第4回 審査支払機能の在り方に関する検討会 議事録

日時

令和2年11月25日(水)14:00~16:00

場所

AP新橋 4階 D+Eルーム
港区新橋1-12-9 A-PLACE新橋駅前
(オンライン開催)

出席者

構成員(五十音順)

議題

1.審査結果の不合理な差異の解消について
2.支払基金と国保連のシステムの整合的かつ効率的な在り方について
 

議事

(議事録)

○姫野保険課長 定刻になりましたので、まだ入室されていない方もいらっしゃいますけれども、ただいまから第4回「審査支払機能の在り方に関する検討会」を開催いたします。
本日は、大変お忙しい中、御参集いただき、誠にありがとうございます。
本日も、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。会議中、御発言の際は、Zoomの機能で挙手いただくか、難しい場合には画面越しに手を挙げていただき、座長の指名を受けてから、マイクのミュートを解除して、御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしてくださいますようお願いいたします。
次に、本日の出欠状況ですが、印南構成員、岡﨑構成員から御欠席の連絡をいただいており、岡﨑構成員から代理出席の申出がございます。岡﨑構成員の代理として、川村様に御出席いただくこととしたいと思いますが、御異議はございませんでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○姫野保険課長 以降の議事運営は、菊池座長にお願いいたします。
○菊池座長 本日も、お忙しいところ、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
早速、議事に入らせていただきます。
まず、議題1に関しまして、前回に引き続き、審査結果の不合理な差異の解消を議題としておりますが、これまでの検討会において、構成員の皆様から不合理な差異解消の検討に当たって支払基金と国保連の審査基準の事例数やコンピューターチェックの数量を整理してほしいといった御意見や、自動レポーティングについての御意見や御質問がございました。
まず、議題1につきまして、この点につきまして事務局から御説明をお願いいたします。
○姫野保険課長 ありがとうございます。
資料①につきまして、御説明いたします。
順番が前後して恐縮ですけれども、後ろのほうに「第2回資料①抜粋」という部分がございます。そこを3枚おめくりいただきますと、「審査基準の統一の取組」という緑色のフローチャートがございます。これは第2回のときに御報告した資料ですけれども、支払基金、国保中央会、それぞれで、審査基準、審査委員の先生方の最終的な判断基準を内部で統一していくという作業をして、それぞれの組織の中で統一されたものを情報共有していく。その中で一致したものは公表し、一致しないものについて、厚生労働省が設置した作業部会、連絡会議といった場でもって、統一に向けた調整をしているという御報告をいたしました。左下の吹き出しにありますように、昨年9月の第1回連絡会議におきまして106の事例が基金から統一事例として提供され、これを国保の中でも検討した結果、今年の7月末の時点では101の事例が統一され、残り5事例が引き続き調整というところまで調整が進んでいると御報告したところでございます。これにつきまして、進んでいる例ということでは分かるけれども、その他、まだ調整が進んでいない事例など、どういう状況になっているのか示してもらいたいという御指摘をいただいたところでございます。
資料を前に戻りまして、1ページ目になります。右側のほうから御説明したいと思いますが、全国統一した審査基準ということで、支払基金では269件、国保では466件ですが、それを持ち寄ってそれぞれの機関の間での基準を統一したところが、先ほどの101事例も含めて合計193件が現時点では審査基準が統一されているということでございます。そのほかに、基金では76件、国保では273件が、それぞれの機関の中では統一されていますけれども、2つの機関の間での調整が今後待たれているという状況です。その左側になりますけれども、現在支払基金の中で全国統一の基準に向けて検討しているものが合計972件あります。国保については113件あるというのが、まだ基準が統一されていないものについての全体像になります。また、こういった検討課題に挙がる経過、どういうきっかけで検討課題になるのかというのが左側に記載してございますけれども、例えば、支払基金でありますと、各支部から本部宛てに審査の取扱いに苦慮しているとして報告された事例とか、あるいは、協会けんぽなど全国単位で運営されている保険者から本部宛てに支部間の差異があるという照会が寄せられた事例、そういったものを吸い上げる形で審査基準の統一に向けて検討が進められているということでございます。
次の2ページにつきましては、参考の情報になりますけれども、今回、各都道府県単位で取り決めている事項がどれくらいの例があるかということを、支払基金、国保連、それぞれに調査をしていただいた結果でございます。この基準については、保険診療のルールを実際の診療報酬請求に当てはめる中で、具体的な都道府県ごとの取決事項を作成しておりますけれども、県内で審査委員の取扱いの違いがないように、揃えるためにこういった取決め事項をして審査基準の統一を図っているという趣旨のものでございます。この取決め事項自体は都道府県ごとに実務上定めたということでありますので、そういった意味では、ほかの都道府県との重複とか、既に全国で統一された基準との内容の重複とか、そういったところの精査が行われていない、ある意味、延べ数になっていることを留意していただければと思います。支払基金につきましては、令和4年10月に審査事務の組織集約をしていくということでありますけれども、それまでの間に統一すべく、本年10月からブロックごとに設置をした診療科別ワーキンググループにおいて統一に向けた検討を進めております。国保連合会におきましても、地区別審査委員会会長会議において、各国保連合会の取決め事項を協議しているという状況でございます。
ここまでが、これまでいただきました御意見に対する回答になります。
以上でございます。
○菊池座長 ありがとうございました。
それでは、支払基金から御説明をお願いいたします。
○支払基金(真鍋) それでは、資料②につきまして、説明いたします。
支払基金の審議役をしております、真鍋と申します。
まず、1スライドでございます。レポーティングにつきまして、どのようなスケジュール感で何をしていくのかという御質問をいただいております。それにつきましてまとめたものですが、まず、1つ目のポツです。既に審査における取扱いがまとめられている審査の一般的な取扱いといった事例や審査情報提供事例につきましては、令和3年度中にレポートをする。下の表にありますように、医科でいいますと、審査の一般的な取扱い事例が28、審査情報提供事例が82というところが対象になります。上の2つ目のポツですけれども、引き続き、多くの付箋がつくコンピューターチェック対象事例について、令和4年度中にレポートをするということでございます。下の表を見ていただきますと、中央検討委員会の継続検討事例、コンピューターチェック付箋ありのものにつきまして、令和4年度中にレポートをするということでございます。それ以降につきましては、この審査の一般的な取扱い事例や審査情報提供事例について、先ほどの説明にもありましたけれども、国保との間で調整がつきますとこれからどんどん増えていくことになりますし、また、第2回検討会でも説明いたしました、過去の審査データを分析して査定の多い事例から順次コンピューターチェックを拡充する取組、統一的なコンピューターチェックの設定と呼んでおりますけれども、こういった取組を進めることによりまして、今後、コンピューターチェック自体が増加していきますので、そういったものにつきましても毎月10事例を目途にレポートをしていく予定でございます。
次の2スライドをお願いいたします。このレポーティングの全体のフローを取りまとめたものになります。まず、本部で検証データを作成いたします。それを支部に提供いたしまして、支部でそのデータを基になぜそういう結果になっているのかということを検証します。それを本部に報告していただきまして、その検証結果を本部で確認し、それを取りまとめてレポートを作成するといったフローを考えております。本部で結果を確認した際に、これも第2回検討会で説明いたしておりますけれども、取扱いが異なっている場合の対応につきまして、下に箱で第2回で説明した内容を書いておりますけれども、そもそもその中身が算定ルールなのか、医学的判断なのかという分類をいたしまして、算定ルールにつきましては、職員が異なる処理を行っていたのか、審査委員なのかといったことを特定いたしまして、ちゃんと教育、周知などの対応を行います。医学的判断につきましては、単一のブロックだけなのか、全国的に差異があるのかということを分類いたしまして、ブロックの診療科別ワーキンググループあるいは本部の検討会において差異の解消をしていくということでございます。また、その過程でコンピューターチェックがついていないものはつけるということ、あるいは、ついていても精緻化されていないことが分かったものにつきましては精緻化していく、そういったことも併せて行う中で、全体として差異を解消するような取組をしていくということでございます。
