第308回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

日時

2020年(令和2年)10月14日(水) 14時00分~
 

場所

東京都千代田区霞が関1―3―1 経済産業省別館 312各省庁共用会議室

出席者

(公益代表委員)
  • 鎌田 耕一(部会長)
  • 松浦 民恵
(労働者代表委員)
  • 木住野 徹
  • 仁平 章
(使用者代表委員)
  • 佐久間 一浩
  • 中西 志保美
  • 平田 充
  • 森川 誠

議題

(1)労働者派遣法第30条の4第1項第2号イに係る通知について(公開)

議事

議事内容

○鎌田部会長 ただいまから第308回労働力需給制度部会を開催いたします。本日は公益代表の藤本委員、小野委員、労働者代表の永井委員、奈良委員が、所用により御欠席されております。

さて、本日は労働者派遣制度について公開で御審議を頂きます。それでは、議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。

それでは、事務局から説明をお願いいたします。

 

○吉村補佐 それでは、議題にある「労働者派遣法第30条の41項第2号イに係る通知について」、御説明を申し上げます。資料1を御覧ください。1ページの「制度概要等」から説明いたします。2ページの概要です。

派遣労働者については、本年4月から派遣元事業主に対して、派遣先均等・均衡方式又は労使協定方式のいずれかの待遇決定方式による待遇の確保を義務付けているところです。これについては、まず、資料の左側に派遣先均等・均衡方式があり、派遣労働者と派遣先の正社員との待遇について、均等・均衡を図っていただくというものです。資料の右側に労使協定方式がございますが、これについては派遣労働者について、派遣元の労使で労使協定を締結し、その協定内容によって待遇を決定していただくというものです。

労使で定めるべき内容が法令上定められています。その中の四角囲みの所ですが、そこに賃金の決定方法があります。その中に、一般労働者の賃金額と同等以上にしなければならないということになっています。さらに、その下の四角囲みですが、この一般労働者の賃金額については、賃金構造基本統計調査と職業安定業務統計を活用し、毎年、厚生労働省において公表することとしているところです。これが、いわゆる一般賃金水準に係る通知で、今回御報告申し上げる通知に関することです。

次に、本年4月から施行された待遇決定方式の施行状況です。まず3ページですが、選択している待遇決定方式ですが、その2つの待遇決定方式について、労使協定方式の選択が約9割となっております。

続いて4ページです。施行後の状況ですが、現在、当省で行っている委託事業のアンケート調査の中で派遣会社に聞いたものですが、その中で賃金が「上がった」と回答した事業所が54%、「変化していない」という事業所が45%となっているところです。

続いて5ページです。労使協定方式における労使協定書の状況です。こちらについては6月末に労働局に報告があった労使協定書をサンプル調査したものです。労使協定書に記載されている基準値(0年目)の一般賃金額と派遣労働者の賃金をサンプル調査したものです。例えば協定書に派遣労働者の賃金が「1,000円~」などと、幅をもって書いてある場合については、集計上は1,000円として集計しています。このため、実際に派遣労働者に支払われている賃金ではないということに御留意いただければと思います。一部の職種について集計をしていまして、この3つの職種について集計をしたところです。集計結果については、資料を御覧のとおりとなっております。

次に6ページです。労使協定の締結主体・有効期間・過半数代表の選定方法です。まず、労使協定書の締結については、労働組合が5%、過半数代表が95%となっています。また、過半数代表の選定方法については、挙手が5割となっております。さらに有効期間については、1年というのが7割となっております。この有効期間についてですが、画一的な基準を設けることとはしておりませんが、2年以内とすることが望ましいとしているところです。

7ページです。こちらについては、今御説明したサンプル調査及びアンケート調査の概要です。参考として掲載しています。また紹介させていただいた数値については、全て速報値ということですので、御留意いただければ幸いです。以上が施行状況ということになります。

