2021年1月14日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会器具・容器包装部会(オンライン会議) 議事録

日時

令和3年1月14日(木)
14時00分~16時00分

場所

オンライン会議

出席者

委員

有薗部会長、浦郷委員、大野委員、尾崎委員、魏委員、竹内委員、広瀬委員、宮島委員、六鹿委員

事務局
近澤食品基準審査課長、今西補佐、磯専門官、中尾専門官、有江主査

議題

(1)審議事項
1.乳及び乳製品に用いられる容器包装の規格基準の設定について
2.フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジブチル、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジオクチルの規格基準の設定について

(2)報告事項
食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度について

(3)その他

議事

 

 
○事務局  本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本部会をオンラインで実施するに当たり、オンライン会議で委員の皆様に御注意いただきたい点について事前に確認させていただきますので、しばらく事務局で進めさせていただきます。まず1点目ですが、御発言のとき以外は、基本的にマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。発言時以外にマイクがオンになっている場合には、事務局でミュートにさせていただく場合がありますので、御了承ください。2点目です。御発言の際は、あらかじめチャット機能を用いて意思表示をお願いいたします。部会長又は事務局で御指名いたしますので、最初に名字を、その後に発言をお願いいたします。また、御発言が終了されましたら、「以上です」とお伝えいただきますようお願いいたします。つづいて3点目です。部会長から委員の皆様に、審議事項について、認めることで良いか等の確認をされることがありますが、御意見がある場合にはチャット機能でその旨の意思表示を頂き、部会長が指名した後、御発言をお願いいたします。了承いただける場合には、チャットで「異議なし」等を入力いただきますようよろしくお願いいたします。以上3点ですが、よろしくお願いいたします。
つづいて、本日の委員の皆様の出席状況を報告いたします。本日は、魏委員より途中参加される予定である旨の連絡を受けております。現時点で器具・容器包装部会委員9名中8名の御出席を頂いておりますので、本日の部会は成立いたしますことを御報告申し上げます。
それでは、議事進行を有薗部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○有薗部会長  有薗です。それでは、本日の議事を進めさせていただきます。前回は、もう1年たってしまったということで、一昨年前の12月になります。その間、事務局のほうで人事異動があったとお聞きしておりますので御紹介いただき、その後、配布物の確認をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○事務局  それでは、人事異動に伴い、事務局に動きがありましたので、御紹介させていただきます。課長の近澤です。
○近澤食品基準審査課長  近澤です。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局  つづいて、専門官の中尾です。
○事務局  中尾です。よろしくお願いいたします。
○事務局  つづいて、主査の有江です。
○事務局  有江と申します。よろしくお願いいたします。
○事務局  最後に私、課長補佐の今西です。よろしくお願いいたします。
つづいて、配布物の確認をさせていただきます。まず議事次第、委員名簿とあって、議事次第を1枚めくっていただくと、本日の資料一覧という形になっております。資料は事前にメールで送らせていただいております。資料は資料1-1、1-2が審議事項1.の資料です。つづいて資料2-1から2-6が審議事項2.の資料です。それから、報告事項についての資料3で、資料は全部で9点となっております。お手元に準備いただいているでしょうか。つづいて参考資料ですが、参考資料については参考資料1、参考資料2-1から2-8という形になっております。よろしくお願いいたします。また、机上配布資料ということで1枚お送りしておりますので、そちらも御準備いただければと思います。以上です。
○有薗部会長  資料の紹介をありがとうございました。皆さん、大丈夫でしょうか。それでは、議題に入る前に、事務局から本日の審議事項に関する利益相反の報告をお願いいたします。
○事務局  本日の審議事項については、利益相反の対象はありません。以上です。
○有薗部会長  それでは議題に移ります。今日の議事は、審議事項が2つ、報告事項が1つ、その他となっています。まず1番目の審議事項の「乳及び乳製品に用いられる容器包装の規格基準の改正について」ということで、事務局から説明いただき、審議を行いたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局  事務局からまず説明をさせていただき、御審議いただければと思っております。まず審議事項1.の資料ですが、資料1-1が大臣から審議会長あての諮問書となっております。つづいて資料1-2、こちらがメインで御説明させてもらう資料です。あと参考資料1、机上配布資料、こちらを御用意いただければと思います。
それでは、資料1-2に沿って説明させていただきます。既に昨年度6月、食品用の器具・容器包装については、食品衛生法の改正により、いわゆるポジティブリスト制度が導入されており、乳及び乳製品の容器包装についても、ポジティブリストに入っている食品、添加物等の規格基準の中で、現在、整理されているところですが、これまでの経緯等により、まだ乳及び乳製品で整合性が取れていない規格がありますので、今回はその点の改正ということになります。改正は、規格基準の告示になります。
