2020年11月12日第20回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録

 

 
 
1.日時 令和2年11月12日(木)15:00~17:00
 
2.場所 オンライン会議(TKP新橋カンファレンスセンター ホール14E)
 
3.出席者
 石津アドバイザー、井出アドバイザー、岩崎アドバイザー、小川アドバイザー、小船アドバイザー、橋本アドバイザー、野澤アドバイザー、佐藤アドバイザー、赤澤障害保健福祉部長、源河企画課長、竹内障害福祉課長、佐々木精神・障害保健課長、河村障害児・発達障害者支援室長兼地域生活支援推進室長、米澤障害福祉課長補佐、猪狩障害福祉課長補佐、小林障害福祉課長補佐、石井障害福祉課長補佐、土佐障害福祉課長補佐、田野障害児・発達障害者支援室長補佐、栗原地域生活支援推進室長補佐、高橋地域生活支援推進室長補佐、古屋企画課データ解析専門官
 
4.議題
 (1)令和2年障害福祉サービス等経営実態調査及び令和2年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査の結果について
(2)令和3年度障害福祉サービス等報酬改定に向けて(就労系サービス)
(3)その他
 
5.議事
○竹内障害福祉課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第20回会合を開催いたします。
アドバイザーの皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
本日も、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、アドバイザーの皆様には、オンライン会議にて御参加いただいております。
また、傍聴席は設けず、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。
本日のアドバイザーの皆様の出席状況でございますが、小川アドバイザー、平野アドバイザーにつきましては、所用により御欠席でございます。また、井出アドバイザーには途中から御参加いただく予定です。
続きまして、構成員の出席状況ですが、こやり厚生労働大臣政務官につきましては、公務により、欠席です。
それでは、議事に入る前に、お手元の資料の確認とオンライン会議の運営方法の確認をさせていただきます。
まず、資料の確認を行います。本日も、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページにも掲載しております。
本日の資料の確認をさせていただきます。
資料1「障害者部会における主なご意見について」。
資料2「令和2年障害福祉サービス等経営実態調査結果の概要」。
資料3、同調査結果。
資料4、同調査結果(参考表)。
資料5「障害福祉サービス等の利用状況」。
資料6「令和2年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果のポイント」。
資料7、同調査結果の概要。
資料8、同調査結果。
資料9「就労系サービスに係る報酬・基準について」。
参考資料1「福祉・介護職員等特定処遇改善加算の概要等について」。
参考資料2、財政制度等審議会財政制度分科会の資料1の抜粋でございます。
資料の不足等がございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードいただくなどの御対応をお願いいたします。
続きまして、オンライン会議の運営方法でございますが、資料についてそれぞれ事務局から説明させていただいた後に、アドバイザーの皆様からの御質問、御意見をいただきます。御発言される場合は、通常の会議と同様に、挙手をお願いいたします。発言者は、こちらから指名させていただきますので、指名に基づき、御発言いただくようお願いいたします。
それでは、議事に入らせていただきます。
まず、資料1について、事務局から説明いたします。
○猪狩障害福祉課長補佐 それでは、資料1「障害者部会における主なご意見について」ということで御説明させていただきたいと思います。
本検討チームにおいては、9月以降、各個別サービスの御議論をいただいているところでございます。これと並行しまして、障害者部会に対して審議の報告をさせていただいております。今回の資料につきましては、そのときの各委員からの御意見を、各サービスごとにまとめたものでございます。
資料の構成としましては、まず、資料1の1ページを御覧いただければと思いますが、黒で囲っておりますところは、これまでの検討チームにおける論点・検討の方向性を再掲させていただいたものです。次に、ブルーで囲っておりますのが、部会における主な御意見でございまして、以降、各サービスごとにこのような構成で整理させていただいているところでございます。
それでは順次、主な御意見ということで御紹介させていただきたいと思います。
まず、1ページ、2ページ、共同生活援助に関する主な御意見でございます。
2ページでございます。こちらにつきましては、共同生活援助に係る重度障害者支援加算につきまして、まず単位数について360単位で十分なのか、増額するべきではないかという御意見が1つ目の○でございます。
続いて、2つ目の○、グループホームにおける重度障害者の支援加算の対象の拡大、重度者と中・軽症者の報酬のメリハリについては賛同したいという御意見があったところでございます。
続きまして、3ページ、4ページ、自立生活援助に係る主な御意見でございます。
4ページを御覧いただきたいと思います。後段でございますが、標準利用期間については、失敗を前提とした支援体制とする必要がある。何かを達成するまでの期間は個別に考えられるべきであり、この標準利用期間については原則1回ではなく、複数回の更新を認めるということについては、ぜひ前向きに進めていただきたいという御意見が寄せられたところでございます。
続きまして5ページ、横断的事項というところで、地域生活支援拠点等に関する御意見でございます。
5ページ下の御意見の2つ目の○でございますが、地域生活支援拠点及び基幹相談について、各市町村または障害保健福祉圏域でつくられているが、格差が大きいのではないかという御意見があったところでございます。
3つ目の○でございますが、共同生活援助が拠点に参画することはショートステイやレスパイトケアの体制整備の観点からも重要であり、整備促進と緊急時受入機能の強化のために拠点参画の共同生活援助における緊急短期入所受入加算、定員超過特例加算の新設をお願いしたいという御要望をいただいたところでございます。
続きまして、6ページ目でございます。就労系サービスについてでございます。
まず、就労継続支援A型につきまして、下でございますが、1つ目の○、指定基準を満たしていない事業所、これは経営改善計画の提出を要するという事業所でございますが、こういった事業所については、運営面、報酬面でしっかりできているところと何らかの差を設けることも検討すべきタイミングなのではないかという御意見をいただいたところでございます。
7ページ、8ページ、9ページは就労継続支援B型に関するものでございますけれども、8ページを御覧いただければと思います。1つ目の○、基本報酬体系について、平成30年度改定前に戻した上で高工賃を評価すべきという御意見です。
2つ目の○でございますけれども、この基本報酬の刻みにつきまして、6万円以上の区分を設ける。下限の区分を1万円未満とする。それから、この区分の刻みについては、5,000円ごとに設定していただくように検討いただきたいという御要望でございます。
3つ目の○につきまして、目標工賃達成加算について、2万5000円を超える区分を基本報酬に反映させるべきという御意見をいただいているところでございます。
最後、5つ目でございますが、多様な就労ニーズへの対応について、「検討の方向性」として示された平均工賃月額によらない新たな報酬体系を創設することについて、区分の上限単位が平均工賃月額の下限と同額程度になる場合、多様な働き方を支える施設・事業所を評価する仕組みとして効果的とは考えにくいのではないかという御意見をいただいているところでございます。
9ページにつきましては、精神障害者に着目した御意見でございますけれども、下のほうでございますが、平均工賃額以外の視点による報酬体系の検討を進めていただき、このような通所者が今後も排除されるようなことのない体制をつくっていただきたいという御意見をいただいたところでございます。
続きまして、10ページ、11ページ、12ページ、13ページということで、横断的事項(就労系サービス)に係る事項でございます。
資料の11ページを御覧ください。まず御意見のマル1でございます。1つ目の○でございますが、新型コロナウイルス感染症に係る臨時的な取扱いによりまして、現在、就労継続支援A型・B型におきまして、本来は生産活動収入から支払われる賃金・工賃に自立支援給付を充ててよいという取扱いとしているところでございますけれども、これは本来的には不適切な状況である。常態化することがないように期限を示していただきたいという御意見でございます。
12ページでございます。1つ目の○は、今後も手厚い支援体制の下で施設外就労が実施されるために、職員配置の要件緩和については慎重な対応をお願いしたいということ。また以降でございますが、施設外就労加算については、適切な支援体制の下で支援を行うための財源となっており、この加算について継続していただくようお願いしたいという御要望でございます。
4つ目の○でございますが、就労系サービスについて、方向性についてはおおむね賛成する。ただし、加算の見直しについては、例えば施設外就労加算など影響の大きいものもあるため、加算の取得状況等を考慮して考えていただきたいということ。それから、制度上の課題について、報酬改定では対応が困難な事項も多々存在するということが改めて分かったということでございまして、こちらは制度改正でございますが、次の総合支援法の改正に向けて、それらの見直しについても十分検討できるようお願いしたいという御意見をいただいたところです。
13ページでございます。2つ目の○でございますが、就労支援事業所に関する来年度の基本報酬の算定について、今年度のような想定外のコロナ禍での実績評価については、その影響がなかった前年度の実績等を利用することを検討していただきたいということでございます。
一番下でございますけれども、一般就労への移行の促進について、A型、B型事業を受けた後に就労し、6か月以上就労を継続している者がいる場合に算定される就労移行支援体制加算については、提供する支援料と比較して単価が低いという御意見でございます。実績に応じた単価を設定していただきたいという御意見をいただいております。
続きまして、14ページから17ページは、医療的ケア児に関する主な御意見をまとめたところでございます。
まず、15ページの主な御意見マル1の2つ目の○でございますが、医療的ケアについては評価方法の再検討が必要である。医療的ケア児であればヘルパーや看護師がつけられるようにする必要があるという御要望でございます。
それから、16ページ目でございますが、1つ目の○、今回、医療的ケア児のための判定基準案が導入されるということですが、事業所の事務手続が煩雑にならないような形で検討をしていただきたいという御意見でございます。
最後、4つ目の○でございますが、医療的ケア児について、新たな医療的ケアスコアの案については、重症度に関するメリハリのついた基本スコアの見直し、それから医療ケアの負担度を評価する見守りスコアの新規の追加が示されている。これらは医療的ケア児を評価する新たな判定基準として導入が期待されるため賛成であるということ。それから、看護職員配置加算の見直しについて、重症度の算定要件について、各児童のスコアを合計することで算定できるということについても賛成であるという御意見があったというところでございます。