3スライドにつきましては、出力結果例のイメージになります。この下のグラフにつきましては、第2回検討会でお示ししたものでございますが、糖尿病診断後の患者に対する連月のインスリン検査の算定について、原則として認めないという事例になります。これにつきまして、原則認めない事例ですので、なぜ査定していないのかということが問題になるわけですけれども、例えば、山形、埼玉、大分では、多くの職員の認識が誤っていたということですので、上司の教育により是正します。あるいは、岩手では医薬品の副作用チェックとして適正と判断しているということでございますので、そういったことが本当に適正なのかどうかといったことをブロックの診療科別ワーキングあるいは本部の検討会で協議します。青森や神奈川では傷病名やコメントからコントロール不良例と判断したということでございますので、個々の事例自体は適正ということで対応なしといったことを考えているということでございます。
4スライドにもう一つ事例を用意しております。これは、心室性期外収縮に対するノイキノン錠の投与について、この投与は原則認めないと取り決められているところでございます。これは実際にこのような請求が石川と三重でたまたまあって、それにつきましては原則認めないという取決めどおりに、どちらも査定しているという事例でございます。これにつきましては、原則として、認めない場合については、何で査定をしなかったのかということを検証することになります。今回お示ししたのは2つとも認めない事例ですのでそうなりますけれども、実際には取決めといたしましては認める事例もございます。そういった場合は、逆に査定している理由を検証することになりますので、その事例に応じて必要な検証を行うといったことを考えています。
私からは、以上になります。
○菊池座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関しまして、御質問等がございましたら、挙手の上、御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
それでは、川村参考人、お願いいたします。
○川村参考人 高知市の川村でございます。
今回の御説明の前段のところで、幾つか質問をさせていただきたいことと、御意見させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
市町村は、御存じのとおり、国保中央会のシステムを通じて審査支払をしているのですけれども、このコンピューターチェックの前段で先行して開発されている支払基金さんの新しいシステムについて、なかなか連合会あるいは中央会自体が、システムの内容についてお聞きしていないとお聞きしております。特に医療機関の事前点検の内容につきましては、これまでプログラミングで行っていまして事前チェックからBRMSというシステムを導入されるとお聞きしているのですが、全てがBRMSによって行われるのではなく、例えば、現行で走っていますその他のプログラムによるチェックも含まれているような仕様も見えるとお聞きしておりますが、支払基金さんに、今回でなくて構いませんので、点検の範囲とか、どういった領域をどういうふうにチェックしているのかというのを具体的に教えていただきたいと思います。こちらが質問でございます。
意見につきましては、3点ございます。
まず、国保総合システムのクラウドの進め方なのですが、市町村国保が使っております国保総合システムの更改につきましては、2031年を目途に、3段階に分けて開発するとお聞きしております。課題としましては、やはり47の国保連合会にシステムを設置しておりまして、それぞれ総合システムの外に外付けシステムを市町村の実装上に合った状態で置いておりますので、今回の検討会の中で2031年が少し遅いという御意見もいただいておりますけれども、市町村といたしましては、2024年に一挙にクラウドを最終形態まで持っていくというのはリスクが高いと考えております。例えば、システムの障害等が起こった場合に、医療機関、ひいては被保険者の方に御迷惑をかけることになると思いますので、最大限注意しながらクラウド化を進めていただきたいと思います。やはりクラウドにつきましては段階的に進めていくことが現実的ではないかと市町村としては考えております。
2点目につきましては、2回目だと思いますが、高知市長から御意見をさせていただきましたが、支払基金さんのシステムにつきましては、国保でも整合が取れますように活用するものはしてまいりますが、前段に申し上げましたとおり、国保にもそういった情報を十分に提供していただいた上で、開発費用も含めて御検討いただくことが必要だと考えています。また、国保連合会で使っています総合システムにつきましても、よい面もありますので、今後の支払基金さんのシステムの改善の際には、こちらも共同利用を御検討いただきたい。いずれにしましても、厚生労働省で予算のシステムについて費用面や機能面について適正に評価していただきながら、納得できるような形で進めていただきたいと考えております。
最後、3点目ですけれども、やはり最終的な開発費用につきましては、各自治体が負担するようになりますので、財政基盤の脆弱な市町村につきましては、やはり財源確保が非常に厳しい状態もございます。システムの更新に当たっては、これまでの費用負担から比べて高くならないように、財政支援等も含めて御配慮いただければと思います。
意見のほうが長くなりましたが、以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
最初の御要望というか、御質問は、今日すぐに用意できるというものではないのかなと思いましたが、いかがですか。
○屋敷理事長特任補佐 支払基金でございます。
3回目の検討会でも御説明させていただきましたが、開発の状況に応じまして、引き続き国保サイドに対しましても情報の提供は進めさせてまいりたいと思います。
今御意見をいただいたところにつきましては、また検討して準備させていただきます。
よろしくお願いします。
○菊池座長 御意見については、承っておくということでよろしいですか。
ありがとうございます。
続きまして、河本構成員、お願いいたします。
○河本構成員 ありがとうございます。
資料②「自動的なレポーティング機能の導入」で御質問させていただきたいと思います。
この資料で、当面のレポーティング対象事例ということで、既に審査における取扱いがまとめられている審査の一般的な取扱い事例とか、あるいは、審査情報の提供事例が取り上げられておりますけれども、一方で、資料①に保険者等から本部宛てに支部間差異があるとして照会が寄せられた事例もあるという記載がございます。こういった事例について、積極的に自動レポーティングを進めていってもいいのではないかと考えるのですが、その辺りはどうされるおつもりなのか、質問させていただきます。
○支払基金(真鍋) お答えいたします。
レポーティングにつきましては、先ほどのスライド2で申し上げましたように、検証データの提供から検証も踏まえた上でのレポートを考えております。まずはその取扱いがはっきり定まっているものということで、1スライドで一般的な取扱い事例等々について説明申し上げましたが、その次としてコンピューターチェックの付箋ありのものといったことも考えておりますし、順次事例が増えていくごとにきちんと対応はしていきたいと考えております。
○河本構成員 ありがとうございます。
迅速にその不合理な差異の解消を進めていくという意味では、できるだけ前広に自動レポーティング機能を使いながら差異解消を進めていっていただきたいと思いますし、それによって、再審査請求の減少とか、そういったことも起き得るのではないかと思いますので、できるだけ前倒しに、今申し上げたようなことも対象としていただけるようにお願いしたいと思います。
以上です。
○支払基金(真鍋) 御意見を承りました。できるだけ対応していきたいと考えております。
○菊池座長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
会場から、佐藤好美構成員、どうぞ。
○佐藤(好)構成員 資料①の1ページ目の数字のところなのですけれども、資料を出していただきまして、ありがとうございます。
この数字を見たときに、何をゴールにして、何をもって良いとするのか悪いとするのか分からないな、というのが感想でした。統一審査基準ができたものが良いとして、193を多いとするのかどうか。あるいは、今後、統一審査基準に向けていくものの数が多いのか少ないのか。恐らく2年ごとに、ここに新しいものが入ってくると思うのですけれども、どこを目標値としていらっしゃるのか。統一審査基準に向けていくものが溜まらないようにすることが大事だよね、ということなのか、統一審査基準がたくさんできることが重要だよね、ということなのか疑問です。今、何をゴールにしてやっていらっしゃるのか、ここに何らかのゴールをつくる必要があるのかないのか、御意見を聞かせてください。
○菊池座長 いかがでしょうか。
○姫野保険課長 御指摘をありがとうございます。保険課長でございます。
