第135回社会保障審議会医療保険部会 議事録

日時

令和2年11月26日(木)15:00~17:14

場所

全国都市会館

議題

医療保険制度改革について

議事

議事内容
 
○須田課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第135回「医療保険部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、委員の皆様には会場で会議に御参加いただくことを基本としつつ、オンラインでの参加も可能としております。
 会場で会議に御参加の委員におかれましては、御発言の際は、挙手をしていただき、部会長からの指名の後、御発言をお願いいたします。
 オンラインで御参加の方は「手を挙げる」ボタンをクリックし、部会長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただきますよう、お願い申し上げます。
 また、議題に対して御賛同いただく際には、カメラに向かってうなずいていただくことで、いわゆる「異議なし」の旨を確認させていただきます。
 次に、本日の委員の出欠状況について、申し上げます。
 本日は、一瀬委員より、御欠席の御連絡をいただいております。
 また、平井委員より、公務のため途中退席されるとの御連絡をいただいております。
 本日、記者の方には、別室にて会議の模様を傍聴いただいています。
 会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
 よろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○須田課長 それでは、以降の議事運営は、遠藤部会長にお願いいたします。
○遠藤部会長 本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 議事に入る前に、まず、欠席委員の代わりに出席される方について、お諮りをいたします。
 一ノ瀬委員の代理として石橋参考人の御出席につきまして、御承認いただければと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 本日の議題は、前回に引き続きまして「医療保険制度改革について」でございます。
 その中で、本日は「後期高齢者の窓口負担の在り方について」「大病院への患者集中を防ぐかかりつけ医機能の強化を図るための定額負担の拡大について」「育児休業中の保険料免除について」「傷病手当金について」「今後の医薬品等の費用対効果評価の活用について」を議題としたいと思います。
 それでは、最初に「後期高齢者窓口負担の在り方について」を議題とします。
 事務局から関連の資料の説明をお願いいたします。
○本後課長 高齢者医療課長でございます。
 資料の1を御覧いただければと思います。
 資料の1の1ページ目、これは、前回の御議論いただきました内容をダイジェストでまとめたものでございます。具体的な所得基準、それから、配慮措置、その他御意見をいただいておりますものをまとめさせていただきました。
 2ページ目以降、これが前回委員から御指摘があった資料で、まとめたものでございます。
 3ページ目、まず、窓口負担割合の見直しの必要性ということで、全体で現役世代の支援金、それはどれぐらいあるのか。それが1人当たりにするとどのぐらいの規模になって、効果はどんなものなのかという御質問を幾つかいただきました。それをまとめたものでございます。
 まず、2020年度の現役世代の後期高齢者への支援金、これは総額で6.8兆円、1人当たりに直しますと6.3万円程度でございます。
 2010年代、この6.8兆円に至るまでの支援金ですけれども、総額については、毎年度1600億、平均で増加してまいりました。1人当たりにしますと、毎年度1,700円の増加ということになっております。
 今後ということで見ますと、2022年度は7.2兆円、2025年度は8.2兆円になると見込まれております。
 前年度からの増加ということで申しますと、2022年度はプラス2500億円、2025年度はプラス3100億円の増加、1人当たりに直しますと、プラス3,200円、プラス4,000円、こういった増加になるということが見込まれております。
 このように、後期高齢者医療の制度の持続可能性を確保というためには、現役世代の理解が不可欠でございます。
 後期高齢者の支援金の伸びを一定程度減少させ、現役世代の負担軽減を図る、こういった改革は待ったなしの課題だと、これが議論、この検討の出発点、目的ということでございます。
 今、改革を行いますと、団塊の世代の影響による支援金の伸び分、これは2020年度で言いますと、プラス1000億円、2025年度で言いますとプラス1500億円、これを選択肢の1から5、いずれでも、高齢者と現役か分かち合うということが可能になるのではないかと考えております。
 また、2026年度以降は、75歳以上人口の増減率が減少いたします。将来の支援金の増加額は、現行のプラス千数百億円程度に戻ると、こういったことにも留意が必要かと考えております。
 具体的に言いますと、次の4ページ目でございます。
 左上の表ですけれども、支援金の総額が書いてございますとおり、増えていきます。
 支援金の前年度からの増加額は2500億円、それから3100億円となりますけれども、2010年代の平均プラス1600億円との増加額の差額ということで見ますと、プラス1000億円、プラス1500億円ということになります。
 それぞれ2022年度で見ますと、選択肢1から選択肢5で見ますと、支援金マイナス470億円から1430億円、2025年度で見ますと、医療費の増加に伴って、効果の額も増えてまいります。マイナス600億円からマイナス1800億円、こういった形で抑えられる効果があるのではないか。
 それから、1人当たりに直しましても、その下にありますとおりの効果が出るのではないかと、こういったことをまとめさせていただいております。
 それから、5ページ目でございます。
 これは、一般区分全員の場合の財政試算について示してほしいという御指摘がございました。
 仮に、一般区分全員を2割負担とした場合には、給付費でいきますとマイナス5820億円、支援金はマイナス2130億円、後期高齢者の保険料がマイナス570億円、公費がマイナス3030億円、こういったことになります。
 6ページ目でございます。
 年齢階級別の1人当たり窓口負担額、5歳刻みで出しておりましたけれども、大きなくくりで、外来入院の平均も含めて出してほしいということでございました。
 75歳以上ということでいきますと、これは平均で年間7.4万円、外来が4.4万円、入院が2.9万円ということでございます。
 自己負担が2割であります70から74、これは、このとおり7.2万円で、外来が5.9万円、入院が1.2万円。
 69歳以下ということで平均を出しますと4.2万円で、外来が3.5万円、入院が0.7万円、こういったことになるということでございます。
 7ページ目、8ページ目につきましては、消費税の増収分の使途について分かる資料をということでしたので、お出しをしております。
 令和2年度ということでいいますと、増収額は14兆1000億円でございます。内訳は7ページに記載のとおりになります。
 8ページ目は、その消費税による充実分も含めまして、社会保障の充実、こういったものを令和2年度でやっておるということをダイジェストでまとめたものでございます。
 以上、窓口負担についての前回のいただいた御指摘に対する資料についての説明でございました。
 説明は、以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 前回と同様の議題でございますけれども、前回の御質問に対して、そのお答えが示されたということでありますが、それらを含めまして、御意見等いただければと思います。
 いかがでございましょう。
 佐野委員、どうぞ。
○佐野委員 ありがとうございます。
 前回の部会において、今回の見直しが現役世代の負担上昇の抑制にどれだけ寄与するかを見るためには、分子である軽減額だけでは不十分で、分母となる支援金の増加額、すなわち、団塊世代が後期高齢者入りする直前の支援金からの増加額と合わせてみる必要があると申し上げました。
 そういう面では、当然ながら、この分母となる支援金の増加額をどう見るかが大変重要なポイントになるのだろうと思います。
 本日、支援金の今後の伸びに関する資料を提示いただいたことについては、感謝を申し上げたいと思いますけれども、中身について、資料の3ページの枠の中の上から4つ目の〇において、団塊の世代の影響による支援金の伸びの増加分を選択肢1から5のいずれでも、高齢者と現役世代が分かち合うことが可能と、記載されておりますけれども、一方で、この下の括弧の注ので、支援金の伸びは毎年度生じる一方、抑制効果は2022年度に行った改革効果が、見直しを行わなかった場合と比較して、持続している前提で試算と、記載されております。
 要は、支援金のほうは、毎年数千億円単位で大きく増え、積みあがっていきますけれども、抑制額のほうは、毎年ほぼ一定の額で推移するということになると思われます。
 しかも、今回の資料においては、団塊の世代の影響による支援金の伸びの増加分という表現でもって、2010年代平均との増加分の差額が示されております。
 これは、これまで支援金負担によって、負担と給付のバランスにおいて世代間のアンバランスが拡大してきた事実がある中で、あたかもこれまでと同水準の伸びについては、現役世代が負担するのが前提とも受け取れるような資料になっております。
 当然ですが、現世代の人口は、今後減少していくことを考えれば、1人当たりの負担額は増えていくわけでして、こうした点を踏まえれば、やはり増加額を単純に団塊世代の影響と、それ以外に分けるの適当ではないと考えます。
 さらに、4ページの表の中で、2025年度時点における支援金の対前年増加額は3100億円、また、2010年代平均との増加との差額は1500億円となっておりますけれども、これは、あくまでも対前年の増加額であって、いわば2022年以降の累積分が反映されておりません。
 この累積額については、この右上のグラフ、大変字が小さいのですけれども、これを見ますと、2025年度分の3100億円以外に、この下に2022年から2024年度分として、3800億円プラス4800億円、すなわち8600億円があって、これを加えると、1兆1700億円、要は約1兆2000億円ぐらいの数字になります。
 したがって、2025年度時点における抑制効果という場合の分母は、1兆2000億をベースに見るべきだと思いますので、こう見た場合、選択肢1から5のどのパターンにおいても極めて小さいものになって、現役世代の負担上昇を抑制するという今回の目的とはほど遠いと思われます。
 少なくとも、この4ページの表の横に、2022年から2025年の4年間の累計数字、これを記載していただかないと、正確な比較にならないと思いますので、ぜひとも、この2022年から2025年の累積を追記いただいて、これが本当に負担を分かち合えるものなのかどうか、
修正した資料を基に議論をする必要があると思います。
 私どもが、これまで主張してきた高額療養費の一般区分全員を2割負担とした場合でも、5ページにありますように、支援金としては2200億円強の軽減にしかなりません。
 やはり現役世代の負担軽減、負担上昇を抑制するためにも、最低でも一般区分全てを2割負担としていただきたいと思います。
 また、全世代社会保障検討会議の中間報告にありますように、遅くとも団塊世代が後期高齢者入りする2022年度初めまでには必ず実施をしていただきたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 おおむね御主張だったと思いますけれども、資料の提供の御要望ということで、よろしいですね。
○佐野委員 事務局、コメントがあれば、お聞かせいただければと思います。
○遠藤部会長 では、事務局、よろしくお願いします。
○本後課長 今の御指摘でございます。
 元をたどりますと、全世代型社会保障検討会議の中間報告の中でも、2022年にかけて、団塊の世代が75歳以上の高齢者となり、現役世代の負担が大きく上昇することが想定される中で、現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代が安心できる社会保障制度を構築すると、こういった考え方で、この検討が進められてきていると認識をしています。
 そういった意味で、私ども資料をお出ししましたとおり、団塊の世代の影響による支援金、これがこれまでと比べて、どれぐらい団塊の世代が75歳に到達することで増えていくのか、ここを1つのポイントといたしまして、2022年度はプラス1000億円、2025年度はプラス1500億円、これをどのような形で選択肢1~5の中で分かち合うことができるのか、そういった観点で資料を、お出しをさせていただいたということでございます。
 御指摘のありました総額については、御指摘のとおりでございます。毎年度、毎年度、効果が積み上がっていくということでは、当然ながらないわけであります。
 ただ、2022年度、それから2025年度、その年度で見ますと、今回の改正の効果は、それぞれ470億円から1430億円あるいは2025年度で見ますと、600億円から1800億円、こういった効果がありまして、それは、その年度の支援金の増加分で、これが2010年代の平均と比べた時の増加分の一定程度をカバーできる、そういった効果のある改正の内容になっているのではないかということをお示しいたしました。
 総額については御指摘のとおり、合計で1兆1700億と、この御指摘はそのとおりでございます。