17ページ目の2つ目の○でございますが、医療的ケア児等のコーディネーターの配置について、地域にある基幹支援センターや委託の相談支援事業所にコーディネーターが配置される想定があると思うので、それらについても何らかの評価をしていただけないかという御意見でございます。
その下の3つ目でございますが、当事者や保護者にとって一番の課題は、医療的ケア児とされていなくても、学校等での保護者の付き添いが求められているという実態があるのではないかという御意見でございます。
次に18ページ、障害児通所支援に係る意見でございます。こちらにつきましては、共通事項として、こちらから検討の方向性として示しております児童指導員等加配加算の対象資格に手話通訳士、手話通訳者を追加してはどうかという提案に対して、前向きな対応をお願いしたいという御意見でございます。
続きまして、19ページから21ページ、障害児入所支援に係る意見でございまして、主な御意見は21ページでございますけれども、1つ目の○、特に強度行動障害のあるお子さんをいかに見ていくかというときに、障害児の施設は重要である。緊急に受け入れてくれるノウハウのある強度行動障害の人たちも優先して預かってくれるというところがあるとありがたいという御意見でございます。
2つ目の○でございますが、ソーシャルワーカーの専任加算をしっかりと常勤で雇えるような水準にしていただきたいということでございます。下でございますが、行動障害の方の支援であったり、状況が改善した際の評価基準のようなものも設けていただけるとありがたいという御意見でございます。
続きまして、22ページは重度訪問介護に係る主な御意見でございます。
1つ目の○でございますが、ヘルパーの慢性的な不足、重度訪問介護の報酬単価が低いため介護保険事業者の参入が少ないことに問題意識を感じているという御意見でございます。
2つ目の○でございますが、対象者につきまして、医療的ニーズが高くて、家庭上のやむを得ない事情がある障害児に限って、重度訪問介護の利用を可能とする見直しも検討すべきではないかという御意見をいただいたところでございます。
次の23ページ、同行援護に係る主な御意見でございます。こちらは部会でもやり取りがあったところですが、同行援護の利用者について、見直しの御要望があったわけでございますが、ここにつきまして厚労省から、利用者については、同様の医療的ケア等の支援は想定されにくいということで、今回の報酬改定で言うと特に論点としてこなかったということでございますけれども、実際そのニーズにつきましては、今後、団体の方とも調整して、意見交換していきたいという御回答をしたところでございます。
24ページ、行動援護でございます。2つ目の○の最後でございます。行動援護の居宅内利用を新たな類型とするなど、明確に位置づけていただきたいということ。利用を促進する加算をつけていただくことも必要と思われるという御意見でございます。
25ページでございますが、施設入所支援に係る主な御意見というところで、1つ目の○でございますけれども、口腔衛生管理、摂食・嚥下支援の充実ということで論点を示したところでございますが、こちらの検討の方向性については賛成する。しっかりと医療機関あるいは医療従事者との連携もお願いしたいという御意見でございます。
2つ目の○でございますが、同様でございますけれども、下の2行目でございます。その中で摂食・嚥下障害の認定看護師が経口移行あるいは嚥下力の評価等々に力を発揮していきますので、こういった方々の活用も検討していただきたいという御意見でございます。
続きまして、26ページは生活介護・施設入所支援の共通事項で、重度障害者支援加算の見直しを論点として示しておりますが、それに関しまして、日数の拡大について、単価を下げて日数を増やすという方向については議論が必要ではないかという御意見があったところでございます。
2つ目の○、重度障害者支援加算の見直しについて、一定期間延ばすという考え方は当然と思う。短期間で評価が見えるものではないので、ぜひ長期的な視点でお願いしたいという御意見をいただいたところでございます。
27ページは、生活介護に関する御意見で、下ですけれども、看護職の加配について、方向性を示したところでございますけれども、重度の障害と医療的ケアが複雑に絡んでいる方々をきちんと受け入れて、安全なケアをするという意味においては、3人配置が10%いるというデータもお示ししておりますが、こちらについて評価することを期待したいという御意見でございます。
続きまして、28ページは療養介護に関するものでございます。療養介護の対象につきまして明文化することを論点として掲げておりますが、こちらについて、現状の親の不安、現場の不安を解消するという意味では評価するが、そのことが利用の固定化、新たな入所先となることについても少し考えていかなくてはいけないという御意見でございます。
次、29ページでございますが、短期入所に関するものでございます。御意見としまして、医療型短期入所事業所が不足しているという現状において、医療的ケアが必要な方に対して、しっかりと地域の中で支えることに関して、この検討の方向性については賛成するという御意見をいただいております。
続きまして、計画相談支援ということで、30ページから32ページでございます。
御意見は32ページでございます。1つ目の○でございます。相談支援の基本報酬の単価については、この検討チームのアドバイザーからも大きな懸念が示されたところであり、基本報酬単価を引き上げるべきであるという御意見でございます。また、後段でございますが、相談支援員が自立した職業となるような報酬単価の設定をお願いしたいというところでございます。
2つ目の○でございますが、後段でございます。適切に計画を立ててモニタリングしながら、利用者に対して適切なアドバイスもできるような報酬単価に設定してもらいたい。それから、特定事業所加算についても取得しやすくすることによって、事業所の質を高める方向にしていただきたいという御意見でございます。
続きまして、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの推進につきまして、33~35ページでございます。
御意見としましては、35ページでございます。まず、2つ目の○でございますが、早期の地域移行支援については賛成である。ただ、退院者の約4割が1年以内に再入院していることから、退院した後の地域で孤立しない方策が重要である。退院後の地域での生活を支えるための社会資源との連携、いわゆる地域の定着支援ということも併せて検討いただきたいという御意見でございます。
1つ飛ばしまして、4つ目です。医療と福祉の連携について、精神医療機関に加えて、必要に応じてその他の医療機関も情報提供先に加えるということであるが、精神科訪問看護基本療養費を算定しているステーションについても、同様に連携評価を検討していただきたいという趣旨の御意見でございます。
その下の5つ目ですが、今回の方向性において、地域移行人数と地域移行時期が新たな評価対象とされている。これにつきまして、実績至上主義となることは問題である。実績評価が先走りしてノルマ化してしまわないか懸念するという御意見でございます。
その下でございますが、福祉サービス事業所から精神科医療機関への任意の情報提供が医療と福祉の連携にどこまで寄与するかということに疑問を感じる、下から2行目ですが、こちらとしましては、医師意見書の活用に関する意見を述べたところであり、医師の意見が福祉サービスの利用に正確に反映される必要があるという御意見でございます。
最後でございますが、居住支援協議会の設置状況、居住支援法人の指定について、各都道府県間でのばらつきがある。これを是正し、全国で均てん化することを検討していただきたいという御意見でございます。
最後でございます。36、37ページはピアサポートでございますが、こちらにつきましては2つ目の○、障害者ピアサポートについて、今までこうした場で議論されることがなかったので、障害者ピアサポートの発展の切り口になればというご意見。それから、今回想定されるピアサポーターが活躍する場として、相談支援と自立生活援助、地域定着、地域移行ということで、就労系が入っていないので、そちらについては要望として述べさせていただきたいという御意見でございます。
3つ目の○でございますが、後段です。ピアカウンセリングやピア相談員の位置づけをより高く評価していただきたいということでございます。
下から2つ目でございますが、既に各地域でそれぞれの地域性に合わせて実施してきている研修プログラムがある。これまで地域で活躍されてきた方々、現在も活躍されている方々の実績が評価される視点が盛り込まれるべきではないかという御意見でございます。
最後でございますが、このピアサポートに関して、共に働く専門職の方々のピアサポーターへの理解を深める研修会の充実も大変重要だと考えているという御意見があったところでございます。
長くなりましたが、概要については以上でございます。
○竹内障害福祉課長 それでは、ただいまの説明について、御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。
本検討チームにおけるこれまでの各議題につきまして、多岐にわたる御意見をいただいておりますので、それぞれの御意見への賛否も含め、アドバイザーの皆様の御見解をいただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 御説明、ありがとうございます。
最後のピアサポートのところなのですけれども、障害者部会の皆様の御意見を伺っても、皆様、ピアサポートについて進めていくべきだというお話が出ておりますので、やはりこれは時代の要請として、ピアサポートを進めていくべきだなということを改めて思いました。
以上です。
○竹内障害福祉課長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
田村アドバイザー、お願いいたします。
○田村アドバイザー 御丁寧な御説明、ありがとうございます。
私は1つだけ質問なのですけれども、16ページの○の2つ目の医療的ケア児について退院直後からの障害福祉サービスの受給についてというところですが、次の行に、いわゆる連携していくためのつなぎ目のところの部分の評価も検討の余地があるのではないかと思うという、このところは何を意味しておられるのでしょうか。
医療的ケア児で、特にNICUなどから退院していく場合には、そのお子さんの疾患としての予後のようなことは、少なくともNICUの主治医からはしっかり把握されて、伝えられると思うのですけれども、それが今の制度では、幾らこの子の場合、恐らく5年、10年の単位で寝たきりの状態が続くであるということが予測されても、障害者手帳がすぐにもらえないというのが現状の問題だと思うのです。そういったことは我々医者にとっては当然のことなのですけれども、それがどういうことで、ここでつなぎ目のところの部分の評価も検討の余地があると言われているのか、もしこういう発言の内容が分かれば、御教示いただきたいのです。
○河村障害児・発達支援室長 障害児・発達支援室長でございます。
私どももこのお言葉のとおり受け止めておりますので、正確な真意を御確認させていただいたわけではないのですけれども、このときのおっしゃった言い方からしますと、NICUから退院後の手帳を取得していないときに、ちゃんとスムーズにサービスが使えるようにという、まさに今回議論していることとは別に、そういった医療機関から退院して、適切な福祉サービスにつないでいくときのいろいろな情報のやり取りですとか、相談支援そのもののことをおっしゃっているのかなと受け止めさせていただいております。
以上です。