それでは、「一方、」という所からの文章なのですが、ここはこれまでの経緯がかかわってくるところですので、6ページの「経緯」という所で説明させていただければと思います。乳及び乳製品の成分規格等に関する省令ということで、説明では「省令」という言葉を使わせていただきます。お茶とかミネラルウォーターとか果汁飲料と言われる清涼飲料水と異なり、もともとは牛乳等について、この省令で規定しております。牛乳等の容器についてもこの省令で規定されてきた経緯があり、省令ができた当時は、ガラス瓶以外の場合は都道府県知事の承認が必要になっていました。その後、昭和33年に厚生大臣の承認制度になっておりますが、昭和54年に、当時、大臣承認されていた一般的であった容器包装、紙パックとかそういったものも含めて乳等省令の規格基準が策定されております。
当時は今の牛乳等の容器の規格が主に2つに分かれており、1つは牛乳、特別牛乳、殺菌山羊乳、部分脱脂乳、加工乳及びクリームということで、いわゆる1群と呼ばれている規格です。それとは別に乳酸菌飲料、乳飲料、発酵乳、これらの容器については2群と呼ばれて規格が定められており、当時は1群、2群ともにその内容物に直接接触する部分のポリエチレン等合成樹脂に用いることのできる添加剤について、原則使用禁止という規定がされておりました。その後、平成2年ですが、業界の要望により省令が改正されて、2群の合成樹脂を用いた容器包装の規定から添加剤の規定が削除されておりますけれども、1群については、当時、要望がなく改正はされておりません。その改正されていない状況で、現在も規制がされているという状況になっております。
その後、平成21年になりますが、省令で定めている容器包装、それから清涼飲料水等の告示で定めている容器包装というように分かれておりましたので、それを統合するという議論がされております。その際に、先ほど説明した1群については、クリームについては一般的な食品とみなされ、乳等省令の上乗せしている規制を廃止する方向で検討されたのですが、牛乳などのものについては規定を残すということをされております。
平成24年になると、先ほど冒頭に説明したポジティブリスト制度の導入に当たって、この省令に定めている牛乳等の容器包装についても規格基準の告示に統一するという方向で了承され、昨年6月になりますが、ポジティブリスト制度が施行された後、若干遅れましたけれども、昨年12月に、乳等省令の容器包装の規格を規格基準告示の用途別規格という所で、省令の内容がそのままの形になりますが、告示に統合されているという形になっております。
昨年10月、そのような状況でまだ牛乳等に添加剤の規定が残っておりますので、その添加剤の規定を廃止していただきたいという要望が日本乳業協会及び日本乳容器・機器協会から出ており、その内容については参考資料で付けています。具体的に業界からの要望を説明するに当たっては、机上配布資料を見ていただければと思います。AとBとCという形で紙パックの容器を付けております。BとCについては牛乳の容器包装の紙パックになるのですが、Aについては乳飲料の紙パックになっております。同じように蓋が付いておりますが、牛乳のBについては内栓の形で付けており、ここの部分が添加剤を使っていない材料を使っていると。Cについては、キャップに一緒に付く形で、これも内栓が付いており、ここで規格を満たすという形になっております。乳飲料のAについては内栓がなくて、ワンステップで開けることができるユニバーサルデザインの紙パックになっているということで、BとCの中に入っている牛乳をAの容器の中に入れたいというのが業界からの要望内容です。
この要望内容については、資料1-2の3ページに戻っていただき、「用途別規格で定められた規格基準」という所を見ていただくと、現在の規定になっております。具体的には、太い点線で四角で囲っている所ですが、合成樹脂製の容器包装、この中には合成樹脂の加工紙製容器包装で紙パックも含まれていますけれども、その内側の合成樹脂の添加剤については、原則使用禁止となっております。「ただし、」以下については、一部使える添加剤があるという形になっております。要望は、点線で囲っている牛乳等の容器包装を、1段下の調製液状乳、発酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料という乳飲料等の容器包装と同様に、規定なしという形にしていただきたいというのが要望内容になっております。こちらについて、本日、御審議いただきたいと考えております。
つづいて、対応方針案を4ページで示しております。先ほどの点線部で囲った規定で、牛乳等の容器包装の設計が制限されている、つまり、先ほど説明したBとCのような容器のような制限について、関係業界団体の要望の趣旨を踏まえると、この制限を乳飲料等の添加剤の規制と整合する必要があると。乳幼児等の必需品として規制していることについては、3つの理由を入れておりますが、ポジティブリスト制度が導入されたことにより、器具・容器包装の原材料に使用できる添加剤が規定されたこと、それから、乳幼児の方は当然ながら牛乳以外の食品も多く摂取されますので、牛乳だけ特別扱いというものについては必要ではなくなっているのではないかという点、3つ目は逆になるのですが、牛乳等はもちろん大人とか、そういった方も飲むものになっておりますので、そういった意味でも牛乳等だけ特別扱いの規定を残すことは必要ないのではないかという考えになります。「乳飲料等と同様に牛乳等について国民全体を規制の対象とし、以下に示す改正を行っても、ポジティブリスト制度が適切に運用される限り安全性を確保することが可能と考えられる」という形で対応方針(案)を示しております。
「また、」以下ですが、こちらは業界団体の意見です。乳飲料等でも用いられている添加剤を使用することにより、合成樹脂の安定性が向上し、例えばワンステップ型の口栓、これが先ほどの写真のAのものになりますが、こちらを設計することができ、開けやすいため、より衛生的に扱うことができるとのことです。【改正(案)】になります。先ほど四角で囲っていた部分をすべて削除すること、「4 内容物に」という以下の文章を削除するというのが【改正(案)】になっております。以上、説明になります。御審議いただければと思います。よろしくお願いいたします。以上です。
