令和2年11月26日 第194回 社会保障審議会介護給付費分科会(議事録)

日時

令和2年11月26日(木) 9:00~12:00

場所

WEB会議
赤坂インターシティコンファレンス 401
 

出席者

委員 ※五十音順

議題

1.令和3年度介護報酬改定に向けて
(1)各サービス
(居宅介護支援、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設)
(2)横断的事項
(感染症や災害への対応力強化、地域包括ケアシステムの推進、自立支援・重度化防止の推進、介護人材の確保・介護現場の革新、制度の安定性・持続可能性の確保、その他)
2.その他

議事録

議事内容
○栗原企画官 それでは、定刻になりましたので、第194回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席賜りまして、誠にありがとうございます。
 本日は、これまで同様、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、ウェブ会議システムを活用しての実施とさせていただきます。
 また、傍聴席は設けず、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。
 本日の委員の出席状況ですが、亀井委員より御欠席の連絡をいただいております。
 また、黒岩委員、松田委員より、遅れて御出席されるとの御連絡をいただいております。
 以上により、本日は24名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。
 議事に入る前に、お手元の資料の確認とウェブ会議の運営方法の確認をさせていただきます。
 まず、資料の確認を行います。
 本日は、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページに掲載しております。
 まず、議事次第と委員名簿がございます。
 次に、令和3年度介護報酬改定に向けての資料として、資料1から資料10までがございます。
 また、委員提出資料として、濵田委員から資料が提出されております。
 資料の不足等がございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードいただくなどの御対応をお願いいたします。
 次に、ウェブ会議における発言方法等について確認させていただきます。
 御発言される場合は、通常の会議と同様に挙手をお願いいたします。画面で田中分科会長に御確認をいただき、指名していただきますので、指名に基づき御発言をいただくようお願いいたします。
 挙手しているにもかかわらず、発言希望の御意思が会場に伝わっていないと思われる場合は、ウェブ会議システムのチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能ですが、原則としては、挙手にて意思表示をお願いいたします。なお、チャット機能等で記載いただいた内容については、ウェブの画面及び配信動画においても表示されますので、御承知おきください。
 それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。本日は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、報道の皆様には、ここで御退出いただくこととなりますので、よろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○栗原企画官 では、以降の進行は田中分科会長にお願いいたします。
○田中分科会長 委員の皆さん、おはようございます。
 本日は、令和3年度介護報酬改定に向け、各サービスの報酬・基準として、居宅介護支援、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設を議論いたします。
 あわせて、横断的事項として、感染症や災害への対応力強化、地域包括ケアシステムの推進、自立支援・重度化防止の推進、介護人材の確保・介護現場の革新、制度の安定性・持続可能性の確保、その他の事項について御議論いただきます。
 事務局からまとめて資料の説明を受けた後、質疑を行います。
 毎回のことですが、事務局においては資料説明を簡潔に行ってください。委員の皆様も、御発言は論点に沿って簡潔に行っていただくよう、御協力をお願いいたします。
 では、事務局から資料の説明をお願いします。
○笹子認知症施策・地域介護推進課長 おはようございます。推進課長でございます。
 資料1に基づきまして、居宅介護支援・介護予防支援の報酬・基準について御説明申し上げます。
 6ページ目、論点マル1でございます。質の高いケアマネジメントの論点について、居宅介護支援事業所における収支差は一貫してマイナスであるということで、直近の令和元年度の収支差はマイナス1.6%ということでございます。
 2つ目の■にございますように、特定事業所加算を取っている事業所については、全体平均よりは収支状況がよい傾向にあり、こういったことを踏まえて、経営の安定を図るとともに、質の高いマネジメントを一層推進させていくという観点から、どのような対応が考えられるかということでございます。
 7ページ目、対応案でございますけれども、特定事業所加算については、質の高いケアマネジメントの推進を図る等の観点から、拡充を含めた必要な対応を検討してはどうか。一方、小規模事業所の中には、職員の配置要件などに関し、要件を満たすことができない事業所もありますので、そういった場合であっても、事業所間の連携を推進することにより、質の高いケアマネジメントを実現できると考えられる場合については一定の評価を行うために、事業者間連携を促進する加算区分を設定することも検討してはどうか。あわせて、算定率が低調である看多機、小多機の居宅介護事業所連携加算については、簡素化の観点から廃止してはどうかということでございます。
 2つ目の■でございますけれども、加算(IV)の算定要件については、(I)から(III)と評価軸が異なるということなどから、名称を、例えば、「医療介護連携体制強化加算【仮称】」と見直してはどうか。
 3つ目の■でございますけれども、公正中立なケアマネジメントのための取組の一環として、運営基準に、マル1にございますように、当該事業所のケアプラン総数に利用を位置づけた各サービスの利用割合、マル2にございますように、前6月間に作成したケアプランに位置づけられた訪問介護等の提供回数のうち、同一事業所によって提供されたものの割合について、利用者へ説明することを明示し、その内容を介護情報公表システムの運営情報に掲載することとしてはどうか。「なお」ということで、「適切なケアマネジメント手法」等については、引き続き調査研究を進めることとしてはどうかということでございます。具体的なイメージは8ページ目を御覧いただければと存じます。
 論点マル2、逓減制でございます。逓減制について、20ページ目はどのように考えるのかということでございまして、21ページ目は対応案でございますけれども、ICTの活用を図っている事業所のほうが、研修の受講時間やケアマネ業務以外の認定調査の委託業務に関わっている時間といったものが長いが、ケアマネ1人当たりの1か月の労働投入時間が短い、さらに平均取扱件数が多いということでございます。事務職員の配置を行っている事業所についても、同様の傾向が見られます。
 以上を踏まえまして、一定のICT活用、または、事務職員の配置を図っている事業所については、ケアマネジメントの質を確保し、ケアマネの負担に留意しながら、取扱件数を増加させることが可能と考えられることから、逓減制の適用を45件からとすることとしてはどうかということでございます。
 「なお」ということで※にございますけれども、この取扱いに伴いまして、ケアマネジメントの質が確保されていること等に関する効果検証を行うとともに、より適切なケアマネジメント手法の実行が担保されるような方策等に関して検討を行うこととしてはどうかということでございます。
 また、2つ目の■にございますように、これらの取扱いの際の逓減制の逓減率については、めり張りのついた取扱いとすべきではないかということでございます。
 最後の■でございますけれども、現在、自然災害や感染症等による突発的な対応で利用者を受け入れた場合の例外的な取扱いということをさせていただいてございますけれども、地域の実情を踏まえて、中山間地域等の事業所の存在状況からやむを得ず利用者を受け入れた場合には、例外的な取扱いということを検討してはどうかということでございます。
 論点マル3、34ページ目でございます。通院時の情報連携でございますけれども、対応案は、医療と介護の連携を強化し、適切なケアマネジメントや質の向上を進める観点から、ケアマネと医療機関の通院時に係る情報連携について、要件を明確化した上で、報酬上評価を行うこととしてはどうかとさせていただいてございます。
 論点マル4、39ページ目でございます。緊急的な対応に係る実費の徴収でございますが、対応案にございますように、緊急時等に業務外として生じた業務に係る費用についての実費徴収が可能であるということにつきましては、分科会におきましても、「ケアマネジャーの本来業務と、それ以外の業務の線引きを明確にする必要がある」あるいは「ケアマネジャーは専門性の高い職種であり、ケアマネジャーの専門性に特化した業務に集中すべきであるが、実費を徴収することで、本来業務外とされている作業についても、対応しなければならない事象が発生するのではないか」などの御意見が出されたところでございますので、法令による対応ではなく、必要に応じて参考事例の周知等を検討することとしてはどうかとさせていただいてございます。
 論点マル5が、42ページ目でございます。看取り期におけるサービス利用前の相談・調整等に係る評価の在り方ということでございます。
 対応案にございますように、看取り期における医療・介護連携を適切に進める観点から、利用者の死亡によりサービス利用につながらなかった場合等に限り、モニタリングやサービス担当者会議における検討等の必要なケアマネジメント業務や給付管理のための準備が行われ、介護保険サービスが提供されたものと同等に取り扱うことができるケースについては、基本報酬の請求を可能とすることとしてはどうかとさせていただいてございます。
 最後の論点が、44ページ目の介護予防支援でございます。こちらにつきましては論点の2つ目にございますように、昨年12月の介護保険部会の意見書におきましても「外部委託を行いやすい環境の整備を進めることが重要」とされてございます。
 対応案でございますけれども、こういった環境を進める観点から、地域包括支援センターが委託する個々のケアプランについて、委託時におけるケアマネ事業所との連携を評価する加算、例えば、「委託連携加算」というものを創設することとしてはどうか。その際、質の高い介護予防ケアマネジメントを実現する観点から、ケアマネ事業所と包括センターとの適切な情報連携等を求めてはどうかとさせていただいてございます。
 以上でございます。
○齋藤高齢者支援課長 続きまして、支援課長でございます。
 資料2、介護老人福祉施設についてでございます。
 4ページをお開きください。論点は6つございます。
 5ページ、論点マル1、人員配置基準の関係でございます。
 対応案にございますとおり、人材確保や職員の定着の観点から、職員の勤務シフトを組みやすくするなど働き方改革を推進するため、留意点などをしっかりと明示することによって職員の過度な負担とならぬよう配慮しつつ、4点ございますけれども、従来型とユニット型を併設する場合の介護・看護職員の兼務を可能としてはどうか。2点目、広域型特養と小多機が併設する場合において、管理者・介護職員の兼務を可能としてはどうか。3点目、サテライト型居住施設において、本体が特養・地密特養である場合に、生活相談員を置かないことを認めてはどうか。4点目、地密型特養において、栄養士を置かないことを認めてはどうかという4点でございます。
 続きまして、論点マル2、12ページでございます。個室ユニット型施設の設備・勤務体制の関係でございます。3点ございます。
 対応案のところを御覧ください。
 1ユニットの定員を現行の「おおむね10人以下」から15名以下に緩和することとしてはどうかということで、職員の過度な負担とならないように、先ほどと同様の留意点を明示するということとさせていただきたいと思っております。
 また、ユニットリーダーにつきましては、原則常勤を維持しつつ、出産・育児などやむを得ない事情により欠員が生じる場合には、一時的に非常勤職員で代替することを認めるとともに、本人が復帰した際には、短時間勤務を認めることとしてはどうか。
 3点目、ユニット型個室的多床室を新たに設置することを禁止してはどうかという点でございます。
 論点マル3、16ページでございます。中重度者や看取りへの対応の充実という点でございますが、対応案のところを御覧いただきますと、看取りの介護加算の要件に、看取りに関する協議等の参加者として、生活相談員を明示すること、また、「人生の最終段階における医療・ケア決定プロセスにおけるガイドライン」等の内容に沿った取組を行うことを明示することとしてはどうかという点。
 また、2つ目の■ですけれども、算定日数期間を超えて看取りに係るケアを行っている実態があることを踏まえて、看取りへの対応を充実する観点から、看取り介護加算の算定日数をより早期とするということとしてはどうかという点でございます。
 論点マル4、21ページでございます。リスクマネジメントの関係でございます。
 対応案は4点ございます。
 1点目、市町村による事故報告の基準が様々あることを踏まえて、将来的な事故報告の標準化による情報蓄積と有効活用等の検討に資する観点から、国において報告様式を作成し、周知してはどうか。
 2点目、必ずしも専任の安全対策を担当する者が決められていないという実態を踏まえまして、安全対策に係る担当者を決めておくことを運営基準において規定してはどうかと。
 3点目、介護事故の発生予防・再発防止の推進の観点から、運営基準における措置が取られていない場合には、基本報酬を減算することとしてはどうか。
 4点目、併せて、外部の研修を受けた担当者が配置され、施設内に安全対策部門を設置し、組織的に安全対策を実施するという体制が整備されている場合の評価を行ってはどうかという点でございます。
 続きまして、論点マル5、32ページでございます。高齢者虐待防止の推進の観点です。
 33ページにありますように、障害福祉サービスの運営基準との書き方に違いがありますことから、対応案でございます32ページ、高齢者虐待防止の取組を強化する観点から、障害福祉サービスにおける対応を踏まえながら、介護保険サービスの各運営基準において、責任者を設置する等必要な体制の整備、従業者に対する研修受講などの体制の強化に関する規定を設けることとしてはどうかという点でございます。
 最後は、論点マル6、39ページでございます。
 定員30人の小規模特養につきましては、別個の基本報酬の単価が設定されており、平成30年度の報酬改定のときには、他の類型の介護福祉施設の報酬との均衡を図る観点から、一定の経過措置の後に、通常の基本報酬と統合することとされているという実態がございます。
 対応案のところですけれども、小規模特養の収支差率は今回平均0.4%となっておるというところで、経営への影響を考慮して、今回の改定では別個の基本報酬単価を設定する経過措置を維持することとしてはどうかとさせていただいております。
 一方で、小規模特養の収支差率については地域差が見られることから、経営実態について今後調査し、通常の基本報酬との統合に向けて検討することとしてはどうかとさせていただいております。
 以上です。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
 それでは、続きまして御説明させていただきます。
 まず、介護老人保健施設の報酬・基準について、資料3を用いて御説明させていただきます。
 3ページに論点一覧がございます。論点は合計で6つございます。
 4ページに論点マル1がございます。
 平成29年の法改正で、介護老人保健施設の役割が在宅復帰・在宅療養支援であるということがより明確化されたことを踏まえまして、前回改定におきまして、報酬体系の見直しが行われております。
 それをさらに進める観点から、どのような対応が考えられるかということでございまして、4ページの対応案がございます。
 在宅復帰・在宅療養支援等の指標がございますけれども、その中で矢羽が3つございますが、訪問リハビリテーションの比重を高くする、また、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の3職種の配置を評価してはどうか、また、半年間の経過措置を設けてはどうか。
 また、リハビリテーションにつきましては、医師の詳細な指示に基づくリハビリテーションに関する事項を明確化してはどうかという御提案をするものでございます。
 それでは、論点マル2に進ませていただきます。11ページでございますけれども、これは先ほどの介護老人福祉施設と同様の提案でございますので、御説明は割愛をさせていただきます。
 次に、18ページに進ませていただきます。論点マル3ということでございまして、居宅介護支援事業者との連携でございます。退所前の連携加算ということでございます。より早期の在宅復帰を促進する観点から、どのような対応が考えられるかということでございまして、対応案にございますとおり、入所時からの、入所者が退所後に利用を希望するケアマネ事業者との連携を評価してはどうかということでございます。
 次の■は、現在ございます退所前連携決算につきましては、財政中立の観点からもということでございますけれども、単位数を見直してはどうかということでございます。
 続きまして、論点マル4でございます。21ページに進ませていただきます。入所者への医療の提供ということで、現在ございます所定疾患施設療養費についてどのような対応を考えられるかということでございます。
 対応案についてでございますけれども、検査の実施を明確化、また、所定疾患施設療養費(II)の算定日数を現在の連続する7日を10日に延長してはどうか、対象疾患に蜂窩織炎を追加してはどうか、摘要欄の記載を簡素化してはどうかと御提案するものでございます。
 それでは、28ページに進ませていただきまして、論点マル5でございます。かかりつけ医との連携で、こちらは薬物治療の提供という観点でございます。
 対応案でございますけれども、かかりつけ医との連携を推進し、継続的な薬物治療を提供する観点ということでございまして、現在ございますかかりつけ医連携薬剤調整加算につきまして、入所時及び退所時におけるかかりつけ医との連携を前提としつつ、同連携に係る取組と、減薬に至った場合を分けて評価してはどうかということでございます。
 2つ目の■は、情報につきましてかかりつけ医に共有することとしてはどうか。
 3つ目の■でございますけれども、これらの評価につきましては、施設の医師または薬剤師が、高齢者の薬物療養に関する研修を受講している介護老人保健施設を対象としてはどうかと御提案するものでございます。
 最後の論点マル6でございます。36ページにお進みください。事故報告についてでございますけれども、これは先ほどの介護老人福祉施設と同様の御提案でございますので、こちらの御説明は割愛させていただきます。
 資料3につきましては以上でございます。
 続きまして、資料4につきまして御説明をさせていただきます。介護医療院・介護療養型医療施設の報酬・基準についてということでございます。
 3ページでございます。論点は合計で5つございます。
 まず、介護医療院からでございます。
 5ページに論点マル1がございます。
 特に介護療養病床を有する診療所からの移行を一層促進する観点で、どのような対応が考えられるかということでございます。
 対応案にございますけれども、■の2行目から、有床診療所から移行して介護医療院を開設する場合であって、入浴用リフトやリクライニングシャワーチェア等により、身体の不自由な者が適切に入浴できる場合は、一般浴槽以外の浴槽の設置を求めないこととしてはどうかということ。
 また、この取扱いが、大規模改修までの経過措置としてはどうかということでございます。
 11ページでございます。論点マル2、長期療養・生活施設の機能の充実ということでございまして、介護医療院というところは看取りの対応を行うところでございますけれども、この医療の必要な要介護者の長期療養施設の機能及び生活施設としての機能をより充実させる観点から、どのような方策が考えられるかということでございます。
