2020年9月29日 第3回「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」 議事録

日時

令和2年9月29日(火) 17:00~19:00

場所

中央合同庁舎5号館厚生労働省労働基準局第1会議室(16階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

出席者

参集者:五十音順、敬称略
磯博康、小山勉、杉薫、髙田礼子、高橋正也
嵩さやか、豊田一則、西村重敬、野出孝一

厚生労働省:事務局
小林高明、西村斗利、西岡邦昭、中山始、中村昭彦 他

議題

  1. (1)脳・心臓疾患の労災認定の基準について
  2. (2)その他

議事

議事録


○中村職業病認定対策室長補佐 それでは、定刻となりましたので、第3回「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中会議に御出席いただき、ありがとうございます。
 本日の委員の御欠席について御報告いたします。水島委員が欠席となります。また、今回は小山委員、杉委員、嵩委員、豊田委員、野出委員の5名の方がオンラインでの参加となります。オンラインで参加される委員の方にお願いがあります。前回と同様に、意見等を発言される際には、マイクのミュートを解除した上でお名前と発言がある旨の発言をしていただくか、又はインスタントメッセージで「発言があります。」と送信していただき、更にその後、座長から誰々さん、お願いしますと指名させていただいた後に発言をお願いいたします。御協力をよろしくお願いいたします。また、大変申し訳ございませんが、通信が不安定になったり、通信速度が遅くなったりすることで発言内容が聞き取りにくい場合があることを御容赦願います。
 傍聴される方にお願いがあります。携帯電話等は必ず電源を切るか、マナーモードにしてください。そのほか、別途配布しております留意事項をよくお読みの上、検討会開催中はこれらの事項をお守りいただいて傍聴されるようお願い申し上げます。また、傍聴される方にも会議室に入室する前にマスクの着用をお願いしておりますので、御協力をお願い申し上げます。万一、留意事項に反する行為があった場合には、会議室から退室をお願いすることがありますので、あらかじめ御了承ください。傍聴される方、写真撮影等はここまでとさせていただきます。以後、写真撮影等は御遠慮ください。よろしくお願いいたします。
 続いて、事務局で人事異動がございましたので、御紹介いたします。大臣官房審議官の小林です。
○小林大臣官房審議官 審議官に着任いたしました小林と申します。よろしくお願いいたします。
○中村職業病認定対策室長補佐 磯座長、以後の議事の進行をよろしくお願いいたします。
○磯座長 それでは、議事に入る前に、事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。
○中村職業病認定対策室長補佐 資料の御確認をお願いいたします。本検討会は、ペーパーレスの開催とさせていただいておりますので、お手元のタブレットで資料の確認をお願いいたします。本日の資料は、資料1は第3回における論点、資料2は論点に関する労災補償状況、資料3は論点に関する統計調査、資料4は労働者の1日の生活時間、資料5は論点に関する医学的知見、資料5―2は平成13年検討会報告書における医学的知見、資料6は論点に関する裁判例、資料7は第2回検討会における指摘事項等です。この資料7は、前回の第2回検討会での委員の皆様方からの御意見を取りまとめた資料です。今回の論点に関係する項目については、論点説明の際にあわせて説明させていただきます。
 次に、参考資料1―1は脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準の改正について、参考資料1―2はパブリックコメントで寄せられた意見等、参考資料2は団体からの意見要望における医学的知見です。なお、参考資料1―1の認定基準は、第1回の開催において複数業務要因災害における脳・心臓疾患の認定について、委員の皆様方から御意見を頂き、その御意見を踏まえ、本年8月21日付けで改正し、9月1日から施行された通達です。大変恐縮ではありますが、資料の確認をもって御報告とさせていただきます。事務局からは以上です。
○磯座長 それでは、資料1の論点に従って、検討を進めたいと思います。はじめに、論点1の説明をお願いいたします。
○西川中央職業病認定調査官 それでは、本日の論点1について御説明させていただきます。本日の検討会では、資料1にありますとおり論点を3つ予定していますが、それぞれの論点について関連するほかの資料についても事務局から御説明申し上げた上で、論点ごとに先生方に御議論いただきたいと思います。まず論点1について御説明させていただきます。はじめに資料1「第3回における論点」を御覧ください。資料1の論点1は、「長期間の過重業務」、「短期間の過重業務」の評価における労働時間に関するものです。1の本文のところですが、「長期間の過重業務」、「短期間の過重業務」について、労働時間を最も重要な要因と考えてよいかということです。また、長期間の過重業務に関する現行認定基準の業務(労働時間)と発症との関連性について、現在の医学的知見等に照らして妥当と考えられるか。さらに、短期間の過重業務に関して、労働時間と発症との関連性について、基準の具体化・明確化、例示ができないかという論点を示させていただいています。
 囲みの中は、この論点に関する最近の統計や医学的知見の状況について、概略を記載しているものです。後ほど後ろの資料で詳しく御説明させていただきますが、概略ということで囲みのほうも読ませていただきます。まず1つ目のポツ、平成28年の社会生活基本調査によると、「主に仕事」の者の調査結果について、睡眠時間は平成13年検討会の報告書と比較して、少しだけ短い傾向にありますが、食事等の必要行為の時間は、おおむね同程度という結果となっています。
 2つ目のポツ、医学的知見の関係です。今回収集した医学的知見を見ると、睡眠時間と脳・心臓疾患の発症又は死亡との関係について、多くの文献で6時間未満あるいは6時間以下の睡眠との有意な関連がみられたところです。有意な関連を認めなかった文献、あるいは5時間未満の睡眠とのみ有意な関連を認めた文献も複数みられたところです。また、睡眠時間とは別に、労働時間と脳・心臓疾患の発症又は死亡との関係について、多くの文献で長時間労働との有意な関連がみられています。また、有意な関連を認めなかった文献も複数見られたということで、粗々まとめさせていただいております。
 今触れた資料や、その他関連する資料について、これから資料2以降で御説明してまいりたいと思います。資料2を御覧ください。資料2は、「論点に関する労災補償状況」となっています。労働時間に関するものは、そのうちの1番、脳・心臓疾患の時間外労働時間別の支給決定件数です。通しページでは4ページが振ってあります。これを見ていただくと、前回、第2回の検討会でお示ししたものの再掲ですが、監督署では現在の認定基準に基づき支給決定を行っているところですので、「長期間の過重業務」の判断で言えば、月80時間以上の時間外労働を行っている事案が大半を占めることは当然でありますけれども、時間外労働が月80時間未満の事案も一番右端、令和元年度の段を見ていただくと23件、60時間以上80時間未満という枠に入っているところです。全体の支給決定件数が216件ですので、その1割強が80時間未満の事案という形になっているところです。
 なお、その他としているところ、令和元年度で言えば16件のところですが、こちらについては「短期間の過重業務」又は「異常な出来事」の要件で認定されたものです。その上の23件の枠から11件の枠、こちらの200件が「長期間の過重業務」の要件で認定されたものです。資料2については、論点1の関係は以上です。
 次いで、資料3を御覧ください。通しページは12ページです。資料3は「論点に関する統計調査」の御紹介です。このうち、1番から3番が労働時間に関するものです。通しページの13ページですが、年間総労働時間の推移です。1人当たりの平均的な年間総労働時間は、長期的に減少してきているという傾向が見て取れます。ただ、減少の理由ですが、この統計はパートタイム労働者の方を含んでの統計となっているため、労働時間の短い労働者の方が増えたということが、1人当たりの平均を引き下げているという面があるところは否めないところです。
 14ページは、月末1週間の就業時間別の雇用者の割合及び雇用者数という帯グラフです。1番上のピンク色の部分が週60時間以上就業する雇用者となっています。平成30年の構成比でいくと6.9%ということになっていますが、週60時間の水準ということは、法定労働時間が週40時間ですので、それを超えて20時間の時間外労働をやっているという水準です。そうすると、単純計算で言えば1か月80時間の時間外労働を行う水準ということです。そういった長時間労働を行っておられる雇用者の方が全体の6.9%いらっしゃるというところです。このグラフを見てお分かりになるとおり、長期的に見ればじわじわと低下してきているところですが、そういった数字になっています。実数も書いてありますが、平成30年は397万人ということです。前の年を見ていただくと432万人ということで、実数のほうも長期的に減少してきているという傾向にあるところです。
 15ページの3番は、先ほど見ていただいた週60時間以上就業する雇用者の割合を性・年齢別に分けて見たものです。1番上の紫の線が40代の男性、次の緑の線が30代の男性ということです。これら働き盛りの男性では、約14%の方が1か月80時間の時間外労働となる水準の長時間労働を行っているという状況にあるというところが、労働時間の関係で御紹介させていただく統計です。資料3の関係は、論点1では以上です。
 続いて資料4と資料5、資料5-2について御説明いたします。ここの部分が統計と医学的知見で、労働時間の認定基準を検討していただくにあたって中心的な資料になってくるかと思います。この御説明に入る前に、現在の認定基準、平成13年の報告における労働時間の考え方を確認していきたいと思いますので、ちょっと前後してしまいますが、資料5-2から先に見ていただければと考えています。資料5-2、通しページで60ページを御覧ください。こちらは平成13年の検討会報告書で、表の形で引用している医学的知見の状況です。1番が脳・心臓疾患の発症と労働時間に関する報告、めくっていただいて2番が脳・心臓疾患の発症と睡眠時間に関する報告です。