今、数字はここでお示ししてございますけれども、支払基金、国保連、それぞれにこの数字をどうすればいいのかという目標を立てて行っているものではないと承知してございます。両機関とも究極的な目標としては審査支払事務を円滑に行っていくということで、それは、医療機関側、保険者側、ひいては患者にとっても良質な医療を提供していくための審査支払システムだということかと思いますので、現時点で数量化して目標設定するのはなかなか難しいということかと思います。
他方で、先生が御指摘のとおり、この審査の実際の基準については、診療報酬の見直しに伴いまして順次新しいものも出てくると思いますし、医療技術の進化に伴って新たな限界事例も出てくるかと思いますので、そういったところをできるだけ迅速に、かつ、きめ細かに対応していくというのが審査支払機関としての役割だと思います。繰り返しになりますが、数値化した目標はなかなか現時点ではないという状況かと思います。
○菊池座長 ありがとうございます。
それでは、オンライン参加の皆様につきまして、大石構成員、横尾構成員の順番でお願いいたします。
まず、大石構成員、お願いいたします。
○大石構成員 私も、今の御意見に似た話になってしまうのかもしれないのですけれども、数値目標ではなくても構わないと思うのですが、特に自動レポーティングのお話を伺うと、毎月10事例というのが多いのか少ないのかと。定量目標ではなかったとしても、何となく少ない感じがするのですね。もしもこれが多いというのであれば、間違いですとおっしゃってくださって結構なのですけれども。
全般的に、その次のページでプロセスを御説明いただいて、短く言うととても大変なのですということがすごく伝わって、それは大変なのだろうなと思うのですけれども、せっかく、ここから先、自動レポーティングの2枚目、要は、支部で検証して、本部へ挙げて、本部で検証して、また支部に戻して、最終的に原因を究明してレポートをつくって、確かにこれだけやり取りをすれば相当大変だと思うのですけれども、せっかくのコンピューターを入れていていろいろなことをチェックしていくということの中で、例えば、振り分けチェックで用いる類似レセプトグループの概念を使うとか、いろいろな方法があると思うのですが、要は、課題があるということを特定して、本部で一回全部検討して支部でやり取りをするのではなくて、例えば、支部の中でも、自分のところがおかしい、何らかの理由で違うのだということを理解することによって、自動的に、例えば、職員起因のものは直るものもあるかもしれないですし、要は、何を言っているかというと、このレポーティングのフローの流れをもう一回見直すことによって、かつ、システム化することによって、もっと数多く、数だけが課題ではないと思うのですが、もっとスピーディーにきちんと行える方法があるのではないかと思うのです。なので、もしもそういうことが検討できるのでしたらぜひしていただきたいという意見でございます。
○菊池座長 ありがとうございます。
いかがでしょうか。
○支払基金(真鍋) この3スライドで、例えば、査定になっていないものを請求どおりにしてしまったのが職員なのか審査委員なのかといった峻別をしております。こういったことは、システム的に吐き出すことは本部で可能になります。ただ、その後、例えば、職員が請求どおりにしているケースにつきましては、職員が勘違いをしているのか、あるいは、審査委員からそういう指示を受けてしているのかというところまでは、本部ではデータがありませんので、そういう意味で、支部での検証を一回して、その上で、中身をきちんと精査するということを考えているということでございます。
先生がおっしゃるように、できるだけ本部でできることは本部でやって、システム化してといった工夫はしていきたいとは思いますけれども、どうしても支部で検証しなければいけない部分は残ってしまうということで、こういったフローで行いたいということを今日は御説明させていただきました。
以上です。
○大石構成員 全く支部に戻すのがゼロになるとは思ってはいないのですけれども、全体的に、数とか、スピード感にもうちょっと改善の余地があるのではないかということを今回は説明を聞いて思いました。
○菊池座長 御意見、御要望ということでもあると思いますので、持ち帰ってというか、さらに何かできないか御検討いただければと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、横尾構成員、お願いいたします。
○横尾構成員 ありがとうございます。
まず、確認ですけれども、レポーティングフローが3ページに出ていますけれども、このフローはいつ頃にできたものなのですか。
○支払基金(真鍋) お答えいたします。レポーティングは来年9月からということでございますので、今、フローがどういう形か検討中で、今回、こういう形でするということをお示しさせていただいたところです。
○横尾構成員 これまではまだ手作業に近い状態でやっているということですかね。これまではほとんどこういうコンピューターを使ってやるわけではないということですかね。確認です。
○支払基金(真鍋) 私どもでは、システマティックにこういうことを今までやっていたというわけではございません。
○横尾構成員 一般的な地方自治体でも行革をやっているのですけれども、その際には民間の人の意見も聞いて変えていくのです。印象として持っているのは、そういういわゆる改革のバージョンアップは年々されているのかなと心配しています。本来だったら民間の英知を集めて、民間の改革の発想ややり方も入れながらどんどんやっていくべきだと思うのですけれども、そういった積み重ねは基金としてはされているのでしょうか。
○屋敷理事長特任補佐 御質問をありがとうございます。
直接民間の方の御意見ということではございませんが、毎月、審査支払を続ける中で、医療機関あるいは保険者さんの意見をお聞きしながらということもございますし、システムの開発面におきましても様々なアイデアをいただきながら開発を進めているということもございます。あとは、当然ながら、理事会というガバナンス組織を持っておりますし、このような形の検討会でも意見をいただいております。こういう意見をいただきながら、今、支払基金改革を進めておるところでございますが、バージョンアップと言えるところまでいくかどうか分かりませんが、引き続き進めてまいりたいと考えております。
○横尾構成員 印象論で話してはいけないので、本当は正確にそちらを訪問して精査してから言ったほうがいいと思ってはいるのですけれども、ある官庁に関係する機関の例ですけれども、20年間システムがほとんどバージョンアップをされないままに今も運用されているものがあるらしいのですね。これは、はっきり言って、時代遅れのものを延々と使っているわけです。この場合、なぜ改められないかというと、一応その役所の中ではそれはオーケーだという文法が通ってしまっていて、新しくイノベーションをしようという議論がほとんど起きなくて、20年が経過しているそうです。でも、ユーザーの視点から見ると、改善もされずに継続のみで、結果としてコスト高で、手間がかかって、非常に不便らしいのです。そういったものが残らないように是非してほしいのです。
本当は年年歳歳ビジネスフローをよく見て、BPRというビジネスのプロセスを分析して新しくしていくような工夫を常にしていくような体質に変えていかないと、支払基金にしろ、国保にしろ、よい形での経営の改善は望めなくなってしまうと思うのです。
ひとつの見方ですが、いわゆる役所体質というのは一度ルールを決めたらそのルールが金科玉条型になってしまって膠着化しがちになる。そのため柔軟に時代の変化に対応できないという面を持っているといわれます。それは公務というものがそもそも法律に基づいて仕事をするものですから仕方がない面もあるのです。けれども一方では、そういう改革を常にやることを、今回のレポーティングフローがつくりだすことができたら有意義です。仮にそれが全て100点ではないとしても、常に改革をしていただきながらやっていただきたいと思っています。
また、AIについては、これから5年か10年の間に各段に伸びていくというのがAIに詳しい会社の経営者や起業家やIT関係の方々がおっしゃっていることなのです。ですから、今、想定しているレベル以上のレポーティングが可能になっていくはずなのです。そういったことを当然可能とするようなルールもつくって、バージョンも改めていく、年年歳歳新たにしていくということを是非実行してほしいと思います。
ただ、こういうと、多分そちらの側からは、委託してつくったのだからそんなに急には変えられない、5年や10年はこれでいきますという形になるかと思うのですけれども、常に時代の変化に応じていくような、あるいは、よりよい姿を求めていくような、そういったことをしていただかないと、なかなか効果は出てこないのではないかと思うのです。その辺についてはいかがでしょうか。
○屋敷理事長特任補佐 まさに御指摘のとおりでございますが、支払基金改革はここでスタートして数年たっておるところでございます。その間でも、特に毎年の予算編成におきまして、保険者さん等からもしっかりと意見をいただきながら、コストの点とアウトプットの点を御説明させていただきながら進めさせていただいていると承知しております。
