第7回薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会 議事録

健康局 結核感染症課

日時

令和元年10月17日(木)
14:00~16:00

場所

厚生労働省 共用第6会議室(3階)

議題

  1. 1.薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書(2019年度版)について
  2. 2.その他

議事

議事内容
○結核感染症課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第7回「薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会」を開催いたします。
 冒頭、宮嵜健康局長より御挨拶申し上げます。
○健康局長 健康局長の宮嵜でございます。会議に当たりまして一言御挨拶申し上げます。
 本日は、委員の皆様方には御多用のところ検討会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。また、日ごろより感染症対策の推進につきまして御指導を賜っておりますこと、厚く御礼申し上げます。
 2016年4月に策定されました薬剤耐性対策アクションプランでは、ワンヘルスアプローチの理念に基づき、各分野の垣根を取り除いた横断的な取り組みを進めていくため、「薬剤耐性ワンヘルス動向調査」に係る体制を確立することとしております。AMR対策においては、関係各分野において対策状況を把握することが、アクションプラン全体の進捗状況を評価する意味でも極めて重要でございます。
 2017年から発行しております「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書」は、今年度で3回目の発行となり、回を重ねるごとに、ヒト、動物、環境分野におけるそれぞれのデータが充実してきております。この親告書を踏まえ、今後AMR対策がさらに充実することを期待しております。
 本検討会における検討事項は、各分野における薬剤耐性菌の発生状況や、抗微生物薬適正使用の進捗状況等、多岐にわたりますが、委員の皆様には活発な御議論をいただきますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、御挨拶とさせていただきます。
 他の公務がありまして途中で退席させていただきますが、本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。
○結核感染症課長補佐 それでは、本日の構成員の出席状況を御報告いたします。
 本日は、浅井委員、境委員、菅井委員、田中委員、御手洗委員より欠席の御連絡をいただいております。
 また、先ほど報告がありましたが、本日は公務のため宮嵜健康局長は途中で退席となります。
 続きまして、事務局より配付資料の確認をいたします。お手元の資料をごらんください。議事次第、続きまして、資料1、参考資料1と2の合計3種類の資料となっております。不足がございましたら、事務局までお申しつけください。よろしいでしょうか。
 では、以後の議事運営につきましては渡邉座長にお願いいたしたいと思います。
○渡邉座長 座長の渡邉です。よろしくお願いいたします。
 今回、薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書は、先ほど宮嵜局長からお話がありましたように、第3回目ということになります。皆さんのお手元には2018年度のバージョンと2019年のたたき台バージョンがあると思いますので、それぞれ比較しながらでも結構ですので、2019年度版のたたき台をきょうはブラッシュアップして、そして最終報告書として持っていくようなことにしていきたいと思いますので、今回ページ数が前回に比べてかなり多くなっているところもありますので、2時間以内にこれの議論を収束するということになっておりますので、皆さんの御協力をよろしくお願いしたいと思います。
 まず、資料1の構成について、事務局から説明をお願いいたします。
○結核感染症課長補佐 事務局です。
 資料1を開いたところの目次をごらんください。こちらは今までの報告書と大きく変わっていないのですけれども、目次の初めのほうから参りまして、前文、略称、抗菌薬の種類と略号、アクションプランの成果指標とついていまして、日本における耐性菌の現状のところで一部追加する予定のところもあります。動物分野においては、今、追記しているのですが、野生動物のところが一つ入っています。「6.日本における抗菌薬使用量の現状」のところです。これについても新しく「(6)抗菌薬適正使用についての研究」のところがふえています。さらに次の「日本における薬剤耐性に関する国民意識」とついております。
 なお、今回「アクションプランの成果指標」のところには表を載せていますが、要旨については今回の会議で御意見を承って、適宜文章を追記して、11月末に予定しているのですが、最終的にこの報告書を発出するような形にしたいと考えています。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございました。
 構成といたしましては、2018年と同じような構成になっていると思うのですけれども、この構成等について御意見がありましたら。これに先ほどお話がありました要旨が加わりますので、番号が少し変わってくるということになると思うのですけれども。
○結核感染症課長補佐 そのおりです。
○渡邉座長 よろしいでしょうか。
 では、構成については、皆さんの合意が得られたということで、このような形で進めたいと思います。
 これから議論するに当たっては、各項目で一まとめにできるところを一まとめにした形で皆さんの御意見を伺っていきたいと思います。
 まず、2019年のたたき台のほうの前文と略称と3番、抗菌薬・抗菌剤の種類と略号及びアクションプランの成果指標、このあたりを見ていただきまして御意見をお願いいたします。前文は、2018年度の版と比べていただいて、ほぼ同じような形になっていると思うのですけれども。これでよろしいですか。藤本先生。
○藤本構成員 全体に言えることですけれども、大分経年のデータがそろってまいりまして、その中で、年次によって大きく数字が変わっているようなものが幾つか出てきております。ここの場所でいっても、アクションプランの成果目標の達成率を見るための数字の中にすごく大きく動いているものがある。そういうものに対して、数が少ないからとか、統計的な意味はないとか、あるいはそうでなくて、実は1つの施設からたくさん出るのだとか、誰が見ても納得できるようなことを、今回は時間が短いので、最終版に向けてそういった説明を整えていけるといいのではないかということを、一つ全体の話として、いろんなところにございますので、お願いしたいと思います。
○渡邉座長 それはどこに入れればよろしいですか。
○藤本構成員 成果目標のところは脚注みたいなものしか入れようがないと思うのですけれども、実際の内容のところには、本文の中で、大きく違っているところを、何年度は非常に高くなっているけれども、これはこんなことが考えられるということを書いておくと、見た人から統計の間違いなのではないかという要らぬ詮索を受けなくていいのではないかと考えます。
○渡邉座長 わかりました。重要なポイントだと思いますので、そうすると、変化があった項目の最後あたりに考察という形のほうがいいですか。それとも注釈。
○藤本構成員 注釈で済むようなしっかりした根拠のあるものは注釈でいいと思いますし、そうではないものについては考察。
○渡邉座長 考察みたいな。
 そういうのを入れ込むということについて、皆さん、いかがですか。これを見る人にとっては、何で変わったのかという説明があったほうが親切なのは親切ですね。各項目の変化があったところの最後のところに考察という形で入れ込むということでよろしいでしょうか。
 では、事務局。
○結核感染症課長補佐 事務局でございます。
 御指摘はごもっともなところだと思いまして、もちろん考察ができる部分、注釈が入れられる部分については何らかのコメントを入れていくというのは大事なのだろうと思うのですが、一方で、それが必ずしも明らかでない場合もあるかと思いますので、各項目を執筆いただく先生方やそれぞれの機関の方々とちょっと御相談しながら、できる、できないも含めて今後考えていきたいかなと思います。
○渡邉座長 わかりました。
 藤本先生、それでよろしいですか。
○藤本構成員 はい。厚生労働省の方というよりは、それぞれのデータを出された方がその説明について責任があると思いますので、そうしていただけたらと思います。
○渡邉座長 ここが注意すべき点ということをまとめた方にコメントを加えていただいて、それをもとにして考察等も考えていただければと思いますので。限られた時間ですので、もしそういうコメントを加える先生がおられましたら簡潔に言っていただければと思います。
 今の話で成果指標の前のところはよろしいですか。前文と2番の略称及び3番の抗菌薬・抗菌剤の種類と略号。これは前とほとんど変わっていないですね。どこか変わったところがありましたか。
○結核感染症課長補佐 事務局です。
 今回足しているところは、新たに2018年のデータが出てきたので、成果指標のところに特定の耐性菌の分離率のところを入れておりますし、あとはアクションプランの抗菌薬の使用についても2018年のデータが出ていまして、2018年、2020年の目標値との比較といった上で、今回全抗菌薬の使用量が、2013年と比べて2018年は10.6%減。経口のセファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライドがそれぞれ約18%。細かく見ますと、セファロスポリン18.4%、フルオロキノロン17%、マクロライド18%減となっています。また、静注の抗菌薬は13年と比べると10%ふえているような状況です。
 動物についても2017年の結果が出ていますので、それの分離率の成果指標としても載っております。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 4番のところのアクションプランの成果指標の1番、ヒトに関するアクションプランの成果指標で2018年と2020年の間のところに、2013年と比較した結果どうだったというのを入れていただきたいと思いますので。
○結核感染症課長補佐 はい。
○渡邉座長 それから、先ほど藤本先生からお話があったように、ここでの特徴についてもどこかにコメントを加えてもらったほうがいいですか。それとも最後の要旨のところに今、事務局で話されたことは載ると思うのですね。ダブルにならせるのか、それとも各項目の下に特徴的なことを加えていただいたほうがいいのか。藤本先生、どうですか。
○藤本構成員 ここは最初の目標を示すところですので、なるべく簡潔にしたほうがいいと私は思います。
○渡邉座長 事務局、いかがですか。
○結核感染症課長補佐 これは18年のところにも載せてあるのですが、今回要旨のところにアクションプランの成果指標のことについては経過と考察を載せておりますので、そちらのところに記載していくのがいいのではないかなと思っています。
○渡邉座長 わかりました。これは非常に重要で、抗菌薬使用量は確実に減ってきているというのは、目標値には届かないにしても、確実に減ってきているというのは非常に重要なポイントだと思いますので、ここは要旨のところにその成果を掲げていただくということで、ここの成果指標のところには特段注釈は入れないということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○渡邉座長 ありがとうございます。
 続きまして、5番の日本における耐性菌の現状。これはJANISのほうですけれども、柴山先生、簡潔にお話をいただければと思います。
○柴山構成員 私のほうからJANISのデータについて御説明させていただきます。JANISは、皆様御存じのとおり、国内の約2,000の病院に御協力いただいて、患者から分離された細菌の薬剤耐性に関するデータを集計しているものです。資料の8ページからになります。
 ポイントに絞って御説明させていただきます。8ページ目、グラム陰性菌ですけれども、全体的に薬剤耐性の率としては横ばい、あるいは若干の低下、減少傾向にあるということであります。ただ、一つ例外がありまして、大腸菌の第3世代セファロスポリン耐性、8ページ目の表1の薬剤で言いますと、例えばCTXとかCAZ、一番下のLVFX、レボフロキサシンに関しましては、増加傾向が続いているということであります。これは日本だけでなくて、世界的な傾向だと聞いておりますけれども、これが一つ大きなポイントではないかと思います。
 11ページ目、グラム陽性菌に関してもおおむね耐性率に関しては横ばいまたは若干の減少傾向にあるというところです。先ほど藤本先生から御指摘がありました点で、アクションプランに含まれている肺炎球菌のペニシリン耐性ですが、こちらは年によってかなりばらつきがあるのですけれども、14ページ目の表13のところで、PCGの耐性率というのが年によってかなり変動がございます。これは100未満と数自体が少ないので、どうしてもこういうばらつきが出てくるのだと思います。これにつきましては、11ページ目のサマリーに、検体数が少ないため、年により数値にばらつきがあると。このような説明をさせていただいております。
 グラム陽性菌に関しましては、黄色ブドウ球菌で、日本はMRSAが非常に多いという問題があるのですけれども、黄色ブドウ球菌中のMRSAの割合につきましては、依然として50%程度という非常に高い水準にはあるのですが、近年若干減少傾向にあるということであります。
 JANISについては以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 何か御質問等ありましたら、お願いします。藤本先生。
○藤本構成員 細かい点ですけれども、黄色ブドウ球菌の用語として、「全Staphylococcus aureus」と「Staphylococcus(ALL)」というのがまざっているので、これは統一したほうがいいのではないかと考えますが。
○渡邉座長 よろしいですか。
○柴山構成員 済みません。Staphylococcus aureusの。
○藤本構成員 ALLというのが表7に出てきておりまして、表10のほうは「全Staphylococcus aureus分離患者に占める割合」。「ALL」というのはかえってわかりづらいかもしれないから、「全」のほうに合わせたほうがいいかもしれない。
○柴山構成員 そうですね。意味合いとしては、これはMRSA、MSSA全て含むという意味で書きましたので、「ALL」を「全」と修正させていただきたいと思います。
○結核感染症課長補佐 承知しました。
○渡邉座長 ほかにございますか。どうぞ。
○村木構成員 耐性率のダプトマイシンのところが略号になっていないのは、この略語表に載っていなかったからという感じですか。今、ちらっと見たところ、略語表のところにダプトマイシン、そういえばないなと思っていまして、これは追加して合わせたほうがいいかなと思いました。
○柴山構成員 ここは修正したほうが見やすいと思いますので、そのようにさせていただきたいと思います。
○渡邉座長 よろしくお願いいたします。
 そうすると、3の略号のところにダプトマイシンも入れると。
○柴山構成員 はい。
○渡邉座長 それで、略号として、かつ表7と9、この辺のダプトマイシンを略語で入れると。
○柴山構成員 はい。
○渡邉座長 よろしくお願いいたします。
 どうぞ。
○柴山構成員 もう一点、済みません。事務局のほうで作成していただきました原稿の11ページ目の2.グラム陽性菌のところですが、JANISのところのMRSAの割合というところで、文章の3行目に「表9」とあるのですけれども、これは「表10」の間違いだと思いますので、修正のほうをお願いいたします。
○結核感染症課長補佐 わかりました。
○渡邉座長 ほかにございますか。
 後で出てくると思うのですが、動物のほうはコリスチンとかその辺の耐性のデータが出てくるのですけれども、人間の場合にも今後重要なポイントだと思うのですが、JANISでその耐性を見るというのはできることなのですか。
○柴山構成員 JANISのシステムとしては可能なのですけれども、現在病院で用いられている自動検査機器でコリスチンの精度管理がまだしっかりしていないところがあるようで、データの精度的に問題があるということで、今のところ集計対象から外しています。ただ、それがうまくなるようになれば集計対象に含めたいと考えております。
○渡邉座長 わかりました。検討のほうをよろしくお願いいたします。
 あと、動物でヒトでの場合と違っているところはほかに何かありますか。
○農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課課長補佐 薬剤についてですか。
○渡邉座長 はい。
○農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課課長補佐 これまで家畜ではカルバペネム系の薬剤の薬剤感受精試験を実施していなかったのですが、今年度から実施しておりますので、今後動向調査報告書に追加させていただけるかと思います。
○渡邉座長 ヒトの場合は、チゲサイクリンか何かの使用頻度というのはどうなっているか。余り使われていないですか。
○柴山構成員 私のほうではわからないのですが。
○松永構成員 臨床現場でも大腸菌にチゲサイクリンというのは余り使用していないです。
○渡邉座長 今後考えていただく必要は今のところない。耐性の頻度として。どうですか。
○村木構成員 そうですね。
○渡邉座長 特に要らない。
○村木構成員 保険適用上も厳格に決められている薬になりますので、乱用されて使われることは今、医療現場ではあり得ない状況だと思いますし、ルーチンでデータとして示す必要というよりは、個々の患者さんの状況を見ながら使っていっているのかなと思います。
○渡邉座長 コリスチンは入れたほうがいいですか。臨床的には。
○松永構成員 精度管理がなされれば、ぜひお願いします。
○渡邉座長 では、コリスチンについては、将来的に整えば入れていくということで、よろしくお願いいたします。
○柴山構成員 はい。
○松永構成員 動物分野でもコリスチン使用がかなり話題になっています。ヒト分野がどう変わっているか確認したいです。ヒトでは適応症が狭くて、適正使用されていますが、変化が確認できるとうれしいと思います。
○村木構成員 今後そういう患者さんがたくさんふえるかもわからないので、そうなったら必要になってくるかなと思います。
○渡邉座長 では、そういうことで、よろしく検討のほうをお願いいたします。
 ほかにJANISでの質問等、よろしいでしょうか。
 では、NESIDについて、きょう菅井先生がいらっしゃらないので、柴山先生のほうから説明を簡単に。コメントがありましたら。
○柴山構成員 資料の15ページからになります。先ほどのJANISは検査室で分離される全ての細菌でどれぐらいの耐性菌があるかという割合を見ているものですが、NESIDというのは、耐性菌で実際に感染症を起こした患者さんがどれぐらいいるかというものを集計しているサーベイランスになります。
 主な耐性菌についての感染症の患者数を集計しているのですが、集計対象の耐性菌に関しましては、ほぼ横ばいまたは若干の減少傾向にあると思います。ただ、こちらも非常に数が少ないもの。例えば多剤耐性アシネトバクターであったり、あと、バンコマイシン耐性腸球菌の感染症などはもともとの数が少ないので、年によってばらつきが出ているということだと思います。
 私のほうからは以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 何か御質問等ありましたら。よろしいでしょうか。どうぞ。
○田村構成員 CREというのは1,600ぐらい出ているのですけれども、これは少ないと読んでいいのですか。
○柴山構成員 これは米国等の報告と比べるとかなり少ないと言えると思います。ただ、これが少ないかどうかというのは簡単に申し上げられない。難しいと思うのですが、もともとCREそのものが、カルバペネム耐性の耐性率も日本は非常に少ないですので、実際の感染症を起こした患者数としても日本はこれぐらい。そんな変な値ではないと思います。
○渡邉座長 これはJANISのデータから換算すると、どのぐらいの人数と予想されるのですか。
○柴山構成員 ほぼこの数字になっています。
○渡邉座長 これは報告ですので、全数近いのが報告されているというふうに考えて。
○柴山構成員 そう思います。
○渡邉座長 ほかにありますか。よろしいですか。
 では、続いてその他の耐性菌で、カンピロバクター。これは都衛研のデータですけれども、きょう都衛研の方は。では、事務局から。
○結核感染症課長補佐 こちらは東京都健康安全研究センターの小西先生のほうからデータをいただいておりまして、今回新たな2017年のデータが出されておりますCampylobacter jejuniとcoliのほうが出されていまして、17年のデータについては、フルオロキノロンの耐性などが若干jejuniでは下がっている傾向ですが、逆にCampylobacter coliについては耐性率が少し上がっているような形になっていますが、恐らくnの数自体がそれほど多くないというので、耐性率が率としては容易に変化しやすいのが原因ではないかなと考えています。
