第1回障害者就労を支える人材の育成・確保に関するワーキンググループ(議事録)

日時

令和2年12月22日(火)13:00~15:00

場所

中央労働委員会 612号室(6階)及びオンライン

議事

○小林障害者雇用対策課課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第1回「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会 障害者就労を支える人材の育成・確保に関するワーキンググループ」を開催いたします。
皆様方におかれましては、お忙しいところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
本日のワーキンググループは、こちらの会場とZOOMを使ったオンラインで開催いたします。開催にあたりまして、簡単ではありますがオンラインについて操作方法のポイントを説明させていただきます。
ワーキンググループの進行中は皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言される際には、サービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックいただきまして、主査の許可があった後に、マイクをオンにしてお名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。会場にお越しの皆様におかれましては、発言される際には挙手をお願いいたします。
会議進行中トラブルがございましたら、事前にメールでお送りしております電話番号まで御連絡いただきますようお願いいたします。なお、通信遮断等が生じた場合には一時休憩とさせていただくこともございますので、あらかじめ御容赦くださいますようお願いいたします。
続いて、資料の確認です。本日の資料は議事次第、資料1~4、参考資料1~8、それとLITALICO様から机上配布資料を御提供いただいております。これらの資料に不備がございましたら、事務局までお申し付けください。
さて、本日は第1回目の開催ですので、本ワーキンググループについて簡単に御説明をさせていただきます。本ワーキンググループは、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会の下で開催されるものです。検討会の構成員のうち、駒村座長が指名する方に、議論の中心的な役割を担っていただく者として参画いただき、その他、実務経験や見識が豊富な方に専門アドバイザーとして出席いただいております。
それでは、参集者の皆様と事務局を紹介させていただきます。資料1の3ページを御覧ください。名簿順に御紹介をさせていただきます。まず、検討会構成員のうち座長が指名する者として、福島大学行政政策学類准教授の長谷川珠子様。長谷川様には本ワーキンググループの主査をお務めいただきます。
次に専門アドバイザーとして、大妻女子大学人間関係学部教授の小川浩様。
株式会社ベネッセビジネスメイトグループ雇用推進本部特命担当部長の今野雅彦様。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部研修課長の佐藤正美様。
特定非営利活動法人くらしえん・しごとえん代表理事の鈴木修様。
社会福祉法人釧路のぞみ協会自立センターくしろ・ねむろ障がい者就業・生活支援センターぷれんセンター長の髙谷さふみ様。
くすの木クリニック院長/NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク(JSN)理事長の田川精二様。
株式会社LITALICO代表取締役社長の長谷川敦弥様。
全国社会就労センター協議会副会長の松村浩様。
ビーアシスト株式会社人財開発部長の深水清志様。
常磐大学人間科学部准教授の若林功様。
また、本日は御欠席ですが、東京都立町田の丘学園統括校長の緒方直彦様にメンバーに入っていただいております。
以上の皆様に御参集いただいております。
続きまして、事務局を紹介いたします。
高齢・障害者雇用開発審議官の達谷窟。
障害保健福祉部部長の赤澤。
障害者雇用対策課課長の小野寺。
障害保健福祉部企画課課長の源河。
障害保健福祉部障害福祉課課長の竹内。
障害者雇用対策課地域就労支援室室長補佐の岡田。
障害保健福祉部障害福祉課課長補佐の石井。
そして、私が障害者雇用対策課課長補佐の小林でございます。
また、オブザーバーとして文部科学省初等中等教育局特別支援教育課課長補佐の川口様、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部に御参加いただいております。なお、本ワーキンググループにつきましては、主査代理を小川様にお願いしたいと思います。小川様、よろしくお願いいたします。
それでは議事に入ります。以後の進行は長谷川主査にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○長谷川主査 皆様、こんにちは。検討会の駒村座長から本ワーキンググループの主査に指名していただきました。よろしくお願いします。冒頭から、不馴れなことが皆様に伝わっているかと思います。非常に、主査になるべき者ではないのですけれども、なるべく皆様と議論を一緒にしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日は議題のとおり、まず本ワーキンググループの進め方、現状の専門人材について皆様で共有した後、論点に沿って自由に御意見を頂きたいと思います。それでは、議題1について事務局から説明をよろしくお願いします。
○小林障害者雇用対策課課長補佐 障害者雇用対策課課長補佐の小林でございます。それでは、議題1について説明をいたします。本日は第1回目ですので、先ほども簡単に申し上げましたが、本ワーキンググループの位置付け、今後の進め方について確認をさせていただきます。資料1を御覧ください。1の概要にありますとおり、ワーキンググループは検討会の下に開催をされ、2にあります3つのテーマについて、論点整理など集中的に検討を実施するものであります。
本日、御参集いただいた専門アドバイザーの皆様は、今回が初めての参加ですので、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会について簡単に説明をいたします。参考資料1を御覧ください。1の趣旨にございますとおり、障害者の就労支援については雇用施策と福祉施策の連携が進んできましたが、まだまだ課題があると認識をしております。また、平成31年の障害者雇用促進法の改正の審議において、衆参両議院からの付帯決議にて、雇用施策と福祉施策の立体展開の推進を審議できる体制を速やかに整備することとされたところです。そこで、こうした点を踏まえて障害者雇用と障害者福祉が連携して対応をしていけるよう、まずは厚生労働省の内部でプロジェクトチームを立ち上げまして、本年9月に中間報告をまとめました。その内容は参考資料3、4に付けておりますので、後ほど御参照いただければと思います。
その中間報告に沿って更に議論を深めるべく、障害者雇用担当の職業安定局と障害者福祉担当の障害保健福祉部が合同で事務局を務め、また、外部委員にも参画いただきまして、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会を11月に立ち上げました。メンバーは3ページのとおりです。学識、労使、障害者団体、教育関係者、自治体など幅広い方に御参画を頂いております。座長は慶応義塾大学経済学部の駒村教授にお務めいただいております。
検討会のスケジュールについては、参考資料2のとおりです。11月6日に立ち上げた後、これまで2回、障害者団体などの関係者からヒアリングを実施いたしました。その上で深く掘り下げるべきテーマについては、3つのワーキンググループを開催して議論を深めていくこととしております。各ワーキンググループでまとめた意見は親会である検討会に報告をし、来年の6月頃には検討会としての報告をまとめる予定です。
それでは、資料1に戻ってください。先ほど申し上げましたが、検討会の下、ワーキンググループで議論を深めていただきたい事項は、2の検討テーマに掲げております3点です。いずれも中間取りまとめでお示ししたものです。1つ目が、障害者の就労能力等の評価のあり方、2つ目が障害者就労を支える人材の育成・確保。そして、3つ目が障害者の就労支援体系のあり方です。
本ワーキンググループは、このうち(2)の障害者就労を支える人材の育成・確保について議論を深めていいただくものです。後ほど、本ワーキンググループの詳細な論点は御説明しますが、雇用・福祉施策を跨がる横断的なものとして、求められる役割・スキルの変化に対応した統一的なカリキュラムの作成や共通の人材育成の仕組みの構築などについて検討することとしております。
続いて、本ワーキンググループの参集者については、冒頭御紹介したとおりです。第1ワーキンググループ、第3ワーキンググループについても、資料2に参集者を載せておりますので参考にしていただければと思います。ワーキンググループのスケジュールは年度内に3つのワーキンググループ、それぞれ4回程度開催をしまして意見を取りまとめることにしております。詳細な日程については5ページに載せております。なお、3つのワーキンググループについては、それぞれ議論を進めるにつれて内容がオーバーラップする部分もあるかと思います。その点は各ワーキンググループの主査とも御相談させていただきながら、事務局で整理をしたいと思いますが、本ワーキンググループに参集の皆様におかれましても、第1、第3ワーキンググループについて傍聴いただくことは可能でございます。適宜、事務局までお申し出いただければと思います。議題1については以上です。
○長谷川主査 ありがとうございました。それでは、質疑応答に入りたいと思います。御質問、御意見がありましたら、会場にいらっしゃる方は手を挙げていただいて、オンラインの方は、「手を挙げる」のボタンがありますので、そちらをクリックしていただきたいと思います。私が指名させていただきますので、お名前を名乗っていただいて御発言ください。よろしくお願いします。よろしいですか。では、御了承いただいたということで、次にまいりたいと思います。
では、議題2及び3について、まとめて事務局から説明をよろしくお願いします。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長小野寺です。私からは、資料2、3、4と参考資料5、6、7、8、適宜触れながら御説明させていただきたいと思います。
