今、2年目を迎えている人がうちでも1名おります。以上です。
○倉知主査 ありがとうございました。まずは就労移行支援事業で可能性を追求するのだと、それから考えるということでよろしいでしょうか。では大濱アドバイザー、お願いいたします。
○大濱アドバイザー パーソルチャレンジの大濱です。2、論点の(1)のアセスメントの目的の所なのですが、恐らく事務局サイドで皆様がおっしゃった意見をまとめていただいたところもあると思うので、私にとっては、ちょっとぼやけたかなというような印象を持っております。アセスメントの目的が少しぼやけ出したかなという印象を持っていて、もしできるなら先に、前回も議論は出ましたけれども、何のためのアセスメントなのかというところを固める必要があるのではないかなという意見です。
具体的に申し上げますと、アセスメントというのは、何らかの目的や最終的なゴールに向かって行う手段の1つですから、最終的な目的やゴールが一体何なのかというところの目線合わせも少し丁寧にやる必要があるのではないかなということです。かなり極論で申し上げますが、親会の開催趣旨あるいは昨今の政策動向を見ている中で、障害があって働く意思と能力のある人全員に働いてもらうと。最終的にはそこにつなげるためのアセスメントなのだと理解しております。
その中で今回のワーキンググループでは、就労経験のない人であったり、就労継続福祉サービスへの入口のところを集中的に議論しようということだと思うのですが、ともかく最終的なゴール、目的がぼやけるとちょっと拡散してしまうので、時々そこに立ち返れればいいかなと思いました。
それから、もう一点だけです。アセスメントの目的の所で、ちょっと言葉としてぼやけたなとか、あるいは論点がぼやけたなというところがありますので、このように置いてみたらどうかという文言も併せて考えてみました。そういうのは、チャットとかで共有してもいいものですか。それとも、後でメールとかでお送りしてもいいものですか。
○倉知主査 コメントしていただいて結構です。
○大濱アドバイザー はい。同じように3つあると思うのですが、ちょっと記載いただいているお言葉も借りて、まず1つ目です。「十分なアセスメントを実施すること及びこれを関係者」、関係者の定義も必要ですが、恐らく今回でいくと教育機関、就労支援機関、雇用主、雇用側も入るのだと思います。「これを関係者も共有することにより、障害者の就業ニ―ズの実現に資する納得感のあるサービス等を提供する」というところが、1つ目の入口のところです。2つ目です。「長期的視野と障害者に必要な環境整備への配慮を示唆するアセスメントをすることにより、継続就労を実現する」という目的です。
最後ですが、「アセスメントの結果を本人及び関係者が共有することにより、課題にあったような恣意的なアセスメントを行ったり、特定の就労継続サービスへ振り分けを行ったりすることを回避すると」いうような置き換えをしたほうが、ちょっとすっきりするなと思って聞いておりました。以上です。
○倉知主査 ありがとうございました。一応ここまでのところで、何か事務局からありますか。今まで出たところは、大きい1番の現状の課題の所で、アセスメントの所を障害者の就労能力や適性だけではなく、ニーズをしっかり入れるということが必要ではないかということと、2番の議論の整理の(1)の目的・対象者の所で、目的をもう少し明確に、要するに雇用の実現を目指すためにというような形で明確にしてはどうか。それから、どのような支援や環境があれば働けるのかということを明確にしていくと。それから、特別支援学校の生徒の場合には、卒業後に引き継げるようなものにしていく。アセスメントの所では、環境整備と継続就労というところをもう少し強調してはどうか。
もう1つ、対象者の所で、職業経験を積んでいないということだけではなくて、障害を負った後、職業経験を余り積んでいないというようににしてはどうかと。このような意見が出たかなと思うのですが、事務局いかがでしょうか。
○小野寺障害者雇用対策課課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。頂いた意見については、いずれも大変示唆深い御意見だと思いますし、現状においての検討の流れの中においても賜ることは特に問題ないと思っておりますので、次回の資料の中で追記なり対応させていただきたいと思っております。
○倉知主査 ありがとうございました。それでは、(2)番の結果を活用する場面の内容について御意見、特に事務局から共通言語や相互理解の実現に向け、具体的な対応、取組としてどのようなことが考えられるのかということもありますので、そこも踏まえた上でお願いしたいと思います。それでは、桑原アドバイザー、よろしくお願いいたします。
○桑原アドバイザー 全国社会就労センター協議会の桑原です。(1)まとめで、最終的な目的が一般就労というのはよく分かるのですけれども、全てが一般就労ありきという書き方にならないように、やはり本人のニーズというか希望、いろいろな働き方があるので、全てが一般就労というように読み取れないような書き方にしていただければと思います。
それと、3ページの相互理解の推進の2つめのマルについて、私どもの施設は北海道の十勝という圏域にありますが、十勝だけではなくて北海道は広いものですから、障害福祉圏域である十勝圏域が、面積でいうと岐阜県や秋田県と同じ面積になります。そこにナカポツセンターが1つしかないということもありますし、特別支援学校も幾つかあるのですが、2時間ぐらい離れた特別支援学校から実習に来る方もおります。最近はコロナ禍でこういったWeb会議に皆さん慣れてきたものですから、相互理解を深めるところで、ICTを利用して頻繁に会議を開くことができると思いますので、何かそういった文言も書き加えたらどうかと考えます。以上です。
