2020年11月6日 薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 議事録

日時

令和2年11月6日(金)15:00~

出席者

出席委員(18名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(6名)五十音順
行政機関出席者
  •  鎌田光明(医薬・生活衛生局長)
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  中井清人(医薬安全対策課長)
  •  髙橋暁子(安全使用推進室長)
  •  山田雅信(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監) 他

議事

○医薬安全対策課長 それでは、若干遅れましたが、令和2年度第2回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会を開催いたします。先生方におかれましては、お忙しい中ありがとうございます。本日の部会ですが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から一般傍聴を制限させていただき、報道関係者の皆様に限り傍聴を可としております。カメラ撮りは冒頭から禁止とさせていただきますので、御理解、御協力のほどお願いします。議事録につきましては、後日、厚生労働省のホームページに掲載いたします。また、今回もWeb開催としておりまして、対面での審議と一部異なる部分があります。前回同様ですが、議事に先立ち、審議の進行方法について事務局より説明させていただきます。
○事務局 では御説明申し上げます。まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御質問、御意見の際はミュートを解除し、初めに名前をお知らせください。発言のタイミングが重なったりした場合は、部会長から順に発言者を指名していただきます。会議中マイクの調子が悪くなった場合など、音声の代わりにメッセージに記入していただくようお願いする場合がございます。システムの動作不良などございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。また、もし事務局のサーバーがダウンするなどトラブルが発生した場合には、事務局から一斉にメールにて御連絡申し上げますので、その際は御確認をお願いいたします。事務局からは以上になります。ここからは、議事進行につきましては部会長の五十嵐先生にお願いいたします。
○五十嵐部会長 ありがとうございました。では、初めに委員の出欠状況、審議への参加等について事務局から説明をお願いします。
○事務局 御説明申し上げます。本日の委員の出欠状況ですが、小宮根委員、佐藤(薫)委員、三村委員、脇田委員より、御欠席との連絡を頂いております。若干遅れている先生もいらっしゃるようでございますけれども、現時点で17名の委員の方々に御出席を頂いております。本部会の定員は24名ですので、薬事・食品衛生審議会の規程によりまして、定足数に達していることを御報告申し上げます。なお、中島先生におかれましては、会議が長引いた場合には途中で退席されると伺っているところでございます。また、今回の部会より委員として御参加いただいております先生を紹介いたします。公益社団法人日本薬剤師会副会長でいらっしゃいました乾英夫先生の御後任として、同会常務理事の橋場元先生に御着任いただいております。橋場先生、一言御挨拶をお願いできますか。
○橋場委員 日本薬剤師会常務理事の橋場でございます。乾より引き継ぎさせていただきました。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 どうもありがとうございました。それでは、続きまして議事参加について御報告を申し上げます。本日御出席の委員の方々の過去3年度における関連企業、対象品目及び競合品目の製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況を御報告申し上げます。本日の議題に関しまして、対象品目・競合品目の製造販売業者につきましては、事前にリストを各委員にお送りして確認いただいております。その結果ですが、柿崎委員よりサノフィ株式会社より50万円以下の受取、清水委員よりバイエル薬品株式会社及びサノフィ株式会社より、それぞれ50万円以上500万円以下の受取、多賀谷委員よりサノフィ株式会社より50万円以上500万円以下の受取、中島委員よりサノフィ株式会社より50万円以下の受取と御申告いただいています。よりまして清水委員、多賀谷委員におかれましては、議題1の審議中、意見をいただくことは構いませんが、議決に加わることはできません。その他の委員におかれましては意見陳述、議決のいずれにも加わることができます。なお、これらの御申告状況につきましてはホームページで公表させていただきます。
最後に、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告申し上げます。薬事分科会規程第11条には、「委員、臨時委員及び専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。今回、全ての委員より適合している旨を御申告いただいております。報告は以上になります。
○五十嵐部会長 どうもありがとうございました。ただいまの事務局からの説明に対して御意見、御質問等ございますか。よろしいですか。では、続きまして事務局から配布資料の説明をお願いします。
○事務局 御説明申し上げます。本日の資料ですが、あらかじめ郵送及びメールにてお送りさせていただいております。議題1に関しまして資料1-1から1-4、議題2に関しまして資料2-1から2-7、議題3に関しまして資料3-1から3-7、議題4に関しまして資料4-1と4-2、そして議題5に関しまして資料5-1と5-2がございます。このほかに議事次第・資料一覧、委員一覧、参考資料といたしまして薬効分類表、そして競合品目・競合企業リストをお送りしています。お手元に御用意のない先生がいらっしゃいましたら、お知らせくださいますようお願いいたします。