 私から、以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 佐野委員、どうぞ。
○佐野委員 ありがとうございます。
 やはり、この4ページの表のところで、これだけを見ますと、やはり3100億もしくは1500億と、下の軽減額が非常に対になっているかの印象を受けます。
 要は、単年度の増加分と年度の軽減額を、こういう形で表示されるのは誤解を招く表現だと思いますので、その点も含めて累計の数字をきちんと表の中に入れていただきたいと。それでもって正確な比較をお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御要望としてお聞きします。
 それでは、先ほど来、お手を挙げている順番で行きますと、平井委員、藤井委員、藤原委員、横尾委員の順番でお願いしたいと思います。
 それでは、平井委員、お願いいたします。
○平井委員 ありがとうございます。
 今、るる厚生労働省のほうで資料も準備をしていただきました。レスポンス、感謝を申し上げたいと思います。
 我々、前回話し合った後、菅総理のほうから指示もあって、年内に決着をしようではないかと、こういうような考え方も出されているところでありますが、前回も申し上げましたけれども、今、受診抑制ということが、コロナの関係でも課題になっているのではないかとか、また、社会保障負担、医療費負担全体が、今、落ち着いてきている、コロナの影響で、そういう中で、どれほど精緻な、急いだ議論が必要なのかというようなことは、根っこにはあると思うのですが、何らかの取りまとめを、多分政府のほうはしなくてはいけないということにもなってきているのかもしれません。
 ただ、いずれにいたしましても、この最終段階で、やはり受診抑制ということを目的としているのではないのだと。これは、高齢者の方にも、当然ながら適切な医療を受けていただくと、そのための様々な方策が考えられるべきであるというような見識は、やはり、我々としても述べていかなければいけないのではないかと、最低限思います。
 それから、進める最終段階において、後期高齢者医療を実際に動かしておられる市町村の意見をはじめとした、地方側の意見にも十分耳を傾けた上で配慮していただき、取りまとめをしていただく必要が、少なくともあるのではないかと思います。
 それで、実際に、今後、法案化ということになっているのかもしれませんが、そういうような段階になったとしても、やはり、医療費の動向とか、あるいは高齢者の受診抑制の動向だとか、そういうものには十分に注意をした進め方をしていくと、そういう慎重な対応が、特に、今、コロナが問題で医療界が大変な窮乏に陥っている中でありますので、十分な配慮が必要ではないかと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、お待たせしました、藤井委員、どうぞ。
○藤井委員 ありがとうございます。
 まず、資料1、4ページの左下の表によれば、2割負担となる対象を最大とする「選択肢5」ですら、2022年度で年間1,300円、月々約100円の抑制効果しかないということでありまして、残念ながらこれでは、全世代型社会保障検討会議の中間報告で示されました、「現役世代の負担上昇の抑制」という方向性にはそぐわず、改革としては不十分と言わざるを得ません。
 前回も申し上げましたが、今、痛みを伴う改革に手をつけなければ、高齢者の皆さんのお子さんたちやお孫さんたち、さらにはこれから生まれてくる世代にも大きな負担を強いることになります。
 加えて、ただでさえコロナによって、足元で出生数が減少している中、少子化をさらに加速させる恐れもございます。
 したがいまして、高齢者の皆様に御負担かけるのは大変申し訳なく、心苦しくはあるのですが、我々としては原則2割負担、低所得者に配慮したとしても、少なくとも高額療養費の一般区分の方を全て2割負担とすることを強くお願いしたいと思います。
 また一方で、そもそもこういう事態にならないよう、世代に関係なく、今まで受けてきた医療が本当に必要なものだったか、いま一度立ち止まって考えていただく必要があるのではないかと思います。
 特に、若手の方々も人ごとではなく、若いときから、しっかり御自身の健康を管理することにより、将来の御自身の苦痛を軽減でき、また将来の医療費も抑制できるのではないでしょうか。
 したがってこの機会に、政府を挙げて国民のリテラシー向上、セルフメディケーションの推進に取り組み、国民が公的医療保険に過度に依存しない形にしていくべきではないかと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございます。
 それでは、オンラインで藤原委員、お願いいたします。
○藤原委員 ありがとうございます。
 まずは資料の3ページで、後期高齢者の窓口負担割合の見直しの必要性と意義ということ、これをお示しいただいたことにつきまして、まずは大いに評価をしたいと思っております。
 ここでも示されているとおり、団塊の世代の後期高齢者入りを踏まえて、2022年度初めまでに改革を実施するということが、まさに、不可欠な状況であると言えると思います。
 しかしながら、一方で、資料にあります団塊の世代の影響による支援金の伸びの増加分を高齢者と現役世代が分かち合うことが可能という表現につきましては、これは、先ほど佐野委員からも御指摘をいただきましたとおり、私どもとしても非常に強い違和感がございます。
 そもそも後期高齢者への支援金が、2020年度の6.8兆円から2025年度の8.2兆円へと1.4兆円も激増するということが、これがまさに私たちが直面する課題でございまして、ここで言う、団塊の世代の後期高齢者入りによる負担の伸びの増加分、これだけに着目した議論では甚だ不十分であると思います。
 ここは、全世代型社会保障検討会議の中間報告に明記されました、「現役世代の負担上昇の抑制」に資するとともに、制度の持続可能性の確保に対する最大限の効果を発揮する改革が不可欠であると考える次第でございます。
 こうした中、今回の資料では、一般区分全員を対象にした場合に、後期高齢者支援金、つまり現役世代の負担でございますが、これに対して、2230億円の財政効果があると試算をされておりまして、団塊の世代が後期高齢者入りする際に、この2000億円超の財政効果、これを発揮させることが極めて重要だと考えるということでございます。
 そのため、繰り返しになりますけれども、窓口負担の2割への引き上げにつきまして、一般区分全員を対象として、全世代型社会保障検討会議の中間報告のとおり、2022年度初めまでに改革を実施するということを強くお願いする次第でございます。
 また、前回も申し上げましたけれども、2割への引き上げは、一方で、後期高齢者御自身の保険料負担を軽減するという効果もございまして、その軽減幅は2割負担の対象を広げるほど大きくなります。そういった点も国民の皆さんに明確に意識していただけるような打ち出しも重要と考えます。
 以上、意見を申し上げました。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 フロアでどなたかいらっしゃいますか。
 では、安藤委員、どうぞ。
○安藤委員 ありがとうございます。
 本日は、一般区分を全て2割負担とした場合の財政試算を御提示いただきまして、誠にありがとうございます。
 3ページや4ページを見ますと、上位44%とした場合でも、後期高齢者支援金の増加額が改革効果を上回る見込みとなっており、改革効果としては、まだまだ不十分と言わざるを得ませんので、一般区分を全て2割負担としていただくことを要望いたします。
 なお、新型コロナが感染拡大している中で、窓口負担の増加について議論すべきではないとの御意見もあるようではございますが、本日の資料でもお分かりのとおり、今、改革をしなければ、現役世代の負担は急速に上昇を続け、今まで以上に、現役世代に偏った負担構造へと確実になっていきます。就労所得により生活している現役世代は、企業体力の低下により、収入面で特に大きな影響を受けており、このままの状況が続けば、企業の存続自体も危ぶまれる状況でございます。日本経済そのものが立ち行かなくなることも危惧されます。
 こうした状況だからこそ、今、立ちどまるのではなく、全ての世代が安心できる社会保障制度の構築に向け、現役世代と高齢世代との間で対立するのではなく、公平に負担を分かち合うための改革をしっかりと議論し、確実に実行に移すべきであると考えます。
 2022年の改革実施に向けて、施行に向けては、もう本当に今が待ったなしの状況であると思いますので、これ以上の先送りは、絶対にしてはいけないと考えます。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、オンラインで横尾委員、金子委員の順番でお願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます、横尾でございます。幾つか意見を申し上げます。
 まず参考資料、前回示されたものが参考資料の中に載っていますが、所得基準としての選択肢という表示があるのですけれども、あえてこの中で選ぶとするなら、1か2かなと前回申し上げたのですけれども、その考え方に変化はございません。けれども、ちょっと今コロナの状況で、経済的に、これは若い方も、年輩の方も少し不安定があります。そういった負担感からすると、そういった辺りが1つ妥当な線かなと感じています。
 2つ目に申し上げたいことは、政治的な意味での議論ということです。恐らく、この社会保障審議議会でまとめて、全体でもまとめる議論があって、先々は法律あるいは制度ということで国会議論になっていくと思うのですが、ここは本格的な議論をしていただく必要があると思います。
 すなわち長期的な見通しの上で、本質的な探求をして、多角的な分析を、どうしても国会でも真剣に、真摯にやっていただきたい。そうでないと、多分、これは打開できないものと思っています。
 幸か不幸か、来年は選挙の年になりそうでございまして、報道によりますと、都議選があったり、国政選挙が予定されているということですので、ともすると、なかなか負担増の話はやりにくいという政治的背景の空気が生まれてくるのですが、それはそれとして、制度上の選択の話なので、こちらの中長期に関わる社会保障制度の在り方としての非常に重要な点は、政治の場でも大きく、深く議論していただきたいと、2点目に思っています。
 3点目は、そのときに欠かせない財源の話です。前回、ほかの委員から、たしか松原委員だったと思いますが、意見を出されたと思います。消費税の在り方に関するところで出ました。
 たしか、そもそも消費税が上がるときには、財源として社会保障制度に充ているという議論だったと思うのですけれども、今回いただいた、資料の7ページにございますように、幼児教育、保育の無償化、高等教育の無償化など、子育ての支援も記されてあるのですが、こういったものは、当初は余り入っていなかったかもしれないのです。
 そうすると、もともと消費税アップで期待された財源としての予算の拡大分が、逆にいうと細くなってしまっているわけなので、そうすると根本的な議論が片方でどうしても必要になるだろうと思われます。
 こういったことも含めて、先ほど申し上げた国会の議論とか何かの中で、本当に深く議論していただかないと、将来的な見通しも含めて、不安は残ってしまうのではないのかなというのが3点目に申し上げたいことです。
 最後に、それに関連してですけれども、以前申し上げたと思うのですが、たとえば北欧の国々は、実は税率が25とか30%ぐらいいっています。
 実際にお会いした方、これはデンマークの方、スウェーデンの方とお会いして話をしましたが、そんな大きな税率では大変ではないのと議論したのですが、「いやいや、みんなで支えるという理念の社会保障制度をみんなで支えているのだ」ということでありました。特定の誰かを支えるために自分が負担するわけではなくて、困っている人がないように、みんなが何かの時に役立つように、その負担感をみんなで分かち合っているのだということだったのです。まさにそういったデモクラシーの礎に基づく、まさに全世代、全国的な負担を担い合うという良識というか、考え方というか、こういったことを見事に北欧の国では涵養されているのです。
まさに日本でも、そのようなことを涵養していくことも、厚生労働省や、また、教育という分野からすると文部科学省かもしれませんが、場合によっては政策全般の内閣府かもしれませんけれども、そういったことも涵養していく、育んでいくことをしないと、恐らく毎回毎回財源の議論、制度の議論で、このような議論になると思いますので、ぜひそういったことも、政府のほうにおいて、力を尽くしていただくとありがたいと思っているところです。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、兼子委員、お待たせいたしました。どうぞ。
○兼子委員ありがとうございます。
 私は、少し違う角度から申し上げますが、高齢者と現役世代の対立ということではなく、低所得者層、それから高所得者層、この矛盾のほうが、私は大きいと思っております。
 保険組合の方々から、苦しくなるという、それはよく分かるのですけれども、一般全てを2割と、経済界の方たちも主張しておられますが、これは大変大きな問題になるのではないかと、私は思っています。
 少し、今日出された資料とは違いますけれども、まず、国民生活基礎調査、2019年の結果が発表されています。高齢者世帯、前年度に対して、平均所得ですけれども312万円、6万7000円減額となっています。
 ほかの世帯では、少なくとも少しずつ改善している。ですから、高齢者世帯のみ、前年に対して減額になっている。全体、ここ10年ぐらいを見ても、大きな変動はほとんどない、横ばいの状況です。