○倉知主査 ありがとうございました。すみません、目的の所で、どうすれば一般就労が可能かということをアセスメントするのではまずいということですか。
○桑原アドバイザー まずいということではなくて、一般就労しかゴールがないような書き方にならないようにということです。いろいろな働き方があり、中にはB型とかA型で少しでも働きたいという方たちもいますので、微妙な書き方になるかもしれないのですが、一般就労ありきというように読み取られないような書き方にしていただければという意見です。
○倉知主査 ごめんなさい。どのような支援や可能性があれば企業就労できるかということは、企業就労以外を駄目ということではない。だから、まず可能性をしっかり見極めようということがアセスメントなのですが、これではまずいということでしょうか。
○桑原アドバイザー まずいということではなく、誤解を受けないような文章表現にしてもらえればなということです。
○倉知主査 もし、何か表現があればお願いいたします。
○桑原アドバイザー それは後で考えさせてもらいます。本人のニーズが第一だということを強調していただければと思います。
○倉知主査 事務局、お願いいたします。
○石井障害者福祉課課長補佐 障害福祉課の石井です。今の桑原構成員の御意見については、書きぶりをどのような形でというお話もありましたので、書きぶりのところで少し工夫できないか、事務局において整理し、また倉知主査と御相談しながら調整したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○倉知主査 では、少し預からせていただいてよろしいでしょうか。
○桑原アドバイザー すみません。
○倉知主査 それでは、横倉アドバイザー、よろしくお願いいたします。
○横倉アドバイザー 特総研の横倉です。何度もすみません。留意事項で申し上げたいのですが、職業経験を積んでいない者、つまり新卒、特別支援学校を卒業する生徒に対してなのですけれども、例えばアセスメントの対象を就労移行支援事業、就労継続支援A型、B型と広げていくことで、例えば、高等部の2年生、3年生に在学している生徒が、アセスメントを受けるために学校の授業を離れて参加するわけですよね。私が教員に成り立ての時分は、高等部の2年生、3年生というのは、ばらばら現場実習等に出ていて、クラスの中で全員がそろった授業というのが非常に難しい時期があったのです。それが最近、きちんと期間の中に収まることで、通常の学校教育が展開できるようになったのです。
ここでまた、こういう形で実習の範囲が非常に広くなってきますと、そういう学校教育が正常に展開できるような配慮、そういったものもしていただけると、こういったことがスムーズにいくのかなということで、留意事項としてこういった状況も踏まえていただいて、システムを作っていただくということで承知いただければと思います。以上、意見です。
○倉知主査 教育現場での活用に当たってという気持ちでしょうか。
○横倉アドバイザー はい。
○倉知主査 ありがとうございます。では川崎市、お願いいたします。
○川崎市健康福祉局障害保健福祉部障害者雇用・就労推進課 川崎市役所の金山です。2点あるのですが、ちょっと福祉の現場でというところで、川崎市の障害者就業・生活支援センターだったり、就労援助センターの現場の職員の話を聞いていると、せっかくセンターで就労体験とか職場実習をしてアセスメントをしたのだけれども、その結果、就労継続とか移行につなげたときに、アセスメントの情報が就労移行とか就労継続Bなどにちゃんと申し送りされていないケースがあるのだろうなという状況があります。1つは、やはり担当が多くて、なかなかそこまできめ細やかな紹介ができないとか、あるいは就労移行とか就労継続B型などの認識もまちまちで、その方に就職に向けてどういう訓練をしていけばいいというところがなかなかセンターと就労支援機関で共有できていないところがあるという問題があるのかなと思っています。
2点目は雇用の所なのですが、私は最近、川崎市役所の障害者雇用の採用面接などにも面接官として立ち合わせていただいています。結構最近は、就労移行とか就労継続を利用していて採用面接に来られる方はいらっしゃるのですが、なかなか事業所のアセスメント結果まで説明していただける方は少ないのかなと思っています。
1つは、やはり就職したいという気持ちが強すぎて、アセスメント結果をしっかり話してしまうと採用されないのではないかとか、そういう懸念のようなところも支援機関にあるのかなと。あと、御本人と支援機関でしっかりアセスメント結果が共有できていなくて、正直に支援機関の方が話してしまうと御本人との信頼関係を損ねるというところで、なかなか正直に話せないという声も聞いています。企業側の認識と支援機関の認識でずれるところがあるので難しいとは思うのですが、せっかくアセスメント結果が取れているのであれば、企業などとも情報を共有して進めたほうが、マッチングはうまくいくのかなと思いました。以上です。
○倉知主査 ありがとうございます。要するに情報共有ですね。その辺のところは相互理解とか共通言語というところにも含まれてくると思うのですが、金山アドバイザー、何かこのようにやったらどうかというのはありますか。