 まず、睡眠時間との関係について先に御説明いたします。睡眠時間との関係については、睡眠時間が6時間以下又は未満で有意に発症率あるいは有病率、死亡率が高いというもの、4番目から6番目の文献です。それから、更にもっと短い睡眠時間で有意に疾病の発生率が高いといったもの、8番目から12番目の文献ですが、そういったものが紹介されています。有意差がないというものも一部にありますが、平成13年の報告書では、また後日、時間のあるときに御覧いただければと思いますけれども、95ページにおいて、これら睡眠時間と発症との関係について、睡眠不足が循環器や交感神経系の反応性を高め、脳・心臓疾患の有病率や死亡率を高めると考えられているという形で整理しているところです。
 1ページ戻っていただいて、労働時間との関係については、1番目は逆相関、労働時間が長いほうがリスクが低下しているというものです。また3番目は、長時間労働も有意だけれども、短時間労働も有意だというものになっています。4番目、5番目は、長時間拘束で発症リスクが有意に高いとするもの、7番目が週60時間以上で高血圧のリスクが有意に高いとするもの、さらに8番目、9番目は月50時間、60時間あるいは90時間の残業の水準で、高血圧や血圧上昇が見られるというもの等があります。12番の、有意性なしというものもありますが、いろいろな文献があり、長時間労働との有意な関連が認められる文献が多いですけれども、長時間労働とする水準は様々という状況です。
 この長時間労働と脳・心臓疾患の関係について、平成13年の報告書の93ページでは、決定的なものではないとしつつ、95ページで長時間労働が脳・心臓疾患に影響を及ぼす理由については、第1に睡眠時間が不足して疲労の蓄積が生ずること、2番目に休息・休憩や余暇が制限されること、疲労の中でパフォーマンスを維持する必要性がストレスになること、さらに、就労態様による負荷要因へのばく露期間が長くなること、そういった4つが考えられるとして、このうちでも疲労の蓄積をもたらす要因として、睡眠不足が深く関わっていると整理しています。それらを受けた結論として、長時間労働に着目してみた場合、研究によって示されている1日4時間から6時間程度の睡眠が確保できない状態が継続していたかどうかという視点で検討することが妥当と結論付けられているところです。
 そこで、今の認定基準ですが、後ほど御説明する労働者の1日の生活時間も踏まえて、1日の生活の中で時間外労働に当てることができる時間数、すなわち、24時間から生活を営む上で必要な睡眠を、例えば6時間なら6時間というように置いて、食事等の必要行為の時間、それから仕事、法定労働時間の8時間と、法定休憩時間の1時間、合わせて9時間を引いた時間数、そうすると3.7時間残ります。これを全て時間外労働に当てたとした場合に、1か月の平均勤務日数が21.7日と計算しておりますが、これを掛けると大体80時間ということになり、これを超えると6時間の睡眠が確保できないということで、そのような場合には、業務と発症との関連が強いと判断されるということを示しています。こういった形で今の認定基準が作られているところです。
 戻って資料5、今回、収集した医学的知見について見ていただきたいと思います。通しページでは20ページですが、今回、収集した最新の医学的知見について御紹介させていただきます。前回の検討会においても、平成30年度、令和元年度に委託事業で収集した文献のレビューについて、委託事業報告書を検討会資料とさせていただいて御紹介したところです。今回の資料5については、そこでお示しした文献レビューを睡眠時間、労働時間、その他の負荷要因ごとに整理して、有意性の有無等についても簡略にまとめてお示ししたというものです。
 なお、ここでお示ししている文献は、報告書で挙がっていた文献の全てではありませんで、収集した文献は、基本的には脳血管疾患、虚血性心疾患、血管病変等の発症とか死亡、あるいは総死亡率等と、先ほど申し上げた負荷要因との関係を検討したものですが、中にはシンプルな血圧の上昇とか、あるいはうつ病の発症やメタボリック症候群の発症など、そういった文献もあったところです。このため、うつ病やメタボリック症候群に関する文献は割愛させていただきました。また、文献数が多い負荷要因については、血圧上昇に関するものも割愛させていただいて、交替制勤務とか騒音など、文献数が少ないものについては、そういった血圧上昇に関するもの等も参考として紹介するという形で、少し文献の数を絞ってあります。
 そこで、まず睡眠時間と発症との関係、1番ですが、文献数が多いため(1)と(2)、脳血管疾患と心疾患に区分してお示ししているところです。1つの調査で両方の調査結果が出ている場合には、再掲という形で2回お示ししています。通しページの21ページ、睡眠時間と脳・心臓疾患の発症に関する文献のうち、(1)脳血管疾患に関するもののところを御覧ください。これに関する文献は、22件ありました。右のほうから4列目に有意性を取りまとめていますが、ここの欄を見ていただいて、基本的に短い時間から長い時間にかけて、それから有意性なしのもの、男女別の分析のもの、そして線形の関連性が評価されているものという順番に並べているところです。見ていただくと、まず1番目の文献は5時間以下、2番目は5時間から6時間以下の短い睡眠時間が脳血管疾患による死亡等と有意に関連しているという内容になっています。3番目から7番目の5件が6時間以下又は6時間未満の睡眠時間が関連しているもの、8番が7時間未満、9番から13番は有意性がない又は逆の相関があるといったものとなっています。
 14番から17番は、男女別の分析となっていますが、男女のいずれかで短時間睡眠が有意に関連しているというものが多いところです。18番以降は、U字型又はJ字型です。要するに、眠りすぎても眠り足りなくても発症率が上がると。一番発症率が低いU字型、J字型の底の所は、7時間前後という形になっています。
 心疾患との関係については、55の文献を挙げています。通しページでは25ページです。こちらは文献数が増えており、1番から6番までが5時間以下の短い睡眠時間との有意な関係、7番は5時間から6時間以下、8番から18番までが6時間以下あるいは未満の睡眠時間と発症が有意に関連しているとするものです。19番は6時間から7時間未満、20番は7時間未満という形になります。21番は、冠動脈の石灰化率についての結果ですが、長くなるに連れて発生率が低下ということで、睡眠時間が短いほど発生率が高いという結果になるものです。その後ろ、22番から29番は、短時間睡眠と発症等との間に有意な関連が認められないというもの、30番から39番は男女別の分析、40番からはU字型又はJ字型の関連があるとしているものです。
 これら全体を見て、睡眠時間と脳・心臓疾患の発症又は死亡との関係については、睡眠時間が長すぎても短すぎてもリスクが上昇するという傾向が見て取れます。そして、短時間睡眠に着目すると、先ほど御説明したとおり、多くの文献で6時間未満又は6時間以下の睡眠と発症等との有意な関連が見られているところです。また、5時間未満又は以下の睡眠とのみ有意な関連を認めた文献や、有意な関連を認めなかった文献もあるところでして、全体的な傾向は平成13年当時と大きな変化はないと考えているところです。
 続いて、労働時間と脳・心臓疾患の発症等に関する文献です。通しページの33ページを御覧ください。33ページは、労働時間と脳血管疾患の発症に関する文献ですが、こちらは7文献ありました。週55時間以上の労働が発症と有意な関係があるとするもの、時間が長くなればなるほどリスクが高いとするもの、有意性を認めなかったものがあるところです。1番の文献については、週55時間以上の労働時間を引っくるめて1つの箱で長時間労働という形にしています。3番の文献は、短期的と長期的とを見ておりますが、短期的に見た場合は50時間から60時間、それから60時間以上と2つに区分しておりますけれども、時間の長いほうがよりオッズ比が大きいという結果になっています。
 心疾患との関係ですが、34ページ以降です。こちらの関係では、23の文献があったところです。こちらは文献が増えたこともあって、時間の幅も更に広くなっており、最初の3、4つは週60時間程度以上で有意であったというものです。4番は1日3時間から4時間の残業ありという形になっておりますが、3時間ですと週に直せば55時間、4時間ですと週に直せば60時間程度の労働という形になってくるのかなと思います。その後ろは、先ほどの脳疾患との関係の文献の再掲もありますが、5番目から7番目は週55時間以上で有意とするもの、更に短い時間で有意性を認めたものが12番まで続いているところです。14番、15番は週40時間以上を長時間労働というグループにして評価しているもの、17番以降は有意性が認められなかったものという形になります。17番以降で、21番を見ていただくと、時間外労働が無報酬だと有意、報酬ありだと有意ではないという結果でして、時間以外の要素が関連している可能性も考えられるところです。
 まとめると、労働時間と脳・心臓疾患の発症又は死亡等との関係については、長時間労働をどこから取るかという水準は様々ですが、長時間労働との有意な関連が認められるものがあります。一方で、有意な関連を認めなかった文献もあるというところです。
 なお、この関係でちょっと補足させていただきたいと思います。医学的知見の収集の関係で、資料7の第2回検討会での指摘事項にも記載しておりますので、後ほど見ていただければと思いますが、前回、豊田先生から、平成30年度の委託事業での文献収集の際に、stroke、脳卒中、脳梗塞が検索キーワードから漏れているのではないか、その結果、収集文献に不足があるのではないかという御指摘を頂いたところです。検討会後に当時の受託業者に確認させていただいたところ、先生の御指摘どおり、やはりキーワードから漏れていたということでして、追加検索を依頼して資料7の3番目、後ほどで結構ですが、通しページの108ページに12文献を記載させていただいております。漏れている12文献について、平成31年度事業で収集済みであったものが1つ、睡眠時無呼吸症候群等の既存疾病との関係になるものが2つ、ジャーナルに掲載された他の論文の紹介程度であると考えられるものが1つあって、残りの8文献について、おってレビューを作成して検討会にお示ししたいと考えていますので、御報告申し上げます。資料5については、論点1の関係では以上です。