また、3年9月が一つの区切りになりまして、現在、開発を進めておりますが、その開発が進んだ後も、当然ながら、AIの切れ味がどうかとか、あるいは、よりよいAIのエンジンがないかと、あるいは、システムにつきましても、常に改良の余地はあるかと思いますので、そのような知見を取り込みながら、バージョンアップをできる限り進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○横尾構成員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。行政側はともすると発注者側サイドに立つことが多々あるので、基金も当然その立場に立たれると思います。そうすると、受注者の民間事業者の方としては、発注者の言われることに沿わなければいけないので、最大限、その意見を生かそうとされると思うのですが、その際に、民間が持っているいろいろなビジネス改革を実行したことによって得られている知見を、抹殺しないで生かして活用していけるように、今後とも業務改革については工夫しながら、よりよい姿を目指していただきたいと思っていますので、期待しています。
○菊池座長 ありがとうございます。
続きまして、平川構成員、お願いします。
○平川構成員 平川です。ありがとうございます。
先ほどの最初の資料①、3ページのスライドがありましたが、支払基金、国保連合会、それぞれが取組をされて、それを統一していくという話の中で、またレポートの話になってきますが、それぞれがやらざるを得ない原因を、それぞれがお金を出していることにあるのかなと私は思います。先ほど国保連合会の方もおっしゃっていましたが、国保がまたお金を捻出しなければいけない。そうすると、市区町村まで影響するということで、それぞれの事情はお金に結びついたことが中心になってくるのかなと思います。
それぞれが基金なりを拠出して一つの何か組織をつくった上で議論しないと、どうしても別々に取り組んでいただいて、その結果を情報共有するという仕組みはいつまでたっても変わらないので、今、横尾構成員がおっしゃったように、どうしても新しいものを取り込めない体質が残ってしまいそうな気がします。
これは国民目線かもしれませんが、介護保険とか、超高齢社会におけるいろいろな問題点を考える上でのエビデンスとなるのは、国保連合会のデータだと思うのですね。これが支払基金の仕組みによってうまく活用できないような将来を迎えることになると大変問題だと思うので、国保にも財政出動をしていただいて、ここでしっかりとした仕組みを国保側に合うような形でつくって、今回の支払基金の仕組みでそれをうまく結合して統一していくという、もう一つ大きな力が必要かと思うのですけれども、厚生労働省の方に質問したいのですが、いかがでしょうか。
○菊池座長 いかがでしょうか。
○姫野保険課長 御指摘をありがとうございます。
平川先生がおっしゃるように、別々に取り組んで情報共有していくということで限界があるのではないかという御指摘はあるかと思います。その点は、また次の論点のところでシステム開発の話で少し論点を我々も立てさせていただいておりますけれども、どういう体制でシステム開発をしていけばいいのか、そういったところも、御指摘のとおり、大事な論点だと思っております。それに付随して、財政的な観点も当然皆様からのいろいろな御意見をいただいておりますので、どういった体制が最も効率的なのかというところは、しっかり御意見を賜りながら進めていきたいと思ってございます。
○平川構成員 よろしくお願いします。
○菊池座長 本日は、佐藤主光構成員は御移動中の会議参加を予定されておられるのですが、まだ入っておられないようなのですが、あらかじめコメントをいただいておりますので、代わりに事務局から御紹介いただけますでしょうか。資料1と2に関して、お願いいたします。
○姫野保険課長 ありがとうございます。
佐藤主光構成員からいただいておりますコメントを御紹介したいと思います。
まず、審査基準の事例数の整理に関して、各都道府県の審査基準を整理した上で、資料1の1ページにあるフローに載せていく必要があるのではないか。既にある審査基準をこういう形で整理していくのですけれども、なかなかスピードが上がらない。新しいものについては、そもそも最初から両者が全国で揃えていくべきではないか。日々新しい医薬品、診療行為が生まれてくるのでということでございます。
組織を統合することは難しいのかもしれないが、基金と国保の審査委員を揃えれば、そもそも社保・国保の差異は生じにくくなる。そういう例は都道府県ではあまりないが、特別審査委員会では2割ほどの先生が両方の審査委員に委嘱されていると聞いているという御意見をいただいております。
3点目ですが、国保は2020年度にVランプのコンピューターチェックを全国統一するということでしたが、国保のコンピューターチェックはそれで全てではなく、国保連の外付けシステムにも連合会ごとのコンピューターチェックが存在するのであれば、それは基金の支部のコンピューターチェックと同様になくさないといけないのではないかという御意見でございます。
4点目ですが、コンピューターチェックは基金と国保のそれぞれが全国統一をしていくということですが、その過程で両者を合わせないと、ばらばらに全国統一したものをつくることになるとまた時間がかかるのではないかという御意見をいただいております。
2つ目の自動レポーティング機能の説明に関する部分ですけれども、御質問になるかと思いますが、自動レポーティングはシステム刷新が来年なのに、一部が令和4年度からというのはなぜなのか。理由があるならそれをきちんと示した上で工程をつくるべきではないかという御質問、御意見をいただいてございます。
以上です。
○菊池座長 以上に関して、今、事務局からお答えできるものがあれば、お願いしてよろしいですか。
○支払基金(真鍋) 自動レポーティングのところでございますが、1スライドになります。先ほどから説明させていただいておりますように、このレポート全体が2スライドのフローを、こういう段階を経た上でレポートをするということを考えておりまして、このレポートの最終結果が1スライドに戻りますと、一部4年度中になるということを説明いたしたものでございます。
ですので、この支部での検証も含めて、中身もちゃんと検証した上でお出しするということで、4年度に結果が公表できる、準備ができるものもあるということで説明させていただいたところになります。
○菊池座長 ありがとうございます。
どうぞ、国保中央会から。
○原国保中央会理事長 ただいまの構成員からの御発言に関して、1点だけ、私どもとしても説明させていただきたいと思います。
国保連合会のコンピューターチェックについては、標準システム以外に、いわゆる外付けシステムでコンピューターチェックをしているという御指摘がございました。確かに私どもが開発した標準システム以外に、民間の企業が開発したコンピューターチェックのシステムがありまして、審査支援システムと今は呼んでいます。これはやっていることにそんなに差はないのですけれども、例えば、コンピューターチェックをかける前にシミュレーションができるとか、仮にこのチェックをかけたらどのくらい効果があるかとか、そういったことを事前にシミュレーションができるような機能が備わっていて、非常に使い勝手がいいという話がありまして、多くの連合会でそのシステムを使ってきたという事実がございます。
ただ、私どもとしては、コンピューターチェックは精緻化・統一化していかなければいけないということで、平成30年度から中央会が契約の当事者になって、基本的には全連合会がそのシステムを使って、標準システムと一体となってコンピューターチェックを進めていこうということになりました。言わば、標準システムの補完的な役割を今は果たしているということで、私どもとしては、それは外付けとはもう呼ばないようにしています。これについては、今度の国保総合システムの更改時には、標準システムの中に全部取り込んでいくということで、今、準備を進めているところでございます。
○菊池座長 どうもありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、この議題1に関しては、差し当たり、以上とさせていただきます。
続きまして、本日の議題2、支払基金と国保連のシステムの整合的かつ効率的な在り方につきまして、これまでの両機関の説明を踏まえた論点などについて、事務局より御紹介させていただき、その後、今後の検討の方向性などにつきまして御協議をお願いしたいと存じます。
○姫野保険課長 ありがとうございます。
資料③について、御説明したいと思います。
これまで、支払基金、国保中央会、それぞれからシステム刷新の状況あるいは今後の方向性といったもののプレゼンテーションをしていただきましたけれども、それに対するこれまでの御意見を少し整理した上で、さらに残された論点を整理したものでございます。左側がこれまでにいただいた御意見で、右側がさらに御議論いただきたい論点という形になってございます。
