2020年10月9日 第45回労働政策審議会 議事録

2020年10月9日 第45回「労働政策審議会」議事録

議事内容
  1. 1.日時 令和2年10月9日(金) 15:59~17:57
  2. 2.場所 厚生労働省議室(9階)
  3. 3.出席者
    公益代表委員
    労働者代表委員
    使用者代表委員
    事務局
  4. 4.議題
    1. (1)労働分野における新型コロナウイルス感染症への対応について
    2. (2)令和3年度予算概算要求等について
    3. (3)分科会及び部会等の審議状況、法案の国会審議結果等について
    4. (4)その他
  5. 5.議事
    ○鎌田会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第45回「労働政策審議会」を開催いたします。
    皆様方におかれましては、大変お忙しい中、また、天候不順の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
    本日、阿部委員、荒木委員、中窪委員、野田委員は、オンラインで御参加いただいております。
    本審については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の下、感染防止の観点から3月の開催を見送り本日の開催となりましたことにつきまして、委員の皆様には御理解いただければと思います。
    では、審議会の開会に際しまして、三原じゅん子厚生労働副大臣から御挨拶をいただきます。お願いいたします。
    ○三原厚生労働副大臣 厚生労働副大臣を務めております三原じゅん子でございます。
    本日はお忙しい中、労働政策審議会に御参集いただきありがとうございます。厚く御礼を申し上げたいと思います。
    新型コロナウイルス感染症の感染が全国的に拡大する中で、例年、新年度の業務運営方針について御審議いただく3月は開催を見送り、1年振りの開催となります。
    現在の雇用情勢は、感染拡大の影響を受け厳しさが見られるものとなっております。本年8月の有効求人倍率は、前月より0.04ポイント低下し1.04倍に、また、完全失業率は前月より0.1ポイント上昇し3.0%となっております。
    厚生労働省では、労使の皆様の御理解と御協力をいただきながら、感染拡大の防止に引き続き全力を挙げるとともに、事業継続の中で雇用をしっかり守っていく立場に立って、補正予算で措置した雇用調整助成金の拡充、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金、給付金などの支援策について、最大限御活用いただけるよう取り組んでおります。
    こうした中、令和3年度概算要求については、感染症から国民の生命や雇用、生活を守る対策に加え、新たな日常を支える観点に立って、ウィズコロナ、ポストコロナ時代の雇用就業機会の確保に向けた概算要求を行っております。
    本日はそうした取組について御報告し、皆様から幅広い御意見をいただければと考えております。感染症の影響が雇用、労働分野に幅広く及ぶ中で、現場を熟知した当事者である労使の参画を得て議論を深めていただく必要性が増していると思います。
    委員の皆様方におかれましては、今後の労働政策の方向性について、幅広い御見識と豊かな御経験に基づき、活発な御議論をいただきますよう重ねてお願い申し上げまして、私からの挨拶といたします。どうぞよろしくお願いいたします。
    ○鎌田会長 ありがとうございました。
    三原副大臣は、ほかの公務のため、ここで退席されます。ありがとうございます。
    それでは、カメラの頭撮りはここまででお願いいたします。御協力よろしくお願いいたします。
    (カメラ退室)
    ○鎌田会長 それでは議事に入ります前に、本日の審議会の説明はタブレットで行いますので、事務局から説明をお願いいたします。
    ○松本政策統括官付参事官 事務局の政策統括官付参事官の松本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
    厚生労働省では審議会等のペーパーレス化の取組を推進してございまして、本日の審議会もペーパーレスで実施いたします。皆様のお手元にはタブレットを置いてございます。使用方法については操作説明書を配付してございます。ページ数の多い資料を御覧いただく際に、スライドせずに任意のページを指定し表示する方法については、操作説明書の裏面の一番上の説明部分を御参照ください。御不明な点がございましたら、お近くの職員にお声がけください。
    また、御発言される際は、マスクを着用したままにてお願いいたします。
    以上でございます。
    ○鎌田会長 続きまして、本年9月28日付で使用者代表委員の1名の交代がございましたので、新たに就任された委員を御紹介いたします。資料1の労働政策審議会委員名簿を御参照ください。本日は御欠席ですが、東京ガス株式会社代表取締役社長の内田委員でございます。
    また、事務局に異動がございましたので報告をお願いいたします。
    ○松本政策統括官付参事官 本年8月7日付及び9月18日付で事務局に異動がございましたので、御報告いたします。
    総括審議官の山田でございます。
    労働基準局長の吉永でございます。
    職業安定局長の田中でございます。
    雇用環境・均等局長の坂口でございます。
    人材開発統括官の小林でございます。
    政策立案総括審議官の村山でございます。
    以上でございます。
    ○鎌田会長 それでは、議事に入ります。
    本日の議題は、第1に「労働分野における新型コロナウイルス感染症への対応について」、第2に「令和3年度予算概算要求について」、第3に「分科会及び部会等の審議状況、法案の国会審議結果について」、最後に「その他」となっております。
    初めに、議題1から議題3までを事務局から一括して説明をお願いいたします。
    ○松本政策統括官付参事官 御説明申し上げます。
    まずは資料2の「労働分野における新型コロナウイルス感染症への対応について」でございます。
    まずは冒頭に雇用情勢について御説明申し上げ、それに対するコロナウイルス感染症への対応について次に御説明いたします。
    資料の3ページをお開きください。まず、足元の雇用情勢でございますけれども、2019年4月に、有効求人倍率が1.63でありましたところ、8月の時点で1.04倍まで低下してございます。また、完全失業率が3.0%というのが現状でございます。
    4ページでございます。最新の数字の新規求人数の動向でございますが、前年同月比で大幅に減になっている業界が多く、特に赤で囲っております宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業で大幅な減が見られているところでございます。
    一方で、少々飛ばしまして6ページを御覧ください。休業者の動向でございます。この資料のちょうど真ん中辺でございますが、2020年4月の時点で前年同月と比較して休業者数が369万人多かったわけでございますが、8月の時点では前年同月比でプラス1万人という状況でございまして、休業者につきましては前年同月と同水準ということでございます。
    次に9ページを御覧ください。新卒者の採用についての影響でございます。今の時点では求人倍率でしか数字が出ていないのでございますけれども、求人倍率としては率が低下しているところでございます。大学等と連携いたしまして、きめ細かな就職支援に全力を挙げたいと考えてございます。
    次に10ページ以降、新型コロナウイルス関連で講じている施策でございます。11ページを御覧ください。雇用調整助成金につきましては、御案内のとおり12月31日まで1日当たりの助成額の上限を1万5000円、また、助成率につきまして解雇等を行わない場合の助成率を中小企業で10分の10といった特例を講じてございます。12ページにその支給状況の実績を載せてございます。
    また、14ページにございますように、雇用保険の臨時措置法によりまして、休業支援金・給付金制度を設けてございますけれども、これにつきまして、実績が15ページにありますように、支給申請件数は45万件に達しているところでございます。
    そのほかに、17ページに小学校休業等対応助成金、18ページの介護離職防止支援コースといった助成金も設定してございます。
    次にテレワークでございますが、20ページにございますように、これまで政府全体で各省連携いたしまして目標設定して推進をしてきたわけでございますが、緊急事態宣言等も受けまして、21ページにございますように、全体ではおよそ3分の1の企業において、何らかの形のテレワークが実施されたという状況でございます。であるのですけれども、グラフのとおり、業種によってその内容には差が見られるところでございますし、また別の調査によりますと、この率が緊急事態宣言解消後、また落ちてきているといった観測もされているところでございます。
    24ページを御覧ください。今般、このように多くの企業、また、労働者の皆様にテレワークを経験いただいたことから明らかになった課題、それについての対応策を検討するための検討会をこの8月から開催しているところでございます。
    次に26ページに母性健康管理措置の特例の資料がございます。妊娠をされた方に対する特別な措置を講ずるという措置等を採られてございまして、27ページに有給の休暇制度を設けていただいた事業主に対する助成金が設定されてございます。
    29ページは職場における感染防止措置の内容。また、30ページには労災補償の認定についての通知。31ページにメンタルヘルス対策を掲げてございます。
    これらに関する補正予算の資料をその後に添付してございますが、ここまでの資料にございますようなものをはじめとするもろもろの支援策を52ページ以降にリーフレットとしてまとめていまして、これをウェブ上に提示することによって、国民の皆様、また、企業の皆様に、どういった場合にどのような支援策が受けられるのかというのをできる限り分かりやすくお届けするといった取組をしてございます。
    以上が資料2の関係でございます。
    次に資料3を御覧いただきたいと思います。資料3は概算要求の内容でございます。政府全体といたしまして、今回、予算要求は基本的には対前年度同額とする、その上で、新型コロナウイルス感染症への対応など緊要な経費については、別途所要の要望を行うことができるというルールの下で概算要求を行っております。
    副大臣も申し上げましたように、1ページでございますが、厚生労働省の予算概算要求におきましては、3つの柱で概算要求をしております。
    まずは、ウィズコロナ時代に対応した保健・医療・介護の構築。真ん中の緑の部分ですが雇用就業機会の確保。下のグレーの部分ですが、新たな日常の下での生活支援。こういった3本の柱で概算要求をしております。
    労働政策審議会の皆様に御覧いただきたいのは、真ん中の雇用就業機会の確保の部分でございまして、次の2ページ目に、この緑の雇用就業機会の確保の関係のものを抜き出してございます。
    柱が3つございまして「雇用維持・失業予防・再就職等に向けた支援」につきましては、1つ目の○ですけれども、雇用調整助成金といったところを事項要求、これは状況に応じて額を確定させていくという要求でございます。
