第1回社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会 議事録

日時

令和2年11月9日(月) 17:00~18:30

場所

TKP市ヶ谷カンファレンスセンター ホール5C(5階)
(東京都新宿区市谷八幡町8番地 TKP市ヶ谷ビル)

出席者

構成員(敬称略・五十音順)

川原(かわはら) (たけ)(よし)     川原経営グループ 代表
田中(たなか) (しげる)(座長)  埼玉県立大学 理事長
松原(まつばら) 由美(ゆみ)     早稲田大学人間科学学術院 准教授 
宮川(みやかわ) (やす)(のぶ)     独立行政法人福祉医療機構 福祉医療貸付部福祉審査課長 
山田(やまだ) (ひろ)()     地域密着型総合ケアセンターきたおおじ 代表

議題

(1)社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会の設置について
(2)社会福祉連携推進法人の施行に向けた検討について
(3)その他

議事

 
○高坂福祉基盤課長補佐 それでは、定刻前でございますが、皆様おそろいのようですので開始させていただきたいと存じます。
 ただいまより、第1回「社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただき、ありがとうございます。
 それでは、ここからの議事運営について、事前に座長をお願いしております、田中構成員にお願いしたいと存じます。
○田中座長 座長を拝命しております田中でございます。どうぞ御協力のほどをよろしくお願いいたします。
 構成員が実際に会場にいる会合は、久し振りですね。厚生労働省各局の会合は、大体座長だけ会場で、あとは皆さんスクリーン上ですが、今日は珍しく、親しく議論ができることを期待しております。よろしくお願いします。
 早速、議事に入ります。本検討会の開催に当たり、橋本社会・援護局長より一言、御挨拶を頂戴いたします。
○橋本社会・援護局長 社会・援護局長の橋本でございます。
 開会に当たりまして、一言、御挨拶を申し上げたいと思います。
 先ほど田中座長よりお話がございましたけれども、本年は、新型コロナウイルス感染症の影響で異例尽くめという状況の中でございますが、そういう中にあって本検討会の構成員をお引き受けいただきました皆様方に厚く感謝を申し上げたいと思います。
 皆さん御存じのとおりと思いますが、今年の6月、通常国会におきまして「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律」が国会で成立した訳でございます。
 この主たる中身は、重層的な相談支援体制を作っていくということが1つございました。これと並んでもう一つ大きな柱となりましたのが、この「社会福祉連携推進法人制度」の創設でございます。社会福祉法人等が社員となって、関係機関の業務連携を推進しようという新しいツールとしてできた訳でございまして、この検討会では、まさにこの制度が地域において有効に活用されるようにするためにはどうしたらいいかということについて、皆様方の御知見をいただきながら詰めていこう、そのための御議論の場として皆様にお集まりいただいた訳でございます。
 具体的な仕組みの詳しい部分については、後ほどまた事務局の方から御説明させていただきますが、地域福祉の推進や、災害時の総合支援、人材確保、経営支援など、様々なことができる仕組みになっている訳でございます。
 これは、地域共生社会づくりに向けた連携・協働ということをこれから進めていく中での新しいツール、選択肢の一つということで作った訳でございまして、これを有効に活用できる仕組みとしていくことによりまして、地域における関係機関のネットワークの強化ですとか、あるいはどうしても中小規模の事業者が多いこの福祉の世界の中におきまして、経営基盤の強化といったことにもつながることを私どもとしては期待しております。
 是非、構成員の皆様方におかれましては、忌憚のない御議論、御意見を賜りまして、この新しい仕組みが役に立てる仕組みになるように、御議論をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○田中座長 橋本局長、ありがとうございました。
 本検討会は本日が第1回目であります。よって、各構成員より、それぞれ一言、簡単に自己紹介を伺います。
 川原構成員から順にお願いします。
○川原構成員 川原経営グループ代表の川原でございます。
 私は、田中座長とともに、地域医療連携推進法人の基となりました、医療法人の事業展開等に関する検討会の構成員も拝命しておりました。それに基づきまして、地域医療連携推進法人が出来上がったというところもございます。今回、この社会福祉連携推進法人がきちんと規制と活用とがうまく両立できるような形でできるように、公認会計士、税理士としての知見も生かしながら、尽力したいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○田中座長 松原構成員、どうぞ。
○松原構成員 早稲田大学の松原です。私も川原構成員と同様に、地域医療連携推進法人を創設する際の検討会の構成員を務めてまいりました。
 社会福祉法人の制度改正のときは、内部留保について基準もなしに過大だと言われ続けたことに対して、基準なくして過大と言うのはおかしいと指摘し、基準を作成して調査をさせていただきました。より良い制度となるよう微力ながらも尽力する所存ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
○田中座長 宮川構成員、どうぞ。
○宮川構成員 独立行政法人福祉医療機構の宮川と申します。よろしくお願いいたします。
 私は、今回初めてこの検討会に参加させていただくこととなりました。社会福祉連携推進法人に位置付けられている貸付けという業務の部分で、日頃福祉貸付で色々社会福祉法人様のお手伝いをさせていただいている知見をなるべく生かしながら頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○田中座長 山田構成員、どうぞ。
○山田構成員 京都から参りました、社会福祉法人リガーレ暮らしの架け橋の山田と申します。よろしくお願いいたします。
 2010年から、社会福祉法人のグループ化に取り組んでまいりました。私どものグループ化のプロセスとか、成果とか、うまくいかなかった点とか、そういうことを含めまして、この議論の中でお役に立てればと思っております。よろしくお願いいたします。
○田中座長 皆様、ありがとうございました。
 カメラは、ここまでといたします。
(カメラ退室)
○田中座長 続いて、議事に入る前に資料の確認を行います。事務局から説明をお願いします。
