第8回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会 議事録

日時

令和3年1月14日(木)14:00~14:45

審議方法

オンライン会議

出席者

<委員(五十音順)>
今村聡委員、宇都由美子委員、大江和彦委員、川口陽子委員、永井良三委員、中釜斉委員、林玲子委員、
宮嵜雅則委員、矢冨裕委員

議題

1.部会長選出
2.「社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会運営要綱」の改正について
3.ICD-10(2013年版)の告示改正について
4.その他

議事

 

〇事務局
 これより第8回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会を開催いたします。委員の先生方におかれましては、お忙しいところ本日のウェブ会議にご出席賜りまして、誠にありがとうございます。冒頭進行を務めます事務局の高橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、本日は開会に先立ちましてウェブ開催ということで、ご出席状況の確認とご発言の方法
の説明をさせていただきます。まず、スカイプの画面下にビデオ、マイクのアイコンがございます。会議中は、ビデオはオンにしてください。万が一接続が安定しない場合には、オフにしていただくよう途中で事務局からご案内させていただきます。それから、マイクは発言されるとき以外は、常時ミュートにしてください。アイコンをクリックして斜線が出ているとオフになっております。ご発言の際は、もう一度マイクをクリックしてオンにしていただいた上で、その場で挙手をしていただいた上でお名前を名乗っていただきまして、部会長に指名されてから発言をお願いします。発言が終わりましたら、「以上です」とおっしゃっていただき、再びマイクをオフにしていただくようお願いいたします。もし指名がされなかった場合には、チャット機能の文字を使ってお知らせください。また、会議中に委員の皆様に、議事のご確認をお願いする場合がございます。その際に異議のない旨を表明する場合には、マイクをオンにしていただいた上で、拍手をしていただきますようお願いいたします。スカイプには、インスタントメッセージを利用したテキストチャット機能がございますが、ご発言の際はチャットではなく口頭でご発言いただきますようお願いいたします。それから、インスタントメッセージは、マイクが使用できない場合、不具合を事務局にお知らせいただく場合のみご使用いただきますようお願いいたします。
 では、開会したいと思います。初めに厚生労働省を代表して鈴木政策統括官よりご挨拶を申し上げます。

〇事務局
 厚生労働省の政策統括官の鈴木でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。委員の皆様方におかれましては、本日は大変ご多忙のところ、第8回でございますが、疾病、傷害及び死因分類部会にオンライン出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 さて、新型コロナウイルス感染症の流行などによりまして、WHOにおいてICD-10におけます特殊目的用コードでございますエマージェンシーコードの変更及び追加が行われました。これに伴いまして、統計基準でございます「疾病、傷害及び死因の統計分類」につきまして、エマージェンシーコードの変更及び追加に対応すべく告示の改正についてのご審議をいただくことを目的としまして、本日委員の皆様にご参集いただいたところでございます。委員の皆様方におかれましては、専門的な見地から忌憚のないご意見を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げまして、冒頭のご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

〇事務局
 では、続いて事務局の紹介をさせていただきます。武藤参事官です。

〇事務局
 武藤です。よろしくお願いいたします。

〇事務局
 次に、渡国際分類情報管理室長です。

〇事務局
 渡です。よろしくお願いいたします。

〇事務局
 では、事務局の紹介は以上です。それでは運営要綱に従いまして、会の成立状況についてご報告いたします。事務局にて確認させていただきましたところ、出席予定の9名の委員の先生方の出席をいただいております。事前にご欠席のご連絡をいただいている康永委員は、本日ご欠席でございますが、この時点で委員の3分の1を超えるご出席をいただいておりますので、本会議は成立しておりますことをご報告申し上げます。
次に、本日の会議資料の確認をさせていただきます。事前送付いたしました会議資料をご覧ください。

〇事務局
 資料を申し上げます。
資料1:社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会運営要綱(案)
資料2:ICD-10(2013年版)の告示改正にあたっての基本方針(案)
資料3:ICD-10(2013年版)の告示改正 新旧対照表(案)
資料4:社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会部会長から社会保障審議会統計分科会分科会長への報告(案)
資料5:ICD-11準拠のための「疾病、傷害及び死因の統計分類」改正の流れ
参考資料1-1:諮問書、付議書
参考資料1-2:「疾病、傷害及び死因の統計分類」改正の流れ
参考資料1-3:現行告示該当箇所(官報抜粋)
参考資料2-1:ICD-10(平成21年3月23日総務省告示第176号)一部改正にあたっての基本方針
参考資料2-2:ICD-11和訳の取扱について(案)
参考資料3:ICD-10(2013年版)提要の修正(案)
参考資料4:ICD-10のU06~U10該当箇所(WHO原文)
参考資料5:ICD-11の国内適用に向けた動向について
参考資料6:ICD(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)とは
参考資料7:厚生労働省設置法、社会保障審議会令、社会保障審議会運営規則
参考資料8:疾病、傷害及び死因分類部会委員名簿
以上です。

