2020年10月29日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会 議事録

日時

令和2年10月29日(木)16:00~

出席者

出席委員(17名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理
 

欠席委員(4名)

行政機関出席者
 

 山本史(大臣官房審議官)
 吉田易範(医薬品審査管理課長)
 中井清人(医薬安全対策課長)
 新井洋由(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事・審査センター長事務取扱)
 山田雅信(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
 田宮憲一(独立行政法人医薬品医療機器総合機構執行役員) 他
 


 

議事

○医薬品審査管理課長 定刻となりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会」のWeb会議を開催させていただきます。本日はお忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。今回の医薬品部会につきましても新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、Webでの審議とさせていただきます。
本日のWeb会議におきます委員の出席状況ですが、赤羽委員、飯島委員、大賀委員、代田委員より御欠席との御連絡を頂いております。また、増井委員、それから佐藤委員が遅れて御参加いただけるものと考えております。したがいまして本日ですが、現在のところ当部会委員数21名のうち15名の委員が、このWeb会議に御出席いただいておりますので、定足数に達していますことを御報告いたします。
続きまして、事務局に人事異動がございましたので御報告させていただきます。医薬品・医療機器総合機構執行役員(再生医療製品・ワクチン等審査部門担当)の林です。よろしくお願いいたします。
それから、部会を開始する前に事務局より、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果につきまして御報告させていただきます。薬事分科会規程第11条におきまして、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。今回、全ての委員の皆様から、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様には会議開催の都度、署名を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますけれども、引き続き御理解・御協力を賜りますよう、何とぞよろしく申し上げます。
また、本日のWeb会議に際しまして、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、説明者においてマスクを着用したまま説明させていただく場合がございますので、御了承いただければと思います。それでは杉部会長、以後の進行をお願いいたします。
○杉部会長 杉でございます。それでは、事務局のほうから審議の進行方法の説明をお願いいたします。
○事務局 事務局です。本日はWebでの審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、審議の進行方法について御説明させていただきます。審議中に御意見、御質問をされたい委員におかれましては、まず御自身のお名前と発言したい旨を御発言いただきますようお願いいたします。その後、部会長から順に発言者を御指名させていただきます。御発言いただく際はマイクがミュートになっていないことを御確認の上、御発言ください。また、御発言後はマイクをミュートに戻していただきますようお願いいたします。なお、発言者が多いときには発言されたい委員がメッセージのほうに記入いただくことで、部会長より発言者を順番に御指名させていただきます。適宜メッセージ機能のほうも御活用いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○杉部会長 これまでの説明に御質問、御意見等はございますか。よろしいですね。それでは、本日の審議に入りたいと思います。まず、事務局から資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、本日のWeb会議に係る資料の確認をさせていただきます。本日、あらかじめお送りさせていただいた資料のうち、資料1から12までと製剤写真を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。また、このほか資料13といたしまして審議品目の薬事分科会における取扱い等の案を、資料14として専門委員リストを、資料15として競合品目・競合企業リストを事前にメールにてお送りさせていただいております。なお、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので事務局までお申し付けください。
続きまして、本日のWeb会議における審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告させていただきます。資料のほう、資料15の1ページを御覧ください。1ページ目、フォシーガ錠5mg他1規格ですが、本品目、慢性心不全、ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限るを予定効能・効果としておりまして、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとさせていただいております。
続きまして2ページ目ですが、Rozanolixizumabです。本品目は、全身型重症筋無力症を効能・効果としておりまして、同様の効能・効果を有する薬剤として、こちらに記載の3品目を競合品目として選定しております。
続きまして3ページ目です。BIIB067ですが、本品目、ALSを予定効能・効果としておりまして、同様の効能・効果を有する薬剤として、こちらに記載の2品目を競合品目として選定しております。
続いて4ページ目、シロリムスですが、本品目は、難治性脈管腫瘍・脈管奇形を予定効能・効果としておりまして、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目なしとさせていただいております。
続いて5ページ目、アバルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)です。本品目は、糖原病II型を予定効能・効果としておりまして、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。
