2020年10月20日 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第33回) 議事録

日時

令和2年10月20日(火)16:00~18:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール14D

出席者

議題

配布資料

議事

議事内容
○南川難病対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第33回「厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会」を開会します。
委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
また、本日、一部の委員の方にはオンラインにて参加いただいております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、報道関係者及び一般の方の傍聴は行わず、代わりに会議の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開しておりますので、御了承ください。
また、オンラインでの参加の方に向け何点かお願いをさせていただきますが、御不明な点がございましたら、事前にお伝えしている電話番号におかけいただければ、御案内いたしますので、いつでもお問い合わせください。
以下、オンラインでの参加の方に向けたお願いです。ビデオカメラはオンにすること。マイクはミュートにしていること。発言時はマイクをオンにしてもらうこと。発言時は名前をおっしゃった上で発言をしてもらうこと。発言が終わったらマイクをミュートにしてもらうこと。よろしくお願いします。
初めに、委員の交代について御報告いたします。飯野委員、石橋委員が任期の満了に伴い委員を御退任されており、代わって新たに2名の委員が御就任されておりますので、御紹介申し上げます。
小川郁委員。
山下英俊委員。
以上になります。
小川委員については途中参加の御連絡をいただいております。
まず、本日の出席状況について御報告いたします。平山委員から御欠席の連絡をいただいています。また、小川委員より途中参加の御連絡をいただいております。
その余の委員は皆様、御出席いただいている状況でございます。
また、第32回指定難病検討委員会より事務局の体制に変更がございましたので、御紹介させていただきます。難病対策課長、尾崎でございます。
○尾崎難病対策課長 尾崎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○南川難病対策課長補佐 それでは、以降の議事進行につきましては、水澤委員長にお願いしたいと思います。水澤委員長、よろしくお願いします。
○水澤委員長 それでは、議事を開始していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に資料の確認をお願いいたします。
○南川難病対策課長補佐 本日の会議ではタブレットを使用し、議事を進行させていただきたいと思います。使用方法に御不明な点や機器の不具合等がありましたら、御遠慮なく挙手をお願いします。
資料1 制度見直しの議論を踏まえた指定難病に関する検討
資料2-1 今後の指定難病の選定に関する検討の進め方について
資料2-2 指定難病検討資料作成のためのチェックリスト(案)
参考資料1 難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループとりまとめ
参考資料2 難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループとりまとめ
参考資料3 指定難病の要件について(第26回指定難病検討委員会資料)
参考資料4 指定難病検討資料作成のためのチェックリスト
御用意しております。
また、委員のみになりますが、臨床調査個人票を机上配付しております。
○水澤委員長 ありがとうございました。
それでは、議事を進めてまいりたいと思います。本日の議事は、大きくは2つございます。まず、「制度見直しの議論を踏まえた指定難病に関する検討」について、委員の先生方に御議論をいただきます。事務局にて案を作成いただいておりますので、こちらを基に取りまとめに向けて議論をしていきたいと思います。
次に、2番目「今後の指定難病の選定に関する検討の進め方」について、議論をしていきたいと思います。
それでは、議事1「制度見直しの議論を踏まえた指定難病に関する検討」について、事務局から資料の御説明をお願いいたします。
○南川難病対策課長補佐 それでは、事務局のほうから御説明をさせていただきます。資料1「制度見直しの議論を踏まえた指定難病に関する検討」を御確認ください。右下のページ番号に基づき御説明をさせていただきます。
1ページ目、制度見直しのこれまでの検討状況ということでございます。難病の患者に対する医療等に関する法律及び児童福祉法の一部を改正する法律の附則に基づく施行5年後の見直しについて、以下の表のとおり議論がされてきています。まず、難病対策委員会・小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の合同委員会を立ち上げまして、この合同委員会での議論の結果、昨年6月に附則に基づく施行5年後の見直しについての「今後検討するべき論点」の取りまとめがなされました。昨年8月から12月にかけて、研究・医療ワーキンググループ、地域共生ワーキンググループという形で、それぞれの論点について議論をして、それぞれのワーキングで昨年12月、そして今年の1月に取りまとめ、公表しております。今回の指定難病検討委員会に特に関わってくるのが研究・医療ワーキングで、医療費助成制度、医療提供体制、調査及び研究に関する御議論をしていただき、取りまとめがされています。