〇事務局
 資料の確認は、以上でございます。議事に入ります前に、いくつかご連絡がございます。
 まず、円滑な議事の進行のため、写真撮影等はここまでとさせていただきます。ご協力よろしくお願いします。
 次に、本部会の運営について、簡単に説明をさせていただきます。本部会の運営については、社会保障審議会の運営に準ずること、会議は原則公開であること、議事録も原則公開されること、となっております。
 では、議事に入らせていただきます。まず議事1の部会長選出について、本部会の部会長の選出を行いたいと存じます。部会長は委員の互選により選任することとなっておりますので、委員の中からご推薦をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

〇今村委員
 よろしいでしょうか。

〇事務局
 はい、今村委員、お願いいたします。

〇今村委員
 日本医師会の今村でございます。社会保障審議会の本委員でいらっしゃいまして、またこの疾病、傷害及び死因分類部会の部会長をお引き受けいただいておりました永井良三先生。その学識、ご経験から最も相応しいと思いますので、永井先生にお願いできればというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

〇事務局
 ありがとうございます。今村委員より永井委員推薦のご発言がございました。ご異議、ご異存がないようでございましたら、本部会の部会長は永井委員にお願いいたしたく存じます。

(拍手)

 ありがとうございます。では、ご就任にあたりまして、永井部会長から一言いただけますでしょうか。

〇永井部会長
 永井でございます。ご推薦いただきまして恐縮でございます。今日もICD-10の議論がございますけれども、デジタル革命が進んでいるということで、この部会の責任も非常に重いと思いますので、どうぞ皆様方のご協力よろしくお願いしたいと思います。

〇事務局
 ありがとうございます。では、永井部会長お願いいたします。

〇永井部会長
 よろしいでしょうか。
 それでは、あらかじめ部会長に事故があるときは、部会長代理の指名を行うことができるということでございます。私といたしましては、ご経験の深い宮嵜委員に部会長代理としてお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

(委員からの異議なし)

〇事務局
 ご異存がないようでしたら、部会長代理は宮嵜委員にお願いいたします。

〇永井部会長
 もしご異議なければ、それでは宮嵜部会長代理、よろしくお願いいたします。一言ご挨拶をお願いいたします。

〇宮嵜委員
 よろしくお願いいたします。ただいまご指名いただきました保健医療科学院の宮嵜でございます。微力ではございますが、少しでも永井部会長のお力になれればと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

〇事務局
 ありがとうございます。では、ここから永井部会長に議事の進行をお願いしたいと思いますので、永井部会長どうぞよろしくお願いいたします。

〇永井部会長
 それでは、議事の2に入らせていただきます。この委員会の運営要綱は、社会保障審議会運営規則第十条に基づき、運営に必要な事項として部会長が定めるとされております。今般、事務局の組織変更に伴いまして、本運営要綱も変更が必要ということで、資料1のとおりとしたいと思います。こちらについて、これでよろしいかご確認をいただきたいと思います。ちょっとお目通しをいただきまして、特にご異議なければご了解いただきたいと思います。よろしいでしょうか。

(委員からの異議なし)

 はい、ありがとうございます。では、運営要綱は、資料の1のとおりとしたいと思います。
 続きまして、議事の3にまいります。「ICD-10(2013年版)の告示改正について」、事務局から説明をお願いいたします。