 対応案の■の3行目後段でございますが、療養病床における長期入院患者を受け入れ、生活施設としての取組を説明し適切なサービスを提供する場合の評価を行ってはどうかということでございまして、【評価のイメージ】は下の破線の四角にあるとおりでございます。
 また、その一番下の■でございますけれども、ガイドラインに取り組む、これに沿った取組を行うことを明示してはどうかと御提案するものでございます。
 それでは、次の論点マル3に進ませていただきます。24ページでございます。
 こちらは、介護医療院への移行支援策ということで、様々な配慮を行っておるということを1つ目の■に書いてございます。
 そして、2つ目の■には移行定着支援加算がございますけれども、これが今年度末までとされておりまして、こうしたことを含めて移行支援についてどのようなことが考えられるかということでございます。
 対応案の1つ目の■にありますように、令和5年度末の廃止期限がございますけれども、引き続き様々な手段を用いまして移行支援を進めるということでございます。
 一方で、次の■で申し上げておりますのは、移行定着支援加算につきましては、現在、今年度末までの期限が設けられているということでございます。
 3つ目の■でございまして、この期限につきましては期限どおりとしてはどうかと御提案するものでございます。
 それでは、次に、介護療養型医療施設に移ります。
 論点マル4、32ページ、介護療養型医療施設につきまして、令和5年度末の廃止期限までに、移行等が確実に行われるように、より早期に意思決定を促進するために、どのような方策が考えられるかという論点でございます。
 対応案の1つ目の■ですが、可能な限り早期に検討を開始し意思決定を行い、計画的に取組を行うことが重要であると考えてございます。また、自治体にとっても、その意向の把握は重要な課題ということでございます。
 2つ目の■でございます。必ずしも報告どおりの移行等を義務づけるものではないことに留意しつつという前提を置かせていただいた上で、一定期間、ここでは「半年」とお示ししておりますが、半年ごとに検討状況を許可権者に報告することとし、期限までに報告されない場合は、次の期限までの間、基本報酬の減額を行うこととしてはどうかという御提案でございます。
 そして、40ページ、論点マル5でございます。
 こちらは、令和2年度の診療報酬改定における医療療養病床に係る評価の見直しを踏まえまして、介護保険の療養病床に対する評価について、どのように考えるかでございます。
 対応案でございます。医療療養病床の動きでございますが、令和2年度診療報酬改定におきましても減額をするという見直しが行われておりまして、それを踏まえて、評価の見直しを行ってはどうかと御提案するものでございます。
 資料4に関する御説明は以上でございます。
 次に、資料5に進ませていただきます。ここからは横断事項ということでございます。
 まず、資料5は、感染症や災害への対応力強化ということでございます。
 6枚目に論点の一覧がございます。論点のマル1からマル4までございます。
 7ページ目、論点マル1でございます。
 論点マル1にございますとおり、1つ目の■でございますが、1行目の後半から、感染症の発生や蔓延防止に向けた日頃からの取組の重要性が再認識される中、各サービス事業者の感染防止の取組強化、感染対策を図りながら継続的なサービスを求める観点から、どのような方策が考えられるかということでございます。
 対応案です。これまで何度かお示しをしてまいりましたが、全ての介護サービス事業者に、以下の取組を求めることとしてはどうかということでございます。またその際、3年間の経過措置を設けることとしてはどうかということで、下に2つのポツがございますけれども、それぞれの取組を求めることとしてはどうかということでございます。
 次に、20ページに進んでいただきまして、論点マル2は、感染症や災害が発生した場合であっても、継続的にサービスが提供できるようにするため、どのような対応が考えられるかということでございます。
 対応案でございます。
 1つ目の■の2行目からでございますが、全ての介護サービス事業者を対象に、運営基準において、業務継続に向けた計画等の策定や、研修、訓練の実施等を求めることとしてはどうか。
 また、2つ目の■でございますが、一定の準備が必要ということでございますので、3年間の経過措置を設けることとしてはどうかというものでございます。
 次に、論点マル3、28ページに進ませていただきます。
 こちらは、昨今大規模な災害が見られるということでございますけれども、施設等において、発生時における適切な対応、その後も利用者に必要なサービスを提供していくためには、地域と連携しながら対応していくことが重要ということで、どのような方策が考えられるかということでございます。
 対応案でございますけれども、運営基準におきまして、災害訓練の実施等に当たって、地域住民との連携に努めることを求めることとしてはどうかというものでございます。
 それでは、論点マル4でございます。30ページに進ませていただきます。
 1つの■でございますけれども、通所介護、通所リハビリテーションの基本報酬につきましては、支出における管理的経費の状況等を踏まえ、スケールメリットを考慮しつつ、事業所の規模の拡大による経営の効率化に向けた努力を損なうことがないように設定をされているところでございます。
 2つ目の■でございますが、感染防止や3密回避などによる利用者の減少などの状況下においても、状況に即した安定的な運用を可能とする観点から、どのような方策が考えられるかというものでございます。
 対応案の2行目の最後からでございますが、事業所規模別の報酬区分の決定に当たりまして、前年度の平均延べ利用者数、これは現在の規定ぶりでございますが、これではなく直近の一定期間における平均延べ利用者数の実績を基礎とすることができる等の柔軟な運用が可能である等の対応を検討してはどうかということでございます。
 資料5は以上でございます。
 次に、資料6に進ませていただきます。地域包括ケアシステムの推進というタイトルでございますが、本日御提案するのは主に認知症対応に係るものでございます。
 5ページでございますけれども、論点は3つございます。
 6ページ、認知症専門ケア加算についてでございますけれども、論点としまして、この認知症専門ケア加算の経緯が書かれてございます。平成21年度に施設系サービス、グループホームに導入されたと。
 次の■では、平成30年度の介護報酬改定で、これは短期入所系サービスにも対象を拡大したということでございます。
 3つ目の■でございますけれども、訪問系サービスにも拡大するよう要望があることなどを踏まえて、どのような対応が考えられるかということでございます。
 対応案でございます。
 その下にございますとおりで、訪問系サービスにおいても、現行のこの加算の要件等を踏まえて、加算の対象とすることとしてはどうかということでございます。
 また、加算を算定しない理由として、研修が困難ということがございますので、質を確保しながらeラーニングの活用等をしてはどうか。
 そして、3つ目のポツでございますけれども、こちらは専門性の高い看護師を、この算定要件である養成研修の修了者の配置を満たす要件に加えてはどうかということでございます。
 それでは、18ページに進ませていただきます。論点マル2は、行動・心理症状への対応力の向上ということでございます。
 1つ目の■は、BPSDの対応としてどのようなことが考えられるかということでございます。
 2つ目の■は、全ての介護事業者で対応力の向上が求められているということでございまして、各事業所による認知症対応力向上に向けた各種の取組状況を利用者が確認できるようにするため、どのような対応が考えられるか。
 3つの■は、在宅高齢者の緊急時の宿泊ニーズへの対応を強化していく観点から、どのような対応が考えられるかという論点でございました。
 19ページに対応案がございます。
 1つ目の■でございますけれども、現在準備が進められておりますVISIT・CHASEを統合するデータベースでございますが、CHASEの検討会でも、こちらは認知症の周辺症状に係る指標であるDBD-13や意欲の指標であるVitality Indexが用いられておりますが、このほか、BPSDの評価尺度としてNPIというものも用いられているというところでございます。
 こうした中で、科学的介護を推進する観点から、データベースにこれらの指標、そしてNPIなども入れていって、フィードバックに基づくサービスの改善に努めていく取組を推進することとしてはどうかということでございます。
 対象サービスはそこに書いてあるとおりでございまして、入力する指標はDBD-13、Vitality Indexとするほか、NPIを想定しております。
 2つ目の■でございますけれども、取組状況について情報公表システムで確認できる仕組みを設けてはどうか。
 3つ目の■でございますけれども、短期利用の報酬区分があります看護を含めた小規模多機能につきまして、施設系等と同様に、認知症行動・心理症状加算の対象としてはどうかというものでございます。
 31ページ、認知症介護基礎研修に係る論点でございます。
 論点マル3の1つ目の■にございますけれども、介護に関わる全ての者が認知症対応力を向上させていくことが求められているということでございます。
 対応案の1つ目の■でございますが、認知症介護基礎研修を全てeラーニング化するということでございます。また、直接携わる介護職員のうち、無資格の方に対しては、この研修の受講を義務づけることとしてはどうか。また、一定の経過措置や、猶予期間を設けてはどうかと御提案するものでございます。
 資料6は以上でございます。
 次に、資料7に進ませていただきます。自立支援・重度化防止の推進という観点でございます。
 13ページに論点の一覧がございます。論点は合計で12個ございます。
 15ページに論点マル1がございます。
 これは過去の分科会で文章のみでお示しをしておったものをもう少しブラッシュアップして書いておりますのと、16ページには、それをもう少し分かりやすくという観点で、図でもお示しをしてございます。
 まず、論点マル1、15ページを用いて御説明させていただきます。今後、CHASE・VISIT、現在運用しているデータベースにより介護の質の評価と科学的介護の推進に取り組んでいく。この取組につきまして、今後進めていくためにはどの対応が考えられるかという論点でございます。
 対応案の1つ目の■にありますように、現在のCHASEの収集項目の各領域がございます。ADLを含む総論、栄養、口腔・嚥下、認知症につきまして、事業所の全ての利用者に係るデータを横断的にCHASEに提出してフィードバックを受け、それに基づき事業所の特性やケアの在り方等を検証して、利用者のケアプランや計画に反映させるといった、PDCAサイクルの推進・ケアの質の向上の取組を評価してはどうかというものでございます。また、提出・活用するデータにつきましては、サービスごとの特性、事業所の入力負担等を勘案した項目とするとともに、これに加えまして、詳細な既往歴や服薬情報、家族の情報等によって精度の高いフィードバックを受けることができる項目を提出・活用した場合には、さらなる評価を行うこととしてはどうかというものでございます。
 これは後のページでいうと緑の部分でございますけれども、それは後ほど御説明させていただきます。
 15ページの対応案の2つ目の■でございます。
 CHASEの収集項目の各領域に関連する既存の加算がございます。ここでは個別機能訓練加算等を示しておりますけれども、利用者ごとの計画書の作成とそれに基づくケアの実施・評価・改善等を通じたPDCAサイクル取組に加えまして、データ提出とフィードバックの活用によるPDCAサイクルの推進・ケアの質の向上を評価してはどうか。
 3つ目の■につきましては、調査研究事業とモデル事業がありましたけれども、取組を踏まえまして、施設系サービス、居住系サービス及び通所系サービスを対象として検討する。他のサービスについても継続的に検討を進めていくこととしてはどうか。
 4つ目の■に関しましては、科学的介護を推進していく観点から、全てのサービスについて、フィードバックの活用を推奨してはどうかと。
 そして、下から2つ目の■は、入力負担を軽減してはどうかということでございます。
 最後の■は、CHASE・VISITを今後一体的に運用していくという観点から、VISIT情報についても対象サービスを拡大するということと、また、CHASE・VISITにつきましては、科学的介護の理解と浸透を図る観点からも、統一した名称としてはどうかと御提案をしております。
 16ページに図がございますけれども、縦軸に「施設サービス等」「居住・通所サービス等」と分かれてございます。横軸で、「総論」「栄養」「口腔」「認知症」となってございまして、「総論」の中には機能訓練、リハビリ、その他というのがございまして、「栄養」「口腔」「認知症」と並んでございます。
 この中で、緑の「施設単位」と「事業所単位」でございます。これはほぼ全ての利用者に対しての情報を入れていただいた場合には、算定できるような加算を創設してはどうかと。
 また、「サービス単位」として青で囲ってございますが、これは例えば施設サービスの中で、例えば基礎的なCHASEを全部は入れられないけれども、例えば栄養、管理に関するデータは提出できて、PDCAサイクルを回しケアの質の向上ができますという加算を算定する場合には、この青い部分の加算を算定できるものとしてはどうかと。このような取組、仕組みにしてはどうかと御提案するものでございました。
 それでは、論点マル2、47ページに進ませていただきます。
 こちらは、リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の一体的な運用ということでございます。
 論点にございますように、これを一体として運用することについてどのような方策が考えられるかということでございます。
 対応案の1つ目の■でございますが、現在、各種の計画書や会議の要件がございますけれども、各専門職が必要に応じて参加することを明確化することとしてはどうかということ。
 2つ目の■でございますが、それぞれの実施計画を一体的に記入できる様式を設けてはどうかとするものでございます。
 52ページ、論点マル3、ADL維持等加算でございます。
 論点マル3の1つ目の■でございますが、前回改定におきまして、デイサービス事業所でございますけれども、ADLの維持・改善につながった利用者が多い通所介護事業所を評価する加算を導入してございます。
 これを進めていく観点から、どの方策が考えられるかでございます。
 対応案の下にございますけれども、このサービスを機能訓練等に従事する方がいらっしゃるところに拡大してはどうかというもの。
 2つ目の■は、算定要件を緩和してはどうか。
 3つ目の■は、リハのサービス事業所と提携している場合でございますけれども、これに関しましては、リハビリテーションを併用している利用者につきましては、そういう事業者と連携してサービスを実施している場合には、計算式の対象とすることとしてはどうかということでございます。
 また、こちらはデータベースへのデータ提出を、フィードバックを受けることを求めてはどうかということでございます。
 最後の■でございますけれども、現在の運用を少し見直してはどうかということでございます。
 53ページに、この見直しの全体像がございます。
 左側に「現行」ということで対象サービスなどがございまして、右側に今の御提案を踏まえて「変更案」というのがございます。対象サービスは、認知症対応型通所介護から介護老人福祉施設まで書かせていただいているところでございます。そのほかの要件も緩和が主になっているところでございます。
 次に、論点マル4、69ページでございます。介護保険施設における口腔衛生管理ということでございます。
 現在、介護保険施設では、口腔衛生管理の取組が進んできてございますけれども、まだこちらは研修の開催ですとか、協力歯科医療機関の参加等、取組内容への課題が見られているところでございます。
 その次の■でございますけれども、入所後全く歯科医療管理が行われていないという方も一定程度いらっしゃるということでございまして、どのような対応が考えられるか。
 対応案でございますけれども、現在ございます口腔衛生管理体制加算でございますが、同要件を一定緩和した上で、基本サービス費の要件とする、施設基準に入れていくということを考えてございます。
 そして、口腔衛生管理加算につきましては、CHASEへのデータ提出とフィードバックの活用によるさらなるPDCAサイクルの推進・ケアの質の向上を図ることを評価する上位加算を新設してはどうかと。これは論点マル1に関係するところでございます。
 次の論点に進ませていただきます。78ページでございます。栄養ケア・マネジメントの強化という観点でございます。
 介護保険施設におきまして、現在取組が進んでおりますが、さらなる取組の強化を進めていく観点ということでございます。
 次の■にありますけれども、低栄養状態のリスクが高い人、中・高リスクの方ですけれども、そういう方が少ない施設につきましてはミールラウンドをされていたり、あるいは栄養連携の実施割合が高いといったデータもあるところでございます。また、栄養ケア・マネジメント体制を強化しているところは、在宅復帰が推進され、入院が抑制されているといったデータもあるところでございます。
 こういったことから、どのような対応が考えられるかでございまして、79ページ目に対応案がございます。
 栄養ケア・マネジメントでございますが、算定率が高いという加算でもございますので、現在の栄養マネジメント加算を廃止し、同要件を基本サービス費の要件としてはどうかということでございます。また、施設基準は現在、栄養士のみということでございますので、この加算の算定要件であります管理栄養士によるものにつきましては一定の経過措置を設けてはどうかということでございます。
 2つ目の■でございますけれども、栄養ケア・マネジメントを基本サービスとして行うに当たっては、人員基準に栄養士に加え管理栄養士を位置づけるということでございまして、運営基準におきましても、入所者ごとの栄養管理を計画的に行うよう努めることを求めてはどうかとするものでございます。
 3つ目の■でございますけれども、こちらは現在の低栄養リスク改善加算を再編いたしまして、低栄養リスクが高い入所者全員への丁寧な栄養ケアの実施や栄養ケアに係る体制の充実を図っている場合の評価を新設してはどうか。その際、データ提出、フィードバック、PDCAサイクルを要件としてはどうかということでございます。
 そして、下から3つ目の■でございますけれども、栄養ケア計画に関しましては、リハビリテーション、口腔、栄養、一体的な取組の連携強化の観点、そして業務負担の軽減ということで様式の見直し、それに併せて、管理栄養士の配置要件に関しましては、栄養ケア・マネジメントの質を確保しつつ、管理栄養士が柔軟な働き方ができるよう、常勤換算方式などに見直してはどうか。
 最後の■でございますけれども、経口維持加算の原則6か月とする算定期間や褥瘡マネジメント加算と併算定できないという扱いについては見直してはどうかと提案するものでございます。
 それでは、次の論点マル6に進ませていただきます。86ページでございます。
 こちらは、多職種連携による管理栄養士の関与ということでございますけれども、論点マル6にございますように、看取り期における栄養ケアの充実という観点でございます。
 対応案にございますとおりで、介護保険施設における看取りへの対応を評価する加算において、関与する専門職として、管理栄養士を明記してはどうかということでございます。
 褥瘡マネジメント加算においても、同様の対応としてはどうかということでございます。
 次の論点マル7、88ページでございます。通所サービス利用者の口腔機能の向上の取組でございますけれども、介護スタッフの方々が「口腔機能向上の対応が必要な利用者が分からない」ということで低調な状況にあるということでございまして、どのような対応が考えられるかということでございます。
 対応案でございますけれども、口腔機能低下の重症化等の予防、維持、回復等につなげる観点から、介護職員も実施可能なスクリーニングの取組を進めることとし、その実施を評価してはどうかということでございます。
 このスクーリングにつきましては、その目的及び方法等に鑑みて、栄養スクリーニング加算の取組と併せて提供されるようにしてはどうかということでございます。