○高坂福祉基盤課長補佐 本日は、お手元に資料といたしまして、座席表のほか、議事次第と、
 資料1として「社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会開催要綱」。
 資料2として「社会福祉連携推進法人の施行に向けた検討について」の3種類を配付させていただいております。
 不備がございましたら、事務局までお申しつけください。以上でございます。
○田中座長 ありがとうございました。本検討会は、先ほど局長の御挨拶にもありましたように、本年6月に国会で成立した「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律」に基づいて創設されることとなる「社会福祉連携推進法人」の具体的な内容を明確にしていく役割を担っております。
 以上を踏まえながら、議論を始めます。
 まず、事務局から資料についての説明をお願いします。
○初鹿企画調整専門官 それでは、資料の説明をさせていただきます。
 まず資料1、「社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会 開催要綱」でございます。こちらに開催の趣旨、主な検討項目ですとか、それから構成員の名簿を載せさせていただいております。中身につきましては、説明は割愛させていただきます。
 続きまして資料2、横型の資料で「社会福祉連携推進法人の施行に向けた検討について」と書かれている資料について説明させていただきます。
 前半は「社会福祉連携推進法人制度の概要」、後半は「施行に向けた論点」という構成にしております。
 資料2の1ページ目、「社会福祉連携推進法人制度の概要」ということで2ページ目から内容が始まっております。
 「社会福祉法人の事業展開等に関する検討会」につきましては、昨年の4月に第1回を開催しまして、複数法人による協働化等、社会福祉法人の事業の効率性やサービスの質の向上に向けた連携の促進方策についてなど御議論いただきまして、昨年の12月に報告書をまとめていただいたところでございます。
 報告書は、3ページに概要を載せさせていただいているところでございます。
 「我が国の社会の人口動態を見ると、2025年に向けて高齢者人口が急速に増加した後、その増加が緩やかになる。また、大都市とその郊外では高齢者が増加する傾向にある一方で、地方では高齢者が増加せず、減少に転ずる地域もみられる。さらに、担い手となる生産年齢人口の減少が2025年以降加速する。こうした人口動態の変化に加え、血縁、地縁、社縁といった共同体の機能の脆弱化といった社会構造の変化が起きており、子育てや介護、生活困窮など、福祉ニーズがますます複雑化・多様化してきている。
 このため、社会福祉法人が、法人の自主的な判断のもと、地域における良質かつ適切な福祉サービスの提供を可能とし、社会福祉法人の経営基盤の強化を図るとともに、複雑化、多様化する福祉ニーズに対応する観点から、住民に身近な圏域で様々な地域づくりの活用に参画する非営利セクターの中核として、福祉分野での専門性を生かし、地域住民の抱える様々な地域生活課題への対応を進められるようにするため、円滑に連携・協働化しやすい環境整備を図っていくべき。」ということで、具体的にこの四角囲みの部分について御提言いただきました。
 連携法人については上から2つ目の➁の「社会福祉法人を中核とする非営利連携法人制度の創設」というところでございます。
 法人間連携の枠組みとして、社会福祉協議会を通じた連携や合併・事業譲渡があり、これらの方策についても活用できる環境の整備が重要であるが、社会福祉法人の非営利性・公益性等を踏まえつつ、社会福祉法人を中核とする非営利連携法人制度により、既存の方策の中間的な選択肢の創設を図るべきである。」
 こちらの内容を踏まえまして、4ページ目、「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律」を通常国会に提出しまして、6月に成立したところでございます。この「改正の概要」となっているところの赤く囲んでいる部分で連携法人制度の創設を盛り込ませていただきました。
 「施行期日」については、「公布の日から2年を超えない範囲の政令で定める日」としておりまして、この法律が今年の6月12日に公布されておりますので、令和4年6月12日までに施行するという内容になっております。
 続きまして、5ページ目に具体的に連携法人制度の仕組みについて載せさせていただいております。
 連携法人は法律上の要件を満たした一般社団法人を所轄庁が認定し、それから監督するという仕組みにしております。
 理事会や評議会は、必置の機関にしております。評議会は地域関係者の意見を集約したもので、社員総会や理事会は評議会からの意見を尊重しなければいけないこととされております。
 社員の範囲については、社会福祉法人その他社会福祉事業を経営する者、社会福祉法人の経営基盤を強化するために必要な者としており、社会福祉連携推進業務につきましては地域共生社会の実現に資する業務の実施に向けた種別を超えた連携支援、災害対応に係る連携体制の整備、社会福祉事業の経営に関する支援、社員である社会福祉法人への資金の貸付け、福祉人材不足への対応、設備・物資の共同購入としております。
 人材確保の業務の一環として、連携法人の社員が行う労働者の募集の委託について、一定の要件のもと、労働者の委託募集の特例、職業安定法の特例を認めております。
 また、社会福祉連携推進法人は、これらの業務以外については推進業務への支障を及ぼすおそれがない範囲で実施を可能としています。また、社会福祉事業を行うことは法律上できない形にしております。
 続きまして、6ページ目です。連携法人の業務のイメージということで、まず左の図ですが、例えば連携法人が社員に共同で研修を実施することや、大学などの福祉従事者養成施設に社員の職員を連携法人がまとめて募集活動を行うといったことが考えられるところでございます。
 また、右側、地域の多様な福祉ニーズに対応するという観点では、社員が地域における公益的な取組を実施するに当たって連携法人が法人間の連絡調整を行ったりですとか、あるいは自治体と地域住民のニーズや課題の共有をしたり、個別支援児の連携をしたりといったことが考えられるところでございます。
 続きまして、7ページ目に「社会福祉法人への資金の貸付業務イメージ」を載せています。「社会福祉事業を安定的に行うために実施する連携法人から社会福祉法人への貸付の原資として、貸付対象ではない社員である社会福祉法人から連携法人への貸付を認める。」というものです。「連携法人への貸付額は、当該社会福祉法人の拠点において経常活動収支差額が黒字かつ資金不足が生じない範囲等(法人本部への繰入れ可能額)の範囲で認める。」という内容にしております。