まず、左上ですけれども、目指す姿ということでございます。同じものを2つ作るのではなく、極力重複を避け、先に開発される基金のシステムを可能な限り活用することが望ましいのではないか。あるいは、国民目線で見ても、統合できるところは統合し、共同化するといった御意見。また、コンピューターチェックのルールについても統一をするべきということ。その上で、自動レポーティング機能についても同じ機能を実装していくということが必要ではないかといった御意見をいただいたと受け止めてございます。
この点、右側の部分ですけれども、目指す姿の具体像ということで、共同利用していくという御意見をいただいておりますけれども、さらに具体的にどのような機能を共同利用するべきかといったところをさらに精緻化していくところが必要と考えてございます。
左側に戻りまして、国保システム更改の際に留意すべき事項でございます。国保のシステムについては、各システムが連携しており、システム更改における課題の一つになっているということ、システム更改に当たっては、各市町村の保健事業などのサービス提供にも支障が出ないように進める必要があること、本日もありましたけれども、各連合会の費用負担になりまして、最終的には市町村負担になることも考慮すべきだという御意見をいただいてございます。
これを踏まえて右側の部分ですけれども、国保システム更改の際に留意すべき事項ということで、支払基金と国保連が主な機能を共同利用しながら、他のシステムには影響を与えずに、保険者の共同処理も含めた業務に支障を生じさせないためにどうするべきなのか。特に審査支払のための外付けとはもう呼ばないというお話もありましたけれども、そういったもの、あるいは、他の自治体の業務のための外付けシステムをどういう形で整理することが適当なのかというところが、さらなる論点かと考えております。
また左側ですが、クラウド化の考え方ということで、前回いただいた御意見の中でも、システムクラウド化は複数のソフトウェアをクラウド上で連結・通信させて全体のコストを下げていくことが本質的な意義であるので、クラウドリフトだけでは効率化にはならないのではないかという御指摘もいただいてございます。
この点、右側でございますけれども、24年の国保システム更改時のクラウドの考え方で、24年の更改時点では基金と国保の面で何を共同利用することを目指すのか。また、クラウド化のメリットを最大限に生かすために、どのようなクラウド化を目指すべきなのかといったところを、もう少し御議論いただこうかと考えてございます。
また左側ですけれども、目指す姿の実現の時期ということで、最終稼働が2031年度では遅過ぎるのではないかという御指摘もいただいてございました。この点も、右側ですけれども、実現時期につきましては、審査支払システムの主な機能は最大限前倒しするとすれば、いつから共同利用を目指すことが妥当なのか。
また、最終的に目指す姿の実現を最大限前倒しするためには、2024年の国保システム更改後にどのようなステップを設定するべきか。前回、国保中央会からの説明の中では、2ステップを踏んで2031年度ということでしたけれども、ここの進め方をどのようにするべきなのかというところが論点かと考えてございます。次に、最終的に目指す姿の実現を前倒しするために、いつから共同利用する機能の開発に着手するべきか。また、共同利用部分以外のシステムの整理、改修にいつから着手するべきかといった話。先ほど平川構成員からもありましたけれども、迅速かつ整合的に共同利用する機能を開発するために、支払基金と国保中央会・連合会との間でどのような体制を取るべきなのか。こういった体制についても御意見を賜れればと考えてございます。
以上でございます。
○菊池座長 ありがとうございました。
それでは、本日までの支払基金、国保中央会へのヒアリング、本日の御説明を踏まえて、皆様から御質問や御意見等がございましたら、挙手の上、御発言をお願いいたします。
まず、黒田構成員、お願いいたします。
○黒田構成員 よろしくお願いします。
まず、前回、御質問で時間を使い過ぎまして、申し訳ございませんでした。
今のお話を聞いていて、前回の質問と、その後、別途機会をいただいて少し御説明をお聞きしたのですが、結局、根本的に今の基金のシステムをそのまま国保で使うことは、一般的にものを作るときには工数で計算しますけれども、開発工数がかえって大きくなることがどうやら想定され、費用面、調達の時期、期間、時間的な問題を含めて、実現が非常に厳しいと、受け止めました。
そうであるならば、そもそもこの資料でまとめてくださっているように、整合的かつ効率的なシステムにするためには、同一の機能を1つにまとめ、1つの仕組みを双方で共有するというのは最も好ましい方法ではあるのですが、まず、今、議論の中心にあるのは、効率的よりも整合的のほうにあると考えるならば、まず、効率的であることは第2ステップに先送りをして、整合的であることのみを考えて、最低限の開発をするのが好ましいのではないかというのが私の現在の2024年に向けての意見です。
それを実現するために、基金側がそれをしていただくためにコンピューターチェックのアルゴリズムの詳細、アルゴリズムが揃わないことには整合的にはなり得ませんので、アルゴリズムの詳細とレポーティングシステムのコードの詳細を国保側に御提供いただいて、国保側でもそれを見ながら似たような形のものをつくることしか現時点ではできないのであろうと考えました。ついては、関連して、質問の1点目です。基金の方への御質問ですが、詳細アルゴリズムの国保への御提供は可能かということを教えていただければと考えます。
これができればという前提で、先ほどお話ししたように、取りあえず今回は国保さんの仕組みについては最小限の移行のみを行うことにして、この右側の資料の目指す姿の実現の時期に話を移していくのですが、そちらに論点を移すべきであろうと考えます。それをするために、国保さんが今すぐにやらなければいけないことが一つあって、先ほどお話があった外付けシステムです。外付けシステムが密結合になっているので、もしくは、疎結合にしてきたのだけれども、結構絡んでいるところが多いので、それがシステムの統一には実は大きなネックなのだというお話を前回されていたと思うのですけれども、その周辺システムとインターフェースの整理、もしくは、インターフェース定義書の確認になるのだと思うのですが、そこの作業をするのにどのぐらいの時間が要るのでしょうかというのが、国保さんへの御質問として2つ目の御質問です。それによって多分後半の時間が決まるのだと思うのですが、改めてシステムの共同開発を行うことでも、どちらかといえば、並行してやってしまう形にせざるを得ないのだろうと思っています。
そのときに、今と同じ議論をしていると、結局、どちらかの組織が何かをつくって、相手がそれを見ながらつくるという非常に非効率な状態に陥ってしまいます。統一したシステムを使うということを、クラウド的に物を考えたいということであれば、クラウドの値打ちは基本的にペイ・フォー・ユース型の利用、つまり、使った分だけお金を払うことで使えるようなプロバイダーを1個つくるというのが基本的な建付であると考えますので、そうなると、多分両事業者がシステム開発部分をそれこそ外出しをして、一つの組織にするようなことまで含めて体制の在り方を考えなければいけないのだろうと考えます。
ここから先は、多分皆様の御意見と厚労省さんの御意見になるのだと思うのですが、今お話しになっている目指す姿の実現の時期という中の目指す姿ということの中に、今お話ししたような共通されたシステムの基盤を提供するような組織を設置することも含めて検討することは議論の対象になり得るのかというのを厚生労働省さんにお尋ねしたいと思います。
以上、意見をも交えてになりますが、3点、御質問を差し上げます。
○支払基金(山崎) 支払基金から、御照会いただきました点について、御説明させていただきます。
支払基金の山崎と申します。
まず、基金からコンピューターチェックのロジック関係を含めてアルゴリズムその他情報が提供されているかということ につきましては、現在開発しているもの、あるいは、現行の機能のものも併せて提示をさせていただいてございます。
提示につきましては、基本設計書は既に提供を終えており、詳細設計も概ねお渡しできております。特にコンピューターチェックの部分につきましては、今回の診療報酬改定の修正分も含めて、修正したものを改めて提示する予定としております。これは年明けを目途にしてお渡しする予定としてございます。私どもで保有しているシステム関係の情報は全て提示をさせていただくこととして、進めてございます。
以上です。
○原国保中央会理事長
2点目の御質問でありますけれども、国保総合システムの外付けシステムとのインターフェースの関係の把握ということでございますが、いわゆる地単事業等、全国でどのぐらいのものがどのように行われているかというのを詳細に把握しているわけではございませんので、本当にざくっとした言い方しかできないのでございますが、まずはそういったものの調査をして、定義書までつくっていくためには、半年から1年ぐらいはかかるのではないかと思っております。
○姫野保険課長 保険課長でございます。
支払基金と国保の共同でシステム部分を提供するような組織をつくることができるかということでございますけれども、組織としてはそれぞれ違う組織体になってございますけれども、例えば、これまでも診療報酬改定の際の開発について、それぞれ共同で取り組んでいただいている事例などもございますので、どういった体制の在り方が可能なのかというのは、厚生労働省としても一度整理してみたいと考えてございます。