○渡邉座長 御質問はありますか。よろしいですか。
 では、続いて、Non-typhoidal Salmonellaで、地衛研のほうでやった四宮先生のほうからお願いします。
○四宮構成員 16ページから22ページまで出ております。データ的には表19から表29になります。表19は、全国規模で共通の方法で感受性試験を開始した2015年から4年間の累計を示しております。すなわちヒト由来では1,502株で、そこに示している血清型が株の数のパーセンテージになります。食品のほうが460株で、やはり株の百分率になります。
 今、ちょっと気がついたのですけれども、食品由来がSchwarzengrundのほうが31.3%なので、順番としてはInfantisを上に書くべきかもしれません。これはちょっと確認してみます。
 ヒト由来と食品由来の数の多い血清型について、血清型別の記載を昨年度から開始していますので、2018年分につきましても、それに加えるような形で表20からそれぞれの血清型について記載しております。過去4年間でそれぞれの血清型別で特に大きい変化はないのですが、この数年間の日本における現状を反映しているのではないかと考えております。
 最後の表29で、ヒトから由来する菌株と、食肉、特に国産の鶏肉が主な食材になるのですけれども、共通して検出されるInfantisとSchwarzengrundとManhattanの耐性率を比較する形で載せております。これは4年間なので、かなりnの数も上がってきて、統計的にも安定した数字になってきているのではないかと思いますけれども、SchwarzengrundとManhattanではヒト由来と食品由来の間で非常によい相関が認められて、食品由来のものがヒトのサルモネラ症の原因菌になっているのではないかということが強く示唆されるところです。
 Infantisのほうは、ヒト由来のほうが食品に比べて大体4割ぐらいの耐性率を示しておりまして、単純に考えれば、Infantisの場合は国産鶏肉由来以外の感染経路、原因食材が存在して、そちらのルートでは抗菌薬による選択圧が余りかからないような状況で、Infantisが生息しているということが示唆されております。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等ありましたら、お願いします。
 経年的に見た場合には耐性率というのはそんなに変わっていないという解釈でよろしいのですか。
○四宮構成員 大きく変わっているところはなくて、傾向としては大体同じかなと思います。細かく見ると、例えば表28のThompsonなどを見ると、2018年の分離株では、18剤のうちナルジクス酸以外は全て感受性を示しておりまして、2015年から17年に比べると感受性株が非常にふえているということを示しています。
 24株のデータを出した地衛研全てで耐性率が0%ですので、地衛研による検査・手技のばらつきとかいうことではなくて、日本で流通している食材に混入しているSalmonella Thompsonの耐性率というのは非常に低くなっているということがうかがえますけれども、これはもともとそれほど高くない血清型ですので、大きく見ると大体安定したデータが得られているのではないかと思います。
 加えて、先ほどお話が出たコリスチンですが、コリスチンも感受性リスク試験をやっておるのですけれども、SIR判定の基準がコリスチンのSalmonella属菌については、精度管理の問題というよりも、判定基準が示されていないので、SIR判定ができない状況になっています。
 それで、阻止円の小さいやや耐性傾向を示した株については、MCR-1から5のマルチプレックスのPCRでコリスチン耐性遺伝子を検出しておりまして、2015~2016年の2年間については対象菌株数が数百株あったのですが、その中で1株はMCR遺伝子を保有して、コリスチン耐性が証明されたのですけれども、パーセンテージ的には大きいものではありません。
○渡邉座長 ありがとうございます
 御質問。どうぞ。
○藤本構成員 そのほかでヒト由来のInfantis、表24は、2017年だけすごく耐性が少なく、これはもともと数が60だということなのか、どこか1つの県からたくさん出たとか、何か理由は、もしあれば、また。
○四宮構成員 確かに17と18を比べると、ストレプトマイシンとかテトラサイクリンについては半分なのですけれども、検体の数とか、それを検出した地域性ということもありますので、2018年は2017年に比べて有意に高くなっているという結論はなかなか難しいのかなと考えています。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかにはよろしいですか。
 ないようでしたら、22ページのNeisseria、淋菌のほうは、きょうはデータ。事務局、どうぞ。
○結核感染症課長補佐 淋菌については、国立感染症研究所の副所長の大西先生からデータをいただいておりまして、続きまして、Salmonella、チフスやパラチフスについては、同じく国立感染症研究所の泉谷先生のほうからいただいております。
 さらに、結核のほうについては、きょう出席されていないのですが、御手洗先生から2018年までのデータをいただいていまして、結核については全体的に新規の患者数自体は減っているのですが、耐性率についてはそれほど大きく変わっていないということでした。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等ありましたら。どうぞ。
○藤本構成員 これもSalmonellaのTyphiが年によってすごく違うのと、Shigellaは輸入例だから違うのか、その辺、適当な説明がつくのであれば、ちょっと書いておかれたらば、見た人がいいかなと思います。
○結核感染症課長補佐 わかりました。またデータをいただいた先生に相談しておきます。
○渡邉座長 ほかに御質問ありますか。よろしいですか。
 結核のほうはよろしいですか。余り耐性率は変わっていないということですけれども。
 では、続いて、Clostridioides difficile。これは松永先生のほう、お願いします。
○松永構成員 Clostridioides difficile感染症について御報告いたします。前半のほうは、前年度報告したとおりとなります。中ほどの「毒素検査及び」というところからですが、前年度の報告に加えて多施設前向き研究を追加いたしました。10,000患者入院日数当たりのCDI罹患率が7.4。ICU病棟では22.2と既存報告よりも罹患率が高く、ICU病棟のリスクが高いことが示唆されております。
 ただし、検体の採取方法や検査方法でかなり差異が出てくるということと、諸外国との比較では平均入院日数の違いなどがありまして、他国、また全体の経時的な比較には注意を要すると思っております。
 また、2019年度よりJ-SIPHEにてCDIの動向調査を開始しております。こちらのほうは毒素、トキシン検出を基本として、統一した基準でサーベイランスしておりますので、そちらの報告は来年度以降できると思っております。
 以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等、いかがでしょう。
 Clostridioidesは、日本は諸外国に比べて少ない、どうしてだという話があるのですが、感染研の加藤先生が前向きなコホート研究で出されたデータ、最近パブリッシュされたデータだと、余り諸外国と変わらないというデータを出されていたような気がするのですけれども。
○松永構成員 そうですね。今回載せさせていただいたのはまさに加藤先生のデータで、既存の報告よりは日本でも高くて、諸外国と似たような傾向があるのではないかというところがあります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 続いて、院内感染の状況で、JANISのほうからお願いします。
○柴山構成員 院内感染症のほうもJANISのほうからデータを提供させていただいております。資料の24ページ、25ページになります。院内感染症に関しましては、手術部位感染、集中治療室における感染症、この2つのデータを提供させていただいております。
 手術部位感染についてですが、これは手術に伴って感染症がどれぐらい起きているかというデータを集計したものになります。2011年から集計しておりますが、横ばいまたは近年若干の減少傾向にあるということであります。
 それから、集中治療室、ICUにおける感染症は、人工呼吸器関連肺炎、尿路感染症、カテーテル関連、血流感染症の発生率を集計しておりますが、いずれもほぼ横ばい、または若干の減少傾向にあるということであります。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等ありましたら。SSIの発生などは2011年に比べると結構減少してきている。非常にいい傾向だと思われますけれども。よろしいでしょうか。
 なければ、続きまして、動物のほうで、JVARMのほうの説明を関谷先生。
○関谷構成員 それでは、25ページの(2)動物というところで、1として家畜由来細菌。これはJVARM、動物由来の薬剤耐性菌モニタリングのシステムの中でやっております。
 26ページの表41は、新しく2017年のデータを追加させていただいております。これは病畜由来、疾病にかかった動物から分離されたもののデータです。同じく表43につきましてもブドウ球菌について2017年を追加しております。
 28ページの表44も同様でございます。
 動きはでこぼこというか、上がったり下がったりというのもありますし、あるいはCLSIのブレークポイントが変更されたというものについては、脚注で注意書きを入れたりということで対応させていただいています。
 29ページの真ん中に農場における健康家畜の細菌ということで、これは2015年までJVARMでは農場から分離をしてモニタリングをしておりましたので、2015年まではデータがあるのですけれども、その後、この後出てきます屠畜場と食鳥処理場由来のものにシフトしておりますので、これは昨年のワンヘルス動向調査報告書と変わりません。農場のデータは2015年までのデータで、これがずっと続きまして、35ページの真ん中までございます。
 屠畜場と食鳥処理場のデータが35ページの真ん中以降にございます。こちらは2016年と2017年、2カ年のデータを追加させていただいております。データの精度管理等、確認の作業をしておりましたので、今回2年度分を追記しております。表51が大腸菌です。その後Campylobacter、38ページ、腸球菌ということで続いております。
 こちらにつきましても変動が若干ございますが、大きなトレンドとしてというものは特段ないのかなと思いますが、上下がありますので、先ほどのような、例えば株数の影響があるのではないかとか、ブレークポイントの変更というところ、注意書きのほうももう一度確認をしていきたいと考えております。
 食鳥処理場由来ということで、41ページ、Salmonellaです。
 42ページにはSalmonellaにつきまして血清型の比較ということで、図1がついております。これは2015年から2017年にかけてのヒト由来、食品由来、食鳥処理場由来、動物由来ということになりますが、その血清型を比較しておりまして、食品と食鳥処理場、動物由来のものは一定の似たような割合で出ているのではないか。一方で、ヒトの血清型に関しましては、このグラフを見ていただくとわかりますように、かなり多様なものが分離されているということで、必ずしも食品からだけでもないのかなといったデータになっております。
 続きまして、43ページからは2の養殖水産分野、魚でございます。こちらは魚の病気の原因菌でございます連鎖球菌。ラクトコッカス感染症のデータは、2015年以降のデータを追加させていただいております。特に43ページの表61を見ていただきますと、2017年からはモニタリングの強化ということで、株数が2017年は105ということで、増加、充実をしているところでございます。
 44ページ、類結節症は特に新しくなっているところがないですけれども、ビブリオ属細菌の耐性率ということで、まだ2017年しかないですが、表63に追記をさせていただきました。
 45ページからは愛玩動物のものでございます。愛玩動物につきましては、疾病に罹患した犬・猫のデータということになりまして、恐縮ですけれども、2017年のデータは昨年の報告書に出ていたものですが、何とか11月の公表までには2018年のデータをこの横に追加させていただきたいと思います。表64から49ページの表67まで2018年のデータを追加させていただきたいと思います。
 また、昨年度から病気ではない、健康な犬・猫のモニタリングも開始しておりますが、今、実施中ということですので、今年の報告書には間に合わないということになっております。
 動物のほうは以上でございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等がありましたら、お願いします。田村先生。
○田村構成員 表59と図1で食品があるのですけれども、これは国内に食品に限定されているのでしょうか。
○農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課課長補佐 こちらの食品とヒト由来については、昨年度四宮先生から提出いただきワンヘルス動向調査報告書に掲載されているデータを活用し比較しております。四宮先生から食品の由来については、ほとんどが国産の鶏肉とお伺いしていたと思いますが、詳細は、四宮先生にご説明お願いできればと思います。
○四宮構成員 これは約9割が国産の鶏肉になっております。
○渡邉座長 どうぞ。
○勝田構成員 済みません。17ページで、先ほどヒトのほうでSalmonellaの血清型、18年度までのデータが出ていて、動物のほうが17年度までで、同じ報告書の中で年度が違うデータが出ているので、どちらかに合わせていただければというのが1点です。
 もう一つは、去年の議事録に載っていたことですけれども、健康畜のモニタリング農場6から屠場ベースになっているのですが、いつまでこの報告書に結果が併記されるのか。
n数的には屠畜場データのほうが多いので、そちらだけを掲載するのでよろしいのではないかというのが質問です。
 あと、野生動物のところですが、薬剤の略号が、他所と全然違っているので修正していただきたい。
○関谷構成員 先生、野生動物については、我々のデータではないので、これから御説明があると思いますので。
○勝田構成員 はい。
○関谷構成員 御質問いただいたところでございますが、まず年度の件でございますけれども、こちらのデータはいろいろな委託事業、国の事業でやっているもので、報告書ができあがるタイミングが必ずしもヒト分野のデータと合わない部分もあるので、そこは比較するときに同じ年度でという必要性はあるかもしれないのですが、この報告書で全てのデータの年度を統一するというのはちょっと難しいかなと考えております。
 農場のほうのデータは、確かに昨年の報告書と全く変わらないので、いつまでというところで、事務局と皆様の御意見もいただければと思いますけれども、いずれかの段階で削除してもいいと我々も思っております。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 確かにSalmonellaのデータは、2018年度までは研究班のデータを使っているので、そういう意味では、報告書として出やすいということがあるので、農林水産省がやられているのは全国的な形のやつを集めて、2018年度は2019年度にも検査しているということなのだと思うのです。ですので、ちょっと違いが出てくるので、それはしようがないのではないかと思いますので、ある範囲内でのデータをまとめていただければと思います。
 もう一つ、質問しようかなと思っていたのですけれども、農場由来のデータをいつまで使うのかと。まず農林水産省として出すデータとして、農場由来のデータと屠畜場、食品処理場由来のデータが相関するということをどこかで言っていただければ、どちらか一方でいいのではないかと思うのですが、それは言えると考えていいのですか。それとも何かバイアスがかかるのでしょうか。
○関谷構成員 こちらは移行するときに、2014年と2015年だったと思いますが、屠畜場も農場由来のものも両方実施しまして、お互いのデータを比べて、移行しても違いはないだろう、バイアスがかからないだろうということの確認はしておりますので、その旨を書かせていただくこともできるかと思いますが。
 済みません。94ページの一番上のところに2012年と2013年、大腸菌とカンピロバクターの薬剤耐性率、MIC5090に大きな違いがなかったことが確認されているということで、サンプリングの移行については、こちらのほうに書いてはございます。
○渡邉座長 ということですので、そうすると、どこか切りのいい段階でシフトしていただいて、シフトいただいたときにも、動物由来のデータ、25ページの「動物」と書いてあるところの最初のところにその辺のところを明記していただいて、今後は屠畜場、食鳥処理場のデータに移行するのだということをうたっていただければいいかなと思うので。それはいつの時点にやるのか、事務局で相談していただければと思うのですが、よろしいでしょうか。
○結核感染症課長補佐 わかりました。またその辺については農林水産省さんと調整しながら進めていきたいと思います。
○関谷構成員 よろしくお願いします。
○渡邉座長 ほかに。四宮さん。
○四宮構成員 先ほどのヒト、食品、食鳥処理場由来の比較のデータの御指摘もあったので、本文では年次報告書2018からの引用ということが書かれているので、図1、図2、必ずしも文章を読まずに、この図だけ見られる方もいらっしゃると思うので、脚注にヒトと食品についてはもう既に出ているものの引用である旨を記載していただければと思います。
○渡邉座長 そうですね。
○関谷構成員 わかりました。ありがとうございます。
○渡邉座長 ほかはよろしいでしょうか。どうぞ。
○藤本構成員 細かいところですが、表41、ブレークポイントにアスタリスクがついていて、これの脚注がないのです。この脚注を見るとわかるのかもしれないけれども、2013年から耐性率が途端に上がっているので。脚注がついてからもう一回。ただ、2つのことがありますので。
○関谷構成員 ありがとうございます。これはCLSIのブレークポイントということです。
○藤本構成員 では、2013年から特別変わったわけではなくて、これはここから急に耐性率とかいろんなものが上がっているようですけれども。
○関谷構成員 確認させていただきたいと思います。
○藤本構成員 もう一点、すごく素人っぽい話ですが、牛と鶏と豚ですごく耐性率が違いますね。薬の使い方とかどうなるかなと思うと、薬のほうでは牛とか鶏とか豚とか分けないでデータが出ているので、皆さんは理由は御存じでしょうから、こういう理由で違いが出るのだということをどこかに書いていただけたらと思います。
○関谷構成員 何が理由でというところがなかなか難しい面もあるので、わかるかどうか検討させていただいて、わかるものに関しては書かせていただくということにさせていただければと思います。
○渡邉座長 これは最後の55、動物の抗菌薬の使用量との関係にもなるのだと思うのですけれども、トータルとしてのやつが出ているので、牛、豚、鳥とかというので、家畜別というのは出せるのですか。
○関谷構成員 推定のものはデータが出ておりますので、ホームページなどには出しています。
○渡邉座長 それと今お話があった耐性率等は相関が何かありますか。
○関谷構成員 使用量に関しては全般的に豚が多いという状況ですが、一定の傾向はあるにしても、動物種同士を比較したときに、使用量が多いほうが耐性率も高くなっているということがはっきりとした傾向として見られるかというと、なかなかそういうところでもない。抗菌剤、あるいは動物種にもよると思うのですけれども。
○渡邉座長 動物の場合、難しいのは、使用方法が飼料添加物で使ったり、治療に使ったり、使い方によって違ってくるのだと思うのです。耐性率と使用方法のうちのどれとが相関があるのかというのが出てくると、この辺が読み砕かれるのだと思うのですけれども、この報告書だけだとその辺がよくわからないので、そこまで検討するというのは大変な。一つの論文を書くぐらいのものになってしまうのではないかと思うのですけれども。
 でも、対策を考える上では非常に重要なポイントで、今回はすぐというのは無理なことで、今後何年かかけてその辺のところが出せるようなことになれば、非常に役に立つのではないかなと思うので、大変だとは思うのですけれども、検討していただくのも一つではないか。
 どうぞ。
○田村構成員 あとは投与方法だと思うのです。牛はどちらかというと個体投与であるのに対して、豚と鶏は集団投与ですので、耐性率も豚と鶏は高い傾向にあります。
○渡邉座長 人間の場合とその辺は違うところだと思うので、なかなか難しいと思うのですけれども、できる範囲で少しずつその辺のデータが加わっていくと、この報告書も世界に向けて出していきますので、日本はここまでやっているのだというふうに見られるので、いい方向に向かうのだと思います。御検討をお願いいたします。
○関谷構成員 はい。
○渡邉座長 どうぞ。