○田村アドバイザー 私も十分よく分かりませんけれども、また詳しいことが分かったら御教示いただければと思います。ありがとうございました。
○竹内障害福祉課長 野澤アドバイザー、お願いいたします。
○野澤アドバイザー 全体のスケジュールでの確認というか、教えてほしいのですけれども、これまでは一つ一つの就労だとか、グループホームだとか、個別のものについていろいろとここでもんで、我々が意見を出したりした。今日の位置づけというのは、部会でいろいろ出た意見を今、紹介してくれたわけですよね。それに対してこちら側も、部会の意見に対する質問とか意見を出すということでよろしいのでしょうか。
○竹内障害福祉課長 これまでの経過を少しお話しさせていただきますと、当然、障害者部会のほうにはこの本検討チームの検討状況につきまして、部会開催の都度、御報告をさせていただいております。そうしますと、障害者部会でも委員の先生方から様々な御指摘、御意見をいただいておるところでございまして、そうした意見をぜひ報酬改定検討チームのほうにも伝えてほしいという御要請もあったところでございます。
また、それに付言いたしますと、駒村部会長のほうからも、いわゆる一方的な議論にならないように、できる限り双方向でやり取りができるような形で、例えば障害者部会で出た意見を検討チームのほうに報告いただいて、またそこで出された意見については部会のほうにもぜひフィードバックしてほしいというようなお話もございましたので、これまでにも、障害者部会での御意見を御紹介させていただいた機会はあったのですけれども、御意見のほうがかなりたまってきたというか、回数をこなしている中で、いろいろと御意見をいただいておりますので、今回まとめて御紹介をさせていただきまして、またこの検討チームでのアドバイザーの先生方からの御意見があれば、また部会のほうに御報告をさせていただければということで、本日御説明させていただいたようなことでございます。
○野澤アドバイザー 網羅的に全部あれだったので、ここで総まとめしてしまうのかなと一瞬思ったのですけれども、そういうわけではないということですね。
○竹内障害福祉課長 そうでございます。
○野澤アドバイザー 分かりました。
その上で、私から何点か。改めて、部会の意見に対する注文とか反論ということではないのですけれども、気がついたことを言わせていただくと、グループホームの重度者の加算360単位、これで十分なのかという意見が出ている。私も、重度の方のグループホームはもっと経営が安定したほうがいいし、増やしていくということを考えたほうがいいと思うのですけれども、具体的に何単位だと大丈夫なのかと、なかなか実際運営を経営している人でないと分からないことが多いのです。
これから今日も経営実態調査とかが出てくると思うのですけれども、グループホーム全体の経営実態調査を出されても、この辺のところはよく分からないと思うのです。重度の人をやっているところがどのぐらいの収支なのかとか、支援区分で言うと幾つの人がどのぐらいなのかとか、その辺りのことを細かく分かるものが出てくるとありがたいなと思ったのが1つ。
もう一つは、就労Bのところで幾ら以上がという議論がたくさん出たのですけれども、ざっくり言うと、自立支援法以降の方針というのは、施設から地域へ、福祉から就労へというのが大きな柱だったと思うのですけれども、今、地域共生社会の議論などを見ていても、それだけでは足りなくて、孤立から参加へとか、そういうものが1つ大きな柱となってくるのかなと思ったときに、工賃の額だけを尺度にしていいのだろうかとか、就職率や定着率だけで図ってしまっていいのだろうかみたいなこともあって、今回の報酬改定にどのぐらい盛り込めるかは分からないのですけれども、賃金とかではない、社会での参加だとか、役割を得るだとか、そういう活動があちこちで今、始まっているし、実践しているので、就労と言っていいのか分かりませんけれども、そういう活動を評価するような尺度が必要になってくるのではないかと思った。
例えば、いろいろなヒアリングでも出たのですけれども、C型就労とか、最近は地域共生社会の中でも伴走型支援だとか、参加支援だとかという言葉が出てきますけれども、こういうところをきちんと評価できるような物差しは、報酬改定でつくっていかないとまずいのではないかと思ったので、今、ざっと通して聞いて気がついたところをお話しさせていただきました。
以上です。
○竹内障害福祉課長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
佐藤アドバイザー、お願いいたします。
○佐藤アドバイザー 御説明ありがとうございました。
中には、報酬改定では何ともし難い指摘みたいなものも結構あって、戸惑ったというのも本音なのですけれども、例えば、資料1の17ページの一番下に、医療的ケア児の文科省との合同会議をぜひやっていただきたいみたいな、医療的ケア児の支援をどうするかというお話は、報酬改定のところでも出ましたけれども、学校でどう支援するかというのは、文科省との会議みたいなものは、きっと意見のすり合わせが必要になると思うのですけれども、そういうことは実際に行われているのでしょうか。あるいは、どこがやってくださっているのでしょうかという質問です。
○河村障害児・発達支援室長 ありがとうございます。障害児・発達支援室長でございます。
文科省さんとは、日頃もかなり密にコミュニケーションは取っておりまして、担当間では頻繁にやり取りもしておりますし、お互いの省庁の関係部局を集めて、連携会議のようなものはやらせていただいております。直近は8月にやっております。ただ、それでもなお連携が十分ではないという御指摘の趣旨かと思いますので、もっと頑張るようにしていきたいと思います。
○佐藤アドバイザー そういうところから、現場でどういう支援を必要としているみたいなことを伝えていただけると、それに併せて報酬のことなども考えられるかと思いますので、ぜひ現場の知恵みたいなものも教えていただければと思います。
ありがとうございました。
○竹内障害福祉課長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、次の議事に移らせていただきます。資料2から資料8について、事務局から説明いたします。
○猪狩障害福祉課長補佐 資料2について御説明させていただきます。
令和2年度障害福祉サービス等経営実態調査の結果でございます。
まず、概要でございますけれども、資料2に掲載させていただいております。
本調査の目的としましては、障害福祉サービス等施設・事業所の経営状況等を明らかにし、報酬改定の影響把握、次期報酬改定のための基礎資料を得るというものでございます。
調査の時期としましては、令和2年6月に実施をいたしまして、令和元年度の決算を調査したところでございます。
調査対象等でございますけれども、本調査は抽出で行っておりますが、調査対象サービスごとに層化無作為抽出法により4.7%から全数、1分の1で調査をしているところでございます。
今回ご回答いただいた有効回答数でございますが、9,068施設・事業所でございまして、有効回答率にいたしますと54.4%でございました。
下に、各障害福祉サービスにおける収支差率ということで掲載しておりますが、いくつか抜粋して御紹介いたします。まず、左上の訪問系サービスの居宅介護につきましては、前回、平成28年度の決算、3年前の調査との比較でいきますと、今回が5.3%ということで、マイナス0.6%でございました。
その下の重度訪問介護が5.9%ということで、マイナス2.0ポイントでございます。
その下の日中活動系サービスの生活介護につきまして、今回8.9%ということで、プラス3.6ポイントでございます。
その下、施設系・居住系というところで、施設入所支援が6.3%ということで、プラス1.5ポイント。
共同生活援助は類型別に取っておりますが、一番シェアの高い介護サービス包括型につきましては7.3%ということで、マイナス1.9ポイント、新たに導入いたしました日中サービス支援型につきましては、11.5%でございました。
その下でございますが、訓練系・就労系の就労継続支援A型につきましては、4.2%ということで、前回と比較して10.0ポイントの減。同じく就労継続支援B型は6.0%ということで、6.8ポイントの減でございます。
右に行っていただきまして、相談系サービスでございますが、計画相談支援につきましては、元年度決算0.5%というところで、0.5ポイントの減でございます。
障害児相談支援につきましては1.5%ということで、プラス2.0ポイントでございます。
障害児通所・訪問サービスにつきましては、まず児童発達支援につきましては1.2%というところで、マイナス3.6ポイント、真ん中の放課後等デイサービスにつきましては10.7%というところで、マイナス0.2%ということで、ほぼ横ばいという状況でございます。
障害児入所サービスでは、福祉型障害児入所施設がプラス0.2ということで、0.2ポイントの増、医療型が1.9%というところで、マイナス0.3ポイントでございます。
これを都合トータルとしまして、総平均で見ますと、前回、平成28年度決算の5.9%から、今回、令和元年度決算では5.0%というところで、0.9ポイントの減となったところでございます。
おめくりいただきまして、2ページ目でございます。こちらにつきましては、今、申し上げた収支差率、収益に占める給与費の割合を前回との比較でまとめております。総じて申しますと、収支差率が前回の5.9%から5.0%ということで、マイナス0.9ポイントになったところでございますが、それに反する形で給与費の割合については、前回の64.4%から65.1%というところで、プラス0.7ポイントとなっており、事業運営に必要な給与費が増加しており、そういったものが今回の収支差率全体が若干下がったことの要因の一つとして考えられるのではないかというところでございます。
3ページ目は、有効回答率について各サービスごとにまとめたものでございます。太枠囲みが今回の調査ですが、54.4%ということで、有効回答率が9,068でございます。今回のコロナ禍の中で大変多くの事業所の方に御協力いたただきましたことに、この場をお借りして感謝申し上げたいと思います。前回の29年度の実態調査よりも若干多くの回答をいただいたところでございます。
参考として、右の令和元年度概況調査、先般1月に公表しましたけれども、こちらと比較しても、多くの客体が得られたところでございます。
資料2の説明は以上でございます。
資料3につきまして御説明いたします。
こちらについては、各サービスごとに数字を並べて、まとめたものでございます。本日はお時間が限られておりますので、この資料の構成についてのみ簡単に触れさせていただきます。
2ページでございますけれども、「第1表 全体」と書いております。この中で、今回の調査結果につきましては、右から2番目、令和2年度経営実態調査と書かれているところでございます。こちらにそれぞれ数字が入っております。左側が前回の概況調査2か年分、右側が前回の実態調査でございます。
左の表側でございますけれども、IからVIについて、事業活動収益、事業活動費用、事業活動外収益、事業活動外費用、特別収益、特別費用となっております。ここに書いてあるとおり、収入がIとIIIとⅤの合計、支出がIIとIVとVIの合計ということで、収支差を計算しておりますのが下から2番目のところでございます。
右に行っていただきますと、令和元年度の合算としまして、5.0という数字になっているところでございます。
その下、収支差率の分布というところで、ボリュームゾーンがどこにあるかということを視覚的に示すために設けているところでございます。
以下、各サービスごとに同じ構成の集計表が続いているところでございます。この表が16ページまで続いております。そして17ページ以降は、従事者の状況というところで、各サービスごとの従事者数について常勤換算従事者数ということで、それぞれ職種ごとにまとめているという構成になっているところでございます。
