第一種健康診断特例区域等の検証に関する検討会(第1回)議事録

日時

令和2年11月16日(月)13時30分~

場所

TKP新橋カンファレンスセンター 14階 ホール14E
(東京都千代田区内幸町1ー3-1)

出席者(五十音順)

・ 荒井 史男
・ 一ノ瀬 正樹《web出席》
・ 岩崎 俊樹 《web出席》
・ 鎌田 七男 《web出席》
・ 木戸 季市
・ 小池 信之
・◎佐々木 康人
・ 柴田 義貞 《web出席》
・ 永山 雄二 《web出席》
・ 増田 善信
※ ◎は座長
※ 荒井構成員の「荒」の草冠は、正しくは間が空いている四画草冠

議題

(1)第一種健康診断特例区域等の設定に関するこれまでの経緯と検証の進め方について
(2)その他

議事

議事内容

○山本室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第1回「第一種健康診断特例区域等の検証に関する検討会」を開催いたします。
 議事に入るまでの間、進行を務めさせていただきます健康局総務課原子爆弾被爆者援護対策室長の山本と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。また、本日は、一部の委員の方にはオンラインにて御参加いただいております。
 なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、一般の方の傍聴は行わず、代わりに、会議の模様をユーチューブによるライブ配信にて公開しておりますので、御承知おきください。
 また、本日の議事は公開でございますが、カメラ撮りは議事に入るまでといたします。報道関係の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 また、オンラインでの参加の方に何点かお願いさせていただきます。
 ビデオカメラはオンにしてください。
 マイクはミュートにしていただき、御発言のときのみマイクをオンにしてください。
 御発言のときには、名前をおっしゃった上で御発言ください。
 御発言が終わりましたら、マイクをミュートにしてください。
 以上、よろしくお願いいたします。
 なお、操作方法等につきまして御不明な点がございましたら、事前にお伝えしております電話番号におかけいただければ御案内いたしますので、いつでもお問い合わせください。
 まず初めに、資料の御確認をお願いいたします。
 座席表の次に議事次第がありまして、右肩に資料1、資料2、資料3、それからファイルにとじておりますけれども、参考資料が1から8まで御用意しております。
 資料の不足などがございましたら、議事の途中でも結構ですので、事務局までお声がけください。
 なお、会場に来られている委員の皆様でございますが、マスクにつきましては、御発言の際に話しづらいようであればお取りいただいて結構です。
 それでは、ここで開会に当たりまして、健康局長の正林より御挨拶申し上げます。
○正林局長 健康局長の正林でございます。「第一種健康診断特例区域等の検証に関する検討会」の開催に当たり、一言御挨拶申し上げたいと思います。
 本日は、大変お忙しい中、本検討会に御出席いただき、誠にありがとうございます。また、構成員の皆様方には、日頃から国の被爆者援護施策に格別の御理解、御協力をいただいているところであり、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
 去る7月29日に、原爆投下後に降った雨、いわゆる黒い雨を浴びたことなどにより放射線被曝をしたとして、被爆者健康手帳等の交付申請却下処分の取消を求めた事案に関する広島地裁判決があり、広島県、広島市と協議を重ね、上訴審の判断を仰ぐことといたしました。
 他方、第一種健康診断特例区域の設定について、直近では平成24年に科学的な検証を実施しているものの、多くの関係者の方々からの区域設定に係る検証を行い、第一種健康診断特例区域の拡大を図るべきという強い要請を踏まえ、今般、区域の拡大も視野に入れた再検討を行うため、本検討会を設置いたしました。
 被爆から75年を迎える今年、関係者の方も高齢化し、さらなる科学的知見の調査のための糸口となる記憶も薄れつつある状況になっており、迅速な検討が求められております。
 この検討会には、学識経験者の方々や被爆者団体、地方自治体の関係者など、幅広い分野から豊富な経験、知見をお持ちの方々にお集まりいただきました。
 構成員の皆様方には、今後の検討に向けた検証の方針を決める上で、極めて重要な御意見をいただけるものと期待しております。幅広い観点から精力的な御審議をお願いし、私の挨拶とさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いします。
○山本室長 なお、正林は公務のため、途中で退席させていただきますので、御了承ください。
 本検討会につきましては、資料1の「第一種健康診断特例区域等の検証に関する検討会開催要綱」に基づいて開催させていただいております。詳細につきましては、資料を御覧ください。
 続きまして、構成員の御紹介をさせていただきます。資料1、開催要綱の別紙の名簿、または座席表を御覧ください。
 弁護士の荒井史男構成員でございます。
 ウェブで御参加ですが、武蔵野大学教授・東京大学名誉教授の一ノ瀬正樹構成員です。
 こちらもウェブで御参加です。広島大学名誉教授・元広島大学原爆放射線医科学研究所長の鎌田七男構成員です。なお、鎌田構成員は広島県から御推薦いただいております。
 日本原水爆被害者団体協議会事務局長の木戸季市構成員です。
 広島市副市長の小池信之構成員です。
 医療法人沖縄徳洲会湘南鎌倉総合病院附属臨床研究センター放射線治療研究センター長の佐々木康人構成員です。なお、佐々木構成員には、本検討会の座長に御就任いただいております。
 続きまして、ウェブで御参加です。長崎大学客員教授の柴田義貞構成員です。
 ウェブで御参加です。長崎大学原爆後障害医療研究所細胞機能解析部門分子医学研究分野教授の永山雄二構成員です。
 元気象庁気象研究所研究室長の増田善信構成員です。なお、増田構成員は日本原水爆被害者団体協議会から御推薦いただいております。
 また、名古屋大学大学院工学研究科総合エネルギー工学専攻教授の山澤弘実先生にも構成員として御就任いただいておりますが、本日は別の用務のため、御欠席となっております。なお、事前に御意見をいただいておりますので、後ほど御紹介いたします。
 それでは、以降の進行は佐々木座長にお願いいたします。
○佐々木座長 佐々木康人です。
 御指名によりまして、座長を務めますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○山本室長 申し訳ございません。1名抜けておりました。恐縮でございます。
 ウェブで御参加です。東北大学大学院理学研究科特任教授の岩崎俊樹構成員です。失礼いたしました。
○佐々木座長 それでは、続けさせていただきます。
 まず、簡単に自己紹介をいたします。
 私は、放射線科医で核医学という診療分野を専門としておりました。幾つかの大学病院の放射線科並びに放射線医学総合研究所に勤務した後、現在は総合病院の臨床研究センターで、連携大学院制度の下で働く社会人大学院生の研究のお手伝いをいたしております。国際放射線防護委員会(ICRP)委員、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)日本代表、並びに原爆被爆者医療分科会長などを務めました。
 広島、長崎でいわゆる黒い雨を体験した方々が、放射線による健康影響への不安を感じながら過ごしておられることは広く知られております。第一種健康診断特例区域は、黒い雨降雨地域との関連で指定されております。本検討会は、この地域の設定について再検討を行うため、課題を整理し、最新の科学技術を加味して、可能な限り検証し、第一種健康診断特例区域の在り方について意見集約することを厚労省健康局長から付託されました。
 委員各位におかれましては、率直で忌憚のない御意見を述べていただくとともに、冷静かつ寛容な姿勢で議論を積み重ねていただき、この重要な課題について意見を集約したいと存じておりますので、どうぞよろしく御協力をお願いいたします。
○山本室長 それでは、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでといたします。

(カメラ退室)
 