 資料4に戻ってください。社会生活基本調査の結果です。労働者の1日の生活時間について、総務省が実施した平成28年社会生活基本調査、この調査としてはこれが最新のものになりますが、これに基づき整理をしているところです。平成13年報告では、平成8年の調査に基づいておりましたが、今回は平成28年の調査ということになります。いろいろな集計方法がありますが、ここで使用させていただいていますのは男女15歳以上、有業者で(主に仕事)という方、そして平日のデータです。このデータを用いている点は、平成13年の報告書と同じです。調査結果を見ると、下のほうに平成13年の報告書に記載しているものを載せさせていただいておりますが、「睡眠」時間はこれと比較して0.2時間、12分程度短くなっています。
 一方で「食事等」の時間については、調査結果のうち食事、身の周りの用事、通勤、家事や買物等の時間を足し合わせたものです。生活していくために必要不可欠な時間、削れない必要行為の時間ということになりますが、この食事等の時間は平成13年報告書と同じ程度という状況です。その隣の「仕事」ですが、調査結果では8.1時間、おおむね法定労働時間と同じぐらいという形になっています。平成13年の報告書では、ここの部分は調査結果から持ってくるのではなく、法定労働時間8時間プラス法定休憩時間1時間の9時間という形で、決め打ちのような形で示していましたが、調査結果に基づき検討したほうが分かりやすいのではないかということで、今回は調査結果における仕事の時間をそのまま8.1という形で示させていただいています。
 最後の「余暇」ですが、調査結果のうち趣味・娯楽、休養・くつろぎ、テレビ・ラジオ、新聞・雑誌などの時間を足し合わせたものとなります。平成13年の報告書では、余暇の部分は24時間からほかの3つを引いたものとなっておりましたので、単純に比較することはできませんが、拘束時間のうち休憩時間を全部余暇に持ってきたと考えたとしても、平成13年報告書に比べて僅かですが余暇の時間が増えているという状況です。
 先ほど、平成13年の報告書における月80時間など時間外労働の基準を導いた計算方法について御説明したところです。24時間から睡眠時間や食事等の必要行為の時間を引いてという形で計算をしていました。今回の調査結果では、必要行為である食事等の時間には変化がありませんでしたので、同じ方法で計算するのであればその結果は同じということになってくるところです。
 最後に、資料6の裁判例です。「論点に関する裁判例」ということで、平成13年12月に現在の認定基準が定められていますので、おおむね平成14年以降の高裁判決から、論点に関するものをピックアップして御紹介しているものです。資料6を御覧ください。通しページでは65ページです。平成14年以降、新しい認定基準に基づいて判断された高裁判決は129件ありますが、そのうち国が敗訴したものは23件です。国が勝訴したものが106件あるところですが、そのうち、地裁では国が敗訴していたというものが11件あります。現在の認定基準を検証していくに当たっては、現行基準における業務上外の認定が争いになったもの、地裁又は高裁で国の主張と結論が異なったものを参照すべきではないかと考えて、国敗訴の23件と1審敗訴、2審勝訴の11件を中心に、この中で争点ごとに区分して、国敗訴事案は全て、国勝訴事案は全体から見るとごく一部ということになりますけれども、これをお示ししているところです。
 1件で複数の負荷要因が争点になっているものも多いため、資料6の1番から9番まで争点ごとに分けていますが、争点が違うと再掲になっているものが多数あります。66ページ以降の一番左側の番号は、争点ごとの通し番号ではなくて事案の整理番号を書かせていただいております。この番号が同じであれば同じ事案ということです。Aが最終的に国勝訴の事案、Bが国敗訴の事案となります。争点ごとにA、Bと順に並べさせていただいており、A、Bの中では古いものから新しいものという順に並んでいるところです。
 労働時間を争点とした裁判例としては、66ページのA1から75ページのB23までの20件を御紹介しているところです。この中で労働時間は、左から大きな枠の3つ目のところに月ごとの認定時間数を記載させていただいて、右から2行目のところに最終的に判断に影響したと思われる、1番長いところの時間外労働の時間を書かせていただいているところですが、国と争っているわけですので、基本的には認定基準に満たない時間、2か月から6か月の平均で80時間未満、あるいは直近の1か月で100時間に至らないという時間が入っています。
 ここの枠の中に、100時間を超える、80時間を超えるという時間が入っているものが3件ほど、68ページのB2、70ページのB11、71ページのB14とありますが、こういったものは、裁判所で認定された時間がそれだけで業務と発症との関連性が強いという水準になっていますけれども、これはどの労働時間が正しいのか、労働時間の事実認定が争いになり、監督署長が認めた労働時間より長い労働時間を裁判所が認めたという事案です。なので、これは認定基準を検討するに当たっては、あまり参考にはならないということになるかと思いますが、そういった事案も中には含まれています。そういった事案も含めて、国勝訴事案、国敗訴事案共に、基本的には発症直前の1か月で100時間、あるいは2か月から6か月の平均が月80時間を超える水準の時間外労働が、業務と発症との関連性が強いということは、おおむね裁判所においても是認されている状況にあると事務局では整理しています。
 Bの事案であって、先ほど挙げた3つ以外は、いわゆる80時間、100時間に至っていないもので、業務の過重性が認められたというものですが、これらの事案についてはほかの負荷要因があり、その負荷要因も合わせて業務の過重性が認められたという事案です。
 長くなりましたが、論点1の労働時間に関する医学的知見や裁判例の状況についての御説明は以上です。なお、本日御欠席の水島先生から、労働時間の負荷要因に関する御意見として、もし前回検討会と同様に、睡眠時間を基礎として考えるということであれば、これについて賛同するという御意見を承っておりますので、御紹介申し上げます。それでは、先生方の御検討をどうぞよろしくお願いいたします。
○磯座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局の説明に関して御意見等がありましたら御発言をお願いします。かなりたくさんの資料の説明があったので、なかなか理解が追い付くのが難しいかもしれませんが、何か個別のお気付きの点でもよろしいので、自由に御意見を頂ければと思います。
○嵩委員 よろしいですか。
○磯座長 どうぞ。
○嵩委員 東北大学の嵩です。質問です。現在の基準でも、発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合には、業務と発症との関連性が弱いけれども、おおむね45時間を超えて時間外労働が長くなると、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できるとされておりますが、この45時間というのが、それほど重視されていないかもしれませんが、1つの基準になっております。先ほど御説明いただいた資料6の裁判例のB19とB20では、これは国が敗訴した事案だと思いますが、45時間の意義について、45時間を超えると疲労の解消が困難になるという医学的知見を反映したものだという認定のようなのですが、現在の基準は、45時間を超えると疲労の解消が困難になるという医学的知見を反映したものなのでしょうか。あと、今回は、いろいろと医学的研究について知見を収集されたと思いますが、同様の結果が導かれたと理解し分析することができるかをお聞きしたいと思います。
○磯座長 これについては事務局からどうぞ。
○西川中央職業病認定調査官 御質問ありがとうございます。それでは、事務局から御説明します。まず、資料6の73ページのB19とB20の裁判例についてです。先ほど嵩先生から御指摘がありましたところですが、「裁判所の判断(要約)」と書いてある枠の中に、ちょっと小さい字で申し訳ないのですが、判示を書いておりまして下線を引いております。ここの部分で、今、嵩先生から御指摘がありましたが、B19で言えば、「発症前1か月の時間外労働時間は63時間ぐらいで、この時間のみでは過重な業務に従事していたとまでは言えないのだけれども、1か月当たりの時間外労働時間が45時間を超えて長くなるほど疲労の回復が進まず、業務と発症との関連性が強まっていくものと認められ」という判示がされているところです。B20についても、真ん中の段落に下線を引いております。これは長期間の、36か月前からの恒常的な長時間労働について言及している事案です。「発症前10か月頃からは、それまでに比べれば労働時間は短くなったものの、引き続き1か月当たり45時間を超える時間外労働に従事し、その業務に伴う精神的負荷も相当大きかったことから疲労を回復することができず」という形の判示がなされているところです。
 この引用では少し省略をしてしまっていますが、「証拠によれば」ということが裁判所の判決文には記載されております。B19、B20ともに、裁判所が証拠として、ここの部分の根拠として採用しているものは平成13年の専門検討会の報告書になります。ですので、この判決自体は平成26年、平成27年のものですが、平成26年、平成27年の知見に基づいてということかと言われますと、その当時においても、平成13年の報告書が最新の医学的知見として裁判所に取り扱われていて、平成13年の検討会報告書で、45時間を超えると疲労の蓄積が起こり始めて、業務と発症との関連性がだんだん強まっていくという取りまとめがされていることから、それを根拠に、この結論と言いますか判決が導かれている状況です。先生の御質問の前半部分はこれでお答えになっているかと思いますが、よろしいでしょうか。
○嵩委員 はい。
○西川中央職業病認定調査官  そうすると後半。
○磯座長 ちょっとすみません、前半部分の、45時間を超えてだんだん労働時間が長くなるほど業務との関連性があるというのは、これは判例からのエビデンスですね。ですから、今までのシステマティックレビューとか疫学研究では、そういうある1点、ほとんどの研究の場合、ある1点の労働時間を評価して、その後、脳卒中、心臓病になるかどうかを見ているので、それですと、例えばこの場合ですと、労働時間が1か月で55時間以上というのが大体おおむねです。そういう意味では、我々のそういった疫学的なエビデンスでは判断できないところからくる基準と考えたほうが妥当だと思うのです。