 一方、野村総研が出している資料ですけれども、2017年の日本の富裕層、これが2年前に対して、純資産額が75兆円から84兆円に、世帯数が7万3000世帯から8万4000世帯に増えています。これは、超富裕層、5億円を超える世帯です。
 それから、富裕層が1億円から5億円未満ですが、これが197兆から215兆に、世帯数が114万4000から118万3000に増えているわけです。
 それから、もう一つ、法人税のことで申し上げますけれども、これは、財務省の法人企業統計年報で出ておりますが、大企業の内部留保が、平成17年度425兆円から18年度449兆円となっております。
 このような形で、所得の大きいところは順調に伸びている。しかし、所得の低いところは横ばいの状況と、このときに、どこに負担を求めるのか、医療保険のこれまでの負担の傾向としては、窓口負担で、例えば、現役世代3割ということで、この富裕層のところには、手が入っていない、どこに痛みを求めるかといった場合、今、可能なのは、私は、高額所得者あるいは大企業、こちらのほうに求めるべきではないかと思っております。
この議論が、財政的に困難に突き当たれば、さらに2割負担が低い所得層に広がっていく、この議論の延長上では、そうならざるを得ないわけです。
 これは、やはり社会的には、大きな問題を持つのではないかと思っております。
 たびたび申し上げていますけれども、窓口負担が引き上げられることによって、応能負担がゆがめられて、応益負担が強化のほうに進んでいく、これは健康に悪影響を及ぼします。
 高齢者、いわゆる給料をいただいてというところからは退役した年齢層ですけれども、地域社会の社会活動、ここを支えているのは、高齢者が大変多いわけですね。そうすると、社会的な支え合いですが、高齢社会の中で強くその必要性が言われているわけですけれども、ここに大きな影響を与えると、社会活動の縮小、さらに高齢者の健康の悪化、こういった問題にもつながっていくと思います。そういう意味で、議論の方向が、私は、今までの議論の延長上ではなく、やはり痛みを受けていない人、富裕層と大企業のところに目を向ける議論が、どうしても必要ではないか、このことを重ねて申し上げたいと思います。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、松原委員、それから、菊池部会長代理の順番でお願いします。
 松原委員、どうぞ。
○松原委員 ありがとうございます。
 厚労省さんに質問があるのですけれども、今回試算していただいた4ページ、現役世代の保険料に対する抑制効果について、要するに現役の皆さんに大変負担をかけるということだと思いますが、この1人当たりの金額というのは、被保険者1人当たりの金額なのですか、それから年間の金額ですか。
○遠藤部会長 では、事務局、お答えください。
○本後課長 1人当たりというのは、75歳未満の方の人口で割り返したものということになります。
○松原委員 そうすると支援金というのは、健保組合の場合、半分は企業からお出しいただき、半分は本人の負担になるのですけれども、それを単純に割ったということは、これは合計金額を表しているということですね。
○遠藤部会長 事務局、どうぞ。
○本後課長 はい、計算上はそういうことになります。
○松原委員 そうすると、国民が国民を支えるということで1人当たりで計算した、この金額というのは、実際にお出しになるのは、現役世代の人たちだけが負担をするのではなくて、健保組合においては、半々ですから半分は、給料の代わりに企業が払うという金額が含まれているということですか。
○本後課長 はい、おっしゃるとおりでございます。
○松原委員 つまり半分は企業に御負担いただき、半分は個人が負担されるということということです。
 それで、考えてみますと、全部を対象にしても月々3,000円ぐらいで、企業がその半分支払いますから、個人的には半分の1,500円負担増になるということですね。
 ということは、年間で1,500円というのが若い人たちが負担します。しかも、所得勾配がありますから、50代の、非常に高収益の高い、給料の高い人と、働きたての20代の人たちから考えたら、20代の人たちは、ある意味では、年間1,000円程度のごくわずかな金額です。75歳以上の年金しか収入がなくなったお年寄りの皆さんに、今まで1割だったのが2倍の2割になる、金額が2倍になるということを押しつけることになります。
 本当にそういうことを国民の皆さんが望んでいるのか、おじいちゃん、おばあちゃん、若人にも皆さんあるわけですけれども、そのおじいちゃん、おばあちゃんが、今までの外来の分が2倍になって、ちゅうちょして病気になっても行かないということを、本当に望んでいるのかなと思うと、どうもこの制度の変更自体が、私は、おかしいのではないかと思って、この数字を見ていました。よくよく考えていただきたいと思います。
 それから、何度も申しますけれども、20歳から30歳の給料の少ない独身の人たちはたしかに大変だと思います。今、仕事もなくなって、コロナで働けない人たちもかなりいらっしゃいますけれども、その人たちは、現在、電気が使えて、高速道路や新幹線に乗れるのは、この75歳以上の人たちが一生懸命税金を払って作ってくださったからで、それをある意味では維持費だけで払って乗っているわけです。
 発展途上国の人たちは、そういった仕組みがないものですから、大変経済的にも、投資に困っているという状態であります。そこのところ少し大きな目で見てみると、倍額の2割を負担をしていただいて、高齢者が今後、不安になるということが、本当に社会的に、国家的にいいことなのかどうなのか。
 企業にとりましては、1円でも払いたくないというのは分かります。
 しかし、そういったことも大きな目で見て御判断いただかないといけないと思いながら、この新しい表を見せていただいたところであります。
 何度も言いますけれども、75歳になられた方は、それまで人生設計をして、75歳になったら、医療費は1割だから、安心だと思って予定しています。
 皆さんが医療費として一生に使う金額というのは、私の記憶では2500万円から3000万円の間です。年取ってから払えないので、皆さんで分かち合って助け合おうということで、この制度を持続してきたわけであります。
 また、この一生の医療費というのは70歳までの方と、70歳からの方で、ほぼ同額です。つまり、70歳からは収入がなくなってから大変な医療費を御負担いただかねばならないわけですけれども、それを国民みんなで支えるということが国民皆保険の基本であります。そういったことも考えますと、違和感を覚えます。
 特に75歳以上の人全てに適用するというのは、私は暴論だと思います。前回もお話ししましたように、75歳になる人から対応すれば、その経過措置などを使わなくても、その方たちは2割から、多くの人たちは1割になり、収入がある人たちは2割のままであるということであれば経過措置は要りません。やはり長い目で見て、75歳になった方も20年経てば、95歳、人生100年と言っても、そこまで経てば、75歳から始めることのマイナス面はなくなります。目の前のことだけ考えていて、国民を不安にして対応するというのは、私は、診察していて、75歳以上の人たちといろいろな話をしてみると75歳以上の人たちはたいへん不安になっておられます。
 今回75歳以上にすべて導入したら、またもっと今後、負担が上がるのではないかと。国民の皆さんに消費税で対応しますからといっていた事はどうなるのでしょうか、消費税を見せていただいても、この国の借金が大変大きいので、5.8兆円は回さねばならない、これも分かります。また、年金もきちんとしなくてはいけない、これも分かります。社会保障の充実も分かります。
 しかし、もともとは、高齢者が多くなることに対して消費税で対応をするものだったと、導入のときの議論で理解していますので、そのことを、ある意味で裏切って、つまり、公約を裏切ってしまうということになるのは、私は政治的に大きな信用を失うことになり、するべきではないのではないかと思っております。
 最後に、本当にコロナで医療機関は疲弊しています。発熱外来を開くにしても、看護師さんや他の医療職にもかなり無理をして言って、していただいています。
 また、国民の皆さんも、一体どうなるのかと不安に思っておられます。この不安な時期に、このような75歳以上の人をさらに不安にするような施策を、私ども本当に決めていいのでしょうか。これは十分にお考えいただき、また議論をしていただき、もっと精密な議論と、そして国の在り方を考えていただいてから、結論を出さねばならないのかと思います。私は今回のこの提案については反対であります。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、菊池部会長代理、お願いいたします。
○菊池部会長代理 ありがとうございます。
 この論点に関しては、様々のお立場の方、様々な年齢階層の方々の間で、みんなで痛みを分かち合いながら社会的合意を図っていく必要があるものであって、私の考えは、前回述べたとおりでございますので、繰り返しません。
 1点、少し違った角度から事務局へのお願いということになると思いますが、今日の議題も医療保険制度改革についてということであります。
 しかしながら、今回の制度改革について、今、議論している窓口負担、それから、次の論点である大病院の定額負担、この2つにスポットが当たって議論されていますけれども、制度改革の全体像が描けているかということを少し問いたいと思います。
 例えば、予防・健康づくりも論点に挙がっていたはずですし、そうした側面も含めて、今日の議題である医療保険制度改革について、今回のこの改革について、全体として、世代間公平の在り方、今回改正の中身を評価する作業も必要だと思いますので、そうした観点からの資料の御提示をいただければなと、次回以降で、これは、お願いをしておきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 まだ大分お手を挙げている方がいらっしゃいますので、まず、前葉委員、先ほど来、手を挙げていらっしゃいますから、お願いいたします。
○前葉委員 ありがとうございます。今日は東京へ参れず、失礼いたしました。
 前段で私、今回の改革について、改めて、こういうふうに受け止めていますということを、私の受け止めを申し上げますので、その点について、もし、事務局か、大変恐縮ですけれども、遠藤部会長からコメントがいただけるようであれば幸いでございます。
 その上で、後段、連続して私の意見を申し述べたいと思います。
 今回の改革が、やはり政治がある意味思い切って、この政治的には非常に選挙も近いという状況の中ではありますが、リスクを取って踏み倒そうとしていると受け止めておりまして、その意味で、全世代型社会保障検討会議が2割の負担の導入を提起したと、こういう理解をいたしております。
 その際、後期高齢者であっても、一定所得以上の方は2割とし、それ以外の方は1割ということを明記なさったのだと思っております。
 具体的な制度設計を社保審に委ねられている、こういう理解をしておるわけでございまして、そのことが決まった、この検討会議の議長が総理でありますから、このことが決まったときの総理と今の総理は、総理が代わっているわけで、菅総理大臣になられてから、つい最近、改めてこの会議でこういう方向性が確認をされたということである以上、これは進めることになる話なのだろうという理解をいたしております。
 そこで、その一定所得以上というのをどう考えるかというのが、今ポイントになっているということでありますので、この点について、市町村の意見をしっかりと受け止めながらしてほしいという話を、地方側の考えとして、先ほど平井委員から御発言ありました。
 ことさら市町村の意見ということであれば、私は前回も申し上げましたが、高齢者の方で、70歳から74歳の方々が受け止めておられる現在2割負担、これを、そのうち75歳以上になって、70歳から74歳の平均収入を上回る方が、引き続き2割負担をしていただくということが、選択肢で言えば2番でありますが、これが、一定所得以上というのをどう考えるかということを問われた場合に、現場サイドで受け入れやすい線なのかなということを感じております。
 ただ、そう申し上げた上でですが、今回これで全てが100%解決ということにならないことは、先ほど来、各委員のお話をお伺いしていても、そのように理解をしております。
 この制度を持続可能なものとしていくためには、改めて、後期高齢者の被保険者に対して、現役世代に大変お世話になって、この組みが成り立っているのだということを、また改めてPRをしていく必要があるのではないかと。そうでないと、なかなか納得感のある負担の引き上げというのができないのではないかと、このように考えております。
 以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 まだ、大分お手を挙げている方がいらっしゃいますので、それでは、林委員、お願いいたします。その次に森委員、お願いします。
○林委員 ありがとうございます。日本歯科医師会の林でございます。
 詳細な分かりやすい資料の提供をありがとうございます。
 ただ、後期高齢者の患者負担割合の在り方についてでございますが、これまでも申し上げましたが、財政論ありきの給付と負担の見直しでは、将来への負担が募り、国民の安心と納得は当然得られません。
 若い世代も、いずれおとずれる将来に関しましては、安心と納得が得られる医療と介護の在り方を示しながらの議論が重要であると思ってございます。
 応能負担の議論における負担能力の判断基準に関しましては、年齢がかさむほど、より慎重で丁寧な確認が必要でございます。