○佐々木座長 それでは、議事に入りたいと思います。
 議題(1)は「第一種健康診断特例区域等の設定に関するこれまでの経緯と検証の進め方について」であります。
 まず、事務局より資料の御説明をお願いいたします。
○丸山課長補佐 それでは、事務局から失礼させていただきます。
 お手元には資料2を御用意ください。ウェブで御参加の先生方におかれましては、画面のほうで資料2を共有させていただきます。
 スライドの2枚目からでございます。今回の検討会に当たりまして、これまでの援護施策の概要や対象地域について、構成員の先生方に土台となる認識共有をさせていただきたく、本資料は御用意させていただいた次第です。
 スライドの2枚目からでございます。御案内のとおり、広島と長崎にそれぞれ原爆が8月6日、8月9日に投下をされております。
 被爆者援護施策自体はこの直後から行われたものではなく、昭和20年代の戦傷病者戦没者遺族等援護法の制定や第5福竜丸事件を契機として、援護措置に対する要請が高まった結果、健康診断、医療の給付ということで、昭和32年に原爆医療法が、手当ての支給ということで、昭和43年に原爆特別措置法がそれぞれ制定されてございます。
 昭和53年の最高裁判決、昭和54年の社会保障制度審議会の答申を踏まえまして、被爆者援護施策の基本的な理念を昭和55年12月、下から3つ目の○でございますが、原爆被爆者対策基本問題懇談会報告という形で取りまとめられております。括弧の中を簡単に読ませていただきますと、「被爆者の受けた放射能による健康障害は、一般の戦争損害とは一線を画すべき『特別の犠牲』であり、広い意味における国家補償の見地(被害に相応する『相当の補償』)に立って、被害の実態に即応した対策を講ずべき」といった報告をしていただいております。これが現在の被爆者援護施策の基本となっておりまして、平成6年には、現在の被爆者援護法に先ほど申し上げた2法が統合されているというのがこれまでの経緯でございます。
 スライドの3枚目でございます。原子爆弾被爆者に対する援護の仕組みということで、被爆者の範囲を上の括弧に書いておりますが、マル1からマル4の4類型でございます。実際に直接被爆された方、一定の期間以内に爆心地から2キロ圏内に入った方、そして被爆者の救護などそれ以外の事情で放射能による健康障害の影響を受ける事情にあった方、4つ目としては当時胎児でいらっしゃった方、大きくこの4類型で被爆者の範囲を法律上、定義させていただいております。
 下の内容はスライド4と重複しますので、スライドの4枚目に移っていただければと存じます。
 現在行っている援護措置としては、大きく、医療の給付、各種手当ての支給、健康診断と福祉事業の実施というものでございます。4枚目のスライドの上のほうにありますとおり、現在手帳をお持ちの被爆者は13.7万人と書いておりますが、健康診断、医療、福祉サービスの実施とともに、支給要件に該当した方には、そこに書いてある代表例として健康管理手当てといったものが支給されているわけでございます。
 おめくりいただいて、スライドの5枚目は現在ある平成6年の被爆者援護法の前文及び第1条被爆者の範囲を抜粋したものでございます。その他、今回の検討に必要な法律上の条文は参考資料1にとじておりますので、後ほどの御議論の参考としていただければ幸いです。
 6枚目のスライド以降は、今般の検討会で議論していただく第一種健康診断特例区域を含めた被爆者援護施策の対象地域について概説させていただきます。
 7枚目のスライドでございますが、現在設定されております地域、区域については、合計3類型ございます。いわゆる被爆地域として、原爆当時その区域にいらっしゃったことが証明されれば手帳が交付される区域。
 2つ目のいわゆる健康診断特例区域(第一種)と言っているものは、その区域にいらっしゃったということであれば、健康診断受診者証が交付されまして、基本的に健康診断を受けていただける。その結果、一定の障害があると診断された場合には、手帳が交付されるという枠組みでございます。49年と51年にそれぞれ広島、長崎において地域が指定されております。
 3つ目がいわゆる健康診断特例区域(第二種)と言っているものでございまして、こちらは平成14年に長崎のほうで指定がされておりまして、この区域にいらっしゃったことが証明されれば、健康診断を受けていただけるわけでございますが、その結果、明らかになった精神的影響もしくはそれに付随する健康影響について、医療の受診ができる制度設計になっております。
 おめくりいただきまして、8枚目が広島、9枚目が長崎、それぞれ地図上どういった地理関係にあるかというものをお示しした内容になっております。
 おめくりいただきまして、10枚目のスライドが、今、言葉で申し上げた内容を流れのフロー図に示させていただいた図となっております。
 11枚目のスライドが、今、申し上げたことを分かりやすいように時系列でまとめさせていただいているわけでございますが、昭和32年の原爆医療法制定以降、47、49年に被爆地域の拡大や第一種健康診断特例区域の設定、55年の基本問題懇談会の報告があって、第二種の健康診断特例区域については平成14年に長崎で指定されている。この流れを整理させていただいた表となっております。
 12枚目のスライドが、今し方申し上げた昭和55年の基本問題懇談会の意見概要です。詳細版は参考資料2としてとじておりますが、このときに基本理念や基本的在り方が整理されております。今回の区域の考え方に関連する部分として、第2の3ということで赤字表示をしておりますが、「これまでの被爆地域との均衡から地域拡大を行うことは、新たな不公平を生み出す原因となる。被爆地域の指定は、科学的・合理的な根拠のある場合に限定して行うべきである」ということが、当時報告をしていただいております。
 続きまして、13枚目のスライド以降でございます。原爆放射能による健康障害は、一般の戦争損害とは一線を画すべき特別の犠牲ということで昭和55年の懇談会でも報告されておりますし、被爆者援護法の前文にも同様の記載がございます。こういった援護の基本的な概念に沿うわけでございますが、原爆放射線とその健康影響について簡単に整理させていただきました。
 14枚目のスライドは、長崎大学原爆後障害医療研究所のホームページにある小冊子が分かりやすかったものですから、こちらから再構成させていただきました。長崎原爆の例でございますが、放射線、熱線、爆風と、大きく分けてこの3つの要素が原子爆弾にはございまして、それぞれこういった形でガンマ線や中性子線がどの程度の量届いているのか、熱量がどういったものなのか、それに伴って見られる物理現象などが簡単に整理されております。
 続きまして、15枚目のスライドでございますが、原爆は広島と長崎、2つあるわけでございますが、若干違いがございまして、広島はウラン235、長崎はプルトニウム239と、若干原料が違っておりまして、これに伴って、その後、見つけなればいけない物質に差異が生じてきているわけでございます。
 16枚目のスライドが、これに伴って広島、長崎で一体物理的な被害がどの程度あったのかということでございますが、それぞれ2キロ圏内はほぼ全焼、全壊という非常に甚大な被害であったことが御覧いただけるかと思います。長崎が若干縦長に見えているのは地形の影響でございまして、長崎に行かれた方は御承知かと思いますが、山の中に囲まれたところに爆心地がございましたので、細長くなっているのはそういった影響でございます。
 17枚目のスライドが、原子爆弾により生じてくる放射線の種類を分類したわけでございますが、理解を分かりやすくするためにこのような3つの分解をさせていただいております。
 1つは、1分以内に放射をされたという初期放射線。これは直接爆弾から出てきたもので、現在はDS02、線量評価システム2002を使用して、かなりよい推計が得られていると評価をされております。
 1分以後に出てくる影響があると言われているのが残留放射線でございまして、1つは、原爆から直接出てきた中性子が物質に当たりますと、普段我々の身の回りにある物質であっても放射能を出す能力を獲得する場合がございます。これが誘導放射化と言っておりますが、2次的に放射化した物質から出てくるものを誘導放射線。そして、原子爆弾の核分裂そのものから出てきた生成物であるとか、それが放射性降下物として降ってきた、これが放射性降下物。
 大きくこの3つに分類させていただいております。
 めくっていただきまして、18枚目は御参考でございますが、放射線の種類やその性質が今後の議論に関わってくると思いますので、載せさせていただきました。
 左のほうでアルファ、ベータ、ガンマ線のほかに中性子線といった、大きく分けると4種類の放射線がある中、初期放射線としてはガンマと中性子線が大きく影響を与えたわけでございますが、残留放射線を議論する上に当たっては、どういった物質がそこにあったのかということで、主にはアルファ、ベータ、ガンマの3種類がどのような分布であったかということが議論の1つのフォーカスとなってくるかと思っております。
 19枚目のスライドが、先ほど分解した3つの放射線のうち、初期放射線についてまとめているグラフでございます。広島と長崎で出力が違いますので若干の差異はございますが、距離とともに急激に減衰していることが御覧いただけるかと思います。日常との比較という意味合いで右側は拡大した図を載せているわけですが、4キロまで来ると胸部レントゲンと同等の被曝線量だというのが御覧いただけるかと思います。
 おめくりいただきまして、20枚目のスライドが、先ほどの3つのうちの2つ目の誘導放射線についてもDS02を基にかなり研究が進んでおりまして、これも初期放射線同様、時間とともに急速に減衰することが分かっております。そして、爆発直後から無限時間まで爆心地にいたとしてもというのが右側の図4でございますが、距離とともに減衰するというのが初期放射線及び誘導放射線の特徴かと思っております。
 21枚目のスライドが、放射線について今後考慮していくに当たりまして、既に御承知のことかと思いますが、常日頃から一定の放射線に我々は曝露しているわけでございまして、それがどういった量なのかというものを、相場観を持つ上で、ここら辺の数字は提示させていただいている次第です。単に宇宙など外側から来る放射線だけではなくて、食べ物や空気中のラドン・トロン、これは呼吸することによってということでございますが、こういった被曝も我々は日々受けているということでございます。
 最後に、22枚目のスライド以降でございますが、今回の区域検証に当たりまして、どこに残留放射能があったのかというものが、これまでにどういった調査がなされてきたかというものを事務局のほうでまとめさせていただいております。
 23枚目が投下直後、まさに戦中も含めた検証がどの程度されているのかを図表に簡単にまとめさせていただきました。上の1、2、3はまさに終戦前の調査でございますし、4~7も終戦後にどういった影響があったのかというのが、当時の技術水準、当時の物量をもって、限られたデータであったとしても、最大限測定されているのがこちらでございます。
 24枚目のスライドが昭和50年代以降、今に至るまで複数回検証が行われているわけでございますが、その内容でございます。昭和51年及び53年に広島と長崎で残留放射能調査を公衆衛生協会に委託して実施させていただきました。これは昭和51年が30キロ圏内を調査対象として、同心円状に土壌を拾っていくという調査。昭和53年は、51年の調査でもう少し追加調査をしたほうがいいだろうと言われたところをさらに深掘りする形で調査をした内容になっております。それぞれ報告書は参考資料3、4という形で、本日御用意をしております。
 また、平成3年には、黒い雨に関する専門家会議を広島県市主導で行っていただいておりまして、これが参考資料5として、平成6年には、長崎のほうで原爆放射能プルトニウム調査報告書というものが平成3年にまとめられておりますので、これについて検討した報告書が出ております。本日、この関連は参考資料6-1、6-2という形で御用意しております。