 具体的には、社会福祉法人A、社会福祉法人Bと書かれているところから連携法人に貸付けをしまして、それを原資に連携法人から貸付け対象の社会福祉法人Cに貸付けを行うというものでございます。
 この貸付け対象の社会福祉法人のCは、自分の法人の重要事項、予算ですとか事業計画を決める際には連携法人の承認が必要という形になっております。
 また、貸付けを受ける社会福祉法人ごとに法人への貸付けの内容を所轄庁が認定するという仕組みにしております。
 続きまして、連携法人に関する政府文書について御説明させていただきます。
 最初は、2年前の「経済財政運営と改革の基本方針2018」、骨太方針2018において、介護の経営の大規模化・協働化により、人材や資源を有効に活用するという形で社会福祉法人の連携・協働化について記載がされました。
 次に、平成30年11月の「経済政策の方向性に関する中間整理」というところで、「経営の安定化に向けて、医療法人・社会福祉法人それぞれの経営統合、運営の共同化の方策や、医療法人と社会福祉法人の連携方策を検討する。」と書かれております。
 そして、昨年の「成長戦略フォローアップ」において、社会福祉法人の事業の協働化・大規模化の促進方策等について、有識者による検討会を開催し、2019年中に結論を得る。」とされました。
 ここまでが、連携法人の法律が成立する前までの政府文書に関するものでございます。
 9ページ目に載せているものが、最近のものになります。
 規制改革会議からの指摘としまして、社会福祉連携推進法人制度は「連携・協働化の新たな選択肢として広範な活用が期待されるものであるが、これまで独立して事業経営を行ってきた参加法人が、1社員1議決権という原則ルールの下で、事業連携に必要となる共通的な意思決定を円滑に行うことは容易でないとの指摘もある。同制度の活用を含めて広範な法人間連携が促進されるよう、新制度が円滑に施行されることが望まれる。」ということで、具体的には「介護事業者の連携に当たって社会福祉連携推進法人制度が積極的かつ有効に活用されるよう、議決権に係る定款上の別段の定めに関する考え方を整理するなど、同制度を円滑に施行する。」ということが規制改革実行計画に盛り込まれているところでございます。こちらも踏まえて、本検討会において検討を進めていければと考えております。
 次のページからは「施行に向けた論点」でございまして、「更に追加すべき論点があるか?」という観点で御確認いただければと思います。
 11ページ目が、業務の総論の部分になります。
 ・ 社会福祉連携推進業務について、それぞれ具体的にはどのような取組が該当するか。
 ・ 「資金の貸付けその他の社員が社会福祉事業に係る業務を行うのに必要な資金を調達するための支援として厚生労働省令で定めるもの」について、貸付け以外を認める必要があるか。
 ・ 社会福祉連携推進業務を行うにあたって、それぞれどのような留意が必要か。
 12ページ目にいきまして、
 ・ 社会福祉連携推進業務以外にどのような業務を行うことができるか。
 ・ 社会福祉連携推進業務以外の業務を行うにあたってどのような留意が必要か。
 このあたりが、業務に関する内容になっております。
 続きまして、実際に運営するに当たっての論点を大きく分けて3つ入れております。
 ・ 業務運営にかかる費用はどのように賄うか。
 ・ 社員である社会福祉法人は会費をどのように支出するか。
 ・ 社会福祉連携推進法人として、資産をどこまで保有できることとすべきか。
 ・ 業務運営の実施体制(社会福祉連携推進法人の職員と社員である法人の職員を兼務する場合の給与の取扱い等)はどのように整備すべきか。
 こういうことを論点として盛り込んでおります。
 次のページからは、個別の業務についての論点を入れております。
 1つ目は、「地域福祉の推進に係る取組を社員が共同して行うための支援について」で、
 ・ 地域福祉支援業務として具体的に実施機能な取組は何か。
 ・ 地域住民に対する直接的な支援を行う業務を実施することは可能か。
 それから、「災害が発生した場合における社員が提供する福祉サービスの利用者の安全を社員が共同して確保するための支援について」で、
 ・ 災害時支援業務として具体的に実施可能な取組は何か。
 ・ 感染症対策の取扱いはどのように考えれば良いのか。
 ・ 地方公共団体が行う、災害対策や感染症対策との整合性はどのように取ればいいか。
 ・ DWATとの関係はどのように考えれば良いか。
 DWATというのは、一般の避難所で災害児の要配慮者に対する福祉支援を行うチームのことになります。
 続きまして、社員が経営する社会福祉事業の経営方法に関する知識の共有を図るための支援につきまして、
 ・ 経営支援業務として具体的に実施可能な取組は何か。
 ・ 事務処理の代行は実施可能か。他の法律の適用関係はどうなっているのか。
 事務処理の代行とは、各社員の事務処理を連携法人が代行することは可能かということです。
 また、「社員が経営する社会福祉事業に必要な設備又は物資の供給について」で、
 ・ 物資等供給事業として具体的に実施可能な取組は何か。
 ・ 社員の施設での給食の供給は実施可能か。
 このようなことを入れております。
 続きまして、人材確保に関する業務でございます。
 「社員が経営する社会福祉事業の従事者の確保のための支援及びその資質の向上を図るための研修について」、委託募集のところの詳細についてはどのように考えるのか。それから、連携法人が社員の人事交流の調整をするに当たり、労働法上留意すべき点は何か等を入れております。
 続きまして、貸付けの業務に関することでございます。こちらは、事業展開に関する検討会の報告書でも慎重に検討するよう報告書がまとめられているところでございます。
 貸付けの業務について、
 ・ 貸付けの当事者で合意すべき内容。
 ・ 貸付原資を提供する社員(社会福祉法人)のルール。
 ・ 貸付けを受ける社員のルール。
 ・ 金利や上限額の設定等。
 金利や上限額の設定をどのように考えるかということですが、これらを論点として出させていただいております。
 続きまして、17ページ目には認定の申請について載せております。
 ・ 社会福祉連携推進法人の記載内容の詳細はどのように定めれば良いか。
 ・ 定款の記載事項のうち法律で決まっていない部分については、
 ・ 理事及び監事の要件等は、社会福祉法人と同水準のものとすること。
 ・ 貸付けを受ける社員が社会福祉連携推進法人に承認を受ける事項は、地域医療連携推進法人を参考にすること。
 ・ 社会福祉連携推進認定の取消しを受けた場合の財産の贈与先は、国、地方自治体、社会福祉連携推進法人及び社会福祉法人とすること
とするのはどうか。
 ・ 申請等に係る添付書類については、地域医療連携推進法人を参考にしつつ、必要なものを添付するのはどうか。