続きまして、現下の新型コロナウイルス感染症に伴う雇用への影響、特に派遣労働者への影響について、御説明させていただきます。8ページです。完全失業率・有効求人倍率についてです。令和元年12月においては、失業率が2.2%でしたが、令和28月は3%、有効求人倍率については、1.57%でしたが、8月には1.04%となっているところです。

9ページです。労働力調査によるものですが、雇用者数の推移です。上が全体ですが、4月以降、対前年差で減少となっていまして、8月はマイナス79万人となっているところです。下表については、非正規の職員・従業員の推移で、こちらは3月以降、対前年差でマイナスになっていて、8月はマイナス120万人となっているところです。

10ページです。このような中で、派遣労働者への影響ということです。左側ですが、78月と対前年同月比で減少となっているところです。これも労働力調査です。右側については、先ほど御説明したアンケート調査の一部ですが、派遣先との派遣料金の交渉の今後の課題として、派遣会社にお答えいただいたものの中には、人数の削減や契約の打切りを挙げているところです。

11ページです。こちらは新規求人数の状況です。上が新規求人数の全体ですが、対前年同月比でマイナスとなっていまして、8月はマイナス24.9%となっています。下のほうについてが、「職業紹介・労働者派遣事業」に関する新規求人数ですが、減少が更に大きくなっていまして、8月では47.3%の減少となっております。以上が、現在派遣労働者が置かれている労働市場の状況を御説明させていただきました。

これらの状況を踏まえて、一般賃金水準の通知における対応を検討させていただきました。それが12ページからです。「現下の新型コロナウイルス感染症に伴う労働市場の状況への影響等を踏まえた対応」です。

13ページ目を御覧ください。まず、一般賃金水準の仕組みについてです。一般賃金水準については、適用される年度の前年度に局長通達によりお示しする形になっています。そのときに用いる統計調査等については、適用年度の前々年又は前々年度のものとなるという形になっています。

令和2年の例を申し上げますと、表の真ん中の辺りです。適用年度が令和2年度の分については、昨年の令和元年7月に通知を出しているところですが、これに活用している統計は平成30年又は平成30年度のものとなっています。このため、令和3年度の一般賃金については、その下ですが、令和3年度のもので、今回、この秋に通知を出そうとしているものについては、昨年になる令和元年又は元年度の統計を用いるということになります。このために、令和2年度から令和3年度の一般賃金水準の変動については、新型コロナウイルス感染症の影響を受けていない平成30年から令和元年の労働市場の動きに影響を受ける形になるところです。13ページの下段については、平成30年から令和元年にかけての水準の動きを見たものです。参考として御覧いただければと思います。

続いて、14ページです。今回、この対応の考え方・内容ですが、先ほど御説明したように、新型コロナウイルスの感染症の感染拡大による経済・雇用への影響がある中で、令和元年又は元年度の数値をそのまま適用した場合には、派遣労働者の雇用への影響が懸念されるところです。このため、本秋に発出する令和3年度の通達においては、派遣労働者の雇用の維持・確保の観点から、労使協定締結の当事者である労使が、労使協議において十分に協議できるようにする対応が必要ではないかと考えているところです。

その労使協議における対応についてです。14ページの真ん中ですが、原則としては、直近の「令和元年(度)の統計調査等」を用いることとしているところです。一方で、先ほど言いましたとおり、雇用維持・確保を図る目的として、職種・地域ごとに一定の要件を満たし、労使で合意した場合には、「「平成30年又は平成30年度の統計調査等」を用いることを可能とする」例外的な対応を行いたいと考えております。

その一定の要件について、15ページで御説明いたします。考え方・内容(2)です。以下の(1)から(4)を満たす場合に、例外的な取扱いとして可能とすることとしたいと考えています。(1)ですが、派遣労働者の雇用の維持・確保を図ることを目的とするものであって、その旨を労使協定に明記していただくことです。

