第2回 医薬品等行政評価・監視委員会 議事録

日時

令和2年12月1日(火) 13:00~15:00

場所

厚生労働省会議室及びテレビ会議

出席者

出席委員(五十音順)
  • (会議室)    ◎磯部哲
  • (テレビ会議)  伊豆津健一  泉祐子   内田信一  奥田真弘 ○佐藤嗣道  
  •          戸部依子   花井十伍  森豊隆志
  •  ※◎委員長 ○委員長代理
行政関係出席者
厚生労働省
(会議室)
 鷹合一真(大臣官房厚生科学課医薬品等行政評価・監視委員会室長)
 大井恒宏(大臣官房厚生科学課医薬品等行政評価・監視委員会室長補佐)
 大平泰士(大臣官房厚生科学課医薬品等行政評価・監視委員会室主査)
(テレビ会議)
 中井清人(医薬・生活衛生局医薬安全対策課長)
 塩川智規(医薬・生活衛生局医薬安全対策課長補佐)
独立行政法人医薬品医療機器総合機構
(テレビ会議)
 鬼山幸生(医薬品安全対策第一部長)
 上野清美(安全性情報・企画管理部長)他

議題

  1. 医薬品等行政評価・監視委員会の運営について
  2. 薬事制度について
  3. 医薬・生活衛生局からの定期報告について
  4. その他

議事

○鷹合室長 ただいまより第2回「医薬品等行政評価・監視委員会」を開催いたします。
皆様には、お忙しい中御出席いただき、ありがとうございます。
本日の委員会は、対面ではなく、ウェブ開催としております。磯部委員長を除くほかの委員には厚生労働省外から審議に参加いただいております。
また、傍聴に関しては、YouTubeでライブ配信を行っております。
それでは、議事進行は磯部委員長にお願いいたします。
○磯部委員長 こんにちは。本日もどうぞよろしくお願いいたします。私はここにおります。
最初に、本日の委員の出席状況の報告について、事務局からお願いいたします。
○鷹合室長 本日は全員御出席いただいており、委員会開催の定足数に達していることを報告いたします。
○磯部委員長 全員出席ということですが、通信障害で落ちたとか、何か不都合があったとかがあれば、適宜事務局に御連絡いただければと思います。
それでは、議事に入りたいと思います。本日の主な議題は4点ございまして、第1には委員会の開催スケジュールについての検討、第2には利益相反の取扱いに関する検討、第3には市販後安全対策に関するヒアリング、そして第4に定期報告の内容の検討の4つになります。
まず、委員会の開催スケジュールについて、前回第1回の委員会で事務局にたたき台の作成をお願いしておりました。
事務局から説明をお願いいたします。
○鷹合室長 本日は議題が多いので、説明は簡潔にさせていただきます。
資料1を御覧ください。今後のスケジュールについて整理しております。
委員会は2~3か月に1回のペースで開催することを予定しており、1年目としては5回程度を予定しております。第3回は3月15日を予定しており、終了後、PMDAの視察を予定しております。
一番左の「医薬・生活衛生局からの定期報告」ですが、本日、定期報告の実施方法について議論していただき、可能であれば、次回、事務局からたたき台を提示したいと考えております。
左から2番目の「薬事制度の確認・評価」ですが、本日、医薬・生活衛生局から市販後安全対策についてヒアリングをしていただく予定であり、今後も引き続き関係局からヒアリングをしていただく予定です。
右から2番目になります。「委員の求めに応じた個別事項への対応」ですが、委員から新型コロナウイルスの治療薬やワクチンについて関心があるとのことでしたので、次回以降、情報等が整理できれば資料を提示し、議論いただきたいと考えておりますが、新型コロナウイルス以外で関心事項がありましたら、委員からお示しいただければ、検討項目として整理したいと考えております。
最後に、一番右の「その他」のところですが、本日は利益相反について議論いただく予定です。可能であれば、本日の議論を踏まえ、次回、事務局から対応案または規定案を提示できればと考えております。
注意書き2に記載しておりますが、事務局としては議論の状況や委員の求め等に応じて、弾力的に対応したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
スケジュール案は以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
4つあります。左から定期報告、薬事制度の確認・評価、個別事項への対応、利益相反等の規程の話です。
資料1につきまして、御質問や御意見があれば、お願いいたします。
何かあれば、適宜ミュートを解除して発言いただければと思います。とりわけ左から3つ目のところは、新型コロナウイルスの治療薬等の話がまず挙がっていますけれども、それ以外の個別事項の確認等もありますので、その点も御意見があれば遠慮なくいただければと思います。
森豊委員、お願いします。
○森豊委員 私は、今後、もしアルツハイマー病の疾患修飾薬の承認があったら、前前認知症発症前の段階から患者さんに投与することもありますので、それの安全性等を考慮して取り上げていただければと思っております。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
最初がちょっと途切れてしまいました。
○森豊委員 今、アルツハイマー病の疾患修飾薬の候補のFDAにおける承認申請が行われていて、それが今後承認されるかどうかは分からないのですけれども、仮に承認された場合、また日本でも承認された場合ということになりますが、重要な品目になるのではないかと思っております。
○磯部委員長 ありがとうございました。
そのように個別に見ておくべきものをおのおの言っていただければと思います。
佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 新しいテーマではないのですけれども、新型コロナウイルスの治療薬やワクチンに関して、次回の第3回で実際に具体的な検討をするべきだと思うのです。かなり速いスピードでいろいろと動いていますので、第3回あたりでこの委員会として具体的な議論をして、第4回、第5回あたりでまとめ、必要に応じて提言というスケジュール感でやらないと間に合わないのかなと思っておりますので、そういうことも含めて、今後のスケジュールをお考えいただけないかというのが私からの意見です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
今、新型コロナウイルス関連以外にも議論するべきテーマがありますかということを伺ってはいたのですが、いずれにしても、仮にそういうものがあったとしても、コロナはまさに今動いているところですし、まず優先的にやるということで、委員の方々はよろしいでしょうか。
今、佐藤先生から、第3回とかとにかく具体的な検討を早急に始めたらいいのではないかということでしたけれども、実は3月まで待つのでも大丈夫かという感覚もあります。佐藤先生、もう少し早くしたほうがいいとお考えになりますか。
○佐藤委員 各委員で個別の検討と情報交換は3月までの間、継続しておくことが必要かなと思うのですけれども、いずれにしても、正規の委員会2時間の時間で、いきなりぶっつけ本番というのではかなり厳しいと思いますので、もし可能でしたら、今後、情報交換だけは3月に向けて、いろいろな資料等の共有を図っていくことが必要かなとは思っております。
○磯部委員長 ありがとうございます。
実質的にどこまで、具体的にどういう資料をどう集めていただけばいいのかという細かいところから知恵を出していただければという気がいたしますが、コロナについて、こういう検討の進め方がいいのではないかということについて、その他の先生方も何かアイデアなり、御示唆なりをいただければと思います。
花井委員、どうぞ。
○花井委員 花井です。
この委員会の立てつけ自体にも関係するのですけれども、取りあえず安全対策に絞っていて、承認時の有効性については、ここでは直接的に扱わないような立てつけではあるのですが、安全性という言葉はいわば曖昧な言葉ですけれども、結局、医薬品はむちゃくちゃ効くものであれば害作用については受け入れられるし、全く効かないものであれば軽微な害作用でも受け入れられないという有効性との相対的な問題であるところがあると思うのです。
だから、安全性は有効性に若干絡んでくるものの、第一義的には、今はアメリカが先行していて、日本はちょっと遅れていると言われていますけれども、日本のいわゆる組換えタンパク型、もしくはメッセンジャーRNA型、もしくはプラスミド型とかいろいろあると思うのですが、それぞれの新しい設計における基本的なリスクについて、どういうものかということを整理しないと、ワクチンと一言で言いますけれども、昔の生ワクチンだけではないので、全く新しい設計のものが多いので、それについて、当局としていわゆる原因的なリスクについてどう考えるかというところの情報がないと、こちら素人集団にも分かりにくい。
例えばよく遺伝子を体細胞に導入するというところでいつも議論になるのですけれども、大量のベクターゲノムが体内に入るわけですが、一体それがどこでどうなるのかというのは、実際には全て分かっているわけではないと思うのです。
結局、臨床で確かめてということになるのですけれども、ワクチンの有効性は病気の治療とは違うので、かなり大規模なスタディーをやらないと、本当に効くかどうか分からないところもありますので、まずは今開発中のものの類型と、それが内在しているリスクについては、専門家の間では分かっている話だと思うので、次回までには整理して、もしくはこの正式な会議ではなくて、二次的ミーティングでもいいですから、それを提示していただいて、各製品のパイプラインが分かっている範囲で一覧表にしてもらう。そのパイプライン上のそれぞれがどのようなものかということを踏まえて次のことを考えないと、いきなりワクチンと端的に言うと分からないので、少なくともパイプラインの全体像と、それぞれの企業の原因的に内在するリスクをどのように想定しているのかという2つの情報については多分持っていると思うので、早めに出していただくというのはどうでしょうか。
○磯部委員長 花井委員、ありがとうございました。
まず、今開発中のものがどういうもので、それぞれの特徴なり、潜在的なリスクの問題なり、分かっていることを委員の間でも予習的に勉強して3月に備えるということで、具体的に勉強会のような形でやったりということを事務局と相談しながら、また、先生方にも御相談しながら、スケジュールの中で、3月までの間に入れていきたいと思います。
○鷹合室長 事務局です。
ありがとうございます。関係部局と相談して進めたいと思います。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、議論はよろしいでしょうか。
では、1つ目の議題のスケジュールについてはこのぐらいということで、ありがとうございました。
続きまして、利益相反の取扱いに関する話ということで、当委員会用の利益相反に関する規程について、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。
○大平主査 では、利益相反に関する取扱いについて説明させていただきます。
資料2と資料3として、既存の薬食審の規程と、花井委員からの依頼に基づき、臨床研究法の規程、そして事務局作成の論点を準備しております。恐れ入りますが、ポイントのみの説明とさせていただきます。