 次に、95ページに進ませていただきます。論点マル8でございます。通所サービスにおける栄養ケア・マネジメントということでございます。
 栄養に関しましても、通所事業所におきましては、低栄養の方がいらっしゃるということで、BMIを把握しない事業所もあるということ、また、栄養改善サービスに該当する者がいないという回答も多いということで、算定件数が低調であること。また、居宅での食生活の把握や支援が重要であるということですが、そういった取組も進んでないということを踏まえ、どのような対応が考えられるかということでございます。
 デイサービス事業所で、栄養改善が必要な方を的確に把握し、サービスにつなげていく観点から、管理栄養士と介護職員との連携による栄養アセスメントの評価を新設してはどうかと。その際、データ提出、フィードバック、PDCAサイクルというところをしてはどうかということでございます。
 また、栄養改善加算につきましては、居宅を訪問しての栄養改善サービスの取組を進めるということで、評価の充実を図ることとしてはどうかと。
 また、この見直しに際しては、通所事業所の管理栄養士は、外部との連携による配置を認めてはどうかということでございます。
 次の論点マル9でございます。98ページ、認知症グループホームにおける栄養改善ということでございます。
 認知症グループホーム、家庭的な雰囲気の中での療養ということでございますけれども、その中で2つ目の■にございますとおりで、管理栄養士・栄養士の配置要件はないということでございまして、事業所におきましては、栄養管理・食事提供について不安を感じているというアンケート結果もあったところでございます。
 一方で、ちゃんと取組をすればいいというふうな、食事摂取量が改善するといった報告もあったところでございます。
 こういったことを踏まえて、どのような対応が考えられるかということでございます。
 対応案でございますが、管理栄養士さんは外部との連携を含むということを書いてございますが、こういったことで介護職員等に利用者の栄養・食生活に係る助言や指導を行う体制づくりを行っている場合の評価を新設してはどうかというものでございます。
 次に、102ページ、論点マル10でございますけれども、寝たきり予防・重度化防止のためのマネジメントということでございます。
 介護保険法の規定や科学的介護の取りまとめを踏まえまして、2行目にございますとおり、尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、廃用の悪循環を断ち切り、寝たきりとなることを防止するために、どのような対応が考えられるかということでございます。
 対応案の1つ目の■でございますけれども、施設サービスにおきまして、医師の関与の下、リハビリ等の必要性や日々の過ごし方等をマネジメントし、適切に離床、リハビリテーション・機能訓練、介護等を行う取組を進めることとしてはどうかということでございます。
 具体的には、次の■にあるとおりでございまして、日々の生活全般において適切なケアを実施するための計画を策定、それに基づいて日々のケア等を行う仕組みを導入し、これを評価することとしてはどうかと。
 その際、データ提出をして、フィードバックを受けPDCAサイクルを回すということを求めてはどうかと御提案するものでございます。
 次に、110ページに論点マル11がございます。こちらは褥瘡マネジメント加算に係る論点でございます。
 論点にございますとおり、算定施設や取得率は増加傾向にございますけれども、定義が一致していない、あるいは2つ目の■でございますけれども、こちらはそういった現状を踏まえて推進する観点から、どのような対応が考えられるか。
 対応案に3つの■がございます。
 施設の継続的な取組を評価する観点から、3月に1回ではなく毎月算定できることとしてはどうか。
 2つ目の■でございますけれども、現行の褥瘡管理の取組(プロセス)への評価に加えて、発生予防や状態改善等(アウトカム)についても評価を行うとともに、データ提出、PDCAサイクルを推進ということを求めてはどうか。
 3つ目の■でございますけれども、アウトカムへの評価でございますが、「褥瘡」の定義や評価指標について、統一的に評価することとしてはどうかと。それが可能な定義・指標を用いてはどうかというものでございます。
 それでは、この資料の最後の論点でございますが、117ページでございます。論点マル12、排せつ支援加算でございます。
 論点マル12の1つ目の■でございますけれども、平成30年度の介護報酬改定でございますが、「排せつ支援加算」が創設されてございます。こちらは、介護老人保健施設では一定程度加算が取得されていますけれども、他の施設等では加算の取得が進んでいないということでございます。
 2つ目の■にありますように、一層推進する観点から、どのような対応が考えられるか。
 対応案でございます。
 現在の排せつ支援加算は、医師等が排せつ状態の改善が期待できると判断した入所者が対象だということでございますけれども、排せつ状態の改善が期待できる入所者を漏れなく支援していくという観点から、全ての入所者に対して定期的な評価(スクリーニング)の実施を求め、事業所全体の取組として評価してはどうか。また、継続的な取組を推進する観点から、現行6か月間という要件に関しまして、6か月以降も継続して算定可能としてはどうか。
 2つ目の■は、プロセスへの評価に加えて、アウトカムについても評価するとともに、データ提出とPDCAサイクル推進を求めてはどうか。
 3つ目の■でございますけれども、アウトカムの評価を行うに当たっては、統一的に評価することが可能な定義・指標を用いることとしてはどうかというものでございます。
 118ページに変更案がございます。
 資料7につきましては以上でございます。
 そして、資料8、介護人材の確保・介護現場の革新について御説明させていただきます。
 15ページに論点の一覧がございまして、論点マル10までございます。
 それでは、1つ目の論点でございます。16ページにお進みください。
 介護現場におきまして、仕事と育児や介護との両立を進め、離職防止を図る観点から、人員配置基準における対応としてどのような方策が考えられるかと。
 対案案に■が1つとポツが3つございます。
 ポツの1つ目でございます。「常勤換算方法」の計算に当たり、育児・介護休業法による短時間勤務制度等を利用した場合に、30時間以上の勤務で、常勤換算方法での計算上1と扱うことを可能とすること。
 「常勤」の計算に当たり、育児の短時間勤務制度に加え、介護の短時間勤務制度等を利用した場合に、30時間以上の勤務で、常勤として扱うことを可能とすること。
 3つ目のポツですが、「常勤」での配置が、人員基準や報酬告示で求められる職種におきまして、配置されている者が、産前産後休業や育児や介護休業等を利用した場合に、同等の資質を有する複数の非常勤職員を常勤換算で確保することで、基準等を満たすこととすること。
 また、この場合において、常勤職員の割合を要件としているサービス提供体制強化加算(II)等につきましては、育児休業等を取得した職員がいる場合、当該職員についても、常勤職員の割合に含めることを可能とすることを提案しているものでございます。
 17ページは過去の分科会資料で、今申し上げたことを診療報酬や育児や介護等で比較をした表でございます。
 それでは、次の論点マル2に進ませていただきます。19ページでございます。
 現在の介護職員処遇改善加算IV・Vがございます。IからVまである中でのIV・Vの取扱いでございますが、前回改定、平成30年度の介護報酬改定で、こちらは廃止するという考え方が明示されているところでございます。
 対応案でございます。上位区分の算定が進んでいることを踏まえまして、これは廃止することとしてはどうかと。その中で、新規取得は令和3年度以降認めないこととした上で、1年間の経過措置を設けてはどうかというものでございます。
 それでは、次の論点マル3に進ませていただきます。25ページにお進みください。職場環境等要件でございます。
 こちらは、介護職員の処遇改善加算、特定処遇改善加算の算定要件の一つでございますこの要件につきまして、改善の取組をより実効性が高いものとする観点から、どのような対応が考えられるかということでございます。
 対応案の1つ目の■は、当該年度における取組の実施。
 2つ目の■でございますが、現在3区分となっておりますものにつきまして体系の見直すということで、ポツが5つ並んでございます。採用や定着支援、キャリアアップ、両立支援、生産性向上、やりがいの醸成や、職場のコミュニケーションの円滑化、こういった取組がより促進されるように見直しを行うこととしてはどうかと御提案するものでございます。
 それでは、次の論点マル4、31ページに進ませていただきます。介護職員等特定処遇改善加算でございます。
 1つ目の■にございますけれども、昨年10月から導入されてございますが、現行、算定率は伸びてきてはいますが、事業所のうち65%にとどまっているということでございます。
 また、理由としては、事務作業が煩雑であることなどが挙げられてございます。
 次の■で、導入の趣旨を踏まえつつ、より事業者が活用しやすい仕組みとする観点から、どのような対応が考えられるかということでございます。
 対応案の1つ目でございますけれども、より柔軟な配分を可能とする見直しをする。
 「具体的には」とございますが、2つ目の■にありますように、経験・技能のある介護職員において、月額8万円、あるいは440万円というルールは維持しつつということでございまして、次のポツにありますように、この配分ルールにつきまして、「その他の職種」は、「その他の介護職員」の「2分の1を上回らないこと」とのルールを維持した上で、「経験・技能のある介護職員」は、「その他の介護職員」の「2倍以上とすること」から「より高くすること」としてはどうかということでございます。
 3つ目の■に関しましては、特定処遇改善加算を設定する際の審議報告における、「経験・技能のある介護職員が多い事業所や職場環境が良い事業所をより精緻に把握する観点から、その方法について、今後検討することが必要」との指摘については、引き続き検討することとしてはどうかと提案するものでございます。
 次に、38ページ、論点マル5でございます。サービス提供体制強化加算でございます。
 この加算につきまして、サービスの質の向上や、職員のキャリアアップを一層促進する観点から、どのような対応が考えられるかということでございます。
 対応案の1つ目の■でございますが、現在、介護福祉士さんの割合が向上しているということ。また、勤続年数も平成19年度と比べて伸びてきているということでございますので、より介護士さんの割合が高い事業所や職員の勤務年数が長い事業所を高く評価してはどうかということでございまして、そのイメージは39ページにございます。
 2つ目の■にありますけれども、この加算でございますが、質の高い介護サービスの提供を目指すものであるということでございますけれども、最上位の区分につきましては、施設系サービスや入所系サービスにおきましては、サービスの質の向上につながる取組の1つ以上の実施を算定に当たっての要件とすることとしてはどうかというものでございます。
 また、訪問入浴や夜間対応型におきましても、他のサービスと同様、勤続年数の要件を新たに設けることとしてはどうか。
 「さらに」ということで、現場負担でありますとかあるいは加算の活用を図る観点から、できるだけ簡素にしたいということでございまして、算定率の高い介護職員処遇改善加算で求められる項目と同趣旨の要件等につきましては、廃止することを検討してはどうかということでございます。
 また、特定処遇改善加算のIでございますけれども、サービス提供体制強化加算の最も高い区分の算定が要求とされてございますが、これは今般の見直しを踏まえ、39ページのIまたはIIの算定を要件としてはどうかと御提案するものでございます。
 次に、50ページに進ませていただきます。論点マル6でございます。
 介護事業者の適切な就業環境維持(ハラスメント対策)について、これまで予算上の対応を行ってまいりましたが、どのような対応が考えられるかということでございまして、対応案にありますとおり、こちらは、適切な就業環境維持を求めることについて、運営基準において規定してはどうかと御提案するものでございます。
 次に、56ページに進ませていただきます。
 こちらは、夜間における人員・報酬(テクノロジー活用)による対応でございます。
 論点マル7にございますけれども、この実証結果を踏まえて、どのような対応が考えられるかということでございます。
 対応案でございます。
 データが増えたということもございまして、2つ目の■にあるようなヒアリングの結果などが、我々としてはデータとして手元にあるところでございます。
 3つ目の■にありますように、こうした結果を踏まえまして現行の要件に関しては緩和を行い、そしてまた新規要件といたしまして、夜勤職員の最低基準につきましては0.5人という基準をつくりまして、見守りセンサーの入所者に占める導入割合を100%ということを求め、そしてまたその他の要件を求めることで、このような緩和をしてはどうかと御提案するものでございます。
 また、57ページでございますけれども、これらに加えまして、介護老人福祉施設(従来型)における夜勤の人員配置基準につきまして、見守りセンサーやインカム等のICT等を活用する場合には緩和することとしてはどうかということでございます。
 その際、2つ目の■にあるような配慮を行うことを検討してはどうか。そしてまた、変更のイメージはその下の表にあるとおりでございます。
 論点マル8、61ページに進ませていただきます。サービスの質の向上や職員の職場定着に資する取組ということでございまして、テクノロジーの活用によりまして、サービスの質の向上や職員の職場定着に取り組む介護事業所に対する報酬上の評価をどう考えるかということでございます。
 対応案でございます。
 介護現場革新会議の基本方針において、マル1からマル4の取組を進めるということでございます。
 こうした方針も踏まえまして、テクノロジー活用等によって業務効率化を図るということで、サービスの質の向上に取り組む事業所を、既存の加算の仕組みを活用しながら評価することとしてはどうかということでございます。
 61ページの下の表にありますように、見直しの内容でございますけれども、常勤換算要件をテクノロジー活用の場合緩和してはどうかと御提案するものでございます。
 次に、64ページ、論点マル9でございますけれども、会議等に当たってのICTの活用でございます。
 現在、感染防止や多職種連携の促進の観点から、運営基準や各種加算において開催が求められている会議等につきましては、現在の新型コロナウイルス感染症における特例的な対応を行っております。それを踏まえつつ、ICT等の活用についてどのように考えるかということでございます。
 対応案でございますが、各種会議等について、原則、ICTの活用による開催を可能としてはどうか。
 2つ目の■ですが、ガイドラインやガイダンスがございますので、これも参考にしてはどうか。
 最後の■ですが、居宅への訪問を要件としているものにつきましては、その重要性を十分に考慮した上で、引き続き検討することとしてはどうかというものでございます。
 それでは、この資料の最後の論点でございますが、71ページでございます。文書量の負担軽減等でございます。
 論点は4つございます。
 1つ目は、対面・押印・書面といったことについての扱い。
 2つ目が、「員数」に関する扱い。
 3つ目が、電磁的記録でございます。
 4つ目が、掲示、そして閲覧ということでございます。
 対応案にございますとおりで、マル1でございますけれども、こちらは「押印についてのQ&A」の取扱いを参考にして、その場合の代替手段を示してはどうか。
 マル2でございますけれども、従業員の「員数」でございますが、ローカルルールもございますところ、「○○人以上」と記載することが可能であることや、あるいは届出につきましては、その変更届出は年1回で足りることを明確化してはどうか。
 マル3でございますけれども、適切な個人情報の取扱いを求めた上におきまして、記録の保存期間について、他の制度の取扱いも参考としつつ、明確化を図ってはどうかと。電磁的な対応も含めてということでございます。
 マル4でございますけれども、掲示だけではなくて、閲覧可能な形でファイル等で備え置くこと等を可能としてはどうかと御提案するものでございます。
 資料8につきましては以上でございます。
 それでは、資料9について御説明させていただきます。制度の安定性・持続可能性の確保ということでございます。
 4ページに論点の一覧がございまして、4つございます。
 5ページに区分支給限度基準額の計算方法がございます。
 1つ目の■は前回改定の話でございますけれども、訪問系サービスでは、同一建物等に係る減算の適用を受ける者とそうでない者の均衡を緩和して、区分支給限度額を計算する際には、減算前の単位数を適用するということとしたところでございます。
 2つ目の■には、こうした同一建物の仕組みに関しては、減算の仕組みは通所系サービスにもあるということでございます。
 また、4つ目の■ですが、デイやデイケアにつきましても、規模別の報酬が設定されているところでございまして、その整合についてどう考えるかということでございます。
 対応案の1つ目でございますけれども、通所系サービス、小多機、看多機でございますけれども、同一建物減算等の適用を受ける者と、そうでない者との公平性の観点ということで、減算前の単位数の計算で適用してはどうかということでございます。
 「同様に」ということで、デイ及びデイケアにつきましては、通常規模型の単位数を用いることとしてはどうかと御提案するものでございます。
 8ページ、論点マル2でございます。
 こちらは、前回改定におきまして、訪問介護の生活援助中心型サービスにつきまして、いわゆる2SDの取扱いを入れたところでございます。
 そこにポツが3つ並んでございますけれども、ケアマネジャーさんから市町村へ届け出るですとか、地域ケア会議での検討ということが決められたところでございます。
 2つ目の■にありますように、これは一定回数以上となったことをもって、一律にサービスの利用制限を行うものではないということは明確化しているところでございます。
 この扱いにつきまして、3つ目の■にありますような指摘があるところでございます。
 こういうことを踏まえて、どのような取扱いが考えられるかということでございまして、9ページに対応案がございます。
 ケアプランの検証の仕方や届出頻度について、運用面の見直しをしてはどうかということでございます。検証の仕方や届出の頻度につきまして、このような見直しをしてはどうかということ。
 一方でございますけれども、こちらは財政審の資料におきまして、「身体介護に安易に置き換えられるケース等を是正し、訪問介護全体での適切なサービスを確保するため、身体介護も含めた訪問介護全体の回数で届け出を義務付ける等、制度の改善を図るべき」という指摘があったところでございます。
 次の■でございますけれども、検証方法として効率的で訪問介護サービスの利用制限につながらないような仕組みが求められているということでございまして、区分支給限度基準額の利用割合が高く、かつ、訪問介護が利用サービスの大部分を占める等のケアプランを作成するケアマネ事業者を事業所単位で抽出するなどの点検・検証の仕組みを導入してはどうかと提案するものでございます。
 次の論点マル3、20ページでございます。
 これは、サービス付き高齢者向け住宅等における適正な介護保険サービス提供ということでございまして、論点にございますとおり、一部のサービス付き高齢者向け住宅等におきまして、入所者の自立支援等につながらないような不適切なサービス提供があるという指摘があることも踏まえて、どのような対応が考えられるかということでございます。
 対応案に2つのポツがございます。
 サ高住に併設する介護サービス事業所の指定の際の条件付加、あるいは、そういったところの家賃の確認や利用者のケアプランの確認などを通じて、指導の徹底を図ることとしてはどうかと御提案するものです。
 25ページに論点の4つ目がございます。
 財務省の財政制度等審議会等におきまして、福祉用具の貸与種目でございますけれども、販売種目に移行すべきという御指摘についてどう考えるかということでございます。