以上が資料3でございます。
資料4でございます。こちらは参考表でございますが、1枚おめくりいただきまして、1ページ目につきましては、各サービスにつきまして、経営主体別、事業規模別、地域区分別にそれぞれ集計をしたものでございます。1ページを御覧いただきますと、居宅介護につきまして、第1表が経営主体別、第2表が事業規模別、第3表が地域区分別でございまして、以降、同様に各サービスそれぞれ3表ずつ掲載しているところで、分析等の参考として掲載しているところでございます。
参考資料2を御覧いただけますでしょうか。先日の財政制度等審議会財政制度分科会におきまして、この経営実態調査が取り上げられています。本調査は公表前でございましたけれども、ここに若干掲載がありますので、御紹介させていただきます。
スライドの3ページは「障害報酬改定:総論マル1(障害福祉サービス等事業者の経営状況)」でございます。こちらについては財務省作成の資料でございますけれども、評価としましては、近年の障害福祉サービスの事業者の収支差率は中小企業を上回る水準ということ。
2つ目の○は財務省独自の集計ですけれども、この収支差には「本部・他の事業所への繰入」(特別費用)と「本部・他の事業所からの繰入」(特別収益)が反映されているところでございますが、これを仮に除いたと仮定すれば、赤の棒グラフになるというような集計を財務省のほうで施したというところで、我々の公表値はブルー、除いたものが赤でございます。
本資料は、28年から30年度の3か年平均となっておりますので、公表した数値そのものではございませんが、そういった形で示されたというところでございます。
最後の○ですけれども、今回の経営実態調査も踏まえて、収支差率を踏まえた報酬水準の適正化、サービスごとのメリハリといったものが必要だというように結論づけられているところでございます。参考として御紹介させていただいたところでございます。
経営実態調査については以上でございます。
続きまして、資料5「障害福祉サービス等の利用状況」でございます。
まず、1ページ目から9ページ目、近年における障害福祉サービス等の利用状況につきましては、先般お示ししました資料を、直近のデータでリバイスしたというものでございますので、説明については割愛させていただきたいと思います。
資料の10ページ以降、コロナ禍における障害報酬の請求状況でございますけれども、こちらの趣旨としましては、先ほど御説明しました経営実態調査につきましては、令和元年度の決算ということでございますので、今般の新型コロナウイルスの感染拡大の時期とは若干ずれているというところでございます。そのため、今回の資料においては、本年2月から7月までの国保連のデータによる各サービスの報酬請求状況を分析し、収入面における影響を見ることを試みた資料でございます。
資料としましては、大きく3つに分かれます。マル1は全体の費用額、利用者数の状況ということでございます。
13ページ目のマル2は、これを同じく1事業所当たりの状況で資料を作成しましたのがこちらになります。こちらについて簡単に御説明いたしますと、左が1事業所当たりの費用額、右が1事業所当たりの利用者数でございます。1事業所当たりの費用額を対前年同月比で見ますと、左の赤枠で囲っております全体というところですが、本年2月以降低下しまして、5月にはマイナス0.2ということで、4.2、3.9、0.7、マイナス0.2というところでございますが、6月以降は上昇し、7月はプラス1.4となっているところでございます。
また、右の箱ですけれども、1事業所当たり利用者数を対前年同月で見ますと、これも同様の傾向でございますが、本年2月以降低下し、ここは4月から5月にかけて、マイナス1.0、マイナス2.4と減少に転じましたが、6月以降はやや持ち直して、0.0、マイナス0.4というところで、微減といった状況になっているところでございます。
各サービスごとの状況についてグラフでまとめたのが14ページでございます。この折れ線グラフでございますけれども、特に今回の期間で影響が大きいのは短期入所でございまして、このグラフで言う紫色のV字になっているところでございますけれども、費用額、利用者数ともに本年2月以降急激に低下しており、4月から5月にかけて、それぞれ2~3割の減というところでございます。6月以降はやや持ち直したものの、直近7月でも1~2割の減というところで、まだ影響が見られるということでございます。
もう一つ、その他の通所系サービスというところで、生活介護、就労B、放課後等デイにつきまして、それぞれまとめております。こちらにつきましては、上のほうに幾つか線が重なっておりますけれども、ほぼ同様の傾向というところで、4月から5月にかけて0%をやや下回るところでありますけれども、6月以降は持ち直しておりまして、回復基調にあるのではないかと考えているといったところでございます。
15ページ、16ページは報酬請求の事業所数、1人当たりに換算した費用額の伸びを同様に分析しているものでございます。
資料5については以上でございます。
続けて御説明いたしますが、資料6から8の処遇状況等調査の関係でございます。
こちらにつきましては、今回、令和元年10月に創設しました特定処遇改善加算の影響を調査したところでございます。有効回答数としては5,904事業所、有効回答率は62.3%ということでございます。
調査結果のポイントを資料6にまとめております。
まず、1つ目の○ですが、特定処遇改善加算を取得している施設・事業所における福祉・介護職員(常勤の者)の平均給与額について、平成31年と令和2年、それぞれ2月を比較しますと、1万7250円の増となっているところでございます。
また、2つ目の○でございますが、福祉・介護職員等特定処遇改善加算を取得している施設・事業所における経験・技能を有する障害福祉サービス等従事者について同様に比較しますと、2万1540円の増というところでございまして、その下の箱の1つ目と2つ目でございます。
加算自体の取得状況でございますけれども、こちらにつきましては左下に棒グラフが2つあります。従前からの処遇改善加算につきましては、取得しているとお答えになったところが81.1%でございます。特定処遇改善加算も同様に聞いておりますけれども、42.7%ということで、4割ちょっとというところでございます。
4割程度の取得でございますけれども、その取得していない理由、届出していない理由を聞いたのが、右に行っていただきまして、3の届出を行わない理由(複数回答)というところでございます。それぞれ3割程度ぐらい回答しておりますが、御紹介しますと、事務作業が煩雑であるということ、それから、職種間の賃金バランスのことを懸念されているということ、賃金改善の仕組みの定め方が分からない、それから、福祉・介護職員間の賃金バランスを懸念されているといったことがそれぞれ2~3割ぐらい回答いただいているところでございます。
資料6については以上でございます。
資料7が調査結果の概況でございます。それぞれ各サービスごとに集計結果を示しているものでございます。本日は時間の都合もありますので、説明は省略させていただきたいと思います。
資料8につきましては、さらに詳細な統計表をそれぞれ掲載しております。それぞれいろいろな角度から集計しておりますので、後ほど御覧いただければと思います。
最後に、参考資料1の特定処遇改善加算の概要等についての3ページ目ですが、処遇状況等調査につきましては抽出調査でございますので、抽出された事業所の加算の取得状況ということでございます。資料の3ページは、国保連の請求データから加算の取得率をまとめたものでございまして、こちらで申しますと、令和2年度7月サービス提供分が直近でございまして、処遇改善加算全体で83%が取得。特定処遇改善加算につきましては、46.5%が取得というような状況になっているというところでございます。
○竹内障害福祉課長 それでは、ただいまの説明について、御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。
井出アドバイザー、お願いします。
○井出アドバイザー 詳細な御説明をありがとうございました。
実はこの実調については、たくさん質問などがあるのですけれども、今日では賄い切れないので、またお伺いをさせていただきたいと思います。
まず1つ最初に物を言わせていただくと、財務省の資料のほうで、どうやら障害報酬の収支差率が高いのではないかという議論があったようですが、一般企業のほかの業種と単純に比べたりするということは、私はできないと思っていて、この比率が高いか低いかという議論は置いておいていただきたいと思っています。
ただ、逆に言うと、介護が2.4辺りだったので、介護や医療というところでは考える必要があると思いますけれども、私は財務省の資料は的が違うかなと。それから、先ほどの特別何かを入れたりするともっと余計に出るという問題は、もしかするとこれは単純にサービス云々の話ではなくて、会計基準や別の制度の問題があって、議論の対象になってしまうのかなというところは、また別のところで検討をしていく必要があるのだと思います。
あと、頂いた資料を拝見すると、資料2の説明の中に、今回収支差率が0.9下がったと。その一つの理由は、ある部分、人件費率が若干上がったからだというちょっとした立てつけがあって、それはそのとおりだと思っています。いい例が、就労系はいわゆる比率が結構下がってきた。その反面、人件費率は上がってきたと。ある種の説得性というか、その前提に立つとよく理解ができます。
ただ、上の訪問系のところは、実は収支差率が下がって、人件費率も結構下がっているのにこの状況なのは、何か別のコストが上昇しているのかなと。資料3を見てみると、その他のところが大きくて、その他の内容というのは前も聞いたような気もするのですけれども、またいつか教えていただきたいのと、実調と概況調査のいわゆる給与費とその他のところのパーセントが結構違っていて、何かを入れて、何かをこっちに入れていないのかなというのも、私自身が調べ終わっていないので、改めて実調のコスト感と概況調査のコスト感の差異がもしあるのであれば教えていただくと、理解ができるかなと思います。
もう一点だけ。放課後デイについては、ちょっと厳しいようですけれども、全体観から見て収支差率が大きいので、これはまた何かを考える余地があるのかどうかということは議論だと思います。
それから、1点、唯一収支差率がマイナスの保育所等訪問支援というのが、今回いわゆる赤字なのです。人件費の比率も抑えたのに赤字になってしまっているのというのは、どういうことが問題なのか。あるいは、ここはもしかすると経営的には収支差率が出てくるような仕組みを考えてあげないといけないのかなという気もしています。
質問もあったり意見もあるのですけれども、今日は意見ということでお納めいただければと思います。
長くなりまして大変申し訳ありません。
○竹内障害福祉課長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
石津アドバイザー、お願いいたします。
○石津アドバイザー 丁寧な御説明をどうもありがとうございました。
私も経営実態調査についてお伺いさせていただきたいところがあります。
29年度の調査と比べますと、個々のサービスの収支差比率のばらつきが落ち着いてきたというか、平準化されてきていて、その点についてはいい方向なのかなと思ったところです。
その上で2つお伺いしたいのですけれども、1つは、先ほど井出先生から出たお話とも重なる部分なのですが、収支差率は低ければ低いほどいいのかどうかというところは議論があるところではないかと思っておりまして、今回、平均すると1%低下しているということですけれども、どの辺り、何%ぐらいが適切と考えるか。目標値を考えるのは難しいのかもしれませんけれども、何か所感とかそういったところがあれば教えていただきたいなというのが1点です。