まずは薬事分科会の審議参加規程となります。資料2-1の概要のほうで説明させていただきます。
2ページを御覧ください。1、2にありますが、全ての審議、委員が対象で、個別品目の審議の際に、参加制限がかかります。制限されるのが、下の表にあります3つのパターンです。
1つが「(1)承認申請資料等の作成に関与した場合」。具体的には、マル1からマル3にありますが、審議される医薬品の申請資料の作成に関与した場合などが該当いたします。2つ目が「(2)個別企業からの寄附金・契約金等の受け取りが個別企業で年間50万円を超える場合」です。備考欄に記載しているとおり、寄附金等には研究室への寄附金や個人的な利益となる講演料なども含まれます。3つ目は「(3)その他特別な利害関係者」の場合でございます。これは家族が申請者または競合企業の役員や職員であった場合等です。
続いて、3ページで具体的にどのような制限がされるのかをまとめております。こちらも3パターンあります。(1)~(3)の順に厳しくなります。
1つ目は、審議に参加できますが、資料については発言できません。2ページ目の(1)のマル2に当たる申請資料などに利用された資料の著者であった場合です。2つ目が、審議に参加できますが、議決に参加できません。これは寄附金等が50万円を超えて、500万円以下の受け取りであった場合です。最後は、審議、議決の両方に参加できない場合です。申請資料に直接関与した場合、また、年間500万円を超える寄附金等を受け取っていた場合が該当いたします。
5、6にございますが、これらの寄附金等の申告は、過去3年度分で最も受取額の多い年度を会議の開催の都度、確認しています。また、その申告内容を厚生労働省のホームページに掲載しています。
続いて、資料2-3について説明させていただきます。臨床研究法における利益相反管理の内容です。 臨床研究法では、研究責任医師等の利益相反の状況を把握・管理することとされております。
3ページは、厚労省が示す推奨される管理基準です。上段と下段に分かれておりますが、ここでは「研究者個人に対する関与」について着目いただければと思います。
青い箇所は「利益相反の基準」です。これに該当する場合は、研究成果の公表時に利益相反を開示することなどが求められております。例えば年間200万円を超える寄附金、寄附講座への所属、年間100万円以上の個人的利益などが該当します。右側のオレンジ色の塗り潰しは「重大な利益相反の基準」で、これに該当する場合は一定の制限や関与のチェックが必要となります。
報告項目で、主に薬食審と大きく異なる点は、寄附金と個人的利益を切り離して計算している部分です。
具体的な報告方法は資料2-4に記載しております。こちらの2ページが医師から所属機関に提出されるもので、寄附金や個人的利益の受入金額を所属機関に詳細に報告いたします。一方で、資料の4ページは所属機関が研究責任医師に提出する様式で、具体的な受入金額等は出されません。
最後に、資料3で論点を書かせていただいております。薬食審では審議参加の制限に関するルールや寄附金・契約金等の受取額の公表のルール等が整備されておりますが、これを踏まえて、本委員会の審議参加規程をどのように設定するか、薬食審の規定を準用することでよいかを論点としております。なお、今回の議論も踏まえ、次回委員会で事務局が対応案または規定案を提示することを想定しております。
以上が資料2、資料3の説明となります。
○磯部委員長 御説明ありがとうございました。
今回、このようにほかの仕組み、ほかの審議会に関する規程を御紹介いただいて、スケジュール感としては先ほど確認しましたように、次回の委員会では、事務局から対応案か規程案を準備していただくことに至ることを願っておりますので、今日は自由討議ということで、私なんかの法律系の人間は悲しいほど寄附金なんて頂かないのですけれども、医療系の先生方におかれましては、今後の研究の進め方の問題、やりやすさの問題とかの重要な論点でもありましょうし、できるだけ幅広く御意見を伺いたいと思いますので、どなたからでも御意見をどうぞお願いいたします。
内田委員、お願いします。
○内田委員 医師という立場からすると、基準をこうしてほしいといったことはむしろあまり申し上げないほうがいいのかなと思いますし、一般目線で疑いを持たれない形でつくっていただければいいのかなと思っています。
一方で、この会に関してはあまりないのかもしれませんけれども、個別の医薬品のことを考えるときには、専門家ほどCOIがあるというのはよくあることで、私は科研費のプログラムオフィサーもやっていたのですけれども、一番その研究を分かっている人がCOIで審査員でもその場から退出しなければいけないということもあって、その辺はCOIが抱えるジレンマで、それは致し方ないのかなとは思います。
手続としては、私の希望としては、なるたけやり方を簡単にしていただけると助かります。個別にやるのか、1年の初めに出して、変更があればそのたびごとに変更を申請するのかとか、いろいろなやり方があるとは思うのですけれども、できれば画面をクリックして、あとは企業の名前を入れてという形で、あまり煩雑にならない形にしていただけるといいかなと思います。
薬事分科会のように個別のことを扱うこともあるのでしょうけれども、そちらよりは個別の案件はそれほどないのかなと思うので、どういう範囲をCOIとするのかも重要かと思います。例えば私が専門としている腎臓分野のことに関して何か事件が起きたときに、薬屋さんとは関わっていないけれども、自分が関わる分野を擁護している取られかねないときは、意見は言わないほうがいいのかとか、そういう問題もあるかと思います。
繰り返しになりますが、報告すべき金額の基準に関しては、医師の立場の私のほうからはあまり申し上げる必要はないし、医療業界ももうあまりお金をもらっていませんので、一般目線で決めていただければと思います。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
何のために利益相反を論じるのか、審議会において何が大事なのかということから考えなければいけないという重要な御指摘だと思います。
確かに報告のしやすさ、やりやすさに関連した部分は大事ですね。会議のたびに毎回やる委員会もありますけれども、なかなか大変です。
その他もどうぞ。
花井委員、お願いします。
○花井委員 今、お話があったように、薬食審のルールはいわゆるある薬の評価で、最終的には多数決も含めて50万~500万は多数決には参加できないけれども、議論には参加できる。500万超えはもう退室であるというルールで、それはライバル企業も一緒であるということなので、個別品目に対してはそういう一定の基準がないとどうしようもないだろうと。
当時、私もこの議論に参加したのですけれども、500万という金額が多いか、少ないかというと、一般の市民感覚からすると500万というのはすごく多いのですが、僕も一般の市民感覚から大きく乖離した数字だということはかなりうるさく主張したものの、先ほどお話があったように、詳しい人ほどというところもあり、欧米の制度が大体そのぐらいの金額で落ち着いているというところで、欧米との横並びという形でこの基準が決まったという経緯があると承知しています。
問題はこの会議の利益相反は何なのかということなのですが、明らかにこの会議が中立であり、いわゆるメーカー等の意向に沿ったバイアスがかからないということです。委員の先生方はかからないと信じているのですけれども、要は市民から見てそうだということが大事かなと。
私も薬食審を長くやっていて、血液なのであまり利益相反はないのですけれども、当初からあったのは、そうは言ってもお付き合いはあるというところで、お付き合いがあるというレベルの話は、全くディシジョンメークに影響がないかというと、全く排除するというのは、人間社会の中では難しいわけです。なので、透明性が大事で、例えばあるメーカーから年間講演費を60万円もらっていますよねということ自体が悪いことではないわけです。ただし、もらっているということを明らかにしないと、中立なのだけれども、いかにも中立なふりをしているよね、みたいな疑惑を持つというのが問題なのではないかと。そこが透明性を高めるという制度であるべきということです。
具体的には、今、医薬の世界でも臨床研究の世界でも論点になっているのですけれども、本来、メーカーが全部紐づけて、誰にどれだけ行っているかという情報が普通に完全に公開してあれば、別に利益相反はここで言うまでもなく、各委員がどういう経済的な利益を各メーカーからもらっているかということが分かればそれで済む話なので、ここでやる必要はないのですが、それについてメーカーが消極的で、なかなかそれが進んでいないのです。個別メーカーごとにはやるようになったのですけれども、結局それを個人に寄せることができないというのが現状なのです。何を気にしているかというと、先生方に気を遣っているわけです。メーカーは、勝手に公開してどうしてくれるのだと臨床の先生方に嫌われることを恐れるので、そこに気を遣っている。そこは改善すべきだとは思いますが、まず、現時点でできることは、品目審査ではないので、ここでは毎回やる必要はないと思います。1年に1回でいいのではないかと。
それから、クライテリアは50万~500万にするかは皆さんに御議論してほしいのですけれども、少なくとも例えば50万超えのメーカー名は、ホームページで委員の下にどこのメーカーからと全部書いていく。このメーカーから幾らということまでするかどうかは皆さんで御議論です。一番明確なのは、どこから幾らというのが分かりやすいのですけれども、それは抵抗感があるというのが皆さんの判断であるならば、ある程度の水準を決めて、その水準内にあるメーカーはここですよというぐらいの公表をするのは必須かなとは思います。
ただし、実際に金額をどこから幾らとするか、もしくは基準をどうするか。例えば、今は講演料が下がってきて、昔みたいな何十万円というのはたまに見ますけれども、お医者さんがもらっているところはたまに見ます。あとは監修料ですね。昔ほどではないというところもありますが、例えば年間20万円もらうというのは、ある人たちにとっては別にそれほどでもないかもしれませんが、私たちの市民感覚で言えば、相当恩義を感じる金額に思えることもある。その辺は先生方の感覚に沿う形で基準を決めて、その基準を超えるものについては、メーカーはどこかということを明らかにするというのではいかがでしょうか。
それから、個別品目は、今の薬食審ルールであれば、具体的にこの問題というときに議論に参加するのは500万までです。500万円以上という先生はなかなかおられないとは思うのですけれども、さすがにそういう議論のときに500万を超えるというのは、薬食審より緩いというわけにはいかないので、個別品目の場合は薬食審ルールの50万~500万ルールのようなものが要るのかなと思います。
以上2点が私の意見です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
具体的にいろいろと言ってくださって、何となく私も見えてきた気がします。
確かに、個別の品目について議論しなければいけないときには薬食審と同じ問題が生じ得るということで、一つの参考になるのではないかということと、内田先生も御指摘になったように、一般の目線を意識することが大事で、中立性はあるのだろうけれども、バイアスがないということで透明性が確保されている、あるいは疑われない外観が確保できているということが大事だということは御指摘のとおりだろうと思います。一定の何万以上何万未満のところではこの会社というところで、具体的な金額までは上げないけれども、それなりの工夫をするというのは一つのアイデアかと思いました。