○松永構成員 不勉強で申しわけないのですが、一つお願いがあります。例えば養殖水産分野だったり、サンプル数がそこまで多くないものに関して、どのように採取されてきたかがとても大切ではないかと思います。もしよろしければ、その詳細を御記載いただけるとうれしいです。どこどこの養殖場で何匹とって、平均を出しているなどがわかるとうれしいです。よろしくお願いいたします。
○関谷構成員 ありがとうございます。確認をして記載できるところは記載したいと思います。
○渡邉座長 ほかに質問事項ありますか。よろしいですか。
 先ほどちょっと質問が出たのですが、49ページの野生動物は、きょう浅井先生がお休みなので、事務局のほうから。
○結核感染症課長補佐 野生動物については、岐阜大学の浅井先生からデータをいただいておりまして、シカ、イノシシ、小型げっ歯類、カワウ、アナグマとトカラ牛、アマミノクロウサギというのでまとめていただいております。
 今、見ると、略号が少し違うので、こちらのほうは先生と調整しながら直していきたいと思っていますが、1点、浅井先生のほうからも御指摘があって、事務局のほうでもどちらにしようかと考えているのですが、野生動物なので環境のほうに置くべきなのか、それとも動物のところに置いておくべきなのかという点について、御意見をいただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。
○渡邉座長 ということですけれども。田村先生。
○田村構成員 野生動物には治療はしないので、環境から来ていると思いますので、私は環境に置いていただいたほうがいいと思います。
○渡邉座長 よろしいですか。
(首肯する構成員あり)
○渡邉座長 4に入れると、もう一つは農林水産省のデータからの続きで先ほど質問が出ましたように、農水省からの報告というふうに思われる節もあるので、そういう意味では環境のところに入れてもらったほうが良いでしょうか。でも、環境省から出ているとまた誤解されると困りますか。
○結核感染症課長補佐 次から黒田先生のほうからあるやつ。特に何省からというわけではないと思います。それぞれがお互い協力し合ってデータを出し合っていくのが今回のワンヘルスのレポートでもありますので、適切な項目のところに入れていって、そのデータをみんなで共有していくことが大事かなと思っていますので、そちらについては環境の分野のところでも問題ないかなと思います。
○渡邉座長 まず、環境のほうに入れるということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○渡邉座長 これはリファレンスは書いていないのですけれども、あるのですか。
○結核感染症課長補佐 先生のほうからデータをいただいていますので、そちらのほうも記載したものを環境の項目に移して出したいと思っています。
○渡邉座長 よろしいでしょうか。どうぞ。
○勝田構成員 小型げっ歯類由来では家畜飼養施設からとれた細菌の耐性率が高く、都市部・山間部でほとんど耐性菌が分離されないという結果が表示されています。小型げっ歯類というのはネズミのことだと思うのですけれども、ラットとマウスの違いなど細かなデータはないのですか。
○結核感染症課長補佐 そちらについても浅井先生に確認しておきますので。
○勝田構成員 すごく細かいことなのですが、本文の2行目「野生牛」と書いてあるのですけれども、表中には「トカラ牛」となっていますので、どちらかに合わせていただくように。
○結核感染症課長補佐 こちらのほうを統一しておきます。
○渡邉座長 よろしくお願いいたします。
 よろしいでしょうか。どうぞ。
○藤本構成員 そのリファレンスのところは今度つけてもらうものを引けば、どこからサンプリングしたかというのは誰でも見ることができますか。これはもともと具体的な場所の名前が記してあった表だと思うのですけれども、代表性があるかないかというので大事だと思うので、リファレンスがすぐに見られるような状態であれば問題ないと考えますが、いかがでしょうか。
○渡邉座長 これは浅井先生がどこかにパブリッシュしたデータですか。それとも個人のデータですか。
○結核感染症課長補佐 そちらについても確認しておきます。
○渡邉座長 わかりました。これが個人のデータだとすると、報告書には入れないほうがいいかなと思うのだけれども、一応パブリケーションしているか、または研究班の研究報告書として表に出ているやつならここに入れたほうがいいと思うのだけれども、もしそうでないとすると、今、言ったような形で、どこからとれたのだとか、いろんなクレームが事務局のほうに来る可能性があるので、そのとき、わかりませんと言われると、報告書の信頼性にもかかわるので、どこかの分として出しているのだったら、それをリファレンスにしていただければいいかなと思うのですけれども。非常に重要なデータなのですが、焦ってここで出す必要もないと思うので、ちゃんとしたデータとして出したほうが、今のようないろんな質問が来たときに、わかりませんというのは、報告書としてはまずいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
○結核感染症課長補佐 承知しました。
○渡邉座長 どうぞ。
○関谷構成員 もし載せるのでしたら、薬剤の略称とかが統一されていないようなので、そこを統一していただければ。
○結核感染症課長補佐 そうですね。先ほど勝田先生からもいただいた意見で、そういう部分については修正しておきます。
○渡邉座長 よろしいでしょうか。
 続いて、食品のほうですが、私のほうで説明しますと、これは厚生労働科学研究補助金としてやったデータで、この一部は、先ほどSalmonella等に関しては四宮先生から報告があったところに細かい点が出ています。Campylobacterについては、都衛研がやったデータはCampylobacterのところに入っています。それ以外と、一部オーバーラップしますけれども、それをまとめたものがここに記載されております。特に鶏肉等について、国内と輸入鶏肉との違いが一つは記載されているのと、先ほどコリスチンに対する耐性という話がありましたが、ここでは実際に遺伝子の検出等もやっておりますので、そのデータが加わっているということ。あと、βラクタマーゼに対する耐性もESBLかAmpCかという点についても、国立医薬品食品衛生研究所等で調べたデータの一部がここに載せてあるということで、リファレンスとしては報告書を引いていただければ、もっと詳細はそこでわかるということになります。
 将来的にこの食品のこういう耐性のサーベイをどうするかというのは、今のところ食品衛生管理部のほうは研究班で続けるということですが、将来JVARMとかJANISと同じような形で事業化できるかどうかというのは、今後の課題だと思われます。そのときどこがどういうふうにやるのかという組織的な問題もありますので、なかなか簡単にはいかないというところがあるのが現状であります。
 よろしいでしょうか。
 続いて、環境のほうは黒田先生。
○黒田構成員 環境AMRのほうを御説明いたします。昨年度から厚労科研費で東北大学病院の金森先生を代表としまして、下水処理場、主に水再生センターの放流水を各自治体から提供いただきまして、そのサンプルをメタゲノムという解析方法を用いまして評価すると。一つ一つ分離株を集めてという能力、資金はございませんでしたので、メタゲノム解析という手順をとりました。
 27自治体で北から南まで。守秘義務等もございまして、どこからという細かいところは御説明できませんが、集めたデータをプロットという形で、次の図で説明させていただいています。なかなか聞きなれない単位ではあるのですが、次世代シークエンシング・NGSでよく使いますFPKM、Fragments Per Kilobase of exon per Millionというのは、遺伝子当たり、または解読リード数当たりのAMR遺伝子の濃度という意味合いと考えていただければいいと思います。放流水でありながら、100FPKMぐらいの濃度で平均的に見られるという形になりました。例えばサルファ剤、アミノグリコシド、βラクタム、マクロライド、テトラサイクリン、キノロンと満遍なくどの薬剤に対してもARG、耐性遺伝子が見つかるという状況であります。これを2018年度のデータとして、第1回目を提出できたということになりました。一つの基準になるかと思います。
 比較できるデータがあるのかということで、デンマークのDTUが世界の下水流入水、入ってくる、処理前の水に対しての報告がNature Communicationsに出ていましたので、それを一つ概説したものもこの中に入れております。例えば流入ですと、ブラジルが4,600。アフリカ2,030とかなのですが、オセアニア、ニュージーランド、オーストラリアみたいな国だと、流入、入ってくるものですら500ぐらいの濃度でしかないという、非常にきれいな水をさらに処理するという状況です。日本の100FPKMというのは若干濃いなというのが現状の印象ではあります。これからどうなるかわかりませんので、一つの基準とお考えいただければと思います。
 あと、東京湾岸で臨床分離株とほぼ同等と思われるような遺伝型、薬剤耐性を持つKPC-2及びNDM-5保有株も分離した状況の論文報告を説明させていただいています。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等ありましたら。どうぞ。
○藤本構成員 FPKMですけれども、今、先生から説明を聞いたらとてもよくわかったのですが、この言葉が最初に出てきてしまったので、ネットで調べて、延々と説明を英語で読んで、わかったかと思ったら、これは違うことに応用しているのだというのがわかりまして、ですので、皆さん、同じことになってしまうと思いますから、これはほかの場所でも同じ方法で計算しているということが後ろのほうに書いてあったと思いますので、そのことを一つ書くことと、あと、濃度に相当するものなのだということを2つこの言葉の前につけていただけると、一生懸命調べる人も減るし、皆さん、すっとおさまるのではないかと思いますので、御検討ください。
○黒田構成員 ありがとうございます。承知いたしました。
○渡邉座長 今、WHOはこういう方法で世界的な比較をしようという流れなのですか。
○黒田構成員 WHOのGlobal Sewage Project、下水プロジェクトは、流入水、ポリオウイルスとほかのものも対象にした研究のようでして、放流水という形では、日本、プラスアルファで個別に例えば大阪の淀川とかいう形では研究されています。WHOでは流出、放流水のほうはまだやっていないという形です。
○渡邉座長 今、日本では放流水ですけれども、流入水もやられているのですか。
○黒田構成員 私が知る限りでは、GAPⅢとポリオウイルスでの検査等でエンテロウイルス等ではやっているかと思います。
○渡邉座長 なぜ聞いたかというと、下水処理場を通すことによってこういうものが減るのか、ふえるのか、その辺はどういう見解なのですか。
○黒田構成員 一般的な感じではあるのですが、1,000倍から100倍ほど濃度として菌が処理される、また、ARGが減るというのが世界各国での共通認識だと思います。
○渡邉座長 下水処理場で沈殿をやったりとか、消毒薬を加えたりというのは、耐性菌または耐性遺伝子を減らすのには有効であるというスタンスなのですか。
○黒田構成員 もちろんであります。ただ、塩素だけですと、対象が薬剤耐性菌と限られてしまいますので、ノロウイルスですとか、ほかの病原体へのケアもしなければいけないということで、UV+オゾン処理といったものに対しての活用が今、図られているといったところです。
○渡邉座長 ほかに御質問はありますか。よろしいでしょうか。
○田村構成員 国によってこの数値の差があるのですけれども、前、少しほかの先生に聞いたことがあるのですが、抗菌薬の工場排水の規制が各国でばらばらで、特に多いと言われた国は全く規制がかかっていないので、そのまま放置されていると。日本もその基準はないのですけれども、大手の薬屋さんの工場はみんなそういうのを排出しないように努めているからという解釈でいいのですか。
○黒田構成員 申しわけありません。そのあたりの抗菌薬濃度について、つまり、残留の抗菌薬濃度の規制等は、私が知るところではないので何とも言いがたいのですが、いろんなところの排水で濃い場所は必ずありますので、そこは徹底的に浄化していくという努力は必要だと思います。
○渡邉座長 この後、排水された耐性遺伝子または耐性菌がどういう形でヒトの健康にリスクを及ぼすのかというリスク評価などもやっていかないと、こういうことの社会的影響というのが大きいと思います。世界的にはどういう傾向なのですか。
○黒田構成員 例えばブラジルでのリオオリンピック、薬剤耐性菌の多い中でセーリングするとか、今回東京オリンピックで言えば、お台場付近とか、浄化されているところで開催できるかどうかという不安はあります。そこにAMRだけでなくて、ウイルスといったものも重要なのかなと個人的にはありまして、例えばノロウイルスの感染伝播はヒト・ヒト感染が最近多い。それは無症候性の患者さんがふだんから排菌しているというところが大きな問題でありますので、恐らくそういった無症候群、またはAMRの健常者、キャリアといったものと合わせた対策というものを環境というセットでやっていくのも一つの手段かなと思っています。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかに御質問よろしいでしょうか。
 続いて、抗菌薬の使用状況等で、これは村木先生、お願いします。
○村木構成員 抗菌薬のヒトにおける使用なのですけれども、昨年度から変えた点としましては、2018年のデータが出ましたので、そこの部分をAMR臨床リファレンスセンターの日馬先生と一緒に確認しながら更新しました。成果目標の基準となった2013年と比較して、2018年はいずれも内服薬は減少しております。一方、注射薬はふえているという状況にあるのですけれども、高齢化が進んでいたりということもあって、なかなかここの部分を減らすのは難しいのではないかと思っております。
 3段落目のところが今回新たに追加した部分です。WHOが抗菌薬適正使用の指標としてAWaRe分類、必須医薬品リストというのがあります。1枚めくっていただいて、55ページの表71がAWaRe分類により分類した使用動向として示させていただいています。3つ分類されていまして、Access、Watch、Reserveとなっているのですが、Accessは、一般的には古典的なペニシリンだとか第1世代セファロスポリンが該当するので、こういう手ごろで安価な幅広く使える、耐性化の懸念の少ない抗菌薬と定義されています。
 一方、Watchというのは、耐性化が懸念されるため、できるだけちゃんと使いましょうというのがカルバペネムとかそういうお薬になるのですが、それがWatchです。
 Reserveに関しては、リネゾリドとかダプトマイシンとか、チゲサイクリン、そういった最終手段に使うべき薬が指定されています。
 WHOはAccessの割合を60%以上にすることを目標としているのですが、60%というのは我が国では現実的ではないかなと思っているのですが、日本は他国と比較してもAccessの占める割合が15%と少ない傾向にあります。しかしながら、13年から比べてみますと、Accessの使用割合というのは経年的に徐々にふえてきておりますし、特にWatchも79%から73.3と減少傾向にありますので、ちゃんと使えて、Accessの使用割合がふえてきているというのは、アクションプランの成果が得られているという一つの判断材料にもつながるのではないかと思っております。
 表69、表70については2018年を追加しておりまして、表72につきましては、それを力価換算したものになります。力価換算したものは2013年のトータル562.6トンというところから、2018年の582.2トンとなっているのですが、セファロスポリンの3世代やマクロライド、キノロンというところは減っていますが、アンピシリン・スルバクタムやピペラシリン・タゾバクタムといったβラクタマーゼ配合ペニシリンが顕著に増加しているというところと、ST合剤の使用量が増加している。こういったところも免疫低下患者さん、高齢者や化学療法をする患者さんが増加しているというところもあると思いますし、ピペラシリン・タゾバクタムやスルバクタム・アンピシリンは、1日使う量としては、維持量がほかの薬に比べて多いですので、このトンとした場合には全体的にはふえているのかなと考察しております。
 以上になります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
○渡邉座長 AWaReというのは、なかなか聞きなれない言葉だったので、一般の人がこれを読むと、Accessというのはどんな薬なのというので、もうちょっと表か何かでどんな薬かというのを示すことができますか。
○松永構成員 こちらは、AMRCRCの薬剤疫学室のほうでまとめた表をウエブサイトのほうに載せておりますので、そちらを引用する形で載せるということでよろしいでしょうか。
○渡邉座長 はい。お願いいたします。
 もちろん、そこを見るのも一つですけれども、「“Access”(一般的な感染症の第一選択薬、または第二選択薬として」云々と書いてあるところに簡単に、先ほど話があったペニシリンならペニシリンとか第1セファロスポリン系とか、代表的なものを幾つか入れておいていただくとイメージがつくのではないかと思います。
 ほかに何かございますか。
 これも前にアクションプランの中で日本の抗菌薬の使用状況が示されていたところで、日本は第3、4のセファロスポリン系が多いというのがわかったのですが、ほかの国と比べると大分違うなというのが日本の特徴なのだと思うのです。Accessが17.1というのは、先進国の中では何番目に悪いのですか。
○松永構成員 順番までは確認していないのですけれども、世界各国を並べた表が出ていまして、日本は質の部分では低いほうの部類に入っていました。
○渡邉座長 WHOがこういうクライテリアを使うとなると、日本もそれに合わせた形でのデータを出していかないと、そういうところをぱっと見て日本の評価がされてしまう可能性もあるということですかね。
○村木構成員 そうですね。ただ、Accessに該当しているのがセファゾリンとかアンピシリンとか、供給困難になっているところなので、今、その話題を出すと、現場から結構反対を買うことになるかなというところも気がかりです。
○渡邉座長 確かにそうですね。
○松永構成員 もう一つ、先進国、例えばイギリスは、WHOが出したものと自分の国の抗菌薬が合っているか修正して、自分たちの現状に合ったAWaReをつくっているというところもありますので、そのあたりも慎重に比較していく必要があるかなと思っております。
○渡邉座長 わかりました。なかなかこの辺は出し方が難しいということになるかと思います。
 ほかに御質問等ありましたら。よろしいでしょうか。
 では、動物のほうをお願いいたします。
○関谷構成員 動物のほうは55ページの下のところから始まります。次のページ、表73ですが、原末換算量、毎年出しているものの2017年のデータが出ましたので、追記をさせていただいております。表73は全体で、次に畜産動物ということですけれども、合計量としては増加してしまっているという状況にございます。ただ、そういう中でも、例えば第3世代、サードジェネレーションのセファロスポリンとか、あるいはフルオロキノロンの原末換算のトン数からいきますと、これらが大幅にふえているということではないというところが救いの部分かと思います。この原末換算のトン数でいきますと、ヒト分野のほうでのトン数が最近出てまいりましたが、それと比較しても第3世代セファロスポリン、あるいはフルオロキノロンの原末換算のトン数というのは非常に低いということがおわかりいただけるかと思います。そこは一つのポイントかと考えております。
 水産動物のほうが57ページの表75にございます。これも17年のデータを追加させていただいております。58ページは愛玩動物になっておりますが、こちらは2016年のヒト用の抗菌剤です。犬・猫のペットの獣医療の中では、動物用医薬品だけではなくて、ヒト用の医薬品の抗菌剤を使用するということが獣医さんの裁量でなされております。ヒト用のものの調査として初めて2016年のデータをとりましたので、それを表76に追加したということと、2017年の動物用の抗菌剤のデータが新しく出ましたので、追加させていただいております。
 ここのヒト用のものの動物領域で使っている使用量の調査というのは、なかなか諸外国でもなされていないような状況の中で、ヒト用の医薬品の卸の業界さんにも御協力いただいて、データをとったというところでございます。ヒト用の抗菌剤も愛玩動物向けに販売されているということが明らかになっているデータになっています。
 抗菌性飼料添加物のほうが表77にございます。これも2017年のデータを追加させていただいております。ポリエーテル系が増えているという状況でございます。逆にポリペプタイド、これはコリスチンが指定をされて、使用されていたのですが、2018年に指定を取り消して、飼料添加物としては使用禁止になっておりますので、その影響による減少があると思います。また、2018年のデータではコリスチンに関しては指定が取り消されたのでもっと減るということになるかと思います。
 農薬のほうも2017年のデータを追加しております。
 動物分野は以上でございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等をお願いいたします。黒田先生。