    2つ目の柱の「多様な人材の活躍促進」といったところでは、まず1つ目に、就職氷河期世代活躍支援プランの実施、これは3年計画で2年目でございますので、こちらについて、前年と同様の予算を要求してございます。また2つ目の○に今年の3月に成立した法律の関係で、70歳までの就業機会確保等に向けた環境整備や処遇改善を行う企業への支援といった要求を盛り込んでございます。
    資料の右側ですけれども、3つ目の柱で「誰もが働きやすい職場づくり」といたしまして、例えば1つ目の○で、良質なテレワークの導入・定着促進のための予算を要求してございます。
    各項目について、3ページ以降に詳細な資料を添付してございます。
    まず冒頭、私からの御説明は以上といたします。
    続きまして、資料4の労働政策審議会の各分科会、部会の審議状況など、また、資料5の法案の国会審議結果につきまして、担当各局から御説明申し上げます。
    ○吉永労働基準局長 労働基準局長でございます。
    労働基準局関係の分科会などにおけます審議状況につきまして、御報告申し上げます。
    資料4の2ページ以降、資料4-1が労働基準局関係の資料となってございます。資料2ページ目以降になりますけれども、まず労働条件分科会の開催状況でございますが、昨年の9月16日以降、現時点までで10回を開催しているところでございます。
    その中で、まず2ページ目の上にございます労働基準法等の一部を改正する法律案について、御審議いただいたところでございます。これは平成29年に民法改正法に基づきまして、使用人の給料に係る短期消滅時効が廃止されること等を踏まえまして、労働基準法におきます賃金請求権等の消滅時効期間を延長する点につきまして、御審議いただいたものでございます。
    当分の間、経過措置を講ずること等につきまして、報告を取りまとめていただきまして、本年1月10日に法案要綱を諮問し、答申をいただいたところでございます。これに基づきまして、国会に法律を提出いたしまして、本年3月27日に成立したところでございます。
    この法律の関係につきまして、本年3月30日に省令を改正案につきまして、改めて諮問・答申をしてございまして、3月31日に省令の公布、4月1日に施行ということになってございます。
    また、同じく労働条件分科会におきましては、3ページ目の中ほどにございます副業・兼業の場合の労働時間管理のあり方について御審議いただいたところでございます。これにつきましても御報告いたしまして、本年9月1日にガイドラインの改正がなされたところでございます。
    続きまして、労災保険部会の関係につきまして、お戻りいただきまして2ページ目の中段よりやや下のところにございますけれども、複数就業者の休業補償給付につきまして、御審議をいただいてまいりました。昨年の10月1日以降、11回開催してございますけれども、この中で複数就業者の休業補償給付につきまして、非災害発生事業場の賃金額も合算した上で給付額を決定すること等を報告いただいたところでございます。
    これを受けまして、これは職業安定局で取りまとめていただきました雇用保険の見直しと合わせまして、雇用保険法等を一部改正する法律案要綱という形で法律案要綱を諮問し、答申をいただいたところでございまして、これに基づきまして国会に法律を提出し、3月31日に成立したところでございます。この施行の関係につきましても、その後、御審議をいただいたところでございまして、政令・省令につきまして、本年9月1日に施行をしているところでございます。
    また、3ページ目下段にございますような社会復帰促進事業に関する費用についての特例の省令案などについても御審議いただいたところでございます。
    次に、安全衛生分科会について御報告申し上げます。これも昨年の10月4日以降、10回開催させていただいてございまして、一つは3ページ目の中ほど上にございます兼業・副業の場合の労働時間のあり方につきまして、御審議いただいたところでございます。
    また、そのほか4ページ目の2番目以降の技術的な事項につきまして、省令改正等々につきまして実施させていただいたところでございます。
    最後にじん肺部会でございますけれども、6ページ目でございます。昨年12月17日、本年5月20日に開催いたしてございます。じん肺部会におきましては、粉じん作業を行う坑内作業場につきまして、定期的に切羽に近接する場所の空気中の粉じんの濃度を測定しなければならないことなどにつきまして、省令の改正案につきまして御審議いただいたものでございます。
    労働基準局からは以上でございます。
    ○田中職業安定局長 次に職業安定局長から、分科会等における審議状況について御説明をいたします。
    資料4-2、通し番号で59ページ以降です。時間の都合上、御説明は新型コロナウイルス感染症への対応、法律改正に関する関係する内容及び年度目標に関することとさせていただきます。
    まず、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。60ページ以降ですけれども、1つ目の○ですが、雇用保険法施行規則の一部を改正する省令です。本省令につきましては、雇用調整助成金の特例措置関係で順次改正をしておりまして、助成率の上乗せや、被保険者期間要件の撤廃、特例措置の期間の延長などを内容とする省令案を順次職業安定分科会において御審議いただいております。直近では、同特例措置の期間を延長する内容を御議論いただいたところです。
    次の○は、新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律についてです。この法律は休業支援金の創設や基本手当の給付日数の延長を内容としており、雇用保険部会等において御議論いただきました。本法律等につきましては、本年6月12日に施行しております。また、雇用調整助成金の特例措置と同様に、休業支援金の対象期間についても、本年12月31日まで延長しております。このほか、新型コロナウイルス感染症の感染予防を理由として離職した者を特定受給資格者とする改正や、事業主等の報告義務等の履行期限の延長などを行っています。
    新型コロナウイルス感染症への対応は以上です。
    続いて、法律改正に関する内容です。通し番号で62ページ、一番下の○ですけれども、「雇用保険法等の一部を改正する法律」です。本改正においては、育児休業給付を失業等給付から独立させその位置づけを明確化すること、複数の事業主に雇用される65歳以上労働者に雇用保険を適用すること、雇用保険料率及び国庫負担の引き下げの暫定措置を延長することなどを内容として、雇用保険部会等において御議論いただきました。一部の規定を除き、本年4月1日より施行しております。さらに、65歳から70歳までの高年齢者に対する就業確保措置、大企業における中途採用比率の公表の義務化などについても、雇用対策基本問題部会等において御議論いただきました。こちらのほうは、関係基本方針と併せて、来年4月1日に施行予定です。
    次に障害者雇用促進法の改正に関する検討についてです。改正障害者雇用促進法の施行に伴う関係法令の改正につきましては、通し番号64ページの2つ目の○でございますが、「障害者雇用対策基本方針の一部改正」以降に記載しております。本改正法の施行に伴って、障害者活躍推進計画作成指針を策定するとともに、週20時間未満の障害者を雇用する事業主の支援などについて、障害者雇用分科会において御議論いただいておりました。当該省令などにつきましては、一部を除き本年4月1日に施行しております。また、同分科会において、法定雇用率に関する経過措置を令和3年3月1日に廃止する内容の政令案を御議論いただきました。
    法律改正に関する事項は以上です。
    続いて、通し番号67ページの一番下の○です。2019年度の年度目標に係る評価及び2020年度の目標設定についてです。職業安定分科会については別紙27-1から3にて、障害者雇用分科会については別紙27-4から5にて、具体的な数値状況、評価の動向を記載されておりますので、こちらを御参照いただきたいと思います。
    職業安定局関係は以上でございます。
    ○坂口雇用環境・均等局長 続きまして、雇用環境・均等局関係の審議会等の状況について御説明を申し上げます。
    雇用環境・均等局関係の所管の分科会につきましては、お手元の資料の大分先になります157ページからの資料4-3になります。雇用環境・均等分科会の状況につきましては、この158~162ページにかけまして審議状況をまとめさせていただいております。昨年の9月12日以降の状況ということになりますが、本年3月から6月にかけましては、新型コロナウイルス感染症対策のため、持ち回りでの開催となったところでございます。
    まず、雇用環境・均等分科会の関係でございますけれども、主に4点御紹介させていただきます。
    まず、158ページの1つ目の○でございますが、昨年成立いたしました女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律の施行につきまして、昨年の9月の分科会から始まり、同年の昨年の12月にかけて8回にわたって御議論をいただきました。具体的には女性活躍推進法に基づく職場の女性の活躍に関する状況把握、情報公表項目やプラチナえるぼしの基準など、また、パワーハラスメント防止対策に関する指針などについて、御議論をいただいたところでございます。
    そこの資料にもございますように、こういった議論を踏まえて関係する政省令、告示案の要綱につきまして、11月の下旬の分科会から順次諮問をいたしまして、12月の下旬の分科会で答申をいただいたということでございます。
    続きまして、次の159ページの1つ目の○でございますが、短時間労働者、有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律に基づく令和2年度から6年度までの施策の基本となるべき方針としまして、基本方針案について本年の3月10日に諮問をして、同日御答申をいただいたというものでございます。
    また、159ページの3つ目の○と4つ目の○でございますけれども、こちらのほうは新型コロナウイルス感染症への対応でございます。先ほど関連の御説明がありましたけれども、3つ目の○につきましては、妊娠中の女性労働者の母性健康管理を適切に図ることができるよう母性健康管理措置に、令和3年の1月31日までの間、新型コロナウイルス感染症に関する措置を規定する指針案の改正について5月に諮問し、答申をいただいたというものでございます。
    4つ目の○につきましては、こういった関連についての各種助成金についての新設、あるいは期限延長等についての省令案について諮問し、答申をいただいたというものでございます。
    雇用環境均等分科会関係では、最後に162ページのトップですけれども、今年の9月29日から5月に閣議決定されました少子化社会対策大綱等を踏まえまして、男性の育児休業取得促進等について議論を開始しておるところでございます。
    戻っていただきまして161ページの2つ目の○でございますが、家内労働部会のほうの状況でございます。こちらの2つ目の○につきましては、家内労働法の定める帳簿の保存期間についての省令改正案について諮問し、答申をいただいたというものでございます。
    最後に、勤労者生活分科会の中小企業退職金共済部会の関係でございますが、同じ161ページの一番下の○でございます。5年に一度行うこととされております特定業種退職金共済制度の財政検証について、昨年12月から3回にわたって御議論いただいて、今年の8月26日に取りまとめを行ったというものでございます。
    雇用環境・均等局関係は以上でございます。