○五十嵐部会長 ありがとうございます。いかがですか。何か問題がある方、いらっしゃいますか。よろしいですか。
それでは、審議事項の議題1に入りたいと思います。「一般用医薬品のリスク区分について」、これから審議したいと思います。初めに、説明をお願いいたします。
○事務局 議題1について事務局より御説明いたします。まずは資料1-1を御覧ください。表に記載されている品目は、現在第一類医薬品に分類されており、この度、製造販売後調査の終了に伴い、一般用医薬品として第一類医薬品から第3類医薬品いずれのリスク区分とするか検討をお願いするものです。
次に、一般用医薬品のリスク区分の変更手順について御説明いたします。2ページの「一般用医薬品のリスク区分の変更手順について」を御覧ください。手順といたしましては3.(1)として、安全対策調査会の調査審議に当たり、必要に応じ関係学会等の有識者の出席を求め、意見を聴取して事前整備を行い、その結果リスク区分等の変更の必要があるとされた場合、厚生労働省は変更案についてパブリックコメントを行います。(2)として、安全対策調査会における事前整理の結果、パブリックコメントの結果等について、医薬品等安全対策部会で調査審議を行い、リスク区分の変更の要否について答申を得るといった手続をすることとなっており、本日は(2)の位置付けです。なお、本日御審議いただく品目に関しましては、令和2年7月27日に開催された安全対策調査会で事前整理を行い、パブリックコメントを実施しています。パブリックコメントの結果は、資料1-4にお示ししております。
続いて、一般用医薬品のリスク区分を御説明いたします。6ページを御覧ください。第一類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来たす程度の健康被害を生ずる恐れがある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの、又は新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないものとされており、薬剤師により販売され、患者に対する文書による情報提供の義務がございます。
第二類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来たす程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品で、第一類医薬品を除くもので、厚生労働大臣が指定するものとされています。薬剤師又は登録販売者により販売され、情報提供については努力義務とされております。第二類医薬品のうち、特別な注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものについては指定第二類医薬品とされており、販売は第二類医薬品と同様、薬剤師又は登録販売者によって行われ、情報提供についても努力義務ですが、薬局開設者等は、情報提供するための設備から7m以内の範囲に陳列する、指定第2類医薬品を購入する場合は、禁忌を確認すること及び専門家に相談することを勧める旨を、購入者が確実に認識できるようにするなどの措置を取ることとされております。
第三類医薬品は、第一類医薬品、第二類医薬品に分類されないもので、薬剤師又は登録販売者により販売されます。リスク区分の変更手順についての説明は以上です。
次に、ロラタジンについて説明いたします。資料1-2を御覧ください。販売名はクラリチンEX、クラリチンEX OD錠です。効能・効果は花粉、ハウスダストなどによる鼻のアレルギー症状、鼻水、鼻づまり、くしゃみの緩和です。用法・用量は15歳以上の成人で、1回1錠、1日1回食後に服用です。
次に、製造販売後調査概要を御覧ください。特別調査とはモニター店舗でアンケート調査票を配り、アンケートによる調査を実施するものです。この特別調査では、クラリチンEXは調査症例数2,511症例、クラリチンEX OD錠は調査症例数617例で計3,128症例、副作用が69例102件でした。内訳は傾眠、口渇、倦怠感等で、重篤な副作用は血便排泄が報告されております。使用者もしくは薬剤師からの自発報告という形での一般調査では98例153件でした。内訳は頭痛、口腔咽頭痛、浮動性めまい等で、重篤な副作用は難聴、アナフィラキシー反応、アナフィラキシーショックが報告されております。
続きまして、安全対策調査会での審議の概要を御説明させていただきます。調査会では耳鼻咽喉科の専門家の参加の下で審議を行い、参考人からは重篤な副作用として血便排泄が報告されているものの、潰瘍性大腸炎合併症例であり、本剤との因果関係は不明。その他に、特段問題となる副作用はないことから、第二類とされている類薬と同等ではないかとの意見が出ました。参考人の意見も踏まえ、調査会の結論としては、本剤に関しては類薬であるフェキソフェナジンやエピナスチンとの整合性の観点から第二類医薬品とすることが妥当とされました。パブリックコメントに寄せられた意見は、資料1-4を御覧ください。今回、1通の御意見がございました。2ページ以降に御意見の内容及び回答案を記載しております。こちらも踏まえ、御審議のほどよろしくお願いいたします。御説明は以上です。
○五十嵐部会長 どうもありがとうございました。それでは事務局からの説明に対しまして、何か御意見、御質問等ございますか。特にございませんか。報告を伺っておりますと、安全性上の問題となる報告はなかったということで、第2類医薬品として移行することがよろしいのではないかという答申が出ておりますけれども、いかがでしょうか。よろしいですか。