今年の1月より合同委員会という形で、このワーキングの取りまとめを踏まえた制度見直しの議論が引き続き継続しておりまして、新型コロナウイルス感染症のために一時開催しなかった時期がありますので、先週から改めて議論の開始をしたという状況でございます。
2ページ目を御確認ください。難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループの取りまとめとして、特に指定難病検討委員会に関係する部分について抜粋させていただいております。まず、対象疾病についてですが、赤字を中心に御説明します。今後も公平かつ安定的な仕組みとするために、制度創設時の考え方に基づき、指定難病の各要件を満たすと判断された疾病について、指定難病に指定していくということが適当であるということがございます。
次に、3つ目の赤字です。既に指定難病に指定されている疾病については、指定難病検討委員会における研究進捗状況のフォローにより、治療成績の改善状況等を評価していく必要があるということになります。
次の赤字の部分です。こういうフォローの結果、「指定難病の要件に合致しない状況が生じている」の判断に当たっては、附帯決議という形、法施行時に出された附帯決議があるのですが、指定難病検討委員会において指定難病の要件に該当しているかどうかを総合的に判断することが妥当と考えられるが、具体的にはしっかりとフォローしていくことが大事であるという形の取りまとめがなされています。これは対象疾病ですので、指定難病としての疾病単位で指定するかどうかという議論について、このような形でしっかりとしたフォローが大事という御意見を取りまとめていただいているところです。
続きまして、指定難病の中で実際の医療費助成の対象となる患者の認定基準ということで、重症度基準ということを各指定難病ごとに定めさせていただいていますが、これについても赤字の部分を御紹介させていただきます。対象疾病間の公平性を確保する観点から、同一の領域内で同様の症状等を評価する場合には、可能な限り当該症状等を評価する客観的指標の標準化を図ることが適当である。また、基準の見直しについては、あくまでも医学的観点から必要な範囲で行われるものであることから、基準の設定時と同様に、難治性疾患政策研究班や関連学会からの情報を基に、指定難病検討委員会において行われることが妥当であるという形で、ワーキングのほうから御意見をいただいているところでございます。
これを受けまして、今回指定難病について改めて議論を開始するに当たって、以下のような形で対応することとしてはどうかという形で御提案させていただければと思っています。
1つ目が対象疾病についてです。指定難病の追加については、今後も指定難病検討委員会において、個々の疾病ごとに指定難病の各要件を満たすかどうか検討することとしてはどうかというのが1点目。
既に指定難病に指定されている疾病、これは告示レベルで言うと333疾病ありますが、これに関する研究進捗状況のフォローについては以下のとおりとしてはどうかという形で、まず、各指定難病において、患者数の状況について、発病の機構の解明状況について、効果的な治療方法の進展について、長期の療養の変化について。指定するに当たっての要件に関する状況の進捗をさせていただければと思っています。
進捗状況については、指針のときと同じ流れで、研究班から提供されたものを厚生労働省が取りまとめた上で、この指定難病検討委員会に御報告させていただければと思っております。
続きまして、対象患者の認定基準についてですが、「同一の領域内で同様の症状等を評価する場合には、可能な限り当該症状等を評価する客観的指標の標準化を図る」ということになっていますので、個別疾病の特性や疾病間の公平性の観点から専門的にしっかり検討していく必要があると思いますので、まず研究班の中で、これは個別の研究班だけではなく、横断的な研究班も含めてですが、具体的な領域の範囲、評価方法について検討させていただければと思っているところでございます。
続きまして、4ページに行かせていただきます。もう一つ、今回ワーキングで言われたこととしましては、患者の利便性の向上・自治体の負担軽減について議論がされている中で、関係者の事務負担軽減を図る観点から、認定審査の適正性及び調査研究の意義を損なわない範囲で項目の簡素化、臨床調査個人票や医療意見書のことですけれども、そういうことが必要なのではないかという御指摘をいただいております。
これにつきまして事務局の対応案として、5ページです。現在も合同委員会でいろいろ議論されていますが、今回のワーキングでの取りまとめを受けて、以下の対応をしてはどうかと御提案させていただいています。1つ目は、まず関係者の事務負担軽減を図る観点から、臨床調査個人票の中で診断基準や重症度基準に係る項目を明確に分けるために、以下のように構成を変えてはどうかということを御提案させていただいています。疾病名は差し控えさせてもらおうと思いますが、皆様のお手元に幾つかの疾患の臨床調査個人票が色つきであると思います。赤が診断基準に関する部分、青が重症度基準に関する部分、緑がそのほかの臨床項目に関する部分という形です。ぱらぱら見ていただければと思いますが、疾病においては、赤、青、緑が順番に並んでいるものもあれば、ばらばらに並んでいるものもあるという状況が見てとれると思います。
いずれにしても、簡素化するに当たって、診断基準、重症度基準を簡素化するわけにはいかないので、もう一度資料1の5ページに戻っていただければと思いますが、まず今、こういう形で並んでいる部分を診断基準に関する事項、重症度分類に関する事項、そしてその余の臨床情報という形等にソートさせていただくというのは対応、方向性としてやることによって、それぞれの皆様が確認をしやすくするという形で対応させていただければと思っております。
上記の取組を行うのと併せて「調査研究の意義を損なわない範囲での項目の簡素化」というのを、個別疾病の特性や疾病間の公平性の観点から、これも専門的な検討が必要ですので、研究班等で検討させていただければと思っている次第です。