 続きまして、18ページ目からガバナンスに関することの論点を入れております。
 まず、「・社員として参加できる者の範囲はどのように定めれば良いか。」ですが、右側の条文を載せているところを御覧いただきたいのですが、「社員の構成について、社会福祉法人その他社会福祉事業を経営する者又は社会福祉法人の経営基盤を強化するために必要な者として厚生労働省令で定める者を社員とし」としておりまして、この社会福祉法人の経営基盤を強化するために必要な者を今後省令で定めていくことになります。
 それから、社員については法人格が必要かどうかということも論点として入れさせていただいております。
 続きまして、
 ・ 社員の議決権の取扱いについてどのように定めれば良いか。(1社員1議決権の例 外的取扱い、社員である社会福祉法人の議決権の割合、各社員の理事会との関係等)
です。
 続きまして、
 ・ 会計監査人の設置義務の範囲や監査の内容等はどのように定めれば良いか。
 次に19ページ目で、社会福祉連携推進評議会について載せております。
 ・ 社会福祉連携推進評議会の構成員について、具体的なイメージ、役員との兼務の可否、選任・解任などについて、どのように定めればいいか。
 ・ 社会福祉連携推進法人が社会福祉連携推進評議会に意見を求めなければならない事項は、具体的にどのようなものが考えられるか。
 ・ 社会福祉連携推進評議会の評価項目は、具体的にどのようなものが考えられるか。
 このようなことを入れてあります。
 次の20ページ目が最後になりまして、その他のものとして
 ・ 社会福祉連携推進方針や計算書類等の情報公開をどのように行うか。
 具体的には、情報公開をすること自体は、法律上で決まっていますが、どのように情報公開をしていくかということを論点として入れております。
 また、
 ・ 社会福祉連携推進法人の財産の取扱いについては、地域医療連携推進法人の仕組みを参考にしつつ、社会福祉法人と同様とするのはどうか。
 このようなことを論点として入れさせていただいております。
 以上でございます。
○宇野福祉基盤課長 福祉基盤課長でございますが、補足いたします。
 今回の進め方につきまして、資料2で今、初鹿から説明させていただいた資料は、今回、論点をまず洗い出そうということで、論点の全体像を示させていただいています。事務局といたしましては、まずは議論のフレームワークの論点を決めた上で、実際にそれぞれの今お示ししております論点についての答えというか、どのような方向にしたらいいかというのは、2回目以降テーマを区切って御議論いただければと思っています。進め方についても御意見をいただければと思うのですが、事務局といたしましては、本日はまず論点を洗い出すためにこうやって全ての項目を示しているということなので、こちらで例えば不足がある点とか、もっと突っ込んだ点があるかという点を中心に、御意見をいただければ、事務局としては幸いでございます。以上でございます。
○田中座長 ありがとうございました。
 今、課長が補足していただいたように、今日は論点の一個一個の中身というよりも、論点がこれでよいか、不足するものがないか、今後のこの検討会の進め方について意見を伺うことになります。
 どなたからでもどうぞ。もちろん、論点に関する質問でも結構です。具体的な意味がわからないから質問したいでも構いません。
 松原構成員、お願いします。
○松原構成員 ありがとうございます。社会福祉連携推進法人の留意点とか懸念点について、特に田舎、郡部の方に行くほどグループ化されることで、社会的弱者が声を上げづらくなるとか、何か言うとサービスに差別が生じるのではないかとか、そのような懸念が生じることは避けるべきと考えております。
 社会福祉連携推進法人の使い勝手がよくなるよう検討しなければいけないのですが、そういう留意点に関する論点はどうなるのか。この評議会にどう意見を求めるかのところで議論すればいいことなのか。どこで議論するのかわからないと思いました。
○田中座長 地域独占が生じてしまっては困るので、それは論点なのか、それともこの評議会で考えるのかとのご質問ですか。
○松原構成員 地域独占が起こるのが困るというよりも、地域独占に近い状況が起きたときに生じる問題点への対応です。人口が急激に減少する中、福祉を維持させるためには、独占がだめというよりは、それに近いようなことが生じた場合、その弊害が起きないようにする検討、視点というのが重要ではないかなと思っております。
○初鹿企画調整専門官 今、松原構成員から御指摘いただきました、グループ化されることによって弱者が声を上げづらくなることへの懸念、そういったことが起きないようにする仕組みをどのように担保していくかということですが、社会福祉連携推進評議会がこの連携推進法人の中での外部、連携推進法人の中に設置する機関として外部の声を入れるために必置となっている機関でございまして、ここでどういった形の構成員にするかですとか、それからどういった意見の項目を求めるかとか、どういった評議項目にするかといったことについて、詰めていくことで対応できればと考えているところでございます。
○田中座長 課長もありますか。
○宇野福祉基盤課長 松原構成員、ありがとうございました。今の点は初鹿がお答えしたとおりなのですが、評議会と書いてありますけれども、そもそも今のような懸念点があるとすれば、プラス逆に例えばメリットは何なんだとかというのがあるとすれば、それは論点として1個示して、デメリットだったら懸念点については評議会で対応する。それで、評議会についての細かいところは評議会というふうに明らかにした方が分かりやすいということであれば、そういう論点を追加していくことはやぶさかではありませんので、そういう形で対応できるか、検討させていただきたいと思います。
 今回は論点を出していただく形なので、追加はありがたいことと思っています。
○田中座長 ありがとうございます。
 松原構成員、よろしいですか。その懸念点も論点として出しておいて、それの対応策を考えていくことになります。
○松原構成員 ありがとうございます。これからどんどん人口が減っていく中で、過疎地域においては独占がだめだとかということよりも、とにかく地域で福祉を継続させて、でも、その中で何とか弱者の声をしっかり聞く仕組み作りということを検討していただければありがたいです。
○田中座長 川原構成員、お願いします。
○川原構成員 15ページの人材確保等業務のところですが、主に募集などのところで書かれていますが、恐らく法人間での人材の流動化というあたりも1つこのテーマにはなり得るのかなと思っています。
 例えば、ある社会福祉法人を何らかの事情、人間関係ですとか、そういったところで退職しなければならないといった方が、この事業から別の業種にいってしまうというのは非常に大きな損失になると思いますので、また別の法人が受け皿になるですとか、そういったところでの人材の流動化というものも、もしこの社会福祉連携推進法人が主体となってできるようであればいいことではないかと思いますので、それもできれば論点に加えていただければありがたいと思います。