    ○小林人材開発統括官 続きまして、人材開発統括官でございます。
    通しページの228ページで、資料の4-4になります。本文は229ページからでございます。主なものを御報告申し上げます。
    基本的にはコロナ禍におけます非正規雇用の方、そういう離職者が増えてくるだろうということへの対応、それから、就職氷河期の問題への対応ということでの省令改正等となっております。
    229ページの2つ目の○でございますが、求職者支援訓練の要件といたしまして、多様な訓練設定が可能となりますように、訓練期間の下限、あるいは訓練時間の下限を緩和したということで、訓練期間で申しますと3か月以上とされているものを2か月以上と拡大をいたしております。
    3つ目の○は氷河期の関係でございますが、雇い入れ助成であります特定求職者雇用開発助成金の中のコースでございますが、失業者が対象となっておりますのを氷河期対応ということで、非正規雇用の方のうちの一定の方も対象に加える、そして、就職氷河期世代安定実現コースと名称を変更することを行っております。
    229ページの一番下の4つ目の○でございますが、これも氷河期対応でございます。人材が不足している業界団体に、訓練と職場体験等一貫した取組を委託するということで、出口までをにらんだ一気通貫型の訓練支援ができるようにするという改正であります。
    続きまして、230ページの2つ目の○、コロナ対応ということで、公共職業訓練の過程におきまして、オンラインによる訓練が実施可能となるような見直しを行っているということであります。
    人材開発関係は以上でございます。
    ○松本政策統括官付参事官 事務局からの資料の説明は以上でございます。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問等がございましたら御発言をお願いいたします。
    冨田委員、どうぞ。
    ○冨田委員 冨田でございます。副業・兼業と裁量労働制の対象拡大について、お願いをしたいと思います。
    資料3の10ページや資料4の3ページ、あるいは別紙5にも副業・兼業について触れられていたと思いますが、これまで副業・兼業者に対する労働時間の通算、これをどのように行えばよいか、そういうルールが非常に曖昧だったわけですが、9月1日にガイドラインが改定されて、これらが明確となってきていると。それから、令和3年度予算の概算要求に支援策ですとか予算が盛り込まれるということでありますので、この副業・兼業が、これからの働き方の中で推進されていくと。また、企業としてもそれに対応していくということを考えていかなくてはいけないと思っております。
    副業・兼業の促進は言うまでもありませんが、働く社員の人にとっても、新しい知識や技能を身につける選択肢が増えると期待されますし、また、社会全体でも、地方の関係人口を増やす、あるいは地方経済、地方創生、日本経済全体の底上げにもつながる重要な政策だと思います。企業にとりましても、やはり一人一人の社員の人材力、これが競争力の源泉ということでありますし、これから社員一人一人の活躍のフィールドを広げることで、社員が仕事を通じて成長感や達成感を感じながら、新しい付加価値創造に貢献してもらうということは、とても大切だと思っております。
    こういった意味で、いわゆる社員のエンゲージメントを向上させることに軸足を置いた働き方改革を企業サイドとしても進めてまいりたいと思います。そういう意味で、副業・兼業の促進、あるいは主体的なキャリア形成の支援。そして、一人一人が自分に合った働き方ができる。そうした柔軟な環境を整備していく必要があると思っております。
    それと関連して、やはり個人それぞれに時間の配分や仕事の進め方を委ねながら、自律的に自分で創造的に働くことが可能となる労働時間制度の見直しは、非常に喫緊の課題だろうと思っております。かねてより議論の対象になっております裁量労働制につきましても、ぜひ対象業務拡大の法改正が早期に行われることをお願いしたいと願っているということでございます。
    私からは以上です。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    冒頭に申し上げればよかったのですけれども、本日は、多くの方が発言をされると予測されますので、何人かの方にまとめて御発言いただき、まとめて事務局から回答をしてもらうというやり方で進めたいと思います。
    では、次に御発言の方はいらっしゃいますか。
    矢口委員、どうぞ。
    ○矢口委員 矢口でございます。私からは3点要望がございます。
    まず、職場における感染防止の重要性についてです。コロナの収束の見通しがつかない中で、企業にとって目下の大命題は、当然のことながら感染防止の徹底と経済活動の両立です。先ほど詳しい説明がなかったのですけれども、資料2の29ページに職場における感染防止に関する資料ございます。ここに記載されている取組の中で、特にチェックリストや職場の対応ルールというのは、感染防止に加え、仮に職場で陽性者が発生した場合でも、適切に対応することによって、業務への影響を最小限に押さえ込むことができるという意味で大変重要な情報だと思います。
    この資料には、既に2,200の団体に要請文を出したと書いてありますが、こうした情報は実際に全ての企業に行きわたることが非常に重要だと思いますので、そうした観点での方策と検証をお願いしたいと思います。当然、商工会議所も全面的に協力していきたいと思います。
    ちなみに商工会議所が8月に実施したコロナ感染防止対策に関する実態調査では感染対策の課題として66%の企業がノウハウ・スキルがない、あるいは不足していると回答しておりまして、約50%の企業が行政に求める支援策として、感染症対策のノウハウを提供してほしいということを挙げております。
    次に雇用調整助成金です。雇用調整助成金は現在、雇用の維持・安定にとってまた、収束後の経済の力強い回復にとって非常に重要な役割を果たしていると思います。特にサービス業などの労働集約産業や地域産業経済を支えている中小企業にとっては、この助成金を円滑に申請し利用することができ、かつ迅速に支給されるということが極めて重要だと思います。
    そうした中で、我々も要請したとおりこの緊急対応期間、特例措置が12月末まで延長されたことについては大変感謝しております。しかし、支給自体が7月下旬から急増して、10月2日の現在で1兆6400万に支給額が達しているということで、二次補正で措置した予算額を既に超過しています。商工会議所として、雇用調整助成金の支給に支障をきたさないように、しっかりと財源を確保していただきたいということと、追加の財源については将来の雇用保険料率の引上げにつながらないよう、一般会計による国費の投入をいただくことを要望いたします。
    また、12月末の期限につきましても、今後のコロナ感染の状況や経済の推移を見ながら柔軟に対応していただきたいということも併せてお願いできればと思います。
    最後に、失業なき労働移動についてです。足元及びこれからの雇用情勢を考えますと、今申し上げた雇用調整助成金だけで、雇用を維持するのは限界があると思います。厚労省も施策としてお考えになっているように、雇用の流動性を高め、雇用吸収力のある産業や成長分野への失業なき労働移動を円滑に進めていくことは極めて重要になると思います。
    新型コロナの影響で、全国で6万人以上の方々が職を失ったと言われています。一方で、介護や建設、物流等、まだまだ人手不足で困っている業界もあります。資料3の令和3年度の概算要求における重点要求というのがありましたが、この中にウィズ・ポストコロナ時代の雇用就業機会の確保というタイトルで、その中の2ポツに、業種、地域、職種を超えた再就職等の促進とあります。このうち特に職業訓練を通じた職業スキルや知識の習得、あるいは産業雇用安定センターにおける産業間出向、移籍マッチングの推進は失業なき労働移動を実現する上で非常に重要な施策だと思います。ぜひこの点について、具体的に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
    以上です。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    これも先ほど申し上げればよかったのですが、できれば関連するテーマについては、集中して御発言いただければありがたいなと思っておりまして、今、雇用調整助成金とか労働移動、それから、新型コロナの雇用への影響というお話が出ておりましたので、できればその関連での御発言があれば、いただきたいと思います。
    淡輪委員、どうぞ。
    ○淡輪委員 今、御発言がありました雇用調整助成金に関する発言でございます。
    御案内のとおり、4、6月期の実質GDP成長率が過去最悪の前期比年率28.1%減となるなど、新型コロナウイルス感染症は国難というべき経済危機をもたらしております。このような中、完全失業率は2020年8月段階で3%と微増しつつも、リーマンショック後の最悪の数値、2009年7月の5.5%と比較いたしますと低い水準にとどまっております。これは政府が雇用調整助成金の特例措置を拡充し、多くの企業が雇調金を活用しながら雇用の維持に最大限努めてきた結果と言えます。そのような意味から雇調金は失業予防対策として大きな役割を果たしたと評価できると思います。
    いまだ雇調金に対する企業のニーズは強いことから、今般9月までの特例措置を年末まで延長していただきました。1月以降の特例措置の扱いについても、雇用情勢を見極めつつ慎重に検討していく必要があります。
    一方、雇調金の財源問題が強く懸念されるところです。既に失業等給付の積立金からの借り入れを行うなど、雇用安定資金残高は実質的に枯渇化しつつあります。御案内のとおり雇調金を含む二事業は全額事業主負担の雇用保険料で賄われております。当面、雇用調整助成金を除く二事業について、廃止・縮小といった大胆な整備・重点化を行っていくべきです。
    また、経済が好調なときに貯めて不況時に支払うといった基本的な考え方に基づいて、経済情勢が回復しない中での雇用保険料率の引上げは、雇用維持に尽力している企業に追加的な負担を課すことになるため、避ける必要があります。さらに大規模な感染症の拡大や大規模自然災害は今後とも起きることが想定され、このような要因に基づく失業予防対策を全額事業主負担の雇調金で賄うには、これは無理があると考えます。一般財源の大規模な導入など、新たな仕組みの検討をお願いいたします。
    私からは以上です。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    今のテーマについて御発言、増田委員、お願いいたします。
    ○増田委員 ありがとうございます。増田でございます。
    私から2点ほどお願いしたいと思います。
    1点目は新型コロナウイルス感染症およびその感染拡大防止策の雇用への影響についてであります。厚生労働省のホームページを拝見しますと、新型コロナウイルスによる雇用への影響として、毎週集計結果を公表しております。雇用調整の可能性のある事業所は10万事業所に上り、解雇等見込み労働者数が約6万人に達しています。解雇見込み労働者の内訳を見ると、パート、アルバイト、派遣、契約、嘱託等の割合が高いです。
    一方で、こうした解雇等が新型コロナウイルスに関わる雇用調整であるか否かについては、労働局による聞き取りやハローワークに寄せられた相談などを基に集計したとのことですが、今後、どこかの時点で、新型コロナウイルスによる雇用への影響について網羅的な調査を行うのか、お聞かせいただきたいと思います。