 対応案でございますが、利用実態を把握しながら、こちらは貸与が原則であるということや、福祉用具の適時・適切な利用、利用者の安全性の確保といったことからどのような対応が考えられるのか、今後検討を進めたいというふうに御提案するものでございます。
 それでは、最後の資料10でございます。その他の事項でございます。
 論点の1つ目、基準費用額に関しましては3ページ目に論点が1つございます。
 論点マル1、介護保険施設における食費・居住費の基準費用額について、どのように考えるかということでございます。
 対応案でございますけれども、今回お示しさせていただきました令和2年度の介護事業経営実態調査による平均的な費用額との差の状況を踏まえ、利用者負担への影響を踏まえつつ、必要な対応を検討してはどうか。
 また、居住費につきましては、減価償却費につきまして、減価償却法を統一した場合の推計値を参考として記載してございます。こちらにつきましては、平均的な費用額との差の状況を踏まえて、引き続き把握を進めることとしてはどうかと御提案をしております。
 次は、地域区分に係る御提案です。
 9ページに論点マル1がございます。級地の設定でございます。
 地域区分でございますけれども、1つ目の■にありますように、令和元年の介護給付費の分科会におきまして、こちらは、実際の意向を十分に確認した上で、財政中立の原則の下、令和3年度介護報酬改定において実施することが適当であるということでございます。
 上記を受けまして、意向調査を行いましたということで、その結果を令和3年度からの地域区分の級地に反映してはどうかと。
 対応案は、10ページにあるとおりとしてはどうかというふうにするものでございます。
 2つ目の論点が13ページでございまして、各サービスの人件費割合の在り方について、どのように考えるかということでございます。
 対応案としましては、人件費割合、財政中立を原則とするものであるということを踏まえつつ、引き続き継続的に把握を進めてはどうか。
 また、地域差を勘案する人件費の範囲に、派遣の人件費を人件費として見ていいのではないかというのが派遣委託費に入っていると思いますけれども、その場合の委託を含めてはどうか。そしてまた、処遇改善や特定処遇改善による影響を除いてはどうか。財政中立を原則とするものであることを踏まえて、安定的な人件費の把握や区分移動のルールの設定についても、引き続き検討を進めることとしてはどうかと提案するものでございます。
 それでは、最後の論点、17ページでございます。介護事業経営実態調査の有効回答率の向上でございます。
 論点でございますが、令和元年度の介護事業経営実態調査の回収率が48.2%だったということでございます。
 2つ目の■の下にございますが、令和2年度の有効回答率は45.2%ということでございまして、同種の医療経済実態調査と比べて低調ということでございます。私どもとしては、コロナ禍の中で随分御協力いただいたと思ってございますが、結果としてはこういう回答率になっているということでございます。
 対応案でございます。
 各介護サービス施設・事業者に対しまして、調査に協力することを求めるための方策について、検討を進めてはどうかと御提案するものでございます。
 長くなりましたが、御説明は以上でございます。
○田中分科会長 たくさんの資料の説明をありがとうございました。
 ただいま説明を受けた事項について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。
 伊藤委員、お願いします。それから大西委員に行きます。たくさん手が挙がっているのが画面に見えますので、順番に参ります。
 まず、伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 伊藤です。
 私からは、資料の順番ではございませんが、まず、資料8の介護人材の確保・介護現場の革新から意見を。あと、中には質問になるものもありますが、発言させていただきます。
 まず、人材確保について申し上げたいのは、これで人材確保ができるのかという疑問を感じます。菅総理大臣は所信表明演説で、介護人材の確保を進めるということをおっしゃっていますし、答弁書でも介護離職ゼロに引き続き取り組んでいくとおっしゃっているわけで、これが今回の介護人材の確保という論点の対応案のどこに反映されているのかというのは非常に疑問です。
 私はこの間、人材確保には処遇改善が不可欠だということを繰り返し申し上げて、調査結果もお示しいたしました。しかし、今回、さらなる処遇改善という点についての御提案はありませんでした。
 その一方で、人材確保の論点マル2のところでは、処遇改善加算IV・Vを1年後に廃止するという提案、これで人材確保につながるのかと。疑問です。
 それから、論点マル7の夜間における人員・報酬について、センサーなどを導入する場合の加算の要件緩和等、あと、特養の夜間の人員配置基準の緩和、これが人材確保にどうつながるのか全く分からないのです。
 今の人員配置基準のところについて言いますと、「令和2年度介護ロボット導入支援及び導入効果実証研究事業」がこの資料の中で根拠として示されておりますが、非常にいいことばかり書いてあって何の課題も示されていません。事務局に本資料を出してほしいと求めましたが、まだないのだというお話です。どんな事業所の調査なのか、どんな機器を使ったのか何も分からなくて、もらった資料の中に休憩時間が減ってしまったという回答も若干あったのですが、そういうのも分科会資料には出ていないですし、このような資料で審議会として、利用者、労働者双方に対して責任を持って判断しようがないと思います。
 夜間帯はもともと負荷が高い状態で、見守り機器を導入したところで人間が直接対応するわけで、人員配置の緩和により夜間帯の負荷はさらに大きくなってしまって、職員が夜勤に入りたがらなくなってしまう。離職するとか配置転換希望などの形で、人材の確保というのが逆に難しくなってしまうのではないかという声が非常に出ています。人的ロボットの導入ではないのにその人員配置を減らすということが、この計算で、こういう形で出てくるというのは非常に納得できない。経営が今、逼迫しているような事業所が増えているところで、こんな100%導入とか、現実的なのかというところも非常に疑問に感じています。
 安全体制の確保というのが今回、具体的要件として示されていて、十分な休憩時間の確保とかが出ていますが、この十分というのはどうやって判断されるのか、何をもって十分というのか。訪室の個別実施というのも書いてありますけれども、これをどうやって担保するのか一切分からないです。このような要件が実効性を持つということになり得るのか。
 例えば、要件を満たさなかったら人員配置の緩和が解かれて元の状態に戻すということだとしても、そのときに人材の確保ができるのかということも疑問です。
 論点マル8のほうでは、複数のテクノロジー機器を使った場合の日常生活継続支援加算などの要件を、6対1から7対1にするという提案もありますけれども、この人員配置と機器の導入でサービスの質の向上が図れる人員配置基準であるのだとする根拠が分かりません。非常に心配ですので、納得できる説明をいただきたいと思います。このようなテクノロジー機器の導入により、業務が効率化した分を丸々その職員の配置減にするということが人材確保につながると本当に思っていらっしゃるのか。人材確保になぜさらなる処遇改善を必要としないというふうに考えるのかというところを、ぜひ御説明いただきたいと思います。
 論点マル1の両立支援につきましては、辞めないで働き続けられるようなことにつながることは期待いたしますが、これで職場が回るのか。休む側だけではなく、働く側のことも考える必要があると思いますし、サービス提供体制加算の算定要件も緩和するとありますけれども、こちらについては質の高いサービスを評価するのに人員配置が少なくていいとすることがどうも合理的ではないと思います。
 それから、論点マル4の特定処遇改善加算については、処遇改善全体の底上げをしていくことが重要だと思っているので、この点は弾力的に活用できるようにすることがいいと思っておりますが、今回の提案は、上下を非対象にする形にする提案となっていて、こうする必要があるのかなというように思います。
 また、ぜひ処遇改善加算自体の対象労働者について、これまでも申し上げていますけれども、対象となっていない事業所、対象とならない労働者がいますので、こちらの拡大もしていただきたいと思います。
 それから、論点マル5のサービス提供体制加算の要件の一部廃止につきましては、処遇改善加算との併算定がされており、しかも職場環境等要件が本当に選択されているということが検討に当たっては前提になると思います。もしそうだとした場合に、もし一本化するということであれば、研修実施のほうは機会の確保であるだけでなく実施を要件とする必要がありますので、そちらを処遇改善加算の要件にする必要があると思います。
 また、健康診断は短時間職員を含めて全ての従業者に行うことが質の高いサービスには必要だと思いますので、処遇改善加算のほうを全ての職員の健康診断を行うという要件にするか、現状どおりにするべきだと思います。
 次に、論点マル1の特定事業所加算のところですが、新たな類型をつくる点で、これは一事業所で完結しなくてもできるようにするというのはメリットだと思いますが、現場からは、今、同じ事業所内でも複数のケアマネのケース全部を管理者が把握できているかといえばできていないというのも実情ですし、質の高いケアマネジメントがこれでできるのかといった声も聞かれます。個人情報を共有するということに問題がないかという心配も聞かれます。申し送りとか連携とかはかなり労力を伴うといったような懸念も出ておりますので、連携の範囲と報酬について、ぜひ検討していく必要があると思います。
 介護老人福祉施設の1つ目の特養の配置基準の緩和と、2つ目の論点の個室ユニットの定員と人員の緩和については、一定の職員の兼務を認めるに当たっての留意点なるものが示されました。労働関係法令に基づき、職員の休憩時間や有給休暇等が適切に確保されていることというふうにありますけれども、利用者から用事を頼まれるとか、記録に記入するのに充てている時間だとか、トイレ誘導で結局は休み時間に食い込むというのはよくある話で、留意点を示すだけで本当に担保できるのか疑問です。
 また、そもそもその労働関係法令に基づくというのは、これは罰則つきの規定があるわけで、これを要件とするということなのか。この留意点の意味、効果ということを教えていただきたいと思います。守っていなければ取消しになるということなのか、ぜひ教えていただきたいと思います。
 ユニットリーダーを非常勤職員が担うに当たっては、ある程度の時間というのは決めておく必要があると思います。あまりにも労働時間が短い人は難しいのではないかと思います。
 それから、災害や感染症のところですが、3年間の経過措置という提案です。準備が必要だというのは分かりますが、やはりいずれも喫緊の課題ですので、1年間で対応できるように特段の支援をしていくということも重要だと思います。
 地域包括ケアシステムのほうの論点マル2、こちらの2つ目の■のところに、研修の受講状況について情報公表システム上で確認できる仕組みを設けるとあるのですけれども、資料の29ページで、研修等の実施の項目というのは任意的記載事項にすでにあるわけで、この提案で何が変わるのか、新たな仕組みをつくるということなのかというのを教えていただきたいと思います。
 そして、制度の安定性・持続可能性の確保の論点マル2のケアプラン点検です。こちらについては、今までの回数でのスクリーニングに加えて新たな事業所単位での抽出というのが入るということで、その抽出した後にケアマネが何をすることになるのか、何を求められるのかというのが分かりません。これで負担が増えることになるのかということをぜひ教えていただきたいと思います。
 そして、居宅介護支援のところの1つ目に情報公表制度のことが出てきまして、公正中立なケアマネジメントということで、同一事業所のサービスをつけたケアプランの割合などについて利用者へ説明することというのを運営基準に書くとあるのですけれども、逆なのではないかと思います。みんな系列のデイサービスとかヘルパーを使っているのですよと説明されれば利用者は納得してしまうのではないかなと思いますし、これが公正中立なケアプランの作成につながるのかというのが疑問に思います。
 最後です。自立支援・重度化防止のところの論点マル3、ADL維持等加算については、とにかくクリームスキミングの防止を引き続き確保していただきたいと思います。今回の提案だと、要介護度と、初回認定からの経過期間の要件というのが緩和、緩和と書いてあります。他方、ADL利得は一定の値と書いてありますが、ADLを良好に維持改善する事業所を高く評価とも書いてありますので、この組合せを考えると、利用者選別のモチベーションが上がる可能性がかなりあると思います。ですから、特に利用者要件のほうは厳格に設定すべきだと思います。
 以上です。
○田中分科会長 質問にお答えいただく前に、時間の都合があると伺いました大西委員、先に御発言ください。
○大西委員 ありがとうございます。
 今回、これまでの議論を各分野に論点としてまとめていただきまして、それぞれ対応案を示していただいております。私どもといたしましても、全体としてはおおむね適切な方向であると考えておるところでございます。事務局の御労苦を多としたいと思っております。
 私からは、今回、簡単に2点について、意見と質問ということでお願いをいたしたいと存じます。
 まず、資料1の44ページ、論点マル6でございます。
 以前よりこの問題につきましては、介護予防ケアマネジメント業務について、外部委託を行いやすい環境の整備を進める支援策について、具体的に検討していただきたいということで、市長会として意見を出していたところでございます。それについて、今回、資料1の44ページの対応案のところにございますけれども、委託連携加算(仮称)ということでお示しをいただいたということでございまして、これにつきまして感謝申し上げたいと存じます。
 地域包括支援センターにおきましては、総合相談支援や在宅医療・介護連携の推進など、地域において求められている役割を果たしていくためにも、この外部委託を推進するということが必要でございますし、ケアマネジメント業務の簡素化等を行うことで、業務負担の軽減にも資するということで、そうしていくことが必要であると思っております。
 今後、この加算の要件等について具体的に検討していくと思っておりますけれども、本加算の創設によりまして、地域包括支援センターと委託先において、そこに書いておりますが、適切な情報連携等を求めてはどうかとあるわけでございます。両者に関する情報連携といったものが効率的に行われることができるように、個人情報保護も配慮が必要でございますが、その上で、ICT等の活用によるデータ連携ということを行っていただきたい。そうすることによって、委託が一層推進されるのではないかということでございまして、このICT等の活用辺りも十分踏まえた上で制度設計をしていただきたいと思っております。
 それから、2点目でございます。
 これは質問に当たるかと思っておりますが、資料8の中の介護職員等特定処遇改善加算についてでございます。
 資料の35ページに示されておりますけれども、算定率が約65%にとどまっておるということでまだまだ低いということで、この取得促進を図る必要があると考えております。
 今回の対応案におきまして、平均の賃金改善額の配分ルールについて、「経験・技能のある介護職員」は、「その他の介護職員」のこれまでの「2倍以上とすること」から「より高くすること」というふうに変更するということでございます。要件の緩和が提案されまして、職種間や介護職員間の賃金バランスが取れなくなることへの懸念への対応にはなると考えております。
 一方で、この特定処遇改善加算が算定されない理由として、36ページに出ておりますけれども、「事務作業が煩雑であること」といった理由も結構挙げられております。これらにつきましても何かしらの対応が必要であると思っております。
 この問題につきましては、令和2年3月5日付の厚生労働省老健局長通知により示されました文書負担軽減に関する取組ということで、「押印廃止」とか「添付資料廃止」とか、「計画書と実績報告書の一本化」等の事務改善が図られておるということでございまして、これについては大いに評価いたしております。私どもの実務の担当者からも、相当負担が軽減したというのを実感しているという声も聞いておるところでございます。これにつきまして事務負担は軽減されているということですが、まだその算定率の改善には直接的にはつながっていないと思われるわけでございます。
 したがいまして、さらなるこの事務作業の改善、文書負担の軽減といったものに取り組んでいただきたいということですが、これにつきましても例えば、さらに進めて電子申請などの検討をしていくということで、ペーパーレスを完全に進めていくといったような方向が検討できないものかどうか、この点についてちょっとお伺いをいたしたいと思っております。
 以上の2点でございます。
○田中分科会長 先に、大西委員の質問にお答えください。電子申請等ということで、どなたがお答えになりますか。
 推進課長、お願いします。
○笹子認知症施策・地域介護推進課長 推進課長でございます。
 ICT活用によるデータ連携について、先ほどケアマネのところでも御指摘いただきました。さらに、電子申請についても電子化をということで、こちらにつきましては私どもとしても積極的に進めてまいりたいと考えておりまして、来年度の予算要求においてもこういった電子申請ができるようにという観点から要求しているところでございますので、具体的な制度設計は現在検討中でございますけれども、これを進めるようにしてまいりたいと思っております。
○田中分科会長 伊藤委員の質問にお答えいただいて、その後、同じく時間制約のある浜谷委員に移ります。
 老人保健課長、お願いします。
○眞鍋老人保健課長 まず、資料8を用いて御説明させていただきますけれども、人材確保が全般的に本当につながるのかどうかという総論的な御質問がまずあったと思いますので、総論的に私のほうからと思ってございます。その後、必要に応じて各担当の課長からもお答えしたいと思います。
 今回御提案しております多くのメニューがございます。資料8の15ページにありますとおりでございまして、配置基準、処遇改善加算の取扱い、ハラスメント対策、ロボット・ICTの推進、文書負担軽減といったことでございます。私どもも人材不足は喫緊の課題だと思ってございます。それで多くのメニューを掲げさせていただいているところでございますけれども、例えば、処遇の改善ということで申し上げれば、私どもとして、現在あります特定処遇改善加算の算定率を上げていくことが、より上位の加算の算定率を上げていくことが全体の底上げにつながるだろうということでございまして、特定処遇改善加算はまだ6割5分という算定率でございますので、これを底上げするような提案をさせていただいておりますし、また、資料としては、取得促進事業という予算事業でございますけれども、それもつけさせていただいているところでございます。
 また、配置基準につきまして両立支援を支援するですとか、あるいはハラスメント対策、テクノロジーの活用におきましても、手元にありますデータを基になるべく抑制的な形でと思っておりますけれども、それを適用した場合ここまでは行けるのではないかという御提案にさせていただいているということでございます。
 まず、私どもとして、恐らく問題意識は共有できていると思っておりますけれども、こういうことを総合的に進めることで人材確保につながると私どもは思っているところでございます。
○田中分科会長 お願いします。
○齋藤高齢者支援課長 続きまして、支援課長でございます。
 ロボット・ICTの関係でございますけれども、これが人材確保にどうつながっていくのかという点でございます。例えば、今回導入を検討しているもの、見守りセンサーだとかインカムというものがございます。
 見守りセンサーについては、利用者の状況をすぐに容易に把握することができるという観点で、職員がそういうものを確認しに行かなくてはいけないという負荷を軽減するということでありますとか、インカムによりまして職員同士の緊密な連携が可能になるということで、職員に対する負担の軽減ということにもつながりますし、またこれによって、夜勤に従事する人数が減るということであれば、職員一人一人の方が夜勤に従事する日数も減少するということで、職員の負荷が減るのではないかと考えております。