他はいかがでしょう。
一般目線ということでいうと、泉委員、戸部委員、何かございませんか。
戸部委員、お願いします。
○戸部委員 今は個別の医薬品に関しての話ではないということなので、私は逆に一個一個の薬に対してではなくて、A社、B社から幾らとか、あるいはそういった製薬会社毎にから幾らというほうが業界との距離感というか、利益相反の程度が把握しやすいのではないかと思いました。
○磯部委員長 なるほど。ありがとうございます。
泉委員、どうぞ。
○泉委員 ディオバン事件のノバルティス社の高血圧の治療薬のデータ改ざんがあった後、厚生労働省にこういった臨床研究法における利益相反の管理ができたわけですけれども、産学で連携して推奨しないと臨床研究はできないわけですが、一般的に利益相反を言う場合に、厚生労働省は産学の「産」のほうは厳しく指導できても「学」のほうは文科省の指導によることになるのか、それとも厚生労働省が指導する範囲になるのか、ここのところはどうなのでしょうか。
○大井室長補佐 事務局ですけれども、泉委員が御指摘いただいている点は科研費みたいなものという理解でよろしいでしょうか。
○泉委員 科研費だけではないと思います。特定の研究はあるわけですから、そういう場合に「学」のところはいわゆる倫理委員会とか個別のところになるのか。科研費だったらまた違う形で審査されるのでしょうけれども、これは全部厚生労働省が担うことができるのか、あるいは「学」のほうは文科省の管理になるのか、そこのところを知りたいのです。
○大井室長補佐 御質問にきちんと答えられているかは分からないのですけれども、研究費であれば文部科学省が出しているものもありますし、厚生労働省が出しているものもありますし、今であればAMEDが出しているもの等、いろいろと出資元はあるかと思います。
○泉委員 大学にあって利益相反問題が生じた場合はどこがというのは、今のところは寄附をしたところによって違うということですか。大学には大学でそれを管理するところがありますね。
○内田委員 いいですか。
うちの場合は、臨床が関わることであれば、当然臨床研究法に準じて扱うので範疇に落ちてくるので、それに類することもほぼ臨床研究法に従った運用をしています。
○泉委員 ということは、厚労省ですね。
○内田委員 厚労省だと思います。
○泉委員 分かりました。
明確にお話しいただいたので、これは臨床研究法の下、厚労省ということで分かりましたので、ありがとうございます。
○磯部委員長 佐藤委員どうぞ。
○佐藤委員 今、厚生労働省が出すお金もあれば、AMEDが出すお金もあれば、いわゆる文部科学省の科研費もあるという話で、臨床研究法に基づくものはその中の一部ということだろうと思うのです。企業との利益相反のこともあるのですけれども、金額の具体的な額まではあれですが、厚労省なりAMEDからどんな研究で幾らもらっているかというのも一律に公表してもいいのかなという気もいたします。先生方の声やお考えもあるかと思いますけれども、そうやっておけばかなりガラス張りになるかなと思います。
もう一つ、企業のほうからですけれども、先ほどの花井委員のお考えに私も賛成なのですが、一つ区別したほうがいいかなと思うのは、臨床研究法にもありましたけれども、個人でもらうお金と研究費は分けたほうがいいと思うのです。個人で好きに使える、自分のポケットに入るお金だと20万でもかなり多いという感覚はもちろんあるのですが、いわゆる研究費で、研究のために数百万のお金の寄附を受けたり、委託研究を受けたりということが直ちに利益相反につながるかというと、研究のための実費でほとんど全て消えていきますので、それで個人が何か得をすることはあまりないということもあるので、個人で自由に使えるお金と、私の立場で言えば、奨学寄附金なんかもそうですけれども、例えば大学のほうに入って、その使途も全部大学が管理するような研究費として入るお金とは区別しておいたほうがいいのかなとは思いました。
この2点です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
重要な御指摘をたくさんいただいています。
花井委員。
○花井委員 今、佐藤委員がおっしゃったことはとても重要で、研究費と個人の利益は分けるという臨床研究法のコンセプトだと思うのですけれども、厄介なのは、さっき統制はどこが主管かみたいな話がありましたが、いわゆる分科会ルールは薬機法上、国側がメーカーに対して売っていいよという許可を与えるか否か、つまり承認するか否かのディシジョンメークの透明性の話なのです。
臨床研究法の場合は、研究自体に被験者保護を優先する研究で被験者に害があったり、もしくは研究の結果自体にバイアスが生じることを防ぐためで、ちょっとコンセプトが違うので、さっき佐藤委員の言ったとおりにしたいのだけれども、薬食審ルールは、ディオバンの件があったから、奨学寄附金は、昔は講座の先生に入ると、自分の講座の若い人たちの教育などをおこなうなどのために、結構自由に使えると言うようなことがかつてはあたりまえだったし今も一定程度あるかもしれないとなっています。
ところが、今は寄附金も大学本部がちゃんと管理していて、いわゆる奨学寄附金としてうまく管理しているものであれば、本人の利益ではないというところの差があるのですが、薬食審ルールはそういう立てつけでも、実質上その人が自由に扱えるものは駄目という「実質上」というところが入っていて、つまり研究費と個人の利益のグレーゾーンが存在するのです。なので、ここでルールを決めるときにはグレーゾーンの処理を決めないと厄介かなと。
だから、奨学寄附金は奨学寄附金として、例えば講座の先生であれば、講座に入っているということは別に賄賂でも何でもないわけなので、普通に公表してしまうという形にするか、何かざくっと決めてしまわないと、またそこのグレーで煩瑣な手続になるのが懸念されます。
委託研究費については、なるべく委託研究をするようにというのがポストディオバンの誘導なわけで、だから委託研究を受けていますということは別に悪いことではないのだけれども、それは公表しておくという今の佐藤委員の考え方に賛成です。だから、それが利益相反になるかどうかの問題ではなくて、例えば私はこのメーカーの委託研究を分担で、協力研究で研究をやっていますということが明らかなほうがいい。利益相反の話とはちょっとずれるのですけれども、そういったこともあっていいかなと思いました。
今の研究費と個人に入るグレーの部分の処理は、薬食審ルールと臨床研究法の立てつけが違うので、どう整合させるかは事務局に案を考えてもらわないと難しい。なるべくシンプルにしたいとは思いますので、工夫が要るかなと思いました。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
確かにそもそも医薬品等行政評価・監視委員会の委員がどうして透明性なり、特定の利益集団からの中立性が求められるかということに沿って考えるべきだろうと思いました。
そういう意味では、私なんかは例えば厚生労働省の審議会の委員とかをたくさんやっていて、よく御用学者だとか言われる口なのですけれども、厚労省やPMDAとどのぐらい結びつきがあるかみたいなことも公開しておく必要があると自分でも思うのですが、そういうことになりますね。
○花井委員 当然なりますね。なので、私なんかは御用被害者化しているので、もちろんホームページに載っているとはいえ、この人がどんな役職をやっているかということが紐づいて見えるようにはなっていないので、それは公開していいのではないかと。
泉委員もPMDAの委員をやっているわけですから、それについて無報酬でやっていないですよね。特にメーカーの仕事は大体無報酬なのですけれども、行政の仕事は日当も出ているので、そこに利益相反はないとは言えないわけであって、いつもお世話になっている厚労省の方々に忖度する可能性だってないことはないので、そこは公開しておくほうがいいのではないかとは思いました。
○磯部委員長 今、グレーゾーンの扱い方とかも含めて、本当にたくさんの論点を出していただいたと思いますので、時間もちょっとあれなので、今日の議論は一旦ここで区切ることにして、次回、規程案の案の案かもしれませんけれども、事務局のほうでまたアイデアを整理して、少し規程の形に近づけることを検討していただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○大井室長補佐 事務局です。
いろいろと御意見いただきまして、ありがとうございます。恐らくいろいろなパターンがあると思いますので、どういうパターンがあり得るのかということを事務局にてお示しさせていただく形になるのかなと思います。
利益相反はいろいろな形で運用されておりますので、今回は臨床研究法を御紹介させていただきましたけれども、ほかの規定もある程度参考にさせていただきながらこういった案があるということをお示しさせていただきたいと思います。
今日の議論で、個別品目の参加制限だけではなく、あらかじめいろいろと開示しておくべきだという御意見をいただいたかと思いますけれども、一点だけ、役所的で恐縮なのですが確認させて下さい。他の委員会に比べて、この委員会により高度な透明性があるべきだという御意見だと思います。ここの理屈について、先生方の認識共有をさせていただきたいと思っています。いろいろとお話ししている中では、他の審議会を監視するという立場なので、より高度な透明性が求められるという考え方だと存じ上げているのですが、そういった考え方でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○磯部委員長 いかがでしょうか。
今、うなずいてくださっている委員の方が多いかなと思いますが、この委員会が設置された経緯、それを踏まえて法律に根拠があって、独立性を持って権限を行使しなければいけないという本委員会の性格、実際の監視の対象と委員会との関係などを考えれば、今御説明いただいたような発想での話だということで御了承いただけるということでよろしいでしょうか。
○森豊委員 ほかの委員会などだと企業との利益相反が主でしたけれども、今、いろいろと委員からお話がありましたように、そもそも現在は厚生労働省に事務局をしていただいておりますが、完全に独立するということも視野に入っていたことがあるように伺っていますし、今日頂いた資料には出ていない公的なところなどとの利益相反についても案の中にきちんと書いて検討できるようにしていただければと思っています。
内田先生がおっしゃったように、金銭的な足切りに関しては、一般の委員の方の御意見は非常に大切だと思いますので、その辺りを勘案した案をぜひつくっていただければと思いました。
以上です。
○磯部委員長 貴重な御意見をありがとうございました。
それでは、またこの後、終了後でもお気づきのことなどがあれば、私に言っていただければと思います。
それでは、議題を進めさせていただければと思います。続いて、薬事制度のヒアリングということで、本日は医薬・生活衛生局から市販後安全対策についての御説明をお願いいたします。
これまで委員の勉強会を何度か開催いたしまして、御説明いただいておりますこともありますが、そうは言っても、YouTubeでの公開の場でもあるので、簡潔に、しかししっかりと御説明いただき、また、意見交換の時間を確保できるようにということでお願いしたいと思います。