    2点目は高年齢者の雇用についてであります。資料2-1の8ページにあります性別・年齢階級別に見た完全失業者数の動向を見ますと、4月以降については、昨年と違い失業者が大きく増加しています。労働力調査を基に作成されているため、この数値変動には自営業の方や家族従事者も含まれていると思いますが、雇用されて働く高年齢者労働者のみを見た場合についても、同様のトレンドであるのかと考えてよいのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
    また、資料上段の点線枠内に記載がある女性の完全失業者について、55歳から64歳で増加幅が拡大したとありますが、その要因はどのように捉えておられるのでしょうか。グラフを見る限り、年齢に関係なくどの層においても失業者が増加をしています。このような雇用情勢ではあるものの、来年の4月から65歳から70歳の就業確保措置の努力義務が施行されることとなります。厚生労働省として、これまでの雇用の維持施策だけではなく、雇用の創出施策も積極的に実施し、さらにあらゆる政策手段を積極的に活用することで、新型コロナウイルス感染症の影響がある中においても、年齢に関わりなく働くことを希望する者が働き続けられる社会の実現を目指していただきたいと思います。
    私からは以上です。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    そのほか、新型コロナの雇用への影響、あるいは雇用調整助成金等に関連して御質問はありますか。
    伊藤委員、どうぞ。
    ○伊藤委員 広島県中小企業団体中央会の伊藤でございますけれども、淡輪委員からあったのとほぼ内容が重複いたしますけれども、私のほうから意見を述べさせていただきます。
    新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い雇用調整助成金の申請手続の簡素化、支給限度額の引上げ等の、特例措置並びに関連する各種助成措置等につきましては、中小・小規模事業者に多大な御配慮をいただき厚く御礼を申し上げるところでございます。
    経営に甚大な影響を受けながら従業員の雇用を守るために必死の努力をしている中小・小規模事業者にとって、雇用調整助成金を活用し、他の施策なども併せて連動させ、事業へ有効に作用させていくことは、事業の継続と雇用の維持との両立を成し遂げるために極めて重要であると考えております。今般、本年12月末までの特例措置を延長していただきましたけども、雇用調整助成金につきましては、今後、感染状況に応じて、さらに延長措置の実現と、雇用保険料については事業主の負担感が増大することがないよう、ぜひとも御配慮をお願いしたいと思います。
    以上でございます。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    それでは、一旦ここで、事務局からのコメントをもらいたいと思います。
    田中さん、お願いします。
    ○田中職業安定局長 雇用情勢、あるいは雇用調整助成金の関係でございます。
    少し細かいところからですけれども、増田委員から女性や高齢者の関係の失業の要因と対応について御質問がございました。今、内訳等々の話でしたけれども、雇用されて働く高年齢者労働者のうち、失業者になった人数や女性の完全失業者が増加した要因については、把握をしていないところでございます。なお、参考ですけれども、ハローワークにおける55歳以上の高年齢者である新規求職者数につきましては、6月から7月頃から前年同月と比較して増加をしているところでございます。
    それから、年齢に関わりなく活躍できる仕組みということでございますけれども、例えば改正高年齢者雇用安定法の円滑な施行を図るということが、今非常に重要な課題であり、ハローワークにおきましても生涯現役支援窓口における再就職支援などの取組を引き続き推進・強化してまいりたいと思います。
    それから、矢口委員、淡輪委員、伊藤委員から雇用調整助成金の関係の御質問がございました。御承知のとおり、雇用調整助成金につきましては、新型コロナウイルスの感染症の影響を踏まえまして、事業主の皆様の雇用維持の努力を強力に支援するために特例措置を講じ、またその延長を12月31日まで行わせていただいたところでございます。これらの特例措置につきましては、本年12月末までの延長の後は、感染防止策と社会経済活動の両立の観点から、競業者数や失業者数が急増するなど雇用情勢が大きく悪化しない限り、通常制度に向けて段階的に戻していくということとしております。
    一方で、これに併せてポストコロナを見据えた事業展開、あるいは、これに対応した人材の育成・確保と様々な課題がございます。全体としてバランスのとれた雇用対策を進めて、雇用の安定を図っていくことが重要だと考えております。いずれにしましても、今後の雇用情勢を慎重に踏まえながら対応していきたいと思っております。
    また、その財源についての御質問がございました。雇用保険二事業の来年度概算要求額につきましては、最近における雇用調整助成金等における支出の状況等々を踏まえまして慎重に検討し、雇用保険二事業の来年度概算要求額については、大胆に事業の重点化を図っております。
    また、雇用調整助成金とコロナ関連につきましては、先ほど御説明がございましたけれども、今後、雇用情勢等を踏まえ額を確定していきたいと思っております。いずれにしましても、雇用情勢とそれに必要な雇用調整助成金の内容を裏付ける財源につきましては、状況を踏まえながら、慎重にかつ皆様方のニーズを踏まえた形での対応ができるようにしっかり検討してまいりたいと考えております。
    以上でございます。
    ○鎌田会長 吉永さん、お願いします。
    ○吉永労働基準局長 兼業・副業につきまして冨田委員から御指摘がございました。御発言ありがとうございました。副業・兼業につきましては、労働条件分科会、あるいは安全衛生分科会におきまして、公労使の委員の皆様に御協議いただいたところでございます。9月1日にガイドラインの改定を行いまして、労働時間管理、健康管理のルールの明確化を行うことができたものと考えてございます。
    また、同じ9月1日に複数就業者のセーフティーネットの整備に関する労災保険法の施行もなされたところでございます。改定したガイドラインとともに丁寧に周知を行いまして、企業も労働者も安心して副業・兼業を行うことができる環境の整備に努めてまいりたいと考えてございます。
    引き続き労使の皆様にも周知に御協力賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
    また、冨田委員からもう一点、裁量労働についての御発言がございました。裁量労働制につきましては、現在、実態を正確に調査・把握した上で、制度のあり方について検討することとしているところでございます。統計学者や労働経済学者、労使の関係者も含む専門家によりまして、調査のあり方につきまして検討を行いまして、それに基づきまして、総務大臣の承認を受けて昨年末から本格調査を開始しているところでございます。現在、回収した調査票の集計を委託先で行ってもらっているところでございますけれども、実はコロナの関係で集計作業が大分遅れているというのが実情でございます。いずれにいたしましても引き続き調査の集計を行っていきたいと思ってございます。
    その上でということになりますけれども、法改正についての御発言でございましたけれども、現時点で特定の方向性を持っているわけではございませんけれども、まずは調査結果を踏まえて、しっかりした制度のあり方について、労働政策審議会で御議論いただきたいと考えているところでございます。
    もう一点、矢口委員から、職場における感染防止につきまして御指摘がございました。現在、厚生労働省、あるいは内閣官房におきまして、業種別のガイドラインなどを作ってございますし、また、私どもといたしましてもチェックリストを作ってございまして、周知をお願いしているところでございます。商工会議所におかれましても全会員企業への要請内容の周知など、職場における感染防止対策に御理解と御協力をいただいておりますことを改めて御礼申し上げたいと考えてございます。
    経済を回していくという観点で、職場で感染のリスクをどう減らしていくのか、あるいはまさに感染が起きたときにどう対応して、そのリスクを最小限にするのかということは極めて重要なものと考えてございます。省内でコロナ対策を検討してございますので、最新の知見を踏まえながら、どのような職場における感染防止対策が有効かということにつきまして、逐次情報を提供していきたいと考えてございますし、なお、まだノウハウが行きわたっていないのではないかというような御指摘もございましたけれども、私どもとしても改めて周知に努めてまいりたいと考えてございます。改めて御協力をお願いできればと考えているところでございます。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    増田委員、先ほど御質問に事務局の回答。
    ○増田委員 ありがとうございます。
    現状について把握していないということで、今の調査については分かったのですが、今後の新型コロナウイルス感染症およびその感染防止策の雇用に対する影響について、全体的に網羅する調査を今後行う考えがあるかというところをお聞きしたいと思います。
    ○鎌田会長 お願いします。
    ○田中職業安定局長 厚生労働省におきましては、御指摘のとおり継続して解雇等の見込み労働者数など現場の労働局、ハローワークなどで捉えた情報を集約しておりますけれども、そういう意味での限界があるのではないかという御指摘ではないかと思います。統計的には国の機関統計である労働力調査などをいろいろな観点から把握・分析を行うことで対応を行っているところでございまして、それをしっかり分析したり、あるいは御指摘のような観点、高齢者や女性などといったところで、しっかりと分析して対応していくということが基本になろうかと思います。
    ただ、今、様々な団体、あるいは主体がコロナに関する雇用の問題について調査、あるいはアンケートといったことをやられているので、そういったものも含めて多角的な分析・評価をし、それを踏まえて様々な方に御意見をいただくというプロセスは、何らかの形でやっていきたいと思っております。動いている中での状況なので、やり方も含めていろいろな御意見があろうかと思いますけれども、公労使の先生方と御相談しながら進めていきたいと考えております。
    ○鎌田会長 それでは、新たに御質問を、中野委員、お願いします。
    ○中野委員 ありがとうございます。先に申し上げるべきだったかもしれないのですが、障害者の就労促進について意見を申し上げたいと思います。
    御存じのとおり、今回のコロナ禍は企業の障害者雇用にも大きな影響を与えております。特に多くの企業が従業員の安全を配慮しテレワークを積極的に導入した結果として、これまで障害のある従業員の多くが担当してきました事業所の清掃ですとかヘルスキーピング、資料の印刷などの業務が消失、または減少しています。加えて、デジタル化による業務改革も少なからず影響を与えていますし、今まさに障害者の働き方が大きな転換期にあると認識しています。