参考資料の部分ですが、初めての先生もいらっしゃるので、簡単にだけ。7ページ目というのは、難病法における難病の定義ということでございます。難病法の中で「難病」と定義されているのは、白い「難病」の枠内の4つの条件。それが定義をされています。その中の指定難病というのは、黄色い枠の中の2つの条件。それが医療費助成の対象として記載されているところでございます。
8ページ目は、基本的にどのような形で指定難病の検討が進められるかというと、まず我々は難病に関する情報について、厚生労働科学研究費補助金の中で研究班を立ち上げ、その研究班が関係学会と一緒に収集、整理をする。その中で、研究班及び関係学会がこういう形が指定難病の要件に合致するのではないかという形の申請がございますので、その結果を指定難病検討委員会で議論させていただいて、指定難病検討委員会の検討結果を疾病対策部会に報告した上で、厚生労働大臣として指定をしていくという形の流れになっております。
9ページ目にありますとおり、法律ができてから、最初56疾病から今の333疾病まで、各指定難病検討委員会で複数回それぞれ議論した上で、検討結果を踏まえて、厚生労働省として指定難病として指定をしているところでございます。
10ページ以降は、先ほど言ったワーキングのより細かい議論の経緯ですので、後ほど御参照いただければと思っています。
事務局からの説明は以上です。
○水澤委員長 ありがとうございました。
かなり長いお話をコンパクトにまとめていただきましたので、お分かりいただけたかなと思いますけれども、2つに分けられておりまして、スライド番号の2ページ目と3ページ目、それからスライド番号の4ページとそれに対応する案の5ページという構成になっているかと思います。こういう御提案ですが、御議論いただければと思います。いかがでしょうか。
先ほどお話がありましたように、ミュートを外していただいて御発言ください。山下先生、どうぞ。
○山下委員 石橋委員の後任としてなったもので、これまで眼科学会の中ではある程度議論していたので、眼科のことは大体分かっているつもりなのですが、この検討委員会自体は診療科だけのことではないというふうに今の話で理解しましたので、今、水澤委員長がおっしゃったように、まずフォローアップをするという話があるわけでありまして、研究班としてどういうものがあって、どういう疾患を対象に研究をしていてというのをどこかで情報として見せていただけないか。可能な範囲でいいのですけれども。333の疾患というのは調べれば分かると思うのですが、今後出てくると思いますけれども、それを広げていくとか、どういう研究班があって、どういう疾患を対象にしているかというのを一覧表、すごいことになってしまうと思うのですが、見せていただくことは可能でしょうかという御質問であります。
○水澤委員長 では、私が簡単に申し上げて、その後、事務局に正確なところをフォローしていただきたいと思います。
333疾患は、難病情報センターのホームページのほうで最近、かなりきれいに整理されて、よく出ていると思います。それから、対応する90くらいの研究班についても掲載されていると思いますので、そちらのほうで分かります。恐らくフォローアップについては、333の疾患をカバーする難病の研究班が多分やることになると思います。その情報をこちらに頂くということになっているのではないかなと理解しております。したがいまして、全体が対象になっているのではないかなと理解しておりますが、いかがでしょうか。フォローをお願いします。
○南川難病対策課長補佐 ありがとうございます。
水澤委員長がおっしゃったとおりで、まず今、どういう指定難病に対する研究班が研究をしているか、どういう研究があるかというものの一覧を御提供することは可能ですので、それについては先生方に後ほど送らせていただければと思います。厚生労働科学研究班については基本的に全て公開情報ですので。
全体のたてつけで申し上げますと、厚生労働科学研究費というのは、まず指定難病に指定された部分については、基本的にそれぞれの指定難病に対応した研究班が必ず立つようにしております。ですので、先ほどの333疾病について、ある1つの研究班が10見ている場合もあれば、もっと少ない場合もあるのですけれども、おおむね六十幾つかの研究班で対応していることになります。
それ以外にも、指定難病ではないのだけれども、指定難病であって、まだ診断基準がしっかりしていないとか、そういうものに対応した研究班も別途ありますので、それを全部合わせると、先ほど水澤先生がおっしゃったような数字に近くなってきますが、そういう形の研究班がございますので、そこについては難病情報センターの情報で個々の疾病を出すとともに、そういう研究班の情報についても後ほど御提供することは可能です。
以上です。
○山下委員 どうもありがとうございました。
難病のホームページ、もちろん見てみますけれども、公開情報で一覧表になっていると便利は便利なので、情報の提供をお願いいたします。よろしくお願いします。
○水澤委員長 おっしゃるとおりですね。私も一覧表があると便利だなと自分でも思いながら、これまでは不便をかこっておりましたけれども、今度そうしてもらえるとよいかなと思います。
あと、日本医師会が出している『指定難病ペディア』という本があって、一応全ての疾患について書いてございますので、非常に便利です。ペディアですので、一種の事典みたいな感じで使いやすくなっているかなと思いました。
ほかはいかがでしょうか。先生、どうぞ。
○直江委員 先ほどワーキングの取りまとめをスライド2と3で示されたところですけれども、見直しの方向性というのが今、議論されているということですが、これまでの議論の中でも、この制度そもそも論ですけれども、「制度の創設時の考え方に基づき」ということでスタートしているのですが、例えば頻度の問題とか治療法の問題などが、進歩してまいりますと、少し基準に合わなくなってきたといいますか、そういうことがあるかと思うのですが、その辺に関しまして、ワーキングのほうでは、こういう方向で行ったらいいのではないかということが議論されているのでしょうか。
○南川難病対策課長補佐 座長、すみません。