まず、資料2を御覧ください。「専門人材の役割と職務の整理表」ということで、整理をしております。障害者就業・生活支援センターには、就業支援担当者、生活支援担当者が配置されておりますが、就業支援担当者については、相談から就職の準備、職場定着に至るまでの一貫した支援をしている、プランニング・コーディネートをする役割ということで、その中でも主任就業支援担当者は、個別の支援計画を策定し、地域における就労支援全般をマネジメントする、あるいは就労支援ネットワークを構築できるような能力が求められており、就業支援担当者については、この主任の下でそれぞれ支援を行っているという状況です。
併せて、主任職場定着支援担当者については、職場定着について、特に困難な事例における支援の実施や、地域のジョブコーチ等への助言なども行うことになっております。併せて、生活支援担当者については、特に生活上の相談等について、日常生活又は社会生活に必要な支援を行うといった役割の下、配置をされております。
ジョブコーチについては、訪問型と企業在籍型とありますが、いずれも障害者の職場適応を容易にするために、職場においてアセスメントを行ったり、事業所内の調整、職場での集中的支援からフォローアップまでのきめ細かな人的支援を行うという役割であり、特に訪問型ジョブコーチについては、支援先事業所に介入していって、その課題の解決に向けての支援を行うといったことになっております。
就労継続支援A型・B型、就労移行支援事業、就労定着支援事業に係る専門人材については、まず就労定着支援員ということで、この方たちは、主に定着を図るために関係機関との連携調整などを行うという役割です。また、就労支援員については、一般就労に必要な様々な支援を行うと。特に、企業のマッチング、あるいは実習のコーディネートといった一般就労化に向けての、対企業に対しての支援を行っていらっしゃる方ということです。この方たちについては、いずれも、就労定着支援員の方は就労定着支援のみに配置、あるいは就労支援員の方については就労移行支援のみの配置になっております。
そのほか、職業指導員の方は、生産活動の管理や作業場面での指導を通じて就労能力の向上を支援している方です。また、生活支援員については、事業所内外において、障害者の方の日常生活全般に対する支援を行っているということです。また、サービス管理責任者については、個別支援計画を策定しサービスを管理する立場であり、そのほかの支援員の皆さんたちは、サービス管理責任者が策定した支援計画に基づいて、それぞれ支援を行っています。
資料3を御覧ください。資料3については、「専門人材の研修体系のイメージ」ということでお示しをしております。今、資料2で御説明申し上げたそれぞれの専門人材の方が、図の下から上に向かって、職務のスキル、経験年数がだんだん高くなっていくというイメージ図で、どういった研修が用意されているかを御覧いただいております。
まず、一番基礎的な部分といたしましては就業支援基礎研修があり、これは全国の地域障害者職業センターで実施をしております。就業支援の基礎作りの研修です。この研修については、就労支援員の方については、これを受講・修了すると報酬加算があるということで、一定のインセンティブがあります。
ただ、この受講者数2,652人、直近の実績ですが、これの約半分ぐらいは、移行支援事業所の方がお受けになっているということですが、ほかにも、ナカポツセンターとか学校関係者、医療関係者など、広く多様な方が受けにきていらっしゃるということです。
ですので、図としては、ナカポツのほうに広がった形での横の広がりをイメージしておりますが、なかなか全体としての受講ニーズのパイに対して、必要な分が用意できているかというと、必ずしもそうではないという声もあるようです。
それらを受ける方もいらっしゃいますし、その上に重なったような形でイメージしておりますが、それぞれの専門人材に特化した研修も用意されているわけですが、必ずしもこの就業支援基礎研修を受けてから、その上位の研修を受けるといった建付けにはなっておりませんので、どこから入口として入ってくるかは、それぞれの方次第になっております。
ナカポツセンターで御覧いただきますと、まずは、最初の新任担当者に対しては、就業支援担当者研修が用意されております。障害者職業総合センターで実施され、その上位研修としては、スキル向上研修とか主任就業支援担当者研修といったことが用意されております。
また、ジョブコーチについては、訪問型、企業在籍型、それぞれに職場適応援助者養成研修、これがいわゆるジョブコーチとしてのスタートの研修になるわけですが、就労定着支援員に対しては、この研修の修了者に対して報酬加算があるということで、一定のインセンティブがあります。こちらの職場適応援助者養成研修を受け、また、実践を積んでいただいた上でスキル向上研修が用意されていると。ただ、年間で1,500人弱の方が養成研修を受けていらっしゃいますが、スキル向上研修が数十人ということですので、必ずしもこの上位の研修に多くの方が行っていらっしゃる形ではない状況が見て取れます。
先ほどの就業支援基礎研修の大きなルートとしては、その上に就業支援実践研修、スキル向上研修という形、あるいは課題別セミナーといったものも用意されており、それぞれ受けていただいていると。
また、サービス管理責任者関係については、ほぼ独立した形でのこういった体系的な研修が用意されているということです。また、専門人材については、例えばハローワークの職員だったり、障害者職業センターのカウンセラーといった人材も、もちろん含まれるわけですが、ハローワークの職員については、中央研修所として労働大学校が用意されており、ハローワークの職員がそこで研修を受けていることと、障害者職業カウンセラーについては、JEEDのほうで独自で研修、人材育成を行っておりますので、こちらからは除いております。ただ、就業支援基礎研修などでは、ハローワークの職員の方なども入っていたり、自らそういったことで参加している者もいるかとは思っております。全体の研修体系のイメージとしては、以上です。
続いて、こういった現状を踏まえた上での「第2WGにおける論点等」ということでお示しをしております、資料4を御覧ください。障害者就労を支える人材の育成・確保に係る現状の課題としては、中間取りまとめにも記載がありますが、まずは雇用、福祉それぞれの現場、これに対して双方の分野に係る知識・スキルを十分に有していないことが散見される中で、「福祉」から「雇用」、「雇用」から「福祉」といった、それぞれのサービス、支援が切れ目なく円滑に提供されていないのではないかといったことが1点目。障害種別についても多様化しておりますし、また、そういった方たちの就業ニーズも様々になってきている中で、これに対応できている人材が質・量ともに不足しているのではないかという意味で、まずは人材の高度化といったことにも課題があるかと考えております。
その上で論点として、こういった課題に対してどういった人材育成をしていくのかということで申し上げますと、1点目は、雇用、福祉の分野横断的な基礎的な知識・スキルをもっと確実に付与できないか、そういった必要があるのではないかといったこと。現行、就労支援基礎研修が用意されているわけでありますが、これについては3日間の非常に基礎的なところであり、本当にこれで十分なのかということと、受講されている人数がかなり限られているのかというところで、さらに厚みと広がりが必要ではないかという認識です。それから、例えばこういった分野横断的な基礎的知識・スキルを付与するものを一定の厚みを持って用意するとした場合に、そこで付与すべき求められる知識・スキルはどのようなものであろうかということ。併せて、そういった基礎を付与した上でのそれぞれの専門人材に求められる高度化について、階層的な垂直方向への人材の育成についてどう考えるかです。
2つ目は、人材育成の対象についてということで、基礎的な知識・スキルを付与する、そういった付与すべき対象をどう捉えて、どういう方たちに対して実施をしていくのか。例えば、いずれかの研修の上位研修に入る前に、悉皆的にこの研修を受けていただくといった枠組みも考えられるかと思いますが、いずれにしても、こういった基礎研修からの悉皆的な枠組みをどのように考えるか。また、専門人材については、一定このような形で整理をしておりますが、この範囲についてどう考えるかです。
3点目は、人材育成の実施主体についてです。今現在、就業支援基礎研修については、全国の地域障害者職業センター、全国に52か所ありますが、こちらで行っております。ただ、それで本当に十分なのかということと、併せて、さらにこの研修自体を充実していく際には、対応しきれない部分も出てくるだろうという可能性を踏まえ、実施主体をどう考えていくのか。ジョブコーチの養成研修などでは、民間の養成機関を指定した上で、官民でやっている形になっておりますが、そのように官民の役割分担を考えながら実施主体を考えていく方向性もあろうかと思います。また、そのように様々な実施主体が参入してきた場合に、研修の質の担保をどのように考えるかといったこと。それら3つの大きな論点について実効を高めていく上での留意点について、どのようなものがあるかです。
第2ワーキングでは、主に人材に焦点を当てて議論いただくことになりますが、人材の確保・育成を議論する場合に、その方たちが配置されている所属機関のあり方などにも影響する話でもあります。そういった意味では、第1、第3、それぞれのワーキングと関連する要素もあろうかと思いますので、まず、中心的には人材育成というアプローチで議論をしていただきたいのですが、関連する部分としての意見を拒むわけではありませんので、幅広く御意見を頂ければと思っております。
併せて、参考資料5以降について簡単に御紹介をいたします。参考資料5については、今、御説明申し上げました各研修カリキュラム、それぞれのどういったことを講義、演習などで御用意しているかを共有する資料です。それぞれ独自の専門人材に求められる支援のあり方や支援プロセス等を付与している部分もありますが、例えば障害特性に係る知識とか、障害者雇用現状に対しての知識の付与といった共通する部分も見て取れるかと思っております。
併せて、参考資料6を御覧ください。こちらは、障害者雇用対策課で私の下に、今、開催をしている研究会です。職場適応援助者養成研修のあり方に関する研究会ということで、第2ワーキングにも御参画いただいております委員の方も多く入っておられます。ジョブコーチ養成研修については、10年近くカリキュラムについての見直しが行われていなかったことを踏まえ、それ以降、例えば精神障害者、発達障害者は非常に増えているとか、合理的配慮の義務が課されているとか、就労支援機関も非常に多様になっていること、現状の変化を踏まえての、まずは足下でのカリキュラムの見直しを現在行っているところです。
