第1回社会福祉法人会計基準検討会 議事録

日時

令和2年12月8日(火) 14:00~16:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター 14階 ホール14E

出席者

構成員(敬称略・五十音順)

 ・秋山(あきやま) (しゅう)一郎(いちろう)  日本公認会計士協会常務理事
 ・有松(ありまつ) 義文(よしふみ)()()    日本公認会計士協会社会福祉法人専門委員長
 ・亀岡かめおか) 保夫(やすお)    大光監査法人理事長
 ・(はやし)  (みつ)(ゆき)()()    公認会計士・税理士林光行事務所所長
 ・松前(まつまえ) ()里子(りこ)   日本公認会計士協会研究員

議題

(1)昨年度議論した検討課題について(報告)
(2)社会福祉連携推進法人の会計について
(3)その他

議事


○高坂課長補佐 それでは、定刻より少し早い時刻ですが、皆様おそろいのようでございますので、ただいまより第1回「社会福祉法人会計基準等検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただき、ありがとうございます。
 それでは、ここからの議事運営について、事前に座長をお願いしておりました秋山構成員にお願いしたいと存じます。
○秋山座長 本検討会の座長を務めさせていただきます秋山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。本検討会の開催に当たり、橋本社会・援護局長より一言御挨拶をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○橋本社会・援護局長 社会・援護局長の橋本でございます。検討会の開催に当たりまして一言申し上げたいと思います。
 御承知のとおり、本年は、新型コロナウイルスの影響で大変異常な状況が続いております。そういう中にありまして、秋山座長をはじめ、本検討会の構成員をお引き受けいただきました皆様方、本当にありがとうございます。厚く御礼を申し上げたいと思います。
 昨年度この検討会におきましては、社会福祉法人の組織再編に関する会計処理につきまして、大変活発な御議論をいただき、おかげさまをもちまして本年9月11日付で関係省令、関係通知の改正にこぎ着けることができました。これによりまして、社会福祉法人が合併とか事業譲渡などを行う際の会計処理につきまして一定の明確化が図られたわけでございまして、本当にありがとうございました。
 また、相前後いたしますけれども、今年の6月、国会のほうで地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律が成立いたしまして、6月には公布されております。この法律におきまして、社会福祉法人等が社員となって、関係機関の業務連携を一層推進するための社会福祉連携推進法人制度という新しい制度が創設されました。この制度公布の日から2年を超えない範囲の制令で定める日に施行するということが法律上定められておるわけでございますが、この制度を施行するに当たりましては、連携推進法人制度の会計基準はどうするのかということをあらかじめ決めておくことが必要になってまいります。
 私ども厚労省では、この会計基準についての検討会に先立ちまして、連携推進法人の仕組みそのものの詳細を検討する社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会を別途立ち上げまして、制度設計に係る議論をスタートさせております。今後この制度設計に係る議論の進捗を随時御報告させていただきますので、こちらの検討会におきましては、これを踏まえて社会福祉連携推進法人に係る会計基準の策定に向けまして、構成員の皆様方の御知見をいただければ幸いと思っております。
 さらに、昨年度の検討会で十分議論できなかった社会福祉法人会計基準に係る課題もございます。こちらにつきましても、社会福祉連携推進法人に係る会計基準の議論と並行して御議論をいただければありがたいと考えております。
 皆様方の活発な御議論をいただきまして、よりよい結果が導き出せることをお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○秋山座長 橋本局長、どうもありがとうございました。
 それでは、本検討会は本日が第1回目でございますので、各構成員より一言自己紹介をいただければと思います。
 では、あいうえお順で行きたいと思います。まず、有松構成員、自己紹介をよろしくお願いいたします。
○有松構成員 公認会計士の有松でございます。
 昨年まで馬場先生が取り組んでいらっしゃいました日本公認会計士協会非営利法人委員会社会福祉法人専門委員会の専門委員長を、馬場先生の後を引き継ぎまして今年度より拝命させていただきました。
 社会福祉法人の会計に携わる検討の場ということで、私の拙い経験でございますが、皆さんの御知見も拝しながら、また自分自身も何か役立てるような形で意見を述べさせていただければと考えております。大変お世話になります。よろしくお願いいたします。
○秋山座長 ありがとうございました。
 それでは、亀岡構成員、よろしくお願いいたします。
○亀岡構成員 亀岡でございます。今日はよろしくお願いします。
 私は、公益法人会計基準については、平成16年会計基準の策定のときから携わらせていただきました。また、社会福祉法人会計基準については、平成23年の統一基準の策定に携わらせていただきました。今般、社会福祉連携推進法人に係る会計基準の策定ということも本検討会で行うと伺っておりますので、少しでもお力になれればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○秋山座長 ありがとうございました。
 続きまして、林構成員、よろしくお願いいたします。
○林構成員 林です。どうぞよろしくお願いします。
 昨年も社会福祉法人会計基準検討会に参加させていただいたのですが、私ごとですが、ちょうど1年前に脳内出血をしまして、いまだにリハビリ中で、発音がたまにおかしい、言葉が出てこないことがあるのですが、一所懸命、参加させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
○秋山座長 ありがとうございました。
 それでは、松前構成員、よろしくお願いいたします。
○松前構成員 皆様、こんにちは。日本公認会計士協会で研究員をさせていただいております松前と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は非営利法人全般の会計について研究をさせていただいております。こちらの検討会でもお役に立てればと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○秋山座長 ありがとうございました。
 私は前回からこの検討会に参加させていただいております秋山と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、オンラインで御参加いただいている林構成員、有松構成員におかれましては、御発言の際には挙手にて意思表示をしていただければ、私のほうでモニター越しに確認できますので、適宜御指名させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、カメラの方々はこちらで御退室いただけたらと思います。
 続きまして、議事に入ります前に資料の確認をさせていただきたいと思います。
 事務局のほうからよろしくお願いいたします。
○高坂課長補佐 本日は、資料として議事次第のほか、
 資料1 社会福祉法人会計基準等検討会開催要綱
 資料2 「社会福祉法人会計基準の一部改正について」及び「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に伴う運用上の取扱いについて」(局長通知)の一部改正について
 資料3 「社会福祉法人の事業展開に関するガイドライン」の概要について
 資料4 社会福祉法人の事業展開に関するガイドライン(全文)
 資料5 社会福祉連携推進法人の施行に向けた検討について(令和2年11月9日第1回社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会「資料2」)
 資料6 社会福祉連携推進法人に係る会計基準素案の作成について
 資料7-1 非営利組織における財務報告の検討について(概要)(松前構成員提出資料)
 資料7-2 非営利組織における財務報告の検討(全文)(松前構成員提出資料)
 参考資料1 本検討会における検討課題と優先順位について(令和元年6月10日 第1回社会福祉連携推進法人会計基準検討会「資料3-2」)
 参考資料2 社会福祉法人の組織再編に関する会計処理について(令和2年2月26日 第6回社会福祉法人会計基準検討会「資料1」について、当日のご意見を反映し、整理したもの)