資料については、10ページから12ページが実際に議論されているような形での御意見になります。具体的な御意見は12ページのところで、いろんな御意見がありまして、ほかの慢性疾患の患者との公平性を考えると、外していくという仕組みが要るのではないかという話や、医療費助成から外すことにより治療を受けられなくなることがないように配慮すべきであるとか、希少性の定義について、人口構成の急激な変化も考慮したほうがいいとか、治療の開発とかそういう観点が要るのではないかと。他方、就労状況を考えた中で、難病患者を受け入れる社会が十分に実現されていないという中で、外してしまうことがいいのかとか、十分に考えてほしいというような様々な御議論がある中で、やはりしっかりとフォローアップをしていくというのが今回のワーキングの最終的な取りまとめの御意見だと理解していますので、それに当たって、指定難病に対応する研究班を通じて情報を収集して、指定難病検討委員会に御報告させていただきながら、フォローアップをしっかりやっていくという形を今回御提案させていただいているところです。
○直江委員 ありがとうございます。
そうしますと、この委員会での議論の方向性、範囲と、ワーキングや親委員会との整合性のことをお聞きしたいのですが、これから始まるこの検討委員会のほうでは、どういう方向で話すということになるのでしょうか。これは水澤先生でもいいのですけれども、そこを教えていただければと思うのですが。
○水澤委員長 御指名されてしまったなという感じがいたしますが、先生おっしゃるとおり、委員会をやっていくには方針が必要なわけです。私の理解では、今、各種の要件についてどうなっているのか検討する事と思います。例えば治療法が非常に進歩したとか、あるいは患者数が随分変わったとか、様々な変化があるのだろうと思うのですけれども、それはこれまでの委員会でも散発的というのでしょうか、包括的ではない情報があったと思うのですが、今度はそれぞれの研究班にお願いして、各疾患について、こういう要件の状況がどうなっているかということをきちっとこちら側から依頼して調べる、フォローアップするということが行われますので、そういう全体像がある程度は明らかになるのではないかなと思います。
そうなってくると、では、どの辺で線を引くというか、こういうのはどうだろうかといった議論がしやすくなるのではないかなと思っております。したがいまして、全体を公平にやっていくために、少し時間がかかるような感じがしますけれども、まずは各研究班にお願いしてフォローアップをしていこうというのは、よい方向、正しい方向ではないかなと考えております。よろしいでしょうか。
○直江委員 ありがとうございます。
○水澤委員長 ありがとうございます。
ほかはどうでしょうか。
○山下委員 もう一つ質問、よろしいでしょうか。
○水澤委員長 山下先生、どうぞ。
○山下委員 今の直江先生のお話に引き続くような質問になるのですけれども、この難病の検討の委員会でもいいですし、それより前の56疾患のときでもいいのですが、今回考えられているような難病に関しての見直しとか検討とか、そういうのは以前やられたことがあるのでしょうか。要するに、指定して動いているというものを検証するというのは、今回初めてですか。それとも前にあるのでしょうか。
○水澤委員長 多分総合的には初めてのような気がしますが、事務局からお答えいただきます。
○南川難病対策課長補佐 見直しという意味で言うと、先ほどの9ページにあるとおり、56疾患から始まって、333疾病という形で増えてきていまして、その間にもともと指定難病だった疾病が見直しをされたということはございません。法制度以降ですね。
なので、いずれにしても、先ほど水澤委員長がおっしゃったように、今回、まずフォローアップをしていくと。このフォローアップそのものも、どうフォローアップしていくか、いろいろな御意見もある中で、今回我々が御提案させていただいているのは、指定難病を指定するに当たって、法律の要件という形で4つの要件がありますので、そこに準じたフォローアップを各研究班に依頼してみて、そこを網羅的に見ているというフォローアップの形でどうかという御提案をさせていただいたという形になります。
○水澤委員長 ありがとうございました。
今の御議論は、対象疾病とか認定基準といった話だと思いますが、あとスライド番号4と5というのもありますが、そちらのほうは特によろしいでしょうか。臨床調査個人票の記載の仕方、順番というのでしょうか、それを工夫して、診断基準、重症度分類といったものに係るものを最初に持ってくるようなやり方です。既にこうなっているところもあるようですけれども、そういった形にするという議論の方向があるようであります。よろしいでしょうか。どうぞ。
○山下委員 初めてなので、いろいろ質問して申し訳ありません。
この個人票に関しては、各研究班で恐らくいろいろな検討をしておられると思うのですが、そこに諮って、これぐらいで大丈夫かということをしたのか、それとも合同の検討ワーキンググループでこの辺でいいのではないかとしたのか。要するに、現場の人はこれをどれぐらい分かっていますか。現場の意見を聞きましたかという話ですけれども。
○水澤委員長 現場の方が、基本的にはつくっている、各研究班でやっていると思います。それでいいですね。たしか。
○南川難病対策課長補佐 おっしゃっているとおりで、この臨個票そのものは、その当時あった研究班の人たちの御意見を踏まえてつくっているもので、研究班ごとに認定されるときに逐次つくっているものなので、そういう形になっている。
今回、全体の事務負担の軽減の観点から、臨個票そのものを一定程度簡素化できないかという形を、制度の見直しを検討しているワーキングから言われていますので、それを受けて、また現場の意見も聞きながら、スリム化の方向で調整させていただきたいと思っています。それをスリム化するに当たっては、研究班の先生方の意見を伺いながらやっていきたいとは思っております。
○水澤委員長 補足しますと、まさに今、先生がおっしゃったように、現場で、しかも歴史的に各研究班等で工夫してつくられてきたものですから、相当ばらばらの部分があります。それが今、これからもうちょっときちっとした形で標準化していこうという流れの中にあると理解しております。よろしいでしょうか。