 25枚目のスライドは、こういったものも含めて、実際、放射線影響研究所で使っている線量評価システムの中では、DS86、これは1986年に策定された線量評価システムでございますが、この中で放射性降下物によってどの程度被曝をしたのかが検討されております。
 下から3つ目に、長崎の西山地区や広島であれば己斐・高須地区について言及があるとともに、一番最後の○でございますが、長崎の西山地区の住民に対しては、ホールボディーカウンターを用いたセシウムによる内部被曝量の測定が行われており、住民の方々の被曝線量が当時、推測されている次第でございます。
 26枚目は、これも含めて残留放射線に関する放射線影響研究所の見解ということで、2012年に、前回の広島の議論の最中でございましたが、放射線影響研究所から出された見解でございまして、一番下の○は今、申し上げたDS86の再掲でございますが、その中で、上から2つ目の○のように、入市被爆をした賀北部隊という250名ほどの部隊の方々の行動記録が残っておりますので、これに基づいた推計や健康影響が当時言及されております。
 27枚目のスライドが、直近で広島に関してどのような検討経緯であったかというものがまとめられております。平成22年7月に広島市のほうから原爆体験者等健康意識調査報告書、これに付随する科学的知見ということで、広島の黒い雨放射能研究会というところから、科学的にはこういうデータがあるというものを御提供いただいております。本日の参考資料7-1、7-2として添付をさせていただいております。これに基づいた検討会を厚生労働省のほうでさせていただいたのが平成24年7月に出ている報告書でございまして、これが参考資料8として本日添付しております。
 前回の広島の検証を受けて、平成25年から現在は、黒い雨体験者相談支援事業という形で相談窓口を設けておりまして、これは1つ上の四角囲みを見ていただくとおり、検討会の報告書で、健康影響の観点から問題となる放射線被曝があったとは考えられないものの、精神的健康状態の悪化を踏まえて、黒い雨による放射線被曝への不安や心配を原因としている可能性があるといった報告を踏まえて、健康相談をするべきだという形で、現在も続けさせていただいている事業でございます。
 めくっていただきまして、28枚目から30枚目は、前回の検討会報告書の当時まとめた概要について再掲しておりますが、特に結論の部分としては、29ページの3のところで記載されております。今般の検証におきましては、この当時の検証したこともきちんと踏まえた上で、検証課題を設定すべきと考えている次第でございます。
 おめくりいただきまして、31枚目は広島の地図の再掲でございますので、32枚目でございます。これが最後、長崎のほうの地域拡大の直近の経緯でございますが、直近は、先ほど来申し上げた第二種健康診断特例区域を平成14年に指定しておりますが、そのときは長崎のほうから報告書を御提出いただいて、平成13年8月の厚労省の検討会の報告書で、「精神上の健康に悪影響を与え、身体的健康の低下にもつながっている可能性が示唆される」といった報告を受けまして、33枚目の地図で言う黄色い地域でございますが、この地域の方々に被爆体験者精神影響等調査研究事業という形、健康診断とともに、それに伴って発生している精神疾患及びそれに関連する疾患に対して医療費を支給するという事業を今、行っているということでございます。
 駆け足でございましたが、事務局からは以上でございます。
○佐々木座長 ありがとうございました。
 続いて、資料3の説明をお願いいたします。今、御説明いただいた資料2の点も含めまして、後ほどまとめて御質問や御意見を受けたいと思っております。続けてお願いいたします。
○丸山課長補佐 それでは、引き続き事務局から失礼いたします。
 お手元に資料3を御用意ください。「第一種健康診断特例区域等の検証における課題について(案)」という資料があるかと存じます。
 この資料の構成としては、1、基本的な考え方をまず整理させていただきまして、めくっていただいて2ページ目以降に2という形で具体的な検証課題をこのようにしてはどうかという形で事務局から提案させていただくものでございます。
 まず、1ページ目の「1.検証の基本的考え方(案)」でございますが、今の資料2で御説明させていただいたとおり、基本問題懇談会、昭和55年の報告に基づいて、本検討会では科学的・合理的な根拠を追求したいと考えております。ただ、局長より挨拶申し上げたとおり、既に75年が経過しておりますので、検証可能な課題をなるべく細分化することで、並行して迅速に検証を進めていきたいと考えております。
 3つ目の○でございます。検証の目標でございますが、これまで行われた検証をきちんと踏まえるということと、最終的に原爆被爆者も含めた援護の理念に照らし合わせると、以下の2点を検証課題として設定してはどうか。一つは、原爆由来の放射性物質を確認するということ。もう一つは、健康影響が生じているかを確認すること。この2点を主題として、検証課題を細分化していくということでございます。
 4つ目の○は、本検討会と検証ワーキングという図を下にイメージとして御用意しているわけでございますが、迅速に検討を進めていく上でも、この検討会においてはまず検証課題の整理をお願いしたいと思っております。事務局が御提案している検証課題について、こういう視点も必要だとか、こういう検討をしてはどうかというのを本日御議論賜りたいと思っております。
 具体的な検証については、別途設ける検証ワーキングにて行わせていただきまして、検証ワーキングもこの後御説明いたしますが、相互に連携を取る必要のあるワーキングもあるかと思っておりますので、まず科学的な評価をまとめていただきたいと思っております。それをこの検討会に検証ワーキングのほうから報告いただきまして、これらの検証の進捗・成果を踏まえて、この検討会で第一種健康診断特例区域の在り方等について、意見を集約していただきたいというように、基本的考え方を事務局から提案させていただく次第です。
 おめくりいただきまして2枚目からが、どういう検証課題を考えているのかということで、現時点では5つ検証課題を想定しております。
 1つの類型としては、先ほど申し上げたとおり、原爆由来の放射性物質を確認する課題ということで、3つ用意しております。
 1つ目は気象シミュレーション、黒い雨がどこに降ったかということでございますので、目的は3つに分解をさせていただきました。一つは、雨が降った地域・雨量がどうであったか。2つ目がBと書いておりますが、雨による原爆由来の放射性物質がどう分布したか。Cは、Bを踏まえて地域住民がどれだけ被曝をしたのかということを推計と書かせていただいておりますが、過去の議論から、その方の生活対応は個人個人によって変わってき得るものでございますので、あえて推計と書かせていただいております。
 概要でございます。どういったことを考えているかというと、これは気象学、環境工学、爆発の専門家、放射線物理学、放射線防護学・生物学と書かせていただいておりますが、非常に学際的な、集学的な検討が必要だと認識しております。
 過去の検証もさらわせていただきましたが、平成22年の広島“黒い雨”放射能研究会の報告で、既にどういった検証が望ましいかという論点整理をしていただいておりますが、当時は1945年のときにどういう気象状況だったかという地球全体の気象データが整備されていなかったということもあって、気象シミュレーション自体が実現できなかったと整理をされております。
 ただ、その後、2010年代にヨーロッパ中期予報センターというところで、過去100年の気象を再現しようというプロジェクトの一環で1945年も含まれておりますので、今般の検証可能性があるのではないかと事務局のほうでは考えております。ですので、原爆投下当時の地形や土地がどのように利用されていたか、資料2で申し上げたとおり、爆心地から2キロ圏内は全焼でございますので、非常に大規模な火災が当時発生しております。こういったことも含めて、原爆投下後の気象状況を再現するモデルを構築していく。
 この後、マル2の土壌調査を御紹介しますが、実行可能性を検討する段階で、どうしても実測値によってシミュレーションの妥当性の検証が必要なのだといろいろな専門家から御教示をいただいておりますので、実測値とモデルとを行ったり来たりしながら、気象シミュレーションを精緻化していくという形で、先ほど申し上げた目的A、B、Cを段階的に達成してはどうかというのが1個目の気象シミュレーションの検証課題でございます。
 2個目は地域の土壌調査と書いておりますが、これは昭和51、53年や平成3年、平成20年代の広島市さんの調査でもされておりますけれども、こういったことをまずレビューして、どこが測定されていて、そのときにどれぐらいの放射性物質が検出されているのか。それも含めて、いま一度検証するからには、75年前から土壌があまりいじられていない場所といったものを見極める必要がございますので、そこを検討し、土壌から放射性物質を検出するというのがマル2でございます。マル1の気象シミュレーションで実測値との往来が必要と言われておりますので、ここは特に連携を深めていく検証課題でございます。
 マル3でございますが、原爆投下時の気象状況等に関する文献等調査と書いておりますが、例えば米国の公文書館で原爆投下時のデータが実は年限を過ぎていて公表されているということが過去、幾つか報告されております。ですので、これに類するものが気象関係のデータで特にないかというものを見つけにいくというのが3つ目の課題でございます。
 おめくりいただきまして、3ページ目が、2点目の健康影響が生じているか確認する課題でございます。これは2つ課題を設定しております。
 マル4は、一部報道で出ておりますが、広島赤十字・原爆病院に被爆者を中心としたカルテが5万人ほど保管されていると言われております。その方々については原則PDF化されているわけでございますが、一部の項目、氏名や年齢、被爆状況については検索可能なデータ化がされていると伺っている次第でございます。ですので、ここに保管されているカルテがどういった状況であるのか。そこで実際に雨に暴露したと陳述されている方々について、もう少しカルテを深掘り調査してはどうかというのがマル4の課題でございます。
 もう一つはマル5、広島原爆体験者に対する相談支援事業受診者の疾患罹患状況の統計解析、アンケート調査と書かせていただいておりますが、前回の平成24年の検証の結果、25年から健康相談支援事業を広島の地域で実施させていただいております。ですので、ここにお越しいただいている方に御了解をいただいて、過去の医療機関の受診記録などを精査することで、疾患罹患状況について特異な点がないかといったことを考えるとともに、当然、今、申し上げたことは現地にいらっしゃる方々の負担を一定程度伴うものでございますので、広島県と協力ができれば、県のがん登録などを活用して、同地域のがん罹患状況を集計するといった別の視点での方策も検討させていただきたいというのがマル5の検証課題の御提案でございます。
 資料3の御説明は以上になります。
○佐々木座長 ありがとうございました。
 それでは、御質問、御意見を伺いたいと思いますが、まず最初に、資料2とその説明に関連して、御質問あるいは御意見等がありましたら御発言をお願いいたします。
 鎌田構成員、どうぞ御発言ください。
○鎌田構成員 広島の鎌田です。
 資料2の21ページですが、先ほど来、新しい観点というところから発言をしてもらいたいということがありましたので、私なりに考えてみますと、この10年間というのは、いろいろと放射線科学の上で非常に進展がありまして、国のほうも幾つかの放射線関連のセンターを立ち上げてきておられるわけです。しかも、そういうことで国民を救ってこられました。
 例えば原発のときに、浄水場の中にヨウ素が入っているかということで、素早くペットボトルを配って、チェルノブイリと同じような二の舞をしないようにということで、国民を助けられたわけです。
 同じように、土の上にセシウムが残っているよということで休耕田にするとか、お米については最後の一俵まで検討して、国民の安全を守ってきたわけです。そのように、過去、これまでに新しい知見がこれまでにいろいろ出ていて、国もそれに応じた対応をしているというところで、21ページの放射線に関しての記載を見ると、何か足りないかなと。放射線科学で一生懸命やってきたのが、ここにあまりないなという感じを持っております。