○川崎市健康福祉局障害保健福祉部障害者雇用・就労推進課 1つは、企業の理解も必要だと思うのです。川崎市役所でいえば、本当に適切なできる配慮をして、できるだけ本人が活躍できるような方を採用したいという認識があるので、情報は正確にほしいなというところがあるのですが、企業によっては、配慮が必要な方はできれば遠慮したいと。配慮が要らない人を採用したいという企業がまだあるのかなと思っています。合理的配慮は今、義務化になっておりますので、そういう認識を企業にもしっかり伝えていく必要があるのかなと思います。
○倉知主査 ありがとうございました。次に、金塚アドバイザー、お願いいたします。
○金塚アドバイザー 金塚です。先ほど来の話からそうなのですが、このアセスメントの対象者というところが特別支援学校の卒業生ということで、(2)のアセスメントの結果を活用する場面というところでは、教育現場での活用であったり、福祉現場での活用となっています。先ほど発言させていただいた精神障害とか発達障害の方といった中途障害、発達の方は中途障害ではないですが、大人になってから診断を受けて手帳をという方もおられることを考えると、医療との連携というようなことは絶対的に必要になってくると思うのです。実際に医療現場の中で、デイケアなどの中で就労支援をされて、就労へ向けての取組をされている所もあるので、医療というところにおいてもこの文言の中に、活用という所に入れていただけるといいのかなと思いました。
○倉知主査 ありがとうございました。教育、福祉、雇用に加えて、医療も入れてということですね。
○金塚アドバイザー はい。
○倉知主査 ありがとうございます。それでは、稲葉アドバイザー、お願いいたします。
○稲葉アドバイザー 名古屋リハの稲葉です。よろしくお願いいたします。情報共有の所で先ほど金山委員からも話があったと思うのですが、やはり人口が多い都市とかでは情報共有がすごく大変だと思っています。そうしたときに、もう一点、御本人が情報を本来は持っていると思うのです。それは個別支援計画であったりとか、説明といったところもそうだと思います。そういったものを実は持っているのですが、それ自体を皆さんが管理するのが大変なのだと思っているところです。正直、就労パスポートとか、幾つかこれまでもいろいろなものが出てきていると思うのですけれども、その内容というものも大切なのですが、それをどうやって運用するかというところも重要なところなのではないかと思っています。
教育現場では、教育支援計画というものが出ているということで、私も詳細は知らないのですが、そういったところも御本人に届いているのであれば、一括管理ができていけるといいのかなと。管理の方法なのですが、これはすぐには無理だと思うのですけれども、本来、将来的には御本人のいろいろな情報がクラウドカルテではないのですけれども、ある一元化された情報を御本人がきちんと持って、それを信頼できる支援機関に自分で開示できるような仕組みにしていくことが多分、将来的なところでは、情報共有していく上では非常にスムーズになっていくのではないかなと思っています。そういったこともイメージしながら今後、考えていっていただけると有り難いということです。
あと、もう一点は継続的なところでということで、情報というのは更新されていくと思います。できれば更新に関してもどのようにしていくかということも大切かなということと、先ほど金塚委員からも、うちもそうなのですが、中途の障害の方とかでも状況というのは変わっていくと思っているので、更新時、例えばサービス等利用計画の更新であったりとか、そういったときには、必要な方に関しては就労アセスメントをしていくとかということの継続的なモニタリングをして、それを情報共有していくということが必要なのではないかなと思っています。以上です。
○倉知主査 ありがとうございます。情報共有の所で、情報共有とともに情報管理ですね。本人が一元管理して、それをどう皆が共有していくのかという仕組み、特に新しい情報、更新情報をどうやって皆が共有していくのかという仕組みを考えなければいけないのではないかということですね。ありがとうございます。ほかはいかがですか。前原アドバイザー、お願いいたします。
○前原アドバイザー 前原です。今、活用方法というか、活用の場面というお話だと思うのですが、少し論点を整理していただいているのを見る限りにおいて、先ほど相澤委員からニーズアセスメントという話がありましたけれども、利用者となる個人がどのように活用できるのかとか、活用していくのかという観点も記載できればいいのかなと思ったりしたところです。
例えば、合理的配慮等については、当然、対話というところが根本にあると思いますので、御本人の側面というのが入っていると思うのですが、教育場面とか福祉現場というところで、いわゆるアセスメントを経てどういう暮らし方とかライフキャリアを積んでいくのかとか、教育場面であれば、例えばアセスメントを踏まえて作業学習とか、自分自身の進路についてどう考えていくことができるのかという形の活用も、少し観点としてあるといいのかなと思いました。以上です。
○倉知主査 ありがとうございます。関係機関ということがかなり強調されているけれども、本人ということをもう少し大事にしようということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。ほかはいかがですか。