 また一方で、夜勤の日に労働環境が悪くなってしまうのではないかという御懸念は当然あろうかと思いますので、そこに対しては安全体制の確保の要件といたしまして、職員に対する十分な休憩時間の確保、具体的にはロボット導入の従前以上の休憩時間を確保するということを要件として定めまして、これを指定だとか更新、あるいは監査、そういった場のときに、休憩時間をどれだけ確保しているのかということもきちんと見ていきながら要件の確保をして、労働環境が従前より悪くならないということをきちんと見ていきたいと思っております。
 また、論点マル8のところにつきまして、サービスの質の向上という点でございます。データでも出させていただきましたけれども、介護福祉士が直接的に介護する時間というのが増えております。
 また、サービスの質の向上という観点では、これはロボットとかを入れればいいというだけの話ではなくて、現場革新会議の基本方針にも示しましたけれども、現場の業務の洗い出しであるとか、その中でロボットをさらにこういうところに使えばいいであるとか、元気な高齢者を活用するだとか、そういったところのPDCAを回していくことによって、そういったサービスの質の向上を図ってまいりたいというところでございます。
 また、介護老人福祉施設のところで留意点でございます。留意点につきましては、我々としては労働関係法令をきちんと遵守していただくということを徹底するという意味で留意点をきちんと示させていただいて、職員の勤務シフトを組みやすくするという働き方改革を推進するという観点を明確にさせていただき、これを保険者、施設に徹底させていただきたいと考えておるところでございます。
 以上です。
○笹子認知症施策・地域介護推進課長 推進課長でございます。
 伊藤委員から資料1の論点マル1、公正中立なケアマネジメントのための取組の一環として、利用者への説明事項について、これで公正中立ということが担保できるのか、利用者は納得してしまうのではないかという御質問がございました。
 ここに掲げている訪問介護、通所介護、福祉用具貸与、地域密着型通所介護については、現在、特定事業所集中減算がかかるサービスとなっています。現在でも、前6月間に作成したケアプランに位置づけられたこれらのサービス回数のうち、同一事業所によって提供されたものの割合が80%以上というもので特定事業所集中減算がかかるということでございます。こういったことも踏まえて今回の御提案しておりますけれども、利用者へ説明する事項であるとか、あとは情報公表システムに掲載する事項、こちらにつきましては御指摘も踏まえてどういったことが適切なのか、さらに検討してまいりたいと思います。
 さらに、資料9の論点マル2、訪問介護の2SDなどについての御指摘で、今後抽出した後何をするのかという御質問でございました。現行の生活援助の訪問回数が多い利用者への対応の仕組みにつきましては、御提案しているとおり、ケアプランを届け出る頻度など現場の負担というものを緩和するということも含めて運用面の見直しをしつつ、さらに訪問介護サービス全体ではなくて、利用者の意向や状態像に合った訪問介護の提供につながることができるようなケアプランの作成という観点から、一定のものに絞って検証するということであります。検証するということでありますので、現在のこの2SDの手法、ケアプランの検証、現在であれば地域ケア会議などということでありますけれども、これについては今後検証の仕方を、ほかの場も想定するわけでございますけれども、ここで具体的に検証していただいた上で、必要に応じて利用者の自立支援、重度化の防止などに資する観点からサービスの内容の是正を促すということが想定されると考えてございます。いずれにしても具体的な制度設計については引き続き検討してまいりたいと存じます。
○田中分科会長 お願いします。
○菱谷認知症総合戦略企画官 認知症総合戦略企画官でございます。
 資料6の地域包括ケアシステムの中の論点マル2のところ、認知症の研修のところについて何が変わるのかという御質問でございました。こちらについては情報公表制度の中で、現行でも事業所の質を向上させるための研修の欄には空白の欄だけが設けられている状況で、そこで任意に入力することになっておりましたが、今後は認知症の対応力を向上させていく観点から、例えば認知症介護指導者研修であるとか、実践リーダー研修であるとか、介護実践者研修などについて具体的に欄を設けて、そこの受講人数を入力させるようなことも検討していってはどうかと考えております。
 以上です。
○田中分科会長 回答ありがとうございました。
 お待たせしました。浜谷委員、どうぞ。
○浜谷委員 ありがとうございます。全国町村会からということで、青森県階上町長の浜谷と申します。よろしくお願いいたします。前委員でありました山口県の椎木周防大島町長の後任ということで参加させていただきました。
 階上町は青森県の東南に位置おりまして、東は太平洋、南は岩手県に隣接しております。人口は約1万3000人、高齢化率は約30%となっております。独り暮らしの高齢者や認知症高齢化が今後さらに増加することが見込まれる中、やはり私どもの町でも、医療、介護人材の確保などが大変大きな課題となっております。そのような町の現状などをこの分科会において訴えていければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、3点ほど意見を申し述べさせていただきます。
 初めに、資料5の「感染症や災害への対応力強化」についてです。
 20ページの論点マル2の対応案に、「全ての事業者を対象に、運営基準において、業務継続に向けた計画等の策定を求める」とありますが、小さな事業者では人的余裕やノウハウがないことなどによって、対応がなかなか難しいのではないかと思われます。もし、運営基準でそれを求めるのであれば、小さな事業者でも計画等が策定できるよう、国が責任を持って、きめ細やかな、丁寧な支援を継続的に行うことが必要であると考えております。
 次に、資料7の「自立支援・重度化防止の推進」についてであります。
 69ページの論点マル4に対する対応案では「口腔衛生管理体制加算」を、また、79ページにあります論点マル5に対する対応案では「栄養マネジメント加算」を廃止して、その要件を基本サービス費の要件とするとの記載がありますが、このことによって、人材が限られている中山間地域等の施設等において混乱が生じないか、十分な検証を行った上で判断する必要があると考えております。
 最後になりますが、資料6の「地域包括ケアシステムの推進」についてであります。
 今回示された資料では、「認知症への対応力強化」が主に取り扱われております。加えて、中山間地域等の市町村にとって重要なことは、「都市部や中山間地域等のいかんにかかわらず、本人の希望する場所で、その状態に応じたサービスを受けることができるようにすること」であります。(改行削除)この点については、前回の報酬改定の際の審議報告において、「今後の課題」として「引き続き検討していくべき」とされておりますので、今回の報酬改定の議論の中において十分に検討いただきたいと思っております。
中山間地域等では、事業者が参入できない、参入しても経営が大変困難、規模の大規模化も難しいなど、他の地域とは異なる事情を抱えております。その中にあっても、地域の高齢者のためにサービスを提供し続けなければなりません。例えば、過去の報酬改定で、特養の入所資格が全国一律で要介護3以上の高齢者に限定されたことにより、特養が地域の介護の中心を担っているところでは大変大きな影響を受けました。本日の資料2の論点マル6の小規模特養の基本報酬の問題も同じでありますが、全国一律的なものにするのではなくて、中山間地域とそうでない地域など、地域の実情を踏まえた対応が必要ではないかと考えております。
 また、安定的・持続的に介護保険サービスを提供するためには、介護人材の確保も不可欠であります。資料8に、「介護人材の確保」に係る論点と対応案がありますが、人手不足が特に深刻な中山間地域等でも介護人材が確保できるよう、そして各種専門職との連携等によって、自立支援、重度化防止が推進できるような支援体制の構築をぜひお願いいたしたいと思います。
ぜひとも中山間地域や離島等の高齢者が置き去りにならないような対策を検討いただきたいと思います。
 以上であります。よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 御意見ありがとうございました。
 最初に手を挙げていらっしゃった安藤委員、石田委員、その後に休憩を入れます。
○安藤委員 ありがとうございます。
 まず、介護老人福祉施設の報酬基準について意見を申し上げます。
 資料2の39ページの小規模特養の基本報酬に関する論点につきましては、基本的には経過措置を廃止すべきと考えますが、42ページの調査結果等を踏まえますと、地域差を含め経営実態を調査した上で対応を検討することも一定理解できますので、今回、経過措置を維持するという判断をするのであれば、期限を決めた上で検討していただきたいと思います。
 続きまして、介護医療院・介護療養型医療施設の報酬・基準につきまして意見を申し上げます。
 介護医療院への移行支援に関わる移行定着支援加算につきましては、資料4の24ページの対応案のとおり期限どおり終了していただき、地域医療介護総合確保基金や予算事業等により移行を支援していくことが適当であると考えます。
 介護療養型医療施設につきましては、32ページの対応案のとおり、介護医療院等への移行等の検討状況を報告する仕組みを設けることに賛成いたします。
 また、以前にも申し上げましたとおり、許可権者が報告内容を確認し、必要に応じて助言等を行うことが重要であると考えますので、具体的な検討状況が共有されますよう、統一的な報告様式を整備するなど、運用面での工夫をお願いしたいと思います。
 続きまして、介護人材の確保・介護現場の革新ですが、資料8の31ページの介護職員等特定処遇改善加算に関する対応案につきまして、「経験・技能のある介護職員」の処遇を改善することでキャリアパスを描けるようにし、介護現場への定着促進を図る必要があることや、導入後間もないことなども踏まえまして、現行の仕組みを維持してはどうかと申し上げてまいりましたが、少なくとも今回御提案内容を見直していただいたとおり、「その他の介護職員」と「その他の職種」との間の配分ルールは維持すべきであると考えます。
 最後ですが、その他の事項の介護事業経営実態調査の有効回答率の向上につきましては、
やはり現在、有効回答率がまだ非常に低いので、これを基にして介護報酬に関する議論を行う上での資料としては不十分だと思われますので、ぜひ回答率向上のための検討を進めていただければと思います。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 石田委員、どうぞ。
○石田委員 ありがとうございます。
 私からは5点の意見を申し上げたいと思います。
 まず、資料1、居宅介護支援・介護予防支援のところの論点のマル6、介護予防支援についてです。これについては最初のところで、「業務負担が非常に大きいとされる介護予防支援におけるケアマネジメント業務」と記されており、この介護予防のケアマネジメント業務の負担が非常に大きいということが挙げられています。
 今回、地域包括支援センターから業務を居宅介護支援事業所に委託するという件で、役割をいろいろ分担するということそのものについてはいいとは思います。ただ、こうした現状について、利用者の側からすると、一番最初に介護保険サービスを利用するときの手始めである介護予防ケアプランの策定が、こんなにも大変で、地域包括支援センターはアップアップ状態であり、その一部を引き受ける居宅介護支援事業所もなかなか見つからないというのが現状ということなら、大きな不安に駆られてしまいます。ですから、この介護予防支援、介護予防マネジメントに関しては、根本的な内容についての見直しとか整理ということがもう一回必要ではないかと考えます。これからも対象者が増えることは明らかですので、この辺のところの対応をちゃんと考えていかないと、どちらにしてもみんなどこも手いっぱいで対応が困難となると、実際に一番困るのは利用者ではないかと思います。自身によるケアプラン作成ということも現実的にはなかなか難しく、この点については今後の検討としてお願いしたいと思います。
 次に、資料2、介護老人福祉施設における論点マル2です。
 先ほど伊藤委員からもありましたけれども、1ユニットの定員をこれまでおおむね10人以下であったところを15名程度に拡大するとあり、1.5倍に一気に増えるということで非常に懸念しております。実際にユニットで働くスタッフの方たちの声を聞いたことがありますが、ユニット以外のところよりは業務負担が非常に重いということでした。ユニットでは個別ケアが重視されるため、ケアも手厚くなるので当然とは思いますが、ここで対象の人数を1.5倍に増やすとなれば、さらに業務過重につながってしまうのが明らかではないかと思います。
 先ほど、労基法を含む労働関係法にのっとってという御説明がありましたけれども、もしそうであれば、その分についてはきちんと明文化すべきであると思います。それにも増してやはりこの1.5倍、15人というところの数はやはり多すぎると考えますので、もう一度検討していただきたいと思っております。
 その次が、同じく資料2の論点マル5、高齢者虐待防止の推進のところです。
 ここにおいては責任者を設置するとか、必要な体制を整備してスタッフへの研修受講なども規定するということがあって、これは大変重要だと思いますけれども、例えばスタッフのメンタルケアとか、そういった相談体制もちゃんと整備するという文言がぜひあったほうがいいのではないかと思います。これは要望として申し上げておきたいと思います。
 それから、資料5の感染症や災害への対応力強化につきまして、11ページにありますように、今回のコロナの件で、「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱い」というのが一覧で出ております。これはあくまでも今回の件で臨時的ということでの対応ですけれども、例えば、そこの3番目の通所サービスで、6月に出ました事務連絡も踏まえて、この件についてはこの審議会でも委員の方々から御意見が出ております。つまり、この臨時的対応という文言ですけれども、いつまでを臨時的とするのか。この言葉をいつまで使い続けているのは問題なのではないかなと思います。今回のコロナ禍はもう少し長引きそうですし、またこれが終息してもそれと同じようなことが再び起きるというのはあり得る可能性が高いですから、今回の経験を踏まえて、今後恒常的な体制づくりをどうやって考えていくか。もうその段階に来ていると思います。ここについては横断的な内容ですから、ぜひもう一度議論をしていく必要があるかと思います。
 それから、資料8の介護人材の確保・介護現場の革新のところで、論点マル7です。
 これは先ほど伊藤委員も出されておりますけれども、夜間における人員配置というところです。現行の0.9人を0.5人に、半分にするとなっています。その代わり見守りセンサーは導入100%にするということです。例えば通常の何も問題がないときであればこの体制でいける可能性は高いかもしれないのですが、もしも何らかの異変や突発的な事件とか、そういった緊急事態が発生したときにどう対応するかというところは、明らかにされていません。これについては非常に重要なところなので、例えばそこの一覧にあります「その他の要件」というところで、緊急事態発生の際にどうするのかという内容がきちんと明文化されていないといけないのではないかと思います。ここを検討していただきたいと考えます。
 最後です。同じく資料8の論点マル10、文書量の負担軽減というところになります。
 ここの対応案のほうで、ケアプランとか重要事項の説明における同意書への押印欄を削除してはどうかということがあります。今、印鑑をなくすであるとか、押印習慣を改めようという流れは強く言われているところでありますけれども、どうもこれは、今年の7月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針」に引っ張られ過ぎているのではないかなと感じます。現場で、例えば同意書へ印鑑を押すということが大変大きな負担になっているのかどうか。これは利用者も含めてです。つまり、もっと現状を知ったうえで、今までどおりでもいいというような選択肢を設けておいたほうがいいのではないかと思います。全部なくしていくということのほうが逆に混乱を招くのではないかなと感じましたので、申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○田中分科会長 多様な意見をありがとうございました。
 5分間休憩を入れます。
 
(休  憩)
 
○田中分科会長 再開いたします。
 なお、もし今日中に発言できない方がおられましたら、次回の冒頭に今回分の発言時間を設ける予定でございますので御安心ください。
 
 井上委員、小玉委員、小泉委員、たくさんいらっしゃいます。順番に行きます。東委員も挙げていらっしゃいますね。
○井上委員 ありがとうございます。
 まず、資料1の居宅介護支援・介護予防支援、21ページ目の論点マル2でございますけれども、ICTの活用を図っている事業所につきまして、質の確保あるいは業務の効率化に向けてICTを本格的に活用している事業所というふうに、もう少し定義をさらに厳密化するということが必要だと思います。また、今回につきまして、継続的に調査を行ってさらなる見直しを行っていくというサイクルが必要だと思います。
 資料2、特養でございます。
 39ページ目の論点マル6でございますけれども、小規模特養の基本報酬につきましては、検討を行うことは自治体によって状況が異なっておりますので必要だとは思いますけれども、やはり一定の期限を設けて検討することが必要ではないかと思います。
 引き続きまして、資料5、感染症や災害への対応力強化でございます。
 30ページ目の論点マル4につきまして、事業所規模別の報酬に関する対応の提案につきまして理解はできますけれども、やはり災害対応につきましては、公費と保険料をどう使い分けていくのかということにつきまして、その整理をしながら進めていくということが必要だと思います。
 続きまして、資料7、自立支援・重度化防止でございます。
 69ページ目の論点マル4の口腔衛生管理体制加算、あるいは78ページ目の論点マル5の栄養マネジメント加算の基本サービス費の要件化につきましては、ぜひとも全体として給付の適正化を前提に検討を進めていただきたいと思います。
 続きまして、資料8、介護人材の確保・介護現場の革新でございますけれども、この論点が今後の介護保険制度の中で最も重要な課題の一つだと思います。
 31ページ目の論点マル4に、介護職員等特定処遇改善加算の御提案がございますけれども、やはり当初の目的であります「経験・技能のある介護職員」に対して重点的に処遇改善をするという趣旨は堅持をする必要があります。この特定処遇改善加算につきましては公費1000億円、保険料1000億円という期中の特別な改定ということで行われたものでございますので、従来から申し上げておりますけれども、ぜひともこの特別の改定がどのような効果があったのか。介護職員の人材の確保に向けてどのような効果があったのかというのは、必ずこれは検証していただきたいと思います。
 また、56ページ目以降の論点マル7、マル8、マル9、この辺りでございますけれども、やはり介護人材の確保と同時に、介護現場の革新をしていくということが非常に重要です。これにつきまして、介護ロボット、ICTの利活用、センサーの活用、こういうものにつきましてはぜひとも前向きに積極的に活用しながら、介護現場の革新を進めていっていただきたいと思います。
 また、資料9、制度の安定性・持続可能性の確保でございますけれども、9ページ目の論点マル2につきましては、この対応案の3つ目の■で示されておりますけれども、ケアマネの事業所の点検・検証の仕組みがぜひとも重要でございますので、点検・検証はぜひ実施していただきたいと思います。届出、検証が年1回というのは、我々としてはその牽制機能とか実効力が失われるのではないかという懸念は若干持っております。
 最後に、25ページ目の論点マル4、福祉用具の貸与・販売の在り方につきましては、今後検討ということでございますけれども、具体的な検討のスケジュール等々につきましてもお示しをいただきたいと思います。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 小玉委員、お願いします。
○小玉委員 田中分科会長、ありがとうございます。
 本日、私からは、資料7、自立支援・重度化防止の推進につきまして、4つの意見と要望を申し上げまして、1点質問をさせていただきたいと思います。