○山下委員 はい。とてもいいことだと思いますし、眼科で言うと、網膜色素変性、56疾患の時代からありますので、局所的なところは分かっているのですが、未来思考で今後フォローして全体を評価するということになると、ここで出てくるデータベースが将来における日本の医療をかなり大きな部分、レベルを決めてしまうようなことになりそうで、非常に怖いと思っておるのです。基本的な流れは賛成です。現場の負担を軽減するために縮小すると。ただ、縮小することによって、本来集めるべきデータがレベルが低くなってしまっては、患者さんにフィードバックするだけのものがなくなると困るなというのがありますので、その辺のバランスを。できれば研究班の先生方にも御意見をいただきながら、適正なところに軟着陸するのがいいのかなと思ったもので、発言しました。よろしくお願いいたします。
○水澤委員長 研究班の方々と協議しながら、むしろそこをぜひやっていただくということになると思いますので、その点はあまり心配ないかなと思います。ただ、全体の調整みたいなところですね。この委員会も含めて、全体を見られるような立場の人たちの御意見も伺う必要があるのだろうとは思っております。ありがとうございます。
どうぞ。
○錦織委員 今回の事務的な手続とか、記入することの事務負担の軽減という流れは非常にいいと思いますし、非常に簡素化して統一しようではないかというのもいいかと思うのですが、一つの疑問は、今回疾病によって赤、緑、黄色というふうにばらばらだったり、一定の方向。ばらばらだというのは、疾病によって理由があるのではないかなという気もするので、山下先生がおっしゃったことともちょっと似ているのですが、そのメリットとデメリットも伺ってほしいなというのが1点。
あと、今回の臨個票というのは、あくまでも日本のどこにどういう患者さんがおられるか、非常に広い範囲での患者の分布とか、患者の人数とか、大ざっぱな重症度を知るという意味だけに限定すると、今おっしゃっている非常に簡素化していくというのがよくて、一方で、個々の疾患に対するいろんなデータベースをつくっていこうという場合には、これでは不十分なので、どうしても。今回の臨個票というのは、あくまでも行政的な視点からのものと割り切ってしまえば、簡素化できれば簡素化するほど楽で、そうすればそうするほど患者の入力、登録数も上がるのではないかなと思います。
一方で、研究班にはそれと並行して、各疾患での本当に必要な、臓器ごとの重症度とか、そういうことを研究することを推奨していくというのも必要なのかなと考えているので、そこを区別して考えたほうがいいのかなと思っている次第です。
以上です。
○水澤委員長 おっしゃるとおりだと思います。ありがとうございます。
ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
そうしましたら、議事の2のほうに進みたいと思います。「今後の指定難病の選定に関する検討の進め方について」ということで、いきたいと思います。今の議題1のほうはお認めいただいたということで、2のほうの資料の説明をお願いいたします。
○南川難病対策課長補佐 それでは、資料2-1を御説明させていただきます。これも右下のスライド番号に基づいて御説明させていただきます。
スライド1、令和3年度実施分における検討の進め方です。対象疾病という形で、これは例年同様の形でやっているのですが、平成30年度、令和元年度、令和2年度難治性疾患政策研究事業において、指定難病の検討に資する情報が整理されたと研究班が判断し、研究班から情報提供のあった疾病。そして、小児慢性特定疾病のうち、指定難病の検討に資する情報が整理されたと日本小児科学会が判断し、同学会から要望のあったものについて、研究班や関係学会から情報提供のあった疾病。
そのほか、今回対象にならなかった疾病については、今後難治性疾患政策研究事業において必要に応じて当該疾病についての研究を支援し、指定難病として検討を行うための要件に関する情報が得られた段階で、審議することとさせていただければと思っております。
2ページを見ていただければと思います。本日が「指定難病追加の検討における今後の検討課題についての対応案について議論」でして、ここの会議が終わった後、一定の議論を踏まえて一定のお時間をいただいた上で、各政策研究班に対して、もしくは学会等を通じて新規追加疾病の募集をさせていただきます。それをこちらのほうで取りまとめさせていただいて、そこにも一定のお時間をいただくかもしれませんが、指定難病検討委員会に審議、検討結果の取りまとめをお願いした上で、これも何回かになってしまうと思いますが、検討した上で、疾病対策部会における審議・決定。来年度にまた改めて指定の追加がされたところについては、改正告示の公布をするという形で進めさせていただければと思っています。
参考資料ですが、4ページ目はこれまで同様の形でやっていたことについて、5回分の検討対象について記載させていただいています。
5ページ目は先ほど御説明したので、割愛させていただきたいと思います。
資料2-2につきましては、チェックリストということで、各研究班に対していろいろ出してもらうのですけれども、こういう形のチェックリストを出してもらっていますので、基本的に赤字になっている部分が、前回出してもらっているチェックリストからの追加部分ですが、参考資料3という形で別途説明書きがあったものをチェックリストの中に替えて、より審査の効率化を図ろうという意味で、内容について追記させてもらっているだけですので、内容そのものについて変化があるものではございませんが、これについても併せて御確認いただければと思っております。
資料2についての御説明は以上です。
○水澤委員長 ありがとうございました。
