2020年12月17日 第12回高齢者医薬品適正使用検討会議事録

医薬・生活衛生局

日時

令和2年12月17日(木) 17:00~19:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール14E(オンライン会議会場・傍聴会場)
東京都千代田区内幸町1丁目3-1 幸ビルディング

議題

  1. (1)ポリファーマシー対策のための業務手順書(案)について
  2. (2)その他

議事

議事内容

○医薬安全対策課長 それでは、定刻を若干過ぎました。大変申し訳ございません。予定される御参加の先生方にお集まりいただきましたので、第12回高齢者医薬品適正使用検討会を開会いたします
御出席の先生方におかれましては、御多用のところをどうもありがとうございます。
本日、大井構成員、樋口構成員、平井構成員に、御欠席と伺っております。また、城守構成員におかれましては、若干遅れての御出席と伺っております。
本日、御都合により途中で退席される先生もいらっしゃいますが、19名中15名の出席をもちまして検討会を開催させていただきます。
本日の検討会は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、一般傍聴は制限させていただきまして、報道関係者の皆様に限り傍聴可としております。カメラ撮りは冒頭から禁止とさせていただきますので、御理解のほどよろしくお願いします。
議事録につきましては、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
議事に先立ちまして、構成員の交代について御紹介申し上げます。三宅構成員の後任として着任されました、特定非営利活動法人日本緩和医療学会、東北大学大学院医学系研究科緩和医療学分野教授の井上彰構成員です。
井上先生、一言、Webからですが、お願いできますでしょうか。
○井上構成員 このたび、三宅先生に代わりまして参加させていただくことになりました東北大学の井上と申します。よろしくお願いします。
○医薬安全対策課長 どうもありがとうございました。
続きまして、荒井構成員の後任として着任されました、日本製薬団体連合会安全性委員会委員長、滝田諭構成員です。
○滝田構成員 日薬連の安全性委員会の滝田と申します。よろしくお願いいたします。
○医薬安全対策課長 続きまして、島田構成員の後任として着任されました、公益社団法人日本薬剤師会常務理事橋場元構成員です。
○橋場構成員 日本薬剤師会常務理事の橋場でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○医薬安全対策課長 本日は新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点からWeb開催としており、一部構成員の先生方は外部より御参加いただいております。
このため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、議事に先立ちまして、審議の進行方法について事務局より説明させていただきます。
○事務局 それでは、御説明申し上げます。
まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願い申し上げます。御意見・御質問をいただく際には、ミュートを解除し、初めに御自身のお名前をお知らせください。
発言のタイミングが重なった場合には、座長から順に発言者を御指名いただきます。
会議中、マイクの調子が悪くなった場合などは、メッセージに御意見等をいただくようお願いする場合がございます。
その他システムの動作不良等ございましたら、会議の途中でも結構でございますので、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。また、もし、事務局のサーバーがダウンする等トラブルがあった場合には、事務局から一斉にメールにて御連絡申し上げますので、御確認をお願いいたします。
初のオンライン会議のため、御不便等をおかけすることもあるかもしれませんが、何とぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、以降の進行は、座長の印南先生にお願いしたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
○印南座長 それでは、議事を進めてまいります。初めに、事務局から資料の確認をお願いします。
○事務局 本日の資料は、あらかじめお送りさせていただいております。オンライン会議場にいらっしゃる先生方はお手元にタブレット端末を用意してございますので、そちらで御確認ください。操作につきまして御不明な点、不具合等がございましたら、事務局までお申しつけください。
それでは、資料につきまして順に確認させていただきます。
まず、議事次第、配布資料一覧、開催要綱、構成員名簿、そして、資料1といたしまして「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方(案)」、そして、資料2といたしまして、同様式事例集、そして、参考資料が1から5まで5つございます。
なお、参考資料4と5につきましては、会場の先生方におきましては、冊子でお配りしてございますので、タブレット端末ではなく、そちらを御確認ください。
資料は以上でございます。
○印南座長 それでは、議事次第に沿って議事を進めてまいります。
議題1は「ポリファーマシー対策のための業務手順書(案)について」です。
前回会議からの期間も空き、新たに着任された構成員もいらっしゃいますので、資料の説明に入る前に、高齢者医薬品適正使用検討会とこれまでの取組事項について、事務局より説明をお願いします。
○事務局 事務局より説明させていただきます。
それでは、参考資料1をお開きください。
まず、1ページ目ですが、高齢者の多剤処方について、安全性情報を提供し、関係者の適正使用を加速するため、平成29年4月に本検討会を設置し、既存の減薬ツールや処方実態などを踏まえて課題を整理し、対策を検討することを目的としております。
資料の2ページ目になりますが、これまで、主に急性期病院を想定した高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)を平成30年5月に取りまとめ、その後、各療養環境における留意事項が異なることから、令和元年6月に同指針(各論編(療養環境別))を取りまとめております。
資料3ページ目に移りまして、令和元年には、指針の活用状況や医療機関でのポリファーマシー対策の取組状況について実態調査を行いました。本日の参考資料2及び3となります。