(2)は、労使協定を締結した事業所及び当該事業所の特定の職種・地域において、労使協定締結時点で新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、事業活動の指標(職種・地域別)が、現に影響を受けており、かつ当該影響が今後も見込まれるものであること等を具体的に示し、労使で十分に議論を行うことを要件と考えております。例えば「労使協定を締結した事業所において、労使協定締結時点で、雇用調整助成金の要件(事業活動を示す指標が5%以上減少)を満たしていること」など、新型コロナウイルス感染症の影響により、事業所全体の事業の縮小の状況とか、特定の職種・地域において、労働者派遣契約数が継続的に減少しているなど、職種・地域別のこれまでの事業活動を示す指標の動向とかと示し、また、これらの動向を踏まえた令和3年度中の労働者派遣契約数等への影響の見込みを用いて、御議論いただくということを考えているところです。

(3)は、労使協定に、例外的取扱いを行う旨及び理由を明確に記載していること。理由については、先ほど言いました(1)の雇用の維持・確保の目的及び(2)の要件で検討した指標を用いた具体的な影響等を記載することとし、主観的・抽象的な理由のみでは認められないとしたいと考えています。

(4)は、(1)の要件に係る派遣労働者の雇用維持・確保を図るために講じる対応策とか、(2)の要件に該当する根拠書類、さらには例外的取扱いの対象労働者数などを、事業報告提出時に労働局に提出していただくことを考えています。

続いて16ページです。こちらは留意点となっていて、例外的取扱いに関する留意点として考えられるものです。先ほど言いました、例外的取扱いが適切に運用されるよう、Q&Aなどで明確化を図っていきたいと考えております。以上が、新型コロナウイルス感染症を踏まえた対応の内容です。

続いて17ページからですが、労使協定方式の趣旨を踏まえた対応ということです。18ページを御覧ください。まず、この労使協定方式については、派遣労働者の長期的なキャリア形成に配慮した雇用管理を行うことができるようにすることを目的とした方式です。労使による自主的な話合いを促進していく観点から、対応を行っていきたいと考えております。

まず、対応(1)ですが、労使協定方式の基本的考え方を明確化するというところです。現行の労使協定を基礎として、労使で十分に議論することが望ましいものとの考え方を示していくことを考えています。また、※に書いているところですが、労使で十分に議論いただくためには、その議論の前提になる過半数代表者の選任手続が適正に行われることが重要ですので、この選任手続の取扱いを整理して、公表することを考えているところです。

対応(2)は、一般賃金水準の示し方の変更です。これまでは、直近の統計調査等を活用した一般賃金水準のみを示してきたところですが、今回からは参考値ではありますが、これまでで最も高い賃金の額を併せて示すことで、労使で十分に議論いただく参考としていただければと考えているところです。示し方は18ページの下段に書いてある形です。

19ページです。対応(3)となっております。適用年度の考え方です。令和3年度に適用される一般賃金水準については、令和341日から令和4331日までに適用されるものではありますが、一方で通知については、秋に示すことを予定していますので、そこから3月までの間に、新たな令和3年度の通達の一般賃金水準を用いることについては、より直近のデータを使っているものであるということから、可能なものと考えているところです。留意点としては2点あります。まずは、賃金を引き下げる場合には、労働条件の不利益変更になり得ることです。また、一部の職種のみに適用日より前に適用することで、賃金水準を引き下げるような場合というのは、労使協定方式の趣旨に照らして適切ではなく、認められないものと考えています。以上が、労使協定方式の趣旨を踏まえた対応となっております。

20ページ、「賃金構造基本統計調査を活用した一般賃金水準の集計方法等について」です。21ページを御覧ください。一般賃金水準を活用する統計としては、賃金構造基本統計調査と職業安定業務統計がありますが、賃金構造基本統計調査の一般賃金水準については、職種によっては相対的にサンプルサイズが小さく、ばらつきが大きいということがあります。これまでの算出方法については、単年の統計値により集計した賃金水準を一般賃金額としており、現在は平成30年の賃金構造基本統計調査の統計値を使っているところです。これを見直して、令和3年度の通達以降については、過去3年分の統計値を用いて算出した賃金水準を一般賃金水準とすることを考えております。算出の方法については、見直し後の具体的な集計方法の記載のとおりです。