ただいま事務局から令和3年度実施分の指定難病の選定に関する検討の進め方について、御説明をいただきました。これまでの進め方について整理していただいて、基本的に変わるところはないかと思いますが、御意見等があったらお願いします。特にコメントしたいところは、資料2-2は、今、説明いただきましたが、下のほうに書いてある項目ですが、今、御議論いただいたような点、ここをきちっとチェックしてほしいということを研究班にお願いしておりまして、研究班の人はちょっと大変だなと思われるかもしれませんけれども、こうすることによってフォローアップがかなり正確にできるというふうになっているかと思います。御議論いただければと思いますが、いかがでしょうか。山下先生、どうぞ。
○山下委員 方針は頂いた資料に明確に書いてあるので、これは非常によく分かりました。
方法論的なことをお伺いしたいのですが、難病の研究班の班長さんには、これから追加するのがありますかというアンケートを厚労省のほうから一様に回してもらえるということでよろしいのかというのが1つ。
あと、関連する学会。ここに書いてあるのは、小児慢性の場合には日本小児科学会が判断し、同学会から要望があったものとあるのですけれども、小児慢性特定疾患以外の難病に関しては、関連する学会に対して何かアクションを起こして提案を求めるということはあるのでしょうかというのが2番目の質問です。いかがでしょう。
○水澤委員長 やり方については、事務局からお願いできますか。
○南川難病対策課長補佐 1つ目の質問の研究班にこれから連絡をするかという意味で言うと、この会議が終わった後に、今おっしゃったとおり、このチェックリストや、必要書類についてもある場合は、学会とも連携した上で出してくださいというメールを送ります。
2つ目の学会の関係について言うと、研究班のチェックリストにもあるのですが、学会が承認されていますかという形のチェック項目がございますので、基本的には我々が補助金を出している研究班が中心となって、学会にこういう臨個票、新しい疾病を追加したいのだけれども、それでもいいか。どこの学会がそれを承認したのかということも含めて、資料としてこの審議会でちゃんと検討していただくという形をさせていただければと思っています。
○山下委員 明瞭に分かりました。
○水澤委員長 よろしいでしょうか。
○山下委員 はい。
○水澤委員長 石毛先生、どうぞ。
○石毛委員 小児慢性特定疾患関連のものは小児科学会が判断しということで、今、山下先生からも各学会からのというお話が出ましたけれども、駄目もとでお聞きしているのですが、こういったスケジュールで全部後ろに押しておりますので、社会情勢上、致し方ないとは思うのですが、期間としては1か月のみ受付ということで、これ以上は難しいという理解でよろしいでしょうか。各学会にしましても、小児科学会にしても、分科会に投げたりして、上がってきて承認されてとなると、それなりのお時間がかかるような気はいたしますが、いかがでしょうか。
○水澤委員長 では、事務局のほうからどうでしょうか。
○南川難病対策課長補佐 ありがとうございます。
これまで大体こういう形でやっていたところもあるのですけれども、いろんなスケジュールがありますので、約1か月がどれぐらいという話がありますが、約1か月の範囲内で皆様方に配慮した形の部分で、期間については御意見を踏まえて少し検討したいと思います。
○石毛委員 ありがとうございます。
○水澤委員長 よろしいでしょうか。検討されるようです。
ほかにはよろしいでしょうか。千葉先生、お願いします。
○千葉委員 難病対策委員会のほうで、患者側からの指定難病にしてくださいねという要望をどうするかという議論があって、それについては、私、委員長をしていながら忘れてしまったのだけれども、受け皿として、指定難病委員会のほうに出す話になっていたのか、それとも厚労省が取りまとめて、それこそ研究班に検討を依頼するという流れになっていたのか、あるいは5年後の見直しの中でまだそれは検討中だったのか、そこら辺がどうだったか確認したいのですけれども。
○水澤委員長 では、そちらの患者会のことも事務局からお願いいたします。
○南川難病対策課長補佐 ありがとうございます。
患者起点となった指定難病の指定については、以前この委員会において御議論いただいて、指定研究班と難病診療連携拠点病院、指定難病検討委員会の役割なども含め仕組みについては一定程度御了承いただいています。ただ、それについては、難病診療連携拠点病院等がしっかりと整備をされた段階においてやっていくという形になっていますので、現在その準備段階という状況と理解しています。
○水澤委員長 千葉先生、よろしいでしょうか。
○千葉委員 認識としては今、まだ進行中というところですね。おっしゃるように、各都道府県の指定病院が確立されて、そこから出してくるというのが妥当であろうと。個人の誰々さんがというのは、直接なかなか持ってきにくいわけですから、そういう流れであるという理解ですね。それが100%完成されていないという認識でよろしいですか。
○水澤委員長 よろしいですか。
○南川難病対策課長補佐 御認識のとおり、準備段階にあるというふうに御認識いただければと思います。
○水澤委員長 各都道府県の難病連携拠点病院のほうはそういう段階だと思います。設置もようやく100%ぐらいになったのだと想像しています。ただ、前半に御説明があったように、ほとんどの患者会等は研究班と密接な関連を持っていらっしゃるので、少なくとも患者会等がある疾患に関しては、研究班からのルートがかなり効いていると思います。
問題は、患者会がないくらいの非常に少人数の疾患とかで、そういうときに、それをどういうふうにするかということがあると思います。恐らくJPAのほうに登録されている患者会というのは58くらいだったと思うのです。決して333ではないので、そういう非常に少ない疾患のことも考えていかなければいけないと思います。大変重要な御指摘、ありがとうございました。
○千葉委員 分かりました。
○水澤委員長 ほかにはどうでしょうか。どうぞ。