もう一つは、今回の収支比率ということで、あくまでも平均なわけなのですけれども、分布がどうなのかなというところが気になりまして、先ほど資料3の紹介で、全体のところを見ますと、分布が中央値に正規分布のきれいなのが示していただいたところなのですけれども、例えば今回、大幅に増減があった就労支援A型とか、10%も前より下がったというところだと、多分、施設によってばらつきとかがすごく大きいのではないかというところも考えられるのですけれども、分布について、傾向なりあるいは何か所見なりがあれば、教えていただけますか。
○猪狩障害福祉課長補佐 御質問いただきありがとうございます。
まず、適正な収支差率というお話でございますけれども、こちらにつきましては、正直、このサービスについてどのぐらいが適正かということをお示しするのは難しいと思っております。
そう申しますのは、個々の施設・事業所、もしくはサービスにおいて、定員や利用者の状況、それから人員配置として求めている基準といったものも異なりますので、なかなか適正な水準をお示しするというのは難しいかと思います。
我々としましては、相対比較で各サービスごとの状況を見て把握するものと思っているところでございます。また、財務省の資料におきまして、中小企業との比較、それから全産業との比較というのはよく取り上げられるところでございますが、本調査につきましては各サービスごとの収支を把握するというものでございます。それに対して、財務省の御指摘につきましては、法人単位の収支ということで、こちらも単純比較というのは難しいかと思っております。いずれにしましても、この実調につきましては、個々の数字というよりも、全体の収支差のトレンドを見ていくものと考えているところでございます。
続きまして、分布のお話でございます。資料3の8ページに、今、御指摘のありました就労継続支援A型の分布を掲載しております。全体と比較しますと、正規分布というよりは若干ボリュームゾーンが異なっておりまして、5~15%ぐらいのところがボリュームゾーンが大きく、そこから左側にはなだらかに、右側からは急激に落ちているというところでございます。いずれにしましても、平均としては4.2%ということであり、その上で、どこにボリュームゾーンがあるかというのも1つ見ていかなければいけないということで、今回分布をお示ししておりまして、これをどう評価するかというのもなかなか難しいところがありますが、そのような趣旨で、今回掲載させていただいたところでございます。
○竹内障害福祉課長 よろしいでしょうか。
橋本アドバイザー、お願いいたします。
○橋本アドバイザー 御説明ありがとうございました。
コロナ禍における障害報酬の請求状況は、現場の感覚としても、利用者数などは大分回復してきたように思います。
ただ、コロナを恐れて引き籠もりがちになってしまった方も多く、今までよりさらに多様な形で支援をしていく必要が出てきています。
私の勤める事業所で、5月に、利用者に対してコロナについてのアンケートを行いまして、57名からの回答をもらったのですけれども、その中で、生活や心の元気を保つために気をつけていることの設問への回答が、睡眠や起床のリズムを保つことや、食事をちゃんと食べるなどの、生活リズムに関わることが上位を占めました。
実際、コロナ禍においても、福祉サービス事業所は動き続け、障害者の生活リズムを守り、心身ともに安定した生活を送り続けることに尽力されてきました。社会にも本当に重要な仕事だということが改めて認識されたと思います。
感染への不安を持ちながらも、強い責任と覚悟を持って活動を続けている福祉サービス事業所と職員を守り、この人材を障害福祉の業界にとどめ、さらに増やしていくためにも、報酬上の評価をしっかりと行い、特定処遇改善加算などのさらなる取得の推進を行っていく必要があると思います。
以上です。
○竹内障害福祉課長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
野澤アドバイザー、お願いします。
○野澤アドバイザー 御説明ありがとうございます。
いっぱいいろいろなことを考えないといけないなと思って聞いていたのですけれども、先ほども事務局の方からお話があったように、数字だけ見て、高いから報酬を下げればいいとか、前回より伸びているからちょっと下げてもいいということではないような気がするのです。それぞれを見ながらなぜこうなったのかという、生の数字だけではなくて、これを分析して、もうちょっと内情をきめ細かくやった上で判断したほうがいいのかなと思っているのですけれども、その上で、幾つか気がついたことをお話しさせていただきたいと思います。
1つは、日中サービス型グループホームが11.5%、これは意外に高いなと思いました。これは高齢化に対応して、新たな類型として設けられたもので、これからのもっともっと高齢化が進んでいくときに、ここは1つの大きな地域生活の資源になるところで、伸ばしていくべきところだと思っているのですけれども、それにしても意外に高いなと思っています。
なぜなのかと分析する必要があると思うのです。私が聞くところによると、一部の地域なのでしょうけれども、かなり日中サービス型のグループホームがわあっと一気に増えているところがあります。特定の企業系がやっていて、そこに何でこんなたくさんできるのだろうといって、地元の福祉の方が職員を募集しているので説明会に行ってみたら、とにかく誰でもいいですと。資格なんかいいし、障害者のことを知らなくてもいいですと。とにかく事故なく見ていればそれでいいのですと説明を受けてびっくりしてしまったのです。全部が全部そうとは思いませんけれども、かなりこういうコンサルの仕方をしながら、増やしているところがあるというのは事実だと思います。
これはちゃんと調べたほうがいいですよ。これからここを伸ばさなければいけないというときに、こういう増やされ方をして、運営されていたら、今後かなりいろいろな問題が出てくると思います。ここは要注意だろうなと思って聞いておりました。
それと、放課後等デイサービスです。前回、結構重度の方の割合によって下げたり、時間によって下げたりとかしたにもかかわらず、ほぼ横ばいですよね。これもなぜなのだろうということを調べたほうがいいのかなと思うのです。
今回のいろいろな方からの意見の中でも、重度者の割合を、ハードルを上げたために、大変な人、支援の難しい人を預かっているのに報酬を下げられて大変だという意見がかなり出てきましたね。そういうところがいっぱいあると思います。それにもかかわらずこれだけの収益率が上がっているのはなぜなのだろうということを、どこかで違うところでうまく収益を上げているものがあるのかもしれないなと。ここはよく調べる必要があると思います。
施設入所6.3%、割と高いですよね。前回から比べても1.5ポイントですか、増えていますよね。これは高いのか、低いのかといういろいろな議論があると思いますけれども、多分、高齢化に伴って、単価の報酬自体が増えているのだろうというのは何となく思いますけれども、全体から見て、施設から地域への移行というのが大きな課題とされている中で、施設入所のほうが、単価が高くて、グループホームが低いというのは、それは経営者のモチベーションは絶対に施設入所になりますよ。ここはきちんと政策誘導すべきところではないかと思います。
これは日中サービス型のグループホームとの兼ね合いで、もっとこの辺りを考えていかなければ、サービス類型をまたいで、全体的な制度設計が必要なのではないかと思います。
それと、相談支援です。ここのマイナスはやはりちょっと目を覆いたくなるぐらいです。前回はここが肝で、全体の報酬を下げる代わりに特定事業所加算を目玉にしたわけですね。ところが蓋を開けてみると、特定事業所加算を取るところが少なかった。全体の本体報酬を下げたために、それは当然マイナスになりますよね。これはなぜ特定事業所加算を得られなかったのかというところが研究課題だと思います。本当に法人から独立した利用者主体の相談支援体制に持っていけるのは、ここのハードルを何としてもクリアしなければいけないと思っております。それを報酬改定でどうするのか。報酬改定だけで済む問題なのかどうか分かりませんけれども、研究する価値は大いになるなと思って聞いておりました。
それと、生活介護です。これは一番パイが大きいところで、前回よりも増えたということで、これだけ見るとここがターゲットにされそうな気がするのですけれども、基本的には普通に考えると、高齢化が進んでいるのと重度化が進んでいる。その受け皿として生活介護というところがあるわけで、当然、報酬は増えるのは考えられますね。重度化、高齢化が進んでいるのであれば、当然、施設面や整備面もそれに対応しなければいけないし、専門性というものも高めていかなければいけないし、人手も必要かもしれません。ここがちゃんとされているのかどうなのかが問題だと思っているのです。
ここが前と同じような状況で、ただ高齢化、重度化が進んでいるだけだと、支援の中身は相対的に劣りますよね。頑張っているところはそうではないかもしれませんけれども、普通に考えると、相対的には劣ると思うのです。劣ったところに単価を戻してしまうのは、私は最悪だと思っているのです。ちゃんと重度化、高齢化に合ったような施設面から、支援の中身から、人手から、そういうところにレベルアップしていくようなことが必要だなと思って聞いておりました。
取りあえず以上です。
○竹内障害福祉課長 ありがとうございました。
佐藤アドバイザー、お願いいたします。
○佐藤アドバイザー 御説明ありがとうございました。
経営実態調査については、資料2の概要を拝見すると、確かにどのサービスでも大体プラスの収支差になっていますが、資料3の分布を拝見すると、サービスの種類によって違いますけれども、ざっと見た感じ、4割から6割ぐらいの事業所が赤字なのです。この概要のほうに、赤字事業所比率みたいなものも入れたほうがいいのではないかと思いました。
つまり、全体をならして見たら何%かの利益が出ているかのように見えますけれども、4割から6割の事業所が赤字状態にあるということが重要な発見というか、この調査の結果なのだと思います。それも概要に示していただいたほうが、実態の示し方としては必要だと思いました。
資料6の事業者処遇の加算についてなのですけれども、処遇改善加算のほうはかなり利用されていると思うのですけれども、特定処遇改善加算のほうの未取得が多くて、届出を行わない理由というのがよく分からないみたいな感じになっているので、そういう場合は、こういう賃金バランスをやっているところもありますよとか、特定処遇改善加算によって改善された事業所の事例みたいなものを少し資料化して、参考資料としてお渡しできるようなことも考えていただければと思って拝見しておりました。
私からは以上です。
○竹内障害福祉課長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、次の議事に移らせていただきます。資料9について、事務局から説明いたします。
○石井障害福祉課長補佐 続いて、資料9について御説明させていただきます。障害福祉課の石井です。
資料9につきましては、就労系サービスに係る報酬基準についてというところで、前回第15回9月24日の検討チームにおいて、就労系サービスに係る論点等をお示しさせていただいたところです。その9月24日にお示しした内容から、さらに検討を深めるべき事項というものを4つほどまとめさせていただきまして、今回の検討チームでアドバイスいただければなというところです。
資料の1ページ目以降につきましては、前回の検討チーム等々でいただいた御意見を並べています。今回、お示しさせていただきたい論点につきましては、8ページ目をお開きください。さらに検討を深めたい事項ということで、論点を4つ挙げています。論点1が就労継続支援A型について、論点2がB型について、論点3が一般就労への移行促進について、そして論点4がコロナウイルス感染症に係る影響についてということで横断事項についてです。それぞれ1つずつ御説明をさせていただきます。