〇事務局
 はい。それでは事務局から、まず今回ご審議いただく経緯からご説明させていただきます。
 昨年から流行している新型コロナウイルス感染症について、世界保健機関WHOが勧告するICD-10においても分類できるよう対応がなされ、昨年の2月から夏頃にかけて、WHOが新たなコードを公表しました。ICD-10には第ΧΧⅡ章特殊目的用コードの中に、「原因不明の新たな疾患又はエマージェンシーコードの暫定分類(U00-U49)」というものがあります。この中で、新型コロナウイルス感染症関係のコードの作成や修正が、何度か行われております。これにつきまして、ICD-10に準拠している我が国の統計基準、「疾病、傷害及び死因の統計分類」においても、この変更に対応するための検討が必要ということで、厚生労働大臣から諮問がなされています。諮問については、参考資料の1-1から1-3に関連資料がございますが、厚生労働大臣から社会保障審議会への諮問があり、「統計分科会」、「疾病、傷害及び死因分類部会」への付議がありましたので、告示の改正に関する審議をいただき、本部会の報告案をおまとめいただきたいと考えております。報告案は、後日、統計分科会長及び社会保障審議会長にご報告いただき、それを踏まえ社会保障審議会長から厚生労働大臣へ答申いただく予定となります。その後、統計法を所管する総務省の統計委員会で、諮問・答申が行われます。なお、事務局において、本部会の審議に先立ち、「疾病、傷害及び死因分類専門委員会」でご検討いただく必要があると考えたことから、昨年12月3日に専門委員会にてご審議いただき、和訳を作成していただいておりますことをご報告いたします。
 それでは、資料2をご覧ください。統計基準の改正にあたっての基本方針の案をお示ししています。まず前段の部分ですが、「世界保健機関(WHO)が勧告するICD-10について、今般の新型コロナウイルス感染症流行に伴い、第ΧΧⅡ章特殊目的用コードの『原因不明の新たな疾患又はエマージェンシーコードの暫定分類(U00-U49)』(以下、『エマージェンシーコード』という。)の変更等が行われた。」としております。1番以下で、改正の方針を具体的にお示ししています。
 まず1.ですが、「疾病、傷害及び死因の統計分類」の内容について、U08-U49の3桁分類及び4桁細分類項目の追加を行うとしております。現行の告示では、U07.9までが明示されておりますが、この部分は、ICD-10原本の概念としては、U49.9までが存在しております。これを、今後何らかの必要が生じた際に、コードが速やかに使用できるよう工マージェンシーコードという名として追加しておくという意味です。
 次に、2.です。今回は新型コロナウイルス感染症のコードに対応することを契機とした改正ですが、この部分を改正するにあたり、現行の「疾病、傷害及び死因の統計分類」の告示、これはICD-10の2013年時点での情報に基づくものですが、これが施行されて以降、WHOで採択されたエマージェンシーコードがいくつかございましたので、その内容はあわせて対応したいという内容です。
 3番です。「2013年1月にWHOより公表されていた勧告内容の後に公表されたICD-10におけるエマージェンシーコード以外の部分における変更については、改正を行わない。」としております。ICD-10は、毎年アップデートが行われており、エマージェンシーコード以外の部分についても、2013年の情報からは変わっている部分がございます。しかし、今回は速やかに新型コロナウイルス感染症に対応する必要があることから、エマージェンシーコードの範囲での対応にさせていただくということです。
 なお、2番、3番に関連しまして、今回の改正の案にありますジカウイルス病は、一度Uコードとして取り扱われたあと、現在のICD-10の2019年版においてはAコードやPコードとさらに変更されておりますが、今回の告示改正では通常のA~Zのコードの改正は行わず、ジカウイルス病はUコードの方で取り扱う、と提案させていただいております。
 次に、4番についてです。「和訳については、現行の告示の作成時の方針を踏襲するが、一部ICD-11での方針を参照して作業する。」としています。ここについては、先程申し上げたとおり、昨年専門委員会にてご審議いただき、和訳を作成していただいた際の方針について記載しております。仮訳については、資料3もあわせてご覧いただければと思います。
 資料3の1ページ目の上部ですけれども、今回のコードの追加に伴うコード数の変更がございます。真ん中より少し上の「第ΧΧⅡ章特殊目的用コード」とある部分から下の右側の欄に、専門委員会でお決めいただいた和訳がございます。現在の4番の方針に関しての一例を申しますと、現行の告示では、virus identifiedは「ウイルスが分離された」と訳していたのですけれども、今回、U07.1等の和訳の際、ICD-11では既存訳も含めて見直しを行うこととしていることも踏まえ、より適切な訳である「ウイルスが同定されたもの」としていただきました。方針の4は、これを念頭に置いての記載となっております。
 資料2に戻りまして、5番につきましては、必要な項目は基本分類表のほうで把握できますので、あまり大きな改正は行わないということで、疾病分類表、死因分類表については改正しない、そのままとする、という内容です。これらの告示の改正方針について、本部会でご審議いただきたいと思います。資料2についての説明は以上です。