 過去70歳から74歳の窓口負担の2割議論に関しましては、慎重議論の結果、段階的な引き上げをすることで、実際の負担割合が増えることはありませんでしたが、今回は1割から2割に上がるということでございますので、負担割合の上昇による受診控えは、当然懸念される、より慎重に配慮が必要と思っております。
 新型コロナウイルス感染症の影響に関する調査では、既に受診控えは起こっております。さらなる受診控えが起こることで、疾病の重症化や、健康被害が起こることは強く危惧されております。
 歯科におきましては、8020運動を代表といたしました残存歯数の向上、また義歯を含めたお口の中の状態を良好に保ち、口腔機能の維持向上することにより、結果、健康寿命の延伸に寄与する理念のもと、日夜取り組んでおります。
 予防健康づくりで政府も2040年までに、健康寿命を3年延伸し、制度の支え手を増やすということでございますが、年々健康寿命も延びている中、後期高齢者の年齢層にもこの問題は関係してまいります。
 この世代の多くが2割負担になり、結果、受診抑制を招くことで、今後、大切な健康寿命に影響が出ないよう、配慮をお願いしたいと思っております。
 歯科は、一部負担金の増加による受診控えは、医科よりも大きいと言われております。前回配慮措置をお示しいただきましたが、窓口負担の取扱いで、診療所ごと月4,500円までは、1割から2割と実際になるわけで、歯科外来におきましては、多くは窓口負担が2割になります。
 コロナ禍におきましては、特に尚早な結論を求めるものではなく、こういった自己負担割合も含め、さらなる慎重な議論を求めていきたいと思っておりますので、丁寧な議論を、これからもよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 では、森委員、お願いいたします。
○森委員 ありがとうございます。
 私も今、薬局の現場で患者さんに接していて、最近、患者さんも、かかりつけ薬剤師・薬局を持つことが進んできて、複数の医療機関、診療科の処方箋を持って薬局にきていただいています。
 前回の資料でも、全ての受診月で負担が2倍となる者は61%という数字が出ていました。今、いろいろな医療機関の処方箋をもらって患者さんに、お薬をお渡して一部負担金をいただいている者からすると、非常にインパクトがあって、患者さんが、このまま負担が増加したら不安になること、受診控えがおきるのではないかと思います。
 今、コロナで国民が不安になっているときに、さらに不安を増すことにもなります。私も松原委員が言われたように、今、この時期に実施すべきでないと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょうか。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員 ありがとうございます。慢性期医療協会の池端です。
 簡単な質問が2点と、意見を言わせていただきたいと思います。
 まず、確認なのですが、タイムスケジュールなのですけれども、総理もおっしゃったように、今年中に取りまとめができたとして、来年法案化して、国会の議論を経て、実施は、早ければ2022年度4月から実施というタイムスケジュールを想定しているのかどうか、まず1点質問をさせていただきたいのですけれども。
○遠藤部会長 では、事務局、どうぞ。
○本後課長 ありがとうございます。
 実施の時期、施行の時期についても、全社会議の中間報告の中では、テーマになっております。
 その中ですと、2022年度初、初めという意味の初です。それまでに改革を実施できるようと記載がありますので、これは、前回御説明した内容と同じになりますけれども、2022年度初までに改革を実施できるようという、この趣旨を踏まえて、実施時期を今後検討していくということでございます。
○池端委員 ありがとうございました。
 では、それを受けて、万が一実施するという場合を想定して考えると、やはり、2倍になる方々の負担をどうするかということ、前回の資料で出させていただいた参考資料の9ページの表を、もう一度見てみますと、ここに配慮措置というのがあります。配慮措置を受けるのが、ここになりますと、6割の方々が配慮措置を受けるということになってはいますが、逆に言うと、4割の方々は配慮措置がなく、4万5000円までの負担は、4,500円の負担が一気に上がる、倍増するということで、先ほど松原委員もおっしゃったように、それをやったとしても、現役世代の方々の、それに対する負担軽減が1,000円から2,000円ぐらいの間の、その半分ということで、数百円の負担が軽減するために、後期高齢者の方々の4割の方々が4,500円から9,000円になるということで、そこまでは、倍増負担をするということになります。
 そういうことを考えると、やはり私が心配するのは、受診抑制です。もちろん、高額医療使われるような、いろいろな疾患を多数持っていらっしゃって、もう既に高額医療を使っている方もたくさんいらっしゃいますけれども、一方で、現役から頑張って後期高齢者になっても元気で、でも時々受診する方々は、恐らくそれが9万円以下のこと、診療になるときに、それが2倍になった場合に、それが受診抑制につながる可能性が非常に高いのではないか、そこをもう少し丁寧に、その4割の方々に対しても、少し軽減措置なり段階的な負担軽減策ができるような形をしていかないと、受診抑制を促してしまうことになるのではないか、それが非常に気になっているところなので、そこは私として気になるところだという意見を言わせていただきたいと思います。
 一方で、今のスケジュール感でいくと、22年の4月ということは、まだまだ来年度、コロナがどうなっているか分からない状況で、それを必ず実施ということになってしまうと、そこに対しては、やはり、前回もお話ししたように、凍結も視野に入れながら、実施時期については、慎重の上にも慎重にするべきではないか。
 たとえ、改革プランをまとめたとしても、実施は十分配慮が必要ではないかということを考えます。
 そういった2点のことを考えると、私は、現時点で、このスキームに関しては、慎重な上にも慎重にすべきだということで、少なくとも一般区分までを想定した、このプランに関して反対をしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、事務局、お願いします。
○本後課長 配慮措置についての御指摘がございましたので、補足で説明をさせていただきます。
 本日の資料の参考資料の9ページ目に、前回お示しをいたしました配慮措置の考え方、改めて資料を載せております。
 この配慮措置、繰り返しになりますけれども、1割負担のときと比べて、負担の増加額を最大で4,500円以内に抑えると、そういう仕組みにしております。
 したがいまして、御指摘のありました配慮措置の対象にならない4割の方、この方々、どこにおられる方々かと言いますと、まず、左側の部分、総医療費でいきますと4万5000円、自己負担で1割のときでいきますと4,500円、これを下回る方々については、負担増加額が2割にしても4,500円にいきませんので、この方々は、まず、配慮措置の対象にならないということ。
 それから、もう一つは、さらに右に行きまして、下の横軸の総医療費でいきまして13万5000円のところ、これを超える部分につきましては、2割負担になりますと、月額上限の1万8000円に突き当たりますので、ここも一月の増加額が4,500円に満たないということで、配慮措置の対象にはならないということになります。
 したがって、配慮措置になるのは、その間の方々で、ここに該当する自己負担の方々が6割で、左側と右側に該当する方が4割と、こういうことになるということでございます。
○遠藤部会長 池端委員、どうぞ。
○池端委員 では、左側ですね、4,500円以下になる方々というのはどれくらいの割合なのか、もし、感覚でも結構ですけれども、お分かりになれば教えていただきたいと思います。
○遠藤部会長 事務局、どうぞ。
○本後課長 同じ資料の12ページ目、これは、池端委員から先ほど御指摘のありました配慮措置の対象の約60%は、ここにお示しをしています。
 この方々はどういう方々かと言いますと、配慮措置の対象となる月がある方ということでお示しをしています。いずれかの受診月で負担の増加額が4,000円を超えるような方、この方をカウントしますと、約60%ということになります。
 したがいまして、逆の40%という方は、いずれの月でも4,500円を上回らない、そういう方々が4割いらっしゃるという推計でございます。
○池端委員 ありがとうございました。
○遠藤部会長 それでは、お待たせしました、菅原委員、どうぞ。
○菅原委員 ありがとうございます。
 今回は、詳細な資料を準備いただきまして、事務局には感謝申し上げます。
 1つ、最初に確認なのですけれども、6ページ目の年齢階級別の1人当たり窓口負担額は、高額療養費の適用は入っているのでしょうか、ないのでしょうかと、単純にそこだけまず最初にお願いいたします。
○遠藤部会長 事務局、どうぞ。
○本後課長 これは、高額療養費の適用も加味したものでございます。
 その上で、この1人当たりにつきましては、この世代間全員ということになりますので、高額療養費の区分で言いますところの低所得の区分の方も含めて、あるいは現役並みの方も含めて、全て平均したら、この自己負担額になるということでございます。
○遠藤部会長 菅原委員、どうぞ。
○菅原委員 ありがとうございました。
 それでは、ちょっと意見を申し上げたいと思います。
 全体的な意見なのですけれども、基本的に本部会の構成員というのは、これは本当にやむを得ないことなのですけれども、基本的には中高年齢層だけで構成されておりまして、高齢者の代表だとか、あるいは御高齢の方が多数となっている自治体の代表だとか、あるいは高齢者の方が多く受診されますので、そのような受診サイド、医療提供側の代表がおられますけれども、正直、若い世代、将来世代、現在の若者の声はなかなか反映されづらい構造になっているという、圧倒的な数の劣位のもとで、声なき声として消されている若い人たちの将来的な不安に対する配慮というのは、十分留意しなければいけないと考えております。
 私は、日頃大学で若い将来世代の教育に携わっておりますけれども、彼らの現在の我が国の社会保障制度に対する将来に対する危機感だとか、負担の将来に対する不公平感は相当強いものがあると、日頃感じておりまして、そもそもの社会的な連帯を紐帯とする社会保障制度の維持に今後大きな懸念材料となるのではないかと大変心配をしております。
 とりわけ、皆さん御承知のとおり、社会保障制度は世代間扶養の要素が現在強くなっておりまして、人口増と安定的な経済成長を享受してきた現在の中高年齢層と異なって、劇的な少子化、経済成長の長期低迷にさらされている現況、例えば団塊の世代が210万人生まれていたわけですけれども、現在の段階で、直近の出生数は86万人程度ですから、非常に危機的な状況ということを考えますと、もし、ここで現状の改革を躊躇すれば、それだけまさしく孫世代へ過重な超過負担を先送りするということになるのだと、私自身は感じております。
 今回の高齢者2割負担の改革は、あたかも現在の高齢者に対して新たな負担を課すことで、現役世代の負担を軽減するといった世代間対立の中で語られるような機運がありますが、これは全くの誤解で、ここで、もし仮に2割負担を決断すれば、当然、我々を含めて将来世代も、この2割負担を受け入れて、あるいは現実には、それ以上の負担を受け入れて痛みを分かつのだという認識が非常に大事だと思います。
 そういった意味では、将来世代の判断、覚悟をも伴うもので、対立関係にはないと思います。
 その意味では、この改革は将来世代とともに負担を広く分かち合おうという趣旨と理解しますし、率直に言って、我が国のやや大盤振る舞いし過ぎた制度を現状と将来の身の丈に合わせるための第一歩の改革だと考えておりますので、低所得者並びに急激な負担がかかってしまう高齢者に対する十分な、丁寧な配慮を必要と強調した上で、実効性のある、でき得る限り広範な適用が、将来世代を含めて必要だと考えております。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょう、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員 趣旨はよく分かりますけれども、診療側の委員から意見が出されましたように、私もやはり受診抑制と、その後の影響について非常に懸念をしているところですので、繰り返しになりますけれども、慎重に考えるべきだと考えます。
 そのうえで5つの選択肢の中からということであれば、やはり上位20%を超えないようにしていただきたいと考えます。
 また、実際、窓口負担を引き上げた場合には、受診抑制の評価をきちんとやっていただき、ぜひ報告をしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、石上委員、お願いします。
○石上委員 現役世代の負担が増えていくことへの対応は、先送りできない課題だと思っております。法律にして実行するために要する時間も考えると、もう待ったなしの課題だと思っております。その上で、全体で合意点を見出していく必要があると思っております。
 配慮措置についても、前回お示ししていただきましたけれども、こういった仕組みは、当然必要だと思っていますが、一方で、この制度を実施した後にも、どういうふうに実態に影響していくのか、ずっと追っていかなくてはいけないのだろうと思います。
 こういう制度を実施して、生活に支障を来すようなマイナスの結果が生まれたときには、配慮措置のさらなる拡充も考えていく必要があるのではないかと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございます。
 それでは、樋口委員、お願いいたします。