はい、それではロラタジンのリスク区分につきまして、議決をしたいと思います。清水委員と多賀谷委員におかれましては、申し出に基づきまして議決への参加は御遠慮いただきたいと思います。特に御異議なかったようですので、ロラタジンについては第2類の医薬品とすることで、よろしいでしょうか。御異議ございませんね。はい、ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
では、今後の予定につきまして事務局から説明をお願いします。
○事務局 御議論いただき、ありがとうございました。御審議いただいた結果に基づき、リスク区分の変更に係る手続を進めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○五十嵐部会長 ありがとうございました。それでは3の報告事項に移りたいと思います。まず、議題の2の「医薬品等の市販後安全対策について」説明をお願いいたします。
○事務局 よろしくお願いいたします。議題2につきまして、事務局より御説明させていただきます。まず、初めに資料2-1をお開きください。資料2-1、医薬品等の使用上の注意の改訂について御説明いたします。令和2年7月に開催されました令和2年度第1回医薬品等安全対策部会終了後から本日までの間に、使用上の注意改訂指示通知を発出した品目の一覧をお示ししております。資料には改訂内容、改訂理由、直近3年度の国内副作用症例の集積状況などをまとめております。これらの使用上の注意の改訂につきましては、本部会の先生方に事前に御確認いただいており、また改訂時にPMDAメディナビで配信するとともに、PMDAのホームページと「医薬品・医療機器等安全性情報」にも掲載しております。簡単ではございますが、資料2-1につきましては以上でございます。
○五十嵐部会長 ありがとうございます。それでは次の2-2にお願いします。
○事務局 それでは次に、資料2-2を御覧ください。ワクチンの安全性に関する評価についてです。本年7月17日及び9月25日に開催されました安全対策調査会と厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会との合同会議におきまして、ワクチンの安全性について評価を頂きました。
1ページは、本年7月17日に開催された合同会議の報告です。まず、1の麻しん等の各ワクチンの報告状況です。本年1月から4月末までの報告状況について、集計した結果を表1に示しております。これまでと比べて大きな変化はなく、新たな安全対策措置を取る必要はないとされています。続いて2ページの(2)死亡症例についてです。死亡症例については、今回の評価対象期間中に3例報告されました。専門家による評価の結果、ワクチン接種との因果関係が認められる又は否定できないとはされませんでした。
続いて2のインフルエンザワクチンの報告状況です。2019・2020シーズンの報告状況について、2018・2019シーズンとの比較を表2に示しております。こちらもこれまでと比べて大きな変化はなく、新たな措置を取る必要はないとされています。(2)の死亡症例の評価については評価対象期間中に6例、対象期間後に1例報告されました。調査中の2例を除き、専門家により評価された5例については、ワクチン接種との因果関係が認められる又は否定できないとはされませんでした。
続いて3ページ目、3のHPVワクチンの報告状況です。本年1月から4月末までの報告状況について集計した結果を表3に示しています。こちらも、これまでと比べて大きな変化はなく、新たな措置を取る必要はないとされています。続いて、4のHPVワクチンの情報提供についてです。改訂リーフレット案を提示し、情報提供の具体的な内容について検討されました。リーフレット案については委員からの意見を踏まえて修正することとされました。
続きまして、4ページからは本年9月25日に開催された合同会議の報告です。まず、5の百日せき等の各ワクチンの報告状況です。本年3月から本年6月末までの報告状況について集計した結果を表4に示しております。こちらも、これまでと比べて大きな変化はなく、新たな安全対策措置を取る必要はないとされています。5ページの(2)死亡症例についてです。死亡症例については、今回の評価対象期間中に1例報告されました。専門家による評価の結果、ワクチン接種との因果関係が認められる又は否定できないとはされませんでした。また、13価肺炎球菌及びヒブワクチンの6か月間の10万接種当たりの死亡例の報告頻度は0.05~0.06及び0であり、対応を速やかに検討する目安とされている10万接種当たり0.5を下回っていることを確認しております。
6のHPVワクチンの情報提供については、情報提供に関するこれまでの議論を踏まえ、マル1目的については公費で接種できるワクチンの1つにHPVワクチンがあること、接種について検討・判断するための有効性・安全性に関する情報等や、接種を希望した際の円滑な接種に必要な情報を接種対象者及び保護者に届けること。マル2方法については周知の一環として、自治体からリーフレット又は同様の趣旨の情報提供資材の個別送付を行うこと。マル3内容については、改訂リーフレット案について各々了承されました。
続きまして、7の副反応疑い報告制度の取扱いについてです。副反応疑い報告として、急性散在性脳脊髄炎及びギラン・バレ症候群を報告する際に、「ワクチン接種後の有害事象報告の収集・評価の新たな基盤整備のための研究」により作成され、合同会議で了承された調査票の記載及び報告を求めることについて、令和2年10月1日より開始することが報告されました。また、ワクチンの接種間隔に関する規定を一部改正することに伴い、接種情報を収集する目的で副反応疑い報告書の記入要領を改正すること、予防接種後健康状況調査を改定したこと、規定の改正に関する周知を行ったことなどが報告されました。資料2-2については以上です。
○事務局 続きましてNDMA関連の安全対策といたしまして、資料2-3と資料2-4について御説明いたします。まず資料2-3になります。資料2-3につきましては、NDMAが検出されたラニチジン塩酸塩製剤又はニザチジン製剤の使用による健康影響評価の結果について、令和2年9月1日に事務連絡を発出いたしました。事務連絡の内容としましては、過去にこれらの製剤を使用された方々における健康への影響について評価を行い、令和2年第5回安全対策調査会におきまして報告した内容を医療機関及び薬局に対して周知するためのものです。