○田中座長 ありがとうございます。
 初鹿専門官、お答えになりますか。
○初鹿企画調整専門官 ありがとうございます。今の点ですが、まさに新しい人を確保するというだけではなくて、社員の従業員の人材をどういうふうに交流を進めていくかということは大事な視点だと考えておりまして、論点として入れさせていただきたいと思います。
 「人事交流の調整にあたり」というところで、網羅していたイメージだったのですが、明示させていただければと思います。
○田中座長 山田構成員、お願いします。
○山田構成員 いただいた資料の6ページに2つの絵が書いてありますが、左側がリクルート、そして共同研修という人材を確保するための取組のイメージです。それから、右側がどちらかといえば地域福祉の推進という地域の中でどう連携していくかというイメージだと思うのです。
 それを踏まえた上で11ページですけれども、論点の左側、それぞれ具体的にはどのような取組が該当するかと書いてある右の125条の6つの業務です。これを読ませていただいていて、先ほどの6ページの絵の右側が一号で地域福祉の推進に係る取組。それから、二の災害についてもグループだけで対応というのはちょっと無理で、行政とか、色々なところと多分連携が必要ということで、一と二というのは社会福祉協議会さんとか、そういうイメージにつながるような地域の中でグループだけではなくて、色々なところと連携するイメージです。
 私どもの社会福祉法人のグループ化、先ほど2010年からと申し上げましたが、8つの社会福祉法人が参画していますが、かなり一体的に情報共有しています。具体的に言うと、経営の部分にまで踏み込んでの連携というイメージになると、この11ページですと、3、4、5、6になるかなと思います。それで、私どものイメージとしては、1と2及び3、4、5、6の塊というのはかなり違いがあります。
 だから、連携推進法人によって出す、期待する成果というのはこの6つを並べてあるんだけれども、そのあたりはどう表現したら良いでしょうか。要するに、経営にまで踏み込む部分と、先ほど松原構成員が弱い法人というイメージでおっしゃったと思いますが、例えば1と2などは余り強い、弱いは関係ないような気がして、3、4、5、6になってくるとそういうイメージと少し重なるということで、このあたりの論点の御議論をいただくときに、そのあたりの整理も少し要るのかなと思いながら見させていただいておりました。
 それともう一点は、川原構成員がおっしゃった人事交流です。今、事務局の方から論点に加えるとおっしゃっていただきましたが、私どものところでも、まさに川原構成員がおっしゃったように、A法人でうまくいかない方がグループ内のB法人に移行する事例もあって、この福祉業界の中で留まるような仕組みというものもありましたし、また私どもの事例ではキャリアアップの仕組みで出向することによって、どちらかといえば昇格要件みたいな形で、人事交流も始まっていますし、ぜひ論点に加えていただきたいということで、川原構成員に同意します。以上です。
○田中座長 単に嫌になったから辞めた人だけではなく、キャリアプランの中にも初めから出向を組み込んであったとのご説明ですね。なるほど。
 今の点、対応をお答えください。
○初鹿企画調整専門官 1点目についてなんですけれども、この6つの業務を幾つかやってもいいですし、一部の業務、1個だけでももちろん連携法人になれるのですが、今、山田構成員が御指摘いただいたように、業務によって連携法人のイメージといいますか、どういう存在になっていくかというのは結構変わってくるところはあるかと思いますので、個々の業務を詰めていくときに、どういうところの姿になるのかというところも含めて詰めていければなと考えております。以上です。
○田中座長 宮川構成員、お願いします。
○宮川構成員 私の方は、まず1つ目は5ページ目の方ですが、今回の議題には挙がっていないんですが、もう法定化されておりますけれども、社会福祉連携推進法人に認定されるのは所轄庁ですね。社会福祉法人と同様の所轄庁が認定をするという形になっているかと思います。
 これはこれでいいとは思うんですけれども、ただ、所轄庁といいますと、活動区域によって都道府県や市町村、全国対象となると厚生労働省とか、活動区域に応じた形になっているかと思うんですが、貸付けの方でも実際上起こっているんですけれども、活動区域が違っている部分に関しまして、その所轄庁がなかなか状況を把握していないというケースが結構多々ありまして、貸付けの事例でも、同時にある法人さんが隣の県で公募に応募しておりまして両方受かってしまうような形がありますので、所轄庁自体の認定は良いとして、その協力体制といいますか、都道府県を超えたような枠組みたいなものがあればいいかなと思っているのが1点目でございます。
 2点目でございますが、どこのページでもないんですけれども、この業務を推進するに当たりまして、それぞれの事業者さん及び職員さんの利用者等の情報の共有が必要かと思っておりまして、大きく言えばシステムですけれども、情報の共有ができるような仕組み作りというのもあった方がいいかなと思いまして、御提案させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○田中座長 情報共有ですか。どうぞ。
○初鹿企画調整専門官 1点目なんですけれども、今回この論点のところで条文などを載せていなくて恐縮ですが、連携法人は所轄庁が認定する仕組みになるんですけれども、関係する都道府県知事の協力が仰げるような形で、法律上で規定整備してありまして、協力体制を構築することを法律上は明文化しています。
 ただ、協力していくこと、枠組みをちゃんと作っていくことは大事なので、そこは論点に入れさせていただきたいと考えております。
 もう一点、利用者の情報の共有については、実際に連携法人が行う業務にもよってくるところはあるのだろう思うのですけれども、そちらも検討させていただければと思います。
○田中座長 では、私もいいですか。座長ではなく、構成員として質問ではなくコメントします。
 14ページにある経営支援業務についてです。「経営支援業務として具体的に実施可能な取組は何か」。これは正しい問いかけですね。この場合の下に書いてある例として、事務処理の代行というずっと小さい話が載っていますが、経営支援業務にはコンサルティングを含むのかなどの広い視点でもこれから議論するのでしょうね。