 要は、個別の、この場合、例えばこの番号のB20の人の場合は、発症前10か月ぐらい前はもう100時間を超えるときが間々にあったと。そして、基本的には、発症前1か月のときは36時間だったけれども、その前にずっと長い間、時間がオーバーしていたという蓄積効果のようなものを反映して、多分、裁判で個別の事例でそういった基準が出てきたと思います。疫学研究では、研究からはそこまでのエビデンスは世界中のエビデンスを出してもなかなか把握できていない、こういった研究の限界です。ですから、嵩先生がおっしゃった質問は、システマティックレビューは過去20年ぐらい前にやったレビューと今回やったレビューからは、この基準について、それを確実に防止をする、45時間以上を超えるとだんだん蓄積効果があるというデータは、多分、支持されていないのではないかと思います。ですが、それが支持されていないからこの基準が無効だという意味ではありません。その辺りは事務局はどうですか。
○西岡職業病認定対策室長 先ほどの関係で、これについては、前回、平成13年の報告書の中にも記述はあるのです。睡眠時間と発症との関係で、先ほど1日の睡眠時間が6時間未満や5時間未満では発症率が高まるという話であったかと思うのです。1日7時間から8時間の睡眠時間の方たちについては死亡率が最も低いということで、そうすると、1日7時間から8時間程度の睡眠時間が確保できていれば、これは健康状態が維持できるだろうということです。そうすると、その平均を取って、1日7.5時間程度の睡眠が確保できる状態を1つの基準として、その場合の時間外労働が何時間になるかと考えた場合に、1日の労働時間が8時間であれば2時間程度の時間外労働になるであろうということで、これを月に換算すると45時間。ですから、この睡眠時間を確保できないと、要するに45時間を超える時間外労働に従事していることになると、長時間労働によって疲労の蓄積が徐々に高まっていくということです。これは、今回ちょっと検討会の報告書の資料は付けておりませんが、報告書の中にその記述がありまして、そこから、45時間から発症率が高まるということになってきているのかなと。そういう意味では、医学的なエビデンスに基づいてできているとは考えております。
○磯座長 ちょっとこだわるようですが、単純に言うと、睡眠時間7.5時間以上を確保できない状況が45時間です。そして、睡眠時間6時間を確保できないものが80時間、睡眠時間5時間を確保できないものが100時間、計算するとそうなります。ですから、そういう計算の仕方で、これも、前の段階としてカットポイントを決めたというのは理解できるのですが、今回、7.5時間、要するに安全を見越して7.5時間を確保できなければ、いろいろな個別の場合でそういうリスクが上がる場合があると、蓄積効果もあって。そういう理解で作られたということで、今、事務局から説明があったのですが、嵩先生、よろしいですか、その辺りは。
○嵩委員 分かりました。多分、B20の判決でも、45時間を超えたから直ちにというわけではなくて、それ以前の、6か月より前の業務がかなり過重だったということとか、その他の負荷要因というのも合わせて、業務起因性を判断していると思います。45時間が全てというわけではもちろんなくて、現在の認定基準でもある程度柔軟に判断できる基準になっていますが、その中で、45時間を超えたときに、ひょっとしたらそれ以外との要因と合わせ技で、業務起因性が認められる可能性が、あったり、6か月よりも前のところも把握していって、それでその疲労が解消できないままに発症したという可能性もあると思いますので、個別の事案に対応できるような、現在の基準もそうだと思いますが、そういった柔軟な基準を維持していく必要があるのかなと思っております。以上です。
○磯座長 ありがとうございます。資料2をもう一回御覧になってください。資料2の4ページです。そこの所に、先ほど事務局からあった、時間外労働時間のそれぞれ平成19年度から令和元年度までの時間で区分した分布が書いてあります。45時間未満の所は平成20年に1件だけ、45時間以上60時間未満の所は平成20年から平成23年まで1件あって、また平成27年に1件、平成29年に2件、平成30年に2件、令和元年度は0なので、その辺りの、割と労働時間が中程度、45時間以上60時間未満のところがぱらぱらとある。ですが、それは先ほど先生がおっしゃったような、要するに経過を見ていると、発症前の、労働災害が起こる前の、時間だけではなくて、更にその前の数か月前、もしかして10か月前からの蓄積効果があって、やはりこれはプラスアルファの要因が加味してこういった形になったという理解でよろしいですか。私はそう理解したのですが。要は、45時間だから全てぱっと認定になるわけではなくて、その中にプラスアルファが加味された場合に認定されるということでよろしいでしょうか。
○嵩委員 私もそう思っております。45時間だけということではないと思います。
○磯座長 分かりました。ほかに、どうぞ。
○西村委員 埼玉医大の西村です。今のB20の例で、例えば2年にわたって労働時間が書いてあるということは、前の認定基準を作るときにも想定されて、こういうことは絶対に出てくるであろうということは議論になった記憶はあるのですが、今回は検証の会ですので、そのときに議論になってまだ解決できていないと思われることが幾つかあります。
 まず最初に1つ、「長期間」と「慢性」という言葉は区別できるのかどうかということ。それまでの認定基準は1週間ほど見ていて、それから、例えば前の基準、報告書の87ページに非常に有名な絵がありまして、イとかロとかハとかでというのがあって、このイのものが上がるところというものの考え方は、いろいろなものの蓄積になって上がってくることも医学的には想定できる。ただし、従来の1週間を1か月1か月延ばしていって、「長期」という観点から業務と発症の関連性を見る考え方であるので、その辺のところが、ではエビデンスで埋められるかということも検討したのですが、エビデンスというのは、ある基準値で、では10年フォローアップしました、その方がどうだとか、そういうものしかありませんので、1か月前を振り返ってみてどういうことがあったとか、あるいは、せいぜい1年ぐらいはどうであったかということのエビデンスは観察研究であるのですが、そのようにきちっと慢性と長期を分けて、カットオフのラインが医学的レベルの高い根拠でできるかというのは、なかなか難しいのが現状です。
 今回、私はずっと目を通したのですが、やはりそこのところは非常に難しい。10年前の基準で10年間フォローアップしたらそうなりましたとか、そういうデータは増えてきているのですが、ではそれをずっと延ばしていって、1年までやるのが妥当なのか、2年までやるのが妥当なのか、「慢性」と「長期」とをどう考えるのか。一般的に、慢性のストレスという言葉は一人歩きもしますので、それを、いや6か月なのですよと言えるだけの根拠がなかなかない。でも認定基準はそうやって、いろいろな運用上のこともあり、医学的エビデンスの限界でできているということがあるというので、もう一回、ここで確認しておくことは有用な点だと思います。
 2つ目は、疲労の回復ということが書いてあるのですが、では、そのエビデンスがあるかというとほとんどありません。本当は、回復というものは何らかのインターベンションに近いことですから、ランダマイズしてきちっと対照比較試験をしないといけないはずなのですが、それに近いものは全くありませんし、仕事を休んでいることが回復なのか分からないということがあって、経験則的にそういうことは十分根拠があるだろうという考え方になっていたように思います。以上です。
○磯座長 ほかに御意見ありませんでしょうか。西村先生、今の経験的にということなのですが、確かに、今までエビデンスだとなかなかそこが把握できないのです。例えば、1か月から6か月とか、その1か月、6か月の幅で大体経験則で判断してきたという、何か経験的には6か月ぐらいまで遡れば割といけるという、そういう何か判断的な経験的なものはありますか。例えばこの場合ですと、1年間ぐらい遡らないと、B20ですと、1年ぐらい前のときは110時間とか104時間を超えていたので、B20の例のように、発症前1か月では36時間しかないといったところの、何かそういう6か月というのは。
○西村委員 多分それは、前回の報告書の108ページの3番で論文をピックアップしてまとめてありますが、これが1番の根拠になっております。延ばしていっておおむね6か月かなという考え方になったように思います。やはりその点は検証しておくべき点ではないかと思います。
○磯座長 分かりました。ありがとうございます。事務局のほうでは、6か月まででいいのか、1年ぐらい遡ったほうがいいのかというのは、何か今後エビデンスとして検証できる材料はありますか。というのは、19年前のデータなので、最近のデータとしてもしあれば。
○西川中央職業病認定調査官 追ってまた、先生方とも御相談と考えていたところです。今回の資料5にも、調査期間の欄を記載しております。そこに、いつからいつまでを見ているのかを記載しています。そこで、いろいろな、先ほど西村先生がおっしゃったとおり10年間の追跡で、一番最初のベースラインのところで、10年前に労働時間や睡眠を聞いて、その後を追い掛けているものが幾つもあるのと、それから、前の年で見ているもの、3か月で見ているもの等々あるところですが、そういったものがはっきり分からない文献もいろいろありましたので、そこを整理して、また御検討いただかないといけないと考えているところです。逆に、今回集めた知見以上に、これで、というものがあるわけではないところです。一方で、前回の検討会報告書においても、一応、集めた報告を基に6か月で見ようということではあるのですが、6か月前の事情も、事情があれば考慮していくことはうたっておりますので、またそういったことで対処していくことの是非も検討していただくことになろうかと思います。
○磯座長 それでは、ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。今、事務局が言われたように、最近のエビデンスをもう一回整理していただくとともに、6か月以前の問題については、何か付帯条件のようにそれも考慮するというものを入れるかどうかということは、また事務局で検討していただいて、先生方とまた議論したいと思います。ほかによろしいでしょうか。