では、今までの(2)番のアセスメントの結果を活用する場面の所でいろいろ御意見を頂きましたが、事務局で何かございますか。
○小野寺障害者雇用対策課課長 ありがとうございました。障害者雇用対策課長の小野寺です。今の点については、頂いた意見を含めて、やはり追記させていただく方向で検討したいと思います。また、先ほど桑原構成員からあった部分については、事務局内で調整した上で主査と御相談の上、記載方法を考えたいと思います。以上です。
○倉知主査 それでは(3)の方法、運用面での留意点という所で、少し御意見をお伺いしたいと思います。特に事務局から、共通目標の設定に向けた具体的な方策はどんなことが考えられるだろうか、相互理解を図る上で有効な手段があるだろうか、何かないだろうか。それから、アセスメントで考慮する要素が幾つか出ましたが、それは具体的にどういうことが考えられるだろうか、その辺りを投げ掛けられていますので、この辺を中心に御意見を頂ければと思います。前原アドバイザー、お願いします。
○前原アドバイザー 続けて失礼します。方法、運用というところに関してですが、今回アセスメントという話なのですが、アセスメントと言うと非常に幅が広い内容を持っていると思います。例えば、面談があれば模擬的就労場面や職場実習のようなものも、全部含めてアセスメントということになりますので、アセスメントをしましょうということになると、なかなかどれをやればいいのか、個々に違うなど、逆に負担感も大きかったりするのかなと思ったりするところです。
そういったときに、例えば少し面談に寄りがちなアセスメントになると思いますが、インテークの機能のようなものをもうちょっと重視してもいいのかなと思っています。例えば、ちょっとした相談のような状況確認のようなアセスメントもあれば、少し支援計画の策定に近いアセスメントもある。逆に地域障害者職業センターの専門的支援へ移行するためのアセスメントという形で、少しインテークのような段階で分けることができれば、比較的導入しやすいのかなと思っているところです。以上です。
○倉知主査 分けると言いますと。
○前原アドバイザー 例えば、御本人様のニーズ、アセスメントという話もありましたが、ケース会議やニーズ把握というところで、御本人さんの希望に応じた何と言いますか、例えば将来的にすぐ就職という話であれば、専門的な職業評価を受けましょうという形で、分岐を明確にしてあげる、本人さんのニーズを改めて明確にしてあげるというイメージです。
○倉知主査 アセスメントの方法が濃淡あるし、いろいろなやり方があるということを、少し広めに捉えたらどうだろうかということ。このような理解でよろしいですか。
○前原アドバイザー そうですね。あとインテークのようなものの機能を、もうちょっとアセスメントとセットで充実させていくといいのかなという話になります。
○倉知主査 インテーク面接のようなところですね。ありがとうございます。
それでは次に永野アドバイザー、お願いします。
○永野アドバイザー 永野です。私は福祉の現場で働いているわけではありませんので、アセスメントを具体的にどう行うかというところは、皆さんの議論にお任せしたいと思いますが、次の4の実施主体とも関係することではありますが、アセスメントの結果が最終的に出るまでの過程をしっかりと位置付けておく必要があるのではないかなと思っています。
また、最終的にどの機関がアセスメントをするにせよ、その過程でケース会議がなされるのであれば、そのケース会議がどのようにその中で位置付けられるのか、またそれがどういう人たちで構成されるのか、そういったところをしっかりと方向付けることをしておくことが重要かと思っています。ちょっと抽象的な話になりますが、以上です。○倉知主査 ありがとうございました。過程を大事にする、もう少し具体的に頂けると有り難いです。
○永野アドバイザー 例えばですが、障害福祉サービスの介護給付については、支給決定に至るまでの一連の流れがしっかりと定められているかと思います。そういったものが、このアセスメントでも作り上げられると良いのではないかと思っています。
○倉知主査 要するに、アセスメントの流れというものを明確にしておくことが必要ではないかという理解で、よろしいですか。
○永野アドバイザー はい、そうです。
○倉知主査 ありがとうございます。では、相澤アドバイザー、お願いいたします。
○相澤アドバイザー 現在でも、アセスメントの仕組みがあるのですが、現在のアセスメントの仕組みで本来行うべきことが行われていないことで発生している問題、行われているがスキルが伴わないで発生している問題、関係機関の連携など実施することが推奨されているが、そういうことが行われていないために発生している問題、、最後にそういう問題は一定程度改善されても仕組みがないから出ている問題というものがあると思いますが、どの次元で問題が発生しているか整理されないままアセスメントの方法や運用について検討するのは難しいと感じています。
ですから、事務局で、今、言ったような辺りをどう把握されているのか、また、ワーキンググループのほかの方々がどう考えておられるのか、少し整理してから議論したほうが効果的な検討ができるかなと思っています。
○倉知主査 もし相澤アドバイザーの意見を少し頂ければ有り難いのですが。
○相澤アドバイザー 私は、かなり地域事情によって異なるという認識を持っています。先ほどの鳴門市のお話にも出ていたような企業の中で支援者と本人と職場の方がケース会議を10年以上前から実践している地域もあれば、そのような取り組み事例がほとんどない地域も多いと思います。