    そうした中で、企業では働きがいのある業務を新たに開拓すべく、簡易消毒作業ですとかマスクの製作、文書等のデータ化など業務の拡大に懸命に取り込んでいます。高島屋の店舗の中でも、障害のある従業員とともにワーキングチームをつくりまして、50ほどの作業メニューを各職場や売り場に提案してきていますが、コロナ禍の中で店舗の臨時休業もございましたので、作業依頼そのものが激減して影響を受けているのが実態でございます。
    このような状況下ですが、3月1日には障害者雇用率が2.3%に引き上げられます。資料には障害者の雇い入れ支援の強化が盛り込まれていますが、企業の面接会の参加人数の制限ですとか特別支援学校の見学会中止など、コロナ禍は企業の雇用機会そのものにも影響を及ぼしております。
    障害は誰もが負う可能性があり、一人一人違います。それを踏まえ、今後さらに加速する企業のデジタル化を加味しながらも、地域障害者職業センターなどによる障害者の職務創出に対する支援メニューなどをぜひ充実させていただきたいと思っております。特に厚生労働省におかれましては、現場実態を踏まえた企業の障害者雇用の課題を把握していただき、従来の枠組みにとらわれない雇用の質の維持・向上へ効果的な支援をお願いいたします。
    最後に、現在障害者雇用分科会では、今後の障害者雇用制度のあり方について審議が行われていると伺っております。中には法定雇用率の引上げ方法や長期継続雇用に対する評価など様々な課題が含まれ、審議に当たりましては、達成できなければ納付金を払えばよいのではなく、我が国全体で障害者雇用促進する観点で検討をお進めいただきたいと思います。
    私からは以上でございます。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    オンラインで野田委員が発言したいということですので、どうぞ御発言ください。
    ○野田委員 ありがとうございます。
    私からは資料3の10ページ、雇用類似の働き方について意見と要望を申し上げたいと思います。
    第1項の(2)に、関係省庁と連携をして相談できる窓口を整備する旨が記載されているわけですが、まずは雇用類似の働き方であっても、実態として労働者性が認められるものについては、労働関係法令が適用されることの周知を強化していただきたい。それを遵守していただきたいと思っておりますし、今後、適正に指導監督を行うことが先決ではないかと思っております。
    その上で、今後の雇用類似の働き方について検討を進める際には実態の把握、とりわけ業務に起因する災害の発生状況、さらには専業および兼業の実施状況、経験の年数、その働き方を選択した理由などなど、十分な情報収集が継続的に必要だと思っておりまして、その上での論議を要請しておきたいと思います。
    また、労働基準法上の労働者についてですが、1985年の労働基準法研究会報告以降、判断基準の見直しについての検討が行われておりません。研究会報告から35年という月日が流れておりますし、今日のデジタル革命とも言われる状況の中で、多様な働き方も登場しているところです。早急な判断基準の見直しは不可欠であると思っておりますし、プラットフォームを介してサービスの提供を受ける者が一般消費者でありまして、発注者が曖昧になる場合など多々あることから、従来の請負契約とも異なる事例が増加をしているということについて、十分留意をすべきであるということを付言しておきたいと思います。
    さらに今日のコロナの状況下においては、失業給付や雇用調整助成金などの対象ではない、雇用類似で働く者に対するセーフティーネットの脆弱性が明らかとなりました。政府の成長戦略実行計画では、フリーランスについて、年末までにガイドラインを策定するとのことでございますけれども、独禁法などの経済法制をベースとした規制だけでは不十分であると思っております。先ほども述べましたように、就業者の保護の観点から、労働者概念を見直すことが必要でありますし、社会保険の適用についても、ぜひ検討していただきたいということについて、要望として申し上げておきたいと思います。
    以上でございます。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    ほかにございますでしょうか。
    浦野委員どうぞ。
    ○浦野委員 浦野でございます。私からは、資料3の予算概算要求の7ページ目にございます男性の育児休業取得の推進について申し上げたいと思います。
    現在、共働き世帯が増える中、女性が自ら望むキャリアを築いていけるようにするために、育児を女性だけが担うのではなく、男女ともに働きながら育児を行えるよう、各社とも仕事と育児の両立支援に積極的に取り組んでおります。ただし、男性社員が仕事と育児の両立を図っていくには、制度を整える以上に周囲の理解促進等が課題となっており、ここにつきましては経営トップ自らが両立支援制度を利用しやすい職場風土を醸成していくことが重要だと考えております。
    例えば当社の場合でございますけれども、現時点で女性社員につきましては育児支援が浸透しており、これからはキャリア開発支援に軸足を移す時期だと考えておりますけれども、男性につきましては逆に仕事と育児や介護の両立支援がますます重要になる時期と思っております。育児につきましては、女性はほぼ全員が育児休業制度を利用するのに対しまして、男性は、例えば昨年子供が生まれた社員の場合、わずか9%しか取得しておりません。また、日数につきましても1か月未満が半数以上、うち1週間未満が16%となっておりまして、少数かつ短期間の取得状況が現実でございます。
    一方で、3か月以上、中には6か月取得する方もおられ、見てみますと、やはり先輩が取得している職場は、その後も引き続いて取得する傾向にあること。また、管理職の意識の違いが職場の風土に大きく影響しておりまして、男性管理職自らが取得した場合には、その職場は明らかにポジティブに捉えられていることは分かっております。
    また、若い人の中では、仕事と育児の両方に積極的に関わりたいと考える人が明らかに増えてきておりまして、優秀な人材確保の面でも両立支援に会社を挙げて取り組むことの重要性は増していると考えております。そういう環境を踏まえまして、先ほど御説明がございましたけれども、先月より雇用環境・均等分科会で、男性の育児休業取得の促進策に関する議論が開始されたとお聞きしております。取得促進策を検討するに当たりましては、男性社員側の取得のしやすさの観点もさることながら、例えば取得に伴います代替要員の確保ですとか、社会保険、雇用保険手続等、企業におけます労務管理の煩雑さの増大にも配慮しまして、ぜひ活発な議論をお願いしたいと思っております。
    私からは以上でございます。
    ○鎌田会長 山本委員、どうぞ。
    ○山本委員 山本でございます。今ほどの浦野委員と本当に意を同じくするところでありますけれども、男性の育児休業の取得の促進について、私からも申し述べたいと思います。
    男性の育休の取得が進まない背景は、今おっしゃっていたように、固定的性別役割分担意識がありますが、それだけでなく、長時間労働、そして、今まさにおっしゃっていたように、育休取得しづらい環境があると思います。雇用環境・均等分科会でも議論があったとお話をされていましたが、その中で出された資料のデータからは、職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だったからとか、上司の理解がなかったからという理由を挙げた資料が提出されていますが、本当にこのとおりだと思っています。
    本来は、育児休業は労働者の申出があれば事業主は認めなければならないものでありますし、ケア・ハラスメントの防止措置義務も課せられているところであります。周知啓発などの支援にとどまらず、ケア・ハラスメントの防止措置義務の徹底など、男性が育休を取得しやすい環境整備をお願いしたいと思っております。
    国は2020年までにあらゆる分野で指導的地位に占める女性の割合を30%にするという目標を掲げていました。冒頭、三原副大臣からも御挨拶があって、まさにこういうことを進めていかなければいけないと思っていますが、その達成時期が2020年代の可能な限り早期というところに延期されています。1日も早い目標達成のためにも、中小企業への支援などについて、多くの企業の取組が進みますように積極的な働きかけをお願いしたいと思います。
    全ての人が平等に参画できる社会の実現に向けて、ジェンダーバイアス、性別役割分担意識を払しょくし、多様性を重視した取組を進めていただきたいということを私からも申し上げたいと思います。
    以上です。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    関連しての御発言がありますか。なければ、一旦また事務局からの説明を聞きたいと思います。
    では、事務局、お願いたします。田中さん、どうぞ。
    ○田中職業安定局長 中野委員から障害者雇用対策に関する御質問がございました。
    新たな職務の創出といったことに対する取組ということでございましたけれども、地域障害者職業センターにおきましては、職務の選定、創出、配置転換などに関する専門的な支援や、あるいはコロナ禍における新たな働き方への取組に係る好事例の収集提供と、さらなる支援を創意工夫しながら積極的に実施してまいりたいと思います。
    それから、今後の様々な課題に対する議論でございますけれども、障害者雇用分科会での議論が始まったところでございます。雇用率のあり方など、様々な基本的な課題について、引き続き議論をさせていただきたいと思っております。
    以上です。
    ○鎌田会長 坂口さん、どうぞ。
    ○坂口雇用環境・均等局長 雇用環境・均等局長の坂口でございます。
    野田委員からフリーランスなどの雇用類似の働き方についての御意見等を御頂戴しました。ありがとうございます。
    この関係につきましては、私ども、それから、労働基準局とも連携しながらこの問題について取り組んでございます。
    まず、現状のところを申し上げますと、野田委員からも御指摘がございましたけれども、現行でも当然雇用形態、契約形態に関わらず、労働者としての実態があれば、労働関係に基づきまして保護するということで、労働基準関係行政もしっかり対応しております。引き続き適切に対応してまいりたいと考えてございます。
    また、実態につきましても2019年にアンケート調査等も行っておりまして、専業・兼業の状況であったり、経験年数、現在の働き方を選択した理由等についても把握を行っておりまして、そういった点については、私どもとしても行政に役立てていきたいと思っております。
    今後の対応についても御意見を頂戴しました。御紹介ございましたように、今年の7月の成長戦略の実行計画におきまして、実行性のあるガイドラインの策定とされております。この内容につきましては、いわゆる労働基準関係法令、労働環境法令の撤去関係を明らかにするというようなことも含めての関係省庁連名での実行性のある一覧性のあるガイドラインを策定ということとされておりまして、こういった点について、私どもとしてもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
    それから、浦野委員と山本委員のほうから、労使双方からの育児休業、とりわけ男性の育児休業取得の促進についての環境づくりについての御指摘をいただきました。ありがとうございます。私どもとしましても男性の育児休業取得について、その取組の促進のための対応を行っておりますけれども、御指摘がございましたような現状にあるということでございます。先ほども御紹介いただきましたが、先月末から雇用環境・均等分科会で、男性の育児休業取得策について御議論を開始していただいております。いろいろ御指摘もいただきましたが、実行性のある対策となるように、分科会においても御議論・御審議をいただきたいと思っております。