お待たせしてしまってごめんなさい。医薬・生活衛生局の御担当の方、お願いいたします。
○医薬・生活衛生局 塩川医薬安全対策課長補佐 厚生労働省の医薬安全対策課でございます。
本日はお時間をいただきまして、ありがとうございます。
医薬品等の市販後安全対策について御説明申し上げたいと思います。
本日のご説明の内容につきましては、我々医薬安全対策課は、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の安全対策部門と一緒に取組を行っておりますので、本日の説明の前半は我々医薬安全対策課から主に枠組み、制度的なものを御説明させていただきまして、後半ではPMDAから実際の業務について説明するという形で進めさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
最初のスライドでございますが、医薬品医療機器等法の規制の体系につきまして紹介させていただいております。医薬品等につきましては、開発の段階から市販後までの様々な段階で、様々な観点で規制を行っておりますけれども、今回御紹介させていただきますのは、この赤い枠の部分の「市販後安全対策」でございます。
次のスライドにまいります。医薬品につきましては、そのものの品質も当然重要でございますけれども、それにまつわる情報も非常に重要と考えているところでございます。よく言われる話ですが、医薬品自体はただの化学物質ですけれども、情報が付与されて初めて医薬品になるということで、この情報をどう取り扱うのかというのが市販後安全対策の要であると認識しております。
この資料は市販後安全対策のサイクルをお示ししているものでございまして、上のほうに「情報収集」と書いてございますけれども、、副作用の情報、実際に薬を使ってどういった副作用が出ているのかといった情報とか、海外でどういった措置が行われているのかといった情報等を収集いたしまして、「分析・評価」を行う。その結果、必要となれば「安全対策措置」として、例えば添付文書を改訂したり、必要な情報提供資材をつくったりという措置を行います。これを「情報伝達」していくことで、医療現場において安全対策を実践してもらうといった流れで取り組んでいるものでございます。
この図の青い部分の「安全対策の実践」につきましては、医療現場、お医者さんとか薬剤師といった医療従事者の方とか、あるいは患者さんの取組になりますけれども、その他の部分につきましては、行政のほうで製薬企業とも連携しながら取り組んでいるということになります。
次のスライドでございます。情報の取扱いのうち、情報収集、そして評価に関する取組の概要につきまして御紹介させていただいてございます。
大きく3つの基本的な柱がございます。真ん中より下のほうにございますけれども、一番メインとなりますのが「副作用等報告制度」ということで、新医薬品から古い医薬品まで全ての医薬品について製薬企業や医師等から情報を収集して、随時評価をするというものでございます。
また、新薬につきましては、特に新たな副作用が発見されやすいということに加え、現場に必要な情報を提供して、適正使用に取り組んでいただく必要があるということで、「市販直後調査」を行っているところでございます。
そのほかに「再審査」「再評価」といったものもございます。こういったデータを評価・検討いたしまして、措置を実施しているという形になります。
次のスライドでございます。情報の取扱いのうち、情報提供に関する内容を説明したものでございます。
上の赤い枠のほうに書いてございますけれども<厚生労働省、PMDAが関わる情報提供>といたしましては、例えばイエローレター、ブルーレターと言われるような緊急性が高いときに配布する資料がございますし、その他、通知という形で関係学会等にいろいろなお願いをする場合もございます。また、メールによる即時配信ということで、メディナビ、後ほどPMDAからも説明がございますけれども、こういった形で医療現場のほうにタイムリーに情報を届けるという取組も行っております。
その他、青い枠のほうは<企業が主体となる情報提供>でございますが、企業におきましても、適正使用を周知するための資材をつくり、提供いただいているところでございます。
こちらのスライドでは「安全性情報の収集・報告」として、主に副作用の情報の流れにつきまして御紹介させていただいております。
副作用の情報は患者さん、あるいは医療機関のほうにあるものでございますけれども、中心となるのは製薬企業で、医療現場から情報を収集し、整理いただいた上でPMDAに報告していただくというスキームになってございます。ただ、それだけではなく、医療機関から直接報告をいただいたり、あるいは患者さんから報告をいただく、あるいは副作用被害の救済請求があったときには、そういった情報も活用するというスキームになってございます。
続きまして、次のスライドは「安全性情報の提供」です。先ほどの逆回しになりますけれども、やはり中心となるのは製薬企業で、必要に応じて厚生労働省等から指示を行いまして、MR等が医療機関に情報提供を行う。そして、医療機関を通じて患者さんに指導していただいております。そのほかにもメディナビを使って直接医療機関とか患者さんに情報提供していただくという取組みも行っておるところでございます。
こちらのスライドでは、副作用等症例の報告規定について御紹介しております。副作用の発生を把握したときには報告をお願いしているところでございますけれども、その重篤性とか、あるいは予見性、予測できるものか、できないものかといったものに応じまして、メリハリをつけて報告をお願いしているところでございます。
こちらのスライドでは、副作用等の報告件数の推移をお示ししてございます。いろいろと制度を拡充・強化するのに応じまして、報告件数が上がってきているということが御覧いただけるのではないかと思います。
こちらの「医薬品安全対策関係の主な実績」のスライドでは、安全性情報の評価の流れについて御紹介させていただいております。数字は令和元年度、昨年度の実績でございますけれども、副作用の報告とか、その他いろいろな関係の報告等を全てデータベースに格納いたしまして、評価して、措置を行っているという形になってございます。
こちらのスライドで御紹介しておりますのがRMP(医薬品リスク管理計画)というものでございます。これは医薬品のリスクを最小に管理するために「安全性検討事項」として、この薬はどういったリスクを持っているのか、あるいはどういった情報が不足しているのかといったものを明確にした上で、そのリスク等に応じまして、どういった対応を行うのかを計画にしたものでございます。「安全性監視活動」は、市販後に実施する情報収集・調査等のことでございまして、「リスク最小化活動」はその名のとおり、リスクを最小化するための対策で、例えば資材をつくったり、情報提供を行ったりというものを指してございます。
こちらのスライドでは、RMPのイメージをお示ししてございます。左上のほうに「安全性検討事項」とございますけれども、これをあらかじめ明確にした上で、通常の措置で対応できるのか、対応できない場合には追加としてどういった取組を行うべきなのかといったものを明確にして取り組んでいただき、その結果に応じて、また「安全性検討事項」にフィードバックするといった形でサイクルを回しているものでございます。
次のスライドでは、RMPのイメージを示しております。どういったリスクがあるのか、どういった不足情報があるのか、そして、どうしてそれをリスクと考えたのかといった根拠なども文書として明確にしておりますし、それに基づく対応につきましても、なぜその対応が妥当なのかといったことも明確にして文書として計画にいたしまして、公表しているところでございます。
次のスライドですが、RMPにつきましては、継続的な確認が必要ということで、安全性定期報告というメーカーから定期的に報告をいただくスキームがございますので、基本的にはこのタイミングに合わせて確認させていただいているものでございます。
こちらのスライドでは、市販直後調査につきまして御紹介させていただいております。先ほどのスライドでも簡単に出てきたものでございますけれども、新医薬品につきましては、臨床試験では認められなかった新たな副作用が見つかることが多く、また、何せ新たな薬品ですので、どのように使うべきなのか、適正使用のためにどういった留意事項が必要なのかといった情報を徹底してお知らせする必要があります。このため、新医薬品について、販売開始後6か月間、取組を行っているものでございます。医薬品ごとに承認条件として付す形で課しているものでございます。発売する前、発売されてから納入される前に、原則MRが訪問して説明すると同時に、調査への協力をお願いする。そして、発売からの2か月間は原則として2週間ごとにMRに訪問していただきまして、注意喚起を行うとともに情報収集を行うといったものでございます。
こちらのスライドでお示ししておりますのは、先ほども少し出てまいりました患者さんからの副作用報告でございます。平成24年から試行し、平成31年から本格的に受付を行っているものでございます。この情報も安全対策に活用しているところでございます。
続きまして、医療情報データベースについて御紹介させていただきます。次のスライド、左上のほうに「従来の安全対策の限界」と示しておりますけれども、従来の手法ですと、例えば報告バイアスがあるとか、あるいは副作用の発現頻度を算出し難いといった限界がございました。これを克服するための取組といたしまして「MID-NET」というものをPMDAで始めているところでございます。全国10拠点、23病院、現時点で500万人を超えるデータが集積されているところでございます。
この特徴でございますが、左上のほうに書いてございますように、大規模・迅速な解析ができることに加えまして、多様なデータソース、カルテのデータだけではなくて、レセプトとかDPCのデータといったものも格納されておりますし、高いデータの信頼性とリアルタイム性を確保した上で評価できるというのが売りとなっているところでございます。
また、第1回の委員会では、シグナルモニタリングが必要ではないかという御指摘があったように記憶しております。まだ検討中のものでございますけれども「MID-NET」を使えばシグナルモニタリングもできるということで、こういったものにつきましても検討を進めているところでございます。
私からは以上でございます。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 ここからPMDAが説明いたします。
実際の安全対策の流れ及びその結果の安全性情報の提供の仕方について御説明いたします。
まず、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の概要を御説明いたします。
設立は平成16年4月でございまして、現在、第4期中期計画の2年目でございます。
目的としましては、迅速な救済を図り、医薬品の有効性・安全性の向上に資する審査をもって国民の健康の向上に資するというところで、機構の3大業務として健康被害の救済、医薬品等の審査業務、医薬品等の安全対策業務を行っている組織でございます。
令和2年4月現在、役員・職員数としましては961名の組織でございます。
安全対策に係る組織の説明をいたします。安全管理監の下、医薬品安全性情報・企画管理部、医薬品安全対策第一部、第二部及び医療機器品質管理・安全対策部がございます。