〇永井部会長
 はい、ありがとうございます。今回の基本方針の説明をしていただきました。今の事務局からの説明につきまして、ご質問、ご意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

〇林委員
 すみません。COVID-19の和訳を、「コロナウイルス感染症2019」としているのは、この部会が初めてですか。

〇永井部会長
 事務局、それについてお答えいただけますか。

〇事務局
コロナウイルス感染症自体の呼び方については、感染症法では「新型コロナウイルス感染症」と言っておりますけれども、ここはあくまでもICDといいますか、「疾病、傷害及び死因の統計分類」の分類コードの名称ということで、その分類コードの名称としては、こちらの部会で初めて決めるということになります。

〇永井部会長
 よろしいでしょうか。そのほかいかがでしょうか。
 今回は、ともかくコロナ対応の枠を作ると、仮の枠を作っておいていずれまた整理をするという、その手続きのためにいろいろな改正が必要だということですね。そんな理解でよろしいのでしょうか、事務局。

〇事務局
 はい。エマージェンシーコードという枠組みで、WHOから特にコロナに関してコードが提案されたものが使えるようにする、手続き上使えるようにするということです。

〇永井部会長
 これは、将来また別の疾患が起こってきたときには、同じようにエマージェンシーコードを活用すればいいと、そういう拡張機能もあるわけですね。

〇事務局
 はい。必要がありましたら、今回エマージェンシーコードという名前で追加をご提案しているものがございますので、そちらを使って表章できる。WHOからもし何か示されましたら、そのコードについてエマージェンシーコードを使って対応していくと。何か出た際には、本部会長の永井先生やICD専門委員長の矢冨先生、統計基準を所管する総務省とも相談をしてとなると思いますが、そのように考えております。

〇永井部会長
 はい、ありがとうございます。それでは、専門委員会でご検討された内容について矢冨委員からご説明をお願いできますでしょうか。

〇矢冨委員
 はい。「疾病、傷害及び死因分類専門委員会」の委員長をしております矢冨です。専門委員会では、6月の書面開催の会議及び12月のオンライン開催の会議により、今回の第22章のコードの和訳について検討いたしました。内容は資料3、2ページにわたっておりますが、ここにあるとおりです。
 まず、U06、「ジカウイルス病」ですが、ジカウイルスの山括弧を利用した表記については、現在の告示の他の部分にならった表現方法としています。U06、トップであります。
 次に、U07の「ベイピングに関連する障害」ですが、電子タバコ、加熱式タバコの障害を指すと思いますが、この原文のVapingという概念に対応する日本語の用語が定まっていないため、ベイピングとカタカナにするのがよいということでこの表記としております。
 U07.1からは、今回の主題でありますCOVID-19の訳ですが、国内では、「新型コロナウイルス感染症」という表現が一般的ですが、今後新たな新型が発生する可能性もありますことから、分類のコード名称としては「新型」コロナは用いない和訳といたしました。また、今回の、SARS-CoV-2によるものであることが区別できるよう、COVID-19の19に対応するものとして「2019」をつけることといたしました。
 それから、virus identifiedの部分につきましては、先ほど事務局からご説明がありましたが、現在のインフルエンザウイルスの部分で使用されている訳である「ウイルスが分離された」という表現を使用するよりは、「ウイルスが同定されたもの」という表現にした方がよいという委員からのご意見をいただき、それを踏まえた案とさせていただいております。
 それから次、U08にあります、personal history、U09にありますconditionの訳については、現在の告示の表現に合わせております。それぞれ「コロナウイルス感染症2019の既往歴」「コロナウイルス感染症2019後の病態」というような表現にしております。
 それからU10、「Multisystem inflammatory syndrome associated with COVID-19」は、委員の意見を踏まえまして、「コロナウイルス感染症2019に関連する多系統炎症性症候群」としています。以上です。

〇永井部会長
 はい、ありがとうございました。資料2と3で、今回の改正の方針及び改正の内容のご説明をいただき、専門委員会での検討状況を矢冨委員からご報告いただきました。これまでのところで、ご質問ご意見いかがでしょうか。
 矢冨先生、このウイルスの同定というのは、たぶんPCR法とか抗原検査ということでしょうか。そういう方法で陽性に出たということを「ウイルスが同定された」という理解でよろしいでしょうか。