    また、山本委員のほうからは併せて女性活躍、あるいは共同参画のジェンダーバイアス等についての御意見も御頂戴しました。雇用の分野において男女が平等に参画・活躍できるようにするためにということで均等法、女性活躍法の適切な運用ということに努めておるところでございます。
    中小企業への支援の点についても御指摘いただきましたけれども、令和4年の4月からは一般事業主行動計画の策定義務等の対象が101人以上の企業に拡大されることもございますので、御指摘のあるように中小企業への対応について、アドバイザーによる個別企業訪問支援等も含めて、しっかり支援を実施してまいりたいと考えております。
    以上でございます。
    ○鎌田会長 それでは、次に中西委員どうぞ。
    ○中西委員 ありがとうございます。中西でございます。
    私からは3点、意見と要望を述べさせていただきます。
    まず第1点、法の周知をしていく必要性についてです。日商が本年夏に全国の中小企業約3,000社に実施した調査によりますと、改正女性活躍推進法の認知度が19.5%、パワハラ防止法は同じく45.3%、来年4月に施行される改正高年齢者雇用安定法は同じく43.4%でありました。また、中小企業に来年4月に施行されます同一労働同一賃金につきましては、本年春の調査で「対応の目途がついている」と回答した企業は46.7%にとどまり、対応に際しての課題について半数の企業が「内容が分かりづらい」を挙げております。
    日商ではこれらの周知に努めておりますが、コロナ禍ではセミナーや説明会、中小企業への巡回を思うように実施することができず、今後もこうした状況が続くと思われます。このような現状、実態に鑑みて要望を申し上げます。
    厚生労働省におかれましては、オンラインセミナーやメールを活用したPRなど、コロナ禍にありましても、より分かりやすく効果的な周知に取り組んでいただきたいと思います。
    次に2点目でございます。時間にとらわれない柔軟な働き方についてでございます。新型コロナの影響でテレワーク導入率が一気に高まったことに伴い、労働時間を基軸とした働き方ではなく、仕事の成果、スキルに基づく人材活用や評価が注目され、効率のよい働き方に対する機運もさらに高まってきております。そうした中、日商が本年夏に実施した調査で、アフターコロナを見据え、今後、政府が要件や規制緩和すべき働き方、推進すべき取組を尋ねましたところ、最も多い35.9%の企業が裁量労働制等の時間にとらわれない柔軟な働き方を挙げました。
    新型コロナの影響下で新しい日常に適合した働き方を実践し、かつ労働生産性も高めていくためには、時間にとらわれない柔軟な働き方の対象を拡大するとともに、導入する企業を増やしていく必要がございます。そこで要望でございます。厚生労働省におかれまして、制度導入に関する要件や手続を幅広く周知するとともに、裁量労働制につきましては、対象業務の拡大を早期に実現していただきたいと思います。
    3点目でございますが、最低賃金の引上げに伴う支援策の強化拡充についてです。私は中央最低賃金審議会委員を長年務めております。最低賃金は昨年度まで4年連続3%台の大幅な引上げが行われてまいりました。その結果、大幅な引上げの影響を受ける企業が年々増加してきております。資料3の2ページの右下に記載の生産性向上に関わる主な支援策であります業務改善助成金につきましては、より多くの活用がなされるよう、コースの新設拡充に加えて幅広い周知や申請手続の簡素化をお願いしたいと思います。
    最後に、先ほど厚労省の局長から御回答いただいた男性の育児休業取得促進等について申し上げます。分科会での審議にあたりましては、中小企業の実態を踏まえる必要があると思いますので、検討のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。
    以上、私からこの4点を申し上げました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    ほかにございますか。
    永井委員、どうぞ。
    ○永井委員 ありがとうございます。資料2-1の18ページからのテレワークについて、御発言させていただきたいと思います。
    緊急事態宣言下を挟みまして、広くこのテレワークが実施されてきたものと認識していますが、3点ほど申し上げます。
    まず、テレワークにおける労働時間管理について、連合では6月にテレワークに関するインターネット調査を行っております。その中で、通常の勤務より長時間労働になることがあったとの回答が51.5%と半数を超えております。また、時間外・休日労働をしたにも関わらず申告していないと回答した方も65.1%と6割を超えている状況でした。同調査においては、小規模な職場ではテレワークでなくとも労働時間管理が適切になされていないという実態も明らかとなっております。まずは全ての企業に対し、労働時間の適切な管理を改めて徹底することが重要と考えております。
    2つ目には、テレワークに係る経費の問題でございますが、あくまで就業時間の変更に関するものであり、会社が負担すべきだと考えますが、テレワークにかかる費用を一旦労働者が負担し、後日手当等で支払われる場合は課税対象となり、結果として労働者がその一部を負担することになります。つきましては、例えば通勤手当のように非課税にするなど、税制上の取扱いについても検討が必要ではないかと考えております。
    また、テレワークについては今述べたような課題がある一方で、メリットもあると考えています。連合の調査では、通勤時間が必要ないため、時間を有効活用できると回答した方が6割を超えるなど、メリットの声も上がってきております。
    現在、厚労省では、これからのテレワークでの働き方に関する検討会が8月から開催されておりますが、テレワークの導入を検討する企業の後押しとなり、労働者が安心して働くことのできる仕組みの整備について検討いただくことを要望いたします。
    あと、テレワークではないのですけれども、先ほど来、副業・兼業の話も出ております。今回概算要求の中では、労働時間の通算等についても、また、健康管理についても出てきていると認識しておりますけれども、副業・兼業をする理由はそれぞれありますし、また、収入を増やしたいという理由で働かれている方も多いと思っております。その中で今回、労働時間の通算がガイドラインの中で明確になった。また、健康管理についても明確にされたということで、ぜひガイドラインの周知をしっかりとやっていただければと思っております。
    以上です。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    酒向委員、どうぞ。
    ○酒向委員 酒向でございます。発言させていただきます。
    先ほどのお話の中に同一労働同一賃金の話もございましたので、ちょっとそれに絡めてお話をさせていただければと思います。
    資料3の13ページのところに関わるのですけれども、働き方改革関連法は2020年4月より段階的に施行されておりまして、同一労働同一賃金に関しましては、大企業及び派遣労働者への適用が開始されております。御承知のとおり新型コロナウイルスの感染拡大によりまして、特に4月以降は、有期、パート雇用労働者、派遣労働者の雇用に大きな影響が出ております。法令の遵守につきましてはしっかりと周知徹底していただくとともに、厳正な指導をお願いしたいと思います。
    また、派遣労働者につきましては、派遣元から派遣先にテレワークを求めても拒否をされたといった相談が連合に寄せられております。同一労働同一賃金の法整備におきましては、賃金だけではなく待遇の不合理な格差を禁止しております。派遣先正社員のみにテレワークを認めるというようなことについては、均等均衡待遇を定めた法の趣旨・規定に違反する可能性があるということについても、広く周知をいただきたいと思います。
    来年4月には、改正パート・有期法が中小企業にも適用開始となり、完全施行されることになりますが、今般の感染拡大は中小企業における同一労働同一賃金に関わる待遇の見直しや、規定の整備にかかる取り組みに影響を与えていると思われます。施行日までにしっかりと見直しや整備の取組が終えられるよう、厚生労働省としても中小企業事業主への支援をしっかりと行っていただきたいと思っております。
    以上です。よろしくお願いします。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    ほかにございますか。
    山中委員、どうぞ。
    ○山中委員 ありがとうございます。私からは、総合的なハラスメント対策の推進について発言をさせていただきたいと思います。
    本年6月に改正労働施策総合推進法、いわゆるハラスメント対策関連法が施行されまして、事業主には新たにパワー・ハラスメントに関する雇用管理上の措置が義務づけられております。今年度の概算要求につきましては、資料3の14ページにあるとおり、中小企業が令和4年4月1日より義務化されるということの対応としましては(2)に、中小企業へのハラスメント対策取組支援、そして、法律の指針に盛り込まれました第三者との関係でのハラスメント対策も望ましい取組とされたというこの法律の指針に関しては(4)のカスタマーハラスメント対策の推進が盛り込まれたことと理解をしております。ぜひ積極的な取組をお願いしたいと思います。
    一方で、コロナ禍におきまして、医療介護従事者やスーパー等の販売店、公共交通機関や運輸業界といったいわゆるエッセンシャル・ワーカーと呼ばれます生活上不可欠な領域で働く労働者とその家族、また、感染者や感染拡大地域居住者等に対する差別や誹謗中傷の問題が深刻化をしている状況です。実際には教育実習生が受け入れを拒否されるという案件、それから、医療従事者のお子さんが保育園で受け入れを拒否される等々、差別的な扱いを受ける事案も多く発生をしている状況だと思っております。
    このハラスメントの今回の法律につきましては、直接的に対象としておりますのは職場におけるハラスメント対策ということで、指針の関係もハラスメント対策であります。けれども、運用次第ではコロナ禍で起きている差別や誹謗中傷の問題の改善にも大きく寄与するものと考えておりますが、現時点でこの両者を関係・関連付けた政府の広報も報道もあまり見当たらないという状況です。ぜひこのような観点も含めまして、今回のパワー・ハラスメント関連の法の国民への周知に努めていただくとともに、第三者のハラスメント対策の強化も含めまして、事業主への積極的な取組を促していただきたいと思います。
    併せまして、2021年6月25日発効が決まりましたILOのハラスメント条約の批准に向けた対応も進めていただきたいと思います。
    以上となります。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    関連での発言はございますか。なければ、また事務局から説明を受けたいと思います。事務局、オンラインの方から説明が聞こえづらいという声があります。大きな声ではっきり話すようにということで、よろしくお願いしたいと思います。
    坂口さん、どうぞ。
    ○坂口雇用環境・均等局長 坂口でございます。幾つか御指摘をいただきましたので、お答えさせていただきます。