続いて6ページ目ですが、ボルテゾミブです。本品目は、全身性ALアミロイドーシスを予定効能・効果としておりまして、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目なしとしております。
最後に7ページ目ですが、ダラツムマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)配合注射剤です。本品目、先ほどと同様に、全身性ALアミロイドーシスを予定効能・効果としておりまして、こちらのほうも競合品目なしとさせていただいております。以上です。
○杉部会長 今の事務局からの説明に特段の御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本Web会議の審議事項に関する競合品目・競合企業リストにつきましては、先生方の了解を得たものとしたいと思います。
それでは、委員の先生方からの申出状況について、報告をお願いいたします。
○事務局 薬事分科会審議参加規程第11条に基づく各委員からの申出状況については、次のとおりです。
まず議題1、フォシーガについては、退席委員、議決に参加しない委員ともになし。議題2、Rozanolixizumabにつきましては退室委員なし、議決に参加しない委員として大森委員、武田委員。残る議題の3から7につきましては、退室委員、議決に参加しない委員はいらっしゃいません。以上です。
○杉部会長 今の事務局からの説明で、特段の御意見はございますか。よろしければ委員の先生方に御確認いただいたものとしたいと思います。
それでは、審議事項の議題に移ります。まず、議題1でございます。議題1につきまして、機構からの概要を説明お願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 機構より説明させていただきます。議題1、資料1、医薬品フォシーガ錠5mg、同錠10mgにつきまして御説明させていただきます。資料は、資料1の審査報告書を御覧ください。以降の説明におきましては、審査報告書の下部に青字で記載されております通し番号で御説明いたします。
本剤の有効成分であるダパグリフロジンプロピレングリコール水和物は、SGLT2阻害作用を有する薬剤であり、腎近位尿細管では尿中へのグルコース排泄促進によって血糖降下作用や浸透圧利尿作用を発現することから、糖尿病治療薬として開発され、本邦において2014年3月に「2型糖尿病」、2019年3月に「1型糖尿病」の効能・効果で承認されており、海外では2型又は1型糖尿病に係る効能・効果で、100か国以上で承認されています。
その開発の中で、本剤による慢性心不全治療効果が示唆されたことから、慢性心不全治療薬としての開発が開始され、今般、国際共同第III相試験の成績に基づき、「慢性心不全」に係る効能・効果及び用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。慢性心不全に関する効能・効果では、2020年5月に米国で承認され、欧州では2020年10月時点で承認審査中です。
本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性について、審査報告書11ページ、表3を御覧ください。国際共同第III相試験として、2型糖尿病の合併の有無によらず、心不全の標準治療を受けている左室駆出率が低下した慢性心不全患者を対象に、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施されました。本剤の用法・用量は、10mgを1日1回投与することとされました。その結果、主要評価項目である「心血管死、心不全による入院又は心不全による緊急受診」の複合イベントについて、本剤群でプラセボ群と比較して有意に発現が少なく、日本人集団においても全体集団と一貫した成績が認められたことから、日本人慢性心不全患者における有効性が示されたものと判断しました。
次に、安全性について御説明いたします。審査報告書23ページから記載している7.R.3、安全性についての項を御覧ください。国際共同第III相試験において、既承認時に特定された注目すべき有害事象について、既承認時と比較して新たな安全性の懸念は認められず、添付文書において既に注意喚起がなされていることから、追加の注意喚起を行う必要はないと判断しました。
続いて、審査報告書29ページ、表14を御覧ください。国際共同第III相試験における2型糖尿病の合併の有無別の有効性について確認した結果、2型糖尿病の合併の有無によらず本薬の有効性は期待できると判断しました。また、審査報告書32ページ、表17を御覧ください。既承認時に特定された注目すべき有害事象等について、2型糖尿病非合併例でリスクが増大する傾向は認められず、本適応追加に当たって現時点で追加で注意喚起を要する事項はないと判断いたしました。
効能・効果について、審査報告書45ページを御覧ください。近年心機能の指標の1つである左室駆出率に基づき慢性心不全の病態を分類する概念が浸透してきた状況があり、本剤の有効性及び安全性は左室駆出率が低下した慢性心不全患者を対象に検討され、左室駆出率が保たれた慢性心不全患者での有効性及び安全性は明らかになっていません。一方で、最近承認された医薬品も含め、本邦では左室駆出率が低下した慢性心不全患者を対象とした臨床試験を主要な根拠として承認された医薬品はいずれも「慢性心不全」を承認効能・効果としてきたことから、それらと同様に、本剤の効能・効果は「慢性心不全」とした上で、現時点で投与が推奨される対象は左室駆出率が低下した慢性心不全患者であることから、効能・効果に関連する注意において、その旨を注意喚起することといたしました。
なお、これまで「抗心不全薬の臨床評価方法に関するガイドライン」において、承認申請の目的で実施される臨床試験での標準的評価方法を示してきたところですが、近年、左室駆出率に基づき慢性心不全の病態を分類する概念が浸透し、臨床試験についても、それぞれの集団を対象に独立して実施されるようになり、開発が多様化してきた状況を踏まえ、承認の根拠となった臨床試験の対象に対応する効能・効果又は効能・効果に関連する注意の記載を、どのようにすべきか、関連学会とも協議の上改めて整理することとしたいと考えております。
以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審査いただくことが適当であると判断いたしました。
本剤は新効能医薬品及び新用量医薬品としての申請であることから、本申請に係る効能・効果及びその用法・用量の最審査期間は4年とすることが適当であると判断しております。薬事分科会での報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○杉部会長 今のフォシーガの話で、慢性心不全への適応を認めるかどうかということでございます。委員の先生方からの御質問の中で、堀先生から御質問がありそうですが、堀先生。