安全性情報・企画管理部には拠出金の徴収等をする部門、医薬品の副作用等の受理をする部門、安全性情報を提供する部門などがございます。
医薬品の副作用の評価・検討をする部門としましては、医薬品安全対策第一部と第二部がございます。第一部と第二部の違いにつきましては、新薬部門との対応でございまして、第一部のほうでは消化器官、循環器官、精神疾患部門の医薬品を対応いたしています。第二部のほうでは抗菌薬や抗がん剤、ワクチン等を担当している部門になります。それと医療機器の安全対策をする部門がございます。
医薬品に係る安全対策業務の大きな流れを御説明いたします。患者様、医療機関、企業など、様々なところから安全性情報として副作用報告等が一元的にPMDAに報告されます。PMDAでは一元的にそれを整理いたしまして、必要と思われるものがあれば、その結果を整理・分析して、添付文書等の改訂が必要となれば、厚生労働省と協力して添付文書の改訂指示等を行い、その結果を広く国民に知らしめるというのが大きな流れになります。
安全対策の主な流れとしまして、添付文書の改訂の標準的な手順について御説明いたします。
評価する情報としましては、法律に基づく副作用・感染症報告、海外措置報告、研究報告と法律に基づかない、海外の規制当局からの情報を機構自らが集めたもの及び守秘義務協定の下に報告される海外の情報等の評価をしております。
まず、評価する手順としましては「1次スクリーニング」というものがございます。1次スクリーニングとは、注目すべき副作用、添付文書に記載していない副作用の抽出でございます。
具体的には、個別の副作用報告につきましては、医学・薬学の観点から患者さんの背景、合併症とか副作用の診断、臨床症状、時間的経緯等を加味して合理的な因果関係があるのかどうかを評価して、注目すべき副作用を抽出いたします。また、海外の措置報告、研究報告につきましても、現状の添付文書に記載がないか、あるか等を検討して、さらなる注意が必要かどうかというところで注目すべき副作用を抽出しております。
このようにして注目すべき副作用が抽出されますと、次に「2次スクリーニング」というステータスに入ります。これはさらなる安全対策が必要かどうかを検討するところでございます。それを検討するものとしましては、副作用報告が蓄積されている副作用等報告データベースから、実際にこれまでに報告された副作用症例の集積状況等を加味した上で、それに関する文献や諸外国の添付文書の記載状況、あるいは類薬の情報、また、そのほか試験等の結果等を加味して、さらなる安全対策が必要かどうかということを週単位でチーム会議で検討しております。チーム会議の結果につきましては、その結果を厚生労働省と情報共有しているところでございます。
その結果、さらなる検討が必要だということになれば、企業へ照会して、被疑薬の製造販売業者の意見も参考にさらなる検討を進めることになります。検討結果、緊急案件ということになりますとブルーレター、ドクターレターですけれども、標準的な手順から離れて早急な検討に進むという経路になります。
これから先は通常の標準的な手順でございます。企業からの見解がありますと、企業相談も受け、実際に添付文書の改訂が必要かどうかということを機構の外部の専門家に意見を聞きつつ、添付文書の改訂が必要かどうかの流れになります。その段階で、評価中のリスク情報の公開ということで機構のホームページに検討中のリスクについて公開しております。その後、専門協議を行い、添付文書の改訂が必要となれば、厚生労働省へ措置案の通知を出しまして、厚生労働省のほうで必要な手順を踏んで、添付文書の改訂という流れになります。厚生労働省では、添付文書の改訂を受けまして、医薬品・医療機器等安全性情報に記事を掲載し、必要な症例の概要等を公表しているという流れになります。これまでが添付文書改訂の標準的な流れになります。
このようにして添付文書等の安全性情報が出されますと、機構のほうでもそのような情報をホームページ等を利用して、広く公開しております。
これはPMDAのトップページでございます。「安全性情報回収情報等」をクリックいただくと、先ほどの使用上の注意の改訂の指示等のホームページに行きます。また、右の4つの四角枠の添付文書の検索のリンクのほうに行きますと、添付文書等をどなたでも見ることができます。
これがホームページの掲載の推移でございます。年々数が増加しております。
先ほども出ましたRMPに特化して説明いたしますと、平成25年よりホームページに掲載しまして、平成28年5月よりその概要を掲載、平成31年より患者資材等を掲載しておるという状況になります。
続きまして、このような安全性情報については、メディナビのほうで発信しております。
メディナビの手順でございますけれども、まず、医療機関や製造販売業者などの皆さんからPMDAへのメールアドレスを登録していただきます。機構のほうにメールアドレスが登録されますと、使用上の注意の改訂等の最新の情報が掲載された場合、すぐに各登録の方にメールが配信されます。それを受けて、登録された方は機構のホームページでその内容を確認するというのが「PMDAメディナビ」の流れになります。
このようにして「PMDAメディナビ」によって情報提供される内容としましては、使用上の注意の改訂のほか、医薬品の回収情報や審査報告書の内容、厚生労働省で発表された資材や医薬品の適正使用のお知らせなどがございます。
以上が資料4の説明となります。
○磯部委員長 御説明ありがとうございました。
大変詳しい資料で、多岐にわたる内容を御説明いただきました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問や御意見をお願いできればと思います。
委員の先生方、いかがでしょう。
花井委員、どうぞ。
○花井委員 まず、厚生労働省に聞きたいのですけれども、市販直後調査、もしくは例えば特例承認なんかの場合もそうだと思うのですけれども、全数調査がかかる場合とそうでない場合があると思うのですが、その基準はどこ辺りでやるのかなというところを教えてほしい。
PMDAに伺いたいのは、シグナルを最初のスクリーニングにかけるときに、一つは、添付文書にない未知の副作用はもちろん重要だとは思うのですけれども、例えば私どもの抗ウイルス剤の世界で考えると、どれもこれもに横並びで似たような副作用があるが、もともと頻度が違ったりするのです。結局同じような副作用なのだけれども、この薬は腎臓要注意とか、この薬は肝臓要注意とか、この薬は中枢神経要注意という薬の性質が違うのですが、実際の添付文書上で副作用というとみんな横並びで、どこが要注意かというのは必ずしも温度差というか濃淡が明らかではない場合もあるのです。そうすると、市販後において、濃淡が大きく変動する場合もあると思うのですが、その辺のスクリーニングはどのようにされているのかという2点について教えてください。
○医薬・生活衛生局 中井医薬安全対策課長 医薬安全対策課長の中井ですけれども、花井委員の最初の質問に対してお答え申し上げます。
全例調査にするか、しないかということは、審査の過程において判断することになります。その関係でいいますと、担当外なのですけれども、私の理解でいきますと、審査の段階において、例えば症例数が少なかったり、そういった場合においては、全例を確実に把握したいという場合がありますので、そういう場合は全例調査で行うことがあります。一方、一般的に第三相試験において症例数が十分な数で実施された場合は、有効性、安全性が十分に評価できますので、そういった場合については全例調査ではなく、通常の市販後調査をやるということになっていると理解しております。
○花井委員 通常の調査であっても、例えば抗ウイルス剤で言えば、最初は全数でやっていて、HRD、要は取りまとめて一定の医療機関を限定してやるみたいに変えたりしていますね。そのときに例えば「MID-NET」参加の医療機関とか、もしくはある種の特定機能病院だけは全部返してこいという条件の濃淡もそこで決まるということですか。
○医薬・生活衛生局 中井医薬安全対策課長 最終的に市販後にどのような調査をするかというのは、審査報告書に全て書いてあります。最終的には審査の段階において、御指摘のとおり、市販後調査の条件やデータの集め方なども、審査のときに決めることなります。
○花井委員 では、本当は審査の段階で安全対策側が審査のほうにもうちょっとこれはということを言う場合はあるのですか。
○医薬・生活衛生局 中井医薬安全対策課長 はい。
現在の審査においては、リスクマネジャーが安全部門にもおりまして、リスクマネジャーが審査の最初の段階、いわゆる初回面談の前の段階から一緒になって、安全部門の者が入っていって市販後の検討をすることになっています。そういう意味では審査の段階と言っていますけれども、一緒になってやっているイメージにかなり近いです。
○花井委員 制度設計上はすばらしいですね。ありがとうございました。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 花井委員からの2つ目の御質問であります、類薬で同じような記載だけれども濃淡はあるのかという話ですが、類薬で同じような薬理作用なので、副作用の項で見ると同じかもしれませんけれども、報告された重篤性の副作用の頻度とか、死亡症例の多さ等から、必要なものにつきましては、副作用の項だけではなく、警告の項を設けたり、重要な基本的な注意の項等の記載によって若干の濃淡をつけているというのが現状でございます。
○花井委員 それはある医薬品の長期的評価における新たな毒性の位置づけの変化というものだと思うのです。私どものように長い臨床を経験していると、そのように毒性の位置づけが変わってくるわけです。最初はここがいいと思ったら、この辺りでここは駄目みたいな感じで分かってくるわけですけれども、そういうところにもアンテナが張られているというイメージでよろしいのですか。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 そうですね。治験の段階では限られた患者背景の方しか使っていませんでしたけれども、市販後になるといろいろな患者層に使用され、併用薬もいろいろとありますので、その段階でリスクが分かれば、その都度添付文書を改訂してに、注意喚起を図ることになります。
○花井委員 ありがとうございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
まず森豊委員、その後戸部委員でお願いできますか。
○森豊委員 では、私からですが、PMDAの資料の24ページ、25ページ、26ページ辺りの「厚生労働省と情報共有」と点線の枠で囲ってあるところで、厚生労働省とPMDAの関係について教えていただければ。例えば添付文書改訂業務に関しての手順の記載がありますけれども、それぞれに手順書みたいなものが作成されているのかということと、その手順書の中で、厚生労働省との情報共有に関して、厚生労働省とPMDAのそれぞれが具体的にどのような役割をされるのかといったことは明確に決まっているのかどうか、教えていただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 手順については、手順書等はございます。24ページにあります厚労省との情報共有でございますけれども、毎週1回、厚生労働省医薬安全対策課との連絡会というものを開いておりまして、実際の1週間のいろいろな措置報告とか研究報告、副作用報告の評価について、機構ではどう考えたのかというものを対面で情報共有する会を設けています。