    まず、中西委員から1点目として法の周知について、御指摘・御意見を御頂戴いたしました。御指摘いただきましたような形で認知度、あるいはまだ周知の度合いが低いということについて、私どももしっかり反省をして、関係部局ともども法の周知に努めたいと思っております。御指摘がございましたように、いろいろな手法ということが大事かと思いますので、都道府県労働局におけるオンラインの説明会の開催であったり、我々もいろいろな形での情報発信ということをしっかりして、そういった点についての理解が広がる、認知が広がるようにしっかり取り組んでまいりたいと思います。
    そういった関係の流れの中で、酒向委員のほうから同一労働同一賃金の関係についての指導・周知ということについて御指摘をいただきました。御指摘がございましたとおり、本年の4月から大企業、あるいは派遣会社におきましては施行されているというところでございますけれども、労働局においてこの周知の徹底、必要な助言指導ということを行っているところでございます。来年の4月からは中小企業の皆さんにも全面施行ということになりますので、御指摘のございましたように、やはりきめ細かな理解、支援をやっていくということが重要でございます。働き方改革推進支援センターにおける個別相談、あるいはセミナー等を通じながら、事業主の皆さんに対する周知支援ということにしっかり取り組んでまいりたいと思います。
    それから、山中委員からハラスメント対策について御指摘を御頂戴しました。パワーハラスメントにつきまして施行いたしましたけれども、いずれにしましても法律に基づく措置を講じていない企業に対しては、法違反が適切に是正されるように助言・指導を行ってございます。12月には月間を定めて集中的な広報、啓発というものも実施することとしております。御指摘があった第三者へのハラスメント、カスタマーハラスメント等につきましても、指針で示されている望ましい取組というものの一環として、併せて周知を行ってまいりたいと思います。ILOの条約の批准につきましては国内法制との整合性の観点から引き続き検討してまいりたいと思います。
    それから、永井委員からテレワークの関係について御指摘をいただきました。いろいろ御指摘をいただいたようなアンケート調査等、連合等でも御実施されたという点についても、検討会の第1回でも紹介したりということもしながら、この夏からこれからのテレワークでの働き方に関する検討会を開催しておるところでございます。
    そこの中ではテレワークにおける労務管理等に関する実態調査についても、今行っているところでございまして、御指摘のあった点、直接かどうかは難しゅうございますし、実態は様々でございますけれども、会社で負担をされているいろいろな経費等の導入状況であったり、手当の導入状況等も一部尋ねております。そういった点も含めながら、今後、有識者の方々にもしっかり御議論いただいて、労使で安心して良質なテレワークの導入・定着が図れるように、私どもとしてもしっかり対応してまいりたいと思います。
    以上です。
    ○鎌田会長 吉永さん、どうぞ。
    ○吉永労働基準局長 中西委員より裁量労働につきましての御指摘がございました。裁量労働の制度導入に関する要件・手続の周知についてでございますけれども、厚生労働省では都道府県労働局に働き方・休み方改善コンサルタントを配置してございます。また、全ての労働基準監督署に労働時間相談支援班を設置してございまして、これらにおきまして裁量労働制の導入の手続も含めて相談支援を行うこととしてございます。
    さらに裁量労働制に関するパンフレットやホームページを活用して周知を行っているところでございますが、この辺りの周知につきまして、改めて詰めてまいりたいと考えてございます。
    また、裁量労働制の対象業務の拡大についてのお話がございました。先ほども冨田委員に対する御回答の中で若干触れさせていただきましたけれども、裁量労働制のあり方につきまして、現在調査を進めているところでございまして、この調査を踏まえまして、特定の方向性は現時点で持ってございませんけれども、そのデータを踏まえて、制度のあり方につきまして、労働政策審議会の中で議論を進めてまいりたいと考えてございます。
    また、同じく中西委員より最低賃金の関係で業務改善助成金につきましての御指摘がございました。業務改善助成金は今年度から様々なコースを拡充してございまして、60円、90円引上げコースなどというものも引上げてございます。引上げ金額に応じて助成額も最大450万円という形で、かなり拡充したところでございます。
    また、今年度から納税申告書の廃止など添付書類の簡素化も行ったところでございます。いずれにいたしましても、今後とも業務改善助成金の利用促進を図ってまいりたいと考えてございますので、どのようなことが必要かということを御相談させていただきながら、積極的な周知に取り組んでまいりたいと思ってございますし、こうしたことを通じまして、最低賃金の引上げに資すればと考えているところでございます。
    あと、永井委員よりテレワークの関係で、労働時間の把握の観点で御指摘がございました。これはテレワークに限らず労働時間を適正に把握していただくことが重要であるということだと思ってございます。労働時間の適正な把握のために、使用者側が講ずべき措置に関するガイドラインを平成29年に作成してございますけれども、引き続きあらゆる機会を通じまして、ガイドラインの周知を図っていきたいと考えてございます。
    また、これに基づきまして、適正な労働時間管理について、しっかりと指導してまいりたいと考えております。
    併せまして、今般9月1日に改定いたしました副業・兼業のガイドラインについても御指摘ございましたが、これも併せて周知を図ってまいりたいと考えております。
    以上でございます。
    ○鎌田会長 田中さん、どうぞ。
    ○田中職業安定局長 酒向委員より、派遣労働者のテレワークについての御意見がございました。派遣労働者であることのみを理由として、一律にテレワークを利用させないということは、労働者派遣法の規定に違反する可能性があり、その旨を厚生労働省ホームページにおいて周知しております。
    派遣労働者の方についても、派遣先の正社員の方と同様に、積極的なテレワークの活用を図っていただくよう、引き続き周知を図ってまいりたいと思います。
    ○鎌田会長 それではほかに御質問は、相原委員、どうぞ。
    ○相原委員 ありがとうございます。
    ウィズ・ポストコロナ時代の雇用就業機会の確保の観点から、1点申し上げたいと思います。
    現在のグローバルレベルでのこのパンデミックの影響、さらに各国の状況などを拝見いたしますと、この影響はなかなか短期に収束するという見通しを見いだしにくい状況にあるかなと思っております。翻って日本の経済や雇用に対する影響も長期にわたることを前提に、様々な雇用機会をどのように確保し、生産性につなげ、事業拡大につなげていくのかという観点が大変重要だと考えております。
    したがって、失業なき労働移動も、これまでのアプローチで考える失業なき労働移動というよりも、今回さらに経済社会の構造転換や、さらには事業構造の転換につなげる契機として、この失業なき労働移動を捉えることも重要なのではないかと考えております。その点からいたしますと、掛け声としての労働移動というのは大変重要なのですが、いかにしてこれを進めていくのかというスキームが大変重要だと思っております。
    そのスキームを日本レベルで検討する際には、社会的合意が大変重要であります。政労使の協議の場ですとか社会対話の充実ですとか、まさに省庁の壁を越えて横断的な検討の場が必要ではないかと思っております。厚労省におきましても、こうした場づくりや議論を牽引していただく立場にあろうかと思っておりまして、大きく期待をさせていただきたいと思っております。
    併せて、1点だけ個別のテーマですが、雇調金の関係で、1月以降も特例の延長を検討なさる必要があるのではないかと思っております。雇調金のうちの在籍出向の活用ですとか、さらには、地方創生臨時交付金の活用ですとか、今まさに手にしている政策手段を総動員する。こういう立場で雇用安定を進めていく必要性も企業の規模に問わず、大企業も中小企業も全体の雇用の安定と前進につながるような政策決定と推進をお願いしたいと思います。
    以上です。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    ほかにございますか。
    安河内委員どうぞ。
    ○安河内委員 ありがとうございます。安河内でございます。
    私の方からは外国人に対する支援について、資料3の9ページでございますけれども、意見を申し上げたいと思います。
    日本で働いております外国人の方は昨年の10月で165万人、コロナがなければ今頃200万人に到達したのではないかと考えておりまして、総数としては派遣労働者の方と変わらない数になってきております。
    昨年の4月に外国人雇用管理指針が改正をされまして、その内容については一定の拡充が図られたという認識をしております。ただ、直近の事案でも、例えば社長が毎晩酔っぱらって女性の寮に入り込んでマッサージをさせていたとか、あるいは仕事を一切与えずに、辞めると言うまで罵倒し続けて解雇したとか、そういった事例があります。これはやはり政労使でしっかりタッグを組んで実効性のあるものにしていく必要があるのではないかなと思います。
    それから、外国人労働者の在留資格について、これは非常に複雑であり、例えば介護の職場では技能実習もいれば、特定技能もいれば、EPAもいれば、様々な方が働いておられます。当然でありますけれども、出入国管理及び難民認定法のみならず、労働関連法令も外国人労働者に適用がされます。日本人以上に雇用管理が難しい外国人労働者でありますので、今回コミュニケーション能力の向上とかビジネスマナー等の研修は推進していくと書かれておりますけれども、それだけではなくて、労働三法を初めとする様々な労働法令や指針の周知徹底を図っていただいて、自らの権利は自ら守るのだというような周知を外国人労働者にも徹底する必要があるのではないかと思います。
    それから、昨今のコロナ感染法対策によりまして、私ども連合のほうにも雇用問題に関する問い合わせや相談が多数寄せられております。在留資格の制約がございますので転職がなかなか容易でないという状況があるのですけれども、これに関しては、現状ではコロナ禍において特定技能への移行を目的とした特定活動の在留資格が認められておりまして、こちらのほうに誘導することで対応しています。しかし、きめ細かな支援をしていくためには、政府の統計において外国人労働者の動向をしっかりと把握していく必要があるのではないかと思ってございます。
    また今後、特定技能の見直しや、技能実習制度の見直し等々も控えておりますけれども、外国人労働者政策全般について総合的に議論する必要があるのだろうと思っておりますので、ぜひ労政審におきましても総合的に議論する場の設置について御検討いただきたいというお願いでございます。
    以上でございます。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    難波委員、どうぞ。
    ○難波委員 ありがとうございます。私から2点にわたり発言をさせていただきます。
    まず、1つ目なのですが、就職氷河期世代への支援についてであります。政府としまして、就職氷河期世代の皆さんの活躍の場をさらに広げるための3年間の集中プログラムを取りまとめていただいています。