また、学校の生徒さんについても、親御さんも本人もB型に行きたいと言っていてる卒業年次のときにアセスメントする地域もあれば、1年生の頃からいわゆるニーズの形成から就労支援の機関が関わるという地域もあると思います。このように地域の実態がどうなっているかによって問題意識も変わってくるように思います。ですので、全国的な実態把握も踏まえて考えないと、最終的にどういう仕組みが求められるのか議論するのは難しいのかなと思っています。
○倉知主査 ありがとうございます。どう捉えたらいいのか、なかなかそれをここでみんなで議論していくのは非常に難しいことだと思いますので、もし、今の相澤アドバイザーの発言に関連する御意見などがあればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。前原アドバイザー、何かありませんか。
○前原アドバイザー 確かに相澤委員がおっしゃったように、アセスメントの実態というのが、やはり地域の社会資源の量やいろいろなところで今まで自分がやってきたアセスメントがあるので、なかなか整理しにくい部分があるので、恐らく私が今まで主張してきたことと、ほかの委員が主張している観点は確かに違っている部分はあるのかなとは思います。
その上で、今回の議論というものが、恐らく皆さん、目的などその辺がぐらついてきている部分もあるかもしれないので、今回なのか次回なのかは分からないのですが、一度、事務局で論点を整理していただいた上で、もう一度、明確に目的などを確認しながらやっていくと、確かに議論しやすいのかなと思いました。
○倉知主査 ありがとうございます。目的が一番重要で、大分絞られてきていると思いますが、それでも各アドバイザーの捉え方は若干違うのかもしれません。ではほかに、この(3)方法、運用面での留意点で御意見、御質問がある方、お願いいたします。中尾アドバイザー、お願いします。
○中尾アドバイザー よろしくお願いします。先ほどのところにもつながるかもしれないのですが、共通目標の設定に向けてというところが、相互理解の促進のところであると思います。この各分野、雇用、福祉、教育、医療というところは、いろいろな目的がその中でもあると思います。今回は、この分野が全部共通目標と考えたときには、どうしても理念的な目標というところから落としていく必要があると私は思っています。特に障害者が働くという雇用のところを考えているので、障害者の雇用というか働くということを、まずどのように捉えるのかという、本当に大枠の理念的な目標というものを設定する必要があると思っています。
そのときに、例えばですが、私が思っているのは障害者基本法の中に、社会参加などが書かれてあるのですが、特に雇用ということを考えると、ヨーロッパで1990年代にグリーンペーパーやホワイトペーパーというものが出ていて、そこでなぜ今までヨーロッパが福祉的なケアを充実させてきたのかというところから、でもそれに対していろいろな弊害があって、社会参加を阻んできたということの反省から、どうやって働くということがどうあるべきなのかということを、働くという賃金の必要性というのはもちろんあるのですが、それ以外にも自己実現や尊厳、社会の中での接触、承認など、そういうことが大事だと言われています。
ですので、それぞれの雇用、福祉、教育、医療の分野が、向かっていくに当たって、まずそのプロセスをどう取るのかということを考えていくというところがあると思います。
それは大枠から落としていくところなのですが、ただ、今回は福祉か雇用という雇用の分野になるので、もちろん一般就労が全てではないのですが、今まで福祉で働いている人たちというのが一般企業でも働けるようになるためにというところに、主眼を置いているとするならば、やはり企業が一体どのような人材が必要なのかというところ、何を求めているのかというところを整理する必要があると思っています。そのときに、今までのように障害のある方が企業に合わせるのではなくて、どうすれば障害のある方が働けるかという視点、つまり本人のみならず、環境もどう変えていくかというところも含めた上で、いろいろなサポートの必要性ということを多角的に、先ほどの事例の発表をしていただいたと思いますが、そのような形で組み立てていく必要があるのかなと思いました。
その場合のアセスメントがどうあるべきかというところで、特に今回は、まず最初の部分ということはおっしゃっていたので、その上で最初のアセスメントがどうあるべきなのかということを考えることが必要なのではないかなと思いました。以上です。
○倉知主査 ありがとうございます。環境面のアセスメントが非常に重要ということがよくわかりました。まとめると、どのようなことになりますか。
○中尾アドバイザー すみません、長かったので。理念的な目標というか、そもそも障害のある方が働くということについて、どのような共通目標を設定するのか、その共通目標を設定するときに余りにも現場レベルだけの目標を立ててしまうと、やはりどうしても教育や福祉、雇用、医療など、それぞれの目標が現場レベルでは違ってくる場合があるので、もう少し理念的な意味での目標を立てるという必要があって、そこからそれぞれのアセスメントなどに落とす必要があるのかなと思っています。
○倉知主査 理念の目標というのが、非常に分かりづらいのですが、どうすればこの人がこの企業で働けるのか、そのために医療はどういうことをやるのか、福祉はどういうことをやるのか、そういう捉え方でよろしいですか。