○有薗部会長  ありがとうございました。本部会でも審議したポジティブリスト制度というのが昨年6月に導入されたと。実は、その時に乳等容器について、全てそのまま移動させるということであったわけです。乳等容器についても1群、2群というのがあって、2群のほうは添加剤に関する規定がないけれども、1群については依然として規定が残っているということでした。技術的な進歩もあって、ポジティブリスト制度で管理するということ、そして、同じレギュレーションの中で使えるのではないかということで、今までの牛乳等ということで1群として規定していた添加剤の規定を削除したらどうかという案でした。ただいまの御説明に対して御意見や御質問等がありましたら、チャットで言っていただいて質問していただければと思います。よろしくお願いいたします。先生方、何か御質問等はありませんか。
○浦郷委員  はい。
○有薗部会長  浦郷先生、お願いいたします。
○浦郷委員  浦郷です。よろしくお願いいたします。御説明、どうもありがとうございました。今回、ポジティブリストが導入されたことで、牛乳などの1群でも添加剤の原則使用禁止を削除してほしいという要望があったということですが、牛乳パックは、私なども割と普段は普通に開けられるのですが、たまにうまく開けられないときは、どうしても飲み口の所に指を入れてしまったりとかして、やはりそういう面ですごく不衛生だなと自分で思うときもあります。今回、このように改正されると、乳飲料と同じキャップのような注ぎ口もできるということで、なかなか牛乳パックは開けづらいと言う人もいますので、ユニバーサルデザインとして、こういうキャップ方式が広がっていくのも一ついいのかなと思っております。やはり、これに関しては今回のポジティブリストがきちんと導入されたというところで、安全性は確保されると思います。
それで、後のほうの報告にも出てくるかと思いますが、ポジティブリスト制度のほうでもまだいろいろ課題があるということですので、やはりそこら辺の課題をきちんと解決して、制度が適切に運用されるというところで安全性も確保されると思いますので、そこは十分しっかりとお願いしたいと思います。
それから、もう1つだけ、安全性の面とは関係ないのですが、牛乳パックというのは本当に上質なパルプで作られているので、すごくリサイクルされますよね。キャップが付いたことでちょっとリサイクルしにくいということになってしまうと困るので、そこら辺はきちんとリサイクルがやりやすい容器となるように、業界の方にも考えていただければと思います。以上です。
○有薗部会長  ありがとうございます。前向きな御意見ということで、ありがとうございます。大野先生、お願いいたします。
○大野委員  大野です。私も浦郷先生と似たような意見を持っています。ポジティブリストが安定的に運用されていれば、更に上乗せ規定というのはどちらかというと意味がないと思っていますので、一度きれいな形で整理されたほうがよろしいかと思います。事務局にお尋ねしたいのは、海外の例とか、海外でどういったことになっているのかということがお分かりでしたら教えていただきたいのですが。以上です。
○有薗部会長  そうしたら事務局、よろしくお願いいたします。
○事務局  業界から聞いていることになるのですが、海外の牛乳パックには、同様な添加剤を使って乳容器のような容器に入れられていると聞いています。以上です。
○有薗部会長  ありがとうございました。ほかに先生方、どなたか御発言はありますか。もしあるようであれば。ちょっと1つだけ有薗から確認なのですが、今出していただいたパックのB・CとAとの違いというところで、やはり添加剤の規制があるから内栓というものを作らざるを得なかったと。それがこの規制を抜くことによって、ほぼAと同じシステムに材質的に移行できるという、そういう理解でよろしいのでしょうか。
○事務局  業界からの要望はその内容になっております。以上です。
○有薗部会長  ありがとうございました。ほかに御意見等はございますか。それでは、ありがとうございました。おおむね前向きに了承いただいているということで、この議論のところを進めたいと思いますが、了承ということでよろしいでしょうか。チャットに入力をお願いいたします。いらっしゃる先生方も了解を確認したということで、この議論、今後の方針について先へ進めたいと思います。事務局からお願いいたします。
○事務局  それでは、資料1-2の5ページに、「4.今後の方針」と付けております。今後、本部会での検討及び食品安全委員会による食品健康影響評価の結果に基づき、告示改正に向けた手続をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○有薗部会長  ありがとうございます。先へ進めたいと思います。それでは、事務局で今後の方針に沿い進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは審議事項2.に進みたいと思います。フタル酸ビス(2―エチルヘキシル)、フタル酸ジブチル、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジオクチルの規格基準の設定に関する審議ということで、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局  説明させていただきたいと思います。審議事項2.は、まとめて「フタル酸エステル」という言葉を使わせていただきますが、フタル酸エステルの6つの物質が今回の対象物質となっています。
資料については資料2-1~2-6という形で、6つの部会報告書(案)ということで、それぞれの物質について付けさせていただいていますが、経緯等はこの6つ全て同じになっていますので、基本的には資料2-1のフタル酸ビス(2―エチルヘキシル)の資料を用いて説明させていただきたいと思っています。また、参考資料も御用意していただければと思います。