論点の1つ目、9ページ目です。「就労継続支援A型に係る基本報酬について」です。
現状・課題の1つ目の○です。前回、9月24日の第15回検討チームにおきまして、11ページ目にある通りの提案をさせていただいたところです。具体的には、就労継続支援A型について、現在、「1日の平均労働時間」で実績を評価していますが、「1日の平均労働時間」、1つの評価軸だけでA型を評価するのは難しいだろうということで、「1日の平均労働時間」に加えて、複数の評価項目からなるスコアによって評価してみてはどうかという御提案をさせていただきました。
それを踏まえまして、検討チームにおいては、3ページ目のような御意見をいただいたところです。
また、3○目、4○目では、9月24日以降に、就労継続支援A型に係る状況で新たなデータが出ましたので、参考までに御紹介しています。
3○目は、就労継続支援A型の経営改善の状況が直近の新たな数字が出ましたので御紹介しています。4○目では、令和元年度のA型事業の平均賃金月額が出ましたので、そちらも掲げています。
これら等々を踏まえまして、論点を2つ提示させていただいています。
1つ目が、「1日の平均労働時間」に加えて、複数の評価項目からという御提案を先般させていただいたところですので、「1日の平均労働時間」以外の評価項目について、どのように考えるか。
2つ目の論点が、では複数の評価項目の中で、各評価項目のウエート、重みづけについてはどのように考えるかというところです。例えば、複数の各評価項目がそれぞれ一律なのか、それとも評価項目1のほうが少し高く評価すべきなのか。そういったところが2つ目の論点の意味です。
10ページ目、検討の方向性です。
1つ目の○です。報酬の基礎となる実績につきましては、下線部のところです。「平均労働時間」以外の項目としては、大体4項目程度とさせていただいて、全体で合計5項目程度の評価項目にしてみてはどうかということを御提示させていただいています。
また、1つ目の○の後段のパラグラフです。それぞれスコアに関しましては、働く場として質を高めている事業所等々の評価が高くなるように、いわゆる加点方式でやってみてはどうかと。頑張っている事業所のスコアが高くなる。そのような方式で検討してみてはどうかということを御提示しています。
また、では具体的にどのような評価項目があり得るかというところを2つ目の○で書かせていただいています。具体的には、1.として1日の平均労働時間のほか、2.生産活動、3.多様な働き方、4.支援力向上、5.地域連携活動の観点から、評価項目の内容を検討してみてはどうかということ。また、また書き以降でございます。それぞれの1.から5.の評価のウエート、重みづけにつきましては、まさに1.から5.の順番で重みづけをしてみてはどうかというところを御提案しています。
文字で内容を御説明しても、なかなかイメージが湧きづらいというところで、18ページ目を御覧ください。ただいま御説明しました、「1日の平均労働時間」に4項目加えた5項目からなる評価項目のイメージです。
文字が小さくて恐縮です。例えば、I~Ⅴを掲げていますが、「I労働時間」につきましては、引き続き、「1日の平均労働時間」の長短でやってみてはどうかというところ。
「Ⅱ生産活動」です。生産活動につきましては、生産活動収支の状況、具体的には、就労継続支援A型につきましては、生産活動が健全であるという一つの指標として、経営改善計画というものを出す必要があるか、出す必要がないか。そういった一つの基準がございます。経営改善計画の提出が必要な事業所につきましては、経営改善が必要であるというところで、なかなか生産活動収益の状況が思わしくないというところ、もしくはそのような計画が出されていない事業所については、健全であるという一つの指標になっているところです。ですので、このような経営改善計画を出さなければいけない事業所が、複数年ある事業所、もしくは複数年出さなくてよい事業所、そういったところで点数分けしてみてはどうかというところで、1.から4.まで1つ提案をさせていただいているところです。
「Ⅲ多様な働き方」です。就労継続支援A型におきましても、多様な人材を受け入れていただきたいと考えているところです。例えば、精神障害のある方でしたら、現行の「1日の平均労働時間」ではなかなか評価できないような、短時間での働き方などを希望される方も多くいらっしゃるのではないかと考えられるところです。そういった多様なニーズの方を受け入れる環境整備ができている、もしくは実際受け入れている。そういったことをやっている事業所については評価してみてはどうかというところです。
具体的には、Ⅲの上段に書かせていただいておりますが、多様な働き方に係る制度の整備及び実施状況、具体的には、下に記載のある制度の整備状況や活用実績に応じて評価してみてはどうかというところを提案させていただいております。
例えばテレワーク、もしくは短時間労働、もしくは年次有給休暇の時間単位での取得や計画取得といった、働いている障害のある方、利用者の方々が働きやすい環境整備をしている、そういったことを評価してみてはどうかということです。
さらに「Ⅳ支援力向上」というところです。IからⅢにつきましては、主として働く場としてのA型事業所を評価してみてはどうかというところです。以降、Ⅳ、Ⅴにつきましては、就労継続支援A型、障害福祉サービスとしてやっている事業である限りにおいては、このような福祉的な側面からもA型事業所を評価してみてはどうかというような項目を入れております。
Ⅳが支援力向上ですが、具体的に利用者さんの支援力を高めるために、各職員が例えば外部研修等に参加していれば、そういった参加状況をこの評価の指標に入れてみてはどうかというところです。具体的には、年1回参加している、もしくは年複数回参加しているといったことをもって、点数の多い、少ない、を評価してみてはどうかという形で提案しています。
さらには5つ目です。「Ⅴ地域連携活動」です。A型事業所、地域において働く場ですが、やはり障害のある方がその地域において働くという限りにおきましては、地域とのつながりも非常に重要になるところです。A型事業所におきましては、障害福祉サービスですので、そういった利用者と地域をつなげるといった活動にも御尽力いただきたいというところで、こういった指標を入れています。
例えば、評価の要素に掲げておりますが、地元企業と連携して生産活動をやっている場合、もしくは地域課題、例えば高齢者の見回り等の事業をやっているとか、そういった地域課題等を解決するための事業展開をしている。そういったA型事業所については、一定程度評価項目の中に入れてみてはどうかといった趣旨です。
以上、IからⅤの評価項目をもって、例えばのイメージとしまして、100点満点で評価した場合、このようなIからⅤの配分になるのではないかというところを、各項目の右下に書いております。例えばIの労働時間につきましては、100点満点中40点の配点にしてみてはどうか。もしくは、Ⅱの生産活動につきましては、100点満点中25点にしてみてはどうかといった趣旨です。
各アドバイザーの皆様方におきましては、この評価項目について、このような評価項目がより良いのではないか、もしくはこういった観点が良いのではないかというアドバイス、もしくは各評価項目の配点、実はIよりもⅡの方が高いのではないかとか、ⅡよりもⅣの方が高いのではないかとか、そういったアドバイスを後ほどいただければ幸いです。
10ページに戻ってください。3つ目の○です。以上の各評価項目につきましては、前回の検討チームにおいて全て各事業所が公表することを義務づけてはどうかという提案をさせていただいているところです。当然、各事業所がなぜそのようなスコアになったのかということは利用者も知りたいところですので、その公表を義務づけるとともに、後段部分です。仮にそのような利用者の利用に資するような情報を公表していない事業所があった場合においては、義務づけられている義務が履行されていないという意味において、報酬上減算することなども検討してみてはどうかということを新たな論点として掲げているところです。
また、最後です。就労継続支援A型につきましては、そもそも地域においてどのような在り方をすべきか、もしくは、一方で、労働者である利用者を抱えている等で労働政策との関係もございます。ですので、そもそもの就労継続支援A型の在り方につきましても、職業安定局、雇用部局と連携して、検討を引き続き進めてみてはどうかというところを1つ論点として挙げているところです。
以上が就労継続支援A型です。
駆け足でございますが、続きまして、論点2の就労継続支援B型について御説明させていただきます。19ページ目をお開きください。論点2、就労継続支援B型に係る基本報酬についてです。B型につきましても、現状の課題の1つ目の○でございます。前回、9月24日の検討チームにおいて、平均工賃月額に応じた報酬体系とは別の報酬体系を検討してみてはどうかといった検討の方向性を示しているところです。それにつきまして、2つ目の○にありますとおり、検討チーム等でいろいろな御意見を頂戴したところです。
また、3つ目の○、4つ目の○にあるとおり、就労継続支援B型に係る平均工賃月額の状況等を現状・課題を記載しているところです。
これらを踏まえまして、論点として掲げさせていただいております。
1つ目です。仮に前回、9月24日検討チームにおいて御提案させていただいた検討の方向性のように、報酬体系の類型化を検討する場合において、現在、平均工賃月額に応じた報酬体系をやっておりますが、現行の報酬体系と、新たにそれとは別の報酬体系、新設を検討している報酬体系の関係についてどのように考えるか。
また、2つ目の○です。そのような報酬体系の類型化につきまして、例えば適用単位や手続など事務的な側面はどのように考えるかどうか。2つの論点を掲げています。
20ページ目をお開きください。検討の方向性です。
1つ目の○です。就労継続支援B型の基本報酬において、平均工賃月額に応じた報酬体系と新設を検討しております報酬体系の関係につきましては、後段の下線部です。それぞれ基本報酬と加算、全体で両者のバランスを取ってみてはどうかと提案させていただいているところです。
なかなか文字にしても分からないところですが、例えばということで2つ目の○に書かせていただいております。平均工賃月額に応じた基本報酬の体系につきましては、障害のある方が地域で自立した生活を実現する。そのために、引き続き工賃水準を上げていただく。そういったために、高い水準で工賃工事を実現している事業所については、基本報酬においてさらに評価してみていはどうかというところ。もしくはまた書き以降です。新しい類型として、利用者の生産活動等への参加、支援をしたことをもって、一律に評価する報酬体系につきましては、利用者の多様な働く意欲に答えつつ、地域で活躍の場を緩やかに広げる取組を進めていただくため、例えば地域住民と協働した取組などを地域で支え、地域とつながる取組をやった事業所に、新たに報酬上、評価する仕組みなどを設けてみてはどうか。そういったことを提案しています。
こちらも、なかなか文字ではイメージがつかみづらいと思いますので、29ページをお開きください。ただいま御提案させていただいたような内容を、イメージ図で書かせていただいています。先ほど野澤アドバイザーのほうからも、いわゆる就労継続支援B型について、働くというのはいよいよ多様性が求められるのではないかといった話もあったところです。前回の報酬改定検討チームにおきましても、就労継続支援B型につきましては、平均工賃月額ではなかなかなじまないような方がいらっしゃる。そのようななじまない方にかかりまして、新たな報酬体系を設けてはどうかというような提案をさせていただきました。では、新たな報酬体系と平均工賃月額の報酬体系、どのようなイメージをしているかというのが、この29ページ目です。