 というのは、この広島の黒い雨というのは、まさに福島原発で起こって、舞い上がったちりがどこにどのようになったかということ。我々はそれを参考にして、広島で75年前に何も放射線とは知らずに食べたりいろいろな行動をしたわけですけれども、翻ってどうなのかということのために、そういう科学の進歩を取り入れた形で、今いただきました資料3について、今後、具体的にいろいろと検討していったらいいのではなかろうかということで、発言をさせていただきました。
 以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。
 資料の21ページに、最近10年ぐらいの間の新しい知見が含まれていないのではないかという御指摘だと思いましたが、事務局からは何か発言がありますか。
○丸山課長補佐 事務局でございます。
 至らない部分があったら大変恐縮でございます。
 これについては、出典に書かせていただいているとおり、まさに御指摘いただいた福島の第一原発事故以降、放射線に関する健康影響等に関しての統一的な基礎資料ということで、かなりベーシックな内容ではございますが、こういったものが実際、専門家の指導でつくられておりますので、こちらのほうを引用させていただいたということでございます。
○佐々木座長 ただいまの鎌田構成員の御発言に関連して、特に御発言があればお願いいたします。
 増田構成員、どうぞ。
○増田構成員 私は放射線の専門ではないので、よく分からないのですが、今までの資料を見ますと、放射線の直達影響というか、そういうことはよく調べられていますが、いわゆる放射線が、例えば食物の中に入ってきた場合の内部被曝の問題については、一体どのくらい調べられているのか、ぜひ教えていただきたいと思います。
 放射線の直達の問題はDS02まで非常に進んできていますが、内部被曝の問題については、あまり具体性がないのではないか。これも素人の言い方で申し訳ないのですが、そういうところを教えていただければと思っています。
○佐々木座長 ありがとうございます。
 事務局から、ただいまの内部被曝について何かありますか。
○丸山課長補佐 事務局から失礼します。
 おっしゃっていただいているとおり、直接の初期放射線といったものに比べて、リソースが少ないのはおっしゃるとおりだと思います。資料2の25ページでございますが、まさに内部被曝といった観点では、実際のホールボディーカウンターを用いて、その方の体の中に一体どれだけあるのか。それ以外には、実際、今回の検証課題でも推計と書かせていただいているとおり、一定の仮定を置いてモデルで評価をせざるを得ないだろうというのが現在の事務局の認識でございます。
 そういう意味で、過去得られているデータとしては、DS86の一番下の○で書かれている長崎の西山地区の方々に、1969年と81年の2点で測定をしていたと理解しておりますが、69年に住民の方々にホールボディーカウンターで測定をさせていただいて、その中でも体内の負荷と言いますが、放射線の物質量が多かった方にいま一度、81年に測定をお願いして、このような推計を出している。これは69年と81年の値から、45年まで遡って逆算推計をしたときに、これだけの被曝線量だろうというのが当時の報告でございます。資料にはここに書かせていただいたものでございます。
 残りは、先生が御指摘かと思いますが、直接、そこにあった土壌から推測される外部被曝線量がいかなるものかといった調査報告が中心となっております。
○佐々木座長 増田構成員からの御発言に関連して、構成員の方々から何か御発言がありますでしょうか。あれば御発言をお願いします。
 内部被曝の問題は、場合によると異なる意見もありますので、一度、どこかで整理ができるといいかなとは思います。事務局でも一度、御検討いただければと思います。
 木戸構成員、どうぞ。
○木戸構成員 内部被曝の問題ではないのですけれども、資料3で。
○佐々木座長 すみません、資料3はその次にしたいので、今は資料2について御発言をお願いしております。少しお待ちいただけますでしょうか。
 資料2について、ほかに御発言があればお願いいたします。
 荒井構成員、どうぞ。
○荒井構成員 荒井でございます。
 質問というよりも、資料2の御説明をいただいた段階で、むしろ意見にわたる部分が多いかと思うのですが、よろしいでしょうか。
 今回の検討会の設置の趣旨、目的を冒頭で厚労省のほうから、あるいは座長のほうからお話をいただいたわけです。第一種健康診断特例区域等の設定について、これまでの認定範囲でいいのかどうかというところが直接の目的にはなっているかと思うのですが、第一種健康診断特例区域の設定というのは、構造的に言えば、法律上は被爆者という概念が前提にありまして、これまでの考え方によると被爆者には当たらないのだけれども、地域的な問題や比較的近いところにお住まいになっていた方々とか、精神的な面でいろいろ御心配を抱えているという方々への援護策として、第一種健康診断特例区域を設定して、まずは健康診断を受ける機会を考えようではないかというのがもともとの設定の趣旨だろうと思うのです。
 それは法律的な観点から言いましたら、被爆者援護法における被爆者に対する援護の措置とは一つ区別されるべき問題であって、むしろ行政的な配慮から、被爆者という認定には現時点では当たらないのだけれども、いろいろなことを考えた上で、行政的な配慮として健康診断の機会を設定すべきであろうということでスタートしているものだと私は認識しているわけでございます。
 ただ、行政的な配慮に基づいての援護措置には違いないのですが、それが進んで、現実に特定の病気にかかるとかということになっていきますと、そこから進んで、被爆者援護法上の被爆者に対するいろいろな措置につながっていく可能性を秘めているという問題だろうと思うのです。そこを十分念頭に置きながら、今回の調査、整理を進めていただくべきではなかろうかということをまず申し上げたいと思います。これが1つ。
 もう一つは、今日御説明のあった前の検討会というのがあって、その報告の中にも、これまで原爆投下から75年たっている。かなり長時間を経過した現時点で、新しい調査を重ねていくということはあまり意味がないのではないかという趣旨のことが書かれています。
 今回の調査の目的、趣旨から見ましたら、これまでのいろいろな調査や研究結果をできる限り網羅的に探索、整理していただきたい。これは資料3のほうにつながっていく話かと思うのですが、繰り返し調査等々が行われてきて、しかし、なおかつ今回の広島の判決も1つのきっかけにはなっているかと思うのですけれども、やはり黒い雨の問題というのをどうもまだ引きずっているのではないかということから整理していただくことになろうかと思うのです。そういう経過を考えますと、科学の日進月歩というのは別の話としまして、これまでの整理としては、もう今回を本当に最後という覚悟で、網羅的な調査をお願いしたいなということでございます。
 ちょっと早いかもしれませんが、雨の降り方の問題などにしても、結局、一番の眼目は、黒い雨と言われるものが雨の降り方とか量以前に、放射線と一体どのような関係があるのかないのかということをよくこれまでの調査なり研究から確認していただきたいということでございます。
 それに関連してもう一言ですけれども、これは原爆の放射線の影響に限らないのですが、いろいろ調査なり論文なりが本当に大変な量になると思うのです。ほかの分野の問題でも、例えば病院での医療過誤の問題というのは日常的にあるわけです。私の経験からしましても、医療過誤の問題が裁判所に持ち込まれたときに、ミスがあったかどうか、それが注意すれば防げたかどうかという観点から、いろいろないわゆる鑑定書に類するものが裁判資料として提供されるわけですけれども、それをどのように専門の分野の方々の目から見て、評価すべきなのかというところが大変難しい。
 放射線の影響の問題につきましても、いろいろな文献なり調査結果があろうかと思うのですけれども、今回願わくは、それぞれの調査方法なり調査データの客観性なり、あるいは得られたデータの評価について、専門家の先生方が、これをどのように受け止めるべきかということについて、できる限り吟味をしていただければありがたいなということでございます。
 長くなりまして、失礼しました。
○佐々木座長 ありがとうございました。
 大変重要な御指摘をいただいたわけですけれども、最初のお話は援護法のカバーする範囲がどこまでかということに関連して、特にこの第一種健康診断特例区域が援護法の範疇に入るのかどうかという御指摘だったと思います。
 この点については、事務局ではどのようにお考えでしょうか。
○丸山課長補佐 事務局から失礼いたします。
 参考資料1という形で今回の関連条文を整理させていただいておりますが、まさにおっしゃっていただいたとおり、実際、条文に書かせていただいているのは、1ページ目が前文と第1条、先ほど申し上げた内容でございますが、今回の特例区域に関するものは3ページでございまして、実際に書かれているのは第7条の健康診断について、附則の第17条をもって健康診断の特例と。その区域は、その下側に別表3が第一種でございます。おめくりいただいて、第4が長崎の第二種健康診断特例区域に定めているものでございます。
 さらに、平成7年ですので厚生省令でございますが、4ページの下のほうの○で、厚生省令として、年2回行う健康診断という第1条の2の1と2の年1回を限度として行うという形で、明示的に第一種、第二種という書き方はしておりませんが、こういった形で下位法令に引用していって、健康診断を行うという形で、法律の体系としては整理されている。その全体像については、荒井構成員が御指摘のとおりかと存じます。
○佐々木座長 今のお話は、この健康診断特例区域というのは、援護法の中で決められているというお話だと理解してよろしいですか。
 荒井構成員が御指摘になったのは、そもそも特例区域の方たちというのは、原子爆弾被爆者ではないはずだと。とすれば、被爆者に対する援護に関する法律というのは、今、話題になっている方たちには援護法は適用されないのではないかという御指摘だったと思いますが、よろしゅうございますか。
 それに対して、今、厚労省のお返事は、援護法が特例区域についても適用されているのだというお話だったと思うのですが、それでよろしいのでしょうか。そこははっきりさせておく必要があろうかと思います。
○丸山課長補佐 事務局でございます。度々すみません。
 そういう意味では、本日、参考資料1で区域に関する条文までしかお出ししておりませんので、まさに資料2で言う10ページ目のフロー図で、どこまでが法律に規定してある内容で、どこから先が違うのかということだと思いますので、きちんと整理をさせていただきたいと思います。
○佐々木座長 非常に大事な点であろうと思います。
 2番目が、新たな調査の意味というようなこと。既にたくさんの調査がされていて、さらに調査するということ自体、もう意味がないのではないかということまで言われていたものを、今、改めて調査をするということについての意味づけだと思います。
 事務局では、何かそこのところは。
○丸山課長補佐 事務局でございます。
 今のところは特にコメントはございません。
○佐々木座長 実は、この10年ぐらいの間に気象学が非常に進歩をして、御説明の中にありましたけれども、全地球規模の気象の状態を知ることができるようになった。そういう新しい科学的な進歩があるので、そういうものを活用して、この黒い雨の降雨状況についても2012年の報告書ではできなかったことができるのではないかということがあるのだと理解しておりますが、よろしいですか。
○丸山課長補佐 失礼しました。
 座長がおっしゃるとおりです。まさに今回、検証の可能性を見極める中で、本当に新しいことができるのかというのが1つ事務局として課題だったわけでございますが、気象をはじめとして、平成24年以降に整備された事象、まさに話題に出てきておりますが、福島第一原発の事故以降、かなりこの面でのシミュレーション技術が向上しているということがございますので、それを含めた検証はできるのではないかと考えております。