続いて22ページです。参考ですが、一般賃金水準に用いる各種指標等の更新です。これについては、令和2年度から令和3年度の通達で数値を最新の数値に更新したものです。

最後に23ページです。一般的なスケジュールです。今回は延期しまして秋となりましたが、一般的には今回の通知については、6月から7月に一般賃金水準を示す形になると考えております。その後、先ほども御説明しましたが、6月末に提出された労使協定を使ってのサンプル調査をしまして、労使協定の業務別の賃金等をお示しできるようにしたいと考えていまして、12月をめどと考えているところです。公表項目については記載のとおりです。その後、年度末には例年のものですが、事業報告の集計結果の公表で、この中で協定対象労働者の数等が公表されていく形になっているところです。簡単ではございますが、説明は以上です。

 

○鎌田部会長 それでは、ただいまの説明に対する御質問、御意見がございましたら、御発言をお願いいたします。

 

○仁平委員 新型コロナウイルス感染症によって、派遣労働者の雇用に大きな影響が出ていることは承知しているところです。しかしながら、平成30年度のものを用いることは、厳に例外的な措置であるべきだと考えます。4月に施行された同一労働同一賃金の趣旨というのは、この場で申し上げるまでもなく、均等・均衡待遇を確保して、派遣労働者の処遇の改善、向上を図ることです。それが施行2年目にもかかわらず、例外措置のような取扱いを軽々に認めていくと、派遣という雇用形態で働く人に対して、法で定められたことが簡単に反故にされるというメッセージを与えかねないと思っております。

例外措置により、派遣労働者の雇用の維持・確保という目的が達成されたのかについては、事後も含めてきちんと確認、検証すべきであると考えております。また、この例外措置はあくまで例外であって、蓋を開けてみれば労使協定方式を採用した派遣元事業主において、ほとんどがこの例外措置の適用を受けていたということがないよう、労働局への申請時などにおいては、内容を精査し、濫用的取扱いを厳正にチェックいただくとともに、是非指導・監督をしっかり行っていただきたいと思います。

 

○鎌田部会長 今の御意見に対して、事務局からコメントはございますか。

 

○松原課長 仁平委員の意見について回答申し上げます。15ページにありますように、今回の取扱いについては、原則はあくまでも通常どおりの取扱いということで、今般お示しさせていただく統計資料等を用いるというのが原則であるという前提の下で、ただ、現下のコロナの環境を踏まえますと、やはり派遣労働者の雇用というものに影響が出やすい環境下にあると認識しております。このため、一定の要件を求めた上での、今回の例外的な対応を考えている次第です。あくまでも例外ということでありまして、事務局しても、原則が例外となるようなことにならないようにしたいと考えている次第です。

また、労働局において、15ページの(4)に書いておりますが、ここでどのような派遣会社が、どのような雇用の維持・確保を図るために対応策を取っているか、それと、もしも例外的取扱いをした場合についての根拠書類の提出、あとは対象労働者数を、事業報告提出時、令和3年度と令和4年度の両方に、労働局に提出していただくことを求めることとしております。こちらをもって、労働局において可能な限りのチェック等を行っていきたいと考えております。

また、一般的なことで申し上げて恐縮ですが、労働局における指導・監督というものは、様々な機会を捉えてやっているわけで、今回のこのような取扱いにかかわらず、しっかりと指導・監督していくのは当然ですが、今回の例外的取扱いについて、余りにもひどいような取扱いをしているような問題のある場合については、しっかりと指導・監督をしていきたいと考えている次第です。

 

○鎌田部会長 仁平委員、追加で御質問、御意見はありますか。

 

○仁平委員 結構です。ありがとうございました。

 