 右側に書いてある法律の条文には、経営に関する知識の共有と書いてあります。これはコンサルティングではないですね。知識の共有なら勉強会で済むのですが、知識を共有しても経営はできません。経営とは知識を使うことであり、知識を持っていることではないので意味が違うと思います。ここでの経営支援業務の具体的な取組はかなり幅広く議論することになりますか。
○初鹿企画調整専門官 そのとおりでございまして、この条文上は、法律で使える文言を使って法律の条文で表現すると、こういった社員が経営する社会福祉事業の経営方法に関する知識の共有を社員同士で図っていくために連携法人が支援するという形になっておりますので、この最後の支援という部分はとても幅広くしてありまして、コンサルティングですとか、この例示を出して事務処理の代行というのは経営の中のごく一部の話にはなりますけれども、具体的にこの経営支援業務として連携法人ができることはどういったことがあるのかということについても、幅広く議論していただければと考えています。
○田中座長 それならば結構です。ありがとうございます。
 どうぞ。
○宮川構成員 1つ質問をしたいのですけれども、ここの議論にはないのですが、現在、福祉基盤課の方で推進されている業務の中で小規模法人のネットワーク化における協働推進事業というものをされていらっしゃるかと思いまして、予算化されているかと思いますが、この中身を拝見させていただいたところ、社会福祉連携推進法人まではいかないまでも、これと結構似ている部分が多いかと思うんですが、この連携推進法人の制度が出来上がると、この事業がどのようになっていくのかをお伺いいたします。
○宇野福祉基盤課長 ありがとうございます。今、御指摘いただいたとおり、小規模法人のネットワーク事業は確かに色々な法人が集まっていく形になっていますので、連携法人制度と似通っている部分はあるのだと思います。
 この連携法人制度は、先ほど初鹿から御説明申し上げたとおり、施行時期が2年以内の政令で定めることになります。今回のこの検討会のスケジュールとも関係するのですが、なぜ2年以内の政令とされているかと言えば、連携法人の会計基準を作らなければならず、ここで御議論をいただいた内容を、別途設置する会計基準検討会にもフィードバックすることにしています。
 そうしますと、令和3年度の施行というのは、なかなか現実問題難しいところがあると思っていまして、そういう意味では今、御指摘いただいた予算事業自体をどのように今後進めていくか、見直していくかというのは、令和4年度の予算での対応となります。その際には、この検討会の御議論も踏まえながら、連携法人制度と関係性を整理した上で、どういう形で予算事業を見直していくのかを検討いたしまして、財政当局との調整にもなってくるかと思っております。
○田中座長 川原構成員、お願いします。
○川原構成員 医療のほうの地域医療連携推進法人との対比で思ったのですが、まず1点目が、地域医療連携推進法人の場合には事業展開できる範囲というのが原則として二次医療圏というところになっています。社会福祉連携推進法人の場合は、そこら辺をどのように考えるのかという点が1点。
 あとは、地域医療連携推進法人の方では、100%子会社であれば会社を設立してそちらで色々事業をしてもいいというふうなことが認められているのですが、こちらの方でどうするかというのは議論の結果だと思うのですが、それについてもどうするというあたりは論点になるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○田中座長 初鹿専門官。
○初鹿企画調整専門官 1点目の社会福祉連携推進法人の活動の範囲ですが、こちらは限定をかけておりませんで、本当に業務の中で離れたところでも参画して一緒にやっていただければと考えているところでございます。
 今日、構成員でお越しいただいた山田先生のところも、離れた地域のところで一緒に1つとなってやっているとも伺っているところでございます。
 そこは地域が1つの市ですとか県に限定されてしまうと、社会福祉協議会が既にありますので、そちらとのすみ分けということもございまして、範囲については限定せずに、1つの連携法人となって一緒に協働してやっていこうというような意思をお持ちであれば、そこは広く地域を捉えていければと考えております。
 2点目については、地域医療連携推進法人の方の子会社化できるというか、出資できる規定が法律上明記されておりまして、一方で、こちらの社会福祉連携推進法人の方はその規定自体が法律上で整備はしていないところでございます。
 社員が社会福祉法人であって、何らか資金の制限などもございますし、そういうこともあって規定自体は整備していないので、基本的にはあまり想定はしていないところではございますけれども、どうやって運営していくかという観点の中で、1つ視点として入れさせていただければとは考えております。以上です。
○田中座長 現在の法律では、連携法人は運用費用を会費で取るのですか。
○初鹿企画調整専門官 法律上では、運用の費用について全く触れているところがなくて、ここはこれからの議論で決めていくようなところでございます。
○田中座長 運営の費用をどのように集めるかを、むしろ議論するのですね。
○初鹿企画調整専門官 そうですね。社員から会費を取っていく形を想定はしているんですけれども、全くその部分については決めがないところでございます。
○宇野福祉基盤課長 今の御質問の補足ですけれども、この費用を見ていただきますと、今回論点の右側に関連業務の報告書が書いてあります。そういう意味では、今、座長が御指摘いただいた部分は書いておりませんので、まさにこの検討会で御議論頂きたいと思います
○田中座長 会費以外にも、例えばこの連携法人自体が寄附を受けるなどの資金調達はあり得ます。法令上いいかどうかは別として、可能性としてはあり得ますね。
○宇野福祉基盤課長 寄附をどこまで受け入れていくことが良いのかという部分は、論点になってこようかと思います。
○田中座長 さすがに資本資金を自分が調達する可能性はないのかもしれないけれども、運用費用については会費あるいはもしかしたら一般の住民から寄附もあり得るかもしれないので、そこはどういう形で運用費用を調達するかにかかわる論点ですね。
○宇野福祉基盤課長 これは次回また御議論いただくと思いますけれども、例えば会費もありますし、実際に、研修などの事業を連携法人にお願いするような場合、研修の費用は委託費として集めるようなこともあろうかと思います。
○田中座長 売上げが上がる訳ですね。
○宇野福祉基盤課長 はい。ですから、業務と対価性があるものであれば当然、社会福祉法人は出せますので、そういったものが会費のプラスアルファの収入として発生すると思います。プラスアルファをどこまで考えたらよいかというところを御議論いただくということです。
○田中座長 それを取り上げて議論しましょうとのご回答でした。
 川原構成員、お願いします。