○高橋委員 1つ補足が。
○磯座長 どうぞ、先生。
○高橋委員 御承知のとおり、今、現行は振り返る期間が半年ですが、もっと昔は前日だけでした。その後、1週間になった。このように、いつまで振り返ればいいのかというのが延びてきている事実があります。では現行の半年間がいいかどうかというのは、これは非常に判断が難しい。というのも、ここに示された疫学研究の多くは、あなたは過去1か月に何時間ぐらい働きましたかという1点だけの評価で、その後、5年、10年後に脳・心臓疾患が起こるかを調べています。その間は、ベースラインで取った労働時間なり睡眠時間が一定という仮説の下で、そのばく露とアウトカムを評価しているという形です。
 そういう意味で、振り返る期間は半年がいいのか1年がいいのかというのは分かりませんが、1年間の時々刻々、ずっと記録を付けなければいけないということなのです。逆に言うと、疫学研究という観点からも、1年間、毎月、労働時間のばく露評価をした上で、何年後か何十年後かの健康障害なども測らなければいけないということ。これは壮大なデザインになります。これは、長時間労働と健康障害に対する疫学研究の大きな限界と考えています。
○磯座長 ほかにコメント、御意見等ございませんか。よろしいでしょうか。それでは、ただいまの議論で先生方から大体御意見を頂いたと思いますので、現行基準については、少し更に事務局からデータを出していただいて勘案するということで、おおむねこの現行基準については、大きな異議と言いますか、反対意見は現在のところないようですので、更に少し事務局で整理をしてください。あとは、先ほどの検討課題の2のほうですが、それぞれ労働時間に満たない場合にどのような負荷要因を評価していくかということについては、先ほどの事例の紹介もありましたように、今後、これについても少し整理していく必要があると思いますので、また先生方のほうで御意見等がありましたら事務局のほうにお知らせください。それでは、時間の関係上、次の論点もありますので、論点1についてはこのぐらいでよろしいでしょうか。特に何か追加意見がなければ次に進めさせていただきます。ありがとうございます。それでは、先生方から頂いた御意見について事務局で整理をお願いします。次回以降に再度検討したいと思います。
 それでは、次の論点2の説明をお願いします。
○西川中央職業病認定調査官 先生方、論点1についての御意見、誠にありがとうございました。それでは、資料1に戻っていただきまして、1ページ目の下半分について御覧いただければと思います。論点2は、「長期間の過重業務」、「短期間の過重業務」の評価における労働時間以外の負荷要因に関するものとなります。
 本文のほうですが、「長期間の過重業務」、「短期間の過重業務」について、現行の認定基準では、労働時間以外の負荷要因として、次の6項目が掲げられています。これらの項目について、現在の医学的知見等に照らして妥当と考えられるか。追加・修正すべきもの、さらに検討すべきもの、具体化・明確化・例示できるものはないかということです。現在の認定基準では、労働時間以外の負荷要因として、不規則な勤務、拘束時間の長い勤務、出張の多い業務、交替制勤務・深夜勤務、作業環境(温度環境、騒音、時差)、精神的緊張を伴う業務というものが掲げられております。作業環境については付加的に考慮する、精神的緊張を伴う業務については、特に著しいと認められるものについて評価するという形で認定基準上は記載されております。こういった点について御議論いただきたいと思います。
 次ページですが、囲みの中で、この論点に関する裁判例や医学的知見、支給決定事例の状況等について概略の記載をしております。裁判例においては、先ほど申し上げた各負荷要因について検討がされて、それぞれ過重性の判断がされております。医学的知見のほうも、また後ほど御説明させていただきますが、不規則な勤務、交替制勤務・深夜勤務、騒音、精神的緊張を伴う業務とは、緊急業務であったり、職場ストレスという形になっておりますが、こういったものと発症との関連性について有意性を認められたものがみられますし、このほか、身体的負荷と発症の関連性について有意性を認めたものがあります。
 支給決定事例においては、こういった各負荷要因のほか、認定基準において連続勤務ということについて、労働時間の項目の中で考え方を示しているところですが、こういったものも負荷要因に近いものとして評価しているものが複数みられます。
 概略は以上ですが、資料2のほうでも、これから御説明します支給決定事例ですけれども、個別の事案に係るものとなりますので、本日の資料2では、非常に概略、どの負荷要因での認定が何件といったざっくりとした概要を提出している状況となっております。これは個人情報の保護の観点から、こういった形とさせていただいておりますけれども、労働時間以外の負荷要因の状況については事案によって様々ですので、基準の具体化・明確化等の検討に当たっては、具体的な事案を見ていただいて御検討いただくことが必要ではないかと事務局では考えております。先生方の御賛同が頂けましたら、次回検討会を個人情報保護の観点から非公開という形にしまして、具体的な支給決定事例を見ながら御検討いただければと考えております。この点についても、後ほど御意見を頂けますと有り難く存じます。論点については以上です。
 資料2以降について御説明させていただきます。資料2の論点に関する労災補償状況のうち論点2の関係ですが、これは項番号で言うと、2番、3番の所です。「長期間の過重業務」のうち(労働時間以外の負荷要因)を評価したものの概要が、通しページの5ページからのものとなっております。こちらは平成21年度の1月(22年1月)から平成30年度までの間に支給決定を行った事案であって、長期間の過重業務のうち労働時間以外の負荷要因を評価したもので、労働時間だけで100時間や、80時間以上となっているものは除いております。そこに至らないで負荷要因を評価して認定したものが83件あり、これについて分析しました。
 グラフがありますが、労働時間以外の負荷要因で、何で認定しているものが多いかというところを見ていただきますと、1事案で複数の負荷要因を評価しているものがありますので、合計は83になりませんけれども、「拘束時間が長い勤務」が26件で一番多いということです。次いで「交替制勤務・深夜勤務」、「精神的緊張を伴う業務」というようになっております。また、「その他」という件数も多くなっていますが、「その他」のうち14件が連続勤務に関するものとなっております。
 それから、労働時間との関係で言うと、これらの事案では、発症前1か月の時間外労働が、長いもので言えば99時間、短いものでは76時間で認定されたものがあります。また、発症前2か月ないし6か月の負荷を見て認定された事案は、最も長いものが79時間、最も短いものが47時間という状況です。
 1事案ごとに、労働時間以外に幾つの負荷要因を評価していたかということを見ますと、1件のものが多いですが、2つ、3つ、4つあったものも中にはあります。負荷要因と労働時間の関係を見ますと、負荷要因が多ければ労働時間が短いのかと思ったのですが、そうではなくて、非常に事案ごとに状況が様々なことが伺えるところです。
 続いて、7ページの3番ですが、「短期間の過重業務」を評価した支給決定事例の概要です。こちらは労働時間のみを評価して認定したものも含めまして、平成21年度の1月以降、168件あります。「長期間の過重業務」をともに評価したものも含め、「短期間の過重業務」として過重だという復命書になっているものをみております。そういったことから、後ほど御説明する「異常な出来事」も合わせまして、毎年公表しています労災補償状況、資料2の先ほどの1番の資料の「その他」の数と、必ずしも一致しないということについて御了解いただければと思います。
 まず、評価期間ですが、認定基準では、基本的に短期間の過重業務の評価の期間は、発症前おおむね1週間という形になっております。1週間より前のものは長期間の負荷として評価することとしているのですが、事案によっては発症直前の2週間だけすごく長くて、その前は全然なかったというようになると、1か月で100時間にはいかないという場合もあるところです。そういった場合には、発症前1週間を含めて、実際に短期間に過重な業務が集中していたその期間の業務の過重性を評価して、特に過重と認められるときには、短期間の過重業務として認定するという形になっております。こういった形で発症前おおむね1週間より前の期間の業務を含めて評価を行った事案が5件ありました。
 次に、労働時間以外の負荷要因です。まず、「労働時間」だけで特に過重であったと判断したものは6件ありました。その他の162件については労働時間とそれ以外の負荷要因を合わせて、特に過重な業務と判断を行っております。
事案を見ていただきますと、「拘束時間が長い勤務」が58件、「精神的緊張を伴う業務」が57件ということで、やはりこういったものが多いという状況です。「その他の負荷要因」の61件ですけれども、次ページに※を書いていますが、挙げているもの以外の要因(連続勤務等)を評価しているものについては、「その他」として取りまとめたという形で記載しております。
 この連続勤務は、例えば発症直前の連続勤務、24時間勤務など、あるいはそれ以外の「その他」としては、日常業務と質的に異なる業務に従事した事務の方が、いきなり重い肉体労働をさせられたといったようなものなどがあります。
 また、グラフに載せていないので、御参考として紹介させていただきますけれども、発症前7日以上にわたって休日がなかったほうの連続勤務ですが、これは労働時間として評価していたり、その他の負荷要因として評価していたり、いろいろなもので記載しなかったところですが、そのような事案が、かなり多いところでして、そういった事案は全体で95件ありました。
 労働時間や負荷要因の数、それから、5のグラフの下に、負荷要因の数と労働時間数の関係が記載してありますが、これらについても長期間の過重業務以上に様々という状況です。4の労働時間の所の※3に書いてありますとおり、短期間の過重業務を評価した事案は、発症直前から前日までの間の業務が一番発症に影響するのだということが認定基準に書かれておりまして、そこが特に過重で、1週間前はさほどでもないというようなものも含まれています。この資料では、1週間で見て、週40時間を超えた時間外労働の時間数をお示ししているところですが、こういった※3のような事案については、1週間で見た時間外労働時間数が短い場合もありまして、非常に様々な事案があります。こういった形ですので、非常にざっくりとして、なかなかつかみにくいところもあるかと思いますので、できれば次回、事案を見ながら検討していただければと考えております。