〇矢冨委員
 はい、そうです。

〇永井部会長
 主にその二つですね。PCRと抗原検査のことを言っているという。

〇矢冨委員
 現時点では、そういう理解でよろしいと思います。

〇永井部会長
 はい、ありがとうございます。いかがでしょうか。ご意見よろしいでしょうか。
 宮嵜委員どうぞ。

〇宮嵜委員
 今回の内容はだいたいわかりましたけれども、先ほども永井先生からもご質問ありましたこのエマージェンシーコード。今後またWHOのほうから新しいものが何か示される予定というか可能性があるのかどうかということと、その場合どうするのか。また専門委員会を開いてこの部会を開くというそういう流れになるのか。ちょっと今後のことになるかもしれませんけれども、分かったら事務局のほうからお知らせいただければと思います。以上です。

〇永井部会長
 はい、いかがでしょうか。

〇事務局
 はい。WHOのほうでは、適宜いろいろ検討されておりますので、今後も追加される可能性はございます。その際には、今回改正で追加をしていただきますエマージェンシーコードのコードを使用できると考えております。
 たとえば、新しくWHOでU12が使われるようであれば、エマージェンシーコードU12という今回追加していただくもの、これを使用して公的統計での表章をして、その内容を運用で示すことを考えております。そういう方向で考えておりますが、案件が出た際には、具体的なことは永井部会長や総務省にも相談して、対応したいと思っております。

〇永井部会長
 よろしいでしょうか。

〇宮嵜委員
 ありがとうございました。

〇永井部会長
 他に、いかがでしょうか。

〇矢冨委員
 委員会の委員長がこんな質問してもどうかと思ったのですけれども、今回「Multisystem inflammatory syndrome」は「多系統炎症性症候群」という訳にさせていただきました。これは感染症の専門家や小児科の専門家からのご意見等を踏まえて決定したのですが、この訳というのは、私の理解ではかなり不統一だと思うんですね。厚労省から出されている新型コロナウイルス感染症の診療の手引きの最新版も、たぶん「多臓器」となっていたと思います。ですから、このあたりは今後、今回の用語で統一されたらいいんじゃないかなと、個人的には思っているんですけどいかがでしょうか。

〇永井部会長
 はい。委員の皆様いかがでしょうか。

〇矢冨委員
 事務局のほうもいかがでしょうか。

〇永井部会長
 臓器というのと系統というのと、よく臨床の先生方は「臓器」と言うけれども、研究者は「器官」とか「システム」という言葉を使うんですね。どちらでもいいようには思うのですが、いかがでしょうか。必ずしも臓器に限定しているわけではないと。免疫系なんていったら、これは臓器というよりも系統、システムの問題ですよね。事務局、いかがですか。

〇事務局
 はい。厚労省内の他の部局と申しますか、そことの関連性の観点でお答えさせていただきたいと思います。先ほど、林先生からも、この「コロナウイルス感染症2019」という言い方についてご質問があったのと似ているところもあると思いますが、「疾病、傷害及び死因の統計分類」の分類名というのは、あくまでもコードの箱の名前といいますか、ラベルだと考えておりますので、疾病の名称そのものである場合も、そうでない場合もございます。こちらでは、コロナは「新型コロナウイルス感染症」という訳にはなっていないですし、他のところも分類全体を見回せば、いろいろと齟齬があるものもあると思っております。今回、分類項目について和訳が付きましたら、それにつきましては関連部局には適切に情報提供をしていきたいと思っております。混乱は生じないように、情報共有はしてまいりたいと思っております。

〇矢冨委員
 はい、よろしくお願いします。

〇永井部会長
 はい、ありがとうございます。よろしいでしょうか。他にご意見ございませんでしょうか。もし特段のご意見ございませんでしたら、この資料2の「告示改正にあたっての基本方針(案)」及び資料3の改正内容についてはご了承いただけたということで、資料4にありますように社会保障審議会統計分科会に報告をさせていただきたいと思います。また何かお気づきの点がありましたら、後ほどでもメールでお寄せいただければと思います。
 それでは、最後の議事であります、議事4「その他」について、事務局からお願いいたします。