その調査結果において、ポリファーマシーに対する理解度は、「定義まで正確に理解していた」のは5割、指針の内容を「よく理解していた」と「ある程度理解していた」を合わせると6割程度あったものの、「指針の内容を引用したポリファーマシーの解消を目的とした手順書などがある」のは6%、「個々の患者のポリファーマシー対応のための特別なカンファレンスが行われている」のは5%という結果であり、自由記載による意見でもポリファーマシー対策に取り組む課題が多数挙げられておりました。
資料4ページ目ですが、参考資料3としてまとめている好事例施設のような先進的な取り組みもある一方で、アンケート結果の状況を鑑みますと、好事例をそのまま横展開することは難しい面もあり、医療機関で活用できるより実践的なモデルや手順書といったツールが必要ではないかと考えられたことから、当検討会で取りまとめた指針の活用を進めて、ポリファーマシー対策を加速する目的で、アンケート調査によって明らかになった課題を解決するツールとして、ポリファーマシー対策を行う実際的なポイントや業務手順書の作成を進めることとなりました。
今回、ポリファーマシー対策に取り組むに当たっての課題を整理し、その対応策の案と併せて、検討会に初めて提示させていただくものです。この案をたたき台として、業務手順書(案)の方向性について本日御議論をお願いいたしたいと考えております。
御説明は以上です。
○印南座長 ありがとうございました。
続いて、資料1の業務手順書(案)についての議論に移りたいと思います。
議論は資料を4つに分けて進めたいと思います。まず、第1章前半について事務局より説明をお願いします。
○事務局 事務局より、第1章前半として、1.2.までについて御説明いたします。
まず、表紙をめくっていただいたところに「はじめに」として、業務手順書(案)の目的・利用対象について記載しています。
本案は指針の活用を前提としておりますので、利用対象は指針と同様に、医師、歯科医師、薬剤師を中心としながらも、広くポリファーマシーカンファレンスに関わる医療関係者も利用対象と想定しています。
また、病院を対象としておりますが、診療所等においても可能な部分については活用いただきたく、加えて、地域包括ケアシステムを担う医療・介護関係者との連携が欠かせないことからも、診療所や薬局などの地域の関係施設にも参照いただきたいと考えております。
下段には、ポリファーマシーや薬物有害事象の定義を指針(総論編)から引用して記載しております。
目次を飛ばしていただきまして、1ページ目をご覧ください。
第1章は「ポリファーマシー対策の始め方」として、主にこれからポリファーマシー対策に取り組もうとする施設に対するスタートアップツールを示しております。
1.として、ポリファーマシー対策を始める前に、押さえておくべき事項を記載しております。
まず、(1)としてポリファーマシー対策は一律の薬剤数・種類数のみに着目するのではなく、安全性の確保の観点から見た処方内容の適正化が求められること、服薬アドヒアランスを改善する視点から必要に応じて処方を追加することも重要であるとして、処方見直しの留意点について触れています。
(2)として、院内の現状を把握すること。これによって院内の介入対象を明確にし、対策導入後のアウトカム評価を行いやすくする効果があるということを示しております。
(3)として、ポリファーマシー対策の導入に際して勉強会などを通じて院内の理解を深めること、それだけでなく、(4)として、院外施設の理解が、その後の患者の医療・介護の継続に重要であることから、院内での取り組みを始める際に院外関係施設の理解を得ることについて触れています。
2.は、身近なところから始める方法として、医療機関の実情に合わせて運用・検討していただくことを想定し、複数のスタートアップツールと、始め方それぞれの利点や留意点を示しています。
(1)は担当者を決めることにより、情報を一元的に集約し、業務を効率的に行うことができること、(2)は職員の研修の機会を活用し、ポリファーマシー対策への理解を深めながら、関心のある仲間を増やし、小規模に取り組み始めることにより活動を維持しやすくなることを示しております。
(3)は介入対象の優先順位をつけることで、限られた人的資源・医療資源の中で取り組まなければならない状況においてもポリファーマシー対策を導入し、活動を継続しやすくすること、(4)は既に活動している仕組みやツールを活用することでポリファーマシー対策に取り組む方法を示しております。
多職種連携によるポリファーマシーカンファレンスを行いながら処方見直しに取り組むことが理想ですが、まずは取り組みやすい範囲で活動を始め、理解を得ながら活動を維持・拡大していくことで、より多くの医療機関でポリファーマシー対策が導入されることを期待し、スタートアップツールとして示しております。
案として提示した方法以外に、先生方の御経験からほかの方策など御意見・御提案がありましたら、ぜひともお願いいたしたいと思います。
第1章2.までの御説明は以上となります。
○印南座長 ありがとうございました。
ただいまの御説明いただいた部分につきまして、御意見等ございましたらお願いいたします。
オンラインの先生方も含めて、よろしいでしょうか。
それでは、この部分につきまして、御意見等がなかったということでございます。
続きまして、第1章後半について事務局より説明をお願いします。
○事務局 第1章の後半として、3.以降について御説明いたします。
第1章の3.は、アンケート調査で明らかになったポリファーマシー対策に取り組むに当たっての課題を挙げ、その対応策を示しております。課題については参考資料2の46及び47ページの図表51なども併せて御参照いただければと思います。
(1)として、人員不足で検討する時間がつくれないといった課題に対し、電子カルテなどのツールを使うことで院内情報連携を行い、時間の効率化を図る方法を提案しております。
(2)として、多職種連携が十分でない、という課題に対して、指針(各論編)にも示した各職種の役割を明確に示すことで、連携を図る必要性を理解してもらうことを示しております。
(3)として、お薬手帳がうまく活用されていない、という課題に対し、指針(各論編)でも記載しておりますお薬手帳の活用の課題・対応策・さらなる活用方法を表にまとめて示しております。
(4)として、ポリファーマシーであるかを判断することが難しい、という課題に対し、対象患者のスクリーニング方法を活用しながら判断することを示しています。
(5)として、医師が自科以外の処方薬を調整することが難しい、という課題に対し、指針(総論編)のフローチャートに沿って処方見直しを行うべきかどうかを慎重に検討することを示すとともに、処方元の医師と、適宜、情報共有しながら対応することを示しています。
(6)として、病態全体を捉えることが難しい、という課題に対し、潜在的な病態がある可能性を考慮し、処方を見直す優先順位を判断しながら進めることを提案しております。