○樋口委員 ありがとうございます。
 先ほど来、地域に住む私たちにとっては、本当に頼みの綱である医師会の松原先生の方から、大変高齢者に御理解のあるお言葉を賜りまして、本当に感謝感激でいっぱいでございます。
 そもそも今の後期高齢者医療制度は、やはり若い世代の御理解をいただいて、いろいろすったもんだございましたけれども、ここまでまとまってきたものだと思いますし、ですから、できたときの議論がちょっと足りなかったと思いますので、再三にわたる改定を加えなければならないのだと思っております。
 もちろん、先生方おっしゃいますように、この制度は、今、75歳以上の人だけを対象としているわけでは全くなくて、これから、今、二十歳である学生さんを含めて、今の制度のくくりの中に入れられるわけであって、私も繰り返し申し上げておりますように、これは人生100年のどこかの途上にいる一人一人の国民が受け止めるべき政策だと思っております。
 その上で、皆様の御理解で、この図でもよく分かりますように、人間というものは、75過ぎないと、余り病気をしないものらしいですね。本当に75過ぎに頻繁に病気をいたします。私も今年になりましてから、白内障の手術を含めると、何と三度の入院をいたしました。
 それでも我が家が破産しないのは、何よりも、やはり医療費が基本的に低廉であることと、それから、余りこの議論は出てきませんけれども、今回の改定にないからでしょうけれども、入院したときの高額医療費の援助というのは、まことにありがたいものでございます。
 それがありますので、我々は、なけなしの貯蓄を老後に吐き出さないで、多少はゆとりを持ちながら死んでいける。ただし、この制度も、いつ、どこまで続くかのということは、やはり一度御検討いただかないと、私たちも安心して病気にかかれないような気がいたします。
 ですから、結論を申し上げますと、各世代の方々が、これは年寄りを優遇する制度ではなくて、一生の中でいろいろなライフサイクル、そこで出会うライフイベントというものを見通した挙げ句、人生100年の日本の国民にとって、最も安心できる制度であろうといって、バイデンさんになろうと、トランプさんであろうと、アメリカ国民などが及びもつかないすばらしい恩恵、私は世界一だと、本当に誇りに、感謝を申しておりますけれど、そういうことを皆さんで御了解くだされば、本当に2割に上げる人を仮に出すとしても、本当に極小にとどめる、できれば、上げないでいただきたいと、松原先生がおっしゃってくださったことに、これは、もう高齢者として賛成でございます。
 しかし、現実の数字や、これからの財政というものを見ますと、私のように気が小さい者は、前総理は、これからの超高齢社会、医療費、介護費、その他をみんな含めて、国難とまでおっしゃいました。私は政権担当者が見通しできるはずなのに、国難とおっしゃるのは、ちょっととは思いましたけれども、冷静に考えれば、まさに国難的大きなテーマでございます。
 ですから、もし、高齢者に、自分も高齢者になるのだと思っていただけるのでしたら、余り今の高齢者は得をしているというような世代間対立の議論に持っていかないようにしていただきたい。
 以上でございます。ありがとうございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 大体御意見を頂戴したかと思います。
 それでは、本日は、この議論につきましては、これぐらいにさせていただきたいと思います。
 続きまして「大病院への患者集中を防ぎかかりつけ医機能の強化を図るための定額負担の拡大」、これについて議題としたいと思います。
 事務局から関連の資料の説明をお願いします。
○姫野課長 保険課長でございます。資料2について御説明をいたします。
 まず、1ページですけれども、前回19日の医療保険部会での主な御意見を取りまとめてございます。
 前半部分は、この仕組みについて、おおむね賛成であるという御意見だったかと思います。
 後段のほうですけれども、例えば、5つ目の○でありますけれども、初診料のほとんどを給付から控除することは認められないのではないか、むしろ再診のほう方が問題ではないかという御指摘もいただきました。
 また、次の○ですけれども、182日以上入院で入院料を控除するというのは例外的な仕組みであって、初診料を控除するというのは無理があるのではないかという御指摘もいただいております。
 他方で、最後の○ですけれども、初診料を控除するということにつきまして、紹介状を持ってさえいれば適用外になりますし、また、そういった仕組みの中の話ということですので、一般的な全ての場合に適用される話ではないという御指摘もいただいております。
 こういった御指摘を踏まえて、前回提示した資料について一部修正を加えておりますので、修正箇所を中心に御説明したいと思います。
 まず、2ページでございますけれども、前回お示ししたものとほぼ同じですが、一部医療機関の名称につきまして、より分かりやすく記載をしてございます。
 2つ目の○にありますように、前回この括弧内にありますような医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関という形で表記しておりましたが、より分かりやすく、新たに紹介患者への外来を基本とする医療機関という形で表記をさせていただいてございます。
 続きまして、次の3ページ目でございますけれども、こちらも御指摘を踏まえて、若干、注釈を追加してございます。
 まず、注の1ですけれども、前回御質問の中で、現行の徴収義務のかかっている対象病院と、それから拡大をした後の対象病院と双方に適用されるのかという御質問いただきましたので、これは双方適用されるということを明記してございます。
 それから、注釈の2でございますけれども、こちらは初再診に幅広く適用するということではなく、紹介状なしで対象病院を受診した場合であって、さらに救急などの除外要件を定めてございますので、医療の必要性に応じて除外されているという、その要件に該当しない場合のみ、極めて例外的な形で、こういった定額負担の制度の対象となるということを明記してございます。
 さらに下の絵図で表しておりますが、前回、こちらの図の中では、初診料2,140円という部分を明記して、その中から2,000円相当額を控除するという示し方をしてございましたが、こちらは、あくまでも初診料を引き下げるということではなくて、全体の診療報酬の中から初再診料などの目安に設定をした定額、例えば2,000円というものを控除してはどうかという御提案でございましたので、そこを明確にしたものでございます。
 最後に4ページでございますけれども、初再診のこういった定額負担中で、特に再診の重要性ということも御指摘いただきました。
 3つ目の○にございますように、他の医療機関を逆紹介したにもかかわらず、再診を続ける患者への定額負担について、しっかりと分析をして、その上で実効性を高めるために必要な対応を検討するということで、ここの表現をより強調した形にしてございます。
 説明は、以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 前回に引き続きの議論でございますけれども、新しい資料も出ております。
 御意見等をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 松原委員、どうぞ。
○松原委員 12ページ見ていただけますでしょうか。
 選定療養にも、このような例があるから、今回もそうすることが可能だという御主張をいただいたのですが、右の下のほう「療養に係る所定点数から」という吹き出しのところであります。180日以上の入院のときの例外規定でございますが、15年前に、私、社会保障審議会の医療保険部会の委員でございまして、そのときに、混合診療の問題から評価療養と選定療養に分けて、本来、保険に入るものは評価療養、患者さんのアメニティーに属するものは選定療養と分けて、評価療養という名前は、私が名づけ親でございます。
 その中で随分議論して、最後の最後に残ったのが、回数を超える医療行為と180人以上の入院でございました。
 回数を超える医療行為については、ある程度仕方がないこともあるということで、ここに残ったわけでありますが、180以上の入院について、当初、180日つまり、6か月入っていたら退院すべきだとか、あるいは別の病院に行くべきだとか、かなり強い意見がございました。
 しかし、どうしてもその病院に180日を超えても残らねばならない方、意識がなくなり、あるいは、大変な難病で、その病院でなければ治療ができない方、さらに、全国の中に、適切な医療施設が、家族のそばにはないところもございます。
 そういったところで、180日を超える人たちにどうするのかということを随分議論した上で、これは本来であれば、選定療養とすべきでないところであるけれども、その人たちを追い出すのも難しいという病院の意見によって、例外中の例外の規定として、これを規定したものであり、現実問題としては、これを使うということは、本来は正しくないということです。
 それがあるから、今回、5,000円を7,000円にして、2,000円浮くだろうから、その部分を保険の中、特に初診料として計算するとこのぐらいだからということで、2,000円という御意見をいただいたのですけれども、保険外の話と、保険内の話とごちゃごちゃにしていて、非常に難しくなるだけで、これは、筋が悪いように思います。
 5,000円を7,000円にするということについては、反対するものではありませんが、2,000円を保険者に戻すというのは、やはりこれは作ったときの保険外併用療法の考え方と違うのではないかと思っています。
 こういったこともありまして、今回広げるということについてでございます。本来は、患者さんがどうしてもというときだけで、支払わなくてもいいような制度にしようと、つまり、紹介状を持ってきていただきたいと、最終的に皆さんが紹介状を持ってきてくだされば、5,000円を負担しなくていいのだということを目標にやるということで、保険者の皆さんともお話をして、こういう制度にしました。
 メリットにつきましては、紹介状を持ってくれば、医師も検査をしなくても済みしますし、二重三重の検査で苦しむこともありません。医師としても、状態が分かってどのようにしたらいいのか紹介状で判断できますし、あるいは患者さんによってはとんでもない科に来られる方もあります。そういったことも含めて、かかりつけ医機能を持つ先生に相談した上で、紹介状を持ってきて、適切なところに受診していただきたいということです。
 どうしてもその病院で診てもらいたいという人については、その分御負担をいただくけれども、紹介状を持ってきて頂いて最終的には5,000円を取らなくて済むように、地域のかかりつけの先生のところに戻れるような形で対応するということでした。残念なことに、再診料のところで、通知で、病院が、その病院が適切であったと認めたときはもらわなくていいというルールをつけたために、再診料のところが作動しなくて、結局は、「お金を払ったら病院にずっといられるのだ」という大きな誤解を招いてしまったのは事実であります。
 そういったことに対しては、とにかく再診のところで作動していただいて、きちんと自分の地域に戻ってもらい、そこで続けて療養していただく制度、地域に戻っていただくということで対応すべきと思っているところであります。中医協でさらに議論していただいて、再診は戻って、地域で対応できるようにしていただくのが、本来のやるべき筋であります。金額を増やして、その分保険財政にと持ってくるというのは、どうも保険外の話と保険内の話を一緒にしたような変な話だと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、藤原委員、先ほど来、お手を挙げておられますので、お願いします。
○藤原委員 ありがとうございます。
 これについては、前回も申し上げましたけれども、各医療機関の外来機能が明確になれば、患者から見て、受診すべき医療機関が分かりやすくなって、その結果、限りある医療資源の有効活用ですとか、あるいはお医者さん等の働き方改革にもつながるものと考えられます。
 こうした観点から、定額負担の対象病院の拡大と、定額負担の増額と公的医療保険の負担軽減、これについて、今回、資料でお示しいただいた方向性に賛同するところでございます。
 また、前回も申し上げましたとおり、定額負担の増額分及び控除額につきましては、保険財政面からの制度の持続可能性に寄与する水準と、こうすることはもちろんのことでございますけれども、もう一方で、患者の受診行動の適正化にもつながる水準ということを、この条件も満たすべきものと考えます。
 少なくとも資料で、今回、例示のあった水準は、確保すべきであると考えている次第でございます。
 以上、意見を申し上げました。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 先ほどの順番からいきますと、池端委員、石上委員の順番でお願いします。
○池端委員 ありがとうございます。日本慢性期医療協会の池端です。
 3点お話したいと思います。
 まず1点は、2ページにお示しいただいた表の内容です。
 今回新たに紹介患者への外来を基本とする医療機関という、前は重点的な医療資源を重点的にというところで、より明確化になったかと思いますので、これは賛成したいと思います。
 ただ、1点確認をさせていただきたいのですけれども、これは、紹介患者の外来を基本とする医療機関として、地域の実情を踏まえつつ、多分、地域医療構想等で認められた場合の、あくまでも手挙げした医療機関が、ここに入るということで、一定の医療資源を持ったものは、強制的にここに入れられるというスタンスではないということかどうかを、ちょっとまず、質問させていただきたいのですけれども、それはいかがでしょうか。
○遠藤部会長 事務局、お願いします。