○佐々木座長 第3の点は、たくさんの専門的な研究、調査の報告書、文献などがあるけれども、そういうものを一度まとめて、分かりやすく説明をしてほしいという御意見と受け止めたのですが、かなり大変な作業でもあろうと思いますけれども、事務局としてはいかがでしょうか。
○丸山課長補佐 事務局でございます。
 ここの御指摘は非常に重要だと思いますので、着実に進めさせていただきたく存じます。
○佐々木座長 ありがとうございました。
 荒井構成員の御発言に関連して、何か構成員の方で御発言があればお願いいたします。
 岩崎構成員、御発言ください。その後、増田構成員、お願いいたします。
○岩崎構成員 今回、気象の専門家として、この委員会に加わることになりましたが、過去の経緯について確認させてください。
 51年に指定した第一種健康診断特別区域を、今回黒い雨を考慮して広げるかどうかということが中心的な課題になっていると理解します。
 昭和51年に指定したときに黒い雨というのは考慮されたのかどうか。それから、それを含めて51年に指定した区域は、どの程度、科学的な妥当性を持っているのかということに関してお聞きしたいと思います。
 よろしくお願いします。
○佐々木座長 ありがとうございました。
 事務局からお願いいたします。
○丸山課長補佐 事務局から失礼いたします。
 資料2の8ページ目の被爆地域の図を御覧いただきながら、御説明させていただきます。
 今、岩崎構成員が御指摘の部分でございますが、第一種健康診断特例区域、この当時指定をされたものについては、本日資料は出させていただいておりませんが、原爆投下直後、昭和20年(1945年)の8月から12月までに、広島気象台のほうで精力的に原子爆弾投下に伴ってどういった気象状況だったのかと、当時の方々の最善を尽くしてなされた調査がございます。筆頭となった技官の方のお名前を取って宇田先生の見極められた雨域ということで宇田雨域とよく言われておりますが、宇田先生の見極めた中でも、当時、北西方向に向かって雨が降雨していて、それが1時間以上の大雨と宇田先生は定義されていますが、大雨地域であるとか小雨地域というものを領域として定められております。
 その中で、今、御覧いただいている図で言うと、緑の内側の地域が宇田技師による大雨地域、1時間以上の降雨があった地域ということで指定されております。若干被爆地域の中にもあるのでございますが、既に指定されているので、被爆地域の外側であって緑の中側というものが、現在の第一種健康診断特例区域でございます。
 昭和51年でございますので、我がほうにもかなり限られたデータしか残っておらず、この地域が1時間以上の強い雨が降った地域であったということ。及び、この地域に当時の残留放射能の測定において一定程度自然のバックグラウンドより高い放射能地域があったということと、これはきちんと整理させていただければと思うのですが、実際、その地域にお住まいの方々の健康状態について懸念されるデータがあったということを踏まえて、当時、昭和51年としては、ここを第一種健康診断特例区域という形で指定したと理解しております。
○佐々木座長 岩崎構成員、ただいまの御説明でよろしいでしょうか。
○岩崎構成員 もちろんもっと詳しいことを知りたいのですが、取りあえずこれで結構でございます。ありがとうございました。
○佐々木座長 ありがとうございます。
 それでは、増田構成員、お願いします。
○増田構成員 先ほど荒井先生が、今までに何回も検討会が開かれていて、もうほぼ結論は出ているのではないかという意味の発言をなさったように思いますが、実は私は黒い雨を再調査した者ですので、特に黒い雨の問題については大変関心を持っています。この中にも、たしか23ページに資料が出ています。これは平成24年ですから、2014年に出された結論だろうと思いますが、その中で、特に黒い雨の地理分布ということで、今回の調査からは黒い雨の降雨域を決定するのは困難だったという結論が出されています。
 この検討委員会が9回開かれたのですが、私はそのうちの8回を傍聴させていただきました。この結論は、黒い雨の「地理分布」ワーキンググループでなされた結論がそのまま採用されたのですが、その大きな結論、なぜ降雨域決定が駄目だったかという結論の中に、アンケートの結果は非常に時間がたっているという点もあって、不確かなことが起こっているということでした。
 しかしそこでは、どういうことが問題になったかというと、爆発後30分以内、もちろん火災が始まったばかりですから爆心地域に黒い雨が降るのは当たり前ですが、20キロも離れたところにも降っているではないか。そういうことはあり得ないということで、そのアンケートが不確かだということになり、採用されなかったのです。
 宇田先生もそうですが、私も、原爆のいわゆる黒い雨とには2種類あって、1つはキノコ雲自体から降る。これは全く上層の風とは関係なく、四方八方へ降る雨と、いわゆる火災積乱雲と言って、火災が起こって積乱雲が生じて強い雨が降る、いわゆる本当の黒い雨の2種類あるのです。それを時間だけを一緒にしてしまうと、20キロも離れたところでも30分以内に雨が降り、そういうことはあり得ないという結論になってしまったのです。だから、実際に2種類の雨があったことが、調査されておれば、こういう結論は出なかったのではないかと思います。私は今回の構成員に推薦されましたので、できればもう少し確かな降雨域なども検証していただきたいと思っています。そういう意味では、まだまだ結論は出ていないのではないかと思って、一言発言させていただきました。
 申し訳ありません。
○佐々木座長 ありがとうございます。
 荒井構成員、どうぞ。
○荒井構成員 荒井でございます。
 私、先ほど御説明のあった平成24年の検討会の中で、今後新たな調査を重ねていく意味は少ないのではないかというところを触れさせていただいたのですが、今、増田先生の御指摘のような新しい知見が出てきているということであれば、それを今回の検討会の調査対象にして、それを踏まえて評価していく。あるいは、これまでの範囲の決定が適当であったかどうかの検討を進めていくということはむしろ必要なことだろうと思います。
 そういう意味で、私が新しい調査をすることに反対だという趣旨ではございませんので、御理解いただければありがたいと思います。
○佐々木座長 ありがとうございました。
 そのほかに、資料2について。一ノ瀬構成員、どうぞ御発言ください。
○一ノ瀬構成員 確認させていただきたいのですけれども、私はもともと哲学倫理学の専門で、ちょっと場違いな感じですけれども、福島原発事故にもこういう問題に哲学倫理的なアプローチからいろいろと発言したもので、佐々木先生の下でも、ある別の委員会で御一緒させていただきました。
 確認なのですが、資料2の10ページで、先ほどから話題になっているところですけれども、健康診断特例区域の第一種と第二種というのがあって、私はこの問題はちゃんと向き合うことは初めてなのでお聞きしたいのですけれども、第二種というのは長崎のみとなっていて、これはどういう意味なのか。それで、10ページの第二種のほうを見ますと、健康診断でも、特に精神的要因に基づく健康影響、精神医療受給者証を交付と書いてあります。これが長崎のみということは、逆に言いますと、広島で似たようなことに関しては当てはまらないということになりますね。歴史的な経緯かと思いますけれども、これはどういうことなのかを伺いたい。
 もう一点、精神医療受給とか、被爆体験による精神的要因に基づく健康影響という言い方なのですけれども、これは要するに黒い雨を浴びてしまって、放射線の被曝を受けてしまったのではないかということについての不安に起因する健康影響ということなのですか。それとも、それ以外のものも含むのでしょうか。例えば外部の人から、黒い雨を浴びた人ではないかという捉えられ方をしてしまうことに起因する健康影響も含まれているのでしょうか。
 その2点をお伺いしたいと思います。
○佐々木座長 ありがとうございます。
 まず、事務局から御発言いただけますか。
○丸山課長補佐 今、一ノ瀬構成員の御指摘の点でございますが、資料2の32枚目を御覧いただきたく存じます。私の説明が足りなかったことをおわび申し上げるのですが、まず、長崎だけにこれが設けられているのは、長崎だけこういった科学的証拠が集められたということでございます。
 その証拠とは何ぞやというところが、平成13年8月の検討会報告書と書かれている点線囲いの中でございます。被爆体験がトラウマとして今もなお不安が続きと書かれておりますが、これ自体は、原爆由来の放射能が直接そこに行ったということは考えにくいと。長崎自体は雲も含め東向きに流れていったと言われているのですが、地図を見ていただければ、西側でも指定がされている地域が御覧いただけるかと思います。なので、これ自体は放射能というわけではなくて、長崎でいえば五百数メートルの時点で原爆が炸裂し、光を見たという方もいらっしゃれば、爆発に伴って長崎のほうから物が飛んできたといった方もいらっしゃいますし、人によっては、長崎のほうから避難をしてきた方々がいたと。山で遮られていても当然、音は伝わりますので、そういった被爆体験、御本人の体験自体がPTSDをはじめとした精神的なトラウマとなっているということが一番の基本にございます。
 これに基づいて、精神上の健康に悪影響があるということが当時のデータで出ておりますので、そういった形で、下の括弧囲いにございますが、この地域にいらっしゃる方々は健康診断を受けていただいて、マル1の対象者のところです。こういった特定の精神疾患にかかっていると認められる方々ということで、この精神疾患がマル3の中に書いてある気分障害であるとか、神経症、ストレス関連障害、睡眠障害、その他依存症と書かれていますけれども、こういった御病気にかかられている方々に対して、医療費を支給するということでございます。
 そして、現在の医学では、こういった精神疾患を契機とした身体疾患を続発するということが知られておりますので、心身症と言っておりますが、こういった周辺の疾患に対しても医療費を支給するというのが現在の長崎の第二種健康診断特例区域で厚生労働省としてやっている事業でございます。
 広島については、平成22年のときに精神的な健康影響も含めて調査がなされていたのでございますが、これは少し戻っていただきますと、資料2の27枚目で広島の経緯をまとめさせていただいております。真ん中の24年7月の報告結果というところで、マル2という形で、精神的健康状態の悪化は、同じように放射線被曝を直接の原因とするものではなくと、長崎と似たような形になっているのですが、ここで明らかにPTSDなどの精神的な御病気に罹患しているということが確たるデータとして得られていなかったのが当時の報告でございます。ですので、広島には第二種健康診断特例区域といったものが現状設定されていないということになります。
○佐々木座長 ありがとうございました。
 私は長崎の検討会にも関わっておりましたし、広島県の調査の後のいわゆる黒い雨に関連する検討会の座長を務めました。今の御説明のとおりだと思いますが、一ノ瀬構成員の言われた第2の御質問に関して、ここで主として議論になったのは、御自分が黒い雨を浴びたという体験をしておられて、黒い雨は放射能を帯びているということから、放射能あるいは放射線による健康影響を受けているのではないかという不安を持っておられる方たちがおられて、それは少なくとも精神的な影響はあるだろうと判断されました。それについて対応をしたということです。そういう議論はたくさんしたのですが、黒い雨体験者が周りの方から差別されるというか、そういうことによる精神影響という話はあまり議論にならなかったと思っております。
 一ノ瀬構成員、以上の御説明でよろしいでしょうか。
○一ノ瀬構成員 福島原発事故後の福島の漁業関係者の方の抱いているような不安もそれと似ているところがあるかなと思ったので、ただ、漁業関係者に関しては、今回の福島原発事故に関しては補償ということが考えられていますけれども、原爆の被爆者の方々に対してはどうなのかなと思ったので質問させていただきました。
○佐々木座長 ありがとうございます。