(7)として、見直し後の処方内容をかかりつけ医へフィードバックする体制が構築されていない、という課題に対し、地域やかかりつけ医との連携に加えて、かかりつけの薬剤師・薬局によるフォローアップを活用することを提案しています。
(8)として、患者の理解が得られない、という課題に対しては、第2章の中で患者への説明や理解を得る方法について触れている部分がありますので、説明はそちらに預けております。
これ以外にも様々な課題はあるとは思いますが、ほかに取り上げるべき課題・ここで取り上げている課題に対するさらなる対応策等がございましたら御意見・御提案をお願いいしたいと思います。
説明は以上となります。
○印南座長 ありがとうございました。
ただいまの説明のあった内容につきまして、御意見等がありましたらお願いします。
○井上構成員 東北大の井上ですが、よろしいでしょうか。
○印南座長 井上先生お願いします。
○井上構成員 今、話された課題は、まさに現場ではあり得ることかなと思って見ていたのですけれども、特に、例えば薬剤師がポリファーマシー対策の担当者として各医師にアドバイスというかコメントをした際に、どうしても素直に聞いてくれないというか、思っていない医師はやはりいる傾向が強いので、実際、こういうポリファーマシーの問題は、処方した先生は問題を自覚してないことが非常に多いので、そこをより上の立場からこういう取り組みを病院全体でやっているから、ぜひ協力するようにという上からの支持を取りつけるような工夫は必要なのかなと思っておりました。でも、実際は現場では、かなり難しいこともあるかと思いましたが。
ありがとうございます。
○印南座長 ありがとうございました。
ただいまの御意見に対して何かありましたらお願いしたいと思いますが、秋下座長代理お願いします。
○秋下座長代理 どこにあったのか分からないのですけれども、どこかにそういう記載がありまして、それをここに持ってくるかどうかということを検討したほうがいいかなと思います。
どうでしょうか。後でやるか、今やるか、事務局のほうで。そういう記載がどこかにありましたね。
○事務局 記載場所としましては、多職種連携が十分でない、という記載の中のより具体的な対応策の部分に、「管理者は院内の多職種連携に協力するよう必要な指示を行うことが望ましい」という記載をさせていただいております。
○秋下座長代理 失礼しました。この中にあったのですね。6ページの冒頭ですね。
ですので、井上先生にこれを確認いただいて、これでは不十分かどうかということで、御意見をいただければありがたいと思います。
○井上構成員 これは大前提としてあるということであれば、よろしいかと思います。
ありがとうございます。
○印南座長 ほかに御意見等はございませんか。
池端構成員お願いします。
○池端構成員 ありがとうございます。池端です。
6ページの(3)のお薬手帳がうまく活用されていない、まさにそうだと思うのですけれども、これはここで入れ込むほうがいいのかどうかは別として、御承知のとおり、来年3月からマイナンバーカードにお薬情報を入れるということがスタートしていきますので、何らかの形でそういうこともこれから利用していくべきではないかと思うので、(記載がここにあったほうがいいのかどうかは別ですけれども)そういうことも少し何か書けたらいいかなと思いました。
以上です。
○印南座長 ただいまの御意見につきまして。
それでは、橋場構成員お願いします。
○橋場構成員 ありがとうございます。薬剤師会の橋場でございます。
お薬手帳に関しましては、先般も、改正薬機法の中でもお薬手帳の活用ということが実は明記されまして、ますます薬局・薬剤師含めて病院の方にもお薬手帳を活用していただきたいと考えて、薬局のほうも頑張っているところです。
マイナンバーカードのお話も出たかとは思いますけれども、マイナンバーカードに入るデータがレセプト情報とお聞きしていますので、タイムリーな情報という意味ではお薬手帳が今は一番活用できるところかなと思っていますので、薬局のほうもますます充実させて、必要な情報を入れ込んだ形のお薬手帳にしていきたいと思いますので、ぜひ御活用いただければと思っております。
○印南座長 ありがとうございます。
電子処方箋の活用もあるかもしれませんね。
その記述をここに入れるのがふさわしいかどうかということですけれども、皆様方が入れたほうがいいということであれば、事務局に表現を工夫していただいて入れていただきますし、現段階でそこまで入れる必要はないということであれば、そういう意見があったということで、先に進むことも考えられるのですけれども、その辺はいかがですか。
○池端構成員 これから普及が始まるところなので、(記載を)入れる入れないは私はどちらでもいいと思います。ただ、方向性としては、デジタル庁ができて、医療のデジタル化は一方でどんどん進めていかなければいけないので、何らかの形でどこかにそういう形があるといいかなという印象を持ちました。
○印南座長 そうですね。どこかにデジタル化の動きが急になっているので、それに的確に移行をしてアップデートしていくというか、そういう表現をどこかに一言必要かもしれないですね。
○秋下座長代理 私はこの手順書作成の委員長なので、度々の発言ですみません。
マイナンバーカードのことは時期尚早かもしれませんが、電子お薬手帳とか、電子化されたものに関する情報を、ちょうどこの下も空いていますし、ポツを1つ入れて、そういうものも利用するとよいというような趣旨で追加することを検討させてください。次回というかメールになるかもしれませんが、入れたいと思います。ありがとうございました。
○印南座長 ありがとうございます。
この点に関してでも結構ですが、ほかに御意見等はございませんか。
よろしいですか。
全体の構成の問題もありますので、各パーツに御意見をいただいた後、記載の場所がどうかとかそういう御意見がありましたら、また、後でいただきますので、この部分につきましてこれ以上なければ、次のパーツに移りたいと思います。事務局からの説明をお願いします。
○事務局 それでは、第2章の前半について説明をさせていただき頂きます。
第2章は「ポリファーマシー対策の進め方」として、ある程度ポリファーマシー対策に取り組まれている施設が体系的・効率的にポリファーマシー対策に取り組むための体制構築や業務手順書に含めるべき内容を記載しております。
1.はポリファーマシー対策の体制づくりとして、(1)にポリファーマシーの概念、(2)にポリファーマシー対策の目的、を指針の記載から引用して記載しております。
(3)は取りそろえておくべき代表的な資料を記載しています。
(4)は運営規程をつくる目的を示しております。具体的な規定については、本日の資料2の様式事例集を参照いただく形としております。
(5)は人員体制について、各職種が処方見直しにおいて果たす役割について、各論編の各職種の役割の記載を参照することとしつつ、ここでは、人員的な制限がある場合には施設の実情に応じて体制を柔軟に検討すること、カンファレンスで薬剤師などに期待される役割について触れています。