○堀委員 ありがとうございます。では、質問させていただいてよろしいでしょうか。
○杉部会長 はい。
○堀委員 ありがとうございます。今回、慢性心不全などへの適応ですので、循環器内科で、このお薬を患者に処方することになるかと思っているのですけれども、患者さん向けの循環器内科用の、要するに、この慢性心不全に特化した、患者向けの資材は、お作りになっておりますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 コメントをありがとうございます。機構から御回答させていただきます。今回、本薬が慢性心不全の患者さんにも投与可能になるにあたって、必要な注意については医療従事者向け、及び患者向け資材に記載し、情報提供を行う予定です。
○堀委員 ありがとうございます。このフォシーガ錠というお薬に関しては、過去これが発売されたときに、もちろん糖尿病のお薬として大変有名なのですが、糖を尿から出すということで、やせる薬ということで、ダイエット薬としてのところが女性には、よく知られているお薬です。現在もインターネットとかで調べましたら、美容クリニックでは自由診療で体重減少薬という形で患者に出している所も結構ございました。
となりますと、このフォシーガという薬が糖尿病で使われているということについては、患者はある程度の知識を持っています。それだからこそ慢性心不全でも処方されるようになったこと、つまり今まで内分泌内科で使っていたお薬が、循環器内科に使えるということは、一般市民にとっては、なぜだろう、どうしてだろうという不安な部分があって、私も今回頂いた審査報告書の通し番号の5ページ、6ページなどを拝見して読ませていただいたのですけれども、どうして糖尿病で尿から糖を排出する薬が、なぜ慢性心不全に使われるのかということが、なかなか簡単には理解できなかったのが事実です。ですので、是非患者向けに分かりやすい資材を作っていただけたら有り難いと思います。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えさせていただきます。コメントを頂きましてありがとうございます。まず、先ほどの回答について1点修正させていただきますと、患者向け資材につきましては、既に糖尿病のほうで使用されている資材に、今回の適応に関する内容を加えてアップデートするという形で適切なものを公表する予定でおります。適正使用に関しましては、引き続き糖尿病の適応と同様に実施しておくべきものと考えております。
○医薬品医療機器総合機構 御意見いただきました、心不全治療に関する作用機序につきましては、明確な機序が分からない部分もございますが、どのような内容が盛り込めるかということを、検討させていただきたいと思います。
○事務局 事務局です。堀先生、すみません、ちょっと音声のほうが届いていないようなのですけれども、マイク。
○堀委員 申し訳ございません。アップデートに関しては、分かりました。患者にとっては、今、薬の効果も簡単に調べられる時代になっておりますが、調べても、インターネット上では、医師向けの資材とか添付文書などからしか、私たち一般市民は、理解することはできません。やはり一番自分の主治医、担当する医師から分かりやすく説明していただけることが、医師との信頼関係ができる大切なものだと思いますので、とても慢性心不全で良いお薬ができたのであれば、是非その説明の部分もしっかりお願いしたいと思います。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
○堀委員 ありがとうございました。以上です。
○杉部会長 堀先生、どうもありがとうございました。そのほかの先生方からの御質問はいかがでしょうか。
○宮川委員 日本医師会の宮川ですけれども、よろしいでしょうか。
○杉部会長 どうぞ、お願いいたします。
○宮川委員 10/49ですが、そこに対象患者が「標準治療を受けている患者」という表現があります。患者ごとに標準治療というものは内容が異なるのではないかと思うのですが、その標準治療の内容ごとに部分集団解析というものがあるのであれば、結果はどのようになっているのか、まず御質問いたしました。○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。審査報告の18/49ページを御覧いただけますでしょうか。そちらにまず、対象患者における標準治療の内訳を記載してございます。結果として、RAS阻害薬が93.6%、β遮断薬が96.1%で使用されており、多くの患者さんがRAS阻害薬あるいはβ遮断薬を使用されていたことになりますので、その使用の有無別の部分集団解析結果は、全体の9割くらいの集団と1割くらいの集団の比較になってしまいますので、直接その内容を見てはございませんけれども、例えば全体集団と日本人集団で使用割合に差異があったような治療薬に関しましては、その併用別の有効性を評価しておりまして、併用の有無別の集団間で大きな違いはないということを確認しております。
○宮川委員 18/49です。実際に国内では未使用のものがあります。使用患者が日本人では少なかったといことですが、明らかな違いがないという記載はあります。その集団解析の結果の具体的な記載はどのようになっているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。ちょっとデータを検索するお時間を頂ければと思いますので、先に3つ目の御質問を伺ってもよろしいでしょうか。
○杉部会長 宮川先生、先に別の質問でよろしいですか。
○宮川委員 はい、どうぞ。
○杉部会長 宮川先生、あと2つぐらいあるとおっしゃっていましたね。
○宮川委員 20/49です。実際に心機能分類のII度の集団に比較して、III度の集団では本薬群とプラセボ群のハザード比の差が小さい傾向にあると記載があります。心血管死及び全死亡のハザード比が1を上回っているということが書いてあります。その後に数例の検討結果であるが、より重症度の高いIV度の結果も良好であることなどを根拠にして、許容する旨の記載があるります。この数例の検討結果をもって重症度や有効性に言及する根拠は何でしょうか教えていただければと思います。
○杉部会長 ありがとうございました。では機構のほう、いかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。審査報告書の19/49ページ表7に記載させていただいておりますが、III度の集団ではハザード比の点推定値が1を上回っておりますが、割合自体の群間差が小さいというところと、他の重症度の評価指標を含めた検討から重症度が悪くなるにしたがって、一貫して有効性の結果が減弱するという傾向は認められていないというふうに考えています。
○宮川委員 その例数の少なさに関しては、余り問題視されていないのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 限られた部分集団での評価になりますので限界があるものと考えておりますけれども、推定できる解釈としては、先ほどご説明したように考えております。