○高橋委員 チェックリストを拝見しているのですが、これは以前の議論でも、いわゆる指定難病としての要件に合致しているかどうか、具体的な項目の該当部分を抜粋したということは大変いいと思うのですが、これは結構ファジーなのがあって、△というのも結構あるのです。あと、○あるいは×をつけていただいて、結局、どのくらい×があったら出してはいけないのかとか、その辺の基準はあまり明示をしないで、取りあえずこれは書いていただいて、幾つ×があろうとも、あるいは△が多くても出してもいいよと。そういうための資料ですか。これは我々が判断するための資料なのか、あるいは研究班とか学会が出すための、要するに、基準を示すためのものなのか。この辺はどういう使い方をされるのでしょうか。
○水澤委員長 まずは現状をきちっと認識するためのものだと思います。その後どういうふうに使うかということについては、全体の姿が見えてくると、一番最初の議論に戻りますけれども、かなり重要な情報になるのではないかなと思いますが、最初はまず現状をきちっとフォローアップするということかと思います。追加でありますでしょうか。
○南川難病対策課長補佐 ありがとうございます。
基本的にはこれまでも赤字でない部分については、指定難病の疾病追加に当たって、研究者の先生から頂いている情報でした。ほかにも情報をもらうのですけれども。それに当たって、今回赤字の部分というのは、既に指定難病の要件という形で我々が要件化している部分を追記している部分なので、このチェックリストをやるに当たって、指定難病の要件を横に置きながらチェックしなくても大丈夫という形でつくらせてもらっています。なので、基本的に申請者がこの指定難病を疾病追加するに当たって、今から申請しようとするものが指定難病検討委員会で定めていたこの要件に合っているかどうかという形を確認してもらうものです。
一部ファジーな部分については、今回○か×か、自由記載の部分とかもありますので、いっぱい疾病が出たときに、我々は情報を集約、収集しながら、出してきた先生ともやり取りをしながら、最終的に一定程度整理した上で、この指定難病検討委員会で審査、御議論をいただこうと思っています。
以上です。
○高橋理事 分かりました。ありがとうございます。
○水澤委員長 よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、2つ議論いただいたと思います。最初のほうは制度の見直しの議論です。2番目のほうが指定難病の選定に関わる議論だと思いますが、2つとも御提示いただいた事務局の案をお認めいただいたということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○水澤委員長 ありがとうございます。それでは、お認めいただいたということで、記録したいと思います。
これで予定した議事は終わりますけれども、事務局から追加で何かありますでしょうか。
○南川難病対策課長補佐 特にございません。
○水澤委員長 ありがとうございます。
それでは、全体を通じて御意見とか御質問とかはありますでしょうか。どうぞ。
○山下委員 水澤先生がまとめていただいたように、この2つのことについては結構だと思うのですが、基本的に今、333あるわけですけれども、この数にシーリングというのは、表立っては言えないと思いますが、例えば減らす可能性があるのかどうか。それから例えば1次から5次までリクルートしてきていますけれども、ここ2~3回は結構少ないですね。2疾患とか3疾患ずつ。ほとんどピックアップできたということであれば、それはそれでいいのですが、先ほど千葉先生から御指摘があったように、これで完璧というわけではないと思います。水澤委員長もおっしゃったように。今後大方針として適正な数、ある程度のことというのは厚労省として考えているものなのか、いや、データがちゃんと出てくればどんどん増えるのはしようがないと思っているのか。答えにくいと思いますけれども、その辺のことを聞かせてください。
○水澤委員長 ありがとうございました。
厚労省ということで、厚労省のほうに渡したいと思いますが、その前に、御存じの方が多いと思うのですけれども、333という数字について触れておきたいと思います。日本の指定難病の病名は包括病名が多いので、総称と申しましょうか、1つの疾患名で中に100とか何十という疾患を含んでいることが多いのですが、例のOrphanetとかOMIMとか、欧米で現れてくる疾患数は1,000、2,000という単位なります。厳密な対応は今、つくっていただいていると伺っていますけれども、それに合わせますと少なくとも1,000は超えてということを聞いていますので、そういう意味ではかなりの数はカバーしていると思われます。
しかしながら、先ほどちょっと申し上げたように、非常に少人数の、患者会さえないといったところの疾患もございますので、先生の御指摘は非常に大事だろうと思っています。個人的にはシーリングはないと思っていますが、厚労省、どうでしょうか。
○南川難病対策課長補佐 ありがとうございます。
基本的に今回の指定難病検討委員会に上がる各種の疾患については、研究班から出してもらいつつ、事務局ともやり取りしながら整理したものを出しますが、各回、必ずどのような形で指定されたか、指定されなかったかという部分については明示をした形で出していますので、その都度になりますけれども、基本的にその要件に合致するかどうかという形で判断しているというふうに理解して、法律上の要件に合致していれば、当然指定する手続になりますし、そうでなければ指定されないという形になっていると理解しています。
○水澤委員長 よろしいでしょうか。
○山下委員 はい。
○水澤委員長 ありがとうございます。
ほかはどうでしょうか。よろしいでしょうか。どうぞ。
○直江委員 本質的な話ではないかもしれませんけれども、これは均てんの千葉班でしょうか。例えば難病をどのように臓器別に整理するのかとか、病名はこういう病名にしたほうがいいのではないかという議論もあると思いますが、この検討会でもそういう話が出ましたけれども、今回それはテーマとしてあるのでしょうか、それともそのお話は別でやるということで、今回ここでは検討しなくていいということでしょうか。その辺をお伺いします。