(6)は地域包括ケアシステムを担う医療・介護関係者等との連携体制づくりとして、施設と地域の連携の重要性や地域連携室との連携、地域連携を担当する薬剤師の取組例を示しています。
(7)はポリファーマシー対策の成果のモニタリングを行うことによって、活動の改善や関係者の理解を深めることにつながること、表8に参考となるモニタリング指標を示しています。
(8)は予算の確保として、ポリファーマシー対策に取り組む際に係る費用等について触れています。
これ以外にもポリファーマシー対策に取り組む体制の整備において非常に必要な観点がございましたら御意見・御提案をお願いできればと思います。
説明は以上です。
○印南座長 ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御意見等がありましたらお願いいたします。
よろしいでしょうか。
それでは、さらに第2章後半について事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、第2章の後半として、2.から最後までを御説明いたします。
第2章の2.は医療機関において実際にポリファーマシー対策に取り組む際の流れを示しています。
(1)は入院患者への対応として、図2に全体的な流れをフロー図で示した上で、次ページ以降に各対応手順を示しています。
予定入院の患者については、可能であれば入院前に地域連携室などを通じて情報を入手し、対象患者のスクリーニングを事前に行って、入院後に速やかに処方見直しに取り組めるよう準備を整えることが望ましいとしています。
緊急入院や事前に情報を入手できない場合は、入院時に薬剤に関する情報、薬剤以外に把握すべき情報を入手します。
この際に、あらかじめ必要事項を把握するための記載フォーマットを整えておくと効率よく情報を入手することが可能になります。また、患者や家族の意向、生活環境を踏まえた処方見直しを行う必要があることから、薬剤以外の情報も把握しておくことが重要となります。
処方見直しの実施においては、4)に示す緊急性を要する場合など病棟で処方見直しを実施する場合と、5)以降に示すポリファーマシーに関するカンファレンスによって処方見直しを実施する場合があります。しかしながら、いずれにおいても、イ)の主治医の調整2ポツに示していますとおり、かかりつけ医と連携し処方見直しに対する理解を得ること、処方見直し案についての情報提供を行うことは重要と考えております。
ウ)として患者・家族の意向を確認することについて触れています。処方見直しの方針が退院後も継続されるためには、地域の医療機関・薬局との連携も重要ですが、患者や家族の意向を踏まえて、処方見直しに対する理解を得ることも重要であり、患者向けのパンフレットなどを活用して説明することを示しております。また、患者や家族の理解を得られることで服薬アドヒアランスの向上も期待できることを説明しています。
エ)のカンファレンスにおける処方見直し案の提案においては、指針(総論編)に示した処方見直しのプロセスの考え方に沿って検討すること、カンファレンスの主な流れを表12に示しております。
6)では処方見直し案の提案後の対応として、主治医への情報共有、患者への説明、院内での情報共有など、必要な対応を示しています。
また、引き続き患者が入院している場合は、モニタリングを継続しながら必要に応じて繰り返し処方見直しのプロセスを実施していきます。
患者が退院する場合は7)として、患者・家族への説明、連携する院外関係施設への情報提供について示しています。
退院後のモニタリングについては、薬機法改正に伴って薬局によるフォローアップが義務づけられたことを踏まえ、処方見直し後のモニタリング事項についてフォローアップすること、について触れています。
(2)からは外来患者への対応をまとめています。基本的な処方見直しのプロセスは指針(総論編)の処方見直しのプロセス、及び本書の入院患者への対応に準じることになりますので、特に外来部門の人員体制を踏まえた対応について記載しております。外来でポリファーマシー対策に取り組まれている施設がまだ多くないことから、この部分につきましてはもともと情報が少ないこともございますので、先生方から御意見・御提案をいただき、記載を充実させられればと考えております。
(3)では施設内の啓発活動の観点や方法について示しています。アンケート調査でもポリファーマシーについては広く知られるようになってきていることは分かっておりますが、表13に挙げたような内容については、ポリファーマシー対策に取り組むに当たって理解を深める必要があるとして、提示しております。また、これらの啓発活動は院内の取組に対する理解につながるだけでなく、ポリファーマシー対策活動のアウトカム評価の一つにもなります。
(4)では、医療機能による違いについて示しています。急性期病院においては多職種連携により処方見直しに取り組みやすい一方で、在院日数が短く処方見直し後のフォローアップが十分に行えない状況にあり、回復期・慢性期病院においては在院日数が比較的長いものの、人員体制などの背景から多職種カンファレンスを実施しにくい状況があります。ここでは、それぞれの強みを生かして連携し、処方見直しを実施し、フォローアップを行うことについて触れています。
3.として様式事例集を示しておりますが、こちらは参考となる様式等を挙げて、別添として資料2としてまとめております。その次のページに示しております調査検討委員会の委員の先生方より御提供いただいたものになります。
構成員の先生方からもこれ以外に御提供いただける様式事例等がありましたら、ぜひお願いしたいと考えております。
説明は以上となります。
○印南座長 ありがとうございました。
ただいまの部分につきまして、御意見等がございましたらお願いいたします。
池端構成員お願いします。
○池端構成員 2点。1点は、外来のところで少しボリュームが少ないので。外来と言うと、複数の医師からの処方箋が集まってくる調剤薬局等でポリファーマシーがよく把握ができる可能性があると思うので、調剤薬局の薬剤師からの情報を医師に伝えるという、何かそういうところがどこかに織り込めたらなと思います。この流れでは(記載は)非常に難しいかとは思いますけれども、実際、私なども経験して、調剤薬局から「こういうふうに他院からの処方も出ていて、多くなっています。」というような情報を時々いただける調剤薬局もあるので、そういうことが何か織り込めないかなと感じました。
もう一つは、これもここに入れることが適当かどうかは分かりませんけれども、入院中に関しても、病棟薬剤師の位置づけというか、それがもう少し出てくるような、どこかで表現を入れられないかなと思っています。大病院でも中小病院でも病棟薬剤師が非常に必要なことは分かっているけれども、配置はまだまだ不十分ですし、そこがきちんと配置できることによってポリファーマシーをきちんと見られる、主治医に代わってそこを(病棟薬剤師が)指摘することができるので、そういう病棟薬剤師からのアドバイスを入れるというような流れもどこかに入れられたらなと、ぼんやりした話で申し訳ないのですけれども、意見として言わせていただきます。