まず、経緯から説明させていただきます。資料2-1になります。フタル酸エステルの一種ということで、今回6物質の部会報告書(案)を作っていますが、それらはポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂の可塑剤として主に使用される化学物質です。食品用の器具・容器包装におけるこのフタル酸エステルの規制については、平成14年8月から、油脂又は脂肪性食品を含有する食品に接触する器具又は容器包装について、ポリ塩化ビニル(PVC)を主成分とする合成樹脂におけるこちらのフタル酸ビス(2―エチルヘキシル)(DEHP)の使用を原則禁止しています。その後、欧米におけるフタル酸エステルの動きもあり、平成20年11月よりこの部会で審議を行っていただいており、平成21年6月の審議において、このフタル酸ビス(2―エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジオクチル(DNOP)、フタル酸ベンジルブチル(BBP)について、意見を取りまとめ、食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼することとなりました。
取りまとめた意見については、以下の1、2という形になっています。
1 一般の器具・容器包装の取扱いについては、油脂及び脂肪性食品を含有する食品に接触して使用されるPVCを主成分とする合成樹脂製の器具・容器包装について、現在、原則使用を禁止しているDEHPに加え、それに類似した毒性を有すると思われるDBP及びBBPについては、DEHPの代替物質として使用されることがないよう適切な対応が必要と考えられる。
2 専ら乳幼児が用いる飲食器の取扱いについては、マウシングによるばく露リスクを考慮すると、乳幼児が口に接触する製品からのばく露を少しでも低減することが重要であり、より安全側に立ってリスク管理を検討した結果、乳幼児が用いる飲食器の可塑化された材料からなる部分については、これら6物質を0.1%を超えて含有してはならないとすることが望ましいと考えられる。
とまとめています。
まとめた結果も踏まえまして、平成21年12月、食品安全基本法第24条第1項に基づいて、規格基準の設定ということで食品健康影響評価の依頼を食品安全委員会に諮問しているという形になります。諮問については、参考資料に付けています。
こちらの6物質まとめて、食品健康影響評価を依頼したのですが、それぞれ6物質に分けて結果は返ってきています。資料2-1のDEHPについては、平成25年2月に、TDI(耐容一日摂取量)を0.03mg/kg体重/日という答申を頂いていますので、その答申を踏まえ、器具・容器包装部会において審議を行い、以下の報告を取りまとめるものであるという形の経緯というものを案として示させていただいています。
この「経緯」は資料2-2、2-3、2-4、2-5、2-6とそれぞれ付けていますが、一番最後のTDIの所の評価結果の日付、それからTDIの内容が違うということが資料の違いになっています。見ていただければと思いますが、資料2-1、DEHPについてはTDIが0.03mg/kg体重/日、資料2-2、フタル酸ジブチルになりますが、こちらについてはTDIが0.005mg/kg体重/日、それから資料2-3、フタル酸ベンジルブチルについては、TDIが0.2mg/kg体重/日、それぞれ物質によってTDIも異なっているということもありましたので、まとめて報告書にする形ではなく、それぞれ分けて報告書にしたほうがいいのではないかということで、分けて部会報告書の案を作らせていただいています。
本日、このフタル酸エステルの御審議を頂くに当たって、食品健康影響評価を依頼したのが平成21年になりますので、先ほど説明したポジティブリスト制度の議論をする前に諮問をしており、状況がかなり異なっているということもあり、昨年施行したポジティブリストの中に、この6物質全て既存物質としてリスト化されています。その既存物質のフタル酸エステルの食品健康影響評価としてTDIが、食品安全委員会から答申されているということを踏まえれば、ポジティブリスト施行後、初めての食品健康影響評価を踏まえたリスク管理の検討という形になります。初めてということもありますので、今後の規格基準の設定の進め方というものにも関係するということで、本日、御議論いただきたい内容を資料の2-1の一番上に四角で書かせていただいています。
具体的には、まず、この器具・容器包装部会では、TDIに基づいたリスク管理ということはポジティブリスト施行後、初めてになりますので、事務局としては、添加物や農薬等の部会、ほかの部会を参考に部会報告書(案)というものを取りまとめて、部会報告書として部会での審議内容と、このような案になっています。
部会報告書(案)の案の中身、つまり目次、骨子ですが、ここもほかの部会報告書や国際的ないわゆるリスクアセスメントのやり方を参考にしながら、事務局で案という形で目次、骨子を立てています。1.が先ほど説明した「経緯」ということ。2.が、いわゆる「対象物質の概要」を付けています。3.が毒性評価の部分になりますが、「食品健康影響評価について」という内容になっています。4.が「諸外国の状況」。5.が、こちらが主に今後、議論していただく内容になりますが、ばく露評価の部分、「ばく露推計について」。ばく露評価を踏まえた上でのリスク判定の部分になりますが、6.は、リスク判定から「規格案」というような項目を立てさせていただいています。
2.と3.を今回入れていますが、こちらについては主に食品健康影響評価の抜粋をしています。たとえば、2ページにあります2.の「対象物質の概要」の3 用途、こちらについては、ただいまの食品用の器具・容器包装の用途というものを業界等に聞いていますので、その辺りが分かり次第追記していきたいと考えているところです。本日は、4.5.6.については、まだこれからの議論と考えていまして、現在、内容等は書いていませんが、今後、こちらのほうの内容をまとめていくということが議論の中心と考えています。以上、説明になります。
○有薗部会長  説明ありがとうございます。今回、初めてのケースになるということで慎重に進めないといけないということですが、ポジティブリストに収載されている物質について、このフタル酸エステル6物質は、食品安全委員会からの食品健康影響評価結果が通知されてきているということで、これを基に部会報告として最後の所に「規格案」まで入れるということです。他の部会の報告書を参考にした骨子の提案ということもありますが、このストーリーでいいのか、あるいは現状として、3.までのデータは見せていただきましたが、諸外国についての状況やばく露推計は今から少し調べていき、入れるということでしたが、基本的にはこのフォーマット、ストーリーでいいのかということと、これまでの経緯からフタル酸ビス(2―エチルヘキシル)を中心とした6物質を、今後、リスク管理の、モデルケースではなくて、1番目ということで進めていきたいということの事務局からの提案でした。