資料の4ページを御覧ください。研究会といたしましては、報告書を今年度末に取りまとめる予定でして、今、ここにお載せしておりますのは、現時点での骨子案ですが、今現在での研究会報告書なり研究会での議論の方向性を少し御紹介申し上げますと、先ほど申し上げたように、精神・発達障害者の増加とか、あるいは就労系福祉サービスが非常に多様化しているとか、合理的配慮の義務が課されているといった、障害者雇用自体の様々な状況の変化、これを踏まえれば、支援のジョブコーチに求められる役割・スキルについても、例えば仕事内容が現業系から事務系に変わっていたり、雇用管理自体が集中型・グループ型から分散型へ変わっていたり、あるいは支援内容が、直接現場に入る作業支援から人間関係等の職場環境の調整へといったように、様々な影響が見られるところですが、依然としてジョブコーチの基礎的な役割、求められるスキルは大きく変わっていないのだろうという方向性になっております。
その上で、ジョブコーチ自体の人材育成について、幾つかの中長期的な課題が指摘されております。まずはジョブコーチのみならず全体の就労支援に係る人材についても、医療とか生活困窮とか児童支援とか、様々な裾野の分野が広がっているという中で、雇用、福祉それぞれの専門職のあり方を考えたときに、両者を見据えたニーズがあるだろうということで、今回、論点にもお載せしておりますが、横断的、基礎的なスキル等を習得できる研修、こういったことが必要ではないかといった指摘があります。
併せて、ジョブコーチ養成研修については、これからジョブコーチ支援を始めるということで受けていただくものですが、その後、スキルアップのためには知識・実務、実践を積んだ上での新しい知識の付与というステップを示すことが重要ではないかといったこと、あるいはスキルアップ研修を実施する際には、修了することで制度上何らかのメリットある仕組みも同時に検討すべきではないかということが指摘されているところです。もし必要でしたら、また小川先生などにも補足いただければと思っております。
参考資料7は、親会である検討会での主な意見。各団体からのヒアリングにおいて頂きました主な意見として、参考資料8をお示ししております。特に、参考資料8については、2ページに専門人材の育成・確保をどう考えるかについての意見がまとめられておりますので、御参照いただければと思います。私の説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。それでは質疑応答に入りたいと思います。ただいまの事務局からの説明を踏まえ、皆様から自由に御意見を頂きたいと思います。質問や御意見がありましたら、会場にいらっしゃる方は挙手をしてください。オンラインの方は、「手を挙げる」のボタンをクリックしていただきたいと思います。私が指名させていただきますので、お名前を名乗って御発言いただくようお願いいたします。
皆様、それぞれのお立場で御参加だと思います。人材育成に関しても、正に育成に関わる方もいらっしゃるでしょうし、人材の方と一緒に働いていきたいという方もいらっしゃると思いますので、是非、お互いに知らない情報等を交換しつつ、分からないところがあれば事務局だけに質問ではなくて、委員同士で議論や質問ができると非常にいいと思っております。自由に御発言ください。よろしくお願いします。では田川アドバイザー、よろしくお願いします。
○田川アドバイザー くすの木クリニックの田川です。人材育成に絞って考えてみると、1つはサービス管理責任者の問題を最近感じています。大阪府が、全然就職させられない大阪府下の就労移行支援事業所に対して、どうしたらたくさん就職に導けるかということを含めた、相談事業を始めました。手の挙がった所に、JSNがそれを受けて相談に乗るわけです。その中で本当にこの辺が困っているということがこちらもリアルに分かる困り事を相談される事業所と、ここは全く分かってないんじゃないかという事業所があります。
話が通じないわけです。なんであそことは話が合わへんのやろと思って見たら、その就労移行支援事業所のサービス管理責任者が就労移行の経験がない。今、就労移行支援事業所は、たくさんの就職ができている所と、ほとんど就職させられていない所の二極分解しているとも言われます。就労移行の支援を経験したことのない人が旗振り役だったら、それはあかんやろう、そうなっちゃうやろうと思うのです。
せめて、就労移行支援事業所のサービス管理責任者になるのに、今までの経歴ですね。何名の就労支援をして、その中で何名を自分が中心になって就職させたかということを、初めにしっかり経歴を提出した上で審査をして、そこで認める認めないということがあってもいいのではないかと思います。それが1点です。就労移行支援事業所のサビ管に、就労移行の経験がなかったというのは笑い話みたいですけれども、実際にそういう所があるわけです。
もう1つ。私は、ジョブコーチはとても大事な役割だと思っています。大阪でもジョブコーチ研修があって、毎回私のほうに話があるので精神の話をさせていただいています。そこに参加される方というのはとても熱心に聞いてくださって、感想も非常に熱心に書いてくださるのですけれども、その感想を見ていると、何日間もかなりしっかりした研修があるのですけれども、知識としてそれを得たとしても、本当にジョブコーチができるのかというのが、とても不思議に思うときがあるのです。
それと、そこから実際にジョブコーチに入る方はとても少ないという現状があると。小川先生がおいでなので、今までもそういう検討がされていると思うのですけれども、ジョブコーチというのは初めに研修を受けて資格を取るだけではなく、例えば2年ごとの更新制にして2年間のジョブコーチの実績を報告する。それを入口にするか出口にするかはともかく、報告を一応義務化したり、非常にレベルの高いジョブコーチであれば、そういうものに事例報告を2例付けるとか、この1年間に何名、どういう人をジョブコーチとして支援していったかという報告があってもいいのではないか。専門的なジョブコーチであれば、そういうことがとても大事になるのではないかと思います。
それと、もう1点。ジョブコーチというのは、我々からすると不採算事業なのです。専門家としての給料は到底その範囲では出せないし、1回ジョブコーチに行ってフルに動いても、交通費はその中に含まれるわけです。だから、もし専門的なスーパージョブコーチのような資格を作られるとしたら、やはりそこに対する報酬を考えていただかないと、専門家としての給料は払えない。
○長谷川主査 ありがとうございました。今のことに関連して、私が事務局に質問するのも変なのですが、まずサビ管になるためには資料3に、研修受講と実務経験が要件と書いてあるのです。これは移行支援の経験でなくてもよいということなのでしょうか。
○石井障害福祉課課長補佐 障害福祉課の石井です。今の主査の御質問を端的に答えますと、就労移行支援のサビ管になるに当たっては就労移行支援の経験でなくても、要件を満たしていれば大丈夫です。実務経験として認められる経験を経た方であれば、この研修の受講資格等はあります。あと、本日は障害福祉サービスの事業者もいらっしゃいますので、実態としてどうなっているか等も主査のほうから御質問なり、委員の皆様からも御発言があれば幸いです。制度の事実関係としては以上です。
○長谷川主査 実務経験の実務というのがどの辺りなのかも、是非、後でお聞きできればと思っております。田川アドバイザーの2つ目の点ですが、感想を書いていただいてもその内容を見ると、本当に帰ってからジョブコーチができるかどうかが不安になることがあるとおっしゃいました。もう少し具体的にお聞きしてもよろしいですか。
○田川アドバイザー 私は精神の部分を受け持って、1時間びっちり話します。お疲れだと思うのですけれども、みんな本当に熱心に聞いてくださるのです。でも、その感想の中に「精神の話は初めて聞いた」とか、「今まで精神というと、知的障害者のようなものかと思った」などと書いてあるのです。そういう知識を新しく得ていただいて、それに対してこれから何かやっていこうと考えられるのはとてもいいことだし、大事なことだと思うのですけれども、ジョブコーチの仕事というのはそれだけではないですから。それを踏まえて、その方をどう理解し、企業の仕事などを理解して、それをいかに調整していくかということをやらなくてはいけないのですが、そういうことがあの研修だけでできるとは思えないのです。
○長谷川主査 ありがとうございました。大変勉強になりました。では、ほかの方も是非御発言ください。今野アドバイザー、どうぞよろしくお願いします。
○今野アドバイザー ベネッセビジネスメイトの今野です。よろしくお願いいたします。ベネッセビジネスメイトはベネッセコーポレーションの特例子会社で、2005年5月に設立し現在16年目に入っている会社です。特例子会社の社員数は240名で、障害者が約200人です。グループ全体では1万9,500人に対し、障害者が500人という会社です。特例子会社以外では、ソシアスというA型事業所で約100人、スタイルケアという介護の会社で約160人が働いております。
弊社の最大の特徴は、特例子会社が本体の社長室直下にあるという点です。業務は人事・総務系のシェアードからファシリティに至る様々なサービスの提供、清掃、健康管理と多岐にわたっております。コロナ禍において、主力であるゼミのテキストに関連した業務、特に印刷関係は本体社員の働き方改革によって大幅に変化してきており、その対応に追われているところですけれども、改めて一人一人の強みを見極めながら得意とする業務にシフトするなど、現在ジョブチェンジに取り組んでいるところです。
私個人としてはこの10月まで、埼玉に拠点のある介護の特例子会社の社長を10年勤めておりました。途中からは就労継続A型事業所も立ち上げ、そちらの社長もしておりましたので、職業生活相談員から始まり、職場適応援助者の養成研修を受講しております。また、福祉のほうではA型を立ち上げる際に、サービス管理責任者の講習も受講しております。そうした関係から、ここで議論される専門人材の養成課程については、私自身も関わっているという観点から発言をさせていただくことができるかと思って参加いたしております。
そのような立場から申し上げますと、先ほど田川アドバイザーがお話されたことと非常に近い経験をしております。最近の福祉における就労系の事業所の職員の中には、率を御存じないだけではなく、法定雇用率というもの自体があるのかないのか、そういうことも御存じない方が会社に尋ねてこられることがあります。あるいはジョブコーチの養成研修を受けられたということで話が盛り上がったときに、「構造化」という言葉とか、「システマティックインストラクション」ということについて、えっ、何ですかという感じで質問される方もおられ、そういう方々と一緒に仕事をしなければいけないのかという感じがあります。そういう意味では企業としても、せっかく送り出した人がそういうことでは損失でもありますから、一定のスキル、レベルは確保してほしいと思うところです。