2つの類型を掲げていますが、左側です。まず、現行の平均工賃月額に応じた報酬体系につきましては、平均工賃月額をもってよりメリハリをつけていく、もしくは平均工賃月額が高い、高工賃の事業所については、さらに頑張っていただきたいというところで、高工賃事業所の評価をさらに強化してみてはどうか。そういった方向性で検討してみてはどうかという提案内容です。
もしくは、右側です。なかなか平均工賃月額に応じたような報酬体系にはなじまないような方、生産活動に参加している、地域とつながっている、そういった活動をもってして一定の評価をしてみてはどうかという新たな体系につきましては、なかなか基本報酬の中で評価するのは難しいものの、加算のほうで何らかの対応をしてみてはどうかという提案です。
例えば、というところで、オレンジ色の四角囲みです。後段ですが、地域に出て、地域で働く。そういった活動をこの類型においては進めることも重要ではないかということで、地域での生産活動機会の提供にかかって、事業所評価をしてみる。そういったことを新たに設けてはどうかといった提案をさせていただいているところです。
つまるところ、平均工賃月額に応じた報酬体系、そのような事業所においては、引き続き工賃向上を頑張っていただきたい。もしくはなかなかそのような形でなじまないような利用者を受け入れている新たな報酬体系につきましては、地域において利用者の生産活動の場を広げていただく。そういった方向性で、各事業所には頑張っていただきたい。その地域において生産活動の場を広げる。そういった取組に係りましては、加算という形で何らかの評価をさせていただきたい。そのような形のイメージとして考えているところです。
こういったイメージで、それぞれ基本報酬もしくは加算を合わせる形で両者の類型のバランスを取って、就労継続支援全体としてのパッケージとして、利用者のニーズに応えていきたいといったものが、今回の提案内容です。
資料はお戻りいただきまして、21ページ目です。以上の各2つの報酬体系につきましては、どのような形の適用単位等になるかというところを検討の方向性2.として掲げています。これら両報酬体系につきましては、事業所単位として、各自治体に事業所が自ら届け出る。そのようなやり方、手続を考えてみてはどうかという提案です。
また、後段部分です。例えばで掲げていますが、平均工賃月額に応じた報酬体系をお選びになる事業所におきましては、各事業所が届出をする際、例えば工賃向上計画は、実は3年に一度、各事業所さんが策定することになっております。このような工賃向上計画の策定と併せて、平均工賃月額に応じた報酬体系をお選びいただく。そういったことを自治体に届け出てはどうか。そのような提案をさせていただいているところです。
最後、なお書きです。就労継続支援B型につきましても、先ほど申し上げましたとおり、働くという概念が非常に多様化しているところです。利用者もしくは社会全体で働くということが変わっている中で、就労継続支援B型につきましても、後段に書かせていただいておりますが、雇用部局と連携し、その在り方を検討してみてはどうか。そのようなことを1つ検討の方向性に掲げているところです。
以上が就労継続支援A型、B型の論点1、論点2です。
続きまして、論点3です。資料はおめくりいただきまして、31ページ目です。就労継続支援における一般就労への移行促進です。こちらも実は前回、9月24日の報酬改定検討チームにおいて、次のとおり検討の方向性を示しているところです。就労継続支援におきましても、一般就労へのさらなる評価を検討してみてはどうかという提案です。
論点です。では、さらなる評価とは何かというところで、さらなる評価についてどのように考えるかというところを掲げています。
検討の方向性です。1つ目の○です。就労継続支援におきましては、先ほど来、御説明させていただいていますとおり、一定程度、実績に応じた報酬体系を取っているところです。そうなりますと、例えば高工賃を実現している事業所において、さらに一般就労への実現もされるということは、1つ目の○の後段ですけれども、一般就労に係る支援は相当程度労力を要するのではないかと考えられるところです。
つまるところ、2つ目の○です。さらなる評価としては、基本報酬における評価区分と連動した加算として考えてみてはどうかということを提案させていただいたところです。
具体的には3つの○で、後段の下線部です。基本報酬の報酬区分に応じたメリハリのある加算としてみてはどうかという提案内容です。こちらも32ページ目を御覧ください。
次のページです。現行の加算につきましては、いわゆる高工賃もしくはなかなか工賃が上がっていない事業所についても、一律の加算として評価しているところです。こちらの現行の加算につきましては、引き続き堅持させていただく方向で検討した上で、さらなる加算としましては、その報酬区分に応じてメリハリをつけてみてはどうかという内容です。やはり高工賃を実現している事業所において、さらに一般就労も実現する。そのようなことにかかる支援の労力は一定程度大きいだろうというところで、新たな加算、さらなる評価については、こういったメリハリをつけて考えてみてはどうか。そういった提案内容です。
続きまして、最後に論点4です。新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた実績の算出について(横断事項)です。
こちらも前回第15回、9月24日の報酬検討チームにおいて、既に検討の方向性を示しているところです。具体的には、現在、実績に応じた報酬体系になっている就労系サービスについて、令和3年度の実績算定、どの実績を使うかというところで提案させていただいた内容は、「令和元年度または令和2年度の実績を用いないことも可能」、そのようなことを検討してみてはどうかといった提案をさせていただいたところです。
一方で、3つ目の○です。そのような提案をさせていただいたところですが、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、各事業所からは、具体的にどのような計算式になるのか、もう少し教えてほしいといった声が多数あったところです。そういったことを踏まえまして、論点として掲げているのは、現在まだまだ見直しを検討中ではございますが、仮に検討の内容が一定程度この方向性で行くと仮定した場合、どのような算出方法になるかということを、このタイミングで提案してみてはどうかという内容です。
おめくりいただきまして、34ページ目、検討の方向性、1つ目の○です。後段の部分です。先ほど申し上げましたとおり、現在検討している方向性で見直しを進めたと仮定し、具体的に算出方法を示してみていはどうか。今般の新型コロナウイルス感染症の影響度合いに鑑み、事業所が早く見通しを立てられるように、仮定ですが、何らかの算出方法をお示ししてはどうかという内容です。
2つ目の○ですが、こちらも少し文字だと分かりづらいところですので、大変恐縮ですが、35ページ目を御覧ください。各サービスにつきまして、前回、令和元年度または令和2年度の実績を用いなくても可能だという提案をしているところですが、4サービスそれぞれを具体的に当てはめた場合、このような形になるのではないかというところを具体的に書かせていただいています。
大変恐縮ながら、つぶさに説明することは省略させていただきたいと思いますが、就労移行支援で言うのであれば、右側に書かれているように、1.2.のいずれかの方法で計算するのではないか等々を書かせていただいております。
ただ、この中で特に就労継続支援A型につきましては、先ほど来、少し御説明しているとおり、複数項目での評価をしてみてはどうかという提案も別途しているところです。この複数項目はそれぞれどうするのだという非常に難しい問題がございます。今回の御提案の中では、例えば「1日の平均労働時間」は引き続き堅持していこうという方向性を出させていただいておりますので、そちらにつきましては1.から3.という形にさせていただいた上で、まだどの評価項目になるかは分かりませんが、それ以外の評価項目については、令和2年度という実績を用いてみてはどうかという形で書かせていただいているところです。
少し長くなりましたが、論点1から論点4までの就労系サービスの内容です。
以上で説明を終わります。
○竹内障害福祉課長 それでは、ただいまの説明について、御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。
小船アドバイザー、お願いいたします。
○小船アドバイザー 御説明ありがとうございました。
私からは、論点1と2について意見を述べさせていただきます。
まず、論点1の就労継続支援A型に関わることですけれども、評価項目を設けて、それにウエートをつけて評価していくということ、その仕組み自体には賛成するところでございます。この評価項目の中の5番目、地域連携活動についてですけれども、本来、福祉事業を行うに当たっては、地域住民と協働して、地域に貢献していくという事業を展開していく理念というものが必要であると考えておりまして、今回の改定は、加算としてそれを評価して、こうした意識や理念というものを浸透させていくという意図があるのかなと感じております。
将来的には、障害福祉サービス事業所はこうした地域連携活動を行うということを大前提とするということで、行わない場合に減算をするといった仕組みにシフトしていくことを提案したいと思います。
続いて、論点2の就労継続支援B型に関わることなのですけれども、前回、第19回の会合で、ピアサポートの専門性の評価についてのところでも意見を述べさせていただきましたけれども、ピアサポートへの支援の評価について、B型事業所のほうでも御提案いただいたことは、本当に私も希望していたことですので、大変うれしく思っておりますけれども、ここで就労系のサービスにこの加算を追加するということは、自立訓練においても、特に時限的なサービスにおいてピアサポートの専門性の有効性についても十分皆さんも感じられていることと思いますので、ぜひ引き続き御検討いただきたいと思います。
最後に、これは質問となりますけれども、ピアサポートによる支援への評価、それと地域での活動機会への提供への評価が新たな報酬体系のほうに加算として位置づけられておりますけれども、これがB型のもう一つの報酬体系のほうには反映されずに、こちら側に新しく設けた体系のほうに特化されたということについて、何か具体的な御事情とか理由があるのであれば、お示しいただきたいと思います。
以上です。
○石井障害福祉課長補佐 小船アドバイザーの非常に多岐にわたるというか重要な点を御指摘いただき、ありがとうございます。A型のスコアの関係、もしくはピアサポートの関係につきましては、前回の御議論もしくは障害者部会での検討を踏まえて、今回提案をさせていただいています。
その上で、御質問のありました地域づくりもしくはピアサポートに係りまして、29ページ目のイメージ図において、今回B型の新たな報酬体系だけ、ピアサポートもしくは地域活動への提供の評価がついていると。平均工賃月額に応じた報酬体系のほうにはついていない。その御質問かと思います。
整理としましては、平均工賃月額に応じた報酬体系につきましては、働く場において工賃を稼いで、そちらで頑張って働きたいというような障害者のニーズに応えていただくために、平均工賃月額に応じた報酬体系にすると。そして、その平均工賃月額を高く実現されている事業所については、緑でございますが、高工賃事業所への評価をさらにしていこうという形で考えているところです。
つまるところ、ピアサポートもしくは地域づくりというような活動につきましても、平均工賃月額に応じた報酬体系の中でやっていただいて全く差し支えはございません。ただし、その成果として、ちゃんと平均工賃月額を向上してもらう。工賃向上していただいた暁には、こちらは「平均工賃月額に応じて評価する」という中において評価されるのではないかと考えているところです。