○印南座長 ただいまの御意見に関連してでしょうか。では、お願いします。
○事務局 池端先生御意見いただき、ありがとうございます。
外来患者の記載の部分に関しましては、この案を取りまとめた方向性としては病院を想定していましたので、調剤薬局の関わりという部分はあまり出されてはいないのですけれども、いただいた御意見を踏まえて、検討をしたいと思います。
御参考までということにはなりますが、23の注釈の部分になるのですけれども、外来部門に薬剤師がなかなか配置されていないということを踏まえて、院内外の薬剤師に処方見直しの助言を求めるような仕組みづくりも活用してはどうかということは書かせていただいておりますが、いただいた御意見を踏まえた記載をもう少し盛り込めればと思っております。
次の入院中の病棟薬剤師の活動に関しても、関わられている委員の先生方に薬剤師の先生方が多く、そういった御意見もいただいておりますが、薬剤師に業務が少し偏ってしまうこともどうなのかなというご意見もございました。バランスよくチームで進めていくということを考えて、「薬剤師が」というような形の記載にはなっていませんが、少し記載ぶりを検討したいと思います。
○印南座長 橋場構成員お願いします。
○橋場構成員 橋場でございます。ありがとうございます。
池端先生も本当に調剤薬局の御指摘をありがとうございます。
薬局のほうも、ポリファーマシー対策という意味では、入院時というところと退院時というところが非常に重要なタイミングだということは認識しておりまして、まだまだ一般的にはなってないところはあるのですけれども、入院時におきましても、薬局で情報を取りまとめて病院に情報を提供するというような仕組みも出来つつあるとなっておりますので、ぜひ御活用いただきたいなと思っております。
また、退院時におけるカンファレンスのところがあるのですが、病院の先生方とか職員、スタッフの方々の時間的な御都合とか、薬局の時間の都合がなかなか合わなくて、退院時カンファレンスに参加できないというところが一つハードルになっているのかなと思いますので、先ほど池端先生のデジタル化というところもあるとは思いますし、今日もこうやってWeb会議をされておりますので、コロナにおいてWebがすごく一般化されたところがありますので、そういったところの活用とか、病院のほうでもシステムの導入とかそういったことをもし記載いただけるのであれば、薬局のほうも絡みやすいのかなと思っております。
○印南座長 ありがとうございました。
先ほど出たデジタル化とも関連する話で、どこかにうまい記述が入ればいいかなと私も思います。
秋下先生から。
○秋下座長代理 その点は検討させてください。確かに入れたほうが、カンファレンス等でもデジタル化の活用によって院外との連携も取りやすくなるというような視点で入れられるといいかなと思います。
それから、池端先生からいただいた御意見に対してですが、多分、池端先生はこれを医師の立場で読まれたのだと思いますが、冒頭にありましたように主たる利用対象には薬剤師も含まれ、入院中のことに関しては、むしろ、薬剤師が実践していただく主体ですので、そういうふうに読んでいただければと思います。
○池端構成員 分かりました。
○秋下座長代理 外来についての考え方はどういうふうに入れるかですけれども、これは病院を対象にした業務手順書なので、保険薬局は主体ではないのですね。ですので、例えば保険薬局から提案を受けたときにはどうするというような視点で入れるといいかなとは思いますので、それも検討させてください。ありがとうございました。
○印南座長 ほかに御意見等はございませんか。
では、お願いします。
○美原構成員 2点あります。
1つは、先ほど出た管理者の問題ですが、6ページで、管理者は院内の多職種連携に協力するよう必要な指示を行うことが望ましい、と書いてありました。しかしながら、管理者はもっと強い言葉で、ただ単に多職種連携しなさいと言うよりも、トップがポリファーマシー対策をきちんと立てるのだという宣言みたいなものが必要なのではないかと僕は思います。
したがって、6ページよりも2ページの(3)院内の理解を深める、というところに、例えば、管理者はポリファーマシー対策を宣言するなど、もっと強い言葉があってほしいように思いました。
もう一点は、23ページに医療機能による違いという欄において、24ページの3つ目のポツで、急性期と回復期・慢性期病院それぞれのポリファーマシー対策における成果を地域における取組に継続させるため、という文章があります。これはむしろ、24ページよりも21ページの退院時の院外関係施設への情報提供、のほうに置かれるべきだと思います。つまり、24ページはそれぞれの機能のことで、連携の話をしているのではなくて、連携に関しては21ページの退院時の院外関係施設への情報提供、が書く場所としては適切なように思いました。
以上です。
○印南座長 ありがとうございます。
2つ論点がありますので、分けて議論をしたいと思います。
まず、管理者についてもう少し強い表現が望ましいのではないかという御意見につきまして、ほかの構成員の先生方はいかがでしょうか。
池端先生お願いします。
○池端構成員 私も全く同じ意見で、これまでの過去の検討会の議論の中でも、最終的に管理者がその方向性を示すか示さないかで、(薬剤師等が)動けるか動けないかが大きく変わってくるということは、複数の先生方から意見が出ていたかと思います。確かに、もう少し強い口調という言い方が正しいかどうかは分かりませんけれども、まず管理者がしっかりとリードするということがあったほうが、この業務手順書が生きてくるのかなという感じがしました。
以上です。
○印南座長 ほかに御意見はございますか。
それでは、秋下先生お願いします。
○秋下座長代理 私も先ほどここに記載がありますよというお話はしましたが、確かに多職種協働については当たり前なので、それよりもポリファーマシー対策という言葉を入れることと、もう少し強い指導力を発揮していただくという、そういうニュアンスで、望ましいというよりは、もう少し強い表現ですね。私も同意見ですし、従来の検討会でも出たということなので、そのようにしていただきたいと思います。
各論編(療養環境別)の指針の議論をしたときに、管理者にもこの問題を理解してもらうという議論が出てきたと思いますので、これは多分この検討会の中で共有されている意識だろうと思い出しました。ありがとうございました。
○印南座長 ただいまの点につきまして、ほかの先生方はよろしいでしょうか。