○本後課長 ありがとうございます。
 この点につきましては、現在、医療部会で議論されておりますけれども、その中では、手挙げを前提として議論されていると承知しております。
○池端委員 ありがとうございます。
 では、2点目です。
 2点目は意見ですけれども、先ほど松原委員もおっしゃったところの3ページの、この制度は、定額負担を初診時の診療報酬から一定額を控除するという考え方、やはり私も先ほど松原委員がおっしゃったとおり、前回もお話ししたとおり、少しこのスキームは違和感を感じるということは、同じ印象を持っています。
 一方で、この初診料はともかくとして、一方で、次の4ページの再診に関しては、これも松原委員がおっしゃったように、少し、ざるとは言いませんけれども、かなり医師の判断でということになってしまって、ほとんど再診が定額負担できていないというところで、病診連携が、なかなかこのスキームでは進まないということの現状があるということは、私自身も認識しております。
 では、なぜ進まないのか。入院を中心とした病院でありたい病院が、なぜ進まないかというところをちょっとお話させていただきます。一般に、病院も(当然ながら)経営をしなくてはいけない、特に日本の場合7割が民間ですので、より厳しい経営(努力)をしなくてはなりません。今日は、経済界の方が多いと思いますけれども、(経営)努力する場合に何をするか、もし、収入が厳しければ人員削減をしたり、あるいは価格を見直したり、あるいはIT化を進めたりということをやっていくと思いますけれども、御承知のとおり、医療の現場というのは、全て診療報酬で決まって公定価格であり、なおかつ人員ということも、厳しい施設基準等で決まっています。患者さんの数が多くても少なくても一定の基準を満たさないと、その施設は成り立たないことになっている、非常に厳しい。
 なおかつ、2年に1回の診療報酬で利益が出たとこから削って、それをまた、次の診療報酬に当てるという、かなり際どい運営をしているのが医療保険の制度ではないかと思っています。
 その中で、実は病院も、現実的には、入院医療だけではなくて、外来医療に対する収入も原資になっていることは否めないと思います。できれば、それがどの程度原資になっているか、どの程度の割合の外来機能の収益が病院の運営に必要な状況になっているかということをお調べいただいてもいいかと思いますけれども、それがあると、どうしてもそこを離せないところが一方であることは、一定の数の病院にあると思うのです。そこら辺を十分精査していただかないと、北風政策だけではなかなかこれは進まないと思います。
 一定規模の大きな病院は、入院に特化したいという気持ちはあります。特に医師の働き方改革等があれば、そこに特化したいと思いはありながらも、収益構造として、まだまだ外来を離せない。ある意味では、大きな大学病院クラスでも、外来が一日2,000人、3,000人来て、何とか収支を合わせているところがあるので、その収入構造を少し変えるような、一方で、そういう政策も合わせ技でいかないと、なかなかこれは進まないのではないか。
 ということで、例えば、例があっているかどうか分かりませんけれども、介護保険制度の中で、介護医療院に持ってくたびに、一定期間で、誘導策というか、そういう策をやっているように、中医協マターになるかもしれませんけれども、何か入院に特化して外来を離すことによって転換誘導策のようなことを合わせ技で検討して構造改革をしていってはどうか。少し大きな話かもしれませんけれども、入院を特化した形で病院をひとり立ちできるような形にしていって、全体に効率のいい病病連携、病診連携ができる体制を作っていくということも考えながらこの問題を対応しないと、北風をどんどん吹かせて何とか行かせないようにしようといっても、なかなか難しいのではないかということを考えています。これは一部私見ですけれども、そういうことを考えていますので、ぜひこの再診についても、いろいろな案をお示しいただければと思っています。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、石上委員、どうぞ。
○石上委員 ありがとうございます。
 3ページの表、前回から見させていただいているのですけれども、従来からの5,000円の部分と、新たに増額する、この表で言えば2,000円ということになると思いますが、どういう考え方のもとで、医療機関と保険者にそれぞれ帰属するのかということが、やはり、今ひとつ分かりづらいというか、国民にとっても、これはなかなか理解が難しい制度になってしまうと思っておりまして、もう少し丁寧に、分かりやすい説明を求めたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございます。
 ほかに御意見ございますが、林委員、どうぞ。
○林委員 ありがとうございます。日本歯科医師会の林でございます。
 前回も申し上げましたけれども、この問題に関しましては、かかりつけの診療所と病院の相互の病診連携の推進で解決していくものだと考えておりますが、地域におきましては、歯科病院そのものが、外来患者の直接の受け皿として機能せざるを得ない状況もございます。
 特に、ウィズコロナの状況下におきましては、診察ができなくて受診勧奨等で対応せざるを得ないケースもございまして、その必要性も増してきているものでございます。
 病院機能の議論から病院の規模の議論に、単純にすり替えられることのないように、除外要件の地域の実情に合わせた運用も含め、コロナの感染程度とかも鑑みながら、やむを得ない事情の柔軟な対応を含めて、慎重に御議論いただきたいと思っております。引き続きよろしくお願いいたします。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 ほかには、秋山委員、どうぞ。
○秋山委員 ありがとうございます。
 私も定額負担拡大の方向性については理解できるのですが、医療保険の給付の必要性が低下するというところについては、なかなか理解できないところです。いずれにしましても定額負担を拡大して、保険給付を下げるのであれば、医療資源を重点的に活用する外来を受診する際には、紹介状が必要だということと、それから紹介状がない場合には保険の給付が下がるということについて、やはり国民に対して十分な周知が必要だと考えております。
 あわせて、紹介状なしに医療資源を重点的に活用する外来を受診する患者さんに対しては、この制度の趣旨や自己負担額などについて、外来の窓口で混乱が生じないように、国として十分な周知を行ってほしいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、オンラインで横尾委員、お手を挙げておられますので、お願いします。
○横尾委員 ありがとうございます。
 このことについては、前回も申し上げたのですが、料金設定、加算設定によって抑制というのはもちろんひとつの考え方ですけれども、中期的かもしれませんが、やはり本質としては、医療資源の有効活用の観点からしても、大病院に集中してしまうという現象がいかに課題があるのか、問題があるかということを広く知らしめていく必要があります。また、大病院への集中を回避するためにも、かかりつけ医をそれぞれ持っていただいて、よく医療的、医学的な指導を受けながら、健康や体調を保持するということの重要性を、やはり啓発しなくてはいけないと思います。
 今回のコロナの問題でも、本当によくマスク着用や手洗い、手指消毒、3密を避けるなどの啓発がなされたおかげで、日本ではかなりの方がマスクを着用しておられます。周りに人がおられなくてもされているようにも見受けられますので、ぜひ啓発というのが重要と思います。ある意味でそれが本筋と思いますので、今後は、すぐに効果が出ないとしても、文部科学省と連携していただいて、教育課程の中で、こういった課題があること、それをよく理解をして、一人一人の国民が自分の健康を守るためにも、かかりつけ医を利用したり、より過度な集中や、また重篤にならないように、みんなで協力するということも、ぜひ教育課程に入れながら、社会教育にも入れながら、啓発をしていただきたい。それが本論だと思っているところです。
 今回の提案は、ある意味で、急な事態をいかに改善するかということだと思いますので、それはそれで理解しているつもりですが、是非そういったこともお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。活発な御意見をありがとうございました。
 大分時間が押しておりまして、まだ3つほどアジェンダが残っておりますので、この件につきましては、これぐらいにしたいと思います。
 続きまして「育児休業中の保険料免除について」を議題といたします。
 事務局から関連の資料の説明をお願いします。
○姫野課長 ありがとうございます。保険課長です。
 資料3につきまして、御説明をいたします。
 まず1ページでございますが、こちらは11月12日に労働政策審議会の分科会におきまして、議論されているものでございますが、男性の育児休業取得促進策ということで、(1)番にありますように、男性の供の出生直後の休暇取得を促進する枠組みとして、男性の休暇取得を進めるための、現行の育児休業よりも柔軟で取得しやすい新たな仕組みを作ることとしてはどうかということが議論されてございます。
 具体的な仕組みとしては、この箱囲みの中にありますように、対象期間としては子供の出生後、8週としてはどうか、また、取得可能日数につきましては、期間を限定してはどうか、限定する場合は4週間程度としてはどうかと。
 また、要件手続の中にありますが、分割、現在は右側にありますように、原則1回の取得、また、男性については出生後8週間以内に終えた場合にもう一度取得できると、2回に分けて取れるということが限定的に認められていますけれども、この新たな仕組みについては、分割を可能としてはどうかということが検討されてございます。
 また、休業中の就労につきましては、現在、右側にありますように、一時的、臨時的な場合のみ認められておりますが、あらかじめ予定した就労も可能としてはどうかといった柔軟な仕組みが検討されてございます。
 次の2ページでございますけれども、女性も含めた育児休業の分割取得といったことも検討されておりまして、分割として2回程度の取得を可能としてはどうかということが検討されてございます。
 これにつきまして、10月30日、3ページですけれども、当医療保険部会で御議論いただきましたけれども、その際の意見を整理してございます。
 まず、1つ目、2つ目などにありますように、基本的には男性の育休取得促進のために、支援を拡大するという観点から、社会保険料の保険料免除についても、基本的には賛成であるというような御意見。
 ただ一方で、現行の保険料免除の規定では、例えば月末1日だけ短期に取得した場合、年金、医療を含めて1か月分の社会保険料が全て免除になるということ。
 また、育休の取得月については、次の給与だけではなく、賞与分まで免除になってしまうということで、あたかも社会保険料免除のためと思われるような育児休業が可能となっているということで、公平性、納得感の部分から問題があるという御指摘もいただいてございました。
 この点を踏まえまして、事務局としても検討いたしましたけれども、まず、4ページが現在の保険料免除の仕組みでございます。
 具体的に言いますと、2つ目の免除期間にありますように、免除を開始した日の属する月から、その休業が終了する日の翌日が属する月の前月までが免除期間となりまして、免除額については、次の保険料負担について、賞与保険料も含めて全額が免除されるということになってございます。
 賞与月に偏りがあるのではないかということで、次の5ページでデータを調べてみましたけれども、御指摘のとおり、確かに、特に12月の賞与が、特に支給されるこの月に、男性の育休に伴う保険料免除の対象月が上がっているという実態もございます。
 こういった点を踏まえまして、6ページ目から考え方と課題を整理してございます。
 まず、育児休業中の社会保険料免除につきましては、育児休業中賃金が無給とされるのが一般的でございますので、一方で保険料については標準報酬月額という、ある意味固定されたベースで付加されていますので、その間、経済的負担に配慮して設けられているものと考えてございます。
 免除期間につきましては、先ほど申し上げました要件にしておりますが、こちらは注釈にありますように、現行の保険料徴収におきまして、事業主、保険者の事務負担軽減の観点から、月末時点での在籍を当月の保険料全ての徴収を決定するという考え方を踏まえたものになってございます。
 課題の①にありますように、このため、月末時点で育児休業を取得している場合には、一月分丸々の保険料が免除される一方で、月の途中に短期間の育休を取得した場合には、免除されないという不公平が生じてございます。
 具体的にはケースの1にありますように、ある月の月末30日から翌月の2日まで、合計3日間の育休をとった場合、この場合は月末が含まれておりますので1か月分の保険料が免除されます。
 他方でケース2にありますように、ある月の10日から、その月の23日まで、合計14日間育休をとった場合、この場合は、末日が含まれていないために、免除がされないということで不公平感が出ているという御指摘だと思います。
 また、課題の2でございますが、賞与保険料につきましては、実際には賞与が支払われておりますけれども、その支払いに応じて保険料が付加されております。にもかかわらず、賞与の支払いを受けてる場合にも、保険料が全額免除されているということでございまして、賞与月に育児休業の取得が多いといった偏りが生じる要因となっている可能性がございます。