 参考資料3 社会福祉法人会計基準等検討会 構成員名簿
 不備があれば、事務局のほうまでお申しつけください。
 以上でございます。
○秋山座長 ありがとうございます。
 それでは、本日の議題1「昨年度議論した検討課題について(報告)」に入ります。
 初めに、事務局から資料1から資料4について、御説明をよろしくお願いいたします。
○近専門官 それでは、私のほうから資料1と資料2の説明をさせていただきます。適宜参考資料1と参考資料2も引用させていただきますので、お手元に御用意ください。
 まず、資料1「社会福祉法人会計基準等検討会開催要綱」でございます。こちらに「開催の趣旨」と「主な検討項目」「構成員等」を記載しております。このうち2番の「主な検討項目」について、まず説明させていただきたいと思います。大きく2つありまして、1つ目が「社会福祉連携推進法人の会計に関すること」、2つ目が「昨年の検討会で課題とされた事項について」となります。1つ目につきましては、この後、議題2で説明させていただきたいと思います。2つ目の項目につきましては、参考資料1、1枚紙を御参照いただければと思います。
 昨年度主な課題といたしまして、組織再編に関する会計処理、他の法人形態で適用されている会計基準や会計処理の適用の要否について、及び平成23年の新基準策定時から検討課題として残っている項目について、この3項目を昨年度は挙げさせていただいておりました。このうち組織再編に関する会計処理につきまして、参考資料1に記載させていただいていますとおり、未来投資会議等で優先的に検討が求められて、閣議決定文書においても策定時期が明示されておりました。このため、昨年度の検討会では1番目の議題を集中的に御議論いただきました。したがいまして、残り2つの課題については今年度の検討項目として引き続きお願いしたいと考えております。この2つの議題につきましては、今後関係団体との調整を踏まえつつ御議論をお願いすることになりますので、御了知くださいますようよろしくお願い申し上げます。
 続いて、昨年度御議論いただいた組織再編に関する会計処理について、その結論を御説明させていただきたいと思います。こちらについては、今年の7月22日から8月20日、約1か月間パブリックコメントをかけさせていただきまして、本年の9月11日に会計省令通知の改正を公布いたしました。その内容は、資料2の改正省令等通知の新旧対照表で示しております。具体的には改正省令にて注記すべき事項を盛り込んでおります。また、局長通知にて事業譲渡の概念、具体的には取得とか統合、その辺りの概念整理とか、注記すべき具体的内容を新たに規定しております。こちらの通知に関しましては、そのほかにも様式の元号の修正という形式的な修正も行っております。こちらの施行については令和3年4月1日からとなっております。
 なお、参考資料2といたしまして、昨年度の検討会において御議論いただいた資料を御用意させていただいております。こちらについては、昨年度の会計検討会の第6回目の資料1について、当日の御意見を反映させて整理させていただいた資料となります。こちらについて、合併とか事業譲渡等の概念を整理しまして、これを会計処理の前提とした上で、その概念ごとに会計処理とか計算書類の注記方法など個別の論点に区分して、先生方に御議論いただいた資料の最終形となります。この資料のうち省令通知に盛り込める部分については盛り込んでおりますが、盛り込まれていない部分につきましては、今後Q&A等の形式で施行までに所轄庁にお示ししていきたいと考えております。
 次からが資料3、組織再編の会計処理の考え方のベースとなる事業展開の考え方についての説明となりますけれども、ここからは課長補佐の成瀬より説明させていただきます。
○成瀬課長補佐 続きまして、事業展開に関する考え方として、資料3と資料4でお配りしております「社会福祉法人の事業展開に係るガイドライン」を作成しております。このガイドラインは、社会福祉法人の事業展開は自主的な判断の下に進められるべきものであり、希望する法人が事業展開に円滑に取り組めるよう、事業展開の基本的な考え方や種類、効果とともに、合併・事業譲渡等に関する主な手続と留意点をまとめたものです。本日は、策定の経緯、内容の順に御説明いたします。
 資料3の1ページ目「策定経緯」の部分です。1つ目、2つ目の丸にありますように、閣議決定や検討会の報告書において、希望する法人向けガイドラインを策定せよということで明記されております。こうしたことを受けまして、3つ目の丸、昨年度の社会福祉推進事業におきまして調査研究を実施しました。
 左下の「参考」に検討会のメンバーを記載していますが、日本公認会計士協会から吉岡先生にも御参加いただきまして、経営者向けのガイドライン、実務担当者向けのマニュアルをつくっていただきました。
 4つ目の丸です。この推進事業で取りまとめられましたガイドラインをベースに、私ども厚生労働省で作成したもので、7月15日に開催されました社会保障審議会福祉部会で御議論いただきまして、御了承いただいたところです。
 その後、先ほどの会計基準省令と同様にパブリックコメントを実施いたしまして、全国の社会福祉法人に周知いたしました。
 また、この社会福祉推進事業で作成されました実務担当者向けマニュアルにつきましても参考として周知いたしまして、こちらも厚生労働省のホームページに掲載しているところです。
 2ページ目の一番上、事業展開の基本的な考え方としまして、「社会福祉法人が行う事業展開は、公益性・非営利性を十分に発揮し、社会福祉法人に寄せられている期待に応える非営利法人として、経営基盤を強化し良質かつ適切な福祉サービスの提供が実現しうる観点から行われるべき」とまとめております。
 次に事業展開の種類として、法人間連携、合併、事業譲渡等の3種類とし、そのメリットを記載しています。一番左側が事業展開全体の効果ですが、新たな福祉サービス、複雑化、多様化した福祉課題への対応、また、外国人材の確保など、一法人では対応が難しい課題への対応、こういったものを記載しています。
 それぞれの効果を右に書いています。法人間連携につきましては、合併などの手続に比べまして容易で、意思決定から実行までが短時間で行えること。また、合併につきましては、丸で3点ほど記載しています。経営基盤の強化、事業効率化。サービスの質の向上、組織活性化。人材育成。事業譲渡等の効果につきましては、合併の効果に加えまして、事業の譲渡し、譲受けの両面から記載しています。譲渡しでは、事業を継続していくことが難しくなっているものを譲り渡すことによって事業を継続させていけること。また、譲受けでは、即戦力の活用、迅速な事業展開などを挙げています。
 次に、合併、事業譲渡等の主な手続と留意点です。合併、事業譲渡等に共通する留意点としまして、法人所轄庁への事前の相談、利用者や職員に対する十分な説明と理解促進、寄附や補助金に関する相談としています。
 続いて、左側の合併の手続と留意点です。合併につきましては、包括承継が可能となるよう従前から法律上明記されていますが、平成28年の社会福祉法の改正によりまして、新設合併と吸収合併が規定されていますので、これに沿った➀から➅までの手続を明記しています。
 その下の留意点としましては、当事者法人の十分な協議、当事者間の適切な合意形成、消滅法人の退職役員に対する報酬、さらに租税の取扱い等を記載しています。
 最後に、事業譲渡等の手続と留意点です。事業譲渡等の際には、事業の譲受け側ですと新規の許認可の手続。また、譲渡し側であれば、事業廃止などの各種手続が必要であること。3つ目の丸ですが、事業譲渡は合併と異なりまして包括承継ができませんので、資料に記載してあるような事項については、改めての契約行為をお願いしたいと思います。
 その下の留意点の部分です。1つ目の丸は、譲渡しの部分で最も重要な部分です。事業の譲渡しは、利用者へのサービス提供継続に資するために実施するものとしまして、事業所管行政庁への事前協議をしっかり行っていただくこと。2つ目の丸では、相手方法人の関係者との関係で、特別の利益供与の禁止規定、また、利益相反取引の制限規定に抵触しないように留意をしていただくこと。3つ目、4つ目の丸は、資産に関することになります。法人外流出とならないよう相手方法人の種類を問わず、しっかりと評価を行った上で価格を検討していただくこと。5つ目、6つ目の丸は、寄附財産、補助金等について記載をしています。
 以上がガイドラインの概要の説明です。
 引き続いて、資料4が本文で2ページから内容となっています。先ほど説明した概要の部分以外に、社会福祉法人を取り巻く現状と課題を2ページから5ページにかけて説明をしています。人口減少、地域共生社会の実現、災害対応、こういったものに社会福祉法人の対応が求められていることを記述しています。
 8ページ以降の手続と留意点の部分ですが、9ページの四角囲みの部分に適切と考えられる実例を紹介でつけ加えています。