○宮川委員 あくまでも推定という形ですね。それで了解しますけれども、推定という形の記載だと理解してよろしいのですね。
○医薬品医療機器総合機構 はい、御理解いただいたとおりです。補足致しますと、臨床試験において、組み入れられた症例が少なかった心機能分類III度以上の患者につきましては、製造販売後におきましても情報収集を行い、安全性等について確認する予定です。
○宮川委員 そういうことであれば、添付文書に重症度などの問題点があるということは、ある程度は記載して、添付文書などに反映できるようなことを考えていただければと思うのですが、いかがでしょうか。
○杉部会長 機構はいかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より説明させていただきます。従来の心不全治療薬もこのような心機能分類等を含めて、心不全の重症度に関する部分集団解析結果を行っておりまして、ある部分集団では若干ハザード比が小さくなるという傾向が認められたものもございましたが、どうしても先ほど来説明しているように、部分集団解析結果に基づく評価の限界もあって、その結果のみをもって添付文書において、何か明確な注意喚起を行うことまではし得ないという判断をしておりますので、そうした部分集団解析の結果の情報や、それを踏まえた使用の判断の必要性については、情報提供資材等での提供を含めて対応してまいりたいと考えております。
○宮川委員 添付文書まで至らなくても、的確な情報の提供をお願いできれば幸いかなと思います。よろしくお願いいたします。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御意見ありがとうございます。
○杉部会長 それでは続きまして、岡先生のほうからの御質問をお願いいたします。
○岡委員 岡です。2つお伺いしたいのですが、よろしいでしょうか。
○杉部会長 はい。
○岡委員 1つ目は、6ページ、7ページ辺りの非臨床試験の所で、非糖尿病モデルでは行われていないという説明の所で、「現時点では」と書いてあるのですが、その試験は継続されて行われているかということと、もう1つは添付文書(案)の所で、副作用の記載がある3ページですけれども、頻尿、尿量増加というのが出ています。私が思うに慢性心不全の適応では、これは主作用に関連してくるのではないかと思うのですが、その辺はこのままにされるのでしょうか。以上2点です。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。機構より回答させていただきます。まず1点目の非臨床薬理の部分で、「現時点では」と書かせていただいた部分につきましては、現在実施中という趣旨ではありませんで、この申請時点において、このようなデータは、公表文献等含めて確認をされていないという趣旨で記載させていただきました。
また、2点目の御質問で添付文書のその他の副作用に関してですけれども、これは臨床試験で認められた、有害な作用として報告された事象ベースでの記載ということになっておりますので、それがオンターゲットであるか、オフターゲットであるかということを区別して、記載させていただいているわけではございません。
○岡委員 (添付文章の)1頁目(の用量)を見ると当該適応の場合は、糖尿病で使うよりも多いと思うのですけれども、その場合に頻尿・尿量増加というのは、必ずと言っては何ですが、起きると思うのですけれども、それは副作用と患者さんが思ってしまうということはないでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御意見ありがとうございます。添付文書において、医療従事者の方に情報提供するに当たりましては、臨床試験において、それが有害事象であると報告されたということをもって、このような事象が発現するということを情報提供させていただいております。
○岡委員 そうすると、心臓に効くという主作用の作用機序と関係ないというふうに考えられているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御説明させていただきます。主作用や意図した作用であっても、それが過剰であれば有害な事象として情報提供しているという状況です。
○岡委員 はい、分かりました。ありがとうございます。
○杉部会長 ありがとうございました。そのほか、先生、いかがでしょうか。特にございませんでしょうか。今の岡先生の話も、最初の堀先生のお話に関係して、いわゆるそういう認知をするようにということの意味だろうと思います。それでよろしいですものね。はい、ありがとうございました。そのほかの先生、いかがでしょうか。
○森委員 発言してよろしいでしょうか。
○杉部会長 どうぞ森先生、お願いします。
○森委員 1点目は、糖尿病治療薬として使用されていましたダパグリフロジンが、今回心不全の治療に使用されるということで、対象患者さんには従来、血糖値やヘモグロビンA1c、あるいは尿定性の測定をしていない方が多く含まれることが見込まれます。したがいまして、適正な使用をモニタリングしていく上で、患者さんの観察項目の中に血糖値や尿ケトン体などの情報が含まれていくように指導する必要があると考えます。今回、これらの観察項目が医薬品リスク管理計画の中に含まれていますので、それが適切に実施していただけるように、是非注意喚起していただきたく存じます。
2点目は、関連学会に関することです。日本糖尿病学会と日本循環器学会で合同委員会を立ち上げ、糖尿病患者さんの循環器病の診断・予防・治療に関するコンセンサスステートメントを発行しています。日本糖尿病学会も従来よりSGLT2阻害薬の安全な使用には大変注意を払っております。2014年に適正使用に関するレコメンデーションを発行し、過去4回更新して、2019年8月にその最新版を発行しています。その中には、ケトアシドーシスを含む様々な副作用に関する注意事項をまとめております。今回、このダパグリフロジン(フォシーガ)が、慢性心不全に適応拡大になるにあたりまして、日本糖尿病学会にも、その適切使用に関する助言を求めていただくことが良いと考えています。つきましては市販後の調査を行いながら、収集されたデータについて、日本糖尿病学と情報共有できる仕組みを作っていただければ、市販後臨床データの迅速な確認ができ、臨床現場へのタイムリーな情報提供を促進するプラットホームになるかと思います。以上です。
○杉部会長 ありがとうございました。重要な御指摘だと思いますが、機構のほうはいかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。御指摘いただきました1点目ですけれども、適切なモニタリングの喚起、周知徹底という点は、ご理解いただいておりますとおり、添付文書あるいは情報提供資材において効能共通で、本剤に特徴的なリスクなどの喚起をさせていただいている状況でございまして、関連する診療科の先生の間で連携を取っていただくように注意をさせていただくつもりです。