昨日のワーキンググループは、私も傍聴させていただきました。共通言語ということが話題になっておりましたけれども、福祉の移行支援、就労継続支援から就労の現場に至る様々な場面において、特に最近は定着支援ということが言われております。それに携わる人たちが共通の言語、あるいは共通認識、今、田川委員が言われたような認識を持つことは、非常に大事ではないかと思います。人も変化していきますし、会社組織も変化していきますし、それに応じた専門人材自身も変化に対応していかなければいけない。そういうスキルアップというイメージを設けていくことは必要ではないかと思っております。以上です。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。ほかの方はいかがでしょうか。では、小川アドバイザーから先にお願いします。
○小川アドバイザー 大妻女子大学の小川です。就労支援の人材の問題には様々な課題を感じますけれども、就労移行支援事業や企業の障害者雇用担当の方や相談関係、病院のPSWや障害福祉サービスの相談関係の方というように本当に裾野が広がって、私がジョブコーチの仕事を始めた20年くらい前と比べて、人材の質が下がったというようには必ずしも思っていません。ただプロセスが分断されて、それぞれの方が自分の担当する分野だけを非常に近視眼的な見方で就労支援に取り組まれているなと感じます。
昔の話はあれですけれども、地域障害者職業センターには職業カウンセラーがいて、全体の職業リハビリテーションのプロセスをちゃんと見て管理し、職業評価の担当者、職業準備支援の担当者、ジョブコーチ、そして企業との調整は更に職業カウンセラーが具体的にやるというような仕組みで、就労支援や職業リハビリテーションというのは的確に遂行されるというように私は教育を受けてきましたし、実際に地域の中でそういった仕組みができると思って仕事をしてきました。ただ、現状ではナカポツセンター、移行支援事業、あるいは病院のデイもジョブコーチもいますけれども、横の連携がなかなかできません。
これは労働と福祉に跨っているという問題と、福祉サービスのほうでは報酬単価が1つの単位で、単位でというのは、この事業をやったら幾らというように、やはりプロセスが分断される形で報酬単価が出ているので致し方ないのかなと。これはどちらかというと制度や仕組みが拡充された影響で、これまで就労支援は全体のプロセスとして、連携してきちんと行おうとしていたものが分断されてしまったのかという印象を持っています。ここは早急にはなかなか改善が難しいところかもしれませんけれども、やはり共通言語を持って、共通理解を持って、自分が全体のプロセスでどこを担当し、どことの連携が必要かということを意識できることが重要だと思いますので、人材に関するワーキングというのは、非常に重要な役割を担っていると思います。
ジョブコーチの話が出ましたので、ジョブコーチ養成研修を担当している立場で少し述べさせていただきます。職場適応援助者養成研修の過去3年間の修了者を対象に、ジョブコーチ連絡協議会が調査を行ったところ、職場適応援助者の助成金を利用する者は12%でした。ですから1割ぐらいしか、助成金の下でのジョブコーチとして稼働する人はいないだろうということです。では、残りの割合はどうかと言いますと、企業在籍型ジョブコーチの方たちが6割ぐらいを占めています。この方たちは立場がいろいろで、業務分担も様々であれ、障害者雇用の最前線で基本的な知識を欲しいと思っておられる方だと推察します。一方、障害福祉サービスのほうから受講される方は、やはり報酬の加算が大きく影響しているかと思います。もちろん基礎的な知識や技術を身に付けたいという方が重複していると思いますが、加算というのは訪問型ジョブコーチの受講のモチベーションに大きく影響していると思います。
端的に、もう少し短く話しますけれども、施設内で作業指導だけをやる人とか、企業側に働き掛ける就労支援員の方とか、あるいは定着支援で企業側に働き掛ける方とか、役割や範囲は様々です。これらを全部、ジョブコーチ養成研修の最低42時間のプログラムでカバーするのは困難です。先ほど田川アドバイザーから御発言のあったように、本当に基礎的な知識を必要とされる方から、もう上級ジョブコーチバージョンの内容を必要とされている方まで様々です。したがって、ジョブコーチの養成のあり方に関する研究会では、スキルアップ研修にとにかく具体的・専門的な内容を持っていかないと、こういった様々なことが必要だということを議論されたのですが、ジョブコーチ養成研修のカリキュラムの中では、それを収めることができないという状況だと思います。
そこで、この研究会に期待したいことです。そういった状況がありますので、やはり就業支援の基礎研修を横断的なものとして、きちんと確立できたらよいのではないかと思います。そうするとジョブコーチの養成のほうも基礎的なところはそちらに譲って、ジョブコーチとしての専門性をきちんと教える研修になれるのではないかと。ただ、ジョブコーチといってもジョブのコーチ、仕事を教えるぐらいの基本的なジョブコーチから、中小企業の障害者雇用の立上げ支援、仕事の切出しから助成金の使い方、あるいは雇用管理についての助言などができるジョブコーチが非常に必要だと思います。そういった上級ジョブコーチも、更に上に乗っかるといいのではないかと考えます。そういった検討ができると幸いです。
また、就労支援の人材というのは本当に枯渇しているというか、ここに興味を持ってくれる人材はなかなかいません。キャリアの方たち、既に仕事に就いている方たちの中からリクルートするのも難しいですし、高等教育で担当していても、そういった学生を発掘するのに大変苦労しております。高等教育機関で就労支援分野の人材をどのように確保し、教育し、必要な所に送り出していくか。ここについても本格的な検討をお願いしたいと思います。長くなりましたが、以上です。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。昨日の第1ワーキングなどでも、共通言語とか共通理解というのが話に出ていたと思います。今のお話で言うと、もちろんそれぞれの担当分野がある程度専門的になるというのはある上で、自分がその全体の中でどこを担っているのかが非常に重要だとおっしゃったのですが、では、その全体というのは、どこまで広げたら全体になるかということについて御意見があれば是非伺いたいです。
○小川アドバイザー それについては一言で言うと、やはりゴールである障害者雇用の現場で、どういった状況が起きているのかという知識・イメージが持てるということだと思います。そこを持っていれば、最初の起点の就労相談でどういった方向性に持っていったらいいのかとか、就職の前のアセスメントは何にして、何を企業に伝えていくべきかとか、その人の強みや弱みですね。この方は中小企業のこういった現場だったらできるけれども、大企業の特例子会社はフィットしないだろうとか、そういったゴールのイメージを持つことが肝になると思います。ですからジョブコーチの養成研修というのは重要ですが、その手前の本当に基礎のところまで42時間でカバーしなければならないというのは、なかなか厳しい現状があります。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。先ほど髙谷アドバイザーが手を挙げていらっしゃったので、先に髙谷アドバイザーにお話いただきます。
○髙谷アドバイザー 髙谷です。先ほど田川アドバイザーのお話などにもありましたように、サービス管理責任者の経験は、1~5年以上の実務経験のある方です。なおかつ、ここについては何らかの資格をお持ちの方というのが付いています。無資格の方は実務経験10年以上で受けられるようになっています。地域、就労など分野ごとにサービス管理責任者のコースも違っているのです。ただ、受講要件として就労は就労の経験者の経験実務を問うているものではなくて、サービス管理責任者の研修を受けるには、どの分野でも福祉の経験さえあれば、受講できるというのが現状です。
では、私たちの地域ではどういうことが起きているのか。今の制度では、企業というか、いろいろな産業から就労の事業所が立ち上げられます。サービス管理責任者になれる人材の募集をかけていくと、介護の分野で働かれていた方、訪問介護、私たちが通常「ヘルパーさん」と呼んでいる職種に長く携わってこられた方が、就労移行のサービス管理責任者や定着支援のサービス管理責任者になることが可能になっているのが現状です。
実践研修があって、更新研修があります。これらは義務付けになっているので、サービス管理責任者になったら受けなければいけない研修になっています。就労支援のないサービス管理責任者の方は実際にその事業に携わってから、就労というのはどういうことなのかということを勉強しつつ業務にあたっていると思います。サービス管理責任者の研修の内容は、相談支援事業所とどういうように関わっていくのかとか、個別支援計画の作成の手順とか、ご本人が中心の内容になっていると思います。なので、就労の基礎研修の15時間の部分を網羅しているかというと、サービス管理責任者の研修は、基礎研修の部分を網羅していないのではないか、一般企業への就労に関する情報が少ないと思います。
参考資料5をもとにお話させていただきます。実は、私はサービス管理責任者も含めて、この研修を全て受講しています。そういう立場から考えてみると、ナカポツの就業担当者研修よりも、ジョブコーチの養成研修のほうが多く学ぶことになると思います。実際に提供されている内容も、ジョブコーチの養成研修のほうがより実践的な内容が入っていると思います。そして就業担当者研修のほうは、課題分析や相談の部分が自由選択で受けられるという内容になっていると思います。
就業担当者研修もジョブコーチの養成研修も、就労支援に1年以上携わった者というのが要件にあったと思います。基礎研修は今日から就労支援になった方、本当に基礎研修としていける部分ですが、ここは要件がなくて受けられていて、本当に基礎知識を受けていけるものだと思うのです。
このステップの入口にあたる基礎研修を充実していく、例えば、ジョブコーチの養成研修の要素を盛り込んでいくことで、皆さんに知識の付与というのが行えると思うのです。
それからステップ2になる部分は必須ではないです。受講を義務付けるのではなく、希望のある方が就業支援、ナカポツのスキル向上研修についても、その受講を希望されますかという案内になっています。なので、ナカポツには3年配置をしているけれども、そのセンターで希望されなかったら受講しないということになるのです。そうすると、研修としては用意されているものの、お受けにならないセンターも出てくるでしょう。主任就業担当者研修は、主任になったら必須になっているので、この中を飛ばして主任の研修を受けるということも出てきています。ジョブコーチのスキル向上研修に関しても自由参加、希望になっていると思います。やはりジョブコーチは現場に日々入るので、1年以上たつとかなりの経験を持ちます。先ほど小川先生も言っていましたが、企業の中の調整といった視点も、実践としてかなり積んでこられていると思うので、そこも必須にしていく。そうすることで。就労支援について更に深まりを見せるだろうと思っています。