 12ページの下のほうには実例ではございませんが、不適切と考えられる想定例ということで、同じように明記しています。
 こうした内容でガイドラインという形でまとめまして、1ページに戻っていただきまして、9月11日に全国の自治体に周知をお願いしたところです。
 下から2段落目「つきましては」の部分ですが、法人への周知に加えまして、こうした事業展開が円滑に行われるよう、所轄庁における事務の参考としていただくよう併せてお願いをして、発出をしたところです。
 説明は以上です。
○秋山座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして御質問等がございましたら、お願いいたします。亀岡構成員、よろしくお願いします。
○亀岡構成員 ありがとうございました。
 参考資料1というのがあったと思います。近さんのほうから紹介されたところです。これは、社会福祉法人会計基準検討会において使用された資料ですが、この資料に記載されている、「1 組織再編に関する会計処理(合併、事業譲渡)について」は、社会福祉法人会計基準検討会にてすでに検討済みですが、「2 他の法人形態で使用されている会計基準や会計処理の適用の要否について」、及び「3 平成23年の新基準策定時から、検討課題として残っている項目(社会福祉協議会に関する事項)について」は、今後、順次検討することとされていました。一方、資料1、これは今般の社会福祉法人会計基準等検討会にて検討を予定しているものですが、「2主な検討項目 (2)昨年の検討会で課題とされた事項について ➀平成23年の新基準策定時に継続的検討事項とされた項目(社会福祉協議会等)➁他の法人形態で適用されている会計処理の社会福祉法人会計基準への適用の要否」と参考資料1と資料1では、記載の順番が逆になっています。この2つは内容がかなり異なるものと思いますが、参考資料1と資料1で順番を変更した趣旨及び今後の進め方について教えていただけませんでしょうか。
○近専門官 まず、記載の順番については、特に大意はなくて、ただ、いずれにしましても、まずはそれぞれの会計論点を網羅的にピックアップして、整理した上で、個別にこういった検討会で検討すべきものを慎重に整理した上で議論していきたいという趣旨で考えております。
 以上です。
○秋山座長 ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、続きまして、本日の議題2「社会福祉連携推進法人の会計について」に入ります。
 初めに、事務局のほうから資料5、資料6の御説明をお願いいたします。
○初鹿専門官 それでは、資料5と資料6の説明をさせていただきます。
 まず、横型の資料5のほうから説明させていただきます。こちらは11月9日に開催させていただきました第1回社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会の資料でございます。
 内容は、おめくりいただきまして、前半の部分でこの連携法人制度ができるまでの概要、後半のほうで施行に向けてこれから詰めていかなければいけない論点案を示させていただきました。
 2ページ目が社会福祉法人の事業展開等に関する検討会ということで、去年連携法人が盛り込まれた法律を出すまでの検討をさせていただいたものでございまして、去年の4月から12月まで6回に分けて検討させていただきました。
 3ページ目に事業展開に関する検討会の報告書の概要を載せさせていただいております。上の2段落目「このため、社会福祉法人が、法人の自主的な判断のもと、地域における良質かつ適切な福祉サービスの提供を可能とし、社会福祉法人の経営基盤の強化を図るとともに、複雑化、多様化する福祉ニーズに対応する観点から、住民に身近な圏域で様々な地域づくりの活動に参画する非営利セクターの中核として、福祉分野での専門性を生かし、地域住民の抱える様々な地域生活課題への対応を進められるようにするため、円滑に連携・協働化しやすい環境整備を図っていくべき」ということで、下の四角囲みにありますように、こういうふうに進めるべきという形で提言をいただきました。
 その中の上から2つ目「➁社会福祉法人を中核とする非営利連携法人の創設」というところでございます。こちらは、「法人間連携の枠組みとして、社会福祉協議会を通じた連携や合併・事業譲渡があり、これらの方策についても活用できる環境の整備が重要であるが、社会福祉法人の非営利性・公益性等を踏まえつつ、社会福祉法人を中核とする非営利連携法人制度により、既存の方策の中間的な選択肢の創設を図るべきである」とされました。
 これを踏まえまして、4ページ目にありますとおり、地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律を前の通常国会に提出させていただきまして、議論いただいて成立しました。赤囲みの部分が連携法人に関する部分になっております。
 施行期日のところですが、赤く囲んでいます「5は公布の日から2年を超えない範囲の政令で定める日」とされておりまして、この公布の日というのが令和2年6月12日になっておりまして、ここから2年を超えない範囲ですので、令和4年6月12日までに議論をして施行をしていくという形になっております。
 具体的な内容は5ページ目、連携法人制度の図を載せさせていただいております。要件を満たしている一般社団法人を所轄庁、こちらは社会福祉法人と同様で、事業区域ですとか事務所の所在地から決定する所轄庁が認定をして、それから監督をしていくという仕組みにしております。社員総会、理事会が必置になっておりまして、評議会としまして、地域の関係者、福祉サービスを受ける立場にある者、社会福祉に関する団体、地域福祉の実情を知る専門家などの意見の集約をする場を設けまして、こちらが社員総会、理事会に意見を述べることができるという仕組みにしております。
 連携法人ですが、具体的な社員の範囲、業務の範囲につきましては、社員については「社会福祉法人その他社会福祉事業を経営する者」「社会福祉法人の経営基盤を強化するために必要な者」としております。
 業務については、6つ連携推進業務として考えております。地域共生社会の実現に資する業務の実施に向けた種別を超えた連携支援。災害対応に係る連携体制の整備。社会福祉事業の経営に関する支援。社員である社会福祉法人への資金の貸付。福祉人材不足への対応。設備、物質の共同購入とさせていただいております。
 2つ目の※のところにありますとおり、連携法人は、これらの業務以外の業務については、これらの業務に支障を及ぼすおそれがない範囲で実施が可能となっておりますが、社会福祉事業を行うことは法律でできないこととしております。こちらは社会福祉法人と連携法人のすみ分けという観点で、連携法人は、あくまでも社員の連携を推進していくことに注力をしていくという観点で社会福祉事業を行えないこととしているところでございます。
 具体的な業務のイメージを6ページに載せさせていただいております。左側が、例えば社員による職員の人材育成や採用活動の共同実施ということで、AからCが連携法人の社員となるのですが、連携法人が共同で研修を実施していくといったこと。また、大学などの福祉従事者の養成施設にリクルート活動をまとめて行っていくということを考えております。社員である法人の職員募集の連携法人への委託が一定の要件の下、特例的に連携法人による届出で実施可能ということで、職業安定法上の特例も法律上で設けているようなところでございます。
 右側は、各社員が連携して、地域の多様な福祉ニーズに対応するという観点で、真ん中のところにあります4つが社員になるのですけれども、こういったところが住民の地域生活課題に対応していくときに、例えば連携法人が法人間、施設間の連絡調整を行ったり、自治体と地域住民のニーズや課題の共有、個別支援時の連携をしていくことで、社員がそれぞれ円滑に取組を進めていくことができるようになるということでございます。
 7ページ目になります。業務の中で社会福祉法人への資金の貸付というものがございます。こちらについては、社会福祉事業を安定的に行うために実施する連携法人から社会福祉法人への貸付の原資として、貸付対象ではない社員である社会福祉法人から連携法人への貸付を認めるものです。
 連携法人への貸付額は、当該社会福祉法人の拠点において経常活動収支差額が黒字かつ資金不足が生じない範囲等(法人本部への繰入れ可能額)の範囲で認めていくと考えているところでございます。
 下の図にありますとおり、「社員」で囲まれているところの社会福祉法人A、社会福祉法人Bが連携法人に資金を貸し付けまして、その貸付原資はほかの資金と区分経理をして、混じらないようにしていく。貸し付けられた部分というのは、あくまでも貸付対象社会福祉法人への貸付以外には使用できないものとするということで、ここの資金を原資にして、貸付対象の社会福祉法人Cに貸付を連携法人が行うという業務でございます。この貸付対象の社会福祉法人Cが、貸した資金をしっかり約束どおりに使っているかを確認するという観点で、その法人が重要事項を決める際には連携法人の承認が必要であると法律上で規定しております。また、一つ一つの貸付の内容について所轄庁がきちんと確認をしていくことというのも整備しております。ここまでが連携法人の業務のイメージでございます。