○中尾アドバイザー そうですね。具体的には、そういうことです。ただ、全ての人がすぐ働けるというわけではないので、その中でやはり働くということはそもそも社会参加としての必要なものという視点を踏まえて、それぞれの分野が目標を立てていくということが必要だと思っています。
○倉知主査 前提として、働くことの意義はみんなが理解しておかないといけないということですね。
○中尾アドバイザー そうですね。分かっているとは思うのですが、恐らくそこが少しずつずれてくると、やはり何を目指すのかとなったときに、齟齬が生じてくる可能性があると思います。実際、それを見てきたので、すみません、まとめていただいてありがとうございます。
○倉知主査 働くことの意義を共通理解するということが、まず大前提としてあるということですね。
○中尾アドバイザー はい、そうです。
○倉知主査 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。大濱アドバイザー、お願いします。
○大濱アドバイザー パーソルチャレンジの大濱です。先ほどの中尾構成員のおっしゃったこととほとんど一緒かもしれませんが、共通目標の設定に向けた具体的な方策、相互理解の促進です。福祉も教育も医療も、それぞれがそれぞれ大きな目標や理念は持っていますので、ここで括るものはその中でも一般就労に向けたというシンプルなもので括ったほうがいいのだろうと思っています。当然、ほかの構成員の方もおっしゃっていたように、一般就労することだけが全てではないです。ただ、ここではそのように一般就労に向けたというようにシンプルに括っていいのかなと思ったことが1つ。
それから、もう1つ違う話になりますが、「アセスメントで考慮する要素」というところが(3)の中にあります。これら留意点への対応として、具体的にどのようなことが考えられるかということがあって、これはただのジャストアイデアですが、ともかく企業側の雇用の募集の仕方です。募集条件や仕事内容も本当に分かりにくいです。企業が何を求めているのか、これもすごく分かりにくいので、例えばハローワークにおける求人募集の際に、求人を分ける。前回、私から障害のある人の職務能力によって、我々のところでは一層、二層、三層と便宜上分けていると言いました。一層、二層、三層という分け方が適切かどうかは分かりませんが、例えばこの求人は一層です、この求人は二層ですという形で、ある程度カテゴライズして求人を明示していくということは、雇用側からもできることではないのかなと。そうすることで、より分かりやすいアセスメントにつながると言いますか、送り出す側もつながるのかなと思いました。アイデアだけです、以上です。
○倉知主査 ありがとうございます。今の分け方は、アメリカでよく出ているような求人のあり方のような感じですかね。職務がかなり明確になっています。
○大濱アドバイザー そうですね。
○倉知主査 ありがとうございます。少し4番、5番も含めて、時間の関係もありますので、御意見、御質問を賜りたいと思いますが、そこも含めていかがでしょうか。相澤アドバイザー、お願いします。
○相澤アドバイザー アセスメントの留意点のところですが、このワーキンググループで様々な視点から御指摘いただくのもよろしいとは思いますが、例えば日本職業リハビリテーション学会のテキストでは、アセスメントのポイントや考慮すべきことなどを70ページぐらい費やして書いていますし、それ以外にも高齢・障害・求職者雇用支援機構のテキスト、ジョブコーチネットのテキストなど様々なものがあります。企業の立場からのアセスメントに関するご意見も、様々なフォーラムや学会の大会などで企業の方をお呼びして、様々な御発言を頂いていたりしていますので、文献研究などでアセスメントのポイントなどを抽出、整理した上で議論すると、より効果的な議論ができるかなと思います。
○倉知主査 ありがとうございました。金塚アドバイザー、お願いします。
○金塚アドバイザー 金塚です。実施主体のマル2の中の、アセスメントの質を担保するにはという中で、人材、これはワーキンググループにも関わってくることなのかもしれませんが、そのアセスメントをするというのは個の要因であったり、環境要因であったりということをアセスメントするのですが、心理的な要因というところのアセスメントも必ず必要になってくると思います。そういうことを考えたときに、公認心理師というようなところも視野に入れていただいて、人材確保するというようなことも必要になってくるのではないかと。ただでさえ福祉現場は人材不足と言われている中で、公認心理師というものができて、そういう人たちの活用。公認心理師の養成のプログラムの中に、就労支援というような項目も入ってきているということも聞いているので、そういう人材を活用するということも1つなのかなと思っています。以上です。
○倉知主査 ありがとうございます。今、言われた心理的要因というのは、自信や自尊心、例えばで言えばそのような感じですか。
○金塚アドバイザー そうですね。人間の心の揺らぎのようなものは、自分のもともと持っている資質もそうですが、環境的な要因からくる揺らぎのようなものもあるわけですから、ある事実に対してどのような認知をするかというのは、やはり障害特性としていろいろあるわけです。そういう心理師の活用も必要ではないかなと思っています。