 次のページでございますけれども、対応の方向性でございますが、まず、現在、労政審のほうで検討中の新たな育児休業の仕組みにつきましては、社会保険の観点から現行の育児休業と同趣旨のものと考えられますので、仮にこういったものが制度化されれば、保険料免除の対象としてはどうかと考えてございます。
 また、課題1への対応でございますけれども、新たな仕組みによる休業も含めまして、一月以下の育児休業の取得でも、取得のタイミングによらず、保険料免除制度を活用できるように、育児休業の開始日の属する月につきましては、その月の末日が育休期間中である場合に加えて、その月外に一定以上の育休を取得した場合にも保険料を免除するということとしてはどうかと考えてございます。
 この一定以上の育休ということでございますが、まず、月の半分に当たる2週間以上の育休取得を免除の基準としてはどうかというのが考え方でございます。
 また、この2週間の期間の数え方ですけれども、同月内に取得した育児休業、また、新たな仕組みの休業などを通算して育児休業の期間の算定に含めるとしてはどうかと考えてございます。
 また、2点目ですけれども先ほど御紹介しましたが、予定した就労ということを育児休業期間中に認められた場合の取扱いですが、こういった予定した就労については、給与が支払われてございますので、そういった観点からは育休期間の算定から除くものとしてはどうかと考えてございます。
 ただし、現行も育休期間とみなしております、災害時などの一時的、臨時的な就労につきましては、事前に予期できない理由であることや事務負担軽減の観点から、引き続き、算定から除かないということとしてはどうかと考えてございます。
 また、課題②への対処でございますけれども、賞与保険料につきましては、実際の賞与の支払いがあり、それに対して保険料が付加されております。
 また、短期間の育休取得であればあるほど、賞与保険料の免除を目的とした育休取得を選択する誘因が働きやすいと考えられますので、連続して1か月を超える育休取得者に限って、今後は賞与保険料の免除対象としてはどうかと考えているところでございます。
 説明は、以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 以上、説明のあったような方向性の提案でございますけれども、いかがでございましょうか。
 それでは、佐野委員と、その次に石上委員の順番でお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
 まず、前回申し上げました、政府が推進している育休取得促進、この方針については賛成でございます。
 その中で、育休取得に伴う社会保険料免除の取扱いについては、保険者として次の2点がポイントだと思っております。
 まずは、やはり現状、月末1日だけの育休取得、特に賞与月における取得においては、月例給与、賞与とも対象になるために、あたかも社会保険料免除を目的とするかのような休暇取得が目立っております。そういう意味で、このような取得を排除するという見直しが必要だと思っております。
 もう一つは、やはり保険者・事業主における事務負担、業務負担が過重とならないような配慮をお願いしたい。
 そういう点で、今回の見直し案は、7ページの最後にありますように、まず、1か月未満と1か月以下の取得においては賞与を対象外とするとなっておりますので、これによって、賞与月における月末だけの取得は、恐らく減ることが予想されます。
 ただ一方、月例給与については、月末だけの取得においても免除となりますので、賞与月以外については、やはり、月末だけに集中する可能性は残っていると思います。
 月中に2週間以上の育休取得で保険料免除できるとしても、やはり月末1日の取得で免除されるケースとの不公平感というのは残ってしまうのかなと思います。
 そういう観点で見た場合、今回見直し案は、第一次の対応としては、やむを得ないのかなと思います。
 ただ、政府の育休取得促進施策も、今後さらに推進されることも予想されますし、また、この育休の取得状況がどのように推移するかもよく見えない部分があると思います。
 今回の見直しによって、育休取得、また、それに伴う社会保険料免除はどのように変化していくのか、その辺りについては、企業における適切な運用の促進、またデータの報告体制、こういったことも含めて、国のほうできっちりとフォロー、検証を行っていただきたいと思います。
 保険料逃れと思われるような休暇取得を排除するためには、一種の牽制機能も必要だと思いますので、今後の状況を見た上で、さらなる見直しが必要であれば、機動的に行うこともぜひ検討いただきたいと思います。
 これについて、事務局のほう、もしコメントがあれば、お伺いしたいと思います。
○遠藤部会長 では、何かありますか。
○姫野課長 保険課長でございます。
 今、御指摘いただきました点でございますけれども、まず、月末時点の育児休業の取得については、引き続き、これは認める方向で考えてございます。
 7ページの資料、先ほど説明を飛ばしてしまって恐縮ですけれども、2つ目の課題①の1つ目の○です。その2段落目にありますけれども、月末時点の育休取得につきましては、子供の生まれるタイミングによっては、初月に一定以上の育休取得ができないといったことも考えられますので、そういった意味では、現在、免除対象になっている方も、引き続き、免除制度を活用できるようにする必要があるのかと考えてございます。
 ただ、一方で、佐野委員御指摘のような懸念点についても理解できるところでございますし、この点については、我々も現時点でなかなかどういう実態になっているのかと、把握し切れていないところもございます。制度施行のタイミングで、こういった実態を、どうなっているのかというのを把握できるような体制も行い、必要な議論が展開できるようなことは、しっかりと取り組んでいきたいと考えてございます。
○遠藤部会長 佐野委員、よろしいでしょうか。
○佐野委員 ありがとうございます。
○遠藤部会長 では、お待たせしました、石上委員、どうぞ。
○石上委員 ありがとうございます。
 男性の育児休業の取得促進の方向性は賛成であります。
 その上で、7ページの2つ目の○、ここの「その月の末日が」から始まるところですが、この方向性については賛成をします。
 続いて、同じ7ページの3つ目の〇の1つ目の黒丸なのですけれども、これは質問ですが、「新たな仕組みによる休業等は通算して育休期間の算定」とあるのですが、この「新たな仕組みによる休業等」の「等」というのは何を想定しているのか、質問をしたいと思います。
 続いて、本質的な議論はこの場ではないと思っていますけれども、次の黒丸の2つ目、「仮に休業中の就労を認め、予定した就労を可能とする場合、『予定した就労』の日については、育休期間の算定から除く」とありますけれども、現在、休業中の就労は、災害など一時的、臨時的な場合に限定されております。
 これが、全般的に「休業中の就労」が認められるということになれば、労働時間管理も含めて、就業と休業の線引きが曖昧になると考えております。また、介護等、ほかの休暇、休業制度への悪影響も懸念されますので、これについては認めるべきではないと考えます。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 事務局にお尋ねもありましたので、お願いいたします。
○姫野課長 御質問ありがとうございます。
 育児休業等という部分ですけれども、こちらは、育児休業制度に基づく法定の休業に加えて、企業独自の休業制度などもございますので、そういったものを含めて等ということで、お示しをしてございます。
 また、予定した就労の取扱いについて、こういったものを認めるかどうかというのは、労働政策審議会のほうで検討されているかと思います。ここで示したものは、仮に、労働政策審議会のほうで、こういったものが認められれば、こういう取扱いしたらどうかということでございます。
○遠藤部会長 石上委員、よろしいでしょうか。
○石上委員 はい。
○遠藤部会長 それでは、オンラインのほうで、藤原委員、先にお願いします。
○藤原委員 ありがとうございます。
 今回、資料でお示しいただきましたとおり、2週間以上の育休取得を保険料免除の基準とすること。また、1か月を超える育休取得者に限って、賞与からの保険料の免除対象とするということに、おおむね賛成をする次第でございます。
 ただ、この月末のみの育休で保険料が免除される仕組みにつきましては、先ほど来、他の委員から指摘もありますが、これは初回はともかくとして、2回目以降の適用が維持されることに関しては、やはり違和感があると言わざるを得ないところでございます。
 男性の場合、新たな制度で、より複数回の育休の取得が可能になるという方向で、今、労政審において検討がなされているということでございますけれども、その場合、月末に1日だけの育休を複数回取得すると、その分の月数の保険料が免除されるということで、これは保険料負担の公平性の観点から見ると、やはり問題であると言わざるを得ないと思います。
 したがいまして、2回目以降の育休取得時には、月末のみの育休で保険料が免除されない仕組みにするなどの、合理的な制度設計になる方向で御検討いただきたいと思います。
 今回、そこまでの見直しが難しいということであれば、明確なスケジュール感を持って施行後速やかに実態の調査を行っていただいて、その上で、実態として適正化すべき点があれば、早急に制度の見直しを行っていくということで対応していただければと思います。
 以上、意見並びに要望を申し上げました。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、お待たせしました、横尾委員、どうぞ。
○横尾委員 7ページに示されている、そうなのだと思いますけれども、おおむね賛意を表したいと思っています。
 その上で、ちょっと意見を述べたいと思います。
 1つは、先ほど来出ていますが、1日のみとって、社会保険料免除という方向を選ぶというのは、ある意味で卑しい行為だと思いますので、決してそんなことが起きないようなルールづくり、それと、労働組合や企業等において、そういう社風づくりや気風づくりをきちんとすべきだと思います。
 あわせて、そのことについてなのですけれども、今回の案を見ても、やはり現状を改善していく形で、厚生労働省事務局では御検討いただいているものと思っているところです。
 けれども一方では、もう大胆に、将来こうあるべきだということを考えていただいて、そこから、そこに上っていく階段を下ろしていくような、そういう発想で考えていただくのも重要だと思います。どうぞ、遠慮なく、その辺は考えていただいて、実行したほうがいいと思います。
 最後3点目ですが、実態として、制度をつくることに意味があるのではなくて、育休取得をしていただくということに政策効果が出てくると思っているのです。ところが現状で、いろいろなところで聞きますと、会社の中なのか、団体なのかよく分かりませんが、職場の雰囲気で休みを取りにくいとか、上司との関係で取りにくいとか、いろいろあるようです。けれども、そういったことを改善しない事は進まないと思います。ぜひ労働組合や企業等、団体においても、これは自治体も含めてですけれども、やはり取りやすいような空気を作っていくことが重要です。
 そのためには2つあって、1つは、職場がお互い協力する共通認識を持つこと。もう一つは、仕事の生産性を上げなくてはいけませんので、ぜひ両方できるようなことも中長期的にはやっていかなくてはいけないと感じたところです。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、池端委員、秋山委員の順番でお願いいたします。
○池端委員 ありがとうございます。1点質問だけです。
 今の7ページの③番のところの、月の半分や、2週間以上の育休取得を保険料の免除の基準という、2週間以上なのですけれども、最後の○のところの課題2に関しては、「連続して」とあります。今回ここには、連続して入っていないので、連続しない2週間以上の育休取得でも、これを満たすということの考え方でよろしいかどうか、私は柔軟性という点では、それがいいかと思いますけれども、それについてちょっと質問させていただきたいと思います。
○遠藤部会長 では、事務局、お答えください。
○姫野課長 ありがとうございます。
 この点について通算してということですので、連続してなくても構わないというか、考えてございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、秋山委員、お待たせしました。
○秋山委員 ありがとうございます、日本看護協会です。
 産後の8週間というのは、赤ちゃんを産んだお母さんが、妊娠前の体に戻るまでの、いわゆる母体の保護のための必要な休暇期間ですので、出産直後のこの期間に、お父さんが、家事、育児を担うことで、母親が体を休めるようにする、この点が非常に重要な点だと思っております。
 示していただいた資料1ページのような、新たな休業の仕組みを設けるというのは、その後押しになると思われますので、この方向性に賛成いたします。
 また、分割取得できることで、男性の育児休暇の取得日数が伸びることが期待されますので、ぜひある程度まとまった期間の取得を推進する方向での広報を併せて行っていただければと考えております。
 今回、14日の育児休業を取得した方も、保険料の免除対象に含めるように、範囲を拡大していくことで、育児休業の取得がどの程度促進されるかどうかは不明ですけれども、一定程度の貢献が期待できますので、資料の7ページの方向性についても賛同いたします。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 菊池部会長代理、どうぞ。
○菊池部会長代理 ありがとうございます。
 私は、方向性には賛成でございます。
 男性の育児休業の取得促進という政策目標は適切であって、これにブレーキをかける方向での改正は望ましくないと思います。