○黒田構成員 先ほど75の水産動物の確実に使用量が上がっているマクロライドとテトラサイクリンの量のところですが、海洋で使われる水産業なのか、河川等にも流れ得る使用量なのか、その辺を区別できるのか教えていただければと思います。
○関谷構成員 特にマクロライドの使用量が増えておりまして、これは連鎖球菌症という海産魚を主体とした疾病がございますが、その魚の病気に使用がふえてしまっていると推測をしております。これに関してはかなりいいワクチンがありまして、それでしばらくは非常に抗菌剤の使用が減っていたという状況があったのです。ところが、性状の違った菌によるものが出てきまして、そのワクチンでは防御できないというものが出てきて、それでマクロライド等がふえているのではないかと考えております。
 新たな株に対してのワクチンというのも承認はされたところであると思うので、少しずつそちらにシフトしていければなという状況かと思います。現状としてはそういうふうに考察をしております。
○渡邉座長 ほかに御質問ありますか。田村先生。
○田村構成員 表73ですけれども、これは2013年度を見てみると、水産と同じようにマクロライドが物すごくふえています。15員環が承認された、あのものが使われたからふえたということではないのでしょうか。
○関谷構成員 表73には水産も入っていて、水産がふえた分が恐らくきいてきているのではないかと思います。新しく15員環のマクロライドが承認をされたということで、それが全体を増加させるほど増えたということではないかと思います。
○田村構成員 アクションプランをやっている最中に抗菌薬の使用量がまた上がってきたというのは非常に気になっていて、これについてはぜひ考察を入れてほしいと思います。
○渡邉座長 どうぞ。
○勝田構成員 これは純粋に使用量なので、家畜の飼養頭羽数とリンクしているわけですから、もし家畜の飼養頭羽数がふえているのであれば、ふえていても仕方がない。逆に減っているのにふえてきているのであれば気になる結果になります。飼養頭羽数は畜産統計でわかると思うので、そのあたりもリンクさせて、考察していただければよいのかと思います。
○関谷構成員 わかりました。
○渡邉座長 よろしいですか。
 トンであらわしている母数というか、何に対してどのぐらいというのがわかればですね。
 よろしいでしょうか。水産と農薬。どうぞ。
○村木構成員 水産というのは、餌として上げるのですか。魚、個体にワクチンというのは、一匹ずつに。
○関谷構成員 ワクチンは注射するものでございますが、抗菌剤は餌にまぜて。
○村木構成員 海水とかそういうところにまくということですか。
○関谷構成員 生けすのところでまくのですが、養殖魚はおなかが減っていますので、餌と混ぜてやれば、全部食べてしまうということにはなると思います。垂れ流してしまうということではないと思います。
〇村木構成員 それは自分の興味だったのです。
 表79は更新したほうがいいですね。恐らく2017年の分を。
〇結核感染症課長補佐 そうですね。更新する。
〇村木構成員 最初のときは全体が出そろうまでアップデートできなかったのですけれども、実際これを完成させるときには、ここの部分も2017年までは1年分ふやせるかなといますので、また対応したいと思います。
〇結核感染症課長補佐 ありがとうございます。ぜひそうしていただけると、これまでの継続的な違いがわかって、おもしろい結果になるのではないかなと思います。
○渡邉座長 そういう意味では、まだ追加しなくてはならないデータが幾つか指摘されてきていますので、それは最終報告書のところにはちゃんと入れ込んでいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続いて、抗菌薬適正使用についての研究ということで、これは松永先生のほうから。
○松永構成員 よろしくお願いします。これまでアウトカム指標がメインだったのですけれども、今後AMR対策の対象を考える上で、プロセスの一つ、抗菌薬適正使用について把握することも大切ということで、まとめさせていただきました。簡潔に説明させていただきます。
 1は、成人・小児の外来における抗菌薬処方についてです。2012年度の外来受診データでは770万人のレセプトデータを確認し、約8.8%に抗菌薬が処方されていました。処方内容は文章中にあるように、第3世代セファロスポリン、マクロライド、フルオロキノロンが多くを占めておりました。また、60%が気道感染症に処方されております。
 表81、82に追記があるのですが、上気道炎及び急性下痢症では、若い世代及び診療所で抗菌薬処方が多かったという事実があります。
 65ページ、2.成人・小児の急性非細菌性上気道感染症についてです。2005年の状況ですけれども、上気道炎に対して約60%に抗菌薬が処方されて、前述と同様な抗菌薬種類が主に使用されておりました。表83にあるように、オッズをとりますと診療所の処方頻度が高かったという事実があります。
 続きまして、65ページの下のほうになります。こちらは2013年から15年までのレセプトデータを使用した上気道炎の検討になります。
 66ページの図4を見ていただきますと、縦軸が抗菌薬の使用割合、横が年齢になるのですが、ペニシリンやセファロスポリンの処方割合というのは0歳から5歳が非常に多くて、40歳前後まで持続的にずっと下がってきて、その後横ばいになるというデータがございます。
 続きまして、図5は同じデータを使ったものになります。こちらは100上気道炎当たりに何人抗菌薬が処方されたかということになります。100非細菌性上気道炎当たり大体31.65抗菌薬が処方されている。これはガイドラインに照らし合わせると適正は5~7%ぐらいと言われていますので、高い現状があります。
 ただし、12年の最初から経時的に見ていきますと、期間の最初と最後では約20%近く減少傾向を認めておりますので、非細菌性上気道炎に関する抗菌薬処方が適正化されてきているのではないかと推測されます。適正使用のターゲットの一つと考えております。
 68ページ、3.成人の単純性膀胱炎に関してです。単純性膀胱炎の処方は、セファロスポリン及びファロペネム、フルオロキノロンが全体の94.7%を占めております。こちらは欧米とは抗菌薬種類が異なる傾向です。表86、フルオロキノロンは中央値で大体5日処方されており、ガイドラインよりも長期に使用されている事実がわかりました。本邦では欧米と使用できる抗菌薬が異なるため、今後必要な抗菌薬に関しては使用できるように取り組む必要があると考えております。
 69ページの下、4.成人・小児の急性腎盂腎炎に関してです。1,000人年当たりに1.7人腎盂腎炎にかかっているという事実がございます。割礼習慣がなくて、医療アクセスのよい本邦では、乳児期まで男児が非常に多くて、それ以降女児がふえていくという形です。欧州よりも少し乳児の男児の比率が多いという現状が把握できました。
 70ページの表88ですが、急性腎盂腎炎に対する全体的な抗菌薬の使用傾向ですが、こちらのほうも広域抗菌薬が非常に多いという現状が見てとれました。
 70ページの下、5.小児の急性上気道炎になります。こちらは2005年1月から2014年の情報です。JMDCのデータベースを用いたレセプトデータですが、第3世代セファロスポリン、マクロライド、ペニシリンの順番で小児の上気道炎に対して抗菌薬が処方されていたという形になります。
 表90が2つあって申しわけないですが、下のほうの各因子のオッズ比ですけれども、こちらのリスクを見てみると、小児の中で年齢の高いことであったり、男児であったり、診療所であったり、小児科以外を標榜している診療所、時間外受診というものが、上気道炎に対して抗菌薬を処方するリスク因子であったという検討がなされておりました。
 6.小児の急性下痢症に関してです。小児の急性下痢症自体、ほとんど抗菌薬処方が不要なことが多いものです。一方で、約30%に抗菌薬処方がされていて、ホスホマイシンがメインで使われていたという形になっております。時間外の受診であったり、小児科への受診に対して抗菌薬が処方されることが多かったとありました。
 73ページ、7.小児の溶連菌感染症に関してです。ガイドラインで10日間のペニシリン治療を推奨していますが、本邦では第3世代セファロスポリンが抗菌薬として最も多く使用されておりました。日本では5日間のセファロスポリンによる治療が好まれる傾向があるのではないかと考えております。
 大変長くなって恐縮ですけれども、現在のヒト分野の抗菌薬使用状況を確認することで、抗菌薬適正使用に対する啓発や啓蒙の対象を定めて、効果的な対策につなげていきたいと考えております。
 非常に駆け足で申しわけありませんけれども、以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等ありましたら。どうぞ。
〇釜萢構成員 今回の抗菌薬適正使用についての研究というのがこの報告書に出るのは初めてだと思いまして、大変画期的なことで、示唆に富む内容をたくさん含んでおるのですが、これは出典はどこかに出てくるのでしょうか。
〇結核感染症課長補佐 出典のほうは報告書に入っております。
〇釜萢構成員 1のものについては国民健康保険のデータを用いたということで、2012年の1年間にこういう結果であったということですね。
 2の非細菌性上気道炎感染症については、大分古いデータで、4,325例が解析されているということですが、このようなものについては、今後継続して調査が行われるものなのかどうかという点を伺いたいと思います。
 その後に出てくる部分ですが、「抗菌薬処方のリスク因子」という表現ですが、内容はわかりますけれども、抗菌薬を処方することがリスクだと言うことについては、ちょっと違和感があるなと感じます。
 診療所の処方が多いというのは、そのように事実として出ているわけですが、診断が非常に困難な場面で処方が行われるという面もあるので、そのあたりについてのコメントとか、何か配慮があったらいいなと感じます。
 「診療所」という表現と「クリニック」という表現がありますが、そこは統一されてもよろしいのかもしれません。そのあたりについて教えていただければと思います。
○渡邉座長 お願いします。
○松永構成員 貴重な御意見ありがとうございます。私どもは、上気道炎が非常に重要なターゲットと考えており、レセプトデータの検討を進めております。66ページの下あたりの検討は、私たちで検討させていただいたデータとなり、近年のデータです。経時的に比較することが大切ですので、今回、過去分も含めて載せさせていただきました。
 「リスク因子」という表現は、おっしゃるとおりで、危険ととられてしまうので訂正します。
〇釜萢構成員 途中でごめんなさい。「因子」とか「属性」とか、そんな表現にしてもいいかなと思いました。
○松永構成員 言葉を気をつけるようにしていきたいと思います。
 あと、私どもも診療所での迅速診断による診断の重要性というのは重々承知しております。診断がつかない状況も非常に感じておりますので、適正な迅速診断ができるような体制を整えていくということも重要なことだと思っております。どうもありがとうございます。
〇釜萢構成員 どうぞよろしくお願いいたします。
○渡邉座長 では、言葉の使い方はなかなか難しいところで、適切な言葉に改めていただければと思います。
 藤本委員。
○藤本構成員 駆け足で言葉の統一のことであれですが、66ページの下から2行目の「100非細菌性上気道感染症による受診」で、100が全部これにかかっているので、できたら「非細菌性上気道感染症による受診100当たり」というふうに変えていただけたらと思います。
 67ページの中段、表84の上のところにある「その他の病院」。有床診療所は病院ではございませんので、「医療機関」という言葉が適当ではないかと思っています。
 同様に68ページの「100非細菌性」も適切に直していただければということ。
 その上の「並存」は、こういう字もあるのですが、併存疾患とか、普通「並」は使わないので、普通の「併存」にしていただけたらと思います。
 表85の抗菌薬の種類のところに「ペニシリン」とございますのが、βラクタマーゼの阻害薬が入っているものを含めているのか、含めていないのか、はっきりしないので、これははっきりさせていただければと思います。
 割礼習慣に関係する記載があったかと思うのですけれども、これはエビデンスがあるのかどうなのか。結構議論の分かれるところだと思いますので、あれば文献を引用されたほうがいいかと思います。
 73ページの表92の上のところに「細菌性感染症の診断名」とございますが、これは保健のデータを使っているので、病名ではないかと思いますので、病名にされるといいかと思います。
 75ページの「環境」の上のところに「治療が好まれる傾向がある」と書かれていますが、これは一般的なことを指しているのか、あるいはこのリサーチのことであるのか。もしこのリサーチのことであるのであれば、「傾向があった」ということでいいかと思います。よろしく御検討をお願いします。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかに御質問。どうぞ。
〇村木構成員 もう4時に近づいてきているので。全体的にすばらしい内容なのですけれども、ワンヘルスの報告書になっていますので、経年的にこのデータが足していけるのかどうかという表になっているかというと、なっていないところもあるのかなと思いました。例えば表81、82は、先ほども御指摘がありましたけれども、年が2012年から2013であるとか、65ページのものは2005年のデータであるとか、一方、図4、図5もこれから年を追ったらどうなるのかとか、確かに項目として挙げてあることは重要な要素が並んでいるのですが、それが年での評価ができないですし、用いている対象集団も限定されているとなると、表87や88は今まで議論してきたような表の見方と異なるかなと思いますので、今回はこういう形でいいと思うのですけれども、ワンヘルスの動向調査報告書ということであれば、そういう形でまとめていくような分類だとか示し方を今後御検討されればいいのかなと思います。
○渡邉座長 松永先生。
○松永構成員 ありがとうございます。
 例えば本年は現状のまとめとして入れさせていただいて、上気道炎などAMRCRCが保有していて経年的に追えるものに関しては残していただくとかという形も可能なのでしょうか。
○村木構成員 (6)の一番最初のところに、これまでにそういう報告されているところでそういった研究をまとめたみたいな書きっぷりがあれば、その後に出てきているところは違和感がないと思うのですけれども、これを経年的にずっとやっていくみたいだと、ちょっと読み手も混乱しますので、表81とか83とか、いろいろあるやつも、いつの時点のどういったものなのかというタイトルに気をつけるとか、そういう配慮をすれば、今回このままでも結果を示すことはできるのかなと思います。
○渡邉座長 貴重な意見ありがとうございます。
 これは後の国民へのいろんな調査等との兼ね合いも含めて、啓発をやった結果がどういうふうに反映されるのかというデータは非常に重要だと思いますので、この結果は研究班の事業なのですか。
○松永構成員 JMDCデータを使ったものに関しては大曲班の研究データとなります。
○渡邉座長 そうすると、お金がないと、これは当然続けられないということになるわけですね。
○松永構成員 そうですね。
○渡邉座長 そこは厚生労働省と相談の上、いつかの時点でこれがどういうふうに変化し得るのかということを、これからまた説明があるアンケート調査との関係も含めてやっていただけると、一つの行動変容というか、ビヘービアチェンジとの関係からしても非常に重要な示唆になると思うので、その辺も計画を十分練っていただければと思います。今回のこの報告に関しては、先ほど村木先生からサジェスチョンがあったような形でまとめ直しをお願いできればと思います。
○松永構成員 ありがとうございます。まとめさせていただきます。
○渡邉座長 ほかによろしいですか。
 時間も押してまいりましたので、今、ここに環境のところがあるのですが、75ページの環境はどうしますか。いいですか。
○結核感染症課長補佐 はい。次に進んでください。
○渡邉座長 続いて、国民の意識調査。これも簡単に。
○松永構成員 ごく簡潔に説明させていただきます。意識調査1ですが、国民を対象とした意識調査になります。2017年に続き経年的に行っている調査です。結果としては、回答者の半数程度が風邪を理由として抗菌薬を内服されていたということや、同様に約半数がインフルエンザや風邪に対して抗菌薬が有効であったと回答があります。2017年と2018年度の調査では、回答の結果はほぼ同様だということになっております。国民の意識を変えていくためには、さまざまな手法を用いた啓発活動を継続的に行っていく必要があると考えております。
 2.医療機関受診者を対象とした意識調査になります。これは2018年に中浜先生が行ってくださったもので、診療所を受診した方に関しましては、83.7%が風邪へ抗菌薬を処方されたことがあると回答しております。風邪に抗菌薬が効くと回答した方が非常に多くて、その理由というのは、風邪症状の緩和や細菌性気管支炎の予防に効果があるという結果となっております。医療機関受診者の多くは抗菌薬を処方された経験があって、風邪に抗菌薬が効くとの誤解が多かったということと、抗菌薬処方を希望した患者の多くが今後も処方を希望していたものの、医師の説明には納得するという回答が多かったということから、医師と患者のコミュニケーションの重要性が示唆されます。
 続きまして、2番の医療関係者への調査。1、2に関しましては前年度と引き続きですので、割愛させていただきます。
 最後の3.診療所勤務医師を対象とした意識調査になります。こちらは2018年2月に行われた検査です。感冒と診断した患者が抗菌薬を希望する割合は約半数が「0から20%」ぐらいでした。抗菌薬処方の希望に対して、医師側が説明した上で処方しないという回答は32%ぐらい。一方で、希望どおり処方したり、納得しなければ処方するというのは60%近くいらっしゃいました。、患者や家族による抗菌薬の希望が少なくなく、不必要と説明している回答者は80%に及ぶものの、最終的に処方してしまっているという様子がうかがわれております。
 一方で、非常にいい点ですけれども、表117、抗菌薬の処方機会は以前と比べて減ったというのが4割弱いらっしゃいまして、変わらないという方も6割。ふえていると回答された方はいなかった。また、回答者の半分以上が2020年までに抗菌薬の使用量を減らすと回答したということは、非常にいい傾向ではないかと考えております。
 アクションプランを達成するために必要なこととしては、過半数の回答者が市民向けの広報や患者向けの説明資料を挙げられていましたので、AMRCRCとしてはこちらのほうの資材を充実させていきたいと考えております。
 以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 コメント等がありましたら。大変なアプローチで、これは継続する以外にはなかなか。そういうものが浸透していくということが一番重要ですので、今後の努力も期待したいと思います。よろしくお願いします。
○松永構成員 はい。
○渡邉座長 家畜飼育者等への調査のほうをお願いいたします。
○農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課課長補佐 84ページ、(3)から始まりますが、表120のほうに家畜飼養者の結果について。昨年度は2017年度を掲載しておりましたものに2018年度を追加しております。産業動物臨床獣医師への調査につきましては、表121に同じく2018年度を追加しております。意識調査の結果といたしましては、ヒトと同様、飼養者については余り変化がなく、産業獣医師につきましては、85ページの下から2行目に記載しておりますように、対策アクションプランの認知度は7.3%上昇しているのですが、今後も一層認識を高めていくための活動が必要な状況と考えております。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等、よろしいですか。
 その次の参考資料については、皆さん、もう一度読んでいただいて、前年度とほとんど同じなのだと思いますけれども、追加するべきところがありましたら、よろしくお願いいたします。
 全体としていかがでしょうか。コメント等がありましたら。先ほどからいただいているいろんなコメントを参考にした形で、もう一度御自分が担当されるところを見直していただきまして、事務局のほうにいつぐらいまで出せば。今月いっぱい。
○結核感染症課長補佐 そうですね。可能な限り早ければいいですが、一部11月にならないとというケースもあると思いますので、その場合でもできるだけ早くいただければ、こちらのほうで反映して対応するようにしたいです。そして委員の先生方にメールで見ていただいて、最終的には報告書として出したいと考えています。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 2時間で全体を見るというのはなかなか大変な作業だったわけですが、皆さんの御協力で何とかこぎつけましたので、あとは最終報告書に向けて、先ほどから出ていますコメント等に沿った形で事務局のほうにリバージョンを送っていただければと思います。
 もしないようでしたら、きょうはこれで締めさせていただきますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 事務局のほうからどうぞ。