調査会での報告内容は次のとおりです。1.ラニチジンについては日本国内で製造販売される全ての製品の自主回収が行われ、現在流通していないこと。一方、ニザチジン製剤については基準値を上回るNDMAが検出されたロットについては自主回収が行われ、既に流通していないこと。また、現在国内で流通している製剤についてはNDMAが基準値以下になるよう、製造販売業者により適切に管理されていること。
2.基準値を上回るNDMAが検出されたラニチジン又はニザチジンの使用による、理論上の発がんリスクについては、下表のとおりであったこと。結論といたしましては3ページ目、ICHガイドラインにおいては、「およそ10万人に1人の増加」のリスクは許容可能とされており、上記の評価結果について大半はこれを下回っていました。一方、8週間という短期的な服用を想定した場合には、1年間毎日服用したときのリスクである「およそ8万人に1人のがんの増加」を基に、『「およそ8万人に1人」のがんの増加より小さい』との評価結果がございますが、これらについては短期的な使用における定量的な評価は困難であることから保守的に評価したものであり、評価を行ったいずれの使用状況においてもICH M7ガイドラインに照らして許容される程度に収まっていることを報告いたしました。ラニチジンについては以上になります。
続きまして資料2-4を御覧ください。こちらは、NDMAが検出されたメトホルミン製剤の使用による健康影響評価の結果等についてという事務連絡を、令和2年10月19日に発出したものです。事務連絡の内容としましては、メトホルミン製剤を使用された方々における健康影響評価について、こちらも安全対策調査会におきまして報告いたしましたので、その内容を医療機関及び薬局に対して周知するものです。調査会での報告内容は、次のとおりです。1.メトホルミン製剤については、基準値を上回るNDMAが検出されたロットは自主回収が行われております。また、現在国内で流通されている製剤についてはNDMAが基準値以下になるよう、製造販売業者により適切に管理されていること。2.基準値を上回るNDMAが検出されたメトホルミン製剤の使用による理論上の発がんリスクについては、メトホルミン1,500mgを10年間毎日服用したときのリスクを計算しまして、およそ55万人に1人が生涯でそのばく露により過剰にがんを発症する程度のリスクであると評価されております。こちらについても、ICH M7ガイドラインのおよそ10万人に1人の増加のリスクは許容可能とされていることから、メトホルミン製剤1,500mgを10年間毎日服用したときの理論上の発がんリスクは、同ガイドラインに照らしても許容される程度に収まっていると考えられていることを御報告しております。メトホルミンについては以上です。
○事務局 では、続きまして資料2-5、要指導医薬品のリスク評価について御報告いたします。要指導医薬品のリスク評価については製造販売後調査及び副作用報告に基づいて重篤な副作用の発生状況を評価し、製造販売承認の許否事由に該当する状況にないことを確認するものですが、この手続の確認は安全対策調査会で行い、その結果を本部会に報告することとなっております。この手続にのっとり、本年9月30日の安全対策調査会において扱われたフェキソフェナジンの小児用量について、本日御報告いたします。
1ページの下の表を見ていただければと思います。成分はフェキソフェナジン、販売名はアレグラFXジュニア、製造販売業者がサノフィ株式会社です。効能・効果が花粉、ハウスダストなどによるくしゃみ、鼻水、鼻づまりといった鼻のアレルギー症状の緩和となっております。また、用法・用量を御覧いただければと思いますが、こちら小児用の製品です。中ほど、製造販売後調査概要ですが、特別調査は個別に薬局と契約をして、モニター店舗でアンケート票を配ってアンケート調査を実施するものであり、一般調査は薬剤師などによる自発報告です。これらの特別調査と一般調査が行われ、どちらも重篤な副作用はなく、特別調査では傾眠9件、頭痛、咽頭乾燥、鼻出血、鼻漏、下痢各3件などが報告されております。また、一般調査では未知の副作用として発熱2件、食欲減退、振戦、熱感、咳嗽、鼻出血、鼻閉、脱毛症各1件が報告されました。
2ページに、調査会における議論を簡単に記載しております。参考人として耳鼻咽喉科の専門家の出席の下、御審議を行いました。審議の内容ですが、製造販売後調査において特段懸念される副作用が発現していないこと、また、本製品は小児用ですが、成人用の同成分が既に第2類医薬品とされていることを踏まえ、要指導医薬品から一般用医薬品への移行は問題ないという評価をいただいております。資料2-5については以上です。
続きまして資料2-6について御報告いたします。こちらは「フッ化物を配合する薬用歯みがき類の使用上の注意について」の一部改正についてです。資料1ページに記載のとおり、フッ化物を配合する薬用歯みがき類であって、フッ素として1,000ppmを超えるようなものについては平成29年に通知を発出いたしまして、その使用上の注意の取扱いを示すとともに、日本歯磨工業会の注意表示についての自主基準の周知をしてきた状況でした。今般、同工業会より自主基準を改正したという報告があったことを受けて、本通知を発出したものです。変更点については、5ページに変更前の通知に対して今回の改正箇所を反映させた改正後の全文があります。もともとフッ素として1,000ppmを超えるフッ化物を配合するものについては、「記」の下の1.に記載のとおり、6歳未満の子どもには使用を控える、6歳未満の子どもの手の届かないところに保管するといった旨を表示するようお願いしていたところですが、この表示がなかなか目立つようになっていないとの声を受けて、今回2.で1.の記載についてはほかの注意表示と比べて目立つように表示するといったことを追記しております。今回の改正については、この表示を目立つようにとの点を新たにお願いしているものです。資料2-6については御説明は以上です。