 続きまして、社会福祉法人の連携・協働化に関する政府の文書としまして、8ページ目に載せております。最初が2年前の骨太方針2018でございます。こちらで「介護の経営の大規模化、協働化により人材や資源を有効に活用する」という内容で、法人の連携・協働化といった内容が盛り込まれたところです。
 2つ下に行っていただきまして、去年の成長戦略のフォローアップのほうで、「社会福祉法人の事業の協働化・大規模化の促進方策等について、有識者による検討会を開催し、2019年度中に結論を得る」とされたところでございます。これを踏まえて、去年事業展開検討会を開催して、法律を提出させていただいたところでございます。
 9ページ目は、法律が成立した後の最近の政府の動きということになります。規制改革会議からの指摘としまして、「1社員1議決権という原則のルールの下では、事業連携に必要となる共通的な意思決定を円滑に行うことは容易ではないとの指摘もある。同制度の活用を含めて広範な法人間連携が促進されるよう、新制度が円滑に施行されることが望まれる」ということで、「介護事業者の連携に当たって社会福祉連携推進法人制度が積極的かつ有効に活用されるよう、議決権に係る定款上の別段の定めに関する考え方を整理するなど、同制度を円滑に施行する」という内容が規制改革実行計画に盛り込まれておりまして、こちらも踏まえながら検討をこれから進めていくところでございます。
 10ページ以降は施行に向けた論点ということで、業務の総論に関することとか、各業務に関すること、法人のガバナンスに関すること、社員に関すること、そのほか情報公開に関することなど、一つ一つ論点を網羅的に示させていただいて、11月9日の際にはこれについて議論いただきまして、こういった論点がさらに追加で必要ではないかといった御意見を幾つかいただいたところでございます。
 今後はこの論点に基づきまして、これは切り分けた形でかなり幅広くなっておりますので、少しずつ検討を進めていきたいと考えております。
 今はこの資料上で左側が論点となっていて、右側に関連する内容が載っているという形で、あくまでも個別の論点の考え方についてどういうふうに考えるかという部分については、この資料上は出てこないのですけれども、第2回以降ではそれぞれの論点について、こういうふうにすべきではないかと示したものについて、皆さんで御議論いただくというふうに進めていく予定でございます。
 資料の5についての説明は以上でございます。
 続きまして、資料6について御説明させていただきます。連携法人に係る会計基準素案の作成についてでございます。社会福祉連携推進法人は、社会福祉法人と同様、厚生労働省令で定める会計基準に従い、会計処理を行わなければならないこととされております。こちらは法律で規定を整備しておりまして、「社会福祉連携推進法人は、厚生労働省令で定める基準に従い、会計処理を行わなければならない」と規定がされているところでございます。そのため、施行までにこの連携法人の会計基準省令を整備していく必要がございます。そこで、今、御説明させていただきました「社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会」における運営の在り方等に関する検討を踏まえつつ、事務局が作成する社会福祉連携推進法人の会計基準素案につきまして、この検討会において御検討いただきたいと考えているところでございます。
 会計基準の素案につきましては、開催要綱4の(3)に基づきまして。資料1が開催要綱になっているのですけれども、4の(3)社会・援護局長は、「主な検討項目」の議論に資するため、必要があると認める場合は、座長の承諾を得て、有識者等に協力を依頼することができるという内容の部分でございます。こちらに基づきまして、座長の承諾を得て、会計の専門的知識を有する方に協力を依頼して、会計基準の素案を作成することとさせていただきたいと考えております。
 資料の説明は以上でございます。
○秋山座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして御質問等がございましたら、お願いいたします。亀岡構成員、お願いします。
○亀岡構成員 ありがとうございました。
 資料5の5ページ目「社会福祉連携推進法人」という図を見ますと、これは、社会福祉連携推進法人は一般社団法人を認定するという仕組みになっていますので理事会があって、社員総会があるのは分かりますが、右側に「評議会」が記載されています、評議員会ではないので、いわゆる財団系ではないものと思われますが、評議会の構成員を見ると、地域にある地域協議会と構成員が似ていると思うのです。評議会と地域にある地域協議会というのはどのように異なるのでしょうか。御説明願えませんでしょうか。
○秋山座長 事務局、お願いいたします。
○初鹿専門官 御質問ありがとうございます。
 評議会というのは、あくまでも連携法人の中の組織として、各連携法人を創設していただく場合には、それぞれ法人の中に設けていただくための仕組みでございます。こちらを設けている理由ですが、連携法人というのが地域の社会福祉法人、社会福祉事業に関係する幾つかのところが入っていただいて業務をしていくということになりますので、地域福祉に与える影響の大きさや業務の公益性などを鑑みたときに、地域の声やサービスを受ける方の声が反映される仕組みがこの法人の中にあったほうがいいのではないかという考えの下で、評議会を必ず設置して、評議会から意見を言われたら、尊重することという規定を設けたところでございます。
 ですので、今ある地域の協議会といったものとは別で、この法人それぞれつくっていただいたら、それぞれの中で設置していただかなければいけないのですが、この評議会の部分は具体的にどういう方が入ってくるかというところは、今、法律上で詳細が決まっていないためる、今後連携法人の在り方の検討会のほうでしっかり詰めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○亀岡構成員 ありがとうございます。
○秋山座長 それでは、有松構成員、お願いいたします。
○有松構成員 1点お伺いさせていただきたいのですが、資料5の3ページ目に社会福祉法人の事業展開等に関する検討会の報告書の概要を載せていただいて、その中で四角の囲みで「社会福祉法人の連携・協働化の方法」ということで、➀から➂まで3点ほど挙げられておりまして、今回の社会福祉連携推進法人の制度の創設も➁の中に書かれているのですが、社会福祉連携推進法人の役割と、➀に書かれています社会福祉協議会による連携のところ。資料5の6ページの社会福祉連携推進法人の業務のイメージの具体例を拝見させていただきますと、社会福祉協議会の業務、役割としても求められる部分がかなり重なるのかなというイメージを持っているのですが、社会福祉協議会のこれからの役割の強化と、新しい社会福祉連携推進法人の制度に求める役割の部分のすみ分けというか、それぞれのイメージについてもう少し詳しく考えていらっしゃることがあれば、教えていただければと思います。
○秋山座長 事務局、お願いいたします。
○初鹿専門官 御質問ありがとうございます。
 既存の連携の仕組みとして既に社協がありまして、今回なぜ連携法人をつくっていくのかということですけれども、社協との一番大きな違いは、連携法人は地域の縛りがないということになります。社協となりますと、1つの市とか1つの県とか、活動の範囲が決まっていまして、また、社会福祉関係であれば、その地域の方が基本的に入ってくるような仕組みになっているかと思います。
 一方で、連携法人のほうは地域の縛りがないので、かなり広い、同じ連携法人をつくりたいという意思、一緒にやっていこうという意思を持ったところであれば、県をまたいで組んでいただくようなことも可能となっております。例えば人材育成に関する業務ですとか、そういった少し広い範囲でやっていくことが想定されるようなものなどは、地域を越えてやっていけるというのが利点になってくるかなと思います。
 今、有松構成員から御指摘いただいた、既存の連携の仕組みと新しい連携法人の役割の違い、メリットの部分をしっかり説明していくべきではないかという御意見を、11月9日の連携法人の在り方に関する検討会でもいただいたところでございまして、その部分についても次回以降で、連携法人はこういう部分がほかの連携の仕組みと違ってメリットがあって、一般社団法人ではないほかの連携の方法ともこういう違いがあって、メリットがあるというのをしっかり整理していこうと考えております。
 以上でございます。
○有松構成員 ありがとうございます。