 続いて、資料3の御説明をさせていただきたいと思います。資料3のうち4~6番が、論点2の「その他」の負荷要因に関するものとなります。通しページの16ページから御覧いただきたいと思います。4.「勤務間インターバル制度を導入している企業の割合」です。前回の検討会で、高橋先生から勤務間インターバルの在り方も扱うべきではないかという御指摘があったこともありまして、こちらにお示ししております。
 資料7の2のほうで、これも後日見ていただければと思いますが、通しページの107 ページに、インターバルの解説というものを掲載しております。労働者の生活時間や睡眠時間を確保するため、1日の勤務が終わってから翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間、すなわちインターバル、これを確保する仕組みが勤務間インターバル制度です。例えば、残業になって23時まで掛かった場合に、翌朝の勤務開始は本来8時、9時ですが、10時まで繰り下げるというようなやり方のことです。23時まで残業したら、翌朝を10時に繰り下げる、あるいは10時からでいいということにする、これであれば11時間のインターバルの確保ということになりますけれども、この時間数が決められているわけではないのですが、こういった勤務と勤務との間に一定の休息時間を確保するという仕組みです。こういった仕組みを設けることが平成31年4月から「労働時間等設定改善法」という法律で事業主の努力義務とされています。
 また、前回、高橋先生から御指摘があったこともありまして、先生と御相談いたしまして、インターバルに関する文献も現在収集中ですので、まとまり次第検討会にもお示しさせていただきたいと思います。
 インターバルについての説明が長くなりましたが、戻りまして、資料3の16ページです。こういった勤務間インターバル制度を導入している企業の割合ですけれども、少し狭くて見にくいですが、青い色の部分が導入している企業の割合で、赤い所は導入予定の企業の割合です。平成30年調査では導入している企業は1.8%、前の年の1.4%から、0.4%増えたという状況になっています。導入予定の企業も、前年の5.1%から9.1%、これは大幅に増えたという状況です。
 続いて、5、6番は、ストレスに関する統計です。5番は、仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる労働者の割合です。これは全体の労働者の6割近くに上っているという状況です。どういったものをストレスと感じているのかということで6番を見ますと、仕事の質・量に関するものが最も多く、次いで、仕事の失敗や責任の発生等、さらに対人関係に関するものになっております。資料3については以上です。
 次に、資料5「論点に関する医学的知見」について御紹介いたします。通しページの37 ページ以降が、睡眠時間や労働時間以外の負荷要因に関するものです。非常に多いので、幾つか特徴的な事項について御説明させていただきたいと思います。37ページの不規則な勤務の所を少し飛ばさせていただきまして、40ページですが、交替制勤務に関するものです。発症との関連を検討したものが11件、そのほか、サーカディアンリズム、概日リズムへの影響を調査したものが12番で1件あります。また、11番ですが、交替制勤務の発症との関係で、有意に低いという逆の相関が見られたものがありますが、これは長期間の観察をしているもので、これはベースラインだけではなくて、その後も交替制勤務を続けているかどうかを調べて、その上で相関を検討したものになりますが、健康障害が発生すると交替制勤務から離脱する、そのため見掛け上の改善が見られたのではないかと文献中で指摘されているものとなります。
 43ページ、温度環境、高温についてです。こちらは寒冷な環境についての文献が見当たらず、高温環境についての文献が2件ありました。そのうち1件は、高温な炭坑内での労働ということで、虚血性心疾患の有病率との有意な関連が認められています。
 44ページ以降の騒音については、水準はいろいろで疾病が限定されるものもありますが、一定の騒音と発病率等に有意な関係が認められています。その他、参考文献のほうも次ページに示しておりまして、騒音によって血圧の上昇が観察されたという結果になっています。
 46ページからですが、精神的緊張を伴う業務、ストレスと脳・心臓疾患の発症との関係についての文献です。こちらは57件と、かなり多くなっておりますので、説明をさせていただきたいと思います。認定基準においては、「精神的緊張を伴う業務」という書き方で負荷要因とされていますが、必ずしも「精神的緊張」という表現で整理できないものもありまして、タイトルは「ストレス」ということを盛り込んで幅広の表題としています。
 様々なストレスに関する調査がありまして、1~7番は警察官や消防士など、緊急業務を行う方々の発症との関係に関するものです。8~11番は、その他、被用者であることや、職種と発症との関係に関するものです。12番は震災のストレスの影響、13番は性格傾向、タイプA行動に関するものです。14~35番は、各種の職業性ストレスの分析モデルに基づく分析でして、Job strain、仕事で求められる水準、いわゆる仕事要求度が高くて、自分のコントロールが利かない、裁量度が低い、更には調査によって職場の支援が低いといった場合にはストレスが高いというJob strainの高い業務、あるいは努力と報酬の不均衡が大きいとストレスが高いとする努力報酬不均衡モデル、こういったものに基づきまして、発症との関係が分析されています。36番以降は、それ以外の方法、例えばストレス性の出来事があったかなかったか、あるいは職場でのいじめを受けたかどうか、社会的な結び付きがなかったかあったか、本人のストレスの自覚があったかどうかなど、様々な方法により把握されたストレスと発症との関連が調査されています。
 これらの文献を見ますと、何らかのストレスがある、ストレスが高いということと、脳・心臓疾患の発症等のリスクの間には有意な関係があるとする文献が多いところですが、一方で、客観的にストレスを評価しまして、どういったストレスであればこういう結果があるという関係を導ける文献は、なかなか難しいのかなというところです。
 56ページ、身体的負荷に関する文献です。現在の認定基準では、異常な出来事としては身体的負荷を評価しているところですが、長期過重、短期過重の判断においては、負荷要因として列挙されていないところです。4番までは緊急業務に関するもので、先ほどのストレスと重複するものでもあり、また、異常な出来事としても評価できるようなものかと思いますが、それ以外にも肉体的に高負荷な労働、あるいは高エネルギー消費活動と発症リスクの上昇との間に有意な関係があったというような文献などがみられています。有意でなかったものも一定数ありますので、これをどのように評価していくかということについて御意見を頂ければと思います。
 58ページは、既往症とか基礎疾患、それから生活習慣と発症との関係に関するものです。これらの要素は業務から直接来るものではないことが多かろうと思いますが、収集した文献の中にありましたので、参考として御紹介するものです。
 資料5-2には、平成13年当時の医学的知見の状況をお示ししております。当時の報告書には、交替勤務とストレスに関するものでは、交替勤務について有意なものが多いとか、ストレスと血圧についての関連性がないものが多い、心血管疾患については、全てではないが有意な罹患率、死亡率の増加を認めているもののオッズ比は必ずしも高くないといった評価が、報告書の102ページには書き込まれています。
 資料6、裁判例についてです。「その他」の負荷要因を争点とした裁判例として、76ページ以降で御紹介しております。76ページは不規則な勤務ですが、2件御紹介しておりまして、業務上のもの、業務外のものというようになっていますが、ツアーバスの運転手で過重性を認めなかったものなどがあります。
 77ページ、「拘束時間の長い勤務」についてです。2番目、タクシー運転手ですが、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」、いわゆる改善基準告示という自動車運転者のためのルールがあるわけですが、これを超える拘束時間の業務を行っていたことなどから、過重性を認めた事案などがあります。
 79ページ、「出張の多い業務」についてです。出張についての医学的知見は症例報告でしか把握できなかったところですが、裁判ではかなり多くの事案で争点となっています。国内外での出張が複数回の事案、ブラジル出張が3回の事案、ツアーバスの事案を挙げていますが、これらについては過重性が認められなかったという結果になっています。4番目、B1からですが、死亡直前の9日間、国内外の出張に連続して従事していたという事案です。次ページ、発症前の11か月間に10回、計183日の海外出張をしていた事案、発症前1か月にわたって国内の3か所で長期の宿泊研修に従事した事案、月に11日の社用車を利用した日帰りの出張事案、トラブル対応のため発症前1週間に3回の早朝からの日帰り出張した事案等々、本当に様々な事案がありますが、これらの事案について精神的緊張などの負荷と合わせて過重性が認められています。出張先や業務内容、回数、日数とも様々でして、なかなか具体化しにくいところですが、事案としてはこういった状況になっております。
 83ページからですが、「交替制勤務・深夜勤務」です。幾つかピックアップして御紹介させていただきます。84ページのB6の事案ですが、これは50代の梱包作業員の方が2交替の深夜勤務に従事していたもの。次ページ、B13の事案ですが、こちらは睡眠2時間程度の徹夜作業をしなければならなかったというもの。その下のB14の事案は飲食店の店長で、基本的には深夜勤務帯に勤務しているのですが、日中の店長会議や、他店の応援にも対応しなければならなかったというもの。こういったもので過重性が認められています。
 86ページからは、「作業環境」ということで、発症直前に寒冷な状況が認められた事案が2件です。87ページ、B7は暑熱、多湿の環境です。B8は、これは客室乗務員の事案で、作業環境として振動や騒音、乱気流による飛行機の揺れ、国際線乗務による時差や気候の急激な変化、こういったものが評価されています。次ページ、B17は、発症直前の朝に寒冷な状況であったというものです。