○結核感染症課長補佐 特にございません。事務局のほうで報告書をまとめますので、また座長の先生、委員の先生方、御協力をお願いいたします。
○渡邉座長 では、きょうはどうもありがとうございました。
○結核感染症課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第7回「薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会」を開催いたします。
 冒頭、宮嵜健康局長より御挨拶申し上げます。
○健康局長 健康局長の宮嵜でございます。会議に当たりまして一言御挨拶申し上げます。
 本日は、委員の皆様方には御多用のところ検討会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。また、日ごろより感染症対策の推進につきまして御指導を賜っておりますこと、厚く御礼申し上げます。
 2016年4月に策定されました薬剤耐性対策アクションプランでは、ワンヘルスアプローチの理念に基づき、各分野の垣根を取り除いた横断的な取り組みを進めていくため、「薬剤耐性ワンヘルス動向調査」に係る体制を確立することとしております。AMR対策においては、関係各分野において対策状況を把握することが、アクションプラン全体の進捗状況を評価する意味でも極めて重要でございます。
 2017年から発行しております「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書」は、今年度で3回目の発行となり、回を重ねるごとに、ヒト、動物、環境分野におけるそれぞれのデータが充実してきております。この親告書を踏まえ、今後AMR対策がさらに充実することを期待しております。
 本検討会における検討事項は、各分野における薬剤耐性菌の発生状況や、抗微生物薬適正使用の進捗状況等、多岐にわたりますが、委員の皆様には活発な御議論をいただきますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、御挨拶とさせていただきます。
 他の公務がありまして途中で退席させていただきますが、本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。
○結核感染症課長補佐 それでは、本日の構成員の出席状況を御報告いたします。
 本日は、浅井委員、境委員、菅井委員、田中委員、御手洗委員より欠席の御連絡をいただいております。
 また、先ほど報告がありましたが、本日は公務のため宮嵜健康局長は途中で退席となります。
 続きまして、事務局より配付資料の確認をいたします。お手元の資料をごらんください。議事次第、続きまして、資料1、参考資料1と2の合計3種類の資料となっております。不足がございましたら、事務局までお申しつけください。よろしいでしょうか。
 では、以後の議事運営につきましては渡邉座長にお願いいたしたいと思います。
○渡邉座長 座長の渡邉です。よろしくお願いいたします。
 今回、薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書は、先ほど宮嵜局長からお話がありましたように、第3回目ということになります。皆さんのお手元には2018年度のバージョンと2019年のたたき台バージョンがあると思いますので、それぞれ比較しながらでも結構ですので、2019年度版のたたき台をきょうはブラッシュアップして、そして最終報告書として持っていくようなことにしていきたいと思いますので、今回ページ数が前回に比べてかなり多くなっているところもありますので、2時間以内にこれの議論を収束するということになっておりますので、皆さんの御協力をよろしくお願いしたいと思います。
 まず、資料1の構成について、事務局から説明をお願いいたします。
○結核感染症課長補佐 事務局です。
 資料1を開いたところの目次をごらんください。こちらは今までの報告書と大きく変わっていないのですけれども、目次の初めのほうから参りまして、前文、略称、抗菌薬の種類と略号、アクションプランの成果指標とついていまして、日本における耐性菌の現状のところで一部追加する予定のところもあります。動物分野においては、今、追記しているのですが、野生動物のところが一つ入っています。「6.日本における抗菌薬使用量の現状」のところです。これについても新しく「(6)抗菌薬適正使用についての研究」のところがふえています。さらに次の「日本における薬剤耐性に関する国民意識」とついております。
 なお、今回「アクションプランの成果指標」のところには表を載せていますが、要旨については今回の会議で御意見を承って、適宜文章を追記して、11月末に予定しているのですが、最終的にこの報告書を発出するような形にしたいと考えています。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございました。
 構成といたしましては、2018年と同じような構成になっていると思うのですけれども、この構成等について御意見がありましたら。これに先ほどお話がありました要旨が加わりますので、番号が少し変わってくるということになると思うのですけれども。
○結核感染症課長補佐 そのおりです。
○渡邉座長 よろしいでしょうか。
 では、構成については、皆さんの合意が得られたということで、このような形で進めたいと思います。
 これから議論するに当たっては、各項目で一まとめにできるところを一まとめにした形で皆さんの御意見を伺っていきたいと思います。
 まず、2019年のたたき台のほうの前文と略称と3番、抗菌薬・抗菌剤の種類と略号及びアクションプランの成果指標、このあたりを見ていただきまして御意見をお願いいたします。前文は、2018年度の版と比べていただいて、ほぼ同じような形になっていると思うのですけれども。これでよろしいですか。藤本先生。
○藤本構成員 全体に言えることですけれども、大分経年のデータがそろってまいりまして、その中で、年次によって大きく数字が変わっているようなものが幾つか出てきております。ここの場所でいっても、アクションプランの成果目標の達成率を見るための数字の中にすごく大きく動いているものがある。そういうものに対して、数が少ないからとか、統計的な意味はないとか、あるいはそうでなくて、実は1つの施設からたくさん出るのだとか、誰が見ても納得できるようなことを、今回は時間が短いので、最終版に向けてそういった説明を整えていけるといいのではないかということを、一つ全体の話として、いろんなところにございますので、お願いしたいと思います。
○渡邉座長 それはどこに入れればよろしいですか。
○藤本構成員 成果目標のところは脚注みたいなものしか入れようがないと思うのですけれども、実際の内容のところには、本文の中で、大きく違っているところを、何年度は非常に高くなっているけれども、これはこんなことが考えられるということを書いておくと、見た人から統計の間違いなのではないかという要らぬ詮索を受けなくていいのではないかと考えます。
○渡邉座長 わかりました。重要なポイントだと思いますので、そうすると、変化があった項目の最後あたりに考察という形のほうがいいですか。それとも注釈。
○藤本構成員 注釈で済むようなしっかりした根拠のあるものは注釈でいいと思いますし、そうではないものについては考察。
○渡邉座長 考察みたいな。
 そういうのを入れ込むということについて、皆さん、いかがですか。これを見る人にとっては、何で変わったのかという説明があったほうが親切なのは親切ですね。各項目の変化があったところの最後のところに考察という形で入れ込むということでよろしいでしょうか。
 では、事務局。
○結核感染症課長補佐 事務局でございます。
 御指摘はごもっともなところだと思いまして、もちろん考察ができる部分、注釈が入れられる部分については何らかのコメントを入れていくというのは大事なのだろうと思うのですが、一方で、それが必ずしも明らかでない場合もあるかと思いますので、各項目を執筆いただく先生方やそれぞれの機関の方々とちょっと御相談しながら、できる、できないも含めて今後考えていきたいかなと思います。
○渡邉座長 わかりました。
 藤本先生、それでよろしいですか。
○藤本構成員 はい。厚生労働省の方というよりは、それぞれのデータを出された方がその説明について責任があると思いますので、そうしていただけたらと思います。
○渡邉座長 ここが注意すべき点ということをまとめた方にコメントを加えていただいて、それをもとにして考察等も考えていただければと思いますので。限られた時間ですので、もしそういうコメントを加える先生がおられましたら簡潔に言っていただければと思います。
 今の話で成果指標の前のところはよろしいですか。前文と2番の略称及び3番の抗菌薬・抗菌剤の種類と略号。これは前とほとんど変わっていないですね。どこか変わったところがありましたか。
○結核感染症課長補佐 事務局です。
 今回足しているところは、新たに2018年のデータが出てきたので、成果指標のところに特定の耐性菌の分離率のところを入れておりますし、あとはアクションプランの抗菌薬の使用についても2018年のデータが出ていまして、2018年、2020年の目標値との比較といった上で、今回全抗菌薬の使用量が、2013年と比べて2018年は10.6%減。経口のセファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライドがそれぞれ約18%。細かく見ますと、セファロスポリン18.4%、フルオロキノロン17%、マクロライド18%減となっています。また、静注の抗菌薬は13年と比べると10%ふえているような状況です。
 動物についても2017年の結果が出ていますので、それの分離率の成果指標としても載っております。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 4番のところのアクションプランの成果指標の1番、ヒトに関するアクションプランの成果指標で2018年と2020年の間のところに、2013年と比較した結果どうだったというのを入れていただきたいと思いますので。
○結核感染症課長補佐 はい。
○渡邉座長 それから、先ほど藤本先生からお話があったように、ここでの特徴についてもどこかにコメントを加えてもらったほうがいいですか。それとも最後の要旨のところに今、事務局で話されたことは載ると思うのですね。ダブルにならせるのか、それとも各項目の下に特徴的なことを加えていただいたほうがいいのか。藤本先生、どうですか。
○藤本構成員 ここは最初の目標を示すところですので、なるべく簡潔にしたほうがいいと私は思います。
○渡邉座長 事務局、いかがですか。
○結核感染症課長補佐 これは18年のところにも載せてあるのですが、今回要旨のところにアクションプランの成果指標のことについては経過と考察を載せておりますので、そちらのところに記載していくのがいいのではないかなと思っています。
○渡邉座長 わかりました。これは非常に重要で、抗菌薬使用量は確実に減ってきているというのは、目標値には届かないにしても、確実に減ってきているというのは非常に重要なポイントだと思いますので、ここは要旨のところにその成果を掲げていただくということで、ここの成果指標のところには特段注釈は入れないということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○渡邉座長 ありがとうございます。
 続きまして、5番の日本における耐性菌の現状。これはJANISのほうですけれども、柴山先生、簡潔にお話をいただければと思います。
○柴山構成員 私のほうからJANISのデータについて御説明させていただきます。JANISは、皆様御存じのとおり、国内の約2,000の病院に御協力いただいて、患者から分離された細菌の薬剤耐性に関するデータを集計しているものです。資料の8ページからになります。
 ポイントに絞って御説明させていただきます。8ページ目、グラム陰性菌ですけれども、全体的に薬剤耐性の率としては横ばい、あるいは若干の低下、減少傾向にあるということであります。ただ、一つ例外がありまして、大腸菌の第3世代セファロスポリン耐性、8ページ目の表1の薬剤で言いますと、例えばCTXとかCAZ、一番下のLVFX、レボフロキサシンに関しましては、増加傾向が続いているということであります。これは日本だけでなくて、世界的な傾向だと聞いておりますけれども、これが一つ大きなポイントではないかと思います。
 11ページ目、グラム陽性菌に関してもおおむね耐性率に関しては横ばいまたは若干の減少傾向にあるというところです。先ほど藤本先生から御指摘がありました点で、アクションプランに含まれている肺炎球菌のペニシリン耐性ですが、こちらは年によってかなりばらつきがあるのですけれども、14ページ目の表13のところで、PCGの耐性率というのが年によってかなり変動がございます。これは100未満と数自体が少ないので、どうしてもこういうばらつきが出てくるのだと思います。これにつきましては、11ページ目のサマリーに、検体数が少ないため、年により数値にばらつきがあると。このような説明をさせていただいております。
 グラム陽性菌に関しましては、黄色ブドウ球菌で、日本はMRSAが非常に多いという問題があるのですけれども、黄色ブドウ球菌中のMRSAの割合につきましては、依然として50%程度という非常に高い水準にはあるのですが、近年若干減少傾向にあるということであります。
 JANISについては以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 何か御質問等ありましたら、お願いします。藤本先生。
○藤本構成員 細かい点ですけれども、黄色ブドウ球菌の用語として、「全Staphylococcus aureus」と「Staphylococcus(ALL)」というのがまざっているので、これは統一したほうがいいのではないかと考えますが。
○渡邉座長 よろしいですか。
○柴山構成員 済みません。Staphylococcus aureusの。
○藤本構成員 ALLというのが表7に出てきておりまして、表10のほうは「全Staphylococcus aureus分離患者に占める割合」。「ALL」というのはかえってわかりづらいかもしれないから、「全」のほうに合わせたほうがいいかもしれない。
○柴山構成員 そうですね。意味合いとしては、これはMRSA、MSSA全て含むという意味で書きましたので、「ALL」を「全」と修正させていただきたいと思います。
○結核感染症課長補佐 承知しました。
○渡邉座長 ほかにございますか。どうぞ。
○村木構成員 耐性率のダプトマイシンのところが略号になっていないのは、この略語表に載っていなかったからという感じですか。今、ちらっと見たところ、略語表のところにダプトマイシン、そういえばないなと思っていまして、これは追加して合わせたほうがいいかなと思いました。
○柴山構成員 ここは修正したほうが見やすいと思いますので、そのようにさせていただきたいと思います。
○渡邉座長 よろしくお願いいたします。
 そうすると、3の略号のところにダプトマイシンも入れると。
○柴山構成員 はい。
○渡邉座長 それで、略号として、かつ表7と9、この辺のダプトマイシンを略語で入れると。
○柴山構成員 はい。
○渡邉座長 よろしくお願いいたします。
 どうぞ。
○柴山構成員 もう一点、済みません。事務局のほうで作成していただきました原稿の11ページ目の2.グラム陽性菌のところですが、JANISのところのMRSAの割合というところで、文章の3行目に「表9」とあるのですけれども、これは「表10」の間違いだと思いますので、修正のほうをお願いいたします。
○結核感染症課長補佐 わかりました。
○渡邉座長 ほかにございますか。
 後で出てくると思うのですが、動物のほうはコリスチンとかその辺の耐性のデータが出てくるのですけれども、人間の場合にも今後重要なポイントだと思うのですが、JANISでその耐性を見るというのはできることなのですか。
○柴山構成員 JANISのシステムとしては可能なのですけれども、現在病院で用いられている自動検査機器でコリスチンの精度管理がまだしっかりしていないところがあるようで、データの精度的に問題があるということで、今のところ集計対象から外しています。ただ、それがうまくなるようになれば集計対象に含めたいと考えております。
○渡邉座長 わかりました。検討のほうをよろしくお願いいたします。
 あと、動物でヒトでの場合と違っているところはほかに何かありますか。
○農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課課長補佐 薬剤についてですか。
○渡邉座長 はい。
○農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課課長補佐 これまで家畜ではカルバペネム系の薬剤の薬剤感受精試験を実施していなかったのですが、今年度から実施しておりますので、今後動向調査報告書に追加させていただけるかと思います。
○渡邉座長 ヒトの場合は、チゲサイクリンか何かの使用頻度というのはどうなっているか。余り使われていないですか。
○柴山構成員 私のほうではわからないのですが。
○松永構成員 臨床現場でも大腸菌にチゲサイクリンというのは余り使用していないです。
○渡邉座長 今後考えていただく必要は今のところない。耐性の頻度として。どうですか。
○村木構成員 そうですね。
○渡邉座長 特に要らない。
○村木構成員 保険適用上も厳格に決められている薬になりますので、乱用されて使われることは今、医療現場ではあり得ない状況だと思いますし、ルーチンでデータとして示す必要というよりは、個々の患者さんの状況を見ながら使っていっているのかなと思います。
○渡邉座長 コリスチンは入れたほうがいいですか。臨床的には。
○松永構成員 精度管理がなされれば、ぜひお願いします。
○渡邉座長 では、コリスチンについては、将来的に整えば入れていくということで、よろしくお願いいたします。
○柴山構成員 はい。
○松永構成員 動物分野でもコリスチン使用がかなり話題になっています。ヒト分野がどう変わっているか確認したいです。ヒトでは適応症が狭くて、適正使用されていますが、変化が確認できるとうれしいと思います。
○村木構成員 今後そういう患者さんがたくさんふえるかもわからないので、そうなったら必要になってくるかなと思います。
○渡邉座長 では、そういうことで、よろしく検討のほうをお願いいたします。
 ほかにJANISでの質問等、よろしいでしょうか。
 では、NESIDについて、きょう菅井先生がいらっしゃらないので、柴山先生のほうから説明を簡単に。コメントがありましたら。
○柴山構成員 資料の15ページからになります。先ほどのJANISは検査室で分離される全ての細菌でどれぐらいの耐性菌があるかという割合を見ているものですが、NESIDというのは、耐性菌で実際に感染症を起こした患者さんがどれぐらいいるかというものを集計しているサーベイランスになります。
 主な耐性菌についての感染症の患者数を集計しているのですが、集計対象の耐性菌に関しましては、ほぼ横ばいまたは若干の減少傾向にあると思います。ただ、こちらも非常に数が少ないもの。例えば多剤耐性アシネトバクターであったり、あと、バンコマイシン耐性腸球菌の感染症などはもともとの数が少ないので、年によってばらつきが出ているということだと思います。
 私のほうからは以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 何か御質問等ありましたら。よろしいでしょうか。どうぞ。
○田村構成員 CREというのは1,600ぐらい出ているのですけれども、これは少ないと読んでいいのですか。
○柴山構成員 これは米国等の報告と比べるとかなり少ないと言えると思います。ただ、これが少ないかどうかというのは簡単に申し上げられない。難しいと思うのですが、もともとCREそのものが、カルバペネム耐性の耐性率も日本は非常に少ないですので、実際の感染症を起こした患者数としても日本はこれぐらい。そんな変な値ではないと思います。
○渡邉座長 これはJANISのデータから換算すると、どのぐらいの人数と予想されるのですか。
○柴山構成員 ほぼこの数字になっています。
○渡邉座長 これは報告ですので、全数近いのが報告されているというふうに考えて。
○柴山構成員 そう思います。
○渡邉座長 ほかにありますか。よろしいですか。
 では、続いてその他の耐性菌で、カンピロバクター。これは都衛研のデータですけれども、きょう都衛研の方は。では、事務局から。
○結核感染症課長補佐 こちらは東京都健康安全研究センターの小西先生のほうからデータをいただいておりまして、今回新たな2017年のデータが出されておりますCampylobacter jejuniとcoliのほうが出されていまして、17年のデータについては、フルオロキノロンの耐性などが若干jejuniでは下がっている傾向ですが、逆にCampylobacter coliについては耐性率が少し上がっているような形になっていますが、恐らくnの数自体がそれほど多くないというので、耐性率が率としては容易に変化しやすいのが原因ではないかなと考えています。
○渡邉座長 御質問はありますか。よろしいですか。
 では、続いて、Non-typhoidal Salmonellaで、地衛研のほうでやった四宮先生のほうからお願いします。