初めてのことですので、こういうものに対する取り扱い方の進め方ということも含めて、先生方には御意見を頂ければと思います。何か思われること、これは初めてのケースでもありますので、ランダムでもいいですから、事務局への確認や、あるいはこれもという要望があれば、委員の先生方からの御意見をお願いします。先ほどと一緒で、チャットで「
意見があります」などと入れていただければ、順番に御指名したいと思います。あるいは確認でもいいと思います。どうぞよろしくお願いします。また、事務局から追加の説明など、御意見はありますか。
○六鹿委員  国立衛研の六鹿です。このフタル酸エステル類に関しては、議論が始まったのが平成20年ということで、ちょっと時間が経っています。欧州連合でも規制がされていますし、国内でもおもちゃで既に6種類が規制されていますので、その間に、容器包装のメーカーさんでも率先してフタル酸エステル類を排除しているという動きもあります。そのため、実際にフタル酸エステル類を使っているメーカーさんや使っている製品というのは、かなり限定されていると考えられます。ただ、どういったものに使われているかというところまでの情報は得られていないので、正確なばく露量推定ができていない状況です。その部分を調査して、ばく露量推定に基づいた規格、若しくは必要な部分を限定した規格を作成するという検討が、今後、必要なのではないかと考えられます。以上です。
○有薗部会長  ありがとうございました。今の追加の御説明もありましたが、ほかに先生方から御質問等はありますか。この報告書のフォーマット、あるいは内容について、今回、私からちょっとあれですが、広瀬先生、お願いします。
○広瀬委員  諮問は随分前だということではありますが、これはこの当時、おもちゃ等を早急に規制しなければいけないということもあって、食品安全委員会の諮問と同時に多分厚労省では予防的原則で禁止したという経緯だったような気がしています。今回、改めてTDIというかリスク評価できる値が出てきたということで、それに沿ってリスク管理するということについては、賛成したいと思います。
報告書の骨子ということで言うと、これで確定ということではないと思いますが、いろいろな評価書等と同様の形式であるので、おおむねこの方向でいいのではないかと、細かいところはきっとこれから詰めることになるのではないかと思う次第です。
この部会では初めての評価であるということですが、実はポジティブリストのたくさんの物質の中では、ある意味これはTDIが決まっている例外的な物質でもあるので、これでほかの物質も全部やるということではないと思いますが、その辺の切分けなり、方針なりということも少し事務局で念頭に置いていただければと思います。以上です。
○有薗部会長  ありがとうございました。TDIを設定して、それでという展開というのも、直接だとADIだったりするわけですが、そのようなところもいろいろなばく露があるということで、この進め方だと思います。
外国やよその情報を今から取られるというお話でもありましたが、大野先生、お願いします。
○大野委員  大野です。食品安全委員会への諮問が随分前だったということもあるかと思いますが、今回、部会の報告書としてまとめるに当たって、国内の製造量や輸入量など、少しデータが古いような気がしています。余り大変な作業でなければ、新しいデータに替えていただけないかなということが1点です。
それから、もう1点は意見なのですが、今回は初めてのケースということで非常にデータもそろっていますが、今後、いろいろな物質がこれを前例にされると大変な作業になるのではないかと心配しています。今後の前例とならないというか、別にもう少し違うメソッドが必要ではないかと思っています。以上です。
○有薗部会長  ありがとうございました。私も、今、大野先生がおっしゃることを言おうかなと思って、話が途中だったのですが、情報源や情報の入手、例えば諸外国にしても、どういうものから拾っていくかということが、ある程度オフィシャルなものであったり、こういうものから拾っていきますということが、ある程度リストされると言いますか、オーソライズされていればいいなとちょっと思って、それを言おうとしたところでした。ほかにはありますか。ほかの先生方はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。尾崎先生は何かありませんか。
○尾崎委員  尾崎です。私も先ほどの大野先生の意見と同じ感想を持っています。これが初めてのケースということなのですが、今後、何千物質を評価、そして規格などを決めていくに当たって、やはり効率良くスムーズにできていくような仕組みのようなものを、このフタル酸エステルにこだわらず作っていけたらいいなと思いました。以上です。
○有薗部会長  ありがとうございました。ほかにはありませんか。
それでは、先に進めたいと思いますが、これは先ほどから大野先生、尾崎先生の御心配等、あるいはこれまでの経緯で六鹿先生、広瀬先生の説明がありましたが、今後、進めていくということで、事務局とも対応しながら進めていければと思います。また、ばく露など、先ほど、どこのデータを取るのかという話をしましたが、ばく露推計などのところは実際に使用されている状況なども踏まえてやらないといけないということで、大野先生のお話にもありましたが、新しいデータ、あるいは事業者や関係業界の方々からの聞き取り調査というものも大事になるだろうと思います。
こういう展開をしていくと、報告書を事務局にそのまま投げるというわけにもいかないと思います。先ほど大変な作業になるかもしれないという話もありました。一部の先生方にワーキングのような形でたたき台を作っていただいて、そしてここに乗せて、それを審議していただくというような形で進めたらどうかなとは思いますが、先生方、いかがでしょうか、賛同していただけますか。どうでしょうか、事務局、そちらのほうで確認してください。
○事務局  事務局です。7名の先生より御了承いただきました。魏先生におかれましては、コメント等で御意見をお聞かせいただけますか。
○魏委員  魏です。特に異議はありません。賛同します。