○黒田構成員 ありがとうございました。お聞きしたいことは全部お答えいただきました。
そうであるならば、多分今から開発を始める24年のものは最短でつくっておいて、1年後ぐらい、その整理が済んだ段階を想定して在り方の作業をすれば、そこから3年程度の時間で物事が開発できるのではないかと思うので、そのぐらいのスケジュール感、2024からすると、もう少しかかりますか。2026や2027とかになるのだと思うのですが、そのぐらいの時間軸でできるだけ早く今みたいな形で別組織をつくられることがいいのではないかという意見を申し上げて、私の発言を終わりにします。どうもありがとうございます。
○菊池座長 貴重な御意見をありがとうございました。
続きまして、木倉構成員、お願いいたします。
○木倉構成員 ありがとうございます。
協会けんぽの木倉です。
今までの意見と似たようなことなのですが、この御説明した資料③も、支払基金が先に開発をされて共同利用する点についてまた議論を続けるということですが、そもそものところで、この資料③の最後に、前回御説明いただきましたが、今もお話ししたように、11ページです。支払基金のほうから、審査支払の今のシステム開発についても、要件定義、設定情報等の段階から随時提供して、国保との連携を図ってきたということです。
国保の高度化の計画の説明をいただいていますが、これも設計の段階から参画するという形でやっておりますが、繰り返し、国保中央会側からも情報の提供が遅い、把握が十分にできないという指摘で進んできていると思います。
両組織は、先ほどの審査基準の統一についてもそうなのですが、お互いの開発チームはやられているのでしょうが、参画をするという言葉を実質的に担保できるような技術陣の1か所に集まっての設計段階からの共同作業のようなことをやって、そのノウハウを国保連の独自システムにつなげていくための基盤にもしていくという体制の取組、最初の審査支払システムもテストの段階ですから、まだ作業があると思いますので、そういうふうな取組で今後の共有を、後から共有をさせてもらうというよりも、共有を最初の段階でするという発想で臨んでいただきたいと思います。
以上です。
○菊池座長 今の点につきまして、御要望ということも含まれていたかと思いますが、何かございませんか。
よろしいですか。
○支払基金(山崎) 支払基金の山崎です。
木倉様のおっしゃるとおり、最初の段階から共同で開発を進めていくことが望ましい体制だと思いますので、そこは厚生労働省あるいは国保中央会様と協力して進めていくことだと考えております。
○菊池座長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
林構成員から手をお挙げいただきました。どうぞ。
○林構成員 ありがとうございます。
私からは、1つ、質問がございます。医療機関や保険者に利用していただくための共同利用のコンピューターチェックシステムなのですけれども、既に支払基金を中心としまして、第4回事例の提供が出ておりますけれども、そういった中に、医学的根拠に基づいた事例も出てきておりまして、これが試験的に公開されているということでございます。そういった医学的な根拠に基づいた事例で、既にこれは問題点であろうというところが出てきておるのかどうか。また、今後、そういったものが出てきた場合に、引き続きこの医学的根拠に基づいた事例をどのように公開していくのかというところとか、また教えていただけたらと思ってございます。
以上です。
○屋敷理事長特任補佐 コンピューターチェックの公開について、先月、10月からいわゆる医学的判断に基づき設定されているコンピューターチェックの試行的公開を始めたところでございまして、それがどのような請求の状況あるいは審査の状況になるかという検証はこれからでございます。それに応じまして、コンピューターチェックのかかり方がいいのか、悪いのかとか、そっちの取組も我々として進めていきますので、それもまたそれを公開するという形になるかと思いますが、まだ始まったところでございますので、これから取組を進めていきますので、よろしくお願いいたします。
○菊池座長 どうぞ、林構成員。
○林構成員 ありがとうございます。
ここは医学的背景というか、医学的根拠に基づいた事例は、慎重に対応していただきたいと思っております。現場では、これに伴って、請求の上振れをしたり、委縮につながったりということで、正確な、患者や国民に資するような、診療につながらないおそれもありますので、その辺りを十分に注意しながら見ていっていただきたいと思っております。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
お手が挙がっているのが、河本構成員、宮田構成員と挙がっております。まず、河本構成員、お願いいたします。
○河本構成員 ありがとうございます。
今後の論点の支払基金の国保連が共同利用すべき機能はどういうものかということでございますけれども、やはり審査結果をできるだけ統一していくというそもそもの観点から見ても、コンピューターチェックとか、自動レポーティング機能については、同機能のものをそれぞれ実装すべきではないかと思います。
その上で、全体の業務の効率化という点から見ると、保険者あるいは医療機関のシステムとの連携のしやすさといった観点もぜひ御配慮いただけるとありがたいと思います。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
よろしいですか。承っておきたいと思います。
宮田構成員、お願いいたします。
○宮田構成員 ありがとうございます。
先日、河野大臣と一緒に基金さんの業務を視察させていただきました。その折に、現状の改革の方向性は非常に適切に行われている一方で、本来望むべき姿といったところとは少しずれがある。これは一体何だろうかというのが一つはあって、一つは、今までのアナログをデジタルにして、すり寄せるということには答えがないのですね。これは何が必要かというと、デジタルという選択肢を前提にしながら、どういった場所に合流するのかといったところを今回は考えなくてはいけない。
例えば、それは審査一つ取っても、今まで紙で来ていたものをデジタル化したとしても、永遠にそこのいわゆる適切な審査の質を上げるところには限界が出てくるのですが、今御指摘があったように、例えば、これは厚生労働省と連携しながら、いわゆるレセプトの申請のときに、例えば、いわゆる薬剤、免疫チェックポイント阻害剤であれば、その適応に当たるような情報をカルテと連動して連結をして抜いてくることができれば、そこは変わってくるわけなのですよね。そのときにやはり何が必要かというと、基金と国保の連携だけではなくて、どういう情報を、いわゆる審査のときに持ってくるかという、厚生労働省側ですね。保険課であったり、国保課と連動しながら、いわゆる仕様の在り方を詰めていかないと、恐らく望む姿には到達しないだろうと考えています。
そのときに、最初に黒田先生から2つが連携してというお話がありましたが、やはりここに必要なのは、データを持ってくる。カルテ側も含めて、厚生労働省も入った上で仕様だったり工程を決めていく必要があると思っています。厚生労働省が、いわゆる今あることの引っ越しだけではなくて、将来あるべき姿も踏まえた上でどういうことが必要なのかということを、紙ベース前提ではなくて、デジタルを前提にした中での工程を描いていくこと。
その中で、確かに今は御指摘があったように、基金のものを国保が横で使う。しかもそこに国保さんもあまり入っていないので、これではできないぞということもあるのかもしれない。それは確かに正論だと思うので、厚労省も入った上で、この仕様検討を行うということが、将来のあるべき姿ということも考えても、短期的な調整を考えても必要かと考えています。
○菊池座長 ありがとうございます。
この点は、事務局からいかがですか。
○姫野保険課長 御指摘をありがとうございます。
宮田先生が御指摘の点は、まさに今、レセプトの様式自体は厚生労働省の省令で決めているわけですけれども、今、支払基金、国保、それぞれレセプト様式に入力された情報を基に審査をしていただいているということですが、恐らく宮田先生の御指摘は、そのレセプト様式自体もデジタル化に合わせて一部見直していくことも考えていくべきではないかといった点で、まさに診療報酬あるいは請求書の様式を決めている厚労省も一体的に加わって検討を進めるべきではないかと、そんな御指摘ではないかと受け止めてございます。
請求書の様式自体を変えるということは、同時に、医療機関からの請求の作業自体にも影響しますので、そういったところもよく調整が必要な部分だと思いますけれども、今、御指摘いただいたような薬剤の適応症を判断するための材料をどういった形でレセプトに入れていくのか。そういった課題の御指摘だと思いますので、そういった点はしっかりと厚労省としても受け止めて、これはなかなかすぐに対応できるものではないと思いますけれども、どういった方法が可能なのかというのはよく研究していくべき課題かと思ってございます。
○宮田構成員 ですので、その将来の方向性も含めて、今回の仕様検討においても、厚生労働省にぜひリードというのか、入っていただいて検討していただくのがいいかと思います。