では福祉サービスの方たちは、基礎研修を受けると加算の対象になります。サービス管理責任者は受講が必須ですが、就業支援担当者も基礎研修は必ず受講するとか、ステップ2の実践研修も自由参加ではなくする。内容ですが、これは障害に特化した実践研修になっているので、就労支援プロセスのところはより地域とのマネジメントとか、企業におけるコーディネートの仕方というところがあると、就労支援スタッフはより実践的に活躍できるのだろうと思います。
このようなことから、研修の中身をもう一度検討していただくことと、今あるそれぞれの専門的な問題解決の技能の向上などは、オプションで受けていけるような方法も残しつつ、まずは就労支援のプロセスをしっかりと学べるような体系があると、福祉サービスの事業者たちも良いのではないかと思っています。サービス管理責任者も、就労支援プロセスの理解、自分の事業の中での職員マネジメント、加えて企業や地域に対するコーディネートが充実できると、人材育成としてはいいのではないかというのが私の中のイメージです。以上です。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。非常によく分かりました。研修を全て受けていらっしゃるということで、本当にすごいなと思ったのですが、その中で実際に受けられて重複感とか、穴があるなとか、重複があっても別にそれぐらいだったらいいのではないかという、感想があれば是非お聞かせください。
○髙谷アドバイザー 重複はあると思いますが、重複が必要だと思います。それは就業生活支援者の就業支援者担当研修とジョブコーチの養成研修です。これは重複していなければ、就労支援の流れについてですので、その所で困ると思います。養成研修がそれプラス支援記録の作成だとか、より具体的に実践がかなうようになっていっていると思います。
あと、基礎研修は、それの入口の前段階という形なので、基礎研修の知識があって、就業担当者研修、養成研修の共通部分のところが付与されて、更に実践研修が積み重なっていくといいのかなと思います。サービス管理責任者とは残念ながら重複している部分は余りないのかと。その地域で就労支援のところはかなり工夫されて、都道府県でやられていると思います。北海道しか私は分からないのですけれども、北海道のほうは、かなりそこに就労支援のプロセスを意識するような取組とかをやられていると思います。現在、サービス管理責任者研修は都道府県が団体に委託をされています。以前は道が一括して開催でしたが、委託になってから、委託先によっては就労に力が入っている所とか、同じ就労の研修であっても相談に力が入っている所とか、そこの温度差があり全く同じにはなっていないと思います。
福祉の分野だと、ご本人の自己決定、それからご本人の思いをかなえるというところに重きを置いていると思います。ですので、わがままなまでのご本人の意向をかなえてあげよう。という流れになります。ただ、就労というようになると、地域の中でコーディネートも必要となりますので、ご本人の意向が将来的にかなうように、ご本人との課題とも向き合わなければいけないという作業が出てくるのです。ですので、それを上手に調整が取れるようなサービス管理責任者の研修なのか、他の研修か分からないのですが、その調整が図れるような研修もあると福祉の現場の方はもっとやりやすいというか、理解が進んでいくのではないかと思っています。
○長谷川主査 どうもありがとうございます。では、お待たせしました。長谷川アドバイザー、よろしくお願いします。
○長谷川(敦)アドバイザー 皆様、こんにちは。LITALICOの長谷川です。よろしくお願いします。当社が配布している資料を、簡単に御説明させていただいた上で、幾つか御提案させていただきたいと思っています。当社の研修の仕組み自体は、実際にそれを責任者として作った小野寺という者が隣にいますので、小野寺から簡単に御説明させていただきます。
○小野寺氏 皆様、こんにちは。株式会社LITALICOワークス事業部で研修の担当をしております小野寺と申します。長谷川に代わりまして説明させていただきます。配布いたしました資料、表紙を含めまして3ページ目を御覧いただけますでしょうか。「等級制度概要」というページになります。
弊社は、就労移行支援事業所を全国展開しているのですが、就労移行支援に携わる者として、入社した全ての社員に対して等級制度というものを使って人材育成を進めております。特に注目していただきたいのが、事業部共通と書いてある所ですが、いわゆる就労移行支援、就労支援を担う者として最低限の知識であったりスキルを獲得する等級で、1~4までを設定しています。
まず、ここで、一定、相談援助業務から就労支援の基礎的なものを習得した上で、それぞれ専門コースという形で、直接支援に重きをおくジョブコーチのコース、また、そういったスタッフを、スーパービジョン等を使って育成をしていく人材育成のコース、より企業連携に特化したコンサルテーション、作業の切出し、環境調整、企業への交渉等を強化していく企業連携コース、そして、そういった様々なネットワーク構築や地域で支えていく仕組みを実際に就労移行支援を通して転換していくソーシャルワークコースということで、基礎的な部分と特化した部分との二軸を等級制度ということで人材育成を進めております。
それ以外に、先ほどから話題にも出ておりますが、サービス管理責任者に関しても、個別支援計画をはじめ、ケアマネジメントやソーシャルワークの基礎的なところから、より高度なところまで知識習得していけるような形で等級制度を整えております。
次ページを御覧ください。その中でも、「初任者社員研修体系」ということで、入社して間もない、大体半年ぐらいの社員に向けて、今、御覧いただいているようなカリキュラムで6か月間、就労支援の基礎的な知識、スキルを獲得できるような研修の体系を組んでおります。ここでポイントなのが、座学ももちろん教えているのですが、最初の研修を受けてから3か月、6か月ということであるのですが、その間に研修で受けた内容を、実際の就労移行支援の現場でアウトプットしていただく。アウトプットしていただいた学びを先輩社員であるとか、先ほど等級制度で出てきました人材育成とか、ジョブコーチの上位等級にいる支援員からフィードバックしていただいて、常に研修の内容と現場での支援がインプット、アウトプット、と連続していくといったところで、OJTの仕組みを整えて学べるような仕組みにしています。なおかつ、日々多くの御利用者様が通われていらっしゃいますので、そういった中で自身が体験した実践の学びとか気づきは、必ず事後課題ということで言語化を促すとともに、そこでの気づきをまた次の支援につなげていくといった形で、社員の研修体系を敷いております。
具体的にどのような研修をしているかとか、どういった枠組みでやっているかというのは、配布させていただきました資料の後半に抜粋で内容を載せておりますので、お時間があるときにお目通しいただければと思います。私からは以上です。
○長谷川アドバイザー 最後の「検討の方向性」というページを御覧いただいてもよろしいですか。最初に言うのを忘れてしまったのですけれども、現状、就労移行支援事業所は全国で85か所を運営しておりまして、就職の実績は、昨年で1,300人ぐらいが年間で就職し、半年の定着率は91%ぐらいが今の状況になっています。職員の確保、育成については、一定、民間ならではの強さを持ってやってきた部分がありまして、ちょうど今、職員数で、移行支援に関わる人が1,000名ぐらいです。非常に有り難いことに、うちは、ブランディングはかなり強化しているので、LITALICOで働きたいという人が年間で3万人ぐらいいます。3万人来て年間に300人くらい採用するという形なので、採用は1%ぐらいで、厳選した人を採用しています。非常にいい仲間が集まっているので、今は離職率も、移行支援に関しては7、8%ぐらいのところで推移しています。うちの今の中身を御説明させていただいたのは、ある程度これだけの規模になってくると、仕組み化して、オペレーションがちゃんと回るようにやっていかなければいけないという観点は、今回の育成の日本全体の仕組みを見直す上では、もしかしたら参考になる部分もあるかもしれないと思いましたので説明させていただきました。
その内容も踏まえて、御提案として6個あります。1つ目は、これは皆さんからも既にお話がありましたけれども、これまでの研修自体は「対人援助スキル」を主とする研修が、どちらかというと多いと感じておりまして、もっと企業の人事制度自体をしっかり理解していたり、業務切り出しであったり、企業の改革であったり、そういったことに対して、もっと専門性が高い方を育成していくためにも、共通のスキルとして「対企業スキル」をもっと観点として盛り込むのがいいのではなかろうかということです。
2つ目としては、田川委員からも御提案があったように、実績をちゃんと報告する。座学にとどまらず、ちゃんとスキルの担保につなげるような実践のレポートといったことを組み入れながらやることによって、スキルの獲得ということを一定担保できればと思っております。理想的には、本当にそのスキルがあるのかをスーパーバイザー的な人が目視で判断するというのがマックスの理想だと思っていますけれども、それは相当コストも時間も掛かってしまうので、現実的には実践レポートを出すような形式というのが運用上は回りやすいのではないかということです。
3つ目は、小川先生からありましたけれども、より中級者、上級者向けに企業連携の専門性を育めるようなコースであったりとか、スーパーバイザーをちゃんと育んでいけるようなコース、より福祉分野で多様な方が得意なことをいかして働きやすいようにするためにも、初期の研修だけではなく中級者、上級者向けの研修も、この機会にしっかりと整備するというのは、いいアイディアだなと思っております。
その他、育成の実施体制としては、なかなか我々も苦労するのですが、地域ごとに育成体制があるのですけれども、キャパシティがないので、これだけの、1,000人ぐらい従業員がいると研修がちゃんと受けきれないところもあるので、その量をしっかり担保するということに加えて、一定、その研修を実施する事業者同士も研修の品質がどうなのか、満足度がどうなのかというのが評価されたり、一定、競うような仕組みというのも大切なのではないかと思っています。
