第2回 国立感染症研究所BSL-4施設の今後に関する検討会 議事録

日時

令和2年12月11日(金) 13:00~14:30

場所

WEB会議

議題

  1. (1)国立感染症研究所BSL-4施設の今後に関する検討会報告書(案)について
  2. (2)その他

議事

○河岡座長 ただいまより、第2回「国立感染症研究所BSL-4施設の今後に関する検討会」を開催します。
皆様には、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
本日の検討会は、対面ではなく、ウェブ開催としております。
本日は、構成員7名全員御出席いただいております。また、傍聴に関しては、ユーチューブライブ配信の予定でしたが、都合により、録画で配信ということになります。
まずは、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
よろしくお願いします。
○課長補佐 構成員の皆様にはあらかじめ送付しておりますが、議事次第、資料1、資料2となります。
お手元にないようでしたら、教えてください。大丈夫でしょうか。
それでは、以降の議事進行は河岡座長にお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
○河岡座長 皆様、よろしくお願いします。
これより、議題に入らせていただきます。
議題1「国立感染症研究所BSL-4施設の今後に関する検討会報告書(案)について」、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○健康危機管理・災害対策総括調整官 総括調整官の鷹合です。よろしくお願いいたします。
資料1で報告書案のポイント、資料2で報告書案本文を提示させていただいております。
資料2の報告書案本文で御説明いたします。
第1回検討会で御説明させていただきましたが、本検討会は、具体的な移転先の議論ではなく、移転先に必要な要件等について議論いただくことを考えており、第1回ではその意見をいただきました。第1回検討会での西條先生の研究班報告書の御説明や委員の皆様の御意見等を踏まえまして、事務局にて報告書案を作成し、委員の皆様に御確認いただいたものが資料2の報告書案でございます。
以下、主要な点を御説明させていただきます。
1ページ目でございます。「1.はじめに」で新型コロナウイルス感染症の流行を引き合いに、国際交通網の発展により感染症の流行が短期間で世界中に広まる恐ろしさを実感したこと、既に1996年のWHOの警告で地球規模での感染症により危機に瀕しておりどの国も安全でないとあること、2001年の炭疽菌テロ、SARS、インフルエンザパンデミック、エボラ出血熱といった国際的に脅威となる感染症が頻繁に発生しており、感染症対策のさらなる強化は最重要課題であるとしております。また、2段落目から、感染研BSL-4施設のこれまでの動き、本検討会を開催するに至った経緯について記載しております。
続きまして、2ページ目になります。「2.BSL-4施設の必要性」で、2段落目になりますが、一種病原体の国内への侵入による感染症の発生の危険性があり、BSL-4施設は、検査診断、科学情報収集分析、診断・治療・予防に関わる研究開発、病原体の適切な管理、研究人材の育成、バイオリスク管理手法の観点から設置は必須である旨を記載しております。
続きまして、3ページ目になります。「3.移転する場合の立地条件等」について記載しております。現在、新型コロナウイルス感染症の流行に伴いまして、感染研の体制強化について議論されており、その推移を見守る必要がありますが、BSL-4施設の設置は喫緊の課題であることから、施設立地の条件を整理しました。(1)でBSL-4施設だけをほかの施設と位置的に離れたところに設置してはならないということを記載しております。(2)で厚生労働省本省と近距離であることは必要であるとしております。現在、新型コロナウイルス感染症の流行によりオンライン会議等が進みつつありますが、緊密に連携し意見交換や情報共有を行うために、「顔の見える関係」を構築することが重要なので、近距離であることが必要であると記載しております。
次のページになります。(3)国立国際医療研究センターがおそらく1類感染症を診察する機会が多いので、国立国際医療研究センターとの距離が離れていないようにするということでございます。次に、(4)感染研には国内外の大学や研究機関から多くの研究者が訪問しますので、感染研へは公共交通手段を活用してスムーズなアクセスが可能であることが求められるということでございます。続きまして、(5)自然災害による被害を少なくできることが求められると記載しております。(6)は、大学や研究機関、企業などとの共同研究を推進していく必要性が高まっておることから、近隣に科学的基盤が整備されていることが望ましいとされております。