○水澤委員長 少なくとも系統的に例えば病名のつけ方を検討するといったこと、それを専らの議題として検討するということは多分予定されていないと思うのですが、まさに先生がおっしゃったように、過去のこの委員会でも幾つかの病名で申請があって、それを例えば1つの病名に統合してお認めするとか、過去に既に認められている病名に加えるという形にしたことがあります。したがいまして、今も御指摘があったのですけれども、結果的に認められた疾患の数が少なく見える、例えば最近の331から333への変更でも、実際はそのときに6疾患ぐらいあったということもあったと思うのです。その場その場で必要なものは議論をして、変更していけるのだろうというふうには理解しております。系統的なものは想定されていないように、これは千葉先生の班でしょうか、この班ではないという気がします。どうぞ。
○千葉委員 そのことについてですけれども、おっしゃるとおり、我々の分科会で重症度分類の均てん化ということを主目的として、その際に330疾患をある程度疾患群別に分ける必要があって、そのときに病名のチェックもしていったのです。難病情報センターの情報とも照らし合わせながらやっていたのですが、それで分かったことは、難病情報センターに出されている分類とか病名と、私たちが進めていった重症度分類を均てん化させる、分類していくための分類のときの病名とかいうところで、全くアイデンティカルでないというか、ちょっと違う病名になっていたりということが分かったのです。
それで分かったことは、話がそれからずれるのですけれども、御承知と思いますが、難病情報センターの情報というのは、日に1万件のアクセスがあるのです。ですから、患者さんも医療従事者も非常にたくさん見ているのです。私も実際見ていますけれども、これは非常にハンディで役に立つ。そこは皆さん御存じと思いますが、患者向けの説明と医療従事者向けの説明があって、医療従事者向けの説明の中に診断基準とか重症度分類などが記載されているわけです。
ところが、気がついたのは、特に医療従事者向けの説明の部分が必ずしも毎年アップ・ツー・デートされていないという問題があって、少し古い情報が記載されているのです。これは診断基準もそうですし、重症度分類もそうです。
さらに言うと、この難病は、毎年毎年新しい遺伝子が分かっていって、場合によっては新しい治療法が出てきているのに、それが必ずしも毎年アップ・ツー・デートされていないという問題があるということが分かりました。これは特に宮坂先生ともやっているのですが、厚労省の方、難病情報センターの方とも話し合いはさせていただいたのですけれども、そのときに、患者向けのアップ・ツー・デートは難病情報センターでできると。難病情報センターが直接研究班に問い合わせをして、変えてくださいねと言って変えてもらって、それを変えるということはできるのですが、医療従事者向けの情報については、局長通知になるものですから、勝手に変えることができないのです。
そこで言いたいことは、ここの指定難病委員会のアプルーブが局長通知という意味において、ここのアプルーブが必要になってくるのです。そういう意味では、この指定難病検討委員会というのは非常に重要で、難病情報センターというのも法律的に、制度的に保障されているところではないですが、先ほども言ったように、とにかく1日1万件アクセスがあって、それを国民、医者も患者さんも全部が見ているということで、これは無視できないというか、非常に重要なのです。
ですから、ここの部分の医療者向けの情報についてのアップ・ツー・デートを毎年やる必要があって、そのときのアプルーバルとしてこの指定難病検討委員会がしなければならないという状況がありますので、この点についてはしっかりとこの委員会で確認して、できれば毎年アップ・ツー・デートできるシステムを考えていただかないといけないかなと思っている次第です。これは非常に重要なポイントですので、今日の議論とは関係ないかもしれませんけれども、お話をしておきたいと思います。
○水澤委員長 ありがとうございました。
大変重要な御指摘だと思いますし、全体の議論としてはよろしいのではないかなと思います。
特に何かありますか。
○南川難病対策課長補佐 1点だけ。最初の点で、今回の千葉先生を中心にまとめてもらっている重症度分類に関する均てん化に関する研究班の中で、疾病群ごとに分けて、そこに対して一定の標準化を図るべきではないか、同様の症状に対しては標準化を図るべきではないかという御指摘がワーキングで取りまとめられましたので、千葉先生とも御相談している中で、どこの範囲が一定の疾病群なのかとか、そこら辺を定めた上で、疾病群ごとにおいてどのように標準化が必要なのかについて、今回御提案させていただいたように、引き続き研究班の中でしっかり議論した上で、またこの指定難病検討委員会に御相談するという形になるのかなと思っております。
以上です。
○水澤委員長 ありがとうございました。
難病情報センターの記載は、私もよく使わせてもらっていますし、私どもの研究班にも毎年依頼が来て、今、先生がおっしゃることからすると、患者さん向けのことだけ書いているのかもしれないのですけれども、かなり詳しい医療者向けのものも書いていたような気がしますので、アプルーブはもちろんここでやるのかもしれないのですが、やはり。内容に関しては研究班レベルでしか直し得ないと思います。
○千葉委員 おっしゃるとおり、研究班がその情報を変えていかないといけないということにはなりますね。
○水澤委員長 そうですね。私、よく覚えていますが、毎年連絡が来ます。そしてそれを書き直して返送していると思いましたので、その辺が滞っているところがあるのかもしれないですね。大変貴重な御意見、ありがとうございました。
ほかはどうでしょうか。よろしいでしょうか。
では、ないようですし、予定の時間にもなりましたので、本日の委員会は終了といたしたいと思います。どうもありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
○南川難病対策課長補佐 1点だけ。次回については、また事務局から御連絡させていただきますので、その点だけ最後に補足させていただきます。
ありがとうございました。