最後の2つですけれども、5つ目は、もっともっと民間で企業の、例えば人材系の会社の中で、企業の仕組みを熟知して働き方を整えるのが上手な方というのは、やはりいらっしゃるんですね。そういった方々が、もっと福祉の業界に入ってきていただけるようにする。人材確保の観点から、国家資格制度をちゃんと就労支援の領域に作って、資格に応じた処遇をしっかり実現するということが非常に大切なのではないかと思っております。移行支援の人の平均給与は大体350万円をちょっと切るぐらいだと思います、年収で。一方で、例えば人材系の会社のキャリアカウンセラーの方というのは、サイトで調べたりすると大体420、430万円ぐらいなので、移行支援の職員とは70、80万円のギャップがあるのです。それを埋めていくことによって、もっと民間企業から適性のある方が転職しやすいような流れというのもできるのではないかと思いますし、就労支援の仕事が、かっこいい職種であるということを世の中に伝えることが非常に大切です。
今の問題点としては、もともとニッチな業界の中にもかかわらず、更にその中でニッチにいろいろな就労支援員の名前があるというように認識しておりまして、ジョブコーチもそうですし、就労支援員、職業指導員、生活支援員など、移行支援の中で様々な定義がなされていて、移行支援の中でいけば、この職種の名前というのは、実態上ほぼ意味を成していないというように思っていまして、ただでさえニッチな業界を、更にニッチに区切っても、どの名前も世の中に知られないというようになってしまうので、ジョブコーチならジョブコーチに一本化すると。障害者の就労支援をやる人間はジョブコーチなのだということで、ジョブコーチをしっかりブランディングをして、魅力的な方々にもっともっとやりたいと思ってもらえるようにするというのが、非常に大事なのではないかと思っております。以上になります。ありがとうございました。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。そうですね、もっとかっこよくなればいいと本当に思いました。その上で質問ですけれども、賃金を上げるためには、特に福祉分野だと福祉報酬に大きく関わってくるところです。福祉報酬の考え方はどうなのかということもすごく関わってくると思うのですが、これはまた追い追い検討していきましょうかね。まずは、今日の大事なところは全員の方に御意見を伺うことだと思います。どうもありがとうございました。
○長谷川アドバイザー ありがとうございました。
○長谷川主査 お待たせしました。松村アドバイザー、よろしくお願いします。
○松村アドバイザー 全国社会就労センター協議会の、三重県伊賀市で社福維雅幸育会に勤めております松村と言います。どうぞよろしくお願い申し上げます。今、いろいろと聞かせていただいていて、本当に、うん、そのとおりと思わせていただいたのは、スーパーバイザー的な役割のお話を聞かせていただいて、本当にそういう方はすごく必要だと。ただ、その反面、私のこの中での役割というのは、きっと福祉の現場にどっぷりと浸かった者として現状をしっかりと伝えるということかなと感じておりますので、少し不適切な表現もあるかも分かりませんけれども、お時間を頂戴できればと思っております。
今、いろいろ福祉のサービスを提供できる、特に就労系などは社福、NPOとかだけではなくて、多種多様な業態の皆様からサービスができる。大型化をしている反面、ものすごく地域に根ざした小さい単位での業態も多数を占めているという現状があります。そのような中で、今、幾つかお話がありました就労という部分の専門的なところに特化した職員というのを、本当に養成できるだけの余力があるのかどうかというところは、しっかりと現場を見ていかなくてはならないのではないかと考えております。その反面、大型化された例えば社会福祉法人であったとしても、総合的な職員を養成しようというような観点に立てば、ずっと就労系に置いておくということは、なかなかされないのではないかということも想像されます。
そのような中で、資料2として頂戴しました専門人材の役割と職務の整理表という表の中で、これは本当に私案というか個人的な思いですけれども、ここに書いてある皆さんの教育という意味でしょうか、育成をしていくという形であれば、ここに書いてある人たちを一緒くたに教育するということは、私から言えばナンセンスだと思います。ジョブコーチの所までいくと、福祉の現場というところの教育カリキュラムというのは別でなくてはならない。逆に申し上げると、先ほどお話いただきましたスーパーバイザーの部分、コーディネートしていただく部分は、この左側の2つの方にしっかりやっていただいて、しっかり現場に根づける企業との関係づくりができるというところの教育というのも私どもの事業所が担って、しっかりとした役割分担をさせないと、きっとまた中途半端に終わってしまうのではないかということをすごく危惧しております。
私自身も見習いの職業指導員、見習いの生活支援員から、今、こういう仕事をさせていただいているのですけれども、お昼には食事をして、夜はお泊りをして、日中は生産を上げて、それがスロー系のほとんどの事業所で求められる職員像です。そういう中で、国家三資格と言われていて、その資格のある人たちが、例えば起算の対象になっていますけれども、就労系の職員こそが、福祉の感覚と経営への感覚、経済の感覚を持ったものが就労系職員であるのであれば、そこに携わっている職員が評価されるようなシステム作りというのも、同時にしていかなければならないと考えております。
もう1つは、先ほどの整理表の中で、福祉の関係でサービス管理責任者のところで止まっていたのですが、この表の中に、相談支援専門員も入れるべきではないかと感じました。長くなりました。以上です。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。最後、この表の中に何を、どの方を入れるべきだとおっしゃったのですか。
○松村アドバイザー 相談支援専門員です。
○長谷川主査 はい、分かりました。ありがとうございます。雇用と福祉とで、カリキュラムは基礎的な部分も別なほうがいいとおっしゃったのでしょうか。
○松村アドバイザー いえ、別である必要はないと思っています。基礎の部分は一緒でいいと思っていますが、雇用のほうと福祉のほうというのは、それぞれが受ける教育を専門的にするべきだと考えています。
○長谷川主査 分かりました。ありがとうございます。お待たせしました。深水アドバイザー、よろしくお願いします。
○深水アドバイザー ビーアシスト株式会社の深水と申します。よろしくお願いいたします。ビーアシストはブックオフグループの特例子会社でして、設立して10年になっております。特例のほうで約100名、グループ全体で150名の障害がある方を雇用させていただいております。本日は私から、どちらかというと現場寄りの意見になるかとは思いますが、日頃感じていることなどをお話させていただければと思います。
まず、先ほどの長谷川様から、専門分野がいろいろありすぎて分かりづらいというお話があったのですが、正しくそのとおりで、特例のメンバーとかは、割と知見もあるので、A型の違い、B型の違いとか、移行とか、その点は分かるのですが、例えばグループ会社でキーパーソンになっているような方からしてみると、支援の人と一くくりにどうしてもなってしまうので、どういう人に頼って、どんなときにどういうように頼ればいいかというのは、正直なかなか分からない。また、どんな社会資源があるのか、自分たちがどのようなものを活用できるのかというのがそもそも分からないということは、結構、場面としては感じております。ですので、弊社の場合で言うと、特例のメンバーが社内ナカポツ的な感じで一時受付のような形をして、専門の登録しているナカポツさんだったりとか、自立生活アシスタントとかといった方に連絡をして対応していただく形を取っているのですが、そういった形ではなく、ある日突然キーパーソンになってくださいと言われた人については、どう動けばいいのか分からないという現状があるのではないかと感じています。
また、支援に関しては、例えば学卒の方であれば、今、特別支援学校の先生が約3年支援についてくださって、その後、ナカポツさんとかにバトンタッチという形が一般的だと思いますけれども、やはり情報の蓄積みたいなのが途切れてしまいまして、ライフステージだったりとか、勤務年数に応じて支援の内容だったり、問題も変わってくるのですが、最初はそもそもオペレーションのこととか、職場の人間関係とかから始まって、生活面の課題とか、家のこととか、特に問題が多様化していく中で、昔はどのように対応していたのだとか、学校時代に友達とトラブルになったとき、どのように解決しましたかみたいな話を聞こうと思っても、当時を知る先生はいないということで、過去情報が知りたかったとか、今、担当してくださっている支援者の引継ぎは大丈夫なのかとか、そういったことはあります。
ですので、情報の蓄積という形、例えば就労パスポートがありますけれども、あれだと本人、会社、支援者の三者が同じものを使って業務に就いてとか、本人特性について理解できるのですけれども、例えば、ああいったものがデータベース化していて、過去の成育歴とか、起きた課題だったりとか、もちろん開示できる情報の内容にはいろいろあるのだとは思いますけれども、そういった情報の蓄積があるとすごく有り難いと現場としては感じています。
スーパーバイザーのお話とかもありましたけれども、やはり支援はチーム戦で対応していくのが基本かと思っていまして、それぞれの問題において登場していただく専門の方だったりとか、あるいは医療とか、いろいろあると思いますが、そこに中核となって動いていただく方がいて、長い就労生活を支えるという意味では、そういうコーディネータ、スーパーバイザー的な人というのは、やはり欲しいと、先ほどのお話を聞いてすごく思いました。
また、チーム戦で対応という中では、ナカポツの担当の方は、1人でも100人ぐらい受け持たれていたりして手一杯という方も多くて、すごく熱心にやっていただいている方が離脱してしまったりという場面も今まで何回も受ける中では、非常に心苦しいというか、もったいないという気持ちもすごく現場としてはあります。ですので、特定の人が持つというよりは、より福祉も雇用もチームで対応していける仕組みというのがすごく欲しいと感じております。
研修のお話の中では、民間企業の人間から言うと、そもそも障害福祉を学んできていなくて、ある日キーパーソンになったり、障害者雇用担当になることで初めてそこからスタートという人が多いのですが、そうすると、今できるのは、恐らく相談員とジョブコーチぐらいしか。いろいろほかにもあると思いますが、大きく言うとその2つで学ぶ、勉強するという機会があると思いますが、もうちょっと学びたいとか、先ほどのジョブコーチのスキルアップの話は、なるほどとすごく思ったのですけれども、入口から入っていきブラッシュアップしていくというところは本当に必要なのではないかと思っています。