○倉知主査 どの職というよりも、そういう面でのアセスメントも大事だということですね。ありがとうございます。稲葉構成員、お願いします。
○稲葉アドバイザー 名古屋リハの稲葉です。金塚アドバイザーのところと通ずるところもあるのですが、人材育成に関しては人材育成のワーキングのところで話をすると思うので、議論はお任せしたいのですが、やはり障害の中でもなかなかマイノリティと言っていいのか、障害の中でもなかなか知られていないというところがあったり、支援技法がなかなか地域に浸透していないというのは、出てくると思っています。例えば、視覚障害の方で言うと、それほど地域でそういう支援が専門の人がいるわけではなく、そうすると名古屋リハである程度のノウハウを持ってやっていくという形で、拠点を作りながらという形になるのかなと思っています。
そうしたときに、全体としての就労支援の人材ということもあるのですが、スペシャリティというか、ある程度の特化した技能を持った人たちということも、そういったケア会議なのか、アセスメントの中なのか、きちんと位置付けてやっていく必要があるということは、考えたほうがいいかなということと、そういった方々をある地域、地域なのか、もうちょっと広い範囲なのか、きちんと専門性がある人たちを配置していくような仕組みを、是非、お願いできると有り難いなと思っています。以上です。
○倉知主査 視覚障害の特性や聴覚障害、精神障害、難病などがあります。それぞれの特性をしっかり理解したスペシャリストを、どう担保していくのかということが重要ということですね。ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。桑原アドバイザー、お願いします。
○桑原アドバイザー 今の稲葉アドバイザーの御意見で、私どもも聴覚障害を対象に支援を行っています。聴覚障害の場合は、かなり差があって、重度・重複の人たちと、一般就労をしている聴覚障害の方で、手話の理解度なども全く違うので、ただ単に手話通訳ができればコミュニケーションができるということでもないのです。重度の障害のある方たちは、逆に手話通訳士などではなく、普段から関わっているような方たちのほうが通じたりというケースもあるものですから、それぞれの専門性がある通訳者やそういった人材の育成というのは必要だと、私も今の稲葉アドバイザーの御意見から痛感しました。
○倉知主査 ありがとうございます。ほかいかがですか。全体を通してで結構ですので、文部科学省、よろしくお願いいたします。
○文部科学省 文部科学省特別支援教育課の川口と申します。オブザーバーですが、構成員の方々の意見を伺いまして、2点、ちょっとお話できればと思っています。
1点目は、やはり働くことの意義について、きちんと本人にしっかりと教育をしていくことが必要だというような発言を幾つか頂きました。現状、特別支援学校では学習指導要領にのっとって教育が行われることになっていて、従来、高等部にだけその働くことの意義について学ぶキャリア教育について規定していたところ、平成29年に改訂しました学習指導要領においては、小学部、中学部段階からそういった規定も導入することにしました。そういった長い時間を掛けまして、重要な事柄についてはしっかり指導していこうと、今、教育のほうでは動かしているところということが補足説明です。
それから、もう1点、アセスメントの対象のお話です。特別支援学校の生徒が、この対象になってくるというのは、そうだろうと思っているのですが、そこをどこまで強調するのかというところが気になっています。特別支援学校の生徒については、それはアセスメントと言うかどうかはさておき、特別支援学校の教員たちが目の前の生徒と保護者と、そして実習を繰り返しながら事業者の方々と相談をしながら進路を決めていく、決める力を養っていくということをしているわけですが、そういったことに、別のアセスメントというものを新たに入れていくという話になることを考えるときに、現状の特別支援学校のやり方でどういったところに課題があるのか。
特別支援学校の生徒については、定着状況にとりわけ困難、課題があるなどといったようなことが事実としてあるのであれば、明らかになっていたほうが、今後、学校に非常に説明がしやすい。どのように活用していけばいいのかというところにもかかわってくる話かなと思っています。
その点、もし御知見がいろいろあれば、特別支援学校は外から見てどう見えるのかというところが、もう少し整理されてくるといいのかなと思って聞いていました。以上です。
○倉知主査 ありがとうございました。特に2点目のことについては、教員そのものも一人一人が多分個々にアセスメントしていると思います。そして個々の判断に任されているので、もう少し共通したツールとして活用できないかということが、今回の議論なのかと思いますが、ほかに御意見はありますか。今のことに関連しても、しなくても結構です。特になければ、今までの議論を踏まえて、事務局から御意見等があればお願いします。
○小野寺障害者雇用対策課課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。いろいろな御意見を頂きまして、ありがとうございました。特に相澤アドバイザーから御指摘のあったような形で、最終的な仕組みをどう具体化していくかということを検討する際には、今あるその仕組みが本来行うべきことが行われていないことで生じてきている課題があるのか、そもそもの仕組み自体に問題があるのか、その前提となっている部分が明らかにならないと、なかなか具体的に議論ができないのではないかという御指摘を頂いたところです。