○事務局  ありがとうございます。では、事務局にて、本日、御出席いただいている先生方の御了承を頂きましたことを確認しました。有薗先生、よろしくお願いいたします。
○有薗部会長  ありがとうございます。それでは、たたき台を作成していただく委員の先生方も、この点については事務局とも相談した上で、後日、私から何人かの先生方に提案させていただければと思っています。よろしくお願いいたします。もちろん、委員の先生方だけでやるわけではありませんので、事務局においてはよろしくお手伝いいただきますようお願いいたします。
○事務局  御審議ありがとうございます。たたき台を作成していただく委員の先生については、部会長と相談させていただき、後日、提案させていただきますので、よろしくお願いいたします。その後、先生方とたたき台の作成をお手伝いさせていただきたいと思っています。
先ほど、大野委員、尾崎委員から頂きました、いわゆるポジティブリストの既存物質をどのようにリスク管理のほうに持っていくのかという部分については、この後の報告事項で一部説明させていただきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○有薗部会長  ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
つづきまして、報告事項のところ、あと食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度について、事務局より報告をお願いいたします。
○事務局  資料3について説明いたします。資料3の2枚目を御覧ください。まずポジティブリスト制度の概要についての説明です。ポジティブリスト制度に関しては、昨年の6月1日に施行となり、5年間の経過措置期間を設けているところです。この期間中に、施行前に使用されていた物質(既存物質)の情報を更に集めてリスト化をしていく作業を、現在しているところです。
上の段を御覧ください。ポジティブリストを告示で出している物質は、基ポリマーで約2,000物質、添加剤では約1,600物質です。下の段を御覧ください。今回のポジティブリスト制度については、このリスト以外に容器等製造事業者以降の川下の事業者に情報伝達を義務付けているところです。また容器等製造事業者に関しては、GMPによる製造管理も義務付けています。
スライドの3ページを御覧ください。こちらに関しては、これまでの経緯を表にしております。まず2020年4月28日にポジティブリストの告示を行い、その告示によって経過措置期間5年間を規定したところです。5月1日に、施行通知を発出しております。6月1日からPL(ポジティブリスト)制度が施行され、これに合わせてQ&Aあるいは新規物質の収載の手引などを発出したところです。7月末から10月末にかけて、既存物質の追加・改正に係る物質情報の収集、募集を行い、現在、寄せられた意見の整理を行っているところです。
なお、前回2019年12月に行われた部会では、ポジティブリスト制度の施行後に、既存物質のリストについて2020年度末頃予定で告示を改正すると説明をしておりましたが、新型コロナウイルス感染症の発生などによって、器具・容器包装等の関連事業者にも影響が出ているということもありますので、2020年度末予定の告示改正については、予定を変更しているところです。
また、原材料を供給する川上の事業者は、川下が使う食品区分や添加する添加剤の種類、それから使用量が分からないということがあり、また、川下の容器包装の製造事業者に関しては、原材料の物質が分からないという状況が分かってきました。そのため、ポジティブリスト制度施行後に行った1回目の意見募集の時には、既存物質の物質名を整理することを目的に、物質情報の募集を行っていました。整理ができた物質をリストに追加、改正したポジティブリスト案として示していくことを検討しておりますが、このポジティブリスト案に対する追加の物質情報の募集が必要であると考えているところです。効率的に進めていくためにも、最終的に既存物質に関する物質の情報が整理できた段階で、初めて告示改正を行っていくというようなスケジュールで進めていきたいと考えております。
この表の2020年12月を御覧ください。先ほど議題2でありましたフタル酸エステルのところでご指摘がありましたように、効率のいい評価方法で既存物質のリスク評価を行っていただかなければならないと考えています。既存物質に関しては、これまでに使用実績もあるということ、そして、より優先して評価が必要な新規の物質がある中で、先ほども御紹介いたしましたように、この既存物質が数千に及ぶということから、より現実的なリスク評価方針の案を検討していく必要があると考えております。そのため、厚生労働省から委託事業として国立医薬品食品衛生研究所に現在依頼をしており、昨年12月に第1回の検討会を開催して、このリスク評価方針の案についての検討を行っているところです。
また、この図の右に示しましたように、この制度に関しては施行されているところではありますけれども、我々としても業界との意見交換を日々行ってきており、その中で出てきた課題を次のスライドに示しております。スライドの4ページを御覧ください。「器具・容器包装の現状」と書いてあります。ここでは、主な課題として5点挙げております。
具体的には、1つ目として、「樹脂への添加剤に関する情報伝達」です。これに関しては、ポジティブリストにある基ポリマーを複数使用して混合した場合に、それぞれの基ポリマーに対して使用制限が規定される添加剤量を合計することになっているところなのですけれども、樹脂の混合などを行うような上流のメーカーから物質の情報が開示されないということがあり、基ポリマーに使用される添加剤の量を算出できないということを聞いております。
2つ目は、「複数の樹脂から成る合成樹脂への添加剤の混合」ですけれども、事業者によっては、これまでの慣習から、混合した樹脂全体を主な基ポリマーから構成した樹脂として取り扱われるということがあります。したがって、この場合、混合されている全ての樹脂の基ポリマーの情報が得られないため、個々の基ポリマーに対して使用される添加剤の量が、使用制限の範囲内であるかどうか確認ができないということを聞いております。また塗膜についても、基ポリマーが架橋剤と化学反応している場合もありますので、添加剤の使用上限量をどのように設定するかを考えることが困難だということを聞いております。