○事務局 続きまして資料2-7を御覧ください。パリペリドンパルミチン酸エステル持効性懸濁注射液の12週間隔筋注製剤、以下、本剤といいます。本剤については、本年9月25日、「統合失調症(パリペリドン4週間隔筋注製剤による適切な治療が行われた場合に限る)」を効能又は効果として承認されました。本剤の適正使用確保のため、資料2-7にお示ししている通知を発出しておりますので、紹介いたします。パリペリドン製剤としては既に4週間隔筋注製剤が承認されており、本剤と同じく統合失調症を効能又は効果として承認されていますが、投与間隔が異なり、本剤はパリペリドン4週間隔筋注製剤から切り換えて使用されます。既存の4週間隔製剤では同剤との因果関係は不明ではありますが、同剤の市販直後調査期間中に複数の死亡症例が報告されたことから、平成26年4月に安全性速報(ブルーレター)を発出するとともに、添付文書において、急激な精神興奮等の治療や複数の抗精神病薬の併用を必要とするような不安定な患者には使用しないこと等の注意喚起をしてきました。本剤にも4週間隔筋注製剤と同様なリスクがあることから、本剤を投与しようとする患者において、4週間隔筋注製剤が適正に使用されていること、及び本剤投与後には副作用の発現に注意し、次回投与までの間も患者の状態を十分に観察することが求められます。そのため本剤の適正使用の確保のために、資料2-7の通知を発出し、本剤の添付文書における効能又は効果に関連する注意、用法及び用量に関連する注意、重要な基本的注意を周知して、適正使用を促しております。また、製造販売業者からも医療従事者に対し、本剤使用前に適切な投与対象等について周知徹底するよう指導しております。資料2-7については以上です。
○五十嵐部会長 はい、どうもありがとうございました。それでは、資料の2-1から2-7までの御説明に対しまして、何か御意見、御質問等いかがでしょうか。特にございませんか。それでは議題2の報告は以上とさせていただきます。
続きまして、議題3「医薬品等の副作用等報告の状況について」事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料3について事務局より説明します。資料3-1を御覧ください。医薬品医療機器等法第68条の12の規定に基づき、厚生労働大臣は副作用等の報告状況について薬事・食品衛生審議会に報告することとされておりますので、本資料に基づきご説明いたします。今回の報告期間は、本年4月1日から7月31日まででございます。
資料の1には、製造販売業者からの副作用報告と感染症報告の状況を示しております。(1)には国内症例、(2)には外国症例の報告件数を示しており、国内症例について副作用報告件数は毎年増加傾向にありますが、国内症例については前回と比べて減少しております。明確な原因は不明ですが、昨今のCOVID-19の影響により受診数が減少していることなどが要因の1つと考えられます。(1)の国内症例の内訳については、資料3-2にまとめて示しております。
(3)には医薬品たるコンビネーション製品における機械器具等に係る部分の不具合報告件数をお示ししております。医薬品たるコンビネーション製品とは、インスリンペン注等、機械器具等と一体的に販売するものとして承認を受けた医薬品をいうものであり、例えばインスリンペンのペンの部分の故障といった不具合の報告件数を示したものとなります。医療機器安全対策部会への報告件数を再掲していることから、本資料の中でこの箇所のみ報告期間が異なることに御留意ください。この内訳についても、(1)と同じく資料3-2にまとめて示しております。
(4)には、外国での新たな措置の報告件数をお示ししており、前回と比べ微増となっております。微増とはなっておりますが、年単位では横ばいであり、その変動の範囲と理解しています。内容については、資料3-3に示しております。
(5)には研究報告の報告件数を示しており、前回と比べ件数はほぼ横ばいとなっております。報告された文献等のリストは、資料3-4に示しております。
2.医薬関係者からの報告についてご報告いたします。ワクチン類を除く医薬品の副作用報告とワクチン類の副反応報告とに分けて示しており、これらのうち重篤症例については企業若しくは独立行政法人医薬品医療機器総合機構が詳細調査を行うこととしておりますので、重篤なものの件数及びそのうち機構が詳細調査を行った報告の件数についてもお示ししております。なお、機構が詳細な調査を行った報告の内訳については、資料3-5に示しております。
最後に3.副作用救済給付又は感染症救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告についてご報告いたします。報告期間内に救済給付に関する決定がなされたものの件数を、副作用救済給付、感染症救済給付について示しております。なお、その内訳については、資料3-6にまとめて示しております。
次に、副作用等報告の訂正についてご報告いたします。副作用等報告の件数については、企業からの報告状況を取りまとめて報告しており、毎部会において各報告期間の合計件数を示しております。前回部会までの研究報告の件数について、感染症、医薬部外品及び化粧品に係る報告の件数が集計されていなかったことから、表のとおり訂正いたします。なお、誤りがあったのは、今回でいう資料3-1の総件数であり、今回の資料3-4に当たる研究報告の一覧ではこれらも含まれており、それらは訂正はございません。また、前回令和2年度第1回医薬品等安全対策部会における研究報告の一覧についても、誤りがありましたので訂正します。