また、2点目で御指摘いただいた点に関してなのですけれども、本剤の審査における専門協議では、循環器領域の先生に加えまして、糖尿病領域の先生からも助言をいただきまして、添付文書や情報提供資材の中で適切な注意喚起、情報提供の内容についても各委員のご指摘を反映した内容となっていることを御報告させていただきます。
また、学会との連携というところに関しましては、今後、企業とも相談しながら、御指摘いただいている趣旨を踏まえて、どういったことができるか検討させていただければと思います。
○杉部会長 ありがとうございました。今の委員の先生方の御指摘が、今後のこの薬の発展につながるのだろうと思いますので、御指摘本当にありがとうございました。そのほか何か特別にございますか。
○医薬品医療機器総合機構 機構です。宮川先生から御指摘いただきました内容について御報告をさせていただいてもよろしいでしょうか。
○杉部会長 そうですね、お願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 まず、御指摘いただきました併用治療の有無別の有効性について、MRAにつきましては、併用のありなしの集団で、いずれもハザード比が0.74、ICDにつきましても併用ありでハザード比0.77、なしで0.74というところを確認しております。また、サクビトリルバルサルタンとイバブラジンにつきましては、この試験を実施した時点で本邦での承認がなかったため、日本人集団での併用はございませんけれども、全体集団のほうで併用の有無別の傾向を確認した結果、サクビトリルバルサルタンについては併用ありでハザード比が0.75、なしで0.74。イバブラジンにつきましても併用ありで0.73、なしで0.74という状況でございまして、それぞれの併用治療については併用の有無別の有効性は同様ということを確認させていただいております。御報告は以上になります。
○杉部会長 ありがとうございました。宮川先生、今の回答でいかがでしょうか。
○宮川委員 詳細な御報告ありがとうございました。
○杉部会長 ありがとうございました。
○杉部会長 それでは、特に先生方からほかにございませんでしたら、議決に入りたいと思います。本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございました。御異議がないようですので承認を可として薬事分科会に報告させていただきます。
続きまして議題2に移りたいと思います。議題2につきまして、事務局のほうから概要の説明をお願いいたします。
○事務局 それでは議題2、資料2のRozanolixizumabの希少疾病用医薬品として指定することの可否について、御説明をさせていただきます。資料2の2つ目の資料、事前評価報告書を御覧ください。
報告書の1ページ目ですが、申請者はユーシービージャパン株式会社、予定される効能・効果は全身型重症筋無力症です。
希少疾病用医薬品の3要件について、御説明をさせていただきます。まず1つ目の要件、対象患者数ですが、全身型重症筋無力症は指定難病となっており、全国疫学調査における患者数が2万9,000人ほどとなっております。本邦では、この患者さんのうち、全身性の症状を有している全身型が約80%を占めることが報告されておりますので、患者数は約2万3,000人と推定をされております。以上より患者数5万人未満という基準を満たしているものと考えております。
続きまして2つ目の要件、医療上の必要性ですが、本疾患、免疫グロブリンGを、自己抗体を介した免疫反応により生じる筋力低下及び易疲労性を特徴とする自己免疫疾患で、患者の約15~20%で非侵襲的な陽圧換気又は機械換気を要する呼吸不全を発症することが報告をされております。本邦においては経口のステロイドや、免疫抑制剤の併用がガイドラインで推奨されておりますが、副作用、患者負担等の観点から課題が残されているような状況で、医療上の必要性は高いと考えております。
最後の要件、開発の可能性ですが、現在、中等度から重度の全身型筋無力症患者を対象とする第III相試験が、国際共同試験として実施されており、本剤の開発の可能性は高いと考えております。したがいまして希少疾病用医薬品の指定の3要件を満たしていると考えておりますので、御審議のほどをよろしくお願いいたします。
○杉部会長 今の説明に対しまして、委員の先生方から、何か御質問ございますか。
特になければ、議決に入りたいと思いますがよろしいでしょうか。これにつきまして、大森先生、武田先生におかれましては、利益相反に関する申し出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題につきまして指定を可としてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、この指定につきまして、これを可として薬事分科会に報告させていただきます。
続きまして、議題3に移りたいと思います。これも事務局のほうから、概要の説明をお願いいたします。
○事務局 議題3、資料3の2つ目の資料を御覧ください。BIIB067を希少疾病用医薬品として指定することの可否について御説明をいたします。
報告書の1ページ目ですが、申請者はバイオジェン・ジャパン株式会社、予定される効能・効果はALSになります。
1ページ目の対象患者数について御説明をさせていただきます。ALSは指定難病であり、全国の指定難病の特定医療費受給者証の所持者数は、9,800人ということで、5万人未満という基準を満たしているものと考えております。
2つ目の要件の医療上の必要性ですが、ALSは大脳皮質、脳幹及び脊髄内の運動ニューロンが変性・消失する神経変性疾患です。随意筋などの筋力量及び筋力が進行性に低下することで、上肢の機能障害、歩行障害などが生じ、人工呼吸器を使用しなければ死亡に至るような期間が、通常2~5年となっている疾患です。
本邦におきまして、治療薬としてリルゾール、エダラボンが承認されておりますが、示されている有効性が限定的であることから、新たな治療薬が必要とされております。以上より、医療上の必要性が高いと考えております。
最後に開発の可能性ですが、SOD1遺伝子に変異を有するALS患者を対象とした第I相試験において有効性が示唆されているところであり、現在検証的試験が国際共同試験として実施中です。以上より開発の可能性が高いと考えております。
したがいまして、希少疾病医薬品指定の3要件を満たしていると考えておりますので、御審議のほどをよろしくお願いいたします。
○杉部会長 この件について、先生方の御質問ございましたら受けたいと思いますが、石川先生ですか。