こちらの専門協議につきましても、厚生労働省にも参加いただいて、結果については共有しているということです。ここに記載の「厚生労働省と情報共有」というのは、対面において、厚生労働省と一緒に情報を共有しているということでございます。実際としては、必要に応じて、対面ではなくメール、電話等で共有することはございます。
○森豊委員 このスライドですと、左上のほうに緊急安全性情報とか安全性情報を発出する際の流れが簡単な矢印になっているのですけれども、こういうタイミングのところに厚生労働省は関与されているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 もちろん関与していますけれども、緊急案件ですので、標準的に何週間置きとか何日置きと決められたルールの中での共有ではなく、、情報共有は常にやっています。
○森豊委員 共有した後に、例えばどっちが主体的に判断されるのかに関してはいかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 機構のほうでは、事実関係を整理して措置案までは検討いたします。最終的な措置の決定につきましては厚生労働省の所管になりますので、厚生労働省のほうの流れとなります。
○森豊委員 ありがとうございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、戸部委員、お願いします。
○戸部委員 ありがとうございます。
厚生労働省から御説明いただいた内容なのですが、スライドの6枚目に副作用報告の経路が書いてあって、医療機関からの副作用の報告なのですけれども、医療機関からPMDAに副作用の報告がありますというのが一つあって、医療機関から製薬企業のほうに行っている矢印は「情報収集・協力」とありますが、ブルーの医療機関から製薬企業への「情報収集・協力」は副作用報告のことではないということですか。内容はどんなことなのでしょう。
○医薬・生活衛生局 塩川医薬安全対策課長補佐 分かりづらい資料になっておりまして、申し訳ございません。
どこを主語として記載するかで表現が変わってくる部分があると思います。基本的にはPMDA、国を主軸に記載しておりまして、医療機関からPMDAに連絡が来れば副作用の報告、製薬企業からPMDAに来るのも報告だという中で、製薬企業は医療機関から情報を収集して、国に報告しておりますので、ここでの表現としては、製薬企業を主体にして情報収集、医療機関から協力を得て情報収集をして、法律上、PMDAに報告を求めているといった流れでこういった表現を使わせていただいているところでございます。
○戸部委員 ありがとうございます。
そうすると、医療機関で発見された副作用報告はPMDAにも行くし、製薬企業にも行くということになった場合に、全てではないのでしょうけれども、結局またPMDAに集まってきたときには、1件が2件になるということですか。それとも何か識別されているのか。どうなのでしょう。
○内田委員 内田ですけれども、うちがやっていることが一般に通じるかどうかは分かりませんが、大体は医師が製薬会社にこういうことがあったと言うことがほとんどです。うちもDI室もありますけれども、そちらのほうが独自にもう一回PMDAにも直接報告しているものもあるかもしれないのですが、我々は報告をやる暇がないので、臨床の場面で医者が珍しい症状や検査値の異常がでた際に、こういった副作用があるのかといういろいろな珍しいことがあったときに、まず製薬会社に報告して、情報も得ながら、ブルーの矢印で製薬会社のほうに行く経路を通ってPMDAに行くというのが多分ほとんどなのかなと思います。重複もあるかもしれませんけれども、それほど多くはないのかなと思います。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 PMDAから補足させていただきます。
医療機関の直接の報告と企業からの報告はダブりもあるし、ダブっていないこともあります。
10ページでございますけれども「医薬関係者からの報告」というところが病院、医療機関からの報告になり大体1万弱で、一方、企業からの報告は一番上の「国内副作用・感染症報告」となり6万件あるということで、規模的には企業からのほうが大半で、医療機関からのものは少なめという状況になっています。
○磯部委員長 ありがとうございました。
そのほかはいかがでしょうか。
○佐藤委員 佐藤ですけれども、今の戸部委員の質問で、両方に、つまり医療関係者から直接報告があり、企業経由での報告があった場合には2件と数えられてしまうと理解してよろしいですか。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 報告された件数としては2件と計上します。
○佐藤委員 その2つの報告が、同じ患者さんの同じ副作用だという識別は可能なのですか。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 はい。個別の評価の段階では、できる限りで重複というか、同じ症例かどうかを評価しております。
○佐藤委員 内容を見ながらということでしょうか。もちろん患者さんの個人名とかは出てきませんので、要は年齢とか経過とかが同じかどうかで判断しているけれども、明確な識別は100%可能かと言われるとそうでもないという理解なのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 その理解のとおりでございます。
○佐藤委員 分かりました。
○磯部委員長 ありがとうございました。
○伊豆津委員 国衛研の伊豆津ですけれども、1つ。
今、製薬企業経由と医療機関経由の2つで出てくる情報の内容などに何らかの傾向などはありますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 傾向というのは分からないですけれども、企業の報告は重篤な副作用というか基準がございますので、法律にのっとった報告になります。医療機関の報告につきましては、医薬関係者の先生方が健康被害のために必要だと思えば報告するということですので、重篤性というよりも先生方の必要と思われる報告なので、軽微なものも含む報告になるということになります。
○伊豆津委員 ありがとうございます。
○磯部委員長 奥田委員、どうぞ。
○奥田委員 ありがとうございます。
今の自発報告とPMDAに報告される安全性情報の中で、RMPが整理されてからの話に限られるかとは思うのですけれども、RMPの中で重要な潜在的リスク、要は添付文書には明記されていない内容で、リスクがあるかもしれないといったものがどのぐらい報告として上がってくるのか、あるいはそこに挙がっていないようなものが逆に医療企業側から逆に上がってくる場合が多いのかというRMPで上げられた潜在的リスクとの対応みたいなことが整理されていたら、どのぐらいの割合でそういう内容が報告されているのかということを教えていただきたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 具体的な数については整理をしておりませんので、手元に資料はございません。
RMPの医療機関での活用として、潜在リスクとしてはこちらとしても情報が欲しいので、そういう形で医療現場の活用の一助としてRMPを活用していただきたいというのがこちらの思いではあります。
○磯部委員長 奥田委員、今のお答えでよろしいでしょうか。
○奥田委員 実際はRMPの潜在的リスクという医療機関としては非常に重要な情報だと思うのですけれども、どのぐらいそれが功を奏しているのかということについて、評価をしていく必要があるのかなと思いました。また情報があればぜひお願いします。
○花井委員 いや、RMPの活用率はPMDAが調査しているはずですね。
前のデータは私も持っているのですけれども、その次を調べて、少し改善したのではないかと思われたが、いまいち改善していなかったという話はPMDAから聞いているのです。そのデータを見たかどうかは記憶にないのですが、PMDAが薬局と医療機関のRMPの活用率の調査をしているはずなので、そのデータがあるはずです。
 
○医薬品医療機器総合機構 上野安全性情報・企画管理部長 PMDAからお答えさせていただきます。
平成30年9月に公表したPMDAでの調査結果について御紹介させていただきます。
病院と薬局について調査をしております。RMPを知っているかどうかという認知度については、病院では50%弱ぐらい、薬局では20%弱ぐらいといった状況になっております。また、RMPを実際に活用したことがあると御回答いただいた施設につきましては、病院ですと25%ぐらい、薬局ですと7%ぐらいといった調査結果が出ております。
現在、こういった調査結果を踏まえて、職能団体などの御協力もいただきながら、引き続きRMP理解とその活用向上に向けた取組を行っているといった状況でございます。
○花井委員 たしかその活用率は知っている人の内数ですよね。
○医薬品医療機器総合機構 上野安全性情報・企画管理部長 はい。そうです。
○花井委員 だから、全体を分母にすると、両方とも1桁%だったように思います。
○医薬品医療機器総合機構 上野安全性情報・企画管理部長 病院ですとRMPを知っているのが50%ぐらいでして、そのうちの4分の1ぐらいが活用しているということになります。
○奥田委員 質問がずれてしまったような気がします。質問した意図は、RMPの潜在的リスクに挙げられている項目が実際に副作用報告として市販後に上げられた割合がどのぐらいあるのか、RMPに上がっていないようなものが報告として上がってきた事例がどのぐらいあるのかというRMPである程度網を張った効果がどのぐらい出ているだろうかということについて、情報があれば教えていただきたいという意味で質問させていただきました。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 手元にそういう集計はないのですけれども、添付文書改訂をしている幾つかは潜在リスクから特定リスクに変わっております。
○花井委員 今の御質問の話なのですけれども、メーカーはRMPがあって、活用するのは100%ですよね。医療機関の認知度は低くても、副作用の捕捉については、医療機関の認知度とは別に、RMPで事前に推測していることが十分に生きているという感じでよろしいのですか。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長それなりに活用できてはいると思います。
○花井委員 かき回すようなことを言ってすみません。
○磯部委員長 ありがとうございました。
その他、御意見や御質問等がまだ何かあれば、あと1つぐらいは大丈夫です。
泉委員、どうぞ。
○泉委員 さっきPMDAが示してくださった10ページのところに「外国副作用・感染症報告」が53万云々と書いてありますよね。「国内副作用・感染症報告」は6万477と書いてあるわけではないですか。国内の感染報告はRMPの指針によって報告されたものと考えていいのですか。もう一つ、外国の副作用の感染症報告は、ICHのガイドラインによって報告されたものと考えるべきなのでしょうか。