続きまして、患者からの医薬品副作用報告の状況について説明します。資料3-7を御覧ください。患者からの医薬品副作用報告の状況については、今回報告分は令和2年4月1日から7月31日までの分となります。今回の報告期間中の総受付症例数は38例でした。そのうち未回復、後遺症がある又は死亡したと報告された症例は14例でした。38例の内訳として、医療用医薬品を1つでも含む報告は35例であり、要指導・一般用医薬品を1つでも含む報告は3例ございました。全症例の副作用報告の状況については別紙に示しており、医療用医薬品については別紙1にラインリストを示しております。また、要指導・一般用医薬品については、別紙2にラインリストを示しております。医療用医薬品について報告された副作用のうち、報告の多い薬効分類は、上から精神神経用剤、他に分類されない代謝性医薬品、解熱鎮痛消炎剤、抗生物質製剤のうち主としてグラム陽性・陰性菌に作用するものでした。資料3-7につきましては以上です。
○五十嵐部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明に何か御意見、御質問ございますでしょうか。特にありませんか。よろしいでしょうか。では、議題3の報告は以上となります。
続きまして、議題4「医薬品の感染症定期報告の状況について」説明をお願いいたします。
○事務局 議題4「医薬品の感染症定期報告について」報告します。資料は、お手元のタブレットの資料4-1、4-2になります。まず、感染症定期報告について制度の概要について説明します。医薬品医療機器等法に基づく副作用等報告におきましては、製造販売業者からその製造販売をする医薬品によるものと疑われる副作用、感染症を報告することが義務付けられております。他方で血液製剤やワクチン等の生物由来製品につきましては、その原料はヒトその他の生物に由来するため、細菌、ウイルス等が含まれている可能性が完全には否定できません。また、その感染症自体の性質として、時間の経過に伴い軽減することなく、一定期間後に症状が顕在化してくるという可能性もあります。このような性質を踏まえ、生物由来製品につきましては、製品への直接的な影響が不明であるものも含め、定期的に製品の原料、材料による感染症に関する報告を行うことを義務付けられており、これが感染症定期報告です。なお、感染症定期報告で寄せられたものにつきましては、本医薬品等安全対策部会のほか、血液事業部会運営委員会において報告を行っております。以上が、感染症定期報告の概要です。
資料は4-1、4-2がありますが、資料4-2が重複を含む期間中の全ての報告です。そのうち重複や過去に報告されたものを整理し、今回の期間に新規に報告されたものをまとめたものが資料4-1となります。
資料4-1です。今回の報告は、本年4月1日から7月31日までに報告されたものをまとめております。詳細な説明は省略しますが、今回新たに報告された文献は61件ありました。全体の傾向としましては、今回はコロナウイルス感染関係が38件報告されています。これらの報告について、国立感染症研究所の脇田委員と宮﨑委員、国立医薬品食品衛生研究所の澤田委員に事前に御確認いただいております。この場で御紹介すべき御意見は、特に頂いておりません。議題4につきましては以上となります。
○五十嵐部会長 ありがとうございました。それでは、何か御質問、御意見等ございますでしょうか。よろしいですか。それでは、議題4の報告は以上といたします。
続きまして議題5「その他」です。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料5-1を御覧ください。薬機法改正に向けた対応状況についてとの表題です。こちらの資料で総括製造販売責任者の要件の明確化、添付文書の電子化、トレーサビリティの確保といった事項につきまして、それぞれ現在の行政側の検討状況を御説明いたします。
まず、2ページ目ですが、こちらでは総括製造販売責任者の要件の明確化についてまとめております。現状では医薬品の製造販売業者は総括製造販売責任者、以下、総責と略しますけれども、総責として薬剤師を置くことが法律で規定されており、また、3年以上の従事経験といった要件を通知で示しております。今回の法改正では、製造販売業者に対して法令遵守や、必要な能力及び経験を有する総責を選任することなどの義務を明確化したことに伴い、そうした責任義務を果たすことができるようにするため、これまで通知で示していた要件を法令で規定するとともに、総責としての責務を果たすことが可能な職位を有する薬剤師が確保できない場合などに限り、例外的に薬剤師以外の者を選任できるような規定を設けることとしました。あくまで総責を原則として薬剤師としつつも、急な辞職の場合など、薬剤師の免許を持つ適切な人物を確保できない場合に、薬剤師以外を総責とすることを認める例外です。例外を活用する場合は、併せて活用期間が長く続かないよう、総責を補佐する薬剤師の配置を求めるとともに、薬剤師免許を持った総責に相応しいような人物の育成を求めます。
3ページ目ですが、具体的な要件として、現在検討中の案を記載しております。薬剤師以外の総責は、薬学又は化学に関する専門の課程を修了していること、あるいはそれと同等以上の知識を持つと認められたものであること、薬剤師以外の総責を置ける例外対応の期間が5年までであることなどを、省令において規定する予定であり、近日中にパブリックコメントを実施予定です。こちらは来年の8月1日より施行されます。
続きまして、4ページです。ここから別の話題となりますが、添付文書に関する現行制度及び課題を記載しております。現在、医薬品、医療機器などの添付文書は製品に同梱する形で医薬関係者に情報提供されていますが、添付文書が改訂された場合に、製品に同梱された添付文書が最新のものではない、あるいは複数の同一製品を購入した場合にそれぞれに同じ添付文書が入っていますので、紙資源の浪費になるといった問題につながっております。これに対して5ページ目に記載のとおり、製品への添付文書の同梱を廃止して、電子的な方向によって提供することを基本にする。また、最新の添付文書にアクセスするための符号を製品の外箱に記載しつつ、情報が改訂された場合には、それと同時に紙媒体による文書を医薬関係者に届けるといった仕組みを構築する。一方で、消費者が直接購入する製品は現行のまま紙媒体の添付文書を同梱するといった内容の薬機法の改正が行われました。