それでは、もう一点、24ページの医療機能の連携に関する部分の記述は、21ページに入れたほうがいいのではないかという御意見をいただきましたが、この点につきまして、いかがでしょうか。
それでは、秋下先生お願いします。
○秋下座長代理 美原先生がおっしゃった趣旨はよく分かります。
情報提供することについては書かれているのですが、その目的が入っていないので、わかりにくいのだと思います。せっかく取り組んだポリファーマシー対策を継続していただくことが目的であると。そういうような趣旨で美原先生はこっちに入れたほうがよいとおっしゃったのかなと思ったのですが、いかがでしょうか。
そういうことであるならば、今入っている文章に少し追記をすることで、21ページの箇所はそういう趣旨が出てくるのかなと思っています。24ページは、継続云々と書いてあるのですが、医療機能の違いというところで、急性期と慢性期を書き分けるというような趣旨が主だったものですから、ここには何らかの記載はやはりあったほうがいいとは思っています。
いかがでしょう。美原先生御確認をお願いできればと思います。
○美原構成員 いいと思いました。
今、秋下先生がおっしゃったように、医療機能による違いに連携のことを書き込むのであったならばそれでいいと思いますが、何となく21ページの情報提供のところにそのまま移してもいいのかなと、僕自身がそう思いました。機能別のことは機能別に書かれていて、連携のことは連携のところに書かれるのが、書く場所としてはそのほうが適切かなと思った次第ですが、それは別に構いません。
以上です。
○秋下座長代理 そうしましたら、21ページのイ)の2ポツ目のところが、療養環境先云々という、この辺を少し詳しく書かせていただいて、同じような内容が2回出てくるかもしれませんが、もともとの意図が違うので、そういう形で内容等を考えて、また、御提案したいと思います。ありがとうございました。
○印南座長 よろしいでしょうか。
ほかの先生方、今の点につきましていかがでしょうか。
よろしいですか。
ほかに、このパートについて、御意見等がございましたらお願いいたします。
○秋下座長代理 患者・家族への説明ですね。入院したときには、入院診療計画書というものがあります。退院するときにも、院内では、インフォームドコンセントとして、文書で患者・家族にお渡しするのは非常に重要なことではないかと思って、説明するというだけではなくて、説明した文書をお渡しするというような趣旨も盛り込んだほうがいいのではないかなと思いました。いかがでしょうか。
○印南座長 いかがでしょうか。20ページのお話です。
よろしいですか。
それでは、御異論がないようですので、この辺りは秋下先生にお任せしたいと思います。
ほかに、全体を通して御意見等がございましたらお願いいたします。
○秋下座長代理 読んでいただいて、総論編と各論編の引用が結構あるなと思われるかもしれません。先ほどデジタル化の話が出ましたが、紙の場合は、ここに全部入れると非常に長くなってしまうのでこういう記載で仕方ないと思うのですが、PDFですと、リンクを埋め込むことができますので、そこに飛ぶような形、少なくとも、総論編、各論編のPDFに飛ぶことはできると思いますので、それを埋め込んでいただくことを、御提案させていただければと思います。
事務局はいかがでしょうか。
○事務局 対応させていただきたいと思います。ご意見ありがとうございました。
○印南座長 ほかに御意見を。
○池端構成員 しつこいようですけれども、今、幾つかデジタル化ということが出てきて、いろいろな方向で、例えば電子処方箋とか、カンファレンスとか、大きなくくりとして今後ポリファーマシーのデジタル化は項目に入れてもいいのかなと思いました。目次を見ると、進め方の中で、運営規程とか人員体制とかいう中で、デジタル化を使った今後の進め方とか、何かそういうことがあると、総理に忖度するわけではないのですけれども、今後の流れもいいのかなという気がしましたけれども、いかがでしょうか。
○印南座長 ただいまの御意見につきまして、いかがでしょうか。
これは御異論がないように思いますけれども、独立した項目を設けるということはいいのかもしれないですね。
よろしいですか。
それでは、北澤先生よろしくお願いします。
○北澤構成員 先ほどもお話が出ていたのですけれども、18ページの患者・家族の意向を確認する、というところの内容を読みますと、薬を減らすことに抵抗のある人を中心に書かれているような気がしたのですけれども、患者の中には、実際には薬をもう少し減らしたいけれども、医師には言えないとか、あるいは、医師に言えないから自分で勝手に薬を調整しているとか、そういうような、実は減らしたいけれども、それをどういうふうに言っていいか分からないというニーズもあるのではないかと思うので、その辺りも踏まえた表現にしていただくといいかなと思いました。
また、この点が入院のカンファレンスのところで書かれてあって、外来患者については特に書かれていないので、外来でこそこういった患者の意向とか隠れたニーズを薬剤師の先生にぜひ引き出してほしいと思います。
以上です。
○印南座長 ありがとうございました。
ただいまの御意見に関しまして、何かございますか。
私は、健康・医療・介護の情報利活用委員会の委員でもあります。そちらで私が出した意見です。医療の世界は、病気を抱え不安な患者さんがいます。ここにいる皆さんは人をケアする職業なので、不安な患者さんに対する気持ちと発想はよく分かります。が、一方で、賢い患者さんを育てる発想も必要です。ポリファーマシーも同じだと思うのですね。ポリファーマシーのアイデアを患者さんにもっと普及させるには、賢い患者さんを育てるような説明とか、そういう手だても必要ではないかと思います。これは個人的な意見ですけれども、そういう記述があれば、なおよいかなと個人的には思います。
○林構成員 日本病院薬剤師会の林です。よろしいでしょうか。
○印南座長 林先生お願いします。
○林構成員 発言許可ありがとうございます。
先ほど来議論されていますデジタル化の方向性は、Withコロナの時代ですし、また、有効活用していかなければいけないということを病院薬剤師の関係者とも話し合っています。一方で、そうした会議の中で、セキュリティの問題、つまり、Web会議システム等を使った場合に、パスワード管理、あるいは、職場でWeb会議を聴いていると、不特定多数の人が聴けてしまわない対策などが必要と思います。個人情報、特に疾病に関連する情報の打ち合わせになると思うので、もしデジタル化の推進を書かれる場合には、個人情報に配慮したデジタル会議システムの利用についての配慮が必要であるということも併せて書いておかないと、少し心配かなと思いましたので、発言いたしました。