補足情報ではありますけれども、スライドの5枚目の「参考」に、先ほど説明させていただいた1つ目と2つ目の課題について、簡単な図で示しております。器具・容器包装の製造に関して、通常はパターン2のように複雑な形をとっています。そうしたときには、一番下の黄色の矢印に記載されているような課題があるため、容器等製造事業者の所で添加剤の使用制限量を満たしているかどうかが分からず、ポジティブリスト適合の情報伝達が難しくなっているのではないかと考えているところです。したがって、パターン1のようにシンプルなサプライチェーンでないと、こういった情報伝達は難しいのではないかと考えているところです。
スライド4に戻ります。3つ目の課題としては、「一般衛生管理/GMP」です。こちらについては、食品衛生法施行規則のところで、一般衛生管理とGMPについての基準を設けているところです。たとえば一般衛生管理については、記録の作成・保存といったものを義務付けており、GMPではサンプル保存をすることとなっているところですが、器具・容器包装の市場での流通期間は、器具・容器包装の種類によって多様であるため、このような基準が現実的ではない場合があります。
4つ目の課題は、「再生プラスチック」です。今後、こういった再生プラスチックのように、リサイクル品等回収原料の利活用が増えてくることが予想されるため、器具・容器包装のポジティブリスト制度におけるこういったリサイクル材の考え方の整理も必要であろうと考えているところです。
最後に、5つ目の「新規申請」です。こちらは、ポジティブリスト制度が昨年の6月1日から施行になりましたけれども、施行された以降に新しく物質として開発されたものを新規物質と呼んでいますが、こういった新規申請について、どういったエビデンスを収集すべきかの検討、あるいは規格基準を考えるときに、物質名のような企業秘密が生じるようなものについての取り扱い方を含めたリスク管理の検討が必要ではないかと考えているところです。
これらの課題については、<今後の方針>で示しているとおり、食品用の器具及び容器包装の分野に知見を有する専門家を含めての検討の場を設置し、課題に対する対応案を作成して、また本部会で御議論いただくということで進めていってはどうかと考えているところです。説明は以上です。
○有薗部会長  ありがとうございました。幾つかのパーツで説明していただきました。昨年からのコロナ禍の現状で、現在のポジティブリスト制の展開、運用について、少し遅れもあります。あるいは、中での皆さんの情報をつなげるときに、このコロナ禍の中でうまく動けないようなところもあるので、少し延び延びになるようなことがあります。それから、業界の方々等の情報収集のところで、現在のポジティブリストの中で、情報伝達だったり、製品の中の添加量、あるいは基ポリマー自体の含量や成分がアンノウンなところが結構あったりするので、その辺りを注視して、システムの中で考えていかないといけないだろうというお話です。そういうことが理由として衛生管理のところだったりするのです。
それから、世の中の流れといえば流れですけれども、現在、再生プラスチックということが起きています。その中で、リサイクル材への展開も、ポジティブリスト制におけるリサイクル材の考え方も整理しておかないといけないだろうということです。また申請の所で、物を混ぜて製品を作っていくというところで、特許ということもありますけれども、それを作る所でそれぞれの企業で情報として、企業秘密と書いていますけれども、内部だけでのことでいろいろと展開しているということについても、どこまで開示を求めるのかということもあります。ですから、こういう件に関して、今後の展開で、いろいろな専門家を含めての検討の場も作っていきたいというような事務局からの現状の報告、そして今後の展開の仕方への先生方への意見照会の御案内でした。
こういうリスクを管理する観点での現実的な対応ということで、今の報告と併せて、先生方に展開の御意見、あるいはサゼッション等を頂ければと思います。その前に、六鹿先生、何か御報告等サポートがありますか。
○六鹿委員  六鹿です。スライドの4ページ目の「器具・容器包装の現状」の中の1つ目と2つ目のカテゴリーの主な課題の所についてです。もう少し説明いたしますと、2つとも複数の基ポリマーを使った場合の問題ということなのです。こちらの原因としては、従来からあった規格基準は主に最終製品の制限を目的としたもので、そのための合成樹脂の区分であったわけですが、一方で、今回のポジティブリストに関しては、原材料の制限を主とするものです。そのため、合成樹脂の区分が違ってしまっていて、添加剤の規制について、ポジティブリストのほうが更に細かく分かれています。そのため、従来の規格基準の合成樹脂の区分をベースに管理されていた事業者は、より細かい情報が必要になってしまい、少し対応に苦慮されているということを聞いております。さらに、情報の供給元である上流メーカーが食品衛生法の対象外となっている所も多いので、法的な強制力がないというところで、下流メーカーが情報がなかなか得られないということも聞いています。ですから、情報を得ることが本当に全然駄目で情報が得られなくて対応ができないのかどうかも含めて、検討をして、どうしてもできないということであれば、何らかの措置が必要なのではないかと考えられます。以上です。
○有薗部会長  ありがとうございました。このシステムをうまく運用するためには、これからいろいろと考えていかないといけない点が出てくるかと思います。ほかに先生方から御質問、あるいは提案等はありますか。御意見がありましたら、お願いします。何か御質問はありませんか。
私から少し確認なのですけれども、現在のところパターン1とパターン2とあって、単純に言うと努力義務の所の人たちも少し入れ込んで、義務の所、あるいは上流の原材料の方々との交流と言ったらいけないですけれども、情報の伝達の明確化、中身がうまくスムーズに風通しが良くなるように、見えるようにするというのは、業界の方々からの提案というのも何かありますか。事務局は、そういう情報は頂いていますか。
○事務局  事務局です。今のところ、特にそういった情報は得られてはいません。