    ただ、新型コロナウイルス感染症の影響によって、地域ごとのプラットフォームの取組状況、さらには個人への支援が十分に行き届かない等々懸念も生じています。ウェブからの開催、さらには感染症対策を十分に講じる中で、ハローワークなどとともに、地域若者サポートステーションや自立相談支援機関などが複合的に連携することが求められてくると思います。取り巻く状況は変化することは容易に想像できます。3年間の集中プログラムの数値目標を追うことも大事ではありますが、それ以上に、就職氷河期世代の御本人の希望を第一と捉え、将来につながる適正な支援の継続を強く要請するところです。
    また、新たな就職氷河期世代を生み出さない、こういった観点から来春2020年4月の就職を予定している皆さんに対しても、これまで以上に御本人並びに関係機関への支援が必要と考えているところです。
    もう1点なのですが、このコロナ禍における自殺予防対策であります。2020年における自殺の状況を8月の速報値で見ました。7月までは前年を下回る数で推移をしておりますが、8月に入りますと、前年と比較しまして急増しています。とりわけ女性の自殺者が大幅に増加している状況であります。
    この自死に至る原因や動機は恐らく複合的でありますから、他者が容易に推測できるものではありません。ただ、自殺者がここに来て急増している実態を目の当たりにしますと、やはりこの長期化するコロナ禍による仕事や生活の変化、雇用、収入などの不安等、今までにない社会全体を覆うこういった不安感でストレスを抱え込んでいる人が増え始めていることの1つの現れではないかと考えてしまいます。
    心身ともに追い詰められ、自死を選ぶ方をこれ以上出さないためにも、SOSが出せる、あるいは気づける環境をつくること、そしてコロナ禍における精神的負荷の実態把握や対策の実行が急務と考えます。したがいまして、厚生労働省におかれましても、これまで以上の力強いメッセージの発信を強く要請するものであります。
    以上です。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    椋田委員、どうぞ。
    ○椋田委員 私からは、労働分野の電子申請の促進について申し上げたいと思います。
    今、労働保険の徴収や労災保険、あるいは雇用保険に関わる手続の多くが電子申請によって可能となっています。しかし、今回のコロナ禍の下で多くの企業にとって非常にニーズの大きかった雇用調整助成金が電子申請の対象外であったということで、我が国における電子化の遅れの例として取り上げられるとともに、迅速な支給を阻害した要因の1つとしても挙げられました。ようやく8月25日から雇調金の電子申請が始まりまして、また、その他の雇用関係の助成金につきましても、2022年度中には電子申請の運用が開始できるよう検討中と伺っているところでございます。
    手続の電子申請化を着実に進め、迅速かつ円滑に企業を支援する体制を整備することで、これで雇用のセーフティーネットの強化を図っていただきたいと思っているところでございます。
    それから、労働基準法に基づきます手続の電子申請につきましては、現在、労基法の主要な手続であります36協定届、あるいは就業規則等における電子申請の割合は増加しておりますけれども、2019年でまだ2.48%にとどまっていると承知しています。
    資料4-1の24ページに労基法の手続における押印原則を見直すという記載がございました。電子申請の阻害要因を取り除く重要な取組であると思っておりますが、政府全体の方針でありますデジタルガバメント推進のボトルネックとも言える状況であることに鑑みましたら、押印の見直しにとどまらず、電子申請の普及に向けた抜本的な対策が不可欠と思っています。
    労働分野に限らず、行政手続の電子申請化といいますのは、新型コロナウイルス感染症対策としての3密回避だけではなくて、日本が今まさに国を挙げて推進しておりますsociety5.0の実現の観点からも大変重要だと思っております。
    経団連が先月公表いたしました実態調査では、電子申請を利用しない理由といたしまして、電子申請の電子政府の総合窓口であるe-Govの使いにくさを指摘する声が多く寄せられています。厚生労働省におきましては、e-Govによる申請や届出内容に対するエラーチェック機能の追加、あるいは電子証明書によらない簡易な方法による電子申請の実現、あるいは本社一括届出制度の拡充、こういった利用者目線に立った改善にぜひ一層取り組んでいただきたいと思っております。
    私からは以上です。
    ○鎌田会長 ありがとうございます。
    それでは、事務局から説明をお願いします。時間が迫っていますので、手短にお願いできればと思います。では、田中さんからお願いします。
    ○田中職業安定局長 相原委員から、失業なき労働移動に関する御意見がございました。コロナ禍の事態が長期間にわたり、また今後もどのように推移するかが不確定な状況の中で、こうした事態が経済の構造転換、あるいは事業転換の契機になるのではないかということは、おっしゃるとおりだと思います。
    それに伴いまして、やはり労働ニーズ、労働需要というものも変化してまいります。それを具体的に失業のない形で、どのように動かしていくかということを進めていくことは重要な課題であります。それを社会的コンセンサスの下で進めていくということも、やはり安定的にそういった取組を進めていく上で極めて重要不可欠だと思っておりますし、そういう形を形成することについて、私どもとしてもしっかり努力したいと思います。
    先ほど申し上げましたように、緊急事態の中で雇用維持を中心に取り組んでまいりましたけれども、今後はバランスのとれた雇用対策を推進していく必要があると思いますし、また、御指摘のような構造転換という視点からは、地域ごとのそういった状況を踏まえた産業政策と雇用政策との有効な連携も重要かと思っております。
    雇用調整助成金につきましては、1月以降も引き続き段階的に通常の制度に戻していくという形でございますけれども、しっかり対応していきたいと思っております。よろしくお願いしたいと思います。
    それから、安河内委員から外国人に関する御意見がございました。事業主が遵守すべき法令、在留資格に応じて講じるべき事項を示しております外国人雇用管理指針について、ハローワークの事業所訪問等を通じて周知啓発をしっかり今後とも図っていきたいと思っております。
    また、総合的な議論のためのデータに基づく議論の重要性ということでございます。これについては9月25日の雇用対策基本問題部会で外国人求職者の状況をお示ししておりますけれども、引き続き雇用状況の把握に努めて労政審での公労使の御意見を賜ってまいりたいと考えております。なお、厚労省は特定技能では制度官庁でありますし、技能実習では法務省との共管官庁でございますので、各制度について、今後公労使の御意見を伺う場につきましては、入管庁ともよく相談してまいりたいと考えております。
    椋田委員から、電子申請についての御指摘がございました。雇用関係助成金の電子申請については、全体としては2020年度中に運用開始できるよう検討しております。着実に進めてまいります。また、雇用調整助成金の電子申請、いろいろ御迷惑をかけましたけれども、8月末から動いております。それから個人給付であります休業支援金につきましても、少し時間がかかりましたけれども、しっかり構築しまして、本日10月9日から受付を開始したところでございます。御活用いただければと思っておりますし、また、事業者の皆様方には労働者への周知の徹底の御協力もお願いしたいと思います。
    以上でございます。
    ○鎌田会長 吉永さん、どうぞ。
    ○吉永労働基準局長 難波委員から自殺の関係で御指摘がございました。御指摘がございましたとおり、7月までは前年同月比より下回ってきたところですが、8月に246人前年度月を上回るという状況になってございます。こうした状況を踏まえまして、厚生労働大臣から生きづらさを感じている方々への大臣メッセージという形で公表させていただいたところでございますけれども、特に若い女性が増えているというような傾向が見られるようでございます。
    厚生労働省の中では社会援護局が所管局になってございますけれども、自殺を未然に防ぐために地方自治体や民間団体を通じて電話相談やSNSの相談などを行っているところでございます。補正予算によりその拡充を行ってございます。
    また、労働者のメンタルヘルス不調等に関する相談体制を強化してございまして、私の担当でも「こころの耳」というポータルサイトを運営してございますけれども、ここの電話回線を大幅に拡充したりということを行っているところでございます。引き続き自殺者数の動向に注視しつつ、自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して、自殺対策に着実に推進してまいりたいと考えます。
    もう一点、椋田委員より労働基準法関係の手続についての御指摘がございました。労働基準法に基づく届出におきます押印の取扱いにつきましては、廃止する方向で労働条件分科会で御議論をいただいているところでございます。
    また、デジタルガバメント推進の観点から労働基準法に基づく届出におけるe-Govによる電子申請につきましては、御指摘もございました36協定を本社一括で届け出ていただく際の要件緩和でございますとか、電子証明書によらない簡易な方法による電子申請の実現などにつきまして検討しているところでございまして、早急に検討を終えた上で、システムの改修や、企業等への周知などでで、利用者の利便性を向上させるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
    ○鎌田会長 小林さん。どうぞ。
    ○小林人材開発統括官 難波委員から2点ございました。1つは就職氷河期対策、それから、来春の新卒者への対策、いずれもしっかり取り組むようにという話です。
    氷河期につきましては、今年度からの3か年の集中取組期間ということでございましたが、最初からコロナに直面したということでございます。これから遅れを取り戻していかないといけないということでありまして、各都道府県のプラットフォームについては今月で全都道府県がそろいます。これから関係機関一体となって、きめ細かく取り組んでまいりたいと思っております。
    それから、新卒者の関係でございますが、大学は10月1日、高校は10月16日に正式な内定という形になります。未内定の方がやや増加するという状況にございますので、新卒応援ハローワークが各大学等ときちんと連携をいたしまして、年度末まで最大限の対応をしてまいりたいと思います。
    以上です。
    ○鎌田会長 それでは、ほかに御発言ありますでしょうか。
    ないようですので、以上といたします。
    それでは、私からまとめということで、厚生労働省には年末の予算編成や今後の政策立案において、委員の皆様の御意見を踏まえ、取り組んでいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
    本日はこのあたりで閉会をいたします。本日の会議の議事録につきましては、本審議会の運営規定により、会長のほか2名の委員に署名をいただくこととなっております。つきましては、労働者代表の相原委員、使用者代表の中西委員に署名人になっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
    本日の会議は以上で終了といたします。御協力ありがとうございました。

(了)

照会先

政策統括官付政策統括室

調整第一係 内線(7728、7723)
代表: 03-5253-1111