○鎌田部会長 そのほかの方で何かございますか。

 

○中西委員 私からは、労使協定方式の賃金水準について、意見と要望を述べさせていただきます。

新型コロナウイルス感染症は幅広い産業や地域に影響を及ぼしており、本年9月に日本商工会議所が実施した調査によりますと、92.2%の企業で「影響がある」と回答しております。また、業況、DIもマイナス56.5ポイントと、依然として厳しい状況が続いております。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業における雇用、採用関連の対応に関しましては、「雇用調整助成金を検討、申込みする」と回答した企業が46.0%と最も多くなった一方で、「従業員の人員整理を検討、実施」と回答した企業は、本年6月時点の調査と変わらず僅か4.3%と低水準にとどまっております。

しかしながら、「採用や派遣労働者の人数を縮小、見送る」と回答する企業が39.4%にのぼっていることも踏まえますと、中小企業においては雇用調整助成金をはじめとした各種支援策を活用し、事業の継続と雇用の維持にぎりぎりの努力を続けながらも、その我慢も限界を迎えつつあるという実態が浮かび上がってまいっております。

コロナショックは突如として地域の需要を蒸発させるなど、本年3月から急速かつ大幅な景気悪化を招いたものです。こうした急激な環境変化の下で、労使協定方式の一般賃金水準として、前々年度の統計結果を用いることは、足元の実態を適切に表したものではないため、中小企業に対して多大な影響を与えるものと懸念しております。したがいまして、今回お示しいただいた例外的な取扱いは、少なくとも現行の水準である平成30年度の調査結果も用いた検討が可能となるため、妥当な措置と考えます。

最後に、派遣元事業所に対しては、派遣先企業、派遣労働者と適切な協議が行われますよう、本件の例外措置の趣旨及び目的を丁寧に周知していただきたいと思います。

 

○鎌田部会長 それでは、事務局からコメントはございますか。

 

○松原課長 中西委員の御意見に対してお答え申し上げます。私どもとしましても、今回の例外的な考え方について、しっかりと周知と啓発をしてまいりたいと考えている次第です。先ほどの仁平委員からの御質問にも重複しますが、留意点にも書いておりますが、例外的取扱いは新型コロナウイルス感染症の影響により、派遣労働者の契約が減少傾向にあるなどの職種や地域において、そういう所で限定的に使用することを私どもは想定しているわけでございます。その一方で、事業者が抱える事情は様々存在するのも事実であろうと思いますので、今回はあくまでも労使が結ぶ労使協定というものにおいて、どのような形で協議をしていただくかという、ある意味、選択肢をお示しするものと考えておりまして、その面も含めまして、しっかりと周知していきたいと考えています。

 

○鎌田部会長 中西委員、追加はございますか。

 

○中西委員 ございません。ありがとうございました。

 

○鎌田部会長 それでは、そのほかにございますか。木住野委員、どうぞ。

 

○木住野委員 今日資料として出されております、事業報告書のサンプル調査と委託事業によるアンケート調査を非常に興味深く拝見をいたしました。もう1つ同じ資料集の22ページに、一般賃金水準に用いる各指数等の更新について取りまとめられておりますが、賃金構造基本統計調査の昨年から今年にかけての変動など、これは振れの大きい統計だという認識をもっているんですけれども、これは一般賃金水準が公表されるタイミングで、毎年この場で検討といいますか、アナウンスがあると理解をしてよろしいのでしょうか。

 

○松原課長 木住野委員の質問にお答え申し上げます。おっしゃるとおりで23ページに書いておりますように、一般的なスケジュールの所で、昨年からこの形の通知をお示しすることが始まったわけですが、原則として毎年6月から7月にかけまして、基本的には今回と同じような形で、何をお示しするのかにつきまして、当部会にご報告申し上げることにしたいと考えている次第です。

 

○鎌田部会長 追加でありますか。大丈夫ですか。それでは、そのほかの方で御質問、御意見ございますか。

 