現実的には、黒田先生がおっしゃっているように、共同利用は難しいかもしれないのですが、ただ、ぜひこの基金の発注の中に、NDAなども結んで、国保も入った上で、どれぐらいまで連携できるのか。工程自体も、31年のというのは、前回も御指摘があったとおり、かなり先の話になってしまうところがあるので、今お話ししたような、いわゆる請求の在り方も含めたデジタルを前提としたシステムといったところを踏まえた上で、どういう工程で到達できるのかということをぜひより具体的に描いていただければいいかと思います。
よろしくお願いします。
○菊池座長 貴重な御意見をありがとうございます。
続きまして、横尾構成員、お願いします。
○横尾構成員 ありがとうございます。横尾でございます。
厚労省に確認したいのですけれども、今回のような基金と国保中央会のところが連携とか統一という議論になっているのですけれども、そもそも考えてみれば国なので、一つのカルテを基にいろいろ審査してやるということを戦略的に考えていけば、もっと簡潔にやっていくのが妥当と、普通だったら考えていくと思うのです。そういった議論はこれまでになかったのか、今回初めてなのか、ぜひ教えてください。
○姫野保険課長 御指摘をありがとうございます。
診療報酬の請求に関して言えば、現時点でも点数は統一でございますし、あるいは、請求書様式も共通フォーマットになってございます。そういった意味では、国として共通のものは決めておりますけれども、一方で、診療報酬の点数あるいは通知についても、ある程度幅があるというところで、それは実際の審査支払の現場では、それぞれの取扱いに両機関で御苦労されているというところが実態なのではないかと思います。
そういった意味では、統一するところは統一し、あとは各診療行為に応じた審査をしていくというところで、それぞれの現場に応じた取扱いがあるというところです。その現場の取扱いの差異をどこまでなくしていくのかというところで、支払基金、国保連、厚生労働省も含めて、その根元にあります診療報酬の在り方なども、宮田先生の御指摘では、そこも立ち返って検討すべきではないかということかと思いますので、そういった御指摘を受け止めて、三者でしっかりと取り組んでいく必要があると感じているところでございます。
○横尾構成員 イノベーション志向で考えていくと、すごく時間ばかりがかかって前に進んでいないという印象が強いのです。本来だったら戦略的に考えて、政府なり、担当省庁が引っ張っていって改革をするというのが一番基本的に大事だと思うのです。けれども、これまでなかなかそこが加速していない。今回は、デジタル庁の動き、宮田先生もおっしゃったように、大臣と一緒に視察もされるという新たな動きになっているのですけれども、宮田先生に聞いていいのかどうか分かりませんが、デジタル庁はこういったことも含めて大なたを振るって改革されるという受け止めでよろしいでしょうか。
○宮田構成員 すみません。私がこれを代弁する資格はないのですけれども、かなり象徴的な事例だと思います。今、全体で行政をクラウド化しようとか、統一しようという動きはあるのですけれども、一番大事なのは、アナログのデジタル化ではなくて、デジタルという選択肢を手に入れたことによってどういう新しい未来を目指せるのかということなのですよね。
今回でいえば、紙のレセプトをデジタル化しても、結局は紙の情報のところをぐるぐる回ってしまうので、どれだけAIを使っても、絶対に人の手間は減らないのですよね。そうではなくて、薬剤の審査において何が適切なのかというガイドラインを組み込んだフロントエンドにデジタルでしっかり情報を持ってくれれば、これは例外をはじくというエラーチェックのところに人の工数が落とせるのですよね。そうすると、根本的にこの仕組みそのものが変わっていくし、今後、支払基金や国保の仕事がもっと発展的なものになるかもしれない。
データヘルス改革はまさに本来はそこを標榜していたことだったのですね。このデジタル庁は、まさにこのあるべき姿のところから、いわゆるいかに連携しているかというところを持っていけるといいのかなとは思っているのですが、とはいえ、言うは易し行うは難しで、黒田先生から最初に御指摘いただいたように、そんなに簡単ではないことがあるので、今のいわゆるシステムを破綻させないようにクラウドに持っていきながら、あるべき姿、その次のフェーズも同時に描いて、そこの未来につなげていく。デジタル庁の議論でも、今、まさにそういったことをディスカッションしています。いわゆるマイナンバーを使っていくという議論も同じなのですね。
確実に支払基金はすごく象徴的な一つのものとして扱われるかとは思っています。すみません。
○横尾構成員 ありがとうございます。
実は私も全く同感で、デジタルになったから今までと違う発想をやり、違うビジョンを掲げ、戦略的にもデジタルイノベーションを基本として考えていかなければいけないと思います。単純に手作業だったもの、ペーパーだったものを電子化・電算化すればいいという話ではないと思うのですよね。
そういった観点で大いに進めてほしいなという期待をすごく持っています。
この手の議論をすると、よくありがちなのは、自治体や公の団体で過去の歴史を見ると、そこで働いておられる方がいらっしゃるので、どうしても心理的なブレーキが働きがちです。すなわち、「この改革をすると、もしかしたら自分の職場をなくしてしまうのではないか」、「自分たちの立場がどうかなるのではないか」と心配が募る。そのような時に、宮田先生におっしゃっていただいたように、実はワークロードとしての人への負担が減るということになると、人が要らなくなるという単一的な決めつけの見方はなくて、人材を有効活用して新たなサービスを展開するとか、本当はもっと必要とされるヘルスケアの健康増進をどうサポートするかとなっていくとか、そういう未来志向のポジティブな発想に変えながらデジタル改革をぜひ進めるように、厚生労働省なり、関係機関が一緒に力を合わせていくことが肝要と思います。そこを、現場では難しいからという言い方で抵抗したり、進むべき道は分かっているけれども進むのは嫌だとなってしまったら、本当にもったいない話なのです。
是非、海外でデジタルガバナンスの先頭を走るエストニア、デンマーク、韓国とかがありますけれども、そういったところの本当にいいところのエキスを抜き出し、活用できるものは活用する、日本独自のものがあるならそれに合った新しい改革をやっていくという姿勢で、ぜひ厚生労働省が今回の場合はリードをしなければいけないと考えます。
そのリードの加速度が弱いのだったら、宮田先生や平井大臣やデジタル改革に関わる方々にどんどんアクセルを踏んでいただいて、我々自治体からもぜひ応援していきたいので、そういった改革で空気と一緒に現実も変えていくということをぜひ期待したいと思っているところです。
○菊池座長 そろそろよろしいでしょうか。
宮田構成員、何かあればさらに補足していただいて結構ですけれども。
○横尾構成員 そういう改革を本当にひるまずやってほしいのです。そうしないと、この種の議論は、また「頑張りましたけれども単なる電算化で終わりました」では本当にもったいないと思います。
○菊池座長 宮田構成員、何か補足で最後にございませんか。よろしいですか。
○宮田構成員 宮田です。
おっしゃっていただいたように、現場の方々のお仕事も、今回の前半で出てきたように、例えば、新しいデータの質の管理することだったり、あるいは、いわゆる人々を健康にするために何をすればいいか、これは必ず発展性を伴うので、人切りの話とか、縮小する話ではなくて、より日本が健康になるために、新しいビジョンをつくっていくという話も含めてできるといいかと思います。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
黒田構成員、お願いします。
○黒田構成員 今、幾つかの御質問があった中で気になったことがあったので、これは事務局へのお問合せもしくは厚労省へのお問合せになりますが、お話の中で、共同利用する部分を選んでという言葉が繰り返しいろいろな方から出てきたのですけれども、基金さんが持たれているもの、国保さんが持たれているもの、それを全てある意味で共同利用できるようにすれば、二者だけではなく、例えば、協会けんぽさんであったり、企業健保さんであったりもそれを利用することができますし、今、宮田先生がお話しになったように、医療機関でも利用することはできるわけで、基本的には全てが共同利用される前提で開発し、それを提供する機関を設定するということをぜひ考えていただきたいというのが最初のお話の意見でもありますし、今後の目指す姿の具体像はぜひその視点で考えていただきたいと思っていたのですけれども、何となく話が矮小化する方向になってしまっていたので、共同利用するべき範囲を定めるのではなくて、全てを共同利用できる形で整えるということでぜひ御検討いただきたいのですが、その姿勢で議論をするということで、もしくは、今後、検討していただくということでよろしゅうございましょうか。
確認いただければありがいです。よろしくお願いします。
○姫野保険課長 御指摘をありがとうございます。