まず、直接対人支援というところから、自分の組織やチームとの連携、あと業務、仕事についても、いかに本業や中核業務に食い込んでいくかというところが非常に大切だと思っていますので、そういった対人支援の基礎から会社内、組織内でのマッチングということまで図れる人材を育成できれば、実際、雇用している障害者だけではなくて、見過ごされている大人の発達障害の従業員の方とか、あるいは鬱などで一旦休職された方のリワークとか、そういったものにも対応できる人材を社内で育成できるのではないかと思いますし、新しいキャリアラダーにもなりますし、そういった多様な配慮が必要な方の人材マネジメントができる人というより、社内でも評価されるような形になると、より一層認知も広がっていくのではないかと思っております。
また、今企業で、特例子会社同士で交換留学もやらせていただいているのですが、今野さんの所もやらせていただいていますけれども、障害を持っている従業員を他社の特例に出して、先方を受け入れるという形をやらせていただいたのですが、違う業界を体験するというのは非常に大きい刺激だったり、よそで通用するというので自己肯定感が高まったりとか、非常に良い効果がありまして、今野さんともお話していたのですが、ゆくゆくは指導員同士の交換留学をしたいという話もさせていただいていたのです。例えば、ナカポツさんがどのような仕事をしているのかとか、移行でどのようなトレーニングをしているのか余り知らないのですね。そういう中では、こちらも勉強させていただきたいと思いますし、企業の現場でこういうことをやっているというのも、見学というよりは、本当に実地で入るような仕組み、ブラッシュアップの研修の中に入っていけるなら、自分自身は参加してみたいと非常に思います。そのようなところです。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。最初のほうに言われた情報の引き継ぎとか蓄積のところについては、第1ワーキンググループなどで情報の共有化という議論もされていますので、是非そこともいろいろ情報交換をしながらやっていければと思います。はい、ありがとうございました。会場にいる皆様は御発言されたと思うので、オンラインで御参加の方で、まだ御発言なさっていない方はいかがでしょうか。佐藤アドバイザー、よろしくお願いします。
○佐藤アドバイザー はい、高齢・障害・求職者雇用支援機構の佐藤でございます。ちょっと名称が長いので、略して「JEED」と言わせていただきます。私どもでは研修業務を行っておりまして、今出していただいてる資料3のほうにサービス管理責任者以外の各種研修に、JEEDで行っているものを載せていただいております。そのようなものをやっている立場から少し話をさせていただきたいと思います。
まず雇用、福祉の分野横断的な基礎的な知識スキルとして、どういう内容が必要かというのが1つの大きなテーマになっていますが、私どもJEEDでは福祉から雇用への支援が推進できるようにということで、就労移行支援事業所などを含む福祉事業所を対象にして、ここで言うと就業支援基礎研修を平成21年度から実施しています。カリキュラムについては、今日の参考資料5の所に紹介をいただいていますので、そちらを見ていただきたいと思います。こちらの研修は今、就労移行支援事業所の就労支援員の方について、就労支援関係研修修了加算の対象になっていますので、研修の中身としては就労支援員の方のような、福祉から一般就労を支援するような方を主な対象と考えてカリキュラムを構成しています。
実際には冒頭で小野寺課長がおっしゃったように、就労支援員以外の方もたくさん受けていただいています。ですので、雇用に関した部分で、基礎的な知識、スキルにどういった内容が必要かということを改めて考える上で、今うちのほうでやっているようなものをまずは点検していただいて、改善が必要な部分、例えば先ほどから出ていましたけれども、就労支援のプロセスも分断がされていますので、そういった所に関する点等、見直しをしなければいけない内容があるかと思います。
また、人材育成の対象の範囲をどう考えるかも議論のテーマの1つになっていると思いますが、ここでどういった方々を対象とするかによると思いますけれども、例えば定着支援員の方を対象に考えると、多分今の基礎研修の内容では少し足りない部分があると思いますので、そういった所も点検していくことが必要になるのかなと思います。
もう1つは階層的な人材育成についてという点ですが、皆さんのお話の中にもありましたように、初任者は基礎的な研修を受けた後、実務を通していろいろスキルアップを図っていくことになると思いますが、その後も必要なタイミングで必要な研修を受ける機会は、やはり保障されるべきだと思います。
そういった観点で、JEEDでも資料3に挙げていただいているような階層的な研修の用意をしていますけれども、先ほど髙谷委員からもあったように、これらが必須になっていないという問題点があったりします。支援者には、研修を受けて支援の質を向上させていくという側面がありますので、やはり必要な研修であれば必ず受けられるような体制、受講のインセンティブというのは、どうしても必要になると思います。
私ども以外でも、いろいろと委員の方からも御紹介がありましたが、様々多様な研修、質の高い研修が民間事業者のほうでも行っているかと思いますので、そういったことも上位の研修として認定するような仕組みを作って、それらを受けていけるような形を作っていただくのがいいのではないかと思います。
あと、今も実際にやられているのかと思うのですけれども、こういった研修を受ける際に、受講料とか交通費などの費用、人件費、その間仕事をお休みというか仕事を離れるので、キャリアアップ助成金などを活用することも研修を受講しやすくしていくことにつながるのではないかと思います。取りあえずは以上です。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。では鈴木アドバイザー、よろしくお願いします。
○鈴木アドバイザー 皆様、改めましてくらしえん・しごとえんの鈴木と申します。よろしくお願いいたします。私どもの法人は15年以上にわたり、ジョブコーチ支援と養成研修、この2つだけでやってきているという、珍しい法人ではないかと思います。そういう意味で言いますと、ジョブコーチとしての話と、もう1つは養成研修というこの2点についてお話させていただければと思います。
まず、ジョブコーチ、私自身も15年以上ジョブコーチを名乗って雇用現場に出ていますけれども、一番感じることは「現場」という言葉の受け止め方です。就労支援員であるとか、ナカポツの職員もそうですけれども、「現場」と言ったとき、雇用義務などは雇用事業主に課せられるものなのですけれども、実際障害がある人たちが働くというのは、そこで働く多くの人たちと一緒に働く。ある意味で言うと障害者であろうが一般の従業員であろうが、パートさんであろうが、労働契約に基づく労働ですから、そこでは何ら変わることはないのです。それこそが雇用現場だと私自身はすごく感じています。
逆に言えば、現場と言ったとき、一緒に働いている人たちに、今の社会状況、今で言えばコロナ禍とかいろいろと大変なことがありますけれども、そこが一番ダイレクトに影響を受けて、実際働く現場にものすごく影響が行っています。ですから障害者雇用においては、雇用事業主としてのトップダウンの決定というのは非常に重要だと思いますが、併せて、一緒に働いていく人たちのボトムアップというのは非常に重要で、そのボトムアップ、一緒に働くということをどういうふうに作っていくのかというのはかなり時間が必要です。
私たちがずっとジョブコーチ支援をやっているとき、就労移行支援事業所の方とかナカポツの方たちと、残念ながら話が合わないと感じます。というのは、やはり雇用現場で、週1回とか月1回、定期的に何か月に1回ちょっと様子を見に行って、そこの担当者と話をして、問題ないですよと言われて帰ってきてと。それではなくて本当に一人一人の働く人たちの思いだとか、そういうことがすごく影響してくるところですから。雇用現場というのは応用の塊だと思います。
定型とかパターン、ジョブコーチの養成研修というのは、あくまでも入口であって、本当にいろいろ様々な変化球が飛んでくる所が現場です。ですから、そこのところを臨機応変にやっていくのか、行き当たりばったりの支援になっていくのかというのが、今回の研究会でも言われていましたけれども、スーパーバイザーとかが実際に雇用現場にたくさん入っていけるような形が、やはりすごく必要ではないのだろうかと思います。それがまず、自分自身がジョブコーチとして活動している中で思うことです。
次に、養成研修機関として考えることとすれば、実際私どもの法人も2007年から養成研修に取り組んできて、1,600ぐらいの修了生がいますが、今実際にメールだとか確認が取れて。行先とか連絡がつかなくなっている人たちは大体退職していて、300~400人ぐらいです。ですから1,200人ぐらいの方たちには、一応連絡は送っています。
最初に小川アドバイザーからも話がありましたけれども、実際にそのような方たちの中で1割ぐらいの人たちは助成金を活用してという形になってきます。更に、最初に田川アドバイザーから御指摘がありましたけれども、やはり更新制度を作るとか、1回受けたら14年、15年とか、昔に受けたものがずっと生きるのか、という話で、実際支援現場でのレポートだとか支援計画を何件作成したかとか、そういうのをきちんとやっていかないと、ただ単に上級研修、スキル向上研修といっても、そこに受ける受講希望があるから受けるのではなくて、やはりきちんとした、ここまでやっているから受けられる研修とか、そういうことを踏まえていって、段階的に言うと、上級のジョブコーチというのがいろいろな要件の中で地域の雇用現場をコントロールしていく。そこは生活面とかでいったら就業・生活支援センターとの連携というのは非常に重要になると思いますけれども、そういう感覚が非常に大事ではないかと思っています。以上です。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。次は若林アドバイザーよろしくお願いします。
○若林アドバイザー 私はこういった会議に出るのが初めてで、なかなかうまく発言できるのか分からないですけれども。私はもともとJEEDにいて、今は社会福祉士の養成に携わっている大学の教員なのですけれども、今日の委員の先生方の発言を聞いて、横断的だとかスーパービジョンの体制だとかというのは、非常にもっともだと共感を持って聞いていました。今日出ていない話題というのが、社会福祉士だとか精神保健福祉士といった既存の資格というものとどういうふうに関係させるのかですけれども、これはこれで大事だと思っています。