○佐久間委員 私からも1点質問をさせていただきたいと思います。基本的にこの考え方は、実態と合った良いものではないかなとは思うのですが、御説明賜りました資料の中の21ページについてお伺いしたいと思います。特に、一般賃金水準の集計方法の変更で、次回、令和3年度通達により、算出方法が過去3年間分というという形になります。この方式、つまり、労使協定方式や均等・均衡方式は、新しい同一労働同一賃金の関係で派遣労働者に対してどう適合させていくかについて議論を進めていく中でできた方式ですので、令和2年度は単年度の数字を算出基準にしていたのが、令和3年度は新しく過去3年間分を平均して算出していくということで、急激に派遣料金と賃金が上がるというものは、単年度で急激に変化するというよりは、ある意味、比較的に緩かになる又は伸び率も計算されているので、計算根拠がしっかりしてくるのではないかと思います。例えば、来年、その次の年度以降、3年間の数値から算出しようとしているのに、また単年度の数値に戻していくのかどうか、まだ先のことは分からないかもしれませんが、これからも、新しい令和3年度の3年間の数値を使用する方式を維持していこうとしているのか、そちらのほうを1点お伺いしたいと思います。

 

○松原課長 佐久間委員の御質問にお答え申し上げます。今回お示ししました21ページのやり方ですが、単年度の統計値により、賃金構造基本統計調査だけですがやはり、こちらにつきましてはサンプルサイズが小さく、ばらつきが大きいということで、統計部局とも相談して今回から過去3年分の統計値を用いた形とさせていただきたいと考えております。従いまして、今後も引き続きこの形で出していきたいと考えております。おっしゃるように、数値的なばらつきなどが単年度だと大きくなってきますので、できるだけサンプルサイズが小さくならない形をとった上で、今後とも引き続き、今回の方式を継続していきたいと考えている次第です。以上です。

 

○鎌田部会長 よろしいですか。ほかにございますか。

 

○松浦委員 御説明ありがとうございました。2点質問させていただきます。いずれも労使協定方式の趣旨を踏まえた対応に関する質問ですが、まず見直し後には、参考値としてこれまでで最も高い賃金の額を掲載するという記載があります。これまでというのがいつからなのかということが1点目の質問です。

もう1点は、21ページの所で、賃金センサスについては3年間の伸び率を勘案した推計値として提示される形に変わるという御説明だったと思いますが、先程申し上げた参考値すなわちこれまでで最も高い賃金の額というのは、こういう加工を施さない生の数字で示されるのでしょうか。あるいは同じようにこの3年間の加工を施した上で最も高い賃金の額が示されるのでしょうか。実務上の指示を出して頂く際には、そこら辺も明確に示していただければと思います。以上です。

 

○鎌田部会長 それでは、事務局、お願いします。

 

○松原課長 松浦委員より、御質問と御意見、両方賜ったと思います。まず1つ目ですが、本通知をお示ししたのが昨年からですので、昨年お示しした通知から最新までということで考えている次第です。それと2点目ですが、昨年からの通知ですので現段階では、昨年と今年しかないのですが、今後長く当制度が続いていくことを前提にしますと、昨年から最新のものの間、一番高いものとなると考えております。また、こちらにつきましても今回同じような形で、賃金構造基本統計調査につきましては、過去3年分の数値を用いた形で出した数値を用いていきたいと考えている次第です。以上です。

 

○鎌田部会長 よろしいですか。以上、全体のところで何か、さらに御質問、御意見はございますか。御質問、御意見はないようですので、本日の議題はここまでとさせていただきます。議事録の署名は木住野委員、森川委員にお願いいたします。事務局から何か連絡事項はありますか。

 

○清水補佐 次回の部会の日定につきましては、追って事務局から御連絡しますのでよろしくお願いいたします。

 

○鎌田部会長 それでは、以上をもちまして、第308回労働力需給制度部会を終了いたします。どうも御協力どうもありがとうございました。