○秋山座長 ほかに御意見、御質問等ございませんでしょうか。では、松前構成員、お願いします。
○松前構成員 ありがとうございます。
 資料5の5ページ、社会福祉連携推進法人について、一般社団法人を認定するということでございますが、一般社団法人につきましては、法律上規定されている法人だと思います。これから会計基準について検討していく中で、そういった法律、もともと一般法人法の中でも会計に関する規定等があると認識しておりますが、それに加えて社会福祉法に基づいてこの連携法人が規定されるということで、併せてそういった法律の縛りがかかって、それに基づいて会計基準をつくっていくというような理解でよろしいでしょうか。
○秋山座長 事務局、お願いいたします。
○初鹿専門官 御質問ありがとうございます。
 まさにそのとおりでございまして、認定はするものの、形としては一般社団法人になりますので、基本的なルールというのは一般社団法人法に基づくものになるのですけれども、そこに連携法人が担っている役割などを加味しまして、社会福祉法に要件を足しているということになります。
 御検討いただきたい会計基準についても、一般社団法人としての会計基準ということになりますが、社会福祉法人が社員として入ってくることとか、業務の公益性などを鑑みて、社会福祉法人の会計基準の必要な要素を入れて、連携法人として必要な会計の基準について御検討いただきたいと考えております。
 以上です。
○松前構成員 ありがとうございました。
○秋山座長 ほかに御意見、御質問等ございませんでしょうか。亀岡構成員、お願いします。
○亀岡構成員 お願いと質問です。1つは3ページ目「社会福祉法人の連携・協働化の方法」の➁社会福祉法人を中核とする非営利連携法人制度の創設ということで、このことは先ほどの話になると思うのですが、5ページの図を見ますと、社会福祉連携推進法人は社会福祉事業ができないということですが、社会福祉法人やNPO法人等が社員になれるとあります。現状でも、例えば有料老人ホームの運営は営利法人を含む民間もできると思うのです。民間の有料老人ホームでも、厚労省の指導の下、老人福祉サービスを確保できるような体制をつくられていると思います。また、老人介護の分野でも、在宅介護は営利法人を含む民間もできるし、そこにおいては社会福祉法人と同じサービスを提供することになると思います。ということもありますので、今般、新設の法人は非営利の法人形態でいいと思うのですが、参画者の中には営利的な法人等もいてもいいと思います。もちろん、営利を目的として入ってくるわけではありませんけれども、そういう人たちの中に実はとてもいいノウハウを持っていて、結果的にそのことが地域福祉においても、社会福祉法人にとってもプラスになるようなこともあると思います。そこで、お聞きしたいのですが、参加者として非営利の方だけではなく、営利の方の参加も考えておられるのでしょうか。
 もう一つは、先ほど松前構成員のほうからお話があったとおりですけれども、公益法人においては一般法人法と公益認定法がありまして、一般法人法で法人を設立し、公益認定法で公益の基準を規定しています。そして、その公益の基準を満たしているかどうかを判断し易いように会計処理についても規定されています。これは、制度が会計的なものを規制していることになりますが、先ほどは、そういうものを、想定されておられるという御回答がございました。そのことについて特に異論を唱えるつもりはございませんが、実際に公益法人の会計に携わっておられる方ならお分かりになると思いますが、公益法人の会計基準は平成16年の改正基準があって、その後、公益法人制度の改正に伴い平成16年改正基準を基本的な枠組みとしながらも新制度に合わせて策定されたのが、現在の、平成20年基準です。平成16年改正基準と平成20年基準について、純粋な会計的な視点から見たときに平成16年改正基準から平成20年基準への移行は、少し後退した部分があるのかなと思いますので、これから制度をつくられるのであれば、会計の観点からみても、制度の観点からみても、共にいいと思えるものを作っていただきたいと思います。制度が先にありきで、会計がそれに追随するというのは、本来は、そういう順番かもしれませんが、特にこれからの情報公開のことを考えますと会計がその重要なツールになりますので、会計がうまく整合できる制度をつくっていただきたいと思います。これはお願いです。よろしくお願い致します。
○秋山座長 では、事務局のほうから、1つ目は質問で、2つ目はお願いですので、よろしくお願いします。
○初鹿専門官 1つ目ですけれども、参加する社員は、株式会社、営利を目的としているようなものも参画できます。社会福祉法人で社会福祉事業をできる者は、第一種ではなく、第二種の社会福祉事業を実施している方も含まれてきますので、社会福祉法人ですとか、NPO法人ですとか、公益関係の社団ですとか、そのほかにも社会福祉事業を担っていただいている株式会社も参画することができますので、地域で社会福祉事業をしている方というのは、広く社員としては入っていただけます。
○亀岡構成員 株式会社は、社会福祉事業としては実施していないと思っています。株式会社が行っている居宅介護保険事業などは介護保険法上の介護保険事業であって、社会福祉事業という角度ではないと思うのですが。
○宇野福祉基盤課長 社会福祉事業でやっています。分かりやすいものでは保育所です。あれは第二種社会福祉事業です。ですから、これは入れます。
○亀岡構成員 保育所。つまり、第二種社会福祉事業ですね。分かりました。私が申し上げたかったのは、社会福祉法人以外の法人でも第二種社会福祉事業を行うことは認められていますが、株式会社は営利法人ですので営利事業として実施しているということです。ですから、株式会社が行う事業ですので課税事業となります。同様に公益法人は公益事業として実施しているということを申し上げたかったのです。
○秋山座長 よろしいですか。では、林構成員、お願いいたします。
○林構成員 それに関連する質問ですが、改正法では百二十七条の一項二号で「社員の構成について、社会福祉法人その他社会福祉事業を経営する者又は社会福祉法人の経営基盤を強化するために必要な者として厚生労働省令で定める者」となっておりまして、なおかつ「社会福祉法人である社員の数が社員の過半数であること」という縛りがありますので、社員は社会福祉法人が過半数。その他としては「社会福祉事業を経営する者」。「又は」の後に「経営基盤を強化するために必要な者として厚生労働省令で定める者」。これがもう一つの検討会のほうで具体的に定められるのだろうと思っておりますので、多分株式会社も可能にはなるのかな。
 例えば社員のうちの一つに、連携推進法人と社協の関係についての考え方を私は分かっていないのですが、連携推進法人が社協と大きく違うのは、社協は市町村社協。当該地域における社会福祉事業者の過半が参加する協議体であるというのが社協だと思うのです。今回つくられるのは、当該地域の過半数の者が集まるということではなくて、1つの市町村で2つ、3つできても構わないという前提で、気の合った者同士で一緒にやっていこうかというような組織なのかなと理解しているのですが、それで間違いないのでしょうか。
 その中では、極端なことを言うと、社会福祉法人が10法人ほど集まって、さらにコンサルタント会社も1つ社員として入るということも可能性としてはあるのだろうなと。これから詳細は省令をどのように定めるかということで、その方向を見ながらどういう会計基準がいいのかというのを考えるのが私たちの役割なのだろうなと思っております。
 以上です。
○秋山座長 今のは御意見だと思いますけれども、事務局のほうから何か。どうぞ。
○初鹿専門官 今いただいた御意見のとおりでございまして、社員ですけれども、横型の資料の18ページ、一番上の箱の右側に第百二十七条第二号ということで、「社員の構成について、社会福祉法人その他社会福祉事業を経営する者」。ここで一旦切れまして、「又は社会福祉法人の経営基盤を強化するために必要な者として厚生労働省令で定める者」に分かれています。「社会福祉法人その他社会福祉事業を経営する者」の部分で社会福祉事業を経営していれば、株式会社ですとかNPO法人ですとか、社会福祉法人以外の法人形態も入ってくると。
 後半の部分「厚生労働省令で定める者」として、まだ詳細が決まっていない「経営基盤を強化するために必要な者」というのがどういう人が入ってくるのかというのは、林構成員から御指摘いただきましたとおり、これから連携法人の在り方に関する検討会のほうで議論を進めていくようなところになります。
 それから、社協との役割の違いという部分ですが、連携法人は、まさに組みたいといった方々で組んでいただくというものになっておりまして、御指摘いただいたようなパターンというのも想定されるのではないかと考えております。いずれにしても、これから在り方に関する検討会のほうで検討していった内容を、随時こちらの検討会にも報告させていただきたいと考えております。
 以上です。
○秋山座長 ありがとうございます。