○有薗部会長  原材料の方と途中で作られる方は、原材料を作るところまでは、多分、化学物質のTRTRやMSDSという履歴書がずっと付いて来るのでしょうけれども、製品ができた段階でそこで消えてしまうのでしょうから、その辺りの情報をより下流につながないと、先ほどから議論がありました添加物のサムアップのところや、基ポリマーが幾つも混ざっていたりというのがあるので、これで言うと一番前の所から努力義務と書いている人たちの間の所も、今回のポジティブリストではチェックできない所かもしれないですが、何かその辺りにも、業界の方々とよく考えていただいて、うまく下流のほうに情報が来るようにできればと思います。ほかに先生方、何かサゼッションはありませんか。広瀬先生、お願いします。
○広瀬委員  サゼッションはできるあれはないのですけれども、先ほど六鹿先生から前の業界でのカテゴリーの分類と今のが違うところが問題点かと。ちょっとお聞きしたいのは、そういうカテゴリーの区分とか、改良とか改定を加えることは、何らかの解決になるのかなというのをお聞きしたいです。
ちょっと違う観点なのですけれども、この5つの問題はそれぞれ専門家を含めた検討の場とあるのですけれども、5つを同時に行うのか優先順位を付けるのか分からないのですけれども、その辺りはどのような見込み、計画があるのかを事務局にお聞きいたします。以上です。
○事務局  事務局です。まず1つ目の御質問の件なのですが、カテゴリーを変えることで何か改善のようなものが見られるかということに関しては、今のポジティブリスト制度のリストに関しては、物質の情報だけではなくて、最高温度であるとか、食品の区分といったものも規定をしていますので、まだ最終的な解決策までは分からない部分はありますが、そういった部分も検討することによって、ある程度クリアになるのではないかと考えています。
もう1つの今後の進め方ですけれども、優先順位という意味では、基本的にどれも大事かなとは思っているところです。こういったものを検討会、ワーキンググループなりの形で進めていくことにはなろうかと思いますけれども、このカテゴリーに書いている5つのものを1つにまとめてやるということではなく、おそらく、これらに関しては別々の形で進めていくことになるのではないかと考えております。ただ、優先順位等に関しては、決めていませんので、まずはできるところからしっかりやっていきたいと考えております。以上です。
○有薗部会長  ありがとうございました。広瀬先生、よろしいですか。
○広瀬委員  はい、ありがとうございます。
○有薗部会長  ほかの先生方、何か御質問等はありませんか。5つをそれぞれ順番ではなくて、やれるものは先にやったり、あるいは同時にやったりということがお話にもありましたけれども、多くの課題があり、それぞれ専門家の先生方や業界の方々、あるいは関連の人たちと、今後、情報収集をより密にしないといけないのかなと思います。現実的な方向にうまく進めていっていただければと思いますし、委員の先生方にもそれなりの協力を頂ければと思います。
広瀬先生から、既存物質が数千もあるということで、現実的なリスク評価方針の案をということで、いろいろと考えていただいているようです。この状況は、現状どうなのですか。
○広瀬委員  現状というか、正に先ほどの説明にもありましたが、12月に始まったばかりなので、まだ大きな全体像、骨格は決まってはいないです。ただ、今までの知見、あるいは経験をなるべく用いながら効率的に進めるということで、方針を取りまとめていきたいと考えているところです。現状では以上です。
○有薗部会長  今後の展開ということで、このシステムがうまく展開できるように、課題の整理、対応案の作成ということで、事務局とともにこの部会でやっていかなければいけないと思いますので、どうかうまく進めていっていただければと思います。ほかに御意見のある方はいらっしゃいませんか。浦郷先生、何かないですか。
○浦郷委員  浦郷です。4ページにもありますけれども、現状いろいろ課題があるということで、運用がスムーズにいかないと、この制度自体が危ういものになってしまうかなと思います。それがないようにしっかりとリスク管理ができるように、是非、専門家の方々に御検討をお願いしたいと思います。以上です。
○有薗部会長  竹内先生、いかがですか。
○竹内委員  難しい問題だとは思いますけれども、現在、検討会で検討されているようなので、できるだけ実効性のあるような形で決めていただければいいのではないかと思います。
○有薗部会長  魏先生、いかがですか。
○魏委員  私からは特にありません。
○有薗部会長  宮島先生、いかがですか。
○宮島委員  衛研の宮島です。やはり、課題がまだたくさん残っている状況で、今後進めていくことになるのだと思います。原材料の事業者さんが情報をどのように出してくださるのかが、今後いろいろな面で問題になってくると思うので、進めていく中では、業界の方からもしっかり御意見を伺って、情報収集し、かつ、お互いに締め付けあわないでうまく進めていけるような形で、是非、進んでいければと思います。以上です。
○有薗部会長  ありがとうございました。委員の先生方もいろいろ前向きに業界の方々ともお話合いをされたり、ステップバイステップにはなるのかもしれませんが、現在、事務局でしている対応も、うまく進めていただきたいと先生方も思っていらっしゃると思います。事務局としては、この方向で進めていただければと思います。事務局から、最後に何かありますか。
○事務局  ありがとうございます。事務局においても、委員の先生方から御指摘いただきましたように、専門家の方々あるいは関係団体の方々とも相談をしながら、この対応案の作成を進めてまいりたいと思います。
○有薗部会長  ほかに何かありますか。よろしいですか。それでは、次の「その他」について、事務局から何かありますか。
○事務局  特にありません。予定された議題、報告は以上です。
○有薗部会長  ありがとうございました。最後に今後の予定について、事務局より説明をお願いします。
○事務局  次回の器具・容器包装部会については、事務局より改めて御案内をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○有薗部会長  若干早めに終わりましたが、本日の器具・容器包装部会はこれで終了いたします。ありがとうございました。