 69枚目の論点マル4、介護保険施設における口腔衛生管理の対応案にございますように、全ての介護施設で体制確保が進むように、口腔衛生管理体制加算の基本報酬への包括化には賛成いたします。
 ただし、歯科医師またその指示を受けた歯科衛生士との定期的な連携を図った上での口腔健康管理が行われる体制は堅持すべきであろうかと思います。
 これにつきましては、77枚目に口腔衛生管理体制加算の算定についてがございますけれども、この右側に、算定していない理由として、月1回来てくれる歯科医師、歯科衛生士が見つからないという回答が見られます。
 日本歯科医師会といたしましては、都道府県歯科医師会とも連携しながら、このような場合は地域歯科医師会への介護保険施設からの相談があれば、当該施設に歯科医師を紹介、推薦できる体制をさらに整備してまいりたいと存じます。
 また、初めて入所者の口腔ケアマネジメントに関わる計画を立案する際には、多少準備も必要でございますけれども、同じ77枚目の上段にございますように、一度対応をされますと当該加算が継続した実施とつながっておりまして、さらに入所者の皆さんそれぞれへの口腔衛生管理が整えば、71枚目の入所者の体重減少に対する効果や、72枚目の入所者の肺炎発症に対する効果等の介入効果へとつながります。
 したがいまして、入所者の皆様の健康管理の観点からも、このように包括化されても口腔衛生管理体制の継続は大変有効でありますし、そういうことを考えれば困難ではないと考えますので、よろしくお願いしたいと存じます。
 1つ質問がございます。
 現在、口腔衛生管理体制加算は介護老人保健施設等の施設だけではなく、特定施設や認知症グループホーム等でも算定できるものとなってございます。今回の議論では施設での基本サービスへの包括化というところになってございますが、これらの居住系サービスについては口腔衛生管理体制加算は包括化しないということでよろしいのかどうか、後ほど御回答をお願いしたいと思います。
 続きまして、2つ目の意見でございます。
 同じページの下段に、口腔衛生管理体制加算について上位加算の新設というところがございます。CHASEへの収集項目とするようなことを考えておられると思うのですけれども、その際にはぜひとも入力しやすいような様式や文言への見直しをお願いしたいと思います。
 3点目になります。
 資料7の79ページ目、論点マル5、栄養ケア・マネジメントの強化の対応案についてでございます。
 一番下の■にございますとおり、経口維持加算の原則6月経過後の対応については賛成いたします。
 47枚目、論点マル2に、リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の一体的な運用の対応案の2つ目の■にございますように、これらの実施計画書の整理見直しで一体的に記入できる様式への見直しというのが行われてございます。経口維持加算の文言や様式につきましても併せて整理していただきたいと要望いたします。
 また、先ほどの口腔衛生管理体制加算のほかにも、口腔衛生管理加算、また口腔機能向上加算等がございますので、やはりCHASEへの入力等を勘案して、それぞれの様式の記載項目の整理見直しを全体的にお願いしたいと思いますので、要望といたします。
 最後になりますが、同じ資料の88枚目、論点マル7、通所サービス利用者の口腔機能の向上、すなわち、通所サービス、地域密着型サービスの利用者への口腔スクリーニングの実施についてでございます。これによりまして、早期に歯科的介入ができることは極めて重要でございますので、大いに賛成いたします。ここでは、栄養スクリーニングと併せての実施としていただいてございますけれども、口腔スクリーニング単独でも実施できるように要望いたします。
 また、現在の栄養スクリーニング加算は、6月に5単位と非常に点数が低いわけでございますけれども、通所施設の職員の方々が口腔スクリーニングを行った場合には、その結果の説明等や、ケアマネジャーへの連絡等も行われることになりますので、そのような負担に応じた評価をしていただきたいと要望いたします。
 以上です。ありがとうございます。
○田中分科会長 質問にお答えください。
○眞鍋老人保健課長 口腔衛生管理体制加算の御質問でございました。現時点で私どもが御提案申し上げているのは、まずは施設サービスということでございます。
 以上でございます。
○田中分科会長 小泉委員、どうぞ。
○小泉委員 ありがとうございます。全国老人福祉施設協議会でございます。
 まず、居宅介護支援についてでございますが、論点マル1、論点マル2、論点マル3、論点マル5、論点マル6については、対応案のとおりでよいかと考えます。
 論点マル4につきましては、緊急的な対応に係る実費の徴収についてということでございますが、まずは介護支援専門員の実態を御理解いただきたいと考えます。諸事情により状況を踏襲するという流れのようでございますが、実務に障害が生じないように配慮いただき、引き続き検討をいただきたいと考えます。
 介護老人福祉施設についてでございますが、論点マル1から論点マル6の対応案については、以前から協議されていた内容が中心であり、また、当協議会からの要望事項も取り上げていただいておりますので、対応案のとおり推進、検討いただければ大変ありがたいと考えます。
 かねてから申し上げておりました小規模特養の基本報酬につきましては、地域差等の経営実態を踏まえて、今後に向けて御検討いただきたいと思います。今後は、サービスの種別を問わず、管理者としての立場は同一敷地内複数施設の事業所を兼務できる体制としていただくなど、御検討いただきたいと考えております。他の職種についても、同一敷地内の事業所間であれば兼務できるようにするなど、働きやすい勤務体制を御考慮いただきたいと考えます。
 次に、自立支援・重度化防止の推進につきまして、論点マル3でございますけれども、ADL維持等加算につきまして、要件緩和をぜひとも実施すべきと考えます。また、他のサービスに適用するとのことですが、特に看取りまで支える生活支援施設である特養で、ADLだけの改善を目指していくということは難しい場合がございます。老衰の状況にある中で状態の維持が続くということが評価されるべき取組かと思いますので、ADL利得の考え方につきましては、その点に配慮いただければと考えます。
 論点マル5でございますけれども、栄養ケア・マネジメント加算の基本サービス費の要件とする対応案につきましては、現在まで栄養ケア・マネジメントを実施してきた事業所に極端な不利益とならないよう、現在までの実績を御理解いただき、栄養ケア・マネジメントの質が低下しないよう配慮いただきたいと考えます。
 また、これまで実施されていない事業所に対しては経過措置を設けるとのことですが、職能団体の認知によるみなしを行う等、経過措置の対応についても考慮しておく必要があると考えます。
 栄養ケア計画については、論点マル2の実施計画を一体的に記入できる様式に見直すべきと考えます。経口維持加算の算定期間の見直し、褥瘡マネジメント加算と栄養関連加算の併算不可とする要件の見直しは実施すべきと考えます。
 次に、論点マル8でございますが、通所事業所における栄養ケア・マネジメントについてですが、管理栄養士と介護職員との連携等において、本体施設に配置された管理栄養士が兼務しても双方の事業所の基準を満たせるよう、配置要件の緩和を検討いただきたいと考えます。
 論点マル9においても同様に、兼務でグループホームにおける助言や指導ができるよう、御配慮いただきたいと考えます。
 論点マル12でございますが、排せつ支援加算を全ての入所者に対して定期的にスクリーニングを行い、事業所全体の取組とすること及び6か月以降も継続して算定ができることにつきましては、設置に向けて推進すべきと考えます。
 次に、介護人材の確保・介護現場の革新についてでございます。
 論点マル4、介護職員等特定処遇改善加算についてでございますが、11月9日の分科会では、平均の賃金改善額が、「経験・技能のある介護職員」は、「その他の介護職員」の「2倍以上とすること」から「より高くすること」とし、「その他の職種」は、「その他の介護職員」の「2分の1を上回らないこと」から「より低くすること」とする。また、その他の職員の年額440万円を上回る場合は対象外としていた条件があって、倍と提案されておりましたが、今回は内容が修正されています。現場では、介護職員と調理員、看護師、生活相談員との不均衡が生じ、困惑していたところでございます。その他の職種について、より低くする件と440万円の件につきまして、御検討の余地があれば再考いただきたいと考えます。
 次に、論点マル5でございますが、サービス提供体制加算につきまして、上位の加算を設けることは、キャリアアップの推進に対する評価として優位ではございますが、財政中立を考えると、下位の加算は単位数が減ることになりますが、差があまり拡大しないように御配慮いただきたいと考えます。
 39ページの見直しイメージの表では、I(新たな最上位区分)とII(現行の加算Iイ相当)のパーセントが20%のサービスもありますが、15%から10%ぐらいで検討すべきと考えております。
 論点マル6でございますが、ハラスメント対策を求めることについて、今回の改定で運営基準において定める案件が多数あり、介護現場が混乱しないよう、負担軽減及び猶予措置等の配慮が必要かと考えます。
 最後に、その他でございますけれども、論点マル1の現在の基準費用額は1,392円でございますが、令和2年度介護事業経営実態調査の4万3914円からすると、実態は1,445円程度となっており、見直しを検討いただきたいと考えます。特養で60%弱の事業所が給食業務を委託しておりますが、現行の基準費用額では運営ができず撤退する業者もございます。1,450円程度の費用は最低限必要な経費と考えられます。
 また、クックチルもさほどの経費節約にも至らず、耐えかねて食費の値上げを実施しても、地方では4段階の利用者様が少ないため、実質的には意味のない値上げとなってしまいます。当協議会が行った調査でも、食費収入は利用者1人1日当たり1,377円の一方で、材料費、調理員人件費等の費用は1,452円まで高騰しており、日額75円がマイナスということです。またこれが100名の規模であれば年間300万円近くになり、決して小さい額ではございません。平均的な費用がこれだけ高くなっている現状ですので、ぜひとも見直しを御検討いただきたいと切にお願いを申し上げます。
 最後に、論点マル2でございますが、人件費割合について全てのサービスをお示しいただいたことは大変ありがたく感謝申し上げます。引き続き、継続的に把握を進めていただき、現実に即した改定を御検討いただきたいと考えます。
 以上でございます。ありがとうございました。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 東委員、お願いします。
○東委員 全国老人保健施設協会会長の東でございます。老健施設のことを中心に御意見を申し上げます。
 その前に資料1「居宅介護支援・介護予防支援の報酬・基準について」1点だけ御意見を申し上げます。
 8ページに「特定事業所加算(質の高いケアマネジメントについて)【見直しイメージ】」がございます。その(5)に要介護3~5である者の占める割合が100分の40以上であること、いわゆる中重度者要件がございます。また今回、資料1の44ページに介護予防支援策として、介護予防ケアマネジメント業務を地域包括支援センターから居宅介護支援事業者への委託を推進するための対応案が出されております。しかし、この(5)の、いわゆる中重度者要件がありますと、居宅介護支援事業者側が委託を断ることも想定されます。ここは認定分布の実態に合わせて、この100分の40を、100分の30から35%としてはいかがかというふうに提案をさせていただきます。
 次に資料3「介護老人保健施設の報酬・基準について」、論点マル1から順に御意見を申し上げたいと思います。
 まず、論点マル1「介護老人保健施設の在宅復帰・在宅療養支援等指標」でございます。これにつきましては、訪問リハビリの比重を高くすること、3職種の配置を評価すること、これは賛成でございます。ただ、この両点の改革により、現場の負担、特にぎりぎりで指標を取っているところが落ちてしまうということもございますので、この次の医師の指示に関する事項の明確化と併せまして、現場の負担が過大にならないように配慮をお願いしたいと思います。
 次に、論点マル2「中重度者や看取りへの対応の充実」です。「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」等の内容に沿った取組についても賛成でございますが、前回も申し上げましたように、全国老人保健施設協会(全老健)でも、「介護老人保健施設における看取りのガイドライン」を出しておりますので、そのようなものも使っていいということでお願いを申し上げます。算定日数を延長させる点については賛成でございます。
 論点マル3の「居宅介護支援事業者との連携(退所前連携加算)」については賛成でございます。
 それから、論点マル4「入所者への医療の提供(所定疾患施設療養費)」でございます。対応案に書いてありますように、検査の実施を明確化、義務化するのは賛成でございますが、1点だけ、帯状疱疹につきましては、これは検査のしようがございませんので、これについては義務化は御配慮をお願いいたします。
 そのほかは賛成でございますが、ここで1点、私から短期入所療養介護について御意見を申し上げます。
 今回、資料には出ておりませんが、老健施設の在宅支援機能を考えましたときに、この医療ニーズに対応した療養ショートの意義は大変大きいと思われます。我々全老健といたしましては、一定の犠牲を払ってでも医療ニーズに対応した加算の創設をお願いしたいと思っております。
 論点マル5の「かかりつけ医との連携(継続的な薬物治療の提供)」に関しても賛成でございます。老健施設の管理医師とかかりつけ医との密接な連携が図られるような詳細を検討していただければ助かります。
 次に、論点マル6「介護保険施設のリスクマネジメント」についてです。
 対応案については賛成でございます。特に4番目、安全対策をより一層強化していくために、外部の研修を受けた担当者が配置され云々とございます。これにつきましては、私ども全老健が12年以上約2,200名のリスクマネジャーを養成してまいりましたが、こういうリスクマネジャーが該当すると考えております。ぜひ評価していただきたいと考えます。
 老健施設については以上でございます。資料4の介護医療院について1点だけ御意見を申し上げます。
 資料4の40ページに、令和2年度診療報酬改定において療養病棟入院基本料が「100分の90」から「100分の85」に見直しが行われたことを踏まえ、介護保険の療養病床に対する評価の見直しが提案されております。これはあまりに急に下げますと現場の混乱を来すと思われますので、激変緩和の措置が必要かと考えております。
 次に、資料7「自立支援・重度化防止の推進」について御意見を申し上げます。
 VISIT・CHASEによるPDCAサイクルの推進というものが論点マル1で提案されております。
 資料7の16ページ「VISIT・CHASEによるPDCAサイクルの推進に係る評価の全体像(イメージ)」を見ますと、施設サービスにおきましては、利用者ごとのサービス単位と、上に施設単位という御提案がされております。これにつきましては賛成でございますが、VISITの立てつけは大変問題があり、算定が非常に少ないという状況もございます。今回、VISIT・CHASEの推進を図る意味でも、こういう施設単位というものをつくっていただいたのはありがたいと思います。
 ただ、この施設単位につきましては、利用者全員からのデータ収集を基本とされますと現場では大変算定が厳しいです。現場が取り組みやすいような要件にしていただかないと、施設単位というものもなかなか算定しづらいのではないかと思います。同様に利用者個々のサービス単位につきましても現場の負担がなくなるような工夫をしない限り、この算定が進まないと思いますので、よろしく御検討のほどお願いいたします。
 最後に資料7の79ページ「栄養ケア・マネジメントの強化」についてです。
 最後の■のところに、褥瘡マネジメント加算と栄養関連加算を併算不可とする要件を見直してはどうかと書いてございます。私は何度も申し上げておりますように、褥瘡というのは栄養の問題と切り離しては考えられません。この褥瘡マネジメント加算と栄養関連加算を併算できるようにするというのは非常に重要だと思っております。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 濵田委員、河本委員、岡島委員、鎌田委員、お願いします。
○濵田委員 ありがとうございます。
 私からは、居宅介護支援・介護予防支援を中心に意見を述べさせていただきたいと存じます。
 まず、論点マル1の質の高いケアマネジメントでございます。
 既に御承知のとおり、介護事業経営実態調査に示される収支状況からいいまして、居宅介護支援事業所の経営基盤は、他の介護保険サービスに比べまして非常に弱い状況が続いております。特に、特定事業所加算が算定できていない居宅介護支援事業所は、収支差が恒常的にマイナスとなっておりまして、直近の調査でもマイナス1.6%、全体でございますけれども、本来は介護保険サービス、他のサービス創設前後と同様に、収支が均衡するまでは基本報酬改善等により対応すべきと考えております。しかしながら、財政中立等諸課題もございまして、それによる対応が困難な状況が続く中で、何とか特定事業所加算を算定することで事業所収支が均衡する状況でございます。
 また、資料の14ページにございますが、特定事業所加算の算定ができております事業所が3割弱ということで、なかなか算定が難しい。相対的には残りの事業所が赤字であることが想定されているということがございまして、現在の案にございますように、加算算定事業所が少しでも増えることで経営も安定することが期待できるかと存じます。もちろん、その成果につきましては、今回の経営実態調査でも見られますように、給与費の上昇等、介護支援専門員の処遇改善につながる体制づくりをさらに進めていく必要があると考えております。このことは、質の高い介護支援専門員の確保にもつながるものでございまして、この視点を重視して進めていただければ幸いかと存じます。
 また、先ほども御意見がございましたけれども、特定事業所加算のIは、同じく14ページで算定率が1.05%と低うございます。介護予防支援の受託を進めるほど重度化要件を満たすことが難しくなるなどの側面もございますので、今後、算定要件の見直しなど、算定可能な要件を御検討いただければと存じます。
 論点マル2の逓減制でございますが、これも制度導入時と比べまして質の向上を目的とした制度改正や加算の算定の実施、研修体系、カリキュラムの見直し等により、介護支援専門員の業務遂行能力は向上しております。主任介護支援専門員につきましては、各都道府県で法定外研修の参加義務化や、ケアマネジメントの体系化など、質向上にも寄与しております。このため、逓減制につきましても、論点マル1同様、経営や処遇の改善と質の向上が期待できる可能性もございますし、また、人口が少ない地域におかれましては、先ほどの特定事業所算定までの規模拡大がなかなか難しいということがございますので、案に沿って進めていただければと存じます。
 論点マル3の通院時の情報連携につきましてでありますが、平成30年度の改定検証調査によりまして、通院に同行したと回答した介護支援専門員が半数以上ございまして、内容につきましても、利用者が医師に病状説明等をうまく伝えられないためや、医師からの指導を利用者が理解できないためというものが6割を超えてございます。そういうことでございまして、こちらのほうも原案どおり、適切な報酬上の評価をしていただければ幸いかと存じます。
 論点マル5でございますけれども、現在の制度では、一連のケアマネジメントプロセスを行いましても介護保険サービスの利用実績がなければ、居宅介護支援費が算定されないという仕組みになってございます。これにつきましては、当協会も長年の課題として捉えておりまして、この間に私どものほうで実施しました緊急調査、居宅介護支援の実績に関する調査におきましても、やはり居宅介護支援でサービス利用実績がなく算定できなかった件数がある居宅介護支援事業所として、居宅介護支援費が算定できなかった事例が約60.3%、同じく、介護予防支援が算定できなかった事例のある事業所が18.7%です。これは令和2年9月実績分ということでございますが、こうした算定できない事例の存在が認められております。地域包括支援センター等では、もしかするとこの辺りは総合相談ということで対応されているのかもしれませんが、これは委託費の中に人件費の負担がございますので、居宅介護支援につきましては、報酬設計上そのような仕組みがございません。このように、介護保険サービスを利用せずに医療連携やインフォーマルなどの資源を活用して各種の支援を行った事例が報酬対象外となってございますので、論点の対応案のとおり適切な評価をしていただければ幸いかと存じます。