○四宮構成員 16ページから22ページまで出ております。データ的には表19から表29になります。表19は、全国規模で共通の方法で感受性試験を開始した2015年から4年間の累計を示しております。すなわちヒト由来では1,502株で、そこに示している血清型が株の数のパーセンテージになります。食品のほうが460株で、やはり株の百分率になります。
 今、ちょっと気がついたのですけれども、食品由来がSchwarzengrundのほうが31.3%なので、順番としてはInfantisを上に書くべきかもしれません。これはちょっと確認してみます。
 ヒト由来と食品由来の数の多い血清型について、血清型別の記載を昨年度から開始していますので、2018年分につきましても、それに加えるような形で表20からそれぞれの血清型について記載しております。過去4年間でそれぞれの血清型別で特に大きい変化はないのですが、この数年間の日本における現状を反映しているのではないかと考えております。
 最後の表29で、ヒトから由来する菌株と、食肉、特に国産の鶏肉が主な食材になるのですけれども、共通して検出されるInfantisとSchwarzengrundとManhattanの耐性率を比較する形で載せております。これは4年間なので、かなりnの数も上がってきて、統計的にも安定した数字になってきているのではないかと思いますけれども、SchwarzengrundとManhattanではヒト由来と食品由来の間で非常によい相関が認められて、食品由来のものがヒトのサルモネラ症の原因菌になっているのではないかということが強く示唆されるところです。
 Infantisのほうは、ヒト由来のほうが食品に比べて大体4割ぐらいの耐性率を示しておりまして、単純に考えれば、Infantisの場合は国産鶏肉由来以外の感染経路、原因食材が存在して、そちらのルートでは抗菌薬による選択圧が余りかからないような状況で、Infantisが生息しているということが示唆されております。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等ありましたら、お願いします。
 経年的に見た場合には耐性率というのはそんなに変わっていないという解釈でよろしいのですか。
○四宮構成員 大きく変わっているところはなくて、傾向としては大体同じかなと思います。細かく見ると、例えば表28のThompsonなどを見ると、2018年の分離株では、18剤のうちナルジクス酸以外は全て感受性を示しておりまして、2015年から17年に比べると感受性株が非常にふえているということを示しています。
 24株のデータを出した地衛研全てで耐性率が0%ですので、地衛研による検査・手技のばらつきとかいうことではなくて、日本で流通している食材に混入しているSalmonella Thompsonの耐性率というのは非常に低くなっているということがうかがえますけれども、これはもともとそれほど高くない血清型ですので、大きく見ると大体安定したデータが得られているのではないかと思います。
 加えて、先ほどお話が出たコリスチンですが、コリスチンも感受性リスク試験をやっておるのですけれども、SIR判定の基準がコリスチンのSalmonella属菌については、精度管理の問題というよりも、判定基準が示されていないので、SIR判定ができない状況になっています。
 それで、阻止円の小さいやや耐性傾向を示した株については、MCR-1から5のマルチプレックスのPCRでコリスチン耐性遺伝子を検出しておりまして、2015~2016年の2年間については対象菌株数が数百株あったのですが、その中で1株はMCR遺伝子を保有して、コリスチン耐性が証明されたのですけれども、パーセンテージ的には大きいものではありません。
○渡邉座長 ありがとうございます
 御質問。どうぞ。
○藤本構成員 そのほかでヒト由来のInfantis、表24は、2017年だけすごく耐性が少なく、これはもともと数が60だということなのか、どこか1つの県からたくさん出たとか、何か理由は、もしあれば、また。
○四宮構成員 確かに17と18を比べると、ストレプトマイシンとかテトラサイクリンについては半分なのですけれども、検体の数とか、それを検出した地域性ということもありますので、2018年は2017年に比べて有意に高くなっているという結論はなかなか難しいのかなと考えています。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかにはよろしいですか。
 ないようでしたら、22ページのNeisseria、淋菌のほうは、きょうはデータ。事務局、どうぞ。
○結核感染症課長補佐 淋菌については、国立感染症研究所の副所長の大西先生からデータをいただいておりまして、続きまして、Salmonella、チフスやパラチフスについては、同じく国立感染症研究所の泉谷先生のほうからいただいております。
 さらに、結核のほうについては、きょう出席されていないのですが、御手洗先生から2018年までのデータをいただいていまして、結核については全体的に新規の患者数自体は減っているのですが、耐性率についてはそれほど大きく変わっていないということでした。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等ありましたら。どうぞ。
○藤本構成員 これもSalmonellaのTyphiが年によってすごく違うのと、Shigellaは輸入例だから違うのか、その辺、適当な説明がつくのであれば、ちょっと書いておかれたらば、見た人がいいかなと思います。
○結核感染症課長補佐 わかりました。またデータをいただいた先生に相談しておきます。
○渡邉座長 ほかに御質問ありますか。よろしいですか。
 結核のほうはよろしいですか。余り耐性率は変わっていないということですけれども。
 では、続いて、Clostridioides difficile。これは松永先生のほう、お願いします。
○松永構成員 Clostridioides difficile感染症について御報告いたします。前半のほうは、前年度報告したとおりとなります。中ほどの「毒素検査及び」というところからですが、前年度の報告に加えて多施設前向き研究を追加いたしました。10,000患者入院日数当たりのCDI罹患率が7.4。ICU病棟では22.2と既存報告よりも罹患率が高く、ICU病棟のリスクが高いことが示唆されております。
 ただし、検体の採取方法や検査方法でかなり差異が出てくるということと、諸外国との比較では平均入院日数の違いなどがありまして、他国、また全体の経時的な比較には注意を要すると思っております。
 また、2019年度よりJ-SIPHEにてCDIの動向調査を開始しております。こちらのほうは毒素、トキシン検出を基本として、統一した基準でサーベイランスしておりますので、そちらの報告は来年度以降できると思っております。
 以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等、いかがでしょう。
 Clostridioidesは、日本は諸外国に比べて少ない、どうしてだという話があるのですが、感染研の加藤先生が前向きなコホート研究で出されたデータ、最近パブリッシュされたデータだと、余り諸外国と変わらないというデータを出されていたような気がするのですけれども。
○松永構成員 そうですね。今回載せさせていただいたのはまさに加藤先生のデータで、既存の報告よりは日本でも高くて、諸外国と似たような傾向があるのではないかというところがあります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 続いて、院内感染の状況で、JANISのほうからお願いします。
○柴山構成員 院内感染症のほうもJANISのほうからデータを提供させていただいております。資料の24ページ、25ページになります。院内感染症に関しましては、手術部位感染、集中治療室における感染症、この2つのデータを提供させていただいております。
 手術部位感染についてですが、これは手術に伴って感染症がどれぐらい起きているかというデータを集計したものになります。2011年から集計しておりますが、横ばいまたは近年若干の減少傾向にあるということであります。
 それから、集中治療室、ICUにおける感染症は、人工呼吸器関連肺炎、尿路感染症、カテーテル関連、血流感染症の発生率を集計しておりますが、いずれもほぼ横ばい、または若干の減少傾向にあるということであります。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等ありましたら。SSIの発生などは2011年に比べると結構減少してきている。非常にいい傾向だと思われますけれども。よろしいでしょうか。
 なければ、続きまして、動物のほうで、JVARMのほうの説明を関谷先生。
○関谷構成員 それでは、25ページの(2)動物というところで、1として家畜由来細菌。これはJVARM、動物由来の薬剤耐性菌モニタリングのシステムの中でやっております。
 26ページの表41は、新しく2017年のデータを追加させていただいております。これは病畜由来、疾病にかかった動物から分離されたもののデータです。同じく表43につきましてもブドウ球菌について2017年を追加しております。
 28ページの表44も同様でございます。
 動きはでこぼこというか、上がったり下がったりというのもありますし、あるいはCLSIのブレークポイントが変更されたというものについては、脚注で注意書きを入れたりということで対応させていただいています。
 29ページの真ん中に農場における健康家畜の細菌ということで、これは2015年までJVARMでは農場から分離をしてモニタリングをしておりましたので、2015年まではデータがあるのですけれども、その後、この後出てきます屠畜場と食鳥処理場由来のものにシフトしておりますので、これは昨年のワンヘルス動向調査報告書と変わりません。農場のデータは2015年までのデータで、これがずっと続きまして、35ページの真ん中までございます。
 屠畜場と食鳥処理場のデータが35ページの真ん中以降にございます。こちらは2016年と2017年、2カ年のデータを追加させていただいております。データの精度管理等、確認の作業をしておりましたので、今回2年度分を追記しております。表51が大腸菌です。その後Campylobacter、38ページ、腸球菌ということで続いております。
 こちらにつきましても変動が若干ございますが、大きなトレンドとしてというものは特段ないのかなと思いますが、上下がありますので、先ほどのような、例えば株数の影響があるのではないかとか、ブレークポイントの変更というところ、注意書きのほうももう一度確認をしていきたいと考えております。
 食鳥処理場由来ということで、41ページ、Salmonellaです。
 42ページにはSalmonellaにつきまして血清型の比較ということで、図1がついております。これは2015年から2017年にかけてのヒト由来、食品由来、食鳥処理場由来、動物由来ということになりますが、その血清型を比較しておりまして、食品と食鳥処理場、動物由来のものは一定の似たような割合で出ているのではないか。一方で、ヒトの血清型に関しましては、このグラフを見ていただくとわかりますように、かなり多様なものが分離されているということで、必ずしも食品からだけでもないのかなといったデータになっております。
 続きまして、43ページからは2の養殖水産分野、魚でございます。こちらは魚の病気の原因菌でございます連鎖球菌。ラクトコッカス感染症のデータは、2015年以降のデータを追加させていただいております。特に43ページの表61を見ていただきますと、2017年からはモニタリングの強化ということで、株数が2017年は105ということで、増加、充実をしているところでございます。
 44ページ、類結節症は特に新しくなっているところがないですけれども、ビブリオ属細菌の耐性率ということで、まだ2017年しかないですが、表63に追記をさせていただきました。
 45ページからは愛玩動物のものでございます。愛玩動物につきましては、疾病に罹患した犬・猫のデータということになりまして、恐縮ですけれども、2017年のデータは昨年の報告書に出ていたものですが、何とか11月の公表までには2018年のデータをこの横に追加させていただきたいと思います。表64から49ページの表67まで2018年のデータを追加させていただきたいと思います。
 また、昨年度から病気ではない、健康な犬・猫のモニタリングも開始しておりますが、今、実施中ということですので、今年の報告書には間に合わないということになっております。
 動物のほうは以上でございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等がありましたら、お願いします。田村先生。
○田村構成員 表59と図1で食品があるのですけれども、これは国内に食品に限定されているのでしょうか。
○農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課課長補佐 こちらの食品とヒト由来については、昨年度四宮先生から提出いただきワンヘルス動向調査報告書に掲載されているデータを活用し比較しております。四宮先生から食品の由来については、ほとんどが国産の鶏肉とお伺いしていたと思いますが、詳細は、四宮先生にご説明お願いできればと思います。
○四宮構成員 これは約9割が国産の鶏肉になっております。
○渡邉座長 どうぞ。
○勝田構成員 済みません。17ページで、先ほどヒトのほうでSalmonellaの血清型、18年度までのデータが出ていて、動物のほうが17年度までで、同じ報告書の中で年度が違うデータが出ているので、どちらかに合わせていただければというのが1点です。
 もう一つは、去年の議事録に載っていたことですけれども、健康畜のモニタリング農場6から屠場ベースになっているのですが、いつまでこの報告書に結果が併記されるのか。
n数的には屠畜場データのほうが多いので、そちらだけを掲載するのでよろしいのではないかというのが質問です。
 あと、野生動物のところですが、薬剤の略号が、他所と全然違っているので修正していただきたい。
○関谷構成員 先生、野生動物については、我々のデータではないので、これから御説明があると思いますので。
○勝田構成員 はい。
○関谷構成員 御質問いただいたところでございますが、まず年度の件でございますけれども、こちらのデータはいろいろな委託事業、国の事業でやっているもので、報告書ができあがるタイミングが必ずしもヒト分野のデータと合わない部分もあるので、そこは比較するときに同じ年度でという必要性はあるかもしれないのですが、この報告書で全てのデータの年度を統一するというのはちょっと難しいかなと考えております。
 農場のほうのデータは、確かに昨年の報告書と全く変わらないので、いつまでというところで、事務局と皆様の御意見もいただければと思いますけれども、いずれかの段階で削除してもいいと我々も思っております。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 確かにSalmonellaのデータは、2018年度までは研究班のデータを使っているので、そういう意味では、報告書として出やすいということがあるので、農林水産省がやられているのは全国的な形のやつを集めて、2018年度は2019年度にも検査しているということなのだと思うのです。ですので、ちょっと違いが出てくるので、それはしようがないのではないかと思いますので、ある範囲内でのデータをまとめていただければと思います。
 もう一つ、質問しようかなと思っていたのですけれども、農場由来のデータをいつまで使うのかと。まず農林水産省として出すデータとして、農場由来のデータと屠畜場、食品処理場由来のデータが相関するということをどこかで言っていただければ、どちらか一方でいいのではないかと思うのですが、それは言えると考えていいのですか。それとも何かバイアスがかかるのでしょうか。
○関谷構成員 こちらは移行するときに、2014年と2015年だったと思いますが、屠畜場も農場由来のものも両方実施しまして、お互いのデータを比べて、移行しても違いはないだろう、バイアスがかからないだろうということの確認はしておりますので、その旨を書かせていただくこともできるかと思いますが。
 済みません。94ページの一番上のところに2012年と2013年、大腸菌とカンピロバクターの薬剤耐性率、MIC5090に大きな違いがなかったことが確認されているということで、サンプリングの移行については、こちらのほうに書いてはございます。
○渡邉座長 ということですので、そうすると、どこか切りのいい段階でシフトしていただいて、シフトいただいたときにも、動物由来のデータ、25ページの「動物」と書いてあるところの最初のところにその辺のところを明記していただいて、今後は屠畜場、食鳥処理場のデータに移行するのだということをうたっていただければいいかなと思うので。それはいつの時点にやるのか、事務局で相談していただければと思うのですが、よろしいでしょうか。
○結核感染症課長補佐 わかりました。またその辺については農林水産省さんと調整しながら進めていきたいと思います。
○関谷構成員 よろしくお願いします。
○渡邉座長 ほかに。四宮さん。
○四宮構成員 先ほどのヒト、食品、食鳥処理場由来の比較のデータの御指摘もあったので、本文では年次報告書2018からの引用ということが書かれているので、図1、図2、必ずしも文章を読まずに、この図だけ見られる方もいらっしゃると思うので、脚注にヒトと食品についてはもう既に出ているものの引用である旨を記載していただければと思います。
○渡邉座長 そうですね。
○関谷構成員 わかりました。ありがとうございます。
○渡邉座長 ほかはよろしいでしょうか。どうぞ。
○藤本構成員 細かいところですが、表41、ブレークポイントにアスタリスクがついていて、これの脚注がないのです。この脚注を見るとわかるのかもしれないけれども、2013年から耐性率が途端に上がっているので。脚注がついてからもう一回。ただ、2つのことがありますので。
○関谷構成員 ありがとうございます。これはCLSIのブレークポイントということです。
○藤本構成員 では、2013年から特別変わったわけではなくて、これはここから急に耐性率とかいろんなものが上がっているようですけれども。
○関谷構成員 確認させていただきたいと思います。
○藤本構成員 もう一点、すごく素人っぽい話ですが、牛と鶏と豚ですごく耐性率が違いますね。薬の使い方とかどうなるかなと思うと、薬のほうでは牛とか鶏とか豚とか分けないでデータが出ているので、皆さんは理由は御存じでしょうから、こういう理由で違いが出るのだということをどこかに書いていただけたらと思います。
○関谷構成員 何が理由でというところがなかなか難しい面もあるので、わかるかどうか検討させていただいて、わかるものに関しては書かせていただくということにさせていただければと思います。
○渡邉座長 これは最後の55、動物の抗菌薬の使用量との関係にもなるのだと思うのですけれども、トータルとしてのやつが出ているので、牛、豚、鳥とかというので、家畜別というのは出せるのですか。
○関谷構成員 推定のものはデータが出ておりますので、ホームページなどには出しています。
○渡邉座長 それと今お話があった耐性率等は相関が何かありますか。
○関谷構成員 使用量に関しては全般的に豚が多いという状況ですが、一定の傾向はあるにしても、動物種同士を比較したときに、使用量が多いほうが耐性率も高くなっているということがはっきりとした傾向として見られるかというと、なかなかそういうところでもない。抗菌剤、あるいは動物種にもよると思うのですけれども。
○渡邉座長 動物の場合、難しいのは、使用方法が飼料添加物で使ったり、治療に使ったり、使い方によって違ってくるのだと思うのです。耐性率と使用方法のうちのどれとが相関があるのかというのが出てくると、この辺が読み砕かれるのだと思うのですけれども、この報告書だけだとその辺がよくわからないので、そこまで検討するというのは大変な。一つの論文を書くぐらいのものになってしまうのではないかと思うのですけれども。
 でも、対策を考える上では非常に重要なポイントで、今回はすぐというのは無理なことで、今後何年かかけてその辺のところが出せるようなことになれば、非常に役に立つのではないかなと思うので、大変だとは思うのですけれども、検討していただくのも一つではないか。
 どうぞ。
○田村構成員 あとは投与方法だと思うのです。牛はどちらかというと個体投与であるのに対して、豚と鶏は集団投与ですので、耐性率も豚と鶏は高い傾向にあります。
○渡邉座長 人間の場合とその辺は違うところだと思うので、なかなか難しいと思うのですけれども、できる範囲で少しずつその辺のデータが加わっていくと、この報告書も世界に向けて出していきますので、日本はここまでやっているのだというふうに見られるので、いい方向に向かうのだと思います。御検討をお願いいたします。
○関谷構成員 はい。
○渡邉座長 どうぞ。
○松永構成員 不勉強で申しわけないのですが、一つお願いがあります。例えば養殖水産分野だったり、サンプル数がそこまで多くないものに関して、どのように採取されてきたかがとても大切ではないかと思います。もしよろしければ、その詳細を御記載いただけるとうれしいです。どこどこの養殖場で何匹とって、平均を出しているなどがわかるとうれしいです。よろしくお願いいたします。