 課題の2に、賞与につきましては、やはり御議論がこれまでもございましたように、濫用のリスクがあるということで、改正案に賛成であります。
 課題の1につきまして、確かにこれも議論がありましたように、末日が育児期間中であればよいというのは、確かに、こちらも濫用のリスクは否定できないわけです。
 ただし、1つには賞与と異なり、対象は1か月の賃金にとどまるということに加えまして、より本質的には、これは月単位で設定せざるを得ない、標準報酬制の持つ限界の問題であるとも言えると思います。
 ほかにも、例えば就職などに伴って、国保と被用者保険の保険料を月単位で二重払いにならざるを得ない場合があるといった問題を承知しています。
 これを克服するには、究極的には標準報酬制を改める、例えば、労働保険に合わせて、賃金総額を基準にすることまで考えなければならない可能性があります。
 今年の法改正で、複数就業者に関するセーフティーネットの整備が図られ、労災保険給付については、複数就業先の賃金に基づく給付基礎日額の算定の見直し、雇用保険については複数事業主に新規雇用される65歳以上労働者への適用拡大などが行われました。
 副業・兼業の増大に伴う労働保険の対応がなされたわけですが、働き方の多様化のさらなる進展と相まって、被用者保険、つまり、健保・厚年についても、今後、見直しを迫られる可能性があります。
 その際には、この標準報酬制の見直しが検討課題となるはずでして、これは非常に大きな改正で、簡単ではありませんけれども、この末日要件の問題も、その際に、再度検討を行うということになるのかという気がいたします。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、藤井委員、お願いいたします。
○藤井委員 ありがとうございます。
 中小企業の人手不足の実態、男性社員の育休の取得実態からいって、事務局から示された月額給与の保険料免除の基準である2週間以上、それから、賞与の保険料免除の基準である連続1か月超は、長過ぎる印象がございます。現場の実態からいって、ともに1週間程度とするのが妥当ではないかと思います。
 一方、他の委員のご発言の繰り返しになりますが、月末1日だけ育休を取得した場合でも、1か月の保険料が免除されるのは、公平性の観点から問題があるように思いますので、見直していただければと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 ほかによろしゅうございますか。
 ありがとうございます。いろいろな御意見もいただきました。ただ、全体の方向性につきましては、おおむね御了承いただいたと、私は思いますけれども、そういう受け止めで、よろしゅうございますか。
(異議なしの意思表示あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、そのように受け止めさせていただきます。
 それでは、続きまして、傷病手当金について、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○姫野課長 ありがとうございます。保険課長です。
 資料の4について御説明をいたします。
 まず1ページですけれども、これについては、これまでも数次にわたり、当医療保険部会で御議論をいただいておりますけれども、その際の意見をまとめてございます。
 前半部分にありますけれども、傷病手当金につきまして、共済組合などと同様に支給期間を通算化していくということについては、おおむね御賛同いただいているような状況かと認識してございます。
 一方で、5番目、6番目にありますように、資格喪失後の継続給付につきましては、こういったものを、健康保険ではなく、雇用保険で給付すべきではないかという御意見と、一方では、基本的に資格喪失後も、退職後の所得保障の措置を講じるニーズ自体は高いのではないかという両論をいただいてございました。
 また、そのほか、精神疾患なども中心に、支給の適正化を図るということ、また、保険者としての調査方法や判断基準についても示してもらいたいということも御指摘をいただいてございました。
 こういったことも踏まえまして、2ページのところで、見直しの方向性を整理してございます。
 まず、支給期間の通算化につきましては、現在、支給開始日から起算して1年6か月を超えない期間とされておりますけれども、がん治療のために入退院を繰り返すなど、長期間にわたって療養のため休暇をとりながら働くケースが存在してございますので、治療と仕事の両立の観点から、より柔軟な所得保障を行うことができるよう、支給期間を通算化してはどうかと整理してございます。
 また、通算化により延長され得る支給期限につきましては、共済組合では特段期限を定めてございません。文書により確認できる範囲内で対応するとされておりますので、そういった取扱いになってはどうかと考えてございます。
 具体的な文書の保存期間につきましては、健康保険組合それぞれの規約によって定められておりますけれども、その規約どおりの保存期間によって、運用していただければということを想定してございます。
 その他の見直しの部分でございますが、資格喪失後の継続給付の廃止につきましては、様々な御意見もいただいておりますので、療養のため退職を余儀なくされた被保険者に対する給付を資格喪失と同時に打ち切ることになってしまいますので、退職後においても一定の所得保障は引き続き必要性があり、労働者保護の観点から、現行制度を維持することとしてはどうかとしてございます。
 また、支給適正化につきましては、各保険者で行われている審査運用のベストプラクティスの共有ですとか、社会保険審査会の裁決例の分かりやすい形の共有など、審査の効率化、適正化の方策を進めることとしてはどうかとしてございます。
 また、年金保険と併給調整をすることになってございますが、現在行われています保険者と年金機構の情報連携の効率化等に進めることとしてはどうかと考えてございます。
 なお、年金からの天引きによる調整についても御指摘をいただいてございましたけれども、年金受給者の受給権保護などの課題もありまして、そういった整合性とも勘案する必要がありますので、少し課題があると整理をしてございます。
 また、労災保険との併給調整についても御指摘をいただいてございましたが、現在、被保険者の同意が得られなかった場合には、保険者から労働基準監督署に照会を行うことができないという課題がございますので、こういった点に対応するために、円滑化に向けた対応を検討し、所要の措置を講じることとしてはどうかという形で整理をしてございます。
 説明は、以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 事務局から見直しの方向性が出されておりますが、これを含めて御意見、御質問等あればお願いします。
 佐野委員、どうぞ。
○佐野委員 ありがとうございます。
 まず、支給期間の通算化については、理解できましたので、これで了解でございます。
 ただ、その他見直しの中の1点目にあるのですが、資格喪失後の継続給付、これについては、やはり、我々健保組合としても、資格喪失後の給付や、特に精神疾患の取扱いなど、相当に苦労している部分がございます。
 そういう面で、ここについては、今回、現行制度を維持することとしてはどうかとありますけれども、ぜひ、引き続きの検討課題としていただきたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 ほかに、安藤委員、どうぞ。
○安藤委員 ありがとうございます。
 年金等の併給調整につきまして、保険者と日本年金機構との情報連携の効率化等に努めるとのことでございますが、実効ある仕組みとしていくためには、関係者が膝を突き合わせて丁寧な議論を積み重ねていくことが重要であると考えております。
 また、そうした議論により解決すべき課題は、本件以外にも多々ありますので、両者の連携がより一層深まるよう、実務者クラスや役員クラスによる連絡会議を定期的に開催するなど、厚生労働省保健局及び年金局の指導により、具体的な議論の場を設けていただきたいと思います。
 なお、年金からの天引きが現時点で困難であるということは一定理解いたしましたが、年金が過去にさかのぼって支給決定されたケースについて、効率的に併給調整を行い、一時的にせよ、加入者に債務を負わせないようにするためには、最も確実な手段であると考えておりますので、児童扶養手当等の達成度の取扱いも含め、全省的な議論を継続して行ってきていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 ほかにございますか。
 ありがとうございます。それでは、これにつきましては、今、幾つか御意見が出ましたけれども、事務局提案の見直しの方向性につきましては、おおむね御了承いただいたということにさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(異議なしの意思表示あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、そのように扱わせていただきます。
 それでは、続きまして「今後の医薬品等の費用対効果評価の活用について」の議題に移りたいと思います。
 事務局から資料の説明を、簡潔にお願いいたします。
○岡田室長 事務局でございます。
 資料5を御覧ください。「今後の医薬品等の費用対効果評価の活用について」でございます。
 本議題につきましては、当部会におきまして、3月、9月に二度にわたって御審議をいただいたところでございます。
 資料1コマ目でございますけれども、こちらは改革工程表、政府で取りまとめているものにつきまして、改めまして掲載をさせていただいております。
 2コマ目を御覧ください。
 こちらは、9月に当部会で御検討いただいた際の資料を再掲させていただいております。
 この中におきまして、費用対効果評価の活用については、今後、中医協において検討を行い、適宜当部会に報告をするということとさせていただいたところでございます。
 3コマ目を御覧ください。
 こちらは、先月10月28日に中医協におきまして、費用対効果評価に関する議論いただいた際の課題、論点ペーパーでございます。
 4コマ目を御覧ください。
 その際、中医協で出ました主な意見でございます。
 1つ目、5つ目について御説明させていただきます。
 1つ目でございますけれども、これまでの議論において有効性、安全性等が確立した医療については、保険給付の対象とし、またドラッグラグ、デバイスフラグを生じさせないため、費用対効果評価は保険償還の可否の判断には用いず、事後の価格調整に用いることとされている。昨年度から制度の運用開始されたところであり、まずは、その影響の検証、課題の抽出などを行うべきという御意見。
 5つ目に飛びますけれども、将来的には償還可否の決定に用いることも当然視野に入れて検証・検討していく必要があるが、昨年度運用開始された現状を勘案すると、まずは国内の実施事例の集積、検証を、スピード感を持って進めていくことが必要。現行の制度について迅速な価格調整の観点から、保険収載から価格調整までの期間をできるだけ短縮していくこと、対象品目数を増やしていくことが目下の重要な課題。公的分析班、企業などによる分析・評価体制の充実が不可欠であり、実施に向けた具体的な工程表の検討が必要などの御議論、御意見をいただいたところでございます。
 おおむね事例を集積しつつ、体制整備を図り、また、課題の抽出などを行うという御意見が出されたものと承知をしております。
 中医協での御意見を御報告させていただきました。
 事務局からは、以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 新しい制度でありますが、本格稼働したということで、中医協マターの議論ではありますけれども、本部会にも報告をお願いするという形で進めておりますので、現在そういう形で報告をいただいたということで、本格的な議論は中医協で行われているということです。
 何かコメントはございますか。
 よろしゅうございますか。
 それでは、引き続き中医協で御検討いただいて、適宜、内容については、当部会でも御報告をいただくという形でさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、ほかに御意見もないようですので、本日は、これまでとさせていただきたいと思います。
 一言つけ加えますと、全世代型社会保障検討会議においても、24日の会議において、医療に関するテーマで議論がされました。
 その中で、私のほうからも、前回当部会で議論された内容などを簡潔に御報告させていただきました。
 当医療保険部会におきましても、本年末までに検討すべきという宿題事項が、全世代型社会保険都会から出ているわけでありますが、これにつきましては、一通り議論が終わりましたので、次回は事務局から資料を提出していただいて、議論の整理を行いたいと思いますので、そのような段取りで行きたいと考えております。
 したがいまして、次回は、事務局から今までの議論の整理をさせていただくと、ある意味、この部会の報告原案のようなものを作っていただくという、そういう段取りにさせていただきたいと思います。そろそろ、そういう時期でございますので、そのように段取りをさせていただきたいと思いますので、御承知のほど、よろしくお願いいたします。
 事務局、これについて何かありますか、よろしいですか。
 それでは、次回の開催日につきましては、追って事務局より御報告をいたします。
 本日は、司会の不手際で時間をオーバーいたしまして申し訳ございませんでした。御参加をいただきまして、どうもありがとうございます。
 これにて終了いたします。