 論点マル6の介護予防支援についてでございます。当協会が実施いたしました調査におきましても、平成31年度1月でございますが、やはり負担が居宅介護支援と変わらないとの回答が93.9%となっております。こうしたことから適切な、今回の対応案のように、報酬の単価の改善及び今回の対応案のとおり評価いただければと存じます。
 また、先ほどの重度化要件の件もございますので、将来的には介護支援の担当件数の扱いは質を担保しつつ、居宅介護支援の例えば枠外とすることなども御検討いただければと存じます。
 続きまして、資料5の感染症や災害への対応力強化、論点マル2の業務継続に向けた取組でございます。災害時につきましては、当協会としましても、被災者アセスメントや支援に関して対応しておりまして、各都道府県支部におきましても、災害支援ケアマネジャー養成研修の実施により、日頃からの地域における減災や防災への備えを行っております。また、災害が発生した場合でありましても、必要な介護サービスが継続的に提供できるようにする観点から、全ての介護事業者がBCPを策定することは重要と考えております。その中で、介護支援専門員は在宅の要介護者のサービス調整の要としての役割が期待されていると考えまして、災害支援マニュアルを作成しておりますけれども、実際の災害発生時にもこのマニュアルに基づきサービス調整が行われている事例もございまして、このような取組を参考にBCPを作成し、発災時の対応を行うことが重要と考えております。
 それから、資料8の介護人材の確保・介護現場の革新、論点マル4の特定処遇改善加算でございますけれども、人材不足により地域によっては介護職員以上に管理栄養士、調理員、相談員、介護支援専門員などの人材が不足して、採用に困難を来している状況も見られております。そのため、その他の介護職員に準じた柔軟な運用を引き続き、先ほど小泉委員からも御意見がございましたけれども、検討いただければということでございます。
 また、その他、介護支援専門員の採用困難なために有料職業紹介等を利用せざるを得ない場面も増加しておりまして、この辺りの仕組みも抜本的な何かを検討いただければと考えます。高額な紹介料や契約内容の検討を何かお願いできればと思っております。
 それから、資料9、制度の安定性・持続可能性の確保、論点マル2の生活援助の訪問回数が多い利用者等への対応でございますが、対応案にございますように事業所単位で抽出することで、限られた人材の中で重点的に対応することも負担軽減と併せまして可能になるのではと考えております。
 また、実効性を高めるためということで、さらに専門的な人材ですね。保険者におかれましても介護分野であれば介護支援専門員ないしは医療、保健、福祉の専門職採用と同様に、採用や配置なども検討していただいてはどうかということでございます。
 それから、その他の事項の基準費用額、食費・居住費の費用額につきましては、引き続き検討をしていただければと存じますが、例えば、いわゆる補足給付対象外の各施設の食費や居住費の設定単価なども参考になるかと思いますので、その辺りもどういう設定が行われているかなども調査していただいてもよいのかなということでございます。
 以上でございます。ありがとうございました。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 河本委員、どうぞ。
○河本委員 ありがとうございます。論点に沿って何点か意見と質問をさせていただきます。
 資料4の介護医療院・介護療養型医療施設の報酬・基準についてでございますけれども、論点マル2ですが、介護医療院は長期にわたる療養が必要な方を受け入れるという機能を有している施設でございますので、療養病床における長期入院患者を受け入れた場合の加算が必要なのか、ここについてはちょっと疑問を感じております。
 論点マル3の、介護医療院の移行支援でございますけれども、移行定着支援加算については、これまでも来年3月末の期限どおりに廃止すべきだと申し上げてまいりました。サービス提供以外の部分について介護報酬の加算という形で評価するということは、利用者負担にも影響するので問題があると申し上げてきたわけですけれども、その意味では今回の対応案に賛成でございます。
 それから、論点マル4の早期の意思決定促進でございますが、介護医療院への円滑な移行と早期の意思決定を促すためには検討状況を報告すること、そして、その報告をしなければ減算するということに賛成でございます。
 論点マル5の介護療養病床の評価の見直しでございますけれども、医療療養病床に対する評価の見直しも踏まえて、「100分の90」の減算を「100分の85」にするなど、見直しをするべきだと考えます。
 続きまして、資料5の感染症や災害への対応力強化でございますけれども、全体の論点を通して、感染症対策とかあるいはBCPの策定、非常災害対策について運営基準などに規定すること、それから、経過措置を設けることには賛成でございます。
 また、通所介護の基本報酬について、報酬区分の決定に当たって、直近の実績を基礎とするということもよろしいのではないかと思います。
 続きまして、資料7の自立支援・重度化防止の推進でございますが、論点マル1の介護の質の評価と科学的介護の推進でございます。CHASE・VISITなどによる科学的介護の推進に賛成でございますが、データベースとフィードバックの活用に関する評価について、様々な加算に上乗せ的に評価を行うということであれば、現行の評価の見直しも含めて、財政中立的に実施をすべきだと思います。
 それから、従来から指摘されてきたとおり、入力等を軽減する取組ですとか、あるいは入力支援をする体制整備をきちんと進めるべきということは言うまでもないと考えております。
 続きまして、資料8、介護人材の確保・介護現場の革新の関係でございます。
 論点マル2の介護職員の処遇改善加算のIV・Vですが、これについては前回改定の審議報告、また、上位区分の取得が進んだということも踏まえて、廃止をすることに賛成でございます。新規取得は認めないこと、1年の経過措置ということもよろしいかと思います。
 論点マル3の職場環境等要件でございますが、過去に行った取組ではなく、当該年度における取組の実施を求めるということはよろしいと思うのですが、実施したかどうかのチェックとか、あるいはその実施ができなかった場合、その当たりはどういう取り扱いになるのかということを、もし既にイメージがおありでしたら厚労省に教えていただきたいと思います。
 論点マル4の介護職員等特定処遇改善加算ですが、前回、11月9日の提示内容よりも見直されておりますけれども、特定処遇改善加算のそもそもの「経験・技能のある介護職員」に重点化する、そういうもともとの目的を考えれば、より柔軟な配分を行うということに対しては、やはり慎重に考えるべきだと考えます。
 資料9の制度の安定性・持続可能性の確保でございますけれども、論点マル1の区分支給限度基準額の計算方法であります。通所系のサービス、小多機、看多機において、サービス利用者の公平性の観点から、減算前の回数を用いるという御提案には賛成でございます。
 また、通所介護、通所リハにおける大規模型の報酬についても、通常規模の単位数を用いるということは、経営の安定化とか効率性とか、あるいはサービスの質の向上などのために大規模化を促していくという観点から賛成でございます。
 論点マル2の訪問介護の生活援助の訪問回数が多い利用者等への対応でございますが、ケアプランの検証の仕方あるいは届出頻度に関する運用面の見直し、これにつきましては基本的に賛成でございます。
 また、身体介護に安易に置き換えられるケース等の是正に向けた対応ということで、今回、区分支給限度基準額の利用割合が高くて、かつ、訪問介護が利用サービスの大部分を占める、そういったケアプランを作成する居宅介護支援事業者を事業所単位で抽出するといった点検・検証の仕組みが御提案されておりますけれども、こういったことによって、もちろん事務負担への配慮が必要ですけれども、適正な検証ができるような仕組みとしていただきたいと考えます。
 論点マル3、サ高住における適正な介護保険サービスの提供でございますけれども、入居者への不適切な介護保険サービスを防ぐ観点からも、指定の際の条件を厳しくするなど、指導の徹底を図ることには賛成でございます。
 最後に、論点マル4、福祉用具の貸与・販売種目の在り方ですけれども、対応案にございますように、利用実態をしっかり把握した上で、適時・適切な福祉用具の利用、利用者の安全性、保険給付の適正化、そういった観点からも、これは検討を引き続き継続するべきだと考えております。
 以上でございます。
○田中分科会長 1つ質問が含まれていました。お答えください。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
 御質問は、資料8の25ページ目の職場環境等要件に関する対応案に係る当該年度の取組の実施を求めるということの、具体的な取扱いに係るものでございました。私どもとしては、この処遇改善加算を算定する際には、計画、実績を報告いただきます。その中にどのような記載があるかということで、当該年度にこのような取組を行ったということを求めることを想定してございます。
 ただ、それをどの程度のレベルで求めるかと。記載がない場合に減算するかどうかなどについてはまだ今後の検討で詰めていかなければいけないと思っております。
 以上です。
○田中分科会長 岡島委員、どうぞ。
○岡島委員 ありがとうございます。私からは4点の意見を申し上げます。
 最初に、資料2の介護老人福祉施設についてです。
 資料12ページの論点マル2、ユニットリーダーの出産・育児等に伴う一時的な常勤要件の緩和につきましては、働き続けられる環境整備の観点から必要なことだと考えます。
 しかし、1ユニットの定員を15名以下に引き上げることにつきましては、先ほど伊藤委員、石田委員の御指摘もありましたように、ケアの質の低下ですとか職員の負担増加に直結する問題であり、非常に懸念されるところでございます。
 特養、老健などの介護保険施設は、自立支援・重度化防止の推進の論点でも出ていますように、寝たきり予防や重度化防止に係る取組の評価を新設すると示されています。利用者一人一人の状態に合った個別的なケアを推進していくという方向性に対して、ユニットの定員緩和という方策は矛盾しているように思いますので、いま一度慎重な検討をお願いしたいと思います。
 次に、資料6の地域包括ケアシステムの推進に関してですが、7ページの論点マル1、認知症専門ケア加算の要件についてです。専門性の高い看護師を要件に加えていただくことなど、事務局提案の方向性に賛成でございます。
 次に、資料7、自立支援・重度化防止の推進についてです。
 論点マル7、マル11、マル12にあります口腔・栄養、褥瘡や排せつに関する支援につきましては、データに基づくPDCAサイクルの推進を御提案のとおり進めていただきたいと思います。取組の質を担保しながら確実に状態改善につなげるために、エビデンスに基づくケアと評価が不可欠ですので、統一的な定義や指標の活用につきましても賛成でございます。
 また、このような取組の評価につきましては、看多機もぜひ追加していただくよう要望いたします。看多機は、泊まり、通い、訪問を組み合わせて、かかりつけ医の指示のもと事業所内外の多職種連携による支援を行っておりまして、状態改善の成果も得られております。
口腔・栄養、褥瘡、排せつのアウトカム評価の仕組みに看多機も加えていただきますよう改めて要望いたします。
 最後に、資料8、介護人材の確保・介護現場の革新についてです。
 論点マル7の夜間の人員配置基準の緩和につきましては、192回の分科会でも申し上げましたとおり、反対の立場でございます。今回示されているデータではサンプル数も限られておりますし、これをもって配置基準を緩和するのは拙速ではないかと考えております。
 先ほど、各課長からの御説明もありましたが、テクノロジーの活用が職員の負担軽減につながるかどうかは現段階では未知数の部分もございます。
 また、今回新たに追加された57ページの資料では、利用定員が大幅に増やされる提案となっています。夜間は休憩中の職員の分もほかの職員がカバーしており、また、現場の職員は、昼夜関係なく排せつの介助や体位交換、歩行の見守りなど様々なケアを行っております。これらは見守りセンサーなどでは防ぎ切れない事故やけがのおそれもあるということから、安全の面で非常に懸念がございます。これでは介護人材の離職につながるおそれもあると考えております。
 このように、配置要件の緩和は、人材確保や負担軽減の面でも、サービスの質の確保の面でも大きな課題があると思いますので、慎重に御議論をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○田中分科会長 鎌田委員、その次に黒岩委員に行きます。
 鎌田委員、どうぞ。
○鎌田委員 ありがとうございます。
 まず、居宅介護支援・介護予防支援についてです。全体ですけれども、人材の不足についてですけれども、家族の会のアンケートでは、ケアマネジメントを担当するケアマネジャーを頼りにしている、助けられている。感謝しているという声がたくさんあります。
 その一方で、もっと相談に応じてほしい、制度についてもっと教えてほしい、介護者の状況や認知症の症状に理解を深めてほしいといった要望も多く寄せられています。在宅介護を支援するケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所の収支差率が改善されているのはよいことだと思いますが、一方で、ケアマネジャー不足も聞かれるようになっています。ホームヘルパーや介護職員と同じように、人材不足で多忙になり、相談支援など特に時間が必要な業務にゆとりを持って向き合えるよう見直しをお願いしたいと思います。
 次に、論点マル2、AIでのケアプランについてです。資料に、AIを活用したケアプランの作成の実用化に向けた調査研究事業の報告があります。事務作業などの効率化がされるのはよいことだと思いますが、人と向き合う時間がAIの導入で短縮されるものではないことに十分留意していただきたいと思います。
 また、専門家から見れば、質の高いケアプランであると評価があっても、実際に利用するには本人の経済的な事情、負担能力が大きな影響を与えます。AIが利用者の経済的負担を軽減するわけではないことも申し上げておきたいと思います。
 介護老人福祉施設ですけれども、人員配置基準についてですけれども、岡島委員もほかの委員の方も言われましたけれども、家族の会のアンケートでは、特別養護老人ホームを利用している人の家族から見て、介護職員にゆとりがないのではないかという声が幾つもあります。多忙なためか笑顔のない厳しい表情の職員に不安を感じています。地域包括ケアシステムの推進案の資料にも、施設系では夜間のみおむつを使用している利用者も多いという報告があり、適切な援助があればトイレの利用が可能な利用者が、夜間は施設の人員不足などのためにおむつを使用している場合もあるという指摘もあります。
 今回、施設系では人員配置基準の見直しが提案されていますが、入所者の処遇に支障がない場合、介護、看護職員の兼務を可能にしてはどうかという提案にある、入所者の処遇が支障がない場合という条件の具体的な内容が気になりますし、知りたいところです。
 また、介護職員の休憩時間や有給休暇が確保されていることも条件になっていますが、現行では取れていないという声もたくさん聞いており、気になるところです。1ユニットの利用者の定員を、おおむね10人以下から15人と1.5倍まで増やすことに、家族にとっては大きな不安材料です。
 また、ユニットリーダーを非常勤で代替してもいいとするのは、出産、育児、介護などの限定要件と考えてよいのでしょうか。施設の都合で安易に非常勤で複数で対応の場合、「確認します」「聞いていない」などの情報伝達がスムーズにいっていず、何度も同じことを話したり理解していただくことに時間を要する場合が複数での体制の場合にはあります。安易な非常勤化や、当たり前のことですが適切な情報伝達などをお願いしたいと思います。
 また、資料の後半には、利用者への看取りの充実、介護事故の防止、高齢者虐待の防止が挙げられていますが、これらの対策を実現するには介護職員がゆとりを持って業務に当たる環境を整備することが重要で、人員配置基準をよらせることだと思いますので、15人にするという案には重ねて反対です。
 次に、感染症や災害への対応力強化案についての論点マル4です。通所介護等の事業所規模別の報酬に対する対応です。6月からの特例措置は同意があるなしで不平等や利用していないサービスに対価を支払うという不合理な措置でした。それを改善する対応を検討してくださった案ですが、示された内容は、家族、本人には複雑で分かりにくいです。また、いつどの時期、どの程度での感染、災害なのかの要件は示されるのでしょうか。
 このような内容ではなく、在宅で生活する要介護認定者の多くが利用するデイサービス、ショートであり、そのサービスを支える介護事業者です。継続維持のためには、何らかの公的な資金でスピーディーな対応をしていただくような内容となることを要望します。即応性がなく複雑過ぎます。説明する事業所も、しどろもどろでケアプランも複雑になります。また、感染、災害の対応で職員は忙殺され、このような煩雑な事務は大変であることを危惧いたします。
 次に、地域包括ケアシステムの推進のところです。認知症への対応力の強化についてですけれども、論点マル2の行動・心理症状への対応力の向上で、BPSDは本人もそうですが、介護する家族にとってはその変容した姿を見ることは切なく悲しいこととともに、どう介護してよいか悩み、混乱し、疲弊します。その上にサービス利用時には、短期入所などは断られたり、薬の服用を求められたりします。
 昨年度の老健事業での検証では、NPI、評価尺度を使用してケアへの取組では、利用者にどうしてよいか分からないと思う頻度の変化が改善しています。介護サービスでの認知症ケアにぜひ取り入れていただきたいと期待しておりました。
 今回の対応案では、科学的介護の推進に向け、CHASEへの入力手法について、DBD-13、Vitality Indexとするほか、任意でNPI-NHを想定となっています。検証事業で効果のあった手法ですので、任意ではなく指標の一つと入れていただきたいと思います。
 また、論点にはありませんが、介護保険の給付が必要と認定を受ける理由の第一位は認知症です。ホームヘルパーや介護職員の皆さんの認知症への理解が深まり、適切な提供により、本人の心身の状態が安定します。独り暮らしや老老世帯、遠距離介護、同居する介護家族など、介護者にとっても重要な支援です。在宅介護において需要が高いのはホームヘルプサービス、デイサービス、福祉用具、そしてショートです。しかし、要介護認定の利用者へのホームヘルプサービスとデイサービスは介護給付からは外れ、総合事業に移されています。移行後も利用者がどのような状況にあるのかよく分からないほか、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、1月と7月では利用者が7万人近く減少しています。事業所の休業や利用者の自粛の中で、総合事業がどうなっていくのか全く分かりません。
 そして、財務省は、要介護1と2の利用者まで軽度者と呼び、ホームヘルプサービスとデイサービスを総合事業に移すことを提案しています。認知症の人を介護する家族にとって最大の悩みは、同じことを繰り返し聞くや睡眠不足です。ストレスがたまり、先行きの見えない不安にさいなまれます。そうした中、総合事業の実情も把握されない中、在宅介護の崩壊への不安が膨らみ、さらに眠れなくなる提案です。せめて要介護認定の人たちへの介護給付は死守していただきたい。厚労省だけではなく、委員の皆様にも切にお願いをしたいと思います。