続いて6ページですけれども、先ほど申し上げた製品の外箱、容器又は被包に記載する符号の案として、GS1コードとQRコードの2つを記載しております。今後近日中に実施する薬機法の施行規則改正案のパブリックコメントでは、現在のGS1コードの利用状況や今後の発展性を鑑みて、これら2つのうちGS1コードとする方向でお示しする予定です。詳細は後ほど御説明いたしますが、GS1コードを読み取って添付文書の情報にアクセスするアプリは、現在、産業会が開発していて無償で提供予定だと聞いております。
続いて7ページですが、ここでは符号からPMDAに掲載された注意事項等情報へのリンクがどのように行われるかを示しております。注意事項等情報というのは、PMDAホームページに掲載された電子化された添付文書のことだと思っていただければと思います。まず、製品の容器等に記載された符号を現在開発中のアプリで読み取りますと、リダイレクトページを介して最新の注意事項等情報にアクセスが可能となります。また、リダイレクトページでは、注意事項等情報のほか、RMPや審査報告書といった関連情報を読み取れるようにする予定で、現在PMDAにおいてシステムの開発中という状況です。製造販売業者は、2021年8月1日までに、符号を製品の容器等に記載する必要がありますが、2年間の経過措置期間が設定されており、2023年7月31日までの間に製造販売された製品については、添付文書が同梱されていれば、符号が記載されていなくてもよいとする予定です。一方で、医薬関係者の皆様におかれましては、スマートフォン等に符号を読み取って、注意事項等情報にアクセスするためのアプリケーションをインストールしていただく必要がございます。繰り返しになりますが、現在、産業会が開発を行っていて、無償で利用可能になると聞いております。このアプリですが、来年4月から先行して利用できるよう開発中とのことです。
8、9ページでは、具体的に符号を読み取った場合に、どうやって注意事項等情報にアクセスするのかのイメージを示しております。こちらはGS1コードを利用する場合ですけれども、8ページでは、現在の添付文書に当たるものを直接表示する場合、9ページは、RMPや審査報告書等の関連情報を表示して、そこから閲覧したいものを選ぶ場合のイメージです。毎回これらのどちらのモードを使用するか選択せずに、あらかじめアプリ側でデフォルトのモードを設定することも可能であると考えております。
続いて10ページですが、製品を初めて購入する場合や注意事項等情報に変更があった場合に、製造販売業者がその時点での最新の注意事項等情報を、医薬関係者に適切に情報提供できるような体制の整備について記載しております。一番下の青枠の所に通知で示す予定の事項を記載しております。2ポツ目にありますように、初めて購入しようとする医薬関係者に対しては文書を提供することが基本とすること、また、3ポツ目のように、注意事項等情報を変更した場合は、速やかに情報提供ができるように文書を提供する方法や電子データを送付する方法など、医薬関係者が確認しやすい方法とすることを示す予定です。ただ、大前提として、1ポツ目にありますとおり、医薬関係者が必要とする時点で、適切に情報を入手できるようにすることが非常に大事だと考えておりますので、そのような体制を整備することを求める予定です。なお、初めての購入時の場合であっても、医薬関係者と共通の認識があるのであれば、紙以外の手段で情報提供することや、その医薬関係者が自分たちは情報を持っているので、必要ないと申出があった場合に、情報提供を省略することは全く問題ないと考えております。
11ページ以降ですが、別の話題になります。トレーサビリティの現状についてです。現在、医薬品、医療機器等には、GS1のバーコード表示が付されており、物流管理の効率化、院内での物品の在庫管理、取り違えの防止や、回収ロットの特定といった医療安全の向上の目的で使用されています。
次に12ページで、医療用医薬品のバーコードの表示割合を記載しておりますが、商品コードについては、ほぼ100%表示されている状況です。また、任意で表示できる範囲とされている項目以外は、2021年までに表示することを通知で求めています。13ページは医療機器の表示割合ですが、黄色のハイライトが付されている部分を見ていただきますと、高い割合で販売(包装)単位にはバーコード表示がなされていることがうかがえます。
ここまでは現状となりますが、次に14ページにおいて現在検討中の案を示しております。従来はこれらの内容を通知で求めてきておりますが、今般の法改正により法律で規定する予定です。具体的には、医薬品、医療機器の販売包装単位について、商品コード、有効期限、製造番号や製造記号を付したバーコード表示を容器に行うよう、現在条文案を検討中です。表示の範囲は基本的には、現在通知で求めている範囲と同じにする予定ですけれども、青字で書いておりますが、一部通知の対象になっていないような、医療用の麻薬製品、臨床試用医薬品、再生医療等製品についても対象とする予定で検討しております。
15ページですけれども、こちらに先ほどの注意事項等情報の電子化とトレーサビリティの向上について、まとめてスケジュールとして記載しております。1段目に記載のとおり、注意事項等情報の電子化については、2021年8月1日から施行されます。ただ、2年間は経過措置期間ですので、徐々に紙媒体の同梱がなくなっていって、2023年の8月1日からは完全に電子的な提供になるというイメージです。2段目にそれに向けた対応を示しておりますが、2021年の3月31日までにPMDAのホームページの改修が完了いたします。これと同じタイミングで、符号を読み取るアプリについても、現在産業会が開発中のものが提供できるようになって、先行運用として、医薬関係者の皆様に使っていただけるようになる予定です。したがって、医薬関係者の皆様方におかれましては、医療現場で用いられるスマートフォンやタブレットにアプリをインストールして、是非御使用いただきたいと考えており、御協力をお願いいたします。また、3段目になりますけれども、トレーサビリティの向上については、2022年の12月1日より符号を記載することが義務化されます。こちらについても、円滑な移行に向けて、製造販売業者や医薬関係者の方々に、積極的に周知を図っていく予定です。