それから、もう一つ、Webを用いてデジタルでやる際に、もともとのプロとプロの信頼関係ができている同士がWebでコミュニケーションするのはやりやすいけれども、初めての方といきなりWebでやって、どこまで成果が上がるのか難しいと思います。今日のこの会議でも発言のタイミングを皆さん見ながら参加しているように、本当に腹を割った会議になると、もともとの信頼関係がないと難しいので、単にWebをうまく使っていきましょうということだけではなくて、解決しなければならない課題についても、厚生労働省の皆様も含めて、読み手が認識できるような書きぶりがいいのかなとは思っておりました。
提案したようなことをたくさん書くと、これから付け足さなければならない秋下先生たちの作業があまり膨大になるようであれば、その書きぶりのところをどこまで膨らませるかは、お任せしたいと思います。事務局も含めて、せっかくここまで出来上がっているもののリリースを遅らせることのない範囲でうまく御配慮いただけたらと思って発言しました。よろしくお願いいたします。
○印南座長 ありがとうございました。
ただいまの御意見につきまして、いかがでしょうか。
溝神先生お願いします。
○溝神構成員 ありがとうございます。
先ほど、北澤先生からの御発言でありました患者ニーズ、特に外来患者さんの患者ニーズをということですけれども、現場の立場から言いますと、外来患者さんに対して、病院薬剤師が関わるというのがなかなか難しい現状があるかと思いますので、そういったことに対して、例えば調剤薬局のほうから患者ニーズに対して情報提供をいただくとか、そういったような、トレーシングレポートなどを用いて情報提供いただくような形でやっていくといいのかなと思いますので、その辺りの書きぶりを少し調整していただくといいのかなと思いました。
以上です。
○印南座長 ただいまの御意見につきまして、いかがでしょうか。
○橋場構成員 調剤薬局の現場でも、先生には言わないでねというようなことでぽろっといろいろなことを言われたりというケースは少なからずあることはございます。ただ、言わないでねというのが、本当に言ってほしくないのか、実は知ってほしいのかというところは、それこそ薬剤師のコミュニケーション能力に問われるところかなとは思うのですが、そういったところも含めて、患者さんとうまくコミュニケーションを取って情報を引き出して、病院の先生方にフィードバックできるような形になれるといいかなとは思うのですけれども、その辺、個人情報のお話もありますので、現場の薬局でも苦労をしているところではあります。
○印南座長 ほかに御意見等はございますか。
○城守構成員 遅参して、申し訳ございません。日本医師会の城守です。
○印南座長 城守先生お願いします。
○城守構成員 どういう議論をされておられたのか分からないのですけれども、今回、この病院における高齢者のポリファーマシー対策の進め方に関してまとめていただいて、ありがとうございます。
その中で、病院において、ポリファーマシー対策を進めていくことに関して、確かに、スタッフ一同のポリファーマシーに対しての認識とその必要性の共有が非常に重要なわけですが、これがうまくいくかどうかというのは、このお薬を処方する医師の考え方と関与というものが最終的に影響してくるのは間違いないだろうと思います。
その中において、例えば14ページのフローチャートの図に、カンファレンスにおける主治医との調整をしっかり書いていただいて、そのとおりだなと思うわけですが、その中で、例えば17ページにおいて、病院の中においていろいろな診療科があって、その診療科ごとに先生が処方をされるということで、重複投与になったり、薬効成分が同じようなお薬が処方されるという形になるわけでしょうけれども、場合によっては、そのお薬が重複投与な形をとっていても、その先生方の処方をする意図の中において、こういう理由でこのお薬も出ているけれども、薬効が似ているけれども、これを出しているということもあろうと思うのですね。ですので、その辺りに関しての調整は医師同士でやっていただかないとなかなか難しいというところがございます。
17ページのイ)の主治医との調整、に関して、処方見直しや内容について相談して同意を得ると。これはすごくいいと思うのですけれども、その次のかかりつけ医に対しても、事前に処方意図を確認し、という文章ですけれども、難しい場合は、というのは、恐らくかかりつけ医に対して連絡なり対応が取れなかった場合だろうということであろうと思いますが、こういう場合には、そのまま処方見直しを提案してという形にする記載よりも、ここも、入院においてもその主治医がいますので、難しい場合は主治医と相談をして、例えば、その対象とするかどうかを判断する、と記載されたほうが現実的だろうなと思いますね。そのほうが主治医もかかりつけ医との関係性が多分おありでしょうから、その辺りも含めて主治医と判断して、主治医がオーケーすればその対象にするという形になると思いますので、記載としては難しい場合は云々と、ここに記載されているよりは、何度も言いますが、主治医と相談をして、そして、主治医が対象とするかどうか判断をするとされるほうがよろしいのではないかなと思います。それが1点。
そして、例えば19ページも含めて、ウ)の患者さんへの説明、ですけれども、処方見直しを行う場合、主治医又は薬剤師は、この薬剤師は当然主治医からの指示を受けている薬剤師ということであろうと思うのですけれども、そこは明確に、主治医の指示を受けた薬剤師という記載にしていただいたほうがすっきりするかなと思います。
18ページの欄外のところも、医師又は薬剤師というところは、処方する医師の意図と、薬剤師も含めて周りの方がその考え方を共有して、その中において薬学的な知識・知見を医師に伝達することによって、医師の処方がまた変わってくることを意図しているはずなので、そういう意味においては、その辺りを丁寧な形に記載をしていただければいいのではないかなと、個人的には思います。
少し長くなりましたけれども、以上です。
○印南座長 ありがとうございました。
ただいま、主に2つの論点がありました。第1は、主治医の判断を重視する記述を追加するということであります。ここにつきまして、秋下先生お願いします。
○秋下座長代理 これは、おっしゃるとおりだと思います。そのワンステップがある意味で省かれてしまっていると思いますので、難しい場合は、というところに、それはそのまま手をつけず、そのまま情報提供に行くのではなくて、主治医の判断でそれでも行う場合はあるということなので、城守先生のおっしゃったように、実際に我々もそのとおりにしていますし、そのワンステップを書き加えるということでよろしいのではないかなと思います。
○印南座長 城守先生、今のお答えにつきましていかがでしょうか。
○城守構成員 ありがとうございます。先生がおっしゃろうとされている意図は十分に承知しておりますので、その辺りをうまく記載していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○印南座長 ただいまの点につきまして、ほかの先生方はいかがでしょうか。
よろしいですか。