 ほかに御意見、御質問等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、先ほどの御説明の中で、社会福祉連携推進法人の会計基準素案につきまして、会計の専門的知識を有する者に協力を依頼して作成したい旨、事務局より求めがございました。本検討会といたしましても、円滑に議論を進めていくために、素案が一定の水準に達していること、素案に盛り込まれた考え方を明確な根拠を持って説明できるものになっていることが必要と考えます。
 つきましては、先ほど御説明がありました開催要綱4の(3)に基づき、社会福祉連携推進法人会計基準の素案作成に関しまして、有識者への協力依頼を承諾したいと思います。有識者の人選につきましては座長一任とさせていただきたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○秋山座長 ありがとうございます。それでは、そのように決定させていただきます。
 次に、松前構成員から資料の提出がございましたので、御説明のほうをよろしくお願いいたします。資料7-1、7-2の御説明です。よろしくお願いいたします。
○松前構成員 ありがとうございます。松前でございます。
 資料7-1、7-2を御準備いただきまして、資料7-1に従って御説明をさせていただきたいと思います。
 その前に、資料7-2は、日本公認会計士協会で2019年7月に公表した非営利組織における財務報告の検討ということで、内容は非営利組織においてどういった財務報告の仕方があるのかとか、その基となるフレームワークはどうかということを報告書として書いてございます。
 附属資料1といたしまして、非営利組織における財務報告の基礎概念、附属資料2として非営利組織のモデル会計基準ということで、ちょっと厚いですが、こういった冊子になっているところでございます。これについて資料7-1で御説明をさせていただきたいと思います。
 7-1をおめくりいただきますと、目次ということでございますが、今回、日本公認会計士協会で公表させていただいた経緯。これまでの公表物。こういったモデル会計基準について、どういった検討体制と手続によって進めていったかということ。また、財務報告の基礎概念の位置づけとか、モデル会計基準との比較検討。これについて本協会で考えているような視点を中心に説明をさせていただきたいと思います。
 3ページ、会計士協会で公表させていただきました経緯でございます。最近コロナも一段と影響が大きくなってきてございますが、多様な社会的な課題といったものへの対応とか、社会保障の持続可能性、政府の財政の状況とか、こういった観点から非営利セクターの活躍の場がとても広がってきておりまして、社会的な期待も一層高まっているという状況でございます。
 一方、日本では国際的に見て非営利セクターへの従事割合等の規模が小さくて、財源面については脆弱であったり、専門的な人材確保の難しさなど、そういった個別の法人においても様々な課題を抱えていると認識しております。
 そういった中で、非営利組織がさらに活躍していく上で、自律したガバナンスと経営を実現するとともに、経営力を高めていくということが求められていると認識しているところでございます。
 非営利組織が資源提供者とか地域社会といったステークホルダーに対して、その経営状態や活動状況を報告して、説明責任を果たすということが自律したガバナンスと経営の根幹と考えております。
 日本においてもほとんどの非営利組織に一定の情報開示が課せられていると認識しております。こちらの社会福祉法人につきましては、開示システムが充実しているということで、99%以上整備が進んでいると認識しておりますが、そのほか、非営利組織、公益法人、医療法人、学校法人とかNPO法人、いろいろございますけれども、一定の情報の入手のしやすさについては、まだ課題がたくさんあると考えられているところでございます。
 さらには、社会福祉法人だけでなく、公益法人、医療法人、そのほか、法人形態ごとに会計基準や、会計基準によって作成される財務諸表、その他開示の書類について、作成の基準が異なることから、その内容についてちょっと違いがあって、一般の情報利用者による横断的な理解については少々困難な状況にあると認識しております。
 こういった状況の中で、民間から非営利組織へ資源提供をしやすい環境を整えるということがまず考えられます。また、法人間の連携が求められる社会的な要請に応えていく観点から、法人形態を越えてステークホルダーのニーズに応え得る共通的な会計の枠組みが必要だということから、会計士協会では非営利組織の共通的な会計の枠組み整備に向けて検討を開始したところでございます。
 検討に当たっては、非営利組織における財務報告の利用者と情報ニーズから財務報告目的を整理した上で、非営利組織や事業特性、法人形態を越えて活動領域が多岐にわたっている点に留意して、日本だけではなく、諸外国における非営利組織の会計についても参考にしながら検討していったところでございます。
 4ページ目でございます。これまで幾つか公表物を出させていただいておりまして、弊会におきまして、2013年、最初に弊会内の非営利法人委員会の研究報告25号といたしまして、「非営利組織の会計枠組みの構築に向けて」ということを公表させていただいております。公表後1年間、関係する有識者の方々にヒアリング調査を実施いたしまして、その結果を踏まえまして、我が国における非営利組織の会計及び基準の設定の在り方について検討を進めるために、プロジェクトチームを設定して主な論点を検討したところでございます。
 その結果、2015年5月に非営利組織会計検討会における報告といたしまして、「非営利組織の財務報告の在り方に関する論点整理」というものを公表させていただいております。その論点整理のうち重要な論点については、弊会内の非営利法人委員会で研究報告。ここに書かせていただいております収益認識、固定資産の減損、こういったものを公表させていただいております。
 これらを足がかりといたしまして、2019年7月に非営利組織会計検討会における報告といたしまして、非営利組織における財務報告の検討ということで、モデル会計基準を含む御提案をさせていただいているところでございます。
 このモデル会計基準の提案でございますが、強制力があるものではございませんで、非営利組織の間で共通化に向けて、例えば会計基準を改正するタイミングがあれば、そういったところで参照していただくための参考の基準ということで位置づけているところでございます。
 5ページでございます。検討の体制とプロセスということで、検討の体制といたしましては、弊会の会長の下にプロジェクトチームを設置いたしまして、その下にワーキンググループをつくりまして、そこでの検討。また、プロジェクトチームでの検討を経て公表したものでございます。検討のメンバーは、慶應大学の名誉教授であられます合田先生を座長といたしまして、企業会計基準委員会の方、学識経験者の方、本協会の役員等をメンバーとしてプロジェクトチームを組成したところでございます。
 今回のモデル会計基準の検討に当たっては、2018年6月から翌年4月まで7回検討が行われていたところでございますが、この検討の中身といたしましては、こちらの1から7に掲げている内容を主なテーマとして検討を重ねたところでございます。これらの中には収益の認識基準とか、最近企業会計で新たに公表された会計基準等も、そちらも参考にしながら取り入れられているという状況でございます。
 公表のプロセスにつきましても、2019年4月から6月までの間にパブリックコメントを実施して、公表までさせていただいているところでございます。
 6ページが非営利組織の財務報告の基礎概念の位置づけということでございます。財務報告の目的、会計情報の質的特性とか、財務諸表の構成要素、また、認識、測定についての考え方、基本的な会計の理論の考え方をまとめたものでございまして、財務報告の目的については、意思決定有用性、スチュワードシップに基づく説明責任といったものを掲げているところでございます。非営利組織が作成する財務諸表というのは、一般目的で分かりやすいものということをコンセプトとしてございますので、そういった目的を達成するための基礎概念ということで、企業会計とは別に基礎概念のフレームワークの作成をさせていただいているものでございます。ただ、企業会計基準委員会が出している検討の資料とか、そういったものも参考にさせていただきながら、非営利独自のものを開発させていただいたところでございます。
 そういった基礎概念を基にモデル概念基準を作成しているところでございますが、モデル会計基準は、網羅的に非営利組織が漏れなく使えるようにといったことを考えながらベースとしてつくったものでございますので、個々に比較すると制度における会計基準との違いは幾つかあるということは認識しております。ただ、それらをはじくのではなくて、網羅性、そういったものも含められるということで、広くつくっている概念という位置づけでございます。