 89ページからは「精神的緊張」になります。これも事案が多く、20件御紹介しております。過重性を認めなかったものとして、降格処分とか、不慣れな業務での負荷、繁忙なものであったというものが、89ページの2件です。バスの運転、通常とは異なる消毒業務が90ページの2件です。そういったものについて、精神的負荷は疾病の発症に至らせるほどの強度のものではないとしたものです。
 一方、91ページ以降、過重性を認めた事案ですが、上司との会話であるとか、入院中にカレンダーの配布を行えという業務命令をされたというもの、92ページでは、はしけ上の危険な玉掛け作業や、機内における保安業務、93ページで、経験のないシステムの統合業務など、様々な業務の精神的負荷について業務の過重性が認められています。また、94ページのB13とか、97ページのB19は、対人トラブルの事例という形です。本当にいろいろな事案があるという状況です。
 99ページからは、「身体的負荷」を争点としたものとなっています。B6は包装作業の身体的負荷。101ページ、B15は心不全の患者さんですが、立位での販売業務の身体的負荷をみたもの。その下のB18は、空調機の製造作業の身体的負荷を評価したものがあります。
 最後、「その他」、B21は時間外労働も1か月で85時間という事案ですが、被災者のうつ病による早朝覚醒を考慮して、100時間に相当するようなものであるといった評価がされています。裁判例の状況は以上のとおりで、あくまで個別事案の判断ということになりますけれども、認定基準に定められた各負荷要因であるとか、身体的負荷とかについて発症との関連性が検討されて、事案によって過重性が認められているという状況です。長くなりましたが、資料の論点2に関する御説明は以上でございます。
 論点2について、本日御欠席の水島先生から、2点御意見を頂いております。1点目は、「休憩に着目した検討が必要ではないか。実際の休憩時間の長さや回数、状況、適切な休憩場所があるかなど、実質的に休憩できているかどうかを確認して、認定につなげていくべきではないか」という御意見、2点目は、「交替制勤務と深夜勤務は分けたほうがいいのではないか、交替制ではない深夜勤務特有の問題があるのではないか、検討すべきではないか」という御意見を事前に承っております。この点も含めまして、御検討をよろしくお願いいたします。
○磯座長 ただいまの事務局の説明に関して、御意見等がありましたらお願いします。
○髙田委員 御説明、ありがとうございます。資料2で確認をさせてください。先ほどの「短期間の過重業務」の7ページ、支給決定事例の概要の御説明では、発症前7日の休日がなかった件数が95件あったというお話があったと思うのです。長期間の過重業務の場合には、休日があったかどうかというところについては、何か検討されているのでしょうか。
○西川中央職業病認定調査官 まず、件数的な御説明をさせていただきます。「長期間の過重業務」の5ページの「その他」の25件の中に、いわゆる休日がなかった連続勤務が含まれておりました。その数は14件という形になっております。実際には休日がなくて、結果的に80時間とか100時間を超えているということになると、今回の分析には上がってこないということになりますけれども、80時間、100時間に至らない事案で、休日のない連続勤務をしている事案は評価しています。
○髙田委員 ありがとうございました。
○磯座長 ほかにありますか。豊田先生、何かありますか。
○豊田委員 特にありません。
○磯座長 杉先生、いかがでしょうか。
○杉委員 今、大分御説明があって、みんな重要な点で、個々の例によって決められるべきものだろうと思って聞いておりました。個体側の感受性もあるでしょうし、その辺の判断は難しいという感じがしました。数字で表すのは、やはり難しいところもあるなという感じがしました。
○磯座長 小山先生、何かありますか。
○小山委員 先ほどからずっと聞いていると論点の2番目の問題で、拘束時間の長い勤務というところが気になるのです。この中で検討しなければいけない点があるということで、休憩時間とか休憩場所など、各々のケース・バイ・ケースだと思うのですけれども、労災認定においても裁判でも、拘束時間というのがどうしても労働時間の長時間勤務ととらえている裁判例が多いと思うのです。やはりそこのところも検討というか、それを明らかにしておかないと、拘束時間の長い勤務をやっている方は、必ず労災の疾病に当たるというように認定されやすいのではないかということを危惧しているのです。
○磯座長 先生がおっしゃるのは、拘束時間と労働時間というのは、途中でインターバルが入ればいいということでしょうか。
○小山委員 そうです。実際にインターバルをどういうように評価するかですね。今日は論点に出ていませんが、ダブルワークに関することも関係してくると思うのです。そうすると、ダブルワークでの勤務間のインターバルというものを、どういうようにとらえていくか。Aで働いていた者が今度はBで働いた場合に、その勤務間インターバル制度というのはどういう意味付けになっていくのか。これがダブルワーキングのときには理解し難いのです。
○磯座長 これは次の段階で議論したいと思います。
○小山委員 分かりました。
○磯座長 確かに休憩とか休息とかインターバルの問題は、非常に重要だということと、水島先生がコメントされたように、交替制勤務と深夜勤務というのは分けてなかったでしたっけ。
○西川中央職業病認定調査官 今は分けていないです。
○磯座長 これについてはどうですか。先生方のほうから御意見はありますか。
○高橋委員 この2つはよくごっちゃにされます。深夜勤務のみ、常夜勤などと言いますけれども、そういう層は非常に少ないのです。むしろ深夜勤を伴って循環していく交替勤務のほうがポピュラーです。一方、深夜帯はないけれども、日勤と言いますか、夕勤と言いますか、深夜まで2つのシフトを循環して、夜は眠れるというシフトもあります。しかし、これもそんなに多くはありません。
 いずれにしても普通は寝ている時間、休む時間に働く、あるいは起きる時間、朝5時とか6時から働くというのは、我々の体にとってすごく負担であることは確かです。ただし、それを健康障害との関係でどう定量的に見ていくかというのは非常に難しく、一口に交替勤務と言っても、いろいろなパターンがある。例えば深夜勤の一勤務でも、8時間というのが多いのですが、12時間というのもあります。16時間もありますし、24時間もあります。そうなると、交替勤務によるばく露をどのような指標で取っていったらいいのか。ましてやそれが生死にまで関わるとなると、非常に難しいのです。この検討会の中では、交替勤務もしかりですし、出張の多い人もしかり。出張といっても国内なのか国外なのか、どのぐらいの距離なのか、週に何回やっているかというのを、この事務局資料にあるように、少しでも具体化とか例示とか明確化までいくと、これからの労災認定にとって有益なのではないかと考えております。
○磯座長 単独の深夜勤務というのは、カテゴリーとして非常に人数が少ないので、あえて分ける必要がないというのが先生の御意見ですね。分かりました。野出先生、いかがですか。何か御質問やコメントがありましたらどうぞ。
○野出委員 説明は大体問題ないと思いましたが、今の論点についてです。交替制勤務にも、レギュラーな交替勤務とイレギュラーな交替勤務があるのです。全く半日ずつずれている工場勤務の方のような場合はレギュラーですけれども、例えば看護師の労働というのは、アットランダムなシフトです。そうすると、明らかにレギュラーなシフトよりも、イレギュラーなシフトのほうが身体的な過重が大きいので、レギュラーかイレギュラーか、アットランダムかランダムかという辺りの評価をするというのが1つです。
 もう1点は時差に加えて、空間的な移動距離です。同じ経度であっても北極から南極へ行く移動距離を考えれば、どれぐらい移動したかというのも負荷に関係すると思うのです。長距離バスの運転手なども、例えば時間的には5時間であっても、移動距離が長ければ長いほどストレスや身体負荷が掛かるので、時差と移動距離というか、空間的な距離も考慮に入れたストレス評価も1つかと思います。ただ、説明に関して私は全く同意ですので、そういうところは問題ありません。評価に関して、少し違う視点からの評価も必要かなと思いました。
○磯座長 不規則性と時差や移動距離ですね。事務局のほうでまた検討してください。西村先生、ほかに何かありますか。特にありませんか。では、先生方の御意見も出ましたので、ありがとうございます。長時間の過重業務というところで、労働時間以外の負荷要因ということで、今、説明があったのですけれども、過重業務については短期間の場合の妥当性とか、その具体的な事例の更に詳しい検討というのは、次回の支給決定事例をもう一度事務局のほうから説明いただいて、今後更に詰めていきたいと思います。また、先ほど事務局から説明がありましたように、支給決定事案については、個人情報を含み、特定の個人の権利又は利益を害するおそれがあることから、当検討会開催要綱4の(1)に基づいて非公開とさせていただきます。よろしいでしょうか。
それでは時間の都合上、次の論点3について進めていきたいと思います。論点2については、皆さん方から貴重な意見をありがとうございました。
 それでは、次の論点3に進めたいと思います。説明をお願いします。
○西川中央職業病認定調査官 御議論、ありがとうございました。資料1の2ページを御覧いただきたいと思います。論点3、「異常な出来事」の要件についてです。「異常な出来事」は、現行の認定基準で次の3つのポツにある出来事ということです。1つ目が、極度の緊張、興奮、驚がく等の強度の精神的負荷を引き起こす突発的又は予測困難な異常な事態、2つ目が、緊急に強度の身体的負荷を強いられる突発的又は予測困難な異常な事態、3つ目が、急激で著しい作業環境の変化です。こういった出来事について、現在の医学的知見に照らして妥当と考えられるかどうか、追加・修正すべきもの、更に検討すべきもの、具体化・明確化・例示できるものはないかという論点を記載しております。