○石川委員 はい。石川です。どうぞよろしくお願いします。お伺いしたいのは、このお薬の今までの海外で実施されている対象患者さんは、ALSの中の、SOD1遺伝子を有する患者さんのデータだと思いますので、1ページ目の対象患者さんの中でも、予定される効能・効果は、筋萎縮性側索硬化症全体ではなくて、SOD1遺伝子の遺伝子異常を有する患者さんに限定されると考えています。この書類においては、このように限定して書かなくていいのかどうかというのが私の質問です。よろしくお願いします。
○事務局 石川先生、御質問ありがとうございます。事務局より御説明をさせていただきます。先生御指摘のとおり、今回、試験が実施されておりますのが、SOD1の遺伝子の変異を有する患者さんで、実際に最終的に承認がされる効能・効果としましては、先生御指摘のとおり、SOD1遺伝子変異を有する患者さんというように限定をさせていただくことになるかもしれませんが、現時点で希少疾病用医薬品の指定というところですと、予定されるものとして指定をさせていただきたいと考えておりまして、今後実施される試験の結果などによって、また効能・効果の範囲等が変わってくると思いますので、最終的には承認する際にどのような効能・効果がいいかというところは、御審議をさせていただければと思いますが、現時点では少し広目に効能・効果のほうを取らせていただきたいと考えております。
○石川委員 大筋了解したのですが、お薬の効能・効果を考えれば、なお限定的になるのではないかと思いますので、そこは検討・承認するということで了解いたしました。ありがとうございます。
○杉部会長 ありがとうございました。そのほかの先生方、いかがですか。
特になければ、議決に入りたいと思いますが、本議題につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、指定を可として薬事分科会に報告させていただきます。
続きまして議題4に移りたいと思います。事務局から概要の説明をお願いいたします。
○事務局 よろしくお願いいたします。議題4、資料4、シロリムスを希少疾病用医薬品として指定することの可否について、検討をよろしくお願いします。
資料については希少疾病用医薬品、該当性事前評価報告書をお開きください。
報告書1ページ中程を御覧ください。申請者はノーベルファーマ株式会社、予定される効能・効果は、難治性脈管腫瘍・脈管奇形になります。
まず対象患者数について、全国疫学調査より2009年~2011年の、難治性脈管奇形・脈管腫瘍の患者数は、1,181例と報告されています。また、指定難病、小児慢性特定疾病の対象疾患である巨大リンパ管奇形、巨大静脈奇形等の患者数から、難治性脈管腫瘍・脈管奇形の患者数は6,000人~8,000人と推定されており、指定基準を満たしているものと考えております。
次に2ページの医療上の必要性について、本邦において、難治性脈管腫瘍・脈管奇形に対して硬化療法、放射線治療等が行われておりますが、根本的な治療は確立しておりません。難治性脈管腫瘍・脈管奇形患者を対象とした、シロリムスの海外臨床試験において、投与12か月時の奏功率は85%であり、忍容性は良好であったことが報告されており、本剤の医療上の必要性は高いと考えております。
最後に、開発の可能性について。難治性リンパ管疾患を対象とする国内の医師主導治験が実施され、2019年1月30日時点の中間報告データで投与24週時の奏功率は70.0%でした。また難治性脈管腫瘍・脈管奇形を対象とした、国内医師主導治験が実施中です。したがいまして、本剤の開発の可能性は高いと考えております。
以上より希少疾病用医薬品の指定の3要件を満たしていると考えています。よろしく御審議のほど、お願いいたします。
○杉部会長 先生方のほうから、何か御質問ございますでしょうか。特にないようですから、議決に入りたいと思います。本議題につきまして、希少疾病用医薬品としての指定等を可としてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。指定を可として薬事分科会に報告させていただきます。
続きまして、議題5に移りたいと思います。
○事務局 議題5、資料5、アバルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の希少疾病用医薬品として指定することの可否について事務局より御説明いたします。資料につきましては、2つ目の希少疾病用医薬品該当性事前評価報告書をお開きください。報告書1ページ中程を御覧ください。申請者はサノフィ株式会社、予定される効能・効果は、糖原病II型になります。
まず、対象患者数について、糖原病II型は指定難病であるライソゾーム病又は筋型糖原病に含まれる疾患です。全国疫学調査において、患者数は134人と報告されており、指定基準を満たしていると考えております。
次に2ページの医療上の必要性について。本邦において糖原病II型に対する治療薬として、アルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)が承認されておりますが、観察研究によりますと、その薬剤を投与した患者において、投与開始前よりは緩徐ではあるものの、呼吸機能の低下が進行する患者や、治療の反応を示さない患者が認められたこと等から、新たな治療薬が望まれています。本剤はアルグルコシダーゼ アルファの細胞内への取り込みを向上させた薬剤であり、アルグルコシダーゼ アルファと比べて、呼吸機能、運動機能等の改善傾向が示唆されていることから、本剤の医療上の必要性は高いと考えております。
最後に開発の可能性について、未治療の成人又は小児の遅発型糖原病II型の患者を対象とした、国際共同第III相試験において、アルグルコシダーゼ アルファと比較して、努力肺活量及び6分間歩行距離について良好な結果が得られており、本剤の開発の可能性は高いと考えております。したがいまして、希少疾病用医薬品指定の3要件を満たしていると考えています。よろしく御審議のほどお願いいたします。
○杉部会長 先生方から何か御質問ございますでしょうか。特にないようですので、議決に入りたいと思います。本議題につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。指定を可として薬事分科会に報告させていただきます。
続きまして議題の6に移りたいと思います。議題6につきましても、事務局から概要を説明お願いいたします。
○事務局 議題6と議題7について併せて説明させていただきます。
○杉部会長 どうぞよろしくお願いします。
○事務局 議題6のボルテゾミブ、議題7のダラツムマブ(遺伝子組み替え)・ボルヒアルロニダーゼアルファ(遺伝子組み換え)配合注射剤を希少疾病用医薬品として指定することの可否について、これらの薬剤が併用して使用されることから、併せて御説明をさせていただきます。資料につきましては資料7のダラツムマブに関する資料の2つ目、希少疾病用医薬品該当性事前評価報告書を御準備いただければと思います。報告書1ページの中程を御覧ください。いずれも申請者はヤンセンファーマ株式会社、予定される効能・効果は、全身性ALアミロイドーシスになります。