 7ページ目、モデル会計基準との比較検討の視点ということでございます。モデル会計基準の位置づけ。これまでの説明と重複するところもございます。モデル会計基準は、非営利組織に特有の事情を反映した、一般目的の財務諸表作成のための会計基準ということでございます。
 非営利組織の財務報告の基礎概念を基に作成したものでございまして、非営利組織の個別の事情もできる限り反映して、漏れなく各非営利組織が参照できるものを目指した会計基準でございます。
 この位置づけとして重要なところは、法人形態別の会計基準の改定の際に参照していただくプロセスを通じて、各基準間で相互整合性が高まるということを期待しているということでございます。なので、極端なことを言えば、モデル会計基準がそのまま社会福祉法人の会計基準に置き換わるとか、そういうことではなくて、こういったモデル会計基準の考え方が一部取り入れられていくことによって、横並びというか、比較可能性のある情報がつくられていくのではないかというところを期待しているものでございます。
 2つ目、社会福祉法人会計基準の改正の際にモデル会計基準を参照する場合の弊会の考えということでございます。制度上必要とされる会計処理及び情報とモデル会計基準を比較して相違点を明確にするということが考えられます。相違点があるというふうに明確にするということは議論のきっかけということで、そういったことを探るという考え方でございます。
 また、社会福祉法人の会計基準に規定のない項目については、モデル会計基準を参照していただくことで、必要であればそれを取り入れていただくというような視点でございます。あくまでも全ての項目を取り入れるということではなくて、必要なものを入れていただきながら、徐々に各法人形態別の会計基準の整合性が高まるということを考えているところでございます。
 こういった視点の下で、資料にはないのですけれども、2019年7月から普及活動を1年ほど重ねているところでございますが、これまで法人形態別の会計基準を所管する各省庁の方々と意見交換をしたり、個別の会計基準の検討会において紹介をさせていただいているところでございます。
 まず最初に、2019年9月に非営利法人研究学会の全国大会でモデル会計基準について発表させていただいております。そのときには、こちらの検討会のメンバーでございました合田座長をコーディネーターとしていただきまして、京都大学の藤井先生、中村学園大学の日野先生にパネリストとしてご登壇いただいて、た非営利法人に精通されているメンバーの方々で組織されている学会で公表させていただきまして、そこでは広く賛成の御意見をいただいたところでございます。長年こういった非営利分野で活躍されている研究者の方々においては、こういったモデル会計基準ができたこと、形ができたことに対して大きく評価をいただいたところでございます。もちろん、中の個別の論点についてはそれぞれ見解がございますので、今後も検討を重ねていくところでございますが、まずそういった学会でも公表させていただいているということでございます。
 個別の会計基準につきまして、先ほど組織再編について御説明をいただいたところでございますが、昨年事業再編の会計処理について検討。私も参加させていただいたところでございますが、先ほど御紹介させていただきました論点整理の考え方に結合の考え方がございまして、そういった考え方も御紹介をさせていただいたということがございます。
 また、公益法人の会計基準におきましては、今年の5月に改正がされているところでございます。改正の内容については、会計基準の中に「継続組織の前提について」という新たな規定を1つ追加していただいたところでございますが、これはモデル会計基準の中で規定されているもので、日本では企業会計でもまだ取り入られていないところでございますが、「継続組織の前提について」という規定をモデル会計基準を参考にしながら入れていただいたところでございます。
 また、令和元年度の公益法人の会計に関する検討結果の報告書においては、モデル会計基準と明確には書いていないのですが、「継続組織の前提」、こういった名称の変更も行われておりまして、今後もこういった協会が行っている取組については有用であろうということで、参考にしながら公益法人の会計に関する課題についても検討していくという趣旨の内容が記載をされているところでございます。
 そのほか、モデル会計基準の普及の状況でございますが、先ほど連携法人について御説明いただきましたが、一般社団法人をベースとした法人形態であると認識しているところでございます。それに関連してということでございますが、一般社団・財団法人の会計基準案というのが、公益社団法人の非営利法人研究学会の中で発表されているところでございます。学会で発表されているというところで、ある一定のプロセスを経た会計基準が現在案としてあります。それについては、その報告書の中に書いてあるのですが、モデル会計基準をベースとして、公益法人の会計基準と比較しながら、一般社団・財団法人に必要な規定を検討して、報告書として作成しているという内容が書かれておりまして、モデル会計基準をベースにそういった会計基準の案がつくられたということで、御報告をさせていただきます。
 8ページ目は、参考として社会福祉法人会計基準とモデル会計基準の比較ということで、主なところを比較させていただきました。検討の視点で先ほど御紹介させていただきましたが、社会福祉法人の会計基準、モデル会計基準、同じ項目について比較した場合に、こちらに示させていただいたような項目に違いがあります。これについては、社会的な要請とか財務報告の意義、こういうことを考えながら、今後このような違いに注目しながら、分かりやすいという視点の下に比較して、どういった会計基準にするのが一番いいのかというのを検討していくということも一つの方法と考えておりますので、参考として記載をさせていただいております。
 特に下のほうにあります事業活動計算書とか資金収支計算書については、社会福祉法人の活動実績を開示するために大事な情報でありますが、一方で、他の法人形態の主体が同一事業を行う場合、現状では異なる会計基準で作成されている情報であるので、比較情報としてどうだろうと考えたときに、もう少し分かりやすい情報が今後検討できるのではないかと認識しております。
 また、活動計算書につきましては、モデル会計基準では非常にシンプルにつくっているところでございます。
 キャッシュフロー計算書につきましては、もともと非営利組織において収支計算書というのが歴史的に使われてきた経緯がございますので、収支計算書から移行を推奨するべく簡便法という規定をモデル会計基準では置いてございますので、そういったものも参考にしていただくということが考えられるため、参考として記載をさせていただきました。
 9ページ目、今後の方向性ということで、弊会が考えている方向性を書かせていただいております。このアプローチでございますが、2013年の研究報告25号において提唱させていただいたある程度のゴールというか、そのときに考えていた図がまだそのまま残っているところでございます。今、開発の段階としてどういうところかといいますと、右側の赤い四角のところでございます。非営利組織の財務報告の基礎概念を基に、非営利組織のモデル会計基準を開発させていただいたところでございまして、各個別の会計基準との整合性を確保することが今、活動の主たる目的になっているところでございます。こういったことでモデル会計基準の普及を促進する時期ということでございますので、各会計基準の設定主体において、参照していただくことによって一層の発展につながるものと考えております。
 モデル会計基準については、そういった意見交換とかを取り入れていただく中で、フィードバックを受けてモデル会計基準自体もさらなる改正をしていくという状況でございます。最終的に非営利組織会計基準となるものがもし完成するのであれば、情報利用者に対して分かりやすい情報の提供だけではなく、例えば個別の会計基準設定主体においても、それぞれ個別に会計基準を改正していくという手間や暇が少し軽減されて、社会的な貢献にもつながるのではないかと考えているところでございます。
 ただ、一番下の図は、日本公認会計士協会が平成25年に検討を始めたときに仮に想定される形を絵にしたものにすぎませんので、いろんな関係者の方々の意見の中で、徐々にどういったものが非営利組織で必要な会計基準になっていくかということを考え、形成していくものと考えておりますので、これはあくまでも一つの形でございますので、変わっていくものと考えております。
 モデル会計基準については以上でございます。
○秋山座長 ありがとうございました。
 最初に私から1点、事務局にお伺いしたいと思いますけれども、本日の検討会で松前構成員に資料7-1、7-2の提出と説明を御依頼された趣旨を御説明いただけたらと思います。
○宇野福祉基盤課長 福祉基盤課長でございます。
 松前先生、ありがとうございました。