○川原構成員 今、会費ですとか、資金を集めるために色々な活動をした結果として、恐らく税金も絡んでくると思います。一般社団法人も2類型あって、税がかかるケースとかからないケースがありますので、そこら辺も議論の整理として必要なのかなというふうに思いました。
○田中座長 どうぞ。
○宇野福祉基盤課長 ありがとうございます。その点につきましては、今後の御議論もありますけれども、去年の事業展開検討会のときに同じような御意見がありました。それで、当時、法律を出すときの調整の中では、基本的には、社会福祉連携推進法人の認定を受ければ、一般社団法人の非営利型の要件に合う旨の通知を出す方向で国税庁と調整したいということで、当時の検討会で話をさせていただいています。
 さらに、公益社団法人として、公益認定を取ることができるかどうかというと、認定は取れます。あとは公益認定の要件に該当するかどうかというところになりますので、そこは各連携法人によって変わってくるのだろうと思います。
 そういう意味では、連携法人がどういう業務をやるかによって、公益認定がどこまで取れるかというのは、どこまで整理できるかは分かりませんけれども、この検討会の中で整理させていただければと思っております。
 先ほど人事交流も川原先生からお話があったとおり、出向という形であればよいのですが、一回辞めてしまった方が同じ福祉業界で就職するためにやるとなると、これは職業紹介になってしまいます。そうすると、職業紹介安定法の許可が必要になってきますので、それなりの資産要件も必要になってくるし、職業紹介という業務自体、公益性があると取り扱うことができるかどうか、できるとすればどういう要件が必要かという話になってきますので、業務がどこまで広がるかによってその辺のハードルは高まってくるのかなと思います。少なくとも我々としましては、一般社団法人の非営利型は確保できるようにということでは考えております。
○田中座長 先日開かれた医療部会では、医療法人からほかの法人に看護職を派遣できるか、それから医療法人が医療ではない福祉団体や介護事業者に日雇い派遣できるかなどが論点になっていました。今色々と法律上の制約があるようですが、可能としないとそれこそ僻地では看護師や栄養士、調理師などが足りないときに、大きい都会の法人がそのような形でできるかどうかを議論すべきかをめぐる話がありました。
○宇野福祉基盤課長 そこは非常に難しくて、特に医療の世界は本当に色々労働法との共生が難しいところがございまして、福祉の世界も当然そういったニーズはあるんだと思います。色々同じ業界の中であると思いますので、この連携法人でどこまでができて、どこまではできないかは御意見をいただきながら整理できればいいかなと思っております。
○田中座長 そうですね。希望と、それから現実の法律上の制約との話は違います。法律上の制約がそんなに強くなければできるかもしれないし、変えてもらってもいいですね。
 ほかにいかがでしょうか。論点で追加はございますか。どうぞ、お願いします。
○宮川構成員 貸付けのところなんですが、16ページでございます。
 多分、「等」と書いてありますので、ほかにも貸付けに関しては非常に論点が多いのかなというふうに私は感じているところではございますが、その前に、以前の事業展開検討会で話が出ていたかと思いますが、ここの検討会の議論ではないかもしれませんが、要は繰入れする限度額の話があるかと、まず1つ思います。
 繰入限度額は、事業活動収支で余剰が出ているものというふうになっておりますが、もうそれ以外は認められないのかというところと、それ以上にちょっと私が気にしていますのが、介護保険の施設であれば1年以上の貸付けが認められると思いますが、それ以外の場合ですと1年以内で戻さなければいけないというルールがありますので、そこの整合性が今後どうなっていくのかなという点が疑問点で1つあるという点と、あとはここの議論にもう少し足した方がいいかと思っていますのが、借りた後の報告をどうあるべきかという点です。
 また、万が一、貸付けがうまくいかなかった場合の責任の所在のありかとか、この辺は設定した方がいいかなと考えているところでございます。
○田中座長 ありがとうございます。貸付業務という広い論点の中で、個別にさらに議論すべき点があるとの御指摘ですね。
 課長、お願いします。
○宇野福祉基盤課長 ありがとうございました。繰入限度額のところは、先ほど初鹿から御説明させていただいた当時は事業展開検討会の議論でもあったのですが、実際、慎重に貸付けを検討しなければいけないものですから、ここにも「金利や上限額の設定等」とありますので、そのスキームの中でどういうふうに設定するかというのは御議論いただければと思っております。
 2点目については、事業展開検討会でも御指摘がありましたし、福祉部会の方でも御指摘がありました。今は1年以上、以内か決められていないのに、なぜ連携法人は他法人なのにできるんだというところはやはり整合性を取るべきじゃないかという御指摘を両方からいただきまして、報告書にも書かかれています。それは今後の課題だとなっていますので、そこはこちらの検討会で御議論いただくかどうか、社会福祉法人の中の話ですから、そこはまた座長との御相談だと思いますけれども、我々としては重い宿題として背負っているという認識はございます。社会福祉法人の法人内における貸付けの1年の限度のところですね。
 3点目につきましては、当然御指摘のようなところは論点の追加としては、ぜひ追加したいと思っています。
○田中座長 よろしいですか。
 お願いします。
○川原構成員 今の貸付けの限度額のところでの論点の確認ですが、拠点ごとにというふうになっているんですが、あくまでも貸付けの主体は法人が貸し付けるということであると、拠点ごとに恐らくプラスの拠点もあればマイナスの拠点もあって、それをトータルで見るのか、それとも個々の拠点のプラスの積み上げでいくのかというあたり、これもまた恐らくきちんと論点の整理というのは必要だと思います。
○宇野福祉基盤課長 ありがとうございます。この拠点という表現は結局、本部経費の繰入れというふうな限度額を書く際の本部機能繰入れのときの定義はいわゆる拠点から当然プラスの部分しか出せませんという話で書いたんですけれども、先生がおっしゃるとおり実際には法人単位なものですから、当然本部経費繰入れになっているものは結果としては、それはもう受け入れられている中でどこまでという話になってきますので、そこは法人の中でどういういうふうに上限として設定するのか。その中でこれは慎重かとか、ほかの色々な融資、福祉医療機構の融資とか、民間金融機関の融資もある中で補完的という位置づけなものですから、そういう位置づけの中でどこまでどういうふうなルールをしていくかというのは大きな論点だと思っていますので、よろしくお願いいたします。
○田中座長 松原構成員、お願いします。