最後になりますが、16ページで既に今年9月1日に施行されている情報の提供等(レジストリ)に関する条文を御紹介いたします。この条文では、製造販売業者が行う医薬品や、医療機器の適正使用のために必要な情報収集に協力するよう努めることを、新たに大学や研究機関にも求めるものです。この改正の意図としては、大学や研究機関で持っているようなレジストリに入っている情報というのは、個人情報が含まれており、そういったものを安全対策に活用しようとしても、個人情報保護法の関係で個別に個々人の方々の同意がないと情報の提供ができないというハードルが、この改正前はありました。ただし、個人情報保護法の中で法令に定めのある場合は、各個人の同意の取得は不要となっており、この改正によって、薬機法で規定がされますので、情報提供が容易になって、安全対策に活用することがより容易になるといった趣旨の改正です。皆様におかれましては、引き続き医薬品や医療機器の安全対策に御協力いただきますよう、お願いいたします。長くなりましたが、以上で資料5-1の説明を終わります。
○五十嵐部会長 どうもありがとうございました。では、資料5-1につきまして、何か御意見、御質問はございますか。よろしいですか。
それでは、資料5-2の説明をお願いします。
○事務局 5-2、医薬品等行政評価・監視委員会の設置について御報告いたします。2ページ目を御覧ください。これまでの経緯が記載されておりまして、掻い摘んで御説明いたしますと、平成22年に薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会で取りまとめられた、薬害再発防止のための最終提言におきまして、医薬品行政の監視・評価機能を果たすことができる第三者機関の必要性が指摘されました。これを受けて、令和元年度、昨年になりますが、厚生労働省に医薬品等行政評価・監視委員会を設置する規定を含む改正薬機法が公布されております。本年4月に、独立性を担保するため医薬行政を扱っている医薬・生活衛生局とは別の部局である、大臣官房の厚生科学課に準備室が設置され、今年の9月1日に改正薬機法が施行され、監視委員会が立ち上がったという経緯です。
次に3ページ目ですが、委員会の所掌として、(1)(2)と2つございます。1つが施策の実施状況の評価・監視であり、医薬品等に関する安全性の確保と医薬品等の使用に関する保健衛生上の危害の発生防止に関して施策の実施状況の評価・監視を行うということです。赤字で書いてありますが、個別の医薬品等の安全性に関する最終的な評価は、あくまでも従来と変更なく、この薬食審で行い、この監視委員会は施策の実施状況の評価・監視を行うということです。また、(2)として、そういった評価・監視の結果を踏まえて、必要であれば安全性の確保等のために講ずべき施策を厚生労働大臣に意見や勧告することができるとなっております。
続いて、下のほうに委員会の規定等について記載がありますけれども、青字のとおり、委員は9名であり、薬害被害者、市民、医師、薬剤師や、医薬品評価、法律・倫理、薬剤疫学、医薬品製造技術・マネージメント技術の専門家の方々から構成されております。
続いて4ページです。医薬品等行政評価・監視委員会で扱う議題のイメージです。1つ目として、個別の医薬品の安全性の確認状況です。こちらは繰り返しになりますが、最終的な評価の実施は薬食審ですが、そういった確認が問題なく機能しているかどうかを確認するということです。また、(2)として、薬事制度そのものについても確認・検証していくということです。また、(3)として、委員会が自ら例えば海外の調査をすることもあり得るということです。
続いて5ページですが、薬食審やその他の委員会との関係性のイメージ図です。左のほうに医薬・生活衛生局その他関係部局とありまして、一番左に薬食審やその他の審議会、また下のほうにPMDAとあります。これら各者が従来どおり、安全性に関する施策を行っていきますが、これに対して新しくオレンジ色で示す監視委員会ができ、そちらに対して、マル1の定期的な報告を行うことと、また、監視委員会から求めがあった場合には、マル2の資料の提供や説明等を行うこととなります。監視委員会は、その他の行政機関や外部の機関と連携することもありますが、そのようにして得た情報を基に、必要に応じて自ら調査・審議したうえで、必要であればオレンジ枠の(2)に記載のとおり、厚生労働大臣に対して意見又は勧告をするということです。
6ページにその監視委員会の委員9名のリストを載せております。慶應大学の磯部先生が委員長であり、東京理科大学の佐藤先生が委員長代理です。
次の7ページにおいて、この9名の委員を選ぶに当たっての選考委員会の委員の一覧です。4名の有識者の方々のお名前、所属等を載せております。
最後の9、10ページ目に関連条文を参考として、法律と政令を載せております。資料5-2についての御説明は以上になります。
○五十嵐部会長 どうもありがとうございました。それでは、これについても、もし何か御意見、御質問がありましたら、お願いいたします。よろしいですか。それでは、議題5の報告は以上で終了いたします。
予定しておりました議題は以上で終了しましたけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本部会の次回の開催日時でございますが、現在調整中です。詳細につきましては、改めて御連絡申し上げますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○五十嵐部会長 どうもありがとうございました。それでは、本日の部会はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。
( 了 )
 
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬安全対策課 課長補佐 塩川(内線2752)