○関谷構成員 ありがとうございます。確認をして記載できるところは記載したいと思います。
○渡邉座長 ほかに質問事項ありますか。よろしいですか。
 先ほどちょっと質問が出たのですが、49ページの野生動物は、きょう浅井先生がお休みなので、事務局のほうから。
○結核感染症課長補佐 野生動物については、岐阜大学の浅井先生からデータをいただいておりまして、シカ、イノシシ、小型げっ歯類、カワウ、アナグマとトカラ牛、アマミノクロウサギというのでまとめていただいております。
 今、見ると、略号が少し違うので、こちらのほうは先生と調整しながら直していきたいと思っていますが、1点、浅井先生のほうからも御指摘があって、事務局のほうでもどちらにしようかと考えているのですが、野生動物なので環境のほうに置くべきなのか、それとも動物のところに置いておくべきなのかという点について、御意見をいただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。
○渡邉座長 ということですけれども。田村先生。
○田村構成員 野生動物には治療はしないので、環境から来ていると思いますので、私は環境に置いていただいたほうがいいと思います。
○渡邉座長 よろしいですか。
(首肯する構成員あり)
○渡邉座長 4に入れると、もう一つは農林水産省のデータからの続きで先ほど質問が出ましたように、農水省からの報告というふうに思われる節もあるので、そういう意味では環境のところに入れてもらったほうが良いでしょうか。でも、環境省から出ているとまた誤解されると困りますか。
○結核感染症課長補佐 次から黒田先生のほうからあるやつ。特に何省からというわけではないと思います。それぞれがお互い協力し合ってデータを出し合っていくのが今回のワンヘルスのレポートでもありますので、適切な項目のところに入れていって、そのデータをみんなで共有していくことが大事かなと思っていますので、そちらについては環境の分野のところでも問題ないかなと思います。
○渡邉座長 まず、環境のほうに入れるということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○渡邉座長 これはリファレンスは書いていないのですけれども、あるのですか。
○結核感染症課長補佐 先生のほうからデータをいただいていますので、そちらのほうも記載したものを環境の項目に移して出したいと思っています。
○渡邉座長 よろしいでしょうか。どうぞ。
○勝田構成員 小型げっ歯類由来では家畜飼養施設からとれた細菌の耐性率が高く、都市部・山間部でほとんど耐性菌が分離されないという結果が表示されています。小型げっ歯類というのはネズミのことだと思うのですけれども、ラットとマウスの違いなど細かなデータはないのですか。
○結核感染症課長補佐 そちらについても浅井先生に確認しておきますので。
○勝田構成員 すごく細かいことなのですが、本文の2行目「野生牛」と書いてあるのですけれども、表中には「トカラ牛」となっていますので、どちらかに合わせていただくように。
○結核感染症課長補佐 こちらのほうを統一しておきます。
○渡邉座長 よろしくお願いいたします。
 よろしいでしょうか。どうぞ。
○藤本構成員 そのリファレンスのところは今度つけてもらうものを引けば、どこからサンプリングしたかというのは誰でも見ることができますか。これはもともと具体的な場所の名前が記してあった表だと思うのですけれども、代表性があるかないかというので大事だと思うので、リファレンスがすぐに見られるような状態であれば問題ないと考えますが、いかがでしょうか。
○渡邉座長 これは浅井先生がどこかにパブリッシュしたデータですか。それとも個人のデータですか。
○結核感染症課長補佐 そちらについても確認しておきます。
○渡邉座長 わかりました。これが個人のデータだとすると、報告書には入れないほうがいいかなと思うのだけれども、一応パブリケーションしているか、または研究班の研究報告書として表に出ているやつならここに入れたほうがいいと思うのだけれども、もしそうでないとすると、今、言ったような形で、どこからとれたのだとか、いろんなクレームが事務局のほうに来る可能性があるので、そのとき、わかりませんと言われると、報告書の信頼性にもかかわるので、どこかの分として出しているのだったら、それをリファレンスにしていただければいいかなと思うのですけれども。非常に重要なデータなのですが、焦ってここで出す必要もないと思うので、ちゃんとしたデータとして出したほうが、今のようないろんな質問が来たときに、わかりませんというのは、報告書としてはまずいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
○結核感染症課長補佐 承知しました。
○渡邉座長 どうぞ。
○関谷構成員 もし載せるのでしたら、薬剤の略称とかが統一されていないようなので、そこを統一していただければ。
○結核感染症課長補佐 そうですね。先ほど勝田先生からもいただいた意見で、そういう部分については修正しておきます。
○渡邉座長 よろしいでしょうか。
 続いて、食品のほうですが、私のほうで説明しますと、これは厚生労働科学研究補助金としてやったデータで、この一部は、先ほどSalmonella等に関しては四宮先生から報告があったところに細かい点が出ています。Campylobacterについては、都衛研がやったデータはCampylobacterのところに入っています。それ以外と、一部オーバーラップしますけれども、それをまとめたものがここに記載されております。特に鶏肉等について、国内と輸入鶏肉との違いが一つは記載されているのと、先ほどコリスチンに対する耐性という話がありましたが、ここでは実際に遺伝子の検出等もやっておりますので、そのデータが加わっているということ。あと、βラクタマーゼに対する耐性もESBLかAmpCかという点についても、国立医薬品食品衛生研究所等で調べたデータの一部がここに載せてあるということで、リファレンスとしては報告書を引いていただければ、もっと詳細はそこでわかるということになります。
 将来的にこの食品のこういう耐性のサーベイをどうするかというのは、今のところ食品衛生管理部のほうは研究班で続けるということですが、将来JVARMとかJANISと同じような形で事業化できるかどうかというのは、今後の課題だと思われます。そのときどこがどういうふうにやるのかという組織的な問題もありますので、なかなか簡単にはいかないというところがあるのが現状であります。
 よろしいでしょうか。
 続いて、環境のほうは黒田先生。
○黒田構成員 環境AMRのほうを御説明いたします。昨年度から厚労科研費で東北大学病院の金森先生を代表としまして、下水処理場、主に水再生センターの放流水を各自治体から提供いただきまして、そのサンプルをメタゲノムという解析方法を用いまして評価すると。一つ一つ分離株を集めてという能力、資金はございませんでしたので、メタゲノム解析という手順をとりました。
 27自治体で北から南まで。守秘義務等もございまして、どこからという細かいところは御説明できませんが、集めたデータをプロットという形で、次の図で説明させていただいています。なかなか聞きなれない単位ではあるのですが、次世代シークエンシング・NGSでよく使いますFPKM、Fragments Per Kilobase of exon per Millionというのは、遺伝子当たり、または解読リード数当たりのAMR遺伝子の濃度という意味合いと考えていただければいいと思います。放流水でありながら、100FPKMぐらいの濃度で平均的に見られるという形になりました。例えばサルファ剤、アミノグリコシド、βラクタム、マクロライド、テトラサイクリン、キノロンと満遍なくどの薬剤に対してもARG、耐性遺伝子が見つかるという状況であります。これを2018年度のデータとして、第1回目を提出できたということになりました。一つの基準になるかと思います。
 比較できるデータがあるのかということで、デンマークのDTUが世界の下水流入水、入ってくる、処理前の水に対しての報告がNature Communicationsに出ていましたので、それを一つ概説したものもこの中に入れております。例えば流入ですと、ブラジルが4,600。アフリカ2,030とかなのですが、オセアニア、ニュージーランド、オーストラリアみたいな国だと、流入、入ってくるものですら500ぐらいの濃度でしかないという、非常にきれいな水をさらに処理するという状況です。日本の100FPKMというのは若干濃いなというのが現状の印象ではあります。これからどうなるかわかりませんので、一つの基準とお考えいただければと思います。
 あと、東京湾岸で臨床分離株とほぼ同等と思われるような遺伝型、薬剤耐性を持つKPC-2及びNDM-5保有株も分離した状況の論文報告を説明させていただいています。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等ありましたら。どうぞ。
○藤本構成員 FPKMですけれども、今、先生から説明を聞いたらとてもよくわかったのですが、この言葉が最初に出てきてしまったので、ネットで調べて、延々と説明を英語で読んで、わかったかと思ったら、これは違うことに応用しているのだというのがわかりまして、ですので、皆さん、同じことになってしまうと思いますから、これはほかの場所でも同じ方法で計算しているということが後ろのほうに書いてあったと思いますので、そのことを一つ書くことと、あと、濃度に相当するものなのだということを2つこの言葉の前につけていただけると、一生懸命調べる人も減るし、皆さん、すっとおさまるのではないかと思いますので、御検討ください。
○黒田構成員 ありがとうございます。承知いたしました。
○渡邉座長 今、WHOはこういう方法で世界的な比較をしようという流れなのですか。
○黒田構成員 WHOのGlobal Sewage Project、下水プロジェクトは、流入水、ポリオウイルスとほかのものも対象にした研究のようでして、放流水という形では、日本、プラスアルファで個別に例えば大阪の淀川とかいう形では研究されています。WHOでは流出、放流水のほうはまだやっていないという形です。
○渡邉座長 今、日本では放流水ですけれども、流入水もやられているのですか。
○黒田構成員 私が知る限りでは、GAPⅢとポリオウイルスでの検査等でエンテロウイルス等ではやっているかと思います。
○渡邉座長 なぜ聞いたかというと、下水処理場を通すことによってこういうものが減るのか、ふえるのか、その辺はどういう見解なのですか。
○黒田構成員 一般的な感じではあるのですが、1,000倍から100倍ほど濃度として菌が処理される、また、ARGが減るというのが世界各国での共通認識だと思います。
○渡邉座長 下水処理場で沈殿をやったりとか、消毒薬を加えたりというのは、耐性菌または耐性遺伝子を減らすのには有効であるというスタンスなのですか。
○黒田構成員 もちろんであります。ただ、塩素だけですと、対象が薬剤耐性菌と限られてしまいますので、ノロウイルスですとか、ほかの病原体へのケアもしなければいけないということで、UV+オゾン処理といったものに対しての活用が今、図られているといったところです。
○渡邉座長 ほかに御質問はありますか。よろしいでしょうか。
○田村構成員 国によってこの数値の差があるのですけれども、前、少しほかの先生に聞いたことがあるのですが、抗菌薬の工場排水の規制が各国でばらばらで、特に多いと言われた国は全く規制がかかっていないので、そのまま放置されていると。日本もその基準はないのですけれども、大手の薬屋さんの工場はみんなそういうのを排出しないように努めているからという解釈でいいのですか。
○黒田構成員 申しわけありません。そのあたりの抗菌薬濃度について、つまり、残留の抗菌薬濃度の規制等は、私が知るところではないので何とも言いがたいのですが、いろんなところの排水で濃い場所は必ずありますので、そこは徹底的に浄化していくという努力は必要だと思います。
○渡邉座長 この後、排水された耐性遺伝子または耐性菌がどういう形でヒトの健康にリスクを及ぼすのかというリスク評価などもやっていかないと、こういうことの社会的影響というのが大きいと思います。世界的にはどういう傾向なのですか。
○黒田構成員 例えばブラジルでのリオオリンピック、薬剤耐性菌の多い中でセーリングするとか、今回東京オリンピックで言えば、お台場付近とか、浄化されているところで開催できるかどうかという不安はあります。そこにAMRだけでなくて、ウイルスといったものも重要なのかなと個人的にはありまして、例えばノロウイルスの感染伝播はヒト・ヒト感染が最近多い。それは無症候性の患者さんがふだんから排菌しているというところが大きな問題でありますので、恐らくそういった無症候群、またはAMRの健常者、キャリアといったものと合わせた対策というものを環境というセットでやっていくのも一つの手段かなと思っています。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかに御質問よろしいでしょうか。
 続いて、抗菌薬の使用状況等で、これは村木先生、お願いします。
○村木構成員 抗菌薬のヒトにおける使用なのですけれども、昨年度から変えた点としましては、2018年のデータが出ましたので、そこの部分をAMR臨床リファレンスセンターの日馬先生と一緒に確認しながら更新しました。成果目標の基準となった2013年と比較して、2018年はいずれも内服薬は減少しております。一方、注射薬はふえているという状況にあるのですけれども、高齢化が進んでいたりということもあって、なかなかここの部分を減らすのは難しいのではないかと思っております。
 3段落目のところが今回新たに追加した部分です。WHOが抗菌薬適正使用の指標としてAWaRe分類、必須医薬品リストというのがあります。1枚めくっていただいて、55ページの表71がAWaRe分類により分類した使用動向として示させていただいています。3つ分類されていまして、Access、Watch、Reserveとなっているのですが、Accessは、一般的には古典的なペニシリンだとか第1世代セファロスポリンが該当するので、こういう手ごろで安価な幅広く使える、耐性化の懸念の少ない抗菌薬と定義されています。
 一方、Watchというのは、耐性化が懸念されるため、できるだけちゃんと使いましょうというのがカルバペネムとかそういうお薬になるのですが、それがWatchです。
 Reserveに関しては、リネゾリドとかダプトマイシンとか、チゲサイクリン、そういった最終手段に使うべき薬が指定されています。
 WHOはAccessの割合を60%以上にすることを目標としているのですが、60%というのは我が国では現実的ではないかなと思っているのですが、日本は他国と比較してもAccessの占める割合が15%と少ない傾向にあります。しかしながら、13年から比べてみますと、Accessの使用割合というのは経年的に徐々にふえてきておりますし、特にWatchも79%から73.3と減少傾向にありますので、ちゃんと使えて、Accessの使用割合がふえてきているというのは、アクションプランの成果が得られているという一つの判断材料にもつながるのではないかと思っております。
 表69、表70については2018年を追加しておりまして、表72につきましては、それを力価換算したものになります。力価換算したものは2013年のトータル562.6トンというところから、2018年の582.2トンとなっているのですが、セファロスポリンの3世代やマクロライド、キノロンというところは減っていますが、アンピシリン・スルバクタムやピペラシリン・タゾバクタムといったβラクタマーゼ配合ペニシリンが顕著に増加しているというところと、ST合剤の使用量が増加している。こういったところも免疫低下患者さん、高齢者や化学療法をする患者さんが増加しているというところもあると思いますし、ピペラシリン・タゾバクタムやスルバクタム・アンピシリンは、1日使う量としては、維持量がほかの薬に比べて多いですので、このトンとした場合には全体的にはふえているのかなと考察しております。
 以上になります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
○渡邉座長 AWaReというのは、なかなか聞きなれない言葉だったので、一般の人がこれを読むと、Accessというのはどんな薬なのというので、もうちょっと表か何かでどんな薬かというのを示すことができますか。
○松永構成員 こちらは、AMRCRCの薬剤疫学室のほうでまとめた表をウエブサイトのほうに載せておりますので、そちらを引用する形で載せるということでよろしいでしょうか。
○渡邉座長 はい。お願いいたします。
 もちろん、そこを見るのも一つですけれども、「“Access”(一般的な感染症の第一選択薬、または第二選択薬として」云々と書いてあるところに簡単に、先ほど話があったペニシリンならペニシリンとか第1セファロスポリン系とか、代表的なものを幾つか入れておいていただくとイメージがつくのではないかと思います。
 ほかに何かございますか。
 これも前にアクションプランの中で日本の抗菌薬の使用状況が示されていたところで、日本は第3、4のセファロスポリン系が多いというのがわかったのですが、ほかの国と比べると大分違うなというのが日本の特徴なのだと思うのです。Accessが17.1というのは、先進国の中では何番目に悪いのですか。
○松永構成員 順番までは確認していないのですけれども、世界各国を並べた表が出ていまして、日本は質の部分では低いほうの部類に入っていました。
○渡邉座長 WHOがこういうクライテリアを使うとなると、日本もそれに合わせた形でのデータを出していかないと、そういうところをぱっと見て日本の評価がされてしまう可能性もあるということですかね。
○村木構成員 そうですね。ただ、Accessに該当しているのがセファゾリンとかアンピシリンとか、供給困難になっているところなので、今、その話題を出すと、現場から結構反対を買うことになるかなというところも気がかりです。
○渡邉座長 確かにそうですね。
○松永構成員 もう一つ、先進国、例えばイギリスは、WHOが出したものと自分の国の抗菌薬が合っているか修正して、自分たちの現状に合ったAWaReをつくっているというところもありますので、そのあたりも慎重に比較していく必要があるかなと思っております。
○渡邉座長 わかりました。なかなかこの辺は出し方が難しいということになるかと思います。
 ほかに御質問等ありましたら。よろしいでしょうか。
 では、動物のほうをお願いいたします。
○関谷構成員 動物のほうは55ページの下のところから始まります。次のページ、表73ですが、原末換算量、毎年出しているものの2017年のデータが出ましたので、追記をさせていただいております。表73は全体で、次に畜産動物ということですけれども、合計量としては増加してしまっているという状況にございます。ただ、そういう中でも、例えば第3世代、サードジェネレーションのセファロスポリンとか、あるいはフルオロキノロンの原末換算のトン数からいきますと、これらが大幅にふえているということではないというところが救いの部分かと思います。この原末換算のトン数でいきますと、ヒト分野のほうでのトン数が最近出てまいりましたが、それと比較しても第3世代セファロスポリン、あるいはフルオロキノロンの原末換算のトン数というのは非常に低いということがおわかりいただけるかと思います。そこは一つのポイントかと考えております。
 水産動物のほうが57ページの表75にございます。これも17年のデータを追加させていただいております。58ページは愛玩動物になっておりますが、こちらは2016年のヒト用の抗菌剤です。犬・猫のペットの獣医療の中では、動物用医薬品だけではなくて、ヒト用の医薬品の抗菌剤を使用するということが獣医さんの裁量でなされております。ヒト用のものの調査として初めて2016年のデータをとりましたので、それを表76に追加したということと、2017年の動物用の抗菌剤のデータが新しく出ましたので、追加させていただいております。
 ここのヒト用のものの動物領域で使っている使用量の調査というのは、なかなか諸外国でもなされていないような状況の中で、ヒト用の医薬品の卸の業界さんにも御協力いただいて、データをとったというところでございます。ヒト用の抗菌剤も愛玩動物向けに販売されているということが明らかになっているデータになっています。
 抗菌性飼料添加物のほうが表77にございます。これも2017年のデータを追加させていただいております。ポリエーテル系が増えているという状況でございます。逆にポリペプタイド、これはコリスチンが指定をされて、使用されていたのですが、2018年に指定を取り消して、飼料添加物としては使用禁止になっておりますので、その影響による減少があると思います。また、2018年のデータではコリスチンに関しては指定が取り消されたのでもっと減るということになるかと思います。
 農薬のほうも2017年のデータを追加しております。
 動物分野は以上でございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等をお願いいたします。黒田先生。
○黒田構成員 先ほど75の水産動物の確実に使用量が上がっているマクロライドとテトラサイクリンの量のところですが、海洋で使われる水産業なのか、河川等にも流れ得る使用量なのか、その辺を区別できるのか教えていただければと思います。