 本日の検討会、松前先生から公認会計士協会で行っています非営利組織におけるモデル会計基準の提案ということで、こういった取組をされているということを私どももいろいろな意見交換の場でお伺いしていたものですから、社会福祉法人会計基準の今後の検討の参考になるかもしれないということで、この機会に非営利モデル会計基準の御報告をお願いしたという趣旨でございます。
 御案内のとおり、社会福祉法人の会計基準自体は、社会福祉法人の非営利性・公益性を担保する観点から会計基準を策定しまして、これも釈迦に説法ですけれども、そもそも通知時代からありまして、それを平成12年に一度まとめていただきまして、その後平成23年に分野ごとに分かれていたものを一本化しまして、そういったものができて、今の会計基準の形になっておりまして、また、これが平成28年には社会福祉法に基づく、法律の根拠のある会計基準という形になっております。
 今後、他法人の会計基準、企業会計基準もそうですし、公益法人会計基準もそうですし、学校法人の会計基準もありますでしょうし、こういったものとの整合性、どういうふうにやっているかということは、社会福祉法人の会計基準の今後の検討項目として、当然他の法人の会計基準の内容を参考にさせていただきながら、その会計基準自体はこの等検討会で御検討いただくことになると思いますけれども、例えば非営利モデル会計基準がこうなっていますから、そのまま盛り込みましょうということは、私どもとしてはあり得ないと考えておりまして、あくまでも社会福祉法人制度の趣旨にのっとった形で、社会福祉法人会計基準としてふさわしいかどうかを本検討会で御検討いただいた上で、それで合意いただいたものを盛り込むという考えでございます。
 以上でございます。
○秋山座長 ありがとうございました。
 非営利組織につきましては、幅広いステークホルダーの情報ニーズに応えなければいけないということで、非営利組織の会計については一貫した枠組みの下、中長期的に各法人間の比較可能性を確保していくということも一案であると考えます。今後の社会福祉法人会計の検討においてもそのような視点を持っていくことは非常に重要であると考えております。
 それでは、先ほどの松前構成員の御説明につきまして御質問等ございましたら、挙手にてお願いいたします。亀岡構成員、お願いします。
○亀岡構成員 特に質問ではないのですけれども、先ほどのお話の中で、公益社団法人非営利法人研究学会の全国大会で、一般社団・財団法人の会計基準案の報告があったというお話がありました。確かにそのとおりです。実は私も関係をしていたので、当該会計基準案の取扱いについて、公益社団法人非営利法人研究学会の事務局を通じて確認しましたところ、当該会計基準案は、内容についての審議なく報告があったものであり、公益社団法人非営利法人研究学会として発表したものではない。また、当該会計基準案の研究会についても、今後の開催の予定はないとの回答をいただいております。つきましては、一般社団・財団法人の会計基準案は、全国大会で報告があったものですが、このような整理を全国大会の主催者側が行っているということを申し添えておきます。
○秋山座長 今のはモデル会計基準ではなくて、それを参考にして作成された一般法人向けの会計基準案のお話ということ。
○亀岡構成員 そのとおりです。
○秋山座長 ほかに御意見や御質問等ございますでしょうか。林構成員、お願いいたします。
○林構成員 意見ということで申し上げてよろしいでしょうか。今、意見があればということをおっしゃったので、少し言わせていただきます。先ほど有識者に素案をお願いするということで、皆さん、了解されたと思うのですが、ただ、投げ出すだけでいいのかなと。ここでの方向性とかは当然議論されるのかなとは思うのですが、方向性とかについて少し思うところがあるので意見を申し上げたいと思うのですが、構いませんでしょうか。よろしいですか。
○秋山座長 どうぞ。
○林構成員 連携推進法人は社団法人ですので、単に所轄の認定を受けるだけで、法人としては一般社団法人なので、社会福祉法人会計基準がそのまま適用されるわけにはいかない。やりようがないので、新しい基準が必要だと思いますが、新しい基準をつくるといっても、会計基準としては、今の社会福祉法人の人たちが理解できるような基準でないと意味がないだろう。少なくとも過半の社員が社会福祉法人であるということを考えると、社員の人たち自らがつくる法人の決算書が理解できないような計算書類では話にならない。いかに論理的に緻密なものであっても、本来会計というのは言語のようなところがあるので、お互いが理解できるということが前提だと思いますので、構成員たる社会福祉法人の人たちが理解できるような会計にしていただきたいと思っております。そういう方向でぜひ素案をつくっていただきたいなと思っております。
 もっと端的に申し上げますと、社会福祉法人会計とはここが違うのだなということが分かれば理解できるような会計でないと、社会福祉の世界の会計基準としてはなかなか実用に耐えないのではないのかなという気がしております。これが第1点です。
 あと、一つ疑問に思いますのは、会計監査人が設置されることになろうかと思うのですが、会計監査人が設置される法人と、そうでない、小さな小さな法人とで精緻な会計基準を共通にするということについて、いかがなものかなという気がするのです。日本で申し上げますと、あまたの中小企業と会計監査人が監査をする会社とで同じ会計基準を厳密に適用するということは、もともと難しいと私は思っているのです。これにはいろいろ意見があるかと思いますが。
 そういうことを考えると、連携推進法人につきましても、会計監査人がどのレベルで必要とされるのか、これから省令を検討されるところだと思いますが、どの程度の規模の法人をお考えになっているのか。それは連携推進法人数の全体のボリュームと、その中で会計監査が必要となる法人の数との割合はどのようなものなのか、そういうことをちょっと考えておかないと。具体的な会計基準を検討する場合にそういうことがぜひ必要ではないのかなと感じております。
 以上、意見です。
○秋山座長 ありがとうございます。
 いずれも連携推進法人に関する話ですが、まず1点私のほうから申し上げますと、素案を作成いただく部隊という形で別途専門家に関与していただくということでございますが、あくまで検討するのはこの検討会だと認識しておりますので、今の御意見は非常に参考になる意見だと思いますので、今後素案を作成する際に御参考にしていただけたらと考えております。
 では、事務局のほうから1点目、2点目を含めて御回答をお願いいたします。
○宇野福祉基盤課長 林先生、ありがとうございます。福祉基盤課長でございます。
 1点目につきましては、今、座長がおっしゃったとおり、そのままでございますので、新しい会計基準をつくるに当たって、福祉基盤課だけでは手に負えない部分がございますのでお願いした次第なものですから、あくまでも素案をつくって、実際の中身はこちらの検討会で御議論いただければと思っております。
 2点目につきましては、先ほどから申し上げています別のほうの検討会で御議論いただくことになっています。ただ、今日お話には出せませんでしたけれども、医療の世界では医療法人とは別に地域医療連携推進法人というのが5年前にできています。あらゆる地域医療連携推進法人は、会計監査人が義務になっているのです。ただ、こちらの社会福祉連携推進法人は、政令でその規模を決められます。社会福祉法人も同じように政令で、会計監査人は、今は「収益30億円超または負債60億円超」という基準があります。こちらの基準につきましては、当然検討会のほうで今度御議論いただくと思いますが、社会福祉法人が今、そういう基準であるということは一つの参考になるのかなと思っております。
 いずれにしても、連携法人、今後の検討会にもよりますけれども、規模については大きいものが全てあるというわけでもなくて、規模は小さいもの。実際に地域医療も規模は大きくないと聞いておりますが、そういったことも踏まえながら、今後の素案作成については今の先生の話も肝に銘じて、つくりまして御提案させていただきたいと思っています。
 以上でございます。
○林構成員 ありがとうございます。
○秋山座長 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見等ございませんでしょうか。
 ないようでございますので、本日の検討会はこちらで終了とさせていただきます。
 最後に、事務局から次回の日程につきまして御報告をお願いいたします。
○高坂課長補佐 ありがとうございました。
 次回につきましては、また追って御連絡をさせていただきたいと存じます。
 以上でございます。
○秋山座長 本日は活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。こちらにて閉会とさせていただきます。

照会先

社会・援護局福祉基盤課

(代表電話) 03-5253-1111(内線2871)