私もICHのことはよく分からないのですが、副作用の中身は一緒ですかということは、多分同じでいいと思うのですけれども、ここの数が違うというのは、一番上は日本だけで、外国は世界中だから多いのか、制度のガイドラインが日本はRMPによってで、海外の場合はさっき言ったガイドラインによってという考え方でいいのかどうか。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 副作用の基準につきましては日本も海外も一緒で、ICHの基準にのっとって報告されております。
○泉委員 基準としては同じなのですか。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 はい。日本は日本だけですし、海外は全世界ですので、これだけの母数の差が出ているということになります。
○泉委員 分かりました。
○磯部委員長 ありがとうございました。
では、花井委員、よければどうぞ。
○花井委員 所掌がPMDAに行っていない監麻課関係がありますね。例えばGMPでアウト・オブ・スペックがたまに出て、回収が出ていますでしょう。アウト・オブ・スペック、規格外だったので回収しますというときに、規格外が安全上問題があるかどうかという問題が生じたときに、PMDAに確認すると、回収に関しては国から来た情報を乗っけているだけで、PMDAは関与していないと言っているので、そうすると、安全対策上、いわゆる規格外とか、GMP上の問題というときに、それが安全上問題ないのかという評価はどの段階で、どのような連携でされているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 鬼山医薬品安全対策第一部長 海外措置報告等の回収等につきましては、日本での製品情報、日本で売っているのかどうか等を踏まえて、日本の状況を整理した上で、PMDAの医薬品安全対策部から厚労省の医薬安全対策課のほうに速やかに情報共有を行いまして、その後、回収等が必要となれば、監麻課等の対応は、厚労省の中の医薬安全対策課を経由して行う形になります。
○花井委員 いや、流れが逆ではないですか。最初に地方厚生局に行くではないですか。そこから監麻課に1回連絡が行くので、流れが逆になると思うのです。
○医薬・生活衛生局 塩川医薬安全対策課長補佐 御質問はアウト・オブ・スペックとのことなので、承認された規格から外れたものが製造されてしまったときに…。
○花井委員 これは回収したほうがいいですかねと言ったら、監麻課がいや、どうなのだ、安全上は問題ない、いや、本当はあまり問題はないのですけれども、軽微なことで、では、ちょっと見てみろみたいなことでやり取りをしているわけです。そのやり取りの段階で、メーカーが本当に安全上問題がないと監麻課に言ったとしたときに、安対のほうはその段階でそこに頭を突っ込んで評価ができるのかどうかという話です。
○医薬・生活衛生局 塩川医薬安全対策課長補佐 恐らく御質問はメーカーのほうでGMP管理していく中で基準値を外れたものが出てきたことが分かったときに、それを実際に服用して患者さんに影響があるのかどうかということを評価して、回収の要否の判断をしているのではないかといった御質問ではないかと思います。
○花井委員 そうですね。監麻課は当然そこで判断していると思いますけれども、監視指導課の中でとどまっていて、PMDAを経由していないので、その段階ではPMDAの関与のしようがないと思うのですけれども、そこはどこかで連携するのですか。
○医薬・生活衛生局 塩川医薬安全対策課長補佐 どこまで正確に監麻課の話にお答えできるか分かりませんが、基本的には承認規格から外れるものに関しまして、これを販売・授与等することは薬機法違反となりますので、基本的には回収措置をされることになるのだろうと理解しております。
ただ、回収することによって、どうしても臨床現場に影響を与えるときに、例外的に特別な対応をすることもあるかもしれませんけれども、時には必要に応じて連携する…。
○花井委員 そこには比較考量と安全上の評価が明らかに介在していますよね。この程度であれば回収はどうかとか、ライン自体を止める必要があるかとか、いろいろな段階があるわけで、その段階の前で、自主回収にしても、メーカーは最初に地方厚生局に報告して、監麻課との調整が始まるのですけれども、その段階で安対がどこから関与するか、もしくはPMDAはどこから関与するのかという話を聞いているのです。
○医薬・生活衛生局 中井医薬安全対策課長 お答えさせていただきます。
この件に関しては、いま一度監麻課のときにお話を伺うのがいいと思うのですけれども、私の理解は、十数年前に監麻課にいた経験でいきますと、企業から上がってきて、評価をして、そのときにGMP上の問題であれば品質管理部にも相談します。安全対策課にも相談して、安全対策課からPMDAの安全対策部に相談することもあります。その上で、場合によっては専門家に話を聞いたり、品質関係で言えば、今日は衛研の先生もいらっしゃいますけれども、衛研の先生に相談に行ったりします。その上で最終判断ということになるのだと思います。
そういう意味でいくと必要な場合はPMDAに必ず相談は行くことになります。
○花井委員 行く場合があるのは知っていますけれども、多分、私が知る限りは必ずしも行っていないですよね。
○磯部委員長 ありがとうございました。
割と細かい実務のところでもありますし、また今度質問を行う機会もありますし、薬事制度のヒアリングは次回以降も行っていきます。委員の方の関心事はいろいろとたくさんあると思いますので、今後こちらからも質問を投げかけさせていただきますし、医薬・生活衛生局及びPMDAの皆様におかれましては、今後もぜひどうぞよろしくお願いいたします。
本日はどうもありがとうございました。
ちょっと時間も押してまいりましたので、定期報告の内容についての議題を進めていきたいと思います。薬事制度のヒアリングを踏まえて、今後、委員会をどのような方向で行っていただくかを議論いただきたいと思います。
まず、事務局から資料5について、御説明をお願いします。
○大井室長補佐 事務局から御説明いたします。
資料5になります。医薬・生活衛生局からの定期報告の論点メモでございます。今回、委員の皆様から御意見をいただきまして、次回の委員会で報告内容の案を事務局からお示しさせていただければと思っております。
内容としては大きく3つに分かれます。1つ目が承認された医薬品の情報、2つ目が市販後の安全性情報の収集・評価の状況、下になりますけれども、3つ目が海外における安全対策の措置状況でございます。3つそれぞれにつきまして、どういった範囲、品目において報告を受けるのか、どういった内容の報告を受けるのかという点を論点としております。1つずつ簡単に御説明いたします。
1つ目の「製造販売承認された医薬品等の情報」については、報告する品目に関しては、以前の御意見の中では先駆け審査や条件付早期承認制度といったものの御意見もいただいているところでございます。「主な既存情報」に関しましては、ここに書いておりますけれども、承認された医薬品の基本的な情報とか承認条件、RMPの情報といったものがございます。
2つ目です。「市販後の安全性情報の収集・評価の状況」について、報告品目については、先ほどと同様に先駆けや条件付早期承認制度という御意見もいただいているところでございます。「主な既存情報」といたしましては、添付文書の改訂とかイエローレター・ブルーレターの措置状況、条件付早期承認品目の情報が集まった段階での評価の状況がございます。
最後に3つ目ですけれども、海外の措置報告でございます。こちらの報告品目に関しては、特に今まで御意見はいただいておりませんけれども、先ほどのヒアリング資料にもありましたが、企業からの報告も年間1,500件ほどあると聞いておりますので、かなり膨大になっております。何らかの限定が必要になってくるのではないかと思っております。
(注)にありますけれども、実際に企業から報告される内容につきましては、製造の中止、回収、効能・効果、用法・用量、製造方法の変更といった情報や、ドクターレターの配布、重要な使用上の注意の改訂といった内容がございます。
資料の論点としては以上でございます。それぞれの項目に関しまして、報告する品目と報告の内容について、御意見をいただければと思います。
説明は以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
定期報告については、次回の委員会にはたたき台を事務局に準備してもらうということを予定しておりますので、今日はどういった項目の報告をお願いするかを御意見、御質問いただければと思います。
戸部委員、お願いします。
○戸部委員 ありがとうございます。
今の御提案の2つ目の「市販後の安全性情報の収集・評価の状況」についての報告の内容ですが、何か個別の薬になるのでしょうか。その場合には、当該薬剤だけではなくて、同じ成分でほかのメーカーでの同じような薬の安全性に関する情報はどうかというところの情報が欲しいと思います。
○大井室長補佐 事務局でございます。
本日はいろいろと御意見をいただければと思いますけれども、今までの議論でいただいているものでございますと、承認の情報も、市販後の話に関しても、新有効成分というのですか、新薬が中心でした。
今の戸部委員のお話は、同じ成分とか似た成分がかなり出ているようなものになります。今までいただいた内容とは少し方向性が違うので、他の委員からも御意見も伺えればと思います。
○戸部委員 分かりました。
○磯部委員長 奥田先生、どうぞ。
○奥田委員 3番目の「海外における安全対策の措置状況」の(注)で例として挙げていただいているのかなと思うのですが、その中に、例えばまだ新薬としての承認審査の段階のお薬で、例えば海外で不承認だった事例とか、あるいは承認に当たって、安全性の面からすごく議論が分かれたものの情報にも注目して集めていただけるとありがたいと思っています。
○大井室長補佐 今の御指摘の点の確認なのですけれども、既に日本で承認されている状態のお話でしょうか。それとも、まだ承認されていない状態の話でしょうか。
○奥田委員 すみません。そこは曖昧な言い方をしましたが、日本では既に承認されていることが前提かなとは思いますが、今はグローバルなので、審査が海外と日本で並行して進んでいる場合があると思うので、同時に申請されてくると、日本が先に承認されて、だけれども海外では審査が結構もめて議論が分かれたという事例が出てきているのではないかと認識していますので、そういう情報を集めていただけるとありがたいかなと。
○磯部委員長 ありがとうございます。
それは本当にそのとおりですね。どういうところで議論が分かれたのか、それをどのように解決して、どっちのほうで結論づけるかという審査のプロセスの在り方自体も参考になるような気がしますし、非常に貴重な情報になるような気がしました。ありがとうございます。
その他はいかがでしょうか。
どうぞ。
○佐藤委員 2と3なのですけれども、添付文書の改訂に関しては、かなり数が多いと思うのです。新薬で先駆け審査や条件付承認制度のものと限るのも一つなのですが、先ほど戸部委員からもありましたけれども、既存の新薬ではないものについても重要な情報もあるかもしれないので、一つはDrug Safety Updateの中で「最重要」「重要」「その他」と3段階の区分けがあると思うのです。同じ添付文書の改訂でも「最重要」のものは年に何回も出ないと思うのですが、もし「最重要」のものが出たら、新薬であろうと、既存の薬であろうと、知らせて対象にしたらどうでしょうか。