 資料2に関連して、ほかに御発言はありますでしょうか。
 鎌田構成員、お願いします。
○鎌田構成員 増田構成員のほうから、大雨あるいは小雨ということでの再検討という御発言がありましたが、私はもう一つ加えてほしいと思うのです。微粒子ということです。この10年間の間に、爆発に伴っていろいろな放射線が出てきますけれども、微粒子が大きなものもあれば、非常に小さいものもあるということです。事実、小さな粒が350キロ離れた静岡まで飛んでいるのです。それでお茶を購買するのを中止したというような政策もありましたし、100キロ以上離れている栃木でも、ミルクの出荷をやめたということも事実あったわけですので、そういう意味から、原爆でも同じようなことが、大雨でも小雨でも、雨が降るという状況があるから出てくるのですけれども、そういうところではないところに、乾燥した格好でのものがある。そこには微粒子があるわけですので、ぜひ微粒子という観点からの気象のほうでの検討をいただきたいと考えます。
 よろしくお願いします。
○佐々木座長 ありがとうございます。
 事務局から御発言はありますか。
○丸山課長補佐 事務局でございます。
 御指摘ありがとうございます。おっしゃっていただいたとおり、雨だけではなくて、放射性物質がどのような分布をしたのかというのが非常に大事な検証のポイントだと思っておりますので、専門用語でいくと、それは乾性沈着と言うのだと御教示いただいた方もいらっしゃるのですが、そのような乾いた状況でどうやって落ちていったかということも含めて、検証の対象とさせていただきたく存じます。
○佐々木座長 まだ御意見があろうかと思いますけれども、御意見があれば事務局のほうにまたお送りいただくようにお願いしたいと思います。
 次に、資料3とその説明について、御質問あるいは御意見がありましたら御発言をお願いいたします。
 木戸構成員、お願いします。
○木戸構成員 私は、物理も気象学も法学も分からない一人の被爆者として発言させていただきたいのですけれども、資料3で最初に基本的考え方ということで、原子爆弾被爆者対策基本問題懇談会意見報告に基づきとなっているわけですけれども、それについて、どうも被爆者はええっという思いをするのではないか。
 この基本問題懇談会というのは、参考資料1の関係条文に基本問題懇談会の答申があります。その1ページに、こういう具合に原爆投下を評価しているというか、書いているわけです。広島及び長崎における原爆投下は、歴史始まって以来、初めて人類に対して原爆の恐るべき威力を発揮したものである。これによる原爆被害は悲惨極まりないものであった。すなわち、その無警告の無差別的奇襲攻撃により、前代未聞の熱線、爆風及び放射線が瞬時にして広範な地域にわたり、多数の尊い人間の命を奪い、健康上の障害をもたらし、人間の想像を絶した地獄を現出したと。この原爆が人類にもたらしたその姿、それを踏まえて、原爆被害に対するいろいろな政策がなされるべきではないかという具合に思うわけです。
 ところが、この基本懇ではどのように言っているかというのが、今日配られましたスライドの12ページだと思いますけれども、これは基本問題懇談会の基本理念が本当にこの4つにまとめられるのだろうかと思うのです。少なくとも基本懇では、ひいてはそれが戦争終結へと書いていますが、この惨禍で危うく死を免れた者の中にも、原爆に起因する放射線の作用によりということで、原爆被害を放射線の作用というものに限定している。これで本当に原爆被害に対して行政として応えることになるのだろうか。そこのところはどうも被爆者としてううんと、一言で言えば納得できない。
 私自身は、5歳のときに長崎で被爆しました。ちょうど2キロぐらいのところでしたけれども、母は顔と胸をやけどして動けなくなって、すぐに顔が腫れ上がって何も見えなくなったのですが、翌日、戸板に乗せられて被爆地の中心辺りを通って疎開した。私は土を運ぶ籠に乗せられた。5歳ですから、全体を見ていないのです。大体道路上の姿だけしか見ていないのですけれども、爆心地に近づくにつれて、とにかくごろごろ死体が転がっているのです。水を求める人なのです。そして、浦上川の大橋には、いっぱいの死体が浮かんでいた。そういった現実。そして、その一番の犠牲者は死者なのです。その死者に対しては一切の援護措置もないというのが現実なので、そういったここで書かれている原爆被害の全体に対して、きちんと補償していく。私たちは国家補償と国の償いと言っておりますけれども、それを前提にした政策でなければ、この原爆被害の問題、黒い雨も含めて諸問題はずっと解決できませんよ。やはり原爆被害の根本のところで、きちんと政府は対応していかなければ、いつまでも解決できない問題ではないだろうかと。
 まだいっぱい言いたいことはありますけれども、時間の関係で、以上にとどめさせていただきます。
○佐々木座長 ありがとうございました。
 事務局から何か御意見はありますか。
○丸山課長補佐 事務局でございます。
 恐縮ながら、我々としては資料2の12ページ自体は、参考資料2として今、まさに木戸構成員からお読みいただいたのは報告書の中の文であると理解はしておりますが、その冒頭についている概要の部分を抜粋させていただいたものでございますので、我々のほうで何か当時のものに加工したというものではないことだけ申し添えさせていただきます。
○佐々木座長 木戸構成員のお話は大変に心にしみる大事なお話なのですが、この委員会はそういった政策を決められる委員会ではないものですから、先ほど荒井構成員からのお話もあって、被爆者援護法がこれにかかるのかどうかという問題はありますけれども、被爆者援護法の範囲内で私たちは議論するしかないのかなと思います。それを超えた大きな問題であろうとは思いますが、ただ、そういったことを十分認識した上で、議論をしていかなければいけないと思っております。ありがとうございました。
 資料3について、御意見があればお願いいたします。
 事務局、お願いします。
○丸山課長補佐 事務局でございます。
 本日、御欠席の山澤弘実構成員から、資料3について事前に御意見をいただいておりますので、恐縮ですが御紹介させていただきます。先生からいただいたメールで書いてあった内容を読み上げさせていただきます。
 基本的考え方については、よいと思います。検証は科学的・合理的根拠に基づくことが大事である。過去の検証、データを正確に把握した上で、今般の検証に当たっていただきたい。検証ワーキングでの検証の結果、科学的に明らかにある、なしが言えるほかに、不確かな部分が出てくる。検討会においては、科学的には十分な評価ができないことも想定しながら、今後議論を進めていくべきであると。
 個別検証課題について、マル1の気象シミュレーションとマル2の土壌調査について御意見をいただいております。内容を読み上げます。
 気象シミュレーションについては、最新のモデル及びデータに基づいて、何らかの計算結果が得られると考えられ、参考情報となるが、当時の気象状況をどの程度再現したものかの確認は難しく、シミュレーションのみから結論を導くのは困難であると想定される。したがって、今般の検証が気象シミュレーションだけに頼り過ぎないようにすることが重要である。目的B、雨による原爆由来の放射性物質の分布の検証において、放射性降下物の核種は核分裂で決まるので、相応の評価は可能である。問題は、前述の気象の再現に加えて、初期状態における放射性物質の三次元的な空間分布だと考える。ここがどこまで再現できるかは難しい課題と考える。放射性物質の沈着については、湿性沈着と乾性沈着があるが、湿性沈着は東電福島原発事故の再現計算において、最新の技術でも予測は難しいと認識されている。非常に挑戦的な検証となるだろうということと、不確実さの原因となり得ると思う。
 土壌調査について、土壌から放射性物質が見つかれば、最も信頼できる強固なエビデンスとして評価できるものである。過去の調査をしっかりレビューするとともに、ワーキンググループでしっかり確認していただきたい。
 気象シミュレーションと土壌調査の相互連携は必須である。近年のシミュレーションは4次元同化と呼ばれる実測値を使ってシミュレーションを修正する技術が用いられているので、今般の計算でも検討されたい。
 以上の御意見をいただいております。
○佐々木座長 ありがとうございました。
 関連して、あるいは資料3に関連して、御意見があればお願いいたします。
 荒井構成員、まずお願いします。
○荒井構成員 荒井でございます。
 資料3の2ページの2の具体的な検証課題の案についてでございます。気象シミュレーションのところで目的がA、B、Cと書いてありまして、先ほどの増田先生の御説明なり事務局の御説明から、いわゆる黒い雨を意識しておられることは十分理解できたわけですけれども、問題は黒かろうと透明に近いものであろうと、雨の中に健康に影響を及ぼすような放射能があったのかどうかというところがポイントだろうと思うのです。
 しかしながら、社会的に申し上げると、黒い雨をかぶったということが、経験された方々にとっては大変重い意味を持つということでありますので、2ページの説明書きでは黒い雨ということは十分意識はされていると思うのですけれども、A、B、Cの例えばBの中の雨による原爆由来の放射性物質の分布の検証という中に十分含まれるとは思うのですが、黒いものが一体何なのかということを十分意識して、御調査、取りまとめをお願いしたいと思います。
○佐々木座長 ありがとうございます。
 事務局、何か御発言はありますか。
○丸山課長補佐 事務局でございます。
 貴重な御指摘、ありがとうございます。そういった意味では、目的Bで「雨による」の4文字は不要なのかなと、先生の御意見をいただいて思った次第です。きちんと原爆由来の放射性物質がどう分布したのか、手段を問わずということだと理解させていただきました。ありがとうございます。
○佐々木座長 ほかに。
 増田構成員、どうぞ。
○増田構成員 1ページ目の○の3つ目の検証課題の中の原爆由来の放射性物質を確認する課題というのは、具体的にはどういうことをなさろうとしていらっしゃるのかが分からないので教えていただきたいのです。
 というのは、御存じのように、原爆が投下されてから、たしか3年後から核実験が行われていて、ほとんどそういう意味では、資料にも出ていますが、核実験の影響を分離することができないという結論が出ていますが、具体的にはどのようになさるつもりなのかという点を1つ質問させていただきます。
 もう一つは、数値シミュレーションの問題ですけれども、数値シミュレーションは、私も気象庁の電子計算室に勤めていたことがありますので、こういう問題にも取り組んできました。数値シミュレーションが正確になるためには、まず3つの条件が必要だと思います。1つは初期値。初期値が正確でなければ、幾らモデルが正確であっても駄目です。ここにはイギリスのヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)で、最近AIを使って上層のパターンまで実際に出されていますが、それがどの程度の精度なのかというのは確かめようがないのです。そういう意味では、初期値をどうするかということが一番大きな問題です。
 もう一つは、北半球全域あるいは全球モデルということです。しかし、失礼な言い方かもしれませんが、たった1日の予報には全球のデータは必要ないのです。これは私の考えで、岩崎さんからは反論があるかもしれませんが、いわゆる地域モデルで十分です。それより一番問題になるのは、境界条件が正確であるかどうかです。
 もう一つは、何といってもモデルの精度がいいかどうかです。正直に申し上げて、吉川さんがおやりになったのは、海陸風の上昇気流程度しかシミュレーションできない数式を使っておられるから、あのシミュレーションでは駄目です。最近は非静力学のモデルができるようになっていると思いますが、どの段階からシミュレーションするか。爆発した時からというのは、恐らく不可能ではないかと思う。そうすると、初期値にどのような放射性物質が分布していたかを正確に与えなければなりません。これは本当に難しいのではないかと思います。そういう意味では、せっかくおやりになるということですが、果たしてシミュレーションでそういうことが言えるのかどうかという点は、検討していただきたいと思っております。