 枠囲みの中です。裁判例においては先ほど御説明したものと一部かぶりますけれども、こういった各出来事について検討され、それぞれ過重性の判断がなされています。医学的知見のほうでは、精神的緊張や身体的負荷を伴う緊急業務等について、発症前のこれら負荷と発症との関連性について有意性を認めたものが見られます。支給決定事例では、震災や対人トラブル、各種事故等に伴う精神的負荷、さらに、持久力を必要とする、心肺に負荷が掛かるような動作等の身体的負荷、暑熱あるいは寒冷な作業環境について評価をしています。こういった「異常な出来事」としている3つの出来事の妥当性の検討や、これらの基準の具体化・明確化等の検討についても事例が様々なので、具体的な支給決定事例を踏まえ、また検討すべきではないかというのが事務局の考えとしてお示しているところです。資料1の説明は以上です。
 これに関する資料として、資料2を御覧ください。認定事例の概略です。資料2の4番、「異常な出来事」を評価した支給決定事例の概要です。10ページです。対象事例は、平成21年度以降平成30年度までの間で、「異常な出来事」で評価したものは62件ありました。異常な出来事の内訳としては、1件で精神的負荷と身体的負荷の両方を見ているものが4つ、精神的負荷と作業環境の両方を見ているものが2つ、身体的負荷と作業環境の両方を見ているものが1つ、全部見ているものが3つありました。そういったものを全部ダブルカウントした上で、それぞれ何件かと言いますと、精神的負荷が32件、43%、身体的負荷が18件、24%、作業環境で評価した事案が25件、33%といった状況になっております。
精神的負荷の内容ですが、東日本大震災の関連のものが8件あります。そのほかに、対人トラブルに関するものが7件、転落事故を経験したというものが7件、交通事故を経験したというものが5件です。次のページが身体的負荷ですが、心肺に負荷の掛かる各種動作を行って、その直後に発症したものです。走ったり、重量物を持ち上げたり運んだりというものが10件、転落・転倒に関するものが4件、東日本大震災の関連が2件となっております。作業環境については、暑熱な作業環境下のものが多いという状況で19件、寒冷なものが6件となっております。
 続いて資料5の医学的知見です。先ほど御説明したものと一部重複しますけれども、6の温度環境、8の精神的緊張・ストレス、9の身体的負荷が「異常な出来事」と関連してくるものです。43ページを見ていただきますと、作業環境や温度環境に関するものが1番目の文献です。炭坑内での労働というものですが、その本文中に、心臓性突然死の56%が作業中、又は帰宅中に発生したということです。そのうち63%が、高温環境下での過酷な肉体労働に関連していたものとなっております。
 46ページが精神的負荷、精神的緊張・ストレスの関連です。警察官が法律を執行する業務をやっていた最中の突然死というのが1番です。4~7番が消防士の事案で、消火作業中とか通報から帰ってきたときに突然死をしたというものです。それから42番が緊急業務や心理的ストレスの真っ最中、又は直後の発症との関連性を検討しており、大体有意性が認められているという状況です。
 56ページが身体的負荷の関係です。こちらの1、3、4、8、9、11、12番です。調査期間を見ていただきますと、訓練中、業務中、復帰時といったことが書かれております。こういったものが、緊急業務や身体性負荷の最中又は直後の発症との関連性を検討しているもので、こちらも多くで有意性が認められているという状況です。
 最後に、資料6の裁判例についてです。裁判例のうち、異常な出来事あるいは発症直前の業務の過重性の判断に関する事案として、Bの2、3、4、5、7、9、17の7件を御紹介しております。異常な出来事としては同じように、精神的負荷、身体的負荷、作業環境が関係するということになります。6の「作業環境」として86ページ以降に出ているのは、Bの4、5、7、8、17です。
 「精神的緊張」にも幾つかあり、こちらの御紹介をさせていただきたいと思います。91ページを見ていただければと思います。91ページは、精神的緊張を争点とした裁判例のB2、上のほうの事案です。発症直前に上司と会話をしていて、その会話によって受けた精神的負荷を契機として発症したという評価がされています。その下のB3も、発症当日は入院中で松葉杖が必要な状況であるのに、カレンダー配布を上司から指示されて憤まんやる方ない、憤まんの情による精神的ストレスがあったということです。また、身体的負荷も軽いものではなかったということで、そういったものを評価したものです。
 さらに93ページのB9は、異常な出来事として評価するという判示になっております。これは発症当日の朝に、被災者が勤めていた会社に消防の査察が入ることを知らされたという事案です。この方はその件の責任者で、前回の査察の指摘事項への改善措置を取っていなかったので、非常に衝撃を受けたということです。そういった精神的負荷の下で、実際に指定数量以上の危険物が会社にはあったので、これが指摘されないように急いで運んだと。これが相当の重量物で、非常に精神的負荷が高い中で運搬したということで、そういった負荷が評価されたものです。先ほど御説明したとおり、身体的負荷もある事案が散見されます。身体的負荷としてでも裁判例としてピックアップしておりますが、事例としては以上です。簡略ですが、論点3に関する御説明は以上です。御検討をよろしくお願いいたします。
○磯座長 それでは先生方から何か御意見、コメント等はありますか。ありませんか。今日は事務局からざっと説明があったのですけれども、様々な事例がありますので、次回はもう1回整理をして説明される予定です。次回の説明を受けて、基準の具体化や明確化を行い、それについて先生方の御意見を伺いたいと思います。これについても個人情報を含みますので非公開とさせていただきますが、よろしいでしょうか。豊田先生、どうぞ。
○豊田委員 どなたかが発言されるかと思って黙っていたのです。「異常な出来事」ということでは、やはり今の感染のまん延などが契機でショックを受けてという事例が、今後は多くなると思いますので、それに対応できるような資料や話合いができればと思っております。
○磯座長 事務局のほうからいかがでしょうか。これから上がってくる可能性はあるのですけれども、そういった事例はまだ上がっていませんね。
○西川中央職業病認定調査官 まだないです。
○磯座長 確かに今後上がってくる可能性はあります。こういったパンデミックの状況も含めて、それで失業したとか、逆に不当解雇されたといったものが。不当解雇された後に何か起こったというのは労災になるのですか。ならないですよね。それは別な案件としてですが、何かしらそういった非常に大きなプレッシャーが掛かって、業務負荷が非常に掛かったといった事例はあるかもしれませんので、そこは事例を見ながら。今回のガイドラインにはそういったことも含めて、こういったことも勘案するということを含める必要があるかもしれません。御指摘、ありがとうございます。
○豊田委員 ありがとうございます。
○磯座長 野出先生、どうですか。
○野出委員 質問ですが、例えば対人トラブルや職場内の事故というのは、明らかに会社の責任だと思うのです。しかし、例えば震災とかCOVID-19の感染による死亡や疾患というときに、会社側の責任はどこまで問われるのでしょうか。裁判になった場合に、これは非常に難しい判断だと思うのです。その辺りの見解はどういうようにお考えでしょうか。
○磯座長 事務局のお考えはどうですか。
○西川中央職業病認定調査官 御質問、ありがとうございます。事務局のほうからお答えをさせていただきます。まず、震災や感染症のパンデミックそのものには会社の責任はないわけです。しかし会社の責任がないから労災にならないかと言いますと、そこは必ずしもそうではありません。例えば、震災のときも負傷や死亡、津波に巻き込まれましたといったことも含めて、業務中に津波に巻き込まれたということであれば、そこにいたのは仕事のためだからということになりますので、それは別に会社に責任があるということではないけれども、労災としては業務上のものとして補償するという形になってきます。
 脳・心臓疾患における、こういった異常な出来事とか、あるいは精神障害に関しても同じになるかと思いますが、仕事中に津波に巻き込まれそうになって非常に恐怖を感じて、そのせいで精神障害を発症すれば、それは恐らく業務上として評価されることになります。そういった非常に極度の精神的負荷で脳・心を発症したということになれば、異常な出来事という形で評価していくことになろうかと考えます。
○野出委員 分かりました。ありがとうございました。
○磯座長 先生方のほうからほかにありませんか。先ほど質問のあった兼業の話は、次回になりますか。それとも、もう少し後になりますか。次回は事例を中心とした議論になるということですが。
○西川中央職業病認定調査官 次回は、認定事例を見て御議論していただきたいと思っております。インターバルについての御検討は、先ほど申し上げたとおり資料も収集中なので、それを集めた上で御議論いただきます。基本的には1社の中でのものを御検討いただくのですが、その際、副業をされている方について検討しておくべきことがあれば、あわせて検討していただくということになろうかと思います。
○磯座長 では、次回か更に次の回ですね。分かりました。西村先生、どうぞ。
○西村委員  意見ではないのですが、論点の3というのは、従来からの労災の認定の考え方を踏襲しているわけですから、データベースとしては多分、たくさんの症例を本省のほうで集めていらっしゃると思うのです。何十年という症例があってデータベース化されていて、あるいは電子化で実際に使われる方が便利にできるような取組はされているのでしょうか。それが一番重要ではないかと思います。
○西川中央職業病認定調査官 例えば本省に全部の事案を収集して、担当者が自由に見られるような形でのデータベースになっているかというと、今のところ、そういった実態ではないという状況です。
○磯座長 これはすぐには答えられませんね。データベース化してAIで読み込ませるということが将来的にはあるかもしれませんけれども、今後の課題ですね。ほかに何か御質問がなければ、ちょうど時間となりましたので、議事は以上としたいと思います。本日の検討会はこれで終了したいと思います。次回の日程等を含めて、事務局から何かありますか。
○中村職業病認定対策室長補佐 次回の検討会の日時・開催場所については、後日改めて御連絡をさせていただきますが、開催方法については、先ほどこの検討会の中で座長から御発言がありましたように、非公開とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。本日はお忙しい中、どうも本当にありがとうございました。
○磯座長 ありがとうございました。