それ以外はある程度品目を絞った上で、Drug Safety Updateの「重要」とランクづけされたものについてだけ紹介するとか、取りあえずはそういうのでもいいのかなと思うのです。そうではないと、恐らくあまりにも数が多過ぎて、どこを見ていいのか訳が分からなくなるのではないかという気がいたします。
海外の情報についても同じで、ある程度内容を絞り込まないと、数が多過ぎて何を見ていいか分からなくなると思うのですけれども、一番重要なのは、海外で既に承認された薬については、ドクターレターの配布、日本で言う緊急安全性情報に当たるものが出たら、必ず教えてほしいというのが一点です。
あとは、重要なものなのですけれども、そこをどう絞り込むかが難しいと思って、回収については、まさに非常に大規模な健康被害が起きて回収する場合も回収ですし、血液製剤のようにロットに不具合があったからこれは回収だというのがしょっちゅうあるようなものと区別する必要があると思いますので、その辺りをどうするかとか、そんなことを考える必要があるのかなと思いました。
気づいた点は以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
情報の持つ意味合いに応じて取捨選択ができればというのはそのとおりで、御指摘も踏まえて、特に海外のものについてどうするかといったことは、御報告が来たら医薬局のほうにも今の御意見を伝えて、御検討いただくということを考えようかなと思います。
例えば1も2も報告する品目ではどんなものにするか、先駆け審査や条件付早期承認制度の対象品目という意見以外にさらに何かありますか。海外でまだ承認されていない新薬とかを対象とすべきかとか、何か思いつくことはありますか。
どうぞ。
○花井委員 先ほどの奥田委員の指摘がとても重要だと思うのですけれども、可能かどうかなのですが、1に関して、例えばここに書いてあることはすぐに全て公開されるわけではないですか。つまり、別に報告されなくても、承認されたものは審査報告書も、RMPも、添付文書も、承認条件も全部読めるわけですね。どういう条件がついたのかは報告されるまでもなく公開されており、それをここでもう一回説明されてもあまり価値がない。
私も非専門なので、いわゆるいろいろな審査報告書を必ずしも全部読み取れるわけではないのですけれども、海外での評価との距離があるというのは確かにあって、論点になっている部分も、海外でここが議論になっているのに、日本ではあまり議論になっていないといった問題点が生じていて、英語のものでFDAのページとかもちらちら見るのですが、英語の文書を常に見るというのは難しいわけで、1について、単に既存のものはこうですと言われてもあまり意味がない。ただし、通常、海外のものはそんなことをやっていないから、仕事量が増えるのです。
しかし、諸外国と比べて、日本の医薬品を承認したときの安全対策がどうなのかという相対的な位置を実は知りたい。今まではこれを明らかにすることは難しかったのですけれども、可能であれば、この委員会独自の目玉みたいな形でできる可能性があればいいなと思いました。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
○大井室長補佐 事務局ですけれども、奥田委員、花井委員から御指摘いただいた点についてです。1番の承認情報につては、資料を作成した事務局のイメージとしては、ここは純粋に単なる情報提供として考えていました。市販後の情報としていろいろな情報がある中で、海外で追加の情報が得られたみたいなところがあるのかなと思っておりますので、両委員の指摘はどちらかというと2番の市販後のほうに入ってくるのかなと思っております。
ただ、どういった品目についてそれをやるのかとか、海外の情報をどうやって入手するのかというのもありますので、そこは相談をしていきたいと思っております。引き続き御意見をいただければと思います。
○磯部委員長 ありがとうございました。
でも、最後の御指摘は本当に重要で、日本の仕組みをきちんと相対的に、多角的に考えることにどう果敢に取り組むかということが問われているのかなという気がいたしました。1の製品の販売承認の段階での問題も、それとしていかに取り上げられるか、今の御意見を踏まえて、医薬・生活衛生局とも相談しながらと言って全部事務局に任せるのですけれども、定期報告の内容をさらにブラッシュアップして、たたき台を次回までにつくる。その中で今の御意見をどう反映させるかをまた御相談させていただきながら進めていきたいと思います。
何かさらにお気づきのことがあれば、事務局にお伝えいただければと思います。
それでは、時間もあれですので、最後に「その他」であります。
第1回の委員会で、佐藤委員よりパブリックコメントの実施状況を確認してはどうかという御意見がありましたので、事務局に資料を準備していただきました。御説明をお願いします。
○大井室長補佐 事務局でございます。
時間もございませんので、簡単に御説明いたします。資料6-1と資料6-2に関して、薬機法に関するパブリックコメントの状況をまとめさせていただきました。
今、委員長から経緯がありましたけれども、佐藤委員から依頼があったというものでございます。事務局のほうでまとめさせていただきました。いずれも「e-Gov」という政府のサイトから情報を抽出したものでございます。
資料6-1と資料6-2の違いですけれども、資料6-1は、半年分のパブリックコメントを網羅的に抽出しているものでございます。一方で、資料6-2は、細かいところの説明は省略しますが、制度に関して1年半分抽出したものでございます。
資料6-1にずらっとございますけれども、中を見ていただくと、事務的というか、個別医薬品等の承認に伴って、例えば処方箋医薬品に指定するとか、何らかの規制をするといったものがかなり多くなっております。この灰色の部分がそういったものでございます。
恐らく佐藤委員のご指摘の趣旨としては制度に関するものだと存じます。資料6-2のような制度に関するパブリックコメントの状況に関しましては、必要に応じて事務局のほうでまた準備をさせていただければと思います。
以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
佐藤委員、この点に何かコメントとかはありますか。
○佐藤委員 整理していただいてありがとうございます。
私の今の感想だと、薬機法だけに絞り込むと、あまり重要ではないものが結構ある割には、重要なもの、本当に見るべきものが漏れているような気もして、もう少し幅広く医薬品に関するパブリックコメントを集めてもらえないかなというのが感想です。どの範囲と言われても、線引きの仕方がなかなか難しいと思うのは私も重々承知しています。
○磯部委員長 そうですね。難しいところかなとも思います。
そもそも、この委員会が果たしてどの法律を対象に考えるのかみたいな話も初回の委員会でしましたし、また、今後、視野を広く、その動きに対する国民の声をどう拾い上げていくかというのは、継続的な課題として考えておこうかなと思います。
それでは「その他」の次の議題に進ませてください。最後の「その他」ということで、昨日、事務局から連絡いたしましたけれども、佐藤委員から資料の提出と説明させていただきたいという御要望がございました。そういうことをさせていただくということで、よろしいでしょうか。
それでは、御了解をいただきましたので、佐藤委員、御説明を手短にお願いできればと思います。
○佐藤委員 情報提供なのですけれども、次回以降、新型コロナウイルスのワクチンのことについて取り上げるということで、それに関連する情報提供です。
私がこの委員に推薦されました日本薬剤疫学会が最初に提案したことなのですけれども、第1回の委員会でも泉委員の御質問に対して私が述べたことなのですが、今、日本では新型コロナウイルスワクチンに限らず、ワクチンの安全性を網羅的に評価する仕組みがないのです。前々から薬剤疫学の専門家たちはそういう仕組みをつくるべきだということを機会があるごとにずっと話していたわけですけれども、今回、新型コロナウイルスワクチンに関して、重要な問題なので、きちんと安全性を評価するような枠組みをつくるべきであるという内容の声明です。日本疫学会、日本臨床疫学会、日本ワクチン学会と4学会で合意して、先週の金曜日に公表させていただきましたので、参考までに御覧いただければと思います。こういうことも踏まえて、次回の議論のお役に立てていただければというのが私からの情報提供です。
本当は、実際にワクチンを投与された方を全員登録するワクチンレジストリというものがつくられるのが理想なのです。かつ、ワクチンを投与された後にどんな事象が生じたかということは、かなり長期的な影響も見る必要がありますので、本来的には何らかの、例えばレセプトのデータベースとそれを紐づけるということができると理想的ではあるのですが、それが個人情報の保護にかなり抵触してきますので、その辺りの問題をどうやって解決するのかという大きな問題があります。
ただ、何らかの形で安全性の監視システムをつくるということをきちんとしないと、今回、新型コロナウイルスのワクチンに関してはかなり急いで作っていて、要するに製薬会社は安全性に関して保証しない、何か起きても損害賠償は国でやってくださいねと言っていて、国もそのようにやっている。つまり、製薬会社としては、我が社に責任を負わされては何が起こるか分からないと思っているということの裏返しですので、まさに予防接種法の改正案が国会で審議されていますけれども、国で国民にその接種の努力義務を課してワクチンを打つということをもしやるのならば、それによってどんな健康被害が起きているかをリアルタイムで把握して、必要な場合に一刻も早く安全対策を取るという体制が整わない限り、非常に危険ではないかというのが私の懸念であります。
そういうことも含めて、次回以降、御議論いただければと思っております。
以上です。
○磯部委員長 御説明ありがとうございました。
確かに非常に大きな話でもありますし、今大事な問題ですよね。
この委員会は、次回は一応3月ということにしていますけれども、いろいろな動きを見ながら、必要に応じて、場合によっては間にもう一回入れてくださいとお願いするかもしれませんし、そちらも周りの動きにきちんと合わせて、タイミングよく対応できるように、その点は引き続き御協力をお願いしたいと思います。
せっかくの資料提供なので、また見ていただいて、委員の方々で特にこれという御発言がなければ、また次回以降、議論する際に参考にしていただければと思います。
それでは、ありがとうございました。
以上で、本日の議事は終了ということになりますが、事務局から何かあれば。
○鷹合室長 第3回委員会の予定は、3月を予定しております。本日の議論を踏まえて、新型コロナウイルスの治療薬・ワクチンの議論、定期報告のたたき台の提示、利益相反の対応案または規定案の提示、薬事制度のヒアリングの続きを予定しています。次回もかなり盛りだくさんとなりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
資料の準備については、委員長と相談しながら進めさせていただきますが、必要に応じて委員の皆様にも御相談させていただきます。
○磯部委員長 2時間5分ということで、ちょっと長くなりましたが、今日もありがとうございました。ぜひ引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、今日の委員会を終了します。お疲れさまでした。