今回、このような高工賃事業所のさらなる評価、もしくは地域づくり機会の提供の評価につきましては、実は前回御提案させていただいております施設外就労加算の在り方の考えの整理の中で御提案させていただいているところです。施設外就労加算につきましては、現在、施設外就労という手段を取っていることのみをもって評価しているという状況です。ただし、A型もしくはB型につきましては、いろいろな方法で実績を上げている事業所がある中において、施設外就労というような手段をもってのみ加算をつけるのはどうかと考えているところです。
このため、そういった施設外就労加算の見直しと併せまして、高工賃を実現している事業所については、平均工賃月額に応じてさらに評価させていただきたいと考えている一方で、新しい報酬体系の事業所は、そこの部分が平均工賃月額という形では評価しないことから、別の形で評価できないかという問題意識です。ですので、なかなか平均工賃月額で反映できない事業所、新たな類型の部分については加算という形で、こちらは評価させていただきたいと整理しているところです。
繰り返しですが、平均工賃月額に応じた報酬体系の事業所については、平均工賃月額をそのような手法、地域づくりもしくはピアサポートを使って、平均工賃月額が上がれば、当然その中で評価がされるのではないかと考えているところです。その報酬体系に乗らない新たな報酬体系については、そこの部分が評価できませんので、別途の加算という形で評価させていただきたいというところで、今回のイメージの中では整理させていただいているところです。
○竹内障害福祉課長 小船アドバイザー、いかがでしょうか。
○小船アドバイザー 考え方としては理解できましたので、どうもありがとうございました。
○竹内障害福祉課長 ありがとうございました。
橋本アドバイザー、お願いいたします。
○橋本アドバイザー 御説明ありがとうございました。
私からは、就労継続支援B型について、意見を述べさせていただきたいと思います。
就労継続支援B型は多様なニーズが混在しており、就労を基軸とする中で、地域活動支援センター的な要素も強く、今後の在り方自体を整理していく必要があるのではないかと思います。
今回の2類型に分けることで、事業所がどちらかを選ばなければいけないことには痛みを伴うこともあるかと思います。同じ事業所内に高い工賃を目指せる方も短時間しか働けない方も混在していると思うので、特に平均工賃月額に応じた報酬体系を選んだ事業所に、短時間しか通所できない方がいられなくなるのではないかということを危惧しています。
地域に幾つもの事業所が点在していて、事業所を選べる地域であればよいですが、地方などの数が限られている地域では、特にそのような心配があるので、今、通所している障害者が不利にならないような仕組みをつくっていただければと思います。
また、2類型のどちらかを事業所が選んだ後に、このコロナ禍で利用者の状況の変化や販路の縮小など、予期せぬことが起きてくる可能性もあり、類型変更を検討する場合もあるのではないかと思います。その際に、変更がある程度容易にできるような仕組みにしてほしいと思います。
また、前回の検討チームでまずは相談系の事業所にピアサポートの加算をつけていくという論点があり、その中で、就労系にも評価をしていってほしいという議論がありましたが、利用者の生産活動等への参加を支援したことをもって一律の評価をする報酬体系に、ピアサポートによる支援に対して報酬上の評価をしていくということは大変望ましいことだと思います。
今、小船アドバイザーからもありましたが、就労系ではありませんが、自立訓練、生活訓練でも特に訪問型では引き籠もりがちの方へピアサポートの力が十分に生かされるのではないかと思うので、相談系の事業所同様に、報酬上の評価をしていくべきではないかと思います。
また、就労継続支援B型を利用されている方でも、やはりいつかは一般就労で働きたいという声を聞くことがありますが、そのモチベーションを消すことなく、一般就労への移行に向けて前向きに取り組みながら、高い工賃を出していくことは、かなりの労力や人件費がかかるのではないかと思います。就労への移行や高い工賃を出している事業所には適切な評価をして、加算のインセンティブをつけていくことにより、さらなる就労への移行を推進していく必要があるかと思います。そのためにも、報酬区分に応じたメリハリをつけた加算をつけることにも賛成です。
また、令和3年度の報酬算定に係る実績の算出の柔軟な取扱いについても、御提案のあった内容で適当かと思います。
以上です。
○竹内障害福祉課長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
野澤アドバイザー、お願いいたします。
○野澤アドバイザー 御説明ありがとうございます。
私は前回欠席だったと思うので、今回のピアサポートとか地域づくりの活動とかというのはとても注目しているところでして、基本的にこういうものをどんどん進めていってほしいなと思っています。
実際、私の知っているところでも、地域で独居の年寄りとかがいっぱいいますね。それは生活介護でやっているのですけれども、何でもお手伝いしますという看板を掲げて、注文を取って、草むしりとかごみ出しとか、ちょっとしたことなのですけれどもなかなか介護保険でやってくれないのです。ものすごく繁盛して、引っ張りだこだと言うのです。そのうち注文が来て行っても、仕事はあまりなくて、ただお年寄りとおしゃべりをして帰ってくるだけのときもあるけれども、考えてみると、それはすごく重要な役割だと思うのです。
これから、特に都市部を中心に独居のお年寄りはすごく増えてくるではないですか。この人たちの介護だとか医療だとかというのは、相当な水準でこの国はできるようになったと思うのですけれども、心の孤独だとか疎外感だとかというものは、なかなか公的な福祉サービスでは埋められない。特に生活面の介護というところがだんだん介護保険も引いてくると、誰がここをやっていくのかというのは、これから物すごく大事だし、空白が広がっていくと思うのです。それを考えたときに、こういう地域でいろいろな活動ができる障害者は実はすごく大きいのではないかと思うのです。
ここは障害者福祉サービスの報酬改定の議論をする場ですけれども、一方で、介護保険とか、地域共生とか、そういう観点から見たときに、もっと違う考え方があるのかなとか思ったりして、そういうものを一歩進めるために、私は、これはすごく大きな意味を持っているのではないかと聞きながら思っていました。
何年も前なのですが、例えば新潟の長岡市なんていうのはすごく雪が深いですよね。独り暮らしのお年寄りで、雪下ろしができないとその町で生きていけないのです。それを若い知的障害、精神障害の方が雪下ろしをしに行く。そうすると、その町ではこういう障害者がいないとお年寄りは暮らしていけないのです。これからの地域共生社会を考えたときに、こういう循環を生まなければいけないと思っていて、伴走型支援とか寄り添い支援というのをプロがずっとやっていたのでは、財源的にも人手的にもなかなか限界があるし、こういうところにこそ本当の支えがあって、障害の方もただ働いて賃金をもらうというだけではなくて、本当に自分たちがこの町のお年寄りを支えているという実感、ありがとうと言われる言葉とか、これまでの社会福祉とか社会保障ということからは違う次元なのかもしれませんけれども、今後のこの国の社会を考えたときにとても重要だと思っています。
これを進めるに当たって、自治体に届け出るわけです。理解のある自治体ならばいいのですけれども、何だそれはというところが絶対に出てくるはずなのです。自治体だけで評価するのもいいのですけれども、地域支援協議会だとか、あるいは断らない相談支援を進めていこうということで、いろいろな相談支援が相乗りになってきますよね。そういうところにこの評価に一部関わってもらうとか、住民が住民を評価して、新しいそういう活動を支えていく、促していくみたいなものがあっても面白いのではないかということを思っていました。ここは私はすごく期待をかけたいので、取りあえず一歩を進めるのは大賛成です。もっともっといろいろなことができそうな気がします。
以上です。ありがとうございます。
○竹内障害福祉課長 ありがとうございました。
岩崎アドバイザー、お願いいたします。
○岩崎アドバイザー 御説明ありがとうございました。
まず、A型のことなのですけれども、そもそも福祉サービスという形で位置づいているからには、サービスの質ということをどう評価するのかということも評価として重要だと思います。非常に多様な評価軸を御用意いただいたということで、そのこと自体には私も賛成なのですけれども、客観的なものではない指標が入ってきたことによって、これを誰がどのように評価するのかということなどがすごく難しい点もあるのではないかと思うのです。評価軸として掲げられていることが事業所の中で行われているかどうかという実態といいますか、行われていることの質をきちんと評価できるのだろうかということで、少し心配もしております。
もちろんその結果を公表しないという事業所に対する減算ということは1つ対策として考えてくださっていると思うのですけれども、少し不安を覚える部分もありますので、その中身について精査していただきたいということとともに、福祉サービスの第三者評価ですとか、違う評価軸をそこに入れ込んでいただくとか、評価をどのようにするのかということをさらに御検討いただければと思います。
もう一点、多様な働き方というようなところで、超短時間雇用ということ、特に精神障害の人たちにとっては非常に有効な取組だと思うのですけれども、ただ、元々が労働時間で評価するという大きな軸があるわけで、そことの矛盾が生じてこないかなと、その点も少し具体的な心配として感じるところでございます。
トータルで言うと、今回コロナの影響で業態によっては実際にやっていらっしゃる事業のほうでの収益が上がっていない。非常にダウンしたという事業所もあると思うのです。それが給付のほうで補填されるということが今は許容されていますけれども、今後、コロナの影響によってなかなか経営が立ち行かないとなったときに、コロナ前からそういうことはありましたけれども、今回設けられた平均工賃月額に応じた報酬体系のB型のほうとかに転じたほうが、経営的には安定するというような考えのところが増えないだろうかということも心配しています。
それは13ページで、経営状況があまり芳しくないということが継続している事業所も多いようですので、そういった心配をしているということでございます。
あと、B型のほうのことについては、基本的にはある意味、実態に即した報酬体系をつくられたのだなと理解はしています。そうなったことによって、生活介護あるいは地活のIII型との違いがどこにあるのだろうかなということが疑問としてはございます。
ピアサポートのことに関しては、先生方、皆さんおっしゃってくださっているように、私もこの事業だからということではなくて、財政的な面で非常に御苦労もあるかと思うのですが、もうちょっと幅広に考えていただきたいなと思っております。
一般就労の実績に対するさらなる加算については、賛成でございます。
以上です。長くなりまして失礼いたしました。
○竹内障害福祉課長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
最後に、全体を通しまして御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、本日予定している議事は以上で終了となります。次回の検討チームは11月18日水曜日の15時より、本日と同様のオンライン会議にて開催予定ですので、よろしくお願いいたします。
本日は、これをもちまして閉会いたします。
お忙しいところ、誠にありがとうございました。