○松原構成員 確認なんですけれども、連携推進法人は連携のために作られているので、連携推進法人としては社会福祉事業は行わないということで、これはもう変わらないということでよろしいのですか。
○初鹿企画調整専門官 その点については、法律上で社会福祉事業は行わないということで条文としても入っておりまして、具体的には資料の12ページの一番上の箱の関連条文の第132条の第4項で「社会福祉連携推進法人は、社会福祉事業を行うことができない。」という形で規定をしているところでございます。
○松原構成員 さらに確認なんですけれども、この社会福祉事業というときには法で定められた社会福祉事業という意味であって、それ以外であればできるのでしょうか。
○初鹿企画調整専門官 その点については、実際にこの業務の中で言うと地域福祉関係のようなところが特に論点になってくるのかなと思うんですけれども、法律上でできないとされていることは社会福祉事業になるので、そのほかの社会福祉法上の社会福祉事業以外の関連するような福祉関係の事業ができるのかどうかというところも議論になってくるかと思います。
 具体的に地域福祉支援業務のところで、直接、住民の方に支援を行うようなことができるかということを論点に入れさせていただいておりますのは、そういった関係で、その部分ですね。社会福祉事業以外の福祉関係の事業をどう取り扱うかということも議論が必要だと考えております。
○田中座長 よろしいですか。
 12ページに「社会福祉連携推進法人として、資産をどこまで保有できることとすべきか。」とあります。この場合、資産については、7ページの図でいえば社員である法人からお金を1回貸し付けられて、それを別の社員に貸すときに、資産も増えるけれども借金も増えます。ここでの資産は、そういう意味で捉えていいですか。会計上、この場合の資産は何を定義しているのでしょう。
○初鹿企画調整専門官 12ページで書いている資産のイメージは、建物ですとか、土地などの不動産をイメージしています。
○田中座長 バランスシートで貸方と借方の両方が増えたときの資産ではない。参加法人から貸付けを受ければ、バランスシート上、キャッシュも増えて借金も増えますよね。それで、会計上はそのキャッシュが貸付け資産にかわります。それは入れないのですか。
○初鹿企画調整専門官 この部分は、ここの論点では想定はしていないことになります。
○田中座長 では、ここで言っている資産というのは不動産的なものだけを言っている訳ですね。
○初鹿企画調整専門官 そういうことを主に想定しております。
○田中座長 金融的な意味では入らないのですね。
○宇野福祉基盤課長 ここはふわっと書いていまして、資産には色はついていませんので、具体的に論点で実際に書いている中では、不動産をどうするかとか、あとは金融資産だけにするのか。
 今、座長がおっしゃったことは、貸付業務をやる上で当然、貸方、借方で入ってきまして、それはだめといったら貸付業務はできませんので、それは当然入ってくるのですが、プラスアルファで社会福祉事業ができない中で、ではどこまで資産を持つことを認めさせるのかどうかというところの論点というふうに御理解いただければと思います。
 ですから、今言ったのは例示としては不動産ですけれども、あとは当然先ほどお話をした寄附金とかもある訳ですね。寄附金のところを例えば受け入れていいのか、受け入れてはいけないのか。受け入れたとした場合、寄附金自体をどう運用していいのか、どんどん運用してしまっていいのか。今の例えば社会福祉法人でいうところの基本財産のように、運用先の指定に限定を掲げるのかというところも含めて、すみませんが、漠とした感じなものですから、本当は色々な論点がこの下にはあるということでございます。
○田中座長 なるほど。下には論点があり得る。ありがとうございます。
 お願いします。
○宮川構成員 ページでいいますと15ページの人材確保の部分なんですが、私も不勉強なので言っていることが間違えているかもしれないので申し訳ないのですが、人事交流ですとか、そういうのはあるんですが、多分、人材確保するに当たっては、最近外国人の留学生の話とか、技能実習とか、そういう問題もあるかと思いますので、私も制度に精通していないので分からないんですけれども、そこに関して何か、例えば留意する点ですとか、そういうようなものも議論に入ったらいいかなというふうに思います。以上です。
○初鹿企画調整専門官 御指摘のとおり、外国人材の確保という観点もこの福祉人材を確保していく上で重要な視点だと考えておりまして、この人材確保業務の論点の中で、今回資料の中で芽出しはしていないんですけれども、論点として取り扱っていきたいと考えております。
○田中座長 とても大切な点です。外国人材をこれから色々な形で活用していきますからね。
 実際に議論を始めると、論点がまた別の論点を生むことはあり得ます。今日は抽象的に話しているから思いつかないだけで、具体的に論点を取り上げて話をしていると、論点が論点を生むこともままあります。
○宇野福祉基盤課長 おっしゃるとおりでして、今日御議論いただきましたベースで今度はテーマを区切って論点に対する考え方を提示していくのですが、その中で座長のおっしゃったとおり、これは論点がないですよねという話になったら、それは追加をしていって、御意見を踏まえて書き込んでいくような形になっていくと思います。
○田中座長 今日出なかった論点は取り上げないと決めるのではなく、柔軟に扱った方がいいですね。
○宇野福祉基盤課長 そうですね。
 ただ、我々としては、資料をお作りするに当たって、論点の抜けている部分がないかどうかというのを確認させていただこうということです。
○田中座長 そうですね。今日、幾つか皆さんからいい御指摘をいただいたので使っていきましょう。
 他によろしゅうございますか。
 では、このぐらいでよろしいですか。ないようであれば、本日の議事はここまでとします。
 なお、次回は山田構成員に活躍いただきます。次回は、本検討会の議論に資するよう、社会福祉連携推進法人よる取組の具体的なイメージを共有します。共有のために、社会福祉法人連携の枠組みの実践者でいらっしゃる山田構成員からレクチャー、発表、プレゼンテーションのどれに当たるかは別としてお話を伺うことにします。お願いいたします。皆さん、よろしいですか。賛成していただけますね。
 では、山田構成員、よろしくお願いいたします。
 最後に、事務局から次回の日程についての案内をお願いします。
○高坂福祉基盤課長補佐 次回、第2回は12月10日を予定しておりますが、詳細は追って御連絡をさせていただきます。以上でございます。
○田中座長 本日は難しい議題にもかかわらず、様々な御意見を頂戴し、どうもありがとうございました。以上でございます。

照会先

社会・援護局福祉基盤課

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