今回のワーキングでは、特にサービス・支援の選択・決定の前段階において、一定のアセスメントを行うということの意味の御説明を繰り返ししています。その際に、例えばということで、本日、資料2でお示ししたような、入口の部分での何らかの今ある仕組み自体、例えば就労系福祉サービスで言えば、その中において、やはり現行の仕組みでは若干形式的、手続的なものになっているというところから、見えてきている課題があろうということで、機能、仕組み自体はあるのですが、それが十分にいかしきれていないということかなと思います。
ハローワークでも、もちろん、職業リハビリテーションの中での職業評価といった仕組みがありますが、そこが十分に機能し尽くしていないというところで、何らかの対応が必要であろうという課題については、議論のスタート地点として御理解を頂いていると事務局としては認識していました。
その中で、一方で地域事情によってという点については、問題が生じてきている前提条件においても、地域資源もそれぞれ異なりますし、またそれぞれの現場においても多種多様な事情、状況等があり得るのかなと思いますので、そこについてつぶさに全国の状況を把握するといったことは、ちょっと現実的ではないかなと思います。ただ、さはさりながら、主たる問題意識のもとにある程度の枠組みを検討していく中で、最終的に地域において運用していく上では地域状況をどう踏まえて、どううまく動かしていくのかについての留意点や具体的な御示唆ということを頂いていくということかなと思います。いずれにしても、回数も限られている中での、今後さらに具体化する上での方向性等の御示唆を多々頂きたいということで、是非とも御理解を頂きたい。
本日、頂いたご指摘についても整理できる部分については、事務局としてもなるべく対応したいと思います。そういった意味では、最後、文科省の川口補佐からも、今、学校内で行われているアセスメントに更に加えてこれを行うというときに、では現在どういう課題があって、だからこそ別途、雇用、福祉のアセスメントを1つの参考として加えていただくことになるのかという点についても、情報等把握しながらと思っています。
どこまで具体的にというのは、今ここで申し上げられませんが、頂いた方向で少し内容について詰めさせていただいて、また次回、御提示できればと思っています。以上です。
○倉知主査 ありがとうございました。本日、出た意見については、今、事務局からお話があったように少し整理していただいて、次回の議論に向けた準備を進めていただきますようよろしくお願いいたします。
それでは、最後にその他として、事務局から何かありますか。桑原アドバイザー、手短にお願いしてもよろしいでしょうか。
○桑原アドバイザー すみません、先ほど発言すればよかったのですが、この資料2の図についてです。図の上のほうでは就労アセスメントと暫定支給があって、そこを合わせたようなかたちで、今回の議論では新卒者の人たちのアセスメントツールのようなものを考えたいということが目的なのかと思います。先ほど具体的な制度設計までは考えていないとおっしゃっていたのですが、図の上の部分のアセスメントを今回のワーキングでやりたい。その後、下のハローワークでのアセスメントのあり方や、ワンストップの入口の話など、段階的に多分やっていくのかなと思うのですが、そういう分かりやすい図があったほうが誤解を招かないのではないかとと思います。
質問なのですが、この新卒の方を目的とした今回のアセスメントツールを開発したら、それが現場で使えるようになるのか、また、新卒以外の方たちが使っている既存のものと2種類のアセスメントが出てくるのか、こうした点について、私はすとんと落ちない部分があるので教えていただければと思います。
○石井障害者福祉課課長補佐 障害保健福祉部の石井です。今、桑原アドバイザーから御質問があった件ですが、正直、まだ全体像として詰め切れていない部分があります。一方で、本日御説明させていただいたものについては、まずは雇用分野、福祉分野で統一的な何らかのアセスメントを創設するような方向性で考えたい。一方で、すぐにはそれがなかなか難しいので、段階的に対応策を考えてみたらどうかというところを御提案させていただいたものです。その段階的という中においては、今、桑原委員から御指摘がありました就労系障害福祉サービスの利用に当たっての話と、ハローワーク等での職業リハビリテーションにおける活用の話と、まずは、そういった2つそれぞれに対応を考えてみてはどうかという御提案をしたところです。この各々の対応について、どのような形でやるかというところについては、本日の御意見も踏まえながら、これから制度設計等していくものだと思いますので、どこまでこの図に落とし込めるかということについては、事務局で整理させていただきたいと思います。
○倉知主査 よろしいでしょうか。特に事務局から議題その他は何かありますか。
○小林障害者雇用対策課課長補佐 特にありません。
○倉知主査 それでは本日の議論は、これで終わりにしたいと思います。最後に事務局から連絡事項があればお願いします。
○小林障害者雇用対策課課長補佐 事務局です。次回の日程については、2月18日に開催を予定しています。詳細は追って御連絡をさせていただきます。以上です。
○倉知主査 ちょうど時間となりました。本日は、お忙しい中、いろいろありがとうございました。また次回もよろしくお願いいたします。