すみません。先ほど資料3を御説明する際に私は説明を飛ばしてしまったのですけれども、資料3の左下のところにこれまでいただいた御意見ということで、医療機関や保険者による利用ということで、共同利用する機能、特にコンピューターチェックについて、可能な限り、医療機関、保険者に利用を開放すべきという論点もいただいているかと思います。ここは、これまで皆様からいただいた方向性と受け止めておりますので、医療機関、保険者で共同利用できる範囲は極力広げていく。コンピューターチェックについては、基本的に統一して、全て共同利用にしていくというところが大前提かと理解してございます。
○黒田構成員 ありがとうございます。
保険の最終的な支払の手続論のところも含めて本当は使えるシステムになるはずなので、ぜひ御検討いただければと思います。
私の発言は、以上にします。ありがとうございます。
○菊池座長 ありがとうございます。
会場から、佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤(好)構成員 佐藤です。ありがとうございます。
今の黒田先生の御発言にも力を得て、本来ここで触れている共同利用は、審査支払の共同利用のことを言っているのだろうなとは理解しているのですけれども、そこを超えた共同利用の話について発言させていただければと思いました。国保連からこれまでの御発表の中で、国保固有のシステムがあるから一体化はできないのです、という発言がありました。支払基金の側が、国保連が固有に持っている事業を持つことができるのかどうかというのも、併せて検討してみていただけないかと思いました。
国保連が固有のシステムとして第一に挙げたのは高額療養費でした。支払基金の側では健保連さんがやっていらっしゃる事業だと思います。例えば、こうした機能を支払基金が持つことでできるのかどうかということです。実現可能性を考えてみていただければと思いました。
保険者機能を否定するつもりは全くなくて、私は、保険者機能は日本の医療の優れた特徴だと思っておりまして、なるべく顔が見える関係のほうが保険者機能が効くとは思っているのです。だから、一体化すれば何でもいいとは思わないのですけれども、ただ、規模に合う得意分野があります。高額療養費は教えてもらわなければとても使えない仕組みなのですけれども、もともとお知らせする仕組みがなくて、初めに通知ができるようになったのは後期高齢者医療でした。その次にお知らせできるようになったのが国保で、けんぽが一番通知の徹底が遅れたのです。
仮に、例えば、支払基金が高額療養費の機能を事業として持つことができれば、ひょっとしたら世帯で負担を把握することも視野に入ってくるのではないかと思いました。現状でも、高額医療・高額介護合算療養費という制度はありますけれども、誰も使えないような難しい仕組みで、恐らくほとんど使われていないと思っているのです。多くの方の頭の中に、これから先、自己負担も上がっていく中で、世帯で把握することが必要だよねという共通認識はあるのだけれども、現実的にはできないよねという話になっていることをすごく惜しいと思っています。
総合合算制度も一旦は浮上しながら頓挫したままになっており、その理由も必ずしも軽減税率に予算を持っていかれたということだけではなくて、設計できないよねというのがあったと理解しています。
もしも、ここで、例えば、支払基金が高額療養費のどの部分かを持てれば、高額療養費の仕組みを国保と支払基金が共通に持っていて、将来的には世帯で把握することが、ひょっとしたらできるようになるのか。そういった可能性も頭のどこかに置いて、共同利用を考えていただけるとありがたいと思いました。
ありがとうございます。
○屋敷理事長特任補佐 ありがとうございます。制度的な点は厚生労働省からお話があるかと思いますが、まず、支払基金の性格としましては、保険者と医療機関の間をつないで、保険者からの委託を受けて、今、審査支払を行っている基本的な立ち位置はございます。
ただ、その中で、レセプトの金額も把握しておりますし、データ連携の可能性等もあるかと思います。いずれにしましても、保険者さんとどのようなことができるのかということは話をお聞きした上で、制度的な位置づけはともかく、検討の余地はあるかと考えております。
○姫野保険課長 保険課長です。
支払基金として対応する余地があるかというのは、今、支払基金から御説明があったとおりかと思います。
他方で、制度論として、御指摘のようなところについては、いろいろと過去も検討した経緯もございますし、今後も検討課題だと思いますが、若干支払基金と国保である意味共同化していくという意味では、若干制度的な違いで幾つか留意しないといけないところはあろうかと思います。
例えば、高額療養費一つにしましても、けんぽについては基本的には標準報酬ベースで判定していきますし、国保については所得に基づいて行っていきます。また、国保についても、保険者の共同事業ということでやっている事業の中には保険料の算定もありますが、けんぽとは全く保険料の算定方法は違っているという、制度的な違いもありますので、そういった乗り越えるべき課題は大変大きいとは思いますけれども、委員からいただいておりました、基金においても保険者のために何かできることはないのかというのは非常に大事な発想かとは思いますので、そういった視点については十分に受け止めていきたいと思ってございます。
○菊池座長 貴重な御意見をありがとうございます。
佐藤主光構成員にあらかじめ御意見をいただいておりますので、事務局から御紹介いただいてよろしいですか。まだいらしていないですよね。
○姫野保険課長 それでは、佐藤主光構成員から、この論点についていただいておりますコメントを御紹介したいと思います。
まず、国保システムについては、迅速な更改、支払基金との基準の統一を国保ができない理由が、技術的な限界によるものなのか、ベンダーロックによるものなのか、お金の制約によるものなのか、整理が必要。お金の問題であれば、少なくとも相場観が必要で、この際、国費を入れることを考えるべきではないか。ベンダーとの契約で違約金が発生するから駄目なのであれば、違約金を国費で払ってはどうか。
2点目ですけれども、システム開発の体制としては、技術のある人を連合会などから中央会に集めて、中央会の機能を強くしなければいけない。
3点目ですが、最後はガバナンスの問題。いずれは中央会も支払基金の本部のように国保連合会との主従関係を逆転させてグリップを利かせる必要がある。そうでないと、一つの連合会が駄々をこねただけで途端に進まなくなってしまうということでございます。
○菊池座長 この点につきまして、何かございませんでしょうか。
何かコメントはよろしいですか。
○原国保中央会理事長 まず、1点目のベンダーロックということはございません。基本的には、開発の工期の問題とか、財政的なコストの問題が懸念材料であるということでございます。
あとの2点については、御意見ということでございますので、拝聴させていただきます。
○菊池座長 ほかにはいかがでしょうか。
木倉構成員、横尾構成員は先ほど御発言いただいたので、よろしいですか。
河本構成員からお手が挙がっています。
○河本構成員 ありがとうございます。
先ほどデジタル化についてのいろいろな御意見が出て、私も大変勉強になりましたけれども、若干それに比べるとプリミティブな話ではあるのですが、審査業務の効率化のためには、紙レセプトの削減が大変重要だと思います。この紙レセプトの削減については、例えば、厚労省の通知などによって、オンライン請求されたレセについても返戻照会に係る再請求については、出力、紙レセプトで再請求できるとか、あるいは、電子媒体による請求がされたレセの返戻照会は、出力、紙レセプトで行うということが義務づけられていたりとか、あるいは、少数の事例ではございますけれども、留意事項通知でレセに署名の添付を求めるケースがあるとか、こういったことが全体の電子化の障害になっているのかなと思います。この辺りについては、早期の見直しを行って、紙レセの減少を図っていただきたいと考えております。
以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
この点につきましては、事務局からよろしいですか。
○姫野保険課長 保険課長でございます。
いただいた御指摘は、保険局からの通知によって、オンライン請求されたものであっても返戻する際に紙で返すことになっている。そういったところが紙レセプトが少なくならない一つの背景ではないかという御指摘かと思います。先ほど横尾構成員からも厚生労働省もしっかりと主体的にというお話もありましたけれども、こういった診療報酬の請求の仕組みについての厚労省からの通知の在り方についても、御指摘を踏まえてしっかりと検討していきたいと思います。
○菊池座長 ほかにはございませんでしょうか。
よろしいでしょうか。
よろしいようでしたら、今日は大分効率的に進めることができたように思いますが、少し早いのですが、本日は、特にございませんようでしたらここまでということにさせていただきます。
次回の日程につきまして、事務局から御連絡をお願いいたします。
○姫野保険課長 次回は12月を予定しておりますけれども、詳細な開催日時につきましては、追って御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
○菊池座長 それでは、以上をもちまして、第4回審査支払機能の在り方に関する検討会を終了いたします。
どうもありがとうございました。