 私自身は、ぜひ皆さんで御討議いただきたいと思うのは、黒い雨の地域のほかに、チリの降った地域も検討項目に加えていただきたいということです。先ほどもお話がございましたが、黒い雨が降っているよりももっと広い範囲に細かいチリが降っているわけです。実は私は飛散降下物の領域も調べていて、それは黒い雨よりもずっと広い範囲に降っているのです。したがって、そういう意味の内部被曝の問題が非常に重要だと思いますが、そのためには、正確に黒い雨の地域、あるいは微量物質が飛んでいった地域まで、もっと正確な分布図を出すことが決定的ではないかと思っています。
 そのためには、すばらしいデータがあるのです。それは被爆者が出された被爆者の手記集です。広島国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の中には、7万篇ぐらいのデータがあるのだそうです。そのうちの公開されているものだけを使って、それがPDF化されていれば、例えば「雨」で検索すれば、少なくともかなりの数の雨の資料が入る。あるいは、紙が飛んできたとか、紙幣が飛んできたなどという記録が幾らでもありますから、そういうのを使えば、どこまでチリが散らばったのかという点も、ある程度の精度でできるのではないかと思います。せっかく47都道府県ごとにつくられている原爆被爆者の手記集をぜひPDF化して、コンピューターで検索できるようなことを計画していただければと思っております。
 ひとつ御検討いただきたいと思います。
○佐々木座長 ありがとうございます。
 事務局、この点について何かありますか。手記集のPDF化とその解析ということを含められるかどうかというのは、一度御検討いただきたいと思います。
 それから、数値シミュレーションがどこまでやれるのか。新しい科学的な知見でやれるのではないかというお話を先ほどいたしましたけれども、専門的なことは私は分からないのですが、これに関して、委員の方で何か御意見がある方はいらっしゃいますか。
 岩崎構成員、お願いします。
○岩崎構成員 今、増田構成員がおっしゃったとおり、過去の事例に関して、特に戦時中という75年前の事例に関して正確なシミュレーションをすることはなかなか困難であると考えております。現在の天気予報においては、非常にたくさんの観測データを用いて、初期条件を正確にするということがとても大事でございます。もちろん野心的な試みとして、過去の天気図を再現する試みはなされているのですが、しかしそれに関する精度に関しては、非常に慎重に考える必要があるというのが1点でございます。
 2番目の問題として、数値シミュレーションのモデルを正確にするということは、どんどん時代とともに進んでいるのですが、原爆が爆発したときに、その熱がどのように出たかとか、そのときにどのように放射性物質が分布したかということに関しては、あまり気象学の天気予報と直接関係のないものですから、十分経験していない野心的な試みになると思います。そこのところも慎重に考える必要があるということです。
 3番目として、気象のシミュレーションというのは、結局いろいろと不確実性があり、現在では、その不確実性を定量化するというところに進んでおります。この問題の場合にも、数値シミュレーションの結果がどの程度確実であるかという情報をぜひ提供していただければと考えております。
 以上でございます。
○佐々木座長 ありがとうございました。
 鎌田構成員、どうぞ。できるだけ簡潔にお願いいたします。
○鎌田構成員 初期条件が大事なのですけれども、事務方のほうで調べてほしいものがあるのです。というのは、原爆は4トンあって、その中の60キロがウラニウムなのです。そこで威力というのは計算できるのですが、ウラニウムを包んだ外装が鉄でできていたのか、タングステンも一部入っているということが分かっているのですけれども、内容はアメリカ側から公表していないのです。爆発したときに散り散りばらばらになるわけですから、それがどれぐらいの量あったのか、鉄以外にどういう成分があったかというのははっきり分からないと、今、岩崎構成員が言われたように、初期条件を設定しにくいと思うのです。ぜひその辺を事務のほうで、アメリカから提供してもらうように努力していただきたいと思います。
 以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。
 数値シミュレーションについては大変難しい挑戦のようでございますが、これは検討ワーキンググループでできる限り精緻な検討をどこまでできるか。そこまで精度があるかということも含めて、御検討いただくことになるのではないかと思います。
 それに当たって、米国の資料も集める予定であると伺っておりますので、そういう中で、今の鎌田構成員の御要望にも応えられるといいと思います。
 それから、増田構成員が御発言の手記集をどうするかということについては、事務局で御検討を。御発言をお願いします。
○丸山課長補佐 座長、ありがとうございます。
 手記集については我々の念頭になったものですから、実態がどういうものかも含めて、調べさせていただきたく存じます。ありがとうございます。
 鎌田構成員からの御指摘の件は、若干軍事機密であろうとは思いますが、アメリカについては一定の年数を超えるときちんと公表しているという趣旨で、具体的な検証課題のマル3では気象状況等と書かせていただいておりますが、その中で、先生の御指摘の部分の該当書類が公開されていないかも含めて対象とさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○佐々木座長 実は時間を過ぎておりまして、大変申し訳ないのですけれども、資料3について、ぜひ今、発言されたい方。
 先に柴田構成員、一ノ瀬構成員、いずれも簡潔に御発言いただければと思います。
 柴田構成員、お顔が見えたので御発言なさるつもりかと思ったのですが、よろしいですか。先に一ノ瀬構成員、簡潔にいただきます。
○一ノ瀬構成員 簡潔に。資料3の3ページのマル5、広島原爆体験者に対する相談支援事業受診者の疾患罹患状況の統計解析、アンケート調査という一番最後のところですけれども、広島県とも協力し、がん登録を活用するなど各地域のがん罹患状況を年齢区分別に集計する云々とありますが、各地域のがんの状況というのは、広島県内のことなのですか、それとも、全国のどこか別のところなのでしょうか。
 別のところとの比較が望ましいと思うのですけれども、もしそうだとすると、広島県と同じくらいの精度でそういうデータがあるのかどうか、その辺りを確認させてください。
○佐々木座長 事務局、お願いします。
○丸山課長補佐 事務局でございます。
 御指摘ありがとうございます。現時点で想定しているのは、広島県内での比較でございます。がん登録自体は既に全国でがん登録法が平成20年代中盤に整備されておりまして、どの県でも一定のがん登録を行うこととなっております。なかなか悩ましいと思って広島県内にしておりますのは、生活習慣の差によってがんの地域分布がございますので、基本的には同じような生活環境という趣旨で、広島県内で区切ってはどうかというのが第1案ではございますが、検証の中で、先生がおっしゃるように、実は違う地域とも比較したほうがいいという御指摘があれば、その方向性もきちんと検討させていただきたいと思っております。
○佐々木座長 一ノ瀬構成員、よろしいでしょうか。
○一ノ瀬構成員 ありがとうございました。
○佐々木座長 柴田構成員、御発言はありますか。
○柴田構成員 柴田です。
 先ほど一ノ瀬先生が尋ねられた件と同じなのですけれども、がん登録は全国的なので、必要があれば全国のものと比べる。それから、移動している可能性もあるので、そういうときにも必要になるかなと思っています。
 以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。
 そろそろ最後にしたいのですが、永山構成員、どうぞ。
○永山構成員 すぐに終わります。
 気象シミュレーションに関してですけれども、いろいろな資料を読んでいるうちに気づいたのですが、参考資料7-2、広島“黒い雨”放射能研究会の報告書ですけれども、10ページのマル9に、今後、青山グループによる気象データを使った線量計算の世界的な計算を募集する計画があるがこの成果を期待するという文章があって、10年前の文章なのですけれども、この10年間、何か青山グループでやられているのかどうか。やられていれば参考になるのかなと思うのです。
○佐々木座長 事務局、いかがでしょうか。
○丸山課長補佐 事務局でございます。
 今、御覧いただいている同じ参考資料7-2の46ページからが、永山構成員が御指摘のどういったことをやるべきかという論点を48ページまでにわたる3枚で整理されている内容になっております。その後について、この検証に関わられていた先生に取材させていただきましたが、気象の公募自体は実施ができなかったと。それは予算的な制約もそうですし、先ほど申し上げたようなモデルがその水準まで当時は達していなかったということが2大要因であると御教示をいただいております。
○佐々木座長 永山構成員、よろしいでしょうか。
○永山構成員 分かりました。ありがとうございます。
○佐々木座長 小池構成員、御発言をお願いします。
○小池構成員 広島市の小池でございます。
 まずもって8月に厚生労働大臣から、拡大について再検証を行っていただけるという発言があって、その後、この研究会の開催にこぎ着けていただいた事務局の皆様には本当に敬意を表したいと思います。ありがとうございます。
 この後、説明があるのかもしれませんけれども、この後のスケジュールというか、今日の御議論の中でも、かなりハードルの高い検証がなされるというようにお聞きいたしておりましたが、どんなスケジュールで、いつ頃までにこの結論が出るのか。あるいは、その前提として、このワーキンググループのほうの運営の仕方等についても御説明があればお願いしたいと思います。
 以上です。
○佐々木座長 事務局からお願いいたします。
○丸山課長補佐 再び事務局で失礼いたします。
 今後の方向性でございますが、資料3で我々事務局としてこういう御提案をさせていただいているわけですが、本日いろいろといただいた御指摘を踏まえて、この検証課題の中身については修正をさせていただきたいと思っております。
 今後の検証については、基本的に公募をさせていただいて、速やかに検証に移りたいと思っています。一部、マル4のような広島赤十字・原爆病院という、明らかにここに調査したいものがあるといったものは除いて、そのような形式で可及的速やかに検証を開始させていただきたい。
 これに関連して、来年度、令和3年度の概算要求で合計1.5億の予算要求もさせていただいておりますので、それと併せて、当然、資料3の基本的な考え方に書かせていただいたとおりなるべく早く検証を進めさせていただいて、今回5つに分けさせていただいておりますので、それについて報告をという形でまとまり次第、この検討会で順次、御報告をさせていただきたいと思っております。
 また、全てが取りまとまらなくてもその都度、例えばほかの検証ワーキングの報告の際に、ほかの部分は今どういった進捗かということも併せて検討会の皆様に御報告していくようなことを現時点では想定しております。
○佐々木座長 小池構成員、よろしいでしょうか。
 これからお認めいただかなければいけないわけですが、検討ワーキンググループの進捗状況に応じて、全体がそろわなくても、1つでも進捗すれば、その都度、この検討会でもまた議論をするという予定のようだと理解しております。
 それでは、御意見もほぼ出そろったと思います。もしまだ御意見等がありましたら、事務局に直接お送りいただきたいと思います。
 そして、本日いろいろと御意見もいただきましたので、そういったことも踏まえつつ、事務局から5つの課題が提案されております。気象シミュレーション、土壌調査、文献調査、カルテ調査、疾患罹患状況調査に関する検証ワーキンググループを設置して、個別の検証を進めていくということでありますが、これについて御同意いただけますでしょうか。