対象患者数ですが、全身性ALアミロイドーシスは指定難病であり、全国疫学調査において、2012年~2014年の本邦における患者数が3,200人と報告されていることから、指定基準を満たしていると考えております。
次に医療上の必要性について。本邦において、全身性ALアミロイドーシスに対する医薬品は承認されていません。自家造血幹細胞移植又は悪性形質細胞を標的とする薬物療法が行われているものの、有効性及び安全性に関する十分なエビデンスは得られておらず、全身性ALアミロイドーシスは予後不良な疾患となっております。ガイドライン等において治療の選択肢として書かれています、ボルテゾミブ、シクロホスファミド及びデキサメタゾンの併用療法、以下細胞CyBorDと言いますが、CyBorD療法を対照群として設定した国際共同第III相試験が実施されており、この併用療法ダラツムマブ、ボルヒアルロニダーゼアルファ配合注射剤を上乗せしたときの有効性が示されており、対象品目の医療上の必要性が高いと考えております。
開発の可能性です。先ほど御説明した国際共同第III相試験の成績を踏まえて、本邦において申請予定であり、開発の可能は高いと考えております。したがいまして、希少疾病用医薬品の指定の3要件を満たしていると考えております。よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○杉部会長 それでは、議題6~7について合同でお話いただきました。アミロイドーシスへの適応です。それでは、先生方から何か御質問、御指摘ございますでしょうか。特になければ、議決に入りたいと思います。本議題につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。指定を可として薬事分科会に報告させていただきます。
続きまして報告事項に移りたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項の報告議題1につきまして御報告させていただきます。資料8を御覧ください。本剤ですが、今回、医薬品エベレンゾ錠20mg、同錠50mg、同錠100mgの製造販売承認事項一部変更についてです。本剤ですが、ロキサデュスタットを有効成分とします低酸素誘導因子―プロリン水酸化酵素阻害薬です。現在、透析施行中の腎性貧血の効能・効果で承認がされております。
今般、アステラス製薬株式会社より、保存期の慢性腎臓病患者に対する臨床試験成績が追加されまして、この透析施行中の腎性貧血に効能・効果を変更する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。機構における審査の結果、本申請を承認して差支えないと判断しております。
続きまして、報告事項の議題2に移ります。報告事項の議題2、医療用医薬品の承認条件についてです。資料9のファイルをお願いします。イダルシズマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする医薬品、プリズバインド静注液2.5gの承認条件に係る御報告となります。
2ページです。本剤は平成28年9月に、「生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時」又は「重大な出血が予想される緊急を要する手術又は処置の施行時」におけるダビガトランの抗凝固作用の中和を効能・効果として承認され、その際、その下に書いてある承認条件が付されております。
今般、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社から、承認条件に基づいて実施された使用成績調査の結果に関する考察及び対応に関する報告書が提出されまして、機構において評価されましたので、御報告いたします。
同じページの下半分ですが、製造販売後調査の実施の経緯を御覧ください。本剤の審査過程におきまして、日本人への投与経験が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じることが必要とされました。
続きまして、3ページで、提出された資料の概要ですが、本調査は本剤を使用した全症例を対象に、平成28年9月28日より実施されておりまして、平成31年4月15日までに、本剤の投与が開始された692例の情報を基に調査結果がまとめられております。本調査において、収集された安全性及び有効性は製造販売承認審査時に検討された臨床試験とおおむね同様でした。8から9ページにかけてですが、総合評価の所を御覧ください。機構は、提出された資料から、承認条件は対応されたものと判断しております。以上を踏まえまして、今回の承認条件は満たされたものと判断しております。以上です。
○事務局 続きまして、報告事項、3つ目の議題である医療用医薬品の再審査結果について御報告させていただきます。資料10の関係になります。まず資料10-1ですが、有効成分名、「酢酸亜鉛水和物」、販売名が「ノベルジン錠25mg及び同錠50mg」です。
資料10-2が、有効成分名、「タフルプロスト・チモロールマレイン酸塩」、販売名が「タプコム配合点眼液」です。
資料10-3ですが、有効成分名が「ラモトリギン」、販売名が「ラミクタール錠小児用2mg、同錠小児用5mg、同錠25mg及び同錠100mg」。
最後、資料10-4、有効成分名が「ラモセトロン塩酸塩」、販売名が「イリボー錠2.5μg、同錠5μg、同OD錠2.5μg及び同OD錠5μgです。
これらの品目につきましては、製造販売後の使用成績調査、特定使用成績調査及び製造販売後臨床試験に基づきまして再審査申請が行われ、審査の結果、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち、効能・効果、用法・用量等の承認事項について、変更の必要がないカテゴリーIと判定させていただいております。報告事項については以上です。
○杉部会長 今の報告に関しまして、委員の先生方から何か御質問ございますか。岡先生、どうぞ。よろしくお願いします。
○岡委員 岡です。すみません。10-3のラミクタールなのですが、7ページにある有効性の所で、「著明改善」、「中等度改善」及び「軽度改善」の割合が72%となっておりますけれども、悪化したケースはなかったのでしょうか。なぜかと言うと、ラモトリギンという薬は、ナトリウムチャネルだけを抑制して、カルシウムチャネルには効かないので、同じような作用機序のフェニトイン・カルバマゼピンで欠神発作が増悪されるという報告もあると思います。ラモトリギンの臨床試験で、そういう増悪するケースは出てこなかったのかということを、教えていただければと思います。
○杉部会長 それでは、機構のほうから説明をお願いできますか。今の岡先生の質問にあったラミクタールにつきましては、有効性は72%ということですが、悪化例はなかったかということの御質問であります。
○事務局 事務局です。すみません。機構の担当が今、参加できていないようなので、確認して先生のほうに、部会後にお伝えさせていただく形でもよろしいでしょうか。