 最後にですけれども、制度の安定性・持続可能性の確保で、論点マル2の「訪問介護 生活援助の訪問回数が多い利用者等への対応」です。厚労省が示した一定の基準では、1日1回の訪問も確保されない現状があります。また、生きていくための訪問介護であり、訪問回数であり、訪問回数が多いわけでも頻回なわけでもありません。統計的に見て通常よりかけ離れた回数とありますが、認知症で独り暮らしや老老介護の場合、あるいは介護者が働いて生計を支えている場合など、介護を必要とする人の個別の実態から見た場合、当然必要な回数に変わっていきます。介護保険は人に提供するサービスです。一定の基準という数字ではなく、在宅介護に基づきケアマネジメントのアセスメントに基づく適切な回数に戻していただくことを改めて希望いたします。
 長くなりましたけれども、以上です。
○田中分科会長 御質問にお答えいただく前に、黒岩委員は時間の都合がおありだそうですので、先に御発言ください。
○黒岩委員 ありがとうございます。
 前回、訪問看護事業所の人員配置基準を看護職員の割合が6割以上とする提案がなされましたけれども、まずはこの点についてお話をしたいと思います。
 このまま6割基準が導入された場合、この基準をクリアできない事業所は事業自体を継続できないこととなります。また、クリアできたとしても、その事業所が提供するリハビリのサービスは以前より減少する可能性が高い。結果としまして、地域全体のリハビリ提供量が減少し、利用者に必要なサービスが行き届かなくなる、そのようなことが懸念されるところであります。訪問看護の人員基準を見直すのであれば、訪問リハビリの人員基準等の見直しとセットで行うべきと考えております。
 そこで、訪問リハビリ事業所の人員基準等について提案を行いたいと思います。
 現状では、訪問リハビリ事業所の開設は、病院や診療所、老健、介護医療院に限られています。しかし、これ以外の事業所であっても、主治医など医師との連携体制が図られている場合は医師の配置を必要とせず、開業を認めること。つまり、リハビリ専門職のみで開設、これを認めるといったことにすべきだと考えております。
 こうした見直しにより、リハビリ専門人材の活躍の場を広げ、訪問リハビリの充実とともに、訪問看護の本来の役割を踏まえたサービスの提供にもつながることが期待できます。
 神奈川県も県立保健福祉大学で理学療法士などの専門教育を行っているところであります。彼らがこの専門性を生かして、この社会のニーズにしっかりと独立して応えていける、そんな体制をつくるということが今、非常に重要なテーマだと考えているところであります。
 それでは次に、今回のテーマに関連して、私がこれまで申し上げたことについて、総括的に意見を述べたいと思います。
 国は、行政機関などのデジタル化を推進するために、デジタル庁の設置などを目指しています。デジタルの活用が介護の分野にも広がっていくよう、介護現場へのさらなるロボット、ICT導入を促進するため、人員基準の緩和等が提案されたことに賛同いたします。今後も介護現場を革新し、より魅力ある職場としていくためにも、この動きは加速化していく必要があり、今回の提案事項にとどまらず、引き続き検討していくことが重要であります。
 また、文書負担軽減について本県も様々に取り組んでおりますけれども、電子申請の仕組みを国が検討すると承知しております。その際、都道府県で運用している既存のシステムと連動するようなものにしていただきたいと考えています。
 また、全ての事業所が感染症対策にしっかり取り組むよう運営基準に要件を設けるとのことでありますけれども、コロナ以降、感染症対策への負担はこれまで以上に大きくなっていることを踏まえまして、基本報酬のアップがセットでなければならない、そのように考えています。
 次に、アウトカム評価指標に基づく報酬上の評価の検討はまだ不十分です。これまで私が紹介してきました未病指標のように、評価指標は日々開発、実践、精緻化の取組が続いております。このため、今後取りまとめる本分科会の審議報告には、科学的妥当性のあるアウトカム評価の在り方について、未病指標など、本分科会で意見が出された評価指標に触れながら今後も検討を続けると明記いただきたいと思います。次回報酬改定につなげていくことが必要だと考えています。そして、介護現場で指標による評価を普及させていくためにも、CHASEでの収集項目に未病指標をはじめとする状態改善をアウトカム評価できる指標を追加することを改めてお願いしたいと思います。
 最後に、資料10の地域区分について一言申し上げます。
 介護保険における地域区分については、賃金水準など、地域の実情に即したものとすることが必要であります。今後、最低賃金が都道府県ごとに定められていることを踏まえまして、市町村ごとではなく、都道府県内一律にするといった見直しをぜひ検討いただきたいと思います。
 私からは以上です。ありがとうございました。
○田中分科会長 御提案ありがとうございました。
 鎌田委員の御質問にお答えください。
○齋藤高齢者支援課長 支援課長でございます。
 資料2の介護老人福祉施設の人員配置基準のところで、入所者の処遇に支障がない場合ということについてでございます。これは、入所者個人個人がどういう状況にあるのかというのによりますので、具体的事例を挙げてこれは支障があるとかはなかなか申し上げにくいのです。
 資料2の5ページに留意点としてこういうことを明示するというところの2ポツ目、一番下の方ですけれども、食事、健康管理、衛生管理、生活相談等における役務の提供や設備の供与が入所者の身体的、精神的特性を考慮して適切に行われること、これが適切な処遇であり、こういうことができないようになる、こういうのに悪影響を及ぼして不適切になるということがないようにということでございます。
 以上です。
○田中分科会長 江澤委員、どうぞ。
○江澤委員 ありがとうございます。
 それでは、資料に沿って幾つか意見を申し上げたいと思います。
 まず、資料1の居宅介護支援の21ページの逓減制の緩和の論点につきまして、※にケアマネジメントの質の確保の効果検証、それから、適切なケアマネジメント手法の実効の担保が記載されており、ぜひこの辺りはケアマネジメントの質ということで担保することをぜひ推進していただきたいと思っておりますので、特に提供回数の数の視点から質の視点への変化が求められていると思っております。
 続きまして、40ページ、業務以外でやむを得ず行ったことが示されておりますけれども、救急車の同乗、転倒時の緊急的な対応等はやむを得ないと思いますけれども、ごみ屋敷の整理であったり家探しや引っ越しの手伝いについては、本来のケアマネジャーの業務ではありませんので、この辺りは整理をしていただきたいと思っております。
 続きまして、資料2の16ページ、看取りへの対応の充実でございます。こちらは施設系、居住系サービス共通の項目だと思っておりますが、まず、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスにおけるガイドライン」ですけれども、このガイドラインは意思決定支援のツールであって、看取りに限ったものではございません。
 したがいまして、診療報酬改定におきましても前回の診療報酬改定において、地域包括ケア病棟の入院料とか療養病棟の入院基本料の施設基準の通則に、適切な意思決定支援に関する指針を定めていることが示されまして、その中において本ガイドラインにのっとって取り組むということが推奨されているわけでございますので、看取り介護加算の算定要件のみならず、日常的に幅広く介護事業所において活用していただいて、利用者の意思決定支援、御本人の意思決定支援ということに、ぜひ重点化していただきたいと思っております。
 続きまして、資料3の老健の18ページに、入所時からの居宅介護支援事業者との連携の論点が出ておりまして、20ページに入所前後に居宅介護支援事業所と連携すると、入所期間が短くなるというデータが出ておりますけれども、これが全て在宅復帰であれば好ましいデータとなりますけれども、退所先が病院で例えば入院なのか、あるいは入所前の場所、やはり病院から来た人はなかなか在宅復帰がしづらいというデータもございますので、もう少しここはいろいろなデータをまた精査していただきたいと思っております。
 21ページの所定疾患療養費について、摘要欄の記載の簡素化が示されておりますけれども、この摘要欄の記載という目的が何であるのか。もし報酬を請求するための根拠であれば、実際にこれによって査定が行われているのかどうか等も含めて、また検討していただきたいと思いますし、本来の目的も踏まえて今後の記載について必要性があるのかどうかはまた検討していただきたいと思います。
 また、帯状疱疹につきましては、前回も申し上げましたが、現行は注射の薬剤を使ったときのみ算定が可能となっておりますが、内服で治療することが一般的でございますので、その辺りも検討していただきたいと思います。
 続きまして、資料4の11ページ目の論点マル2、介護医療院の役割は、長期療養と生活施設のこの大きな2つの柱がありますので、生活施設の機能の評価というものについては、今後検討課題と思っておりますのでよろしくお願いしたいと思います。
 40ページに介護療養病床の評価で、基本報酬を減ずる案がありますけれども、診療報酬の例が出ておりますが、この件に関しましてもいきなり100から85%には減じておりませんので、激変緩和の措置はぜひよろしくお願いしたいと思っております。
 続きまして、資料5の感染症と災害に関する資料で、災害に関するものにつきまして、7ページに論点マル1で、運営基準において感染対策の取組を推進することは賛成でございますけれども、小規模事業所がかなり多いと思っておりますから、同一の法人あるいは近隣の事業所との連携で担保できるようにまた検討していただきたいと思っております。
 続きまして、資料7、自立支援・重度化防止の推進で、52ページの論点マル3、ADL維持等加算に関するものがありますけれども、ADL維持等加算についてアウトカム評価に本当に資するのかどうか、そこがまだ検証がなされていないと考えておりますので、今後引き続き、この加算がアウトカムの評価に資するものかどうかを検討していただきたいと思っております。
 続きまして、102ページに寝たきり予防・重度化防止の論点がありますけれども、以前も申し上げましたが、廃用による機能障害は十分改善いたしますし、ぜひ我が国において寝たきりをゼロ、撲滅すべく進めていただきたいと思っております。
 あわせまして、118ページに排せつ支援加算がありますけれども、アウトカム評価としておむつの完全卒業をぜひより評価をしていただきたいと思いますし、この支援にかかわらず、ポータブルトイレの使用等はぜひ慎むような方向性にしていただきたいと思っております。
 資料8、介護人材の確保でございますが、31ページに「経験・技能のある介護職員」と「その他の介護職員」の2倍ルールの緩和がございますけれども、この辺りは始まったばかりの仕組みでありまして、我々も試行錯誤をして職員の配分を決めたところでございますので、また慎重に検討していただければと思っております。
 その資料の56ページ、57ページに、夜間における人員・報酬のいわゆるテクノロジーの活用というものがありますけれども、実証データが極めて乏しい数で結果を出されておりますので、今後、実証データを大幅に増やしてぜひ検討を進めていただきたいと思っております。
 以上でございます。ありがとうございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 武久委員、どうぞ。それから藤野委員ですね。
○武久委員 ありがとうございます。武久です。
 まず、資料1で、40人のところを45人という提案をいただきましたけれども、ケアマネとか居宅介護支援事業所というのは事業として成り立っているわけで、1人のケアマネが1人で行っているという場合のほうがむしろ少ない状況になっております。そこで、いわゆるケアマネ自身が全ての事務仕事をしてデスクワークばかりになってしまうと、これは全く意味がないので、ケアマネジャーというのはやはり病院の付添いとか現場に行くとか、そういうことをできるだけ多くしていただきたいということは、事業所に事務的な処理を行う人を配置すれば、もっと自由に動けて件数も増えると思いますので、そういった状況下と、たった1人でやっている場合とを少し分けて考えると、事業所としてやる場合には50件以上は多分可能かと思います。
 それから、それ以上になったときの減算が半分になってしまうというのはあまりにひどいので、せめて3分の2ぐらいにしてあげてはいかがだろうかと思います。いわゆる事業所としての事務処理能力をケアマネでなく対応できるような状況というのが非常に期待されます。
 それから、資料4の介護医療院でございますけれども、日本慢性期医療協会としてはどちらかというと担当部署でございますので、日本慢性期医療協会としては、ぜひ介護療養型の医療施設のベッドはみんな介護医療院のほうに移っていただきたいと思います。
 実はこの算定をいただけるのが来年3月の末までなのです。しかし、県とか事業所によって、市町村によってその事務処理能力が非常に遅かったり早かったりするので、ぜひお願いしたいことでございますけれども、正式に受付を3月31日までに介護医療院への転換の事務の申請をした場合には、現実に許可になるのが4月になろうと5月になろうと許可をしていただければと思います。1年以上も延ばすということを担当の業界としてお願いするようなむちゃなことは言いませんけれども、事務能力のこともありますので、ぜひ受付さえしておれば大丈夫というふうにしていただけるとありがたいと思います。
 それから、30%が介護療養型医療施設のままでいたいというアンケート調査がありましたけれども、日慢協としては、できるだけどんどん移っていただいたほうがいいと。行政を信用して、介護医療院をよりよい施設にするように前向きに捉えていきたいと思っておりますので、御報告しておきたいと思います。
 それから、資料7ですけれども、栄養の具合が中度、高度に阻害されている方が半分以上あるということです。これはどんどん増えているような感じなのです。やはり低栄養が起こってから治すよりは、この低栄養というのはどこから来たのかということを、我々は医療側でございますけれども、考えると、どうやら医療側の低栄養の対応策が不十分ではないかと。こうなってくると介護側としては、一回悪くなった人が紹介されて入所してくるということになりますので、その前の段階での急性期病院等への低栄養対策等を、ぜひ要望として出していただければありがたいと思っております。
 何よりも排せつの自立と食事の自立というものができさえすれば、自宅へ帰られる可能性が非常に高いし、介護施設でなくてもいけるということもありますので、そういう意味で非常に評価をしていただけるとありがたいと思っております。
 最後にちょっと質問なのですけれども、資料2のところでユニットの人数を10人から15人にすると。私は非常にいいと思うのですけれども、これは監査で今まで何を県から言われているかというと、1つのユニットの職員が隣のユニットに行って仕事を手伝っては駄目だということを、えらく厳しく言われていたのです。これはどう考えてもおかしいと思うのですけれども、このユニットが10から15になるということは、隣のユニットの10が半分は一部になって、半分がまた別のユニットになるということです。すなわち、3ユニットの30人が2つの詰所というか、スタッフグループによって見られるということになりまして、そのことはどういうふうに実際的にあったらいいのかというのを、担当の部局の方に教えていただけると大変ありがたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 支援課長、どうぞ。
○齋藤高齢者支援課長 支援課長でございます。
 今回、1ユニット15人ということにするものでございますけれども、ユニットケアというのはソフトもそうですしハードも一体となって運用ができないといけませんので、今ある10人の施設で、1つのユニットを半分に切ってということは考えておりません。新規のもので新たに15人のユニットをつくって、それで運用していただくということを考えております。
 以上です。
○田中分科会長 武久委員、どうぞ。
○武久委員 そうした場合に、監査になったときに、既存のところでもワンユニットの担当者が別のユニットへちょっとでも行くとこれは駄目だとかいうのは、実際上、急に休んだりいろいろしますから動くわけですけれども、ユニット間のスタッフの移動をある程度融通していただけるような指導をしていただけると大変ありがたいですけれども、これに関してはいかがでしょうか。
○田中分科会長 どうぞ。
○齋藤高齢者支援課長 ユニットケアは1つのユニットで完結させるということが基本でございますから、そういうことをどうやっていくのかというのがありますが、ただ、今回の御提案で15名1ユニットにしたというのは、1ユニットに働く人数を増やすということですので、そういう意味でシフトだとか、あるいは休暇が取りやすくとか、そういった面で効果があるものと思っております。
 以上です。
○武久委員 分かりました。どうもありがとうございました。
○田中分科会長 藤野委員、どうぞ。
○藤野委員 ありがとうございます。論点に沿って意見を述べさせていただきます。
 居宅介護支援・介護予防支援についてです。濵田委員御提出の要望書にもありましたが、現場における介護支援専門員の業務は大変煩雑であり、実態に沿う形で評価されなければ、介護職同様、担い手の確保が困難になります。適切な評価が必要と考えます。
 次に、自立支援・重度化防止の推進の論点マル9、認知症グループホームにおける栄養改善についてです。食事に関するスタッフの困りごとや不安に対して、管理栄養士に相談できる体制づくりは必要ですが、栄養改善という観点から考える場合、低栄養の原因の検討や食事が楽しみになる環境づくりなど、助言や指導にとどまらない多職種協働での食事支援が必要と考えます。
 次に、介護人材の確保・介護現場の革新、論点マル3、職場環境等要件についてです。職員のキャリアアップに資する取組につきましては、職能団体として根拠法にある資質向上の責務を果たすべく各種研修などを取り組んでおります。そのほかにも自己研さんに資する研修が業界内で様々行われている現状であり、研修の読替えの弾力化などによって学びやすい環境を整え、キャリアアップの見える化を進める必要があると考えます。
 次に、論点マル4、特定処遇改善加算についてです。「経験・技能のある介護職員」いわゆるリーダー級とは、勤続10年以上の介護福祉士を基本とし、介護福祉士の資格を有することを要件としつつとされていることについては、改めて確認させていただき、その上で、そもそもの趣旨や受け取る側のインパクトが薄れることのない運用を強く求めます。
 最後に、その他事項、論点マル1、介護保険施設における食費居住費の基準費用額についてです。施設等における利用者の食事は重要な生活の楽しみの一つであり、そういう意味からも食費に関するコストは実態に即した対応が必要と感じます。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 正立委員、どうぞ。
○正立委員 ありがとうございます。お時間の関係もありますので、私からは1点だけ御意見を申し上げたいと思います。
 居宅介護支援の関係ですけれども、資料1の42ページにあります論点が前回議論した際の論点と変わっています。もともとの論点は、「サービス利用前の相談・調整等に係る評価の在り方」ということでしたが、今回はその前に「看取り期における」ということで要件が追加されているわけです。これはそもそも利用に結びつかなかったケアマネジメントについてどう考えるかということだったと認識しています。
 看取り期における評価、それから、医療、介護の連携に関する評価などについては様々な加算がございますので、例えば利用者が死亡したことによってサービスにつながらなかったということがあった場合、これを看取りに限ることが必要なのか。退院後のマネジメントを行ったが利用者が急逝されたということもあるでしょうし、利用につながらなかった理由というのは様々なものがあろうかと思います。今回の改定では無理だったとしても、利用につながらなかった理由を十分に検証し、対応いただきたいと考えます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 会場の時間もありますので、ここまでとさせていただかなくてはなりません。発言し切れなかった方もおられるかもしれません。本日の熱い議論、ありがとうございました。
 本日の御意見も踏まえて、最終段階の検討を進めてまいります。
 本日の審議はここまでといたします。
 最後に、次回の分科会の日程について、事務局より説明をお願いします。
○栗原企画官 次回は、12月2日水曜日15時よりウェブ会議にて開催する予定です。
 以上でございます。
○田中分科会長 それでは、本日はこれにて閉会いたします。どうも御参加ありがとうございました。