続きまして、5ページ目の(7)からは立地ではなく施設や機関の条件となりますが、(7)としては、現在の感染研のBSL-4施設は診断・治療に関することしかできないということになっておりますけれども、新しくつくる施設につきましては研究開発もできるようにするということを記載しております。続きまして、(8)ですけれども、現在の感染研のBSL-4施設はグローブボックス型となっておりますけれども、現在、世界の主流はスーツ型であることから、スーツ型が適切と考えられるという記載を入れております。続きまして、(9)になります。これは第1回でも多くの委員から御指摘いただいた部分でありますが、地元住民、地元自治体、関係者とのコミュニケーションをしっかりして、地元の理解を得ることが大事であるということを書かせていただいております。第1回で神山構成員から当時のお話を伺いましたので、それについても記載しております。また、こういった過去の経緯、アメリカなどの例から、地元自治体、住民の理解を得ることは非常に重要であるということを記載しております。
続きまして、6ページ目になります。(10)でございますけれども、建設から稼働まで約5~7年かかるということが記載されております。施設が完成しても、その後、施設の大臣指定とか、輸入の許可とか、いろいろそういった手続もございますので、実際には5~7年かかるだろうということを踏まえて検討する必要があるということでございます。最後に、(11)ですが、国の感染症対策の基盤を担う感染研にBSL-4施設が存在しないという事態は短期間であったとしても絶対に避けなければいけないということを記載しております。「BSL-4施設が感染研で稼働できないということのないようにする必要がある」とありますが、この稼働できないことのないようにというのは、施設が厚生労働大臣の指定を受けて検体を所持して施設が動いているということでございまして、施設はあるけれども診断等ができないといったことがないようにすべきという趣旨でございます。
最後に、7ページになります。「4.今後の進め方について」でございます。厚生労働省はこれらの条件を踏まえBSL-4施設の設置にふさわしい場所を選定するように努力すべき、速やかに立地の選定や移転に向けた準備を行うことができるよう本省と感染研とで集中的に検討を進める体制を構築すべきであると記載しております。
この報告書が取りまとめられましたら、厚生労働省としては、これらの条件をすべて満たすという場所はなかなか難しいと思いますので、できるだけ多くの項目を満たす場所ということになると思いますが、ふさわしい場所を選定できるように努力したいと考えております。
私からの説明は、以上でございます。
○河岡座長 ありがとうございました。
ただいまの御説明について、御意見や御質問はございますでしょうか。
齋藤先生、よろしくお願いします。
○齋藤構成員 どうもありがとうございます。
1点、確認なのですが、1枚紙の資料で「立地要件等」に(1)から(11)まで番号がついていますけれども、これはあくまでも便宜的な番号であって、これは優先順位であったりとか、そういうものではないという理解でよろしいでしょうか。
○健康危機管理・災害対策総括調整官 先生のおっしゃるとおりでございます。
○齋藤構成員 ありがとうございます。
○河岡座長 ほかに御意見はございますでしょうか。
既に皆様の御意見はかなり反映されていると思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
特段御意見はなかったようですけれども、今回、この案をもって本検討会の報告書としてまとめさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
以上で本日の議論は終了となりますけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○危機管理・医務技術総括審議官 総括審議官の佐原です。
構成員の皆様方には、年末のお忙しいところ、国立感染症研究所BSL-4施設の移転先の要検討について御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
本日おまとめいただきました報告書において、立地条件等を整理していただきましたので、今後、この報告書を基に厚生労働省と感染症研究所にて移転に関する検討を進めてまいりたいと考えております。
今後も御相談を差し上げることもあろうかと思いますので、その際には御指導のほどお願いいたします。
最後になりますが、構成員の皆様におかれましては、大変御多忙の中、精力的に御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
○河岡座長 ありがとうございました。
それでは、本日の検討会を終了します。
お忙しい中、どうもありがとうございました。