〇事務局
 はい、ありがとうございます。それでは資料5をご覧いただきたいと思います。
 資料5「ICD-11準拠のための『疾病、傷害及び死因の統計分類改正』の流れ」という資料でございます。今回はICD-10の関係でのご審議をいただきましたが、大きな課題としてICD-11の国内適用というのもございます。これにつきましては、2018年の8月に本部会におきましてご審議をいただいて、方向性を一度ご検討いただいたところでございます。その後、専門委員会で和訳の方針や論点整理等をしていただきまして、日本医学会、日本歯科医学会等へ和訳のご協力をお願いいたしました。その後、WHO総会でICD-11が正式に採択をされております。今この白い丸でいいますと、3つ目のあとの部分になっております。現状、事務局のほうでいただいた和訳のご提案の整理等をしているところで、こちら一定程度整理できましたら、また改めて統計分類の改正の方針等のご審議をいただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上です。

〇永井部会長
 はい、ありがとうございました。よろしいでしょうか。何か今のご説明に、ご質問、ご意見ございますでしょうか。
 ICD-11への移行というのは、そうしますといつ頃予定されているのでしょうか。

〇事務局
 はい。なるべく早く作業を進めたいと思っておりますけれども、WHOのほうで2022年から発効で5年間の移行期間というのがございますので、それをみながらなるべく早めにと考えております。

〇永井部会長
 はい。そうしますと、これからだいたい何年後の話なのかですね。3年とか5年とか、そのくらいでよろしいのでしょうか。

〇事務局
 2022年に5年足すと2027年にはなりますが、なるべく早く作業を進めたいと考えております。

〇永井部会長
 はい、分かりました。まあ、今いろいろデジタル革命、この病名の統一とか電子カルテの統合とか、非常に重要なところですので、日本が世界に遅れないようによろしくお願いしたいと思います。
 委員の皆様からいかがでしょうか。特にご意見ございませんでしたら、予定した議事は以上でございます。だいぶ予定より早いのですがいかがでしょうか。この際、ご発言等ございませんでしょうか。

〇林委員
 すみません。

〇永井部会長
 はい、どうぞ。

〇林委員
 林ですけれども、今のICD-11の移行なのですが、かなりコードが複雑になっており、これをまた全部訳して全部告示してというのが、これまでとは質的に異なる作業になるということもあると思いますので、そのあたりもこれまで同様にやっていけるのかという点も踏まえて、教えていただくか協議するか、今後考えていったほうがいいと思っております。以上、コメントでした。

〇永井部会長
 はい、ありがとうございます。今の点、事務局いかがでしょうか。確定的なことは、お話しになれないとは思いますが、何かお考えおありでしょうか。

〇事務局
 はい、ありがとうございます。まさに先生にご指摘いただいたとおり、ICD-9から10の改訂は従前の考え方をそのまま踏襲してできたのですけれども、今回のICD-11は相当、形態と申しますか状況が異なっておりますので、まずどういうふうに組み立てるかというところからご審議をいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

〇永井部会長
 よろしいでしょうか。

〇林委員
 はい、ありがとうございました。

〇永井部会長
 他にご発言ございませんでしょうか。

〇宇都委員
 鹿児島大学の宇都でございます。発言よろしいでしょうか。

〇永井部会長
 はい、どうぞ。

〇宇都委員
 このICD-11については、V章のところに、ICF、国際生活機能分類ですね。これが新たな概念として組み込まれていて、それを早く臨床の場で使えるように、ぜひ厚労省のほうからも急ぐようにお声掛けしていただければ有難いと思っております。患者さんの機能を、急性期から在宅まで、同じ指標でみていけるということで、私たちは非常に期待しておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。以上です。

〇永井部会長
 はい、ありがとうございます。他によろしいでしょうか。
 それでは、今後の予定等について事務局からお願いいたします。

〇事務局
 はい。では、今後の予定ですが、部会長からもご説明がありましたとおり、本部会で決定した内容につきましては、統計分科会及び社会保障審議会に報告の上、最終的に社会保障審議会長から厚生労働大臣に答申がなされる予定でございます。その後の総務省における統計委員会の審議等今後の動きにつきましては、委員の皆様に適宜ご報告させていただきます。
 それから、本部会の次回開催ですが、今のところ未定でございます。議題案などがまとまりましたら、部会開催の日程調整を依頼させていただきますので、引き続きよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

〇永井部会長
 はい、ありがとうございます。よろしいでしょうか。もしご発言ございませんでしたら、以上で第8回社会保障審議会統計分科会「疾病、傷害及び死因分類部会」を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

照会先

政策統括官付参事官付国際分類情報管理室 渡、高橋

代表03-5253-1111 内線7493