(首肯する委員あり)
 

○佐々木座長 ありがとうございます。
 それでは、そのような方向で進めていただきたいと思います。
 この5つの御提案を了承いただいたといたしまして、事務局においては、ワーキンググループの設置に関わる準備、その進捗をよろしくお願いいたします。
 最後に、事務局から御発言があればお願いします。
○山本室長 構成員の皆様、貴重な御意見等をありがとうございました。
 座長からもございましたように、追加で御意見等がございましたら、11月20日金曜日までに事務局まで送付をお願いいたします。
 それから、机上配付しております参考資料のファイルでございますが、再利用したいと思っておりますので、机上に置いたままにしていただければと思っております。そのほかの資料はお持ち帰りいただいて結構です。
 次回以降の日程等につきましては、別途事務局より御連絡をさせていただきたいと思います。
 以上です。
○佐々木座長 荒井構成員、どうぞ。
○荒井構成員 ちょっとお尋ねしたいのですが、この会議は基本的には公開とするということで要領をいただいておりますが、今日、傍聴されておられる方々というのは、主としてプレスの方々なのでしょうか。関係者の方々は分かるのですが、それに関連して、恐らく会議が終わるごとにプレスの方々からいろいろ取材要請があると思うのです。それについて、何かこの会議として方向づけがあるのか、それぞれの良識に任せるということなのか、その辺りをお願いいたします。
○佐々木座長 事務局、お願いいたします。
○丸山課長補佐 事務局でございます。
 御指摘ありがとうございます。本日でございますが、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、傍聴に来ていただいているのはメディア、プレスの方々のみでございまして、一般の傍聴の方はユーチューブでのストリーミング配信という形にさせていただいております。
 これについては、最終的な公式な会議概要は、追って先生方に発言内容を含め議事録を御確認いただきたいと思っている次第です。その後、厚生労働省といたしましては、本日の会議概要のまとめについては、この会議が終わりました後、一定の時刻後にさせていただきたいと思っております。
 こういった感染状況もございますので、メディアの方々におかれましては、各個別の取材についてはなるべく御遠慮いただきますよう、事務局のほうからお願いさせていただければと存じます。
○佐々木座長 1つ確認ですが、議事録を作って、各委員の御了承を得て、公表するという予定ですか。
○丸山課長補佐 御指摘のとおりでございます。
○佐々木座長 よろしいでしょうか。
 それでは、座長の不手際でございますが、予定の時間を過ぎてしまいまして、申し訳ありませんでした。
 これをもちまして、本日の会議を終了したいと思います。大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 今後ともよろしくお願いいたします。
(了)