それでは、第2点目の主治医又は薬剤師ではなく、主治医の指示を受けた薬剤師という表現ぶりですが、この点につきましていかがでしょうか。
○秋下座長代理 主体が薬剤師の場合と医師と両方ある。主たる利用者は医師、歯科医師、薬剤師ということで指針からずっと通しています。薬剤師が行う場合に、指示を受けたというふうでは完全に従になってしまうので、城守先生は別にそういう意図でおっしゃったわけではないと思うのですけれども、少なくとも情報をお互いに共有していて、お互いに合意の上でどちらかがそのアクションを行うという、そういう趣旨だと思うのですね。
それをどう書くかという書きぶりの問題かなと思っていまして、その点について、また、書き直しまして、御点検いただければと思います。おっしゃる意図もよく分かります。主治医やポリファーマシー対策チームの医師なども関わるのですが、そういうところで薬剤師だけが突っ走ってしまうと、それはおかしなことになるよということが城守先生のおっしゃりたかったことなのかなと思っていますので、その点が十分分かるような文面にするということかと思っています。
城守先生、そういう意図でよろしいでしょうか。修正は入れたいと思います。
○城守構成員 ありがとうございます。
処方見直しを行う場合は、と書いてありますから、処方をするのはやはり医師ですので、その辺りは一定程度分かってはいることではありますけれども、いろいろな方がこの文章を読みますので、誤解のないようにという形で記載されたほうがよいかなということで、今、先生がおっしゃられたとおりでよろしいかと思います。また、御検討のほどよろしくお願いしたいと思います。
○印南座長 この点につきましては、ほかの先生方はいかがでしょうか。
お願いします。
○水上構成員 水上です。
今のお二人の先生のお話を聞きまして、全くそのとおりで、方向は同じだと思います。文書の書きぶりを検討するということになろうかと思いますが、賛成です。
○印南座長 ありがとうございます。
ほかに御意見等ございますか。
よろしいでしょうか。
先ほど、確認を少し飛ばしましたけれども、いろいろ出た意見について、御異論がなかったと理解しております。
よろしいですか。
どうぞ。
○城守構成員 城守です。
19ページですけれども、四角の枠囲みの下の黒ポツの1つ目です。急性期病院では在院日数が短いため、のところですけれども、要するに、在院日数が短いので、見直し案を検討するところまで行い、転院先の医療機関に対して処方見直し案とその理由を記載して処方見直しを依頼することも考えられる、ですけれども、「検討」を「検討依頼」のほうがいいのではないですかね。
急性期からポストアキュートなのか、それとも回復期なのか分かりませんけれども、その病院でも薬剤師もおられると思いますし、その病院の医師の考え方もあると思うので、あまり急性期で考えて、それが後方病院でこれをしてくださいというのは、無責任とは言いませんけれども、押しつけ的なイメージがあるので、検討依頼することも考えられる、というふうな記載にしたほうが軟らかくていいのではないですかね。いかがでしょうか。
○印南座長 いかがでございますか。
○池端構成員 私も見逃していましたけれども、確かに、この表現だと、退院した後には、そっちに行くけれども、処方箋はこれでやりなさいというイメージになってしまうので、確かに城守先生のおっしゃるとおり「処方見直し案も含めて御検討をお願いします。」というような書きぶりにしたほうが、よいと思いました。ありがとうございました。
○印南座長 ほかに御意見等はございますか。
よろしいですか。
それでは、今回いただきました御意見につきましては、事務局にて、業務手順書(案)の修正を秋下先生と御相談の上、お願いいたします。
以上で、議題1を終わりにします。
本日は、この議題については終わりでございますので、事務局から連絡事項があれば、お願いいたします。
○事務局 次回の検討会の日程でございますが、日程調整の上、改めて御連絡させていただきたいと思います。
なお、本日の議事録につきましては、後日送付いたしますので、内容の御確認をお願いいたします。修正・御確認いただいた後は、厚生労働省のホームページに掲載いたしますので、よろしくお願いいたします。
事務局からは以上でございます。
○伴構成員 私はプライマリ・ケア連合学会の伴でございます。
その他というところで議論があるかと思っていたのですけれども、なかったので、本日の実際的な対策という議論にはそぐわないかもしれないのですけれども、意見を述べさせていただいてよろしゅうございますか。
○印南座長 どうぞ。
○伴構成員 ポリファーマシーの改善ということに関しまして、今回の具体的な文言がどうだというわけではないのですが、全体の考え方といいますか、ポリシーに関してですけれども、これは総論のところでも、私、少し追加発言させていただいたのですけれども、非薬物療法ということに関しての言及があまりにも少なくて、お薬を使うか使わないか、どんなふうに使うかということに終始し過ぎていると私は感じております。
ポリファーマシーの改善というのは、薬の種類を変えたり、減らしたりということだけがポリファーマシーの改善のようになって、例えば食事とか栄養、食事療法と言われるようなものとか、あるいは日常の身体活動の問題とか、それから、嗜好品(酒、たばこ)の節制とか、あるいは睡眠の確保とか、いわゆる自然の免疫力を高めるようなものが基本的には重要だと思うのです。ですから、ポリファーマシーの改善のために、薬の使用について議論することはもちろん否定はいたしませんけれども非薬物療法の側面が少し方向性から抜けている、あるいは言及が弱いというのは、この検討会の議論の中でずっと感じているというのが一点です。
それから、もう一つは、今までほとんど出てきてない議論が漢方薬についてです。特定の漢方薬ではないのですけれども、西洋医薬品の場合には数種類の処方になりそうな複数臓器関連の症候に対して、一つの漢方方剤がそれをカバーできるというようなこともあります。そういうふうなことを考慮することがポリファーマシーの改善につながる場合もあるだろうと思います。文言的には、処方見直しという言葉に包含されるかとは思いますけれども、全体の流れとしてそういうふうに感じましたので、「その他」というところで発言しようと思っていたのですが、付け加えさせていただきます。
以上です。
○印南座長 ありがとうございました。
ただいまの御指摘に関しまして、ほかの先生方の御意見等があればと思いますが、よろしいですか。
貴重な御意見として伺っておきたいと考えております。議事録にも載りますので、そういうふうにさせていただきたいと思います。
ほかはよろしいでしょうか。
 
それでは、先ほど申しましたとおり、事務局に文言修正等をしていただきますので、お願いいたします。
それでは、次回の日程につきましては、事務局から説明がありましたので、これにて、本日は閉会といたします。
どうもありがとうございました。
 (了)