○岡委員 はい。それで結構です。
○杉部会長 ありがとうございました。それでは、ほかの先生、よろしいでしょうか。なければ、今の報告事項につきまして、確認いただいたものとしたいと思います。続きまして、そのほかの事項に移りたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 その他事項の一つ目、最適使用推進ガイドラインの対象となる医薬品の選定です。資料11-2をお願いします。まず、2ページのほうを先に御覧ください。平成29年9月15日付けの最適使用推進ガイドラインの取扱いに関する通知におきまして、最適使用推進ガイドラインの対象医薬品や作成の手続等をお示しておりますが、1番の「対象医薬品の選定の考え方」に記載されているような、このガイドラインの作成対象となる医薬品を選定した場合には、2番の手続の所に記載のとおり、直近の薬事・食品衛生審議会の担当部会に報告するということで、今回、御報告させていただいております。
1ページに戻って、具体的な品目ですが、大塚製薬株式会社から申請がなされている、アジョビ皮下注225mgシリンジ、一般名がフレマネズマブ(遺伝子組換え)です。そちらに記載のとおり、片頭痛発作の発症抑制に対する効能・効果に関して申請がなされておりまして、当該医薬品を最適使用推進ガイドラインの作成対象の医薬品として選定いたしました。今後、関係学会等に御協力いただきつつ、ガイドライン(案)の検討を進め、本剤の承認についてこの部会で御審議いただく際に、改めてガイドライン(案)をご確認いただく予定としております。以上です。
○事務局 続きまして、資料11-2、こちらも同じように、最適使用推進ガイドラインの対象品目の選定ですが、今回、こちらの品目、ファイザー株式会社の○○○○○○○○○○○○○○○○○です。一般名タネズマブ(遺伝子組換え)で、こちらに記載のとおり、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○変形性関節症における○○○○○○○○疼痛に対する鎮痛となっております。こちら、承認申請のほうが○月○○日に行われておりますので、こちらの医薬品最適使用推進ガイドラインの作成対象として選定させていただいております。なお、こちらの品目につきましても、先ほどと同様、関係学会等に御協力いただきつつ、ガイドライン(案)の検討を進めまして、本剤の承認について、部会で御審議いただく際に、改めてガイドライン(案)を御確認いただく予定としております。
続きまして、最後のその他事項の議題2です。医薬品・医療機器等の品質有効性及び安全性の確保等に関する法律の一部改正等について御報告させていただきます。資料12を御覧ください。資料12ですが、医薬品・医療機器等の品質有効性及び安全性の確保等に対する法律の一部改正、こちらは昨年12月4日付けで行われているところでして、このうち、審査に関係する事項が今年9月1日に施行されておりますので、内容のほうを簡単に御紹介させていただきます。
こちらの1ページ目の2.ですが、この医薬品第一部会に関係する内容といたしまして、マル1~マル3まで記載させていただいております。まずマル1ですが、関係する主な法改正の内容といたしまして、先駆けの医薬品及び特定用途の医薬品の指定制度の創設、並びに、条件付きの承認制度の明確化、これらが令和2年9月1日に施行されております。この改正に伴いまして、マル2ですが、薬事分科会規程とか、薬事分科会における確認事項への反映が行われておりまして、これらが今年10月1日付けで施行されております。
これらの施行によりまして、本部会の所掌に追加が2点ありまして、まず1点目は、条件付き承認の際に付す条件に関する事項、2点目として、先駆的医薬品及び特定用途医薬品の規定に関する事項です。これらにつきましては、今後、それぞれ品目が出てきましたら、指定に関する事項については、基礎疾病用医薬品と同じような形で、本部会のほうに諮問させていただくことになりますので、その際にまた御説明させていただければと思います。
また、法改正と併せて、マル3ですが、再審査の調査期間の延長に関する事項に関する規定というところで、再審査の延長の制度の見直しを行っておりまして、これまで、承認後に小児開発を行う場合に、2年、承認後に延長させていただいているところですが、参考3の関係で、ページ番号でいうと7/7分になるのですが、一番下の部分、今回、改正のところとしまして、小児に対する用法・用量設定に関する臨床試験を行う必要があると、承認時において明らかに認められた場合につきまして、審査終了までに開発計画が提出されまして、遅滞なく計画された臨床試験が開始された際には、調査期間を延長できると変更させていただいております。こちらにつきましても、具体的な品目名が来た際に、部会のほうに諮問させていただきますので、その際にまた御説明させていただければと考えております。その他の報告事項については以上です。
○杉部会長 その他の事項につきまして、今の説明に何か御質問ございますか。特になければ、その他事項につきまして、お話したことについては御確認いただいたものとしたいと思います。それから、先ほど岡先生のほうから御質問のあったラミクタールの件です。機構のほうで回答があるそうですから、よろしくお願いいたします。
○岡委員 お願いします。
○事務局 すみません。御質問への回答をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか。
○事務局 回答をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 「著明改善」、「中等度改善」、「軽度改善」の症例数が47例で有効率が71%ぐらいなんですが。一方、「不変」と「悪化」の症例数も一応あるとは思いますが、今、資料が手元にはないので、後ほど調べまして回答したいと思います。それでよろしいでしょうか。
○杉部会長 すみません。岡先生、また後ほど報告ということで、よろしくお願いいたします。ちょっと手違いがあったようです。申し訳ございません。本日の議題につきましては以上のとおりですが、事務局から何か報告はございますか。
○事務局 御審議ありがとうございました。次回の部会ですが、12月2日(水)午後4時から開催する予定です。また、状況に応じて、部会の開催方法につきましては、追って御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
○杉部会長 それでは、本日はこれで終了したいと思います。参加していただきまして、本当にありがとうございました。次回の12月2日もよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
( 了 )
 
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局 

医薬品審査管理課 課長補佐 柳沼(内線2746)