社会福祉士は、現行のカリキュラムにおいて、実は意外とこれは知られていなかったりするのですけれども、就労支援サービスという科目があるのです。ただ実は残念ながら、2021年から就労支援サービスがなくなってしまったというのがあります。精神保健福祉士のほうでも、就労支援に関しての情報は、どちらかといったら実践というよりは制度を覚えるみたいな勉強に、結果的にはなっているかとは思いますけれども、あります。
社会福祉士、精神保健福祉士などで、実務経験のない方は実習に行かないといけない。一部の方は、そういった就労支援を体験することもありますし、試験科目でも就労支援について出されている。ただ、社会福祉士、精神保健福祉士を持っているから、すぐに実践というか、使えるかというと、そこはなかなか難しい部分があるにしても、そういった既存の資格との関係性であるとか、更に言えば小川先生がおっしゃっていましたけれども、高等教育において、もちろんこういったOJTとか研修制度というのも、基本的には一番大事なことであると思います。
併せて、高等教育のあり方についても、学生を指導している中で、実は就労支援、こういう世界があること自体を教えると、興味を持つ層というのは一定数いたりするのですけれども、多くの大学でこういった就労支援を専門とするような教員は必ずしもそれほど多くはないという現状の中で、障害者福祉イコール、どうしても実習などで生活介護の実習が中心だったりすることもあって、それはそれで大事な経験になるのですけれども、併せてこういった就労支援、こういった世界もあるのだということもきちんと学生に伝えていく必要があるのではないかと思います。ちょっとまとまりませんけれども、以上です。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。これで皆様に一度御発言いただけたことになるかと思います。ほかの委員の方の御発言を聞いて、加えて何か今日のうちに言っておきたいことがあれば、それぞれ簡単に一言ずつお話していただけるとありがたいです。
○田川アドバイザー ちょっとずれるかも分からないですけれども、我々が支援しているのは精神障害者ですけれども、就職してからのキャリアアップの問題というのは、精神障害者の場合、特に定着の問題と非常に深く関わっていると思います。ですから、そういうことも、もし可能であれば議論していただければと思います。
○長谷川主査 ありがとうございます。では小川委員よろしくお願いします。
○小川アドバイザー 様々な意見を伺って、今日の議論の中で各制度の下で、事業で定められている職名とその役割という問題と、それから研修を背景にした専門性を担保する資格のようなもの、研修修了というブランディング、この2つの話の軸があるのかなと思います。それをこれからどう整理していくかですけれども、私は基本的には研修修了という、そこを軸にして、その領域とか専門性をきちんと構築していく。それと制度・事業をどのように結び付けていくのかという議論になるのではないかと思っています。
その場合、高齢者福祉の分野をたまにイメージするのですけれども、高齢分野でも在宅福祉とか施設サービスとか、社福やNPO、そこに営利組織も入ってきて、非常に介護度の高い方から非常に介護度の少ない方まで様々なサービスを提供しています。その背景となるのが、やはりイントロダクションの所では、介護職員初任者研修、昔のヘルパー2級があって、高度な介護を行う資格としては介護福祉士があって、そこの中でもこの機能もあるのですが、コーディネートとか全体の福祉の中で、どのようにそれを位置付けて調整していくかということでは、社会福祉士を持っている人がやはり相談場面とか、マネジメントでは優遇されたりして、資格研修体系と実際の事業が、うまく就労支援の業界より結び付いているのかと思います。
したがって、就業支援基礎研修というのが恐らく介護職員初任者研修のような、そのようなイントロダクションのところになって、その上に更にどのように専門的なものを積み上げていって、各事業との結び付き、紐付けというのをしていくかという議論をしていければとイメージをしました。
○長谷川主査 どうもありがとうございます。ではオンラインで長谷川(敦)アドバイザーと松村アドバイザーの手が挙がっています。まず長谷川(敦)アドバイザーからお願いします。
○長谷川(敦)アドバイザー ありがとうございます。LITALICOの長谷川です。今回は雇用と福祉の連携となっていますけれども、せっかく文科省から川口さんも来てくださっていて、是非ここに雇用と福祉だけじゃなくて教育という内容も加えていただきたいと、非常に強く思っています。なぜならば、障害のある方の就労支援は結構高等学校や特別支援学校の高等部が、かなり大きな役割を担っていると現状認識していまして、実際特別支援学校の高等部でも進路指導の先生や就職のサポートをされる先生が、本当に熱心にやられている所はジョブコーチの仕事をされている先生もいる。それが学校ごとにばらついてしまっている、能力がですね。非常にこれはもったいないと思っています。
あとは通常の一般の高等学校です。いわゆる発達障害傾向の方とか、軽度の鬱病になっている方も高等学校にはいらっしゃるのですけれども、実質高等学校においても、まだ民間が高校生を斡旋するという力がほとんどないので、実質的には学校の先生が就労支援の斡旋者になっている、支援者になっていると認識しています。ですから高等学校の先生や、特別支援学校の高等部の先生たちが、マストで今回作るような資格を必ず取るというというところも実現して、スムーズに、それこそ特別支援学校や高等部だけで就職を成立させるわけではなくて、そういう場合もあっていいのですけれども、福祉の機関と学校がもっと連携をして、御本人を中心としたネットワークが学校も含めて形成されるというところが、非常に大切だと思っていますので、今後の論点の1つに是非加えていただけるとうれしく思います。
○長谷川主査 どうもありがとうございます。では、松村アドバイザーよろしくお願いいたします。
○松村アドバイザー 時間のないところ申し訳ありません、松村です。先ほど鈴木アドバイザーの御発言を聞かせていただいて、雇用の現場に入っていけるという生の研修のようなところをお話していただいたのですが、私どもの福祉の現場には、皆様よく知っていただいていると思いますけれども、施設外就労という机上ではない大変現場に即した研修の場があります。なぜそのように感じるかと言うと、私どもの法人は全体の半分ぐらいの利用者が施設外就労に出て行って、当然その半数約35名の職員が企業の中で障害者の方と一緒に施設外就労をやっております。やはり企業様の中でいろいろな形で教育を受けてきた、教えていただいた職員は成長していくのが非常に、中の職員ばかりが悪いということではなく、成長が早いというところも見えています。そういう意味では非常に現場に即したという意味のある研修として、施設外就労というものが福祉の現場にはあるということをお伝えしたいと思います。以上です。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。では、今野アドバイザーよろしくお願いします。
○今野アドバイザー 皆さん方のお話を聞いていて、企業としても反省しなければいけない部分があります。養成研修に送り出している数は非常に多いわけですけれども、実際に助成金の申請をされてきた人がどれぐらいいたか。ゼロではないのですけれども、申請が非常に難しかったり手間が掛かったりと。助成金の申請は置いておいて現場の支援をする、スキルを高めていくという形の活用の仕方はしていたのですけれども、その点は反省しなければいけないことの1つとしてあります。例えば、社内の人事制度にこのジョブコーチなりのスキルアップという流れができてくれば、社内の人事制度にもからめながらスキルアップ、ステージアップということもつなげることができるかと思いました。そういう意味では、この制度をきちんと整理していくことは、企業にとっても有益ではないかと思いました。以上です。
○長谷川主査 では、髙谷アドバイザー、お願いします。
○髙谷アドバイザー 研修が充実して受講要件なども整って、就労支援と考えたときに、現行私たちが資格というのがなく、就労支援を担っている者が、どこの職場に転職したとしても、例えばナカポツの就業支援担当者研修を受けたからといって、私は就業担当者ですというものはないのです。唯一でもないですが、例えば私がどこかの移行支援事業所に移っても、職場適応援助者は養成研修自体、資格ではないのですけれども、ジョブコーチの養成研修を修了した者です。ですから職場適応援助者として活動ができるという、1つ資格のようなものになっています。あと私たちの国ではと考えたら、職業センターの職業カウンセラーが労働大臣の認める資格になっていて、この2つなのかなと思っています。
地域の中で、どんどん求められているのは、皆さんおっしゃっているようにスーパーバイズするとか、コーディネートするとか、マネジメントするとか、就労支援のプロセスを全部理解して、なおかつ自分でも実践できる者が、今必要になっているという話だと思うのです。そうした時に、職業カウンセラーの役割や、その資格制度というものが、職業カウンセラーの資格ということではないですが、それと同じような役割を担える人材が地域の中で求められている時期に来ているのだろうと思うのです。高等教育で就労支援のカリキュラムをしっかりやって、そこでその業務が担える人を育成するということも目指していきながら、私たちは就労支援の制度とかを考えていく必要があるのだと、改めて思っているところです。
○長谷川主査 皆様ありがとうございました。本当に様々な御意見を伺えて大変勉強になりました。私が途中でいろいろ質問したせいで、時間が押してしまって申し訳ありません。では、本日頂いた御意見については、事務局で整理していただき、次回の議論に向けた準備を進めていただきますようお願いいたします。
最後に議題4「その他」として、事務局から何かありますでしょうか。ありませんか。では本日の議論は終了となりますので、第1回障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会 障害者就労を支える人材の育成・確保に関するワーキンググループは終了とさせていただきます。
最後に事務局から連絡事項がありましたら、よろしくお願いします。
○小林障害者雇用対策課課長補佐 障害者雇用対策課課長補佐の小林です。2点ほど連絡があります。まず1点目です。本日も一部の専門アドバイザーの方に資料をお出しいただきましたけれども、今後も、もし各委員と共有すべき資料がありましたら、事務局までお申し付けいただければと思います。もう1点次回の日程ですが、次回は年明け1月21日の開催を予定しています。詳細は追って事務局より御連絡いたします。以上です。
○長谷川主査 どうもありがとうございました。皆様お疲れさまでした。