○関谷構成員 特にマクロライドの使用量が増えておりまして、これは連鎖球菌症という海産魚を主体とした疾病がございますが、その魚の病気に使用がふえてしまっていると推測をしております。これに関してはかなりいいワクチンがありまして、それでしばらくは非常に抗菌剤の使用が減っていたという状況があったのです。ところが、性状の違った菌によるものが出てきまして、そのワクチンでは防御できないというものが出てきて、それでマクロライド等がふえているのではないかと考えております。
 新たな株に対してのワクチンというのも承認はされたところであると思うので、少しずつそちらにシフトしていければなという状況かと思います。現状としてはそういうふうに考察をしております。
○渡邉座長 ほかに御質問ありますか。田村先生。
○田村構成員 表73ですけれども、これは2013年度を見てみると、水産と同じようにマクロライドが物すごくふえています。15員環が承認された、あのものが使われたからふえたということではないのでしょうか。
○関谷構成員 表73には水産も入っていて、水産がふえた分が恐らくきいてきているのではないかと思います。新しく15員環のマクロライドが承認をされたということで、それが全体を増加させるほど増えたということではないかと思います。
○田村構成員 アクションプランをやっている最中に抗菌薬の使用量がまた上がってきたというのは非常に気になっていて、これについてはぜひ考察を入れてほしいと思います。
○渡邉座長 どうぞ。
○勝田構成員 これは純粋に使用量なので、家畜の飼養頭羽数とリンクしているわけですから、もし家畜の飼養頭羽数がふえているのであれば、ふえていても仕方がない。逆に減っているのにふえてきているのであれば気になる結果になります。飼養頭羽数は畜産統計でわかると思うので、そのあたりもリンクさせて、考察していただければよいのかと思います。
○関谷構成員 わかりました。
○渡邉座長 よろしいですか。
 トンであらわしている母数というか、何に対してどのぐらいというのがわかればですね。
 よろしいでしょうか。水産と農薬。どうぞ。
○村木構成員 水産というのは、餌として上げるのですか。魚、個体にワクチンというのは、一匹ずつに。
○関谷構成員 ワクチンは注射するものでございますが、抗菌剤は餌にまぜて。
○村木構成員 海水とかそういうところにまくということですか。
○関谷構成員 生けすのところでまくのですが、養殖魚はおなかが減っていますので、餌と混ぜてやれば、全部食べてしまうということにはなると思います。垂れ流してしまうということではないと思います。
〇村木構成員 それは自分の興味だったのです。
 表79は更新したほうがいいですね。恐らく2017年の分を。
〇結核感染症課長補佐 そうですね。更新する。
〇村木構成員 最初のときは全体が出そろうまでアップデートできなかったのですけれども、実際これを完成させるときには、ここの部分も2017年までは1年分ふやせるかなといますので、また対応したいと思います。
〇結核感染症課長補佐 ありがとうございます。ぜひそうしていただけると、これまでの継続的な違いがわかって、おもしろい結果になるのではないかなと思います。
○渡邉座長 そういう意味では、まだ追加しなくてはならないデータが幾つか指摘されてきていますので、それは最終報告書のところにはちゃんと入れ込んでいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続いて、抗菌薬適正使用についての研究ということで、これは松永先生のほうから。
○松永構成員 よろしくお願いします。これまでアウトカム指標がメインだったのですけれども、今後AMR対策の対象を考える上で、プロセスの一つ、抗菌薬適正使用について把握することも大切ということで、まとめさせていただきました。簡潔に説明させていただきます。
 1は、成人・小児の外来における抗菌薬処方についてです。2012年度の外来受診データでは770万人のレセプトデータを確認し、約8.8%に抗菌薬が処方されていました。処方内容は文章中にあるように、第3世代セファロスポリン、マクロライド、フルオロキノロンが多くを占めておりました。また、60%が気道感染症に処方されております。
 表81、82に追記があるのですが、上気道炎及び急性下痢症では、若い世代及び診療所で抗菌薬処方が多かったという事実があります。
 65ページ、2.成人・小児の急性非細菌性上気道感染症についてです。2005年の状況ですけれども、上気道炎に対して約60%に抗菌薬が処方されて、前述と同様な抗菌薬種類が主に使用されておりました。表83にあるように、オッズをとりますと診療所の処方頻度が高かったという事実があります。
 続きまして、65ページの下のほうになります。こちらは2013年から15年までのレセプトデータを使用した上気道炎の検討になります。
 66ページの図4を見ていただきますと、縦軸が抗菌薬の使用割合、横が年齢になるのですが、ペニシリンやセファロスポリンの処方割合というのは0歳から5歳が非常に多くて、40歳前後まで持続的にずっと下がってきて、その後横ばいになるというデータがございます。
 続きまして、図5は同じデータを使ったものになります。こちらは100上気道炎当たりに何人抗菌薬が処方されたかということになります。100非細菌性上気道炎当たり大体31.65抗菌薬が処方されている。これはガイドラインに照らし合わせると適正は5~7%ぐらいと言われていますので、高い現状があります。
 ただし、12年の最初から経時的に見ていきますと、期間の最初と最後では約20%近く減少傾向を認めておりますので、非細菌性上気道炎に関する抗菌薬処方が適正化されてきているのではないかと推測されます。適正使用のターゲットの一つと考えております。
 68ページ、3.成人の単純性膀胱炎に関してです。単純性膀胱炎の処方は、セファロスポリン及びファロペネム、フルオロキノロンが全体の94.7%を占めております。こちらは欧米とは抗菌薬種類が異なる傾向です。表86、フルオロキノロンは中央値で大体5日処方されており、ガイドラインよりも長期に使用されている事実がわかりました。本邦では欧米と使用できる抗菌薬が異なるため、今後必要な抗菌薬に関しては使用できるように取り組む必要があると考えております。
 69ページの下、4.成人・小児の急性腎盂腎炎に関してです。1,000人年当たりに1.7人腎盂腎炎にかかっているという事実がございます。割礼習慣がなくて、医療アクセスのよい本邦では、乳児期まで男児が非常に多くて、それ以降女児がふえていくという形です。欧州よりも少し乳児の男児の比率が多いという現状が把握できました。
 70ページの表88ですが、急性腎盂腎炎に対する全体的な抗菌薬の使用傾向ですが、こちらのほうも広域抗菌薬が非常に多いという現状が見てとれました。
 70ページの下、5.小児の急性上気道炎になります。こちらは2005年1月から2014年の情報です。JMDCのデータベースを用いたレセプトデータですが、第3世代セファロスポリン、マクロライド、ペニシリンの順番で小児の上気道炎に対して抗菌薬が処方されていたという形になります。
 表90が2つあって申しわけないですが、下のほうの各因子のオッズ比ですけれども、こちらのリスクを見てみると、小児の中で年齢の高いことであったり、男児であったり、診療所であったり、小児科以外を標榜している診療所、時間外受診というものが、上気道炎に対して抗菌薬を処方するリスク因子であったという検討がなされておりました。
 6.小児の急性下痢症に関してです。小児の急性下痢症自体、ほとんど抗菌薬処方が不要なことが多いものです。一方で、約30%に抗菌薬処方がされていて、ホスホマイシンがメインで使われていたという形になっております。時間外の受診であったり、小児科への受診に対して抗菌薬が処方されることが多かったとありました。
 73ページ、7.小児の溶連菌感染症に関してです。ガイドラインで10日間のペニシリン治療を推奨していますが、本邦では第3世代セファロスポリンが抗菌薬として最も多く使用されておりました。日本では5日間のセファロスポリンによる治療が好まれる傾向があるのではないかと考えております。
 大変長くなって恐縮ですけれども、現在のヒト分野の抗菌薬使用状況を確認することで、抗菌薬適正使用に対する啓発や啓蒙の対象を定めて、効果的な対策につなげていきたいと考えております。
 非常に駆け足で申しわけありませんけれども、以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等ありましたら。どうぞ。
〇釜萢構成員 今回の抗菌薬適正使用についての研究というのがこの報告書に出るのは初めてだと思いまして、大変画期的なことで、示唆に富む内容をたくさん含んでおるのですが、これは出典はどこかに出てくるのでしょうか。
〇結核感染症課長補佐 出典のほうは報告書に入っております。
〇釜萢構成員 1のものについては国民健康保険のデータを用いたということで、2012年の1年間にこういう結果であったということですね。
 2の非細菌性上気道炎感染症については、大分古いデータで、4,325例が解析されているということですが、このようなものについては、今後継続して調査が行われるものなのかどうかという点を伺いたいと思います。
 その後に出てくる部分ですが、「抗菌薬処方のリスク因子」という表現ですが、内容はわかりますけれども、抗菌薬を処方することがリスクだと言うことについては、ちょっと違和感があるなと感じます。
 診療所の処方が多いというのは、そのように事実として出ているわけですが、診断が非常に困難な場面で処方が行われるという面もあるので、そのあたりについてのコメントとか、何か配慮があったらいいなと感じます。
 「診療所」という表現と「クリニック」という表現がありますが、そこは統一されてもよろしいのかもしれません。そのあたりについて教えていただければと思います。
○渡邉座長 お願いします。
○松永構成員 貴重な御意見ありがとうございます。私どもは、上気道炎が非常に重要なターゲットと考えており、レセプトデータの検討を進めております。66ページの下あたりの検討は、私たちで検討させていただいたデータとなり、近年のデータです。経時的に比較することが大切ですので、今回、過去分も含めて載せさせていただきました。
 「リスク因子」という表現は、おっしゃるとおりで、危険ととられてしまうので訂正します。
〇釜萢構成員 途中でごめんなさい。「因子」とか「属性」とか、そんな表現にしてもいいかなと思いました。
○松永構成員 言葉を気をつけるようにしていきたいと思います。
 あと、私どもも診療所での迅速診断による診断の重要性というのは重々承知しております。診断がつかない状況も非常に感じておりますので、適正な迅速診断ができるような体制を整えていくということも重要なことだと思っております。どうもありがとうございます。
〇釜萢構成員 どうぞよろしくお願いいたします。
○渡邉座長 では、言葉の使い方はなかなか難しいところで、適切な言葉に改めていただければと思います。
 藤本委員。
○藤本構成員 駆け足で言葉の統一のことであれですが、66ページの下から2行目の「100非細菌性上気道感染症による受診」で、100が全部これにかかっているので、できたら「非細菌性上気道感染症による受診100当たり」というふうに変えていただけたらと思います。
 67ページの中段、表84の上のところにある「その他の病院」。有床診療所は病院ではございませんので、「医療機関」という言葉が適当ではないかと思っています。
 同様に68ページの「100非細菌性」も適切に直していただければということ。
 その上の「並存」は、こういう字もあるのですが、併存疾患とか、普通「並」は使わないので、普通の「併存」にしていただけたらと思います。
 表85の抗菌薬の種類のところに「ペニシリン」とございますのが、βラクタマーゼの阻害薬が入っているものを含めているのか、含めていないのか、はっきりしないので、これははっきりさせていただければと思います。
 割礼習慣に関係する記載があったかと思うのですけれども、これはエビデンスがあるのかどうなのか。結構議論の分かれるところだと思いますので、あれば文献を引用されたほうがいいかと思います。
 73ページの表92の上のところに「細菌性感染症の診断名」とございますが、これは保健のデータを使っているので、病名ではないかと思いますので、病名にされるといいかと思います。
 75ページの「環境」の上のところに「治療が好まれる傾向がある」と書かれていますが、これは一般的なことを指しているのか、あるいはこのリサーチのことであるのか。もしこのリサーチのことであるのであれば、「傾向があった」ということでいいかと思います。よろしく御検討をお願いします。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかに御質問。どうぞ。
〇村木構成員 もう4時に近づいてきているので。全体的にすばらしい内容なのですけれども、ワンヘルスの報告書になっていますので、経年的にこのデータが足していけるのかどうかという表になっているかというと、なっていないところもあるのかなと思いました。例えば表81、82は、先ほども御指摘がありましたけれども、年が2012年から2013であるとか、65ページのものは2005年のデータであるとか、一方、図4、図5もこれから年を追ったらどうなるのかとか、確かに項目として挙げてあることは重要な要素が並んでいるのですが、それが年での評価ができないですし、用いている対象集団も限定されているとなると、表87や88は今まで議論してきたような表の見方と異なるかなと思いますので、今回はこういう形でいいと思うのですけれども、ワンヘルスの動向調査報告書ということであれば、そういう形でまとめていくような分類だとか示し方を今後御検討されればいいのかなと思います。
○渡邉座長 松永先生。
○松永構成員 ありがとうございます。
 例えば本年は現状のまとめとして入れさせていただいて、上気道炎などAMRCRCが保有していて経年的に追えるものに関しては残していただくとかという形も可能なのでしょうか。
○村木構成員 (6)の一番最初のところに、これまでにそういう報告されているところでそういった研究をまとめたみたいな書きっぷりがあれば、その後に出てきているところは違和感がないと思うのですけれども、これを経年的にずっとやっていくみたいだと、ちょっと読み手も混乱しますので、表81とか83とか、いろいろあるやつも、いつの時点のどういったものなのかというタイトルに気をつけるとか、そういう配慮をすれば、今回このままでも結果を示すことはできるのかなと思います。
○渡邉座長 貴重な意見ありがとうございます。
 これは後の国民へのいろんな調査等との兼ね合いも含めて、啓発をやった結果がどういうふうに反映されるのかというデータは非常に重要だと思いますので、この結果は研究班の事業なのですか。
○松永構成員 JMDCデータを使ったものに関しては大曲班の研究データとなります。
○渡邉座長 そうすると、お金がないと、これは当然続けられないということになるわけですね。
○松永構成員 そうですね。
○渡邉座長 そこは厚生労働省と相談の上、いつかの時点でこれがどういうふうに変化し得るのかということを、これからまた説明があるアンケート調査との関係も含めてやっていただけると、一つの行動変容というか、ビヘービアチェンジとの関係からしても非常に重要な示唆になると思うので、その辺も計画を十分練っていただければと思います。今回のこの報告に関しては、先ほど村木先生からサジェスチョンがあったような形でまとめ直しをお願いできればと思います。
○松永構成員 ありがとうございます。まとめさせていただきます。
○渡邉座長 ほかによろしいですか。
 時間も押してまいりましたので、今、ここに環境のところがあるのですが、75ページの環境はどうしますか。いいですか。
○結核感染症課長補佐 はい。次に進んでください。
○渡邉座長 続いて、国民の意識調査。これも簡単に。
○松永構成員 ごく簡潔に説明させていただきます。意識調査1ですが、国民を対象とした意識調査になります。2017年に続き経年的に行っている調査です。結果としては、回答者の半数程度が風邪を理由として抗菌薬を内服されていたということや、同様に約半数がインフルエンザや風邪に対して抗菌薬が有効であったと回答があります。2017年と2018年度の調査では、回答の結果はほぼ同様だということになっております。国民の意識を変えていくためには、さまざまな手法を用いた啓発活動を継続的に行っていく必要があると考えております。
 2.医療機関受診者を対象とした意識調査になります。これは2018年に中浜先生が行ってくださったもので、診療所を受診した方に関しましては、83.7%が風邪へ抗菌薬を処方されたことがあると回答しております。風邪に抗菌薬が効くと回答した方が非常に多くて、その理由というのは、風邪症状の緩和や細菌性気管支炎の予防に効果があるという結果となっております。医療機関受診者の多くは抗菌薬を処方された経験があって、風邪に抗菌薬が効くとの誤解が多かったということと、抗菌薬処方を希望した患者の多くが今後も処方を希望していたものの、医師の説明には納得するという回答が多かったということから、医師と患者のコミュニケーションの重要性が示唆されます。
 続きまして、2番の医療関係者への調査。1、2に関しましては前年度と引き続きですので、割愛させていただきます。
 最後の3.診療所勤務医師を対象とした意識調査になります。こちらは2018年2月に行われた検査です。感冒と診断した患者が抗菌薬を希望する割合は約半数が「0から20%」ぐらいでした。抗菌薬処方の希望に対して、医師側が説明した上で処方しないという回答は32%ぐらい。一方で、希望どおり処方したり、納得しなければ処方するというのは60%近くいらっしゃいました。、患者や家族による抗菌薬の希望が少なくなく、不必要と説明している回答者は80%に及ぶものの、最終的に処方してしまっているという様子がうかがわれております。
 一方で、非常にいい点ですけれども、表117、抗菌薬の処方機会は以前と比べて減ったというのが4割弱いらっしゃいまして、変わらないという方も6割。ふえていると回答された方はいなかった。また、回答者の半分以上が2020年までに抗菌薬の使用量を減らすと回答したということは、非常にいい傾向ではないかと考えております。
 アクションプランを達成するために必要なこととしては、過半数の回答者が市民向けの広報や患者向けの説明資料を挙げられていましたので、AMRCRCとしてはこちらのほうの資材を充実させていきたいと考えております。
 以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 コメント等がありましたら。大変なアプローチで、これは継続する以外にはなかなか。そういうものが浸透していくということが一番重要ですので、今後の努力も期待したいと思います。よろしくお願いします。
○松永構成員 はい。
○渡邉座長 家畜飼育者等への調査のほうをお願いいたします。
○農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課課長補佐 84ページ、(3)から始まりますが、表120のほうに家畜飼養者の結果について。昨年度は2017年度を掲載しておりましたものに2018年度を追加しております。産業動物臨床獣医師への調査につきましては、表121に同じく2018年度を追加しております。意識調査の結果といたしましては、ヒトと同様、飼養者については余り変化がなく、産業獣医師につきましては、85ページの下から2行目に記載しておりますように、対策アクションプランの認知度は7.3%上昇しているのですが、今後も一層認識を高めていくための活動が必要な状況と考えております。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等、よろしいですか。
 その次の参考資料については、皆さん、もう一度読んでいただいて、前年度とほとんど同じなのだと思いますけれども、追加するべきところがありましたら、よろしくお願いいたします。
 全体としていかがでしょうか。コメント等がありましたら。先ほどからいただいているいろんなコメントを参考にした形で、もう一度御自分が担当されるところを見直していただきまして、事務局のほうにいつぐらいまで出せば。今月いっぱい。
○結核感染症課長補佐 そうですね。可能な限り早ければいいですが、一部11月にならないとというケースもあると思いますので、その場合でもできるだけ早くいただければ、こちらのほうで反映して対応するようにしたいです。そして委員の先生方にメールで見ていただいて、最終的には報告書として出したいと考えています。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 2時間で全体を見るというのはなかなか大変な作業だったわけですが、皆さんの御協力で何とかこぎつけましたので、あとは最終報告書に向けて、先ほどから出ていますコメント等に沿った形で事務局のほうにリバージョンを送っていただければと思います。
 もしないようでしたら、きょうはこれで締めさせていただきますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 事務局のほうからどうぞ。
○結核感染症課長補佐 特にございません。事務局のほうで報告書をまとめますので、また座長の先生、委員の先生方、御協力をお願いいたします。
○渡邉座長 では、きょうはどうもありがとうございました。